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2015年11月26日 第94回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成27年11月26日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専共用第6会議室


○議題

(1)職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱及び職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)求職者支援制度の今後のあり方について
(3)第10次職業能力開発基本計画について
(4)その他

○議事

○小杉分科会長 定刻になりました。定足数に達していますので、ただいまから第94回「労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。本日はお忙しい中、御参集いただきまして大変ありがとうございます。議事に先立ち、当分科会に所属される委員の交代がありましたので御報告いたします。労働側委員の豊島委員に代わり、国公関連労働組合連合会書記長の荘司委員です。最新の委員名簿は、参考資料6として配布しております。本日の出欠状況についてですが、浅井委員、原委員、諏訪委員、中村委員が御欠席です。なお、中村委員の代理として、キヤノン株式会社の日比野人事企画部長に御出席いただいております。使用者側の河本委員は、所用により途中退席されます。

 本日は、「職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱及び職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」「求職者支援制度の今後の在り方について」「第10次職業能力開発基本計画について」「その他」の4件です。最初に、議題1の職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱及び職業能力開発促進法施行令規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)です。内容について事務局から説明をお願いします。

○伊藤キャリア形成支援課長 キャリア形成支援課です。議題1に関して資料1-1及び資料1-2に基づいて御説明いたします。資料1-1にあるように、勤労青少年福祉法の一部改正法、これは先の通常国会で成立したところですが、これによる改正後の職業能力開発促進法(平成284月施行分)、具体的にはキャリアコンサルタント登録制度及び職業能力検定制度関係の施行分に関しての政令案要綱及び省令案要綱を一括してお諮りするものです。

 資料1-1が政令案及び省令案要綱そのものです。次のページが諮問文、その後に別紙1として政令案要綱、別紙2として省令案要綱をお示ししております。技術的内容に係る大部な内容ですので、具体の内容に関しては資料1-2に基づいて、私のほうからキャリアコンサルタント関係について御説明いたします。

 具体の内容に入る前に、資料1-2の一番後ろの6ページに、キャリアコンサルタント登録制度スキームの概要があります。改正法による新たなキャリアコンサルタント登録制度のフレームに関し、この資料に基づき最初に御確認いただきます。

 右下が新制度です。大臣認定を行う講習修了者、実務経験者等一定の要件を満たす方、これら受験資格を有する方を対象に、新たなキャリアコンサルタント試験を実施し、その受験合格者に関して、指定登録機関への登録をもって、キャリアコンサルタントとなることができる名称独占資格で、また守秘義務の対象となります。さらに、これらの方々に関して、更新講習の受講を義務づけた上で、5年ごとの登録を行うことにより、継続的な一定水準を図るというのが、この新制度の全体像です。

 加えて現行も運用され、また今後とも運用されるキャリアコンサルタントのより上位の能力修得の目標に該当するキャリアコンサルティング技能検定2級は熟練レベルです。またその上位の1級は指導レベルです。これら合格者の方々を、今ほど申し上げた新たなキャリアコンサルタント登録制度の登録対象に位置付け、更に現在運用し、新制度施行後は廃止される、能力開発局長指定による民間専門機関によるキャリアコンサルタント能力評価試験の受験合格者を経過措置として、今ほど申し上げた新試験の試験免除の対象とするなどにより、円滑に新制度への移行を図っていこうというのが全体像です。

 資料1-21ページに戻ります。最初に政令案の具体的な内容です。1の部分ですが、改正法によって試験受験者、又は登録を受けようとする者などは、政令の定めるところにより手数料を納付しなければならないという規定を置いています。これに基づく具体の規定です。キャリアコンサルタント試験の手数料の金額について、大臣の定める金額とした上で、実技試験29,900円、学科試験8,900円を超えてはならないという上限額を置くものです。

 規定の構造、また具体的な上限額に関しては、キャリアコンサルティング職種を含めた技能検定と同等です。また、キャリアコンサルタントの登録手数料に関しては、想定される経費と新規の登録者数などを勘案した上で、政令によって8,000円という水準、更に登録証の再交付については、同様の考え方で2,000円という水準を規定させていただきたいという内容です。

 次に、2ページで省令案です。今ほど申し上げた新たな試験、登録、更には講習等のより具体的な要件、手続の細目をそれぞれ定めるという内容になっています。1(1)は試験の受験資格です。改正により、「受験資格を有する者に関し、大臣の定める講習の課程を修了した者」という規定があります。これを受けてマル1の(1(ローマ数字))です。講習の科目、範囲及び時間数が別表を満たすなどの基準に適合するものとして、大臣の認定を受けた講習課程修了者をまず位置付けております。ここで触れている別表は4ページです。

 別表の具体的内容です。改正能開法及び、この後で御説明しますが、省令で規定するキャリアコンサルティングの社会的意義、必要な知識、必要な技能等科目の下で、具体的な細目、範囲を定めた上で、更にそれぞれの講習の時間数をこの別表の中で定めております。合計の140時間、また、それぞれの内訳の概要に関しては、現行の標準キャリアコンサルタントに関わる受験要件としての講習と基本的に同等です。また、講習の質を確保するために、備考欄にあるような講習の実施方法や教材、講師、更には講習受験者数などについても、客観的な要件を設けるものとしております。

 先ほど御説明していた資料に戻り、受験資格の2番目、マル1の(2(ローマ数字))です。同じく改正法により、「厚生労働省令で定める実務の経験を有する者」という規定を置いております。それを受けて、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し、3年以上の経験を有する者」という規定を置くものです。今申し上げた相談に関する規定振りは、法に基づくキャリアコンサルティングの定義そのものです。

(3(ローマ数字))は、技能検定キャリアコンサルティング職種の学科又は実技試験に合格した者、私どもは俗に片合格と申し上げておりますけれども、先ほど申し上げたように、能力水準としては、より上位に位置付けられている試験合格者ということで、受験資格を満たす者と位置付けるという考え方です。

(4(ローマ数字))は、これらと同等以上の能力を有する者を、新試験の受験資格として規定したいということです。

 マル2技能検定、キャリアコンサルティング職種の学科、実技それぞれの合格者に関しては、改正法の規定に基づき、新試験の対応する学科試験、実技試験のそれぞれを免除するというものです。

(2)は登録試験機関です。マル2にあるように、先ほど別表で御紹介したキャリアコンサルティングの社会的意義、また倫理と行動に関する科目を、試験科目として位置付けるものです。その他マル1にあるように、登録試験機関に関わる申請書の様式及び書類、更には要件等の細目を定める内容です。

(3)キャリアコンサルタントの登録等です。改正法により、「キャリアコンサルタントの登録を受ける者は氏名、事務所の所在地、その他厚生労働省令で定める事項について登録しなければならない」としております。これを受けてマル1にあるように、法に定めるもののほか、生年月日、性別、所属する事務所の名称といった基本的な内容を登録することを求めるものです。その他、登録証の様式等の細目を定めるという内容です。

(4)は指定登録機関です。指定登録機関の指定を受けようとする者が提出する申請書の様式及び書類、その他の具体の要件について定めるという内容です。

(5)は更新講習です。この更新講習に関しては、試験合格者の知識・技能の継続的な質保証、維持・向上を図ることを目的としたものです。改正法により、登録更新に必要な事項は省令で定めるという規定があります。これを受けて、具体的な内容としてマル1にあるように、更新を受けるために、キャリアコンサルティングを適正に実施するために必要な知識の維持を図るための講習8時間以上、また必要な技能の維持を図るための講習30時間以上を受講しなければいけないという内容です。

 また、キャリアコンサルティング職種1級技能士、いわゆる指導レベルのキャリアコンサルタントから、実務に関する指導を受ける者、またキャリアコンサルティングの実務に従事することに関しては、技能の維持・向上の上から、講習の受講と一定同等の効果が期待されるという考え方から、これら一定の要件を満たす実務指導、また実務従事時間に関して、10時間を限度として、今ほど申し上げた技能維持のための講習受講時間から控除を可能とするという内容です。

 マル3では、技能検定、キャリアコンサルティング職種合格者に関して御説明したように、新たな試験との関係で、より上位の知識・技能修得水準を満たしているという考え方から、これら合格者に関して、一定の条件の下で、講習の免除を認めるという規定を置こうというものです。

(6)は経過措置です。先ほどの概要図の中でも御説明いたしましたように、現在既に局長指定という枠組みの下で、標準キャリアコンサルティング能力評価試験に合格している方、またその養成講座を修了した方について、新スキームに円滑な移行を図ることを目的としたものです。具体的にはマル1にあるように、大臣指定の講習、現行の試験の受験資格としている養成講座等の修了者について、新試験の受験を促す。マル2にあるように、現行の標準キャリアコンサルタント試験に既に合格している者に関しては、新たな試験の受験を要さず、登録を促す。これを経過措置として、省令施行後5年以内の措置として認めるという内容です。

 以上が、キャリアコンサルタント関係の政令案及び省令案の概要です。平成284月施行ということで、本日これら内容についてお諮り申し上げた上で、必要な交付等の手続を進め、更には今ほど申し上げたような試験登録機関、更には講習等に関わる審査等の手続を経て、平成284月施行段階では、試験機関、登録機関、また必要な講習等が立ち上がるなど、円滑な新制度の施行が図られるよう、今後の施行準備に万全を期していきたいと考えております。議題1のうち、キャリアコンサルタント関係は以上です。

○宮本能力評価課長 技能検定関係について御説明いたします。1ページにお戻りください。技能検定関係ですが、現在、検定職種は128職種あります。法律において、「政令で定める」とされていたところ、改正によって「厚生労働省令で定める」とされたことに伴い、政令から関係規定を削除することとしています。

3ページは省令関係です。職業能力検定関係では、大きく4点あります。マル1は今ほど御説明いたしましたとおり、検定職種を省令で定めることとされたことに伴って規定するものです。マル2は実技試験の実施方法を明確化するために、実施方法を4つに類型化し、職種ごとに定めることにしたいというものです。

5ページに、技能検定の実施方法ということで4類型を示しています。「製作等作業試験」「判断等試験」「計画立案等作業試験」「実地試験」とあります。これまでは局長通知において3分類に整理していました。具体的には上から3つです。今回はこの表にあるような名前と内容とし、更に4つ目の「実地試験」を加えて4類型といたしました。

 少し御説明いたします。「製作等作業試験」は、実際に物を製作したり、組み立てりしていただく試験方法です。分かりやすい例で申しますと、とびの職種です。鋼管を使用して小屋組の作業を行います。2つ目の「判断等試験」は、受検者に対象物などの状況を写真などを用いて提示し、判断、判別を行っていただく試験です。例としては、例えば造園の職種において、樹木の枝の写真を提示し、その樹種名を判定するものなどです。3つ目の「計画立案等作業試験」は、受検者に実際的な課題を紙面等を用いて提示し、計画立案などの作業を行ってもらう試験です。具体的にはファイナンシャル・プランニング職種において、相談者の資産状況、希望などの課題を提示し、その課題に基づいて実際の年金の必要積立額、住宅ローンの総返済額などの計算をしていただきます。4つ目の「実地試験」は、今回新しく追加するものです。擬似的な現場の状況等を設定し、ロールプレイなどの実地動作などを行っていただく試験です。

3ページに戻ります。3点目は、指定試験機関の指定要件に関して、これまで2つの要件がありました。1つ目は、申請者が、評価基準に基づく試験又は一定規模以上の試験を行った実績を有する場合。2つ目は、今申しましたような実績がない場合は、申請者の役職員がその実績を有し、かつ適切な試行試験を行った場合。このいずれかの場合でないと認められませんでした。日本再興戦略に基づき、対人サービス分野の職種について、技能検定化の整備を進めています。業界団体を指定試験機関として、新たに指定することとなります。しかしながら、現行の指定要件では、試験実績のない業界団体を指定することが困難であることから、今回の改正で一定の要件の緩和を行うとするものです。

 具体的にはマル3にあるように、全国的な規模で、毎年1回以上実施できる資産及び能力があること。これは、従来も全ての指定試験機関に求められていた要件です。かつ、客観的な評価基準に基づき実践的であるとして、職業能力開発局長が定める試行試験を適切に実施したものを追加するものです。

4つ目の改正点は、改正法において、技能検定以外の職業能力検定に関して必要な事項を定めるとされています。これに基づき、厚生労働大臣が事業主等の行う職業能力検定について認定する規定を設けることといたします。具体的には、現在は大臣告示によって実施している社内検定の認定制度を、この規定に基づくものとして位置付けたいと考えています。御説明は以上です。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○田口委員 資料1-2の一番上の囲みの欄で再確認させていただきます。政令から省令に変わるということで大きな変更だと思います。その必要性に対する迅速対応ということだと思います。その効果なり意味合いについて教えてください。

○宮本能力評価課長 能力評価課です。技能検定職種を省令で規定することとした理由は、若者の適切なキャリアアップを図る上で、職業能力開発の目標設定や、動機付けとなる実践的な能力評価制度の構築を行うことが重要であると考えています。そうした観点から、技能検定の対象職種については、産業界のニーズ、社会経済情勢の変化に即応した新設、改廃等の見直しを行っていく必要があります。特に、今後は技能検定を対人サービス分野に拡大していく中で、これまで以上に検定職種の改正を、機動的に行っていく必要性が高まっていると考えています。このため、技能検定の対象職種について、政府全体で定める政令から、厚生労働省単独で定めることができる省令において定めることとする改正を行うものです。

○村上委員 今回の政令改正、省令改正の内容に関してではないのですが、2点お伺いします。まず1点は、キャリアコンサルタントについてです。これまでも説明や議論があったのかもしれませんけれども、今後どのような期間で、どのぐらいキャリアコンサルタントの需要が見込まれると考えているのか。これまでもキャリアコンサルタント養成計画があって、平成31年度末までに79,000人ということが目標として掲げられています。その計画に変更があるのか、ないのか、そのようなことを教えてください。

 もう1点は、キャリアコンサルタントの待遇の変化についてです。キャリアコンサルタントの方は実際にはキャリアコンサルタント一本で働いているというよりは、ハローワークや就労支援機関などでキャリアコンサルタントの資格を持って仕事をされている方が多いと思うのです。ただ、蓋を開けてみるとキャリアコンサルタントのうち、非正規で働いている方が4割にのぼっているということです。今後、キャリアコンサルタントを国家資格として位置付けていくことによって、その待遇などの変化を見込んでいるのかどうかという点についても教えてください。

○伊藤キャリア形成支援課長 キャリアコンサルタントに関して大きく2点の御質問、御指摘を頂きました。1点目のキャリアコンサルタントの今後の養成の考え方等に関してです。現在は、資料1-2の最後のページでも御紹介いたしましたように、能力開発局長指定という形での、民間専門機関が実施する標準キャリアコンサルタント試験及びその能力水準としては、上位の位置付けをしているキャリアコンサルタント技能検定2級と1級の仕組みの中で、キャリアコンサルタントの能力評価の養成を図ってきました。昨年末時点で48,000人まで来ています。こうした実態を踏まえた上で、この間この分科会でも御報告しておりますように、キャリアコンサルタント登録制度創設の方針を決定する前の段階での、ある種の考え方・判断ですけれども、おおむね10年間で、今後のキャリアコンサルタントに関わる需給調整機関、企業、学校等の各領域における活用ニーズの広がりや高まりを一定の念頭に置いた上で、おおむね2倍の10万人養成といった考え方を取りまとめ、この分科会でも御報告申し上げました。

 先ほどお尋ねのありました、いわゆる10万人養成計画に関しては、今も申しましたように登録制度の方針決定前のものですので、新制度の下で本日お諮りしているようなスキームの下で、技能士や標準キャリアコンサルタントを円滑に新登録制度への移行を促す。さらにキャリアコンサルタントを目指す方々の新試験受験合格を促すという手立てを講じた上で、どの程度の方々に登録していただけるのかを見極めた上で必要に応じて、現在局長が取りまとめた形になっている、この養成計画について必要な見直しをしていきたいと考えています。基本とする考え方としては、現在の労働市場における構造変化、その中で生じている様々な需要の下で、需給調整領域、教育領域又は企業領域それぞれの観点から、キャリアコンサルタントへのニーズや期待というものは、量・質の両面で一層高まっていくというのが私どもの基本認識です。そういう認識の下で、必要な場合の養成計画の見直しなり、またその推進をしっかり図っていきたいというのが1点目です。

2点目は、キャリアコンサルタントの現在の稼働状況等の認識に関しては、今ほど村上委員から御指摘のあったとおりです。この間、様々な資料で御説明しておりますように、キャリアコンサルタントという職業の性格から兼業の方が多い、あるいは非正規雇用という形態、あるいは自営という形態で活動されている方も相当数に上ります。この新たな登録制度の下で、キャリアコンサルタントがこの新制度が目指すキャリアコンサルタントの役割を全うし、また利用者が安心してキャリアコンサルタントを受けられるという環境基盤を整備する上で、キャリアコンサルタント自身が安心して、専門家として継続的に活動できる環境整備は大変重要だと思っています。

 この度の登録制度そのものが、キャリアコンサルタントの社会的地位の明確化の向上に資するという考え方は当然持っているわけですが、この制度の適切な運営はもとより、キャリアコンサルタントの位置付け、活動領域、総論、また個々のキャリアコンサルタントの方々が有する能力、資格あるいは実務経験といったものを、この新制度に付帯する様々な事業の中で、利用者及びその他の関係者にしっかり発進するなどの取組と相まって、今ほど御指摘いただいたような観点でのキャリアコンサルタントの社会的地位、ひいては待遇等の向上にも資するような取組を今後も積極的に進めていきたいと考えています。

○大久保委員 キャリアコンサルタントに関連して2点質問させていただきます。1点は、これまでそれぞれの養成機関が行ってきた試験ですけれども、厚生労働大臣が行うキャリアコンサルタント試験に変わるわけです。これまで、ずっとキャリアコンサルタントに関する議論をやってきた中で、キャリアコンサルタントのレベルアップが必要だということを言ってきたのだと思います。今回の改正により、レベルアップが促進されていってほしいと思うのです。一方で、もともと試験機関がやっていたときには、それなりにばらつきがあったのだろうと思います。それが厚生労働大臣の試験になった瞬間に取りやすくなりましたということではレベルアップにはならないので、その辺りは構造的に担保されているのか。

2つ目は、キャリアコンサルタントは、これまで官民の職業紹介機関であるとか、学校などに多くいたと思います。今後は企業の人事の人たちも、キャリアコンサルタントの資格を取っていくということは、国家資格化したことによって促進されていくのではないかと期待しています。2ページの、キャリアコンサルタント試験の受験資格等のところに関してです。その中の(2(ローマ数字))の項目に書いてあるような、「3年以上の経験を有する者」の考え方です。例えば、企業内人事において、3年間ずっと社員の相談などを担当してきた人たちはこれに該当するのかどうかという辺りの考え方を確認します。

○伊藤キャリア形成支援課長 2点の御質問を頂きました。最初は、新たなキャリアコンサルタント試験の質保証に関わるお尋ねです。現行は、個々の民間専門機関が実施をする試験に関し、能力開発局が定める基準の下、それぞれ一定の質を満たすかを審査した上で、標準キャリアコンサルタント試験として位置付け、運用してきました。ただ、基本的にはそれぞれの民間機関の専門性等を反映しての独自の試験実施方法に関して、観念的に一定の質を保証するという考え方でした。

 新たな国家資格に係る試験である、このキャリアコンサルタント試験に関しては、法の規定にあるように、厚生労働省が行うこととし、またこれを一定の要件を満たす登録試験機関に行わせることができるとしています。この登録試験機関に関しては、資料1-22ページにあるように、確実に安定的にこの試験を実施するための体制、また全国的な規模で継続して実施できる資力等を有する等の要件を満たすとともに、その試験の実施方法、特に実技試験の場合には具体的な評価基準などが、この試験の質保障にとっては非常に重要なポイントになると考えています。

 したがって、これら試験の実施計画、また具体的な評価基準等に関してはこの登録試験機関としての登録を受けようとする者が提出する書類の中に、これらの内容に係るものを含めた上で、その中で特に専門的判断を要する事項が含まれる場合には、キャリアコンサルティングに係る専門家の方々による専門的・総合的な審査を行う等の段取りを経た上で、この新試験に関し、現行標準相当レベルではありますけれども、それをより厳格、安定的、確実に評価をする仕組みを担保していきたいという考え方です。

 第2点の、キャリアコンサルタント試験の受験資格、取り分け企業における人事担当者等に関わる実務経験の考え方です。2ページの(1)マル1の(2(ローマ数字))に相当する部分です。先ほども少し触れましたように、ここにある受験資格要件、「労働者の職業の選択、職業生活設計、又は能力開発及び向上のいずれかに関する相談」という規定に関しては、改正の改正法によるキャリアコンサルティングの定義そのものです。それを踏まえての具体的な解釈として、労働者、すなわち現に就業している方、あるいは求職者といった方々を対象に、職業の選択、生活設計、能力開発に関しての相談ですので、11で行われる応答的、専門的相談、こうした実務に3年以上の経験を有する方に関しては、この新試験の受験資格を満たすという考え方です。したがって、今ほど御質問いただきました企業領域であれ、また需給調整機関領域等々であれ、それぞれのお立場で労働者を対象に、今ほど申し上げました職業生活設計、能力開発等の観点から、11あるいはそれに準ずる少人数の形で行われる応答的、専門的相談に3年以上従事された方に関しては、この省令案の規定によって新試験の受験資格を満たすという考え方です。

○小杉分科会長 ほかにありますか。よろしいですか。

○高橋()委員 3点あります。まず、1点目はすごく簡単な質問です。資料122ページの(1)のマル1の(2(ローマ数字))の大久保委員から質問があった箇所についてです。「3年以上の経験を有する者」は、(4(ローマ数字))の「同等以上の能力を有する者」の後の「(2(ローマ数字))のいずれかに関する相談に関し計3年以上の経験を有する者」と、どう違うのか教えていただきたいということです。

2点目は、これは私の理解不足かもしれませんが、資料12の最後にあるキャリアコンサルタントの登録についてですが、新しい試験に合格された方や、経過措置を経て登録された方、技能検定1級又は2級の方が登録をされた場合、レベルを問わず全てキャリアコンサルタントという名称になってしまうという理解でよろしいのかという質問です。それがイエスであるならば、また後で質問したいと思います。

3点目は、先ほどの大久保委員の発言にも関連するのですが、キャリアコンサルタントの質の向上のためにも今回新しく入る「更新講習」というのはとても大事なことだと思います。それについて資料123ページの(5)マル2では、原則として講習30時間以上の受講を義務付けていますが、一定の要件を満たした方については10時間免除という規定があります。1級合格者から指導を受けるというのはかなりレアなケースですし、大変貴重な機会だと思います。そういうものと、単に実務に従事していたというものとを同じ効果があるとするのは、すごく違和感があり、おかしいことではないかと思っており、なぜこのような形になっているのか分かりません。以上3点申し上げました。

○伊藤キャリア形成支援課長 3点お尋ねを頂戴しました。まず、1点目は、資料の2ページ、(1)のマル1の(4(ローマ数字))(1(ローマ数字))(3(ローマ数字))と同等以上の能力を有する者についての捉え方について係る御質問です。先ほどの説明が不足しておりまして大変恐縮です。

 それに先立って(2(ローマ数字))ですが、職業の選択、職業生活設計または能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し、3年以上の経験を有する者ということです。(1)マル1(2(ローマ数字))で位置付けようとしているのは、例えば、職業の選択に関して相談3年以上、あるいは能力開発及び向上に関して相談3年以上の経験を有する者のみを(2(ローマ数字))で位置付けるという考え方です。

 ただ、実務経験の中では、例えば、職業選択に関して1年。能力及び開発に関しては2年。こういった経験を有している者ということも大いに想定され、もともとの(2(ローマ数字))の趣旨に鑑みるならば、職業選択、能力開発について、あるいは職業生活設計でもよろしいのですが、合計して先ほど申し上げたような意味での相談に関し3年以上の経験を有する者に関しては、これと同等以上の能力、新試験の受験資格の観点に関してのバリューを有すると合理的に解釈することが可能ではないかということです。省令の規定そのものでは、(1(ローマ数字))から(3(ローマ数字))と同等以上という規定を念頭に置いているわけです。その運用解釈として、職業選択、職業生活設計、能力開発及び向上のいずれかの相談に関し、合計3年以上の経験を有する者ということを、この同等以上の能力という規定の中で位置付けていきたいという考え方です。

○高橋()委員 それなら最初から、(4(ローマ数字))のような書き振りで十分ではないのですか。わざわざ分けて書く必要がないのではないですか。いずれかに関する相談に関して3年以上とすれば、それぞれ3年でもいいですし、いろいろな分野でトータル3年でもいいわけですから、なぜ分けて記載しないといけないのか、その理由が分からないのです。

○伊藤キャリア形成支援課長 これに対しては、実質的には高橋委員から御指摘があったとおりですが、省令案の規定を検討するに当たって、様々な類似の規定や先例など、研究・検討する中で、もともと法の中にある職業の選択、職業生活設計、能力開発及び向上に関する相談の規定が前提としてあるので、省令上の受験資格要件の規定の仕方として、このような規定ぶりが合理的であると、あくまで法制的、技術的に判断させていただいたということです。逆に言いますと、それ以上の具体的な意図があるものではありません。

○宮川職業能力開発局長 もともと(4(ローマ数字))のような書き振りは普通、法制的にはあります。それで、今回(1(ローマ数字))(3(ローマ数字))まで整理して、今、伊藤課長から説明した形で整理すると、論理的にはこれが入るのだなという形ですが、実際に意味するところは、この人たちではなくて、本来、これから同様のものが判断できるという方々を救うための規定として位置付けるという理解ですので、よろしくお願いします。

○伊藤キャリア形成支援課長 残りの2点です。次に、名称に関わってのお尋ねがありました。これに関しては、資料1-2の最後のページのスキーム図も併せて参照いただければと思います。

 全体の仕組みとしては、冒頭で申し上げたように、新試験合格者に加え、キャリアコンサルティング技能検定1級、2級に既に合格をされている方、また経過措置ですが現状の標準キャリコン試験合格者の方々が指定登録機関に登録を行うことによってキャリアコンサルタントとなることができるのが全体構造です。

 名称の考え方については、今ほど申し上げような幾つかのルートの下で指定登録機関への登録を行った者に関し、いわゆる名称独占資格としてのキャリアコンサルタントです。この登録を行うことによって、同じキャリアコンサルタントという名称を用いることができ、同時に、守秘義務等が課せられるという構造です。

 その限りでは、このルートにかかわらず、同じキャリアコンサルタントという名称ですが、技能士に関しては同じ能開法の中で名称独占資格としての位置付けがされているところです。この図にある技能検定1級、2級から下の矢印でキャリアコンサルタントに登録をした方に関しては、ほかの類型の方々と同様にキャリアコンサルタントとしての名称独占の資格を名乗ることができると同時に、1級又は2級のキャリアコンサルティング職種技能士としての名称独占資格、効果も併せて有するという構造です。

○高橋()委員 分かりにくいので、例えば技能士1級を持たれている方と、新しい試験に合格された方が同じキャリアコンサルタントという名称とするのではなく、キャリアコンサルタント1級とか、キャリアコンサルタント2級といった形で技能の程度が分かるようにしていくことが、キャリアコンサルタントを御利用される方々にとっても好ましいことではないかと私は申し上げたわけです。

○伊藤キャリア形成支援課長 さらに補足して御説明いたします。キャリアコンサルタントの方々が新制度の下で目標を持ち、継続的に能力向上を図っていく上で、こうした全体構造、キャリアコンサルタントの方自身、また利用者・関係者も含めて、分かりやすく御理解いただくということは、御指摘があったように大変重要な点であると思っております。

 この度の新試験制度、登録制度に関しては、キャリアコンサルタントを安心して受けることができる環境整備という一端で、登録制度、また登録制度の下での登録者の守秘義務等を課したものであり、また、キャリコン技能検定に関しては、他の127職種と同様に能力開発向上の目標、技能水準の向上という広い意味では共通しますが、一部差別化された目的を持っているということで、制度体系上、また名称上、完全に一元化できなかったというところが率直なところです。

 冒頭の説明でも申し上げたように、キャリコンの能力水準としては、新試験がこれまでの標準相当、また2級が熟練相当、1級が指導レベル相当ということで、キャリアコンサルタントに求められる能力水準という意味では体系性・構造性を持ったものです。今後、新制度、今後とも運用するキャリアコンサルティング技能検定に関わる様々な周知・広報の中で、それぞれのレベルの位置付け、関係性、またキャリアコンサルタント資格を取得した方々に関し、更に上位の能力目標である技能検定、受験を促すような様々な事業的観点も含めた取組を進めていくことで、先ほど委員から御指摘があったような懸念、問題点は可能な限り払拭していきたいと考えております。

○高橋()委員 もう少し利用サイドのことを考えて、短い名称のなかで分かりやすく、質のレベルが分かるようにしてはどうでしょうか。キャリアコンサルタントと技能検定1級を並列して表記することも考えられないことはないと思います。

○宮川職業能力開発局長 ただいま高橋委員がおっしゃったように、利用者の方とか、実際にキャリアコンサルタントをやる方の意見も踏まえつつ、技能検定キャリアコンサルティング職種1級、2級というのは一番正しい名称なのですが、例えば、具体的にそういう方が名乗るとすれば、今、高橋委員がおっしゃられたように、キャリアコンサルタント1級技能士、あるいはキャリアコンサルタント2級技能士という名称などを、これはどちらも名称独占ですので、1級技能士、2級技能士と名乗る場合も、これは技能士の方しか名乗れません。キャリアコンサルタントを持っていることによって、キャリアコンサルティング職種であることは明瞭ですので、そういう形での具体的な、この方が持っているレベル感を表示できるような方法については、関係者の意見も聞きながら、その普及に努めていきたいと考えております。

○小杉分科会長 それでは第3点目についてお願いします。

○伊藤キャリア形成支援課長 3点目は、更新の要件について御質問を頂戴したところです。資料1-23ページ(5)です。この更新に当たっては、知識講習8時間以上、技能講習30時間以上という受講規定を置いた上で、キャリアコンサルタント1級技能士による実務指導、及びキャリアコンサルティングの実務従事時間に関しては、合計して10時間を限度に、先ほど申し上げた技能講習の部分について控除可能という仕組みとして御説明しております。

 その考え方については、もともとの更新制度の目的としては、試験の受験合格時の知識及び技能の水準について、少なくとも、維持を図り、可能な限り一層の向上を図っていくことを目的として、時間の経過の中での減衰を防ぐという観点から、これを補充する知識に関する講習及び技能に関する講習と実習を義務付ける。

 同時に、特に技能の維持という観点で考えた場合、当然、講習による演習という形態も有用であり、標準的、中核的な技能に関しては、演習形式での講習をすべからず義務付けていくという考え方です。広い意味での技能水準の維持と向上という観点からしますと、1級技能士、指導レベルによる実務指導、ケース指導、あるいはキャリアコンサルティングの実務従事ということも、より実践的な能力の修得維持という観点から、ある面では同等性を持った価値がある。ただ、この効果をあまりにも大きくした場合には、演習による講習の受講を要しなくなるということで、一定の控除上限を定めた上で、このような規定を置かせていただきたいということです。

 先ほどお尋ねがあった点に関しては、確かに1級技能士による実務指導と実務従事とでは全く性格も質も一緒だとは、私どもも考えているわけではありません。ただ、1級技能士による実務指導を受ける機会、現状で言いますと、指導レベルのキャリコンに関して数が相当程度限られていて、地域的にも偏在しています。そういった中で、こうした実務指導を受ける機会がまだまだ限定されているのが現状です。また、キャリアコンサルタント資格を有した方に関しては、実践を通じてキャリアコンサルタントとしての役割を発揮してもらうと同時に、それぞれの実務を通じての能力開発を図っていくインセンティブもこの更新制度の中で一定付与していく必要があるのではないかという考え方です。更に、これら更新講習制度ルール全体として余り複雑になった場合は、確認等も含めての運用に困難を来たすことも考えられます。こういった考え方を踏まえて、実務指導、実務従事に関しては計10時間以内に限っての控除を認めるという考え方で整理しております。

○小杉分科会長 よろしいですか。

○高橋()委員 私ばかり話すのはいけませんので。

○小杉分科会長 それ以外にないようでしたら、ここまでとさせていただきたいのですが、よろしいですか。それでは、高橋委員には御納得いただいたと理解させていただいて、当分科会としては、職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱及び職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱については妥当であると認める旨を、私から労働政策審議会会長宛に御報告申し上げたいのですが、よろしいですか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございました。それでは事務局から報告文()の配布をお願いします。

(報告文()配布)

○小杉分科会長 お手元に配布された報告文()により、労働政策審議会会長宛に報告することとしてよろしいですか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。次に議題2の「求職者支援制度の今後のあり方について」です。内容について事務局から説明をお願いします。

○松瀬就労支援企画官 資料2-1、資料2-2、資料2-3をお手元にお出しください。資料2-3については、前回の分科会で頂いた御意見を取りまとめたものですので、ここでは説明を割愛させていただきます。

 まず、資料2-2から御説明させていただきます。横置きのポンチ絵です。2ページは、これまで御議論をいただいた4つの論点のうち最初の論点です。1.訓練カリキュラムのあり方については、前回御説明したものと基本的には変わっておりません。基礎コースについては、社会人スキルを充実化させる。また、専門機関への再委託も可能とする。また一方で、社会人スキルが十分な者については、適正なキャリアコンサルティングを経た上で、省略可能とするものです。右の職業スキルについては、現在、ほとんど全てパソコンスキルをやっておりますが、短期間でも修得可能な技能、技術、例えば介護、IT技術、事務(経理)、建設機械等については、基礎コースでも実施できるようにしてはどうかというものです。

 こうした上で、一番左に赤字で書いてありますが、基礎コースから実践コースへの「連続受講」を認めてはどうかということです。見直し案の一番下の○にあるように、この連続受講に当たっては、キャリアコンサルティング等により真に必要と認められた者に限り連続受講を認めるとしてはどうかというものです。

34ページは、前回の分科会で御説明した労働者の属性ごとのコースのモデルですので、ここでの説明は割愛させていただきます。

5ページ、2.「女性の活躍促進等について」です。前回御質問がありました奨励金の単価等について、ここでは具体的にお示ししております。見直し案の最初の○です。託児サービス支援付き訓練コースについては、これまでの奨励金に児童11か月当たり66,000円の奨励金をオンしようというものです。これは現行の公共職業訓練におきまして定めている金額と同額です。その算定根拠について、財務省等と協議を経て定まっているものです。2つ目の○ですが、短時間の訓練コースについては、通常16時間の訓練時間を14時間まで短縮できるとしてはどうかというものです。

6ページ、3つ目の論点です。見直し案の最初の○です。建設機械運転等については、基礎コースにおいて実施することを考えております。また、奨励金単価については、前回御説明したように、10万円であれば手を挙げていただける業者が出てくると判断して、10万円ではどうかというものです。下の絵に訓練科目の例がありますが、これは技能講習で実施しているものです。これらの講習を複数組み合わせて13か月の間で実施していただくというイメージです。

7ページは、4つ目の論点「訓練実施機関の確保について」です。これは前回御説明したものと変わっておりません。中ほどのポンチ絵で御説明します。これまでは連続する3年間で2回基準を下回った場合には、いきなり永年欠格となっていたのですが、ここを1年欠格で一旦様子を見ようということです。さらに、また同様の基準で欠格条件に該当した場合には、その次は永年欠格にしようという内容です。訓練実施機関も、これだけの猶予はある間には就職支援のスキルを高めていって、やはり、雇用保険適用就職率を高めていくような努力をやっていただきたい。そういう期待を込めての見直しということです。

 下の見直し案については、現在のところ被保険者にならない65歳以上の者は算定の根拠の分母分子から除外するというものです。

 このタイトルは、求職者支援制度の見直しですが、最後のページには、それに付帯するもの、あるいは制度の見直しには関係していないものの、委員の皆様から御提言をいただいて今後検討していく事項として、我々として重要な課題と受け止めて、今後検討していく事項と整理したものを最後のページに掲げております。

1つ目の訓練カリキュラムについては、社会人スキルの省略可否の判断基準、また、連続受講の可否の判断方法についての検討です。2つ目は、eラーニングの推進です。3つ目は、雇用保険適用就職率について、将来的な引き上げ、あるいは欠格要件の妥当性については、引き続き検討といったものです。最後、4つ目として、周知・広報については、ハローワークに来所しない方々にも適切に伝わるような効果的な手法を検討していくというものです。これが、前回までの審議会で委員の皆様からいただいた御意見を集約して取りまとめた見直し案です。

 これを基にして、資料2-1を御覧ください。「求職者支援訓練の今後のあり方について」とありまして、その下に「職業能力開発分科会報告書」とあります。これが分科会の委員の皆様から、我々厚生労働省にあてて、こういうふうな方向で見直しなさいと示していただくものということになります。

 大きな項目の第1〜第5までです。第1が総論です。第2から第4が、今、資料2-2で御説明した論点14に該当します。まず、第1の総論です。上の○印2つについては、これまでの経緯を整理したものです。最後の○は、主語は分科会の皆様ですので今後とも必要な見直しを図っていきたいと書いております。

 第2から論点に入ります。最初が、「訓練カリキュラムのあり方について」です。この後、いずれの項目についても、まずは「現状と課題」が前半に来て、その後に「今後のあり方」となります。第2で言いますと、2ページの中ほどから「今後のあり方」となっております。これが先ほど御説明したポンチ絵の内容に該当します。例えば「今後のあり方」の2つ目の○ですが、「多くの求職者は早期就職を希望している状況にあるので、短期間で職業スキルの修得できる訓練コースを設定すべきである。」次の○には、「早期就職に向けて訓練期間が短縮できるような仕組みを考えるべきである。」次の○とその次の○には、社会人スキル科目の充実について書かれています。

3ページ、一番上の○には、より実践的な訓練である実践コースへのステップアップについて書いてあります。下から2行目に安易に訓練を長期化させないような仕組みを考えるべきということも書いております。

 第3「女性の活躍促進等について」です。「今後のあり方」の2つ目の○にあるように、求職者支援訓練におきましても、託児サービス支援付き訓練コースや、短時間の訓練コースの設定を推進していくべきと書いてあります。

4ページです。3つ目の論点の第4の「今後のあり方」についてですが、2つ目のパラグラフにあるように、奨励金単価の引上げを行いつつ、建設機械運転等の訓練実施機関の確保を図るべきと書いております。

 次に、第5の論点の「今後のあり方」の2つ目の○ですが、まずは1年間の欠格期間で改善を促し、その後もまた繰り返して欠格に該当するようなことでは、次は永年欠格ですよという旨を書いてあります。最後の○には「65歳以上の者を除外すべきである」ということが書いてあります。以上です。

○小杉分科会長 ありがとうございました。ただいまの説明について、皆様から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがですか。

○河本委員 3点ほど申し上げます。1点目が、「社会人スキル科目」のところです。ここについては意見を述べさせていただき、専門機関への再委託を可能とするということが加わったことは評価したいと思います。ただ、その専門機関がどういった所であるのかということは、きちんと規定していかないと、社会人スキルが曖昧になるのではいけないと思いますので、そこは引き続きしっかりと検討していただくようお願いいたします。

2点目は、これは前回も申し上げたのですが、やはり、女性の活躍推進の観点ということで、これからIT能力というのは全ての就職をしていく者にとっては必要になりますので、その風穴を開けていく意味でも、まずここからという意味では、eラーニング等の学習方法も、何か検討の視点の1つに入れていく必要があるということを再度申し上げたいと思います。

3点目は、この前の議題のキャリアコンサルタント、キャリアコンサルティングのところが話題になったのですが、やはり、就職支援をするキャリアコンサルティングを行う方々の資格取得を積極的に促していく必要があるかと思います。もちろん企業等で直接の職業としなくてもということも言われていますが、やはり、それよりもそういった専門機関でお仕事をされる方は、より上位の能力取得に努めていくことが就職支援をより強固なものにしていくと考えますので、そこは厚労省として責任を持って、そういった機関で働いている方に働きかけをお願いしたいと思います。以上です。

○松瀬就労支援企画官 3つの御指摘をいただきました。1つ目と3つ目は、まとめてお答えできるかもしれません。社会人スキルについては、もうJEEDで検討委員会を立ち上げて、具体的な検討に入っております。その中で、専門機関への委託のあり方についても検討していきたいと思います。今の方向としては再委託を認めるぐらいですので、しっかりしたものに限定すべきであると考えており、方向性はそうなっております。その中で当然ながら、今後、国家資格化されるキャリアコンサルタントも要件の1つではなかろうかと。可能性として、そういったことも考えられるということは議論しております。引き続き、慎重に検討してまいりたいと思っております。

2つ目の御指摘のeラーニングについては、これは求職者支援制度での議論として御提言はいただきましたが、これは公共訓練も含めた公的訓練の全体にわたって該当するテーマです。そういった広い視点から、eラーニングのあり方として、公的訓練の中でどういうふうにやっていくかということは、これから検討していきたいと思っております。また、JEEDの基盤整備センターで検討委員会を立ち上げて、まだ序盤戦ですが、事例の収集などを始めているところです。

○河本委員 繰り返しになりますが、特に2つ目のITについては、もちろん全体の問題であることは重々承知の上ですが、やはり女性はいろいろな事情を抱える中での在宅というところでは、風穴を開けていく第1歩になると思いますので、積極的な検討をお願いしたいと思います。

○松瀬就労支援企画官 お受けしました。

○板垣委員 女性の活躍促進等について、1点発言させていただきます。資料2-25ページです。公共職業訓練では既に導入されている託児サービス支援付き訓練コース、そして短時間の訓練コースの設定は、求職者支援訓練の利用者の多くを占める女性にとって、特にシングルマザーにとっては、これまで利用したくてもできなかったことですので、非常に有用な制度になってくると期待しております。また、託児サービス支援付き訓練を導入することで、保育士などの人件費に関して負担増となる訓練実施機関に対する支援措置を設ける方向で検討されていることも、大きく評価できる点と考えています。

 是非、小さな子供を抱えているという事情で、これまでは訓練受講を躊躇していた層が活発に利用できるように支援措置の周知に努めていただきたいと考えています。また、託児サービス支援付き訓練、短時間訓練コースを用意できる訓練実施機関の開拓も併せて進める必要があると考えております。

 なお、今回御検討の支援措置の導入後、実際の利用者の声をリアルタイムで捉え、ニーズに合致しているかの調査を行い、施策へ反映していただくことも要請いたします。

○松瀬就労支援企画官 御意見として承りました。今、公共訓練で託児サービス支援等を実施されておりますので、私も実地に幾つかの訓練施設を見てまいりました。託児施設も見てまいりました。今、実施しているのは都道府県ですが、都道府県の方々からは、募集をすると、そういうお母さん方が集まってくるので、これはもっと増やしたいという声をよく聞きます。ですから、我々も周知や普及のためのお手伝いができるような取組については考えていきたいと思っております。

 また、最後に御指摘のありましたように、導入をされた後、実際の利用者サイドからの声の分析も、当然その検討の中に含めていきたいと思っております。

○小杉分科会長 ほかにございますでしょうか。

○高倉委員 資料2-26ページ、建設分野における訓練コース設定の件です。震災特例措置の短期間訓練を全国展開で実施するということは、我々労働側も要請しておりましたし、全国的な建設分野の人手不足感を考えれば、これは評価したいと思います。

 併せて、複数の訓練科目を組み合わせて受講できるという、多能工化ですね。これについては、早期に質の高い安定した雇用につなげるという本来の目的に合致すると思っており、できれば建設分野以外の分野にも拡大していくべきではないかと思っているのですが、現段階で何かそういった考えがあれば教えていただきたいと思います。

 もう1点は、奨励金単価を10万円にして、引き受けやすい環境を作るということですが、10万円の根拠というか、なぜ基礎コースの6万円を倍の12万円にするでもなく、20万円にするでもなく、10万円にしたのか、理由が何かあれば教えてください。

○松瀬就労支援企画官 2つ御質問を頂きました。建設以外の分野でも、今後何かこういった特出しを考えているかということですが、具体的には考えておりません。現時点では考えていないというところです。しかしながら、これは今回、建設分野でお認めいただきましたように、状況の変化に応じて、この分野が必要だという事態が起こり、またこの分科会にお諮りして委員の皆様から賛同の声があれば、将来的には今回のようなケースのような形で設定することは、あり得べしだと思っています。

2つ目です。10万円につきましては、今年度から公共訓練の委託訓練で10万円ということでやっております。それに先立ちまして、この算定根拠については財務省といろいろすり合わせまして、お認めいただいたということです。また、今年度に入りまして、10万円ということをお示ししたら、非常に多くの業者さんが出ました。こういったことを根拠として、10万円とさせていただいているというものです。

○村上委員 前回も議論のあったe-ラーニングについてです。求職者支援制度だけではなくて、公共職業訓練についても同様、前回「慎重に」という要望を申し上げたのですが、技術的な問題とかコストの問題も然ることながら、訓練の効果についても是非、慎重に検討していただきたいと思います。技術を身に付けていくときに、ITを活用して身に付くものもあるかとは思いますが、対面で直接学ぶこと、集団で学ぶことの効果も大変大きいと思っておりますので、是非その辺りも慎重に検討いただきたいと思っております。

○松瀬就労支援企画官 e-ラーニングにつきましては、我々も課題として頂きましたので、まず段階を踏んでしっかりやっていこうと考えております。可能であれば、来年度以降は何らかの形で試行という形で始められないかと考えているところです。そうした中で効果も含めて、もちろん技術的な面は非常に大きいと思っておりますが、あるいはどういう属性の方々にどのように提供するのか、河本委員から御指摘がありましたように、いろいろな家庭的な制約を持つ女性の方のために使うのか、それ以外のパターンがあるのか等も含めて、幅広く検討していきたいと思っております。

○河本委員 誤解のないように言っておきますが、私はe-ラーニングが全てだと思っているわけではありませんし、節目にはキャリア・コンサルティングがあったり、対面でやるとか、いろいろな形態があるとは思いますが、補助的なもの、そういう新しいことにもチャレンジしていかなければいけないという趣旨ですので、決して、集団学習、対面学習との組合せだとか、そういったものとのバランスも含めてだと思います。だから、これからはリモートとか在宅で勤務するような形も増えてくる社会の形態にもなっていくということで、環境の変化にマッチングすることを考えるべきではないかという趣旨ですので、そこは誤解がないようにお願いしたいと思います。

○大久保委員 今、e-ラーニングの話はいろいろと出ているのですが、資料2-28ページの5の「その他」の訓練カリキュラムについて、e-ラーニングについて、周知・広報についてというところで、前会で、私からも幾つか意見を言わせていただいたところです。

 確認ですが、「今後検討していく事項」というのは、検討を開始する事項という理解でよろしいのでしょうか。

○松瀬就労支援企画官 そのとおりです。

○大久保委員 しばらく先送りする事項ということではないですよね。

○松瀬就労支援企画官 そういう意味では、もう全てキックオフは済んでいるというものです。そういうものをここに掲げております。

○三村委員 報告書全体を拝見して、若年者の雇用に対して特筆する必要があるのではないのではないかと感じました。頂いた資料には「若年者の雇用対策の充実等について」があります。特に、大学生で中退するもの、あるいは周知・広報の中では、新卒者応援ハローワーク等を通じて、基本的には雇用保険の受給資格がない求職者が該当していくわけなので、若年者に対する周知や支援について記述する必要はないのかなという気がしております。

 高校中退あるいは大学を途中で退学する者も含めて、そういった者へのアウトリーチも含めて記載が全くされていないので、その辺はどのような考えになっているのでしょうか。

○松瀬就労支援企画官 この点につきましては、我々もこの報告書の素案を取りまとめるときに議論があり、あくまでもこの報告書は求職者支援法の省令の改正に係る部分、制度の見直しに係る部分ということで整理したものです。したがいまして、2-2の最後のページにあるようなものについては、報告書以外だけれども大事な論点ということで、こちらに記憶として議事にとどめておくという趣旨でこちらに書いているというように整理した次第です。必ずしも蔑ろにするということではなく、整理の関係上、そのようにさせていただいたということで、当然、重要性は認識しているものです。

○小杉分科会長 そういうことでよろしいですか、「その他」に書き加えろということまではおっしゃらないですね。

○三村委員 「女性の活躍促進等について」と第3で大きな項目を設けているので、若者の雇用促進についての周知を含めた記載をお願いしたいと思います。

○小杉分科会長 この報告書そのものは、今、松瀬就労支援企画官から説明のあったとおり、ある基準で切っていますよね。もう一度そこを説明していただけますか。

○松瀬就労支援企画官 この後、省令の改正という手続き、作業に入ります。恐らく2月ぐらいになると思いますが、省令改正案要綱をまたお諮りすることになると思いますので、そこに対応する内容ということで整理しているということです。あくまでも、法技術的な整理ということだけです。

○小杉分科会長 ここ自体が省令の改正につながることであって、若年者については。

○松瀬就労支援企画官 要するに、省令の中に入ってこないからということだけでございます。

○小杉分科会長 ということで、文案そのものに対しての修正でなくてもよろしゅうございますか。

○三村委員 了解しました。

○小杉分科会長 ほかに、この件に関してございますでしょうか。それでは、皆様よろしいようでしたら、この報告書の素案について、本日の求職者支援制度の今後の在り方について、本日示された報告書の形でまとめさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

○小杉分科会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 次に、議題3「第10次職業能力開発基本計画について」です。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

○尾田基盤整備室長 資料3-1です。前回、前々回と「検討の視点」ということで、数枚の簡単な資料を御用意させていただき、御議論いただきました。今回のたたき台については、前回まで御議論いただいた「検討の視点」と、頂いた御意見等を全部盛り込んだ形で、まず1番目に「検討のねらい」ということで、この計画自体のコンセプト的なものを提示いたしました。それに続いて2番で、「職業能力開発施策の視点」ということで、各個別施策も含めて、それを大括りで再構成した上で提示した資料になっています。今回と次回については、このたたき台をベースに御議論いただき、その上で年明け以降に、素案をまた御用意して御議論いただきたいと思っております。それでは、たたき台について御説明させていただきます。

 まず、「計画のねらい」です。1点おわびですが、「ねらい」の所に様々な背景的な事情をお書きしておりますが、このバックデータについては時間の都合等もあり、次回の分科会で詳細な資料提供と御説明をさせていただきますので、今回は文言だけということになりますが、それでお願いいたします。

 まず1つ目の○です。今後、日本経済を成長軌道に乗せることが求められる。そのためには一人一人の働く者の生産性を向上させる取組が不可欠であるということを書いています。

2点目は、「グローバル化あるいはIoT、ロボット、ビッグデータ解析、AIといった技術進歩、さらに経済のサービス化といった背景事情から、労働者に求められるスキルも大きく変化していくことが見込まれる。その中で、人材ニーズの変化に機動的に対応する職業能力開発施策が求められている。特に、従来の訓練の枠では収まらない分野についての新たな訓練プログラム・手法の開発実施に関する在り方の検討が必要ではないか」としています。

3点目は、「経済環境の変化などにより、企業は人材育成について、その方向性を明確化し、継続的な取組を行うことが困難になる等の制約が生じている。ただ、我が国の人材育成において企業の役割が大きいことを踏まえると、企業内の人材育成投資を促進する取組の強化が求められる」としています。

4点目は、「労働市場の不確実性が高まっていることから、労働者自身にとっても自発的な能力開発の方向付けや投資を行いにくい状況になっている。職業生涯を通じた継続的なキャリア形成が重要であるということを踏まえると、労働者の主体的なキャリア形成を可能とするような能力開発の取組が求められる。特に非正規雇用労働者など、能力開発機会の乏しい方に対する継続的支援によるキャリアアップの実現は引き続き重要である」としています。

 次の○は、「地域経済の更なる活性化が、我が国全体の成長にとっても重要となる。様々な主体が有機的なネットワークでつながり、個々の地域特性を踏まえた産業ニーズを反映した人材育成の展開が地域レベルでも求められる」としています。

 次の○は、「職業能力開発制度の設計に当たり、市場における企業・労働者の投資行動を促進するような設計が求められ、企業・労働者、双方の投資インセンティブを高める助成金の在り方や職業能力評価制度における労働者のスキルの適正評価と訓練インセンティブの向上、企業における人材育成投資を引き出すような仕組みの検討が重要である」としています。

 次の○は、「今後5年間の施策の検討に当たっては、国や都道府県に加え、民間企業、教育訓練機関、学校など、地域のアクターを有機的に結び付け、一体的に職業能力開発施策を実施していくことが重要である。そのためにも、IT技術の活用の視点が一層重要である」としています。

 最後の○は、こういった取組によって、人材育成戦略を策定すべきではないかということを書いております。

 続いて2つ目の「職業能力開発施策の視点」です。ここでは6つの項目に分けています。(1)生産性向上に資するIT人材育成の強化、(2)「全員参加社会」の実現加速に向けた能力開発の推進、(3)産業界や地域ニーズを捉えた人材育成、(4)労働市場インフラの戦略的展開、(5)技能の振興、(6)職業能力開発分野の国際連携・協力の推進です。(1)からかい摘んで御説明させていただきます。

(1)は「生産性向上に向けた人材育成の強化」です。1つ目が、「生産性向上に資するIT人材育成の加速化等」です。ITの持つ潜在力を発揮させるような人的資本投資への取組が求められる。人材育成の手法そのものについても、ITを活用した効果・効率性を高める必要ということです。具体的に書いているのが、労働者が自発的にIT技術を修得するための労働者への支援。IT業界と企業が連携した実践的な人材育成の助成。公共訓練におけるIT人材育成の強化。ITを活用した能力開発施策の高度化、効率化です。

2つ目は「労働者の主体的なキャリア形成の推進」です。ここでは具体論として、キャリア・コンサルタントの計画的養成、そしてキャリア・コンサルタントに求められる役割・機能の明確化等。そして、キャリア・コンサルティングの有効なツールであるジョブ・カード(職務経歴等記録書)の活用促進、職業生活の節目において定期的にキャリア・コンサルティングを受ける機会を整備していく必要がある。これは「セルフ・キャリアドック(仮称)」と書かせていただいておりますが、この導入・促進です。そして、労働者の自発的な能力開発を支援する教育訓練給付制度について、その活用促進と講座の質・量の両面からの充実の推進といったことを書いています。

 次の○は「企業・業界における人材育成の強化」です。企業における人材育成の推進とともに、労働者の自発的な能力開発を企業が支援することも必要である。また、中長期的視野に立った業界単位の人材育成を促進する仕組みの検討も必要、若者の訓練機会の確保や人手不促産業での人材の確保のための能力開発施策の推進といったことを書いております。具体的な制度ですが、キャリア形成促進助成金やキャリアアップ助成金による人材育成の促進。教育訓練休暇制度や教育訓練短時間勤務制度といったものを企業で導入することの促進と環境整備。また、Off-JTOJTを組み合わせた雇用型訓練の更なる実施の推進。認定職業訓練制度の更なる実施の推進といったことを個別に書いています。

 続いて、(2)「『全員参加の社会』の実現加速に向けた能力開発の推進」です。ここでは、女性、若者、中高年、障害者、非正規雇用労働者のそれぞれについて、個別の対応を書いています。まず女性については、育児と両立しやすい短時間コースの設定あるいは訓練受講の際の託児支援サービスの提供。ハローワークに訓練担当の就職支援ナビゲーターを配置して、キャリア・コンサルティングを通じて、その方々の状況に応じた訓練への誘導・あっせんを行う。

 次の「若者について」は、ものづくりということで、学生・生徒等に対するものづくり体験や技能講習会の実施の推進。セルフ・キャリアドック等によるキャリア・コンサルティングの機会の確保。日本版デュアルシステム、雇用型訓練等による若者向け訓練の推進。地域若者サポートステーションにおける切れ目ない支援の強化。それに関連して、関係機関の緊密なネットワークの下での更なるサポステ等の周知といったことを書いています。

 次に「中高年齢者」ということで、生涯現役社会の実現や企業の生産性向上という観点から、具体論として、先ほど来のセルフ・キャリアドック等により、若年期からの継続的なキャリア・コンサルティング機会の確保。中高年向けにキャリア形成を支援。中高年向けの雇用型訓練を行う事業主への支援や、中高年向けの職業訓練コースの開発・検証です。

 続いて「障害者」です。障害者の対応に応じて、障害者職業能力開発校あるいは委託訓練、デュアル訓練といったものについて、障害者の雇用の促進に向けたという観点で、さらに在り方を検討する。また、地域における関係機関との連携、強力体制を推進する。アビリンピックの実施に当たる周知・広報の積極的な推進。

 続いて、「非正規雇用労働者」です。引き続き、キャリアアップ助成金の活用等による職業訓練機会の確保に努める。また、このような方に有効な手段である雇用型訓練の更なる実施を推進する。さらに、求職者支援訓練制度等の活用を推進する。

(3)「産業界や地域ニーズを捉えた人材育成」です。具体的に2つ書いております。1つ目が、地域レベルで産学官が連携した地域コンソーシアムを構築し、より就職可能性を高める訓練コースの開発・検証を行う事業を推進します。2点目が、地域の創意工夫を活かした人材育成の推進のため、多種多様なニーズに対応した新たな人材育成プログラムの開発等を支援する「地域創生人材育成事業」を推進する。

(4)「労働市場インフラの戦略的展開」です。今後、社会環境が変化する中での人材の最適配置を図り、能力の最大発揮を促すために、訓練や評価制度といった労働市場インフラの戦略的強化が重要な課題。その強化に当たっては、我が国の人材ニーズを中長期的に把握し、今後の能力開発行政を戦略的に進めていく上で重要。IoTをはじめとするITの進展等に機動的に対応し、また経済のサービス化の進展を踏まえた非製造分野での人材育成に重点化するなど、訓練メニュー、手法の開発も重要な課題です。その中で、国がコーディネーターとしての役割を果たし、都道府県、訓練実施機関、産業界等の関係者を有機的に結び付けて訓練を実施することが必要。また、対象の多様化に応じて、その多様な対象者への訓練機会の提供とともに、効率化の観点からも、ITを活用したe-ラーニングなど、新たな訓練コースの開発やノウハウの蓄積が重要。また、評価制度によって職業能力の「見える化」を進めることが円滑なマッチングに資する。これは産業全体の労働生産性の向上とともに、企業内での最適配置で、労働者の能力が最大限発揮され、企業の持続的な発展にも寄与することが期待されます。

 その中で、1点目として中長期の人材ニーズを踏まえた人材育成戦略です。我が国の今後の産業・職業構造の変化を見据えた上で、必要な人材ニーズを把握することが必要。2点目として産業界や地域のニーズを踏まえた公的職業訓練等の実施ということです。特に、離職者訓練については適切に実施していくことが重要としています。個別には、まず1点目に、総合的な訓練計画の策定として公共職業訓練と求職者支援訓練については、一体的に国レベル、地域レベルで、それぞれに総合的な計画を立てて推進していくべきとしています。次に各論として、公共職業訓練、求職者支援訓練に共通ですが、提供方法の選択肢を広げるという観点から、e-ラーニング等の活用の検討。また、公共訓練については、成長分野・人材不足分野での就職に向けた訓練や人材ニーズの変化を踏まえた安定的な就業につながる訓練コースの設定です。個々の訓練については、受講に先立つキャリア・コンサルティングの機能の強化。高障求機構については、先導的なカリキュラムの策定と、その民間機関等への普及・活用促進。ものづくり分野において、最先端の技術革新に対応し得る人材育成のみならず、基本の技術、基本となる技能を修得するための職業訓練も引き続き重視していく。求職者支援訓練については、就業経験に乏しい方に対する基礎的能力を修得できる訓練、就職しやすい職種に向けた実践的な訓練と、長期に労働市場を離れていた方の職場復帰に直結する訓練、この2点を重点的に実施し、必要に応じて見直しを行っていく。

 次が、職業訓練サービスの質の確保・向上です。国際的な動向を踏まえて策定した民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドラインの一層の周知に努めるとともに、民間訓練実施機関の訓練の質の確保・向上に努める。また、訓練指導員についても、職業能力開発総合大学校を中心に、その育成・質の確保を推進するということです。

 次の○は、職業能力評価制度の構築です。具体論として、技能検定の活用促進ということで、産業界の人材ニーズに応じた職種・作業の追加、等級・試験基準等の見直しを引き続き推進する。また、若年層を念頭に置いて、技能検定3級の積極的な設定を進めて、若者に対する技能検定の積極的な活用促進を進める。また、幅広い労働者が受検しやすい環境も整備する。他方、対人サービス分野を重点とした成長分野における技能検定の整備も推進する。認定社内検定については、業界共通の検定と関連を持つ実践的な企業単位の社内検定の普及促進を図るという観点から、認定社内検定の普及拡大を図り、一貫して企業の構築を支援する積極的な取組を実施する。

 続いて、ジョブ・カード(職務経歴等記録書)の活用促進について、本年10月からジョブ・カードについて生涯を通じたキャリア・プランニングのツール及び職業能力証明のツールとして、見直しがなされたところですので、これを踏まえて、更に関係機関等と連携して、利用環境の整備等に努めつつ、周知・活用の促進をする。また、幅広い施策へのジョブ・カードの位置付け、活用の促進と、こういった場面で活用できるような技術について、技術的指導・援助を進めていくということです。

 続いて、企業における人材育成投資を引き出す仕組みの検討です。背景として、企業の人材育成投資がここ最近減少しているという中で、いかにして企業の人材育成投資を引き出すかという観点です。既存の事業でキャリア支援企業表彰というものを実施しておりますが、これの更なる活用です。これ以外に、さらに企業の自発的な人材育成投資を引き出す仕組みの検討が必要ではないかというのが2点目です。

 次は、都道府県労働局の機能強化です。この10月から、各都道府県労働局に「地方人材育成対策担当官」が配置され、職業能力開発行政の一翼を担うことが明確になったところですが、これについて現状把握の上で、更なる機能強化策の検討、あるいは研修等の充実ということを書いています。

 続いて、(5)「技能の振興」です。今後、若年者を中心とした「技能離れ」が深刻な影響を及ぼすことが危惧されます。このため、技能尊重機運の醸成、技能者の養成を図っていくことが必要ということで、具体論としては、「ものづくりマイスター」による技能伝承、地域における技能振興、若年技能者を育成する者等に対する技能伝承能力や熟練技能継承の取組。現代の名工や技能五輪国際大会、全国大会等の競技大会、あるいは技能検定に合格された技能士について、社会の認知度を高めていく、あるいは技能五輪国際大会出場選手の競技力向上に向けた取組や支援の充実です。

 最後に、(6)ですが、能力開発分野の国際連携・協力の推進です。引き続き、開発途上国等に対する技術協力や人材育成あるいはシステム作りの支援について、効率的・効果的に推進していくということです。具体論として、技能評価システム移転促進事業について、引き続き日本型技能評価システムの国際的普及に努めていく。また、開発途上国への訓練指導員や専門家の派遣により、現地での訓練の実施を支援する。開発途上国における能力開発関係施設の整備・運営に係る助言、引き続き、人材育成に対する支援も実施する。それと合わせて、訓練指導員を我が国に迎え入れ、指導方法やキャリコンの技法等、必要な能力を付与していく。外国人技能実習における技能等の適正な修得等の確保及び技能実習生の保護に努めていくとしております。

○小杉分科会長 ただいまの説明について、皆様から御質問と御意見を受けたいと思います。残り時間が若干少なくなってきてしまいましたので、積極的な御発言を、どうぞ。

○高倉委員 今、たたき台を一読した上での印象ですが、ITとかIoTなどは今後、成長が期待できる分野ですので、環境変化に伴った施策を進めていくというのは当然のことだと思います。しかし、ちょっとバランスが悪いのではないかと思います。記載するとすれば、「1.計画のねらい」のところだと思うのですが、引き続きものづくりを始めとする雇用吸収力の高い分野での職業能力開発に取り組んでいくということを記載すべきと思います。あとで「(5)技能の振興」というところには、ものづくりのことは書かれているのですが、まず、雇用吸収力の大きいものづくり分野を重視する、ITIoT以外に私はもっと取り組みを強化していくべき分野もあると思うのです。ですから、そういった新たな分野も当然重要ですし、従来取り組んでいるところを更に強化をしていくところもあるので、もう少し全体像といいますか、第10次職業能力開発基本計画は向こう5年間の国としての意思表示、メッセージを出す計画ですから、その辺の全体像を示す表記としては偏り過ぎているのではないかというのが印象です。

○木塚総務課長 ものづくりについては、現在の能力開発行政では、特に国が担当している高障求機構が実施している職業訓練については、高度なものづくりに特化して実施しています。したがって、国の公共職業訓練の施設内訓練という場合には、ものづくりが中心になっています。今後の能力開発行政の大きな方向性ということで、今、言われている生産性革命であるとか、GNP600兆円に向けて、ITとかそういうものを活用しながらやっていくことを記述させていただいています。いずれにしても、ものづくりというのは私どもにとっても非常に重要な視点ですので、今日いただいた御意見を踏まえて、今後、計画案に反映していくように対応してまいりたいと思っております。

○島村委員 11ページの(5)技能の振興ですが、若年者を中心とした「技能離れ」が我が国の将来に深刻な影響を及ぼすことが危惧されるということです。そういう見解をお持ちの中で、どのようにしてこれを克服するかということだと思います。ものづくりマイスターを派遣して、若い人たちに教育をするということも大事なのですが、結局は人海戦術なので、そう簡単にものづくり精神が養われるとは思わないのです。しかしながら、実際に「技能離れ」が国に深刻な影響を及ぼすのであれば、国家プロジェクトとして、もっとしっかりとやっていかないといけないです。前回、技能五輪の件でもお話しましたが、正にものづくりというのは非常に重要で、国としての技能だと思います。例えば今、下町ロケットというドラマが視聴率20%を超えています。このような大企業対中小零細企業の技能対決みたいなものが結構受けるわけです。こういうものが若者の心を揺さぶったりしているこの時代に、やはり若い人たち、特に小学校とか中学校とか、そういう若いうちにものづくりに対する憧れとか、格好良さとかというものを植え付けるような、施策を国としてもってもらわないと、ものづくりマイスターを派遣するのは良いとは思うのですが、正にこれは国の施策なので、国としてどうやって若い人たちにこの良さを理解してもらうかということは、是非これから考えていっていただきたい。ですから、毎度言うことなのですが、厚生労働省だけがやることなのか、文部科学省と連携してやることなのかというところなのですが、国として、この辺は是非しっかりやっていっていただきたいと思います。

○高橋()委員 資料5ページの若者の職業能力開発のところについてです。ニート等の若者に対する関係機関との連携による支援とか、サポートステーションの活用に至らない対象者層の潜在的ニーズを掘り起こすとか、いろいろ書かれていますが、こういうことの方向性自体は正しい方向と思っているところです。

 その上で、先ほどのお話にもありましたが、学生・生徒が卒業する前に、学校にいる間に、社会に出る前に働くことに関して、どのような制度や仕組みがあるかということを、もっと知らせておくことが大事ではないかなと思います。そういうことで、今回の第10次職業能力開発基本計画の策定にあたって、もっと明確に厚生労働行政と文部科学行政が緊密に連携していくのだということを、はっきりと謳うべきだと思います。ちょうど文部科学省の職業実践力育成プログラムが、専門実践教育の対象の中に加わるという動きもありますので、この2つの省庁の接点を強化するという意味でも良いタイミングではないかと思います。それに加えまして、学校を中退した、卒業をしたけれども就職していないということで引きこもってしまったというような人たちに向けての対策も当然、重要だと思っています。この資料の5ページにも「潜在的なニーズ」ということが書いてありますが、学校と就労との間の狭間にいる方たちは、教育行政からも厚生労働行政からも福祉行政からも、手を差し延べられない状況にあるわけです。こういう人たちも視野に入れた、何らかの施策が必要ではないかと考えていますので、よろしくお願いします。

○田口委員 2ページの行政、公共、民間です。これを更に有機的な結び付けを強めると書かれています。あと7ページの(3)産業界や地域ニーズをとらえた人材育成の所でも、地域コンソーシアムを構築すると書かれています。8ページには、更に離職者等が、それぞれのニーズや状況に応じて多様な訓練機会を得ることができるように、公共職業訓練や求職者支援訓練を適切に実施することとなっているわけです。行政と公共の連携、強化ということなのですが、その後に公共職業訓練の充実と書かれているのです。認定職業訓練のことについての記述がなかなか出てこずに、実際に地域ニーズに応じた職業訓練の推進向上ということになりますと、行政と公共と民間の連携をさらに強める必要があると思います。認定職業訓練では、例えば中央の訓練協議会や、地域の訓練協議会の参加なり、そういう分野からの行政、公共と認定訓練、その連携の強化を進めるという視点も必要ではないかと思いますので、そういう記述も入れる必要があるのではないかということです。

11ページの(5)技能の振興のところです。技能士については、より社会の認知度を高め、社会的な評価や価値を高められるような取組ということですが、実際に検定の職種によって増えていたり減っていたりします。職種によって状況が異なると思いますので、具体的な状況をここに書く必要はありませんが、そうした状況について評価をし、分析して、先ほどの御発言にもありましたが、検定を受検する人たちに対して具体的に、これはこういう人たちが受検をしていて今、増えているのだとか、そういうことを周知したり、宣伝をして、受検を促すような材料を整理をしていく必要があると思いますので、そういう視点を入れていく必要があるのではないかと思っています。

○小杉分科会長 皆様からの御意見を先にいただきます。次は三村委員、お願いします。

○三村委員 短く2点だけ、4ページの一番上から2行目に、「セルフ・キャリアドック」とあります。これは労働者の職業生活におけるキャリアの棚卸しとか振り返りだと思うのですが、働く者がセルフ・キャリアドックを求められる一方、雇用者側もキャリア形成の重要性を学ぶ機会、あるいはキャリア形成の重要性を確認する場の確保も含め、双方向的な支援があっていいかなという気がします。また、そういう視点がどこにもないので入れていただければと思います。

 次に、5ページの「若者の職業能力開発」です。最初の黒ポツに、学校段階で多様な職業について理解を深めるということで、「学校等関係機関と連携し」の後に、「ものづくり体験」がすぐきているのですが、できればその前に、職場体験、インターンシップへの支援を入れていただければと思います。特に98%の中学校では職場体験をやっているのですが、日数としては1日、2日しかできていないのです。文科省は5日以上を標榜していますので、それが実現できるような環境づくりを推進する文言を是非入れていただきたいと思います。

○小杉分科会長 先ほどの求職者の職業訓練がここにも入っていますね。

○三村委員 はい、そうですね。

○小杉分科会長 そこの話をこちらに引き取っていただければ。

○三村委員 こちらに、お願いします。

○大久保委員 1点目は、職業能力開発の基本的なことについてです。中長期的なことでお聞きしたいのですが、職業能力開発の目的は何かというベーシックな話なのですが、現在のところ目標を設定する場合においても、また就職率、あるいは雇用保険に該当する就職ができたかとか、主に就業の実現について目標の設定をしていると思うのですが、もう1つ、職業能力を高めることによって、結果として所得が上がるとか、処遇が改善されるとか、より高い職に就けるということもあります。非正規社員の正社員転換、処遇改善ということについても厚労省は取り組んでいるわけですし、あるいはキャリアアップ助成金の中でも処遇を上げる場合の助成金制度などもあるわけです。職業能力開発は個人から見ると、それによって職業能力を高めて、より高い所得を得るということもあるのではないかと思うのですが、そういう考え方はこういう中には全然出てこないのですが、これってどうなのでしょうかということで素朴に質問したいというのが1点目です。

2点目は、非常に瑣末な話ですが、3ページの「生産性向上に資するIT人材育成の加速化等」と書いてあるところに、ITを活用した職業能力開発策の高度化とあります。IT人材の育成の中に、職業能力開発のIT化という話が出てくるのは非常に変だと思いますので、これは後ほどの労働市場インフラのところにまとめて記載していただいたほうがいいのではないかというように思います。

○小杉分科会長 最初は大変大きな質問だと思うので、局長、お願いします。

○宮川職業能力開発局長 お答えになるかどうか分からないのですが、現行の職業能力開発促進法にも基本理念というのがあります。その中で第3条に、労働者がその職業生活の全期間を通じて、その有する能力を有効に発揮できるようにすることが、職業の安定及び労働者の地位の向上のために不可決であるとともに、経済及び社会の発展の基礎をなすものであるという問題意識です。これは基本的には変わらないのではないか、これからも変わらないのではないかと思います。ただ、それは具体的に職業の場、あるいは企業の場、雇用の場というものが様々に変化していく中で、これを具体的に達成していくためのツールというか、施策というか、そういうものについてはいろいろな重点なり、様々な視点で変えていかなければいけない部分というのは多いのではないかと思います。

 先ほど大久保先生からお話がありましたが、能力を高めて、それによって給料が上がったり、よりレベルの高い仕事をしたり、正社員に転換するとか、正にこういうものがキャリアアップ助成が目指していくところの1つではあるのですが、これは賃金という面に限ってみれば、これは具体的な雇用という場、実際の仕事があってこその賃金アップであって、能力の高い人が能力が上がったからといって賃金が上がるわけではないというのは、大変重要な点ではないかと思います。そのためにも高い仕事、どういうものが仕事として求められているのか。正に求人者側というか、仕事をしてもらいたい側のニーズを把握し、それにふさわしいような能力アップの施策として、公共職業訓練も含めて、企業内の訓練も含めて、自主的な能力開発も含めて、様々な取組みを組み合わせていくというものが現実に必要になってくるのではなかろうかと思います。そういう意味で、企業の取組が非常に重要だという点が、次の職業能力開発計画の中で1つポイントとしてあるのではないかと私個人としては思います。

○大久保委員 一言だけ、例えばアメリカでやっているキャリアラダーみたいな政策を見ていると、各企業が教育訓練を実施するプログラムの作成に関して助成金を出すという施策があります。そのプログラム開発の助成金を出す条件として、それの対象となった労働者が職業能力を高めて、結果的にそれで賃金が上がるということを助成金支給の要件にしているのがあるのです。もともとは局長から御紹介いただいた能開法の基本的な考え方である、適正な待遇のほうに高まっていくということ自体、ニュアンスとしては入っているのかなという感じもしています。つまり、この全体像の中で、一言も処遇についてのことが出てこないというのは、ちょっと不思議な感じがしています。おっしゃっている趣旨はよく分かるのですが、ベーシックなところとして疑問に感じたということです。

○小杉分科会長 その辺のところから書き起こしていったほうがいいのではないかということですね。

○大久保委員 一言も出てこないというのが、ちょっとどうしてかなというように、素朴に思うという感じです。

○小杉分科会長 ほかにございますか。

○村上委員 今日はもう時間もありません。大きな方向性ですとか、細かな点などについてはまだ申し上げたいことがあるので、次回に発言させていただこうと思いますが、1点だけ。先ほど三村委員から「セルフ・キャリアドック」について御指摘がありました。この資料3-1の中で、セルフ・キャリアドックについて3か所も触れられているのですが、セルフ・キャリアドックとは何かとか、そういったことについて、まだ、この分科会できちんと議論はされていないのではないかと考えています。ですから、次回以降、是非、セルフ・キャリアドックに関して、分科会の中で共通認識ができて、どんな制度なのかということを確認できるような議論をさせていただければと思っています。

○高橋()委員 前回までの議論を踏まえて、いろいろ書き込んでいただいたのは大変ありがたいのですが、1点だけ申し上げます。前回の委員の指摘のなかで、グローバル化の視点を入れるべきとの意見がありました。12ページの1行目から2行目に、言葉だけは踊っているのですが、国際協力の視点に置き換わっています。その委員は、日本人のグローバル人材化に資する訓練といったコンテクストで発言しているので、余りにもミスリードした書きぶりになっています。次回お出しいただく文案には、そうした観点からの書きぶりになるよう、是非、工夫をしていただきたいと思います。

○小杉分科会長 はい。では是非、皆様の御意見を受け止めて。

○大隈委員 セルフ・キャリアドックのことが先ほど出たので、私も思ったのです。定義とかはしっかりやってもらったらいいのですが、あえて造語を作る必要があるのかと、私はちょっと疑問なのです。やはり日本語で、キャリアとか能力の棚卸しとか、何かそういう日本語でやったほうが、これを聞いたときに他の方がどう捉えるか。言葉の定義がされていないので分からないので、ちょっと違うかなと私は思いました。今後の議論だと思うのですが、また改めて、それは議論させてもらえればと思います。

○小杉分科会長 ほかによろしゅうございますか。それではこの議題はここまでとさせていただきます。その他、委員から特にないようでしたら、本日の議論は以上といたします。次回の日程等について改めて事務局から連絡させていただきます。議事録の本日の署名人は労働者側は板垣委員、使用者側は高橋委員にお願いいたします。それでは本日は、この辺で終了いたします。どうも御協力をありがとうございました。


(了)

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