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2015年12月8日 第31回社会保障審議会年金部会議事録

年金局

○日時

平成27年12月8日(火)17:00〜19:00


○場所

東京都千代田区霞が関3−2−5霞が関ビル35階
東海大学校友会館 「阿蘇の間」


○出席者

神 野 直 彦 (部会長)
菊 池 馨 実 (委員)
駒 村 康 平 (委員)
出 口 治 明 (委員)
原 佳 奈 子 (委員)
平 川  則 男(委員(代理出席))
藤 沢 久 美(委員)
牧 原  晋(委員)
宮 本 礼 一(委員)
森 戸 英 幸 (委員)
諸 星 裕 美(委員)
山 口  修 (委員)
米 澤 康 博 (委員)
岩 間 陽一郎(委員)
菅 野 雅 明 (委員)

○議事

 

○神野部会長 それでは、定刻より少し早いのですけれども、ただいまから第31回「社会保障審議会年金部会」を開催したいと存じます。

 ことしも押し迫りまして、先生も走り回るせわしいときとなりました。さらにまた、夜のとばりがすっかり落ちてからお集まりいただくことになりました。万障を繰り合わせて御参集いただきました委員の皆様方には、深く感謝を申し上げる次第でございます。

 少し間を置いてからの開催になりましたので、この間、年金部会委員の異動がございます。これにつきまして御報告をさせていただきます。

 今回の年金部会までに、花井委員、柿木委員、小山委員、吉野委員が御退任されていらっしゃいます。新たに、平川委員、牧原委員に御就任いただきました。今後ともよろしくお願いいたします。

 本日の出欠状況でございますけれども、植田委員、小塩委員、小室委員、佐藤委員、武田委員、平川委員、山本委員から御欠席との御連絡を頂戴しております。

 本日、先ほども御紹介いたしました平川委員に御就任していただいているのですが、御欠席でございますので、平川委員の代理として日本労働組合総連合会の伊藤参考人に御出席いただけるということでございますので、この件につきまして部会の御承認をいただければと思います。

 よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○神野部会長 それでは、そのように取り計らわせていただきます。

 御出席いただきました委員の皆様方が3分の1を超えておりますので、この会議は成立していることを、まず、御報告させていただきます。

 後ほど議事については申し上げますけれども、本日の議事については「年金積立金の管理運用に係る法人について」という議題がございます。この件につきまして、専門委員である岩間委員、菅野委員にも議論に御参加いただいておりますので、御報告させていただきたいと思います。

 なお、伊藤委員、堀江委員からは御欠席との御連絡を頂戴しております。

 事務局から御出席いただいていらっしゃる方々につきましては、前回の年金部会以降、異動があったと伺っておりますので、事務局から御紹介をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○総務課長 年金局の総務課長になりました、度山と申します。

 それでは、私より事務局の人事異動について御紹介させていただきます。

 年金局長の鈴木でございます。

 年金管理審議官の福本でございます。

 大臣官房審議官(年金担当)の伊原でございます。

 大臣官房参事官(資金運用担当)の宮崎でございます。

 首席年金数理官の下島でございます。

 年金課長の間でございます。

 国際年金課長の阿萬でございます。

 事業企画課長の依田でございます。

 事業企画課調査室長の村田でございます。

 事業管理課長の高橋でございます。

 日本年金機構事業企画部長の向山でございます。

 以上でございます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ここで資料の確認をさせていただきたいと存じます。

 事務局から、よろしくお願いします。

○総務課長 お手元の資料について確認をさせていただきます。

 配付資料といたしまして、資料1−1は1月におまとめいただきました議論の整理でございます。

 資料1−2、議論の整理で示された検討の方向性というペーパー。

 資料1−3、経済財政運営と改革の基本方針と公的年金制度にかかわる閣議決定文書の抜粋でございます。

 資料2−1「GPIFの在り方について」というペーパーでございます。

 資料2−2「検討作業班報告に対する年金部会の主な意見」。

 資料3「社会保障協定の締結の進捗状況等」です。

 参考資料が3つございまして、参考資料1「GPIF関係」と題したペーパー。

 参考資料2、検討作業班の報告についての議論の要約。

 参考資料3「就業促進に向けた取り組みについて」と、経済財政諮問会議の資料を配付させていただいております。

 また、本日の議事とは直接関係しませんけれども、委員の皆様のお手元に「GPIF平成27年度第2四半期運用状況の発表について」というタイトルの資料を配付させていただいております。

 もし抜け等がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしくお願いいたします。

○神野部会長 御確認いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、大変恐縮でございますけれども、カメラの方々にはここで御退室をお願いしたいと存じます。御協力をよろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○神野部会長 それでは、議事に入らせていただければと思いますが、本日、大きくは2つでございますが、その他を含めて3つの議題を準備させていただいております。お手元の議事次第を御確認いただければと思いますが「年金制度に関する状況報告」「年金積立金の管理運用に係る法人について」「その他」という3つの議題を設定してございます。

 まず、第1の議題でございますけれども、年金制度につきましては、少し間隔を置きましたが、本年1月21日の年金部会におきまして、改革の方向性を整理いたしました「社会保障審議会年金部会における議論の整理」を取りまとめたところでございます。

 本日は、この1月21日に取りまとめました議論の整理以降に生じている年金制度にかかわる状況につきまして、まず、事務局から御報告を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○年金課長 年金課長の間でございます。

 私のほうから、資料1−1、1−2、1−3、特に1−2の資料を中心に、年金制度に関しまして、今、部会長からお話がございましたように、年金部会でお取りまとめいただいた後の調整検討状況について、簡潔に御説明させていただきたいと思っております。

 資料1−1がまさにお取りまとめいただいた議論の整理でございますが、これをおまとめいただいた際に、今後、私どものほうで政府部内あるいは与党との調整をした上でまた御報告申し上げますというお約束をしておったところでございます。まだ完全に調整が終わっている状況ではございませんけれども、現段階における調整状況について報告を申し上げる次第でございます。

 資料1−2の横の資料をごらんいただければと思います。

 1ページ、本部会におきまして熱心に御議論いただきました議論の整理では、多く7項目、検討課題として御議論いただいたところでございます。いずれも重要な課題でございました。

 この議論の中で、ある程度、具体的な方向性をお示しいただいたものが3点あると考えております。

 それが項目番号で申しますと1番と3番と6番でございまして、1つは短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大があり、もう一つが年金額改定(スライド)の在り方であり、3つ目が第1号被保険者の産前産後期間の保険料の取り扱いでございました。

 これらを中心に、平成26年財政検証を踏まえた制度改革に向けて具体的な検討を進めているところでございます。

 その中身でございますが、基本的には年金部会で御議論いただいた方向性に沿ったものとすべく取り組んでいるところでございます。

 2ページ、御案内のように、既に平成24年の年金機能強化法によりまして、501人以上の企業につきましては2810月から適用拡大という方向が出ているわけでありますけれども、逆に言えば、500人以下の企業につきましてはそのような途がないということが現状でございます。

 こういう適用除外がされた規模500人以下の企業につきましても、労使合意に基づき、企業単位で、短時間労働者への適用拡大を実施する途を開くという方向で検討をしているところでございます。

 この下のイメージ図で申しますと、条件は501人以上と同じと考えておりますけれども、そのうちのマル5の従業員の規模要件につきまして、500人以下のところに対して、労使合意に基づき、適用拡大の対象を認めるような形を考えております。このイメージ図の左下のところでございます。

 これによりまして、御案内のように、中小企業を中心に人手不足感が出ておりますので、これを選択的適用拡大と私どもは呼んでおりますけれども、こうやって途を開くことによって、人材確保に意欲的な中小企業にとっていい形になるでしょうし、労働者本人にとっては年金の確保につながると考えておりまして、このような方向で考えているところでございます。

 3ページ、これは以前もお示ししたかと思いますけれども、それがどれくらいいらっしゃるかということで申しますと、この下の絵の4つの左上のところでございますが、現在、適用除外となっている106万円以上、また、500人以下の規模の企業で働いておられる週2030時間の短時間労働者の方は約50万人いらっしゃると考えておりまして、こういう方々に、労使合意に基づいて、そういう途が開かれるようにしてはどうだろうかという方向で検討しております。

 4ページ、年金額改定(スライド)の在り方でございますが、この部会における議論の整理におきましては、大きな方向性として、物価変動が賃金変動を上回る場合に、賃金に連動して改定する考え方を徹底すべきであるという御報告をいただいてございます。

 御指摘のように、年金は現役世代の保険料に支えられておりますので、負担能力に応じた給付としていくことが適切と思っております。

 具体的にどういう場合に今回の改正の余地があるかということでございますが、この下の絵をごらんいただきたいと思います。

 賃金・物価ともにプラスという経済が成長している状況におきましては、この左下の絵のように、賃金と物価の高さが賃金のほうがより伸びている。経済の一番いい形でありますけれども、こういう状況では、既に年金受給されている既裁定の方の改定率は物価に合わせることになっておりまして、他方、物価も賃金も伸びているのだけれども、賃金のほうの伸びが低い場合については、賃金に合わせる。低いほうに合わせるというルールでやっております。

 ところが、リーマンショックのときが典型でございますけれども、賃金がマイナスあるいは物価も場合によっては下がっている場合につきましては、この右側でございますけれども、物価の下落分だけ額改定に反映させるルールになっております。

 また、賃金と物価がアンビバレントな感じになっておりまして、物価は上がっているのだけれども、賃金が下がっている状況の場合には、これをゼロ改定と申しまして、額を動かさないというルールになっているところでございます。

 これは現状のルールでございますけれども、こうしますと、リーマンショックが典型でございますけれども、現役が大変苦しい中で年金額のほうは相対的には落ちないということですから、逆に言えば、実質的には代替率が上がっていく状況が年金財政に非常に大きな影響を与えていたというのが事実でございます。

 こうしたことから、現役世代が大変苦しい思いをしているときには、受給世代につきましても痛みを分かち合っていただけないだろうかということで、この絵で申しますと下方向の点線の矢印でございますが、こうした部分について反映できないだろうかと考えているわけであります。

 現在の政権下では賃金も物価も上げていこうということでありますので、左側のような賃金・物価ともにプラスという方向をつくり出そうとしているわけでありますが、年金は100年の超長期の安定性を図るものでありますので、中長期的な景気循環の中ではいろいろな経済状況があるだろうということで、そうしたことが起きた場合でも、将来世代の給付水準が保たれるように、制度の安全弁的な装置をあらかじめ仕組んでおくことが必要ではないかという方向で考えているところでございます。

 将来世代の給付水準の確保のために行いたいということでございまして、この点は部会でおまとめいただいた方向に沿ったものと考えております。

 5ページ、マクロ経済スライドによる年金額調整の在り方の見直しについてでございますが、こちらも、議論の整理の中では、マクロスライドによる調整が極力先送りされないようにすることについて御指摘をいただいたところでございます。

 現在の仕組みにおきましては、名目下限を守っていくということでございますので、例えば、この5ページの絵の真ん中ら辺の左にある賃金・物価の上昇が小さいケースにおきましては、賃金・物価の上昇が小さくて、マクロ経済スライドの調整率が1%前後があるわけですけれども、こういったものを吸収できない場合には、名目下限より下回る部分については将来に先送りをされることになっております。

 また、賃金・物価が下落する場合には、そもそもマクロ経済スライドが発動されないことになって、こういったものが全て調整期間の長期化につながっている。

 すなわち、これは将来世代の給付水準の低下につながるということでございまして、こうしたことから、こういう先送りをできるだけされないようにするということで、現在の受給世代に配慮しつつ、将来世代の給付水準の確保のためにできるだけ早期に調整を行うという方向で考えているところでございます。

 では、具体的にどうするかということでありますが、6ページ、部会の中でも御議論いただいた中で、3段の絵が描いてございますが、一番上がまさに現在のルールでございます。

 問題になりますのが、この縦で見ていただきますと、真ん中の2つの縦の欄です。こちらのケースをどうするかというのが課題になってございます。

 一つのやり方としては、いわゆるマクロ経済スライドをフル発動するという考え方でございますが、賃金・物価の上昇率が小さい場合であってもフル発動して名目下限を下回ってやっていく、あるいは、賃金・物価がマイナスの改定の場合にもそれに上回ってさらにマクロ経済スライドをかけていくという、これは純粋形でございます。

 関係方面と調整していく中で、これはもちろん将来の給付水準の確保のために必要な措置ではあるのですけれども、現在の受給世代とのバランスということも大事であろうということで、先送りを極力回避することを前提にしつつ、下げるときについては名目下限を守ってはどうだろうかということも案が出てきております。

 例えば、マル2の一番下の欄の左から2つ目の欄を見ていただきますと、この場合には、名目下限までマクロスライドをかけていくということなので、残りの未調整の部分が残ってまいります。これを数十年後に先送りするのではなくて、直近の景気上昇局面で、通常のマクロスライド、単年度のマクロスライドに加えてこういう未調整分をキャリーオーバーしまして、そこで調整するということではどうだろうかということを考えています。

 これは、繰り返しになりますけれども、将来の受給世代の給付水準の確保を図るとともに、現在の受給世代に一定の配慮をするものでございまして、もともとマクロ経済スライドは現在の高齢世代と将来の高齢世代の給付水準のバランス調整でございますので、そういった考え方に立てば、若干マイルドになりますが、しかし、先送りをしないという本旨に沿ったマル2のやり方でやってはどうだろうかという方向で検討調整をしているところでございます。

 最後の7ページ、国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除でございますが、この点につきましては、御案内のように、3号被保険者もそうですが、2号被保険者の場合には産前産後期間は法定免除になっておりまして、免除になっているけれども、給付はその分ちゃんと払ってきたものと同様に満額がついてくる仕組みになっています。その場合の免除した保険料分につきましては、2号被保険者全体で賄うというルールになっています。

 この1号被保険者の場合につきましては、これは24年の年金機能強化法の改正法附則で検討が求められていたわけでありますが、こちらにつきましても方向性をお示しいただいておりますので、それに沿いまして、次世代育成支援の観点から、1号被保険者の産前産後期間、具体的には、出産予定日の前月から4カ月間の間、法定免除とする。免除期間についても、満額の基礎年金給付を保障するということでございます。

 これには当然財源が必要でございますが、これにつきましては、1号被保険者全体で分かち合う、負担し合うという考え方で、国民年金の保険料につきまして、追加の保険料、月額にいたしますと100円程度でございますが、これをお願いして全体で支えたいという方向で考えているところでございます。

 以上、このようにおまとめいただきました議論の方向性に沿いまして、改正の方向を考えているところでございます。

 また、関連いたしまして資料1−3をごらんいただければと思います。

 これは年金関係を政府部内で決定した文書の中にどのように盛り込まれているかということですので、御紹介をいたしたいと思います。

 1ページ、ことしの6月30日に閣議決定されました「経済財政運営と改革の基本方針2015」の中で、ここにございますように「年金については」ということで、プログラム法等に基づき、マクロ経済スライドの在り方、短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲の拡大、高齢期における職業生活の多様性に応じ一人一人の状況を踏まえた年金受給の在り方、高所得者の年金給付の在り方を含めた年金制度の所得再分配機能の在り方及び公的年金等控除を含めた年金課税の在り方の見直し等について、引き続き検討を行う。これは検討を行うということが宿題として書かれております。

 2ページ、さらにその同日に決定されました日本再興戦略では、特に適用拡大に関連いたしまして、この最後の2行でございますけれども、既に決まっております被保険者501人以上の企業の適用拡大に加えまして、201610月の施行に合わせて中小企業にも適用拡大の途を開くための制度的措置を講ずると閣議決定がなされているところでございます。

 3ページ、1126日にまとまりました一億総活躍国民会議における早急に実現すべき対策の中で、特に今の制度改革に直接関連するものとしては、2番目と3番目の○でございますけれども、自営業者・短時間労働者等の産前産後期間の経済的負担を軽減するため、国民年金の保険料の免除等の検討を行う。先ほどの1号被保険者の産前産後期間の保険料免除の話を記載しております。また、中小企業に被用者保険の適用拡大の途を開く制度的措置を講ずる。適用拡大についても、このように記載されております。

 さらに3番目でございますけれども、企業年金・個人年金の普及・拡大、公的年金の改革を進め、公私を通じた年金水準の確保を図る。このような形で位置づけておるところでございます。

 以上のようなことから、今後、本日お示ししておりますような検討の方向性で、さらに関係方面と調整を進めまして、成案を得、また御報告をし、法改正につなげていきたいと考えているところでございます。

 説明は、以上でございます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 1月21日にまとめました議論の整理の方向性に沿いながら検討されている状況及び新たな状況等々を御説明いただいたわけでございますが、御質問、御意見があれば、頂戴をしておきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。

 宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 ありがとうございます。

 適用拡大のところの任意適用について一言御意見を申し上げたいと思います。

 資料1−3の2ページ、日本再興戦略改訂2015にも、これから「中小企業にも適用拡大の途を開くために制度的措置を講ずる」ということが書かれておりますけれども、先ほど説明がありましたとおり、来年10月からは企業規模でいうと従業員数が501人以上ということになっているわけであります。

 ここ最近、非正規雇用労働者もどんどんふえている、割合が高まっていることも踏まえて、引き続き全ての雇用労働者にこの社会保険を原則適用していくことが適当だと思っております。

 そこで、任意適用の部分でいうと、労使合意に基づいて企業単位で短時間労働者への適用拡大を実施することは、賛成です。着実にこれを実施して、今後の適用拡大につなげていくべきだと思っています。

 そこで、501人以上の従業員要件ですけれども、企業の中にはさまざまな雇用形態の方々が働いていらっしゃるわけで、従業員501人といっても、この従業員という定義について明確になっていないのではないだろうかと思っています。501人というのは、我々従業員全体のことを501人という規模で指すのか、そうではないのかということを、もう少し明確にはっきりしていただければと思います。

 そのことで、当初予定していた25万人を想定していますけれども、この25万人の想定数が、今後、変わるのかどうなのか。もし変わるのであれば、変わることも含めて御説明いただければと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○神野部会長 コメントがあればいただければと思います。

○年金課長 御指摘をありがとうございます。

 年金部会のおまとめの中でも、さらに適用拡大を進めていく必要があることについては御異論のなかったところでございまして、順次進めてまいりたいと考えております。

 今、501人以上の企業の従業員のカウントの仕方につきまして御指摘をいただいたところでございます。この点につきましては、端的に言うと、今の1−2の資料の2ページ、真ん中よりちょっと上のところの四角い箱に条件が書かれています。そこにマル5で「従業員501人以上の企業」と書いておりまして、その中にさらに注釈がございまして、適用拡大前の基準で適用対象、つまり、被保険者となる労働者の数で算定と書かれてございます。

 実際、平成24年の機能強化法の法律におきましても、この501人以上かどうかということについては、適用事業所に使用される通常の労働者、つまり、フルタイムで働いている人、いわゆる正規の方です。それから、それに準ずる者、つまり、4分の3以上という方々の総数が常時500人を超える企業について強制適用していくと、法律上も明らかでございまして、これは厚生年金の世界に引きかえてみれば、被保険者の数が501人以上かどうかということで決まるということでございます。

 このあたりがもしわかりにくいということであれば、よりきちんと明確にお示しするように努力していただきたいと思います。御指摘をありがとうございました。

○神野部会長 宮本委員、どうぞ。

○宮本委員 ありがとうございました。

 ぜひここは従業員規模数で501人以上としていただくと、さらに拡大して、いいのではないかと意見として申し上げたいと思います。

 以上です。

○神野部会長 森戸委員、どうぞ。

○森戸委員 1つシンプルな質問ですけれども、まさに短時間労働者への適用拡大ですが、この500人以下のところは労使合意に基づきということで、これが単純な任意適用ではなくて労使合意というのを要件としていることの趣旨を御説明いただきたいと思いました。

 いろいろな社会保障関係で、企業年金でも労働法関係でも、労使合意がいろいろな規制に絡んでいるところはいっぱいありますけれども、普通は、例えば、労基法を守らなければいけない原則の例外を認めてあげます、36協定みたいに労使で合意したら例外を認めますというときに出てくるわけです。

 でも、ここの場合はちょっと場面が違うので、単純にもし企業が任意に、人手不足だから、もっと企業として魅力を高めるために、うちは500人もいないけれども、被用者保険に入れますというのだったら、別にそれは企業が決めればいい話かなと思って、つまり、余り想定はされないですけれども、これは、労側、従業員代表なり労働組合が嫌だと言ったら適用されないということですから、ここが単純な任意適用ではなくて労使合意になっていることの趣旨を教えていただければと思いました。

○神野部会長 労使合意条件の趣旨です。よろしいですか。

○年金課長 端的に申し上げれば、御案内のように、被用者保険でございますので、年金に関して、これは健康保険もそうですけれども、本人負担も事業主負担もあるということでございます。

 もちろん御本人にとって実のある、給付のあるということではございますけれども、そこは合意の上で進めていくべきものと、要するに、お互いの負担が義務的に発生いたしますので、そこで労使合意が必要だとしたものでございます。

 もちろん労使合意というものは、一人も反対の人がいてはいけないという意味ではございませんので、一定の納得感のあるような形で労使間で話し合っていただきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○神野部会長 よろしいですか。

 山口委員、どうぞ。

○山口委員 ありがとうございます。

 私のほうからは、産前産後期間の保険料の免除について、少しコメントと質問があります。

 前のこの部会で、私は厚生年金サイドからも財政サポートをしてはどうかといったことを申し上げたのですが、この案では、国民年金の被保険者の中だけで支えることになっております。

 そこで、この国民年金の100円の保険料について少し教えていただきたいのですが、年金財政的には免除される対象者の数があって、その数に国民年金の保険料を掛け算したものが免除される保険料総額で、これに対して拠出対象者数に100円を掛けたものが大体バランスするというイメージだと思うのですけれども、その拠出対象者とは何かということです。御案内のとおり、国民年金の場合は未納者が非常に多いわけです。ですから、未納者も含めて、本来は拠出すべき人が拠出対象者であるという前提で計算しているのか、それとも、最初から出していない現実を踏まえて、未納者は除いて対象者を把握して、こういう100円という追加保険料を出しいているのかというあたりをちょっと教えていただきたいと思います。

○神野部会長 これもよろしいですか。

○年金課長 ただいまの山口委員から御指摘でございますけれども、この点につきましては、まず、なぜ1号かということに関しましては、2号のところは2号のところで全体で助け合っているということで、1号は1号全体でということを考えているということでございます。

 また、100円につきましては、お見込みのとおりでございまして、20万人の方に4カ月間免除すると総額が出ますので、それを基礎年金の拠出金の対象者の人数を12カ月で割ると100円くらいになるということでございまして、ここは拠出対象の被保険者ということで、大体九百数十万人ということを想定しているところでございます。それで割り算をしているとお考えいただければと思います。

○神野部会長 よろしいですか。
 どうぞ。

○伊藤参考人(平川委員代理) ありがとうございます。

 まず、短時間労働者の被用者保険への適用拡大の促進について、501人の算定の考え方が法律制定時から変わっていないのだといった趣旨の御説明でしたけれども、附則に労働者と書いてあるのに、資料1-22頁を見ると、現行の内かんベースの被保険者数ということになっており、大分違うのではないか、そうすると、25万人にも満たないのではないかという懸念を持っております。

 そういう意味でも、さらなる適用拡大が必要だと考えておりますし、新5要件の月収要件の8万8,000円というのは、いずれの地域の最低賃金で20時間、14.3週働いてもそこに達しないことを考えますと、やはり高過ぎると考えておりますので、さらなる見直しが必要だと思います。

 確認をさせていただきたいのは、有期労働契約の場合の経過措置の扱いです。今回の法律に、現在の被保険者として適用されている人については、新5要件の対象とならなくても、継続して被保険者となるのだという経過措置があると思います。

 これについて、有期労働契約の場合、その契約期間が数カ月後に満了したときに、それで労働契約が終了し、次の契約のときに労働条件が変更され、社会保険に入れないという扱いがされるとすれば、労働契約法第20条の期間の定めのある労働契約に対する不合理な労働条件の禁止の趣旨を考えても、適当ではないと思っていますので、こういった反復継続で行われる有期労働契約の短時間労働者については、同じ事業所で働いている限りにおいては、そのまま適用になると考えてよろしいでしょうか。

 それから、公務員といいますか、国及び自治体で働く短時間労働者についての取り扱いはどうなっているのかということです。これについては、率先して行うべきだと思っておりますし、500人という基準などにかかわらず適用すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 もう一点、年金額改定のところです。私どもとしては、高齢者世帯の7割の所得を公的年金が賄っていますし、6割の高齢者世帯では年金収入のみという実態から考えても、基礎年金のマクロ経済スライドについては慎重に扱うべきだと従来から主張しております。今回、物価スライドと賃金スライドとマクロ経済スライドのトリプルで掛けるという提案がありまして、かなり受給者に厳しい提案だと思っておりますが、こういった年金支給額の減額により、年金生活者支援給付制度の支給に当たっての収入要件の対象について、収入要件を満たす人がふえることを意味していると考えてよろしいでしょうか。以上3点、確認させていただきます。

○神野部会長 3点、よろしいでしょうか。

 よろしくお願いいたします。

○年金課長 まずは適用拡大の関係でございますが、先ほど宮本委員の御質問に十分お答えしておりませんでした。済みません。

 先ほどの25万人につきましては、これはもともと先ほど御説明しましたような法律の規定に従いまして、被保険者ベースで考えておりますので、この25万人は現状でも変わっていないということでございます。

 これにつきましては、先ほど、例えば、月額賃金の基準をどうするのかといったことも御指摘いただいてございます。

 こちらにつきましては、先ほども御紹介しました24年の年金機能強化法の附則におきまして、適用拡大について規定がございます。こんな検討規定でございます。

 政府は、短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲について、平成31年9月30日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずることとされておりますので、御指摘のように、今回10月に施行されるものも踏まえながら、さらなる措置につきまして検討し、また御相談させていただきたいと思っております。

 経過措置の話でありますが、有期で切れた場合でも、引き続きやっていく場合にはそのまま継続しているものとして取り扱っていくということでございますので、そこは対象になっていくということだと考えております。

 自治体の件でございますけれども、これは現在また政府内で調整中でございますけれども、方向としては、自治体の場合には、ここの500人以下の場合にも、手挙げ方式、選択的適用拡大ではなくて、強制適用していくという方向で、現在、調整を進めているところでございます。

 基礎年金に関しましては、年金部会にお取りまとめいただく過程におきましても御意見をいただいているところでございます。

 これにつきましては、先ほど来、申し上げていますように、足元の年金額につきましてもちろん影響があるわけですけれども、しかし、将来世代の給付水準の確保のためにはむしろプラスの効果があると考えておりまして、そういった中で全体で判断すべきものと考えております。

 また、基礎年金にこういうマクロスライドをかけないことになりますと、年金財政としてだんだん成り立たなくなってまいりますので、それは誰にとっても幸福なことではなかろうと考えておりますので、苦しい中ではありますけれども、この16年改正の財政フレームの中では、こうしたマクロ経済スライドをかけていくこと自体は必要なことではないかと考えているところでございます。

 また、年金生活者支援給付金の関係につきましては、その時点におきます収入で判断をしていくということでございますので、年金額に影響があれば、それを踏まえて判断するということだろうと思っております。

 以上でございます。

○神野部会長 どうぞ。

○伊藤参考人(平川委員代理) そうしますと、生活保護受給世帯のほぼ5割に高齢者世帯が達する勢いになっている実態もありますし、今の御説明でも、年金生活支援給付制度でカバーするところが出てくるという話を考えますと、年金財政の健全化を図ることは大変重要なことでもありますが、それによって他の制度に負担を押しつけるということでなく、高齢者の生活をめぐる社会的な事象もさまざまに起きている、こういった変化も注視しながら所得補償の在り方を検討する必要があると思います。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございます。

 何かコメントはございますか。

○年金課長 御指摘をありがとうございます。

 いずれにしましても、年金は高齢期における生活の支柱であることは間違いないわけでございまして、これにつきまして、長期にわたって安心を確保できるようにということは非常に重要な視点であると思っておりますので、そういったことのもろもろを考え合わせながらまた進めていきたいと思っております。

○神野部会長 お待たせいたしました。駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 幾つか質問とコメントをさせていただきたいと思います。

 まず、短時間の適用拡大ですけれども、今回の財政検証でも明らかになったように、基礎年金の部分のマクロ経済スライドのダメージが大きいということは、1つ、あるわけです。基礎年金だけでは非常に心配だ。

 特に就職氷河期と言われた時期に就職していた若い世代の中には、いわゆる不本意非正規と言われる方が百何十万人いる、今でもそういう状態になっているという、これは男性と未婚の女性のみでもその数がいる。これはもう40歳くらいまで来ていると思いますけれども、かなり年金保険料の拠出の状況がよくないと思います。

 この方たちは20年後には年金生活者になるわけでありますので、この非正規の方も2階部分の年金をもらえるように、これは20年後だからとりあえずいいというわけではなくて、年金は長くかかるものですから、なるべく早くこの適用拡大を進めてもらいたい。

 その第1段階として合意に基づくということですけれども、これは、政府としては、合意に基づいて適用拡大してくださいということを見ているのか、それとも何らかの産業政策的な支援も同時に行うことを考えているのか、この辺を教えてもらいたいと思います。

 これ自体は非常に小さいですけれども、やったほうがいいだろうと思いますが、その後、特にためらう企業側への支援的なことがあるのかどうかということが1点目です。

 それから、4ページ、賃金のほうが大きく下がっているときはどうするか。物価よりも賃金が下がっているときに物価分しかマイナススライドをやらなければ、年金財政には非常に厳しいものになりますから、これは見直して、賃金と同じように調整していただきたい。これはやったほうがいいのではないかと思います。

 マクロ経済スライドのキャリーオーバーですけれども、これはちょっと確認ですが、この絵は、キャリーオーバー部分、黄色く囲ってある部分ですが、その斜線部は少しは物価上昇率分だけ残してあげるような形になりますけれども、これはキャリーオーバー分が十分に大きければ、物価上昇率の改定部分も全くないということはあるのだろうと、これは確認です。

 この部分については、政治的な都合によって先送りされてしまう危険性もないわけではないとは思いますけれども、未調整部分がはっきりと出てくる、見えるようになるという意味では意義があるのではないかと思います。

 こういう議論は、もしこれをやったら、現在、直面しているような、課題になっているような基礎年金の水準の劣化がもしかしたらとめられたのかどうかということも、少し具体的に議論したほうがいいのではないかと思います。既にあったら、どれくらい年金財政にとって給付水準の改善効果があったのかというのは見てみたいと思います。

 最後の100円の部分は、私は厚生年金と国民年金の会計はしっかり分けて議論をすべきだと思いますので、この部分を税金や厚生年金から持ってくるのは余りよろしくないのではないか。これは国民年金の保険料の固定方式には一見反するようにも見えますが、この100円はサービス向上ということですので、この部分については、こういう形で収支がとれていれば必要な政策ではないかと思います。

 以上です。

○神野部会長 よろしいですか。

 どうぞ。

○年金課長 それでは、2点、御説明を申し上げたいと思います。

 まず、適用拡大の関係でございますけれども、先生の御指摘のように、非正規雇用が多くいらっしゃる中で、将来の高齢期における所得、年金を厚くしていくという意味では、適用拡大は非常に重要だと考えております。

 労使の合意だけに任せていくのかどうか、あるいは、どうしていくのかということについては、私どもとしては、適用拡大を円滑に進めていく、そして、より多くの被用者の方が被用者保険に入っていただけるようにするのが重要だと思っておりまして、きょう、お配りしている資料の一番最後に参考資料3という資料がございます。ちょっとごらんいただければと思います。

 これはきょうの新聞に大分報道がなされておりましたので、あるいは御案内かと思いますが、ちょっと簡単に御紹介をしておきたいと思います。

 いわゆる130万円の壁問題もありまして、3号にとどまっている、あるいは、長く働かないという被用者保険の適用を労使双方が必ずしもウエルカムではない場合には、就業調整が起きているという御指摘もあったわけですけれども、この労働力需給が逼迫する中で就業調整を克服して、短時間労働者の労働参加も促進すると同時に、短時間労働者の所得・年金の確保を図っていく。同時に図っていくことが大事だということで、私どもとしては、適用拡大を円滑に進めていくことが大事だと考えております。

 そのために、この資料の2ページ目、厚労省として、現在、これは関係審議会が別途ございますので、そちらのほうでも調整が必要でございますけれども、私どもとしての考え方ということで、就業調整を防ぎ、被用者保険の適用拡大を円滑に進める観点から、短時間労働者の方について賃金の引き上げを図ったあるいは御本人の希望も踏まえて働く時間を延ばしたということを通じて、社会保険適用を図って人材確保を図るような意欲的な事業主に対しまして、雇用保険のキャリアアップ助成金を活用して応援する、背中を後押しすることを考えているところでございます。

 具体的なものはこのオレンジの中にありますように、短時間労働者の賃金引き上げや労働時間延長を行った事業主に、両方やった場合には1事業所当たり最大600万円の助成を行っていくということでございまして、こういうことを一定程度、例えば、毎日1時間に当たる週5時間の労働延長を行ったとか、賃金を3%引き上げて週4時間を行ったという場合には、いわゆる社会保険料を払ったとしても手取りが御本人はふえていくということでございまして、こういった事業者の後押しをする形で適用拡大を円滑に進めていきたいという施策を考えているところでございます。

 これが1点目でございます。

 それから、マクロ経済スライドの調整につきましては、ここも今まさに議論の最中ということでありますが、基本的には繰り越した分について直近の機会で調整を図っていくということでございまして、引き続き、関係方面との調整を進めていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○神野部会長 ほかにいかがでございますか。

 牧原委員、どうぞ。

○牧原委員 マクロ経済スライド調整の件ですけれども、これにつきましては、本来、6ページのマル1のとおり、将来世代への先送りを極力避けるためにフル発動すべきだと考えます。

 ただ、提案されている未調整部分の繰り越しの話ですけれども、期間が長くなったり、金額が大きくなったりということがあった場合、どう対処するのか、あらかじめそこにルールを決めるのか、そこは確認をさせていただきたいと思っています。ルール化をしないと、かつての特例水準のように、調整が先送りされるようなことがあってはならないと考えております。

○神野部会長 ありがとうございます。

 いかがでございますか。

○年金課長 この点につきましては、現在、これも含めてさらに検討しているところでございますが、基本的には調整されたものについては、名目下限のところまでは適用、マクロ経済スライドを発動していくということだろうと考えているところでございます。直近の機会で調整をしていくという考え方であります。

○神野部会長 原委員、どうぞ。

○原委員 私のほうから、それぞれについてのコメントと、最後に1つだけ質問をさせていただきます。

 皆様から出ているように、被用者年金の適用拡大の促進につきましては、今後も着実に進めていっていただきたいと思います。

 この問題は、ほかの年金制度の課題を解決の方向性に導く一歩になり得るものとも考えておりますので、今回の案は昨年の財政検証のオプション試算で示されたものと比べると、まだ範囲としては狭いと思いますけれども、この問題を一歩でも前に進めることが重要かと思います。

 したがいまして、先ほど課長のほうからもお話がありましたけれども、適用拡大に向けたステップですとか、段階について、今後、どのようなスケジュールで進めていくかということも早いうちから検討していくべきだと思います。

 あとは、年金額改定の在り方のマル1のところですけれども、公的年金制度はやはり賦課方式でございますので、現役世代の保険料により支えられている。これは当然ですが。ですので、現役世代である将来世代の給付水準の確保のためにも、現役の方の負担能力、つまり、賃金変動に合わせて改定するというルールが徹底されるというのは、行う必要はあるとは思っております。

 また、マクロ経済スライドについては、調整期間の長期化ですとか、将来世代の給付水準の低下を招かないためにも、極力先送りされないことが必要かと思います。

 ただ、一方で、現実的には現在の高齢者の生活も守らなければいけないことからキャリーオーバーという仕組みかと思うのですけれども、これについては、現在の受給者への影響を配慮しながら、将来世代への影響も極力先送りしないという仕組みであるということですので、現実的な一歩として評価できるのではないかと考えておりますし、進めていかれるべきだと思います。

 ただ、今もございましたけれども、経済成長ということがもちろん前提になると思いますので、したがって、この仕組みをとった場合においては、速やかに未調整分を、要は、引き続き調整していかなければいけないということがございますから、その効果、有効性について定期的にチェックしていく必要があるのではないかと思っております。

 最後、質問も込めてといいますか、コメントで、第1号被保険者の産前産後の保険料免除は、理念としてはもちろん賛成でございます。

 ただ、やはり第1号被保険者の方に、100円とはいっても、御夫婦で200円ということになるかと思いますし、追加の保険料負担ということになりますので、その理解です。どういう目的でこの追加拠出がなされるかという理解と、あとは実際の保険料徴収の部分がどのくらいかという部分がございますので、その辺をしっかりと、まずは理解していただいて、納得して負担していただく。

 そういう意味では、例えば、子ども・子育て拠出金のように別名称にしてもいいのかなと思います。ただ単に保険料にオンするのか、ちょっとこの部分は違いますよという形でやるのかということはあると思うのですけれども、明確にそういう目的を示してもいいのではないかと思っております。

 ありがとうございました。以上でございます。○神野部会長 これもよろしいですか。

○年金課長 ありがとうございます。

 適用拡大のスケジューリングをちゃんとしなさいという御意見につきましては、先ほど申し上げましたように、検討規定もございますので、そういった中でしっかり進めてまいりたいと思っております。

 マクロ経済スライドの定期的なチェックをというお話につきましても、そのようにしていきたいと思います。

 1号被保険者の保険料の関係でございますけれども、法律上、別のものにするというのはなかなか難しい面があるかもしれませんが、被保険者の方々にお願いする際の説明の仕方は丁寧にすべきだと思っておりますので、御指摘を踏まえて、説明のしぶりをよくよく伝わるようにしていきたいと思います。御指摘をありがとうございました。

○神野部会長 あとはよろしいでしょうか。

 諸星委員、どうぞ。

○諸星委員 今までの議論の整理で示された方向性について1−2でまとめていただけたことは、非常にわかりやすく、ありがとうございました。

 私からは、適用拡大の部分について、先ほど参考資料の御説明があったように、多分主に130万円の壁を意識した措置であったり、特に被用者年金に加入する配偶者の就労促進を目的として、中小企業に一定の条件のもと助成するという制度でありますので、年金部会で検討した方向性にも合致して、さらに一歩進んだものと私はまずは考えます。

 ただ、一方、先ほど駒村委員におっしゃっていただいたように、就職氷河期の問題があります。130万円の壁にこだわる配偶者だけでなく、短時間勤務者や非正規雇用者の中には、いわゆるそういった方々がたくさんいらっしゃいます。

 実際、彼らに対し、事業主が、適用拡大があるし、これだけ人手不足なので、もっと働いていただきたいと社会保険の加入を勧めてみると、どういうことが起きるかというと、将来のことより今の手取りが重要です、と言って、会社が社会保険の加入をさせるのであればと退職をしてしまうという実態があります。

 現在、本当に定着が厳しい業界の中でそのようなことが起きていることがまさに非常に問題としてありまして、会社を去っていく彼らが、その理由として挙げることを確認しましたら、加入したら、過去の未加加入部分の請求が来たが、その金額を見てびっくりして、だったら入らないほうがいいということを言うそうです。

 請求されても払えないから加入はしない、ゆえに、加入を強制しない会社で働きますと、いつまでたってもいたちごっこで逃げていくということが実際は起きております。

 事業主もやはり保険料を負担しますし、将来、間違いなく年金をもらえますよと説得をしても、その金額に驚いてしまうと、目先のことだけで精いっぱいになってしまって、将来、年金をいただきながら生活をするということが想像できない状況に陥っていることが現実にあることを、御理解いただきたいと思います。

 実は先般も過去の国民年金保険料を納める後納制度の利用率が非常に低調だったということも言われておりますし、ある意味でそれはうなずけることでもありますから、厚労省側では、国民向けに年金や働き方について、さまざまな広報をしていただいているのを私も承知しております。ホームページとか、いろいろなものを出していただいている。

 広報や年金教育をしっかりしております、やっておりますよということをおっしゃってくださる報告だけではなくて、いっそ逆転の発想をするくらいの対策を今後は考えていかないと、適用拡大のせっかくの効果が一部の方々にしか及ばないことがあるのではないかというのは、ちょっと現場で生の声を聞く限りではすごく心配をしています。

 もちろん若い方々の正規雇用は非常に進んでおるのですけれども、今、お話ししたように、適用促進の効果がごく一部の部分に限られてしまうことにはならないような、先ほどまさに円滑に進めていくとおっしゃっていただきましたから、実態でそういうことがあることを念頭に置いて、今後、進めていっていただければと思います。

 あくまでも意見でございます。○神野部会長 コメントがあれば、どうぞ。

○年金課長 現場の実際のお話をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございます。大変勉強になります。

 まず、就職氷河期の方々を特に念頭に置きながら、適用拡大は重要だということについては十分に承知しているつもりでございます。

 そういった中で、先ほど御紹介いたしました参考資料3、済みませんが、説明をしておりません。一番最後のページをごらんいただきたいと思います。

 この助成措置は、当然ながら3号の方が2号になるときだけではなくて、もちろん単身の方やシングルマザーの方も含めまして、1号から2号にというケースも含めまして、そこはきちんと適用していく、対象になるということでございます。

 そのときに、今、お話がございましたように、手取りは今の手取りが重要なのだということで退職してしまうというのは、これはある意味で大変残念なことでございまして、それもありまして、この3ページの資料をごらんいただきますと、例えば、現状が時給1,000円、週20時間という方がいらっしゃったとします。これは52週をフルに働いたとすると年収104万円でございますので、新しい適用拡大の基準に照らしましても、被用者保険の適用はないということでございます。

 しかし、こういう方々があと一歩で適用になる、その手前でとまっている方でございまして、こういう方々に対して、例えば、企業は賃金3%プラス労働時間5時間、毎日1時間ずつ延長とか、あるいは、労働時間だけ延長するとか、あるいは、賃金3%の週4時間とか、いろいろな4パターンを書いてございますが、例えば、このいずれのケースにつきましても、社会保険料を払いましても、これは税引き前でございますが、手取りは104万のときに比べてふえるという形にすることができるだろうと思っています。

 こうした取り組みをする事業主に対して、一番右側でございますが、助成額をそれぞれお1人当たり22万、20万、18万、16万といった助成をする。いろいろな組み合わせがございますが、例えば、こういうことでございます。

 今後、円滑に進めていくという意味では、こういった事業もありますし、働いておられる方々に対して、事業主を通じてお知らせをしていくということが大事かと思っております。

 丁寧に進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○神野部会長 それでは、時間の関係で、お2人で打ち切らせていただきます。

 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員 今の諸星委員の話を引き取らせていただくと、結局、そういう実態があるとすれば、結局は任意適用であるということの問題に行き着くのであって、その突破口として、こういった取り組みをされることは賛成で、非常にいい方向だと思いますが、これを突破口として、その着地点として第2段階あるいは第3段階においては、強制適用という形で適用拡大をするべきではないかということを一言申し上げておきます。

○神野部会長 ありがとうございます。

 それでは、藤沢委員、どうぞ。

○藤沢委員 済みません。不勉強なので少しずれているかもしれないのですけれども、今の就業促進に向けた取り組みで、一定期間、28年から31年までの間、この事業所に対して支援をなさるわけですけれども、これまでも雇用調整助成金のような形で雇用をふやしたら出しますというものがありましたけれども、私がかかわっている中小企業では、その助成金が切れると雇用を終えてしまうという例をたくさん見てきているので、これをやることで少し体験をしていただくというのはわかるのですけれども、実際にこれが長期にわたって効果を上げるのかという観点について、過去の雇用調整助成金がどのくらいその後に効果を上げていたのかというのも、機会があれば教えていただけたらありがたいと思いました。

○神野部会長 コメントがございましたら、よろしいですか。

○年金課長 先ほどの菊池委員の件に関しましては、年金部会のおまとめでも、将来の本格的な適用拡大を前提として、それを前倒し、先取りして取り組むものと位置づけることが重要だという御指摘をいただいておりますので、そのような考え方に沿ってやりたいと思います。

 今の雇用調整助成金などにつきましては、関係部局と相談して御準備できれば御提示したいと思います。

○神野部会長 ありがとうございました。

 まだ御意見はあるかもしれませんが、ちょっと時間の関係もありますので、ここら辺で打ち切らせていただきます。大変さまざまな角度から貴重な御意見を頂戴いたしましたことに御礼を申し上げる次第でございます。

 事務局におかれましては、本日いただきました貴重な御意見も参照基準としながら、引き続き検討を進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、続いてでございますけれども、議題2に入りたいと思います。「年金積立金の管理運用に係る法人について」でございますが、この議題につきましても、1月23日の年金部会において作業班の報告をいただいて、それを踏まえながら御議論していただいたわけでございますが、本日も引き続いて年金積立金の管理運用にかかわる法人について御議論を頂戴したいと考えております。

 まず、事務局から資料について御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 資金運用担当参事官室の宮崎でございます。

 恐縮ですけれども、座ったまま御説明させていただきます。

 資料をお配りしております。資料2−1は「GPIFの在り方について」というこれまで経緯及び今後の議論の進め方について事務局のほうで整理させていただいたペーパーをお配りしております。

 また、資料2−2として、今ほど部会長からお触れいただきました、ことしの1月に年金部会での議論もございましたガバナンスの在り方作業班の報告、1月の部会における各委員からの意見を簡単にまとめた資料もお配りしております。

 また、参考資料1として「GPIF関係」という参考資料、これまでの経緯をまとめたもの、各国の運用機関の比較、現在のGPIFに関する制度的な整理など、参考資料としてまとめたものをお配りしております。

 さらに参考資料2としては、ガバナンスの在り方検討作業班の報告の議論の要約という資料も参考までにお配りしております。

 また、各委員のお手元には、このGPIF関係の御議論の中でやや専門用語が出てくるところもございますので、資料中に出てくる専門用語なども、事務局といいますか、年金局のほうで簡単に用語解説をした資料を入れておりますので、必要なときに御参考としていただければと存じます。

 それでは、資料2−1の「GPIFの在り方について」と参考資料1に沿って、順次、御説明をさせていただきます。

 まず、資料2−1の1ページをごらんいただければと思います。

 背景・経緯として、市場環境、運用環境が高度化・複雑化する中で、海外の公的年金運用機関等は専門性を高め、分散投資を促進している。

 国内に目を向けますと、デフレ脱却を図り、適度なインフレ環境に移行しつつある中で、国内債券中心の運用では年金積立金として必要な運用利回りを確保することは困難だと、これらの状況を踏まえまして、この間、GPIFにつきましては、逐次の改革を進めてきたところでございます。

 基本ポートフォリオの見直しあるいはガバナンス体制の強化等も行ってきたところでございます。

 そのような到達点の上に立って、今後、世界最大規模の年金資金、現在135兆円という年金積立金をGPIFのほうに寄託をしているところでございますけれども、このような年金基金を運用する機関として、真に望ましいガバナンス体制の在り方あるいはそのガバナンス体制のもとで行われる運用について、さらに御議論いただくことが必要だろうということで、この間、ガバナンス作業班ですとか、ことし1月の年金部会での議論もお願いをしてきたところでございます。

 2ページ、テーマとしては、ガバナンスの強化という部分と運用の在り方についてということで、大きくは2つあろうかと思っております。

 ガバナンスの強化につきましては、ガバナンス作業班での御議論やことし1月の年金部会での議論の中で、2ページの上にございますように、複数の者による合議による意思決定の導入、あるいは、意思決定・監督と業務執行の分離という方向性につきましては、おおむね合意が得られているところと認識しております。

 具体的には、ガバナンスの在り方作業班の報告の中でも、この基本ポートフォリオその他のGPIFの基本的な事項の決定については、複数の理事の合意によって決める合議制への移行が望ましい。また、理事会の決定を受けて業務を遂行する執行部を理事会が有効に監督・監視するためには、両者がある程度分離され、両者間に一定の緊張関係が存在することが望ましいという議論の整理をされておられるところでございます。

 こうしたガバナンスの在り方検討作業班の報告を受けまして、ことし1月の部会でも御議論がありましたところでございますが、この大きな2つの方向性につきましては、おおむね合意が得られているところと考えております。

 その上で、今後、残された論点として、ガバナンス作業班の報告や1月の議論を踏まえまして整理をいたしますと、この2ページの論点1、2、3ということが考えられるのではないかと考えております。

 論点の1点目でございます。合議制機関の在り方でございますが、マル1として合議制機関のメンバーの選任方法という点がございます。

 これは、作業班の報告の中でも別途組織される指名委員会のようなものを選定に際して介在させるということが議論をされておりました。このような合議制機関のメンバーの選任に当たって、指名委員会等、第三者の機関あるいは第三者の意見を聞く場が必要ではないか。あるいは、それをどう考えるかという論点があろうかと思います。

 論点1のマル2として、どのような専門性を求めるのかという点でございます。

 これにつきましても、フィット・アンド・プロパーという御指摘もございましたが、資金運用に関する専門性というものは、最低限必要ではないかという御議論、あるいは、多様な知識、経験等が必要ではないかという御議論、そこには資金運用のみではなくもう少し幅広い知識、経験等が必要ではないか等々、合議制機関のメンバーに求める専門性につきまして、種々の御指摘があったところでございます。

 また、3点目につきましては、拠出者の意向をどういう形で反映させるのかという大きな論点もございました。

 マル1との関係で言いますと、別途組織される第三者の意見を選任に当たって反映させる仕組みであれば、そのような仕組みの中に拠出者の意向をどのような形で反映させるのか。

 また、合議制機関のメンバーとして、拠出者の推薦ないしは代表の方を入れる場合に、その人数あるいはその専門性との関係をどのように考えるのかということがあろうかと思います。

 この点に関しましては、1月23日の部会におきまして、当時の花井委員、柿木委員からの意見書等も出され、この点について御意見もいただいているところでございます。

 4点目が、合議制機関の規模、メンバーに求められる条件ということで、合議制機関の規模といたしましては、作業班の議論の中では、余り大きくない規模を考えるべきではないかという御議論ですとか、メンバーにつきまして、常勤の委員を合議制機関に入れる場合には、退職することが必須ではないか。合議制機関を退任した場合には、そこからもとの関係するところに戻ることには、制限を設けるべきではないかといった議論も行われていたと承知をしております。

 大きな論点の2点目が、合議制機関と執行機関のかかわり方でございます。

 論点2の1点目といたしましては、合議制機関と執行部の緊張関係をどのような形で担保するのか。

 2点目として、合議制機関による適切な執行監視をいかに確保するのかという点がございます。

 作業班の中では、大きな方向性としては、先ほど申し上げましたように、理事会の決定を受けて、業務を執行する執行部を理事会が有効に監督・監視するためには、両者がある程度分離されて、両者間に一定の緊張関係が存在することが望ましいという記載もございますけれども、この合議制機関と執行部との緊張関係にはどのような仕組みを入れるのか、また、具体的にどのような執行監視の仕組みを入れるのかということが論点となるのではないかと考えております。

 3点目として、委員会設置の要否についてということで書いておりますが、これも作業班の議論の中では、会社法における委員会等設置会社の例を念頭に置いて、あるいは、海外の事例を念頭に置きまして、投資委員会、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会のような委員会を理事会のもとに置くのか、あるいは、それを理事会の機能として考えるのかどうかといったことも含めまして、あるいは、委員会設置の要否につきましても議論があったところでございます。

 この点につきましても、当時の花井委員、柿木委員からの意見書の中では、そのような委員会の設置については反対であるという御意見もいただいていると承知しております。

 大きな論点の3点目が、厚生労働大臣の責任・役割についてどのように考えるのかということでございます。

 厚生労働大臣が策定する目標・リスク許容度とこれを受けて法人が策定する基本ポートフォリオの策定のプロセスをどうするのかということでございますが、法人のほうでその専門性を踏まえて基本ポートフォリオの策定等を行う場合に、その法人が策定した基本ポートフォリオを厚生労働大臣への報告で足りるとするのか、あるいは、厚生労働大臣の承認、認可を要するとするのかという論点でございます。

 この点につきましては、作業班では、多数は承認、認可制が必要であろうという御意見が盛り込まれてございますが、その際に厚生労働大臣が拒否をする場合には説明責任を生むのではないかという御指摘などもあったということでございます。

 また、論点3のマル2として、合議制機関及び執行部の任命・解任に厚生労働大臣はどのような形で関与するのかという点も御議論としてあろうかと思っております。

 3ページでございます。

 ガバナンスの在り方につきまして、今、申し上げたような論点があろうかと思いますけれども、一方で、運用の在り方についても、ガバナンスの在り方とセットで御議論いただく必要があろうかと思っております。

 運用の在り方につきましては、ガバナンスの強化と並行して、基本ポートフォリオの見直しですとか、運用対象の多様化等が進められてきた現状にございます。

 この運用対象の中身につきましては、例えば、昨年の年金部会、経済前提等に関する専門委員会での御議論では、法令あるいは中期目標等に基づいて、それに沿った判断をすることを前提とした上で、運用の専門家たるGPIFに具体的な判断は委ねるべきではないかという御意見等もございました。

 その一方で、現行の制度を見ますと、例えば、現行法令では認められていない株式のインハウス運用ですとか、オルタナティブ資産への直接投資の是非が今後の議論としては残っているのではないかと考えております。

 この点につきまして、参考資料1の10ページ、平成13年の年金資金運用基金、自主運用を開始して以降の運用にかかわる経緯等を簡単にまとめたものでございますけれども、13年に年金資金運用基金、GPIFの前身としての基金の設立以降、自主運用を開始してまいりました。

18年度には、GPIFが運用に特化した専門組織として設立されたところでございます。

 その後、経済情勢の変化等を踏まえまして、GPIF内部におきましても、平成19年度、インハウス運用に関する調査、20年度、オルタナティブ投資に関する調査、21年度、エマージング株式、新興国における株式、債券等の投資に係る調査研究その他、こうした研究を積み重ねてきたところでございます。

11ページ、2511月には公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化に関する有識者会議からの指摘等があり、12ページにございますが、経済前提と積立金運用の在り方についての専門委員会の御指摘といったものも踏まえまして、平成26年度、昨年の10月に財政再計算結果に基づく基本ポートフォリオの見直し、また、その中でのオルタナティブ資産の位置づけ等の明記などを行ってきたところでございます。

 第3期中期計画におきましては、13ページにございますように、パッシブ運用とアクティブ運用の併用やインハウス運用の活用の検討などが明記されているところでございます。

 これが今までの経緯でございますが、その上で20ページをお開きいただければと思います。

 先ほど運用の在り方について申し上げましたように、GPIFの年金積立金の運用の対象・手法に関する現行法令における制限について簡単に御紹介をいたしますと、現在、左側、委託運用という形、外部の運用会社を使うような運用手法、GPIF自身が運用指図を行わない運用手法につきましては、基本的に伝統四資産と呼ばれる国内債券、外国債券、国内株式、外国株式、これらのほか、オルタナティブ資産等への運用につきましても、法令上は可能となっているところでございます。

 一方で、インハウス運用、GPIF自身が運用の指図を行う。この運用につきましては、伝統四資産のうち、国内債券、外国債券のみが運用可能となっておりまして、そのほか、一部債券運用に伴いますとデリバティブと預貯金と短期資産のみが認められているところでございまして、株式などにつきましては、GPIFが直接運用の指図を行うインハウス運用の対象にはなっていないという仕組みになっているところでございます。

 もう一度資料2−1の3ページにお戻りいただきますと、論点といたしまして、海外の大規模な公的年金基金では、経済情勢・運用環境が変化する中で、近年、幅広い資産への分散投資を拡大しているところでございまして、その際は、インハウス運用が中心となっているところでございます。

 我が国でも体制の整った厚生年金基金や確定給付企業年金では、株式のパッシブ運用については、インハウス運用が限定的に認められている状況がございます。こうしたインハウス運用につきましては、先ほど申し上げましたように、これまでの専門委員会報告等でも、運用の効率化という観点からインハウス運用の活用についての御指摘をいただいているところでございますが、今後、このインハウス運用の現在の制度上の取り扱いについて、どのように行うべきかということを御議論いただく必要があるのではないかと考えているところでございます。

 4ページ、そのような観点から、現在、制約を設けてります株式等のインハウス運用、パッシブというのは市場のインデックスに沿う形で運用を行うものでございますが、そのようなパッシブの運用あるいはアクティブの運用、こうしたものをどう考えるのか、オルタナティブ資産への直接の投資をどのように考えるのかということが議論の対象になるかと思っております。

 また、4ページの※印で書いてありますのは、オルタナティブ資産への分散投資は現在外部の運用会社を使う形で行っておりますけれども、現行法令上はリミテッドパートナーシップという集団投資のスキームの取り扱いが未定となっているところがございます。

 これにつきましては、GPIFの運用委員会のほうで、運用の効率化の観点からリミテッドパートナーシップというものを活用してはどうかと、早急に活用を可能としてほしいという要望が出されているところでございます。

 本日は所用のため途中退席されましたけれども、米澤委員からも本日の会議の前に、運用委員長としてこのLPS、リミテッドパートナーシップの活用につきましては、早急に導入したいと運用委員会の総意として考えていることをお伝えしてほしいという御伝言を頂戴したところでございます。

 以上、資料2−1につきまして簡単に御説明いたしましたけれども、参考資料1で少し触れていないところについて少し補足的に御説明をさせていただきます。

 参考資料1の1ページ目、これはGPIFの現在のガバナンスの体制ということでございます。

 現在、独立行政法人制度のもとで法人を運営されておりますので、制度的には理事長の独任制という仕組みとなっております。最終的な意思決定、重要な方針に係る最終的な意思決定及び執行の責任を理事長が担っているということでございます。

 運用委員会というものが置かれておりまして、経済または金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験者という要件がかかった上で、11名以下の運用委員を任命し、配置をしているところでございますが、運用委員会の委員としては、右にありますような方々に御協力をいただいているところでございます。

 この中には労使からの推薦各1人ということで、今、各1名ずつの推薦の方が入っておりまして、現員としては7名で運用委員会が成立しているということでございます。

 2ページ目、こういう運用委員会に加えまして、内部の体制を組織図上あらわしたものでございます。

 冒頭に申し上げましたように、基本ポートフォリオの見直しに合わせましてガバナンス体制の強化を図ってきたところでございますけれども、例えば、運用委員会との関係でいいますと、独立行政法人制度のもとで理事長が最終的な権限を持つ、責任を持つという仕組みでありますが、運用委員会のほうに種々の案件を事前に報告をし、御検討いただくという仕組みも入れ、内部では、例えば、コンプライアンス・オフィサーですとか、コンプライアンス委員会、あるいは投資委員会といった1人の者が判断するのではなくて、内部の複数で判断するような仕組み等も入れているところでございます。

 こうした事実上の仕組みを入れて、現在は運用しているということでございます。

 以下、4ページ以降は諸外国の運用機関について現状の意思決定機関の組織あるいはガバナンス体制についての状況等がございますし、国内の他の組織の参考例なども8ページ以降で入れているところでございます。

 私からの説明は、以上でございます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 これまでの経緯について簡潔に振り返っていただきながら、今後、議論すべき論点及び進め方について御説明をいただきました。

 それでは、ただいま御説明いただきました議題につきまして、御質問、御意見を頂戴できればと思います。

 どうぞ。

○出口委員 簡単な質問を先にさせていただきたいのですが、今、4ページ、※印のところを御説明いただいたのですが、ここに追加的な運用コストが生じていると書かれているのですが、GPIFは規模が大きいので、これはどのくらいかかっているのですか。まず、その1点をちょっとお答えいただいてよろしいですか。

○神野部会長 よろしいですか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 資料の25ページ、26ページに、リミテッドパートナーシップ及び現行の仕組みについての資料を入れております。

 現在、オルタナティブ投資につきましては、まだ緒についたばかりでございますので、額として上がっているわけではございませんけれども、このようなオルタナティブ投資を行う場合に、現行でいいますと、例えば、26ページですけれども、インフラストラクチャーへの投資に当たって、投資信託を経由する形にしております。個別の、幾ら払っているかということは申し上げられません。

○出口委員 金額を答えにくいのであれば結構ですが、たまたま思ったのが、同じことをやるのに追加的なコストがかかっているということは、国民の大切なお金が無駄に消えているわけで、運用委員長からもそういう要請がなされているということは、これは政令でできるということであれば、多分ほかのガバナンス等の問題は法律の問題だと思いますから、ここで議論すればいいと思いますが、ここの※印に書いてあることは、参考までにこういう要望があるので、事務局で早急に対処しますという意味で理解すればいいわけですね。それでよろしいですか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) はい。御参考までに入れておりますけれども、基本的には政令等で対応できるのではと考えております。

○出口委員 そうですね。明確に無駄があるのだったら、これは即刻やっていただきたいというのが多分国民の気持ちだと思います。では、この※印の意味はわかりました。

○神野部会長 それでよろしいですか。

○出口委員 質問はそれだけですが、ついでにと言ったらなんですけれども、今後の議論について、ガバナンスと運用の在り方の両方があるという御説明をいただいたのですが、先ほどのページで言えば、できることとできないことについて、参考資料1の20ページでこういう一覧をいただいたのですが、基本的にはガバナンスを強化して、きちんとガバナンスを強化するということは、今よりもしっかりした体制をつくりたいという御意向だと思いますので、それでは何のためにガバナンスを強化するのかということを考えれば、運用を多様化し、さらに国民のお金を有効に使っていきたいということが多分目的であるのでしょうから、資料を拝見していると、運用もこういうふうに多様化するので、ガバナンスの仕組みを、きっちりとつくっていきますという趣旨でいいのですね。

 それであれば十分に理解できるところだと思いますし、20ページの表で言えば、多分左の委託運用はマネージャーズマネージャーの関係だと思うのですけれども、私も生命保険会社で少し運用をやっていた経験からすれば、インハウスをやってある程度ノウハウがなければ、マネージャーズマネージャーとして、自分でやったことがないものを適切に理解ができるはずがないので、委託運用を効率的にやるためにも、インハウス運用は当然広げていかなければいけないのではないかと、一般論ですけれども、そういうふうに思います。

 あと、ガバナンスのところで、1番と2番で、これでいいとは思うのですが、要は言葉の定義の問題だと思いますが、この意思決定・監督と業務執行の在り方については、実は私も作業部会の一員だったのですが、作業部会では、はっきりとした方向性が出せず、確かに簡単に採決は行われましたけれども、これは平たく言えば、民間で言えば、ボードメンバーが原則ほとんど社外であって、執行部が1人、CEOが入るような形と、それと日本のほとんどの企業で行われているように、ボードメンバーの中にCEOなど数人が入るあるいは日本銀行で行われているようなタイプ等については、作業部会では結論が出なかったので、もう一度ここの年金部会できちんと議論をしましょうということになっていたはずですので、そういう意味では、意思決定・監督と業務執行の分離という分離の意味はそういう理解だと私は理解していますので、分離と言えば、先ほど申し上げたような欧米型のことが決まっているかのような印象を一瞬受けたもので、そこのところは齟齬はないという理解でよろしいですね。○神野部会長 最初の点について、まず、いいですか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) まず、ガバナンスの在り方の検討につきまして、今、申し上げました、基本的に出口委員の御指摘のとおりだと思っております。運用に関しましては、20ページで御説明申し上げておりますように、基本的には、今、外部の委託引用を使う形では大きな制約はないという制度的な設計になっております。

 その中で、この委託運用、今の基本ポートフォリオあるいはその制度の中でも、運用対象は非常に高度化をしてきている、あるいは、いろいろな複雑な商品はこれからも出てくるだろうと思います。

 あるいはGPIF自身が研究して、新しい委託運用の在り方も検討していく必要もあろうかと思います。被保険者のために長期的な運用を行う上で効率的な運用の仕方もいろいろと考える余地はあるのだと思います。

 そういう意味で、運用の多様化、高度化をしていく中でガバナンスというものをきちんと考えていく必要があるだろうということだと思いますし、その上でなお制度的な制約になっている部分についても、あわせて御議論いただく必要があるだろうと思っております。

 分離のところは、御指摘のとおりでございまして、作業班でもその意思決定・監督と執行の両者をある程度分離されて、両者間に一定の緊張関係が存在することが望ましいという整理をされた上で、その後ろのほうに、その執行部が合議体の中でどういった形で入るべきかということで意見が分かれたということで記載されております。そこが出発点だと思っております。

○神野部会長 出口委員、今はとりあえずそれでよろしいですか。

○出口委員 わかりました。確認をさせていただきたかったので、これから議論するということで、よくわかりました。結構でございます。

○神野部会長 これから議論するということでございます。

 どうぞ。

○岩間委員 私も先ほどのリミテッドパートナーシップの件について質問を1点させていただきたいのですが、株式のインハウス運用ができないのと同じ理由で、リミテッドパートナーになるということは、言ってみれば、株主になるということで、今はリミテッドパートナーシップが使えないという理解でよろしいでしょうか。

○神野部会長 いいですか。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 

 具体的な運用手法をGPIF法の政令の中で規定をしているのですけれども、新しい運用手法等が出てきた場合には、それを政令に追加するあるいはきちんと整理をするという形で追加しています。それは、現在、GPIFがやっているかやっていないかにかかわらず、対象として考え得るものについては、基本的には政令に追加するというのは、これまでのやり方でございました。

 ただ、これまでオルタナティブ投資に関してGPIFは実績も今までございませんでしたし、集団投資スキーム自体が比較的新しいスキームであるということで、政令上の扱いが、今、未定になっているということでございます。

 リミテッドパートナーシップにつきましては、有限責任の出資持分を購入するということで、株式を自前で持つという性格のものではなくて、むしろ投資信託の受益証券を買うものと類似性があるものだと思っております。

 いずれにせよ、この点は方向としてそのような御指摘をいただいて、また出口委員からも御指摘がありましたように、あとはその法制的な整理等を法制局としていく必要があろうかと思いますけれども、運用の効率化という観点で必要であれば入れていきたいと考えて検討を進めているところでございます。

○神野部会長 関連ですね。どうぞ。

○岩間委員 関連して、要するにゼネラルパートナーにおなりになるわけではなくて、リミテッドパートナーになられるわけです。

 そうすると、リミテッドパートナーというのは言ってみれば持分ですね。投資信託で必ずしもある必要はないわけで、そうすると、実質的には株主ということになるのではないか、似たような身分になるということではないかと思いますが、私はどちらかというと、株のインハウスとか、そういうものも運用のバラエティーを自由に持つという意味では、むしろおやりになったほうがいいのではないかと思っておりまして、当然、その運用手法を大きく広くするということで言えば、リミテッドパートナーシップも当然使わなければならないということだろう。全体で効率化が図れるかということが大事なのだと思います。

 もう一点、ガバナンスの問題について申し上げますと、私はどちらかというと分けたほうがいいという論者でございました。それで、日本銀行の例が出ておりますけれども、日本銀行も政策委員会がガバナンスボディーであって、理事(会)は執行機関であるわけです。

 ですから、日本銀行とアナロジーをとるとすれば、政策委員会というものが、言ってみれば、ここのガバナンスをとる理事会ということになってくるのだろうと思っておりまして、まさに今までの整理で言えば、ここがこれから議論される要点になるという理解は私も一緒でございます。

○神野部会長 よろしいですか。

 菅野委員、どうぞ。

○菅野委員 ありがとうございます。

 先ほどの出口委員から、ガバナンスに関する意思決定・監督と業務執行の分離についての御質問がございました。

 これは議論の出発点として極めて重要なので、私の現時点での考え方を簡単に述べさせていただきたいとともに、事務局のほうで御確認をお願いしたいと思います。

 私は、ここで書いてあるように、意思決定・監督と業務執行の分離というのは作業班および年金部会での合意事項だと思っております。

 と申しますのも、既にきょうお配りいただきました検討作業班報告、参考資料2の2ページ目の真ん中、理事会の基本機能というところの第3段落目に、理事会は、業務全般にわたって、執行部の権限と理事会の機能的な線引きを明確にすべきであることが合意事項として出ております。なぜかと言えば、その上にある執行全体の監督・監視ということが理事会の基本的な決定事項、期待される役割になっているからであります。

 ですので、多分、出口委員の御質問は具体的なメンバーの選定をどうするかということであって、合議制機関の機能に関する点については既に結論が出ていると理解しております。ただ、どのようなメンバーを合議制機関に入れるかということについては、まだ必ずしもはっきりした答えが決まっていないという理解でよろしいのではないかと思いますので、その点について、1点、御確認させていただきたいと思います。

 それと、ガバナンスについて、なぜ今この議論をやっているかという基本的な点ですが、運用の多様化が進んできたから、今、こういう議論が必要なのではなくて、今までも本来、意思決定・監督と業務執行は分離されていて然るべきだったのです。それが、過去、これまでいろいろな経緯により十分にそれができていなくて、独任制という形態が継続されてきた訳ですが、さすがに今までの体制では時代の要請に応えられなくなってきたので、まず、そもそもこういう体制を変えようということが出発点であり、それに加え、運用の多様化が今は進んできているので、より一層ガバナンスに関する議論が重要になったということだと思います。

 次に、ことしの1月23日から約10カ月強の時間がたっているわけですけれども、この間、世の中は大きな変化がございました。

 コーポレートガバナンス・コードが施行されて、日本の企業カルチャーが大きく変わってきました。これは、私は世界に誇るべき成果だと思っております。世界の中でも非常に高く評価されております。アジアでこれができているのは日本だけだと思います。まだほかのアジアの諸国はそこまで来ていません。

 日本の企業カルチャーがこれまでクローズドなシステムだったところからオープンシステム、すなわち、株主との対話を通じて、より効率的な資本の使い方、企業経営をやっていこうということであり、企業の意思決定の透明性が高まるというのは画期的なことだと思っています。それから、委員会設置会社にみられるように、企業内の意思決定が、分権的なディセントラライズされたシステムで決められていくというのは、非常にすばらしい改革が行われているということだと思います。

 日本の企業カルチャーは、出口委員は十分に御承知のとおりだと思いますが、大きく変わりつつありますので、今、GPIFのガバナンスの議論も、そうしたコンテクストの中で行われるべきであり、むしろGPIFだけが出遅れてしまっては後で大きな禍根を残しますので、こうした点を踏まえてこの議論を進めて行くべきだと思います。

○神野部会長 ありがとうございます。

 駒村委員が先でしたので、駒村委員。

○駒村委員 この2つのガバナンスの話とインハウスの話について、両方にコメントをしたいと思います。

 これは質問もあるのですけれども、確認で、今後の進め方で、大事な議論なので、どのくらいこの議論をやるのかというのは、今後のスケジュールは、かなりじっくりというか、厳密にやらなければいけないテーマだと思います。

 その上で、監督と執行部の分離、あるいは、その論点2で書いてあるような緊張関係、執行監視というのは非常に重要なポイントで、もう一個は前回労使から意見が出ていたように、拠出者の意見をどの段階できちんと反映するのかというのも重要なことだと思います。

 今、過去の資料を見たところ、議事録が入っていないのです。議事録を入れてもらったほうがいいと思うのですけれども、例えば、何のために何を監視するのか、なぜ緊張関係が執行部門と監督部門、意思決定部門で必要なのかというのは、どういう問題を想定して、どうして問題が起きるのかということによって、そのつくり方は変わってくると思うのです。

 以前の議論のときも、植田委員からこの辺はどういう問題が起きるかという想定で議論をしているのかということに対して何らかのお答えがあって、どういう議論だったかということがわからなくて、それを見たかったのですけれども、今は手元に議事録がないので確認できません。これは事務局なり、どういう問題が起き得るからこういう相互の牽制や緊張関係が必要なのかと考えているのか、これによってつくり方は変わってくると思いますので、ここら辺は明らかにして議論していかなければいけないと思います。

 それから、インハウスの話ですけれども、3ページ目に、公的資金による企業支配の懸念が生じるという、経済学者のハイエクという有名な人が究極の市場介入はこれだと書いていたのを思い出したのですけれども、このインハウスについてももう少し資料をいただきたいと思います。

 例えば、諸外国がインハウスをやっていると言っているのですけれども、この定義でこれだけ9割とかインハウスをやっているという評価でいいのかどうか。あるいは、その中身についてももう少し情報はないのかと思います。

 関連することになるかもしれませんけれども、きょうの参考資料の中でもちょっとお伺いしたかったことがあって、余り正確に出ていないのですけれども、参考資料1の19ページ、ESG投資については検討すべきであるという、かつての結果が出ている一方で、13ページの平成27年度、国連責任投資原則への署名をしたと書いてあって、これはかなりESGを意識したものではないかと思うのですけれども、この辺にさらっと書いてあるだけで、今、どういう状況になっているか教えてもらいたいと思いました。

 というのも、きょうの資料でノルウェーの公的年金積立金の情報が入っていないですけれども、ノルウェーの年金積立金はかなりESG投資をやっているという話を聞いているのですが、それはどういう位置づけの中でやっているのかわからない。

 だから、このインハウスというのはどういう内容なのか、もう少し詳しい資料をいただかないと、ほかの国はやっていますよという、その論拠のために、9割をやっています、5割をやっていますという話は、もうちょっと情報をくださらないと議論ができないと思いますので、これは次回にお願いできればと思います。

○神野部会長 この部会の運営については、十分な時間をとりながら進めていきたいと思いますが、いろいろとタイムプレッシャーもあるので、事務局と相談しながら進めていきたいと思います。

 それから、議事録は私のところに来ているので、駒村委員のところにも行っているはずです。かなりの量があります。

○駒村委員 先生、違います。その場で見たいので、この中に入れておいてくださいということです。

○神野部会長 それは、次回以降、準備をしていただければいいわけですね。そういうことですね。だから、厚さが結構ありますよ。

 私がいただいているものは、委員の方には行っているのですね。

○総務課長 審議会の議事録は、今、完全公開になっていますので、起こしたものを先生方に見ていただいて、その上で御了解を得て公表しておりますが、基本的に一言一句を起こしておりますので、分量的にはかなり厚いものになるだろうと思いますが、御要請がありますので、検討したいと思います。

○神野部会長 年金部会だけでいいですか。私が言ったのは、作業部会もいただいているのですが、それをおっしゃっているのか。

○駒村委員 植田先生との議論は部会の話だったと思います。

○神野部会長 部会だけでいいのですね。

○駒村委員 検討委員会の議事録もあるならば、それも。

○神野部会長 作業部会の議事録も私はいただいています。

 いずれにしても、御要望の資料と議事録等々については、ちょっと事務局と相談しながら私の責任において適切に対応させていただければと思いますので、それでよろしいでしょうか。

○駒村委員 はい。

○神野部会長 そのほかに何かありましたら、今の駒村委員のことについて、どうぞ。

○大臣官房参事官(資金運用担当) ガバナンスの強化に関しまして、いろいろと御議論が出ておったと承知しています。作業班の中では、なぜ今ガバナンスの強化をするのかという点につきまして、ここで挙げられておりましたのは、もっぱら被保険者のためであるべき運用に関して、恣意的な介入が発生するリスクの軽減ですとか、あるいは、資金の管理運用にかかわる不適切な執行が起きないようにするための内部監督の充実ということを挙げておりますし、また、今も既にGPIFのほうで専門性を高めるために専門職の採用等を進めておりますけれども、今後、そうした専門性が高まっていく中で、高度な運用を行っていくときに、そこを監督する機関としても、専門性を高めることとセットで執行をきちんと見る組織も必要だろうという議論もあるかと思っています。

○駒村委員 思い出しました。植田先生に、私はその不適切な執行とは具体的にどういうことが起きるのかという質問をしたときに、植田先生のコメントがあったというので、その議事録を見たかったということです。済みません。

○大臣官房参事官(資金運用担当) 次回は御用意いたします。

○神野部会長 牧原委員はそれに関連してですか。

○牧原委員 いいえ。

○神野部会長 関連でなければ、伊藤参考人が先に手が挙がったので、どうぞ。

○伊藤参考人(平川委員代理) ガバナンスの在り方について、前任の花井委員が作業班にも入り、当部会の委員として意見書も出させていだたき、この間、ずっと拠出者たる被保険者、また、受給者のガバナンスへの関与が鍵なのだということで主張させていただいておりますが、改めて私たちの考え方をもう一回述べさせていただきたいと思います。

 まず、年金積立金は被保険者が拠出した保険料であって、この拠出者の意思がきちんと反映されるガバナンス体制を構築しなければならないという考え方です。

 そのためには、労使をはじめとするステークホルダーがきちんと参画できる合議制の機関を設置すべきだと考えております。

 その点で、今回、論点1、2、3とありますが、1点目の合議制機関の在り方については、まず、厚生労働大臣が年金制度全体の責任を持つということを基本に考えておりますので、この合議制のメンバーの選任にあたり、任命権は厚生労働大臣が持つことになるのだろうとは思いますが、その際、拠出者がメンバーの選任に当然に関与できる、こういう体制が必要だと考えています。

 その際の専門性については、投資家としての専門性というよりも、それだけでなく、年金財政の専門家だとか、年金制度そのものの専門家、こういった多様な観点からの専門性が必要だと考えております。

 拠出者の意向をどういう形で反映させるのか、については、拠出者の納得性というものが最重要でありますので、その意思決定を行う合議制機関のメンバーとして、拠出者の代表を複数入れて、過半数を労使が占めるような形で行うことが考えられると思っております。

 その多様性は、先ほどもコーポレートガバナンス・コードの話もありましたが、まさに多様なステークホルダーが関与するという観点から、このボードのメンバーは考えるべきだと考えております。

 メンバーに求められる条件については、証券市場への信頼性とか、年金制度そのものの信頼性ということもありますので、この常勤メンバーについて、その出身企業の籍を切るということは必須だと思いますし、一定期間はその業界に戻ることは制限されるべきだと当然に考えます。こういう利益相反については、厳格な体制をとる必要があると思っております。

 論点2の、合議制機関と執行機関の関係ですが、この点については、合議制機関があくまでも基本的事項の方向性を決めるということで、執行機関はその範囲で執行をするという関係にあると考えています。

 しかし、その執行機関は、合議制機関に対してきちんと説明する責任、能力が必要だと思っておりますので、そういう執行機関と合議制機関の関係性ということを考えていく必要があると考えております。

 執行監視という観点から言いますと、執行役員というのは、その合議制機関が指名するという考え方もあり得ると考えております。

 委員会設置の要否については、すでに意見書で申し上げておりますが、合議制機関の権限を移譲する意味の各種委員会の設置については合議制機関の形骸化にもつながりかねませんので、そういう意味の委員会であれば問題があると考えております。

 論点3の、厚生労働大臣の役割、責任については、先ほど申し上げたように、年金制度全体の責任は厚生労働大臣が負うと考えておりますので、そういう意味での最終責任という意味で、このポートフォリオの決定や予算等についての認可は当然だと考えております。また、その任命権についても先ほど申し上げたとおりです。

 ただ、その任命権については、あるとしても拠出者がそのメンバー選任に関与するというのは当然、しかし、厚労大臣が権限を持つという際にも、政治リスクを下げる工夫が必要だと考えております。

 以上です。

○神野部会長 牧原委員、どうぞ。

○牧原委員 ガバナンスの強化という観点で、監督の合議制機関と執行部を分離するというのは賛成ですけれども、委員会をつくるということで実質的にガバナンスの意味がなくなるということであれば、委員会の設置については、きちんと論議をした上で設置をするべきではないかと思います。

 そういう観点から合議制の機関につきましていうと、そのメンバーについては、どういう観点でガバナンスを考えるのかという論点が必要かと思います。そういう意味でいうと、資産運用に関する専門性のみを重視してメンバーを選ぶのは、ガバナンスの観点からはまずいのではないかと思います。

 もちろん保険料を拠出するという立場もありますし、多分この資金から給付を受ける立場、将来の受給者という観点から、このGPIFの経営の効率性であるとか、組織運営の在り方とか、そういう観点できちんと考えられて監督を行使できるようなスキルあるいはリテラシーを持った人材が合議機関に入るべきだと考えます。

 運用に係る最終的な責任が厚生労働大臣にあることが大前提ですので、報告制はあり得ないのではないかと思います。

 インハウス運用の件に関して申し上げますと、株式のインハウス運用は、結局はGPIFが直接株主として議決権を行使しなければいけない場面が出てまいります。

 どういう観点でその権利行使をされるかということをきちんと議論しないと、先ほども御指摘がありましたけれども、公的資金による企業支配の疑念が生じるということをどういう形で整理をされるか。ここがクリアにならない限り、インハウス運用については、私としては反対と言わざるを得ないと思っております。

 いずれにしろ、ここの議論については、メリット、デメリット、それから、海外での株式運用の状況とか、きちんと証拠、事実を見きわめた上で、予断を持たずに慎重に検討すべき議論だと思います。

○神野部会長 原さんは手を挙げていましたか。

○原委員 後でいいです。

○神野部会長 では、藤沢委員、菊池委員と行って、あとはこちらに参ります。

○藤沢委員 済みません。時間が終わりの時間なので、簡単に。

 2つ、お願いがあります。

 ガバナンスの件に関しましては、私も以前ガバナンスの検討の委員会に参加させていただいておりましたけれども、最後の執行部の長と理事会の兼任のところについては、何となく多数決をして、結果、議論がしっかりとできていない印象がありますので、ここに関しては、時間をしっかりと使って議論する機会をつくっていただけたらありがたいと思っております。

 2つ目ですけれども、参考資料1の21ページと22ページ、運用のコストについてということとインハウス運用のメリット・デメリットが書いてあって、先ほどの出口委員のお話の中にもコストというお話があったのですけれども、22ページでは、メリットでコストが下がります。要するに、コストが下がることイコール効率的な運用という意味合いにもとれると思うのですけれども、21ページを見ると、逆にインハウスが少ないほうがコストは低いですよという表現に見えて、でも、この中で実際に株式の投資はどのくらいかとか、インハウスはそのうちでどのくらい株を使っているのか、債券を使っているのか、詳細がない中でこの表が出てくると、ちょっとミスリーディングな気がしますので、ここは詳細をまた改めて教えていただきたいということと、インハウスをやった場合の議決権に関して、確かに皆さんも御懸念があると思うのですけれども、ESGにサインしたということであれば、そういったものが1つ議決権の指標になるかもしれないと思いますので、その辺の御説明も今度はいただけたらありがたいなと。

 以上です。

○神野部会長 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員 私も、拠出者側がどのような関与あるいは参加をすべきなのかという関心を持っております。

 ただ、その中で運用に求められる専門性とどう折り合いをつけるのかというのは大変難しいと思っています。

 そこで、事務局に1つお願いですが、きょう、勉強になったのは、参考資料1の4ページで、諸外国のことについて書かれていますが、これを見ますと、カナダでは地域代表であっても金融市場等の専門家であったり、スウェーデンでは労使の推薦で資産運用の専門家を任命したり、この2カ国ですけれども、運用に特化した機関では、資産運用の専門知識を有する者であることが前提となっているようです。

 これに対し、給付等も実施する機関では、労使代表が入っています。韓国、オランダです。カルパースはいわば企業年金で、日本で言えば代議員会のイメージかなと思います。

 そうしますと、私が素人でよくわかっていないだけかもしれませんが、このGPIFの合議制機関が具体的にどのような業務を担うことになるのかという、そこが気になるわけです。給付を担わないのははっきりしていますが、例えば、資産運用以外の業務をどの程度扱うのか、そういったことを具体的にお示しいただいた上で議論をしたいと思います。それによって、メンバー構成の考え方が変わってくる可能性もあるのではないかと思うからです。外国がこうなっているから日本も同じようにと言うつもりは全くありませんが、一つの参考としてきょうは勉強になった次第です。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございました。

 それでは、宮本委員、山口委員と行きます。

○宮本委員 ありがとうございます。

 私も、どのようなガバナンスが必要なのかという、その専門的な知識が余りないので、保険料を拠出している者の立場で意見を1つ申し上げたいと思います。

 我が国の公的年金制度は社会保障制度の一環でありますから、当然ながら我々被保険者は国民の義務として公的年金保険料を拠出しているわけでありまして、国はその被保険者が納めた保険料の一部を年金積立金としてもっぱら被保険者の利益を目的に、その運用をGPIFに委託している。

GPIFは、その預かった年金資産を安全かつ確実を基本に、厚生年金保険法等の立法趣旨に沿って、その年金資産を運用することになっている。

 そこでこのガバナンスでありますけれども、そのような観点からすると、GPIFのガバナンス強化については、拠出者である被保険者の意向が尊重されて、なおかつ、拠出者が納得し、意思決定に参加できる仕組みであることが不可欠であることは言うまでもないと思っています。

 特にその独立性ですとか専門性を重んじ過ぎて、拠出者に都合のよい情報だけを開示するようなことはあってはならないわけで、いわゆるブラックボックス化してはならないと思っています。

 この点については、先ほど伊藤参考人の意見表明がありましたけれども、私もそのことについては同意見でありまして、その内容について法文に明記して、伊藤参考人が発言したような体制を確実に実施されるようにすべきだと思っております。

 年金積立金の運用については、厚生年金保険法等の趣旨を踏まえて、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持すべきでありまして、そのことが被保険者からの年金制度に対する高い信頼を得ることにつながるわけであります。

 加えて、被保険者からの預かり金であるこの年金積立金は、どのようなことがあっても、政治的な意図によって運用されるべきではないことを改めて言っておきたいと思います。

 そのような観点から、昨年10月の基本ポートフォリオ変更については、その内容あるいはプロセスともに問題があったと思っています。実際に7月から9月期には約8兆円の損失額を出しておりますし、今後も損失を出す可能性もあるわけであります。

 当然ですけれども、年金積立金が毀損した場合は、法的には厚生労働大臣にその責任があると言いますけれども、結局のところは我々拠出をしている側のところにそのつけが回ってくることになると思います。

 公的資金を運用するGPIFが、直接機関投資家になることは株式議決権行使上の制約も含めて、株式市場保有率の高さも相まって、株式市場の健全性を損なうことになることも危惧をしております。

 例を挙げれば、現在、解散の手続を進められている厚生年金基金のように、収益機会の確保に躍起になって、その結果、年金債務が超過してしまって、安全性がおざなりになっては国民からの信用ですとか、制度に対する信頼は間違いなく失われていくことになるわけでありまして、労使ともに厚生年金基金の代行割れによる負担増の経験を我々は痛いほどに感じているわけであります。そういったことのないようにしたいと願っているところでございます。

 地方議会でも、拠出者の参画や安全運用に関する決議があちこちで行われているということを聞いておりますし、地方によっては極めて関心が高い。人口減少ですとか、雇用の場が少ないといった悩みを持つ多くの地方の厚生年金あるいは国民年金の被保険者や受給者の思い、願いをしっかりと受けとめてこそ年金保険制度の目的が達成されると思っていますので、そのことを踏まえて、早急な検討と結論を出すべきだと思いますので、お願いしたいと思います。

 以上です。

○神野部会長 ありがとうございます。

 山口委員。

○山口委員 済みません。時間が大分オーバーしているので、細かい点は別にして、全体的なことだけ少し申し上げさせていただきたいと思います。

2004年の改正以降、保険料が上限固定方式になった現在の財政のストラクチャーのもとでは、資産運用のリスクは年金給付額に跳ね返るという形で、全部年金受給者が負担するという財政構造になっているわけです。

 ですから、厚生労働大臣がこれらの運用リスクを負担する年金受給者等に対する責任を負っているという全体の枠組みがありまして、その一部をGPIFが分担をしているという図式でありますから、GPIFの独立性というのは、あくまでもそういった全体構造の枠組みの中での独立性でなければいけないと私は考えております。

 したがって、役員の任命とか、基本ポートフォリオの認可とかといったものは、当然、厚労大臣が行うべきものであるだろうと私は認識をしております。

 先程の運用の問題については、ちょっと私は意見が違っておりまして、今、企業年金では株のパッシブ運用についてインハウス運用が認められているわけです。そして、インハウス方式でパッシブ運用のスタイルで企業年金ではやっているわけですが、その際には現実の問題として、保有株式の議決権行使について、先ほどもお話がありましたように、明確なルール化をしなければいけないと思います。特に最近では、株主提案の議案などが非常にたくさん出されておりまして、そういったものの内容を十分精査して判断していくためには、この分野の専門のコンサルティング会社を使わなければならないと思います。つまり、情報はただでは無い訳です。

 ですから、本当にインハウス運用にすることで果たして単純にコストダウンになるのかどうか、これはよく吟味しなければいけないという面があるのですが、私は、国内株式のパッシブ運用については、ある程度、企業年金での実績もあることを勘案しますと、これはまあやってもいいのかなと思うのですが、一方でアクティブなインハウス運用については、私としてはいかがなものか、これはもっと慎重に検討すべきではないかと思っております。

 その背景を少し補足しますと、現行の委託運用の場合には、運用における失敗で、大きな損失が発生した場合には、委託会社の契約を解除するという形で運用成績との間のバランスをとっているわけですけれども、インハウスでアクティブ運用を行った結果、市場平均を下回る大きな損失が発生した場合には、契約解除に相応するような措置、すなわち組織内のファンドマネージャーに対する厳しい措置ということが果たして、どの程度きちんととれるのかということが一番大きな問題になると思います。

 ややもすると責任の所在が不明になるといったこともありますので、インハウスを運用している者に対しても、委託業者の場合と同列に厳しい処分や取り扱いができるといった厳格な組織風土がなければなりません。そういう厳格な仕組みを整備せずに、これをやっていくと、組織の規律が弛緩し、モラルハザードが起こってくることも想定されますので、私はこの問題について、GPIFの組織風土から見て、ややどうかなと、いささか厳しめに見ておるところでございます。

 以上でございます。

○神野部会長 ありがとうございます。

 岩間委員、どうぞ。

○岩間委員 1つは、株式の運用についてどうするかということについて、基本的には年金は受給者のためにあるわけで、受給者の利益が一番大事になるのは当然であるわけです。

 ですから、年金を株式に投資したときに、受給者のかわりに意思表示をするというのが鉄則であります。要するに、ガバナンスの観点あるいは企業の経営改善を求めるというのは、あくまで受給者の利益を前提に行動するということであります。それは別に欧米だけではなくて、日本の年金あるいはそのほかの基金について言っても、基本的には同じ構造であろうと思います。

 問題は、株に投資するときに、インハウスであるのに、パッシブでやるのか、あるいは、アクティブでやるのかということだと思いますが、アクティブでやると、当然ながら体制をとらなければいけないので、相当コストがかかる。パッシブであっても、インハウスでやるとなると外部委託しないで自分たちのチームをつくらなければいけない。これは相当優秀な人たちをそろえなければいけないです。

 ですから、コストはどちらがいいのかというのは、これは一概にはなかなか回答が出ないだろうと思います。

 インハウスでやるということであれば、それなりの覚悟をして、かなりの体制をつくって立派に実績が出ることをあくまで志向しないと、中途半端にやるのはかえってコストが上がってしまうという可能性があるのではないかと思います。

 ですから、株式に投資するときに、議決権をなしにして株主のありようがないわけで、要するに、国のお金だからそういうことをやらないという話は、これは本来は国民のお金なので、そういう観点で言えば、国民の立場でどう対応するかということを考えるべきだというのが私の考えでございます。

○神野部会長 菅野委員、どうぞ。

○菅野委員 ありがとうございます。

 論点1の合議制機関の在り方について幾つか御意見をいただきましたけれども、メンバーの選定に際して、メンバーの専門性ということと拠出者代表をどのように考えるかということがやや混同されて議論されているような印象を持っています。後者はどちらかというとその人のバックグラウンド、現在はどこの団体に属しているかという属性であり、これとメンバーの専門性とは異なる概念ですので、分けて議論しないと、少し議論が錯綜すると思います。すなわち、どのような属性を有するメンバーでも一定の専門性は必要になる、ということであり、専門性と属性のどちらを優先するか、と言う議論ではないと思います。

 重要なポイントは、GPIFは運用に特化した機関だという点です。参考資料1の4ページにあるように、世界の諸外国の運用機関も運用に特化しているところと給付も実施しているところで2つに分かれておりますが、先ほど菊池委員からも御指摘があったとおり、運用に特化した機関では、メンバーの専門性については資産運用の専門性を有する者が前提となっています。専門性に関しては、例えば、年金財政の専門家というご意見もございましたけれども、これは運用に特化した機関では必要ないと思います。勿論、年金財政の専門家の方で一定の資金運用の専門的知識を有しておられる方は十分にメンバーの資格はございます。また、資産運用の専門性という点に関する御批判の中には、金融のプロだけが集まってしまうと議論が偏ってしまうのではないかということがございましたけれども、検討作業班の中でも、いわゆる金融のプロだけで合議制機関を構成しようという議論は一度も出ていないと思いますので、まず、そういう御批判は一切当たらないと思います。

 むしろ、最低限の知識として運用の知識をお持ちの方がメンバーになっていただきたい。その属性としては、労使の方でもどうぞというのが基本的な私どもの枠組みだったと記憶しておりまする

 というのは、この合議制機関のメンバーの非常に一つの重要な責務として、国民に対する説明責任がございますので、その国民に対する説明責任を果たすためには、このGPIFの主要な任務である資金運用について、十分に国民に説明できるだけの能力をお持ちの方というのは必要最低限であります。最低限の資産運用の専門的知識、という点と、どういう属性を持った人かという、2つの視点で考える必要があるかと思います。

 もう一方の拠出者をどう考えるかというと、先ほどたしか宮本委員からだったと思いますけれども、年金の資金を払うのは国民の義務であります。私もそう思います。

 なおかつ、年金の拠出者と受給者、受益者は必ずしも一致していないません。年金の受給者は将来の世代にもわたるものですので、その人たちの利益もしっかりとと代弁した議論ができないといけないのは当然です。したがって、今の拠出者というのは、たまたまその人たちが表面的にはお金を払っているだけであって、もちろんその方々を排除するものではありませんけれども誰に対する受託者責任かといえば、それは受益者を含む国民という視点が一番重要だろうと思っています。

 メンバーについて、どれくらい執行部が入るかというのは、出口委員がおっしゃったように、これは確かにいろいろな意見がございますので、まだこれから議論を詰める必要があると思いますけれども、ここで常勤、非常勤ということを考えると、別に諸外国がそうしているから日本もそうしろということではないのですが、非常勤の人の数が多くなるのは当然なのだろうと思います。

 今後、パッシブの運用をインハウスで行っても、GPIFの業務執行人数は今よりふえると思います。それから、リスク管理にもそれ相応の人員が必要です。確かにリスク管理はコストですが、そこを節約し過ぎると後に禍根を残します。しっかりしたリスク管理システムを初めに構築することが非常に重要なわけですが、そのためには、組織がある程度大きくなるのは当然かと思いますし、これは決して無駄な費用ではございません。

 合議制機関のメンバーの数は業務執行部隊の大きさにもよると思いますので、今後の業務が十分に煮詰まっていない段階では、ある程度の弾力性、すなわち人数にも幅を持たせる必要があると思います。

 とくに、合議制機関のメンバー数を発足当初になるべく絞り込むようにする場合、そこに執行部を複数名以上入れてしまうと、合議制機関の執行部に対する監督機能が弱まり、執行部との機能の分離ができにくくなると思います。

 一方で、本当に執行部と理事会を100%で機能を分けてしまって、全く接点がないというのも困るという出口委員の御指摘もごもっともだと思いますので、それを中和する案としては、委員会を設置して、委員会には執行部の方も参加いただいたうえで、投資委員会、リスク管理委員会、ガバナンス委員会等で、各委員会に割り当てられたテーマについて深く議論をしていただくようにすべきと考えます。委員会を設置せずに、すべての案件を合議制機関で議論すると、あまりに議案が多くなりすぎ、深い議論が出来なくなる惧れがあります。

 山口委員がおっしゃったように、GPIFの運用が独善になってはいけない、しっかりとコントロールがきくようにというのは、まさにおっしゃるとおりです。国民のお金を預かっている以上、しっかりそこは目を凝らして見ていただかないといけないわけで、資金運用ですので議論の100%のディスクロージャーは難しいですけれども、透明性を確保した上で国民に対する説明責任を果たすと同時に、きちんと事後チェックができるような形にしておくことは必要だと思います。 以上です。

○神野部会長 どうぞ。

○出口委員 1分で終わります。

 皆さんの意見を聞いていてちょっと気になったことは、部会長が先ほどタイムプレッシャーもありますからと言われたことが少し気になったのです。130兆のお金を使う議論ですし、皆さんの意見も、これはじっくり慎重に議論しないといけないというのが多数であったと私は思いますので、これにつきましては、本当に論点が多岐にわたっていますので、むしろ拙速では禍根を残すと思いますので、十分に時間をとって、丁寧に議論をしていただきたいという希望だけ申し添えさせていただきます。

 意見はまた次回以降に申し上げます。

○神野部会長 私の申し上げたのもそういう意味でございます。

 つまり、議論を尽くすけれども、限りがありますので、きょうも既に私の不手際で大幅にタイムオーバーしておりますので、限りある時間を有効に使うことは十分に考えていきたいということでございます。

○出口委員 ありがとうございます。

○神野部会長 それでは、一応、よろしいでしょうか。

 原委員にはちょっと申しわけないのですが、これで打ち切らせていただいて、先ほども申し上げましたけれども、本日いただいた御議論を生かしながら、次回以降、少し具体的なフェーズに落とすような形で議論を進めていきたいと思います。

 したがって、きょうは事務局に資料要求等々がございましたので、これもどうするかということも、効率性の観点も含めて、事務局と相談しながら対応していきたいと思っておりますし、また、議事録の要請もございました。これも事務局と協議をしながら適切な対応をとっていきたいと考えております。

 議論の進め方ですが、十分に時間をとりますけれども、さはさりながら、生産的に議論を進めなければいけませんので、きょうの発表にもありましたように、少し大きくガバナンスの見直しと運用の見直しという2つのテーマを、これは出口委員が再三指摘されているように、相互に関連しているということを重々承知した上でもって、議論を進めるときはいつもそうですが、どうしても要素に分けて議論をしないとまとまりませんので、そのように2つに分けて議論をさせていただきたいと思っています。

 初めに、ガバナンスの見直しのほうから入らせていただければと。これはガバナンスの見直しに焦点を当てるという意味でございます。

 ここについては、合議制の導入と、意思決定・監督と業務執行の分離という方向性については、ほぼ同意ができている。

 ただし、これはフェーズを落としたレベルでは同意ができていない。これからの議論を進めていくのだということを共有した上でもって進めさせていただければと思っております。

 そこで、きょういただいた委員の皆様方の意見を少しまとめて、次回以降の議論が生産的に進むように、事務局で少しまとめた方向性のイメージが出るような資料を準備していただいて、より具板的なフェーズに踏み込んだレベルで、次回以降、議論をさせていただければと思っております。

 よろしいでしょうか。

○出口委員 では、きょうは具体的な意見は申し上げなかったのですけれども、事務局に申し上げておいたほうがいいのですか。

○神野部会長 事務局に言うのもいいですが、当日でも構いません。

○出口委員 委員の意見をまとめていただくのだったら、委員の意見を出してからのほうがいいでしょう。

○神野部会長 そういうまとめるという意味ではなくて、整理をするという意味ですので、本日、私の不手際で時間がなかったので、言い切れなかったという御意見があれば、本日発言すべき意見について、事務局に言っていただいて構いませんね。

○大臣官房参事官(資金運用担当) はい。

○神野部会長 こういう意見であるということで、取り上げさせていただければ。

○出口委員 わかりました。そうしてまとめていただいたほうがいいですね。

○菊池委員 それでもいいのですけれども、どの委員がどのような御意見を持っていらっしゃるかというのを、むしろペーパーで補足的に出していただいたほうが、皆さんで共有できるように思います。

○神野部会長 出していただいても構いません。それはペーパーで出していただいても、口頭で言っていただいても構いません。

○出口委員 本当を言えば、もう一度みんなで意見を出し合ってからまとめていただくほうがいいのかもしれません。そこはお任せします。

○神野部会長 ただ、それをまた土台にして議論をするわけで、次回以降、また議論いたしますので、それについては御心配なくと思います。

○出口委員 わかりました。

○神野部会長 まだ議題が残っておりますので、申しわけありませんが、引き続いて議題3に移りたいと思います。

 本日、議題3といたしまして、社会保障協定の締結の進捗状況について、事務局のほうで資料を用意していただいておりますので、事務局から御報告をお願いできればと思います。よろしくお願いします。

○国際年金課長 国際年金課長の阿萬と申します。

 時間も時間でございますので、本当に簡潔にちょっとだけコメントさせていただければと思います。

 資料3でございます。

 基本的には報告でございますので、そのままご覧いただければと思いますが、1ページ目のところだけ、少しコメントをさせていただきます。

 1ページ目の真ん中くらいでございますけれども、平成12年2月の日独社会保障協定以降、現在までに15カ国との間で発効済みでございます。

 最近の状況としては、先月は、例えば、3年半ぶりに中国と交渉を再開したりですとか、フィリピンと実質合意の上で署名を行っております。今後は、アジアを中心にさらに力を入れていきたいと考えております。

 また、参考として、外国人脱退一時金制度について挙げさせていただいております。平成6年の法改正の中で、社会保障協定が締結されるまでの暫定的な措置ということで、法律の附則に書かせていただいている給付でございます。これにつきましては、現在もそのまま存続はしておりますけれども、暫定的な措置ということでございますので、基本的な方向性としては社会保障協定の締結を今後さらに進めていく必要があると思っておりますが、それを踏まえながら、縮小を図り、廃止も目処にしていくということではないかと考えております。

 雑駁でございますが、以上で報告とさせていただきます。ありがとうございます。

○神野部会長 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員 帰り支度のところ、大変申しわけございません。

 なぜ今これが出されるのかとやや奇異な感じがしたので、一言だけ述べさせてください。

 要保障事故が発生した場合に給付を行うのが社会保険の基本的な考え方ですが、この一時金制度はいわゆる掛け捨ての事態に対処するための制度ですので、極めて例外的な位置づけのものであります。それゆえに、法律の附則に設けられているわけです。

 ですので、今、課長からお話がありましたように、社会保険の包括的、継続的な適用という観点からは、社会保障協定の締結を急ピッチで進めるのが本筋であって、万が一この一時金制度を拡充しようという方向性が考えられているとすれば、それは本筋から逆行した議論であって、問題であると言わざるを得ないということだけ申し述べさせていただきます。

○神野部会長 コメントが何かございますか。

○国際年金課長 いえ、我々としては、今、申し上げましたとおり、基本的には社会保障協定をまずは進めていくということで、社会保障協定が多くの国と結ばれた暁には、脱退一時金自体は暫定的措置ということで無くしていく、それに向けた縮小などを図っていくことが方向性だと思っております。

○神野部会長 どうぞ。

○牧原委員 この協定自体はやっていただきたいと思います。

○神野部会長 ほか、いかがでございましょうか。

 よろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。

 これにて本日の審議を打ち切らせていただきたいと思いますが、次回以降の日程について、事務局からお願いいたします。

○総務課長 きょうは時間を超過して、ご審議いただきどうもありがとうございました。

 次回の開催日程については、追って御連絡を差し上げたいと思いますけれども、本年中にもう一度開催したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 遅くまで本当に生産的な御議論を賜ったことに感謝を申し上げる次第でございます。また、重ねてではございますけれども、私の不手際で著しく会議の時間が延びてしまったことを伏してお詫びを申し上げる次第でございます。

 どうもありがとうございました。


(了)

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