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2015年11月25日 第108回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成27年11月25日(水)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室


○議題

・雇用保険制度について
・その他

○議事

 

○岩村部会長 それでは、ただいまから「第 108 回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」を始めます。今日は足下が悪く、かつ寒い中、お忙しいところをお集りいただき、誠にありがとうございます。

 本日の出席状況ですが、田島委員、野川委員、浅見委員、秋元委員、山本委員が御欠席です。

 それでは早速、議事に入りたいと思います。本日の議題ですが、お手元の議事次第にありますように「雇用保険制度について」になっております。事務局で資料を用意していただきましたので、まず資料 1 3 についての説明をいただき、その後で質疑に入りたいと思います。それでは、どうぞよろしくお願いします。

○長良雇用保険課調査官 まず資料の確認をしたいと思います。全部で 6 点あります。資料 1 「基本手当及び平成 28 年度末までの暫定措置について」、資料 2 「就職促進給付について」、資料 3 「高齢者関係資料」、資料 4 「労働者のキャリア形成支援について」、資料 5 「育児休業給付・介護休業給付について」、資料 6 「財政運営関係資料」です。

 大きく 3 つに分け、まず資料 1 3 までを一括して説明します。資料 1 ですが、「基本手当及び平成 28 年度末までの暫定措置について」です。 1 ページ目は、前回に提出した資料と同様で、これまでの本部会での御意見をまとめたものとなっています。 1 ページ目は基本手当の水準について、 2 ページ目は平成 28 年度末までの暫定措置について、それぞれまとめたものです。

3 ページ目は雇用保険制度に係る論点ですが、前回と若干、記述は変更しております。 1 つ目の○ですが、基本手当の水準については、受給者の再就職状況などの指標について、前回改正時と変化は見られないことや、モラルハザードの観点などから見直しの必要性が乏しいとの意見と、現在の雇用保険の財政事情や最低保障の考え方などから給付水準 ( 給付日数、給付額、給付率等 ) の見直しを行うべきという意見の双方があります。こうした状況や現下の雇用情勢に鑑み、基本手当の給付水準については、平成 28 年度末までの暫定措置 ( 個別延長給付等 ) や就職促進給付の在り方の議論と併せて、引き続き検討することとしてはどうか。なお、特定受給資格者の基準については、受給者の実態や雇用保険部会での議論などを踏まえ、必要に応じて適時、見直しを行うこととしてはどうかという形でまとめているところです。

4 ページが、今、論点の中で申し上げた、特定受給資格者の基準です。こちらは現行の基準であり、既に本部会で提出したものと同様です。

5 ページ目ですが、特定受給資格者の受給資格決定件数の推移は以前に提出したことがあるかと存じますが、平成 26 年度で申しますと、特定受給資格者の比率は 24.2 %でした。雇用情勢の影響を比較的大きく受け、多いときでは 3 4 割、少ないときでは 2 割台前半という形になっています。

6 ページですが、特定受給資格者の基準の見直しについてということで、たたき台をお示ししております。趣旨ですが、正当な手続によらない労働条件の変更又は賃金の不払などの事業主における労働契約の不履行があった場合や、育児・介護休業法等で定められた法的義務違反が事業主側に見られた場合に、その離職理由について、やむを得ない面もあったと考えられるものの、現行の特定受給資格者の基準には該当せず、「自己都合」離職となっている事例が見られることから、見直し案を検討してはどうかということです。

4 点のたたき台を用意しており、 1 点目は賃金不払の要件です。現行の基準は賃金の 3 分の 1 を上回る額が支払期日までに支払われなかった月が、引き続き 2 か月以上等というのを省令上の要件としております。見直し案については、この賃金の一定額の不払要件について、 1 か月あった場合についても、特定受給資格者に該当することと整理してはどうかというものです。

 続いて 2 点目は 7 ページです。現行基準、労働契約の締結に際し、明示された労働条件が事実と著しく相違したこととなっている、現在、運用上対象しているケースで言うと、事業主が労働条件を変更して、事業主から明示されたものと実際の労働条件が著しく異なることとなったことを理由に、傍線部ですが、就職後 1 年を経過するまでの間に離職した場合という形になっております。背景として、正当な手続を経ずに労働条件が変更されて、労働契約の締結に際し、事業主から明示された労働条件と著しく異なることになった場合については、当該変更後の労働条件については、契約締結時には予期されなかったものであろうと。ただ、就職から 1 年以上経っていることをもって、特定受給資格者に該当しないというケースが、今、想定されるところです。以上を踏まえて、見直し案としては、こうした事情がある場合は、上記の事情が発生したとき、労働条件の変更時ということになろうかと思いますが、これを始点として 1 年を経過するまでの間という形に変更してはどうかというものです。

8 ページ目が、たたき台の 3 つ目です。育児・介護休業法で定められた法的義務違反となっております。例の※に育児休業・介護休業の申出、あるいは子の看護休暇、介護休暇の申出、所定外労働、時間外労働、深夜業の制限といった請求があった場合に、事業主に関する義務が課されているところですが、こうした場合に事業主が違反したことを理由として離職したケースについて、特定受給資格者に該当するという形で整理してはどうかというものが 3 点目です。

4 点目は 9 ページですが、同趣旨の内容にはなりますが、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの関係です。現行の基準である雇用保険施行規則上は、「事業主又は当該事業主に雇用される労働者から就業環境が著しく害されるような言動を受けたこと」というような形になっていて、現在の運営上対象としているケース、いわゆる嫌がらせのようなケースに「故意」がある場合に加え、男女雇用機会均等法の、いわゆるセクハラの雇用管理上の措置に関する事業主の義務が果たされなかった場合というようなケースを想定しております。ただ、現行の男女雇用機会均等法は、妊娠・出産等を理由とする解雇その他不利益取扱いは禁止されているという状況に鑑みて、こうした場合について特定受給資格者に該当する形に整理してはどうかというものです。以上が資料 1 の説明でした。

 引き続き、資料 2 「就職促進給付について」の説明に移ります。まず 1 ページの再就職手当ですが、こちらは制度の概要をまとめたものです。受給資格者が所定給付日数の 3 分の 1 以上を残して再就職をした場合に残日数の 50 %、 3 分の 2 以上を残して再就職した場合に 60 %という形の一時金が支給される制度となっております。

2 ページ、再就職手当の支給状況ですが、近年増大傾向にあり、給付の拡充を行った平成 21 年度、平成 23 年度、改正前後を比較して受給率の上昇、これは一番右の受給率という所で割合を示しておりますが、この受給率の上昇が確認できるということです。

3 ページ目、基本手当受給者の再就職状況ですが、平成 11 年度から平成 24 年度まで、比較的長期時系列で取ったところ、おおむね 5 割前後の者が支給終了までに就職している状況が見られました。

4 ページですが、そのうち特定受給資格者以外の再就職状況を拾ってみた場合、一番左が待機期間中、左から 2 番目のオレンジの所が給付制限中、つまり受給が始まる前に再就職をした者となりますが、ここの割合を取ってみると、おおむね 3 割程度の水準で推移しているという傾向が見受けられました。

 続いて 5 ページ、移転費・広域求職活動費です。概要をざっと整理しているものですが、移転費は、公共職業安定所の紹介した職業に就く等のため、住居所を変更する必要がある場合の交通費、引っ越し費用などを支給する制度となっております。 2 つ目、広域求職活動費については、安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動をする場合の交通費などが支給されるという制度となっております。この 2 つの制度については、いずれも支給実績が下に書いてありますように、極めて少ないという状況があります。こうした状況を踏まえて、 6 ページにあるように、現在、活用促進という形でいろいろ周知を図るといった取組を進めているところです。

7 ページですが、就職促進給付に関連してのこれまでの意見をまとめたものです。再就職手当の 2 つ目の○ですが、離職者が安心して求職活動をできるための政策効果を目指して、就職促進給付トータルで在り方を検討していくべきではないかといった趣旨の御意見。あるいは、移転費・広域求職活動費に関しては、周知、あるいは広域求職活動費の往復 300km といった要件などの一定の制度的な見直しの必要性についても御意見があったということです。

 論点については、就職促進給付として大きく 3 つにまとめております。 1 点目が、再就職のインセンティブを強化し、就職活動を支援するという観点から、就職促進給付の在り方についてどのように考えるか、具体的にはどのような方策が考えられるかというのが 1 点目です。 2 点目が、再就職手当についてですが、これまでの制度改正による早期再就職者の割合の上昇が認められる一方で、特定受給資格者以外の給付期間制限中の再就職割合に大きな変化がないことを踏まえて、給付の在り方についてどう考えるかというものです。 3 点目が、移転費・広域求職活動費については活用促進していくという観点から、周知を強化することに加えて、現在の受給要件についてどう考えるかというものです。以上の 3 点を論点として整理しております。

 以上を踏まえまして、 8 ページ目です。再就職手当の見直しのたたき台です。趣旨としては先ほど申し上げたとおり、過去の再就職手当の制度改正に伴って、早期再就職者の一定の伸びが認められたこと、特定受給資格者以外の者のうち、給付制限期間中などに就職する者の割合が、近年 3 割程度で推移しているといったことに鑑み、早期再就職を更に促進するという観点からインセンティブを強化するということです。

 具体的な内容ですが、 2 つ目の○までは、今申し上げた趣旨をまとめているところです。一番下の○、再就職手当の給付率です。現在は括弧書のとおり、支給残日数の 50 %又は 60 %となっているところですが、これを支給残日数の 60 %又は 70 %と、それぞれ 10 %引き上げることとして、更に早期再就職を促進する仕組みとしてはどうかというものです。また、平成 26 年に創設した就業促進定着手当については、再就職手当と合計して、支給残日数の 100 %相当となるような措置を併せて講じたらどうかという整理をしているところです。

 続いて 9 ページですが、それ以外の就職促進給付の見直しをまとめて提示しております。大きく 2 つあり、 1 つ目が移転費・広域求職活動費です。これは受給者が安定所の紹介により求職活動をしたこと等に伴って発生する経費を措置するという役割ですが、これらの給付は実績が極めて少ない実態にあるということです。以上を踏まえ、これらの制度の周知と併せて、受給者の負担軽減を図るという観点から、移転費については、移転費の経費の拡充を検討しているということ、広域求職活動費については、交通費の負担軽減などの観点から、現行の距離要件、これは往復 300km 以上となっておりますが、これを例えば往復 200km 以上に緩和してはどうかという形で整理しております。

2 つ目ですが、移転費・広域求職活動費の対象となるケース以外についても、求職活動に伴い発生する経費負担を軽減する観点から、特定の、例えば省令で定めるような形で整理してはどうかと考えておりますが、特定の求職活動に伴う経費について、基本手当とは別に実費で措置するという仕組みを設けてはどうかというものです。ここは今後の御議論もありますが、具体的には例えば、一般教育訓練の対象となっていない短期の資格講習などがある場合の当該講習の費用。あるいは就職面接に伴って必要となってくる子の一時預かり費用といったものが考えられるのではないかと整理しているところです。以上が資料 2 となります。

 続いて資料 3 、「高齢者関係資料」となります。 1 ページ目、過去 3 回、 65 歳以上の者の適用の在り方、それから雇用保険料の徴収免除の在り方について御議論をいただいたところですが、その意見を取りまとめているところです。概要だけ簡単に紹介しますと、例えば 1 つ目の○、年金支給開始年齢との整理をどうするか。 2 つ目の○、 65 歳以上の方は年金が支給されるということであって、生活に困る実態はどの程度あるのか。 3 つ目の○、求職活動の実態は 65 歳以上の方とそれ以外の年齢層で異なってくるのではないか、あるいはモラルハザード防止の観点が必要ではないか。 4 点目、 65 歳以上の方の多様性を勘案すると、適用について本人の選択に委ねるといったことは考えられるのかなどが挙げられております。一方で 5 つ目の○、 65 歳以上の者の収入の多様化を図っていく必要性が高まってきているのではないか。いわゆる年金プラスアルファの働き方を指向する方もいらっしゃるのではないか。 6 点目、選択制を認めると逆選択あるいはモラルハザードのリスクが大きいのではないか。 7 点目、憲法 27 条は国民全てに勤労権を保障しており、年齢による差はない。雇用保険は保険という観点から一定の母集団を構成して、リスクを分散する必要があるということです。従来は 65 歳以上が母集団に入る可能性がそもそも少なかったが、現在は 65 歳以上の雇用者が 300 万人以上おり、適用除外とする理由付けが薄くなってきているのではないか。 1 番最後の○、日本の場合は勤労権というものは人権の観点から規定されているものである。また、公的年金の在り方については高齢者の就業希望などが日本とヨーロッパ諸国で大きく異なるので、他国と並列で考える必要が必ずしもないのではないかといった趣旨の御意見がありました。

 その次に、雇用保険料の徴収免除に関しては、保険原理の観点からは、仮に 65 歳以上の者に適用拡大するならば、保険料を徴収するのが筋ではありますが、仮に徴収免除を廃止した場合には、企業の業種によっては影響が小さいとは言えないのではないか、何らかの猶予期間を設けるなど一定の配慮が必要ではないかというような御意見がありました。 2 つ目の○ですが、 65 歳以上の者を雇用するのは中小企業が多く、また、健康管理や安全衛生面でのコストを勘案して、何らかの支援を行えないかというような御意見がありました。

 以上を踏まえまして、 2 ページ目に議論の整理をしております。 1 つ目の○ですが、昭和 59 年改正において、 65 歳以上の者を適用除外にする考え方について、これまでの雇用保険制度の改正、これはパート労働者に対する適用基準の緩和などを想定しておりますが、あるいは高年齢者雇用の状況の変化に鑑みると、この適用除外に関しては、現在においてそのまま当てはめることは困難ではないかと考えられる。その場合、 65 歳以上の者の雇用保険の適用については、憲法 27 ( 勤労権の保障 ) の観点、すなわち、失業者のセーフティネット確保の観点から、原則、適用する方向で検討する必要があるのではないかという、これが 1 点目です。

2 つ目の○ですが、現在、高年齢継続被保険者が失業した場合に支給される高年齢求職者給付金は、 65 歳以降の離職者の就業希望が多様化しているという実態を踏まえて、一時金を支給するとともに、多様な形態の就業について求職活動を行うことができるようにするという趣旨で設けられているということですので、現在は厚生年金との併給が可能という仕組みになっております。仮に新たに 65 歳以上で雇用される方を雇用保険の適用対象とした場合であっても、これらの方と現在の高年齢継続被保険者とで、特段対応を異にするという理由はないのではないかというのが 2 点目です。

3 つ目の○ですが、現在、高齢者雇用促進等の観点から 64 歳以上の者について、雇用保険料を免除するという取扱いをしておりますが、既に部会などで提出しておりますが、企業調査などに鑑みると、高齢者の雇用の促進等の観点から、保険料免除を行うという政策手法については見直しが必要と考えられるのではないかという形でまとめております。

 以上を踏まえて、 3 ページ目に、適用の在り方についてのたたき台を整理しております。趣旨は上の段に書いてあるとおり、失業者のセーフティネットの保障の観点から、新たに 65 歳以上で雇用される方についても、現在の高年齢継続被保険者と同様に雇用保険の適用の対象とするとともに、それに伴う諸課題について個別に政策対応を図っていくということです。

 具体的な内容ですが、まず、適用に関しては、 65 歳以上の者について適用対象とするとともに、受給要件と給付が一般被保険者と異なることを踏まえて、一般被保険者と異なる被保険者類型を設定する。高年齢被保険者という、仮称という形で付けております。給付については、高年齢被保険者が失業した場合に、高年齢求職者給付金 ( 一時金 ) を支給する。これは現行制度と同じです。併せて、モラルハザードの防止などの観点から、基本手当の取扱いなどに倣って失業認定申告書の記載内容の充実などの失業認定の見直しを検討する。もう 1 つは、その他の給付について、これまでは高年齢継続被保険者は対象外とされておりましたが、可能なものについては新たに対象とすることを検討すると。例えば、教育訓練給付あるいは介護休業給付などが想定されるところです。なお、こうした給付の制度設計に伴い、年金との併給についても引き続き維持する形を想定しております。保険料については、 64 歳以上の者の雇用保険料の徴収免除について廃止して原則どおり徴収するという仕組みで考えております。

2 つ目の○ですが、併せて、以下の措置を検討する形でどうかというものです。 1 点目が激変緩和の観点から、徴収免除について一定の経過措置を設けること。 2 点目、 65 歳以上の高齢者を一定割合以上雇用している企業に対する助成措置を設けること。 3 点目、高齢者向けに健康管理制度などを導入した事業主に対する助成措置を設けること。こういった措置を検討してはどうかと考えているところです。

4 ページですが、少しテクニカルな話になりますが、雇用保険の適用に係る施行の取扱いについて ( ) という形でまとめております。 65 歳以降の新規雇用者への雇用保険の適用拡大は、企業実務に一定の負担を課す。あるいは、これは助成側の事情ですが、システム改修に期間を要するなどの事情を踏まえ、一定の準備期間を想定しております。

 下の段は、矢印をもって雇用保険の適用が施行前後でどうなるかを場合分けして整理したものです。大きく分けると、 3 つないし 4 つに分かれ、〈例 1 〉は高年齢継続被保険者が法施行前後をまたいで、そのまま雇用が継続される場合は、高年齢継続被保険者が新たな高年齢被保険者として引き続き適用されていくという形になります。〈例 2 〉〈例 3 〉に関して言うと、法施行前に 65 歳に達して、その方が同じく法施行前に新たに雇用された場合ということになります。この場合は、就職をした時点では適用除外になっておりますが、在職者のままでいわゆる高年齢被保険者としての適用を迎える形になります。〈例 3 〉についても同趣旨の内容になります。〈例 4 〉〈例 5 〉については、法施行後に 65 歳以上の者を新たに雇用した場合ということになり、この場合は法施行後に就職した時点で高年齢被保険者として適用されるという状況は変わらないというものです。〈例 6 〉は若干レアケースですが、昭和 59 年改正当時に設けた任意加入の仕組みがまだ残っており、そういう方はどうなのかという形になります。基本的には継続して適用されているという状況に変わりませんが、施行を挟んで、いわゆる強制適用になるという形で整理して、以後に離職して就職した場合も引き続き適用の対象になるという整理になろうかと考えております。

5 ページ以下は前回までに提出した資料を抜粋して参考までに付けております。資料の説明は以上です。

○岩村部会長 それでは、ただいま説明のありました資料 1 3 について、まとめてということですが御意見、御質問がありましたらお願いいたします。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 直接、資料に対する質問ということではないのですが、先ほどこちらの審議会が始まる前に使側で打合せの時間を取らせていただきました。

 その中で異口同音に出てきたことが 1 点あります。それは、日曜日だったと記憶していますが、正に慎重な議論を続けているにもかかわらず、一定の方向に決まったかのごとく書かれている新聞記事についてです。もちろん記者さんなりの取材をされた上で書かれたということは十分承知しておりますが、審議の途上であるということ、さらに、労使ともに慎重に議論を進めるべきであると言っているにもかかわらず、方向性が明示される形で書かれていたことについて、使側としてはたいへん遺憾に思っています。

○岩村部会長 ありがとうございました。村上委員、どうぞ。

○村上委員 私ども労働側としても今、遠藤委員から御発言があった内容と同様の意見を持っております。慎重に議論していこうと何回も議論を重ね、まだ結論が出されていないときに、あのように報道され、あたかも決まったことのように書かれてしまっているということについては大変、遺憾に思っています。

○岩村部会長 ありがとうございます。雇用保険課長、お願いします。

○奈尾雇用保険課長 どの法改正でもそうなのですが、制度検討をしている最中にマスコミの方々からお問合せを頂くということは通常よくあることです。その中で、私どもとしては当然ながら、何が決まっていて何が検討途中であって、どのように今検討しているのかということは、常に丁寧に説明するようにしております。そこは各マスコミの会社の方針もあるのでしょうが、マスコミとして決定していると見られていることについては、そういう書きぶりになってしまうこともあると思っています。

 ただし、今、労使双方から一致してありましたので、そういう御指摘があったことについては、よく心に留めながら慎重に対応していきたい、これは当然のことであると思っております。

○岩村部会長 では、よろしくお願いいたします。それでは資料 1 3 について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。三島委員、どうぞ。

○三島委員 資料 1 3 ページです。これまで労働側から再三再四、申し上げてきた内容ですが、雇用保険の財源収支が改善した以上、やはり基本手当の水準については引下げ以前の水準まで回復させるべきと考えておりますので、改めてまた意見として申し上げました。

 また、平成 28 年度末までの暫定措置についてですが、 2 ページにあります「個別延長給付」「雇止めなどにより離職した者への所定給付日数の拡充」「常用就職支度手当の支給対象範囲の拡大」については、それぞれが重要な政策目的を有しておりますので、恒久化すべきと考えております。以上です。

○岩村部会長 御意見ということで、よろしいでしょうか。雇用保険課長からコメントがありましたらお願いします。

○奈尾雇用保険課長 まず、 1 点目について少しだけコメントいたします。これも今年の 8 月、キックオフの時点から再三御指摘いただいている点です。 8 9 月にかけて私どもから 12 年改正、 15 年改正の考え方や、その効果については説明してきたわけですが、せっかく資料がありますので少し補足いたします。今日の机上配布されております分厚い青いファイルです。 8 25 日に行われました第 102 回の所にインデックスが貼ってあると思います。ここでよく私どもとして使っておりました資料として、 8 25 日の資料の通しページで 12 ページ以降に、どの時期に再就職したかという資料があり、毎回付けているものですが、 12 17 ページにかけて再就職時期のグラフを帯グラフで出しております。これは 8 9 月に何回も説明したところです。

 特に今日の資料にはない資料として、支給終了後、 1 年を経過して就職した者を除くグラフが、 8 25 日の資料で申しますと 15 ページ以降にあります。例えば 12 年改正の効果を見ますと、特定受給資格者と特定以外ということで区分を分けて、特定受給資格者に給付を重点化しましたので、特定受給資格者は平成 13 年度以後、支給終了までの再就職は一般的に伸びている傾向があるのではないかと見ております。

 対して、 8 25 日の資料の 17 ページです。特定受給資格者以外の方の再就職状況の推移が出ております。例えば受給中の方の再就職、これは色刷りでないので見にくくて恐縮です。大体、真ん中辺りの所が受給中の方の再就職の割合です。平成 11 24 年度の 14 年間において一番受給中の就職率が高いのは、実は平成 14 年度で 29.3 %です。したがって、雇用情勢の影響もあって単純に比較はできないのですが、重点化以後において、例えば 12 年改正以後において特定受給資格者以外の方の再就職が特に進んでいないということも一概に言えないと、まずは考えられるわけです。

 次は 15 年度改正で、これも改正効果については 8 9 月で一度説明した記憶があります。制度要因なのか制度改正以外の要因なのかということは、 8 月末か 9 月頭の部会の場で説明したことがあったと思いますが、意外と制度改正要因が少ない。例えば、同じ 8 25 日の資料の 20 ページです。所定給付日数の終了までに就職した特定受給資格者以外の者の割合ということで、改正前後で比較したものがあります。 15 年改正は案内のとおり 120 150 180 日の方々の給付日数を引き下げており、 14 年度は 180 日だった方は 16 年度は 150 日となりました。そこで、 20 ページにおいて 180 日の方の 14 年度の就職の割合と 150 日の方の 16 年度、 22 年度の就職の割合を見ると、大きな影響はない。

 一方で、 14 年度で 90 日、 120 日の方です。 14 年度で 90 日の方は引き続き 90 日、 14 年度で 120 日の方の一部が 16 年度以後 90 日になったわけです。この辺りは 14 年度と 16 年度の日数を比較していただきますと、 14 16 年度にかけては雇用情勢の影響もあって上がっている傾向があります。 14 年度と 22 年度を比較して、 90 日の方で見ると 49.7 %から 48.8 %まで下がっております。 22 年度の 48.8 万人というのは、大体 4 分の 3 の方は 90 日のまま日数は変わっていない、平成 15 年度改正によっても 90 日のまま変わっていないということで、制度改正要因以外の方が 4 分の 3 いらっしゃるということから見ると、これは一概には言えないとは思うのですが、 12 年改正、 15 年度改正の影響というのは、今の数字から見て検証していくべきだということが 8 9 月の私どものコメントの繰り返しです。

 それから、本来給付日数であるべき水準は幾らかということは、改正の前後でどのように変わったかということも 1 つあると思いますが、その時点、時点の制度全般の中で今の日数が妥当なのかという観点から、まずは考えるべきだろうということが 1 つ。もう 1 つが、職業安定行政、能力開発行政全般ですが、労働行政全般でどのように再就職促進をやっていくのか、そういうパッケージの中の雇用保険も 1 つですので、その中で在り方を考えるということもあっていいのではないかと思っております。長いコメントで恐縮ですが、以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。青山委員、どうぞ。

○青山委員 教えていただければと思います。資料 1 7 ページで、特定受給資格者の基準の見直しです。基本的なことで恐縮ですが、労働契約締結時から労働条件の著しい相違という所があり、現行基準は著しく相違ということを前提にしております。この著しく相違ということが、どういう状況になっているか、例えば、もしそういう事例が分かれば教えていただければ有り難いです。

○奈尾雇用保険課長 労働条件ですので、いろいろ種類があると思います。最後は、個別判断ということになります。私どもとしては行政解釈上どういうものを例示してあるのか、 2 3 ありますので、それを紹介いたします。

 例えばですが、 1 つとして昼夜で交代制勤務がある事業所があって、そこで昼間の勤務を労働条件として明示されているのにもかかわらず、実際は恒常的に交代制勤務とはいえ、夜間勤務をさせられている。それから、週休 2 日制を労働条件として明示されて採用されたにもかかわらず、恒常的に毎週休日が 1 日しか取れないということが挙げられております。いずれにしても、この辺はハローワークの窓口で最後は個別に判断していくべきかと思っております。

○青山委員 ありがとうございました。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。村上委員、どうぞ。

○村上委員 資料 1 で特定受給資格者の基準について、見直しのたたき台を頂きましたが、 4 ケースについて特定受給資格者の基準の見直しをしたらどうかと提起されており、私ども労働側としては 4 つのケースのいずれも特定受給資格者に含めていくべきだろうと考えております。

6 ページの賃金不払のケースについて意見を申し上げます。賃金の 3 分の 1 を上回る額が支払われなかったケースで言えば、例えば月 60 時間を超える残業であるとか、休日労働をかなりしているのだけれども残業代、休日手当が一切支払われないという実態を理由に退職される方というのはたくさんいらっしゃるわけで、そのような方々も特定受給資格者に入れるべきであろうと思います。

 それから、 7 ページの労働条件が引き下がったという話です。労働組合があれば一時金を大きく引き下げられてしまった、なくされてしまったというケースについては交渉、協議していきます。しかし、労働組合がない場合には、個々の労働者は生活のことを考えて離職する事例がありますが、就職後 1 年以内の離職だけではなく、就職後 1 年を超えてから労働条件の引き下げが起こり離職するケースもありますので、そのようなケースも含めていくべきだろうと考えております。

 それから、 8 9 ページでは育児介護休業の関係や妊娠、出産を理由とする不利益取扱いの関係などが出されております。こちらについても、例えば、自分の会社には育休制度はないと言われて諦めて退職するケースや、妊娠、出産したことを理由に降格されて、やむを得ず退職してしまうというケースもありますので、そのようなケースも自分から辞めたいと言ったわけではなくて、やむを得ず辞めざるを得なかった方々として、特定受給資格者に含めていくべきと考えております。以上です。

○奈尾雇用保険課長 何点か御意見を頂きましたが、漏れがあったらまた御指摘していただきたいと思います。 1 点目の賃金遅配、不払です。賃金については退職手当が除かれておりますが、現実に支払われるべき賃金ということでやっておりますので、それが低下した場合、あるいは遅配した場合と考えております。

2 か月という考え方を補足いたします。平成 12 年改正後にこの基準を作ったときは、 1 か月遅配があっただけで辞めるのかなと。 2 か月ぐらい続いていった場合にやむを得ず辞める、その場合に時間的に余裕がなくて辞めるのではないかということで 2 か月にしたという経緯があります。現在で見ると、 1 か月でも辞めざるを得ないということがあれば、特定受給資格者にしてもいいのではないかと、こちらは、むしろ実態論として考えて提案しました。

 育児休業関係です。育休がないというのは法律上の請求権ですので、それは事業主の誤解というケースかと思います。それで、労働者の方が「いや、育休というのは通常は請求権であるはずです」と言っているにもかかわらず、取らせないということは、それは、 8 ページで言っている「申出があった場合、申出を拒むことはできない」に該当するのではないかと思っており、そういうケースは含めるべきと考えます。

 ただ一方で、やむを得ず降格されたという場合は、むしろ、嫌がらせなり故意の排斥に近いのではないかと思い、そういうケースに該当すれば、そちらで特定受給資格者になり得るケースかと思います。

○岩村部会長 労働条件の著しい相違のところで、確か賞与について言及されたように思います。

○奈尾雇用保険課長 賃金の解釈としては、臨時に支払われる賃金や、ひと月を越える期間ごとに支払われる賃金は除かれたものですので、通常、賞与は入らないかと思います。

○岩村部会長 労働条件の著しい相違のほうです。

○奈尾雇用保険課長 そちらも、また先ほどの個別判断に戻るわけですが、その辺りは賃金の低下をどのように見るかということでケースバイケースで判断されるべきであって、排斥はされないかと思います。

○岩村部会長 村上委員、いかがでしょうか、よろしいでしょうか。

○村上委員 はい。

○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。亀崎委員、どうぞ。

○亀崎委員 同じく特定受給資格者の基準についてです。資料 1 4 ページの➁の (8) のケースについて、離職の 1 年前に契約不更新の同意を強要された場合などにトラブルになっているケースがあります。具体例として幾つかあったのは、有期雇用の方で複数回契約を更新されていて最後に 1 回の更新をする場合に、使用者側が労働契約書に次回は契約更新しないということにサインしないと最後に 1 回の更新をしないと言われ、仕方なくサインせざるを得なくて、労働契約書に次回は更新しないとサインする事例です。

 その後離職しハローワークに行った際、ハローワークの離職票には労働者からの契約書の更新又は延長を希望する旨の申出があったにチェックを入れているのです。このようなケースの場合、ハローワークの担当者によって特定受給資格者になったりならなかったり、窓口の人の対応によって行き違いが発生しているので、ハローワークでの対応については一定のルールが必要だと感じており、その辺の徹底を是非お願いしたいと思っております。

○奈尾雇用保険課長 今、亀崎委員のおっしゃられたお話は別途、お伺いしております。典型例として、特定受給資格者の範囲というよりは特定理由離職者の範囲という話で当初聞いておりました。例えば有期契約が満了する、繰り返し更新して満了するという中で、形の上では契約更新がない場合であっても、直前の契約更新の際に今までより短い契約期間など、今までの労働条件を下回るような条件が提示されて、やむを得ず更新に応じなかった場合がある。あるいは、はっきり契約更新を希望したにもかかわらず、次回の契約内容に労働条件の低下があって、やむを得ず更新を断念したというケースについては、特定理由離職者として扱うべきだということを、 9 月に私の名前で各地方に出しました。

 これは特定理由離職者の範囲の明確化ということで出しておりますが、これで明確化ということで浸透するかと思っているのですが、仮にこういう基準で安定所によってまた違いがあるということであれば、それは実態把握上、また更に徹底していきたいと思っております。

○岩村部会長 亀崎委員、いかがでしょうか。

○亀崎委員 ハローワークでは雇用保険課長が発言されたように、これから浸透していくかと思います。しかし労働者側は、まだまだそういう通知があるということ自体を知らないものですから、労働者に対しても何かうまく周知できるようなものを今後、検討いただければと思います。

○奈尾雇用保険課長 分かりました。やり方については相談させてください。

○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。資料 1 3 ということなのですが、特段ないということでよろしいでしょうか。青山委員、どうぞ。

○青山委員 高齢者関係の話をいたします。高齢者関係の議論は大分やってきたと思いますが、前にも申し上げたかもしれませんが我が国の人口減少、それを上回る労働力人口の減少というのは、日本の直面する大きな課題になっている。なおかつ、高齢者の雇用のみならず女性の活躍雇用は大きな政策課題になっていると思います。そういう意味で私どももその推進は考えていく必要があると思っております。

 ただ一方で、高齢者の雇用については 65 歳の継続雇用ということが決まってから大分、各企業が取り組んできたテーマであると思っており、継続雇用は大分浸透してきましたし、やり方も各企業で大分工夫されて大企業、中堅、中小企業やってきたと。中でも中小企業は、昔からなのですが慢性的に労働力不足というところがあったものですから、高齢者雇用については割と先行的な事例を作ってきたと思っております。ただ、現実問題として地域、業種を問わず日本どこへ行っても労働力不足に見舞われているということは言うまでもありませんし、これからも同じような傾向が、どうしても続いていくのだろうと思います。その環境作りは当然ながら企業もやりますが、行政、政府もやっていただきたいと思います。

 高齢者の方々が持っている技能、技量、経験をいかすということは非常に重要だと思っております。特にものづくり系では、若者に対する技能の伝承という面では非常に重要かと思っており、これをもっと政策的に支援という形になればいいと思います。ただ一方で、高齢者の方は、人によって違うかと思いますが、体力の面や性差性の面、健康管理の面、やはり若い人たち、いわゆる生産労働人口の方々とは少し違っているということも、ゆがめられない事実と思っております。例えば、 65 歳以上の方々をより継続的に雇用していくという場合に、どういう職種を用意していくのか。恐らくこれから各企業で取り組んでいく必要があると思いますし、政府や行政でも支援を更にしていく必要があるかと思っております。

 実は今回の議論の中で商工所内部の委員会で若干ヒアリングをいたしました。実はこの委員会に参加している企業の中には、従前から高齢者を非常に雇用されている、例えば、パートや嘱託で雇っている企業があります。特にビルサービス業は非常に最たるものです。それも何百人単位、 1,000 人単位で雇っている所から見ると、仮にこういうことが一律適用になると、企業の負担が 1,000 万単位で増えてくるということも実は分かってまいりました。そうすると雇っている企業と、そういう労働集約で高齢者を大変たくさん雇用している所では大分、立場が違ってくるということも判明してきました。

 大企業では、恐らく労働契約で組合といろいろな契約をされておられる企業も多いと思います。それは、今現在おっしゃる 65 歳ぐらいで止まっているのではないかと思います。仮にそれを先行き大企業で伸ばすということになったときに、なかなか企業の努力では限界があると思います。そういう実態をもっと調べていただく必要があると思っております。要は、大企業、中堅、中小と立場は違っておりますが、それなりに努力している。ただ一方で、 65 歳以上の方にどういう仕事を提供していくかも検討していく必要があります。そういうことについて、より支援をしていく必要があると思っております。

 総じて言えば、日本の労働力人口不足に対して労働力化をするということは、国民的課題と認識しております。一方で、企業の実態、特にコストが著しく増加する企業に対してどういう助成措置をするかということも重要かと思っております。ですから、仮にこれを導入するとしても、 1 つは企業の実態をよく調べてほしいということ、それからもう 1 つ、実際にそこで働いている 65 歳以上の方々の御意見もよく聞いていただきたい。本当にそういうことが必要なのかも聞いていただきたいと思っております。

 いずれにしても、各企業は人手不足で悩んでおりますので何とか労働力を確保したい、特に中小の場合はそういう意識が強いので、こうした制度を導入するということになれば、実態を踏まえた助成策、支援策を打ち出しながら検討していくべきだと私どもは思っております。以上です。

○奈尾雇用保険課長 多岐にわたりいろいろな論点について御意見を頂きました。高齢者については過去 3 回のこの場において御議論いただきました。今、青山委員がおっしゃった論点については、いずれも重要なものだと思っております。順番に、お答えになるかどうか分かりませんが、まず、高齢者の能力や技能をいかすということは、当然重要な課題だと思います。基本は雇用していただいた上で、当該会社の中で伝承していくというのは一番基本型だと思います。今回の資料 3 の提案も、その文脈に沿ったものです。併せて、各企業においてどういう措置や環境整備をすれば、高齢者の方がより活躍しやすくなるかということも当然重要だと思います。

 例えば現在、高年齢者については高年齢者雇用安定助成金があります。その中でも企業内において環境整備計画書を出していただいて、それを認定して支給するという枠組みがあります。この環境整備の計画書おいて、新たな事業分野に進出した場合に高齢化に対応した職場はどのようなものがあるか、それから機械設備や作業方法、作業環境についてどのようにすれば高齢者の就労の機会がより拡大しやすくなるか、能力開発はどのようにすればいいかというものを出していただいて、その上で助成するという取組がされております。この辺りは、助成制度ですので実態を踏まえながら不断に検討していくべきだろうというのは、御指摘のとおりかと思います。

 それに関連しますが、体力低下、健康管理は前回もかなり御議論いただいたところですが、今日の資料の 3 ページにおいても、高齢者向けに健康管理制度等を導入している事業主への助成措置の検討があります。各種アンケートにおいても特に御本人調査においては体力低下や健康管理は非常に懸案事項になっております。こういうことは助成措置でも、もちろん検討しなければいけませんし、私どもハローワークでも特別に窓口を置いて、 65 歳以上の方を特に重点化した生涯現役支援窓口ということで、職業生活を送る場合どのようにすればいいのか、職業生活の再設計に係る相談支援も併せて行う予定です。

 保険料については今日の資料 3 3 ページにも書いておりますが、原則は徴収免除については廃止するというのは筋ではあるものの、まずソフトランディングで一定の経過措置をどのようにするかということ、特に多数の高齢者の方を雇用していただいている所に対する助成をどのようにするかということが、非常に重要な課題だと思っております。高齢者の多数雇用については、かつても助成金があったわけですが、その内容については予算措置ですので、御指摘のとおり、よく実態を踏まえながら、より実効性の高いものにしていくべきだろうと思っております。

 一方で、ここ数年間は高年齢者雇用開発特別奨励金といい、雇い入れた場合の助成金も充実してきておりますので、そういうことも併せながら助成措置を考えていくべきかと思っております。いずれにしても、予算措置を考えるに当たっては当然ながら実態把握は前提と思っておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

○岩村部会長 青山委員、よろしいでしょうか。

○青山委員 はい。

○亀崎委員 資料が戻ってしまうのですが、資料 2 8 ページの再就職手当の見直しの件です。基本的に方向性については、労働側としては賛同できると思っております。ただし、再就職した者の労働条件、つまり再就職後の賃金に関して、離職者が焦って低い労働条件で就職せざるを得なかったという事例が発生してしまうことについては、これまでも申し上げてきましたが、懸念が残ると思っております。したがって見直しを行う場合であっても引き続き、政策効果の検証を確実に行うべきであると思っております。

9 ページの移転費・広域求職活動費の具体的な内容として、広域求職活動費の往復 300 km要件については、是非見直しを行う必要があると、まず申し上げておきたいと思います。その上で、関連して 1 点確認しておきたいのは、第 104 回の雇用保険部会において労働側から指摘をしましたが、片道 50 km以上の場合は普通急行料金、片道 100 km以上の場合は特別急行料金を支払う規定についても、往復 300 km要件と併せて、何らかの見直しが必要だと申し上げてきたところです。

 この点については、本日の資料には記載されておりませんが、見直しを行わないのかどうなのかということを確認しておきたいと思います。よろしくお願いします。

○奈尾雇用保険課長 大きく 2 点、御指摘いただきました。まず、 1 点の再就職手当については今日の資料のとおりで、これまでも給付率を引き上げた際には一定の早期再就職効果が見られるということで提案しているわけですが、これまでの部会の場において、焦って労働条件の悪い所に就職しているのではないかという御意見を頂いております。今にわかに資料が手元に出てこないので口頭で申し上げますが、その議論についての私どもの考え方としては、例えば、雇用動向調査という再就職手当受給者に関わらない調査結果と再就職手当受給者の受給動向を比較すると、特に再就職手当の受給者の方が、その後の定着率が低いという実態にはなかったと記憶しております。

 もう 1 点の広域求職活動費です。 8 ページのたたき台としては往復 300 km要件の緩和、例えば往復 200 km以上ということで示しております。その中で、そもそも広域求職活動費の性質は何かと言いますと、安定所の紹介において広域求職活動を余儀なくされている場合に一定の費用が掛かるということに対する給付です。経費に対する支弁は、基本的に最低限のものとして必要経費を支給すると考えております。

 何が最低限かというと、基本的には国家公務員旅費法に倣うしかないと思っております。これに倣わないとすると、仮に最低限という性格が失われるとどういう議論があり得るかというと、 1 つが失業等給付は全面的には課税されていない非課税の扱いになっておりますが、そこに最悪波及する懸念がわたくしどもとしてはあります。その辺りは、やはり旅費法に倣うしかないと今思っております。以上です。

○岩村部会長 亀崎委員、いかがでしょうか。

○亀崎委員 雇用保険法施行規則第 88 条にある 50 kmと 100 kmの件の見直しは。

○奈尾雇用保険課長 その辺りの基準が正に旅費法の基準と基本的にそろえておりますので、それを上回るとなると最低限という性格は全部崩れてしまい、波及が大きいと思っております。実態を見ながら考えるのはもちろん必要だと思うのですが、一方で、制度上の必要最小限性は何かということを抑えるのも大事です。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

○亀崎委員 はい。

○岩村部会長 ほかはいかがでしょうか。深澤委員、どうぞ。

○深澤委員 今、おっしゃっておられました移転費・広域求職活動費については、効果を測定しながら早期の再就職につなげるというものだと思います。法律上の問題もあると思うのですが、効果を測定しようにも給付自体がされていないと分からないということがありますので、少し工夫をして何らかの給付をまず始めてみる形で提示をいただけたらと考えております。いずれにしても、こちらの要件を緩和することで促進していくことについては、是非そのように進めていただけたらと思います。

 再就職手当の見直しについても同様で、給付率の引上げに伴って早期の再就職が促進されるということでありますので、そのようにと考えるのですが、同様に効果の測定をきちんと進めていくということで、是非お願いできたらと思います。

○奈尾雇用保険課長 御指摘のとおりで、今日の資料 2 5 ページにおいても 26 年の支給実績を書いております。移転費が 400 人、広域求職活動費が 70 人というオーダーで、受給資格決定件数と比較すると少ないということは御指摘のとおりです。最大の要因は、なかなか受給者の方に周知が行き届いていなかったということが、私どもの反省点としてあります。

 最近はどうしているかと申しますと、受給資格者のしおり、これは受給者の方が最初に必ず目にする冊子で、初回受給説明会で必ず説明しております。その中で必ず広域求職活動費や移転費について触れていただくようにということを、まず全国のハローワークに徹底しました。移転費・広域求職活動費については厚生労働省のホームページにおいても周知を進めております。まず支給が本当に必要な方には支給をきちんとやるということは基本ですので、その上で効果検証を進めていくということで、正に御意見のとおりやっていきたいと思っております。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。

○深澤委員 はい。ありがとうございます。

○岩村部会長 資料 1 3 について、ほかにございますか。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員 高齢者関係で、先ほど青山委員から「実際に雇い入れている企業あるいはこれから雇い入れていこうとする企業の声を聞いてください」、加えて、「働いている人が今後は、保険料を払う形でセーフティネットの対象になることについても声を聞いてください」という話がありました。

 その際、どうしてもまだ抜け切れていない、整理ができていない部分があります。 64 歳までの方々と同率で、 65 歳以上の方々についても保険料を仮に払っていただくという前提に立ったときに、額は違っても同じ率で払っているにもかかわらず、一方は基本手当、一方は一時金ということの整理をどのように付けていくのか。いまだに疑問があります。

 いずれにしても、高齢者の雇用を促進していくことについて言えば、現時点でもセーフティネットの対象にするかしないかにかかわらず、労働政策、雇用政策として、これまでも十分に対応してきたと理解していますし、仮に適用しなくても、雇用促進に向けて政策展開することは可能であると思います。

 今回新たな形での枠組みをスタートさせるということであれば、それを支える側、保険料を払っていく側の納得性がどこまで取れるかに尽きると思います。現状払っている方々について言えば、財政的にはそれほど影響がないという御説明もありましたので、むしろこれから払っていく方々から、保険料を負担することについての納得性をどこまで得られるのかについて、次回以降に資料をお出しいただければと思います。

○村上委員 資料 3 についてです。遠藤委員もおっしゃいましたが、 65 歳以上の方にも雇用保険を適用していくというときに、一般の被保険者ではなくて、なぜ高年齢被保険者という提起をされるのか、つまり今までの適用除外を原則適用に戻す場合に、なぜ違う類型を設けるのかという点と、給付についてなぜ基本手当ではないのかという点が疑問として残ります。

 基本手当については、以前に「年金との併給調整があるので」という説明もありましたが、年金の水準が不十分な方については、ひょっとしたら一時金よりも基本手当、併給調整され年金が支給されなくても、雇用保険の基本手当をもらうほうがいい方もいらっしゃると思います。そういうときに、せめて選択制として、保険料を新たに支払って給付が受けられるということであればいいのですが、そうではなくてなぜ一時金なのかという点について、もう少し御説明を頂ければと思います。

○岩村部会長 雇用保険課長からお願いします。

○奈尾雇用保険課長 これも、これまでの 3 回の部会におきまして検討されてきた点かと思っております。まず、御本人の意見を聞くということは、正にその辺りが ILO 条約の要請かと思っておりまして、それは労働行政全部共通なのですが、働いている方、御本人の意見を聞くために、三者構成を取っていると理解しております。

 そういう中で、まず一時金なのか基本手当なのかですが、どういう給付をすれば最も生活の安定なり、就職の促進に資するかという点で給付が決められているというのが原則かと思います。

 それから、被保険者の資格が異なるという点については、給付が違うというのも 1 つあるのですが、もう 1 つは受給要件が違うということがあります。一般の方については、基本手当の受給に当たっては 12 か月の被保険者期間ですが、高齢者については 6 か月の被保険者期間ということで、いわば緩い感じです。

 そういう中で、一時金である趣旨は、これもこれまでに説明してきたとおりですが、就職経路が一般の方と違いまして、縁故採用とか、知人に紹介をお願いするといった傾向が高いということで、その辺りは定期的に認定するよりは一時金として支給し、その一時金を元に求職活動をしていただいたほうが求職が進むという理由です。したがって、どちらが有利なのかどうかという観点よりは、どうすれば就職が進むのかという観点で給付は決められているというのが 1 つございます。

 もう 1 個は、年金との関連です。これも前回までに何回か説明したかと思いますが、年金との併給調整は、基本手当なり高年齢求職者給付金の性格によって決定されるということが基本かと思います。基本手当については、基本手当の受給資格決定の翌月から基本的に年金が支給停止されると理解しておりますが、そういう中で高年齢求職者給付金については完全に併給されると。それは基本手当とは性格が違うので併給されるということがあり、その性格の違いというのは、どうすれば就職が促進されるかということと関連していくであろうと思っております。

 前回までの説明と重複で恐縮ですが、現時点での私どもの考え方としては以上です。

○遠藤委員 確認です。被保険者区分を変えるということは、今後の議論に委ねる部分があるのかもしれませんが、保険料についても異なる水準で適用していくこともあり得るという理解でよろしいでしょうか。

○奈尾雇用保険課長 これは実際の企業実務とも関連するのかと思うのですが、基本的には雇用保険の保険料というのは、 1 種類が原則ではないかと理解しております。したがって、今日のたたき台にはそういった関係で、保険料については原則徴収免除を廃止し、原則どおり徴収ということだけを書かせていただいていて、基本は 2 種類は作る必要はないという御提案です。

○遠藤委員 私は「納得性」というキーワードを連発しているので、聞き飽きているというか、勘弁してくれということなのか、理念的にどう対応していくかを考えたときに、その理念に埋もれてしまって納得できないまま盛り込まれてしまう人がいるということは、私は本末転倒だと思います。そういう意味でいうと、全体の制度設計をしたときに対象になってよかったと思っていただけるような形で議論をしていくために、今日まで使側としてこの席にいると理解していますので、最終の絵姿を見届るまでは、繰り返しになりますが「納得性」という言葉は使わせていただければと思います。コメントは要りませんので、以上です。

○岩村部会長 先ほど遠藤委員から、「また次回に資料を」という話がありましたが、その点はいかがですか。

○遠藤委員 払っていない方から払ってもらう場合の、すごく小さなサンプルは出てきたと思うのですが、それ以外の形で何か取り得る術があれば、もう少しデータとしての追加は頂きたい。ただ、現状これまでもそうでしたが、可能な限りの手を尽くしていただけているので、もし御回答があれば、新たな資料は結構です。

○岩村部会長 雇用保険課長、いかがでしょうか。

○奈尾雇用保険課長 今日が 11 25 日でして、今後のスケジュールの制約はあるわけでございます。仮に、御本人方の意見を聞くとなりますと、それなりの期間は必要かなと思っております。

 ごく限られたサンプルということであれば、技術的にはできなくはないかと思うのですが、それでは全体の実態を把握したことにはならないと思いますので、基本はこれまでお出し申し上げた資料により御議論いただければ有り難いと思っております。

○遠藤委員 先ほど青山委員から、企業の 1 例を挙げさせていただきましたが、今後ともそういう会員企業のお声の中で、仮に従業員の方々のお声も拾えるということがあれば、参考までに御提供させていただければと思っています。

○岩村部会長 分かりました。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、資料 1 から資料 3 までについては、この辺までとさせていただきます。

 用意していただいている資料としては資料 4 、資料 5 がありますので、それについて事務局から説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○長良雇用保険課調査官 資料 4 「労働者のキャリア形成支援について」です。内容は教育訓練給付の関連です。 1 ページは、既に提出した教育訓練給付の支給状況です。平成 26 年度一般教育訓練給付で約 12 万人、 45 億円程度です。 2 ページが、教育訓練給付の支給の前提となる問題意識についてです。労働者が自己啓発をやるに当たっての課題で、時間と費用というところで、教育訓練給付はこの費用面についての対応を図るという確認です。

3 ページはキャリアコンサルタントについてです。キャリアコンサルタントは個人の適性や経験などに即した職業選択や能力開発を支援する相談、いわゆるキャリア・コンサルティングを担う人材と定義されており、「キャリア・コンサルティング技能士」、「標準レベルキャリア・コンサルタント」から成るということです。これらを有資格者という形でカテゴライズしておりますが、約 5 万人弱という状況であり、公的機関、企業内、教育機関といったところで、各々 2 割程度ずつ分布しているという状況です。

4 ページはキャリアコンサルタントの登録制度です。能開法の改正が来年 4 月に施行されるわけですが、このキャリアコンサルタント制度を法定化し、 5 年更新の登録制、守秘義務を設けるといった内容の制度が創設されるということです。

5 ページが、社外で利用できるキャリア相談のニーズです。自分で費用を負担してでも利用したいという方は、正規、非正規問わず僅かでありますが、費用を負担することなくという条件を付ければ、大分割合は広がり、 2 3 割という水準に達しております。

6 ページは、いわゆる有料のキャリアコンサルティングの価格設定の分布を調べたときには、 5,000 円から 1 万円が 1 回頭という相場感ということです。

7 ページは、平成 26 年に創設した専門実践教育訓練の訓練前キャリアコンサルティングの状況です。これはハローワークをキャリアコンサルタントが巡回し、予約制で相談をやります。目的は、適切な教育訓練の選択につなげるという中身です。原則 1 回で、自己理解、職業生活設計、目標の明確化、それを踏まえた受講すべき講座を検討し、ジョブカードを記載、交付という流れをたどるということです。

8 ページが、この専門実践の訓練前キャリアコンサルティングを受けた方のアンケート調査です。平成 27 4 月開講分の回答者に関して、一番下の段ですが、「目的が明確になった」「キャリア形成の方向性を整理できた」「より適した訓練の選択につながった」というような方々が、それなりにいらっしゃるという状況にあります。

9 ページは、教育訓練給付に関連して、 9 月に御議論いただいた際の議論を整理したものです。企業側のキャリアマネジメントと個人の自発的なキャリアコンサルティングの取組はセットでやる必要があるのではないか。キャリアコンサルティングのニーズ、有効性については、十分な実績がないのではないか。職業経験を積んだ方に関しては、むしろ企業内で実施するというのが効果的ではないか。中小企業にキャリアの相談体制を作ることは難しいので、何らかの無料の相談窓口を作れないか。キャリアコンサルティングの価格に関してばらつきがあるので、制度として作るのであれば、ある程度の標準価格を検討していく必要があるのではないか。仮にキャリアコンサルティングだけを受けて、訓練を受講しない場合にも、本当に一般教育訓練給付を支給する必要があるのかというと疑問である。労働者一人一人の生産性を上げていくという観点から、この教育訓練給付に関しての拡充の方向性を整理したということです。

 以上を踏まえて 10 ページは見直しのたたき台です。 2 つ目の○ですが、一般教育訓練の受講に当たって、労働者が自己負担により企業の外部でキャリアコンサルティングを受けた場合について、一般教育訓練給付の対象としてはどうかということです。意味としては、自分で訓練を受ける前にキャリアコンサルティングを受けて、その上で訓練を受講して、修了して、教育訓練給付の支給申請をする際に、そのキャリコンの経費も含めて、教育訓練給付の対象とするというようなことであって、あくまでも教育訓練の受講修了が前提となることは変わらないということで考えているところです。

 なお、給付対象のキャリアコンサルティングについては、先ほど説明した国家資格の登録者などに限定してはどうか。価格設定については、ばらつきがかなりあるので、上限額を設けてはどうか。この検討と併せて、企業内のキャリアコンサルティングの体制に関しての支援の拡充も検討したいと思う。こういう形で整理させていただいております。

 続いて資料 5 です。「育児休業給付・介護休業給付について」です。育児休業給付に関しては本部会では初出の話になりますが、現在の雇用均等分科会の議論の状況を紹介し、それに関する対応をどうするかという観点での御議論かなと思っております。

1 ページ、まず介護休業制度です。分割取得に関しては、本部会でも 11 2 日のときに御議論いただいたかと存じます。分割して取得できる回数に関して、 3 回程度とすべきではないか、休業できる期間については、通算 93 日のままという形で、 11 12 日の雇用均等分科会で資料が提示されています。

2 ページは、そのご議論があった際に、「介護に係る両立支援制度がないため」という回答をされる就労者・離職者が非常に多いというようなデータを紹介させていただいた関係で、そのデータをお示しするものです。

3 ページです。続いて、有期契約労働者の育児休業取得についての雇用均等分科会の資料です。現在の要件は一番下の●に 3 つありますが、今、現在議論になっているのが➁➂です。➁子が 1 歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること。➂子が 1 歳に達する日から 1 年を経過する日までの間に、労働契約期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないことが明らかである者を除く。このような要件になっています。

これについて真ん中の辺りですが、現行の要件➁➂について、以下のとおりとすべきではないかと。

1 6 か月までの間に労働契約期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないことが明らかでないこと。このような要件に➁➂を統一したというような整理が提示されております。

4 ページは介護休業の取得要件について、同様の考え方で、介護休業の開始日から起算して 93 +6 か月を経過する日までの間に契約の期間満了、労働契約更新がないことが明らかでないこと、という要件にしてはどうかということで提示されております。

 続いて 5 ページ、 6 ページです。こちらは「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」より、今年の夏にまとめた資料です。現在、この雇用検討分科会で議論になっているテーマの 1 つに、育児休業の対象となる子の範囲というのがございます。「子」というのは、法律上は実子プラス養子という形で整理されているところですが、いわゆる法律上の親子関係ということになります。いろいろ書いておりますが、 6 ページの対応の方向性として、 1 つ目の○の 4 行目、法律上の親子関係に準じる関係と言えるか否かという観点から検討という方向性が提示されており、このような観点から特別養子縁組の監護期間あるいは養子縁組里親といったところに関して、何らかの対応をすべきではないかという方向性が示されております。

7 ページです。育児・介護休業給付に関するこれまでの意見です。 11 2 日に介護休業をテーマにした際のご議論をまとめたものです。介護休業給付の実績が非常に少ないことについて、制度の問題か周知の問題か、それによって対策が違うのではないか。介護休業の分割取得についても、給付の趣旨には合致するので対象とすべきではないか。介護による離職者の中には勤務地自体を変える人も多いので、分割取得を認めたとしても離職を防止できないケースはあるのではないか。分割取得については、先ほど紹介しましたが、最大の取得回数についての議論をしておりますので、これを踏まえて対応すべきではないか。給付率について、育児休業給付と同様、介護休業給付についても 67 %にすべきではないか。育児と介護は事情が異なることがあり、給付率の引上げが離職を防止するための唯一の回答とは言えないのではないか。育児休業給付については、 1 か月当たりの就業が 10 日を超える場合も 80 時間以下であれば、給付の対象にできるということがあり、介護休業給付についても、同様に措置してはどうか。以上のような御意見がありました。論点は前回お示した論点と変わりませんので、省略いたします。

8 ページ、見直しのたたき台です。まず、介護休業給付の点です。これは介護休業による賃金の喪失を失業に準じた保険事故と捉え、雇用継続を促進するための給付となっておりますが、現在、制度の利用者が非常に少なく、平成 26 年の給付の実績は 9,600 人にとどまっています。現在、雇用均等分科会において、介護休業制度等の見直しについて議論が行われておりますが、その中で介護休業の分割取得を可能とする方向で検討が進められています。

 この介護休業の分割取得については、雇用継続にプラスの効果が見込まれるということも踏まえ、雇用均等分科会において、一定の要件の下で介護休業の分割取得が可能となったという形で、議論がまとまった場合には、給付面についても対象としてはどうかというのが 1 点です。

 次に給付率です。介護休業給付は平成 12 年の改正以降、 40 %とされておりますが、いわゆる介護離職の防止のための早急な対応が求められているということです。それから、介護期間中の所得保障が雇用継続にプラスの効果が見込まれるということです。同じ雇用継続給付である育児休業給付については、順次給付率が引き上げられて、平成 26 年改正後は 67 %となっています。こういうような状況を踏まえて、介護休業給付の給付率についても、 67 %に引き上げることとしてはどうかというのが 2 点目です。

 さらに、育児休業給付に関して、期間雇用者の扱い、あるいは対象となる子の範囲などについて、雇用均等分科会において議論が行われておりますが、これらの議論を踏まえて、給付面でも所要の対応を講ずることとしてはどうか。こういう形で、たたき台をまとめているところです。 9 ページ目以下は参考資料ですので、説明は省略させていただきます。

○岩村部会長 それでは、今事務局から説明いただきました資料 4 5 について、一括で御意見、あるいは御質問を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○三島委員 資料 4 と資料 5 について、それぞれ意見と質問をいたします。まずは、資料 4 10 ページのたたき台についてですが、これまでも雇用保険制度の見直しについては、セーフティネット機能を強化する観点から、必要な給付項目の改善を図るべきだということを意見として申し上げてまいりました。その中で、趣旨の中にセルフ・キャリアドック ( 仮称 ) とありますが、こちらは労使の代表が参画しない産業競争力会議などの議論を踏まえて閣議決定された内容です。この内容については労働政策審議会や職業能力開発分科会で本格的な議論がまだなされていないという認識を持っておりますが、このように部会資料にセルフ・キャリアドック ( 仮称 ) と記載されておりますと、既成事実の積重ねというか、なし崩し的と見られかねない議論の進め方は少し違和感があることを 1 点申し上げたいと思います。

 この施策を政府として進めるのであれば、その財源は一般財源として進めていくべきだと考えております。今後、この本施策を一般教育訓練給付の対象とすることを検討する場合であっても、給付対象とするキャリアコンサルティングの中身などをきちんと精査する必要があることは、これまでも申し上げてきております。この見直しの中の 3 つ目の○にもありますように、国家試験として登録された者が行うキャリアコンサルティングだけを対象とすることは当然であると思っております。

 次に、資料 5 8 ページのたたき台の 3 つ目の○の、介護休業給付の給付率の見直しは、やはり記載のとおり 67 %にすべきだと、労働側は考えております。また、これも第 106 回雇用保険部会で申し上げていることですが、介護休業給付の給付率を見直すときには、給付率の見直しに連動させて現行の給付上限額の 17 520 円も引上げを行うべきと意見をいたしました。この点については、どう考えているのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。

○岩村部会長 御意見と御質問だと思いますので、雇用保険課長お願いいたします。

○奈尾雇用保険課長 まず、資料 4 関係については、御意見が多かったと思います。コメントを加えておきますと、産業競争力会議のほうの議論はいわばきっかけで、今後のキャリア形成支援を考えるに当たって、教育訓練給付をどう活用すべきかという観点でも、私どもは考えるべきだろうと思っております。セルフ・キャリアドックについては、これは今後予算措置で決まるものもありますが、教育訓練給付の受講に当たってどのような支援ができるかという観点で、今回たたき台を作らせていただいております。そういう中においては、今の教育訓練給付というのは、教育訓練を受けないと失業を余儀なくされるおそれがあるということで、労使折半の保険料を原則にしているということかと理解しております。仮に、キャリアコンサルタンティングを受ける場合も、その延長線上で考えるのが普通の姿かなと思います。

 その上で、実際効果がないといけない、これは確かに御指摘のとおり、実際の効果があって然るべきものという考え方からすると、今日の資料の 10 ページにありますとおり、一定の人は担保が必要ということで、私どもとしても国家資格として登録された者が行うということで、今日提案をさせていただいているという経緯です。

 もう 1 つが介護休業給付で、資料 5 8 ページにありますが、提案としては給付率 67 %ということで、今日のたたき台を出させていただいております。上限額を設定しているのは、そもそも育児・介護休業給付両方の趣旨ですが、育児休業なり介護休業なりをそのまま何も措置しないで放置しておくと、失業に結び付きかねないということで、失業に準じた保険事故として考えているためということからすると、本体の失業給付と同様に何らかの上限額は必要であろうということで、現在の上限額はつくられております。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

○深澤委員 今の介護休業給付についてなのですが、介護離職の抑制、防止の趣旨に関しては、何ら異論があるところではなく、是非そのようにと考えております。まず、 67 %の根拠は何だったのかをもう一度教えていただけたらと思います。と言いますのも、分割取得に対しては、休まれた期間が短いことも実績としてありましたので、離職者の抑制につながる効果が見込まれるのではと思うのですが、既に介護休業を取っていらっしゃる方の給付を増やすことで離職される方の抑止につながるというところが、どうもよく分かりません。給付率を増やすことが、離職者抑制につながるのはなぜなのかが理解できず、その辺りの 67 %の根拠と、給付を増やすと離職が防げるという辺りを教えていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

○奈尾雇用保険課長 資料 5 14 ページにも付けておりますが、御案内のとおり、介護をしている雇用者に占める介護休業取得者の割合は、前回までに御説明したとおり、約 3 %しかありません。介護休業が取れない、あるいは取りにくいために離職された方というのは、直接的なデータはなかなか取りづらいですが、一定程度いらっしゃるのは事実かなと思います。そういう中で、 1 つの回答としては分割取得を取りやすくするというのはあると思いますし、あるいは休業状態についてその介護休業給付なりの給付率を上げることにより、より休業しやすくすることも否定はできないかなというのが 2 つ目です。この 2 つ、分割取得の件と、介護休業の給付率を上げることによっての休業の取りやすさの 2 つで考えていくべきであろうというのが、今日の御提案の趣旨です。

 その際に、なぜ 67 %かという御提案の趣旨ですが、育児休業給付の給付率が 50 %、 67 %で、基本は育児休業にしても介護休業にしても、そもそもの趣旨が当該休業を放置しておくと失業に結び付きかねないからということで、準失業状態と捉えているのは共通です。その共通の趣旨から見ると、給付率も共通というのは自然な考え方ということで、 50 67 があるわけですが、介護離職者の方が一定いらっしゃるという中では、介護休業のインセンティブを与えることも重要かと思い、 67 %という提案をさせていただいているところです。

○岩村部会長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○遠藤委員 使側でも議論したので、課長もコメントに困っていらっしゃると思います。介護休業が取りにくい状態にある方が、休業しないで継続できるのであれば継続するという選択肢もあるわけです。それなのに、 67 %にしたから、休んでくださいという理屈がよく分からないです。

○岩村部会長 いかがでしょうか。

○奈尾雇用保険課長 御指摘のとおり取りにくければそのまま休業しないで継続される方もいらっしゃると思うのですが、一方取りにくいので継続できずに辞職される方も一定程度いらっしゃると思うので、そういう方は休業を取りやすくするという趣旨かと理解しております。

○遠藤委員 休業が取りにくい方が離職してしまうと、その方は失業手当をもらうなりして、結局ダウンするわけです。

○岩村部会長 私からお話させていただいたほうがいいかもしれません。恐らく、目指すところは、要介護状態の家族を抱えたときに、介護をするということと仕事を続けていくということを両立させていきたいというのが、多分一番大きな目標なのではないかという気がいたします。育児休業もそういう発想で、基本的にはできているのですね。ただ、それを雇用保険の側では、いわば育児休業や介護休業を準失業のような形で構成しているということではあるのですが、制度そのものの目的は育児なり介護なりと職業生活を両立させていくための支援をしましょうというもので、それがもともと育児休業であり介護休業であります。その際ノーワーク・ノーペイを貫くと賃金が出ないので、休業期間中賃金の一部を雇用保険のほうで給付という形でお出しすると。そういう形によって、両立を支援していきましょうというのが全体像だと思うのですね。

 したがって、逆に言うと、確かに使側で今おっしゃっていただいたように、離職をやむなくされて辞めてしまえば失業者になり、雇用保険の給付がもらえてという話につながっていくわけですが、むしろ雇用保険も含めた全体政策の目的はそちらにいかに行かないようにするかというところにあると、私は理解をしているのですね。そういう意味では、できるだけ雇用が継続されつつ、しかし育児なり介護なりも両立できる方向にするためには、どうしたらいいかということで議論をしていると。その中から、今回結局、分割取得を認めて取りやすくする、あるいは、 67 %に給付率を上げて、少し所得補償を手厚くすることにより、辞めてしまうよりは介護休業を取得する、そういうほうにインセンティブを向けるということではないかなと思っております。

○苧谷次長 私は、こちらに来る前に老健局におりまして、介護の実態を実際に見てきたところです。今、使用者委員がおっしゃったように、必ずしも要介護家族を抱えていらっしゃる方は、理性的に考えるわけにもいかないところがあり、もし収入が途絶えるのであれば、働き続けてということで、どうしても自分で抱え込んでしまう傾向にあります。それが、仕事もしながら介護もしていると、どうしても大変なことになってきます。そのために、介護保険制度があり、いろいろと給付はしているのですが、実際それによって行き着く先、ダウンしてしまい、その段階で結局離職せざるを得ないということがありますが、その前の段階で休業に対する収入があれば、かなり状態は変わってくるだろうという認識があります。

○遠藤委員 育児休業の場合と介護休業の場合の担い手を比較したときに、恐らく年齢差は相当程度あると思います。年齢差があるということは、勤続年数も長くなっているので、水準としても上がると思います。一定水準をある程度満たしているであろう方々が、 50 %を超えて 67 %になる効果と 50 %でとどめる効果は、さして差がないのではないか。先ほど深澤委員が言われたのは、出産手当の水準見合いで議論してきて、もちろんドイツの事例もあったこともあり 67 %にしたわけです。介護は、同じ雇用保険制度の中の休業給付という理由だけで 67 %に合わせるという根拠が、どうも使側としては薄いのではないかということで、質問をさせていただいています。

 それから 2 点目として、介護休業を取る場合、決して長期に取ろうというのが制度設計ではないですから、むしろ短期で休業を取って復職してもらい、場合によっては短時間勤務をしていただくことも視野に入れて、企業は法定を上回る形での対応をしている現状等を考えたときに、いきなり 67 %なのか。使側としてはまず 50 %という水準があるのではないだろうかということが根底にあって、幾つか質問させていただいています。

○村上委員 今の遠藤委員の御指摘なのですが、介護休業を取得する「介護」とは、親の介護とは限らないわけで、子供の具合が悪い場合とか、怪我をしたとか手術したという場合であっても、介護休業の対象にはなるわけですし、配偶者の不慮の事故も対象になるわけです。年齢層が違うということのみを理由にして、給付率を 67 %に引き上げることに反対するというのは、少し根拠としては薄いのではないかと感じております。

○遠藤委員 介護休業を取得されている方の数が少ない理由として、御説明するまでもないかと思うのですが、有給休暇が 50 %程度しか取得されていない中で残日数があることと、失効してしまった有休を積み立てて、積み立てるときの取得目的の中に介護を入れ、 100 %出る形で取っている実態があるかと思います。繰り返しになるのですが、介護休業について、短い形でセットしようというモデルを考えていると私どもは理解しています。 93 日の中で長めに取っていこうという考え方を持つのであれば、先ほど村上委員がおっしゃったような形で、一定程度の所得減の部分を補う仕組みというものも理解できるのですが、そこまでの制度上のニーズはないのだろうと考えます。だから、 50 %でいいのではないかということです。

○奈尾雇用保険課長 いろいろな御意見が出たところですが、まず分割の話で申しますと、今日の資料の最初のほうにも、均等分科会の議論を御紹介しておりますが、 93 日という中で分割して取れるようにするという提言かと思います。今でも上限が 93 日とあるだけですので、 1 日単位で取れるなら現在でも取れるわけで、そこは短い形でも取れるようにするといいますか、そこはむしろ回数の制限をなくしていくことが重点かと思っております。その中での給付率ですが、 67 %、 50 %というのが育児であるわけですが、 67 %という設定の根拠のもう 1 つとしては、失業等給付の給付率が上限 80 %ということがあり、それとのバランスも一定あろうかということで 67 %にしているという点もあり、この辺りの性格は育児も介護も両方共通化ということで、今日のたたき台としては 67 %を出させていただいております。

○村上委員 今、介護休業について、通算 93 日を前提に議論をしているわけですが、労働側としては 93 日で分割というのはもちろん必要だと思っておりますが、本当に 93 日だけで十分だと考えているかというとそうではなくて、やはり育児休業並に 1 年ぐらいの幅をもたせていただいたほうがいいと思っております。ただ、これについては雇用均等分科会において議論されていると思いますので、雇用均等分科会での議論の状況などを少し伺えればと思ったのですが。

○中井職業家庭両立課長補佐 均等分科会の議論の状況ですが、一応報告書のたたき台という形で出させていただいている内容はこちらと同様で、通算して 93 日のままとすべきではないかという形では出させていただいております。ただ引き続き、そこの期間についてどうすべきかというのは、まだ労使間で隔たりがあるところです。例えば、介護施設に入るまでの間を特例的に延ばすべきではないかといったようなところで、今引き続き御議論を頂いているところです。

○村上委員 今の点については了解いたしました。雇用均等分科会で、特例や延長などの議論があれば、こちらの雇用保険部会での議論も併せていくべきであろうと考えております。それからもう 1 点、有期契約労働者の育児休業の取得要件については、本日の資料の 3 ページなどに出されておりますが、同一事業主要件を見直さないのかという課題意識があります。就業継続が制度の目的であるということは理解をしておりますが、雇用保険の側で見ると、同じように保険料を納めてきて被保険者期間があるにもかかわらず、企業に育児休業制度があり、 1 年以上継続勤務していなくても育児休業が取得できる場合があり、そういう企業で育児休業を取っても給付が出ないというような問題があります。その点に関しては、雇用保険に関する事務局からの見解も伺えればと思います。

○奈尾雇用保険課長 同一事業主要件もそうですし、ほかの要件も共通なのですが、基本的に雇用保険法上の給付は、強制適用の労働者について原則給付するということからすると、請求権で認められた範囲にすべきであろうというのは原則です。その請求権の範囲が今の育児休業でいいますと、同一事業主要件ということであれば、そこに合わせていかないとかえって不公平が起こってまずいのではないかということで、今これに合わせているということで、この考え方は維持する予定です。

○岩村部会長 先ほどの給付率 67 %の話ですが、使側の御指摘も確かに分かる気もするのですね。実際には、通常当初は年休で対応していって、通常の実務でいうと繰越分も使ってとなる。それから、なお足りなければ介護休業という形でいくというのはおっしゃるとおりだと思うのですが、多分今の問題というのはその時点に達したときに、現状では結局給付率 50 %である。先ほど次長の話もありましたが、 50 %しかもらえないというところで力尽きてしまって辞めてしまうというのが、恐らく問題になっているのかなという気がするのですね。ですので、そういう意味では先ほどの繰り返しになりますが、 67 %ということで育児休業と並べる形にして、少しでも就労を続けるインセンティブを強めるということには意味があるかなと、私自身はそのようには考えているところです。

 資料 4 5 はよろしいでしょうか。それでは、最後にもう 1 つ重要な問題を扱っている資料 6 があります。これについて、事務局から説明をお願いいたします。

○長良雇用保険課調査官 資料 6 です。 1 ページ目は、前回提出した資料と同様で、失業等給付の収支状況です。直近は、平成 26 年度決算値で、積立金残高は 6 2,586 億円という状況です。 2 ページ目は、長期時系列で積立金残高と受給者実人員の推移をグラフ化したものです。 3 ページ目は雇用保険二事業の関係収支、平成 26 年の決算数値まで出ており、安定資金残高は 8,329 億円です。雇用保険二事業の関係は、弾力条項が発動されることになり、平成 28 年度より保険料率二事業分に関して 1,000 分の 0.5 下がるという形で、今動いております。

4 ページが、今回新しい提出資料です。今後 5 年間の収支見込みに関して、前回の御議論を踏まえ、前回は 61 万人の受給者実人員を想定してシミュレーションを取りましたが、若干その数字を変えました。 1 つは、リーマンショックを除いて一番良いとき、これは実は昨年で、実人員 47 万人です。過去 10 年のうち、今度はリーマンショックを除いて一番悪いとき、これが平成 22 年で、実人員 65 万人という形で、それぞれ試算をしてみました。試算の結果に関しては、結論を申し上げれば、いずれのケースでも 5 年間を通じて弾力倍率 2 倍を下回ることはなく、積立金残高についても 4 兆円以上という形になります。それを数字で示したものが、次の 5 ページに整理をされております。受給者実人員 47 万人のケースで申しますと、平成 32 年度の積立金残高が約 5 8,000 億円。 61 万人のケースについては、 4 8,000 億円。 65 万人のケースについては、 4 5,000 億円という形の収支見込みを取っております。 6 ページは、今申し上げたものをグラフに示したものです。

7 ページは、前回の御意見をまとめたものです。積立金が過去最高水準となっていること、あるいは現行を下回る料率であった時期もあることを踏まえて、保険料を引き下げるべき。一方で、保険料については、安易な引下げではなくて、給付の改善という方向で検討すべきと。大きく分けて、この 2 点の御意見があったと捉えております。

 最後に論点ですが、これも前回と同様です。 2 つ目の○、雇用失業情勢がこの 10 年間の平均的なケースより悪化したケースにおいても、これは 65 万人の実人員を想定しておりますが、その場合でも弾力倍率が 2 倍を下回ることはないことに関してどのように考えるかという形で、若干論点を修正しているところです。以上です。

○岩村部会長 ただいまの説明に関して、御意見あるいは御質問がありましたらお出しいただければと思います。

○亀崎委員 資料 6 2 ページに積立金があります。いわゆる IT バブルの崩壊等の影響により雇用情勢が悪化したことがあり、積立金の残高がグッと下って平成 14 年には 4,000 億円近くまで下がるわけですが、その後 6 兆円を超えるまで積み上がったということの要因としては、過去 2000 年、 2003 年改正の二度にわたって労使の苦渋の決断で基本手当の給付水準を引き下げたことがあり、これまで労働側としてはそれを申し上げてきたところです。労働側としては一貫して、雇用保険の財政収支が改善した以上、基本手当の水準は当然引下げ前の水準に回復させる方向で議論すべきと意見を申し上げてきたところです。

 そこで、本日資料 6 4 ページ以降には、今後の 5 年間の収支見込みの資料が出されているわけですが、これを見ると堅め堅めの赤字予算が見積もられており、給付改善の議論が阻害されていることを懸念いたします。ここには、給付水準を回復させた場合の試算が含まれていませんが、これについて厚労省の今後の見解をお伺いしたいと思っております。

○奈尾雇用保険課長 以前、同じような指摘が確か 9 月の部会の場であったかなと記憶しております。そのときも、この平成 12 年、 15 年改正、いわば制度改正の寄与分を考慮した上で収支見込みを考えていただきたいという御指摘が、労側の委員の方からあったように記憶しております。そのときも、給付というのはその時々でどういう給付があるべき姿かを考えた上で現在の姿ができていて、 12 年改正前の姿があるべき姿とは一概には言えないという話を申し上げたかと思っております。その上で、その前提で今日はこの資料 6 4 ページのような実人員で出させていただきました。

 平成 12 年、 15 年改正の効果は先ほど申し上げましたので繰り返しませんが、 12 年改正の前は平成 6 年の改正で、こちらはどちらかというと給付の拡充を行ったわけですが、その前の昭和 59 年改正においては、平成 12 年、 15 年度改正と似たような改正をやっております。それは、その時々の政策的必要性からやっているという前提からすると、今日のような資料になるのかなと思い提案させていただきました。

○亀崎委員 すんなりと納得できる話ではありませんが、その上で 7 ページに論点案があるわけですが、労働側としては基本手当の水準を回復させることなく、雇用保険料を安易に引き下げるべきではないと考えており、それを強く申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 ほかにはいかがですか。

○小林委員 労側とは違い、使側は是非とも雇用保険料率を引き下げていただきたいということでまとまっております。この 3 つのパターンですが、失業等給付の受給者実人員を今まで厚労省は 61 万としていたのを、過去 10 年間のうち、リーマンショックを除き、一番悪いときの 65 万人を想定しても、計算すると 5 ページに書いてありますが、 4 5,000 億円の積立金の残高が残っている状況となり、最悪なケースが起きても十分にまだ積立金があるということになります。過去でいくと 1,000 分の 8 でしたか。更に上乗せしても大丈夫な財政状況が多分あるのだろうと思いますので、十分な雇用保険料の引下げをしていただきたいと思います。これは、使側のみの意見ではなく、労側も労使折半の保険料ですので、その辺りは納得いけるのではないのかと私は思っているところです。

○岩村部会長 ほかにはいかがでしょうか。

○青山委員 先ほど、高齢者関係のお話があったときに、労使で、また付加で追加で負担していくというような話がありました。一方で、実はこれから経済の好循環をつくり上げていく意味でも、特に中小企業の大きな経営課題の 1 つとして、実は社会保障の負担が非常に大きな経営コストになっていることが、今問題になっております。毎年毎年挙がっております。そのようなところについては、なかなか売上げが伸びない所においては、雇用を萎縮させている、そのような企業もあります。ですから、こういう状況の中で、その一端の雇用保険料率が下げられるということであるならば、その負担を緩和していただきたいというのが、経営者の偽らざる気持ちかなと思います。

 雇用の維持と新たな事業展開による雇用の創出を考えると、そういう措置が絶対必要なのではないかと思っております。先ほど小林委員からお話があったとおり、思い切った引下げも考えていただければ有り難いなと思っております。

○村上委員 労働側としても、積立金の水準を余りにも多額のままで積み立てておけばいいとは考えておりません。資料 6 7 ページのこれまでの意見のまとめにありますが、一番下にあるのが私ども労働側の立場で、この水準が過去の制度改正によって、給付の引下げによって生じてきたことを踏まえると、給付を元に戻すことが筋ではないかと、繰り返しになりますがそのように考えております。したがいまして、雇用保険料の引下げが全て駄目だと言っているわけではなく、また積立金を 6 兆円のままにしておけということを申し上げているつもりはありません。

○奈尾雇用保険課長 いろいろな立場からの御意見があろうかと思います。積立金の状況は資料の 2 ページのとおりですが、直接的に積立金がこうだからというよりは、単年度収支をどう見込んでいて、どのぐらいの保険料率があるべき姿かという観点で、まず議論すべきだと思っております。その辺りは、具体的な料率については、 12 月にまた御提案させていただければと思っております。一方で、一般論で申しますと、好景気のときは大体そうなのですが、この好景気がいつまで続くかはなかなか予測がつかないところで、不況期は一度来るとそれが長く続く場合ももちろんありますし、リーマンのように比較的短期間で終わる場合もありますが、いろいろなケースを予測しておくべきだろうと思っております。その中で、過去の保険料率の推移も十分踏まえながら、料率は設定していくべきだと思っておりますので、この辺りはまた来月以降の議論でお願いしたいと思います。

○岩村部会長 よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして本日は終了いたします。なお、本日の署名委員は使用者代表は青山委員に、労働者代表は亀崎委員にそれぞれお願いいたします。

 次回の日程ですが、 12 8 日となっております。次回は、引き続き財政運営のほか、これまで御議論いただいたことを踏まえ、事務局には報告書の取りまとめに向けた議論のための資料を用意していただく予定ですので、よろしくお願いいたします。場所等の詳細については、事務局から改めて委員の皆様方に御連絡をお願いいたします。それでは、以上で本日は終了いたします。委員の皆様方、お忙しい中どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
TEL:03-5253-1111(内線:5763)

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