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2015年11月2日 社会保障審議会障害者部会(第74回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年11月2日(月) 14:00~


○場所

TKPガーデンシティ御茶ノ水カンファレンスルーム3C
(東京都千代田区神田駿河台3丁目11-1)


○出席者

駒村康平部会長、朝貝芳美委員、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員、石原康則委員、伊豫雅臣委員、大濱眞委員、小澤温委員、河崎建人委員、菊池馨実委員、北岡賢剛委員、久保厚子委員、佐藤進委員、竹下義樹委員、藤堂栄子委員、永松悟委員、中村耕三委員、野澤和弘委員、日野博愛委員、広田和子委員、本條義和委員、斉藤幸枝参考人、吉田展章参考人、森祐司参考人、田口道治参考人、松尾一夫参考人

○議事

○駒村部会長

 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから「第74回社会保障審議会障害者部会」を開催いたします。委員の皆様方には雨の中、また、急に寒くなったところをお集まりいただきましてありがとうございます。毎回、議事に入る前にお願いをしておりますが、まず事務局におかれましては、資料説明はなるべく簡潔に要点を押さえて御説明をお願いします。また委員におかれましても、より多くの委員が御発言いただけるように、できるだけ簡潔に御発言をお願いしたいと思います。引き続き、円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。

 では事務局より、委員の出席状況、資料の確認をお願いします。

 

○川又企画課長

 企画課長です。委員の出席状況ですが、本日は中板委員、樋口委員、松本委員から御都合により欠席との御連絡を頂いております。伊豫委員、中村委員からは遅れて到着する旨の御連絡を頂いております。また、伊藤委員の代理として斉藤参考人、菊本委員の代理として吉田参考人、小西委員の代理として森参考人、橘委員の代理として田口参考人、山口委員の代理として松尾参考人に御出席をいただいております。

 本日の資料の確認をさせていただきます。資料1、現状・課題と検討の方向性。本日は高齢の障害者と障害支援区分の支給決定と2つのテーマを予定しております。資料2は関連する障害者部会における委員の意見をまとめたものです。よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。それでは、本日の議題に入りたいと思います。本日は「高齢の障害者に対する支援の在り方」「障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方」、この2つについて議論を進めたいと思います。これまでの議論を整理した資料を叩き台として議論を深めていきたいと思います。まず事務局から資料説明をお願いいたします。

 

○田中障害福祉課長

 障害福祉課長の田中です。では私から資料1、資料2について御説明をさせていただきます。まず、資料1ですが、3ページの論点の整理案、高齢の障害者に対しての支援の在り方の部分です。高齢の障害者に対する支援の在り方については、少し論点が多いので、前半と後半と2分割をして整理しております。前半ですが、論点の整理案としては、3ページに挙げておりますように5つありました。障害福祉サービスの利用者が介護保険サービスへ移行する際の利用者負担についてどう考えるか。それから、介護保険給付対象者の国庫負担基準額についてどう考えるか。介護保険サービス事業所において、65歳以降の障害者が円滑に適切な支援が受けられるようにするため、どのような対応が考えられるか。4点目が65歳前までに自立支援給付を受けてこなかった者が、65歳以降に自立支援給付を受けることについてどう考えるか。そして、総合支援法7条における介護保険優先原則についてどう考えるか。以上5点でした。これらの論点の整理案に基づき、御議論をしていただいております。

 次の4ページです。これまでの議論を踏まえ、現状・課題、それから検討の方向性を45ページにまとめております。まず、現状の課題ですが、総合支援法第7条に基づく介護保険優先原則については、公費負担の制度よりも社会保険制度の給付を優先するという、社会保障制度の原則に基づいているとして、一方で、これまで障害福祉制度を利用してきた障害者が、介護保険サービスを利用するに当たって、以下のような課題が指摘されているので、その3つを下にまとめております。

 まず1点目が、介護保険サービスを利用する場合、これまで利用していた障害福祉サービス事業所とは別の事業所を利用することになる場合があるということ。2点目として、障害の利用者負担、これまでの軽減措置によって介護保険制度の利用者負担上限と異なっていることから、介護保険サービスを利用する場合、介護保険制度の利用者負担が生じるという課題です。3点目は障害福祉サービスについて、市町村において適当と認める支給量が介護保険の区分支援限度基準額の制約などから、介護保険サービスのみによって確保することができない場合は、障害の制度による上乗せ支給がなされる取扱いとされているが、自治体によってはこの上乗せが十分に行われず、介護保険サービスの利用に伴って支給量が減少する要因となっている。以上の3点です。

 次の○ですが、「また」ということで、介護保険サービスと障害福祉サービスを併給する事例、それから高齢化に伴って、障害者を支援する親が要介護者となる事例など、介護保険制度と障害福祉制度の緊密な連携が必要となっているという現状です。最後の○ですが、65歳以上になって初めて障害福祉サービスを利用しようとする者について、介護保険制度との関係を踏まえたときに、障害福祉制度の利用を認めることは適当かという指摘がなされているというような状況です。

 次いで5ページ目が、この部分の検討の方向性です。全部で7点の○にまとめております。1点目ですが、日本の社会保障は、自助を基本としつつ、共助が自助を支え、自助・共助で対応できない場合に社会福祉等の公助が補完する仕組みを基本とすることを踏まえると、現行の介護保険優先原則を維持することは、一定の合理性があると考えられるとし、そのもとで介護保険サービスの利用に当たっての課題への対応について、以下のように検討することとしてはどうかということで、課題への対応策をまとめております。

 まず、介護保険サービスの利用に当たって、障害者が介護保険サービスを利用する場合も、それまで当該障害者を支援し続けてきた障害福祉サービス事業所が引き続き支援を行えるよう、その事業所が介護の事業所になりやすくするなどの見直しを検討することとしてはどうか、についてです。

 次の○ですが、障害と介護の両制度の連携を推進するために、自立支援協議会と地域ケア会議、それから基幹相談支援センターと地域包括支援センターの連携の推進に向けた好事例の収集などを通じて、全国的に連携の推進を図る。これとともに障害福祉計画、介護保険事業計画が調和の取れたものとなる方策を検討することとしてはどうか、についてです。

 次に、相談の関係ですが、相談支援専門員と介護支援専門員の連携を推進する。このために両者の連携が相談支援事業、それから居宅介護支援事業が行うべき業務に含まれる旨を明確にしてはどうか、についてです。「また」として、介護保険サービスの利用に当たって円滑なサービスの利用ができるよう、相談支援専門員のモニタリングの頻度について、モニタリングの実態を踏まえつつ検討することとしてはどうか。加えて、65歳を超えても引き続き同一の者による対応等を推進するため、相談支援専門員と介護支援専門員の両方の資格を有する者の拡大のための方策を検討することとしてはどうか、としております。

 それから次の○、利用者負担の関係です。介護保険サービスの利用に伴う利用者負担については、従来利用してきた障害福祉サービスと同様のサービスを利用するにもかかわらず、利用者負担が発生するといった課題があることを踏まえ、一般高齢者との公平性や、介護保険制度の利用者負担の在り方にも関わることに留意しつつ、その在り方について検討することとしてはどうか、についてです。

 続いて、介護保険制度移行に関する現行の取扱いを踏まえ、介護保険対象者の国庫負担基準については、財源の確保にも留意しつつ、検討することとしてはどうかとしており、最後に、65歳以上になって初めて障害を有する状態になった場合の障害福祉サービスの利用については、現行の介護保険優先原則の下で整理されるのではないかとまとめております。

 次の6ページからが、高齢の障害者の関係の後半の部分です。論点の整理案の項目としては2つありました。まず、心身機能が低下した高齢障害者、障害福祉サービス事業所で十分なケアが行われなくなっていることについて、どのような対応が考えられるかということと、いわゆる「親亡き後」について支援者の高齢化や死亡などの支援機能の喪失後も、できるだけ地域において安心して日常生活を送るために、どのような対応が考えられるか。この2点でした。

 これらに関連する現状・課題と検討の方向性について、78ページにまとめております。まず、7ページの現状・課題ですが、1点目、高齢化による障害者の心身機能の低下に伴い、従来の事業所の体制・人員では十分な支援が行えなくなっているとの指摘がなされている。「また」ということで、障害者自身も日中活動への参加が困難となったり、若年者と同様の日中活動ができなくなっているとの指摘があるとの現状を記載しております。

 それから2番目の○で、障害福祉制度の居住地特例と、これにより障害者支援施設に入所されている障害者については、障害者支援施設などが住所地特例、介護保険の対象となっていませんので、障害者支援施設の所在地と異なる市町村の介護保険施設に移行された場合に、それに掛かる費用などは障害者の支援施設のある自治体の負担となっているという現状です。

 3点目、障害者の方の暮らしの状況ですが、65歳未満で親と同居しているという知的障害者が90.7%、精神障害の方の場合は65.7%であり、親と生活している割合が非常に高くなっております。親の支援、生活全般にわたる場合もありますので、「親亡き後」は生活を総合的に支援するものが失われることになります。一方、夫婦で暮らしている者は、知的障害者が5.1%、精神障害者が25.4%、子供とということになりますと、知的障害者が4.3%、精神障害者が16.7%で、親以外の支援者が少ないために、「親亡き後」に親に代わる支援者が必ずしもいる状況ではないという現状です。このために「親亡き後」に備えて、当該障害者がどのような課題を抱えているのか。そして、それに対して何を準備しなければならないのかを明らかにするために、一部の地域ではエンディングノートが活用されるような取組の現状があります。

 次いで、検討の方向性、8ページです。6つの○でまとめております。まず1点目、高齢化に伴い、心身機能が低下した障害者に対応するための技術や知識を高めるため、障害福祉サービス事業所に対する研修に、心身機能の低下した障害者支援の手法などを位置付けることを検討してはどうかということです。

 次の2点目ですが、グループホームの関係です。これについては先立って1015日の部会で、常時介護を要する障害者の支援の検討の方向性でも同じ内容を掲げておりますが、グループホームにおいて高齢化に伴い、重度化した障害者に対応することができる支援や、日中支援活動を提供するサービスを位置付け、適切に評価することを検討することとしてはどうかということです。
 3点目ですが、障害者支援施設に入所している障害者が介護保険の施設に入所する場合にあっては、その円滑な移行を推進するため、介護保険制度の住所地特例の見直しを検討することとしてはどうかということです。

 4点目ですが、介護保険施設に移行する障害者の支援のため、送り出し側の障害福祉サービス事業所と受け入れ側の介護保険施設の連携や、受け入れに当たっての適切な支援の在り方について検討することとしてはどうかということです。

 5点目ですが、地域で生活する高齢障害者に対し、緊急時対応を含め、継続的に支援する拠点の整備を更に進める方向で検討することとしてはどうかということです。

 最後の○ですが、「親亡き後」に向けた準備を支援する、エンディングノートの普及を検討してはどうか。それから「また」ということで、「親亡き後」に向けて適切な助言を行い、親の持つ支援機能を補完し、障害福祉サービス事業者、成年後見人、自治体など、様々な関係者で、この障害者を支えるためのチームづくりを指導するために、主任相談支援専門員といったような専門員の創設を検討することとしてはどうかということです。
 9ページからが高齢の障害者に関しての関係資料です。まず、1011ページです。これについては、現行の介護保険制度と障害福祉制度の適用の在り方について、これまで整理をして自治体に通知しているもので、一律に判断しないこと。それから、いわゆる上乗せ、横出しが可能であることを整理し、通知をしているものです。

 次いで12ページです。障害福祉サービスに関しての負担限度額のこれまでの変遷です。障害の利用者の負担限度額については、ここにありますように累次の軽減がなされており、今、参考で書いております介護保険制度が濃厚となっておりますが、この介護保険制度の負担限度額とは差が生じるという状況になっております。

 次の13ページが、国庫負担基準の関係の資料です。国庫負担基準設定の考え方の所で、その考え方を解説しております。国の費用の負担を義務化ということと共に、国費の公平な配分を行う仕組みとして、市町村の精算基準の上限ということで定めているものです。なお、その下の赤い括弧囲みにしておりますが、平成27年度より重度障害者の割合が多い自治体に対してのかさ上げを行うなどのほか、小規模な自治体に補助事業として財政支援を行っているところです。

 次の14ページ、介護保険の円滑な利用に当たり、相談支援専門員とケアマネジャーが連携をすることが必要であり、そうしたことをお願いしている事務連絡の抜粋です。

 次に1516ページですが、介護と障害、他制度が連携して取り組んでいる自治体の取組の例として、和光市の取組と、東松山市の総合福祉エリアでの取組を参考に付けております。

 次に17ページです。高齢化に伴って、障害福祉サービスを利用される65歳以上の方も、左側は平成22年、右側が平成27年ですが、22年と比べて増加している状況です。
 18ページですが、高齢になり心身機能の低下に伴って、支援の方法が変わることや、知的障害者の心身の機能低下、65歳以前から見られるといった調査研究の資料です。

 次いで19ページです。これは介護の住所地特例を図示したものです。ここにあるように障害者支援施設に入所されている場合は、障害のほうの居住地特例の対象となりますので、ここのB市に障害者支援施設があるという例になっておりますが、入所前の市町村が費用負担を行う、支給決定費用負担を行うというような建て付けになっております。こういったような方が、障害者の施設から介護保険の施設、例えば特養にお移りになった場合に、介護保険の住所地特例という制度におきましては、そこの介護の施設への入所前の市町村が費用負担を行うということになっており、障害の居住地特例と介護の住所地特例は連結しておりませんので、この場合は障害者支援施設の所在地の市町村が特養に入る前の住所地になりますので、真ん中のB市が介護保険に移行すれば、費用負担を行うという仕組みになっております。

 次が拠点の関係の資料です。前回、更にブレイクダウンして分かりやすくとの御意見がありました。これについては、次以降の2巡目の議論が終わった後で、また、お示しをさせていただきます。
 21ページがエンディングノートの作成例、次の22ページは、介護保険制度におけるケアマネジャーの制度と、研修の時間数、介護については主任介護支援専門員という形のカテゴリーはあるといったような制度、研修の仕組みです。

 続いて、23ページ以降、支給決定の在り方の部分に移ります。24ページ目が論点の整理案で、4点ありました。支給決定プロセスの在り方についてどう考えるか。それから、障害支援区分の意義、必要性、役割についてどう考えるか。障害支援区分の認定における障害特性の更なる反映についてどう考えるか。障害者が地域で必要な介護が受けられるような国庫負担基準の在り方についてどう考えるか。以上についてでした。ここの部分についての現状と課題の議論を踏まえて、まとめたものが25ページで、○5つに整理しております。

 まず1点目ですが、支給決定については、申請者に必要な支援を総合的に評価した上で、市町村が給付の範囲と具体的内容について判断するものであり、申請者の利用意向を適切に勘案するため、平成24年度よりサービス等利用計画案の提出を求め、その内容を勘案事項に含めることとし、平成27年度からこの仕組みを全ての申請者について義務付けているということですが、一部作成率が低調な市町村があり、平成276月末現在、全国で約8割の作成率となっている現状です。

 次の○ですが、利用者本人の意向を客観的に把握しつつ、最適な支援につなげるため、適切なサービス等利用計画案の作成など、相談支援の質の向上を図ることが必要であるとともに、基幹相談支援センターなどを含めた、相談支援体制の更なる充実が求められていると記述しております。
 3点目が区分の関係です。障害程度区分については、支給決定における公平性や透明性の確保のために、支給決定の勘案事項とされるとともに、報酬の設定、一部サービスの利用要件として用いられております。平成26年度に障害特性をより適切に評価するために障害支援区分に改めるとともに、認定の調査項目や各調査項目における判定基準の見直しを行っております。平成264月~9月までの審査判定実績においては、障害支援区分の導入前に比べ、知的障害や精神障害を中心に、2次判定での引上げ割合が低下しているが、一方で当該割合には地域差が見られることや、従来と比べて上位区分の割合が上昇しているのではないかとの指摘があると記載しております。

 続いて、障害支援区分の認定調査においては、本人以外の支援者などから聞き取りを行うこと。それから、医師意見書に別途専門職等から求めた意見を添付することができるとなっているという現行の仕組みですが、一方、認定調査員等の研修事業については、その研修内容について、標準的なものがないとの指摘があるということです。

 最後に国庫負担基準ですが、限りある国費を公平に配分し、市町村間のばらつきをなくすために、市町村に対する国庫負担の精算基準の上限を定めたものであって、個人のサービス量を制限するものではなく、その額の設定に当たっては、市町村の給付実績を踏まえつつ、サービスの種類ごとに区分に応じたものとされているが、国庫負担基準内で賄うことができるサービス量以上を必要とする重度障害者に対して、適切な支給決定が行われていないとの指摘があることを記載しております。

 これらを踏まえた検討の方向性が26ページです。まず1点目、現行の支給決定プロセスについては、公平性や透明性を確保しつつ、サービス等利用計画案の作成過程などを通じて、利用者の意向が反映される仕組みとなっていると考えられることから、基本的には現行の仕組みにおいて、より適切な支給決定が行われるよう、以下の見直しを行うこととしてはどうかということで、見直しの内容を書かせていただいています。

 まず計画相談ですが、利用者本人にとって最適な支援につなげることができるよう、相談支援専門員の資質の向上に向け、研修制度の見直し、それから指導的役割を担う人材、主任相談支援専門員(仮称)ということで書かせていただいております。これを育成するとともに、こうした人材の適切な活用について検討することとしてはどうかということです。

 次いで障害支援区分ですが、区分とその役割については、2次判定の引上げ割合に地域差が見られることなどの指摘があることから、その要因を分析し、1次判定、2次判定の判定プロセスにおける課題を把握した上で、その結果を踏まえて必要な改善策を検討することとしてはどうかということです。「また」ということで、市町村ごとの審査判定実績など必要な情報を国が把握し、自治体に対して継続的に提供するなど、認定事務の適正な運用を図っていくこととしてはどうかということです。

 また、区分にかかる制度の趣旨、運用等について周知を行うなど、制度の普及、定着に向けた取組を徹底するとともに、認定調査員などの研修について全国の都道府県で標準的な研修が実施できるように国において研修会用の資料を作成するとの方策を検討してはどうかということです。

 最後が国庫負担基準です。国庫負担基準については、財源の確保にも留意しつつ、重度障害者が多いことなどにより、訪問系サービスの支給量が国庫負担基準を超過せざるを得ない小規模な市町村に、より配慮した在り方を検討することとしてはどうかとまとめております。
 27ページ以下が関係資料です。まず28ページですが、支給決定プロセスを示したもので、計画案を踏まえて決定される、それから不服がある場合には、不服審査というような措置が準備されていることなどを示しております。

 29ページですが、当事者の意向を反映させる仕組みとして、概況調査、サービス等利用計画案、次の30ページに行きまして、支給決定というようなプロセスがありますが、この各段階で本人の御意向が勘案されると。それでも不服があるときの審査請求の手続が保障されているというような現行の仕組みになっております。

 31ページからは相談関係の資料です。現行の障害の相談支援専門員ですが、要件としては、初任者研修と現任研修ですが、32ページに先ほどの高齢の所でも出している資料ですが、介護保険制度のケアマネジャーについては、試験制度の下で研修、それから主任介護支援専門員というような類型があり、また、その研修の時間数も障害に比べて多くなっているというような現状です。

 33ページからが障害支援区分の関係です。障害支援区分の施行後6か月の審査判定実績を挙げたもので、赤いセルに塗られている部分が上位区分変更率の数字です。障害程度区分との比較においては、知的障害者、精神障害者を中心として、2次判定での引上げ割合が低下しております。

 34ページから、障害種別の引上げ割合等が載っております。2次判定での引上げ割合が低下しているとのことなので、1次判定の段階において、障害の特性を適切に評価できているのではないかと考えております。

 36ページですが、同期間の都道府県別の上位区分変更の状況です。この引上げ実績を見ると、こちらも障害程度区分との比較においては、都道府県間の引上げ割合の差が改善されてきているという状況です。

 37ページが財政制度等審議会での指摘をまとめたものです。障害支援区分については、この審議会において一部の自治体では2次判定の引上げ率が全国平均と大きく乖離していることなど、いまだに地域差があることや、障害支援区分の審査判定実績が、従来の障害程度区分と比べて、上位区分へシフトしているのではないかといった指摘がなされております。

 次の38ページが障害支援区分の認定状況の実態について、現在行っております調査の概要です。
 39ページは障害支援区分について、各サービスの対象者、報酬の支払いについて障害支援区分が用いられているものと現状です。

 最後のページは先ほども御説明しましたが、国庫負担基準の具体的な額などを記載したものです。資料1は以上です。また、資料2については、これまで頂きました御意見を論点別にまとめたものですので、適宜、御参照いただきますようにお願いいたします。以上です。

 

○駒村部会長

 最初に「高齢の障害者に対する支援の在り方」について、皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。今日は4時半までの2時間半ですけれども、もう既に2030分過ぎております。時間配分としては、このテーマで345分をめどに、大体75分と思っております。

 このテーマについて具体的に申し上げますと、資料の5ページと8ページです。この検討の方向性を中心としながら議論を進めたいと思います。もちろん関連する資料についても、あるいは現状・課題の整理についても、御自分の認識と合っているかどうかも含めての議論でも結構ですが、やはり取りまとめに向かっておりますので、検討の方向性を中心に議論を進めたいと思います。

 それでは、最初の「高齢の障害者に対する支援の在り方」について、御発言予定の方は挙手でお願いできますか。やはり30名近くいらっしゃいます。75分で30名ですから2分、3分お話されるとほかの方の時間に食い込んでしまう可能性がありますので、御留意いただきたいと思います。

 

○野澤委員

 あと10分ほどで出なければいけないので。

 

○駒村部会長

 そうですか。後半の部分についても御発言はありますか。

 

○野澤委員

 いいえ。

 

○駒村部会長

 ではそういうことで、冒頭は野澤さんからお願いできますか。

 

○野澤委員

 野澤です。わがまま言わせていただいてすみません。本当は説明だけ聞いて出る予定だったのですけれども、時間が余ったので、つい手を挙げてしまいました。

 高齢者がこれから増えていくわけですよね。長生きしていく。ですから高齢になって障害になる人がものすごく増えてくるし、障害者自身も長生きするのです。高齢と障害の問題というのは、今回の議論で初めて出てきたテーマだと思いますが、これからは正にこれがメインになってくると思うのです。やはり今のうちにきちんと備えをしていかなければいけないだろうと思います。

 これを考えるときに、もう1つあります。高齢と障害が増えていくというだけではなくて、実は労働力人口が減っていく、つまり働き手がものすごく減ってくるのです。地域によっては本当に大変な状況になって、今も特養ホームは待機者がいっぱいいる。実際にあるのに、働く人がいないから入れられないという所もあるぐらいで、ここもやはりセットで考えていかなければいけない。そのときに介護と障害で働く人たちの体制を、両方できるようなものに持っていくというのは、私は大賛成です。

 保育士と介護士の資格さえ統合しようかという議論を始めているときに、高齢になった障害者と高齢者で障害が出てきた人とを全く分けていくなどというのは、私はナンセンスだと思っているのです。つまり、ケアマネと相談支援専門員を一緒にやっていくというのは、私は大賛成です。住所地特例なども統一すべきだと思いますし、障害者施設でずっとやってきた人を、高齢になっていろいろなものが出てきたからといって特養ホームに移すようなことは、できればやめていただきたい。障害者施設でずっと面倒を見るというか、世話を、支援をしていくべきではないかと思っております。高齢化して親亡き後のことを考えたら、主任相談支援専門員は非常に重要だと思います。今の相談支援専門員だけではなく、いろいろなスキルを持ったケアマネも障害のことを学んで、こちらのほうに参入してきてほしいと思っております。これが1つです。

 もう1つは、本音で考えると財政のことが気になります。今はいろいろな状況があって、障害の分野は自己負担がないに等しいぐらい低いのですけれども、将来的に考えていくと、今のままで果たして行けるのだろうかと、ものすごく不安です。今年の閣議決定された経済財政諮問会議でも出された資料の中に、これからの社会保障費の伸びというのは、高齢化による自然増と消費税の使途に限るというように書かれていて、その中に障害は含まれていないわけです。今は負担も低いし、今回の春の報酬改定でも介護保険はマイナスになったけれども、障害はプラマイゼロになった。これは今の政権の中に、障害の分野について非常に大応援団の議員たちがおられて、彼らの力で何とか押し戻したという特例中の特例だと思うのです。もちろん障害福祉部の皆さんの奮闘もあります。しかし、これから政権が代わっていったときにどうなっていくのかと考えると、今のうちに長期的な制度や財源の安定を図らなければいけないのではないかと思っております。

 端的に言うと、今は政治頼みでギリギリ持ち堪えているという状況ではないかと思います。これまでの自己負担も含めて、障害者の分野で今存在する特殊なこと、特別なものというのは、やはり少しずつスタンダードなものに均していく時期だと思います。ただ、いきなりこれをやっていくと非常に大きな影響が出てくるので、できる所から少しずつ皆さんの理解と納得を得ながら、長期的なものを見ながらやっていく時期だと思います。奥歯に物が挟まったような言い方ですけれども、また第3ラウンドぐらいあるかと思いますので、そのときまでにもう少し明確に絞り込んだ議論を、皆さんの意見も聞きながら考えていければと思っております。

 

○駒村部会長

 では、ほかの委員の方にも大体2分ぐらいをめどに、お話いただければと思います。遠い所からですが、大濱委員からお願いします。

 

○大濱委員

 大濱です。検討の方向性がまとめられていますが、私たちは障害福祉サービスと介護保険サービスの選択制を要望しています。もしも介護保険優先原則の制度が変わらないということであれば、私たちとしては、これだけはという条件が何点かあります。

 まず、介護保険を利用することになって急激に利用者負担が増えるのは、障害者の収入や貯蓄では耐え切れません。そこに対する手当ては不可欠だと考えています。また、障害福祉サービスの現行制度でも、市町村民税課税世帯の上限9,300円から、所得割16万円以上で上限37,200円に急激に上がりますが、ここももう少し緩やかな仕組みに変えなければならないと思います。次回、利用者負担が議題になると思いますが、まずは65歳になっても利用者負担が変わらないまま、きちんと介護保険のサービスを利用できるようにというのが1点目です。
 2点目は、障害者にとってサービス提供事業所が変わることは非常に大きな問題です。例えば、特例の基準該当のような仕組みで、従来の障害福祉サービスの事業所がそのまま介護保険の事業所として利用できる、要するにヘルパーが変わらないで65歳以降もそのままサービスを利用できるようにしていただきたいということです。

 もう1点は、サービス量が変わるという大問題についてです。65歳になったら急にサービス量を減らすと言われないように、国としてきちんと担保していただきたい。

 現行制度では、この3点がきちんと確保されていないために、65歳になったら非常に混乱が起きています。障害者が65歳になったからといって急に状態像が変わるわけではないので、障害福祉サービスと介護保険サービスの継続性をきちんと確保して、従来どおりの生活が地域で送れるということをきちんと担保していただきたい。そのためには、これらの3点が非常に重要だということを申し上げたいと思います。

 

○駒村部会長

 次に日野委員、お願いします。

 

○日野委員

 身体障害者施設協議会の日野でございます。説明を頂いた検討の方向性については、特に大きく私たちの考えと乖離するものではありません。野澤委員と大濱委員がおっしゃったことと少しダブるかもしれませんが、3点について意見を述べたいと思います。
 1つ目は、検討の方向性の1つ目の○の「現行の介護保険優先原則を維持することは、一定の合理性があると考えられる」についてです。申し上げることも一定の合理性の中に含まれるとは思うのですが、一律に介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないということが通知で出されております。しかし実態としては、やはり介護保険優先原則が強く働いているケースが見られるということで、市町村の判断によって柔軟に対応できるような仕組みは、今後とも維持していただきたいと思います。併せて、65歳になる前から障害福祉サービスを利用されていた方についても、御本人の意向によって65歳以降も継続して利用できることを原則とする運用を、検討していただきたいと思います。

 2つ目が「検討の方向性」の2つ目の○、「障害福祉サービス事業者が引き続き支援を行えるよう、その事業所が介護保険事業所になりやすくする等の見直しを検討する」と書かれております。これは今、大濱委員がおっしゃったことかなと思います。次の3巡目で具体的に出てくると思うのですけれども、その場合に仕組みを作ったら、事業者にとって使いにくい仕組みではなくて、やはり運営しやすい仕組みとしていただきたいというのが2つ目です。

 3つ目ですが、5つ目の○、「介護保険サービスの利用に伴う利用者負担について」です。前回も申し上げましたように、今実態調査をされているということで、秋には中間報告をするというようにお聞きしております。何らかの形で報告されるとは思うのですが、1019日の「福祉新聞」によると、財務省は介護保険制度の自己負担を原則2割に引き上げることについて、財政審に提案したという記事が載っておりました。大濱委員がおっしゃったように、やはり障害を持たれた多くの方たちは、障害基礎年金だけで生活していらっしゃる方が非常に多いわけです。介護保険に移行する際の負担軽減については、こういった方たちには格別の御配慮を、是非お願いしたいと思っております。

 

○駒村部会長

 永松委員、お願いします。

 

○永松委員
 2点について、手短に申し上げます。5ページの「検討の方向性」の○の3つ目、障害福祉制度と介護保険制度の両制度の連携というのは、東松山市とか和光市では、もう既に取組を進められております。私どもの市でも今、地域ケア会議を一生懸命やっております。多くの職種がそれぞれの職種のプロのお話を聞いて、毎週12時間ずつ、地域ケア会議をやるわけです。非常にいいのは、多職種がみんなで相談をすることによって、介護保険の目的である自立に向けて、非常に積極的に提案ができたり、PDCAサイクルが回るようになったりして、今1617%が介護保険を卒業するようになりました。

 こういったことをより広めて、障害福祉の部分と連携できるといいなと思っております。各自治体が実施主体ですけれども、地域にそんなにたくさん人材がいるわけではありません。皆さんが介護保険の地域ケア会議とプラスアルファーして、拡大的に是非効率的に。特に地域の人材が地域づくりのポイントになりますので、ただ障害福祉だけのプロを育てるのではなくて、小さな市ですけれども、介護保険とか生活困窮者とか、そういったところまで含めて、そういう形で伸ばしていきたいと思います。
 2点目は現状・課題の最後の部分、8ページの「親亡き後」の関係です。細かい話ですが、いろいろな方にお話を聞くと、通院介助についてもう一工夫していただけないかと。病院内の介助は今はできない現状ですけれども、高齢になると親御さん自身も亡くなったり、認知症が出たりという形で、知的障害の高齢の方が1人で通院しないといけないわけです。ですから通院介助ではなくて、結論から言うと受診介助という形を。報酬は低くてもいいのです。要は受診として、総額として捉えていただければ有り難い。

 年齢が上がるに連れて、障害を抱える人が同じ病院で、ほかの複数の科に受診することがあります。ですから、ただ連れて行って連れて帰るだけではなくて、親御さんや施設の職員から、その人の体調とか、これまでのこだわりとか、いろいろなことが分かる人がドクターにきちんとした受診の動機とか、これまでの日々の状況とか、今日の状況など、通訳役を引き受けていただくほうが、むしろ医療費も安く済みます。また、早期発見・早期治療ということで家族も安定するし、本人も安定するし、送り出す施設のほうも医療財政のほうもウィンウィンの形になるのではないかということで、通院介助ではなく、受診介助でお願いしたいということです。

 

○駒村部会長

 次に手を挙げられた方は竹下委員ですね。では、お願いします。

 

○竹下委員

 竹下です。短く3点お願いします。1つ目は、「今後の方向性」の問題の2つ目の所です。5ページです。障害福祉サービスの事業所が引き続き介護保険サービスをも提供できるようにするシステムは、流れとしては非常にいいと思うのですけれども、その点で問題になるのは、ヘルパーの資格との関係で、当該障害福祉サービス事業所が介護保険事業所の要件と重なるかと言えば、必ずしもそうはならない場合が多い。例えば、同行援護事業所などで考えてみますと、その点は非常に難しくなるわけです。そうしますと要件の問題いかんによっては、結局2つ目の○の所はお題目で終わってしまうことになりかねません。したがって、同一事業所が両サービスを提供できるようにするという仕組みそのものには大賛成ですが、要件については十分、そこを考慮いただくことが必要かと思っております。
 2番目は、方向性それ自身はいいのですけれども、通院介助のところで常に問題になるわけです。介護保険サービスにおいて、通院介助の院内サービスはできません。これに対して同行援護事業などにおいては、院内介助は含んでおります。そうでないと視覚障害者は院内でうろうろしてしまうわけですから。現実にそういう現状のサービスの違いがあるときに、視覚障害者の場合、今65歳問題で一番トラブルになっているのが通院介助が多いわけです。それをどう解決するかについても、少し工夫が要ると思っております。これが2点目です。

 3点目は、最後の65歳になってからのサービス利用のところです。単純に65歳以上になって障害者手帳をもらったという場合は、やむを得ないのかなと思うわけですが、進行性の障害者の場合、視覚障害者で言うと網膜色素変性症などは典型的で、手帳取得を65歳前にするか後にするかによって、受けるサービスが変わるということが、本当に合理的なのだろうかと言わざるを得ないわけです。その点で65歳以上について、一律に7条が形式的に適用されることになれば矛盾が出るおそれがありますので、この点について運用面での解決ができないものかということも、御検討いただきたいと思います。

 

○駒村部会長
 1番が実効性の問題、最後が65歳を挟むときをどうするかというところで、少し議論を深めなければいけない部分かと思いました。続けて佐藤委員、お願いします。

 

○佐藤委員

 佐藤です。この問題については何回か発言してきて、また今日も同じことかと言われそうですけれども。介護保険優先の原則に関して今、議論が進んでいるわけで、おおむね幾つかの留意点を改善しながら、その原則で進めていくということに関しては、やや合意のようなものもあるかと思います。しかし、その先をどうするかということを見通しながら、取りあえずの介護保険と障害福祉制度の関係を整理していく必要があると私は思います。

 そもそも介護保険が発足する時には、皆さんもよく御存じのことだと思いますが、高齢者の介護と障害者の福祉制度について、一体的にやろうという意見もあったようです。これがいろいろな理由で先送りにされて、結果現在に至っているということです。あの時点で政権党の中には、介護保険そのものに反対という声もあったし、一体的にやるためには社会保険制度としてのパイが大きくなり過ぎるということで、財界の反対もあったし、その他、利用者側の反対もいろいろあったと思います。しかし、私は、基本的に社会保険を原則とした一体的な制度を、将来開発すべきだと思います。

 社会保険制度の優位性については言うまでもなく、この保険金でオスプレイを買うわけにはいかないわけですから、税とは違ってその保険目的以外には使われない。介護保険制度が実施されるときに、例えば消費税が1%上がるか上がらないかということで大きな議論になる我が国ですけれども、どうあれ国民の合意を得て、新しい負担に基づいて介護の社会化という共通概念で、新しい制度を発足させた。これは非常に歴史的な意味を持つものだと思っています。今後の障害福祉制度の在り方についても、基本的にその路線の延長線上に位置付けるべきではないか。

 もちろん幾つもの解決すべきことはあるだろうと思いますが、新たな仕組みや新たなものを作ろうとしたときに、反対する理由は山ほどあると思うのです。懸念される部分も大変多いと思います。しかし行き着くべき所を明らかにした上で、そのためにどう改善するか、改良するかということを議論の中心に据えていくことを、そろそろやらなければならないだろうと思っています。もう余り時間はないと思いますので、せめてこの部会の中でそういう方向性について、全体的な合意ができれば良いかなと思います。

 

○駒村部会長

 続けて森参考人、お願いします。

 

○森参考人

 森でございます。4点あると思います。1つは、介護保険制度と障害サービス制度の問題を統一する問題というのは、障害者団体の中で正にもめた問題で、これについては相当徹底的に検討してもらいたいと思っております。
 2つ目は、いわゆる7条関係です。65歳以上になったときに介護保険制度施設へ移行しなければいけないというのが、具体的な原則のようになっているようですが、実際問題としてそれでいいのかという気が私はしております。

 それと、65歳以上の障害者が本当は障害のサービスを受けたいけれども、我慢していたという人が14の疾病になった場合に、障害サービスではなくて介護保険が優先するというシステムになっているようです。これについて14疾病だけのときは介護保険で、そうでない人は65歳未満の場合は障害サービスが受けられるというのも、矛盾があるように思っております。これについては検討すべきではないかと思っております。
 4番目がやはり費用負担の問題です。いわゆる応益負担から応能負担になっておりますけれども、実際は応益負担のシステムと同じではないか。応能負担ならば応能負担として、収入認定の再調査のようにしなければいけないのではないか。いわゆる4段階か何かだけで応能になりました、しかも適用は従来どおりですというのを、応益ではなくて応能ということでいいのかと私は思っております。

 

○駒村部会長

 続いて久保委員、お願いします。

 

○久保委員

 育成会の久保でございます。今日、相対的に提案されていることについては賛成です。障害福祉分野の事業所の一部が介護保険の基準該当事業所として認められることについても、利用者と家族の視点から見たら、大きな環境の変化もなく過ごせますし、適切な環境設定になると思います。特に知的障害のある人たちは、環境が変わるとそこに慣れるのに時間が掛かりますし、認知症も発生した場合には、環境の変化が認知症を進行させるという懸念もありますので、望ましい対応だと思っております。その際、ケアマネなどの介護保険の仕組みの活用が基本となります。ただし費用負担は、資産形成の乏しい貧しい障害者が多うございますので、経済的な実態も踏まえて配慮していただきたいと思っています。

 そういった場合に、障害福祉サービス事業所が過度に新たな資格職や人員配置をしなくても、介護保険事業所となれるような見直しをしていただきたいし、同様に、介護保険事業所が過度に新たな資格職や人員の配置をしなくても、障害福祉サービス事業所となることもできるような見直しも必要だと思っております。障害福祉サービスにも介護保険サービスにも小規模多機能が認められていますので、法をまたいだ多機能を認めることも1つではないかと思っております。

 もう1つは、高齢化した障害者に対する支援に関するノウハウが乏しい障害者福祉分野です。また、障害者のことを余り御存じない高齢障害者分野ですので、いずれの分野も対応スキルの向上が求められるということを、前にも意見として申し上げました。そのための体系的な研修、介護保険事業所でのみ勤務経験をしている介護保険福祉士に対するスキルの向上の研修とか、その逆の場合もそういうサービスを念頭に置いた実施が重要だと思っております。また、自立支援協議会と介護保険制度の各種ケア会議との連携、基幹相談、委託相談、地域包括支援センターとの連携も必要だと思いますし、障害のある人の高齢化だけではなく、いわゆるファミリーケース、高齢の親が高齢の障害の人と一緒に暮らしている、という家族への支援の対応という観点からも重要だと思っています。

 あとはエンディングノートについてです。今日例として挙げておられる鶴見区の親の会だけでなく、育成会はもう何年も前から全国で、エンディングノートのような好事例をいっぱい各地で作っております。そういう好事例を集めていただいて、国として様々な要素を盛り込んだエンディングノートの例を作成していただけたら、有り難いと思っております。

 

○北岡委員

 高齢化の問題について、第68回の障害者部会で7つの自分の意見をまとめてお話をしました。そういう観点からして、今日提出されました厚生労働省からのこのことについては、基本的には賛成の立場です。それから、もう1つは、いずれにしても障害福祉サービスを持続可能な制度にしていこうということについては、ここにお集まりの皆さんにとって共通の認識だと思うのですが、それを実現していくために、取り組んでいかなければいけないこととして、第68回と同じようなことを申し上げますが、2つの視点について、お話をしたいと思います。

 私も、先ほどから佐藤委員がおっしゃるように、社会保険制度を基本として、何とかこの障害福祉サービスを今後再構築できないかと考えているところです。高齢者が増え、支え手が減っていくという発言も先ほどありましたが、正に今回のこの審議会は3年後の見直しに向けて、さらにその次の将来的な社会保険制度を基本とした障害福祉サービスの再構築に向けた準備ができないものかと考えております。まず1つは、先ほども何人かの方々がおっしゃいましたが、基準該当であること、障害をお持ちの方が高齢になられたとき、同じサービスを利用できるような環境を整えていくということにおいては、やはり基準該当として障害福祉サービスで高齢者のサービスができるようにすると。これは、あえて言うのは、社会保険の財源を65歳以上の高齢障害者の支援に充てるためにも、基準該当ということで、今で言えば介護保険のようなサービスが提供できることになったほうがいいだろうと思っているからです。そういう意味では、厚生労働省から出された2つ目の○は、積極的に我々で検討していきたいと思っております。
 2つ目は、利用者負担のことがどうしても出てくるのだろうと思っております。もちろん、給付の見直しについてもあるのだろうと思います。前回、食事の提供加算などはおやめになったほうがいいのではないかという主旨の発言をいたしました。他方、利用者負担については今のままがいいという意見と、今の介護保険の負担に行くという意見のどちらか一方という議論ではなく、その間をもう少し丁寧に、障害をお持ちの方の暮らしの実態に合わせるような負担の見直しをやっていったほうがいいと思っております。もう少し、みんなで負担し合う方向に向けた議論を進めていけないだろうかと思っております。今申し上げた基準該当のことと利用者負担のことなどを通して、今回の改正では持続可能な制度設計に向けた準備を進めて、次のステップに行くための条件を何とか整えておく必要があるのではないかと思います。

 

○吉田参考人

 日本相談支援専門員協会の吉田です。1つは、サービス等利用計画は、先ほどは現在8割とおっしゃっておりましたが、これの質の担保と向上を更に図っていくことが、1つは高齢化に対する問題にも合致するのかなと考えております。もともと、サービス等利用計画は将来プランですので、当然先のことを見通してチームを組んで支援をしていくと。これが本来のように機能すれば、当然チームの中には介護保険、親亡き後のこともきちんと組み込まれるべきであると考えております。ですので、お示しいただいた主任相談支援専門員という資格の設置は、非常にうれしいところですね。なぜなら、相談支援専門員の人材育成が喫緊の課題になっていますので、それをきちんと資格化していただいて、もう1つ言いますと、基幹型相談支援センターの更なる推進を強く訴えていきたいと思っております。いわゆる、地域の中で基幹型を中心とした人材育成と地域づくりを推進していくことで、もう1つ人材育成に拍車がかかるかなと思っております。

 最後に、その人材育成に関して言えば、本来都道府県の協議会の責務でもあるわけですから、きちんと都道府県の協議会又は市町村の協議会の中で相談支援体制の再構築も含めて議論ができるよう、協議会の活性化もどこかに入れ込んでいただければと思っております。

 

○菊池委員

 まず、介護保険優先についてですが、これは一巡目のときに長々と申し上げて恐縮でしたが、やはり現行の原則は維持すべきであろうということで、運用などで対応していくということにならざるを得ないと思っております。そうなりますと、5ページの一番下の○にありますが、65歳以上になって初めて障害を有する状態になった方の障害福祉サービスの利用については、介護保険で足りない部分については、当然障害福祉サービスの対象になろうかと思います。その場合、下から3つ目の○で、利用者負担について、一般高齢者との公平性ということが書かれておりますが、当然一番下の○に該当する高齢者の方の負担との間でも、公平性を考えた議論、あるいは工夫が図られる必要があるのではないかと。そういった面にも目を向けて、制度設計していただきたいと思います。

 そのこととの関係で、議論の場についても、今ここで我々は議論しておりますが、当然介護保険に関わるものになりますと、現在でも老健局と話合いをしながら進められていると思いますけれども、当然制度改正に関わることになるとすれば、介護保険部会などでもきちんと御意見を伺いながら進めていただきたいということも、お願いしたいと思います。

 最後に、これは先ほど北岡委員もおっしゃいましたが、最初に野澤委員もおっしゃったように、高齢者がますます増えていく中で、介護を要する高齢者の方も増えていくと。他方、障害をお持ちの方で高齢化が進んでいると。その中で、どこまで制度を財源の制約がある中で別建てで設計していくのかについては、今回改正では議論の対象になっておりませんが、将来的にはもう一度しっかり議論する必要があると思います。その点、検討の場を設けていただけるよう、お願いしたいと思います。

 

○駒村部会長

 今の点は、事務局に確認、要望という感じになりますか。この辺りについては、今の菊池委員のお話で1番目に触れられましたが、これは事務局でいいのか菊池委員がいいのか分かりませんが、共助というのは社会保険を意味しているという理解で、事務局はいいわけですね。それから、一番下の○と2番目、下から3番目の○をどう整合性があるようにするのかと。ここで、介護保険部会と協議の場というのでしょうか。この辺りは、今のところ議論としては老健局との関係は何かあるのですか。

 

○川又企画課長

 企画課長の川又です。今は、まだこの介護との関係ということで、どういう設計をしていくかをここでの御議論も踏まえて検討していくわけですが、その際に介護保険制度としての改正なり対応が必要になれば、関係の介護保険部会などでの御議論も合わせて必要となることもあり得るとは考えております。ただ、それは制度設計をどのような形でしていくのかにもよるわけですので、現段階ではどうするということは決められませんが、内容によっては介護への影響、介護の関係の審議会での議論も必要となる場合があるかもしれないというのが現状です。

 

○駒村部会長

 今後の議論だと思います。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。今回、一応お示しになられました検討の方向性については、おおむねこういう内容でいいのかなと思っております。その上で、何点か意見と確認をしたいと思っております。今回の検討の方向性は、全体的には今の介護保険優先という制度をそのまま継続しながら、しかしながら、その中で高齢の障害者の方々が障害福祉サービスから介護保険サービスに移行する際、あるいはそれぞれの障害福祉サービスを65歳以上になっても受けられるような体制の仕組みをどのように考えていくかが、一番の基本にあるのだろうと思います。

 そういう面から言いますと、前回も発言させていただきましたが、今回の方向性の中で、例えば介護保険事業者、あるいは介護支援専門員等の介護保険の領域の皆さんが、やはりもっと障害者の障害特性をしっかりと理解することがより必要になってくるのではないかと思うのですね。そのための研修が必要だということは、これまでも発言させていただいておりますが、その辺りが今回の検討の方向性の中では、もう1つ明確ではないのかなと思いましたので、是非それをよろしくお願いしたいと思います。

 もう1点は、障害福祉サービスの事業所が介護保険事業所になりやすい等の見直しを検討することとしてはどうかとなっております。この際に、先ほどから何人かの委員の皆さんの発言にもありましたように、やはりこの制度設計を是非実際的に実効性のある制度設計にしないと、こういうことができますよというような規定だけであれば、これをやってみようというように、事業所の皆さんのモチベーションを高めるようなものではないといけないのではないかなと思います。それは、1つのポイントとすると、それを報酬上でどう評価をしていくのかも含めて検討していくべきではないかと思っております。

 最後に、医療との連携の面では、今回余り明確には記載はされていないと思うのですが、高齢の精神障害者の皆さんは当然ながら心身機能が低下をしてきますので、常に医療との連携という視点が必要かなと思います。今回の検討の方向性の8ページの2つ目の○に、1015日の障害者部会の常時介護を要する障害者等に対する支援についての検討の方向性の所の再掲のような形で出ておりますが、ここが医療との連携という部分では読み取れるのかなとは思ったりはいたします。例えば、グループホーム等への看護配置、あるいは医療そのものとの連携をどのように図っていくのかというところも、視点としては忘れないでいただきたいと思います。

 

○小澤委員
 5ページの3番目、障害福祉制度と介護保険制度との連携という言葉が出るのですが、これまでもやはりこの言葉ではなかなか現実は進みにくいだろうなと。1つ申し上げると、障害福祉制度から介護保険制度に移行というのが起こりますよね。その実態などを見ていくと、かなり市町村によっての温度差が激しいことがありますので、ここはやはりきちんとした仕組みを示してあげたほうが、これだといい事例を集めて、参考にしてくださいというやり方ですよね。それだと、市町村はそれを本当に審議、参考にする所から、現状から見てできないという所まで、絶対そうなるだろうと私は推測するわけです。ですから、これはやはりきちんと示してあげるということが1つです。

 2つ目は、地域包括センターの話が出てくるのですが、これはやはり介護保険というのはそれなりに仕組みを全国に普遍的に構築したという点では、大したものだと思うのですよ。問題は、障害のほうなのです。これは、いろいろ書いてあるのですが、例えば基幹相談支援センターというのがたくさん出てくるのですが、これは一体どうなっているのかと。基本的には、非常に熱心にお作りになっている所から、ほとんど作らないところまで、当然千差万別ですよね。更に、作っている所も内容がものすごくまた千差万別です。ですから、事実として申し上げたいのは、障害の領域でこのような連携はいいのだけれども、対応となるような拠点が整備されていないということなのですね。ですから、ここがきちんとならないと、介護保険との連携といっても、連携すべき状況になっていないということです。やはり、これが気になるところです。

 2点目は、同じ3つ目の○なのですが、「障害福祉計画と介護保険事業計画の調和のとれた」というのは、これは何を言っているのかですね。この議論で言うと、要するに65歳以上のサービスの必要量は原則介護保険事業計画に記載し、障害福祉計画からは削除というようなことも、十分予想される事態ですよね。多分、両方に重複記述できないでしょうから、そうしたら、そういったときにどう考えるか。それから、上乗せ、横出しの話も入り込んでいますので、この話の調和という意味をもう少しきちんと検討しないと、難しいのではないかということです。

 もう1つ、4番目の○ですが、相談支援専門員と介護支援専門員の両者の資格の議論が入っているのですが、今一番の問題は、実態として介護支援専門員の見ていくスタンスとか視点の違いなのですよね。障害福祉は、こういうスタンスで、相談支援のほうは、どちらかというと、やはり生き甲斐や人生や社会参加といったところにウエイトを置きがちなのですが、介護保険サイドの介護支援専門員は、どちらかというとやはり医療的なケアをかなり意識しますよね。その違いがかなり大きいので、実際問題こういうものは資格だけの問題ではなくて、共同の研修や共通化問題をもう少しきちんとやったほうがいいのではないかということです。

 それから、介護保険のほうも、今大きな問題を抱えていますよね。例えば、介護予防事業の在り方といった観点になってくると、社会参加や、障害福祉サービスから相当知恵を借りないと、やはり乗り越えられないと思うのですね、比較的元気な高齢者問題ですね。そんなことも、少し検討していただけたら大変有り難いです。

 それから、8ページの上から2番目の○ですが、グループホームで日中活動も対応すると書いてあるのですが、実質的にはそれはそうなのですが、少し心配なのは、グループホームはもともとミニ施設化問題が潜んでいるのですね。ですから、これだけ抱え込んでいいのかというのは、考えるべき事項です。逆に言うと、例えば仮に物理的にはそこでやっていても、スタッフや職員は別立ての配置を考えるかどうかというようなことも考えないと、グループホームはミニ施設なのかという議論が、実は前からあるのですよ。このままいくと、重度高齢化の人にとったら、多分ミニ施設になるのではないかという危惧があります。

 最後の親亡き後の話ですが、21ページにエンディングノートの参考例があるのですが、本人中心計画は意思決定支援のときに議論いたしましたよね。あれとほとんど変わらない話だと思われるのです。つまり、「親亡き後」という名称もよくないですが、本来的には御本人がどのような方向性で将来を見据えてやっていくのか、本人中心にどう考えるのかと。そう考えたら、これはやはり親亡き後、エンディングではなくて、御本人の、仮に親が亡くなった後の将来計画をどうつくるのかというようなスタンスにしていただかないと、何か本人の話が出てこないのではないかという気がするのです。

 

○石野委員

 全日本ろうあ連盟の石野です。先ほど、委員の中から御発言がありましたが、連盟も同じような考え方です。会員の中においても、35%以上の高齢化率になっております。また、職場においても、聴覚障害者センターですが、聴力相談関係を実施しておりますが、65歳以上の高齢者の方も相談に来られます。
 1つケースがあり、相談支援専門員と介護支援専門員との連携についてですが、一人暮らしのろうの高齢者がおり、その方に対して相談支援専門員、介護支援専門員が両方連携し、支援を行い相談をして検討会などを開いております。何を申し上げたいかといいますと、全国に情報提供施設があり、その半分ぐらいは相談員を置いておりますが、例えばケース会議、ケアプラン等に参加することは、思うようにはなかなかいかないという実態があります。その辺りの壁があるわけで、情報提供施設の相談員もきちんとした形で担保しなければならないと考えております。

 2つ目は、介護支援専門員や相談支援専門員のカリキュラム、研修等についてのプロセス、質の向上という考えがあり、これは非常に重要だと思います。想定外になるかも分かりませんが、今、専門学校や大学、短大において、介護福祉科の学生が、卒業してもなかなか就職に至らないという、就職率が低迷していると聞いております。若い人たちの確保も必要になりますが、質的向上、また量的な担保の両方が必要となりますので、人材育成の課題も考えております。

 

○阿由葉委員

 セルプ協の阿由葉です。検討の方向性➀の一番上の○の「現行の介護保険優先原則を維持することは一定の合理性があると考えられる。そのもとで、介護保険サービスの利用に当たっての課題への対応について検討する」という総論的な部分について、意見を申し上げます。

 資料110から11ページに、障害福祉サービスの利用が望ましい方に、65歳になったからといって一律に介護保険サービスが適用されることがないようにという国の考え方が、通知として出されています。これまでの部会でも多くの意見が出ていたとおり、この考え方に基づく運用が自治体で徹底されていないことに大きな問題があると認識しております。今回の検討の方向性については、この通知にある考え方が守られることが大前提であるということを、しっかりと強調すべきであると思います。

 そのことを踏まえて、1つ懸念があります。検討の方向性の2つ目の○に、「障害福祉サービス事業所が引き続き支援を行えるよう、その事業所が介護保険事業所になりやすくする等の見直しを検討する」とありますが、このような見直しがされた結果として、自治体における運用で障害福祉サービスでの支援が望ましい方や、その方にサービスを提供している事業所を無理に介護保険サービスに移行させることがあってはならないと思います。その方の特性をよく理解した障害福祉サービス事業所が介護保険サービスを提供できれば、ケアの連続性で問題がないという発想があるのでしょうが、そもそも利用される方が介護保険料の負担ができるのかといった非常に重要な問題とも関わってきますので、丁寧な検討をよろしくお願いいたします。

 

○朝貝委員

 全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝です。親亡き後の対応ということで、子供の頃からの対応が重要であるということを発言させていただきたいと思います。と申しますのは、親でないと介護ができない状況がうまれてきてしまうと。無理に親から分離しますと、体調を崩す例があるとか、中には高熱を出して死亡する例もあると、これは高熱症候群と言われています。そういう状態にしないためにどうしたらいいかということがあります。こういう状態になる子供たちは、肢体不自由児の一部で、知的にはいいけれども、肢体不自由が非常に重度な子に起こりやすいことが分かっております。小学校の低学年、あるいは小学校の年齢で一度親子分離を経験しておかないと、年齢が上にいけばいくほど、なかなか親から離れなれなくなり、親と子供が一心同体になってしまう例があります。対応としては、日頃から親以外の介助を受けやすくするのはもちろんなのですが、やはり日中だけでなく、お泊まりの経験がないとなかなか難しいです。それには、ショートステイや有期有目的入所を利用していただいて、親でなくても介護ができるような状況にしておく必要があると考えております。

 

○本條委員

 みんなねっとの本條です。5ページの5つ目の○ですが、一般高齢者との公平性がうたってあります。もちろん、費用負担の公平性、財源問題を考えると非常に重要なことですが、やはり何よりもまず障害程度が同じであれば、今で言えば支援の必要性が同じであれば、同じサービスが提供されるというのが、総合支援法の趣旨、目的であろうかと思いますので、その視点を忘れないで議論をしていただきたいと思います。やはり、その支援の必要性が同じであれば、同じ支援が提供される。そして、負担については応能負担でするというのが、本当の意味の公平といいますか、フェアではないかと考えます。したがって、それはもちろん税だけでやっていくことは限界がありますから、どのように費用負担をするかということは、やはり別立てで考えていくべきであり、適正な支援が得られることを最優先に考えていただきたいと思います。

 というのは、精神障害の場合は、自立支援医療、あるいは精神科医療、一般医療それから障害福祉サービス、更には介護保険の給付が必要になってくるわけです。必要になるということは、高齢化をすればそれだけ重度の障害を抱えることになるわけですから、その人たちは負担能力がだんだんなくなってくるわけですから、その人に過重な負担を負わせるのは問題であるのではないかと思います。

 それから、8ページの親亡き後ですが、もちろん家族としては親亡き後ということが不安材料ではありますが、親亡き後というのは現実の生活への不安があり満足度が少ないから、またそういうものが多いからこそ、そういうことを言っているのであって、やはり親あるうちに親にとっても、また御本人にとってもエンディングノートというのも大切ですが、ライフプランといいますか、親が亡くなっても社会で支援できるように、親あるうちからそういうライフプランを年齢に応じて、ライフステージに応じて作成するシステムが必要ではないかと思います。また、成年後見人も書いてありますが、成年後見制度だけではなく、信託あるいは遺言などいろいろな制度がありますし、もちろん費用の問題もありますが、何よりも社会でできるだけ費用のかからない方法を検討していく必要もあるのではないかと思います。

 

○広田委員

 こんにちは。厚生労働省の皆さん、お元気そうですね。シビアな話を始めます。藤井部長、すばりドッキングする本音を考えておいてください。この間、私はこの部会委員15年やっていますが、なし崩しの日本人。今日も安倍総理が朴槿恵大統領と話をするようですが、“金大中拉致事件、日本政府は政治決着したけど、拉致は当時の朴大統領の意志でなく、部下の行為と○○聞いた”と在ソウル歴30年くらい産経新聞元支局長の黒田さんが、現朴大統領名誉毀損で逮捕された前支局長加藤さんの時、署名入り記事で書いていて“深い真実”と思いました。慰安婦問題は河野洋平さんが時の韓国の政権に配慮して、何やら応えたことが、いつまでもぐずぐず尾を引いている。朝日新聞は2008年1月29日朝刊「歴史は生きている」でベトナム戦争時「韓国兵がベトナムで老人、子供、女性を…殺していた」と韓国の主要週刊誌等を引用した記事を載せている。「…韓国兵の慰安婦…」という話を私自身かつて聞いたこともある。朝日新聞によれば、1998年金大中大統領はハノイを訪ずれ「過去の一時期、不幸な時期があったことを遺憾に思う」と。この言葉に対し、ベトナムのファン・バイ・カイ首相は「過去に区切りをつけ、未来を見つめよう」と述べただけだったそうです。今日、ベトナムの若い人たちに「ベトナム戦争のこと」聞いても、アメリカのこと、そして韓国のことも避難したりしない。昨年朝日は、誤報謝罪し社長交代もしたのに、相変わらず朝日含めて日本のマスコミはこのことにも及び腰で「日本が悪い悪い」と言って、韓国の人たちにもプラスにならないし、日本人としての誇りを持てないこの国。こちらは、今回こそ、何が本音でドッキングなのかということを伺いたいと思います。

 私は、社保審に入る前から、ドッキングなのかなと。当時考えていました、そこで、今年の3月まで高齢者のデイサービスに5年間週に一度、人生経験豊富な先輩たちとお食事しながら、傾聴ボラという名のお話し相手等をしていましたから、良さと問題点を学ぶこともできました。藤井さんより2代前の岡田さんが、3年前私の居住区内警察の保護室で研修したとき、私の傾聴ボランティア先にもお忍びで案内しています。介護保険のことにも関心は深いけど、ずばり本音を伺ってから、意見を言いたいと思います。どうぞ、藤井さん。

 日経が、外国メディアを買収したこと、外国メディアの「日本には記者クラブがあって、たたくけど、裏でなあなあだから、本当のことが書けない、」というような見解を読みました。どうぞ、ずばり、記者クラブではなくて、質問者は広田和子です。

 

○藤井障害保健福祉部長

 広田委員、おっしゃっているのは、ドッキングというのは、私どもの障害者総合支援法と介護保険を制度をドッキングさせるという。

 

○広田委員

 ドッキングという言葉が適切かどうかは別として、介護保険とのことを、障害者団体の多くは反対で、この間、厚労省前で2時間ぐらい元気にいろいろアピールしている中で、でていました。村木さん退職したけど、とても親しかった。2003年、部長の塩田さん、精神保健福祉課長の矢島さんと来られ保護室の中で研修したこともある。支援費から自立支援法に移ったとき、支援費でお金を使い切ってしまったから自立支援法になった。ずばり今回こそお金がないならないとおっしゃらないと、いつも、何が本音なのということで、「日本人は何を考えているか分からない」という外国人が多く、「I Think So」ですから、はっきりおっしゃっていただきたい。

 先ほどの川又企画課長の話ですと、「これから老健」どうのという話だから、ずばりこちら側がそれをやろうとする意図は、お金のことが、それだったらそれできちんとはっきり言っていただきたい。何か、みんなもうそうだよねということでスタートしていますから、障害者部会主催者側を代表して、どうぞ、藤井部長。本音を。

 

○藤井障害保健福祉部長

 少なくとも、両制度のドッキングという話は、今日私どもが整理をした資料もそうなのですが、特段議題として挙げているわけでもありませんので、今、私の立場で何とも申し上げようもないところです。あえて申し上げれば、先ほど佐藤先生からもありました、随分前、正に介護保険制度ができようとしている時期には、そういった若い障害のある方も対象者に入れていくというような議論がありました。その際、もちろんどんな仕組みであれ、メリット、デメリットがあるわけですが、その検討の中では確かに広田委員がおっしゃるようなことも議論としてあったのかも分かりません。それから、やはりこれも佐藤先生がおっしゃいましたように、1つの制度構築の理念として、できるだけユニバーサルなというか、共助の世界の中でユニバーサルな仕組みをつくるべきだというような議論もあったやに聞いております。

 ただ、今の時点で御議論を頂いているのは、やはり両制度がいかにうまく連携をして、それぞれの利用者、対象者のニーズに両制度でいかに的確にそのニーズを把握し、満たしていくかということで、どんな仕組み、組み合わせ、やり方が多いのかを、今日私どもがお出しした検討の方向性の中で申し上げているつもりです。

 

○広田委員

 コンシューマーが安心して幸せに暮らしていくために、そのようなことでお金ではないと言われるけど、とにかく支援費から自立支援法の時は村木さん何度も、「すばらしい」と言った、蓋を開けてみればお金がなかった、今、もしお金がないのだったら、そこはこういう話が出てきて有り難いとか、そういう本音を伺いたい。

 

○藤井障害保健福祉部長

 必ずしも、今日の議題が、即何か財源の確保に結び付くかどうかは、これはいろいろ議論があろうかと思います。ただ、今日の議題だけではなく、今回の見直しの全体として申し上げますと、何回かこの場でも申し上げましたとおり、当然制度を維持していく上でも財源は必要ですし、なにがしかその制度を拡充していく上でも当然財源は必要ですから、そういった財源をどのように確保していくかも、この障害者部会としては併せて御議論を頂きたいとは思っております。

 

○広田委員

 全く、お金のことではないということですね、現在藤井さんの胸中には。あとで、広田さん、こうだった、ということはないのね。

 

○藤井障害保健福祉部長

 少なくとも、今日ここでお出ししている議題については、何が大事かと私どもは考えているかといいますと、先ほど申し上げましたように、いかに個々の利用者の方のニーズに的確に対応していくかであろうかと思います。

 

○広田委員

 他障害の親亡き後に私は踏み込まない。親が同居しているときにいわゆる殺人事件の被害者は圧倒的に家族。残念ながら、精神障害者が起こさせられた、追い詰められたりして、そういう状況に気づいてなかった私は21年前「偏見は犯罪報道に精神科の入通院歴をマスコミが出すから」と主張していて、今も信頼関係のある朝日記者は「殺人が多いから精神障害者の偏見が…」と言っていて何回か論争しました。それから親ある今、自殺している仲間もたくさんいます。親が亡くなって自殺した仲間のことは聞いたこともありません。6年くらい前に、“今後の精神医療福祉のあり方等に関する検討会”の事前説明で、5時間やり合って、生活保護で同一世帯の場合に、「世帯分離を、不幸な事件を回避するためにも、親ある今やりましょう」ということで、「保護課ときちんと話合いをして、書式を作りました。厚労省の4階と5階で。」と当時、担当者から報告受けました。親がいかにも子供のために人生大変というけど、例えば神奈川県警のある警部が「人から紹介されて来ました。」行政に勤めていたお兄さんが当事者だそうです。そして、お父さんを殴る。「私は警察官だけど、そういう場合には110番通報するように親父に言っています」と2時間泣きながら話されました。私が、「そのお兄さんに会いたいから、チャンコ屋行きましょう。ワタミに行ったら面白いおばさんが隣にいて、お兄さんに会いたいわと言ったと連れてきて。お見合いじゃないのよ」と言ったら、お父さんも付いてきて、お店でちゃんこ食べながら「どうなの、このお父さんと一緒に暮らして」と言ったら、お兄さんが「もう息が詰まりそうです」と言うから、このお父さんなら大丈夫かなと思って、「この親父じゃ息が詰まるわよね。あなた何ができるの」と言ったら、「ワープロを○○のデイケアで…」、「じゃあ患者会事務所がある県精神保健福祉センター3階の団体交流室で、広田和子個人の資料原稿のワープロ打ちをボランティアでやって」と言いました。毎週月曜の午後4時間来てもらい、A41枚打てないと、宿題を出しました。3時にお茶を出して、シャワーのように御礼を言って、しばらく様子を見て、それでお弟さんに「あなたはあのお父さんを面倒見れるの」と言ったら、「見れません。妹も見れません。」「じゃあ、お父さんをお兄さんが面倒見てる側じゃないの。私もシャワーのように御礼言っているから、あなたたちも110番呼ぶとか余計なこと言っていないで、『親父をよろしく頼むよ兄貴』というように言ったら」と言いました、やがて、お兄さんが変わってきました。ある日電話で、御本人が「親父が高齢になって○○になりましたから看病しなければいけませんので、広田さん、残念ですが、ワープロ打つ時間がなくなりました。」「それは残念だけど、おめでとうざいます」と父親への暴力からも私からも卒業しました。親の変化によっても子供は変わるのですよ。そして、必ずしも高齢者になっていったからって薬が増えるのではない、私は1期目に河崎先生の2代前の津久江先生に、「日精協が変わらなければ日本の精神医療は変わらない」とどんぱちやっていて、長尾先生のときも発言はするどいけど、よく突っ伏していたのですよ、その当時も12時間ねていた、薬がすごく多くて。今の恋愛も母がいないから純愛のような気持ちでいられる。離れている彼と。母亡き今、薬が自立支援医療を外れたぐらい少なくなった。精神障害者、高齢になってよくなっていく人はたくさんいます、親亡き後なんて言わなくていい。親がもっと夫婦仲良く、家族円満にやって、本人が“ああ、こんな俺の家族って幸せそうだったのか、俺も幸せになろう”という夢を持たせていただきたいということと、前回も発言していますが、「失敗等をさせて」いただきたいということです。仲間たちの声は。私が何度も言っているように家族の発言は当事者の所に踏み込まない。家族のピアサポートとか、カラオケ行くとか、お茶飲みに行くとか、そういうことで後半戦また言いますけれど、こういう本音は私しか発言できない、よろしくお願いします。この瞬間も、自殺も不幸な事件も起きています。日本列島の全国各地で。

 

○駒村部会長

 あと数分しか残っていませんが、何か追加でお話したいこと。

 

○大濱委員

 追加で3点お願いします。
 1点目は、65歳になって介護保険の対象者になると、障害者総合支援法の訪問系サービスの国庫負担基準が下がります。かなり極端に下がります。このため、市町村の財政がもたないということで、サービス量の削減が全国各地で生じています。ですから、もし今の制度のまま介護保険優先原則を継続するのであれば、国庫負担基準を下げない方向で是非検討していただきたい。

 2点目は、先ほど小澤委員からも発言のあった、主任相談支援専門員の話です。これについては、経験に基づく資格制度とすべきだと私は考えています。要は、主任相談支援専門員として必要なスキルはスクーリングの研修で身につくものではなくて、実際にどれぐらいきちんと現場で一般相談支援や計画相談支援に従事したのかが重要です。ですから、実績に基づいて主任相談支援専門員を制度化していただきたいというお願いです。

 3点目は、介護保険のケアマネと障害者福祉の相談支援専門員の話です。この2つは性格が相当違うと思います。例えば要介護5だと区分限度支給基準額が36万円ぐらいですが、介護保険のケアマネさんたちの一般的な手法では、この36万円の中でどういうサービスを組み込んでいくのかが中心になります。恐らく高齢者のニーズもきちんと聞き出しているでしょうけど、どちらかというと供給サイド寄りのケアマネジメントが非常に多いのが現状だと思っています。その点、障害者福祉の相談支援専門員の場合は、障害者のニーズをきちんと引き出して、それを実現するにはどういった種類のサービスがどれくらい必要で、それをどうやって組み合わせるのかが計画作成の中心になっています。この辺りは、制度としての温度差が非常に大きいと思っています。したがって、65歳以上になっても、障害者福祉の相談支援専門員をケアマネジメントの中心に据えていただきたい。その中で介護保険のサービスを使う部分については、相談支援専門員にも介護保険制度の知識が豊富な人が多いですから、相談支援専門員からケアマネジャーに提案するような形で、障害者福祉を中心としてケアマネジメントを実施していただきたい。これは、障害者が従来の生活をそのまま継続する上で非常に重要ですから、是非お願いします。以上の3点の追加です。

 

○駒村部会長

 もう、ほとんど時間がないですけれども、ほかにありますか。

 

○斉藤参考人

 伊藤委員の代理で出ております、斉藤と申します。お話を伺っていてですが、私も地域で経験がありますので、それを踏まえて発言させていただきます。相談支援専門員がなかなか難しいだろうと思っております。といいますのは、障害者の状況は様々ですし、今回、難病の方々も障害者の枠組みに入ってまいりました。個別の事例が多くなっていきますと、当事者でないとなかなか分かりえないことがありますので、是非短時間でも良いので支援相談員として、当事者の方々が入れるような仕組みを考えいただけると良いと思います。先日、80歳を超えた方が特養でヘルパーの現役で頑張っていて、高齢者に寄り添ってお話を聞いている、という事例がテレビで放映されておりました。基本のところは、しっかりとした専門員がいて、それを支援するような形で精神障害者の方や難病の患者さん、それから、いろいろな障害をお持ちの方々当事者が、関われる短時間の勤務みたいなものができると、効果的な支援が可能と思いまして、発言させていただきました。以上です。

 

○駒村部会長

 よろしいでしょうか。前半の議論については、5ページの1つ目の○、介護保険優先原則をめぐって議論があったと思います。障害者福祉制度を持続可能にしつつ、一方で、両制度の調和を図るということで、5ページから8ページに関する案が厚労省がまとめて提出されたと思っておりました。それに対して、実効性や実態を踏まえてどうかという議論や、自治体間のばらつきにどう対応するのかという議論、あるいは制度内の整合性、制度間の整合性に向かって、より深掘りをしなければいけないのかという議論もあったかとは思います。事務局におかれましては、この検討の方向性にむけて様々な留意点や心配な部分も指摘されたと思いますので、その辺、きちんと今後の取りまとめの方向に向けて反映していただきたい、あるいは、答えていただきたいと思っております。時間もございませんので、次のテーマに入りたいと思います。

 次に、「障害支援区分の認定を含めた支援決定の在り方」について議論したいと思います。このテーマについては終わりまで、大体4時半までということで、短時間ではございますけれども議論したいと思います。このテーマについて御発言をという方、挙手をお願いできますか。34分ぐらいだと思っております。

 

○小澤委員

 この問題ですが、26ページになるでしょうか、検討の方向性です。まず、1番目の○です。現在のサービス等利用計画、作成案の作成過程は、利用者の意向が反映されている仕組みだと断言されているのですけど、私は全然そう思えていないのですよ。しかも、手法も技法も全くなってないと思ってますので、これは是非反映させる仕組みとなっているということで、きっちりと検討していただきたいというのが1点目です。基本的には前回やった意思決定支援の問題も、全体的には根は同じだと僕は思っているのです。それから、先ほど言った相談支援専門員と介護支援専門員の在り方の問題も。ですから、その辺りを、ここにきっちり焦点を当てて進めていただきたいというのが1点目です。

 それから、2点目は3番目の○ですけれども、地域差の議論というのは、もちろんこれは、元々のことの起こりは財務の審議会の資料ですよね。でも、よく考えてみると、基本的には社会モデルを考えたら当然地域の環境や様々なことが考えられた上で、そのサービス状況、資源配分、その上で調整を図っているということも解釈としてはできなくもない。もう少し内容を詳細に検討して財務省にちゃんとお伝えしないと、単に機械的な数字の差があるのだと、これだけ追求されても、そもそもコンピューターで全国一律なんてあり得ないわけですから、そこのところは是非きっちりと、論理を持って財務省の言い分に反論していただきたいというのが3点目に関する事項です。私からは以上です。

 

○駒村部会長

 後半の部分の○についての検証については、資料の38ページで、あるいは今、分析中ということですね。今の小澤委員のような問題意識も踏まえてということで、よろしいですか。事務局から何かありますか。よろしいですか。小澤委員のような問題意識、地域の特性を踏まえての分析をきちんと行うということで、またその報告書が出てくるのを待ちたいと思います。では、いかがでしょうか。

 

○阿由葉委員

 セルプ協の阿由葉です。本来であれば生活介護の利用が望ましい方でも、精神障害の方を中心に利用要件となる区分が出ないということで、やむを得ず就労継続支援B型事業を利用している方が多いという意見が、団体ヒアリングの中で多く出ていました。それに対して本会は、就労支援がテーマとなった部会でB型事業の問題ではなく、その人に合ったサービスが提供できるような支給決定ができていないという問題であると意見しました。生活介護の利用を希望している、生活介護の利用が望ましい、そういった方が生活介護を利用できない、だからB型事業を利用せざるを得ないという意見に対しては、今回の検討の方向性を読むとそれにこう対応していくというものが出ていないと思います。何も対応しなければ、見直しが行われてもそのまま同じ問題が残ることになります。本人が希望する、本人にとって望ましいサービスが利用できていないという課題意識は本会も持っており、生活介護事業の利用要件が区分3以上であるということが高いハードルになっているという意見を、会員施設・事業所からも多くいただいています。この問題については、何か解決を図っていくうえでの端緒となるようなものを、検討の方向性の中に盛り込まなくて良いのでしょうか。相談支援専門員の質の向上に向けた研修制度などの見直し、研修会の標準化等だけでは、市町村での実際の支給決定の場面で十分に対応できないのではないかという問題があると思います。財源の課題がある中でも、より本人の希望に応じられる支給決定の仕組みの検討が必要だと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 この問題で、ほかには。

 

○本條委員
 26ページの2つ目の○で、計画相談支援です。もちろん本人の意向というのが一番大事ですけれども、やはり障害ということになると心身の機能の障害と共に、環境といいますか社会的な障壁、そういうものが重要になってくるわけで、それについては、やはり現場に行って環境がどのようになっているかというところまで配慮した、配慮といいますか検討した利用計画でなくてはならないと思います。先ほど来、広田さんからいろいろお叱りを受けているわけでありますけれど、正に家族は社会的障壁がある当事者であると共に、御本人にとっては家族は、社会的環境(障壁)でもあるわけです。ですから、そういう意味において、家族あるいは家庭環境、社会環境までも考慮に入れた計画であっていただきたい、このように要望いたします。

 

○広田委員

 さっき藤井さんにああいうふうに厳しく言ったけど、団体がお見えになったときもかなりシビアに質問して、厚労省の中には、「よく広田さん、あそこまで突っ込んだ」という人もいましたけど、この国はお金がない、と委員としても自覚しています、1,000兆の赤字で。それで、ケネディ大統領が「国が国民に何をするではなくて、国民が国に何をするかだ」という、有名な演説。あれは、アメリカという国にお金がなかったから生まれたそうです。ケネディさん御本人の発言か、誰かのアイデアか分かりませんが。今、日本が同じだと思う。、この間、私が副作用のときがあるから、支援区分の判定せずに救済してと言ったら、田原精神・障害保健課長が、「そうですね」と答えていましたが、精神は全体がいらないと思う。昨日も「年間5,000万プラス自立生活アシスタント費」投入している生活支援センターに行ってきたけど、「毎日コンスタントに来ているのは10何人」だそうです。あとは電話相談という名の、私から見ればほとんどお話し相手だと思う。一市民だったり横浜市の財政だとしたら私は認めない。「広田さん、又、来てください」と言ってましたけど。それで、社会保障審議会障害者部会に出ていて、何回かお金が入ってないのですよ、私だけじゃなくて全員ね。それは、代わりに来た人の住所とか、いろんな書類を出さないとお金が出せないんですって。これ、民間企業流に言うと、ここに来ている固定の委員は引っ越さなければ住所が変わらないのだから、その人たちは、きちんと何日以内にお金を入れるべきです、社会通念上。そうしないと、厚生労働省は、お金がないので払わないのかということになります。遅れる人は自分が遅いのだという認識で、住所が変わっていたりする人。お金がないときにどれを削るかといったら、支援区分を。医者とかPSWとかかなりのお金を、私も横浜市から2万円ぐらいもらってます、無任所の委員として、生活保護で収入申告していますが。削るところを削るというスタイルでいかない限り、財政はパンクする。私自身は、さんざん「日精協からお金を受け取っている委員が、」ここに出て妥当なのかとたたかれまして、3社の記者からも取材やアドバイスいただいた。日精協さんの事務局が素晴らしくて、話し合って、私は「3万円だったら大学教授が1時間の講演料」。小澤さんも駒ちゃんもみんな大学教授で3万円でしょ!「2時間の会議なので3万円で交通費込み。私の後に入る仲間も入りやすいので。」としました。騒動後、初めて91日にアドバイザリーボードが開かれて、当日6,286円の交通費を受け取り、振り込まれたのが20,651円です。会場に事務局の若い人来てるけど、「お中元は受け取ってください、そのぐらいのことは社会通念上、いいでしょう」と、ベテランの事務局さんが。今夏宅配されたマスクメロン2200988日に自死された亡弟をしのびながら食べましたから、この間校正文持って行った時、今川焼を990円で11個買って行きました、社会通念上。2階で校正のやりとりした帰りに1階の事務局が総立ちでした、「日精協悪、福祉、地域医療善」と騒ぎすぎるから。「どうもありがとうございました」とお礼言われたので「アドバイザリーボードに入ったのは、厚労省精神・障害保健課長だった福田さんが、『日精協は事務局がしっかりしてるから』と常々折にふれ話していたので、山崎先生から『日本の精神科医療をよくするために、広田さん、アドバイザリーボードに入って』と言われて入ったのよ。みなさん!がんばって下さい」と私は言いました。会場の皆さん!たたくだけだったり、騒ぎすぎている方たち、おいでになってないかもしれませんけど、議事録に向けての発言です。たたく報道、それが根源、そういうものをやめて、みんなが心大きく生きていきたいと思います、子どもの犯罪も増えてます、夫婦円満じゃないから。厚労省もたたかれるから本当のことを言えなかったりする。何年も日本社会全体が「たたかれないための、守りの仕事を」したりしていると痛感しています。警察の現場だけでも、実に多くのことを見聞きしました。この異常事態をさよならして、誰もが、本来の仕事に専念できる、本当のことを言える、明るい日本列島にしたいと思います。日本は民主主義国です。さっきの“慰安婦の問題は、アメリカ政府がお金を掛けて調査して、日本政府は問題ない”という新聞等を読んで、その後の日韓の友好をオバマ政権が韓国に呼びかけていると感じました。現在、日韓ともに安全保障上米軍の存在は大きいと私は認識しています。日本の終戦6日前からソ連の参戦、そして終戦後、進駐軍の頃、又韓国のベトナム戦争出兵…太古の昔から戦により、女性も運命を翻弄されたとも認識しています。

 

○駒村部会長

 大濱委員、お願いします。

 

○大濱委員

 大濱です。検討の方向性の最後の○についてです。国庫負担基準については、「小規模な市町村により配慮した在り方を検討することとしてはどうか」とあります。この関連で、現在ある制度としては、重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業が挙げられます。ですが、これは裁量的経費による補助金制度なので、今年度は11億円しか予算がありません。これでは恐らく今年度も交付申請額に対して予算が足りないといった事態が発生すると思います。ですので、小規模な市町村にどうやって配慮するか、もう少し具体的なアイデアを考える必要があると思っています。私たちは、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の骨格提言で、18時間を超える訪問系サービスについて市町村負担を5%に低減するために、18時間未満の市町村負担を現行の25%から26%へ引き上げるという提案をしました。その資料はこの部会にも以前から提出していると思いますが、これも検討していただきたいというのが1点です。

 もう一つの手法として、例えば先ほどの補助金事業でも、特に小規模な市町村に対する配慮として、人口3万人という区切りが設定されています。ですから、3万人未満の本当に小規模な市町村については、国庫負担について余り制限を設けないなど、何かもうちょっと一工夫できないか、厚生労働省でも考えていただければと思っています。

 また、先ほどから住所地特例と居住地特例の話も出ていますが、やはり私も居住地特例に合わせるのが正しいと思っていて、それもこの部会で提案していきたいと思っています。これとは別に、骨格提言では、入所移設や精神科病院から地域移行したときに、居住地特例から居住地原則に移行するのではなく、居住地の市町村と入所前の市町村で市町村負担分を半分ずつ分担してはどうかという提案も盛り込みました。場合によっては、居住地特例と住所地特例の関係整理に併せて、この提案についてもご検討いただけないかと思っています。以上です。

 

○駒村部会長

 小規模な市町村の話というのは、何回か前に議論があって、これはミスマッチというか、使い残しのような議論があったのでしたか。何か議論を1回したような記憶があるのですが、そのときの議論もまた遡って今の部分のお答えを少し用意していただければと思います。

 

○大濱委員

 これは、厚生労働省からも何か具体的な提案はありませんか。

 

○田中障害福祉課長
 3巡目の議論に向けまして、今日の議論も踏まえて、また具体的な御提案ということをさせていただくことになろうかと思います。

 

○駒村部会長

 具体的な仕組みはまた、いろいろ御意見を踏まえて進めていくのではないかと思います。今日、切り口というか、視点が提示されているものだと思っております。

 この後半の問題について、御発言の予定の方はいらっしゃいますか。よろしいですか。日野委員、お願いします。

 

○日野委員

 日野でございます。2点について、述べさせていただきたいと思うのですが、1つ目は検討の方向性の1つ目の○の所で、先ほど小澤先生もおっしゃいましたけども、支給決定プロセスについて、利用者の意向が反映される仕組みとなっていると書かれておりますけども、少し課題があるのではないかと思います。以前にも支援区分の認定で、ばらつきが生じることについては、他の委員の方からも御指摘があったところですが、私からは、相談支援事業所で作成したサービス等利用計画が自治体によって変更が加えられたと。その多くが減額をされているという実態があることは申し上げました。現場からもこのように減額をして、支給決定がされる際には自治体から相談支援事業者、あるいは当事者の方に何ら相談もなく、一方的に支給決定がされたことがあるのを聞いているわけです。せめて、事情を聞いていただいた上で、判断するようにしてもらえれば、実態に合わないような支給決定が避けられるのではないかということで、以前から申し上げておりましたけども、支給決定プロセスの中で、自治体と当事者又は相談支援事業者と3者による協議調整をしていただきたいと思っていますけども、それがかなわないのであれば、減算をする場合には、やはり事前に当事者、あるいは相談支援事業者に話合いの場を持っていただきたいと思います。
 2点目ですが、検討の方向性の2つ目の所で、「計画相談支援について、利用者本人にとって最適な支援につながることができるよう」という箇所があります。また、方向性で示されている質の向上、資質の向上と合わせて、やはり量の確保も非常に重要なことだろうと思います。それから、1枚前に、現状と課題の2つ目の○の所で、「基幹相談支援センターなど更なる充実」とございますけども、やはり基幹相談支援センターを設置するというのは、幅広い相談支援体制が確立できると思っていますので、この基幹相談支援センターの設置については、現在努力義務でございますけども、やはり必置義務とすることが望ましいのではないかということと、どの地域でも相談支援が利用できるように、相談支援事業所を整備していくために、相談支援事業の実施を義務付けるべきではないかと思っています。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。では、藤堂委員。

 

○藤堂委員

 藤堂です。先ほど来、保護者の話が出ていて、私もいたく賛成する部分があります。保護者がいるが故に自立しきれない障害者が随分いるなと。特に発達障害、精神障害にはいるのではないかと思っています。もう一つ、ここの支給に関しての法律を見たところ、「障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向を確かめろ」という文言が、多分そこがネックなのかなと今思いました。全てにこの文言が入っているのですね。障害児本人の子供だからといって、意向がないわけではなくて、私がやっているセミナーなどに中学生が来ます。親子で来てもらいます。うちも親子で話します。そうすると、親の意向と子の意向は違うことがよく分かります。それが、親がよかれと思ってやっていることが、子供を苦しめていることがいっぱいあるので、ここの文言を変えない限り、変わらない。幾らこれの外にある制度のところを変えていったとしても、変わらないのではないかということに、今気がつきました。本人の意向、子供であっても、意向があるはずなので、きちんとそれが聞こえる。そして、もう一つそれは、このコミュニケーション支援とか、意思決定支援に全部つながってくると思いますけれども、大人だけではなく、子供も含めない限り、そこのところは解決していかないだろうなと思います。一貫した支援を考えると、子供のときから一貫して考える。そして、子供の意向もきちんと反映する。本人の意向を反映するという形にしていってほしいと思いました。

 

○竹下委員

 竹下です。2点だけお願いします。26ページの2つ目の○の「計画・相談支援」の部分です。利用計画を策定する場合に、どうしても、本人の意向と言いながら実績に即した内容に閉じ込められるというか、言わば押し込められる傾向が強いと思っています。そういうことが決してないように、本人のニーズがどれだけ十分に反映しているかということは、その都度検証される仕組みが必要かと思っています。取りわけ、移動支援事業、私たちで言うと同行援護事業になるわけですが、移動支援事業というのは実績で図ることは絶対に不合理なわけです。先月20時間外出した人間が、今月も同じ20時間に閉じ込められることはあり得ないはずです。したがって、こうした利用計画の策定に当たっては、本人の、正に地域性、それから利用の実情、本人の必要性をその都度的確に反映されたものにする、そういう仕組み作りをお願いしたいと思っています。

 それから、2点目の○の3番目、第一次判定、第二次判定の適正化を図ることはいいのですが、ここで繰り返し述べているのでその分は繰り返しませんが、問題は、相談員の質問の仕方や、あるいは答えの引き出し方によって大きく変わってくる答えがいっぱいある。そういう意味では、調査項目の開発にまだ不十分性があるのかと私は感じています。もちろん、その後の4番目の、調査員の資質向上にも結び付く部分はあるのかと思いますが、根本的には、調査項目においてより適正に反映できるような項目が開発されるべきであると思っています。したがって、単にでこぼこがあることをもって、それを、言わば判定が緩くなっているという評価に結び付けるのではなくて、調査項目や質問の仕方によって差が出てきているところの主観性をも十分に念頭に置いて、この部分の調整をしていただきたいと思っています。以上です。

 

○駒村部会長

 佐藤委員、お願いします。

 

○佐藤委員

 佐藤です。支給決定プロセスについて、あるいは、それとの関連で、いわゆる相談支援専門員の課題等について発言をしたいと思います。法律とか、国の制度の中で、支給決定プロセスが公平性や透明性を確保しつつという建前は、これはそういう仕組みにはなっていますよという話で、実際の運用の場面は、それぞれのサービスの実施主体の質にかかっている問題ですので、私は、あれもこれも全部厚生労働省のせいだとすると、逆に依存的になってしまって余り良い仕事にならないだろうと思っています。

 それで、役所としてできるのは、何か問題があると研修制度を作りたいとか、あるいは資格をちょっと差別化してよりグレードの高いものを作りたいとかと言うけれど、それはそれでやっていただいて結構です。あるいは、別な言い方をすれば、役所はそれぐらいのことしか実際に現場をコントロールできないということでもあるわけで、やはり、優れて現場自身の問題だ。仮に、非常に不透明で不公正な支給決定が行われているとしたら、それは相談支援事業者、あるいは、それぞれの自治体の問題としてきちんと是正をされるべきだと思います。例えば、介護保険のケアマネジャーは、本来は中立的でなければならないはずだけれども、今、10万人ほどいるらしいですが、これらを全部中立的な立場に位置付けるには、到底、介護保険の予算では行き着かないし、あるいは、人材の供給も行き着かないということで、居宅あるいは施設など介護保険事業をやっている所が、右手で介護保険事業をやって、左手でケアマネの仕事をする。これは当然、そこで雇われている人は自分の属している法人の利益のために動きます。それはある意味では当然の結果だと思います。同じようなことが障害者支援の中でもあって、かつてもう10数年、あるいは20年以上前かもしれませんが、今ではなくなった地域療育等支援事業とか、それから、身体障害者のための地域生活支援事業、そういう幾つかの、今で言う相談支援の事業所ができたときに、絶対に施設に付随させたらよくないという意見があったのですが、結局、人材の供給の問題と財源の問題だと思いますが、施設が同じように、右手で事業をやりながら左手で相談も受けると。そうすると、危惧したとおりに、コーディネーターと呼ばれていた地域療育等支援事業の人たちは、まるで施設の御用聞きのように変わってしまうわけです。

 ですから、この公平正や透明性の問題というのは、厚労省が悪いとか、力がないとかというのは、ある意味当たり前だと思い定めて、やはり、我々が自浄能力を発揮することが重要な課題ではないかと思います。何か議論があると、すぐにいろいろな研修をやります、あるいは資格をこのようにしますというのは、決して現実に現場の実践を引き上げる手立てには余り役に立たないということを申し上げたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 こちらの委員でいかがですか。

 

○久保委員

 育成会の久保です。計画相談については方向性としては妥当だと思っています。相談支援専門員の資質の向上に向けた研修制度とか、その辺の見直しをして、指導的に役割を担う人材が必要だと思いますが、それを主任相談支援専門員に集約するということでは、ちょっとそれでよいのかなと思います。主任相談支援員に集約するというのであれば、それはどういうスキルが求められるのかとか、その辺のところを慎重に検討する必要があるかと思っています。

 先ほどから、計画相談の中で、親がいるからうまく本人の意思に沿った支給決定と言いますか、暮らしぶりが決定していけない、計画していけないという御意見もあったように思いますが、そのような親ばかりでもないということを御理解いただきたいと思っていますし、今、育成会としても、本人の意思決定にどう寄り添うかということを一生懸命各地で研修もしています。特に障害者というよりも障害児の場合、障害者もそうですが、自分のことを自分の言葉でうまく言えない人が知的障害のところにはたくさんいますので、その人たちの代弁者の1人になりたいと親も思っています。自分が一番よく知っているという親もたくさんいますが、そうではなくて、学校の先生だとか、支援をしていただいている方も、本人に寄り添った意思決定に代弁者としてなられると思いますが、親もその1人として代弁者でありたいという思いもありますので、そこの法律の所から、親がいるからというのは、そのような親ばかりでもないと御理解いただきたいと思っています。

 

○駒村部会長

 ほかは、いかがでしょうか。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。今回、示された検討の方向性の中の2つ目の○の所ですが、そこに、相談支援専門員の資質の向上に向けての研修制度の見直し、そして、主任相談支援専門員を育成することが書かれています。これは、この方向性でいいのかなと思ったりもしますが、是非、こういうことを検討する際に、現状でも相談支援専門員になるための、いわゆる初任者研修、あるいは、現任者研修等々がなかなかスムーズに受けられないという自治体がやはりあると聞きます。ですので、そういう研修そのものも、やはり受けやすいような、そういうような形を一緒に考えていただくことが必要ではないかと思いますので、それは是非、よろしくお願いしたいと思います。

 それともう1点は、小澤委員の御発言に関連するかもしれませんが、今回、障害支援区分について財政審からいろいろと意見が出ています。その中で、今回、障害支援区分になって重度のほうにシフトをしているのではないかということなのですが、多分これが軽度のほうに移行していれば何も言わないのでしょうね。ですので、今回の障害支援区分になって、そこのことがより障害者の方たちの支援の程度を反映したのだということを自信を持って主張したらいいのではないですか。その辺りのデータ等々は、今やっている研究事業の中で出てくればいいのでしょうが、財務省の言うことは非常に厚労省の皆さんにとったら天の声なのかもしれませんが、少しナーバスになりすぎているのではないかなと。私たちは、ちゃんとやるべきことをやってきてこの結果が出ているとこの部会で共有すればいいのではないかと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 今のお話は、38ページの調査研究になってくるのだろうと思いますが、大事な調査研究になると思います。きちんとした根拠に基づいて議論をしなければいけないわけですので、「100自治体を選んで20ケースを選ぶ」と書いてありますが、バイアスがあるようなことにならないように、また、委員の皆様からコメントがあった点を十分踏まえていただいて、これはいつ頃出るのですか、この調査結果は。 

 

○田原精神・障害保健課長

 精神・障害保健課長です。この調査は、大体今年度中を目途に結果をまとめようと思っています。ここの議論がしっかりできますように、なるべく整理をしてお出ししたいと思っていますが、一応、平成27年度の調査研究事業ということですので、今年度中を目途に考えていますが、この場の議論に応じて整理できるものは整理してお示しをしたいと思います。

 

○駒村部会長

 取りまとめの時期と報告の時期が合っているのですか。これは、もし報告書がきちんと出なければ、検討の方向性からこの記述は落ちるという理解なのですか。ちょっとその辺はっきり教えてもらえますか。

 

○田原精神・障害保健課長

 その点も含めて、しっかりと議論ができるような形で資料をお示ししたいと思います。

 

○駒村部会長

 委員の皆様に十分な資料を、もちろん研究事業ですので年度まとめだと思いますが、議論に耐え得る十分な資料を出していただかないと、今の河崎委員の疑問にも答えられないと思いますし、財務省の指摘はそのままというわけでもないと思いますので、委員部会としてはきちんと意見を出さなければいけないと思いますので、この辺よろしくお願いします。時間があと10分弱しかないですが、ほかにいいでしょうか。2人挙がっています。広田さんは使い切ってしまう危険があるのでちょっと待ってください。その前に、伊豫委員と藤堂委員と大濱委員にお話いただいて、最後に当てますので。残った分が広田さんになります。では簡潔にお願いして。伊豫委員は今日初めてだと思います。

 

○伊豫委員
 (1)をお願いします。よろしいでしょうか。8ページの一番下の「親亡き後」に関してです。先ほどからいろいろ御意見が出ていますが、最近、私の患者さんにあったことに関係してお話をさせていただきます。統合失調症の患者さんで、御本人の意向でアパートで単身生活をしていたのですが、つい最近、お薬を飲まなくなってしまって再発してしまい、御高齢の御両親がすぐそのアパートに行って外来にお連れになるということがありました。その場合、福祉的な形でいくと、この御両親の代わりに受診に同行してくれる方とか、再発を見つけてくれる方がいらっしゃることがすごく大事だと思うのです。一方で、私は今度その患者さんに言おうと思っているのは、持効性注射薬です。4週間に1回注射をすればいいというお薬がありますので、そちらを利用することによって、相当程度、御両親又は福祉の負担は減ると考えています。したがいまして、今後、親亡き後に向けての準備に関しては、最新の医療情報との共有を図っていただき、いかに精神症状を安定化させてあげられるかということを、是非入れていただきたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 大濱さん、すみません、簡潔にお願いできますか。

 

○大濱委員

 先ほどの調査の話ですが、そうすると、3巡目の議論までにその調査結果が出るということで考えてよろしいのですか。

 

○田原精神・障害保健課長

 精神・障害保健課長です。最終的な取りまとめは今年度を目途にと申し上げましたが、現段階の調査の進捗状況についてはこの場で議論ができるようにお示ししたいと思います。次回というのはちょっと難しいかと思いますが、御議論できるように準備したいと思います。

 

○大濱委員
 4巡目の前に議論できるデータとして出していただけるということでよろしいですか。

 

○田原精神・障害保健課長

 はい。

 

○駒村部会長

 藤堂委員、どうぞ。時間がないので簡潔にお願いできればと思います。

 

○藤堂委員

 大丈夫です。広田さんに時間はちゃんと出します。先ほどの私の発言が少し誤解されているかなと思ったので、補足と説明をいたします。保護者を抜かせとは一言も言っていなくて、障害児自身の意向をきちんと聞いてくださいということなのです。というのは、例えば、放課後等デイサービスに関して言えば、保護者は、5日間受けられるのでしたら5日間全部受けられるようにしてほしいと。ショッピングするわけです、あれだけいっぱいできているので。そうすると、すごく財政にも負担を与えるし、何よりも本人にものすごい負担を与えているのです。本人はとても疲れ果てて学校に行けなくなってしまったりとか、悪い行動が起きてしまったり、心身の不調を訴えたりということが起きているのが現実なのです。ですから、保護者にだけ聞いたのではいけないですよということを申し上げているだけであって、保護者を抜けとは一言も言っていません。私も保護者ですので。あと、高齢者に関しては、発達障害の人が高齢になって、90幾つの、もっと高齢な発達障害の親を面倒見ている方も随分いるのです。そういうところもちょっと目を当てていただければ非常に有り難いかなと思います。以上です。

 

○広田委員

 久保さん、私が言っているのは。

 

○駒村部会長

 ちょっと待って、北岡さん、どうそ。

 

○北岡委員

2つだけです。現行の支給決定のプロセスの中で、障害支援区分の認定があって、その後、サービス等利用計画案の作成があって支給決定となり、サービス担当者会議が開かれるわけですが、この支給決定の前の段階でサービス担当者会議を位置付けたほうが、より御本人の必要なサービスなどについての検討がしやすいのではないかと思います。それが1つ。

 それからもう1つは、市町村に作成の義務がある支給決定の基準ですね、これを積極的に市や町から公開してほしいと考えます。なぜそれが必要かというと、もちろん言えば出てくるのでしょうが、もっと積極的にこのことを示すことで、国庫負担基準等よりそれが下であったりする場合の問題などについて議論がしやすいのではないかと思いました。以上です。

 

○広田委員

 よろしいですか。

 

○駒村部会長
 230秒ぐらいでお願いします。

 

○広田委員

 前回の終わりに言いましたが、日本は集団主義の依存体質から自立型、I independentに変わるのか、社会が変わらないで障害者だけ変わるのという話をしました。それと、久保さん、私は精神のことだけ言っています。他障害のことは言っていません。たくさん知的等の親しい人もいますが。それと、私は年金と生活保護で暮らしていますが、毎月ユニセフと国境なき医師団に引き落としで500円ずつ寄附しています。そういうポリシーです、子供の頃から社会貢献する。母はやたらお金を借りまくり、子供時代から私が返していた、借金して、おせんべい、のりをつけ届けしていた。私はためてからタンス等も買っていた。そのぐらい親子でも価値観が違っている。70回で話したアイザワスミエさんから「着物もってない」私に美しい着物プレゼントされタンスに入れて毎晩ながめていたら、それも質屋に入れてしまうような人で、母親と思えず「おユキちゃん!」と呼んでいました。アダルトチルドレンで「愚痴と悪口の人」終生「私は世界一の苦労をして」から抜け出せなかった母を哀れに思うときもありました。ところが女性の身内は「親を名前で呼ぶのはおかしい」と非難していた。これは、私だけの体験ではなくて、日本中の光景です。「精神障害者の子供としか暮らせない高齢の親をどうしたらいいの」という時代です。横浜市の人権課が所管の人権懇話会で私は、「お金がなくてもやる気があるならここへ集まったら」と発言した、ほとんどの出席者が「支援者」でしたから。患者会名前だけの委員も今年度で引くので、“新しい人がでられるか”とういうこともあって出席していましたが、自由に発言しようとしたり、資料を出そうとしたら、劇場型近隣大騒動中心人物で、何かしかけては、気にして、関係者にだたこねる性格らしい「商店の人」あたりのルートから“事務局も大変そう”と感じて、1016日に、私がひくことを伝えるため、懇話会に出席しました。

 そこで、日本の人権は、アメリカの公民権と異なり、思想的背景があったりして“狭義な捉え方”の支援者が多い、と私は改めて感じました。また、櫻井よし子さんの“慰安婦と南京大虐殺”等に関する言論について激しく発言する姿にも接しました。患者会仲間も会に関心がないので「…今年度限りにします」と私は発言してきました。

 先ほど私が発言した、入金の件、将来彼と一緒に暮らしたら、生活費はおまかせして、私は年金が2ヶ月で約85,000円(当時の福祉事務所の考えで60才から取得)ありますので、やりくりして交通費のみで、謝礼を辞退したいと思います。この場で、いろいろな委員やっていたり生活が成り立っているので、謝礼は辞退するという人がいたら…、そのぐらいお金はない。私が財務省だったらこんな支援区分切る。お金がないということを念頭に置いて、まずは支援区分、切れるとこ切って社会的入院を解放したい、国家プロジェクトで。以上です。

 

○駒村部会長

 どうもありがとうございます。一応、今日の議論はこれで出尽くしたと思いますので、本日はこれまでにしたいと思います。最後に事務局からお願いします。

 

○川又企画課長

 事務局です。次回の部会ですが、119日月曜日、15時から、厚生労働省21階専用第1516会議室で開催をいたします。次回は2巡目の議論の最後になりますが、「障害児支援」、それから「その他の障害福祉サービスの在り方」の2点について御議論を頂く予定ですので、よろしくお願いします。

 

○駒村部会長

 本日は皆さんの御協力がありまして時間どおりに終わりました。ありがとうございます。急に寒くなってきましたので、委員の皆様や傍聴の皆様もお体に気を付けてください。本日はこれで閉会したいと思います。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

【社会保障審議会障害者部会事務局】
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係
TEL: 03-5253-1111(内線3022)

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