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2015年10月14日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第108回議事録

○日時

平成27年10月14日(水)9:00〜9:50


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室(21階)


○出席者

西村万里子部会長 野口晴子部会長代理 印南一路委員 田辺国昭委員
吉森俊和委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
中川俊男委員 松本純一委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
加茂谷佳明専門委員 土屋裕専門委員 吉村恭彰専門委員
<事務局>
唐澤保険局長 谷内審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 眞鍋医療課企画官
三浦保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○ 薬価算定組織からの意見の検討

○議事

○西村部会長

 それでは、定刻になりましたので、開始いたします。ただいまより第108回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。

 まず委員の出欠状況について報告します。本日は全員御出席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 次期薬価制度改革に向けて、薬価算定組織からの意見をいただいていますので、今回はそれについて検討したいと思います。

 なお、本日の限られた時間の議論だけで、結論を出すのは難しいと思いますので、本日は、予定されている検討課題を一通り議論することで、進めていきたいと思います。

 最初に事務局から説明をしてもらい、その後に質疑を行いたいと思います。

 それでは、説明をお願いします。中井薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 資料は、中医協薬−1ということで、薬価算定組織からの意見の検討です。

 中医協薬−1参考といたしまして、7月に出しました、薬価算定の基準に関する意見ということで、薬価算定組織からの意見をつけてございます。

 中医協薬−1−2ということで、今までに市場拡大再算定を行った品目及びその理由と実績について、添付してございます。

 それでは、中医協薬−1をもとに御説明を申し上げたいと思います。

 2枚目、薬事制度と一貫性を持った先駆導入加算のあり方についてでございます。

 1枚おめくりいただいて、現在の先駆導入加算についての説明です。スライドの3枚目でありますけれども、新薬品については、類似薬のある、なしで、類似薬効比較方式(I)、(II)、類似薬がない場合は原価計算となってございますが、類似薬効比較方式(I)になった場合、先駆導入加算という評価の項目がございます。

 その加算の要件でありますけれども、スライドの4枚目にありますが、そこにイ、ロ、ハ、ニと書いてございますが、イで、外国及び我が国のいずれかにおいて承認されている既存の薬剤とは異なる新規の作用機序。ロで、先駆けて我が国で、最初に薬事承認を取得したこと。ハで、我が国だけで流通する見込みの医薬品でないことが明らかであること。ニとして、画期性加算または有用性加算(I)の適用を受けるものという条件になってございます。

 スライドの5枚目でありますけれども、先駆け審査指定制度についての概要を示してございます。世界に先駆けて、革新的医薬品・医療機器・再生医療等製品を日本で早期に実用化すべく、先駆け審査指定制度を創設するということであります。

 指定基準は飛ばさせていただきまして、指定制度の内容でありますけれども、優先相談が1つ。事前評価の充実ということで、実質的な審査を前倒しして行うということ。優先審査ということで、通常12カ月のものを6カ月に短くして審査をするということであります。また、審査パートナー制度、製造販売後の安全対策の充実ということも、制度の内容としてございます。

 制度の指定の要件でありますけれども、それがスライドの6枚目になってございます。

 1つ目が、治療薬の画期性ということで、既承認薬と異なる新たな作用機序であるということ。2つ目が、対象疾患の重篤性ということで、生命に重大な影響がある重篤な疾患、根治療法がなく、症状が継続している疾患という指定要件がございます。3つ目に、対象疾患に係る極めて高い有効性ということで、既存の治療薬もしくは治療法に比べて、有効性の大幅な改善が見込まれるということ。4つ目として、世界に先駆けて、日本で早期開発・申請する意思ということで、そのような予定であるということ。「なお」としまして、以下の条件が望ましいということで、First In Human試験が日本で行われたもの、Proof Of Concept試験が日本で行われたものという指定要件になってございます。

 スライドの7枚目、原価計算方式についての評価でありますけれども、3枚目と同じ資料でありますが、新医薬品については、類似薬がない場合、原価計算で計算するというルールになってございます。原価計算方式の営業利益率の中で、加算をしているということでございます。

 原価計算について、薬価算定の加算の状況を示したものが、スライドの8枚目になりまして、100%が通常の営業利益率でありますけれども、有用性に従って加算、もしくは減算を今までやっているということを示した図でございます。

 スライドの9枚目にまとめということで、掲げてございます。イノベーションをより適切に評価し、薬事審査の段階から予見性を高める観点から、先駆導入加算について、先駆け指定品目を評価する仕組みとして、先駆け審査指定制度加算としてはどうかということ。

 加算率については、現行の10%から、10%から20%ということで、日本における早期の開発姿勢、それに伴う臨床試験の充実度を考慮して評価してはどうかということであります。

 3つ目として、先駆け審査指定制度の対象になりました、原価計算方式で算定される品目の場合についても、営業利益率の評価において、同様に評価してはどうかということでございます。

 めくっていただきまして、次のテーマでありますけれども、11枚目ですが、開発要請・公募品目の外国平均価格調整であります。

 スライドの12枚目に、外国平均価格調整についての概要を示してございます。2.で書いてありますけれども、1.25倍を上回る場合は引き下げ、0.75倍を下回る場合は引き上げ調整ということになっていますが、以下の場合は、引き上げ調整を行わないということで、4つございまして、1つ目、類似薬効比較方式(II)、新規性に乏しい新薬の場合については、引き上げ調整を行わないというルールになってございます。これ以外にも、複数の規格云々と幾つかありますが、省略させていただきますけれども、そういった場合について、外国平均価格調整を行わないというルールになってございます。

 スライドの13枚目は、外国平均価格調整の状況ということで、23年度から27年度8月に収載された新薬238成分の外国平均価格調整の状況を示したものであります。

 上の欄に238成分そのものの数字がございまして、下段に、そのうちの開発要請・公募品目、52成分ございますが、調整対象にならなかったものが40品目、引き上げが3品目、引き下げが9品目でございます。

 引き下げ9、引き上げ3ということでありますが、それについて分布で示したものが、スライドの14枚目になりますけれども、横軸が直近の外国承認日から、日本の承認日の差ということで、日本が承認された時期に、外国が何年前に承認されたかということを示したものであります。縦軸が、外国平均価格と調整前の算定薬価の比を示してございます。

10年超でかつ外国価格が日本の薬価の3分の1以下のものについて、例示を示したものが、スライドの15枚目、16枚目に書いてございます。

 1つ目、25年2月に御承認いただいたものでありますが、エルカルチンFF内用液、カルニチン欠乏症に対する薬でありますけれども、これについて、直近の外国承認が、日本の承認の約20年前ということでありまして、120円から70.4円に下がったということであります。

 2つ目は、27年5月でありますけれども、オルドレブ点滴静注用150mgでありまして、これについても、日本の承認より約45年前に外国で承認されているということもございまして、外国価格は0.23倍ということで、1万5,795円から8,261円に下がっているということであります。

 3つ目は、平成26年8月に薬価収載された、ニシスタゴンカプセルであります。腎性シスチン症に対する薬でありますけれども、これも日本の承認から約17年前に外国で承認されているということでありまして、ここに示したように、値段が下がっているということであります。

 対応の方向性でありますけれども、未承認薬・適応外薬検討会議において、開発が要請・公募された品目の中に、外国の承認が古く、外国平均価格が著しく低いということも踏まえて、2つのポツ、開発品目・公募品目については、対象外としてはどうかということであります。直近の外国での承認日が古い。例えば日本での承認日から10年より前であって、外国平均価格が算定薬価を大きく下回る、例えば3分の1といった場合について、対象外としてはどうかという提案でございます。

 3つ目の課題でありますけれども、新規性の乏しい医薬品ということで、そのうちの1、類似薬の収載時期が集中する医薬品であります。

 類似薬効比較方式(II)の概要をここに示してございます。

 類似薬効比較方式のポイントは、(イ)にありますけれども、当該新薬の薬理作用類似薬が3以上であるということでありまして、つまり4番目の薬については、類似薬効比較方式(II)になります。先ほどスライド12枚目の外国平均価格調整のときに御説明を申し上げましたけれども、類似薬効比較方式(II)については、外国平均価格調整の引き上げを行わないことになってございます。

 スライドの19枚目は、類似薬効比較方式の説明をした資料でございます。

 具体的事例をスライドの20枚目に示してございます。例えばDPP-4阻害薬でありますけれども、最初に2112月に承認されていて、その後、5つほどが3年間のうちに承認されて、これは全て類似薬効比較方式(I)で算定されているという結果でございますが、例えて言うと、後半の製品が、外国で先に承認されていた場合、外国平均価格の引き上げにより、値段に少しずれが出てくる、先行品と格差が生じる可能性があったということがございました。実際問題、これについては、そういったことはなかったということでありますけれども、そういった懸念があったということであります。

 対応の方向性ですが、例えば4番目の新薬であっても、最も早く収載された医薬品の収載日から3年以内であれば、類似薬効比較方式(I)で算定される。そのことにより、外国平均価格調整の引き上げを受けた場合、生じた価格差について、合理的な説明は困難でありますので、類似薬効比較方式(II)の除外規定である、承認時期3年以内というものを撤廃してはどうかという提案でございます。

 続きまして、新規性の乏しい医薬品についての2つ目でありますけれども、後発医薬品対策と考えられる医薬品でございます。

 スライドの22枚目は、後発医薬品対策ではありませんけれども、ラセミ体を光学分割した新薬の特例算定というルールがございまして、光学分割した成分を新有効成分とする新薬であって、当該成分を含むラセミ体の既収載品と投与経路、効能・効果等に大きな違いがないものについては、100分の80、つまり0.8掛けとするというルールがございます。

 めくっていただきまして、後発医薬品対策と考えられる医薬品でありますけれども、23枚目に新薬のAが収載されて、後発の上市の直前に、新規性に乏しい医薬品がある場合についてどうかという提案でございました。

 具体的には、次の全てに該当する新薬については、後発品対策とみなして、ラセミ体を光学分割した場合と同様に、既収載品より低い評価としてはどうかということで、1つ目が、補正加算に該当しない場合。2つ目が、後発医薬品の発売時期に合わせて上市したと判断できる場合。例えば収載後5年以降ということであります。製造販売業者、効能・効果、薬理作用、投与形態、臨床上の位置づけが同一についての記載がある場合、ラセミ体と同様の評価をしてはどうかということであります。ただ、これに該当する場合でも、改善することが評価できる場合については、薬価算定組織において、総合的に判断することにしてはどうかということでございます。

 4つ目、最後でございますけれども、市場拡大再算定についてであります。

 スライドの26枚目、27枚目が、市場拡大再算定について説明したものであります。

 スライドの28枚目は、市場拡大再算定のうち、原価計算方式で算定された新薬の場合の概念図を示してございます。

29枚目には、類似薬効比較方式のものを示してございます。

 スライドの28枚目で、原価計算方式が算定された場合については、右のほうに書いてありますが、予想年間販売額、これは新薬の算定時に示していただくものでありますけれども、それが2倍以上で、かつ年間販売額が150億円を超えた場合等については、市場拡大再算定の対象になりまして、最大25%の薬価を下げるというルールになってございます。

 一方で、類似薬効比較方式で算定された新薬の場合についてということで、スライドの29枚目でありますけれども、これも同様に予想年間販売額の2倍以上で、かつ年間販売額が150億円超ということでありますが、類似薬効の場合は、使用実態の著しい変化、多くの場合は効能追加なのですけれども、使用実態の著しい変化があった場合に対して、市場拡大再算定を行うというルールになってございます。市場拡大再算定の下げ幅は15%ということで、原価計算よりその幅が低いということでありますが、そういったルールになっているということであります。

 これについての対応の方向性ということで、スライドの30枚目であります。年間販売額が巨額な品目については、要件を変更し、対象を拡大することについてどう考えるか。

 仮に対象を拡大することが適当とした場合、巨額の水準はどこに設定すべきか。

 市場拡大再算定の基準倍率は、スライドの28ページ、29ページに示したように、現在、2倍以上なのですけれども、その引き下げについてどう考えるか。

 算定方式による違い、原価計算方式と類似薬効比較方式について、現在、違いがあるわけですけれども、それについてどう考えるかという論点を示してございます。

 説明は以上であります。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 まず質問をお願いいたします。スライドの3でございますが、これを見ておりますと、類似薬効比較方式には先駆導入加算があって、原価計算方式には、いわゆる先駆導入加算はないと考えてよいのかどうかということが、第1点でございます。

 スライドの4ですが、いわゆる先駆導入加算の計算方式は、別表2を使って算定すると書いてございますが、別表2を探したのですけれども、この資料にはどこにもないものですから、それを教えていただきたいということです。

 スライド9でございますが、最後のポツでありますけれども、営業利益率の評価において、同様に評価してはどうかということは、減算もありという考え方でいいのか。加算だけではなくて、減算もありということでいいのかどうか。

 最後の30のスライドでございますが、年間販売額が巨額という漠然とした言い方では、非常にわかりにくいので、これは後で意見も述べさせていただきたいと思いますけれども、現在の考え方としては、どれぐらいのことをイメージされているのか。常識として、年間販売額が巨額というのは、どれぐらいのことを言われるのか。

 その4点を教えていただきたい。

○西村部会長

 管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 1点目でありますけれども、御質問について、現行の先駆導入加算の原価計算方式については、対象外であります。

 2つ目、スライドの4枚目の別表2については、大変申しわけございません、今回の資料への添付を失念しておりました。大変失礼しました。

 別表2でありますけれども、スライドの3枚目、類似薬効比較方式Iの補正加算のところに、画期性加算70120%の枠囲みがありますが、その部分のことを示していまして、端的に言えば、先駆導入加算については、別表2に定める様式というのは、10%を加算するという趣旨であります。算定された薬価に0.1を掛けて、0.1の部分を加算するということを示してございます。失礼いたしました。

 スライドの9枚目、原価計算方式について、減算はあるのかどうかということでありますけれども、原価計算方式の営業利益率の評価については、減算というのはあり得ます。ただし、今回の先駆け審査指定制度をされた結果、減算されるということは、一般的にはないと理解してございます。

 最後に、巨額な品目のイメージでありますけれども、これについては、今、事務局として、具体的に何億、何千億という、核としたものは持ってはございません。できれば、本日御議論いただいて、御意見をいただければと考えてございます。

○西村部会長

 続けて、松本委員、どうぞ。

○松本委員

 わかりました。

 あとは、意見でございますが、スライド9、16202330と御提案をいただいておりますけれども、それぞれにおいて、御提案は妥当であろうかと考えます。

 ただ、最後の30のスライドの年間販売額が巨額というのをどう捉えるかというのは、例えば設定金額が1,000億というのは、2倍でなければいけないのか、あるいは1.5倍で1,500億、500億多かったらとるのか、あるいは100億が5倍になって500億になったから、それを巨額ととるのか。これはそれぞれの考え方が難しいと思いますので、今、ここで幾らと言うのは、言いにくい部分があると考えます。

 以上です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。白川委員、お願いします。

○白川委員

 若干質問も入るかと思いますが、事務局でまとめていただいた論点につきまして、意見を申し上げたいと思います。

 最初にスライド9ですが、イノベーションに関する論点で、3点掲げておりますが、よく理解できない点として、名前を先駆け審査指定制度加算にするということで、薬事承認で対象になった薬は、中医協で薬価を議論する際の対象にするという流れと読み取れますが、今、先駆導入加算には、画期性加算や有用性加算1に該当するものという要件がついておりますので、今の流れからすると、薬事承認で先駆け審査の指定品目を対象とし、なおかつ予定どおり開発されたものは、今の要件で加算するという流れをイメージしているということで、よろしいのかどうかについて、まず伺いたいと思います。

○西村部会長

 その点について、お願いします。

○中井薬剤管理官

 御指摘については、ごもっともでございます。先駆け審査品目は結果として、白川委員の御指摘のとおりになるものと理解してございます。

○西村部会長

 続けて、どうぞ。

○白川委員

 わかりました。

 申し上げたいのは、審査は、期待値と希望値等でございます。それに対して、中医協で償還価格を決めるのは、客観的な効能、安全性等を把握して決めるということでございますので、前から申し上げているとおり、審査の内容については、基本的に薬価の算定において関係ない話でございますが、日本初の創薬という考えも取り入れて、前回こうした制度を作り、大きな流れは変わってないということでございます。従って、薬事承認と薬価算定の基本的な考え方は、立ち位置が若干違うということを考慮すれば、今の要件をそのまま守っていくことが必要だと思っております。

 2番目に、現在10%の加算を「10%から20%」にすると書かれておりますが、この2年間で、先駆導入加算を受けた実績はないと聞いており、実績がないにもかかわらず、10%から20%にさらに上げるという御提案は、今の段階ではいかがかと思います。10%では不十分のため、さらに追加してインセンティブにすべきという議論は、これまでのスキームでの実績を見て、次のステップとして進めるべきではないかと考えます。

 3番目の論点ですが、原価計算方式も同様の考え方だというのは、この仕組みの考え方から言えば、当然の話だと思っておりますので、同様に扱うべきだと思います。

 それから、スライド16の話でございますが、これは幾つか考えなければいけない点があると思っています。

 1つは、外国で10年以上前あるいは40年以上前にわたって、安全性等が確立され、学会等でも様々なデータの分析が済んでいる薬を日本で上市する場合、もう少し簡便化したやり方はないのかということです。安全性、効能等が確立した薬という前提ですが、そのような方法はないのかという事が、よく理解できない点の1つです。

 未承認薬・適応外薬検討会議で、毎回、2年か、1年ごとに、進捗状況を御報告いただいておりまして、今回はまだその御報告を受けていないので、状況がどのようになっているのかはわかりませんが、その中で、御提案の方法が必要だと思われるものはどれぐらいあるのかについて、データを示していただければと思います。

 もう一つは、製薬会社の採算に合わないだろうということを想定して、新薬創出等加算のスキームをつくったという経緯があるわけでございます。未承認薬の開発でかかった費用を、直接的に新薬創出等加算で穴埋めしましょうという、直接的なつながりではないですが、我々としては、パッケージだと考えておりますので、その議論も必要ではないかと思っております。したがいまして、今の時点で、具体的な議論に入るのは、早過ぎるという考えでございます。

 スライド20は、4番目の新薬を類似薬効比較方式2でやるという話ですが、3年以内の基準を取り去るということは、合理的な話だと思いますので、賛成でございます。

 最後のスライド30、市場拡大再算定について、松本先生もおっしゃいましたが、巨額と言っても、市場規模がものによっては全く異なるということもあります。今のところは、150億円以上、2倍以上という一律の形になっておりますが、例えば、市場規模や倍率を段階づけする等、細分化していくという方向もあると思います。その方が納得性も高いという感じがしますので、御検討いただければと思います。

 それから、原価計算方式と類似薬効比較方式ですが、これは難しい問題で、原価計算方式の場合は、市場規模が原価計算をするときに織り込まれておりますので、市場規模が倍以上になれば、再算定するのはコストの見直しということで、整合性があると思います。類似薬効は、そうした考え方が計算式に入っていないということかもしれませんが、最初はどのような薬も原価計算方式で算定しており、その後の薬が類似薬効比較方式になったということです。もともとは原価計算方式なのですから、同じように考えるべきだと思います。

 今後、費用対効果による再算定の議論も、費用対効果評価専門部会で進められており、その際には、原価計算方式類似薬効比較方式かということは関係ないと思いますので、類似薬効比較方式についても、原価計算方式と同様の方法で行う方がよろしいのではないかと思います。現行は25%、15%と差がついておりますが、これは統一していくべきではないかと考えております。

○西村部会長

 ありがとうございます。

 1点の御質問に対する回答をお願いします。

○中井薬剤管理官

 質問というか、幾つか意見をいただきまして、それについて、御説明を申し上げたいと思います。

 まず最初に9ページ目で、先駆導入加算の換算率について、10から20についてということであります。御議論いただければと思いますが、薬価算定組織の中では、ここに書いてありますけれども、日本における早期からの開発姿勢、それに伴う臨床試験の充実度ということでありまして、スライドの6枚目に、First In Human試験、Proof Of Concept試験は、日本で行われることが望ましいと書いてございますが、こういった試験があれば、より日本人に対する適切な用量設定云々ができるということを含めて、10から20という議論が、算定組織にあったということでございまして、それについては、御議論いただければと思ってございます。

 スライドの16枚目に書いてありますけれども、未承認薬・適応外薬検討会議における進捗状況については、後日、データをお示しさせていただきたいと思ってございます。

 海外で承認された品目の審査については、簡便な方式はないのかという御提案がありましたが、それはまさに薬事の問題でありますので、今、ここで答え切れないわけでありますが、ただ、臨床試験が簡単になるにしても、医薬品の場合は、市販後安全対策とか、市販前にも、動物実験を含めていろんな試験をやりますので、それについて、一定程度の費用がかかるということも、また事実でありますが、御指摘については、理解させていただきます。

 以上です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 今の点について、何か御意見ございますか。白川委員、続けて、どうぞ。

○白川委員

 ありがとうございました。

 1点だけ追加で申し上げたいのですが、9枚目のイノベーションの評価でございますが、2つ目の加算率について、現行の10%を10%から20%にしてはどうかという薬価算定組織からの御提案で、早期からの開発姿勢やそれに伴う臨床試験の充実度を考慮するという理由が書いてあります。これは薬価を決めることと、関連性は非常に薄いということです。

 薬事承認と薬価の算定というものは違います。薬価は患者に対する効能や安全性などを客観的に評価して決めるもので、そのプロセスにおいて製薬会社がいかに苦労したかということまでは、我々としては、関知すべきではないと考えておりますので、念のため、申し添えます。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今、白川委員が最後におっしゃった、10から20にするというのは、私も白川委員の考えに賛成です。わかりやすく言うと、10%ならやる気はないけれども、10から20にしたら、やる気が出てくるというのは違うだろうと思います。

 何度も申し上げますが、グローバル・メガ・ファーマ化していて、国籍もはっきりしないような製薬メーカーにとって、日本で先駆けてというのは、お土産を少しあげるから頑張りなさいというようなものは、筋、文脈が違うという気がします。

○西村部会長

 今の点について、石山委員、どうぞ。

○石山委員

 先ほどの白川委員の補足として、16ページの考え方、方向性については、今後、議論をする必要があると思います。仮に外国平均価格調整の対象外としたら、3つの具体的事例では、調整前価格は、1番目が120円、2番目が約1万6,000円、3番目が約440円とどう見ても、これらの薬は、ここに記載されているように、外国での承認が古く、海外の治験も含めて、利用実績が蓄積されていると思います。もっとも、日本人に合うかどうかということで、日本でもいろいろ治験をされる必要性については十分に認識しています。しかし、日本での治験の必要性があるからといって、外国平均価格調整の対象外とし、非常に高い薬価を設定することには、疑問を呈さざるをえません。

 もう一点は、松本先生も御質問された、「年間販売が巨額」であることの定義です。これはもともと150億が1つの基準になっています。詳細については、今後の議論だと思うのですけれども、まずは、100億以上の販売額が想定された薬が一体どのぐらいあるのか、どういう分布になっているのかということについて資料を、今後、出していただきたいと思います。今後の様々な議論ができるよう、想定販売額ごと薬の分布を表にして出していただければ、ありがたいと思っています。

 以上です。

○西村部会長

 ありがとうございました。

 幾つか御意見が出ていますけれども、先ほどありました、先駆導入加算の10%から20%という案について、ほかの委員の方から御意見はありますか。

 加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 何パーセントにするかという結論につきましては、この専門部会で決めていただければと思いますが、今般、先駆導入加算を見直して、薬事制度と一貫性を持った制度にするという観点につきましては、企業の予見性という観点から、私どもとしては高く評価をしているところでございます。現行ルールでありますと、画期性加算又は有用性加算(I)の適用が必要要件になっておりますが、画期性加算あるいは有用性加算がとれるかどうかというのは、最終局面、ぎりぎりの段階までわからないという観点から言いますと、今回の一貫性を持った制度の提案については、予見性を高く評価しているところでございます。

 また、加算の適用に際して、私ども企業の側から言いますと、内資系企業、外資系企業問わず、日本において、世界に先駆けて上市をするというインセンティブは、ぜひお願いをしたいと思っております。

 そういう観点から、先駆導入加算につきましては、検討をお願いしたいと思っておりますが、1点だけ、附随して申しますと、例えば可能性としてではありますけれども、既に開発治験が進行しておりまして、先駆け審査指定を受けない新薬も、今後、出てこようかと思います。そして、前項の要件に合致するようなもの、該当するような場合につきましては、先駆け審査指定を受けるということは評価しますけれども、それから漏れているものも、要件に合致する場合には、薬価上の評価をお願いしたいということを、付言させていただきます。

○西村部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 私は補正加算について誤解をしていたようなので、教えていただきたいと思います。

 例えばスライド7の補正加算、類似薬効比較方式(I)の補正加算のところですけれども、画期性加算から有用性加算と、いろいろございますが、画期性加算を例にとりますと、70から120%となっておりますが、画期性でなかったら、0もあると考えていたのですが、そういうことはなくて、画期性だと考えれば、最低でも70をつけてしまうということなのでしょうか。

○西村部会長

 管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 御説明を申し上げたいと思います。これについては、画期性加算、有用性加算(I)、有用性加算(II)がございまして、それぞれ要件があるわけなのですけれども、一番厳しいのは画期性加算であります。なので、幾つかの要件の中で、それに従って要件に合っていくもので、要件に合致すれば、有用性加算に入りますし、有用性加算(I)の要件に合致すれば、35から60、画期性加算の要件に合致すれば、70から120で、70が最低限のルールであります。

○西村部会長

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 何度も済みません。要件に合致しなければ、当然70まではいかない。加算には値しないことになるわけですね。

○中井薬剤管理官

 もちろん画期性加算に当たらなければ、70にはならない。ただ、その場合、有用性加算(I)に該当する場合もありますし、その場合は、35から60です。有用性加算(I)に該当しない場合は、有用性加算(II)に該当すれば5から30になるという、段階的になっているということであります。

○西村部会長

 よろしいですか。続けて、御意見を出されますか。

○松本委員

 なんとなくわかりました。

○西村部会長

 それでは、ほかの方々に移ります。ほかに御意見ございませんでしょうか。土屋専門委員、どうぞ。

○土屋専門委員

30ページの年間販売額の巨額な品目に関する対応の方向性に関してですが、我々は、売り上げが大きいということは、多くの患者さんの医療ニーズを満たした結果であるとも考えておりますので、当該医薬品の革新性、有用性を十分に考慮すべきであり、算定方式に関係なく、市場規模の拡大のみをもって、再算定の対象とすることに関しては、業界としては、基本的に反対です。これは、先般、業界代表が意見陳述させていただいたとおりでございます。

○西村部会長

 御意見を出されましたが、今の点について、何かございますか。

○中川委員

 違う点です。

○西村部会長

 今の関連では、特にないですか。それでは、御意見として承ります。

 中川委員、お願いいたします。

○中川委員

16ページなのですが、今、確認しますけれども、適用外薬の場合は、公知申請が可能です。未承認薬の場合も、公知申請をある程度可能にするという考えはないのですか。

○西村部会長

 今のことについて、薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 それについては、薬事のことですので、私が答え切れるわけではないのですけれども、全くの未承認で公知というのは、私自身は、そのような例を見たことがありません。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 白川委員がおっしゃったように、何十年も外国で使われていて、一定程度、人種間の違いとか、いろいろあるのでしょうけれども、十分に実績があるというか、外国では、有効性、安全性が十分に認められているものに関して、品目に限って、公知申請で新薬の承認ができるという道を開けていったらどうかと思います。そうすると、16ページのような、対象外としてはどうかという議論も、落ち着いていくのではないかと思いますが、いかがですか。

○西村部会長

 管理官、どうぞ。

○中井薬剤管理官

 それについては、担当部署に申し上げるとしか、言いようがないのですけれども、ただ、先ほど石山先生からお話いただきました件について、若干申し上げますと、例えばこの中のニシスタゴンなどは、日本でも治験をやっていますし、それ以外にも、日本で開発するに当たって、仮に海外に既にデータがあったとしても、品質管理を行うためには、日本でもう一度確認をするということがございますし、日本人のデータがないということであれば、市販後の安全対策ということで、全数の調査をしたり、いろんなことをやります。それについての費用が一定程度かかるということも、また事実であります。

○西村部会長

 安部委員、お願いします。

○安部委員

 市場拡大再算定の件でありますけれども、対応の方向性としては、巨額の水準と基準倍率をどうするかというのが論点かと思います。先ほどから御意見がありましたように、どこを巨額にするか、倍率をどこにするかということについては、つかみのような形での議論はできないであろうと思います。これまでの市場拡大再算定でどのような品目があって、どのような結果になったのかを十分に踏まえないと、新たな仕組みとしての水準をどこに設定するか、根拠を持って議論ができないと思いますので、そういった資料について、わかりやすい資料を事務局にお出しいただいた上で、議論を進めるべきではないかと思っております。

 以上です。

○西村部会長

 後日、資料の準備をお願いいたします。

 ほかにございますでしょうか。加茂谷専門委員、どうぞ。

○加茂谷専門委員

 1点、総論的な話になってしまいますけれども、今般、御提案いただきました御意見等につきましては、新規性に乏しい新薬に関しては、非常に厳しい御指摘があったと受け止めております。

 その一方で、新規性や、有効性、安全性の高い医薬品に関しては、企業に対するインセンティブを明確化するという方向性も打ち出されていると、私どもは理解をしております。そういった意味では、一定程度の評価をしたいと思います。

 新薬創出等加算は試行的導入の中ではございますけれども、この加算の後押しを受けまして、業界全体といたしましては、より新規性の高いものを、世界に先駆けて開発していく企業行動に変わってきていると、認識をしております。そういった意味では、新規性に乏しいものというのは、今後、出てこないのだろうと、私どもとしては、認識をしているところでございます。

 その一方で、今、申しましたように、新規性の高いものにつきましては、評価、インセンティブをより高めていただくような方向で、引き続き、本会で御議論をいただければと思います。

 以上です。

○西村部会長

 今の御意見、お考え方は、よくわかりましたので、参考にして、また議論していきたいと思います。

 ほかにありますでしょうか。中川委員、どうぞ。

○中川委員

 先日の中医協で、三十数年前のワンクールごとの薬価を同じにするというルールを、早急に見直すとなったはずですが、それはどういうスケジュールになっていますか。

○西村部会長

 薬剤管理官、お願いします。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 先日、配合剤に関するワンクール合わせについての御議論がありまして、それについては、早急にということでございましたので、至急にというわけではないのですけれども、とにかくすぐにということで、今月内、来月初めあたりにも、出したいと思ってございます。

 1点だけ、補足を申し上げたいのですけれども、先駆け審査の加算で、10から20ということでありますが、私の説明が足りなかったのですが、先ほど10でいいではないかという御意見もありましたけれども、薬価算定組織の意見としては、基本が10であります。その上で、先ほど白川委員から御指摘ありましたけれども、First In Human試験、Proof Of Concept試験などを加味して、上乗せを検討するという整理です。この文章の意味は、そういう意味だということでございます。

 補足的でありますが、以上であります。

○西村部会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 早急と至急は、日本語的にはほとんど同じだと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

○西村部会長

 早急、至急に取り組みたいと思います。

 ほかにございませんでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、ほかに御意見はないようですので、本件の議論は、ここまでとさせていただきます。

 本日の予定された議題は、以上です。

 次回の日程につきまして、追って事務局より連絡いたします。よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の「薬価専門部会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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代表: 03−5253−1111(内線)3288

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