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2015年12月8日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録

生活衛生・食品安全部基準審査課

○日時

平成27年12月8日(火)
15:00~17:00


○場所

厚生労働省 共用第6会議室


○出席者

委員

山本委員(部会長)、甲斐委員、木村委員、小西委員、鈴木委員、寺嶋委員、西渕委員、野田委員、林谷委員、堀端委員、前田委員、松田委員、丸山委員、山下委員

事務局

福田食品安全部長、赤澤企画情報課長、山本基準審査課長、道野監視安全課長、三木輸入食品安全対策室長、梅田食中毒被害情報管理室長、黒羽補佐、麻那古専門官、吉原専門官、井河係長

○議題

(1)乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の改正について
(2)生食用鮮魚介類等の加工時における添加物の使用について
(3)その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会」を開催させていただきます。

 本日は、御多忙のところ御参集いただき、まことにありがとうございます。

 本日は、石川委員、河野委員より御欠席される旨の連絡を受けております。現時点で、乳肉水産食品部会委員16名中14名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立することを御報告いたします。

 初めに、本年10月1日付で事務局に人事異動があり、生活衛生・食品安全部長が三宅にかわりまして福田が着任いたしました。初の部会開催となりますので、福田生活衛生・食品安全部長より御挨拶申し上げます。

○生活衛生・食品安全部長 生活衛生・食品安全部長の福田と申します。どうそよろしくお願いいたします。

 委員の皆様方には、本日の乳肉水産食品部会に御参集をいただきまして、誠にありがとうございます。また、日ごろより食品衛生行政に格別のお力添えをいただいておりますことを、この場をかりまして、まずもって厚く御礼を申し上げたいと思います。

 食につきましては、全ての人々にとって日々の暮らしに欠かせないものでございます。食品の安全性の確保は国民の健康を守るために極めて重要でございます。このため、厚生労働省では、食品の安全性の確保に向け、科学的知見に基づき、さまざまな施策を展開しているところでございます。本乳肉水産食品部会では、乳、肉、そして水産食品の規格基準の策定につきまして、御審議をいただいておるところでございます。

 本日は、「脱脂濃縮乳のたんぱく質量の調整について」「生食用鮮魚介類等の加工時における添加物の使用について」、この2つの議題につきまして、近年の製造技術の発展でございますとか、流通実態の変化から、食品の規格基準について見直すことを御議論いただきます。

 それぞれの御専門の見地から忌憚のない御意見をいただき、この審議会が実りあるものになりますように、重ねてお願いを申し上げたいと思います。

 本日は何とぞよろしくお願いいたします。

○事務局 ありがとうございました。

 なお、福田部長、赤澤課長、山本課長につきましては、公務により部会中、途中退席させていただくことがあろうかと思いますけれども、御了承いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 続きまして、本年1月に行われた薬事・食品衛生審議会の委員の改選について御報告させていただきます。本部会におきましては、山本委員に引き続き部会長をお願いすることとなりました。よろしくお願いします。また、今回の改選で石田委員、堀江委員にかわりまして、2名の委員が新たに就任いたしましたので御紹介させていただきます。

 まず、女子栄養大学准教授の堀端薫委員でございます。

○堀端委員 女子栄養大学の堀端薫と申します。よろしくお願いいたします。

○事務局 静岡県環境衛生科学研究所副所長の前田有美恵委員でございます。

○前田委員 静岡県環境衛生科学研究所の前田有美恵と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 また、事務局側にも人事異動がありましたので御紹介させていただきます。10月1日付で企画情報課長が、依田にかわりまして赤澤が着任いたしました。

○企画情報課長 赤澤でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局 同じく10月1日付で監視安全課長が、滝本にかわりまして道野が着任いたしました。

○監視安全課長 道野でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局 ありがとうございました。

 それでは、山本部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○山本部会長 それでは、会議を始めますが、最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○事務局 配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元にある資料ですけれども、まず議事次第が両面1枚のもの。そして、委員名簿、座席配置図が両面に1枚ございます。また、資料1、別紙1とあります。それぞれホチキスどめになっております。また、資料2及び資料3がそれぞれ3ページのものがございます。また、参考1から参考3-2まで、両面で7枚ございます。また、委員及び事務局のみ配付させていただきましたが、利益相反の確認票を用意してございます。また、紙ファイルにとじておりますけれども、これまでの乳肉水産食品部会の該当する議事録等を御用意しております。

 本日お手元にお配りしております資料は以上になりますが、不足または落丁等がございましたら、お気づきの際に事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また、委員の先生方には必要事項連絡票をお手元に配付しておりますので、変更等がございましたら修正ください。

 なお、この票についてはお持ち帰りなさらぬよう御注意ください。

 以上です。

○山本部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。途中でも落丁等気がつかれた方はお申し出ください。

 審議に入る前に、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について報告をお願いします。

○事務局 本日の部会においては、議題1「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の改正について」、そして議題2「生食用鮮魚介類等の加工時における添加物の使用について」、そしてその他として議論いただく「生食用鮮魚介類等の加工基準における殺菌料の使用について」は、事業者団体の申請を端緒としておることから、利益相反の確認の対象となります。

 食品衛生分科会審議参加規定に基づきまして、要望団体及び関係団体や関係企業等につきまして、過去3年間における寄附金等の受け取りなどについて委員より御申告いただいております。こちらが利益相反確認票ということでまとめさせていただいた資料になります。

 この結果、退室が必要な委員はおりませんけれども、松田委員につきましては議決に御遠慮いただくということになりましたので、よろしくお願いいたします。

○山本部会長 ありがとうございました。

 それでは、議題1の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の改正について、審議を行いたいと思います。

 事務局から説明をお願いします。

○事務局 それでは、お手元に資料1、そして別紙1から3を御用意ください。

 「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令における脱脂濃縮乳のたんぱく質量の調整について」ということで御説明をしたいと思います。

 まず、こちらについては、先に申し上げますと、平成21年に関係団体より要望が上がりまして、この部会において既に2回議論をしております。その後、要望団体等から詳細なデータ提出であったり、脱脂濃縮乳の実態把握等を行ったことから、このたび、この部会において具体的な改正案を検討していただくものとなっております。

 それでは、資料1に従って御説明させていただきます。まず、経緯につきましては、乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品については、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令、こちらを以下「乳等省令」と申し上げます、乳等省令によって規格基準が定められております。

 その乳等省令において、脱脂濃縮乳は超高温直接加熱殺菌する場合において、直接殺菌に使用される水蒸気を除き、他物を混入してはならないと規定されております。一方、脱脂濃縮乳と同様の製造工程により製造される脱脂粉乳については、たんぱく質量の調整のために使用される乳糖及び生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳または無脂肪牛乳からろ過により得られたもの、これを以下「ろ過生成物」と申し上げます、これら乳糖及びろ過生成物の使用というものが認められております。

 それでは、別紙1をごらんください。別紙1については、現行の乳等省令の抜粋を用意しております。こちらの下の部分、(五)の「乳等の成分又は製造若しくは保存の方法に関するその他の規格又は基準」の下線部のところが先ほど申し上げたところに該当いたします。

 これらの状況がありまして、近年の製造技術の発展または流通実態の変化等を踏まえまして、脱脂粉乳と同様に脱脂濃縮乳についても、たんぱく質量調整のために乳糖及びろ過生成物の使用を認めてほしい旨、関係業界から要望が出されており、平成21年4月及び同年8月に開催された乳肉水産食品部会において、改正要望の内容に関する説明を聴取しております。その後、関係業界から流通実態や製造方法に関するデータの追加があったことから、今回製造基準の具体的な改正案を検討するものになります。また、脱脂濃縮乳に係る規定の改正について、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会宛てに12月4日付で諮問しております。

 それでは、「2.脱脂濃縮乳について」というところを御説明させていただきます。こちらは脱脂濃縮乳の概要についてお示ししました。

 まず、脱脂濃縮乳とは生乳から脂肪分を除去して濃縮したもので、発酵乳やアイスクリーム等の乳製品の原料に用いられるほか、乳脂肪を増やさずに乳の風味を加える目的でプリンやパン、あるいは菓子等に使用されております。

 ここに注意書きがございますが、別紙3を開いていただきますようお願いします。別紙3につきましては、こちらは乳製品の分類をわかりやすく図にしたものになります。こちらの中段あたりを見ていただければと思います。生乳から遠心分離によって乳脂肪を分離すると、脱脂乳ができます。その後、脱脂乳をエバポレーターと言われるいわゆる蒸留を利用して濃縮を行うものになりますが、こちらによって水分を除去し、そして濃縮を行った後に冷却を行い、液状化したもの、これが脱脂濃縮乳となります。そして、脱脂乳を濃縮させた後に乾燥させたものが脱脂粉乳となります。

 それでは、前に戻って別紙2を開いていただくようお願いします。別紙2につきましては、脱脂濃縮乳の一般的な製造方法について細かく示したものになります。こちらは、点線部のところが脱脂粉乳、そして実線部のところについては脱脂濃縮乳というところで示しております。こちらを見てみますと、生乳からろ過、そして分離、そして加熱殺菌をして濃縮を行うところまでというのが一般的に同じところと読み取れます。そして、濃縮からさらに噴霧乾燥等をしたものが脱脂粉乳になりまして、濃縮から冷却を行って、液状のものから出すものが脱脂濃縮乳というふうになります。

 また、下の「脱脂濃縮乳の製造量の推移」というところで示しておりますが、平成15年と平成26年を見ていただければおわかりかと思うのですが、こちらについて、10年程度で需要が2.5倍程度上がっているというところが読み取れるかと思います。

 また、さらに戻っていただいて、別紙1をお開きください。現行の乳等省令についてですけれども、乳等省令において脱脂濃縮乳というものは、生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分を除去したものを濃縮したものと定義されておりまして、別紙1に示したところの(三)の(11)のところで、成分規格と保存基準というものが定められているというような状況でございます。

 それでは、資料1に戻りまして、(2)から進めさせていただきます。関係団体からの要望内容としましては、先ほども申し上げましたが、平成21年、日本乳業協会から製造技術の発展、そして流通実態の変化から、脱脂濃縮乳の乾燥前の形態である脱脂濃縮乳の流通がふえており、脱脂粉乳同様、製品の一定品質の維持のため、たんぱく質量の調整が必要となっているということから、他物使用の規定について見直しの検討を求める要望が提出されております。

 こちらは参考1というところで載せておりますので、参考1を御用意ください。参考1の裏面になるのですけれども、3の「「脱脂濃縮乳」のたんぱく質量調整について」というところで要望が上がっております。

 それでは、資料1に戻っていただいて、たんぱく質量調整の必要性について検討しましたので、御説明させていただきます。

 乳製品の原料となる生乳については、季節変動や地域によってその成分が変わるため、一定の品質を担保するために、たんぱく質量の調整が必要な場合がございます。この下のグラフを見ていただければと思うのですけれども、こちらのグラフは無脂乳固形分の季節変動を示したものになります。この中の最も太い線のところが全国の平均の値を示すもので、こちらは無脂乳固形分になるのですけれども、年間を通して変動が大きいということが読み取れるグラフとなっております。

 このように、生乳成分が季節変動や地域差というものを抑えて一定品質の製品を製造することによって、ユーザーの利便性が向上し、また、生乳資源の有効活用にもつながります。この脱脂濃縮乳におきましては、一般的に無脂乳固形分当たり38%前後のたんぱく質量を35%前後に下げるような形で調整をする、実際に使う業者が薄めた状態で使用するという実態があると聞いております。

 次のページに行きまして、また、食品の国際規格の定める機関でございますコーデックスにおいては、特定の乳製品、これはmilk powdercream powderevaporated milkとなっているのですけれども、こちらは濃縮乳ということになります。また、sweetened condensed milkとありますが、こちらは加糖練乳というところに該当します。

 これらについて、たんぱく質量調整のために以下の乳由来製品の使用というものが認められております。下の表を見ていただければと思うのですけれども、認められているものとしては3つございまして、Milk retentate、そしてMilk permeate、そしてLactoseというものが認められております。

 まず、Milk retentateというものにつきましては、ろ過によって乳たんぱくを濃縮したものを指します。逆に、Milk permeateというものはろ過によって乳たんぱく、または脂肪というものが除去されたもの、要は乳たんぱくの薄いものを指します。また、Lactoseというものは乳糖を指します。

 また、脱脂濃縮乳は、英訳しますとEvaporated skimmed milkとなるのですけれども、こちらは出典の真ん中にございますEvaporated Milkというところに記載がございますので、こちらのほうをコーデックススタンダードの281-1971のところで定められていると読み取れます。

 一方、国内基準においては、脱脂濃縮乳と同様の工程を経て製造される脱脂粉乳につきましては、平成1412月に乳等省令を改正しております。その際には、コーデックス基準に鑑みて、脱脂粉乳中のたんぱく質量の調整のために使用される乳糖及び生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、または無脂肪牛乳からろ過により得られたものの使用を認めております。こちらは先ほどお示しした別紙1に記載がございます。

 以上のとおり、コーデックス基準において乳糖及びろ過生成物の使用が認められていること、また乳等省令において脱脂粉乳への使用が既に認められていることを踏まえますと、脱脂濃縮乳についてもたんぱく質量調整のために乳糖及びろ過生成物の使用を認めることというものは妥当だと考えております。

 続いては、乳糖及びろ過生成物の添加にあわせて、脱脂濃縮乳の製造基準、そして保存基準についても検討しておりまして、以下のような基準が必要と考えておりますので、こちらを御説明させていただきます。

 まず、脱脂粉乳につきましては、先ほど申し上げたように平成1412月のところで製造基準についても設定しております。これは、平成12年6月に発生した大規模食中毒の事件がございまして、そのときの原因が脱脂粉乳製造時に滞留した原料中で黄色ブドウ球菌が増殖し、その黄色ブドウ球菌が耐熱性の高い毒素であるエンテロトキシンA型を産生したということを踏まえまして、製造工程の温度管理等を設定したものでございます。

 別紙1を見ていただければと思うのですけれども、別紙1の(三)の「(17)脱脂粉乳」の「2 製造の方法の基準」のaとbとcで、加熱殺菌前、加熱殺菌、加熱殺菌後というところできちんとした温度管理をするようにということで設定されております。

 資料1に戻っていただいて御説明させていただきます。一方、脱脂濃縮乳については、現在製造基準というものが設定されておりません。これは、どのようにつくってもよいということではなくて、現在一般的に脱脂濃縮乳というものは脱脂粉乳と同様に、各事業者において定めた条件で加熱殺菌を行って、そして加熱による濃縮を行って製造しているという実態がございます。

 しかしながら、今後脱脂濃縮乳においても、乳糖及びろ過生成物の添加が認められれば、添加時に微生物による二次汚染の懸念が生じること、また、近年の製造技術の発達に伴って、従前の加熱以外の方法によって濃縮を行う製造方法、これは具体的に申し上げますと、膜濃縮、いわゆる成分調整牛乳とかで行う、濃くする膜濃縮を発展させたものと聞いております。このような新しい製造方法というところも報告されております。

 いずれにせよ、過去の食中毒事例も鑑みますと、黄色ブドウ球菌の増殖を抑える製造管理というものが必要になってくるということから、脱脂粉乳と同様の製造基準というものを設けることが妥当であると考えております。

 また、脱脂濃縮乳の保存基準、こちらは現在、濃縮乳の例によることとなっているのですけれども、具体的に申し上げますと、現在は濃縮後直ちに摂氏10度以下に冷却して保存することとなっております。こちらについても、製造実態に基づいて、あわせて改正を行う必要があると考えております。

 次のページに行きまして、最後のところです。対応(案)というところで、以上を踏まえまして、乳等省令を以下の改正案のように改正したいと考えております。別紙1と比較していただければとは思うのですけれども、まず、脱脂濃縮乳のところで、2の製造の方法の基準を定める。また、その定める内容としましては、特にcのところですが、別紙1の脱脂粉乳においては、「加熱殺菌後から乾燥を行うまでの工程において」というところを、こちらを脱脂濃縮乳のほうでは、「加熱殺菌後の工程において」という形で、合うように変更しております。

 また、保存基準のところですけれども、3番のところ、「濃縮後(濃縮後殺菌した場合にあっては殺菌後)」というところを追加しております。こちらは、膜濃縮というものを先ほど御説明しましたが、膜濃縮を行う場合については、濃縮後殺菌を行うという実態があるというふうに聞いておりますので、それをクリアにするような形で記載するということを意図しております。

 また、(五)の下ですけれども、最初に申し上げました、乳糖及びろ過生成物の添加を認めるというところで、下線部のところを追加してございます。

 以上が対応(案)になります。

 最後ですけれども、今後の方針としましては、上記の対応(案)について、食品健康影響評価を食品安全委員会に依頼しまして、評価結果を得られた後、特段の問題がなければ、乳等省令改正のために、パブリックコメントやそのほか手続を進めたいと考えております。

 説明は以上になります。

○山本部会長 ありがとうございました。以前に1度報告があって依頼があったものということから、その後、データが出てきて、さらに基準を策定する必要があると考えられたために、今回の審議ということになっています。

 ただいまの御説明に関しまして、全体的なことも含めて、御質問、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。

 特段ございませんか。ちょっと長い説明で、入り組んでいたかと思うのですけれども、基本的には脱脂粉乳と同じような製造基準を設けるということにしたいということですが、あと、濃縮乳の性質から限外ろ過膜を使うということがあって、そのときには通常ですと殺菌はするのでしょうけれども、そこをちゃんと明確にしなければまずいだろうと、そういうポイントだったように思うのですけれども。

○事務局 本日、御欠席しています河野先生より意見を預かっておりますので、御連絡いたします。

 河野先生に御説明したところ、まず現状に即した改正というところで特段反対するような意見はございませんということでした。むしろ、製造基準というものをしっかり置くということで、消費者保護という観点からもきちんと検討していると考えられますという御意見をいただいておりますので、御連絡させていただきます。

○山本部会長 特段ございませんでしょうか。

○丸山委員 ちょっと教えていただきたいのですけれども、対応(案)のcのところで、殺菌後の工程で、原料を摂氏10度以下または摂氏48度を超える温度に保つということですが、この48度を超える温度に保つというのは、何かの増殖を抑えるという目的で48度ということなのでしょうか。これは何かほかの乳製品と同じような条件で設定されているのでしょうか。

○山本部会長 事務局、いかがですか。

○事務局 おっしゃるとおり、平成14年に大規模食中毒が起きた、そのときの報告書を見ますと、黄色ブドウ球菌の増殖を抑えるために48度というところで設定しているというところが読み取れます。

○丸山委員 了解しました。

○山本部会長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。

○松田委員 意見だけの委員なのですけれども、細かいことですが、全体的にたんぱく質量調整という言葉を使われております。タイトルもたんぱく質量調整の必要性という。意味は非常によくわかるのですけれども、多分これも行政か法律の使い方かもしれませんけれども、今回の改定されたアンダーラインのところだけ見ますと、たんぱく質量の調整のために使用される乳糖というと、乳糖を加えるとたんぱく質量は変わるのかというふうにも読める。組成なんですよね。だから、専門過ぎるかもしれませんが、ちょっと気になったので。

○山本部会長 事務局、いかがですか。

○事務局 こちらの脱脂濃縮乳については、既にあります脱脂粉乳のところから引っ張っておりますので、こちらの表現についてはまたこちらで検討させていただきたいとは思うのですけれども、おっしゃるとおり、乳糖を加えるというのはたんぱく質の質量比というか、組成を変えるというところではあります。

○山本部会長 大きく文言を変えるという意味合いはないとは思うのですけれども、松田先生、そういう形で御理解いただけますか。

○松田委員 結構です。

○山本部会長 ありがとうございます。ほかにございませんか。

 では、事務局に今後のこれの対応といいますか、食品安全委員会で評価を受けた上で、また通常どおりパブリックコメントを求めて改正していく、そういう形になるのですね。

○事務局 そのとおりでございます。いつ行えるかというのは、我々の進捗状況次第ではあるのですけれども、速やかに進めていきたいと考えております。

○山本部会長 特に御意見はございませんか。ないようでしたら、このまま認めていただくという形でこの審議を終わりたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。

 それでは、議題の2に移りたいと思います。「生食用鮮魚介類等の加工時における添加物の使用について」ということで審議を行いたいと思います。事務局から説明をお願いします。

○事務局 それでは、お手元に資料2、そして参考を御用意ください。また、冒頭に御説明が足りなかったところがありますので、補足させていただきます。

 利益相反については、松田委員は議題1のところが適用になりますので、議題2からは議決に参加できるということになりますので、補足させていただきます。

 それでは、資料2に従って御説明させていただきます。まず、こちらについては今回新たに要望書が提出されたということから、検討を行うものになっております。

 まず経緯についてですけれども、全体的な食品への添加物の使用につきましては、「食品、添加物の規格基準」、これを以下「告示」と申し上げますが、告示の第2添加物の部において、人が摂取した際の安全性や必要性等の観点から、必要な使用基準というものが定められております。

 一方、告示の中の個別食品の規格基準に定めております第1食品の部におきまして、生食用鮮魚介類、そして生食用冷凍鮮魚介類、生食用かき、これらを以下「生食用鮮魚介類等」と申し上げます、これらの加工基準によって使用できる添加物というものが定められております。この中で、昨年度になるのですけれども、平成26年4月にこの加工基準を改正しまして、次亜塩素酸ナトリウムに加えまして次亜塩素酸水及び水素イオン濃度調整剤、以下「pH調整剤」と申し上げますが、pH調整剤として用いる塩酸の使用、これらが認められたということになっております。

 今般、平成2711月に、次亜塩素酸ナトリウムを使用する際に、pH調整剤として二酸化炭素を使用することについて、生食用鮮魚介類等以外の食品でも既に使用実態というものがあることから、二酸化炭素の使用を認めるよう、関係事業者より要請がありました。

 こちらは、参考資料2を見ていただければと思うのですけれども、要請のあったところとしましては、株式会社エステックというところから、以下のように生食用鮮魚介類等の加工への二酸化炭素の使用についてということで要望書が上がっております。

 今回、このことについて厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会宛てに、平成2712月1日付で諮問しております。

 それでは、資料2の2の「二酸化炭素について」というところで、概要について御説明させていただきます。二酸化炭素は食品添加物として指定されておりまして、その対象食品、使用基準というものが特段定められてはいません。これについては、例えば炭酸飲料のようなものが代表として挙げられるのかなと思っております。生食用鮮魚介類等以外の食品、これはカット野菜にも使われていると聞いておりますが、pH調整剤として既に使用されているという実態がございます。これらは二酸化炭素と塩素系殺菌剤を組み合わせることによって、高い殺菌効果の有効性というものが認められると聞いております。この原理については、3番のところで御説明したいと思っております。

 また、食品衛生の観点以外でも、生産現場における従事者の安全面においても、現在pH調整剤として用いることができるのは塩酸があるのですけれども、塩酸よりも二酸化炭素のほうが人体に与える影響というものが少なく、安全に使用できるという利点もございます。

 それでは、「3.pH調整剤としての使用について」というところですけれども、こちらで原理について御説明させていただきます。まず、次亜塩素酸含有水溶液の殺菌効果を有する分子種というものは、次亜塩素酸というものが最も殺菌効果が強いと考えられております。この次亜塩素酸というものはpHに依存しておりまして、殺菌効果というものは溶液のpHによって変わって、そして次亜塩素酸の濃度に強く依存するという状況であります。

 それでは、次のページに行きまして、図を示していますけれども、まず、現在、生食用鮮魚介類等の加工時に使用が認められている次亜塩素酸ナトリウムについては、通常の使用濃度に希釈した場合は、弱アルカリ、pH8~10程度のものでして、次亜塩素酸イオンの存在比率というものが高くなっているという状況です。これは上のグラフを見ていただければと思うのですけれども、このグラフの中で一番右のところ、OCl-、これが次亜塩素酸イオンになります。そして、真ん中のところ、HOClというところが次亜塩素酸、そしてCl2というのが塩素となります。

pHのところを見てみますと、8~10、例えば8を見てみますと、ここの実線のところが次亜塩素酸の存在比率をあらわすものですので、pH8であれば次亜塩素酸というものは大体2割~3割程度というところが読み取れる、そのようなグラフになっております。

 次亜塩素酸ナトリウムの使用前に二酸化炭素を混合しましてpHを酸性に傾けることで、塩素酸がふえ、そして殺菌力を高めることができます。例えば先ほどのpH8というところから、例えば6のあたりを見てみますと、次亜塩素酸の存在比率というものは2割から3割だったものが9割5分程度まで上がるということで、非常に殺菌力としては効果を高めるということができるということがこのグラフからも読み取れるかと思います。

 このため、生食用鮮魚介類等以外の食品、また先ほど申し上げたのはカット野菜であったりというところに使われているという話は聞いていますが、また、食品以外でも、いろいろな医療器具であったり、あとは食品製造の機械であったり、そういったところにも消毒剤、殺菌剤としても使われていると聞いております。

 これらについて、使用時に次亜塩素酸ナトリウムと二酸化炭素を混合して用いているという実態がございます。約pH5.56.5程度に調整して使用されているという実態というものをつかんでおります。

 また、二酸化炭素については使用基準というものが定められてはいないのですけれども、現在、生食用鮮魚介類等に対してpH調整剤として用いることのできる塩酸については、使用基準により対象食品や使用量というものは定められていないのですけれども、使用制限として、最終食品の完成前に中和または除去しなければならないという形で規定されております。

 4番目のところで「まとめ」になりますが、二酸化炭素については現在、生食用鮮魚介類等の加工に使用が認められている次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果を高める効果というものが期待できるということ。また、生食用鮮魚介類については、その食品の本質から、食品の加工に当たって必ずしも添加物の使用というものは必要ないと考えられますけれども、加工時の衛生確保の観点から、食品添加物として使用が認められている殺菌料等を使用することというのは公衆衛生上有益であると考えられます。

 上記の理由から、生食用鮮魚介類等の加工時においても、二酸化炭素を使用することは妥当であると考えております。

 今後の対応についてですけれども、先ほどと同様に、規格基準(案)について食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼しまして、所要の手続を進めるというふうに考えております。

 最後に添付しましたのが告示、実際に規格基準(案)としてお出ししていますけれども、下線部のところを追加するというところを考えております。

 説明は以上になります。

○山本部会長 ありがとうございました。

 それでは、今、御説明のあった件について御意見、御質問等がありましたらお願いします。

○小西委員 1つ教えていただきたいのですけれども、鮮魚の殺菌工程でこの塩素剤は大体どのくらいの時間を使うのでしょうか。10分とか20分とか1時間とか、決まっているのでしょうか。

○山本部会長 事務局、いかがですか。

○事務局 必ずこの時間をつけなければいけないというような規定がないので、なかなかこの時間は確実につけるというふうには申し上げられないのですけれども、一般的な殺菌料については、1分程度、5分程度だったりとか、その物に応じて殺菌効果を得られるだけつけているというふうにお聞きはしています。

○小西委員 では、スパンとしてはすごく短いのですね。1分とか5分とか。何分単位なのですね。なぜかというと、CO2、二酸化炭素をpH調整剤に使われるというところで、二酸化炭素だと早く消失してしまうのではないかなと思って、何分間そこの調整をした状態で保てるのか、維持できるのかというところが知りたいと思ったものですから。塩酸と違って、早くpHが戻ってしまうのではないかなと思ったものですからお聞きしました。

○事務局 実際、聞いている話ではあるのですけれども、二酸化炭素をバブリングしながら使用するということを聞いておりますので、一番最初に入れた二酸化炭素がガスで消失してしまっても、常にバブリングしていくような形で、そこはある程度のpHは保っていけるのかなと考えております。

○小西委員 そうすると、pHをいつもpH7とか6とかに保っているというよりも、ひょっとしたらもっと酸性に行ってしまうかもしれないけれども、効果としては酸性にしたほうが効果があるので、そこで実際的には使っているということですね。

○事務局 そのとおりでございます。

○山本部会長 それでよろしいですか。というのは、余り酸性が強くなるとよろしくないわけなので。

○事務局 まず、二酸化炭素については、確かに圧力をかければpHは下がるのですけれども、事業者等々、ホームページであったりとか、いろいろ情報収集をしてみますと、高い圧力をかけるというのは非常にコストがかかるというところからも、基本的にはバブリングするような形だと聞いています。その程度であればpH5.56.5程度におさまるということで、酸性側、強酸性に行くような、塩素ガスが発生するような状況ではないと聞いております。

○山本部会長 よろしいですか、小西委員。

○小西委員 何か科学的なデータなどがあればわかりやすいかなと思ったのですけれども。

○山本部会長 そういうことに関しての何かデータ提出というのはございましたか。

○事務局 使っている事業者であったりとか、物によって結構状況が違うというところではあるのですけれども、殺菌効果の試験というところは入手できております。これはあくまである事業者の作成した試験ですので、全てということではないのですけれども、ある試験水についてpH5.7程度に調整したものについて、菌数を調整して殺菌の効果を調べたところ、1分程度静置、そして接触をさせて測ったところ、例えば大腸菌については10の6乗程度のものが不検出になったというところで、極めて迅速に効果は得られるというデータはあります。なので、今後、部会報告書等をつくって際には、そういったデータもつけられるのであれば、つけていけるように準備はしたいと思っております。

○山本部会長 よろしいですか。

○小西委員 ありがとうございます。

○山本部会長 実際に殺菌効果が出るような状況で使うということではあるのだけれども、pHに関しての具体的なデータというのは今後もし提供していただけるようであれば、その辺も見せていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ほかに。西渕委員。

○西渕委員 ただいまの御説明の中で、使用実態を引用されて説明されておりましたけれども、例えば生食用鮮魚介類等以外の食品とか、あるいは使用現場での器具の消毒ということがありますが、これは実際には聞き取りの調査か何か、あるいはホームページの調査か、そういうことに基づいているのでしょうか。

○山本部会長 いかがでしょうか。

○事務局 実際にどれだけ使われているかという正確なデータが、特段ないので、聞き取りであったり、あとはホームページ等で販売している実態であったり、そういったところから判断しております。

○西渕委員 それで、実際に使われている、それで効果がある、副作用みたいなものがないということが考えられる、そういう理解でよろしいのでしょうか。

○山本部会長 いかがでしょうか。

○事務局 そうですね。これは一つの例で、全く食品ではない方法ですけれども、下水処理等のバイオフィルムを壊さないように、極めて迅速な殺菌効果を得るために酸性にもっていくというような方法もあるということは聞いております。非常にいろいろなところで、具体的にどれだけ使われているのかというのはちょっとデータがないので大変申しわけないのですけれども、食品以外のところで非常に多岐にわたって使われているような方法であるということは確認できるということになります。

○山本部会長 よろしいでしょうか。炭酸ガスというか、CO2はもともと食品添加物としては認められているものであるということで、食品そのものに使うときに何か悪い作用をするというわけではなくて、一般的には除去、最終製品に残っていなければいい形で使うということになるのですか。

○事務局 まず、使用基準等も全くない状況ですので、残留していても問題はないと考えます。また、コーデックスの国際規格のほうでもADI等も特に設定はされていないという状況でして、根拠自体はなかなか探れないところはあったのですけれども、毒性を与えるようなデータがそろわなかったというところの記載はありました。そういったところからも、二酸化炭素を添加物で使うというところについては、かなり安全性としては高いのかなと判断はできます。

○山本部会長 実際、飲料としてもあるわけなので、もともと飲んでも大したことはないのだろうということではありますけれども、小西委員が考えられているような、何か副生成物とか、使うことによって別のことが起こらないかということも御心配になったのかなと思いましたけれども。

○小西委員 私が心配したのは、バブリングというイメージはなかったものですから、1回加えたまま、またすぐ戻ってしまうのではないかと思ったのです。

○山本部会長 ほかに何か御質問、御意見はございますか。

 木村委員。

○木村委員 この内容自体は何も異論はないです。これ自体は微酸性にすることによって殺菌効力が非常に上がってくるということで、あとは生鮮物に使いますので、有機物の量によって効果がなくなる部分が少し効果が上がると。

 ただ、この委員会の話とはちょっと関係ないかもしれないのですが、少し危惧するのは、日本の場合は刺し身とか生鮮魚介類というのは、生食文化で昔から微生物の菌数よりはもうちょっとレベルの高いところで鮮度をはかってきているところがあります。

 かつて、食中毒が起きたときに、生鮮魚介類というのは大体新鮮であれば3乗とか4乗ぐらいいても当たり前なのですね。そこが新鮮なところなんですね。ところが、菌数がゼロというものが私が実験していて出てきたことがありまして、逆にゼロぐらいの数字を見てしまうと、これは必ず次亜塩素酸か何かやっていると。そうすると、これはもともと生きという観点か、あるいは下手をするとバクテリア的には10の6乗ぐらいだったものをゼロぐらいに落としているのかなという危惧も出てきてしまう。ほかのカット野菜とか畜肉等とちょっと違う様子がありまして、ですから、これは生鮮魚介類に、どこまでこれで効率的になるかはまた別ですけれども、効率的に殺菌ができるようになって、これが無制限に広がってしまうと、日本の生鮮魚介類の新鮮の価値判断というところが破壊される可能性はないかなと、ちょっとぼやきに近いところですが、このあたりは厚生労働省の見解は、これをどんどん進めてしまうとそういうことになりはしないかなと。これはどういうふうに適用するかにもよる。これ自体はきょうの話とはちょっと関係ないのですけれども、ちょっと思ったので発言させていただきました。

○山本部会長 事務局、何か御意見はありますか。それとも、ほかのところから、食中毒の観点からもお願いできればと。

○食中毒被害情報管理室長 食中毒室でございます。

 先生の御懸念は、例えば新鮮だということをもって食べていいものかどうかということを判断していただくということが、ひとつ五感に頼るといいますか、そういう中で判断するというのは重要なことだと思います。

 そういう観点で言いますと、例えば逆に見た目はいいのだけれども、実は汚染があるということであれば、それは食中毒に直結するような可能性も高くなるということで、そういうような添加物の使用というものはむしろ我々としては認めるべきではないと思いますけれども、この場合ですと、見た目というものではなくて、微生物コントロールのために有用であるということをもって認めるという議論ですので、その御懸念には当たらないのかなというふうには思っております。

○山本部会長 監視安全課長のほうからも。

○監視安全課長 これは加工基準の上のほうは消してあるからわからないのですが、全体で一応衛生管理をしようということなのです。

○事務局 実際、こちらのほうに加工基準について抜粋をさせていただいているところではあるのですけれども、そもそも生食用鮮魚介類については、過去に腸炎ビブリオなどの問題等もございまして、そういうこともあって、微生物の管理については非常に厳しく製造基準等を置いているという状況になっております。

 例えば、洗浄する際の洗浄する水を規定していたり、あとはもちろん洗浄後の温度管理だとか、そういうことを徹底をした上で微生物管理をしていくいう基準になっておりまして、その中の一つとして今回の添加物の使用について追加をさせていただきたいというものになっております。

○木村委員 私が心配したのは、その工程が非常にいいかげんなところで来て、最後だけ帳尻を合わせるような業者が出てくると流通が破壊されるというか、我々が持っていた、生鮮魚介類というのは大体菌数は4乗、5乗という微生物の数である程度判断できていたところが、それがなくなってしまいますので、これは一体どうなっているのだろうということにいかないかなという心配で、今おっしゃるように、腸炎ビブリオの例にもありますように、もちろんトータルで管理をされていく、そこは僕は重要だと思いますので、そこは厚生労働省さんに出口だけで終わらせるようなことのないようにという御配慮をいただければと思います。

○山本部会長 もっともな御意見だと思いますし、今後の運用上の問題というか、そういうところも十分考えられますので、その辺を配慮しながら運用していくということになろうかと思います。あと、鮮度判定は菌数だけでもないようですので、その辺も含めて鮮度の判定の方法とか、その辺も今後示していく必要があるのかもしれませんね。

○松田委員 関連してですけれども、今の鮮度の話になって、ちょっと記憶が定かではないのですけれども、赤身の魚の場合、ヘモグロビン、ミオグロビンのヘムが酸素と二酸化炭素で色が変わるかなという気もしたのです。CO2をやることによって、殺菌は非常にいいのだけれども、それ以外に見た目が変わって妙に新鮮に見えたみたいになると、ちょっと意図が変わってくるかなという気がしたのですけれども、どうでしたか。CO2O2で。

○山本部会長 それに関してでしょうか。山下委員、どうぞ。

○山下委員 ミオグロビンは、酸素がついていて発色して真っ赤になるのですから、CO2が来ると、逆に外れて、褐変しなくても黒青っぽくなるのですけれども、さらに褐変が進む可能性があって、ですからむしろ品質上は悪くなる可能性があります。

 それから、生食用の貝類ですけれども、貝は個体としては生きていますので、激しくCO2で処理すると、今度は酸欠になって、やはり生き物としてはよくない可能性はある。ですから、実質的には無制限に使えるようなものではないように思います。

○山本部会長 ありがとうございました。実際は使ってみると、鮮度を下げるような方向に見える形に動くので、適度な殺菌をするということで業者も使っていくのではないかなという印象を受けましたが、木村委員、そんな御意見でよろしいでしょうか。

○木村委員 わかりました。

○山本部会長 ほかにございますか。

 事務局、どうぞ。

○事務局 二酸化炭素というのはあくまでpH調整剤でありますので、塩酸のときも告示と同日に発出しました施行通知においても、水素イオン濃度調整剤として使用することは認められるが、塩酸を直接使用することは認められないことというふうに出しておりますので、今回二酸化炭素についても同様に、どういう効果があらわれるのかわからないですけれども、二酸化炭素を直接その生食用鮮魚介類等に使うことは認められないというのと同様に、施行通知としても書きたいと考えております。

○山本部会長 ありがとうございました。

 特に追加の御意見、御質問はございますか。西渕委員、どうぞ。

○西渕委員 先ほどの生食文化の話に戻りますけれども、一応、私、厚労省の手伝いで、コーデックス委員会のワーキングに携わった者として参考意見を申し上げますと、今、やはりAppropriate Level of Protectionの方向で、適度な汚染と適度な殺菌等のバランスをとるための基準値を出す作業に入っていますので、それが出たらそれに基づいて、適当な濃度の決定によって、余り極度な消毒とかを行うことがないようになるとは思います。それが今プロセスが進行中です。

 確かに、消毒剤を使うと、特に次亜塩系は臭いがしますので山本部会長がおっしゃろうとしたのだろうと思いますけれども、それで消費者のほうも取捨選択の余地があると思いますので、その辺のバランスは、それはこちらで決めるというよりは運用の過程でどうなるかという問題だと思いますので、私はそれでよろしいかと思います。

○山本部会長 参考意見、ありがとうございました。今後その動向も見ながら、また順次運用の段階で対応できるのではないかなと考えます。

 ほかに特に御意見はございませんか。

 それでは、一通り御意見を伺ったようですので、議題2のうち生食用鮮魚介類等の加工基準の見直しについて、資料2の2ページ目の「5.今後の対応(案)」どおりに、改正案について食品安全委員会へ諮問するということでよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。それでは、事務局、よろしくお願いいたします。

 次に、議題3は「その他」ですけれども、何か事務局から御説明がありましたらお願いします。

○事務局 それでは、議題3の「その他」について事務局から説明をさせていただきます。「生食用鮮魚介類等の加工基準に規定する殺菌料(亜塩素酸水)の使用について」ということですけれども、簡単に御説明させていただきます。

 実は、こちらの亜塩素酸水の生食用鮮魚介類に対する加工基準の改正については、当部会で平成25年に既に議論をさせていただいているというものになっております。その結果に基づいて食品安全委員会のほうにも既に諮問をしていて、評価結果も得ているということもございますので、そういうこともございまして、今回は審議ではなくて、その他報告事項という形で御説明をさせていただきたいと思います。

 1番目の経緯から御説明させていただきます。食品衛生法第11条第1項に基づいて、生食用鮮魚介類、冷凍食品(生食用冷凍鮮魚介類に限る。)、またその生食用かきについては、その食品の本質から食品添加物は原則使用すべきではないという考えに基づいて、殺菌料である次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム及び水素イオン濃度調整剤として用いる塩酸以外の化学的合成品たる添加物を使用してはならない旨の規定がされております。

 また、食品の添加物の使用については、告示の第2添加物の部において、人が摂取した際の安全性や必要性等の観点から必要な使用基準が定められているという状況でございます。

 殺菌料であります亜塩素酸水につきましては、平成25年2月に、生食用鮮魚介類等に対して使用を認めるよう、事業者から要請がありまして、平成25年3月に開催いたしました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会、当部会において審議を行った経緯がございます。

 そこで、参考3-1を見ていただきまして、こちらは事業者でございます本部三慶株式会社より要請があったものでございます。

 資料3に戻っていただきまして、平成25年3月に、部会で審議を行った後、食品安全委員会のほうに諮問をしておりまして、本告示改正について、「規格基準に則り使用したとしても人の健康に悪影響を及ぼす恐れはなく、食品安全基本法第11条第1項第2号の人の健康に及ぼす悪影響及び程度が明らかであるときに該当すると認められる。」との評価結果を得ているという状況でございます。

 しかしながら、食品安全委員会からこちらの答申をいただいた後に、分科会のほうへも報告をさせていただいており、事務手続上、進めさせていただきますということで了承が得られていたところですけれども、当該事業者のほうから、対象食品に残存する有効塩素について確認するため手続を一旦保留していただきたいという要望が提出されたものでございます。

 事業者側からのほうから一旦停止していただきたい旨の要望がございましたので,その後手続を停止しておりまして、本来でしたら、パブリックコメントを実施して、改正に向けた手続を行っていくところでございました。

 今般、当該事業者の検証の結果、生食用鮮魚介類等に対して亜塩素酸水を適切に使用した場合、亜塩素酸水は残存しないということが確認されたことから、告示改正の手続を再開することとしております。

 実際に、こちらの2番が、亜塩素酸の殺菌効果及び残留について、今回事業者側から提出があったものをまとめた表となっております。

 平成25年当時と異なる点といたしましては、より生食用鮮魚介類等への殺菌効果、またその残存を確認するために、生菌数の評価をしたり、実際には柵状にした切り身の状態のもので評価したり、生がき等について評価をした結果、適正な使用をしている場合、殺菌効果は十分に得られており、亜塩素酸も残留しなかったということが明らかになりましたので、審議を再開させていただくというものになっております。

 「3.今後の対応(案)」ですけれども、亜塩素酸水を生食用鮮魚介類等に適切に使用した場合は残留しないことが確認されたことから、こちらの別紙に示す規格基準のとおり、規格基準を改正する所要の手続を進めていきたいと考えております。

 実際に規格基準の案となっておりますけれども、下線部の亜塩素酸水が加わる形となっております。

 説明は以上でございます。

○山本部会長 ありがとうございました。手続上はもう既に改正ができる形にまでできていたものが、一旦手続が中断しているということで、業者のほうからの確認、検証、そのデータが上がってきたことで、今後手続を進めるという御説明でした。ただ、これは審議というよりは、この御報告に対して何か質問があれば受け付けるということになろうかと思いますが、御質問はございますか。

○丸山委員 恐らく今後の課題として、先ほどの二酸化炭素をpH調整剤として使うことがこの亜塩素酸水でまた出てくるのではないかなという気がするのですが、そういうことはどうなのでしょうか。亜塩素酸水の有効性を上げるのに、またpHを調整するということで二酸化炭素を使用するというようなことは今後出てこないのでしょうか。どうでしょうか。

○山本部会長 事務局、いかがですか。

○事務局 こちらの亜塩素酸水ですけれども、こちらのほうは実際にpHが割と安定をしているような薬剤となっておりまして、そういったものを活用しやすいような形で商品開発されているというものになっておりますので、御懸念の件に関してはないのかなと思います。

○丸山委員 わかりました。

○山本部会長 小西委員。

○小西委員 参考の3-2の3ページの安全性に関する確認結果の表がございますが、それについて教えていただきたいのですが、下のほうの表ですが、ここでマグロの柵というところが0minとあるのですが、これは1分以内という意味合いなのか、全く洗わなくてもなくなっているという意味合いなのか、どちらなのでしょうか。

○事務局 実際に検討する際には、実情として流水等で洗浄を施せば残留しないということで聞いておりますので、そこの洗っていないのかどうかについては詳細なところまでは確認ができておりません。

○山本部会長 確認をしていただいておくということでよろしいですか。

○事務局 確認をして、また御報告をさせていただきます。

○山本部会長 洗わなくてもなくなっているのであれば、それはもうそれに越したことはないのですけれども。

○小西委員 ただ、マグロだけでなぜだろうと思って、成分的なものなのか、それとも何か1分以内の秒単位でなくなってしまうのかなとも思ったりしたのですけれども。

○山本部会長 では、事務局、確認をして委員の先生方に御報告をお願いいたします。

 林谷委員。

○林谷委員 聞き逃したかもしれないのでお尋ねします。手続上のことですが、先ほど生鮮用鮮魚介類の加工基準に規定する殺菌料として二酸化酸素を用いることができるように変更する案がでてきましたが、今度、新たに殺菌料として亜塩素酸水を用いることができるように変更する案がでてきました。しかし、改正される規格基準案の文言が両者で違います。最終的には両方を入れた形になるのでしょうか。

○山本部会長 事務局、いかがですか。

○事務局 まず、二酸化炭素と亜塩素酸水というのは、今、告示改正に向けたステージというのが若干異なっています。なので、このまま進めば、恐らく亜塩素酸水のほうが手続上はステージが進んでいますので早くできるのかなというふうには考えております。最終的には二酸化炭素が後で追加されても、きちんと亜塩素酸水も残るような形で、適切に告示改正というのは行ってはいきますが、現在ここにお出ししている資料としましては、現在からどう変えるかというところをお出ししているものなので、若干書きぶりが違うというのはそういうところにあります。なので、例えば亜塩素酸水が先に告示改正をして、その後、二酸化炭素になったときも齟齬がないように、我々としては手続を進めていく、そういうふうに考えております。

○林谷委員 わかりました。ありがとうございました。

○山本部会長 ほかにございますでしょうか。

 特にございませんでしょうか。

 それでは、御質問をいただいた件につきまして、少し調べていただくことができてしまいましたけれども、そこは調べていただいた上でお答えいただくということで、それ以外のところはもうそのまま変更なく行けるかと思いますので、告示改正に向けた所要の手続を順次進めていくということでよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございました。

 それでは、次回の予定というのは何かございますか。

○事務局 次回の本部会の日程については、御審議いただく項目がまとまり次第、改めて調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。また、冒頭にも御説明させていただいたのですけれども、必要事項連絡票についてはお持ち帰りなさらないように御注意ください。よろしくお願いします。

○山本部会長 それでは、審議、ありがとうございました。

 以上をもちまして、本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課乳肉水産基準係 井河: (03-5253-1111 内線2489)

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