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2015年11月20日 第91回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成27年11月20日(金)15:57〜18:20


○場所

全国都市会館 大ホール


○議題

1.次回の診療報酬改定に向けた検討について
2.当面の医療保険部会の主要な事項に関する議論(骨太の方針「経済・財政再生計画」の改革工程の具体化)について 
3.医療保険制度改革の施行について

○議事

○遠藤部会長

 それでは、定刻に若干時間がございますけれども、委員の皆様全ておそろいになられましたので、これより第91回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 まず、委員の異動がございましたので紹介させていただきます。

 高橋睦子委員が退任されまして、新たに日本労働組合総連合会副事務局長の新谷信幸委員が就任されております。

 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。

 本日は岡崎委員、武久委員、樋口委員、福田委員、望月委員、森委員、渡邊委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをしたいと思います。

 岡崎委員の代理として村岡参考人。

 武久委員の代理として中川参考人。

 福田委員の代理として山本参考人。

 森委員の代理として安部参考人の出席につき御承認いただければと思います。よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。本日はまず次回の診療報酬改定に向けた議論を行い、その後、当面の医療保険部会の主要な事項、すなわち骨太の方針「経済・財政再生計画」の改革工程の具体化及び医療保険制度改革の施行についてを議論したいと思います。

 また、本日は委員提出資料1としまして、国保の賦課限度額の引き上げに対する意見が岡崎委員から。

 委員提出資料2として、国保改革の施行に関する要望が小林委員、白川委員から。

 委員提出資料3として、本日の当部会の資料に対する意見が望月委員からそれぞれ提出されております。

 それでは、まず次回の診療報酬改定に向けた検討についてを議題としたいと思います。本日はこれまでの議論を踏まえ、平成28年度診療報酬改定の基本方針骨子(案)を事務局から提出していただいております。なお、この議題の参考資料としまして、これまで医療保険部会における次回の診療報酬改定に関連する資料を委員の皆様のお手元のファイルにまとめておりますので、適宜御参照いただければと思います。

 それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○城課長

 事務局でございます。連携政策課長でございます。

 資料1「平成28年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)」について御説明をいたします。

 この関連といたしまして、本日は参考資料1、前回の御議論として参考資料2、3をお配りしております。適宜御参照いただければということでございます。

 それでは、資料1をごらんください。前回、横長の紙で診療報酬改定の基本方針のポイントについて御議論いただいたところでございますが、それを骨子の形にまとめた案がこれでございます。

 順を追って御説明いたします。また、昨日、医療部会がございまして、同じもので御議論をいただいております。異例ではございますが、そこでの御議論で関連があるところを途中挟みながら御紹介もさせていただくつもりでおります。よろしくお願いいたします。

 まず「1.改定に当たっての基本認識」でございます。この1と2以降で改定の基本的視点をまとめるという、この構造については御議論いただきまして、特に御異論がなかったということで、この構造に従って構成をしております。

 まず1つ目でございます、超高齢社会における医療政策の基本方向としております。これは○4つで整理しておりますが、最初の○については前回お示ししたとおりでございます。団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に向けて、制度の持続可能性を確保しつつ国民皆保険を堅持しながら、国民一人一人が安全・安心で質が高く効率的な医療を受けられるようにすることが重要という認識。

 次のところでございますが、「治す医療」から「治し、支える医療」へということで、高齢化の進展に伴い疾病構造が変化していく中でということを書いた上で、「治す医療」から「治し、支える医療」に転換が必要ということをしております。

 3つ目の○でございます。この「超高齢社会」という問題に加えて、我が国の医療制度はということで、人口減少の中での地域医療の確保、少子化への対応、医療保険制度の持続可能性の確保といったさまざまな課題に直面ということで書いておりますが、前回の御議論で自殺に関する関係、自殺対策の重要性の話がございました。また、部会は医療部会になりますが、災害時の対応についてということもございましたので、そういった政策課題についても我々は認識を持つ必要があるということで、ここにその旨を記載いたしております。災害時の対応や自殺対策など、個々の政策課題への対応も求められるとしております。

 その上で基金を初め、診療報酬、予防・健康づくり、さらには介護保険制度も含め、それぞれの政策ツールの特性・限界等を踏まえた総合的な政策の構築が不可欠としております。

 4つ目の○でございます。前回、保険医療2035について「基づき」と書いておりましたが、書き過ぎだろうという御指摘をいただいておりましたので、これを「踏まえ」というように修正させていただきました。これが1つ目のくくりでございます。

 2つ目、地域包括ケアシステムと効率的で質の高い医療提供体制の構築というところでございます。

 1つ目の○でございます。医療介護総合確保推進法のもとで進められている医療機能の分化・強化、連携等々ということで、この中身については大きな変更はございませんが、ここは医療機能の分化・強化、連携のところでございます。前回、病床機能の分化・強化、連携というように記載をいたしておりました。ほかのところでは医療機能と書いておりまして、表記が統一していなかったところがございますが、今回骨子でまとめるにあたりまして表記の統一を検討いたしました。そのときに病床機能という形で書きますと、外来の分化・強化といったこともなかなか含めませんし、同じ入院で考えまして救急の入院もしくは退院支援ということでは、病床だけでは語り切れないところもございますので、そういう意味でより広い概念であります医療機能の分化・強化、連携という整理をさせていただいております。

 その他のところについては、この文章についてはほぼ前回どおりでございます。

 また、2つ目の○でございます。地域包括ケアシステム等々のために質の高い人材を継続的に確保していくことが不可欠ということで、基金との役割分担を踏まえつつ、負担軽減など診療報酬の措置を検討していくことが必要としております。

 2ページ、その続きでございます。経済成長や財政健全化等の調和という形で、前回とほぼ同様でございます。骨太の方針、成長戦略等も踏まえつつということで、無駄の排除、医療資源の効率的な配分、イノベーションの評価等を通じた成長への貢献ということにも留意することが必要ということをまとめております。

 2つ目の大きなくくりでございます。改定の基本的視点と具体的方向性ということで、4つの視点を挙げております。

 1つ目が地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点としております。これを重点としております。前回は医療機能の分化・強化、連携を前に出して、地域包括ケアシステムを後ろにしておりましたが、地域包括ケアシステムが重点であるということで前に出したほうがいいのではないかという御議論をいただいておりましたので、これを前にして順序を入れかえております。

 1つ目のところ、基本的視点でございます。医療を受ける患者にとってみればということで、急性期、回復期、慢性期の状態に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護サービスにつなぐなど、切れ目ない提供体制が確保されることが重要。このためには医療機能の分化・強化、連携を進め、在宅医療、訪問看護などの整備を含め、効率的で質の高い医療提供体制を構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築していくことが必要としております。

 ここにつきまして、少し昨日御議論、御意見をいただいております。特に上の○ですが、必要に応じて介護サービスにつなぐというのは、地域包括ケアシステムの観点からおかしいのではないかということがありまして、ここは介護サービスと医療サービスは協働、連携していくものであろうという御意見をいただいております。そういう方向で何かしら表現を考えなければいけないかなと思っておるところでございます。

 具体的方向性であります。「ア 医療機能に応じた入院医療の評価」としております。ここは効率的で質の高い入院医療の提供のため、医療機能や患者の状態に応じた評価を行い、急性期、回復期、慢性期など医療機能の分化・強化、連携を促進ということにしております。これは前回とほぼ同じでございます。

 2つ目の「イ チーム医療の推進、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を通じた医療従事者の負担軽減・人材確保」であります。ここは基金を活用した確保・養成とあわせて多職種の活用によるチーム医療の評価、勤務環境の改善、業務効率化の取組等を推進し、負担軽減を図ると丁寧に書かせていただいております。

 「ウ 地域包括ケアシステム推進のための取組の強化」であります。ここは書き方は丁寧に書いたということではあるのですが、かかりつけ医、主治医という御議論が実は前回ございまして、その表記の仕方を考えたところでありますが、ここは並びもございますし、いろいろ御議論を踏まえまして、かかりつけ医ということで統一をさせていただいております。それから、かかりつけ医、かかりつけ歯科医の機能を評価ということに続きまして、3ページでかかりつけの薬剤師・薬局というところを記載いたしております。

 3ページ、一番上のところの続きであります。調剤報酬関係といいますか、患者の薬物療法の有効性・安全性確保のため、服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能評価としております。

 退院支援、医療機関間の連携、医療介護連携、栄養指導等、地域包括ケアシステム推進のための医師、歯科医師、薬剤師、看護師等による多職種連携の取り組みを強化としております。これは前回のところでは医療機関間の連携ということについて記載がなかったので、その部分は追加をしております。多職種連携について、今回医療関係でありますので医療関係職種について例示をさせていただいております。

 エですが、質の高い在宅医療・訪問看護の確保。これは患者の状態や医療の内容、住まいの状況等を考慮し、効率的で質の高い在宅医療・訪問看護の提供体制を確保するということであります。

 オであります。医療保険制度改革法も踏まえた外来医療の機能分化であります。本年5月に成立した改革法も踏まえ、大病院と中小病院・診療所の機能分化を進めることについて検討。それから、外来医療の機能分化・連携の推進の観点からということで、かかりつけ機能等々の部分についてでありますが、丁寧に記載をいたしまして、診療上における複数の慢性疾患を有する患者に療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を継続的に実施する機能を評価といたしております。

 これが1つ目のところでございます。

 (2)患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点であります。

 基本的視点のところであります。これは前回のところと基本的には同じなのですが、途中のところであります。2行目から3行目にかけましてですが、今後の医療技術の進展、疾病構造の変化等を踏まえればということで、その後に「第三者による評価やアウトカム評価など客観的な評価を進めながら」というものを入れさせていただいております。これは前回の御議論でこういった評価についての御意見がございましたことから、これを挿入いたしております。

 具体的方向性でございます。アについてはかかりつけ医の評価ということで、これについては上のほうで記載したものの再掲となっております。

 4ページ、イの情報通信技術(ICT)を活用した医療連携や医療に関するデータの収集の推進という項目でございます。これは前回のとおりになっております。

 ウであります。質の高いリハビリテーションの評価等、疾病からの早期回復の推進ということでございます。ここでアウトカムについて前回、御議論がございまして、アウトカムだけでは患者さんは千差万別でございまして、なかなか評価というのはあれだということで、プロセス評価も重要だというお話がございまして、そういう意味でアウトカムにも着目したというように修正をいたしております。

 昨日の御議論で、疾病からの早期回復という言葉が表題にも本文にも出てまいりますが、というよりはもう少し在宅復帰に向けたということは、疾病からの回復というのは少しずれているのではないかという御意見をいただきました。そういう旨を踏まえまして機能回復なのか、リハビリテーションですから何かそういった表現を考える必要があるかなということでございます。

 (3)であります。重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点であります。基本的視点のところで冒頭、「国民の疾病による死亡の最大の原因となっているがん、心疾患、脳卒中に加え、高齢化の進展に伴い今後増加が見込まれる認知症や救急医療など」ということで、重点分野の例示をさせていただいた上で具体的方向性の例のところの項目に移るようにというようにしております。

 具体的方向性のところでございますが、ア〜クとなっているところ、ほぼ前回のとおりであります。特に変更いたしましたのはオのところでございます。オは前回、救急医療、小児医療、周産期医療としておりましたが、前回の御議論で高齢者の増加を踏まえたという御議論を踏まえまして「高齢者の増加を踏まえた救急医療の充実」とした上で、修飾関係が紛れますので、前後入れかえて小児、周産期を前に出して、後ろに救急というように入れかえております。

 クのところですが、前回、我々は「等」として読み込んでいたつもりでありましたが、なかなかわかりにくいということで、「検査等におけるイノベーションの」の後に「医療技術の適切な評価」ということをあえて書き出しをいたしております。

 (4)の効率化・適正化等々のところでございます。基本的な視点のところは前回の柱書きとおおむね変わっておりませんので、次の5ページをごらんください。具体的方向性の例ということでございます。

 まず1つ目は、後発医薬品関係でございます。これは少し丁寧に書いております。後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品ということで、1つ目のポツのところで、骨太の方針で新しい目標が掲げられておりますので、これに向けた診療報酬の取り組みということで記載をしております。

 2つ目のポツのところで、後発医薬品そのものの価格適正化に向けてルールを見直すということ。3つ目のポツのところで、競合品になります長期収載品の価格算定ルールの要件の見直しということを記載いたしております。

 「イ 退院支援等の取組による在宅復帰の推進」ということで、患者が安心・納得して退院し、早期に住みなれた地域で生活を継続できるための取組を推進としております。昨日の御議論でイについては適正化項目の中に挙がっているけれども、例えば地域包括ケア推進のための取り組みではないか。もしくは患者にとって安心・安全という部分の取り組みではないかということがございましたので、これについてはほかでも再掲という形で記載しております関係から、そういったところも移してはどうかという御意見がございました。

 「ウ 残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組など医薬品の適正使用の推進」ということでございます。医師・薬剤師の協力による取り組みを推進し、残薬、多剤・重複投薬の削減を進めるということがございます。これにつきましても昨日、多剤については多剤だからそれで悪いということではないのではないかという、中医協で御議論いただいているところではありますが、そういった御指摘をいただいております。これについても御意見をいただければと思っております。

 「エ 患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直し」であります。前回、調剤報酬と書いていなかったのですが、表題についてはそういったことで立てたほうがいいのではないかという御意見をいただいて立てております。内容については「服薬情報の一元的把握とそれに基づく薬学的管理指導・指導が行われるよう、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価するとともに」ということで、評価する項目を書いた上で、そういった機能が果たされていない、いわゆる門前薬局の評価の適正化という記載にいたしております。

 「オ 重症化予防の取組の推進」であります。これは重症化予防に向けて疾患の進展の阻止、合併症の予防、早期治療の取り組みを推進するということでございます。

 「カ 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価であります。これは市場実勢価で適正な評価を行うということ。それから、相対的に治療効果が薄くなった技術について置きかえが進むような評価ということを記載しております。また、費用対効果について試行的導入についての記載も入れております。

 「3.将来を見据えた課題」ということで、今回、中長期的な視点についても記載をいたしております。

 1つ目の○、地域医療構想を踏まえた第7次医療計画が開始される平成30年度に向けということで、実情に応じて必要な医療機能が地域全体としてバランスよく提供されるよう、診療報酬と基金の役割を踏まえながら必要な検討をということを記載いたしております。

 6ページ、一番上の○であります。平成30年度の同時改定を見据えということで、地域包括ケアシステムの構築に向けて在宅医療・介護の基盤整備の状況を踏まえつつ、質の高い在宅医療の普及について引き続き検討を行うことが必要だということを記載いたしております。

 3つ目の○であります。国民が主体的にサービスを選択し、活動することが可能となるような環境整備を進めるためということで、流入の防止といいますか、医療にかかる前ということも重要だということで後のほうに書きましたが、そういう趣旨で予防・健康づくりやセルフケア・セルフメディケーションの推進、保険外併用療養の活用等について広く議論が求められる。これは広く議論をしていただきたいという趣旨でございます。

 ここで将来に向けてということで、昨日の御議論では診療報酬体系なり診療報酬をわかりやすくということについての検討も引き続きやっていきたいという御意見。それから、国民全体の医療制度に対する理解の促進をということで、教育の場面とかそういったところも含めた多分野というか、多方面からの取り組みをという御指摘をいただいておりますことを御紹介いたします。

 参考資料1、最後のほうに入っておりますが、参考資料をごらんいただければと思います。パワーポイント資料で「平成28年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)に関する参考資料」というものでございます。昨日の御議論でこの資料、昨日と同じものをおつけしてはいるのですが、2ページについて特に御指摘がございました。2ページのところお開きいただきますと、医療費の伸び率の要因分解としております。この平成26年の改定の診療報酬改定の部分につきまして、0.10%ということで記載をいたしております。これは注釈も含めまして消費税への対応、これはコスト部分ですので素通り部分ですが、それについての対応分と診療報酬の薬価改定の引き下げ分等々がある中で、合計して0.10%という趣旨でここに記載して分解しておりますが、これでは誤解を招くので、特に改定直前のこの時期であるということも踏まえて、きちんと分かち書きをする、ちゃんと段を分けてわかるように記載すべしという御意見をいただいております。これは報道等でそういったことが3回連続プラス改定であったと報道されていたことを踏まえて、そういった御意見をいただきまして、それについては記載方法を考えるというように私ども申し上げたという経緯がございました。これも御紹介をいたします。

 私からは以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 前回、当部会での御議論を踏まえて骨子案、一部修正されたものが報告をされました。参考資料も含めまして何か御意見、御質問等あれば承りたいと思います。

 横尾委員、お願いいたします。

○横尾委員

 いろいろな概略を説明いただいて、誠にありがとうございました。

 内容について4点、プラスアルファでもう一点、発言させていただきます。

 1点目は1ページ目のことなのですが、前回の会議で申し上げたのですけれども、「治し、支える医療」への転換が必要と明記されていることは大変重要でいいことだと思っているのですが、それだけでは私自身は不足があるなという不足感を否めません。といいますのは、「予防する医療や保健」ということに入っていかないと、ゆくゆくは医療財政はもとより、国民の健康にとってもまだまだ不足ではないかという気持ちが強いからです。そういった意味ではこの資料にあります「治し、支える医療」への転換が必要の後に、さらに「予防する医療や保健」に注目し、重点を置いた対策を充実することについて、ぜひ明記いただきたいと思っています。

 2つ目は4ページ目なのですけれども、ICTがございました。ICT利活用によっていろいろな意味でよくしていこうということでございますが、多分十分なことをお考えいただいて記述されているものと思われますけれども、このことについてはICT利活用で患者へのサービスが向上するなり、あるいは医療のマネジメントが改善されるなりということをぜひ書いてほしいと思っています。といいますのは、今の記述ですと、評価を図るとか、評価を進めるということで、そこまでいくかどうか曖昧なので、ぜひその方向へアクセルを踏み込むということを明記いただくといいのではないかと思います。

 3点目は5ページでございまして、ウの項目です。先ほど御意見が欲しいとおっしゃった点ですが、残薬、多剤・重複投薬についての項目でございます。ICTとマイナンバーを使っていきますと、例えばここに書いてありますように医師並びに薬剤師の皆様をサポートするようなシステムをつくることができましょうし、重複とか、例えば重ねて飲むと危なくなるという薬もございますけれども、そういったことへワーニング(警告)も出して注意喚起をすることも十分可能だと思います。実際に私は韓国の現地に行って調べて見ましたけれども、全国ネットでそうやってチェックをされているということです。今のところ厚生労働省にはそういったものはないかもしれませんが、ぜひ今後のICT戦略の中で入れていただいてケアをしていただくと、薬剤師も医師の方も、あるいは最も患者の方も利便性が高まるものと思っています。

 4点目は同じく5ページ目のオでございますが、重症化予防の取り組みのことがございます。このことについては先に発足した日本健康会議でも「重症化予防を重視すべきだ。特に高齢者についてもそうだ」ということで、我々後期高齢者医療の広域連合としても注視しているところでございますが、このことを考えますと、まさにこれこそ予防のことではないかと改めて意を強くしているところであります。

 ICTと個別の情報とをミックスしていきますと、個別の皆様に的確にお知らせすることもできると思います。私ども保健師あるいは全国の医療の現場で聞きましても、本気になって生活習慣病を治すのはいつからかといいますと、啓発とか広告とかをしている場合ではなくて、御本人が「これはいよいよ自分の命にかかわるな」、「本格的に治療を受けないとまずいな」ということを感じられてこそ行動変容が起こると聞いておりますので、そういった意味でも重症化予防についてはICTとも連携をしながら、ぜひこのことが徹底できるようにしていただきたいということを強く思っています。

 このことは6ページ目の質の高い在宅医療の普及のために、もっと密接にかかわってくるものと思っています。お一人お一人が本気で「自分の健康は自分で守ろう」という意識を持って食事の改善とか、運動をするとか、あるいは人々と交流して認知症の予防をするとか、そういった意識を持ってやっていただくためにも重要と思います。今、申し上げましたことは冒頭に触れました「治し、支える医療」よりさらに「予防する医療とか保健」ということをぜひ政府でも取り組んでいただきたいと思っています。

 もう一点、新たにこの中に直接は書かれていませんけれども、後期高齢者医療広域連合として感じていることを申し上げます。

 先週、先日になりますけれども、全国後期高齢者医療広域連合協議会といたしまして、厚生労働省の大臣宛ての要望書を手交させていただきました。実際には太田政務官にお目にかかりましてお渡しをさせていただきました。

 冒頭から、お母様が80代になられて大変後期高齢者医療制度並びに今の日本の医療に感謝しているということがありました。そのことを拝聴して関係者は意を強くして、また努力しなければいけないという思いを強くしたところです。その経緯の中で、例えば後期高齢者の保険料軽減特例についても問題提起と要望をしたのです。現状の制度を維持するか、あるいはやむを得ず見直すかという議論もございます。仮にやむを得ず見直す場合は国による丁寧な説明あるいは周知を行っていただいて、被保険者の皆さんの御負担を最小限に抑えて、急激な増加とならないようなきめ細かな激変緩和措置を講ずることを要望したところでございます。

 今後、高齢者の医療費の増加は確実に見込まれておりまして、そういった中で高齢者の負担のあり方を常に検討しなければならないことについては、我々も一定の理解をし、十分強く認識しているところでございます。けれども、軽減特例の見直しに加えまして、同じようなタイミングで他の負担増もあり得るというようになっていきますと、受診抑制も生じかねないということも懸念されるところでございます。このため、被保険者であります後期高齢者の生活に多大な影響を生じることがないように、慎重に、かつ、丁寧な検討をぜひお願いしたいと思います。

 そもそも機械的に年齢によりまして、高齢者にさらなる負担を求める前に、この医療保険部会でも議論されている医療費全体の適正化あるいは高齢者、被保険者の皆さんの御本人の健康維持双方に資するような効果的な保険事業の展開ということが今後重要になると思っています。

 制度が国民生活に十分現在定着してきているところでございまして、保健事業をこれから進めていこうと我々もしておりますし、国保におきましても各自治体でKDBを使った指導も今、展開中であります。このような取り組みの成果を踏まえながら、それでもなおかつ不足するという部分につきましては、高齢者に負担をお願いするという展開が必要ではないかと受けとめております。単なる負担の引き上げということだけでは、全国の高齢者の皆さんもなかなか納得しがたいのではないかと懸念をしているところでございますので、意見として申し添えさせていただきます。

 以上です。

○遠藤部会長

 貴重な御意見ありがとうございます。

 診療報酬改定の基本方針という枠組みの中でどこまでまとめられるかという問題もございますけれども、貴重な御意見として承りました。ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。菊池委員、お願いします。

○菊池委員

 基本方針におおむね賛同した上で2つ意見を申し上げます。

 まず2ページの重点課題である(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点の具体的方向性の例のイに関連することです。イではタイトルが2行にわたって書かれておりますけれども、やや長過ぎるような気がします。医療従事者の負担軽減は重要と考えておりますので、タイトルは説明内容と重複する部分は削除して、すっきりと「医療従事者の負担軽減・人材確保」と短くしてもよいのではないかと思います。

 また、その下の説明においては、チーム医療の評価、勤務環境の改善、業務効率化の取り組み等を推進し、医療従事者の負担軽減を図るとあります。この内容には交代制勤務で24時間365日、入院患者さんを診ている医療従事者の負担軽減という観点から、夜勤負担の軽減も考えていただきたいと思います。夜勤体制や勤務時間数が過剰なものとなりますと、注意力や集中力の維持が難しくなり、医療事故のリスクが高まります。安全な医療、看護を提供するためには、夜勤体制や夜勤時間数にある程度の制限が必要です。平成4年に看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針が告示され、月8回以内の夜勤体制の構築に向けて積極的に努力する必要があると明記されて、20年以上がたっております。3交代制の月8回以内というのは1カ月に64時間の夜勤時間数ということになります。当時主流だった2人夜勤体制が現在では3人夜勤体制となっており、1カ月の夜勤時間数が80時間を超える看護職員が26%に上っています。医療安全上、月の夜勤時間数が長い看護職員の夜勤負担の軽減が必要と考えています。

 また、平均夜勤時間数の多い病院は離職率が高いというデータもありますので、看護職員の離職を防止し人材を確保するためにも、夜勤負担の軽減を通じて医療従事者の負担軽減を図ることが重要と考えます。

 2ページのイには、勤務環境改善の観点から月の夜勤時間数が長い看護職員の夜勤負担の問題も考慮されるものと考えておりますけれども、その認識でよろしいか確認させてください。

 2つ目の意見は、(2)の患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点に関連してです。2の基本的視点に書かれてあります適切な情報に基づき患者自身が納得して主体的に医療を選択できるようにすることや、生活の質を高める「治し、支える医療」を実現することは、これから複数の慢性疾患を抱えながら長い期間、医療や介護が必要となる高齢者がふえることを考えますと、非常に重要なことと思います。しかし、地域包括ケアシステムの構築や医療機能の分化・連携がまだ途上であることを考えますと、患者さんや御家族が安心して退院できるように多職種連携の退院支援を強化することが喫緊の課題と考えます。退院時の患者さんの心身の状態、残っている障害、継続して必要な医療処置、介護する御家族の状況などを考慮して、一人一人の患者さんに合わせた退院支援を行うことで、患者さんや御家族の方が退院後の生活がイメージでき、介護保険サービスなども活用しながら、実際に地域で生活できる状態をつくり出していくことが安心・納得の退院につながり、地域で生活を継続していけるようになることにつながると考えます。

 退院支援に関しましては、5ページの4番目の視点の効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点のイに、退院支援等の取り組みによる在宅復帰の支援として記載されておりますけれども、視点2の患者にとって安心・安全で納得できる医療を実現する視点から進めることが重要ではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 事務局に確認という言葉がありましたけれども、質問ということでよろしゅうございますか。それでは、事務局お願いいたします。

○城課長

 事務局でございます。

 私がそこについて申し上げるべきかどうか、御議論いただくべきことかもしれませんが、昨日の御議論を少し御紹介いたしますと、医療従事者の負担軽減というところで、これは十分含まれているのではないかという御議論があったということがございました。そういう意味で我々としてはそういったことを踏まえますと、この中で含まれているということで特にこの場で御異論がなければそういう御理解でいただければと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、松原委員、どうぞ。

○松原委員

 夜勤を少なくしたいというのもよくわかりますし、集中力が足りなくなるというのもよくわかります。ただ、現在の看護師さんの供給状態を見ますと、これを完全にするのは無理でございます。例えば7対1ですとかなり看護師さんがいますけれども、10対1、13対1になりますと数が減ります。そうすると2人、3人の夜勤体制を組むと当然大きなしわ寄せが来てしまいます。そこのところを踏まえながら、例えば7対1であれば確かに急性期、非常に忙しい病院でありますから、そのようなところと、また、少し緩和しているところの体制については十分に考えなければいけないので、一律に当てはめるのは無理だと思います。実際に各病院においてはそれで非常に苦しんでおります。さらに欠損が起きますと大変大きなペナルティーが中医協の決まりによって起きます。その半分以下とか3分の1のような金額でしか入院料がもらえないとなると、当然倒産してしまいますので、そこのところを十分に御理解いただくと同時に、まずは看護師さん、准看護師さんも含めて十分な供給体制をひいていただくことが大事ではないかと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、お願いいたします。

○白川委員

 全体としては、この医療保険部会での各委員の御意見をうまく取り込んだ形でまとめていただきましたので、この案で特に異存はございません。

 菊池委員と松原委員から看護師の72時間問題が出ましたけれども、当然これは中医協で議論される議題だと認識をしておりますので、中医協のほうに任せるということでよろしいのではないかと考えております。

 2点だけ申し上げたいのですけれども、1つは2ページ目の最後のかかりつけ医の問題ですね。これは言葉をどうするかということで事務局も大分悩まれたようでございますけれども、基本方針の中ではかかりつけ医という表現を選択されたことについては理解をいたします。現実的には中医協では主治医機能という言い方で議論が進められていると承知しておりますので、これでよろしいと思います。

 もう一点、5ページ目のウですけれども、説明がよくわからなかったのですが、昨日の医療部会では多剤というのは取ったほうがいいという御意見が出たということですか。

○城課長

 そういうことです。

○白川委員

 私は、多剤は絶対に残さなければいけないと申し上げたいと思います。

 理由は幾つかございますけれども、1つは前回の診療報酬改定のときに精神疾患関係で多剤投与の是正を促す改定が行われましたけれども、結果を見ますと残念ながら余り機能していないという評価でございまして、ぜひともこれは続けなければいけないというのが1点。

 もう一点は、これも中医協の資料で多剤投与も残薬の一因であるという資料が出されていたと思います。したがいまして、残薬、重複投与の適正化の観点から多剤という部分にメスを入れなければいけないと考えておりますので、多剤というのは残すべきと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 お待たせしました。山本参考人、お願いします。

○山本参考人

 2ページ目の2(1)「医療機能の分化・強化、連携」と「地域包括ケアシステムの推進」の順序を入れ替え、地域包括ケアシステムの推進を前に出していただいたことは、両輪であるということがわかりやすくなるのでありがたいと思います。

 基本的視点の1つ目の○で、必要に応じて介護サービスにつなぐという表現が地域包括ケアシステムの観点には少しそぐわないのではないかという御意見があったということですが、医療と介護の連携が課題になる場面も多いかと思いますので、介護と連携する必要性が十分伝わるような表現でお願いできればと思います。

 そんな中で具体的方向性の例のウの部分ですが、地域包括ケアシステム推進のための取組の強化ということで、複数の慢性疾患を有する患者に対し、療養上の指導、服薬管理、健康管理等の対応を継続的に実施するなどのかかりつけ医やかかりつけ歯科医の機能を評価ということですが、このような診療を継続的に実施することと地域包括ケアシステムとの関係、医療と介護との連携が若干見えにくいようにも思います。かかりつけ医とは何か、かかりつけ歯科医とは何かという部分でいろいろな議論もあると思いますが、やはり診療報酬はわかりやすいことが重要だと思いますので、これらと地域包括ケアシステムの推進、医療・介護の連携の推進の関係がわかりやすい形になればありがたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかに御意見ございますか。新谷委員、お願いいたします。

○新谷委員

 本日お示しをいただきましたこの基本方針の骨子は、非常に重要な内容を含んでいると思いますので、私どもも4点ばかり意見、要望を申し上げたいと思っております。

 まず1点目は、既に何人かの委員の方から御指摘のあった、医療従事者の負担軽減という問題でございます。これは繰り返し私どもも申し上げておりますし、私どもが調査を行いましても、やはり特に看護師の夜勤負担であるとか、労働時間の長さに対する訴えが非常に強いという結果でございますので、1ページの下のほうの医療従事者の負担軽減という中には、労働時間をめぐる課題の改善についても当然含まれていると認識しておりますが、ぜひこの方向でお取り組みいただきたいという点が1点でございます。

 2点目は4ページ一番上の、先ほども横尾委員が御指摘になったICTの活用についてでございます。これは要望として申し上げたいのですけれども、ここのタイトルがデータの収集の推進という締め方になっているわけでございます。ここでは、ただデータを集めるということだけではなくて、集めたデータに基づいてサービスの強化をしていく必要があると考えておりまして、そういった意味でいきますと患者の納得という観点からもレセプト電子請求の推進とともに、全ての医療機関における診療明細書の無料発行の推進につながる活用をしていただきたいと思います。イのところの平文にはデータの収集・活用と書かれているのですけれども、タイトルのほうはデータの収集としか書かれていないので、ここの平仄が合っていません。ここについては見直しをぜひ検討いただきたいと思います。

 3点目は5ページのところの、先ほど白川委員が御指摘になった多剤投与の問題でございます。これについても中医協で論議をされていると思いますし、また、詳細なデータが中医協でも出されておりますけれども、確かに多剤投与というものが医療上、必要な場合があると認識はしておりますが、この多剤投与の削減は患者の立場からも非常に重要であると認識しておりますので、ぜひこの取り組みを進めていただきたいということを要望として申し上げたいと思います。

 最後、4点目は6ページでございます。6ページの最後の○のところに将来を見据えた課題の最後に書かれた点でございまして、ここに書いてある予防・健康づくりという点は非常に賛同するところでございますけれども、ただ、言葉として出てきたものが「セルフメディケーション」であるとか、「保険外併用療養の活用」といったことについては、基本方針の中に盛り込まれることになりますと、私どもとしても非常に懸念があるということでございますので、できましたら「患者の懸念も踏まえつつ広く論議をする」といった方向で、検討をいただけないかということで要望を申し上げたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 いかがでしょうか。ほかの委員の方がおっしゃったことに対しての御意見でも構いませんし、どなたか。堀委員、どうぞ。

○堀委員

 5ページの具体的方向性の例のイになるのですが、退院支援等の取り組みによる在宅復帰の推進というところで、先ほど事務局からも医療部会でも意見があったというお話なのですが、地域での生活を継続するという表現がありますが、生活という言葉の中に含まれているのかもしれませんが、地域包括ケアシステムの視点で考える必要があるのではないかと。退院支援をすすめ、在宅復帰をすすめる背景には、その前に記載されている医療費の効率化、適正化というところに関係すると思うのですけれども、不適切な入院であるとか長期入院の是正ということも含まれているのかと思います。医療費の適正化と考えると、例えば在宅復帰してもその後、緊急再入院をしたりとかしますと逆に医療費が上がることもあるかと思いますので、早期に住みなれた地域で安心して療養も含めた生活ができるという視点を文言の中に反映させるとよりいいのではないかと思いました。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにはいかがですか。中川参考人、お願いします。

○中川参考人

 私は日本慢性期医療協会の副会長をしておりますが、私の働く慢性期医療機関でも白川委員が言われた多剤投与ということが非常に大きな問題です。急性期病院から患者さんが来まして、各臓器別の診断名に対して薬が投与されていますから、患者さんによっては15剤とか信じられない量の薬を持ってくる方がいらっしゃいます。それをなかなか慢性期医療機関で個々の病院によって違うでしょうけれども、調整することがとても難しいこともございますので、これはやはり本当にその薬に効果があるのかどうかということを十分検証するようにしていかないと、ただ薬だけがふえてくるという問題が起きます。特に経鼻経管栄養とか胃ろうから薬が入っていますと、それが実際に患者さんが飲んでいるわけではないので、多いということが患者さんに認識されないということもだんだん出てまいりますので、特に長期にわたる入院の患者さんには多剤投与を十分検討することが大変大切であると認識しております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 藤井委員、お待たせいたしました。

○藤井委員

 今の多剤服用の問題ですけれども、日々患者さんから問い合わせを聞いていますと、余りにも多くて、結局飲み切れないものですから、飲みやすいものを選んで適当に飲んでいる患者さんもいらっしゃって、それでは何のために飲んでいるかわからなくなりますので、本来の基礎疾患分だけはしっかり飲んでいただく。それ以外の時限的で軽度な疾患については、医師、薬剤師に御相談の上、減らす努力をするとかいうことは大事なことではないかと思っております。

 もう一点、セルフメディケーションという発言がございましたので、誤解を招かないようにお話をしたいと思うのですが、どうしても誤解を招きやすい言葉なのでありますが、別にお医者さんに行ってはいけないということでは全くなく、普段から自分の健康について良く理解を深めるなど、自分の健康を気遣って、医師・薬剤師にちゃんと御相談の上、早目に治療をする、早目に手当をするという意味ですので、ぜひこういったセルフメディケーションを推進すべきだと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 まず横尾委員の言われた1ページ目の「治し、支える医療」に加えて、予防医療とおっしゃったわけでありますが、私どもも予防医療は大事だと思っております。これを充実していくことが大切でありまして、今回、胃の検査がバリウムしか健診でできなかったところが内視鏡でできることになりました。最近、内科医はほとんど内視鏡をしてバリウムの検査を行わなくなっております。そういった意味でも推進していただける方向にあることは大変ありがたいと思っているところであります。

 また、かかりつけ医か主治医かの件は白川委員と前に論争を、中川先生もしていたと思いますけれども、引き続き中医協で十分議論してまいりたいと思います。

 3ページ目の上から4行目、医療機関の連携でございます。これは地域包括ケアシステムの中で在宅をやる上では、病院と診療所、そして診療所と診療所の連携ができないと十分なことはできません。例えば過疎地域であれば1人の医者が何から何までできるような医者が便利ですが、都市部においては眼科、耳鼻科、泌尿器科、整形科とあわせてしないと十分なことができませんし、それなりのレベルを患者さんも期待されていますので、1人の医者が全てをやるのではなくて、医療機関同士で連携をとって在宅もやっていけるような方向性でなければなりません。

 その下の(2)の基本的視点の3番目、第三者による評価は非常に大事であります。一方的に1つの医療機関でやっていることが正しいではなくて、外部の目が入ることによっていろいろな視点が生まれるわけでありますので、これはぜひ推進していただきたく思います。

 5ページの問題の多剤投与でございますが、この多剤になっている大きな理由は、例えば30年前は高血圧の薬というのはほとんど1種類で、利尿剤しかございませんでした。ところが、それにカルシウム拮抗剤ができ、βブロッカーができ、そして最近のARDができ、いろいろな種類の薬が出ておりますので、その1種類を大量に使うのではなく、むしろ何種類かの薬を組み合わせて血圧の治療をすることのほうが適切で、かつ、大量の薬を投薬しないで済みますので、そういったことでだんだん多剤の投薬になっているということであります。

 例えば0.5gのタブレットにどれだけ薬剤が入っているかと申しますと、たかだか5mgか、あるいは2.5mgか、その程度のものであります。つまり種類が多くなると大変薬を飲むように見えますけれども、1錠の中に入っている薬剤の量というのはわずかでございますので、簡単にすれば例えば1剤について5種類ぐらい薬剤が入れられたら簡単ですが、そうすると例えば5種類飲まなければいけない人と4種類飲まなければいけない人がありますと大変調節が難しゅうございます。今、2種類入っている薬はかなり多く出ておりますが、多剤というのはそういった簡単な薬の量が多いのではなくて、薬の種類を多く使って1つの種類を多く使わなくていいという医療の進歩によるものでございます。他の薬も同じようでございます。例えば胃潰瘍であっても治療のやり方が全く20年前と変わってきています。そこのところを踏まえて考えなければならないのですが、皆さんがおっしゃっているように、あっちのこっちの病院でいろいろな薬を出されて15種類になるというのは間違っております。それは本来はどのような薬が、どのような作用を持っていて、どのような副作用が出るかということを理解して医師が処方すべきです。そこのところでぜひ包括ケア加算のような仕組みの中で、なるべく残薬が残らないように、そして多剤にならないように、努力はしているわけです。それほど大きな結果が出ていないというのは逆に言えばそれは必要なものである場合もございます。

 つまり多剤のみをとって悪とするのではなく、これは医療部会でも中川委員が申し上げたと思うのですけれども、多剤が悪ではなくて医学的に不適切な多剤が悪なのです。そして残薬というのは要するに薬が指示どおり飲めていない、あるいは長期投薬で出されて、結局それが押し入れに入ってしまうということです。このような事は絶対にやってはならないことでありますので、そういった長期投薬の修正と同時に、残薬対策もかかりつけ医に任せていただければ、より適切に行えると思っております。私ども医療機関としてはそのために十分努力をいたします。

 最後に、受診抑制の話が出ました。一部負担金を多くするとお年の方の場合には収入のない方は受診抑制されます。そのようにならないためには十分収入のあるお年寄りには保険料を払っていただき、そして、収入のある方たちとお金のない方もみんなで国民全体を支えるという考え方に立ち戻って考えるべきです。受診したときにお金をとるのではなくて、払える人に払っていただくような方向で考えていただきたく思います。これから超高齢化社会であります。高齢化社会の中でもかなりお金を持っている方がいらっしゃいますので、そこのところはぜひ御協力いただきたい。ただし、現実問題としてはお金がなくて家を売ったら収入になって、そのために保険料の払いが多くなった。そういったことに対してはきめ細やかな対策をして、お年の方が十分に安心して暮らせるような社会を目指したいと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 菊池委員、どうぞ。

○菊地委員

 看護職員は免許保持者の3分の1が潜在看護職員で、71万人になっておりまして、人材を確保するという観点からは勤務環境の改善が重要と考えております。昨年、医療法も改正されまして、勤務環境改善マネジメントシステムが導入されております。厚生労働省のホームページでは、その導入の手引きの取り組むメニューの1つとして、健康、安全に配慮した夜勤交代制シフトということで、夜勤回数の制限なども例示として出されております。この方向性につきましては法律も改正されたことですので、厚生労働省として一貫した政策を進めていただければありがたいと思います。これはお願いでございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 では菅原委員、お願いします。

○菅原委員

 地域包括ケアシステムの推進のところの勤務環境の改善のところに含まれるのかもしれませんが、質の高い在宅医療、訪問看護の確保が地域包括ケアシステムの推進に非常に重要なポイントかと思います。

 その上で私自身、気になっている点がございます。在宅医療や訪問看護を担う方々の提供上の安全確保が十分かという点が若干議論されるべきではないかと考えております。実はこれまでのワークプレイスバイオレンス、要するに職場での暴力の先行研究を見ますと、施設や病院よりも在宅現場においてサービス提供者の方々がさまざまな暴言や暴力などの被害を受けやすいということが言われております。数字で言いますと調査によりまちまちですが、4割から7割の方々がそのような暴言・暴力の経験があるといった調査結果もございます。

 そして、そのような被害は結局現場の職員の離職を引き起こしているかなり大きい理由になっているとも言われます。そのような意味では認知症の対策だとか、精神医療の対応ということで、そういった患者さんの地域移行の中でアウトリーチをかけていくということが当然必要になってくるわけですけれども、一般の患者さんを含め、リスクが高い患者さんを診ていかなければいけない訪問看護や訪問在宅診療の現場というのがあるのではないかと考えられるわけです。今後、1人で十分な事前準備、情報がないまま夜間に訪問が必要なケースも増えてくるものと考えます。、特に訪問看護等々の分野では女性の職員が多いという事情もございますので、今のうちから十分な安全対策がとれるよう議論が必要ではないかと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、お願いします。

○松原委員

 働く環境というのは改善しなければいけないのは当然であります。また、安全のためにはマンパワーが要ります。そのためにも夜勤回数制限ではなくぜひ潜在的なパワーを掘り起こしていただいて、そして実際に足りない状態の看護師さんに対しては、養成数もっと多くしていただきたく存じます。例えば在宅で診るとすれば今の訪問看護師のステーションも大変大きなパワーであります。なければ在宅はできません。ステーションにつとめる人は大変、少なくなっております。それも踏まえて十分なことを中医協で御議論していただいて、そして適切なことを現実に合わせて対応していただければと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 では、お待たせしました。安部参考人、どうぞ。

○安部参考人

 5ページの先ほどから議論になっている多剤でありますけれども、薬物治療の中で薬の数がなるべくシンプルであることに越したことはないということについては、議論の余地がないと思うわけでありますけれども、私自身も実は多剤を飲んでおりますし、私の母親なども私以上の数を飲んでおります。私が管理をしておりますけれども、適正な薬物治療をしているとは認識しております。

 多剤投薬の中で問題なのは、不必要な重複でありますとか、不適切な組み合わせといったことが問題の中心だろうと考えます。医薬品の数が何個からが悪くて何個まではいいのかという議論をしてしまうと解決がつかないと思いますので、適切な薬物治療をする上での管理が非常に重要という観点から、御議論をいただくことがよろしいのかと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。岩村部会長代理、お願いします。

○岩村部会長代理

 1点、事務局にお尋ねしたいのですが、6ページ目の最後の○のところで、一番最後の行に保険外併用療養の活用ということが挙がっていますけれども、これは現行の保険外併用療養の仕組みの中での活用というものを広く議論していくことが求められるという趣旨と理解してよろしいのでしょうか。

○遠藤部会長

 事務局、お願いします。

○城課長

 事務局でございます。

 まさにそのとおりでございます。

○遠藤部会長

 大体よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。非常に貴重な御意見をいただきました。また新しい視点からの御意見、御指摘もいただいたと思います。事務局におかれましては、本日いただいた御意見につきまして整理、検討していただいて、次回の部会で取りまとめに向けた案として御提示いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 また、医療部会においても並行して議論を行っておりますので、次回も医療部会での議論を紹介していただければと思います。

 それでは、次でございますが、当面の医療保険部会の主要な事項、すなわち骨太の方針「経済・財政再生計画」の改革工程の具体化についてを議題といたします。前回の部会では当面の医療保険部会の議論の進め方について、骨太方針の経済・財政再生計画に掲げられた関連項目を含めて御議論いただいたところです。本日はこれまでに委員の方から依頼のありました資料も含めて、関連資料を準備していただきましたので、それに基づいて御議論をいただきたいと思います。

 それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○宮本課長

 資料2−1をごらんください。初めは医療・介護を通じた居住費負担の公平化でございます。

 1ページに骨太方針が書かれてございます。

 2ページは現行の食費と居住費の負担を示しております。今回のテーマは居住費でございますので、現行におきましては居住費は療養病床に入院する65歳以上の方、その医療区分Iという方について1日320円の自己負担を求めています。

 3ページは居住費を導入した経緯でございます。平成17年に介護保険でいわゆる在宅と施設の負担の公平化という観点から、介護保険施設において食費と居住費を保険給付の給付外とするという見直しを行っております。それで平成18年におきまして、いわゆる介護保険との平仄をとる、負担の平仄をとるという観点から、医療保険においては食費、居住費についても給付の対象とした上で介護保険の並びで居住費、食費というものを自己負担化したという経緯でございます。

 4ページ、ただし先ほど申し上げましたように療養病床の医療区分IIIIIの方につきましては、医療の必要度が高いということで介護保険の選択という問題が生じないということを踏まえて、居住費の負担は求めていないということでございます。

 5ページには医療区分が書いてございます。下のところにございますように、療養病床の入院患者の各区分の割合はIが22.5%、II43.5%、III34.0%となっております。

 6ページをごらんください。4つ目の○でございますが、介護保険施設の多床室の居住費負担については、27年の介護報酬改定において直近の家計調査の状況を踏まえました見直しをしておりまして、居住費が1日当たり370円となっております。医療のほうは320円となってございます。

 7ページが医療保険と介護保険の比較をした表でございます。

 8ページに論点という形でまとめております。

 まずマル1でございますけれども、入院医療の必要性の高い医療区分IIIIIの方については、居住費負担を求めないということとしているが、医療区分IIIIIの居住費負担についてどう考えるか。

65歳未満の療養病床の入院患者については、介護保険施設の対象とならないこと、年金の給付がないこと等から居住費負担を求めないことにしているが、居住費負担における年齢区分についてどう考えるかという点。

 マル3といたしまして、医療保険の療養病床の65歳以上の入院患者の居住費負担は、介護保険施設の多床室における光熱費を踏まえて設定されている経緯から、1日320円から370円に引き上げることについてどう考えるかという点。

 また、最後の○といたしまして、今、医療と介護を通じた療養病床のあり方というものが、療養病床のあり方に関する検討会で議論が行われておりまして、その後、社会保障審議会の医療部会、介護保険部会において改正に向けた議論が行われることとされております。こうした議論との関係をどう考えるかというのを論点とさせていただいております。

 まず1点目の論点については以上でございます。

○藤原課長

 引き続きまして資料2−2でございます。患者負担についての資料を御用意しております。

 1ポツでございますが、高齢者の自己負担、高額療養費の問題。2ポツとしてかかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担という論点でございます。

 前半、1番の高齢者の自己負担の関係の資料でございます。

 おめくりいただきまして2ページですけれども、骨太方針2015で高齢者の負担については、医療保険における高額療養費制度や後期高齢者の窓口負担のあり方について検討をするというように書かれております。

 3〜5ページあたりは、これまでも医療保険部会のほうに提出をしてきた現行制度の説明の資料でございます。

 3ページを見ていただきますと、自己負担割合については75歳以上については1割。ただし、現役並み所得者は3割。7074歳については法令の原則上、2割ですが、これまで凍結をされていて1割でございましたけれども、26年度から段階的に2割負担になっていくという途上に今あるという状況でございます。若い方々、70歳未満の方は3割ということで、一部6歳未満の者は2割というような、このように年齢で自己負担割合が変わっているというものでございます。

 4ページは、これまでの改正の経緯を整理したものでございます。

 5ページは先ほど申しました7074歳の自己負担の特例措置の見直し。今、段階的に見直しをしているところという資料でございます。

 6ページは高額療養費の制度の概要ということでごらんいただければと思います。

 7ページ、8ページが少し新しい資料でございます。前回の医療保険部会では自己負担割合と高額療養費の医療と介護の比較、現役並み水準の考え方と介護との違い、こういったものについて整理した資料を出してほしいという御依頼もございましたので、7ページ、8ページをおつけいたしました。

 あわせてごらんいただければと思いますが、7ページに表になっているように左側の医療保険は、左側の基準に書いてありますように70歳未満か70歳以上かで変わっておりますが、こういった所得の区分を使って、自己負担割合と高額療養費の上限額の区分を判定しております。

70歳以上の高齢者は現役並み所得水準。住民税非課税の方。それ以外の一般の方というように区分をして判定をしているということでございます。

 ちなみに現役並み所得の方々については3割負担となっております。この現役並み所得水準の水準ですけれども、課税所得145万円以上と書いてございますが、これは8ページに記載をしておりますように旧政管健保、現在の協会けんぽの平均収入額、当時月額28万円ということであったことから設定をされたという経緯がございます。

 一方、右側の介護でございますけれども、介護は医療の高額療養費に相当する高額介護サービス費の上限額においては、医療保険と同じ現役並み所得水準などを使って判定をしております。ただ、介護の自己負担割合についてはこれとは別に基準を使っておりまして、今回の制度改革の中で65歳以上の上位20%相当水準ということで、一定以上の所得者は2割負担にすることになっているわけでございます。これは水準としてはわかりやすく言えば単身の場合、年金収入では年額280万円以上の水準となっているということでございます。

 9ページ、これも前回指摘のあった資料でございます。70歳以上に特別な配慮として認められている外来上限特例の経緯でございます。平成1410月からそれまで設けられていた外来の月額上限を廃止して、定率1割負担の徹底を行うという改革が14年改正で行われましたときに、2つ論点を書いてございますけれども、高齢者はどうしても外来の受診頻度が高いということ。それから、定率1割負担を導入してまだ間もないということなどを考慮して、特別な配慮ということでこの上限特例が設けられたという経緯がございます。

10ページでございますが、後期高齢者医療制度の被保険者の分布がどうなっているかということでございます。現役並み所得者に相当する3割負担の方々は約100万人。割合で言いますと被保険者1,500万人のうちの約7%弱でございます。一方、低所得者については約4割を占める。こんな状況でございます。

 引き続きましてマル2でございますが、現役世代や高齢者の負担状況につきまして、高齢者だけではなくて現役世代の負担状況についても資料を整理してございます。

12ページでございますけれども、世代間の公平を見るためには自己負担だけでなく、保険料負担をあわせて見るべきという御指摘を前回いただきまして、12ページから14ページまでを新たに作成をいたしました。

 まず12ページですけれども、左側のグラフ。これは当然ですが、医療費は当然高齢期になるにしたがって非常に高くなる。特に後期高齢者についてはこれが現状である。右側は一方で1人当たりの患者負担と保険料の負担を整理したものでございます。

13ページ、それをもう一回整理したものがございますけれども、高齢者の医療費は年齢が高くなるにつれて大きくなるけれども、自己負担額の医療費に占める割合は高齢者のほうが低い。収入に対する自己負担の割合は逆に75歳以上が一番高いということが言えます。

 ただ、もう一つ、マル2の14ページでございますけれども、では収入に対する自己負担と保険料の割合を合わせたもので見るとどうなるかというものを出したものが、14ページの赤で囲っておりますところでございます。14ページについては、自己負担額に保険料負担を加えた場合の収入に占める割合で見ますと、事業主負担分を含めましたものがパーセンテージで書かれておりまして、括弧がそれを抜いたパーセンテージでございますが、事業主負担分を含めてみますと現役世代が約9〜10%になっている。これに対して高齢世代も8〜9%程度の負担にはなっているということでございます。

1617ページは高齢者の所得の状況でございます。

15ページは後期高齢者の被保険者の年金収入の分布を見ますと、平均ですと年額127万円でございますけれども、やはり左側の基礎年金の満額水準以下のものが4割を占めるという、そういう少し格差があるということが垣間見える資料でございます。

16ページは年齢階級別に平均収入額を見たものでございます。少しわかりにくいですが、70歳以上は太い点線、75歳以上が太い黒の実線で示しておりますが、少し近年、低下の傾向ではあるということでございます。

17ページ、18ページは少しマクロで見たときの制度別の負担の状況でございます。医療保険制度別に自己負担額と保険料額を合わせた額を年次推移で指数化をして変化を見たものでございますけれども、ここにありますように、被用者保険者の負担が増加をしている。平成20年度を100としますと116であったり114であったり、片や地域保健のほうは特に後期高齢者については横ばいとなっていることが見えます。

 最後ですけれども、医療保険制度別の実効給付率という数字で見たらどうなるかということを最後におつけしております。分母が医療費、分子が医療給付費ということで、その割合、パーセンテージを時系列でグラフ化したものでございます。平成15年のように負担見直しの改正が行われますと、一旦、給付率がその時期に下がるということが平成15年などは顕著に見えるかと思いますが、全体の傾向としては徐々に増加をしてきているということが見えるような資料でございます。

 個表につきましては27ページにつけておりますので、必要であれば御参照いただければと思います。

 最後に論点でございます。このように今、説明を申し上げましたように、現行制度でも自己負担割合、高額療養費は高齢者の特性とか負担の公平性といった観点から設定をされているということは言えようかと思います。ただ、高齢者の医療費はこれから伸びてまいりますし、財源としては公費、支援金、高齢者自身の負担といったものしかない中で、どのように分かち合っていくのかということは、国民全体の納得が得られるように検討していくことが必要だろうと思っております。

 骨太方針では、冒頭の資料に入れましたように高額療養費や窓口負担のあり方について検討するというように書かれてございます。どのように今後検討していくべきなのか、見当に当たっては先ほど来、受診抑制にならないようにという御意見も出ておりましたけれども、高齢者の適切な受診の確保を基本としながら、高齢者の生活への影響などを考慮すべきではないか。

 また、その他考慮すべき事項としてどのようなものがあるかということについて御議論いただければと思います。

 高齢者の負担を考えるときには、自己負担とか高額療養費とか、患者負担の各論だけではなく、現役世代の保険料や高齢者の軽減特例の話などいろいろ出ておりますけれども、保険料も含め総合的に検討することが必要ではないかということを書かせていただいております。

 最後に、高齢者の負担のあり方を検討するに当たっては、後期高齢者の広域連合でも遅ればせながらさまざまなヘルス事業に取り組んでいくという段階に来ております。医療費の適正化ですとか、さまざまな特性に応じた保険事業を進めることで、高齢者の自立を高めて結果的に医療費の適正化が図れるという方策についても、総合的に検討していくべきではないかということも最後に論点としてつけさせていただきました。

 済みません、長くなりました。以上でございます。

○宮本課長

 引き続きまして、同じ資料の28ページをごらんください。かかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額の負担ということでございます。

29ページ、骨太の方針でかかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担について検討するということでございまして、かかりつけ医に誘導するように、かかりつけ医にかかる場合とかからない場合に負担に差異を設けるという趣旨であると考えております。

30ページと31ページは、現在の外来の総数に占める紹介なしの患者の割合ということでございまして、30ページが200床以上の病院は紹介なしの患者の割合が6〜8割となっている。

31ページは、500床以上の病院においても7割と高い水準。特定機能病院においても6割と高い水準になっているという資料でございます。

32ページは、外来の受診動向を見たものでございまして、真ん中よりやや下のところに患者の1人当たり受診日数とありますが、やはり後期高齢者医療制度が受診日数が多くなってございます。

32ページからは診療報酬における外来医療の機能分化、連携の推進ということでございまして、34ページ、35ページに主治医機能の評価という観点から26年の報酬改定で導入されました地域包括診療料、地域包括診療加算の資料がついてございます。その現状ということにおきまして36ページと37ページに資料がついてございます。地域包括診療料を届け出た施設は93施設、地域包括診療加算を届け出た施設は4,713にまだとどまっているという現状でございます。

38ページは、今回の法改正で導入をいたしました紹介状なしで特定機能病院等を受診する場合の定額負担を求めるという選定理由の義務化が書いてございます。この具体的な額、その例外事項等については中医協で御議論をいただいているところでございます。

40ページにて論点でございます。まず現状の整理ということで、外来機能の分化・連携の推進としましては、診療報酬改定を通じての評価あるいは基金を活用してかかりつけ医の定着普及に資する事業というものを実施してきているということで、地域の医療機関、医師の確保、育成等の取り組みを総合的に行っていくことが重要であると考えております。

 平成26年で設けられた地域診療料の届け出は93施設、1,413施設ということで、さらなる普及について今、中医協で議論がされているという状況でございます。

 一方で先ほど申しましたように、紹介状なしで大病院を受診した場合に、一定以上の定額負担を求めるということが決定をされたということでございます。

 それで論点でございますが、このような状況を踏まえまして骨太2015においてさらに検討されておるかかりつけ医の普及の観点からの外来時の定額負担についてどう考えるかということでございます。

 説明は以上になります。

○中井管理官

 続きまして資料2−3でございます。第90回医療保険部会で依頼のあった資料ということで、OTC類似薬関係ということで、スイッチOTC関係の資料。それから、生活習慣病資料関係で海外の使われ方ということで、フォーミュラリというものについての資料を用意してございます。

 めくっていただきまして資料の1枚目、いわゆる「スイッチOTC」とはということでございます。スイッチOTCについては医療用医薬品の有効成分が一般用医薬品にスイッチされたものということで、スイッチOTCと言ってございます。これについては医療用としての使用実績を踏まえて副作用の状況、海外の使用状況を踏まえて一般用医薬品として適切なものについてスイッチOTCになるということでございます。

 具体的には製薬企業が効能・効果、用法用量、使用上の注意、表示、包装について見直した上で開発、申請を行って薬食審において審議を得て、一般用医薬品として医療用医薬品の有効成分が入っていたものについて承認されるということで、手続が進むということでございます。

 参考といたしましてダイレクトOTCというものがございます。これは新しい成分が医療用医薬品も初めての成分について直接オーバー・ザ・カウンター、いわゆる一般用医薬品について承認されたということで、ダイレクトOTCと我々は言ってございます。その具体的な成分について2ページ目に書いてございますけれども、こういったものがスイッチOTCとして承認されているということを示しております。

 3枚目でございますけれども、海外におけるフォーミュラリの現状についてということで、聖マリアンナ医大の増原先生から資料を提供していただきまして、それについて御説明申し上げたいと思います。

 フォーミュラリの定義でございますけれども、疾患の診断、予防、治療、健康増進に対して、医師を初めとする薬剤師・他の医療従事者による臨床的な判断をあらわすために必要な、継続的にアップデートされる薬のリストと関連情報ということで、『American journal of health-system pharmacy』といういわゆる米国の病院薬剤師会の雑誌、これは科学雑誌でありますけれども、それについてこのように定義されてございます。端的に言えば、医療機関における患者に対して友好的・経済的な医薬品の使用における方針をまとめたということになっているとございます。

 5枚目に、海外におけるフォーミュラリの現状ということで、米国についてまとめたものでございます。その位置づけでありますけれども、まず採用薬並びに関連する機器のリスト、使用手順書、関連する情報、院内のガイドラインという位置づけになってございます。このフォーミュラリを使ってどのようにするかといいますと、右のほうに書いてありますけれども、使用要件であるとか、使用の許可のあり方、ガイドライン、ジェネリックをどのように使っていくかとか、同種同効薬をどのように変更していくかという使用推進の戦略を掲げるということでございます。

 このフォーミュラリについてはP&T Committee、いわゆる薬事委員会と言われているものでございますが、そういったところが採用薬を管理してフォーミュラリを管理するということで米国の例であります。ちなみにこれは大体ほぼ医療機関ごとに、保険者ごとにフォーミュラリというのは米国で使われていると聞いてございます。

 6枚目でありますけれども、フォーミュラリの現状、これは英国のものでございます。英国では治療の標準化を目的に、各医療機関での使用の指針としてフォーミュラリを使われているということでございます。これは国のガイドラインを反映したということでございまして、専門医から地域の家庭医、地域でもそういったものを用いているということがございます。特徴が書いてございますけれども、左下のほうに国のガイドラインを発行するNational Institute of Health and Care ExcellencesNICE)が新薬ごとにそういうガイドラインを発行する。それで米国においては医療機関で採用薬の選定をして、NICEのガイドラインを用いて使っていくということでございます。英国の公的医療サービスNHSにおいては、地域のフォーミュラリというのは医療経済圏、医療サービスを提供する組織における採用、仕様、採用中止の管理プロセスということになってございます。

 めくっていただきまして参考として日本におけるフォーミュラリということで、聖マリアンナ医大の例を少し御説明申し上げたいと思います。聖マリアンナでは薬事委員会というものはございまして、それで医薬品を採用するかどうかを判断する。その場合に同種同効薬がある場合にフォーミュラリ小委員会というものを設置して、そこでそのフォーミュラリについての議論を行う。最終的には薬事委員会において採用して、採用、不採用を判断した上で、そのフォーミュラリを周知するということをやっているということの紹介でございます。

 8ページ目に具体例ということで、上のほうに例えばスタチン系の薬について、こういったいろいろなスタチンがあるわけでありますけれども、それについてフォーミュラリ小委員会において有効性・費用を考慮してフォーミュラリを作成する。この赤枠にかかっているところでありますけれども、第1選択薬としてアトルバスタチンの後発を使う。それに適用しない場合に限って、第2選択薬を用いるというルールを聖マリアンナ医大では使っているということでございます。こういった例を使ってフォーミュラリとして生活習慣病薬なんかを使うという例を紹介ということで御説明申し上げました。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局が報告した内容につきまして、御質問、御意見等あれば承りたいと思います。いかがでしょうか。

 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

 ありがとうございます。

 まず高齢者負担のあり方についてなのですが、今後の高齢者と現役世代の人口構造の変化を踏まえれば、制度持続の観点からも高齢者を一律に経済的弱者と捉えるのではなく、応能負担の考えに基づき相応の負担を求めるべきであります。

 一方、急速に進む高齢化の状況を鑑みれば、医療の提供そのものについても「経済・財政一体改革」検討の大枠に示されたとおり、十分に検討すべきだと思います。

 例えばがん治療において高額な抗がん剤治療よりも、早期に緩和ケアを実施することによってQOLだけでなく生存率も向上したというデータを拝見したことがあります。これは経済産業省の資料なのですが、保険制度にとっても患者さんにとってもプラスになる方法はないか、費用対効果の視点に立って検討を進めていくべきではないかと考えます。

 もう一点、かかりつけ医普及の観点からの外来時定額負担について、地域包括ケアの推進の観点からも、かかりつけ医の普及は急務でございますが、診療科ごとに専門医が開業医として地域医療を担っている現状で、何をもってかかりつけ医とするのか、いつまでに全国をカバーできる体制が整うかなど、全体像がまだまだ不透明な状況であると思います。

2020年になって最初の総合診療医が誕生する予定となっているわけですが、かかりつけ医以外を受診した際の定額負担のあり方だけでなく、かかりつけ医の定義をどう定め、いつまでに、どれだけの総合診療医が誕生して、国民のプライマリケアを担う体制が整うのかなど、実効性のある工程表と目標を設定し、ビジョンを明確にすることが先決であると考えております。

 ちょうど本日の日経新聞の1面、市販薬を購入した場合、所得税を軽くしてはどうかという方針も出ていましたが、緩和ケアとしても、高齢者にとって負担の少ない市販薬というのは十分活用の範囲があるのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 先ほどの基本方針の中で高齢者の方の負担について議論がありましたけれども、資料2−2の患者負担について意見を申し上げたいと思います。

 骨太の方針にも世代間、世代内での負担の公平性をわかり、負担能力に応じた負担を求める観点とありますように、今後の高齢化の進展などにより医療費が増加していくことが見込まれる中で、これを支える各世代が納得感を持って必要な費用を負担していくことが必要であると思います。

 患者負担については資料2−2の14ページ、これを見ますと収入に占める自己負担と保険料の割合について、現役世代の負担が高齢世代よりも重くなっていることは明らかであり、また、17ページの医療保険制度別の推移では、国保や後期高齢者の負担は横ばいになっている一方で、被用者保険の被保険者の負担が増加しております。このような状況では現役世代の納得感が得られるとは言いがたく、高齢世代の窓口での自己負担割合や高額療養費の自己負担限度額の見直しが必要ではないかと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 お待たせしました。松原委員、お願いします。

○松原委員

 まず医療と介護を通じた居住費の公平化でございますが、確かに財政状態が悪い中で御負担をいただくという意見もありますけれども、安静も食事も治療の一部であります。特に病院に入っている方の食事については、そう大きな負担を行うことは入院しているわけでございますので、大変難しゅうございます。原則として医療の一環だという考え方を私たちは続けたいと思います。

 また、患者負担につきましてはいろいろ負担のデータがございますが、私どもは受診抑制になったときに結局、重症化することを大変心配しております。私たちにとりましては、患者さんが元気が保てるように全力を尽くしたいと思っているところでありますが、来られなければそれもできません。そういった中で負担金に偏りますと受診抑制が起こりますので、そういうことがないように、むしろ先ほど申しましたように御高齢の方でも資産をかなり持っている方がいらっしゃいます。また、収入もある人もかなりいらっしゃいます。

 年の方にお聞きしますと、8090になっても年をとったときのためにためるんだとおっしゃっておられます。それは日本人の美徳でありますが、病気にかかったときに一部負担金を多く払うというのは非常に負担であります。ただ、1年間の収入が十分にある方は、そこのところから払うことはできると思います。一部負担金ではなくて、平等に負担できるような月々負担する保険金の金額を調整していくべきだと思います。受診したときの一部負担金をふやすのは反対です。

 かかりつけ医の私どもは一生懸命機能を果たすべく頑張っております。39ページにある14年の健康保険法改正において、将来にわたって7割の給付を維持するという約束事のもとにやっているわけでございます。ここのところを大事にしていただいて、少しだから大丈夫だとかではなく、一部負担金をふやせばその分だけ受診抑制もかかり、また、お年寄りが重症化することもございますので、十分に御理解いただきたく存じます。こういった定額負担というのは本来あるべきでないと思っております。

 ただし、次の改正で導入する予定であります大病院の機能分化については、これはうまく設定すれば実際には負担金を払わずに自動的に病診連携ができます。初診において紹介状を持ち、また再診においても速やかにかかりつけ医のもとに戻れば、大病院にそのままでいるのと比べて、検査の費用などもデータでわかりますようにかなり安くなります。そういったことで十分な医療が受けられるための導入であります。この提案の中のかかりつけ医が普及する観点からというところの枕詞はよろしゅうございますが、定額負担についてはこれを保険給付外から取ることには絶対に反対であります。一部負担金については3割をこえない、きちんと維持する、それが約束事でございます。国民が幸せに暮らせるように私どもも一生懸命医療をやってまいりますから、御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでございましょうか。では川尻委員、お願いします。

○川尻委員

 1つは高齢者の負担のあり方については、高齢化の進展によって医療費の増加が予測をされておりますが、市町村の保健指導や高齢者自身の介護予防、健康づくりへの取り組みは次第に広がり、一病息災型でありますが、健康な高齢者も増加していると考えております。

 適正化の観点では、これまでも指摘がございますように、重複受診や残薬対策、多剤による副作用などの対策を進めていただきたいと考えております。高齢者としても正しい知識と実践によって適正化に寄与できるものと考えております。他方、高齢者は幾つもの病気を抱えております。通院や入院を繰り返すことになる高齢期の特性を理解いただければと思います。また、高齢者は一般的に所得が低い方が多く、家計に占める医療費や通院のための交通費が家計の負担となり、生活不安、将来不安へとのつながっている例は少なくありません。

 以上のことから、高齢者の負担のあり方を検討する際には、高齢者の特性を踏まえ、必要な医療の抑制につながらないようにすること。低所得、頻回受診、通院費用等に配慮し、負担が過度にならないようにすることをぜひ御検討していただきたいと思います。

 また、外来時の定額負担について今、松原委員からも御指摘がございましたが、外来時定額負担は患者が患者を支えるもので、頻回受診を余儀なくされる患者の負担が重くなる仕組みであると思います。また、かかりつけ医の普及につながるとは考えにくいとも思っております。

 いずれにいたしましても、主たる収入である年金が減額され、また、さらなる消費税増税の中で高齢者の財布は1つであり、介護保険や医療保険等の負担については、丁寧かつ慎重な検討をお願いしたいと思っております。よろしくお願いをいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 白川委員、お願いいたします。

○白川委員

 前回の医療保険部会で資料の作成をお願いしましたところ、早速有用な資料をおまとめいただきまして、まず感謝申し上げたいと思います。

 論点が非常に多いので幾つか申し上げたいと思いますけれども、最初の居住費負担の話でございますけれども、今回は療養病床の医療区分IIIIIということで限定をされているような論点の書き方になっておりますけれども、多分これだけでは済まないのかなという気がしております。

 一般病床でも短期間の入院のケースと長期の入院のケースがありますし、精神病院は入院期間が長期化している。このあたりをどうするかということで一度、幅広く議論をしていくべきではないかと考えております。

 高齢者の自己負については、いつもながら細切れで、しかも政府が出されるものですから財政の投入はないという書きぶりで、不満が残る。毎回申し上げているとおり、高齢者の負担問題は当然、現役世代の負担問題とリンクする話ですので、細切れでやるのではなくて、全体として高齢者の負担を本人たちの負担と現役世代の負担と公費をどう組み合わせるかという観点で、ぜひとも議論を進めていただきたいと思います。

 その上で、個々の論点について幾つか申し上げますと、1つは窓口負担でございますけれども、方向としてはすぐやれという気はございませんが、後期高齢者についても2割負担の実施をどこかの段階で覚悟するという方向で議論すべきではないかと考えております。

 保険料については、まずは保険料の特例軽減措置の廃止というのが、この医療保険部会でも議論されましたが、29年度から実施と伺っておりますけれども、これは確実に実施をしていただきたいという意見を申し上げたいと思います。

 もう一つは、現役並み所得の基準でございますけれども、今たしか520万円を基準にしているかと思いますけれども、資料によれば全体の約7%ということのようでございますが、介護保険では2割負担になる対象者は善太の上位20%ということでございますので、この辺のバランスも見ながら現役並み所得の水準というものを考えたほうがいいのではないかと思います。

 この資料にはないのですけれども、現在の高齢者医療制度におきましては、現役並み所得者については後期高齢者の給付費に対する公費負担がない。昔の老健制度の仕組みを引きずったようなことになっているのですけれども、このために今どうなっているかといいますと、本来、後期高齢者の医療の負担構造に関しては公費が5割、現役世代が4割、高齢者御自身の保険料1割という構成になっておりますけれども、現役並み所得の方への公費投入がありませんので、公費負担が正確には承知していませんが、たしか47%ぐらいになっており、残りの3%は、現役世代の負担がふえているという構成になっているかと思います。この仕組みがどうしても納得がいかないということで以前から申し上げているのですけれども、金額にすると私どもの試算では4,000億円という巨大な金額になるのですが、これについてもぜひともこの場で議論をさせていただきたいと思います。

 高齢者の高額療養費でございますけれども、特に外来部分につきましては資料にありますとおり、平成14年の定率1割導入の際に激変緩和的な措置として入れられて、かなり低額の自己負担限度額になっております。もう10年以上たったわけですので、激変緩和と言うには少し期間が長過ぎるかなと考えますので、ぜひとも見直す必要があると思います。

 外来時の定額負担については、私もこれは政策効果として何を狙っているのかというのがよく理解できないのです。突然こういう話が出てきたという印象はぬぐえません。何を狙った政策なのか、効果はどの程度期待しているのかというようなことも出していただかないと、入り口で議論がとまるのではないかと思っております。この件については私としては慎重に議論すべき内容ではないかと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、新谷委員、お願いいたします。

○新谷委員

 個別の各論に入る前に、今回示された骨太の論点、いずれも患者の負担をどうするかという重要な点でございます。総論的なことをまず申し上げたいと思います。この医療に要する費用の負担であるとか、保険給付の範囲をどうするかということについては、まず経済力の差によって医療へのアクセスが阻害されてはいけないということがまず第1点、重要なポイントだと思います。

 もう一つは、医療保険に対する信頼度、国民の安心という面から言いますと、平成14年、2002年の改正健康保険法の附則にあります、将来にわたって7割の給付を維持するという大原則は堅持をされないといけないと思います。ですからこの2つのポイントに沿っていないような改革については、私どもとしては反対ということをまず申し上げておきたいと思います。

 その上で各論の資料2−1、居住費の負担の公平化ということでございます。これについてはまさしく医療という中で食事とか居住費というものが一体どういう役割のものなのかということについて、しっかりと議論することが必要であると思っておりますので、これについては慎重な検討が必要と考えているところであります。

 次に資料2−2の高齢者の患者負担のあり方については詳細な資料をお示しいただいておりますし、医療保険制度の持続可能性を高めるという観点からは、負担能力に応じた負担を考えるということについては、一定の理解をいたします。

 ただし、今後の見直しに当たっては、1つは今でも既に所得に応じて負担が違うわけでありますけれども、特に最近嫌な言葉ですけれども、下流老人という言葉が最近あちこち出てきておりまして、所得の格差が将来的に高齢期の資産格差につながっていくということも含めて、今ある所得区分における低所得者への配慮というものが現行で十分なのかということについても検討する必要があると思います。また、所得の高い方の区分のあり方なり負担のあり方を考える際には、論点にも示していただいておりますけれども、高齢者の生活の影響がどのようなものなのかというのも詳細に見ていく必要があると思いますので、こういった視点からの論議をしていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 横尾委員、お待たせしました。

○横尾委員

 先ほども前半のほうでお話したので重複しているかもしれませんが、1つは高齢者の負担については、ぜひ慎重な検討をお願いしたいと先ほど申し上げたとおりでございます。そのときにも実は今、幾人もの委員の方がおっしゃっているように、高額所得のある高齢者の方も当然いらっしゃるわけでありますので、負担能力に応じた何らかの検討というのも当然必要なのかなと個人的にも受けとめているところです。

 また、いただいた資料で見ますと12ページにはグラフで見るように75歳を超えまして80歳、90歳になると100万単位のお金が1人当たり平均値でも出てくる。一方、右側には1人当たり患者負担と保険料のことが出ていまして、こういった変化になっています。広域連合の決算ベースあるいは予算ベースで我々も見ていますが、医療費については同じような数字を各広域連合で注視もしているところです。

 特に医療費を高く必要とする方は、例えば透析患者の方等がおられますが、お一人で1年間に500万円ぐらいの費用がかかります。これは年齢に限らず若い人でも中年の方でも患者になれば、そのようにかかってしまうわけです。その際に先ほど申し上げました要望を徹底していくということをしていかないと立ち行かないだろうなということを常日ごろ感じているところです。そういった対策も啓発もしながら、今、健康志向という形で元気な高齢者の方を始め、努力をされていますし、保険者としてもデータに基づく管理で指導もしていくことを徹底しようとしていますから、そういった努力も勘案していただきながら整理をお願いしたいと思っています。特に20ページにはそういったこともおそらく含まれたのだと思いますが、論点整理をしていただいて、下から2つ目には高額療養費といった負担のことだけではなくて、総合的な検討が必要だという御指摘、整理もしていただいています。まさにそうだと思っているところでありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 また、人生何があるかわからないのですけれども、確実に言えることは、みんな天寿があっていつの日かこの世から去るということははっきりしているのですが、そのときに例えば75とか90歳以上になったときに、自分の終末をどう迎えるかという選択が出てきます。病院で過ごすのか、在宅なのか、緩和ケアなのか。

 緩和ケアに関しましても私も身近な者を看取るというか、緩和ケア病棟に行ったこともありますけれども、まだまだ実は病棟が足りているとも必ずしも言えない状況があるようです。待っている方がたくさんおられます。こういったことをどうするのかという課題もあります。それを考えますと地域で包括医療の延長であるのは、有床診療所を含めた医師会の皆様方の力を借りながら地域でその末期を看取る、見守るということも今後必要になるのではないかということを感じるところがございます。

 特に最近報告された増田レポート等でも出ている大都市と地域の格差、特に大都市では人口がまだまだ増える方向にございまして、首都圏は特にそうですけれども、一部で言われているのは医療機関の不足、介護・福祉施設の不足がございます。それを放置してしまいますと、おそらく末期のときに看取りとかケアがどこまでできるのかという心配も一部懸念されておりますので、ぜひそういったインフラあるいは連携、整備も含めて、今後政府において検討いただくことがとても大切なことではないかと思っておりますので、ぜひ今後の検討にそういった視点も加えていただいて、検討いただくことが重要と思っています。なお、後期高齢者を担う広域連合では、それぞれによりよいベストプラクティスを求めながら切磋琢磨していこうという気持ちを各連合持っておりますので、本日いただきました皆さんの御意見とか、厚生労働省でまとめていただいているいろいろな論点などもしっかり受けとめて、努力をしていきたいと思っているところであります。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 資料として配っていただいたOTCとフォーミュラリの件でございます。

OTCの薬の中には長い歴史を持っているものもありますが、例えば消炎鎮痛剤の中には知らずに腎不全になるようなことが一定の確率で出る薬もございます。そういったものも十分に考えて、OTCだから大丈夫だろうと思って飲んでいる方が大変な事態にならないようにということは、ある一定の安全性を確保した上でないとこれを広げるべきではないと私どもは思っています。

 また、フォーミュラリの話でございますが、米国においては私立の保険会社が保険を担当しております。米国の医者と話をしますと、保険会社に問い合わせをしないと薬をいろいろな制約をされて、使える薬があったり使えない薬があったり、あるいはいろいろな制約を言われる。これはなぜかと申しますと、保険会社は株式会社が運営しているからであります。つまり収入の何割かは株主に対して配当しなければなりません。振りかえってみますと前も申しましたけれども、日本の国は非営利の保険者さんがこの国の皆保険を守っておられるわけであります。そういった中で我々も協力すべきことは協力したい。例えば十分な安全性の確保ができているものであれば、ジェネリックであろうと何であろうと使えるものは使いたいと思っております。ただ、強制的にという話になりますと大変難しい問題がございます。そういったことを御理解賜りたいと思います。

 さらに先ほど申しましたように、入院して医療を受けている方、やはり安心して安らげて、そして栄養あるものを食べる。これが基本でございます。医療界としてはぜひそんな負担のならないように、終の棲家である介護福祉施設においては普通の家と同じように対応されて結構だと思います。

 さらに個人的な意見でありますが、よく認知症、認知症と十把一絡げに言われますけれども、大変ランクがございます。物忘れがひどいだけとか、いろいろな判断ができないとか、さらにはほとんど自分の子供の顔がわからなくなる方もいらっしゃいます。そして動けなくなる方もいらっしゃいます。一絡げで考えるのではなくて、十分にこまめに対応すると同時に、ベッドに縛られて、食事も自分ではとれなくて、胃に穴をあけられて流動食を入れられる。我々はみんなこれから老いて最期は亡くなるわけでありますが、しかし、そこにおいてみずからの意思でいろいろなことについて指定でき、それが守られるような制度ができるべきと思います。これから重要なのは高齢化社会においての最終的な亡くなり方であります。在宅も我々担当しておりますが、家で完璧な医療はできません。完璧な医療はできませんが。

○遠藤部会長

 松原委員、申しわけありませんが、かなり時間が押しておりますので簡潔に。

○松原委員

 在宅で安心を与える。患者さんに安心していただき、家族に安心していただくためにかかりつけ医として頑張っております。私たちも医療において高齢化の中で財政に負担をかけないように努力してまいります。何とぞ御理解のほどよろしくお願いします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 初めての方を優先させていただいて、村岡参考人、どうぞ。

○村岡参考人

 これまで高齢者の負担のあり方については、横尾委員や新谷委員、川尻委員からも御発言がありましたが、市町村国保の立場からも負担能力に応じた負担ということは必要な考え方だと思いますが、国保や後期高齢者の被保険者の皆さんの所得水準等は大変厳しい状況がございますので、そういった点では本来の負担能力に応じた負担ということについての、特に低所得者に対する配慮ということをお願いしたいと考えております。

 受診時の外来の定額負担につきましては、当然、低所得者に対する配慮ということも必要になりますが、その際には一定の区分を設けていくことになりますと、市町村のほうで所得の把握であったり事務作業ということも考えられますので、そういった意味で制度の意図するところは何かという御発言もございましたけれども、市町村にとって業務の負担増になるということについては十分御配慮いただきたいということで、慎重な検討をすべき項目であるということを御意見として申し上げておきます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、堀委員、お願いします。

○堀委員

 1点目は先ほど白川委員もおっしゃっていたのですが、医療・介護を通じた居住費負担の公平化についてで、これは介護保険と医療保険だけではなく、一般病床、精神病床も含めて検討したほうがいいのではないかと思います。

 特に療養病床の医療区分IIIIIのものについては、医療度の必要性が高いことを踏まえて現状、居住費の負担を求めていないということがありますが、同じように一般病床、精神病床でも必要性によって、居住費負担を求めるべきものとそうでないものの線引きがあるような気もしますので、そこは検討したほうがいいのではないかと思うのが意見です。

 もう一点は単純な質問なのですけれども、療養病床の医療区分のIIIIIの論点の中に入っているものは、難病は資料2−1の5ページを見ますと網かけ部分の疾患は難病法の対象とあって、網かけ部分が見当たらないので少しわからないのですが、記憶では難病の医療費助成制度が新しくなったかと。資料区分のIIIIIについてが論点になっていると8ページに書いてあるのですが、今回は新制度対象の難病も含めた議論になっているのか、難病を除いて医療区分IIIIIについて検討しようということか。

○中川参考人

 私から説明します。難病は全部医療区分IIになりますから、難病は全部医療区分IIとして扱われています。

○堀委員

 ということは今回は難病も含めてどうするかということですね。

○中川参考人

 そのように理解しています。

○堀委員

 そうなりますと、医療費の負担の上限額というのがあると思うのですけれども、その金額の中には入院時の食事療養費や居住費というのは含まれるものと考えていいのですか。難病に係る新たな医療費助成制度というものができたと思うのですが、その中の対象には患者負担割合の2割のところの中には入らない、別のものとして考えていいのでしょうか。

○遠藤部会長

 これは御質問ですね。ちょっと考えておいてください。

○宮本課長

 今の御質問にお答えしてよろしいでしょうか。難病については基本的に食費、居住費について同じなのですけれども、今、配慮措置があるという状態になっているということでございます。

○遠藤部会長

 堀委員、よろしいですか。

 それでは、岩村部会長代理、お願いいたします。

○岩村課長代理

 簡潔に。高齢者の負担の話を考えるときには、通常の窓口負担と高額療養費の問題というものも組み合わせで考える必要があるかと思っております。それも議論の対象だと思っていまして、その点で言いますと資料2−2の18ページに医療保険制度別の実行給付率の推移というものがグラフで出ております。高齢者のところ見ますと平成14年、15年のところで91%ちょっとのところまで一応落ち着いていたのが、現在では91.97まで上がっていますので、この点をどうするのかということも検討する必要があるかなと思います。もちろん実際に具体的にどうするのかという話を考える上ではいろいろな要素、きょう既に議論にありましたようなさまざまな要素を考慮して検討する必要はあると思いますけれども、これも1つの論点かなと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもございます。

 本日、非常に重要な課題だったものですからさまざまな形で御意見をいだきました。恐らく個別の課題の中でまだまだこの議論はされる機会があると思いますので、そのときにまたよろしくお願いいたします。

 本日、御意見を踏まえまして、事務局におかれましては年末の改革工程表の取りまとめに向けて、関係各省と調整をお願いしたいと思います。

 それでは、時間が押しておりますが、もう一つの議題がございます。医療保険制度改革の施行についてを議題にしたいと思います。

 本日は短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大について、10月2日に当部会で議論した際に委員の方が御依頼のあった資料、また、国保の賦課限度額についての資料を事務局に準備をしてもらっていますので、事務局から説明をお願いしたいと思います。

 さらに続きまして、本議題と関連する資料となりますので、村岡参考人及び白川参考人の順番で委員提出資料の御説明をお願いしたいと思います。

 それでは、事務局お願いします。

○宮本課長

 資料3−1でございます。短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大で宿題になっていたものでございます。

 まず1ページ目をごらんください。激変緩和措置を講じたときに、1人当たりの納付金の単価がどうなるかといった資料でございます。どのように変わるかの資料でございます。

 2ページ目は激変緩和措置の影響ということで、チェーンストア系の14店舗について行った実態調査ですが、下の表、前は保険料率で出しておりましたけれども、今度は給付費で出しております。

 3ページ目は適用拡大、25万人の男女の内訳ということでありました。25万人のうち男性が5万人、女性が20万人となっております。

 4ページ、正規雇用と非正規雇用の労働者ということで、非正規雇用の労働者がどれぐらいの今、割合を占めているかということで、直近の労働力調査では37.2%となっております。

 5ページ、非正規労働者について厚生労働省の方針はどのようになっているかということが御質問としてございました。非正規の労働者のうち正規への転換を希望する方については、それに向けた支援を行う。非正規のままである方についてもその処遇、均等待遇に努めていくというのが厚労省の方針となっておりまして、今そのようなことを実現するための本部を省内に設けておりまして、そのための実現のプランというものを検討しているところでございます。

 私からは以上でございます。

○榎本課長

 続きまして資料3−2でございます。

 国民健康保険課長でございます。

 おめくりいただいて1ページでございます。平成25年に国民会議から国民健康保険の賦課限度額について引き上げということで御提言を頂戴しております。これを踏まえて同年、プログラム法の中でもそういったことが私どもも求められているところでございます。

 2ページでございますけれども、この賦課限度額ですが、今後、国民健康保険の中で必要な医療費を確保していくことを考えてまいりますと、この真ん中の図でございますが、賦課限度額を上げなければ料率を引き上げるということで負担をお願いせざるを得ないということになってまいります。ですが、この賦課限度額を引き上げていけば、中間層の方々にはある程度なだらかな上げ方になるのではないかということで考えているものでございます。

 これまでの推移につきましては3ページにあるとおりでございます。直近では平成26年、27年、4万円ということで上げてきております。平成12年、介護保険創設のときは少しイレギュラーで7万円上がっておりますが、最近の状況としては4万円というのが1つの目安となっております。

 4ページ、こういったものを引き上げていくときの考え方でございますが、上の枠の中の1番目の○ですけれども、被用者保険のルールとのバランスを考慮して、これまで引き上げを図ってきております。そのルールというのがどうなっているかということですが、※に小さい字で書いておりますけれども、最高等級の標準報酬月額に該当する被保険者の方の割合1.5%を1つの目安にするということでございまして、国民健康保険につきましてもそういったものを参考としながら、これまで引き上げを進めてまいったところです。ただ、2番目の○にありますように、市町村の中では低中所得層の方が多いという自治体もございますので、そういったところでは状況を踏まえながら引き上げ幅や時期を判断する必要があるのではないかということも論点としてございます。

 今回どう対応するかでございますが、おめくりいただいて5ページですけれども、賦課限度額につきましては大きく分けて医療費に相当する基礎賦課分、後期高齢者支援金分、介護納付金分とこの3つがございます。現状はこの青い網をかけた部分です。

 平成28年の限度額を超える世帯の割合を比較してみますと、一番高いのが真ん中の(2)3.04%、次いで基礎賦課分の2.79%、介護納付金2.4%ということになってまいります。これのバランスを考えてまいりますと、今回対応するとすれば、(2)後期高齢者支援金の分と(1)の賦課基礎分それぞれ2万円ずつ引き上げることによって、結果的には超える世帯の割合が2.60%2.47%2.44%という形でバランスをとるようにしたらどうだろうかというのが今回の私どもの御提案でございます。

 続きまして6ページでございます。後期高齢者医療制度の対応ですが、後期高齢者につきましては下の表にこれまでの経過を載せております。これをごらんいただきますと、平成24年に50万円から55万円に5万円引き上げをしております。また平成26年度に55万円から57万円に、2万円さらに引き上げるという形でやっております。今回の対応でございますが、平成27年度の限度額を超過している被保険者の割合を見ますと1.40%ということですので、今回もこの見直しをする必要はないのではないかということで、引き上げないという整理でやらせていただくということで考えていきたいという提案でございます。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 それでは、村岡参考人からお願いいたしたいと思います。

○村岡参考人

 委員提出資料1をごらんいただきたいと思います。国民健康保険賦課限度額の引き上げに対する意見ということで、岡崎市長から意見を提出させていただきます。

 先ほど国保課長さんから賦課限度額の引き上げについては御説明がありましたが、この資料につけております3枚目の資料、一番最後の資料をごらんいただきたいと思いますが、国保については1人当たりの保険料の負担率というのは全国平均では14.3%ということになっておりますが、折れ線グラフがそれぞれの都道府県における保険料負担率となっておりますけれども、平均値を下回るところというのは東京や千葉、神奈川、埼玉、愛知といった大都市圏で、それ以外のところの折れ線グラフは20%を超える、あるいは20%に近い負担率となっておりますので、保険料率は平均値よりも非常に高い水準になっているというのが実態ではないかと推測しております。

 そういった意味で保険料率が高い場合には、平均値よりもさらに低い所得で賦課限度額に到達をすることになりますので、実態値としては本市の場合でも単身世帯で約550万円で賦課限度額に到達をしております。さらに国保には被保険者数に応じた均等割負担というものがございますので、世帯人数が増えるに従い、限度額に到達する所得も下がるという構造になっておりまして、子供の数が多いなど多人数世帯ほど、より平均よりも低い所得で限度額に到達をするという実態になっております。単身世帯で本市の場合、550万と申し上げましたが、例えば夫婦2人、子供2人の場合の4人世帯では、480万程度で現在の85万円の負担をしなくてはならないという現状になっておりますので、現在の仕組みの中で単純に賦課限度額を引き上げていくことになりますと、こういった500万ぐらいの世帯のところで、この6年間でも16万円、さらに今回の4万円の引き上げで20万円ということで引き上げになってまいりますので、現状の中で単純に引き上げていくということには限界もあると考えています。

 国保の保険料負担方式については2方式、3方式、4方式という賦課方式の違いがございますので、保険料水準を単純に比較することはできないのですが、厚生労働省が示しました平成25年度の保険料地域差指数によれば、多くの都道府県で1.5倍以上の保険料格差がある。保険料水準の格差ということでございますが、2倍以上の格差があるところも多数あるというのが現状でございます。こういった保険料水準に大きな格差がある実態の中で一律に限度額を引き上げていけば、先ほど申し上げましたような500万程度の所得で賦課限度額を負担しなくてはならないという世帯が増加してまいりますので、今回の引き上げについてはもう少し慎重な検討が必要ではないかと考えているところでございます。

 平成30年度からは財政運営の都道府県化に伴い、その後、保険料の見える化等を図りながら都道府県内の保険料水準の一定の平準化ということも図られていくと思っておりますので、こうした保険料率の格差がある実態の中で一律に引き上げるということではなしに、30年度以降の都道府県単位化が図られて、保険料の平準化が図られていく中で検討していくべきと考えておりますし、一方で制度設計上は非常に難しい問題ですけれども、2枚目の資料のところに緑色の枠がございますが、1,500万という世帯のところでは賦課限度額を超える額として、保険料として徴収できない額になっております。負担能力に応じた負担ということであれば、こういった方々から一定の御負担をいただくという考え方も必要になるのですが、その際には所得階層に応じた限度額という設定の仕方もしないと現状ではこうした方々に対する負担を求めることもできないという現状もございますので、制度的な見直しも含めて検討していただきたいということで意見を申し上げておきます。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、白川委員、お願いいたします。

○白川委員

 委員提出資料2でございます。私どもは健保連と協会けんぽさんと協議の上、本日、保険局長宛てに要望書を提出させていいただきました。

 1ページ目、下半分がポイントでございまして、1つは国保運営協議会に被用者保険の代表を必ず参画させていただきたいということでございます。

 国保の財政関連については、医療保険部会でも何度も申し上げておりますけれども、一般会計からの法定外繰り入れ、収納率の低さなどの構造的な問題を早急に是正いただきたい。

 2つ目でございますけれども、前期高齢者にかかる収支については、都道府県単位化が平成30年度と決まっておりますので、その段階で財政区分を分けていただきたい。

 趣旨といたしましては、国保は被用者保険等の財政調整の関係でさらに不可分の関係になりつつあるということから、被用者保険としては国保の運営についてあれこれ言うつもりはないのですけれども、非常に関心を高く持っておりますので、こういう形で私どもにもウオッチさせていただきたい。あるいは国保としても努力をいただきたいという要望でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、ただいま御報告がありました案件につきまして、柴田委員、どうぞ。

○柴田委員

 今、白川委員からお話がありましたので少し安心しましたけれども、この話を国保関係者に話をしますと、要するに金を出しているのだから口も出すということなのかという反応をよくいだきます。私はそれに対して、まず国保の実態というものをよくわかってもらうことが大事なのではないかということを申し上げています。

 たまたま二本立てで地域保険と被用者保険に分かれている。そうしますと定年になる、あるいは非自発的な失業者の方がいらっしゃる。あるいは心を病んで職場を離れざるを得なくなる方がいらっしゃる。そういう方が国保で担当することになります。そういう状況がある。

 それから、市町村長さんは国保だけではなくていろいろな仕事をされている。4年に1回、選挙の洗礼も受ける。そういう難しい中で判断をされているということであります。これについてよく実態を認識してもらうことが必要なのではないかと思っています。ですから余り対立の構図を持ち込むということではなくて、両者で一緒に考えるというようにするきっかけにすべきではないか。私はいつもそのように国保の関係者には申し上げている。例えば前期高齢者の医療費適正化に重点を置くと言っていますけれども、被用者保険のときに健康づくりというものをしっかりやっているかやっていないかというのも当然影響があるわけですから、1人の人間をずっとサラリーマンのときも、国保に行ったときも一連の形で健康づくりを支えていくという観点から、どうしたらいいかということを考えることが必要なのではないかと思っています。対立の構図は持ち込まないように私はぜひお願いしたいと思っております。

 国保会計上の財政区分、前期高齢者の話については過去2回、私は反対ですということを申し上げていますので、きょうはこれ以上申し上げませんけれども、私から今の白川さんの意見に対してはちょっと意見を申し上げたいというように思っています。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。まず新谷委員どうぞ。

○新谷委員

 時間がない中で済みません。1点目に御報告があった短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大について、1点要望を申し上げたいと思います。

 これは来年10月施行ということでありますので、要件に該当する短時間労働者の適用を徹底するように政府としても取り組みをお願いしたいと思いますし、また、この資料の中にありました多数短時間労働者が加入することによって、財政影響が出てくるということでございますので、これについて被用者保険の中で助け合いをすることになっておりますけれども、これについて緩和措置として国からも財政支援をぜひ検討いただきたいということを要望申し上げておきます。

 もう一点、これは今500人以下については適用拡大の対象外となっておりますけれども、これはこの場で検討するものではないと承知をしておりますが、500人以下の適用拡大について任意適用を認める等々の検討について、ぜひ政府として検討を急いでいただきたいと思います。

 以上であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、お待たせしました。

○白川委員

 柴田委員の意見と関係ないと言ったのですが、柴田委員の主張はごもっともな部分があると思いますので、ともに皆保険制度を支えていくということで、これからも情報を共有していきたいと考えております。

 もう一つ、適用拡大の関係の資料3−1でございますが、お願いしましたところ、財政影響について数字を出していただきましたので、この件について意見を言わせていただきたいと思います。

 2ページでございますけれども、28年度は10月実施でございますので半年分ということから、29年度以降が本格実施でございますので、この数字で見ますと医療給付費のところが934億円から1,270億円ということで336億円の大幅な負担増になる。実際には保険料収入が180億円ほどあると私どもも試算しておりますが、それにしても相当な負担増となります。14健保でございますので、150億ほど負担がふえるということになれば、1健保あたり10億円の負担増という単純計算になりますけれども、これはとてもではないですが対応できない。前回は保険料率換算で数字が出されておりましたが、実質保険料率で現在10%ちょっとだったのが、この時点では12%を超えるような料率という計算になっていたと思いますけれども、まさにこういった大手チェーンストアである、イオンとかセブン&アイとか、こういったところですら健保組合としてやっていけない。場合によっては解散も検討せざるを得ないという非常に切迫した状況と認識しております。

 法定の激変緩和措置があるわけですけれども、それではとてもカバーし切れないような負担増ということでございますし、29年度以降は法定措置もないわけでございますので、ぜひ来年度予算から実質スタートしますが、ぜひとも何らかの財政支援というものをお願いしたい。そのときの財源は適用拡大によって国費が190億円浮くと試算されておりましたので、この財源をぜひとも活用してつくっていただきたいということをお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 横尾委員、お待たせいたしました。

○横尾委員

 自治体の首長でありますので、ここのことで近況を述べます。本日御欠席で参考人がお見えでございますが、岡崎委員、高知市長さんですが、国保の全国の会長をしていただいていますが、よくおっしゃっているのが、極めて重要なセーフティーネット、医療のセーフティーネットであるということをかねておっしゃっておりまして、我々も首長も全く同じような思いで努力をしているところです。

 現場のほうではどんな動きがあるかといいますと、平成29年度、都道府県化移行に向けて実はそれぞれの市町村ごとに財政分析をしておりまして、議会にもよりますけれども、各自治体ごとに場合によっては国保税、国保保険料を上げるということで、踏み切ろうという準備もそれぞれ努力をしているところです。このことについては先ほどほかの委員がおっしゃったように、選挙が絡んだり、議会が絡んだり、なかなか難しさがありますけれども、財政の健全化ということはお互いに努力をしているところでもございますので、ぜひそういったことも知っていただきたいと思います。

 また、労働関係から言いますと非正規雇用の方あるいは退社された方、そして年配で後期高齢に入る前の方は全て国保でケアをしておりますので、こういったことを地域の医療としてどうするか。非常に重要な財政運営も含めて、現場は努力していることをお伝えしておきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 私も国保の立場から一言、御発言をさせていただきます。

 柴田委員からも発言がありましたように、少しこの要望を見たときに対立の構造ということで懸念もしたところでございますけれども、白川委員からは、ともに皆保険を支えるという言葉も聞きまして、私どももそういう考え方の中で同じ保険者として皆保険を支えていきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。

 国保の現状を知っていただくという意味合いで少しだけお話をさせていただきますと、国保には非常に被用者保険からの流入というものが多くございまして、本市の場合も8万人の被保険者に対して1年間で2万数千人ぐらいが移動してくるという状況もございます。レセプトのデータ等から分析をしたのですが、これは高知市だけで全国的なデータはないかと思うのですが、人工透析に新たになった患者さんというのが国保でない被保険者の方というのが4割以上いたり、あるいは介護保険制度になりますけれども、脳血管疾患で介護が必要になっている方というのも

被用者保険の方が4割以上いるということで、国保だけの問題ではなしに、他の被用者保険のみなさんと連携しながら市民の健康づくりを充実させていくことが非常に重要な課題になっているというところでございます。

 これまでもこの部会でも保険者協議会の機能強化というところも議論されておりますし、全国的には協会けんぽさんと各自治体での市民の皆さんの健康づくりに対応する包括的な協定を締結をして、本市でもそういう協定を結んで被用者保険の皆さんと一緒になって、横尾委員も言われました市民の予防の取り組みも含めた強化をしていこうということで取り組んでいるところでございますので、保険者の立場の違いということはございますけれども、同じように皆保険制度を守っていくということで、私ども国保も取り組んでいきたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それでは、ほかに御意見もないようでございますので、本議題につきましてはこれぐらいにさせていただきたいと思います。

 事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて適切な対応を図るようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 本日は司会の不手際でかなり時間オーバーしまして申しわけございませんでした。

 それでは、本日の会議は終了とさせていただきたいと思います。次回の開催日につきましては追って事務局より連絡するようにお願いしたいと思います。

 どうも皆様ありがとうございました。


(了)

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