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2015年11月4日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第110回議事録

○日時

平成27年11月4日(水)11:45〜12:30


○場所

厚生労働省講堂(低層棟二階)


○出席者

西村万里子部会長 野口晴子部会長代理 印南一路委員 田辺国昭委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 石山惠司委員
中川俊男委員 松原謙二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
加茂谷佳明専門委員 土屋裕専門委員 吉村恭彰専門委員
<参考人>
坂巻参考人
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○次期薬価制度改定に向けて

○議事

○西村部会長

 それでは、ただいまより第110回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 まず本日の委員の出欠状況について報告します。本日は、全員が御出席です。

 また、前回に続き、参考人として、東京理科大学坂巻教授にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 次期薬価制度改革に向けて、長期収載品の薬価と基礎的医薬品について検討していきたいと思います。

 初めに事務局より提出資料の説明をしていただいて、その後に、専門委員より提出資料の説明を行ってもらいます。

 薬剤管理官、説明をお願いいたします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 中医協薬−1をごらんください。「次期薬価制度改革に向けて」ということで、本日は、長期収載品の薬価と基礎的医薬品についての御議論を賜りたいと思います。

 3枚目でありますけれども、長期収載品については、Z2と我々は呼んでいるのですが、後発品への置きかえが進まない先発品の薬価引き下げを行っているところでございます。

 この制度については、平成14年度から、後発品のある先発品について、再審査期間終了後に一定程度下げるというルールがあったわけでございますが、それが26年改定において、後発品の置きかえ率に応じて薬価を下げるという、長期収載品の新たなルールを導入してございます。

 具体的には、スライドの4枚目にありますけれども、置きかえ率が20%未満のものを2.0%下げ、20%から40%、40%から60%それぞれについても、実勢価格に基づく算定値から次の率を引き下げるというルールでございます。

 対象の成分数・品目数については、参考までにこちらに示してございます。

 スライドの5枚目でありますけれども、引き下げ対象品目の例示ということで、2%であれば、ここに書いてある3つの例を出してございます。

 引き下げ率1.75%についても、ここに書いてございますし、こういった例があるということで、お示しさせていただいております。

 スライドの6枚目でありますが、中医協の答申書の附帯意見ということで、長期収載品や後発医薬品の薬価のあり方について、引き続き検討することということで、御指摘をいただいてございます。

 スライドの7枚目でありますけれども、今回の骨太の方針、前回、後発の御議論をいただきましたときに、御説明申し上げましたので、簡単にさせていただきます。

 8枚目、2017年に70%以上ということで、目標値を掲げてございます。

2018年度から2020年度において、なるべく早い時期に80%という目標を立てることを書いてございます。

 スライドの9枚目が、後発医薬品の置きかえによる医療費適正効果額の推計でありまして、平成17年度から平成25年度の適正効果額は、単調に伸びておるということでありまして、平成25年度は5,500億円という推計を出しているということでございます。

 スライドの10枚目が、後発医薬品への置きかえと特例引き下げ、Z及びZ2でありますけれども、その効果額について示してございます。

 平成22年であれば、3,500億とZ230億、平成24年では4,100億と240億、26年にいくと、Z2に変わりまして、5,500億と310億円の財政効果額があったことを示してございます。

 スライドの11枚目に論点等を示してございますけれども、現行では、後発医薬品の置きかえ率が20%未満、2040%、4060%の3区分になっている特定引き下げについて、後発医薬品の使用状況、数量シェアの目標値が、当面、平成29年6月末までに70%以上に設定されていることを踏まえまして、どういうふうに考えるかという論点を示してございます。

 次は基礎的医薬品についてでございます。

 スライドの14枚目は、骨太の方針2015に書いてあることでありますが、臨床上の必要性が高く、将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給について、必要な措置を検討すると掲げてございます。

 スライドの15枚目でありますけれども、医薬品産業強化総合戦略の質の高い効率的な医療の実現という中に、基礎的医薬品等の安定供給の確保という項目が書かれてございます。

 具体的には、16枚目でありますけれども、例えば長期間にわたり薬価収載されており、累次にわたる薬価改定を受けているもののうち、最低薬価では供給の維持(製造設備の改修を含む)が困難な品目や、以前に不採算品再算定を受けた品目も含め、基礎的医薬品の要件を明確にした上で、薬価上必要な措置などについて検討を行うと掲げてございます。

 スライドの17枚目、18枚目は、参考までに、不採算品再算定の概要と最低薬価のルールの概要を示してございます。

 資料については、以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 続きまして、専門委員より提出資料の説明をお願いいたします。加茂谷専門委員と土屋専門委員、よろしくお願いいたします。

○加茂谷専門委員

 専門委員の加茂谷から御説明を申し上げます。

 お手元に長期収載品と基礎的医薬品、2種類の資料を用意させていただきました。

 まず長期収載品でございますが、製薬企業の立場から、市場動向をもとに、現状につきまして、御説明を申し上げたいと思います。

 スライド2をご覧いただければと思います。本グラフにつきましては、2011年度から2014年度まで、いわゆる長期収載品の売上金額の推移を棒グラフで示したものでございます。

 グラフの上、薄いブルーで示しておりますが、毎年度、新たに後発品が収載されることで、新たに長期収載品となる品目が増えていく状況になるわけでございます。長期収載品全体の売上金額につきましては、既存品が後発品に置きかわること等により、概ね3兆円前後で推移しているというのが、このグラフから見てとれるかと思います。

 直近の状況を見ますと、2013年度で3兆円強の長期品の市場が、2014年度は2兆4,000億円ということで、2013年度から2014年度にかけては、長期品が5,000億円以上の減額となっていることを御理解いただければと思います。

 スライド3でございます。こちらは、長期収載品につきまして、個々の薬価の引き下げ分を除いた数量変化による売り上げの変化を、2014年度改定で導入されましたZ2の対象と対象外に分けた折れ線グラフに示しております。

 グラフの青い折れ線が、2014年度の改定で、いわゆるZ2、特例引き下げの対象になったものでございます。Z2対象品目は、後発品への置きかえが進んでいないと判断されたものでありますが、確かに減少率が低く推移しておりますけれども、それでも4%、5%、7%、10%と着実に拡大をしている。すなわち、減少幅が年々大きくなっており、2014年度以降はその傾向が加速していると読み取れるのではないかと、我々は理解をしております。

 また、赤い折れ線グラフでございますが、こちらはZ2対象外品目ということで、後発品への置きかえが既に60%以上進んでいるもののグラフでございます。過去から既に置きかわっていたところ、2014年度改定以降、改めて置きかえが進んだように見受けられるところでございます。

 以上のように、2014年度改定後は、特例引き下げの対象のいかんにかかわらず、長期収載品全体として、一様に後発品への置きかえが加速したのではないかと理解をしているところでございます。

 スライド4でございます。本年8月26日の、業界意見陳述において提出いたしました資料の別添に記載しておりました、特例引き下げに関する部分を抜粋したものでございます。

 特例引き下げにつきましては、記載しておりますとおり、後発品への置きかえが進まない場合に、改定の度に繰り返し適用されるという点において、極めて厳しいルールであり、後発品使用促進や企業経営に及ぼす影響について、十分な検証が行われることが重要」と考えております。

 ここに記載のとおり、特例引き下げにつきましては、昨年4月に実施したのみであり、3ページにお示ししましたように、その影響は、まだよく見えていないと認識をしているところでございます。繰り返し適用した場合の影響等については、まさに今後の検証が必要ではないかというのが、専門委員としてのコメントでございます。

 最後にスライド5でございますが、新薬創出等加算のコンセプトは、何度も本会に御提示申し上げているところでございますが、右側の新薬の特許期間満了後、後発品上市以降につきましては、強力な後発品の使用促進策のもと、基本的に全ての長期収載品を対象に、欧米に追いつくように後発品への置きかえが進められ、既に市場といたしまして、その方向で動いていると理解をしております。

 私ども研究開発型の製薬企業におきましては、既に長期品から次の新薬の開発原資を得ることは、なかなか困難な状況となっております。特許期間中の新薬から得られる原資を、次の新薬の開発へ投資していくというサイクルを加速していかなければ、国際競争力を保ったビジネスモデルの構築はなかなか難しくなっていくと思っております。欧米のように、開発原資を少しでも前倒しで得られるよう、現在、試行的に導入されております、新薬創出等加算につきましては、その対象範囲の維持をお願いしたいと思っているところでございます。

 次回以降、新薬創出等加算で得た原資の開発投資等につきまして、説明させていただく機会を頂戴できればと、お願いをしておきたいと思います。

 長期収載品につきましては、以上でございます。

 引き続きまして、もう一つの資料に基づきまして、基礎的医薬品について御説明を申し上げたいと思います。

 基礎的医薬品につきましては、現行の薬価算定ルールの課題も含めまして、専門委員の立場から、その考え方を説明させていただきたいと思います。

 スライドの2、3につきましては、8月26日の日薬連会長の陳述資料を抜粋させていただいておりますものですので、説明は省略したいと思います。

 スライド4でございます。これは先ほど事務局から御紹介いただきました、医薬品産業強化総合戦略におきまして、基礎的医薬品の安定供給について記載された部分の抜粋でございますので、詳細は割愛させていただきます。

 スライド5を参照いただければと思います。薬価基準に収載されている既収載品の中で、薬価上の措置が必要なものを基礎的医薬品として位置づけるということで、私どもはイメージとして考えているところでございます。

 赤い点線で区切る選定要件として、下段に記載をしているところでございます。具体的には、長期間にわたって医療現場で使用されている、薬価収載からの期間が長いものを選定していただくことが前提と考えております。この中から、有効性、安全性プロファイルが明確であり、医療現場からの継続供給の要望があるもの、そのような観点を踏まえますと、臨床上不可欠であることを示す要件として、例えばここにはガイドラインへの記載という例を取り上げさせていただいております。

 また、薬価収載からの期間が長いことから、価格水準が低下し、供給維持が困難な状況となっている観点からは、採算性の要件、例えば不採算品再算定の適用実績が、その要件として考えられるのではないかと、ここに記載をさせていただいたところでございます。

 あくまでもこのイメージ図につきましては、医薬品を製造・供給する企業の立場での考え方でございますので、対象品目の選定要件につきましては、この場で御議論を頂戴できればと思っているところでございます。

 スライド6はここで言う基礎的医薬品と似た事例として、海外ではWHOが医療に最低限必要と言われる医薬品を、いわゆるエッセンシャルドラッグとして、このようにリスト化をしている状況がございます。領域ごとの代表成分を掲載しておりますので、参考にして頂ければと思います。

 スライド5に記載をいたしました、基礎的医薬品の考え方の代表例として、スライド7、8を示させていただいております。

 スライド7は、抗結核薬についてお示ししております。日本におきましては、上のグラフにございますように、結核による死亡者数及び罹患率につきましては、年を経るごとに減少してきているものの、現在もまだ撲滅はできておりません。一定の患者さんが存在している状況にございます。

 そして、いまだに、一次抗結核薬といたしまして、治療の最前線で用いられる抗結核薬は、薬価基準が制定された、昭和25年から薬価収載されたものなど、古いものばかりで、最近、40年ぶりに新薬が薬価収載された状況でございます。新薬がなかなか出てこない領域でございます。

 また、このうちのストレプトマイシンにつきましては、需要が縮小した中でも、継続して供給しておりまして、右下にございますとおり、不採算品再算定が複数回適用されている医薬品でございます。

 スライド8は、医療用麻薬の例を提示させていただいております。WHO方式のがん疼痛治療法におきましては、オピオイドと呼ばれる麻薬系の鎮痛薬が中心となっており、痛みの強さに応じて、段階的に使用すべきとされております。

 また、強オピオイドに分類される薬剤間で、種類を変更するオピオイドローテーションというものも、医療現場で行われていると聞いておるところでございます。

 これらの麻薬も、初発製剤は古いものばかりであり、このうちのモルヒネ塩酸塩錠につきましては、不採算品再算定が複数回適用されていることを提示させていただきました。

 先ほど現行のルールの中で、不採算品再算定があるという御紹介を事務局からいただきましたけれども、私ども供給側の視点から、なぜ採算性が悪くなるのかという理由につきまして、スライド9に示しているところでございます。不採算となった理由をここに整理させていただいております。

 どのような品目であっても、製造設備の更新あるいは原薬・原材料の調達といった問題は、長期の供給を継続する上で、大きな課題になっておりますし、それらに対する追加コストを検討する時期は、必ず訪れるわけでございます。

 理由にもありますとおり、我が国におきましては、定期的な薬価改定によって、循環的に薬価が下落することがございます。これも前提に検討していかなければならないと思っております。

 スライド10は、実際に不採算品再算定が適用された時期を、主な理由別に整理したグラフでお示ししているところでございます。早いものでは、薬価収載から25年、平均的には30年以上経過して、不採算品再算定が適用されたものが多いというのが、現実の状況でございます。

 不採算品再算定の適用につきまして、企業の立場で申し上げますと、適用希望を出すのは、よほどのケースでございます。もちろん希望を出す前から不採算の状況に陥り、原価低減の方法も見当たらないか、そのためにも追加投資が必要となる場合であっても、供給をやめるということは、もちろんできないわけでございます。そういう状況を踏まえて、やむなく再算定を希望しているのが実態だと、御理解をいただければと思います。

 もちろん希望した品目全てに、再算定が適用されるわけでもございません。非常に古い品目につきましては、再算定の適用に至らなくても、各社が供給継続に努力・尽力をしている点も付言させていただきたいと思います。

 スライド11は、薬価改定による影響をお示ししているところでございます。

25年前の平成2年の薬価を100とした場合、平均改定率で推移したといたしましても、25年後の薬価は、半減することになります。平成12年度改定まで、R幅の縮小に伴いまして、薬価差である推定乖離率、ここで言うところの赤い折れ線グラフは、縮小してまいりましたが、平成12年度に調整幅が2%となって以降、一定の薬価差が存在しているところかと思います。一般論といたしまして、調整幅ではなかなか吸収できない乖離率、薬価差があり、改定すれば、薬価は下がる状況にあると認識をしているところでございます。

 スライド12には、改定の影響から、不採算品再算定が複数回適用された品目の例をお示ししているところでございます。臨床上の必要性が高く、将来にわたり継続的な安定供給が求められる品目に対しましては、不採算品再算定を確実に適用していただくことはもとより、その後の薬価改定により、薬価がまた下がってしまう可能性があることを踏まえまして、今般、私どもといたしましては、基礎的医薬品、薬価の下支えの仕組みの構築をお願いしたいと要望させていただきます。

 スライド13は、現行の薬価の下げ止めルールであります、最低薬価についてお示しをしております。

 右側の欄が、現在、最低薬価が設けられている剤形になります。赤字、下線でお示ししておりますとおり、前回の改定におきまして、注射剤の最低薬価を容量別に設定していただきましたが、必要に応じて、今後も追加・見直しを行っていただきたいと要望したいと思います。

 左側の剤形区分の欄と見比べていただきますと、まだ最低薬価が設定されていない剤形も存在しているところでございます。

 最後のスライド14でございます。臨床上の必要性が高く、将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給に向けては、現行の不採算品再算定の確実な適用、あるいは最低薬価の区分の新設など、現行ルールの拡充に加え、スライド5でお示ししましたイメージ図、あるいはスライド7、8でお示ししました代表例、不採算品再算定の実態等を参考にいたしまして、医療現場の先生方からの御意見も踏まえまして、その要件をこの場で御議論いただき、基礎的医薬品の継続的な安定供給を確保するために薬価を維持ルールを御検討いただきたいと考えているところでございます。御審議のほど、よろしくお願いをいたします。

 以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について、御質問等がありましたら、お願いいたします。

 松原委員、お願いします。

○松原謙二委員

 私は内科の専門医で、循環器の専門医でございます。

 薬というのは、大事な治療の要素であります。非常に安定していて、副作用もなく、効果のある薬が、ある日突然つくられなくなったりすることが多々ございます。そのとき、なぜそうなるかということをお聞きしますと、採算がとれなくなったからだと言うのです。

 実際に非常によく使っている薬が、そのような形で消滅するのは、何に問題があるのかと考えますと、単純に市場経済原理に従って金額を決めていることにあるのではないかと、思います。例えばジアゼパムという薬は、必要な方が大勢いらっしゃいます。そういったことを考えると、不採算であっても、ぜひつくっていただきたいのですが、しかし、製薬会社も企業でございますので、つくって赤字ではだめだとなれば、国の責任である程度対応するのが当然である。

 そう考えたときに、こういった制度をうまくつくって、下がり過ぎた分を一定のところまで上げるという考え方と、薬をつくるラインというのは、古くはなってもあるわけでありますから、新薬のように、ほかの要素とか、広告費用などはかからないわけであります。例えばつくるラインの基本的な金額と人件費などを計算した上で、もちろんある程度の利潤は要ると思いますけれども、最低これぐらいなければならないということを御提案いただいて、新薬のときにも、類似薬がないときには、そういった決め方をするわけですから、不採算で有効な薬についても、そういった考え方を一度検討してみる必要もあるのではないかと考えながら、日常の診療をやっております。ぜひいい薬をなくさないでいただきたいと思います。

○西村部会長

 御意見としてでよろしいですか。

○松原謙二委員

 もし可能であれば、厚生労働省さんに、なぜそういった計算の方法はだめなのか、簡単に御説明いただければありがたいです。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 御指摘の点については、不採算品再算定のときに、原価計算をやって、ほんの少しでありますが、利益率も入れている現状にございます。松原先生が御指摘のとおり、古い薬で、特に先ほどジアゼパムという例を出していただきましたけれども、安全性と有効性のプロファイルが非常に明確になっているということで、ちゃんとした使い方をすれば、非常に安全に使えるという、そういう趣旨でいくと、そういったものの薬価を維持していただくことは、医療経済上も非常に有効な手だてだと、私どもも認識してございます。このやり方については、今後、御議論いただければと思いますけれども、お考えとしては、我々としても、そういうことをぜひ御検討いただきたいと考えてございます。

○西村部会長

 よろしいですか。

○松原謙二委員

 基礎的医薬品については、ぜひ守っていただきたいと思います。

○西村部会長

 それでは、ほかにございましょうか。幸野委員、お願いします。

○幸野委員

 論点として掲げられている事項と、専門委員からの御要望を踏まえ、コメントをさせていただきます。

 論点のZ2をどうするかということの見解ですが、骨太方針2015で、後発品の数量シェアを5年後には諸外国並みの8割にまでに引き上げるという国家戦略は、国民として非常に重く受けとめて、必達しなければいけない目標だと捉えておりますが、医療機関、薬局、患者、全てが一体となりこれに取り組んでいかないと、この高い目標は達成できません。 そういう前提で、論点を考えると、今後70%、80%を目指すこととする政府目標が示された以上、Z2を今後見直す上でも、この数値は必ず考慮していかなければいけないと考えております。現行の60%未満の基準をどうするのかは今後の議論となりますが、70%、80%の数値を重く考え、検討していく必要があると思います。

 それから、60%だけではなく、20%未満の基準もありますが、こうした高い目標が掲げられた中で、まだ置換え率が20%未満の長期収載品は現行の2%のルールを継続していくのか、それとも率を引き上げるのかについても議論していかないと、政府目標を5年後に達成することは、非常に厳しいのではないかと思います。

 論点については、以上です。

 もう一点、先ほど加茂谷専門委員から説明のありました、基礎的医薬品の価格をどうするかという点ですが、確かに医療上必要な薬価を考えていかなければいけないと思いますが、違う視点から見ると、企業は収益を確保していく上で、製薬会社のみならず、公共的な企業は、採算が取れているものとそうではないものがあり、採算が取れていないものは、取れているものがカバーしていくことが原則であると思います。例えば、公共交通機関である飛行機や鉄道などは、必ず赤字路線を抱えており、赤字路線は値段を高くするか、または廃線としてしまうかということを考えると、それは黒字路線でカバーしていくという企業の論理がありますので、そういう視点から考えていく必要があります。

 薬価は公定価格で、売れ過ぎると市場拡大再算定で価格を見直されることもありますが、基礎的医薬品のように、採算がとれないから別のルールをつくると、売れなくなった医薬品は、そこにはりついていくことが懸念されますので、基礎的医薬品は現行の不採算品再算定や最低薬価の救済ルールの中でカバーし、この中で個別に判断して決めていく事項ではないかと思います。

 基礎的医薬品がその企業収益の9割を占めているなど、企業の存続にかかわることであれば、それは異なるルールで救済していく必要があると思いますが、他の医薬品の売上でカバーできるものや、新薬創出加算が原資となるもの等について、異なるルールを適用することは妥当ではないと思われますので、企業の収益全体等を見て個別に判断し、救済することが妥当と思われる品目については、不採算品再算定のルールを適用する等、現行のルールの中で個別に対応していくことが妥当ではないかと思います。

○西村部会長

 御意見をありがとうございました。

 ほかにございますか。中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今の幸野委員の発言に対して、加茂谷さん、土屋さん、どうですか。

○西村部会長

 加茂谷専門委員、御意見をお願いします。

○加茂谷専門委員

 御指摘の内容はよく理解できます。全体で利益を出しているのであれば、いいのではないかというお話も、確かに御指摘のとおりかと思いますけれども、私どもが今回御提案申し上げている基礎的医薬品につきましては、必ずしも大手の企業だけが行っているものばかりではございませんで、専業の企業、まさにそういう領域を中心としている企業も現に存在をしているところでございます。そのような状況を踏まえまして、私どもといたしましては、今後の生産設備への投資を、薬価が一定程度安定するという状況の中で、行いたいと考えます。

 生産設備も、今、30年、40年、50年と、メンテナンスを施しながら、維持・構築しているような状況もございます。新たな投資のために、50億、100億を投資する前提といたしましては、そういった薬価上の安定性といったものが、企業の経営の中に、あるいは投資要件の中には、重要かつ必要不可欠だと思っておりますので、そういう点も御配慮いただきながら、御議論を賜れればと思っております。

 以上です。

○西村部会長

 土屋専門委員、よろしいですか。

○土屋専門委員

 結構です。

○西村部会長

 続けて、中川委員、どうぞ。

○中川委員

 幸野さんのお考えは、営利企業的な発想ではそうだと思いますけれども、これは公的医療保険の話ですので、ちょっと違うと思います。基礎的医薬品というのは、医療になくてはならないものですから、その認識は皆さん共通だと思いますが、こういうものをちゃんと確保するためには、ほかでもうけなさいということは、我々2号側としては、なじまないと思います。

○西村部会長

 坂巻参考人、海外の状況などについて、お願いします。

○坂巻参考人

 発言の機会をありがとうございます。

 ちょっと風邪を引いておりまして、滑舌が悪いことをお許しください。

 先にZ2のお話でよろしいでしょうか。Z2に関しましては、海外の制度を見ますと、日本のZ2と同じものというのは、基本的にないわけでございます。先発の価格といいますか、償還価格を後発医薬品のそれに近づける制度ということでいえば、かなり無理をして考えれば、参照価格というものが近いかと思いますが、参照価格にしても、これは価格ではなくて、あくまでも償還価格を先発と後発品を同じにするということですので、日本の制度とはかなり違うということが言えると思います。

 それから、前回改定で、Z2が導入された経緯は、私も、前回、参考人としてこの場に出席させていただきましたが、発売されてから十分に時間がたっていて、開発費等が十分回収できているはずなのに、ジェネリックに比べて高い値段なのはなぜなのかというところから、この議論が出発したと記憶しております。そういう点では、Z2を導入することによって、ジェネリック医薬品の使用が進むのかどうかということは、この制度の導入には、あまり論点にならなかったと記憶しております。

 ヨーロッパの事情でございますが、前回のこの場で御紹介した論文の中で、ジェネリック医薬品と先発医薬品の価格差をどのように扱っているかということが示されています。あくまでもヨーロッパだけの事情でございますが、基本的な考え方としては、ジェネリック医薬品と先発医薬品の価格差がないと、ジェネリック医薬品の使用は進まないという基本的な認識があると、見ることができると思います。その考え方のもとで、国によっては、最初からジェネリック医薬品の価格は先発に比べて何パーセント低くすることをルール化している国、あるいは価格設定は市場に任せるけれども、結果的にジェネリック医薬品の値段が先発に比べて安くなるという国があるという事実が研究として示されています。

 ここで、Z2をどう考えるかということですが、もともとジェネリック医薬品の使用促進ということは、あまり考えていなかったということと、諸外国を見ても、価格差があることが、ジェネリック医薬品の使用促進につながるとされる中で、日本がZ2を継続することで、価格差がどんどん小さくなって、本当にジェネリック医薬品の使用促進につながるかどうか、ここら辺は議論のポイントになるのではないかと思います。これがZ2に関する、諸外国の制度から見た論点になろうかと思います。

 もう一つの基礎的医薬品でございますが、これも私が現在持っている資料の中では、基礎的医薬品という考え方は、海外でも余りないと思います。ただし、基礎的医薬品という言葉は使いませんけれども、医薬品の安定供給に関しては、グローバルに大きな問題になっています。

 基礎的医薬品ではなくて、具体的に言いますと、抗がん剤であったり、免疫抑制剤、一部の抗生物質、これらは製造過程において、品質管理が非常に強く求められ、生産コストが上がっており、例えばアメリカを中心とする自由価格の国では、価格が非常に高騰している。物によっては、600倍に値段が上がったということが、新聞記事にも載ったりしております。

 日本は公定価格ですので、安定供給に問題があるからといって、値段が急に引き上げられる心配はないわけですが、諸外国でも、特に医療上必要である、あるいは生産上コストがかかるものに関して、価格をどのような形でコントロールして、安定供給につなげるかということは、議論になっているということがございます。

 以上でございます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 海外の状況をお話いただいたのですが、ほかに御意見ございますか。安部委員、よろしくお願いします。

○安部委員

 中医協薬−1の資料で、質問したいことがあります。中医協薬−1の9ページであります。後発医薬品への置きかえによる医療費適正効果額の推計ということで、薬価調査の結果から、平成25年で450億円後発医薬品を使っていて、年間の効果額が5,500億円という推計額を資料としてお出しいただきましたけれども、後発医薬品の月間販売額は453億円とございますが、医療費の動向を見ますと、調剤医療費のうち、後発医薬品の使用料は、月間500億円となっています。これは医療費動向の電算のデータでそうなっておるわけですので、453億円という数字が、調剤だけではなくて、入院、入院外の医療費を含んでいるとすると、実際よりも薬価調査の結果から出てきた数字は、医療費動向からすると、非常に小さい数字として出ているのではないかという印象があるのですが、その点について、御説明いただければと思います。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 御指摘の点については、調剤MEDIASということでありますので、今回のこの資料は薬価調査であります。つまり単月分のものを出したものでありますので、どうしてもその違いはあるということです。

 それから、この調査の結果というのは、かなり厳密に考えておりまして、置きかえた、置きかえるということでありますので、同一剤形、同一規格の先発品が存在する後発品のみ集計しているということがございまして、より厳密に解釈して、適正化効果の総額を推計した結果、こういう結果になっているということでございます。

○西村部会長

 よろしいですか。安部委員、続けてどうぞ。

○安部委員

 違いが出た理由はわかりましたけれども、一方で、後発医薬品の使用によって、どの程度の経済効果があるかということについては、今回使用した後発医薬品の使用量は実数ではないと思いますので、今後この集計のやり方のほかに、医療費動向等の実数を使ったデータ等もあわせてお示しいただければ、どちらを使うかは別にして、正しい理解ができるのではないかと思いますので、これはそういう形での取りまとめをしていただければと思います。

○中井薬剤管理官

 その点につきまして申し上げますと、確かに今回の推計は、薬価調査の結果で、一定程度、同一剤形、同一規格の先発品と後発品の関係を出したものでございますので、御指摘のとおり、それ以外の調査データをあわせて、幾つかの推計があり得るかと存じますので、そういったものは、今後、出していきたいと思っております。

○西村部会長

 その点はよろしくお願いいたします。

 石山委員、どうぞ。

○石山委員

 先ほどの基礎的医薬品の話ですけれども、これは医療現場にとっても、非常に大事な部分です。事務局にお願いしたいのは、上市から何十年が経過したか、再算定を何回受けているとか、その企業の売り上げにおいて、どの程度の割合を占めているのかといった要件を定めて、基礎的医薬品とは何かを一覧に提示していただくことであります。時間はそうありませんが、薬剤管理官ならできると思いますので、その辺はぜひよろしくお願いしたいと思います。

 もう一点、当該基礎的医薬品が収益の大半を占めるような企業にとって、当該薬価の維持は経営の維持という点からも、きわめて重要です。そのためには、単品単価取引の原則を徹底していただきたいということを要望させていただきます。

 以上です。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 御指摘については、できる限りの資料を用意させていただきたいと思います。

 それから、先ほど幸野委員からもいろいろ御指摘いただきましたけれども、今回の基礎的医薬品についての提案がなされた経緯としては、不採算品再算定が従来からあって、最低薬価というルールがございました。それでも、従来から、業界側からの意見として、何度も陳述されているのは、不採算品再算定には一定程度の制限がございますので、それだと、どうしても安定供給に苦しいということになっていた時代があったということで、今回こういう提案があったと、私どもは認識してございます。

 石山先生からも御指摘いただきましたけれども、最終的にどういうものが基礎的医薬品なのかについては、もちろん中医協において御議論いただくということでございますので、次回までに、我々として、こういったものが基礎的医薬品だという、御議論いただける土台はつくりたいと考えてございますけれども、最終的には基礎的医薬品として認める、認めないについては、中医協で個別品目について御議論いただいた上で、認めることが必要ではないかと考えてございます。

 以上です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 それでは、データなどを用意していただいて、中医協で議論を重ねていきたいと思います。

 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。ほかに御意見はないようですので、本件の議論はここまでとさせていただきます。

 本日予定された議題は、以上です。

 次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の「薬価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03−5253−1111(内線)3288

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