ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会運営委員会)> 平成27年度第6回血液事業部会運営委員会議事録(2015年11月18日)




2015年11月18日 平成27年度第6回血液事業部会運営委員会議事録

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時

平成27年11月18日(水)
18:00~20:00


○場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)


○出席者

委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長

大平 勝美 岡田 義昭 ◎田野崎 隆二 花井 十伍
室井 一男 山口 照英

化学及血清療法研究所:

宮本 誠二 千北 一興 羽室 強 田中 信寛

事務局:

武井 貞冶(血液対策課長) 近藤 徹(血液対策課長補佐)
金子 健太郎(血液対策課需給専門官)

○議題

・化学及血清療法研究所の血液製剤について
・その他

○議事

○近藤課長補佐 定刻になりましたので、「平成27年度第6回血液事業部会運営委員会」を開催いたします。

 なお、本日、山口委員と花井委員に関しては、別の会議に参加されておりますので、後ほど少し遅れていらっしゃると伺っております。最終的に定足数に達することを報告させていただきます。

 なお、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。

 また、本日、化学及血清療法研究所より、宮本誠二理事長・所長、千北一興常務理事・分画事業部門長、羽室強分画事業部門製品開発部次長、田中信寛経営企画部経営企画課長、以上4名に参加いただいています。よろしくお願いいたします。

 以上、委員の出席の報告とさせていただきます。

 カメラの頭撮りは、ここまででお願いいたします。

 それでは、以降の進行を田野崎委員長にお願いいたします。

○田野崎委員長 事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いします。

○近藤課長補佐 本日、出席いただいた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況を報告いたします。

 本日の検討事項に関して、「薬事分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、議題1に関して室井委員より、関連企業からの一定額の寄附金・契約金等の受け取りの申告がなされたため、議題1の検討に当たっては、意見を述べることはできますが、議決には加わらないこととさせていただきます。

○田野崎委員長 ただいまの説明について御質問等はございませんでしょうか。

 よろしければ、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解いただいたものとさせていただきます。

 それでは、事務局から資料の確認をお願いします。

○近藤課長補佐 事務局から資料の確認をさせていただきます。

 表紙が議事次第、次に座席表、運営委員会委員名簿、委員会規程。

 続きまして、A3横の資料1-1が2枚ございます。

 その後に資料1-2が2枚、参考1、参考2と書いたものが表裏で1枚。参考3の資料は14ページまであります。

 次に、資料1-3が1枚。

 参考資料1が、6ページございます。

 最後が、参考資料2となります。

 不足がありましたら、事務局までお知らせください。

 以上となります。

○田野崎委員長 それでは、議題に入りたいと思います。

 事務局から、化血研製剤全体の在庫状況と献血ベニロン、ノバクトMについて、説明をお願いします。

○金子需給専門官 それでは、化血研製剤全体の在庫状況等につきまして、資料1-1、化血研において製造販売される血液製剤により説明させていただきます。

 1枚目の表は、代替製品がない等の理由から、安全性を確認した上で一変承認等の前でも出荷を認めることとしている6製品についての在庫状況等の一覧になります。2枚目の表は、その他6製品の在庫状況等の一覧になります。今回は、先週1113日時点の在庫状況等について御報告いたします。

 各製剤の状況につきまして、上からバイクロット、注射用アナクトC、コンファクトF、ノバクトM、献血ベニロンについては、これまでの運営委員会で一部ロットの出荷を認めていただきました。これにより、販社や卸の在庫消尽時期が延びておりますが、引き続き供給状況を見ながら必要な対策をとってまいります。

 この中で、真ん中あたりのコンファクトFにつきまして、前回の運営委員会で認められましたロットのうち、11月3日に250単位を1ロット1,173本、11月9日に500単位を1ロット2,898本及び1,000単位を1ロット1,375本出荷しております。

 出荷に当たりましては、引き続きMRの方から医療機関に対しまして、コンファクトFに含まれる添加物の類薬との比較など、安全性に関する説明をしていただいております。

 また、ノバクトMにつきましては、こちらも前回の運営委員会で化血研在庫の一部出荷を認めていただきました。11月3日に2,000単位を1ロット2,627本、1,000単位を1ロット6,015本、500単位を1ロット1,752本出荷しております。出荷に当たっては、化血研から高濃度の規格への切りかえ案内をあわせてしていただいております。

 本日は、年末あるいは年明け早々には在庫が逼迫する可能性がありますノバクトMの2,000単位と、献血ベニロンの5,000mg及び2,500mgの一部ロットの出荷について、この後資料1-2、資料1-3で説明させていただきます。

 なお、献血ベニロンについて他社製品の使用状況を確認しましたところ、10月末までにギラン・バレー症候群については340例、チャーグ・ストラウス症候群については75例の使用があったとの御報告をいただいております。いずれの適用に対しても重篤な副作用の報告は受けておりません。

 次に、2枚目に移りまして、その他6製品の状況になります。こちらは原則、一変承認を取得してから出荷することとしております。このうち一番上のボルヒールについては代替製品の一部の規格について、来年1月以降在庫が逼迫する可能性があるため、供給面での対応について検討しております。

 また、下のヒスタグロビンにつきましては、代替製品がないことから来年の花粉症のシーズンまでには供給を再開することについて、今後検討が必要と考えております。

 また、医療機関に対しましては、必要以上の買い占めや抱え込みをされないよう、引き続き化血研からお願いをしていただきます。

 以上が、資料1-1の説明でございます。

 続きまして、化血研から参考資料1によりまして、本日の議題であります献血ベニロンとノバクトMにつきまして、承認書との不整合について説明していただきます。よろしくお願いします。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 化血研の羽室でございます。参考資料1に従いまして、献血ベニロンとノバクトMにつきまして、不整合箇所を説明させていただきます。

 まず、参考資料1の1ページでございます。これは、以前もお出ししています資料でございますが、全体像のフロー図を示したものでございます。本日は献血ベニロンにつきまして、3ページで説明させていただきます。フロー図Bという形で書かせていただいております。

 献血ベニロンにつきましては、下の製剤群の左から3番目になりますが、上からのフロー図の流れで御説明しますと、まず、不整合箇所としてマル1、ヘパリンナトリウムの添加を行っております。こちらの理由としまして、凝固因子の活性化を抑制して均一な凝固因子を製造するために、ここに添加しております。

 続きまして、その下流のマル2、陰イオン交換クロマトグラフィーのところにも承認書の記載と異なる組成の溶液を用いてクロマトグラフィーを実施しているということでございます。

 その下のヘパリンクロマトグラフィーを通しますが、こちらがマル14、ヘパリンクロマトグラフィーに用います食塩溶液のpHの管理幅が承認書より広くなっているということでございます。

 その下にいきまして、まず免疫グロブリン画分をつくりまして、それを用いてスルホ化の献血ベニロン-Iというものをつくりますが、この献血ベニロン-Iにつきましてもマル15ということで、抗体活性試験のばらつきを抑制するために塩化ナトリウム量を10%ふやしております。また、浸透圧比を調製するために、グリシン量及びD-マンニトール量を10%減らしております。

 また、この献血ベニロン-Iには添加剤として献血アルブミン25%を用いておりますが、こちらに用いておりますカプリル酸ナトリウム安定剤を承認書より1.4倍多く入れているという状況でございます。

 続きまして、ノバクトMの不整合箇所につきまして説明させていただきます。

 1枚戻っていただきまして2ページ、フロー図Aの図を用いまして説明させていただきます。グレーの矢印のラインが少々抜けており見にくくなっておりますが、何とぞ御了承ください。

 今回、御審議いただきますのが、真ん中に書いておりますノバクトM5001,0002,000単位に該当します。この製法の中での不整合箇所としましては、先ほど申しましたように、凝固因子をとるためのマル1、ヘパリンナトリウムの添加、マル2、陰イオン交換クロマトグラフィーの組成が承認書と異なるところがございます。

 ちょうど真ん中ですけれども、マル5、イオンクロマトグラフィーウイルス除去膜、最終バルク調整に用いる溶液の組成が承認書の記載と異なると。具体的には、塩の濃度が若干多めに入っております。

 その結果、ノバクトMの製品のマル6につながりますけれども、先ほどのバッファーがそのまま持ち込まれますので、塩化ナトリウムの量が承認書に比べて5%ほど多くなっております。

 また、ノバクトM5001,0002,000にも安定剤としてアルブミンを用いますけれども、その用います献血アルブミン25%の安定剤、カプリル酸ナトリウムが1.4倍ほど承認書より多く入っているということになります。

 このノバクトMの5001,0002,000単位の途中の工程におきまして、第IX因子の活性化を抑制するために、アンチトロンビンIIIを用いております。こちらのアンチトロンビンIIIにつきましての不整合箇所も御説明させていただきます。

 もう一度3ページのフロー図を見ていただきたいと思います。アンチトロンビンIIIの製法につきましては一番右側になります。この中で不整合箇所としまして、前述のとおりマル1、マル2、ヘパリンナトリウム添加と陰イオン交換クロマトグラフィーの問題がございます。その後、ヘパリンクロマトグラフィーに用いる溶液の組成が承認書の記載と異なっております。

 また、マル20で濃縮と中間体の保管工程であった硫酸アンモニウム分画を省略しまして、中間体の凍結融解を回避するとともに、工程のスピードアップを行っております。

 以上が、アンチトロンビンIIIの不整合箇所でございます。

 最後になりますが、添加剤を用いておりますアルブミンの不整合箇所につきましては、隣の図になりますけれども、マル18、承認書に記載のない加温工程を実施しております。

 また、マル19、添加剤としまして25%のアルブミンになりますけれども、カプリル酸ナトリウムを承認書より1.4倍増量して添加しております。

 不整合箇所の説明は以上でございます。

○近藤課長補佐 引き続きまして、資料1-2について事務局より御説明いたします。

 「献血ベニロン-I静注用(乾燥スルホ化人免疫グロブリン)について(案)」という資料をごらんください。

 この製剤に関しては、ことし9月30日の第4回運営委員会で代替製剤の需給に支障を来すことから、献血ベニロン-I静注用の在庫ロットの出荷を御了承いただきました。前回御説明させていただいたとおり、以下の6つある適応の中で、献血ベニロン-Iにのみ適応があるのが5番のギラン・バレー症候群の急性増悪期で歩行困難な重症例と、6番のチャーグ・ストラウス症候群またはアレルギー性肉芽腫性血管炎の神経障害によってステロイド剤が効果不十分な場合となります。

 患者数についてですが、ギラン・バレー症候群は年間人口10万人当たり1.15人、チャーグ・ストラウス症候群は、年間約1,800人の患者の方々が医療機関を受診されていると推定されています。

 次に、献血ベニロン-I静注用の在庫状況等について御説明いたします。

5,000mg単位の製剤は、前回9ロット3万2,996本の在庫出荷について諮らせていただきましたが、10月7日以降、先ほど御説明させていただいたとおり出荷が再開されております。1112日現在の販社と卸の在庫は3万343本。月平均消化本数は1万2,808本。在庫消尽時期は平成28年1月下旬となっております。

 また、化血研にある出荷可能な在庫本数は、ロットナンバーSVA262ESVA264ESVA266ESVA267ESVA268ESVA269ESVA289ESVA290ESVA292ESVA294ESVA296E、以上の11ロット。合計しますと3万9,975本で、推定供給可能月数は3.1カ月となります。

 一方、新規に製造した製剤の最短出荷予定時期は12月下旬で、出荷予定本数は1万500本、推定供給可能月数は0.8カ月です。

 今回の11個のロットのヘパリン含有比率についてですが、有効成分については全てヘパリン添加ありでつくられており、一方、安定剤として使われているアルブミンのヘパリン含有比率については、3対1、1対3及び0対4、すなわちヘパリンなしでつくったものも含まれておりますが、全てウイルス不活化除去の性能に問題がないことが確認されています。

 次に、2ページをごらんください。2,500mg規格のベニロンについてですが、前回11ロット5万9,064本の在庫出荷について諮らせていただきましたが、行政のほうで製造記録を確認し、出荷が再開されております。

1113日現在の販社と卸の在庫は5万4,772本、月平均消化本数は1万9,701本と、規格の中では一番使われている製剤ですが、在庫消尽時期は平成28年2月上旬となっております。

 化血研にある出荷可能な在庫本数は、ロットナンバーSVA263CSVA265CSVA287CSVA291CSVA293CSVA295CSVA297Cの合計7ロット、3万9,106本で、推定供給可能月数は2.0カ月となります。また、新規に製造した場合の最短出荷予定時期は12月下旬、出荷予定本数は1万4,900本で、推定供給可能月数は0.8カ月です。

 これに関してもヘパリン含有比率は先ほどと同じく、有効成分に関しては全てヘパリン添加ありでつくられており、一方、安定剤として使われているアルブミンのヘパリン含有比率についは0対4、3対1、1対3のものが含まれていますが、ウイルス不活化除去の性能に問題がないことが確認されています。

 なお、以上全てのロットに関しては国家検定に合格しております。

 安全性確認の状況についてですけれども、添加されているヘパリンの安全性に関しては、国が定める基準を満たしたものであり、最終製品でのヘパリン残存量は薬理効果が出ないほどのごく微量のレベルでした。

 また、製造工程におけるウイルス不活化除去についてですが、化血研の在庫のロットについて念のためウイルス不活化除去の性能に与える影響を試験したところ、性能に問題がないことが確認されています。

 その他、先ほど化血研より説明のありました工程の改変や承認書と異なる添加剤が安全性に影響を与えている可能性は低いと考えております。

 次に、出荷の考え方について御説明いたします。

 5ページの参考1をごらんください。この資料は、第4回運営委員会での資料をアップデートしたものですけれども、グロブリン製剤の4つの規格について、1118日現在の国内3社と化血研の在庫等の状況です。

 一番上の5,000mg規格及び2番目の2,500mg規格について、表の中の12月末及び3月末を見ていただきますと、メーカーと販社の在庫が1カ月未満となることが予想されています。献血ベニロンは市場の3~4割を占めていたことから、このように代替製剤を含めた免疫グロブリン製剤全体の需給が逼迫しております。

 次に、6ページの参考2をごらんください。これも第4回運営委員会での資料と同じですけれども、国内・海外の免疫グロブリン製剤の適応についてまとめた表です。

 一番左の「適応」の中に下線が引いてある疾患に関しては、適応のある免疫グロブリンが1つしかないという疾患です。表の中で1つしか○がついていないところが、免疫グロブリン製剤の中で適応が唯一のものということで幾つかあります。

 代替製剤に関しても欠品を回避する必要があることから、第4回運営委員会でベニロンの在庫ロットの出荷を認めていただきましたが、まだ市場に十分供給されていないこともあり、医療機関において代替製剤からベニロンへの切りかえが、まだ十分でないという状況があります。今後も、市場の流通の動向を注視した上で、必要に応じて対策を講じてまいります。

 7ページの参考3ですけれども、ギラン・バレー症候群とチャーグ・ストラウス症候群について、国内のほかの3つの免疫グロブリン製剤を治療に使用した際の保健上の配慮及び副作用・感染被害救済制度の適用に関しての通知が続きます。

 代替使用が認められた3製剤についてですが、企業に確認した10月末までの使用状況については、重篤な副作用の報告はございません。

 以上より、献血ベニロン-I静注用の5,000mg2,500mg規格については、必要とする患者様の不利益にならないよう、化血研在庫のうちウイルス不活化除去の性能に関して確認を終えたロットに限り追加で出荷することにつき、事務局より御提案させていただきたいと思います。

 ベニロンは特定生物由来製品であり、記録の保存や使用実績調査について化血研は情報収集に努め、遅滞なく当局へ報告するよう引き続き指示をしてまいります。

 引き続きまして、資料1-3「ノバクトM(乾燥濃縮人血液凝固第IX因子)について(案)」という紙をごらんください。

 ノバクトMについては、前回、参考人をお呼びして御議論いただき、出荷を了承していただきました。血液凝固第IX因子欠乏患者の数は、全国で約1,000人と報告されておりますが、ノバクトMは国内献血由来の第IX因子製剤です。

 在庫の状況ですけれども、2,000単位は前回1ロット2,627本の出荷を御了承いただき、行政で製造記録を確認後、11月3日に出荷されております。

 在庫状況に関してですが、1113日現在、販社と卸に3,709本、月平均消化本数が1,463本ということで、推定消尽時期は平成28年1月下旬と予想されています。

 有効成分である凝固第IX因子に関して、ウイルス不活化除去の性能が確認された方法で新たに製造され、出荷可能となっているノバクトMの本数は、ロットナンバーSMH0072,404本で、推定供給可能月数は1.6カ月です。

 次に、安全性確認の状況についてですが、製造工程で添加されていたヘパリンの安全性及び有効成分の製造工程におけるウイルス不活化除去性能に関して問題ないことの確認がとれております。

 また、安定剤のアルブミン及び添加剤のアンチトロンビンIIIのヘパリン含有比率についでですが、アルブミンは3対0、アンチトロンビンIIIは7対0であり、これらのヘパリン含有比率がウイルス不活化除去の性能に影響を与えていない確認が済んでおります。

 その他、製造方法の変更が安全性に影響を与える可能性は低いと考えております。

 2ページにありますように、血液凝固第IX因子製剤の国内シェア40%を占めるノバクトMの供給量を補うために、代替製品として遺伝子組み換え製剤を海外から輸入する場合、輸入量を大幅にふやすことなどが必要となるために、海外製造元との調整が必要とのことです。

 また、臨床現場からは、緊急の出血や手術時に十分な止血効果が得られない症例や、インヒビターが発現した血友病患者に対して、凝固因子製剤を頻回・大量に輸注する、いわゆる免疫寛容療法に処方されている症例もあり、ノバクトMでないと医療上の重大な支障を来す可能性があるとの情報も寄せられています。

 こうした生命に危険を及ぼす危険性の高い方々の治療に関して、選択肢を複数確保しておくという観点からも、ノバクトM静注用2,000単位を追加で出荷することについて、今回御提案させていただきます。

 なお、出荷後は運営委員会に速やかに報告し、特定生物由来製品としての記録の保存や市販後調査の徹底を図ること、並びに高濃度規格へ切りかわっておりますけれども、これに関しても引き続き医療機関に周知を図ることについて化血研に指示をいたします。

 以上、事務局からの説明になります。

○田野崎委員長 ありがとうございました。

 献血ベニロンとノバクトMを一度に御説明いただきましたが、委員の先生方から御意見をいただければと思います。お願いします。

 花井委員どうぞ。

○花井委員 出荷については致し方ないという方向だと思いますが、ちょっと気になっているのは、安全性が確認されない段階で出荷したバイクロットについてはインフォームド・コンセントを求めていますよね。同じものだけれども、同じ製造で確認したらインフォームド・コンセントが要らないという形になっていて、実は血液製剤はインフォームド・コンセントが求められているから、そもそも使う段階で何らかの説明をすることになっているのに、この出荷については何も触れずに、いつもの紙1枚でやってしまうというのは、現場としてはいかがなものかということがあるかなと。

 つまり、基本的に血液製剤にはインフォームド・コンセントが求められているわけだから、その機会があるのに、この出荷は薬事法は違反しているけれども、安全性が確認されているから使えるものだよという説明をしなくていいのだろうかというのはちょっと気になります。報道等もされてくると、そこを現場で何も触れないというのも、またそれはそれで不自然かなと思うのですが。

 それと、さらに混乱しているのはバイクロットのほうで、ロットによって説明が違うという形になっていて、結果的にはバイクロットは、追加ロットについては別の説明をしているという実情があり、それとの整合性も難しくなっているので、そこは議論しておく必要があるかなと思いますが、いかがでしょうか。

○田野崎委員長 今の花井委員の御意見については、いかがでしょうか。ほかの委員の先生方。

○山口委員 安全性と言ってはいるのですけれども、多分、安全性で今確認されているのはウイルスクリアランスについてですね。確認しておきたいのですけれども、前にも議論しましたが、ほかのものは安全性に関するもの、例えば、安定性とかそういうものも含めて、多分そこまでは全て確認されていないのではないかという気がするんです。だから、最低限のウイルスクリアランスについては確認してもらっているという整理を私はしているのですけれども、多分それで間違いないかなと。逆に言うと、製法がいろいろ変わってしまっている、例えば、そこのところの安定性等を含めて全てを確認しているわけではないという観点からすると、そういう情報提供があってしかるべきかなという気がちょっといたします。

○田野崎委員長 岡田委員どうぞ。

○岡田委員 安定性というとノバクトMですけれども、これは食塩の濃度をアップしていますけれども、これは有効期間内の途中はまだいいとしても、最初と最後の力価は一応、規格を満たしているということは確認されているのでしょうか、この安定化剤で。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 今回のノバクトMは高濃度ノバクトMというものですけれども、実は剤形追加の承認を取りましたのが、ことし2月ですか、従来のノバクトに比べて高濃度化した製剤でございます。そちらの剤形追加の申請の際にノバクトMにつきましては、現在の安定性ガイドラインに基づきまして安定性試験を実施しております。その結果をもちまして、安定であるというデータも含めまして当局に御提出しておりますので、その際のデータも塩の濃度は不整合がある状態でとってはおりますけれども、そちらのほうで一応担保できていると考えておりまして、その資料も含めて当局に提出させていただいております。

○田野崎委員長 大平委員どうぞ。

○大平委員 先ほど、ほかの委員の方も述べられたのですけれども、安全性が確保されているといっても、最終的にどこまで確保されているか、完全に保証されているのかという話とはちょっと違うと今までの議論の中では考えていたのですけれども、結構きょうはきっぱり安全性が確保されていると言われたので、ちょっとそこは驚きかなというところです。

 それから、問題は、承認やいろいろな薬事法の縛りの中では違反しているところが多々あるわけなので、そこが整理されないまま緊急的に出すわけですよね。ですから、その緊急性をもってこれまでも、しようがないから出してもいいという感じで運営委員会としては承諾してきたところがあるのですけれども、中間報告や最終報告というものがきちんと出て、きちんとけじめがつくのでしょうけれども、その前にもう少しこういった問題について会社側のいろいろな姿勢は伺いたいなというのは一つあります。

 それから、本当に緊急性があるのかどうかというところは、ここで調べていただいている中ではギラン・バレー症候群の問題とか、チャーグ・ストラウス症候群の問題というのは出ていますけれども、あと、ノバクトも手術でどのくらい困った症例が出てきて把握がきちんとされているのか。また、インヒビターの治療として用いられているところで、それはどれくらいの症例があるのかというのがはっきりしていない。もし、そういう例が多くあるとしたら、絶対量としては足らないわけですよね。

 そういう問題も含めて、ほかの人も使える形というのは、どういうふうに仕切りができているのかが不明確で、本当ならばノバクトは第IX因子製剤、代替製剤があるわけなので、きちんと代替製剤を確保して、緊急の時点ではなるべく代替製剤を使っていただく。また、本当に難しい症例についてのみ、それを許可するというようなことをしていかないと、どんどん五月雨的に、私たちが、ここで安全性が確保されたから、まあいいでしょうということで承認していくというのは、本当に会社はきちんと反省してやっているのかどうかというところが不明確だなというところがあって、きょうの提示資料ですと、そこのところは読み取れないので、血液事業として、ただ困っている患者さんたちがいるから出すというような仕切り方だと、何か納得いかないところがあるなと感じています。

 ですから、本当に代替製剤がなくて、それについて緊急的に出さざるを得ない人というのがどのくらい絞られているのかというのがわからないまま、こちらでどんどん承認していくということ自体が、私個人としてはもう少しきちんと調査されて、対象者が絞られて、緊急的に出すというような形が望ましいのではないかと思います。

○田野崎委員長 室井委員どうぞ。

○室井委員 私も、花井委員と山口委員の意見に賛成なのですけれども、安全性をどこまで求めるかというのは、私も専門家ではないので明らかではありません。資料1-2の「安全性確認の状況」を見たのですが、ヘパリンの安全性は確認されて、ウイルスの不活化除去も確認されていると。結論として、なお、その他の製造方法の変更が、多分これは「血液製剤全般に」という言葉が抜けていると思うのですけれども、製剤全般の安全性に影響を与える可能性は低いと考えるということだと思います。その中で、根拠というのが述べられていないのではないかというのは私も感じました。

○田野崎委員長 いろいろな御意見が出ていますが、大平委員が言われているような五月雨式にいろいろ現状を見て承認していかないといけないような状況というのは、今後もずっと続くと思うのですが、そのときの緊急性について、本当に必要なのかどうかということについては、事務局から資料を出していただいてはいますけれども、これについて本当にその考え方でいいのかどうかについて、もう一つ検討しないといけないのではないかという御意見だったかなと思います。

 それから、そういうところにおいて、インフォームド・コンセントをどういうふうにしていくか。初めはその点について説明があったわけですけれども、だんだんそれがないがしろというのではないと思いますが、どの程度のインフォームド・コンセントをしながら投与していくのか、国家検定とかウイルスクリアランスでいいのかどうか、そこも検討しなければいけないのかもしれない。

 あとは、会社側の見解という御意見もあったと思いますけれども、今回、会社側の見解に関しては、もう少しすると第三者の外部評価委員会からの調査報告が出てくると思いますので、またそのときに中間報告をもとに議論していく場がありますので、きょうはそれは置いておいてとさせていただいたらと思いますが、本当の必要性に関して事務局側からの資料については、委員の先生方から何か御意見はありますか。

 山口委員どうぞ。

○山口委員 先ほど大平委員の言われたことは、本当にそのとおりだと思います。さっき花井委員がおっしゃったように、若干、自分でも認めざるを得ないなというのが正直なところで思ってはいるんです。要するに、半分患者さんの命を人質にとられているような気がちょっといたしまして、それがなくなることに対する対応というのはどうしてもやらざるを得ないだろうと。そういうところがあるのですが、なし崩し的にどんどんという、何かけじめがついていないところは確かにそう感じます。

 私が先ほどちょっと意見を述べさせていただいたのは、例えば、先ほど安全性を確認されているということでしたけれども、もし全てのデータがそろっているのだったら、それ自体が一変承認を受けているはずで、今は多分、一変承認にはなっていないだろうと思っております。ということはデータが足りないと、少なくともPMDAMHAWは考えているのだろうと理解しています。もし、それが全てそろって今のデータでOKだったら一変承認を与えるはずですから、いわゆる完璧なデータにはなっていないと私は理解しております。

 そういう意味でも、これを提供していくときに、少なくとも患者さんにそういうことは情報提供すべきではないかという気がいたします。

○田野崎委員長 大平委員どうぞ。

○大平委員 特に、資料1-3の2ページに「ノバクトMのロットの出荷について」と書いてあるのですけれども、シェアは40%を占めているということで、それが足らなくなっていることは確かだと思います。だけれども、その下に書いてあります臨床現場でのインヒビターが発現した血友病患者に対して、第IX因子製剤を頻回・大量に輸注してインヒビターの消失を図る、いわゆる免疫寛容療法がどの程度対象になっているのか。また、ノバクトMでないと医療上重大な支障を来す可能性のある症例があるとの情報が寄せられていると書いてあるのですけれども、その情報の中で本当に緊急性がある、それでないとだめというような方は、どの程度の情報だったのかということがはっきりわからないまま、後の方たちはちょっと我慢して、本当にきちんとした安全性や承認を得るまでは少し制御するとか、また、遺伝子組み換え製剤に変えてでも使っていただくという緊急性の問題だと思うんです。ですから、そこのところが不明確なまま、結局ノバクトMが結構これから出ていくとなると、そこのところが私個人としては納得いかないところがあります。

○田野崎委員長 この緊急性・必要性に関しまして、ノバクトMに関しては資料1-3にあるような文言になっていますが、これに関しては事務局でさらに細かな情報収集とかそういうものは可能ですか。

○近藤課長補佐 いろいろと御指摘ありがとうございました。こちらのほうでも引き続き細かい情報に関して情報収集に努めてまいります。

○武井課長 貴重な意見ありがとうございました。前回ぐらいからこうした議論が出ておりますので、特に根拠の部分ですとか必要性の部分、個別症例に応じたような具体的な数値も必要になってくると思います。今まではどちらかというと定性的に、参考人の先生にも来ていただいたという事実があるかと思いますけれども、現場の声をきちんと反映させていくことが重要だと我々は思っておりましたので、今までの手続・アプローチとしては先ほど山口委員からもありましたように、ウイルスクリアランスですとか一定の安全性を確認してきたのが、この委員会で行ってきたことかと思います。それに加えて、今後はさらに定性的なものから定量的な情報をどんどん付加していくことが重要になってくると思いますので、その点については事務局から各現場に働きかけていって、情報をとっていくということを行っていきたいと思っております。

 もう一点つけ加えますと、患者さんの方々にどうやって説明しているかというところが我々も重大関心事項でございまして、それについては例えば、MRさんがどうやって医療機関に説明しているかですとか、患者さんに対してどういう説明をしているかという、実際に手渡すときの資料なども入手しているのですけれども、この検討会で得られたような情報や発言については、各医療機関に伝わるような仕組みになっております。ただし、よりアップデートして直近の情報を伝えるということが重要かと思いますので、そういった取り組みは、さらに我々のほうからも働きかけて強化していきたいと思っているところです。

 簡単に申し上げると以上なのですけれども、今回の資料は実は前回と同様でございまして、ウイルスクリアランス、国家検定などの情報をベースにしているわけです。今日、貴重な御提言をいただきましたので、今後についてはさらにデータ面での強化を図っていくという取り組みを進めてまいりたいと考えております。ありがとうございました。

○田野崎委員長 花井委員どうぞ。

○花井委員 今、課長さんがさらっと説明したのですけれども、医療現場にはMRさん等が情報を提供しているという話なのですけれども、患者会の声をここで言うかどうか迷ったのですが、2つあって、事実上バイクロットの説明で、最初のものは緊急的出荷と言っていたんですよ。後から出てきたものは例外的出荷と言葉を使い分けて説明していて、これはそういう説明が妥当かどうかはともかく、ここで確認したクライテリアが違うのですが、患者にそういう言い方をされたときに、これは患者会全体の声と言えるかどうかわかりませんが、何となく患者が必要としているから仕方なく出していると。つまり、患者が必要としているからということは、多少問題があっても患者が必要なんだと。では、患者の声はどう反映しているのかというところで、大平委員と私は、ある種患者さんが困るようなことはここで判断できないので、患者の利益を最大にするためにここにいると承知しているので、その判断でやっているという説明になるのですけれども、とすると、やはり現場での説明というのは極めて重要で、医療機関に情報提供していれば、もともと医薬品に関しての情報提供は医療機関の責任でもあるから、血液法に基づくインフォームド・コンセントの責務みたいなものも、そこでアップデートして紙をつけてやればいいと言えるのですが、ちょっと混乱がちであることは間違いなくて、ある程度こちらのほうで説明の仕方についても、バイクロットのときに検討したように提案したほうがいいのではないかと。つまり、MR任せ、医療現場任せではまずいのではないかと。

 1つは、自分たちが言い訳をするわけではないですけれども、事実上、その安全性と患者の命を比較考慮して出さざるを得ないという判断をしたから、これは使ってくださいねというのは、今の格好では結局のところ運営委員会が保証している形になってしまっているわけです。もちろん医薬食品局なりPMDAが本来はレギュレーションによって保証するものを、レギュレーションに外れたものを保証しなければいけないという苦渋の気持ちと、この気持ちは多分、運営委員会の委員の先生方も同様だと思います。つまり、今までここでレギュレーションをきっちり守って一生懸命やってきたのに、守れないものをどうぞ使ってくださいと言うのは痛恨の極みなわけで、大平委員が言うのは全くそのとおりで、ノバクトについては私もこれは出していいのかとはずっと思っていたのですが、私はちょっと甘いのかもしれませんが、前回、花房先生が来て、現場でこれがないと患者さんが非常に困るということがあったので、ある程度仕方がないかなと判断しているわけです。だから、インフォームド・コンセントについては、現場任せ、MR任せではないことが絶対に必要かなと。

 もう一点だけ別のことなのですが、代替製剤で免疫グロブリンについて他のメーカーを特別にやっているということは、さっきの赤マル疾病は他の疾病にも影響があるんですね。今回、化血研の製剤の適用に関してだけ疾病の状況を見たのですけれども、ほかのものがこっちに流れてくると、他のメーカーの疾病だけというものにも影響があるのかないのかという問題を考えないといけないのかなと。スティーブンス・ジョンソン症候群とか、全体としての免疫グロブリンなので、そこもよく検討しなければいけないのかどうかも一つ論点としてあるのかなと思いました。

 前者の提案については、ぜひ、やるべきではないでしょうか。それでももっと厳密に患者が何人いて、ファーストチョイスはリコンビナントでいいではないかという議論もあって、リコンビナントも足りないというのも何となくのお話だったので、いわゆるリコンビナント製剤を日本にちゃんと期日に入れることが不可能なのか可能なのかという。難しいという説明だけが今はあって、無理だということであれば無理だということでショートするのですけれども、先ほど来の説明だとそこは曖昧で、現地のメーカーと調整が難しいみたいな乗りじゃないですか。不可能なのか可能なのかをはっきりしないと、さっきの大平委員の求めに対する説明にはならないかなと思うので、その辺もいかがですか。

○武井課長 非常に困難ということは直ちにはできないということになりますので、それはやはり現実的な対応をとらざるを得ないということになってくると思います。

 それと、今、非常にいい御提案をいただいたと私は受け止めまして、例えば、インフォームド・コンセントですとか、説明文書については直接この場で皆さんの意見を反映させたものを渡るようにしたほうが、より安心感が高まると思いますので、そういった方法に今後は切りかえていくということを検討したいと思います。

 それから、主には説明及びインフォームド・コンセントのペーパーの取り扱いと、代替製品に関する御意見と思いましたので、その点については事務局でしっかり対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○田野崎委員長 岡田委員どうぞ。

○岡田委員 第IX因子ですけれども、国内メーカーは化血研以外に日本血液製剤機構も血漿由来の第IX因子があると思いますけれども、そちらの例えば増産とかである程度補うことはどうなのでしょうか。

○金子需給専門官 一応、生産はしているのですけれども、例えば平成26年度実績で見ますと、本当に1~2%というぐらいのシェアです。きちんと国内の代替メーカーに相談したことはないのですけれども、化血研の40%前後のシェアをカバーするとなると、国内メーカーでは厳しいのかなというのはあると思います。なので、もし代替するのであればリコンビナント、外資のメーカーさんでどの程度カバーできるかということになるかと思います。

○岡田委員 わかりました。

 要するに、皆さんが言っていますけれども、ほかの製剤では補い切れない部分を出さざるを得ないという判断で、超法規的に出庫するというのが委員会としては恐らく基本だと思いますけれども、そう考えると、国内のほかのメーカーが増産するというのはなかなかカバーし切れない、あとは海外メーカーの組み換えの供給がどの程度期待できるかわからないということを考えると、不足する分は化血研の製剤を出さざるを得ないのかなと思います。

 それと、もう一つ確認です。先ほど山口委員から、一変申請について意見がありましたけれども、現実のところ一変申請はもうされたのでしょうか。それとも今、申請するための資料づくりの最中なのでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 一変申請に必要な部分、御指摘のとおり安定性試験、これは前回も申しましたように、ガイドラインに沿った安定性試験のデータがそろっていないということが、一変できない現状でございます。6月時点で今回の問題が起きましたときに、今、会社内でとっています安全性に関するデータ全てをPMDAに提出しなさいということで、それぞれまとめて提出させていただいております。通常は、出荷品でございますとGMPの参考品という形でとって、抜き取りではございますけれども、一部のロットを安定化ということで確認しておりますので、そういったデータを含めてPMDAには御提出させていただいております。

 ですので、それらデータを確認していただいた上で、最低限度のものとしては安定と思われるという形で御判断いただいたものと考えておりますが、一変に耐え得るような、ガイドラインに基づいたようなデータは現在手元にございませんので、それを取得すべく検討している状況でございますが、あわせまして、こういった例外的出荷という形で物を供給させていただいておりますので、そちらの安定性試験に回すサンプルの準備といったものもバランスをとりながら、今後なるべく早い時期に着手したいと考えているところでございます。

○田野崎委員長 山口委員からどうぞ。

○山口委員 先ほどベニロンのことがあったので、それだけ意見を言わせてください。

 結局、適応外使用を3剤認めているのですけれども、前回の議論でも適応外使用を認めた3剤も逼迫してきているという状況で、そのときの私の意見としては、適応外使用を受けている本来の3剤のほうが逼迫するようなことをやってはいけないと思いますので、その意味ではやむを得ないけれども、少なくともギラン・バレーあるいはチャーグ・ストラウス症候群、アレルギー性肉芽腫性血管炎については、それをカバーするような形で出さざるを得ないのではないか。そのためにこちらが逼迫するというのは避けたほうがいいのではないかと思います。

 それをやれば、3剤のほうは逼迫しないのでしょうか、それでも逼迫するのでしょうか。

○武井課長 大変大事なポイントで、その点先ほどお答えしようとしたのですけれども失念してしまい失礼いたしました。先生御指摘のとおりで、実は本来治療として使うべきところに使う必要というのが最も重要かと思うのですけれども、ほかの製剤を代替として使っているために、代替品のほうが逼迫してくるという状況になります。全体的な供給を安定的にしていくというところも別途しっかり見ていく必要がありますので、本来、承認がとれている疾患に対して治療が行き渡ることが重要かと思います。そういう意味で全体のバランスを見ながら逼迫しないように、足りないところを重点的に補充していくというイメージを持っていただければと思います。

○山口委員 もし、そういうふうにできるのであれば、逆に言うと献血ベニロンが持っている2つのオーファンの効能について、そこをカバーするような出荷が認められるのであれば、今、例外的に認めている3剤も切り離すことも近々考えないといけないのではないかという気がするんです。それを認めるために逼迫してくるという異常な状態をまだ引き起こしてしまっているので、いつまでもこれをずるずるとやっているのか、これはこれでという形に、その時期を考える必要があるのかなという気がします。

○武井課長 全く御指摘のとおりかと思いますので、ほかの製剤の逼迫状況を確認した上で、これから年末年始に入りますので、もし引き離す必要があれば、その旨通知していきたいと思います。ありがとうございます。

○田野崎委員長 安定性試験について先ほどお話がありましたけれども、安定性試験というのは実際にはどのくらいの期間かというのは、1年は見ないといけないとかあると思うのですけれども、そういう意味では、いつぐらいになると一変申請のものが正式に通る見通しがあるのでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 一概には言えないのですけれども、そういったことも今あるデータも含めまして当局と相談させていただく予定にしております。例えば、既に最近承認したようなバイクロットやノバクトMの効能といったものは、一応ICHガイドラインに従ってとったデータがありますので、それらが使えるのであれば期間はかなり短くなると思いますし、そうでないものにつきましては、例えば、安定期間が2年のものであれば2年ちゃんととり終わった上で一変をかけるのかとか、あるいは暫定的にとった時点で仮に認めていただくといったところは、会社としてはぜひ伺っていきたいと考えておりますので、それにつきましては当局と密接に相談させていただきながら取得していきたいと考えております。

○田野崎委員長 そうしますと、まだしばらく正式な申請が通るには時間がかかりますし、今、製造しているもののまたそのロットが承認されて、承認されてという同じような手続をしていかざるを得ないのが現場ではないかと思うのですが、そういう意味では、どういうインフォームド・コンセントでとか国家検定の問題、ウイルスクリアランスの問題はクリアーしているものしか出ていかないわけですから、どういうふうに現場でお話をして御理解いただいた上でやられているかというところなのではないかと思いますが。

○花井委員 そうなのですけれども、実は、今ちょっと話が出ている、論点を先取りなのですが、先ほどの岡田委員の提案ですが、今、12月までの在庫を見て逼迫で話をしているわけですよね。これが1年、2年というスケールになれば、さっきのクリスマシンも増産できるかもしれないわけです。というのは今回、一変申請をするという前提で話がいっていますけれども、それは本来メーカーの主体的な仕事です。つまり、これは現実を無視した話ですけれども、理屈としては、承認書と違ったことが問題だったら、新たな製造は承認書どおりに戻してつくるのが当たり前ではないですか。違っていたものは承認書どおりにつくれば、それを出せるわけですよね。ところが、現実には現状の製造で一変をするという方向性があるから、それを前提に話していることになると。

 そうすると、まず1つは、承認書と違っているのを承認書どおり戻しなさいと言わずに、いや、戻さなくてもいいから申請してねという合理的説明が必要だし、もし、それが何らかの特別扱いというか現実的対応であるならば、その期間を長期的に見るのであれば、それこそ他のメーカーに増産の話をして、もしかしたら一変申請ができるまでの間は、そっちを供給である程度底上げできるということになるわけですね。これは化血研にとってはつらい話かもしれませんが。要するに、どんどん製造を次々して1年前のものでも同じようにやっぱり足りないからと出荷するという、さっきから言っているような話からすれば、そういう対応とは違う新たに製造する部分については、承認書どおりに戻さずに製造するという異常事態なわけですよね。それはまた長期的戦略が要るので、今の緊急的な対応とは別の議論をして、そこは確認しておかないと、ちょっとつらいかなと。

 したがって、具体的に何かというと、一応、遺伝子組み換えのメーカーと国内でライセンスを持っているメーカーが、連産品なので釜が動いていれば、もしかしたら増産可能かもしれないとか、すごく素人っぽいことを言ってあれですが、そういうことも一応検討した上で、全体としてどうしようもないということを確認しないと、特例に特例を重ねるというのは説明が必要だと思います。

○田野崎委員長 今のところは、確かに一番に押さえておかないといけないポイントではあると思うのですが、実際に可能かどうかというところになるとは思いますけれども、ほかのメーカーに増産の可能性を確認していくということがどのくらい可能か、あるいはやられているかどうかについて。

○武井課長 今、花井委員から御指摘があった点は、私も一番最初に考えたことでして、代替メーカーに直接訪問して伺いました。やはりプラス数十パーセントみたいなところは増産で今のキャパでできるのですけれども、すっかりカバーするとなると、工場から建てかえということもあったり、今回この表を見ていただいたらよくわかるのですけれども、対応疾患が異なるので、A製品、B製品がイコールで代替になりません。そのため、対象疾患ごとに見ていかないとだめなので、そこが非常に難しいのと、フル生産もしくは昼夜稼働で回しても、全部を代替できるだけのキャパはございませんという話を聞いております。そういった意味で前回もこの場で議論いただいたように、ウイルスクリアランスですとか、国家検定というところを見て当面の間できることを対応していくという選択肢について御議論いただいているところかと思います。ですので、前回も資料として出させていただいたのですけれども、優先的にチェックすべき項目というのは、これとこれで、そこの部分はしっかり押さえようという議論が今まであったということだと思います。

○田野崎委員長 もう一つの点の、もともとの承認書に基づいた製造に戻せないかどうかということについては、会社側からの御意見としてはいかがなものでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 同じ指摘は当局からも最初に受けておりまして、最も戻せない方法というのがヘパリンの添加という工程になってしまいます。これは凝固因子つくるためにどうしても添加しないとつくれないということがございますので、ヘパリンを添加せずにつくるような方法は今持ち合わせていないということになります。

○田野崎委員長 今の御説明でよろしいですか。

○花井委員 それは、もともと承認書どおりにはつくれなかったということをおっしゃっているのでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 そのとおりでございます。ノバクトの治験の段階で入れていたということは以前御説明したと思いますけれども、その時点で承認書に書かれておらず、承認書どおりにつくれなかったということになります。

○田野崎委員長 この点については、いろいろな長い経緯があって、昔と今で申請の状況が違っていたということもあったと思いますので、これについてはまた念頭に置いておいてとは思いますが。

 大平委員どうぞ。

○大平委員 今、課長さんからお話があったのですけれども、もし、できれば運営委員会にほかのメーカーの責任者の方に来ていただいて、どの程度増産が可能なのか、そしてまた、今後の見通しとしてどの程度カバーができるのかを具体的にお聞きして、海外メーカーにいろいろと御協力いただくことも必要かなと思いますので、そこは安心したものを患者さんに提供するのが一番の建前なので、それができないとしたら、これがずっと続いていくとしたら、今の状況ですと化血研さんには悪いのですけれども、化血研の言いなりで出しているという構図になるのが、私たちとしてはとても耐えられないなと思います。

 また、患者もこういう状況を社会の動きとして知っていく中で、化血研の製剤はどういうものだったのかということで、すっかりだまされてしまったというような構図になったら、それこそせっかく協力をしてくださった方たちの献血を利用してつくっているという一つの国の政策の中で、こういうことは絶対にあってはならないという示しがつかなくなってくると感じますので、できれば早急にどのくらいカバーができるのか、また、海外メーカーにいろいろな形で援助していただくというような形も考えていかないといけないと思います。

 本当に化血研しかできない技術とかそういうものでつくられているものでしたら、緊急的に国としてもどう対策を立てて、一変にするのかどうするのかというところを考えて、本当にみんなが安心して使える製剤という形で出荷できるようにしていただきたいと私は考えています。

○田野崎委員長 本日の委員会は、2つの製剤、献血ベニロンとノバクトMのある特定のロットを許可するということを皆さんに御審議いただくのが目的なのですが、今までの議論は、これでOKとするにはまだ少し距離があるような印象を持っているのですが、現場として現状がかなり逼迫してきていると。本当に逼迫しているのかどうかについては、今まで事務局のほうでいろいろ見ていただいたものですので、これ自体いろいろ議論をしても実際には患者さんが困ってしまうことになると思うので、保留にして次のところでというのも一つはあり得ると思いますが、とりあえず今回の事務局からの御提案に関して、事務局の提案どおりに出荷を認める方向にするか、あるいはペンディングにして、もう少し細かな資料を用意していただくことにするかについて、御意見があればお願いします。

○岡田委員 第IX因子、製法の違いによって体の中での代謝が違ったり、回収率が違ったり製剤の特性もあるので、例えば今、化血研のノバクトMを使っている人がほかの製剤に切りかえるというのは、患者さんが希望すればいいのですけれども、現状維持を希望する方も当然います。当然、補充療法ですから補充する製剤が変わってしまうと、例えば組み換えになってしまうと、投与する間隔を狭くしたりとかいろいろ調整が必要になってくると思うので、もちろん最低限の安全性は確認されていることを考えると、とりあえず必要最小限のものは供給せざるを得ないのかなと思います。

 あとは、出庫を認めるにしても今あるデータ、例えば、最終製品の品質管理のデータをメーカーさんは持っているだろうし、場合によっては国家検定のデータもあると思うので、その製剤が満たすべき品質を確認してから出庫を認めるということも必要かと思います。

○田野崎委員長 具体的には、ここでそれを確認するというのはないですよね。

○岡田委員 それは別にPMDAでもいいし、厚労省でもいいのですけれども、国家検定は正直言って再試験をやったほうがいいという項目だけが試験を行われているので、通常メーカーで行われている試験というのは、かなり幅が広い試験なんです。それを提出してもらって、承認書に書かれている規格をちゃんと満たしていることを確認してから出すということが今できる最大の確認だと思いますので、そういうことをして認めるということはせざるを得ないのかなと思います。

○田野崎委員長 山口委員どうぞ。

○山口委員 大平委員のそもそも論の話は多分そのとおりだと思います。患者さん自体が使うときの本当にいろいろな説明の部分も含めて。私自身は、それについて答えを余り持ち合わせておりません。

 ただ、もう一方で先ほど話がありました、例えばベニロンについても適応症が割と限られているものがある。要するに、それぞれごとに違っていて、しかも、例えばγグロブリン製剤といっても、メーカーごとに中身がそれぞれ違うということが言われております。要するに、精製法とかそういうものが違って、それぞれが持っている適応で使うということでやるべきで、そういう意味で、本来の代替3剤が逼迫するようなことは避けたいというのが本音です。

 そういう意味で、岡田委員もおっしゃられましたけれども、患者さんの使いたいという希望を含めたときに、ある程度出さざるを得ないかなと。ただ、先ほどのお話があるように、いろいろなデータ、きちんとした説明を今は必ずしも十分いただいていないという部分はそのとおりだと思いますので、その点について追加で提出していただくとか、今後の議論の中でもそれを確認していくという方向性が必要なのかなという気がします。

○田野崎委員長 花井委員どうぞ。

○花井委員 私は、最初から出荷もこの段階では致し方ないだろうと。ただ、2つ、つまり一変承認が下手すると2年先になるかもわからないという話なのだから、長期的な話と今出す話は別途考えるべきだということ。

 それから、今回出すものについて、バイクロットの二重基準になっていて、バイクロットを説明するということになっていたのは、安全が確認できていなかったからだと。では、一部できたら説明しなくてもよくなるというのは整合的ではないので、インフォームド・コンセントについて何らかのきちんとしたものを医療現場が、いずれにせよ血液製剤を使う場合には紙で多分渡しているんですよ。その紙を渡しているのに、この説明が何もないというのはおかしいので、それはちゃんとここで確認したものを出すということを条件に、今、山口委員がおっしゃったとおりで、ほかがショートしてしまうと本末転倒なので、そもそも全製剤適応を広げてしまえという話か、切り離すというほうが健全なので、そこは重要な論点だと思います。

 なので、大平委員がどうかですけれども、この場ではこの出荷は認めざるを得ないのではないかと。ただ、今後、中長期の話になるのに、この形で次はこれできました、これできましたというのは、ない話ではないかと思います。

○田野崎委員長 今回の出荷に関して大平委員、御意見いかがですか。

○大平委員 ここのデータだけで判断するとなると、出荷せざるを得ないというところはあるのですけれども、先ほど言いましたように、もうちょっと国のほうも、いろいろメーカーに働きかけるとかそういうことがきちんとできているのかどうかというところが、ちょっと不明確なところがある。

 きょうは本当に出荷の議論だけに絞られているのですけれども、背景というのは事務局も共用して、こういう緊急性の事態になっているということと、もう一つはリスク管理の問題として、1社だけに任せて代替品がないというような形になっているのが、これは運営委員会全体の問題でもあるのかもしれませんけれども、性善説と言ったらおかしいですが、それを信じて会社でやっていただいていると思っていたので、まさかこういう事態になるとは思わなかったというところで、そういうことも含めて今後のリスク管理の問題としても、他社にいろいろな形でお願いすることも含めて今後考えていかないと、化血研自体に全て任せていたところが、残念ながらこういう結果になったということは認めざるを得ないかなと思います。

 ただ、今回の出荷について、ノバクトについてはちょっとペンディングのところがあるんです。ベニロンについては、とても貴重な製剤ということで必要かなと思いますので、患者委員の立場としては、ノバクトについては若干疑問があるなと思いました。

○田野崎委員長 室井委員から御意見はよろしいですか。

○室井委員 議決権を持っていないので意見だけですけれども、私は患者さんが不利益をこうむってはまずいということで、危機管理を考えると今回提案された2製剤は出すべきではないかと思います。ただし、ICに関しては私もそのとおりだと思います。

 以上です。

○田野崎委員長 一応、この委員会としては議決に関しては過半数ということで、私を含めて5人の委員の過半数で、両方の製剤に関しまして御承認いただいたことにさせていただきたいと思います。ただし、承認条件としまして、多数の貴重な御意見をいただいていますが、1つは、患者さんへの情報提供としてのインフォームド・コンセントについて、2通りの説明がされているところも踏まえて、適切なインフォームド・コンセントを文書として何かしらのものを検討していただきたいということ。

 2番目として、これらの製剤が現在逼迫していることについての緊急性について、より具体的で定量的なデータ、情報を集めて提示していただければと。

 そして、これに関連して3番目として、ほかのメーカーの増産の可能性について、ほかのメーカーの方を呼んで議論できないかどうかについては、必ずしも可能かどうかわかりませんが御検討いただければということ。

 4番目として、安全性の確認についてPMDAなどでの意見だと思いますが、そういう意見を参考にした上で、この運営委員会でもそれを評価しやすいような形にしていただければと思います。

 追加で何かあればと思いますが、よろしいでしょうか。岡田委員どうぞ。

○岡田委員 確認ですけれども、献血ベニロンに関して、今も化血研にある出庫可能な在庫本数と、それに並行して、新規に製造した場合の最短出荷予定時期というのがあるのですけれども、これは在庫品を出庫するし、同時に新規に製造できた製剤に関しては出すということも考えて、国内の在庫の計算をされているのでしょうか。それは例えば、在庫の出庫が認められた場合は、新規に製造しないということもあるのでしょうか。

○金子需給専門官 お出ししている参考1というデータは、あくまでも在庫を出荷した場合のみから推計していまして、今後、新規のものを出荷したところまでは数字上は反映しておりません。なので、多分年末とか年度末には、国内全体でグロブリン製剤が逼迫してくるようなデータになっています。それに加えて、もし新規製造も出せば、もうちょっと余裕があるような感じにはなると思います。

○岡田委員 新規製造したものを優先して、それに足らないようなものを現状の在庫品で補うというのが一般の方からすれば理解しやすいかなと思います。ただ、これも全て献血の血液を原料としてつくられているので、献血者の気持ちを考えると、ある程度安全性が確認されていると、例えば、廃棄にしてしまうのはちょっとつらい面もあるかなというのはあるのですが、考え方からすれば新規のものを優先的に市場に出すべきで、それで賄い切れないものに関しては、今ある在庫から出すということが本来の姿だと思います。

○田野崎委員長 どうもありがとうございます。

 ほかにはよろしいですか。花井委員どうぞ。

○花井委員 今の件で、今の話とは違って、バイクロットは001002を出していて、006出荷後は001002はもう出荷しないという扱いになっているのではないですか。

○金子需給専門官 その扱いにしておりまして、10月の運営委員会で出荷についてお認めいただいた後に、行政側で製造記録等を確認しておりまして、それにちょっと時間がかかりましたが一応確認がとれましたので、化血研には出荷していいですよという御連絡をしたところです。今後、006を出荷をしたところで001002は止めるということを考えております。

○花井委員 今の岡田委員の話だと違う対応ですよね。001002は止めてしまうわけですよね。

○金子需給専門官 001002というのは、ウイルスクリアランスのデータがとれていないものを緊急的に出したものなので、当然ちゃんととれたものを出したところで止めるという考え方になります。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 山口委員どうぞ。

○山口委員 1点だけ。運営委員会は本来、私は多数決ではなくて全員の合意のほうが望ましいなと思っております。ただ、今回先ほどから議論の内容でも、私は出すよりしようがないなと思ってはいるのですけれども、大平委員の言われるように、委員長が4番目に挙げられたように、ノバクトに関しては代替製剤、例えば、遺伝子組み換えも含めてどれだけ供給できるのかというのは事務局に検討していただければと、それが大平委員の懸念のところをもう少しプラスαしていくことかなという気がします。

○田野崎委員長 どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。

○化血研田中経営企画部経営企画課長 先ほどのベニロンの件ですけれども、ベニロンに関しましては、今のところ新規製造、在庫は認めていただきまして、これでやっと安定供給ができるような在庫量がたまるのですけれども、今後新規のほうも引き続き審議いただかないと、参考1の資料にありますように、代替製剤も逼迫してくるという状況になりますので、その辺がバイクロットとちょっと違うところかなとは思っております。

○田野崎委員長 ということは、新規製剤についても引き続き同じような議論が出るわけですけれども、先ほどお話ししたように、インフォームド・コンセントの問題とかいろいろなところを、もう少し細かなデータで皆さんが納得できるようなところでお願いできればと思います。

 事務局におかれましては、本委員会の決議を踏まえまして、化血研を指導しながら出荷のタイミングなど適切な対応を進めるよう調整をお願いいたします。また、献血ベニロンについて、6月に発出した通知の取り扱いについては、引き続き保険局や代替製品を供給するメーカー等と調整の上、運営委員会に報告していただければと思います。

 本日、検討された製剤以外のほかの製剤全般について何か御意見ございますか。とりあえず、本日は先に進ませていただきます。

 事務局におかれましては、今後、対応策を検討していただければと思います。

 また、化血研製品の流通につきましては、本日の在庫データなどを踏まえて、いわゆる買い占めが行われないように、化血研から関係者に対して引き続き御協力をお願いします。

 続きまして、事務局より参考資料2について報告をお願いいたします。

○金子需給専門官 それでは、審議事項ではございませんが、化血研が製造販売するインフルエンザワクチンについて、参考資料2により報告させていただきます。

 化血研が製造販売するワクチン製剤等につきまして、承認書と製造実態の齟齬等について厚労省への報告が適切になされていないことが判明したことから、9月18日付で出荷の自粛を要請するとともに適切な報告を求め、その後、厚労省において報告内容を精査してまいりました。

1021日の「厚生科学審議会感染症部会」におきまして、化血研が製造販売する季節性インフルエンザワクチン、インフルエンザHAワクチン化血研について、厚労省により品質及び安全性等に関する精査の結果を報告するとともに、公衆衛生対策上の必要性について検討を行いました。

 その結果、インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止を推進する観点から、出荷を認め、供給不足を避けるべきと考えられるとの意見がまとめられました。厚労省におきましては、当該意見を踏まえまして、同日付で化血研のインフルエンザワクチンの出荷自粛の要請を解除することとしましたので、ここに御報告させていただきます。

 以上です。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 何か御意見ございますか。一応、審議事項ではなくて周知のための報告ですので、よろしくお願いいたします。

○花井委員 済みません、審議事項ではないのですけれども、これは薬事法違反というわけではないのですか。要するに、何が言いたいのかというと、また一変申請みたいなことをしなければいけない案件なのか、元に戻しましたで丸く収まる案件なのか、どちらなのですか。

○武井課長 その点については確認も多分したところかと思います。ですので、どのように扱うかについては、今後さらに細かく見ていくと伺っておりまして、全般的な動向もあろうかと思いますので、そういった点も踏まえて考えていくということですので、個別具体的には運営委員会事務局としては伺っておりません。

○花井委員 事務局が知らないだけで「厚生科学審議会感染症部会」は知っているということですか。

○山口委員 よろしいですか。一応、感染症部会の専門委員で呼ばれまして、どういう齟齬があったのかはレクを受けまして、その齟齬がどの程度のものかということは確認させていただきました。確かに申請書に書かれていないとか、少し齟齬があること自体は事実です。ただ、正しく化血研から情報が提供されているという前提のもとで、その齟齬が品質には影響を大きく及ぼさないという確認はさせていただいています。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

○花井委員 よろしくないですけれども、厚生科学審議会がしっかり決断したということなので、ここで甘いと言ったら怒られますので、わかりました。

○田野崎委員長 いろいろな状況を御存じの山口委員が参加されての委員会だったと思いますので。

○山口委員 具体的に1つだけ。例えば、インフルエンザワクチンは鶏卵でつくるのですけれども、提供のときの鶏卵の試験としていろいろ感染症の試験をするのですけれども、その試験のときに使う、例えば、感染症の1つの検査の対象が血清型まで含めたストレインを検査したものを提供されていたのか、それとも全体を引っくるめて検査をしていたのか、その辺の違いとか、例えばそういうことでした。

 そういうことを変えたのだとしたら提供者が変えたのだけれども、本来は、そうであればそれはちゃんと記載しておくべきということは間違いないと思います。その記載がなかったと理解しています。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。ちょっと専門的なところかなと思います。ほかには御意見よろしいでしょうか。

 そうしましたら、事務局におきましては、今の委員の御意見を関係局にお伝えいただくようにお願いいたします。

 本日の議題は全て終了しましたが、ほかに何か御意見等があればお願いいたします。よろしいですか。どうもありがとうございます。

 それでは、事務局に議事を戻したいと思います。

○近藤課長補佐 田野崎委員長、ありがとうございました。

 次回の運営委員会の日程は、別途御連絡さしあげたいと思います。

 本日は委員の皆様、本当にありがとうございました。

 これにて「平成27年度第6回血液事業部会運営委員会」を終了いたします。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会運営委員会)> 平成27年度第6回血液事業部会運営委員会議事録(2015年11月18日)

ページの先頭へ戻る