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2015年12月25日 第32回社会保障審議会年金部会議事録

年金局

○日時

平成27年12月25日(金)14:00〜16:00


○場所

東京都千代田区内幸町2-1-1
イイノホール&カンファレンスセンターRoomB


○出席者

神 野 直 彦(部会長)
植 田 和 男(部会長代理)
小 塩 隆 士(委員)
菊 池 馨 実(委員)
駒 村 康 平(委員)
小 室 淑 恵(委員)
武 田 洋 子(委員)
出 口  治 明(委員)
原   佳奈子(委員)
平 川  則 男(委員)
藤 沢 久 美(委員)
牧 原  晋(委員)
宮 本 礼 一(委員)
森 戸 英 幸(委員)
山 口  修(委員)
山 本 たい 人(委員)
米 澤 康 博(委員)
伊 藤  隆 敏(委員)
岩 間 陽一郎(委員)
菅 野 雅 明(委員)
堀 江 貞 之(委員)

○議事

○神野部会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから、第32回の「年金部会」を開催したいと存じます。
 いよいよ年の瀬も押し迫り、委員の皆様方には何かとお忙しいみぎりに万障繰り合わせて御参集いただきましたことを深く感謝を申し上げる次第でございます。
 本日の委員の出欠状況でございますけれども、佐藤委員、諸星委員から御欠席との御連絡を頂戴しております。
 御出席いただきました委員の皆様方が3分の1を超えておりますので、この会議は成立しているということをまず御報告申し上げる次第でございます。
 本日の議事は、議事次第にもございますように、「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方について」を予定しておりますので、専門委員である、御帰国されている伊藤委員、それから、岩間委員、菅野委員、堀江委員にも議論に御参加していただくこととしております。
 それでは、議事に入ります前に、事務局から出欠者の御紹介と、それから資料の確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○総務課長 まず事務局からの出席者ですけれども、お手元に座席図を準備させていただいております。このとおりとなっておりますので、御紹介にかえさせていただきます。
 資料の確認をさせていただきます。本日配付資料といたしまして、
資料 GPIFガバナンス強化のイメージ(案)
参考資料1 GPIF関係
参考資料2 12月8日の社会保障審議会年金部会における主な意見(年金制度改正関係)という形で配付させていただいております。
 また、前回、若干時間が不足したこともございますので、委員の先生方から紙で意見を提出していただいているものを束ねたものを配付させていただいております。こちらにつきましては、後ほど、御提出の先生方のほうから適宜補足して御説明いただければと思います。
 それから、前回の部会で御指摘がございましたので、机上に議事録と、それから、GPIFのガバナンスの在り方の検討作業班の資料、議事録をファイルにとじて準備させていただきましたので、適宜御参照いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○神野部会長 お手元の資料、不足はございませんでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、大変恐縮でございますが、カメラの方々にはここにて御退室をお願いしたいと存じます。御協力いただければ幸いでございます。
 それでは、議事のほうに入らせていただきたいと存じます。
先ほど申し上げましたが、お手元に配付してございます議事次第をごらんいただければと思いますが、「年金積立金の管理運用に係る法人のガバナンスの在り方について」という議事を設けさせていただいております。これは、前回、私のほうからも御説明させていただいたとおりでございまして、年金積立金の管理運用に係る法人については、ガバナンスの強化と運用の見直しという、相互に関連いたしますけれども、大きく2つのテーマがございます。今回につきましては、前回示唆いたしましたように、ガバナンスに焦点を絞りまして、より具体的な御議論を頂戴できればと考えております。
 ガバナンスの強化についてでございますけれども、本日、前回御案内申し上げましたとおりに、事務局から、本日までの議論を踏まえて一つのイメージ案にしたものを用意していただいております。また、前回、私の不手際もございまして、議論を尽くせなかったといいましょうか、議論の時間に限りがございましたので、複数の委員の方々から文書で意見を頂戴しております。まず、事務局のほうからイメージ案について御説明していただいた上で、各委員からの、文書で提出していただいた御意見を含めて御質問や御意見を頂戴したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局のほうから御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 資金運用参事官室の宮崎でございます。座って説明させていただきます。
 お手元の資料「GPIFガバナンス強化のイメージ(案)」という資料をごらんいただければと存じます。
 まず最初に、一番最後の7ページをお開きいただければと思います。本日お出ししておりますイメージ案につきましては、部会長より御指示のありました議論を前に進めるために、具体的な案を示したものです。、これまで、昨年10月からの本年金部会、あるいは作業班での議論、あるいはこの間いただいた御意見を踏まえまして一つの姿というものをお示ししていますけれども、その中で特に合議制機関と執行部との関係につきまして、作業班で意見が割れていた部分を整理した関係上、まずそこから御説明させていただきます。
 作業班の中では、この合議制の機関と執行部との関係につきまして、3案、御議論がございました。A案としては、執行部は、合議制機関に加わらない。説明のために出席することは可能という案。B案は、執行部の長のみ合議制機関に加わり、合議制機関の長の兼務はできないという形。C案は、執行部の長以外の執行部も合議制機関に加わり、執行部の長が合議制機関の長を兼務することも可という3案を御議論いただいたという経緯がございます。
 そして、作業班の中では、この3案につきまして簡単な決をとった経過もございますけれども、その際には、A案、B案、C案それぞれに投票が分かれたということでございます。そして、相対的にはB案が多かったということですけれども、続いてC案も投票された方が多かったという状況でございました。
 A案のポイントといたしましては、合議制機関により執行部への監督・監視機能を徹底するという点がポイントになります。類例といたしましては、カナダのCPPIB、あるいはスウェーデンのAPファンド、国内の他の組織ではNHKという組織がこうしたA案の類型に当たろうかと思います。
 ただ、このA案の場合ですと、執行部の関与が説明のみになるために、意思決定に際して、運用の現場・実態との乖離が懸念されるのではないかという課題もあろうかと思っております。
 B案、執行部の長のみ合議制機関に加わるという案でございますけれども、これにつきましては、執行部の意見を意思決定に反映させつつ、監督・監視機能を確保するということです。A案と、後ほど御説明しますC案の中間的な案だと思っておりますが、課題といたしましては、執行部から加わる者が1人のみで、運用の意見の反映に懸念があるのではないかという点もあろうかと思います。
 C案では、執行部の長以外の執行部も合議制機関に加わるということで、合議制機関と執行部の円滑な意思疎通、あるいは外部への効果的な説明、組織の簡素化に資するのではないかという点がポイントかと思います。
 国内の類例といたしましては、日本銀行、あるいは日本郵政株式会社が該当しようかと思います。
 このC案につきましては、一方で、常勤の執行部が複数人加わる中、他の委員を非常勤とした場合に、十分なガバナンスが発揮できるのか、あるいは執行部の役員の任命は執行部の長ではなく大臣が行うこととなるわけでございますけれども、そのような場合には執行部内のリーダーシップについて検討が必要ではないかという課題があります。
A案、B案、C案それぞれに、ポイントとなる点、一方で課題等があったと認識しております。
 今回のまとめてお示ししておりますイメージ案におきましては、このA案、B案、C案のうち、B案、構成員としては外部の委員の方の中に執行部の長のみを加えるという仕組みでございますけれども、ここにC案の問題意識を加味して、より運用の現場実態を意思決定に反映できるような、いわばB案とC案の折衷案というようなものをベースとして新しいガバナンスのイメージをつくり、お示ししているところでございます。
 少し詳しく御説明してまいります。1ページお戻りいただいて6ページをごらんいただければと思います。6ページは、前回、12月8日の本年金部会におきまして提示いたしました論点1、2、3にそれぞれ沿いまして、今回のイメージ案との関係を整理したものでございます。
 論点1として、「合議制機関の在り方」について挙げてございました論点1の1点目、合議制機関のメンバーの選任方法をどのようにするのかという論点について、作業班では、拠出者の意見を反映すべきではないかというような御意見や、あるいは指名委員会等を設けて透明性を確保するべきではないか等々の御意見があったと承知しております。
 今回のイメージ案におきましては、社会保障審議会に会議体を新設いたしまして、任命基準について審議をいただき、当該基準に基づいて厚生労働大臣が任命するというような仕組みを記載しております。
論点1の2番目の論点といたしまして、どのような専門性を求めるのかという点もございました。作業班におきましては、多様な知識・経験を持つ人材を選ぶべきだというような御意見等々ございましたけれども、このイメージ案におきましては、現行の運用委員の要件である「経済」「金融」に加えまして、「資金運用」「経営管理」を要件として加え、また、学識経験に加えまして実務経験という専門性を持った方に入っていただくとさせていただいております。
 3点目でありますが、拠出者の意向をどのような形で反映させるのか。マル1の選任方法との関係を含めてどのような形で反映させるのか。また、合議制機関のメンバーとする場合に、その人数や専門性との関係をどうするのかという論点がございました。ここにつきましては、先日の部会におきましても、拠出者がメンバー選任に関与すべきではないかという御議論などもあったかと承知しております。
 イメージ案におきましては、社会保障審議会に新設する会議体に拠出者の代表の方に参画いただくということ、また、合議制のメンバーとして労使の団体から各1人を推薦するというようなことでをとりまとめております。
 4点目でございます。合議制機関の規模、メンバーに求められる条件ということでございますけれども、これにつきましては、現行のGPIFの理事長、理事と同等の守秘義務の徹底、あるいは利益相反の禁止等の規定を設けるということでイメージ案を作成しております。
 大きな論点の2点目であります。「合議制機関と執行機関の関わり方」ということで、マル1として合議制機関と執行部の緊張関係をどのような形で担保するのかという点でございます。この点につきましては、先ほど7ページで御説明させていただきましたように、作業班において示された選択肢に関する整理を踏まえまして、作業班におけるB案にC案の問題意識を加味した形でイメージ案を策定しております。
 論点2の2点目でございます。合議制機関による適切な執行監視をいかに確保するかということでございます。作業班におきましては、この合議制機関について、執行全体の監督・監視を行う機能というものの御議論があったところでございますけれども、イメージ案におきましては、監督権限を持つ合議制機関の構成員からなる監査等委員会を設け、常勤委員の配置によりまして適切な執行の監視を確保してはどうかという案としております。
 論点2の3点目でありますが、委員会設置の要否についてでございます。ここにつきましては、作業班の中でも各種の委員会を設置するべきという案、あるいは、委員会の設置によって経営委員会の権限が形骸化するのではないか、合議体の権限が形骸化するので反対であるという御意見などがございました。
このイメージ案におきましては、上記監査等委員会を除きまして、それ以外の法定の委員会を設置しないということで整理しております。ただし、経営委員会の判断で事務を補佐するための各種委員会の設置は可能ではないかと。もちろん、その場合も意思決定は経営委員会で実施するという前提のもと、そのような方法もとれるのではないかということで整理しております。
 大きな論点の3点目でありますが、「厚生労働大臣の責任・役割」についてでございます。これにつきましては、作業班、あるいは部会での御議論の中でも、最終的な責任は大臣に置くべきではないかという御議論が多かったかと存じます。このイメージ案におきましては、1点目の厚生労働大臣が策定する目標と、これを受けて法人が策定する基本ポートフォリオの策定のプロセスにつきましては、運用の最終責任は大臣にあるということを前提として基本ポートフォリオ等については認可制とする。そして、合議制機関及び執行部の任命・解任に大臣がどのような形で関与するのかという点につきましても、最終責任は大臣にあるということを踏まえ、合議制機関及び執行部の長の任命は大臣が実施するという形で整理いたしております。
 このように、前回お示しいたしました論点1、2、3につきまして、それぞれ、これまでの議論を踏まえて整理した上で、具体的なイメージとしてお示ししたものが1ページ以下の事項でございます。
 お戻りいただきまして、1ページから具体的な項目について御説明させていただきます。まず、1ページ目の上段にこのガバナンス強化の方向性が書かれております。右側でございますが、独任制から合議制への転換を進めていくということ。基本ポートフォリオ等の基本的な事項の決定は合議体が実施するという点。「意思決定・監督」と「執行」を分離する。執行部を合議体が有効に監督し、執行部の責任と権限を明確化するため、両者を分離するという方向性としております。
 やや付言いたしますと、現在のGPIFにおきましても、現行の法制のもとで合議制というものをできる限り導入しておりまして、例えば執行部内でも投資委員会等の設置、あるいは現在設けられております運用委員会におきまして幅広く審議の対象を行っていただくことで必要なガバナンスを確保しているところでございますけれども、今後の、ここに掲げておりますような方向性に沿いまして、法制を見直した上で、どのようなガバナンスが考えられるのかということで今回のイメージ案をまとめているところでございます。
 1ページ目の1番、「合議制による意思決定の導入(経営委員会(仮称)の設置)」というところでございます。マル1といたしまして「経営委員会の事務」でございます。経営委員会の事務は、大きく分けて2つございます。重要事項の議決と執行部の職務の執行の監督でございます。重要事項の議決の中には、基本ポートフォリオを含む中期計画等、管理運用に関する重要事項、また財務諸表、役職員の報酬、制裁規定等の組織・経営管理上の重要事項が含まれてくるのではないかと考えております。
 マル2、「経営委員会の構成・任命等」でございますが、構成員は、経営委員(経営委員長を含む)9名と執行部の長1名、計10名で構成するという案にしております。被保険者及び事業主の立場を適切に代表し得ると認められる団体の推薦する者各1名を含み計10名ということでございますが、現行のGPIFの人数は、運用委員の方が7名、監事が2名ということで、この運用委員7名、監事2名という規模を踏まえまして、9名ということで設定しております。
 運用担当理事につきましては、経営委員会の求めに応じて経営委員会に出席し、管理運用業務の執行の状況を説明しなければならないとし、あわせて、管理運用業務に関する議案等につきましては、意見を述べることができるという規定を置いてはどうかということとしております。この点が、C案の意図するところをB案に反映するという形のB案とC案の折衷というところでございます。
また、経営委員長及び経営委員は厚生労働大臣が任免する。経営委員の任命は、経済、金融、資産運用、経営管理その他の積立金の管理運用に必要な学識経験又は実務経験を有する者のうちから厚生労働大臣が定める基準により行う。
経営委員につきましては、現行のGPIF法の役員と同様に、守秘義務の徹底、利益相反の防止等について規定する。常勤の経営委員につきましては、兼業禁止等も規定をする。
委員の任期は、中期計画期間と整合性をとる観点から、5年としてはどうかということでイメージ案を整理しております。
 2ページでございます。2点目といたしまして、「意思決定・監督と執行の分離」という点でございますけれども、マル1「執行部」でございますが、執行部につきましては、執行部の長、運用担当理事、理事各1人を設置する。執行部の長は、法人を代表いたしまして、経営委員会の定めるところにより、その業務を総理する。そして、執行部の長の任免は厚生労働大臣が行い、経営委員会は、この執行部の長が解任事由に該当すると判断する場合には厚生労働大臣に報告するということで、経営委員会が執行部の長に対する監督機能の一部をここで反映しているということでございます。
 また、運用担当の理事は、厚生労働大臣が定める管理運用業務に関して法人を代表し、執行部の長の定めるところにより、その業務を掌理する。
運用担当理事及び理事は、執行部の長が、経営委員会の同意を得て任免し、ただし、代表権を有する運用担当理事の任免に当たりましては、厚生労働大臣の認可も要するということとしております。
 執行部の長、運用担当理事及び理事の要件は、経営委員と同様としております。
 執行役員については、現行のGPIF法の役員と同様に、守秘義務の徹底、利益相反の防止、兼業禁止等について規定し、執行部の長の任期は5年、理事の任期は執行部の長の任期の範囲内で執行部の長が定めることとしてはどうかとしております。
 「意思決定・監督と執行の分離」の2番目でございます「監査等委員会の設置」ということでありますが、ここにつきましては、執行部の職務の執行の監査等のために、経営委員会に監査等委員会を設置し、厚生労働大臣は経営委員の中から監査等委員となるべき者を任命する。したがいまして、この監査等委員となった方々につきましては、経営委員兼監査等委員という立場になろうかと思います。
 この監査等委員につきましては3人以上とし、うち1人以上を常勤とする。先ほど御説明申し上げましたように、監査等委員会を除き、法定の委員会は設置しないとしております。
 3ページ目でございます。「厚生労働大臣の権限・役割」につきまして、「運用についての最終責任は厚生労働大臣」という前提に立って、中期目標の策定・指示については厚生労働大臣が行い、中期計画、業務方法書、法人が策定したものを厚生労働大臣が認可するという仕組みとしております。また、経営委員長、経営委員、執行部の長等の任免・認可について厚生労働大臣が権限を持つ。また、特に必要があると認めるときの措置要求につきまして、これは現行のGPIF法でもございますけれども、同様の規定を置くこととしてはどうかということで案をまとめております。
 最後に、この社会保障審議会に会議体を新設し、重要事項を審議するということでございます。審議事項といたしましては、この厚生労働大臣の権限に係る中期目標の策定、あるいは中期計画、業務方法書の認可に当たりまして審議する会議体を新設してはどうかということでございます。
 また、この会議体におきましては、経営委員会の任免のところでも若干触れましたけれども、役員の任命基準というものをここで議論いただいて、それに沿って厚生労働大臣が任命するというような仕組みを考えてはどうかということでございます。
 繰り返しになりますが、この社会保障審議会の会議体につきましては、労使を代表する方の参加をお願いするということで考えてはどうかとイメージ案をまとめております。
 4ページは、これら1ページから3ページまでの案を具体的な図として示したものでございます。
 また5ページは、「経営委員会に想定される議決事項」ということで、「管理運用業務に関する事項」と「組織・経営管理に関する事項」、大きく2つございますけれども、それぞれ、今の運用委員会の権限とされている事項と新しく入ってくる事項とに分けて記載しております。
業務方法書の作成・変更や中期計画の作成・変更等、これら管理運用業務に関する事項は引き続き運用委員会でも議論しているところでございますけれども、今後はこれを経営委員会の議決事項としてはどうかということでございますし、「組織・経営管理に関する事項」は、現在、運用委員会の、法律上の議論の対象ではございませんけれども、経営委員会ということで、管理運用業務にとどまらず、新法人の組織・経営に関しても重要な基本方針を決定するというこの経営委員会の役割上、こうした事項につきましても経営委員会の議決事項としてはどうかということで整理しております。
 以上が、部会長の指示を受けまして、事務局のほうでこれまでの意見を踏まえて整理したイメージの案でございます。
 あわせまして、参考資料1として、本日の議論に資するよう、これまでの資料を整理したものをお配りしております。
これは簡単に御説明させていただきますけれども、1ページ目は、現状のガバナンス体制ということでございます。独立行政法人制度のもとで最終的な意思決定、あるいは執行という部分は、現在、理事長が権限を持っているということでございますが、現行では、この独立行政法人制度のもとでできる限りのガバナンスを効かせているということで、運用委員会のほうに幅広く種々の議論をお願いし、また執行部の監視についても役割をお願いしているところでございます。
 現在のそれぞれの役員の人数等は右側に書いてあるとおりでございます。
 2ページ目は現行のガバナンス体制ということで、上記1ページ目にございましたような運用委員会の活用に加えまして、各種の内部の組織として、合議制というものを幅広く導入いたしております。投資決定に当たっての投資委員会ですとか、あるいはコンプライアンスのためのコンプライアンス委員会、コンプライアンスオフィサーの設置等々、現行の法制度のもとでできる限りのガバナンスの強化に努めてきたところでございます。それを図で示したものが2ページでございます。
 3ページでございますが、諸外国の運用機関につきまして、これは先日の部会の場でも一部御質問があったものでございますが、改めて提示させていただいております。
 なお、掲げておりますのがカナダ、スウェーデン、韓国、アメリカのカリフォルニア州の年金基金、またオランダの公務員年金、オーストラリアというところを事例として挙げております。
それ以外の国はどうなのかというような御質問もいただいておりますが、例えばドイツ、イギリス、イタリアなどヨーロッパの各国におきましては、賦課方式のもとで、人口構成の変化は日本ほど激しくないということもございまして、保有する積立金が非常に小さいという実情がございまして、積立金の運用という部分では参考とすべきところがなかったということで、ここの欄には記載いたしておりません。
 この各国の運用機関の中では、カナダ(CPPIB)及びスウェーデン(AP1〜4)、また韓国のNPSといったところが一般国民を対象とした年金積立金の運用機関となっておりまして、中でも、CPPIB、あるいはスウェーデンのAPファンドといったところが運用に特化した機関として現在あるということでございます。
 韓国のNPSは運用特化型ではございませんで、給付等も実施しているということで、日本でいうと年金機構の役割も同時に担っているという組織になると承知しております。
 4ページ以下はこれらの各国の運用機関のガバナンスの状況につきまして図示したもの、また、7ページは国内の他の組織の組織図ということで、日本放送協会、日本銀行、あるいは日本郵政株式会社、また昨年、会社法の中で取り入れられました監査等委員会設置会社に関する組織図を付記しております。
 また、9ページからは、最近の会社法における動きとして、株式会社におけるコーポレートガバナンス改革ということで、平成14年に委員会等設置会社の導入に始まり、昨年、社外取締役の活用という観点から監査等委員会設置会社の導入がされたと。
あるいは、10ページですけれども、本年より、コーポレートガバナンス・コードの策定というものが東京証券取引所で行われまして、実際に動き始めているというようなこともございます。この中では社外取締役の活用といったようなことが記載されておりまして、このような動きがあるということを参考資料として添付させていただいたところでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○神野部会長 どうもありがとうございました。事務局からは、これまでのこの部会及び作業班での議論を参照基準にしながら、ガバナンス強化のイメージを御説明いただきました。
 それでは、ただいまの御説明について御質問や御意見があれば頂戴しておきたいと思います。いかがでしょうか。
 宮本委員、どうぞ。
○宮本委員 ありがとうございます。
 厚生年金、国民年金は保険料の納付が義務づけられている、いわゆる強制保険であり、年金加入者の信頼の上にこの制度が成り立っているということが大原則としてあります。GPIFが管理運用する年金積立金が、被保険者の拠出した保険料の一部であることを踏まえると、保険者に対する積立金の運用などに関する情報提供がしっかりするということが極めて重要です。
 仮に積立金運用に関して加入者の意見が反映されなかったり、情報が不足した状況の中で損失をこうむるようなことがあれば、公的年金制度に対する不信感が一気に高まり、年金制度そのものの存続にも影響するようなことになりかねないと思います。
 したがって、保険料拠出者の意思が確実に反映されるガバナンス体制の構築が何をさしおいても最優先だと思います。また、本日示された「GPIFガバナンス強化のイメージ(案)」にありますように、保険料の拠出者である労使の代表などが参画する合議制機関の設置が必要だと思います。しかし、イメージ(案)では、この経営委員会の構成員として、拠出者の代表が労使各1名ということになっており、労使1名では不十分だと言わざるを得ないと思っています。構成員の過半数を拠出者代表が占めるぐらいの体制をぜひ検討してもらいたいと思います。
 それから、経営委員長と経営委員は厚生労働大臣が任命するということになっていますが、任命権の最終責任者は確かに厚生労働大臣であったとしても、委員を選任する過程で保険料拠出者である労使が関与する仕組みも入れるべきだと思います。
 また、経営委員の任命は厚生労働大臣が定める基準ということが記載されておりますが、専門性については、資産運用に関する専門性の必要でありますが、公的年金制度に関する専門性も必要だと思いますし、加えて、保険者である国民に対する説明責任を果たせる、そういった専門性もぜひ必要だと思いますので、検討をお願いしたいと思います。
 経営委員の任期5年については妥当だと思いますが、一斉に構成員が入れ替わることにより経営委員会の機能が損なわれないように、各委員の任期満了時期をずらすというような工夫も必要だと思います。
 また、執行部の業務執行の範囲が経営委員会の決定した基本的事項の範疇は逸脱できない旨を明文化することもぜひ工夫として入れてもらいたいと思います。
また、経営委員会の下に、事務を補佐する各種委員会が設置できる旨、記載されておりますが、経営委員会が法定外の委員会に経営権限を丸投げするようなことがあってはならないわけで、結果的に法定外の委員会が実質的な経営委員会を代行するということにならないように、経営委員会が形骸化するようなリスクは避けるべきだと思います。したがって、法定上の監査委員会以外の委員会設置については反対です。
 また、厚生労働大臣が最終責任を負うとしても、政治リスクを避ける工夫、こういったものもぜひ盛り込んでもらいたい。そのためには、被保険者に対する情報公開に関してより高い透明性を確保すべきだと思いますし、そういう仕組みもお願いしたい。
 社会保険審議会に会議体を新設し、重要事項を審議するとなっている点については、非常に重要な部分でありますので、ぜひこれを設置してもらいたいと思います。ただし、設置した会議がアリバイづくりのような会議体になっては困りますので、社保審に以前設置されていた年金資金運用分科会のような、保険料拠出者も含めた会議体というものをぜひ検討してもらいたいと思います。
 以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございます。
 出口委員、どうぞ。
○出口委員 いただいた資料の7ページをですが、私はC案が一番いいと思います。C案のポイントとして、合議制機関と執行部の円滑な意思疎通、外部への効果的な説明、組織の簡素化に資すると大きいポイントが3つ挙げられていると思いますが、これはいずれもGPIFにとって非常に大切なことで、この3点が生かされているC案が私は一番いいと思います。C案の課題として挙げられている、例えば常勤の執行部が複数人加わる中で、他の委員が非常勤と仮にした場合に、ガバナンスが発揮できるかとか、あるいは下にある、執行部の役員の任命は執行部の長ではなく大臣が行うことになるが、執行部内のリーダーシップについて検討が必要と、こう課題が2つ書かれているのですけれども、例えば類例として挙げられている日本銀行や日本郵政株式会社でこういう不都合が現実に生じているのでしょうか。
 ひょっとしたら生じているのかもしれませんが、私自身は、ここに課題として挙げられたようなことは余り新聞等で聞いたことがありませんので、この課題は克服できるのではないかという考えを持っております。そうであれば、このポイントの3点は大変大きいのではないかと考える次第です。
 特に申し上げたいのは、今、宮本委員も言われましたように、これだけの大きいお金を運用するわけですから、プラスも大きければ、マイナスも大変大きいと思います。そういう中では、説明責任ということが非常に重要であると考えます。これも釈迦に説法ですけれども、運用成果はほとんど基本ポートフォリオで決まるということが運用業界の常識ですので、基本ポートフォリオを決めた段階で、多分、運用成果は8割から9割は固まると思うのですね。そうすると、きょう御提示いただいた年金局のイメージでは、基本運用のポートフォリオを決めるのは、多分、経営委員会であり、その責任をとるのは経営委員長だと思います。しかし、経営委員長は執行しないわけですから、実際のその基本ポートフォリオに従って運用するのは執行部の長であり、CIOになると思います。
そうすると、この前、8兆円前後のロスが出たと思いますが、ユーチューブ等で私も拝見して、大変上手にというか、丁寧に説明されていて部外者でもよく理解ができたのですが、やはりこのポートフォリオの結果、決めた運用の巧拙について説明をするのは、マーケットや、あるいは市場に対して、あるいは被保険者に対して誰が説明するのかという問題ですが、これはポートフォリオを決めた経営委員長がするとすれば、その経営委員長は執行していないわけですね。執行の長が説明をするとすれば、その人は基本ポートフォリオを決められないわけですね。
これはどちらにしても大変おかしいのであって、そうであれば、日本銀行のように、黒田総裁が経営委員会の長を務められて、ここのケースで言えば、基本ポートフォリオを決め、なおかつ自ら執行をし、その結果について市民にきちんと説明するというのが一番素直な形であるだろうと、私はこの問題が大変大きいと思いますので、この7ページを見る限りでは、繰り返しになりますが、合議制機関と執行部の円滑な意思疎通、外部への効果的な説明、組織の簡素化、この3点のメリットを捨ててまで、経営と執行の分離という課題が大きいかどうかはよく理解できないので、私は、C案をベースに、次回の委員会で、きょう、GPIFのガバナンスの強化のイメージを事務局におつくりいただきましたけれども、C案をベースにこういうものをつくっていただいて、細部まで両案を検討したほうがいいのではないかと考えます。
 それから、宮本委員も御指摘されたこの経営委員会のメンバーですけれども、これはきょうの案でも、きちんと選任基準を定めて、厚生労働大臣が適切な人を定めると言われているわけですから、労使各1名と限定する必要は全くないと思います。適切な人であれば労使の方々はもっとふえても構わないので、それは基準に合った適任者を大臣がお選びになるということですから、限定する必要はないと考えます。
 以上、意見を申し上げました。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
ちょっと私、申し添えるのを失念しておりましたけれども、冒頭申し上げましたように、前回のときにもお願いして委員の方からペーパーを出していただいております。このペーパーについても御意見として御発言いただければと思うのですが、今日は、申し上げましたように、テーマを一応ガバナンスに集約しておりますので、これに焦点を当てながら、提出されました資料等々で御発言いただければと思います。
どうぞ。
○堀江委員 今日提出された案は、今のGPIFの現状を踏まえた非常にバランスのとれたいい案だと思っています。今、出口さんが言われた懸念点は、出された案でも十分解決されると考えております。
 幾つかの理由があります。私と武田さんと米澤先生は、今、GPIFの運用委員を務めています。今の運用委員会は、先ほど宮崎さんから御紹介がありましたように、名目的な権限はないのですが、いろんな工夫をしていただき実質的な権限を持つようになっています。政策アセットミックスの決定等、非常に重要な決定も去年の10月末に実行しています。その実行プロセスは、私は非常に理にかなったものであり、今回の案はそのプロセスをさらに改善できるものになっていると思っています。
 1つは、今の運用委員会は7名で、投票権があるのは運用委員だけです。ただし、今の運用委員会でも、理事長や運用部長が全員出席されています。監督と執行を分けると、監督部分が執行と遊離するのではないかといった机上の空論をおっしゃる方がいますが、そういう懸念は当たりません。例えば政策アセットミックス策定の段階で執行部が素案を作り、それを執行部と運用委員が一緒になって議論し、そして最終案を作成しました。決議は運用委員だけで行いましたが、今の運用委員の構成であったとしても、極めて国民の意見が反映され、なおかつ、執行部の意見も十分反映された構成になっています。従って、きょう提出された案は、今の運用委員会のやり方をより改善する案という形で私は受けとめています。監督と執行を分けていると執行部の意見が通らないのではないかとの意見がありましたが現実は全くそうではなく、執行部の意見もちゃんと踏まえた形で、きょうの案でも意思決定ができるというのが指摘したい1点。
一方、今の運用委員会の監督機能は十分ではないと私は思っています。それはなぜかというと、運用委員全員、パートタイムであって、建議という形で議案は出せますが、やはりパートタイムですから、執行に随時携わっているわけではなく、なかなかいい意見を出すことができません。ですので、きょうの監査等委員会で常勤の委員を1人置き、その方が執行プロセス、特に投資プロセスのモニタリングをちゃんとされた上で今回の経営委員会というものに議案を出す役割を果たしていただける。その方が、まさに出口さんおっしゃったように、説明責任についても実際にプロセスについてちゃんと関与できるわけです。私はその方が経営委員会をある程度代表して説明することもできると思います。ここで出された案は、今の運用委員会の機能をさらに強化し、今、欠点がある部分を非常に補う形という意味でも、私は非常に理にかなった案になっていると思います。ですので、出口さんが今おっしゃったような懸念点は、この案でも十分にカバーされるというのが私の意見です。
○出口委員 済みません。これは事務局にお聞きしたらいいのかどうかわかりませんが、常勤の監査委員の方が対外説明をされるという理解なのですか。単純な質問ですが、お答えいただいていいですか。この運用について責任を持たれるのは、対外的に説明されるのは執行部ですか、それとも経営委員会ですかということが1点と、それから、先ほどお話ししたことですが、このC案の課題で書かれている懸念点というのは、日本銀行等において顕在化していて、あるいはどういう問題点が具体的にあるのか、そこの点について教えていただいていいですか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) まず1点目のこの方針の運用に関して、例えば説明等の責任、どこにあるのかという点でございますけれども、このイメージ案の2ページにございますように、執行部の長というものは、このイメージ案では、法人を代表して、経営委員会の定めるところにより、その業務を総理するとしておりますので、この新法人の代表者は執行部の長ということになります。ですから、正式な場での説明は、基本ポートフォリオを含めまして執行部の長が行うことを想定しております。
ポートフォリオの変更を説明するような記者会見とかそういうものを具体的に思い浮かべますと、この今示しておりますイメージ案では、手続としては、経営委員会で議論した上で、そこが決定をいたしますと、執行部の長がそれを法人の案として厚生労働大臣に申請する形になります。そして、厚生労働大臣が社会保障審議会に設けられる新しい会議体のもとで審議した上で、認可するなら認可をする、オーケーを出すという仕組みになろうかと思います。そうした手続を経て決められた基本ポートフォリオの変更、こういう結果になったと、こういう変更を行ったということに関する説明というのは、厚生労働大臣の説明後に執行部の長が代表して行うことになるのではないかと想定しております。
ただ、その場合、そのような重大な決定ですので、経営委員長が執行部の長と同席して、経営委員会での決定の経緯等を説明するということも想定はされるかと思います。
○出口委員 運用成果もそうですか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 運用の成果、これは執行部の長が代表して行うことを想定しております。例えば、現在ですと、四半期、あるいは年度ごとの業務概況書という形で詳細な公表をしておりますけれども、それらは執行部の長が法人を代表して行うということを想定しておりますので、先ほど委員の御懸念の点につきましては、ちょっと説明不足で申しわけありませんでしたけれども、そういう形で執行部の長が基本的に代表してやるということで考えてイメージ案というものを策定しております。
それと、A、B、C案に関しての御質問ですが、日本銀行、日本郵政株式会社において、この7ページの課題として書いておりますようなところで何か問題が生じているのかという点については、結論から申し上げますと、そのような課題が生じているかどうか、承知しておりません。この中で、A案、B案、C案で議論が分かれましたのは、まさにA案、B案のポイントとして、合議制機関による執行部への監督・監視機能の徹底というところに今回の改革の重きを置くのか、そこではなくて、こうしたC案のポイントにあるようなところに重きを置くのかというところでの御議論が分かれたのかと承知しております。
戻りますと、日銀、日本郵政株式会社において同様の、ここで課題として挙げたようなものが挙がっているかどうかというのは、事務局のほうでは承知はしておりません。
○神野部会長 駒村委員、どうぞ。
○駒村委員 資料を出させてもらっています。最初に基本的な考え方として、総論部分で、まずこの年金の積立金というのは、確認したいのですけれども、税金とも民間保険料とも性格が違うのだということは、ここに書いてあるとおり、確認したいと思います。そういう意味では、この積立金の運用がうまくいかなかった場合、先ほどからお話あったように、年金制度に対する信頼に大きく影響を与える可能性がある。それから、受益者はまずは拠出者にならなければ受益者になり得ないわけですから、この財政構造から考えても、まず影響を受けるのは現在の拠出者であるということで、長期的には将来の世代も影響を受ける可能性があるというわけだと思います。
その上で、今の議論にかかわる点ですけれども、1.にも書いておきましたけれども、組織をどうやってつくっていくのかというのは、どの組織がどういうタイプの組織があるかという議論をするよりは、この組織が何を一番の目標にしているのかと、どういう問題点があるのかというのを基準に判断していくべきだと思うのですね。そういう意味では、高いリターンを得るということがもう一つだし、懸念事項としては、この運用に伴ういろいろ諸問題が発生するだろうと。これについてどういう問題が執行部のほうで起きるのかということは、1月23日の議事録も見ますと、植田先生のほうからも、不適切なというか、暴走は一体どういうケースが考えられるのか、あるいは、専門部会の第3回で、伊藤先生からの、暴走に関してはどういうものがあるのかというコメントがあったと思います。
したがって、この140兆円もの年金の積立金を運用する際に起き得る課題ですね。情報が不完全であることによって、2.の各論のほうにも書いておきましたけれども、起き得る課題を想定して議論しなければいけないのではないか。そういう意味では、ISSAがレポートを出したように、グッドガバナンスという中の一つのキーワードのチェックアンドバランスがあるわけですから、私は、やはりA案の持つ監督・監視機構というのが大事ではないかと思います。その上で、どのぐらい機動性があるかということでB案に接近できるかどうかということだと思います。
きょうの案については、評価はしませんけれども、確認したいのは、どういう不適切な執行や暴走を想定して、どういうケースを想定すると、この仕組みだととめられるのだということを具体的に議論されてきょうの案をつくられたのかと。このきょうの案であれば、十分チェックアンドバランスが効くから、不適切な事例、内部の財政検証直前になったからハイリスクに取りに行くとか、あるいは外部から、これは政治的な圧力も含めてですけれども、PKOのような圧力もはね返すことができるというようなことも考えられると思うのですけれども、事務局が想定した不適切な、なぜチェックアンドバランスを重視するA案の要素をとりながらB案となった、その想定した事例というのは一体どういうものなのかということを確認させてもらいたいと思います。
あと、細かい点ですけれども、決定機関については、連続性が必要なので、同時に全ての方が一遍に5年で任期が切れてしまうというのは、果たして継続性が確保できるのかという点は疑問です。チェックアンドバランスを重視するというのは、私は、この組織をつくるに当たっては、性善説ではなくて、性悪説。ここにいらっしゃる米澤先生や堀江先生、武田先生が悪いことすると言っているわけでは全然ないのですけれども、一般的には、こういう大きなお金を扱う際には性悪説に立って、きちんとしたチェックアンドバランスを重視すべきではないかと思っています。ちょっと事務局からその辺の、どういう具体的な不適切例や暴走をイメージされていたのか、お聞きしたいと思います。
○神野部会長 これもいいですか。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 御質問のありました点でございますけれども、この作業班以降議論あった中で申し上げますと、例えば新しいこの組織をつくりまして、外からの被保険者の利益にそぐわない目的で何か圧力がかかるようなことに対しての懸念をできるだけ避ける必要があるのではないかと。それは、現行の理事長に最終的な権限が集中しているものよりも、合議制というような形で多くの目が入った組織、そして、その合議体と執行部のほうでチェックアンドバランスが効く仕組みのほうが、そのような外部からの圧力に対して、それをはね返す蓋然性がより高いのではないかということが1点でございます。
また内部に関して言いますと、執行部の不適切な執行という中で、作業班、あるいは年金部会での議論もございました。もちろん、この仕組みは大きな基本的な方針を経営委員会で定めた上で、執行部と合議体との権限を、役割分担を明確にして、執行部がある程度効率的な運用を行うようにするという仕組みを目指すものではございます。同時に、新しいこのイメージ案で示しておりますような内容は、例えば合議体が執行部を監視するために、常勤の経営委員会としての権限も備えた者が監査等委員として執行部の日常的な行動を監視する仕組み。あるいは経営委員会がこの執行部の任免に関して一定の牽制機能を果たせるよう、任免に当たっての同意、あるいは不適切な事項があった場合、厚生労働大臣へ意見を申し上げるというような仕組みなどを入れることによりまして、合議体と執行部との緊張関係、牽制関係を形成しております。その点で、例えば執行部の側の合議体の決定を逸脱するような執行がもし仮に行われることであれば、直ちにそれを常勤の監査等委員が把握できるような仕組み、あるいは、そのようなことがそもそも起きないように、一定の牽制機能を持ったような仕組みということで、よりそのような危険性が低減される仕組みになるのではないかと考えております。
○駒村委員 もう少し具体的に、これまでの議論で植田先生や伊藤先生がおっしゃったような形の不適切な運用も含めて、あるいはPKOも含めて、今のこの提案された仕組みで具体的にはね返されるということを検討されたのかとお聞きしたかったのですけれども、今よりはよくなったということはよくわかりました。
○神野部会長 岩間委員、どうぞ。
○岩間委員 執行部機関というのはやはり機動性と効率性を要請されるということなのだろうと思いますが、その執行機関がきっちりと仕事ができるためにも、合議体であるガバナンス機構がチェックをしっかりするということが大事だと私は思っておりまして、当初、私はA案に賛成いたしました。その後、B案でもこれは大丈夫かなと思いまして、B案を、両方賛成したという立場でございます。
そういう観点から考えますと、執行部の長とこの合議体の長が兼務するというのはまさにそこが弱くなるということだと思います。ですから、今回御提示いただいた事務局からの整理というのは、非常にそういう意味ではすぐれていると私も思っておりまして、現在の状況で一歩進めるということで言いますと、いろいろな点を押さえた上で、執行と監督がしっかりと役割を分けて、国民の負託に対して十分説明力を持って対応できるということになるのではないかと思います。
基本ポートフォリオについては、当然ながら、執行部はきっちりと検討する。それを実際に合議体に出して、もんで、承認して、授権して、それで動いていく。それを過程においてやはり合議体がチェックすると、こういう話だと思います。こういう形でやっているからチェックアンドバランスが効くということなので、そこは私は肝だと思いますので、この点は不可欠であると了解しております。
○神野部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。
私は、きょう出されたガバナンス強化のイメージ案について、おおむねこういう方向でよろしいのではないかと考えております。検討作業班でも、私は最初からこのB案を賛成しておりました関係もありましてそう思うのですけれども、特に私が一番大事だと考えておりましたのは、当初、GPIFの独立性ということが非常に強く言われたことがございました。そのときに私は、今回書いていただいていますが、運用についての最終責任は厚生労働大臣にあるのだということ。したがって、厚生労働大臣が責任を持つ全体的構造の枠組みの中での独立性というものでなければならないということをかねがね申し上げてきたわけです。
したがいまして、役員の任命でありますとか、あるいは基本ポートフォリオも含む中期計画などの認可といったような重要な事項は当然厚生労働大臣が行うべきであるということで考えてきた、そういう内容がこの案に生かされているということでございます。
それから、経営委員会に執行部の長を入れるという問題については、やはりこれは協調と牽制という2つの立場があって、特に基本的認識の共有化であるとか、あるいは運用手法の多様化を進める場合やシステム対応といった問題を考えた場合、実務運営面も含めたチェックも必要になりますので、そういった協調関係を維持しつつ、一方で、その牽制機能を強化していくといったようなことが必要だということで、この両者を折衷したようなものとしてB案がいいのではないかということを申し上げてきたわけでございます。
ただ、この執行部の長を入れる場合に、報酬でありますとか、それから処遇に係るような議案については、当然ながら、この執行部の長は入れないということになりますので、そういう議案ごとの議事参加の適否といったことの取扱いについてはきちっとしておくということが大事ではないかと思います。
それから、社会保障審議会に新しい合議体をつくるということでありますけれども、これについては、特に法人の評価等について、運用という非常に専門的な分野でありますので、別の部会をつくって検討していくといったようなことは、これまでも独立行政法人の時代にもそのようにやってきておりますので、そういった合議体を設けるというのは必要と思いますので基本的に賛成なのですが、今のこの年金部会との関係ですね、それが非常に重要だと思います。いかに連携をきちっとつくっていけるか。ですから、例えばこの年金部会の委員の方が一部そちらの合議体にも入られるとか、そういった形で連携を担保していくといったようなことが今後の運営面では必要ではないかと考えております。
それから、ちょっとこれは余計なことかもしれませんが、経営委員会のメンバーの問題です。私は、2004年改正で保険料固定方式になって以降の財政構造の中では、この運用のリスクを最終的に負担しているのは年金の受給者だと考えています。拠出者についての先ほど来の議論がありましたように、拠出しておられる方がおられるから制度ができるのであって、その重要性、すなわち拠出者の重要な役割については、これはもう事実であり、私もこれを否定するものではありませんけれども、こと運用に関して言えば、第一義的には、運用で大きな穴があいたといったことになった場合に一体どのようになるかというと、保険料固定方式ですから、保険料が固定されているため、給付の側で調整するという仕組みに今はなっているのですね。マクロ経済スライドが長引いて運用のマイナスを吸収するといったことですね。
そして、給付での調整がうまくいかなかったら、もしかしたら保険料もまた引き上げなければいけないかもしれないと言う可能性もあるのですが、現段階の認識では、そこまではまだ至っていないと思いますので、そうだとすれば、これは誰をメンバーにするか難しいところですが、本来は運用のリスクを負担する受給者の代表が出てきて、受給者の立場からいろいろと意見を述べていく。ただし、今の拠出者は将来受給者になるから受給者の側面もあわせてもっているというのは、それはそうですね。将来の受給者になっていくということでその人たちが経営委員会のメンバーとして出てくるというのはそれなりにわからないでもないと思います。
ですけれども、一方で法人企業そのものは拠出者ではありますが、受給者になり得ない立場なわけです。ですから、経営側は法人であって、これは受給者にならないにもかかわらず、つまり運用のリスクを負担する立場にならないにもかかわらず、経営委員会に当然出てこられるのだということについては、ちょっとよく分からない話になります。私は、多分、屁理屈言っているのかもしれませんが、将来の年金財政の負担の在り方にも関わる大きな問題でもありますので、ちょっと教えていただきたいという気がしております。すなわち、運用の問題を議論するのは、リスクを負担する受給者の立場に立つということが必要ですが、受給者に成りえない拠出者がリスクテイクの判断に参画していくということが当然だとするのは、どのような根拠によってそのような主張が出てくるのかということを、これは勉強のために教えていただきたいと思っております。
○神野部会長 それでは、伊藤委員、その後、米澤委員。
○伊藤委員 今の山口委員の強調された点とも関係しているのですけれども、このGPIFがそもそもどうしてできたのか、それから、これは誰のものなのかということで、私は、これは将来世代、今の受給世代を超えて将来の世代のためにここまで積み立ててきたと思うのですね。そもそも人口成長が1%あって、経済成長が4%ぐらいあれば、こんなもの要らないわけですよ。永遠にそれが続くのであればこんな積立はしなくてよかったのだけれども、誰か先人の知恵があって、いや、人口も減ってくる、経済成長も落ちてくるだろうと思って積み立ててきたわけですね。だから、これは将来世代が今の受給者と同じぐらいの生涯保険料を払い、生涯給付の比率が今と同じぐらいのものが保たれるということに資するためにここまで積み立ててきたものですから、今の拠出者、あるいは今の受給者を超えた視点が必要だと思います。
 そういう意味では、労使代表の方が入っていただくのは結構だと思いますけれども、それは1名ずつで私は十分であると思います。むしろやはり長期的な視点から、できるだけ生涯保険料支払いと生涯給付のこの比率が今よりもなるべく悪くならないようにするというのが、このGPIF運用の最大の目的だと思っています。
 あともう一つ、確かに損失が出れば年金制度の不信につながるということはあると思うのですけれども、年金制度がそもそももう不信感を持たれてしまっているということもあるわけで、国民保険料の支払いの比率が余り高くないということもある。、やはり年金制度の不信を取り除く、回復していく、それは先ほど言ったように、生涯保険料と生涯給付の比率をなるべく変えないようにしていく決意をここで示すということが重要であると思っています。
 それから、その執行部との緊張関係については、私はB案でよろしいと思っています。それから、説明に関しては、今言ったような、これは長期的な運用をしているのであって、別に四半期の上がったり下がったりと運用成績がプラスになったりマイナスになったりというところに余り引きずられないような説明ができる人で、その説明をしてクレディビリティある人というのが必要なのであって、むしろ運用に携わっている人が、損失が出ても大丈夫なのですと言っても余り信用してもらえない可能性がある。それから、むしろ執行部を守るのがこの経営合議体だと思うのですね。合議体が執行部を守ってあげるという観点が必要なので、そこはやはりできるだけ切り離したほうがいいと思っています。
 ちょっと余談ですけれども、日本銀行はかなり性格が違うもので、余り比較するのは適切ではないと思っています。これは完全に独立なものですから、もし日本銀行モデルをここに当てはめるのであれば、厚生労働大臣の任命でなくて、国会ですから、国会に対して責任を持つ。だから、厚労省から離れてしまうのですね。それはしたくないと皆さんおっしゃっているわけで、そういう意味では、日本銀行の独立性のモデルというのは余りここでは参考にならないと思っています。
 以上です。
○神野部会長 ありがとうございました。
では、米澤委員、どうぞ。
○米澤委員 いろいろ議論する際の材料をまとめていただきまして、大分議論がしやすくなったと思います。それで、私も、ここ1年間ぐらいですかね、実際に運用委員会のほうにかかわってきて、その経験も踏まえてちょっと感想と意見を述べさせていただきます。
 その感想は、先ほど堀江委員が述べられたとおり、ちょっと手前みそになるかもしれませんが、今のところ、いろいろマーケットは紆余曲折ありますけれども、運用委員会としてはやるべきことをきちっとやってきたのではないかなと自負しております。そのときは、あえてこのA案、B案、C案で見ますと、機能的にはA案で動かせていただいていると理解しております。合議制機関に加わらないとか加わるというのは、厳密にはこれは最終的に議決権を持っているか持ってないかというところの切り口ですね。そういう意味では、我々運用委員会のみが議決権を持っているということですので、執行部は加わっていないということで、今、運用させていただいています。
 とは言いながら、どなたかも言っていましたように、日ごろの執行はもちろん常勤の執行部隊がやっていっているわけですし、それから、残念ながら情報量としては圧倒的に彼ら持っているのが多いわけでございますので、会議自体を効率的に運営していくためには、執行部に出てきていただかなければ、何しろ執行部が、ちょっとリードと言うと語弊がありますけれども、一緒に議論していかないと有効な議論ができないというのが実際なわけです。
繰り返しますけれども、重要な議決に関しましては、我々運用委員会のみで議決させていただいています。というので、例えばA案なのですけれども、「説明のために出席することは可能」ということではなくて、実際に我々運営してきたのは、一緒に出てきていただいて、いろいろ報告していただいて、その上で我々が意思決定しているということになっております。というので、本当にがちがちなA案で、繰り返しますが、説明のためだけぐらいに出てこられると極めて有効な会議が開けないのではないかなと思っております。
 そのために、BにするのかCにするのかはちょっと議論が分かれるのですけれども、先ほどから聞いていますと、この2つを明確に牽制する意味で分けたいということを守りますと、B案が落ちつきどころがいいのかなと考えております。というので、執行部の長は入っていただいて、加えて、説明のために出席することは可能というか、もう少し広げていただいて参加していただいたら、重要な議決に関しましては、経営委員会ですか、合議制機関のみにやるということがこの3つの中では一番いいのかなというような感じがしております。
 以上、経験を踏まえたところなので、B案で、あとは運用の面で工夫していけばうまくいくのではないかなと期待しております。
 以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございます。
山本委員、どうぞ。
○山本委員 ありがとうございます。
 今回、独任制から合議制への転換につきましては、私も賛成でございます。いずれにしても、国民の財産の負託を受けて運用するわけでありますから、合議制によって余り偏った方向へ進むということがある程度防ぐということができるとすれば、この全体の流れには賛成をいたしております。
 私も専門家ではございませんけれども、資料を拝見しまして、一般的な視点で考えましたときに、ちょっと理解しづらかったのは、この経営委員会というものが執行機能なのか、監査・監督機能なのか、どちらなのかということが判然としない。つまり、資料によると、経営委員会の事務の内容は、基本ポートフォリオを含む中期計画と管理運用に関する重要事項の議決と書いていますので、実際に執行の方向性を決める機関であるということは、ある種の大きな執行機能のようにも拝見できるということです。今までのお話、御説明等を伺っておりましたら、どちらかというと経営委員会の役割は監督・監査ということであって、執行は執行部が決めてやるのだけれども、それをチェックするのがこの経営委員会なのだとうかがえるわけですが、しかしながら、資料では議決となっておりますので、執行についてもかなり責任持った主体のように思われるということです。例えば一般の法人でありましても、いわゆるボードの取締役会と執行役員に分かれておって、執行をやる者と、本当の首脳部として全体の方向性を決定していくボードが分かれておりますから、これは全体と特定された領域という視野の違いはあっても、一つの企業の中で同じ方向へ向かっていくという目的はボードも執行役員も同じだと理解すれば、経営委員会も執行機能のように思えるのです。そこのところがちょっとよくわからないのでちょっと御説明いただきたいと思います。
それから、資料の中に監査等委員会というのがございます。経営委員会が執行部の監督機構だとすると、そこにまた監査等委員会というのが経営委員会の中にあるということは一体どういうことなのだろうかと。もし本当に経営委員会が大綱を決めていく執行機能の上部機能なのだと考えますと、監査等委員会というのは、もっと第三者的な立場でもって、これを冷静に判断して適切な助言を述べていくというのが位置づけだとしますと、経営委員会のメンバーが監査等委員会のメンバーと重なると書いてございますのは、監査する人と監査される人が同一になっているように見えてしまいます。何かその辺の経営委員会そのものの位置づけが、一般の方々がこれで理解できるかどうかということがちょっと心配になりましたので、意見として申し上げました。
○神野部会長 事務局のほうから、経営委員会の性格について、執行監督等々、御説明いただければと思います。
○大臣官房参事官(資金運用担当) では、簡潔に申し上げます。
 経営委員会の責務としては、経営に係る重要な事項の基本的な方針を決定するということで、具体的な執行につきましては、執行部の長以下の執行部が行うということで役割を分担しております。参考資料としてお配りしているものの8ページをごらんいただければと思います。必ずしも同一のものではありませんけれども、同様の仕組みとして、昨年の会社法改正により入りました監査等委員会設置会社について簡単に御説明させていただきます。この場合、この監査等委員会設置会社におきましては、この8ページの右側の1−(3)のところに、この取締役会の権限といたしまして、経営の基本方針等の決定に加えて、マル2として「取締役の職務の執行の監督」という機能を持っております。そして、「2.監査等委員会」という形で、これは同じく取締役会に入っている取締役の中から選任されまして監査等委員会というものが選任され、その監査等委員会が取締役の職務の執行、執行部に当たる代表取締役以下の執行部を監査するという仕組みを設けております。
 この点は、監査等委員会というメンバーが取締役会と兼任しているということ。そして、この監査等委員会が執行部、代表取締役の執行を監査しているという点におきましては、この新しいイメージ案で出しております経営委員会と執行部の関係と類似しているものではないかと思っております。
○神野部会長 では、武田委員。
○小室委員 済みません。ちょっと途中で出なければいけなくて、早目に。
○神野部会長 武田委員も同じ事情ですので。御予定なら、どちらでも、御遠慮なさらずに。
○小室委員 恐れ入ります。
専門家ではないので的外れの点があるかもしれないのですが、企業の経営を考えたときに、その場その場での判断が重要ということがあるので、非常勤の経営委員が集まって決められるのかなというようなところが疑問というので1点ありました。
 そういった中で、今回、投資会社ではCIOのポジションというのは特に重要ではないかと認識しているのですけれども、経営委員会にCIOが入っていないというのはどういった形なのかなというので、違和感があったので教えていただければと思っております。
 3点目ですけれども、お話のここまでの流れの中でガバナンスの強化の目的というのがそもそもは政治的な介入であったりとかいうものの排除だったはずではないかと思っているのですが、今回の案によって、政治的な介入もしくは厚労省の介入ということを排除するということはできているということでいいのでしょうかという確認です。
 それから4つ目なのですけれども、このガバナンスの強化によって、一番重要なのは専門性を発揮するということが重要だと思うのですが、執行部はこれで専門性をより発揮できるようになるのであろうかという点が気になりました。
 以上、4点です。
○神野部会長 これもコメントいただければ。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 御指摘いただいたように、日々の執行が重要だということで、今回の仕組みにおきましては、重要な意思決定、本当に大きな方針のところにつきましては、この非常勤のメンバーが主となる経営委員会で決定いたしますけれども、日々の執行につきましては、その基本方針のもとで執行部が運用判断などを行っていくという仕組みとなろうかと思います。
 また、その際に、このCIOの役割につきましては、御説明申し上げましたように、CIOを含む執行部の代表の長たる執行部の長が構成員として入った上で、この運用担当理事につきましては、経営委員会に出席して運用業務の執行の状況を説明し、また管理運営業務に関する議案がそこにかけられている際にはそれについて意見を述べることができるということで、そのCIOの知見を経営委員会の場でも生かせるような規定、工夫をしているということでございます。
 また、管理運用業務に関しましては、一部、運用担当理事に法人の代表権というものを与えて、機動的な契約の締結ですとか、そういったものができるようにするということで、従来よりも、よりこの専門性を生かした運用現場での執行というものが可能になってくるのではないかと思います。その際に、常勤の監査等委員が、経営委員としての権限も有した監査等委員が常時、日々の執行を監視するということで、その適正さを担保しつつ、専門性を生かせる仕組みとなっているのではないかと考えております。
政治的介入の懸念につきましては、まさにこのガバナンスの強化の一つの方向性のバックになった点だと思っております。合議制を導入することによりまして、そのような外からの介入に対して、先ほど議論の中でも、執行部を守るという役割が合議体にあるということがありましたけれども、合議体を入れることで、外からの介入を防ぐ、あるいは介入に対する懸念を払拭するための組織になるものだと思っております。
○神野部会長 お待たせしました。武田委員、まず。
○武田委員 私からは、1点意見と1点質問をさせていただきたいと思います。
1点目の意見ですが、私は、今回ご提出いただきました強化案のイメージ、案の段階ではございますけれども、大きな方向性としては基本的にこちらでよいのではないかとは考えております。
ただ、案の中身というよりは、こちらの資料の書きぶりになりますけれども、堀江委員とか米澤委員と一緒に、現在、私も運用委員会の委員を務めさせていただいていますが、運用委員会の委員としての経験から申し上げますと、ここに書いてあるような独任制というよりは、実質的には、事実上、合議制として運営されているように認識しています。運用委員会という名前がついているため、運用についてのみ議論していると捉えられるところがあるかもしれませんけれども、詳細は7年後でないと議事録が出ないので申し上げられないのですが、どういう議事次第でやっているかは公表されておりますので、ご覧いただければと思いますが、幅広いことについて議論をしています。ぜひこの部会でもその点の共通認識を持っていただければと思います。
もちろん、法律上しっかり担保して、合議制という形をより強化していくという方向性には、私、賛成しているのですけれども、余りにも現実とこの資料の書きぶりが違っていますので、そこは逆に国民に誤解されてしまうのではないかと。つまり、基本ポートフォリオを昨年秋に変え、そこから1年以上が経過しているのに、いまだこういう状況なのかと誤ってとられてしまうと、かえって国民の不安を煽るだけです。例えば、まず、既に運用委員会では事実上合議制で議論されてきているのだけれども、これから法整備をしっかり行っていくこと、また、曖昧にされていた委員会の役割の部分を明確にしていくこと、さらには、経営委員会委員としてふさわしい方の要件をしっかり議論していく、これらの点を詰めていくということに意義があるのではないかと思います。
 2点目は質問になりますが、先ほど小室委員がおっしゃられた政治的な介入を避けるということが趣旨の一つとしてはあると思います。委員の守秘義務の徹底、利益相反に関しては資料に選任要件として明記されており、それは当然のことと私は考えておりますが、先ほど駒村先生もおっしゃったチェックアンドバランスという観点で考えますと、官庁からの出向であるとか、あるいはOB、OGも中立性確保、チェックアンドバランスという観点からは回避されるという理解でよろしいでしょうか。こちらは質問です。
○神野部会長 今、答えられますか。まだそこまで詰めてないのであれば、とりあえず。
○大臣官房参事官(資金運用担当)今の御質問は。
○武田委員 経営委員の資質といいますか、選任基準の点で、守秘義務の遵守、あるいは利益相反がないかどうかクリアにすることは当然ですけれども、政府の介入という視点で考えますと、よりチェックアンドバランスが効くような形にすべきだと思います。その中立性、独立性を確保するという視点から、官庁からの出向やOB、OG等の就任は回避される方向で考えられていらっしゃるのかどうかということを、質問させていただきたいと思います。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 失礼しました。現在も運用委員に関してそのような官庁の出向者が入っているというわけではありません。経営委員の選任に当たりましては、ここに掲げておりますような法令上の要件に加えまして、審議会のほうで具体的にどういう分野からどういう方が入るということも決めていただいた上で、透明性を今以上に確保して厚生労働大臣が任命するという形になりますので、そこに資質とは別の観点で不適切な方が入ることの懸念というのは今以上に減るものだと思っておりますし、当然そうなるべきだと思っています。具体的に今この時点で何か法制的にそれを整理するというよりは、それはもう少し先の話だとは思っていますけれども、そういう前提でこういう仕組みが今以上に適正な資質を持った方が入る仕組みを、透明性を持った仕組みのもとで選ばれる仕組みになるのだと思っております。
○神野部会長 山本委員、私、先ほどちょっとディスターブしましたので。
○山本委員 そのことと関連して監査等委員会のことであります。これについては、先ほどの平成26年の事例を引かれて、9ページの資料では、過半数を社外取締役とするとここには書かれておりますね。そういう配慮がされておればいいかと思いますけれども、ほとんどが経営委員会のメンバーで監査等委員会が構成されるということになりますと、本当に自分たちが考えて自分たちで監査することにもなってしまうという点について、懸念がございます。
 それからもう一つは、この執行の理事が全部で3人でございますね。経営委員会の職権をスルーしながら、実際のアクションはこのいわゆる執行の部隊の方々がおやりになるのですが、それほど大事な役目を果たしていく執行のスタッフの方々の役員が3人というのは、果たしてそれで本当にできるのかと感じます。まことに素人の質問みたいなことなのですけれども、ちょっとその辺のことを伺えればと質問申し上げました。
○神野部会長 お答えいただけるのであれば。
○大臣官房参事官(資金運用担当) まず執行部の人数ですけれども、現在、80名の職員で140兆円のお金を扱って動いております。今の役員数が、執行部の理事長に加えて、理事2人という体制で行っています。それも念頭に置きましてこのようにしております。将来もこの3人かどうかというのはありますけれども、今のこのイメージ案としては、現行の仕組みを前提として整理しております。
 また、監査等委員会設置会社との類推で御質問ありました。この経営委員会の入る経営委員の方々というのは、そういう意味では全員が社外取締役として入っているということだろうと思います。その社外取締役からなる経営委員会に、プラス執行部の長が入る形でボードが形成されるということだと思います。
 もちろん、年金の積立金の運用に関しましては、厚生年金保険法、国民年金法におきまして、被保険者のために運用するということで、この組織体の目標そのものは単一に決まっておりまして、それをどのように運用するかという方針をこのボードで決めるということでございますので、会社、あるいはほかの組織、日銀等議論ありましたが、そうした他の組織と同一に論じられるものではありませんけれども、一応参考としてお示ししています。
○山本委員 今申し上げたのは監査等委員会でございまして、私、ちょっと言葉を間違えたかもしれないですが、経営委員会ではなくて、監査等委員会の構成員が経営委員会のメンバーと重複するということがここには書かれているかと思いましたので、その点について質問申し上げたのです。
○神野部会長 平川委員、あと、原委員へ行きますので。
○平川委員 本日から参加いたしましたので、よろしくお願いいたします。
 何点か意見を述べさせていただきたいと思います。この間、牽制機能の関係でいろいろ御意見がございましたが、やはり厚生労働大臣が最終責任を持つという中における緊張関係、牽制機能というのが極めて重要と考えております。そういった意味で、「GPIFガバナンス強化のイメージ(案)」の「合議制による意思決定の導入」の「重要事項の議決」のところで、基本ポートフォリオや中期計画等経営管理に係る重要事項等が書いてありますが、この重要事項と執行部の運用の実際の業務である管理運用業務を明確に区分すべきかどうかが余りよく見えてないように思われます。経営委員会で決まったことはしっかりと執行できるような体制が重要だと思いますので、経営委員会と執行との業務分担、役割分担についてもう少し明確にしていく必要があるのではないかと考えております。
 そういった中で、経営委員会の構成・任命のところ、この目的のところに書いてあるように、「専ら被保険者の利益」ということが最大の目的でありますので、被保険者及び事業主の立場を適切に代表し得る団体の推薦する者ということが1つ重要なポイントでありますし、各1人ということについては、10人の中で言うと労使が2人しかいないということで言えば、かなり少ないのではないかなと思っております。少なくとも複数以上、過半数をしめることを基本とすることが必要ではないのかと考えます。
 そういった意味で、ここで1つ質問ですが、損失が出た場合、誰が被害をこうむるのかについて、先ほど御意見があったと思います。その辺は、あくまでも想定になり、また、どういう状況で大きな損失をしたかによっていろいろ考え方があるかと思いますが、いま一度、運用益もそうですが、大きく損失が出た場合、一番被害をこうむるのは、今の制度上誰になるのかということを、答えられる範囲でいいので答えていただければと思っています。
 基本的には、社会保険の原則から言うと、拠出があって給付を受けられるという関係性でありますので、その関係性から考えていくならば、今の拠出者というのが当然この経営委員会にかかわっていくというのが極めて重要であると考えております。
 もう一つ、経営委員の構成員の専門性について実務経験というところがいま一つ不明でありますので、これについてどのような方を想定しているのかというのを、今の段階で答えられるものがあれば出していただきたいと思います。
 また、利益相反の関係は、これは当然でありまして、しっかりと防止していくということで言うと、確実にこれが担保されるようなものにしていく必要があるのではないかなと考えております。
 あと、情報公開の関係についてです。今のGPIFの状況を見てみますと、当然、情報公開していけないという部分もあるかと思いますけれども、基本的には可能な限り情報公開をし、問題がある部分については、やむを得ない場合は情報公開については制限をかけていくべきでありまして、何でもかんでも制限をかけるということではなく、可能な限り情報公開していくというのが重要ではないかと考えます。
 以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
 原委員。
○原委員 この間の8日の年金部会の後、コメントも追加でさせていただいたのですが、今日のお話を聞きまして、このGPIFのガバナンス強化のイメージ案について、全体的な流れとしては、私もおおむねその方向で良いのではないかなと思います。8日時点のコメントに、今日も踏まえましてあわせてコメントさせていただきたいと思います。最初の方に戻るかもしれませんが、出口委員もおっしゃっていましたけれども、改めて私からもお願いしたいのですが、1ページ目のところのガバナンス強化の目的の所で、「『専ら被保険者の利益』にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し、運用に対する国民の信頼を高める」とありますので、この懸念を払拭して運用に対する国民の信頼を高めるためには、やはり国民にわかりやすく説明すること、情報をわかりやすく発信することというのが重要になってくると思います。
今朝ほど、GPIFのホームページの運用方針の動画を拝見させていただきましたけれども、ああいう取組は進めていただき、もっと目線を低く、わかりやすくしていただければと思います。もちろん、運用方針、基本ポートフォリオの説明というのも大事だと思うのですが、運用の結果について、公的年金の積立金というものが長期的な運用ということを前提にしているという点も含めて、説明責任をしっかり果たすという必要があると思います。
先ほど出口委員が質問してくださった際のご回答から、その責任は執行部の長であるということですけれども、運用結果など説明する際もできる限りわかりやすく説明していただくと同時に、経営委員会のメンバーの方々にも、長期的な資産運用に関する専門性について、最低限の知識というのはある程度必要になってくるのではないかなと考えております。
一方で、ちょっと余談になるかもしれないのですけれども、説明を受ける側である私たち国民の資産運用に関するリテラシーを高めていくということも今後ますます重要になってくると思っております。実際、資産運用に関するリテラシーということでみますと、公的年金とは異なるのですけれども、企業年金について、確定拠出年金を導入する企業も増えてきていますし、資産形成や資産運用に関して継続的な教育を積極的に行っていこうという企業が徐々にですが増えているのではないかと現場では感じております。
そのような研修を行いますと、従業員の方々からも、それは個人のことではありますが、資産運用についてもっと学びたいという声が聞かれます。長期的な資産運用の考え方というのが少しずつ定着し始めてきているとは思いますけれども、やはりまだ、公的年金の積立金の運用が一時的に悪化したような場合、報道等で出ますと、それだけで運用に対する信頼というものが低下してしまうような現象があると思います。ですので、そういった意味からも、運用方針の説明責任と同時に運用結果の説明というもの、情報発信というものが非常に重要であると思います。わかりやすい形で説明をしっかりと、長期的な運用であるということを踏まえて説明していただければと思います。
もちろん、拠出者側の目線や、考え方が確実に反映されるガバナンスの体制の構築というのは当然必要であると考えますので、団体推薦者を入れることも必要かと思いますし、また社会保障審議会に新たな会議体を設置して、中期目標、中期計画を審議するということも必要であると思っております。運用方針とともに運用結果の説明についても、わかりやすく説明していくということを強化していただければと思います。
以上でございます。
○神野部会長 菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 まず、前回以降、私から事務局に資料をお願いいたしまして、今回、資料の5ページの経営委員会の議決事項について、さらに参考資料3ページの諸外国の動向につきまして、資料を補足、あるいは追加していただきましてどうもありがとうございました。大変参考になりました。
その上で、私、今回、メモを出させていただきましたが、このメモの内容と今回のイメージ案との間には、特に違和感は感じませんでした。また、私が書きませんでしたその他の事項につきましても、特に現時点で異論はございません。
 その上で若干、私のメモを少し敷衍させてお話しさせていただきたいのですが、合議制による意思決定、経営委員会の設置の方向性には賛成であります。1つには、拠出制の社会保険の仕組みであるということ。もう一つには、世代間にまたがる、あるいは長期にわたる年金制度という仕組みであること。この2つから、やはり経営委員会で意思決定を行うメンバーに代表制をどのように持たせるかという視点が大切だと感じております。
 その点で、この経営委員会メンバーには、これまでも何人かの委員の方からお話ありましたが、拠出者代表のほか、公益代表的な性格を持つメンバーがやはり一定数入る必要があると考えています。その前提として、いずれのメンバーも資産運用に係る一定の専門的知識があるということが前提とならざるを得ないかと思います。
1つには、保険者自治という社会保険の基本原則からしますと、当然、拠出者代表、労使、厳密に言うと労使だけではないのですが、拠出者代表が入る必要があると思います。また、これは先ほどお話があったかと思いますが、受給者も年金給付に対する法的な権利を持っていますし、また、年金制度の持続可能性という観点から見れば、若年世代、将来世代も無関係とは言えないわけです。2004年改正で100年先に向けた制度設計にしたという面でも、制度論としてそのように言えるかと思います。
 こうした観点を踏まえた意思決定ができる人という意味で、拠出者代表に加え、公益代表的なメンバーが必要ではないかということです。保険者たる国が運営主体である以上は、最終的な責任はやはり厚生労働大臣が行うこととせざるを得ないわけです。したがって、それに応じた権限と責任が大臣に付与されるべきということになります。
 経営委員会の任命権限、解任権限も大臣に付与するとした場合、とりわけ任命に当たっての判断を一定程度拘束する任命委員会のような会議体を設ける必要があります。その意味で、新たな会議体を社会保障審議会につくるという方向性には賛成いたします。
 この会議体のメンバー構成自体にも、労使を初め年金制度にかかわる国民の代表制が担保されるような人材を入れることが必要であります。その際に、どのレベルでこの会議体が大臣の判断を拘束するのかということについては、1つには、経営委員会の委員候補者名簿まで作成するというやり方と、もう一つは、大臣が依拠すべき任命基準、専門性や代表性に鑑みた任用枠のようなものを策定するやり方があるのかなと思います。今回、イメージ案で出されたのは後者だろうと思います。この新しい審議会の会議体が具体的な委員候補者名簿まで作成するとした場合に、大臣の裁量権をかなり拘束することになって、恣意的な政治的任命を防ぐことになる可能性はあります。
 ただし、我々も審議会メンバーですけれども、我々の選任手続自体、民主的な正当性を有しているわけではないわけですし、また巨額の積立金運用に責任を持つ経営委員会メンバーを審議会メンバーが選出するということになじむのかという問題があろうかと思います。
 例えば公開の審議会の場で具体的な名前を挙げて、任命・選任をめぐる議論ができるのか。仮に非公開とした場合、逆に国民に対する説明責任をどう負うのか。さまざまな問題が出てくると思います。そうすると、この新たな会議体は、基本的には今回出てきた案のように、任命に当たっての基準を策定することとし、具体的な人選は大臣、すなわち、保険者たる政府の権限と責任のもとに置くとせざるを得ないのではないかと考えます。確かにそこで政治的な裁量が働く余地は残りますけれども、一定の手続的な枠をはめることにはなりますし、私はそれでよいのではないかと思います。
 以上です。○神野部会長 どうもありがとうございました。
 では、どうぞ。
○菅野委員 執行部の長以外の執行部役員も合議制機関に加わることができるのかどうか、また、執行部の長が合議制機関の長を兼務できるか、という点についてですが、出口委員から、先ほど、日本銀行等の類似性という点について御指摘ございました。配布された資料にも類似機関として日本銀行が載っております。この点につきましては、先ほど伊藤委員から御指摘ございましたけれども、そもそも論として、日本銀行における監督機能、このような経営委員会的な機能を有する監督機関というものはあり得るのだろうかと言うと、中央銀行の場合は、多分、あり得ないということだろうと思います。
 というのは、GPIFであれば、既に定められている中期運用計画に従って適切に運用が行われているのか、またその執行がうまくいっているかどうかというマニュアル的ななものがあって、それをチェックするのが監督機関の役割であるのに対して、中央銀行の場合には、物価安定という非常に抽象的な目的ですので、これについてのマニュアルというのはほとんどないし、しかも世の中が変わればそれに対する対応もどんどん変わっていきますので、それを監督できる人・機関を設置することは困難だと思います。あえて言えば国会であり国民の役割でしょう。ですので、そういう意味で、中央銀行の業務というのを御理解いただければ、GPIFと直接比較しうる対象ではないという点は明らかではないか、と思います。
 2番目に、経営委員会の役割についてですが、先ほど山口委員から協調と牽制というのがございました。確かに牽制というのはチェック機能ですのでこれは当然ですけれども、ただ、チェック機能というと、何かお互いに対立するような関係になるイメージがあるように聞こえるかもしれませんが、経営委員の一つの非常に重要な機能というのは、受益者に対する、あるいは被保険者に対する説明責任をしっかりと果たすことができるかどうかということだと思います。そういう視点で経営委員会で議論されれば、執行部の観点からみても、自分たちが行っていることをいろいろなバックグラウンドを有する経営委員の方々に正しく理解してもらえなくては、国民、あるいは被保険者全体に理解していただくというのは非常に難しいと思います。このように考えれば、チェック機能というのはいい意味で働くということなのだろうと思います。
 次に、メンバーの専門性という点についてですが、何人かの方の御意見の中にもありましたが、やはり資産運用に関する必要最低限の知識は必要であり、これはメンバーの全てに共有していただきたいと思います。GPIFは運用に特化した機関ですので、必要最低限の専門性というのをシェアした上で様々なバックグラウンドの方に出てメンバーになっていただくことが望ましいと思います。その中に労使の代表がおられるというのが適当な姿ではないかと私は考えます。一部の方は誤解しておられるようで、これまでの議論の中で、資産運用に関する高度な専門性がメンバーに要求されるということで反論されている方がいらっしゃいましたが、そのようなことが発言された記憶はありませんので、専門性という場合は、必要最低限の運用に関する専門知識、ということを申し上げたいと思います。何をもって必要最低限とするかという議論は多少あるかと思いますが、国民からの信頼を得るためには必要だと思っています。
 また、誰に対する受託者責任か、という点についてですが、これは、狭い意味の拠出者ではないと思います。菊池委員もおっしゃられていましたように、その中には受益者も含まれるでしょう。拠出者が将来受益者になるから、拠出者が現在の受益者を代表するというのも理論的にはいかがかなと思いますし、それと、伊藤委員がおっしゃられたように、将来の世代のことも考えないといけないという意味からすると、要は、国民に対して受託者責任をということに等しいだろうと思います。したがって、受託者責任は基本的には国民に対する責任ということでよろしいのではないかと思います。
 したがいまして、そういう国民目線を持った人が議論に参加していただくということであれば、あえて公益性代表というような方を任命する必要はなくて、ある意味、全員が公益代表みたいなもので、バックグラウンドにいろんな方がおられるということですので、そう考えれば、労働者の代表、企業の代表という方も入って当然だろうと思います。
 それと、最後にお願いなのですけれども、この経営委員会という名称ですが、配布資料では(仮称)となっています。恐らく、この年金部会の終わりまでには(仮称)というのがとれてくるのかも知れませんが、この名称の英訳を示していただけると、ありがたく思います。英語の呼称は重要です。GPIFに関する議論は、海外でも非常に注目されていますので、英訳をしっかりしていただいて、誤解のないような英訳をしていただきたいというのがお願いでございます。既に、もし何か案があるのであれば今言っていただいても結構ですけれども、私からのお願いということでございます。
○神野部会長 駒村委員、関連してでなければ、小塩委員、それから藤沢委員と牧原委員が先に挙がっていますので、そちらに行ってからでいいですかね。
 それでは、小塩委員、どうぞ。
○小塩委員 先生方からはいろいろ論点がたくさん出ておりますので、私のほうからつけ加えることは余りありませんが、やはりチェックアンドバランスが重要だと思いますし、運用における透明性の確保という点から言いますと、私は個人的にはA案がベンチマークになるのではないかと思っております。ほかの国の例を見ても、透明性を意識して、独立性を担保しているようなところが結構多いので、グローバルスタンダードはA案だろうと思います。
ただ、先生方のお話を聞いていても、B案に根拠があるというのは十分理解しております。しかし、その場合でも、これだけ大きなお金を抱えてマーケットに影響を及ぼす可能性が高いのにもかかわらず、A案でなくてB案を採択したということの説明を外向けにしておく必要がやはりあるだろうと思います。
 それから、運営委員会の人選についても御議論が分かれていますが、私も広く国民全体の視点を持っている方に入っていただくというのが基本だろうと思います。しかし、その場合においても、政治的なバックグラウンドから外れているということをできるだけ外向けに示すためには、菊池先生もおっしゃったように、何らかの形で、「こういう根拠で人選をしました」ということを示すことは必要だろうと思います。
 それから、これは最後のコメントですが、透明性というのは外向けに非常に重要だろうと思うのですが、運営委員会でどういう議論が行われたのかということを議事録の形でできるだけオープンにすることもあわせて考えておく必要があると思います。
 以上です。○神野部会長 どうもありがとうございました。
藤沢委員、お願いします。
○藤沢委員 ありがとうございます。
 このガバナンスの見直しの目的が、先ほどおっしゃっていたように、政治的圧力などで被保険者に不利な圧力がかからないように守るということと、あと、恐らく執行部の暴走のようなものから守らなければいけないということがあったのだと思います。いわゆる偏った判断がこの中で行われないようにということでガバナンスを見直しましょうと。お話を先生方から聞いていると、そうはいっても、今までの運用委員会もほぼ合議制のようにやっていたし、執行部のほうともうまくやってきましたよというお話があって、現実にはうまくいってきたということだと思うのですけれども、改めて現状のガバナンス体制という参考資料の図と、新しい4番の図などを見ながら、またA、B、Cを見ながら感じるところというか、考えるところを申し上げますと、まず1つには、今回、A、B、Cというのがある中で、やはりAというのは今までやっていたことと大変似ていて、運用委員会というのは全く独立で、執行部が入ってなくて、執行部は執行部であってというところを少し整理しましょうというのがAなのだろうなと。だけれども、それだと今までとそれほど私から見ると変わらないような、若干変わるのですけれども、やはり今後のことを考えると、両方で本当に協調と牽制ということを考えると、執行部とこういう、ある意味、独立した方々とが協調しながら、牽制しながら前に進めていくということが非常に重要だということを考えるとB、Cというふうになると思うのです。
 B、Cというのを比較したときに何が違うのかというと、合議制機関の中に長だけが入るのか、長以外の役員さんも入るのかという整理になると思うのですけれども、1つ私が感じるのは、先ほども労使の方々が1人ずつというのはどうだという御意見もあったように、やはり利害の関係のある方が1人だけ入っていくというのは非常に議論しにくいというか、不利な状況になるということはあり得るのではないかと考えます。私自身も社外取締役ということでいろんな企業に入っていますけれども、たった1人で社外取締役として入ると、やはり非常に不利であるということは実感しているところでありまして、そういう意味では、この執行部の方も、長が1人入るというのは、この議論のバランス的には余りいい形にならないのではないかなというのを感じるところであります。
 もう一つ感じるのは、ガバナンス体制の絵を2つ見比べて、現状と新しいイメージ、強化のイメージというのを比較していたときに、現状のガバナンス体制というのは「理事長(独任制)」と書いてあって、これはまた非常に不安がここにもあったのだろうと思うのですけれども、今度の経営委員会のところで、また長だけを入れますということになると、別に独任制ではないのですけれども、執行部というものを眺めてみたときに、また長だけが合議制の機関に入っていて、執行部の中でのガバナンスを考えたときにまた何か偏りが起きるのではないかなといういささかの不安を感じましたというのが私の意見でございます。
 以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
それでは、牧原委員、どうぞ。
○牧原委員 それでは、2点だけ申し上げたいと思いますけれども、1つ、このガバナンスを考えるときに、運用という局面だけを切り離して議論することはできず、年金制度全体の中でこのガバナンスというのを考えなければいけないと思います。
 そういう意味で言うと、独任制から合議制へガバナンスを移行するということは賛成なのですけれども、そのメンバーの構成について、ステークホルダーが当然入るべきであるし、国民という抽象的な言葉もありますけれども、受益者、それはとりもなおさず、積立金を出している拠出者が重大なというか、多大なステークホルダーであると感じております。そういう意味で言うと、運用委員の中で、今、7名中労使1名ずつということですが、10名中労使1名ずつということになると、重大なそのステークホルダーの比率がどうなるかということについては若干いかがなものかという疑問を持っております。
 もう一つが任期の観点なのですけれども、合議制のこういうガバナンスの場合、独立制という話、先ほどございましたけれども、そういう観点から言うと、委員が長くなるということになると、執行サイドとガバナンスサイドとの非常に線引きというか、近づいてしまうということで、ある程度その任期に限定を設けるというのはあり得る話だと思いますけれども、ただ、では5年間というのがマストかというと、今の運営委員についてもたしか2年間で運用されておりますけれども、例えばマキシマムとして何年間ということで、2年間で再任を妨げずというようなやりようというのもあるのではないかと考えます。
 以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
では、駒村委員。
○駒村委員 きょうの議論を聞いていて、ガバナンス、経営委員会に入るメンバーの根拠について、ちょっと理解が共有されてないまま議論が進んでいるような気がするのですね。労使がなぜ入るのかというのは、抽象的な国民とか未来世代とかいうよりは、やはりちゃんとした根拠があるのだということは明確にしなければいけない。これがなぜ議論が曖昧になってしまうかというと、結局、積立金は誰のものなのかというのが共有されないまま議論されている。だから、今の年金の積立金の性格、つまり、もともと積立方式を目指していたものがなし崩し的に賦課方式になってきて、今、事実上のバッファーファンド的なものになってきているのだというわけですけれども、この積立金の性格は一体どういうものなのかと。それから、運用にプラスマイナスが出たときにはどの世代にまず影響が出ていくのかというのを厳密に言っていただかないと、整理していただかないと、労使の代表の根拠がいま一つ曖昧になってしまう。
 世界のどの国も、労使代表は多分、偶然、多様性のために入れたのではなくて、拠出者として複数名入っているというのが普通だと思うので、これも根拠を調べてもらいたいわけですけれども、拠出者のガバナンスに入る根拠を余りいいかげんに曖昧に議論すべきではなくて、やはりきちんと資料を整理して、積立金の性格はどういうものなのか、運用の上下が出たときにはどういう形で、どの世代に影響が出て、うまくいけばどの世代から復元するのかというのを整理してもらいたい。これは事務局、資料を整理して、皆さん、その資料を見ながら、確認しながら議論したほうがいいと思います。ちょっと対応関係というか、根拠とその影響というのが非常に曖昧なというか、共有されないで議論が進んでいるような気がしますので、これは事務局に次回以降お願いしたいと思います。
○神野部会長 どうぞ。
○平川委員 ありがとうございます。
 私も、今の駒村先生と同じでございまして、社会保険原則というのは改めて考えていかなければならないと考えております。当然、そのこととともに、実際問題、被保険者数の問題や年金保険料収入で見た場合、どういう状態になっているのかというのをしっかりとデータも出していただければと思っております。そういうところで、社会保険である年金制度の中におけるGPIFのガバナンスという視点で物事を考えていく必要があるのではないかと考えています。
以上です。○神野部会長 植田委員、何かありますか。
○植田部会長代理 私から1つは、検討作業班でとりまとめに当たった者としましては、これはいっとき日の目を見ないのではないかと思ったこともあったのですが、バランスよくまとめていただいて、どうもありがとうございました。
あと2点だけ。1つは、B案的な方向でいった場合に、経営委員会と執行部との関係というところですが、私の運用委員会での経験、あるいは場合によっては日銀の経験を振り返りましても、そこは余り心配要らないかなと思っております。日銀、余り参考にならないという意見もありましたけれども、執行部のほうがこんなことを決めてもらっては困るというふうになかなかならない理由としては、さまざまなチャンネルで意思疎通が行われているというところにあって、執行部の長である総裁が政策委員に入っているというところはそんなに大事でないような気がいたします。例えば、言い方は悪いですけれども、現在の黒田総裁、そんなに執行の細部のところまで、恐らく御存じないと思うのですね。それでも、うまい意思決定がなされていると思います。
それからもう一つは、これはもう少し先に進めた場合に問題になりそうなところとしては、経営委員会でどこまで決定するかというところで、まだ曖昧なところがいろいろ残っているように思います。例えばアクティブ、パッシブ比率の決定、それから許容乖離幅をどういう考え方でどのように使っていくのかということを含めまして、いろいろ現在運用委員会では一応議論されているけれども、今後それを経営委員会の決定事項とするのかどうかというところ等、まだ問題が残されていると思いますが、現在の時点ではっきり決めてしまうのがいいのかどうかもまたわかりませんが、ちょっと問題としては残っているように思いました。
以上。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
それでは、出口委員。
○出口委員 いろいろお話を聞いていて、米澤先生と武田委員のお話がすごく印象に残ったのですけれども、確かにこの資料を拝見している限りでは、GPIFは今は独任制で、これを変えなければいけないと読めてしまうのですけれども、でも、現実の運営は、実際には法的根拠はないのだけれども、かなり合議制に近い形でやっていらっしゃるという説明はすごく大事なポイントだと思います。これは記者の方々も聞いておられるので心配はないと思うのですが、もしこれを先に進めるときには、やはり現状の運営がこうなっていると、もう既にポートフォリオは多様化しているわけですから、国民の皆さんが心配されないように、現実は、制度上は独任制なのだけれども、運営上は極力合議制に近い形で衆知を集めてやっているのですよと。今回の改正はそれをさらに丁寧に法的にバックアップするのですよという説明に心がけていただければ、観念論で独任制か、あるいは合議制かという対置ではなくて、こういう問題なのだよということを丁寧に御説明いただくことが、すごく大事だと思います。
最終的には、藤沢委員が言われたように、B案とC案の違いは、要するに、経営委員会に1人入るのか、あるいは複数入れたほうがいいのかという違いに帰着すると思いますので、僕自身は、1人だったら、やはりその人の独任制になるのではないかと思いますから、複数のほうがいいと思いますけれども、それは皆さんの御意見を尊重して、あとは事務局がまとめていただければいいと思います。やはり一番大事なことは、米澤委員や武田委員が言われたように、実際にあれだけのお金を動かしているわけですから、新たな箱をつくったときに、少なくとも今よりもさらに合議制機関と執行部の円滑な意思疎通ができるような方向で、実際、運営で上手く回っているものが、形をつくったがためにかえってまずくなった例というのは結構あるように思いますから、今回の改定についても、ガバナンスの強化については、今お話を聞く限りはうまくいっているような感じがしますので、それをさらに意思疎通をうまくやり、外部へも効果的に説明でき、なおかつ、極力組織もシンプルにして、負荷をかけない方向で事務局のほうでまとめていただければ大変ありがたいという意見を一言申し述べさせていただきます。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
私の不手際で、いつもいつもおくれてしまうのですけれども、極めて建設的に生産的に御意見を頂戴したことを深く感謝する次第でございます。きょういただきました委員の皆様方からの意見は、大筋、方向性としてはこのイメージ案で進めてよいのではないかということをいただいたと思っておりますが、さらにその上で注意すべき事項とか、もっと精緻にリファインすべき事項とかを御注意いただいたと思いますので、本日いただきました委員の皆様方の御意見を反映するような形で、事務局においてさらに整理を進めていただいて、この部会で案をとりまとめる段階で、改めてそれを下敷きにしながら議論を進めていきたいと思っております。
次回でございますけれども、次回は、もう一つのテーマである運用見直しについて、GPIFなどの関係機関や、それから有識者の方々からヒアリングを行いたいと思っておりますので、そのように御承知おきいただければと思います。
それでは、本日の審議はこれにて打ち切りさせていただきますけれども、次回以降の日程について事務局のほうから連絡していただければと思います。よろしくお願いします。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 次回の開催日程につきましては、年明けになりますが、追って連絡させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○神野部会長 それでは、これにて本日の審議を終了いたします。最後まで熱心に御議論頂戴したことを深く感謝を申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。


(了)

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