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2015年10月22日 第93回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成27年10月22日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○議題

(1)求職者支援制度の今後のあり方について
(2)第10次職業能力開発基本計画について
(3)その他

○議事

○小杉分科会長 皆様おそろいですので、ただいまから第93回「労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。議事に先立ちまして、当分科会に所属されます委員の交代がございましたので御報告いたします。労働者側委員の新谷委員に代わりまして、日本労働組合総連合会総合労働局長の村上委員です。

○村上委員 よろしくお願いいたします。

○小杉分科会長 最新の委員名簿は参考資料5として配布しています。次に、本日の出欠状況です。原委員、豊島委員、諏訪委員、中村委員が御欠席です。また、労働者側の高倉委員におかれましては、所用により途中退席されるという御予定です。

 また、事務局に人事異動がありましたので紹介いたします。木塚総務課長、尾田基盤整備室長、西田海外協力室長です。

 それでは議事に移ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は、「求職者支援制度の今後のあり方について」「第10次職業能力開発基本計画について」「その他」の3件です。ではまず、「求職者支援制度の今後のあり方について」です。内容について事務局から説明をお願いします。

○松瀬就労支援企画官 それでは、資料1を御覧ください。1枚めくり2ページです。一番上に1「訓練カリキュラムのあり方について」と書いてあります。これは、第91回分科会でお示しした4つの論点の一番最初ということを示しています。これは第91回資料に付けていた現行制度のカリキュラムの体系です。ここは説明を割愛いたします。

3ページ、「現状と課題」です。これは、第91回の分科会の資料で、こちらからいろいろ御説明したことのダイジェスト版という位置付けです。1つ目の○です。現在、受講者数が非常に減少している中で、求職者ニーズを今一度しっかり捉え直そうという問題点を最初に書いています。2つ目、求職者は早期就職を求めるニーズを持っているということです。3つ目、受講をためらう者の中には訓練期間が長いことを理由に挙げる者が多く見られます。4つ目と5つ目については、社会人スキルについて不要とする意見がある一方、充実を求める意見もあるということです。

4ページ、前々回の分科会でお出しいただいた委員の皆様からの御意見です。1の論点に係るものをダイジェストしています。

 最初の○は求職者の属性、例えば一定の就業経験有り・無し等ですが、こういうものに応じた訓練の設定を可能とできないかというもの。2つ目、社会人スキルについて、専門機関に委託する、あるいは履修を選択制にする等々はどうかというものです。3つ目、キャリア・コンサルティングをより積極的に活用していただきたいという御意見等がありました。

5ページからが「検討の方向性」となります。黒字で書かれた部分は前々回の資料の論点の小項目でして、再掲になります。赤字の部分が「検討の方向性」、今回初めてお出しする部分です。

 最初の赤字の部分。一定の就業経験を持つ者、既に社会人スキル等を身につけている者については、早期再就職に向けて訓練期間の短縮ができるような仕組みが講じられないか。また、早期再就職に向けて、短期間で職業スキルを修得できる訓練コースの設定を可能としてはどうかというものです。2つ目の赤字の部分、社会人スキル科目については、その充実を検討してはどうかという内容です。3つ目については、基礎コースを修了した者について、キャリア・コンサルティングの実施を大前提としますが、より実践的な訓練へのステップアップの仕組みが検討できないかというものです。

6ページがその内容を図で表現したものです。図の上のほうが基礎コースです。まずは社会人スキルの部分、ピンクの四角の部分です。充実化を図りたいと思います。また、非常に専門性のある機関については、そこへの再委託を可能としてはどうかということです。

 右側に行き、黄色の部分が職業スキル科目の部分です。現在、パソコンスキルがほとんどという実態ですが、早期就職を求める方のニーズに合わせて、介護や事務、建設機械運転等の訓練も受講可能とできるような仕組みにできないかと。基礎コース全体としては24か月程度を考えているということです。

 また、社会人スキルの点線囲みの所です。キャリア・コンサルティングをしっかり置いた上で、社会人スキルが十分と判断された場合には、この社会人スキルを不要とすることが考えられないかということです。

 一番左の赤字の所ですが、基礎コースから実践コースへ「連続受講」と線を付けています。今般、実践コースから最初の社会人スキルを外していますので、基礎から実践コースにかけて重複なく体系的に内容が積み上がっていく構成になりました。したがいまして、これに伴って基礎から実践への連続受講を認めてはどうかという内容です。

78ページは、それぞれの属性を持つ求職者に応じてこういうコースが考えられるというモデルです。7ページの上の例マル1です。ニート、フリーター等の非正規労働を中心にやってこられた方で早期就職を目指す方については、社会人スキルをしっかり身につけた上で、短期間で実践的な職業スキルを身につけていただくというものです。

 下のほうですが、既に一定の社会人スキルを有している方々については、早期就職のために社会人スキルを省略し、職業スキルを短期で身につけていただくという流れです。この際、吹き出しを付けていますが、社会人スキルの必要性の可否判断、是非判断については、キャリア・コンサルティングをしっかりとやった上で判断していきたいと考えています。

8ページ、例マル3。これは一定の社会人スキルを有し、初歩的な職業スキルも有している方が、キャリアの充実を目指したいというコースです。

 下の例マル4です。非正規労働者等で、基礎力の養成をしっかりやった上で、更に就職の確度を高めるために職業スキルも充実させるという流れです。真ん中の吹き出しです。基礎コースから実践コースへの連続受講を判断するに際しては、キャリア・コンサルティングをしっかりと行った上で、真に必要と判定された者を送り込むと考えています。

9ページからが2つ目の論点、「女性の活躍促進等について」です。「現行制度の概要」の2つ目の○です。前々回でも御説明しましたとおり、公共訓練においては、既に託児サービス支援付きの訓練コース、短時間訓練コースの設定を可能としています。

 「現状と課題」の1つ目の○です。求職者支援訓練では、受講者の大部分が女性ということが大きな特徴の1つで、かつ、30代以降に限っては2割が配偶者無し子供有り、いわゆるシングルマザーという属性に属する方が占めているというのも大きな特徴です。

10ページ「検討の方向性」です。赤字を御覧ください。したがいまして、公共訓練と同様に、特に女性が多い求職者支援訓練については、育児中の女性等が受講しやすいような託児サービス付き訓練、短時間訓練の設定を推進してはどうかというものです。また、e-ラーニングの取扱いについても、今後検討をしていきたいと考えています。

11ページからが3つ目の論点、建設分野の訓練コースについてです。「現行制度の概要」の2つ目の○です。現在、公共訓練の委託訓練では、今年度から委託費単価を10万円に設定して事業者を募集しています。こうしたところ、事業者から非常に手が挙がってきていますので、訓練設定にコストの掛かる建設関連の訓練であっても、10万円であれば業者に手を挙げていただけると我々は判断しました。

 したがいまして、12ページ、「検討の方向性」の赤字の部分です。全国的にいまだ人手不足感の強い建設分野については、奨励金額の単価を引き上げて実施してはどうかというものです。なお、2020年度までの当面の暫定措置と考えています。

13ページからが4つ目の論点「訓練実施機関の確保について」です。ここで、「現行制度の概要」の枠の3つ目の○を御覧ください。そこには「また、65歳以上の者など、就職しても雇用保険の適用とならない者については、雇用保険適用就職率の実績としてカウントされていない」という問題を掲げています。これは前々回の分科会ではお示ししていない論点でしたが、当方で検討している中で、これも現行制度として課題であると考えたのでここに入れています。

14ページの「検討の方向性」です。ここのポイントは、中ほど、なお書きの所から始まります。雇用保険適用就職率は平成26年度、この審議会の御議論を経て導入したばかりです。また、システムにより把握するというのは、非常に透明性の高い仕組みであることには間違いありません。したがいまして、この仕組みは引き続き維持していきたいと考えています。

 これを前提として、15ページに当方からお示しする「見直し案」を掲げています。上の「永年欠格について」です。1つ目の○の雇用保険適用就職率。現在は、連続する3年間で2回下回った場合は永年欠格となるわけですが、これを1年間の欠格にしてはどうかと考えています。それはその下のマル2です。多くの訓練実施機関は、大体会計年度単位で、土地借りや職員の手当などをしていまして、2年、3年となると、もうその契約がほぼ切れてしまって、もういいやということで撤退したままということになりかねないと考えています。もちろん、我々がそう考えているだけですが。1年ぐらいであればその地に踏みとどまっていただけるのではないかと考えてのものです。

 ただ、これでは見直しといっても余りにも緩和のほうに偏りすぎですので、2つ目の○があります。一旦、1年間の欠格で様子を見た後、再び連続する3年間で2回下回った場合には永年欠格とするとしています。この時点であれば、雇用保険適用就職率が導入されて一定期間たっているわけですから、その間には、訓練施設側におかれてもやはり就職支援のスキルを上げていただきたい。さすがにこの時点では欠格でもよかろうと当方は考えています。

 下のほうに「就職率の算定対象について」と書いてあります。雇用保険適用就職率の算定対象から65歳以上の者を除外すると書いています。特定求職者という定義の中には65歳以上の者が今、含まれていますが、これは訓練施設が就職させても雇用保険の被保険者に今現在はなりません。このために、現時点の判断としてこれらの者を除外する、分母、分子から外したいと考えています。

16ページからは、前々回の審議会において委員の皆様から出された質問、意見に関する資料を付けています。

23ページからは、同じく委員から御要望のありましたJILPTの調査報告書の概要を付けています。本日時点で、まだ刊行物、冊子となって出ていませんので、取り急ぎJILPTに御協力をお願いしまして、こういう形で御提供するものです。資料1については以上です。

○小杉分科会長 ただいまの説明について、皆様から御質問、御意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。

○田口委員 今、御説明いただいた資料の17ページの「地域訓練協議会について」ですが、現場の意見を反映させるということで、民間の訓練機関も含まれております。特に建設業である人手不足分野からの団体が参画していないと聞いております。

 各都道府県の訓練協議会の議論の場でも、建設関係に関する意見、希望が出されているようですので、今後、建設関係の認定職業訓練校や建設労働組合なども協議会に参画できるようにすることが、地域の職業訓練の活性化に大きく貢献するのではないかと考えておりますので、その点はいかがですか。

○小杉分科会長 事務局、どうぞ。

○松瀬就労支援企画官 地域訓練協議会ですが、参加者については、設定する職業訓練の規模が多い等とか、影響力のある業界については、積極的に御参画いただきたいと都道府県労働局に指示しているところです。したがって、御指摘の建設関係の認定職業訓練校、建設労働組合、これは地域の判断は当然必要ですが、協議会に参加していただくことは可能であると考えております。

 また、地域訓練協議会は活用してこその制度ですので、建設関係が非常に重要だと、重点と考える地域については、積極的にそういった参画を検討していただきたいと考えております。

○三村委員 資料の最初のほうに「社会人スキル」という言葉が出てきます。この言葉の定義と、キャリア・コンサルティングにおいて社会人スキルがどういう指標でついたと判断するのか、その基準をまず示していただきたいと思います。これが1点目です。

2点目は、求職者支援制度についてのJILPTの調査もありますが、聞くところによると、大分、公共訓練のほうに流れているという話を聞いております。その辺のデータ等を把握なさっているかどうか。2点についてお伺いします。

○松瀬就労支援企画官 1点目については、社会人スキルを充実させるということで、詳細はこれから我々とJILPT本部でプロジェクトチームを作って、詳細を固めていきたいと考えております。単に座学で済むようなビジネスマナーやコミュニケーションではなく、例えばグループワーク、ソーシャルスキルトレーニングのようなもの。正に能動的な活動によって身につけるようなものまで含む概念です。なお、これがこの資料の限りにおいて「社会人スキル」という名前を使っておりますが、これは検討していく中でよりふさわしい名称があれば、それは当然考えていきたいと思っております。

 キャリア・コンサルタントがどう判断するかについては、社会人スキル科目全体が出ますと、その科目に従ってチェックリストが出てきます。そのチェックリストを元にハローワークのキャリア・コンサルタントに判断させようと考えております。

2点目は、公共訓練が非常に流れていて、求職者支援訓練には人が少ないということです。まず、雇用保険受給者であれば、公共訓練を選考するということです。それ以外に特定求職者に限られるということです。特定求職者は生活を支える給付金があればいいのですが、ない方については早期就職を選択せざるを得ないということで、ここで多分、公共訓練と求職者支援訓練の差が出ているのではないかと考えております。

○三村委員 前者ですが「社会人スキル」というのは、基本的な仕事をするための態勢だと思います。ボケーショナルフィットネス(職業適合性)という基本的な考えですが、職業適合性には、能力・技術と態度・職業倫理の二つがあるのです。スキルとすると能力・技術に近くなりスキル自体が言葉として適切かどうかには疑問が残ります。ただ、そちらも御検討なさっているようなので了解しました。

 後半のほうですが、私もハローワークに聞き取りをやっております。いわゆる求職者支援の対象者が公共訓練に流れているために、求職者支援の方の数が減じているという実態もあるようで、その辺は調査なさっているかとお伺いした次第です。

○松瀬就労支援企画官 1点目については、御指摘のとおり、態度や倫理性までも含むものと私は考えております。本来、求職者支援訓練にあっせんすべき特定求職者の方々が、公共委託訓練に流れているとすれば、恐らくそれは地域によりますが、委託訓練のほうが、県が年度を通してまとめて委託するというか、先々まで計画が立っているので、安心して応募できる等々の事情はあるかと思います。

○小杉分科会長 これに対してお答えがあるのですか。

○松原訓練受講者支援室長 安定局の公共職業訓練受講支援室の松原と申します。御質問ありがとうございます。公共訓練に特定求職者が行かれる件について、補足させていただきます。求職者支援制度上は、特定求職者の方の属性も非常に多様ですので、法律上も公共訓練のほうに行かれる方を排除はしておりません。その属性に応じて、特定求職者のコースではない公共のほうが馴染む方を、一部確かに公共訓練のほうに行っていただいていることはあります。ただ、割合的には、今、手元に正確な数字はありませんが、大体1割程度ぐらいではないかと思われます。正確な数字は確認しないと、今、手元では分かりません。

○小杉分科会長 その辺の事情も把握されているということですね。

○松原訓練受講者支援室長 そうです。その公共訓練のほうにも、属性によっては行っていただくというルートはありますので。

○小杉分科会長 よろしいですか。

○河本委員 私は今出ましたキャリア・コンサルティングについて、意見と思ったことを述べたいと思います。18ページにもありますが、今回、求職者支援制度の中で、結構キャリア・コンサルティングを実施する頻度や、タイミングというのが出てくると思います。やはり、ここのキャリア・コンサルティングの質を上げていくことや、あるいはハローワークでのキャリア・コンサルティングの配置数の充実を図っていく必要があると思います。やはり、それがもともとハローワークの機能だと思っておりますので、今の現状がどうなのかということと、こういうポイントポイントで、それをキャリア・コンサルティングで実施していくことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○松瀬就労支援企画官 議題2になってしまうのですが、お手元の資料の2-3です。横置きで、タイトルは「前回の御意見等に関する資料」です。5ページの中ほどの横長の表です。これは平成26年度調査です。「ハローワークにおけるキャリア・コンサルタント資格取得状況」です。ハローワークの職業相談部門に限ってですが、現在、キャリア・コンサルタントの有資格者の割合は、平成26年度時点で約24%となっております。職業安定局としては、この比率を今後高めていきたいということで積極的な働きかけなどを行っているところです。

○河本委員 今のは23.9%ですか、数ありきではないとは思うものの、目標値などを持ちながら、本来であれば100%であってもいいぐらい、やはりそれはハローワークの機能として十分発揮していくことは必要だと考えますので、是非そこは具体的な目標や、そういう育成を支援していく策を取りながら、向上に努めていただきたいと思います。

 社会人スキルの所も、先ほどチェックリストというのもありましたが、やはりアティテュードというか、そこの面談の中で分かるものも出てくると思いますので、そういった意味においても、アドバイス機能としての充実は必要ではないかと考えます。以上です。

○大隈委員 6ページですが2つあります。1点目は、見直しの方向としては非常に理解できます。今回、連続受講という概念が出ていまして、基本的にはこういう方々に対して連続受講というのは大事だと思いますが、まず何よりも早期に就職してもらうのが第一の目的だと思います。長期間こういう期間を持つよりも、まずは就職をするところに力点を置くべきではないかと思います。そういうことで、連続受講については例外的に取り扱うという意味では回ったほうがいいのではないか。そういうところでは、キャリア・コンサルティングがしっかりと、必要な人だけに限定することを是非徹底をしてもらいたいと思います。それが1点目です。

2点目は、こういう制度を見直すと、当然、周知をしていただくことになります。やはりこれはしっかりと伝えていくことが大事だと思います。ハローワークだけでの周知ではなく、必要とする対象者に個別にしっかりと伝えていく。情報が伝わるようにそういう仕組みを工夫していただければと思います。以上、2点です。

○松瀬就労支援企画官 1点目です。オレンジの四角囲みの「実践コース」の所に下線を付しております。「社会人スキル科目を廃止し、キャリア・コンサルティングにより真に必要と判定された者に限り基礎コースからの連続受講を可とする」と書いております。下線を付して強調させていただいております。おっしゃるとおり、現下の局面においては、もちろん求職者の方も早期就職を求めておりますので、我々はそのほうにしっかりと取り組んでいくべきだと思います。御指摘のように、漫然と連続受講をすることは現に慎みたいと思います。

2点目は、JILPTの調査の中で、32ページの「訓練後調査マル1」です。求職者支援制度を知った媒体についてということです。網掛けの部分は、統計的に有意に高い部分です。男性は大体ハローワークを介して、この制度を知ったという方が多いのですが、女性であれば、家族・友人・知人ということになり、男女によっても違いがあります。例えば、若い人であればもっと違ってくるかもしれません。ハローワークで知り得ないような、そういった属性の方々については、より周知の仕方を工夫することも考えていかなければいけないと考えております。

○小杉分科会長 その下の33ページのほうに、年齢別のが付いていますね。これですね。確かに若い人と全く違いますね。この辺をよく考えていただきたいと思います。

○村上委員 今の御議論にあった社会人スキルの関係についてです。私どもも一定の社会人経験を有しているからといって、キャリアの中断が長い方とか、失業期間が長い方に関しては、やはり社会人スキルが必要だと思っておりますので、チェックリストに基づいて判断していく方向は賛成しております。

1点教えていただきたいのですが、これまで御議論があったかもしれませんが、社会人スキルの充実化というときに、「充実」の具体的なイメージがもしあれば教えていただきたいと思います。

○松瀬就労支援企画官 申し訳ありません。今、私が口頭で話せる具体的なイメージはお伝えできないかもしれませんが、先ほど三村委員からの御指摘と若干重複しますが、通常、社会人スキルといいますと、職場のコミュニケーション能力とか、挨拶の仕方等々が来るのです。我々としては、例えばグループカウンセリング、グループワークの手法を使ったものも取り入れる。ソーシャルスキルトレーニングも取り入れるという、能動的な活動によって身につけるような仕組みを考えております。また、態度・倫理についても考えております。

 それと単に態度のようなものだけではなく、初歩的な職業スキルの入口になるようなものまで含めて考えていきたいと思っております。

○大久保委員 何度か話題になっている、早期就職ということですが、現状、就職しやすい市場環境だと思います。そういう中なので、より早期就職を本格的に考えなければいけないだろうと思います。どうしたら早期就職できるのかというノウハウは蓄積されているのだろうかということを心配しております。

 例えば、社会人スキルというものの中にも、就職に効果を上げる要素と、それほどでもない要素があると私は思っております。私の回りで試してみた中では、実はコミュニケーションスキルというよりは、一応面接でもそうですが、相手とコミュニケーションしようとするスタンスみたいなものを少し教えるだけで、かなり劇的に就職できる可能性が上がったりとか、あるいは実際に応募させるときも、ちゃんと働くという覚悟を求めることで、離職予防につながることが分かっています。社会人スキルだけではないのですが、全体で早期就職ということを促すための訓練カリキュラムの改定であってほしいと思います。

 先ほど連続受講の話があってキャリア・コンサルタントが判断するということですが、基礎コースを受けたら取りあえず1回就職活動をしてみて、それでできなかったときに初めて連続受講を認めるべきだと思います。キャリア・コンサルタントが判断すればいいという話ではないと思います

 もう一つ、論点の最後に出てくる「訓練実施機関の確保について」ということです。ここでは、欠格事項についての改定案の話がされております。就職者支援訓練の事業を運営していくに当たり、いわゆる訓練機関と良好な関係が築けているのかどうかというところが若干気になっています。より就職率の高い状況を作っていくこと自体は大変重要なことですが、例えば、就職率の高い実績を上げている、成果を上げている訓練機関が、この事業に魅力がないがために撤退していたりはしないのだろうか。そのところが気になっています。そこのところの事情について、お聞きしたいと思います。

 最後にもう1個は、今話題に出た32ページのJILPTの調査における認知経由の話です。これは男女差云々の問題よりも、根本的に78割の人がハローワーク経由で認知されているということです。就職者支援訓練の対象者を考えると、基本的にはハローワークにあまり行かない人たちということを考えると、7割以上の認知経由がハローワークということは、やはりアウトリーチが効いていないということではないかと思います。先ほどの御意見と重なりますが、そこはこの事業の性格を考えると、相当に工夫が必要ではないかと思います。これは意見です。

○小杉分科会長 事務局からお願いします。

○松瀬就労支援企画官 3点の御質問、御意見を頂きました。最初は、早期就職をより進めるものということです。これは単に、今、制度を見直した範囲だけのことではないと思います。これをどう運用するか。ハローワークの職員、キャリア・コンサルタントたちにいかにこれを活用してもらうかというのが肝になってくると思います。御指摘の点も踏まえて、例を挙げていただきましたが、早期就職、就職に向けての覚悟を付けるといったことも含めて、しっかりと指導していきたいと思っております。

 また、基礎コースから一旦就職活動を挟むということですが、これも参考にさせていただきたいと思います。現時点では、基礎コースを終えた段階で、どういうデータがあるかと言いますと、基礎コースにおける出欠記録、遅刻も含めて記録もあります。到達度のテストも訓練機関に課しておりますので、そういったデータもあります。さらには訓練機関とハローワークが個々人のジョブ・カードのデータも共有できることになっておりますので、そういったことを総合的に判断できるようなものを考えておりましたが、御指摘の点も考えていきたいと思います。

2つ目については、非常に成果を上げている訓練機関が、それでも求職者支援訓練に魅力を感じずに撤退していく。委員はいろいろ御存じですので、恐らくそういった実態を把握されてのお話だと思います。我々としても、この制度を活用していく上では望ましいことではありませんので、さらに訓練機関のヒアリングなどを重ねて、より参入していただけるようなものを考えていきたいと思います。今回の制度の見直しにかかわらず、さらに検討を重ねていきたいと思います。

3点目については、資料の21ページ、アウトリーチとはっきり言えるものかどうか分かりませんが、例えばいろいろな媒体を使って、いろいろな機関に置いてということで、広報は展開しております。現時点では、この取組がそれぞれの労働局の発意によるものにとどまっておりますので、良いものはこれを全国展開していく。また、引き続き効果のあるものというのは、我々はしっかりと精査していって、それを中心に広めていくという戦略的な取組も、今後考えていきたいと思っております。

○大久保委員 ありがとうございます。今の回答を受けて2点あります。1点目ですが、これは審議会の中でも繰り返し申し上げてきたのですが、キャリア・コンサルタントをうまく生かしていくことは大変重要なことです。一方では、キャリア・コンサルタントが何でも万能であるかのようなイメージを持つのは、明らかに間違いだと思います。それはキャリア・コンサルタントを使うというだけで終わりでは、やはり対策としては不十分だと思いますので、その辺は検討をいただきたいと思います。

 最後のアウトリーチの話ですが、若年の支援をする団体は本当にたくさんできています。NPO的なものを含めてです。やはりそういう所とネットワークを通じて、この事業を認知して、受けてみようかという人の数がもっと多くてしかるべきだと思います。その辺りのアウトリーチについて、御検討をいただけるといいかと思います。以上です。

○松瀬就労支援企画官 御指摘の2点はしっかりと承りました。検討させていただきます。

○板垣委員 資料19ページにある「女性の活躍促進等について」、御質問させていただきます。託児サービス付き訓練、短時間訓練コースの設定については、公共職業訓練において既に導入がされているものであり、ある意味、課題が非常にはっきりした施策だと認識しております。それぞれの施策自体は推進すべきものと考えておりますが、訓練実施機関にとっては、託児サービス実施に伴う保育士の人件費や託児施設設置に伴う賃料など、負担増となることが想定されます。厚生労働省として、そのような負担増に対して、どういった手立て、手当て、仕組みを考えておられるのかをお聞きしたいと思います。

○松瀬就労支援企画官 これは審議会での御議論を経て、本来固まるものですが、費用負担が発生するものですので、予算の枠取りが必要です。概算ベースですが、財務省との御相談を始めさせていただいております。

 現時点の考えは、公共職業委託訓練では、託児、児童1人当たり月66,000円の委託費をオンするとなっております。66,000円というのは、当然、算定根拠を明らかにした上で財務に一旦お認めいただいている額です。これと同額の66,000円を子供1人当たり、1か月ということで、奨励金にオンするということです。ですから、その奨励金はまず訓練施設に行きます。訓練施設はその中から託児サービスを探して提供するということになります。

○河本委員 今の女性の活躍推進のことが出たので加えてですが、e-ラーニングについて今後検討が必要ではないかという記載になっていますが、具体的にどういう検討をされて、どういう課題があって、今回少し検討というレベルにとどまったのかということについて御説明いただければと思います。

○松瀬就労支援企画官 これは本年828日に、「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」というものが取りまとまりました。この中で、ひとり親あるいは多子世帯等に対して、e-ラーニング講座の設定の検討をすることが掲げられております。これを受けて、現在検討しているところです。したがって、目下の検討の対象はひとり親家庭、特に小さなお子さんを抱えているひとり親の女性をターゲットの中心において、こういった方々が自立できるようなプログラムをe-ラーニングで提供できないかと考えております。

 なお、これについては、既存の公共訓練の枠ではなかなか収まりきれないものもあります。例えば、公共訓練であれば、人が特定の場所、研修場所に来て、出欠確認が目視できるのですが、e-ラーニングではそこまではなかなか技術が追い付いてこないという部分があります。その出欠確認等々、進捗管理等々をどうやって担保するかという技術面が主に課題となっております。

○河本委員 技術面の課題とかいろいろあるとは思いますが、是非、積極的に検討をしていただきたいと思っております。というのも、やはり、今は企業の中でも、仕事の中でもITスキルが必要になっている中で、やはりe-ラーニング等で学ぶ。そういったことに慣れていくことも、今後の職業に就いていく上でもプラスになると思います。ただ、おっしゃるようにe-ラーニングは万能ではありませんので、それとどう組み合わせるとか。実技や履修が実際に身についたか確認する部分等はもちろん必要だと思っておりますので、前向きな検討をお願いしたいと思います。以上です。

○小杉分科会長 高倉委員、どうぞ。

○高倉委員 資料112ページ、震災特例措置の短期間訓練を全国展開をするということについては、以前も要望を差し上げました。我々の所にも他の地方からそういった対応を望む声が上がってきておりましたので、是非、積極的に展開を図っていただきたいと思います。

 以前もお話したのですが、その際に多能工化を目指す人たちのニーズに応えるということについても検討を頂きたい。要するに多能工化ですから、1つの講習訓練だけではなく、多種多様な技能をカバーできるようなプラスの講習スケジュールみたいなものが組めるのかどうか。それとこの訓練は短期間ですから、次回の受講までの必要なインターバル期間を短縮することが可能なのかどうか。その辺も併せて検討を頂きたいと思います。

 資料112ページの下の所に、「建設機械運転等」と書いてあります。この「等」について、現段階で、建設機械運転以外の訓練で考えているものがあれば教えていただきたいと思います。

○松瀬就労支援企画官 これは当方で今考えている新基礎コースの職業スキルの部分は、12とありますが、併せて24か月全体としております。24ということであれば、規定上は職業スキルの部分で3か月可能になります。

 先に3についてお答えしたいと思います。我々が考えているのは、技能講習で取れるコースです。3か月あれば組み合わせますと、複数の講習を受けることができると考えております。したがって「等」は、建設機械運転だけではなく、玉かけとか技能講習に該当するものを念頭に置いております。

 インターバルの決めが、就業構造基本調査を元にしております。これをどうするかという議論はここでは難しいのですが、これは今回の見直しということではありませんが、求職者の方がお困りにならないようにするというのは、将来にわたって引き続き検討していきたいと思います。

○小杉分科会長 よろしいですか。ほかに皆様からありますか。

○村上委員 2点あります。先ほど大久保委員が指摘された訓練実施機関の確保の点ですが、訓練実施機関の確保のために、今回検討の方向性として欠格条項の扱い、永年欠格の基準を変えることと、就職率の算定について65歳以上の方については分母、分子から外してはどうかという御提案でした。後者のほうは、今回そのように扱うということは妥当ではないかと思います。

 永年欠格の基準については今回少し変えてみるということであれば、それも仕方がないかなと思うのですが、基本的には安易に基準は緩和すべきではないと私どもとしては考えております。

 訓練実施機関の就職実績が上がっていかない原因を、もう少しヒアリングなどを重ねて分析していただくことも必要ではないかと思います。また、優良な訓練実施機関を開拓していくとか、PRしていくことも引き続き行っていただきたいと思います。

 もう1点は、先ほどe-ラーニングの点がありました。企業内の訓練などでe-ラーニングは効果を発するものだとは考えております。しかし、求職者支援制度の中で考えると、果たしてどうなのかということについてはやや躊躇しておりますので、引き続きそういった観点からも慎重に検討いただきたいと思います。以上です。

○松瀬就労支援企画官 2点御指摘を頂きました。1点目の永年欠格基準です。我々は当初1年間の欠格ということでお示ししていましたが、委員の皆様と御相談する中で、総じてこれは緩いと言われまして、今般、○の2つ目を付けたところです。なお、これでも我々は十分ではないと思っております。これが完全な最終形ではもちろんないとは思っております。

 しかしながら、訓練施設をヒアリングする中で感じているのは、平成264月から始まって、就職支援のスキルが十分でない所が、まだ始まって結果が出たのが数か月分ですが、こういう早い時期に2回のアウトになっております。本来、我々が望むのは、これは撤退していただくことではなくて、就職支援スキルをしっかり身につけて、しっかり基準をクリアするような、雇用保険就職を実現するような機関に育ってほしいというのがねらいです。そういった意味で、もう一度再起を認めるという仕組みです。もちろんこれでもなお改善が見られないとか、状況が良くならないということであれば、委員が御指摘のように、更なる見直しは必要かと考えております。

2点目のe-ラーニングについては、我々も非常に難しい課題だと思っておりますので、慎重にしっかりと検討していきたいと思っております。以上です。

○高橋()委員 訓練実施機関の確保について申し上げたいと思います。見直し案の基本的な考え方は、私は大変妥当ではないかと思います。このとおりやってみて、進捗を見ながら、必要があれば、また見直しを行うという形でよろしいかと思います。

 ところで、ここから意見です。今回、社会人スキルの充実など、訓練のカリキュラムを拡充、充実するにもかかわらず、雇用保険適用就職率の目標値である基礎コースの30%、実践コースの35%は変えないことには、すっきりしない感じがあります。カリキュラムは充実しますが、目標値は変えないというのは、当面の対応としては仕方がないかもしれませんが、本来は基礎コースも充実していくのであるならば、基礎コースと実践コースの率を同じにするとか、あるいはそもそも雇用保険適用就職率が30%というのは低いのではないかという考え方もあり得るのではないかと思います。これは将来的な課題として、この数字自体についても進捗状況を見ながらまた見直しをしていく、できれば引き上げていく方向で検討ができるような形で、カリキュラムの充実を是非お願いしたいと思います。以上です。

○松瀬就労支援企画官 お受けしました。今後、検討していきたいと思います。

○小杉分科会長 ほかはありますか。

○大久保委員 今日提出されている論点ではないのですが、一番最後の、JILPTの集計について、どうしても気になることがあります。47ページを見ると、受講した訓練に関連する分野に就職した人のパーセンテージが載っています。医療や介護については7割から8割という数字が上がっていますが、それ以外の分野が全体的にすごく低いのです。残りは5割前後から、最低は理容・美容の22%になっています。これは別の理由で就職はできているのだろうが、就職支援訓練の成果は上がっていないということではないかと思います。つまり、それは一番最初にそのコースを受講するまでのプロセスに、やはり課題があるのではないかと思えてならないのです。これについて、何か分析、検討する予定はありますか。

○松瀬就労支援企画官 この求職者支援訓練の枠の設定については、別途御議論いただく場として中央訓練協議会があります。ここで分野ごとの枠、あるいはその分析について御議論いただいております。

 同様の御指摘は、やはり中央訓練協議会でもありまして、既に設定している訓練分野が、果たして枠が妥当なのかということは御意見を頂いております。そんなに長いことではなく、せいぜい1年とか2年ぐらいですが、その分野ごとの妥当性について検討するようにという宿題を頂いております。これは当方としても考えていきたいと思っております。もちろん、この訓練に限らず、前の問題がありますので、この見直しとは別に、ハローワークにおいて受講あっせんの在り方についても、更にレベルアップした取組をちゃんと指示するということはしっかりやっていきたいと思います。

○小杉分科会長 よろしいですか。それではこの議題はここまでとさせていただきます。議題2に移ります。次は「第10次職業能力開発基本計画について」です。内容について事務局から説明をお願いします。

○尾田基盤整備室長 私から、資料2について御説明させていただきます。この第10次計画については前回、第92回の分科会で皆様にフリートーキングを開始していただいています。今回も引き続きフリートーキングということで、自由な御意見を頂ければと思っております。

 まず資料2-1から資料2-4までを御用意しております。あと、お手元にドッチファイルがあります。こちらは前回御議論していただく際に御用意した9次計画のフォローアップと、能力開発行政に関するデータ等の資料、あるいは分科会の建議、研究会報告といった諸々の参考となる資料をお付けしております。今後この関連で提示する資料は、随時、このドッチファイルに追加していき、議論の際に御参照いただけるよう、次回以降もお手元に御用意したいと思っております。

 まず、資料2-2から御説明させていただければと思っております。資料2-2は、前回の御意見の中で、9次計画の5つの大きな方向性の評価についての総括資料がなければ、議論に入れないではないかという御意見を頂きました。細かいフォローアップについては、前回も御用意したのですけれども、今回は総括ということでそれを再整理し、資料2-2として御用意いたしました。5つの項目について2ページから、現状課題と政策の過去5年間の取組ということで、1枚ごとの資料にしております。

 まず「成長が見込まれる分野・ものづくり分野における人材育成の推進」です。現状のデータとしては、情報通信産業の就業者数が2年連続で増加し、新規求人数は30万人台で推移している。医療、福祉の就業者数は増加傾向で推移しており、新規求人数も毎年10万人以上増加。製造業についても、直近ですと新規求人が伸びております。

 取組としては、今後、成長が見込まれる分野を含めた人材育成ということで、公共職業訓練を実施しております。実績についてはそこに掲げられております。また、ものづくり分野を中心に離職者訓練のほかに、学卒者訓練や在職者訓練、都道府県では地域のニーズに応じた訓練等々の業務を実施しているという実績を載せております。

3ページが「非正規労働者に対する雇用のセーフティーネットとしての能力開発の強化」です。非正規労働者の比率は、御承知のとおり経年的に増加しており、3割を超える状況になっております。他方で計画的なOJTOFF-JTの取組状況は、正社員に比べますと企業の取組は約半分ということで、趨勢的にこのような状況になっています。

 行政的な取組としては中央訓練協議会、地域訓練協議会を活用して、訓練計画を毎年策定して実施しております。この5年の間に、新たに求職者支援制度が創設されて実施しております。また、ジョブ・カードの普及促進に努めており、現在のところ累計130万人、サポーター2万社となっております。

4ページが「教育訓練と連携した職業能力の評価システムの整備」です。職業能力評価基準は業界とタイアップして、その業界の能力評価の基準を順次策定しております。現時点で事務系9職種、業界別53業種で策定を済ませております。また、技能検定については平成26年度69万人の申請、28万人が合格ということで、そこにグラフを載せております。評価基準については、引き続き普及啓発にも努めております。技能検定については時代に合った見直し、あるいは今般の能開法の改正により、対人サービス分野でも更に活用していくということが記載されており、今後そういった取組を進めていきたいと思っております。

5ページが「職業生涯を通じたキャリア形成支援の一層の促進」です。自己啓発については、これも従来からの課題ですが、仕事が忙しくて余裕がないという方が多数いらっしゃいます。また、自分が目指すキャリアにどのようなコースが適切なのか分からないという御意見もあります。企業のデータとして、教育訓練費が労働費用に占める割合は、1990年代以降低下あるいは横ばいといった傾向になっております。

 施策としては、計画の中でキャリア・コンサルティングを受けられる環境の整備ということで、漸次キャリア・コンサルタントの養成に努めてまいりましたし、専門性の向上のための取組をやっております。自己啓発の支援ということでは教育訓練給付制度を改正し、専門実践教育訓練給付を創設いたしました。企業内の人材育成ではキャリア形成促進助成金、認定職業訓練、キャリアアップ助成金、在職者訓練、ものづくりマイスターによる実技指導といった取組を進めております。

5点目の「我が国全体の職業能力開発のプロデュース機能の強化」という項目については、中央訓練協議会・地域訓練協議会を開催して計画を策定してきました。訓練に関する情報提供、品質の確保という点では、訓練情報のインターネットでの提供、あるいは平成23年に民間職業訓練のサービスガイドラインを策定し、現在、この研修を進めて普及を促進しているところです。また、指導員の育成・確保にも引き続き努めております。最後に実施体制ということで、全国の訓練施設の状況を記載しております。以上が前回の御意見に対する資料です。

 続いて資料2-3として、その他、前回頂いた御質問に関する資料を御用意しております。まず1つ目と2つ目の資料ですが、成長が見込まれる分野の人材育成について、どのような訓練の実績状況にあるのかという御意見がありました。項目的には手元で把握しうる項目で取っておりますので、かなり大くくりですが、上が公共職業訓練(離職者訓練)、下が求職者支援訓練(実践コース)です。

 下線を引いている分野がその関連分野です。ただ、関連分野ですので事務系で申しますと、事務系全体が関連ということではなくて、右に書いておりますように、例えば医療事務です。医療が成長分野となっておりますので、医療事務が含まれるということで事務系に下線を引いております。事務系全体でみると、就職率は取り立ててほかと比べてどうというところはないのですが、他方で求職者支援訓練を見ていただきますと、こちらは医療事務単独で集計しております。これを雇用保険適用就職に変わった平成26年度で見ますと60.4%ということで、他と比べると比較的高い就職率になっております。その他、情報、サービスと介護。情報IT分野は公共、求職者支援訓練いずれも若干苦戦しているという状況ですが、大体このような状況ということで御確認いただければと思います。

 続いて、特に中高年層の職業訓練の受講者の状況について分かるデータがないか、という御指摘がありました。それが次のページにあります。ただしこちらのデータの制約で、年齢ごとの就職率は今回は御用意できませんでした。そこで、それとは違うのですが、新規求職申込件数に対しての入校者数、つまり訓練に入られた方がどれぐらいの割合かというデータを、過去4年間で出しております。

 一番右を見ていただきますと、平成26年度の新規求職申込者数に対する入校者数の割合があります。上のほうから若い方になっており、大体23%台です。いわゆる中高年、45歳以上の方で見ても3%前後です。これだけを見ると、入校者数に関しては余り差がない。ただ、就職者数が出ておりませんので申し訳ございません。そちらのほうの確認ができるデータにはなっておりませんが、入校者数に関してはこのような状況です。

 続いて、職業能力評価基準について、普及促進に関する、あるいは社会の定着に関する実績のデータがこれまで出ていないという御指摘がありましたので、その資料です。これまで職業能力評価基準というのは、先ほども申しましたとおり、多数の業界で策定しております。近年はセミナーも実施しており、過去3年間で36回、延べ1,756人の御参加をいただいております。その中で、評価基準を活用して人事評価システムの改善が見込まれるとお答えいただいた方は92%でした。また、職業能力評価基準は中央職業能力開発協会のホームページで公開しており、そのアクセス件数は経年的に伸びております。各業界の取組としては信用金庫業、ホテル業、スーパーマーケット業での取組を記載しております。今後ともメンテナンスも含めた、活用促進策と合わせた実態把握にも努めていきたいと考えております。

 最後に、キャリア・コンサルタントに関してです。本当に企業で活用されて、本当に必要なときに受けられる体制になっているのか、その実態について資料を提供してほしいというお話がありました。まずハローワークについては、職業紹介・職業相談に際し、求職者にキャリア・コンサルティングを実施できるよう、職員の資格取得を進めております。そのデータが中ほどにあります。相談業務に従事する職員に対する資格保有者数の割合が23.9%、約4分の1がキャリア・コンサルタントの資格を持っているというデータになっております。

 また、企業の導入状況を見ますと、労働者の自己啓発を促す、労働者の仕事に対する意識を高め活性化を図るといった目的で、直近ですと28.7%の企業が、何らかのキャリア・コンサルティングを行う仕組みを有しているという回答になっております。また、これはデータがありませんが、その他大学、サポステ等でも配置活用が拡大しているといった状況です。以上が資料2-3の御説明です。

 続いて資料2-4です。前回御議論していた際にお出しいただいた、主な御指摘ということで並べております。

 人手不足は企業の成長の阻害要因であり、労働力需給の変化を踏まえ、企業内訓練の強化を検討すべき。国の役割はセーフティーネット。弱者の能力開発、スキルアップの在り方について、国の役割をどう果たすかが大事である。また、労働条件、雇用環境の改善などの施策も重要で、職業安定行政とセットで考えることが必要である。職業訓練やキャリア形成の支援を行う主体は様々あるが、幅広い関係者の役割分担をここで明記すべきでないか。雇用されている方に対してのOJTOFF-JTの訓練をするという形態の雇用型訓練は、本格雇用への橋渡しの役割を果たしているところであり、より一層推進していくことが必要である。

 非正規労働者に関しては、制度の新設を含めた拡充を検討すべきであって、ハローワーク、サポステなどに来ない層の潜在ニーズを掘り起こす視点が重要である。早期キャリア形成の重要性から見て、教育政策との連携の下で学校教育における職場体験にキャリア・コンサルタントの関わりが重要である。また、キャリア・コンサルタントの専門性といったものについても、整理が必要である。中高年が働き続けるため、あるいは次の仕事を見つけられるように、中高年の職業訓練の視点が重要である。「労働市場インフラの整備」については、個々の施策が全体として絡んでどう機能していくかについての議論が重要である。その中でITの活用によって効率よく、幅広く能力開発サービスを提供することなど、ITを使った生産性向上という視点が重要になる。その他にもたくさん頂きましたが、主に申しますとこういった意見を頂きました。

 それでは、資料2-1に戻ってください。前回お出しした「第10次職業能力開発基本計画における視点」という資料を、今申し上げた主な御意見等も踏まえ若干改訂しております。基本線は変えておりませんが、若干追記しておりますので、そこを中心に御説明させていただきます。

 まず、能力開発の在り方について検討するための視点ということで、4つ挙げております。1点目に、景気変動に伴って生じる労働需要の変化(人手不足等)といった視点を追加しております。

 次に「産業界や地域ニーズを踏まえた人材育成の推進」という所で、1点目の、離職者等のニーズ等に応じた訓練機会の提供は変更しておりません。2点目を追加しており、国は機構により、都道府県や民間で提供できないものづくり分野の職業訓練を実施、都道府県は地域の人材ニーズに応じた職業訓練を実施し、民間では実施可能な訓練を実施しているという、役割分担の視点を追記しております。3点目の、求職者支援訓練と公共職業訓練を一体的に計画し、効果的に実施することは変更ありません。3点目の、訓練の質の担保向上も変更はないのですが、関係機関がそれぞれの役割を認識しつつ有機的に連携するといった点と、訓練指導員の育成、質の確保といった点を追記しております。

 次は追加です。人手不足分野を抱えている地域において、安定的な人材確保を図るべきではないかということを追記しております。次の企業内の人材育成の強化等は、そのままです。次の点は、冒頭の「我が国の労働力人口が急速に減少していくことが見込まれる中、我が国の産業・職業構造の変化を中長期で見据え、将来的に」云々といった所を追記しております。

 次の「企業内における人材育成の強化」という点ですが、冒頭の最後の1文、「特に、成長が見込まれる分野や、人手不足分野の労働者の能力開発を通じた生産性向上について、重点的に取り組むべきではないか」というのを追記しております。次も基本は同じですが、「業界単位の人材育成」を変更しております。次の○ですが、雇用型訓練については特に若年者について訓練効果が高いということを追記しております。次の認定職業訓練は変更ありません。

 続いて「職業人生を通じた労働者の主体的なキャリア形成の推進」です。1点目のキャリア・コンサルティングについては変更ありません。2点目に、キャリア・コンサルタントのキャリア教育における更なる活用を進めるとともに、専門性を高めていくための取組を検討すべきではないかという内容を追記しております。次のジョブ・カードについては、関係省庁との連携の下、学校段階での活用を含め促進、という内容を追記しております。次の教育訓練給付と、その次の教育訓練休暇制度には変更ありません。

 次に「全員参加社会の実現加速に向けた能力開発の推進」です。1点目は変更ありません。2点目に追記しており、現状において訓練やサポステの活用に至らない層の潜在的ニーズに対して、関係機関のネットワークによる更なる周知が必要ではないかということを述べております。次の中高年のキャリア形成・キャリアチェンジ支援は変更ありません。次の女性の支援も変更ありません。

 続いて「労働市場で活用される実践的な職業能力評価制度の構築等」という視点です。まず冒頭12行目ですが、「外部労働市場を通じてキャリア形成を行う非正規雇用労働者、育児等でキャリアブランクがある女性等を含め」ということで、こういった方々も含めた対策であることを明記しております。

 次のページの「非正規雇用労働者や特別な支援を必要とする者に対する職業能力開発の推進」では、冒頭の1つ目は変更ありません。2つ目、3つ目で対象者を明記する形で、学卒未就職者に対する能力開発の促進、母子家庭の母、出産・育児等で離職した女性等に対する支援の充実を追記しております。次の障害者に対する能力開発は変更ありません。

 続いて「労働市場インフラの戦略的強化」は、項目自体を新たに追加しております。「職業訓練制度、職業能力評価制度、労働者の主体的なキャリア形成を支援する仕組みの整備等の労働市場インフラの戦略的強化を図ることが必要である。このため、国全体や地域の訓練ニーズの把握や、訓練分野・規模の決定等を可能とする仕組みの構築、訓練カリキュラムの開発・普及、訓練情報の提供や質の確保、指導員の育成・確保、能力評価システムの整備、訓練実施体制の整備などについて、総合的な機能として果たす姿を検討すべきではないか。また、インフラ整備の際に、ITを活用する視点が重要ではないか」ということで、これら全体を追記しております。

 次の「技能の振興」、その次の「職業能力開発分野の国際連携・協力の推進」については変更ありません。以上、御説明を終わらせていただきます。

○小杉分科会長 それでは、ただいまの説明に対して御質問、御意見をお聞きしたいと思います。まず高倉委員、どうぞ。

○高倉委員 前回、労働側からもお願いした議論も含めて資料2-2、資料2-3と取りまとめをしていただき、心より感謝申し上げたいと思います。今後の議論の参考にさせていただきます。資料2-1に国、都道府県、民間教育訓練機関の役割分担について触れられておりますので、非常に分かりやすくなったとは思っているのですが、加えて民間企業や民間の団体、学校がどのような役割を担うべきなのかということも、どこかで触れておいたほうがいいのではないかと思います。それも踏まえて、どこか総論の部分になるのでしょうか。職業能力開発で様々な主体がどのように役割分担をするのか、それぞれの位置付けがより明確になるような記載が、どこかにあったほうがいいのではないかと思っております。

○尾田基盤整備室長 次に議論いただく際にはもうちょっと膨らませた形で資料を用意したいと思っておりますので、その中でただいまいただいた御意見を少しずつ取り入れた形のものを御用意したいと思います。

○大隈委員 前回私は欠席したので、経緯が余り見えていないところがありますけれども、全体的な意見として、やはり継続性というのが非常に大事だと思いますので、この内容をしっかり詰めていくことが大事だと思います。ただ目玉といいますか。これは平成28年からですよね。そうなったときに、1つには東京オリンピック・パラリンピックがある。そうなるとグローバルという視点を入れる必要があるのではないでしょうか。職業能力開発ですから、ちょっと違和感があるかもしれませんけれども、やはりグローバルという視点は、日本がこれから進むべき大きな方向だと思います。それが1つです。

 もう1つは、「IT」という言葉が出ているのですけれども、世の中はIOTということで、インターネットを使っていろいろな仕事が変わる、社会が変わるという動きがあるので、言葉がズバリ入るかどうかは別として、そういう視点も目玉として入れたほうがいいのではないでしょうか。例えば、資料2-2の最初のページに第9次の計画があって、その横に「成長が見込まれる分野の人材育成と雇用のセーフティーネットの強化」というサブタイトルが出ていますよね。ここに何を据えるかだと思うのです。ある程度の方向といいますか、何らかの目玉というか政策というか、そういうものを何か考えて入れておいたほうがいいのではないかと、全体を見て思いましたので意見として言わせていただきます。

○小杉分科会長 第9次のときにも、一応グローバル化ということが枕言葉としては入っていますが、これ以上に踏み込んだ表現が必要だということですか。

○大隈委員 今回は余り入っていないのです。特にオリンピックなどが5年後にあるわけですから、それに向けて日本はこういうように変わるべきだという何らかのことを。人の育成でも、そういう視点は入れたほうがいいのではないかという意味です。

○小杉分科会長 現代的な視点をどう組み込むかということですかね。

○尾田基盤整備室長 分科会長がおっしゃったとおり、グローバル化という視点は、もちろん文章の中では当然今回も入ってくるとは思うのですが、委員がおっしゃったような観点で、グローバル化というものがもっとメインで出てくるという視点は、こちらのほうでまた検討させていただきたいと思います。また、今後5年間の計画ですので、サブタイトルについても我々としてもできれば分かりやすく、目を引くようなことで考えていきたいと思いますので、引き続き皆様のお知恵を頂ければと思っております。

○木塚総務課長 IOTのお話がありましたけれども、政府のほうでは今「3本の矢」ということで、特に生産性革命ということが強く打ち出されています。GDP600兆円に向けての取組をしていく中で、生産性を上げるためには当然労働力を増やすか、あるいは資本装備率を上げて生産性を上げていくか、それに向けての人材をつくっていくことが不可欠な要素です。そういう中でITなどを活用していくというのは、生産性の向上に極めて有効なものだと考えております。そういう生産性革命ということをしっかり計画の基本に据えて、そのコンセプトをメインに据えつつ、この計画を形づくっていくということで取り組んでいきたいと思っております。是非、皆様方から様々な御意見を賜りたいと考えているところです。

○大久保委員 ちょうどITの話が出たところなので。これは組み込んでいただいた所ですが、前回、私も労働市場インフラの戦略的強化とITの活用ということを言わせていただいたので、少しそのフォローアップで、私の意見を言わせていただきたいと思います。

 もちろん今のお話にも出たように、訓練分野としてのIOTとか関連領域という話は1つあるのですけれども、それとは別に、こういう新しいITの技術が出てきたことによって、訓練や人材育成の生産性が革命的に上がる可能性があると思っています。 例えば、ITが入ったことによってOJTが、やりながら目の前で資料が映し出されるというものです。ITが訓練や育成に貢献できる可能性というのは、非常に高いのではないかと思っています。ITを活用することによって、今、能開のネットワークの中にいる指導員たちが持っている重要な技術などを、もっとたくさんの人たちに訓練という形で提供できる可能性は、様々に広がると思っているのです。この公共職業訓練こそ、私は生産性革命の可能性が大いにあるのではないかと思っています。この問題ときちんと取り組む第10次にしていただきたいというのが、この間言ったイメージの1つです。

 それとともに、もう1つは受講生向けの話でいくと、先ほどから出ているe-ラーニングの話です。村上委員からは慎重にという御意見もあったのですけれども、私は、e-ラーニングの問題は前から言われ続けながら、実は議論が進んでこなかったテーマだと思っています。先ほど御説明があったとおり、e-ラーニングで受講をするのに受講管理のルールすら現状はないという状態です。それをやるためには、いろいろと準備をしなければいけないことがあるのです。その検討がまだ進んでいない状態だと思います。

 今、「一億総活躍」の議論が始まっています。例えばシニアの人たちが一番活用しているのは、放送大学ではないかと思うのです。放送大学のシニア受講生比率は、すごく高いのです。それはひとえに在宅でできるからという理由です。放送大学と我々の研究所で共同で調査をやったことがあるのです。やはり家でできる、在宅でできるというのがすごく大きい。先ほど話題になりましたけれども、女性で育児をしている人というのは、子供が小さければ小さいほど、家を離れることの敷居というのがすごく高いのです。もし、そういう方が在宅で自身で取り組んで、e-ラーニングを通じて能力開発ができるという姿があれば、新規求職者の中に占める公共職業訓練のネットワークがカバレッジできるパーセンテージが上がるのではないかと思っています。このe-ラーニングの問題は、私は「一億総活躍」のもっと大きなテーマになっていいと信じております。そういう点で是非、より具体的なテーマにしていただきたいと私は思っています。

 この間お願いしてデータを出していただいたものが、資料2-33ページに、年齢階層別の公共職業訓練の入校者数の割合ということであります。これまでは、やはりより若年の所に目が向いていた。もちろん若年は大事ですけれども、年齢が上がるに従って新規求職申込み件数に占める入校者数の割合が下がっていることが、これにははっきりと出ているわけです。これまでは優先順位が若干低かったと思いますが、労働力人口の構成が明らかに変わってきて中高年が中心になるわけですから、やはりこの問題に手を付けないわけにはいかないのではないでしょうか。

 これを見ると、実は65歳以上でも43万人を新規求職者としているという事実もあるわけです。ですから、これは先ほどの在宅のe-ラーニングの話ともつながっている話ですけれども、この人たち向けにどういう体制で公共職業訓練が、一定程度の役割を果たすのかということも論点だろうと思います。そこについては何となく言葉としては出ているものの、なかなか具体化していないという認識がしばらくの間ありますので、より具体的に取り組んでいただきたいと思っています。

○木塚総務課長 非常に重要な視点だと考えております。公共職業訓練については、いろいろな役割分担の中で、ものづくりということになっております。e-ラーニングということになると、どうしても手を動かさないという面が特徴としてあるわけです。通常、公共職業訓練のものづくりでも、ITを利用した数値制御の機械とか三次元プリンターとか、いろいろなものを導入して最先端に対応できるようにやっているわけです。正におっしゃるとおり、投資はそこそこ掛かっても、そういう機械を使うと生産性が一気に上がることはあるわけです。訓練学校に来ていただければ、そういうものが実際にやれるのです。

 一方でそういう機械を使うためには、そもそもの汎用機を使って実際に製図をしてみたり、旋盤を削ってみたりして、その感覚があって、数値制御などをやるときに機械がどういう負荷を受けるとか、何か問題が起こったときにどう対応するかということを踏まえながら今訓練をしているのです。

 しかし実際に触らない形で、どういう形でe-ラーニングを中心にしていくのか。放送大学でもたまにキャンパスに来てやっているというのもあるので、そういうものをどういうふうに組み合わせてやっていくのかという課題等がいろいろあります。そういう課題を11つ克服しながら、一歩でも前進するように取り組む必要があります。大きな流れとしては御指摘のとおりだと思います。それに我々もキャッチアップしていかなければいけないと考えておりますので、そういう意味で今回の計画でも頂いた意見を踏まえ、少しでも反映できるようにしていきたいと考えています。

 中高年の問題も、正にそうだと思っております。これまでは人材投資をする場合に、若年者については、非正規化という傾向とか、若年者の失業率が世界的に高いという傾向を踏まえ、比較的そちらに中心的に投資をしてきたという傾向があるわけです。しかし趨勢としては人口自体が高齢化していく中で、人口のボリュームがある層の中心にスポットを当てていくことも必要であり、正に御指摘のとおりです。そういう点も踏まえて、今後そういうことも検討していきたいと考えております。

○小杉分科会長 はい、高橋委員どうぞ。

○高橋()委員 資料2-1の視点の中に、企業内における人材育成の強化について触れておりますので、これについての意見を2点申し上げたいと思います。

1つは在職中の従業員についてです。これまで労働側はこの場においても、在職者に対する職業能力開発の主流は、あくまでも企業主体によるべきものだと申し上げてきたと思います。ただ、資料2-25ページを見ますと、主流は企業主体によるものだと申し上げてきたにもかかわらず、実態は非常に残念な状況で、上の○の2つ目、教育訓練費の推移を見ると、1990年代以降は低下・横ばい傾向にあるということで、このグラフが示しているとおりだと思います。この状況から脱却するためにも、企業が在職中の従業員に対して、その職業開発に力が入るよう後押し、誘導するような施策の検討が必要ではないかと思います。

 この資料2-2の中にも「キャリア形成促進助成金等の効果的な活用」等、いろいろ書いてあり、助成金があるのは十分に承知しておりますが、助成金の枠組みの中での現状がこういうことですので、また少し別の観点からの検討も必要ではないかと思います。以上がまず1点目です。

2点目は、非正規労働者に関係して、同じ資料2-23ページ、「非正規労働者等に対する雇用のセーフティーネットとしての能力開発の強化」とあります。資料の中で右上のほうにグラフがありますが、正社員以外に対して計画的なOJTOFF-JTを実施している割合は、正社員に対する割合の約半分になっているのがここに示されています。2倍以上の開きがあるわけで、雇用形態は違うといいましても、正規であれ非正規であれ、これはどちらにとっても企業にすれば人材ですから、正社員だけではなく、企業内に在籍する非正規の方に対しても教育訓練投資がなされるように、企業に対して同じように後押し、誘導する政策の検討が必要ではないかと思います。このように非正規に対していろいろな施策を取ることが、将来的には、ひいては正規雇用につながっていくのではないかと考えられるので、一考をお願いしたいと思います。

 それと、1つ申し上げるのを忘れていましたが、在職中の正規従業員についてです。厚生労働省が発表した平成26年度能力開発基本調査によると、人材育成に問題があると回答した企業がかなりの部分を占めておりました。加えて、その企業がどういう問題点があるか、かなり明らかになっておりますので、それら問題点を取り除き、解決して、企業が人材育成を行うことができるような環境整備を国としても考えていくべきではないかと思いますので、この辺も視点の中に織り込んでいただければと思います。以上です。

○宮川職業能力開発局長 ただいま高橋委員がおっしゃられた意見、非常に関連する問題ではないかと思います。例えば具体的に今回の資料2-23ページの資料を先ほど尾田室長から説明したとおり、正社員と非正社員の計画的なOJTOFF-JTの数が明らかに違うということは、過去から恐らく同じような状況だと思います。ということは逆に言えば、非正規化が進めば進むほど企業が人材育成に対する投資を減らしていくという結果は、かなりの部分、正に非正規化ということで問題点が説明できる部分ではないかと思います。それはそのままでいいのかというと、正にここは問題であり、この非正規の方々に対するOJTOFF-JTが少ないことが、日本全体の生産性を上げていく上でのネックになっていく可能性もあるのではなかろうか。

 そういう意味で、非正規の労働者の方々に対する人材育成を企業に促していくような施策として、どのようなものが考えられるのか、それのボトルネックは何だろうかという課題を、今後突き詰めていく必要があり、それに対する対応は必要ではないのかなと考えているところです。高橋委員からの御指摘、大変重要な2点について関連したものとして考えております。

○島村委員 前回欠席をしたため、事前説明の中で気になったところが2点あります。質問というよりも意見ですが、資料2-14ページの一番下の2つです。技能振興と国際連携ですが、まず技能振興について 「若者のものづくり離れ等に起因する」云々とあります。私は中小企業団体中央会の理事として、ここに出させていただいていますが、本団体の中には、当然ものづくりの中小企業団体組合もあります。銭湯のようなサービス業もありますし、また我々印刷業のようにサービス業と製造業と両方踏まえた業種もあります。様々な団体がありますが、ものづくりというものは非常に重要と考えております。事前説明の中でも、「これは厚生労働省ではなくて、文部科学省がやることではないですか」という話もさせてもらったのですが、短期間でこれが醸成されるとも思いませんので、是非連携してやっていただきたい。

 そのような中で、ものづくりのコンテスト、技能五輪大会が2年に1回あります。実は4年前までは日本も活躍しており、2005年、2007年の38回、39回大会は、金メダルの数で日本は一番でした。その後はずっと3位、2位、4位となっております。今年はまた3位ということで、負けているということです。ではどこが1位かというと、日本以外はずっと韓国です。韓国をライバル視するわけではないのですが、やはりこういうものづくりに対して、しっかりと若い人たちが訓練を受けて、やりがいを持てるような仕組みづくりは大事だと思います。

 ほかの業界について私は分かりませんが、自分の業界の話をしますと、例えば、印刷工についても技能五輪大会は種目としてあります。しかし、厚生労働省としての印刷業界の予選大会はありません。レンガづくりや旋盤などは全国大会がありますが、印刷については基本的にありません。そのため、我々は独自に印刷業界の中で、地方大会、全国大会を開催し、代表者がオリンピックに出場しています。これは非常に費用も掛かります。

 大会の開催自体も費用が掛かりますが、技能者を訓練するのは非常にお金が掛かるのです。大会には22歳までの選手しか出場できないため、大体、高卒で3年ぐらいの人たちが出場します。ですから、実際にお金を稼がなければいけない子たちに訓練をさせなければならず、会社は、特に中小企業は自腹でその子たちに訓練費用を払って、教育していくわけです。これは非常に負担なのです。国は、全く我々業界の種目に対しては費用を出してくれていない。これで本当にものづくり離れをなくすことができるのでしょうか。実態に合ったことをやっていただかないと、ものづくり離れは終わらないような気がします。

 技能五輪で、実は印刷工の種目で2回金メダルを取っていますが、1回は凸版印刷の社員です。凸版印刷や大日本印刷は当然のことながら、費用もふんだんにあり、社員もたくさんいます。1人、2人を技能五輪に出すために選出するのは余り大きな問題ではないのですが、2回目の金メダルを取ったのは、長野県の社員60人ほどの会社から出場した女性の印刷工でした。彼女が技能五輪で金メダルを取りました。これは素晴らしいことです。小さな会社から素晴らしい技能を持った女性の印刷工が出場して、世界で金メダルを取ると。ところがこれはとてつもない負担がこの会社に掛かっています。その後、講演の依頼等があり、正に3年ぐらいはほとんど自分の会社の仕事ができないという状況になっています。業界として応援はしましたが、やはり国としても、あるいは地方自治体としても、こういう細かいところまでしっかりと目を配ったものづくり離れの対策を取っていただきたいというのか、まず1つの意見です。

 もう1つは、一番下の国際連携についてです。我々中小企業がどういう形で国際連携に協力できるのかは具体的には分からず、これも自分の業界を例に取ってしか話ができないのですが、我々印刷業界は、環境に対して非常に積極的に取り組んでいます。我々が作っているグリーンプリンティング認定制度という1つの認定制度がありますが、これは国が決めているグリーン購入法よりもレベルが高く、グリーン購入法の中の印刷では、基本的に我々が作ったグリーンプリンティング認定の規則そのままを使っています。それぐらい印刷業界は、大企業から中小零細まで環境に対して非常にシビアに取り組んでいますが、一歩日本を離れると、特に東南アジアは、印刷業界の環境対策というものがほとんどとれていません。

 これに対して「他国のことはいいじゃないか」と考えるのではなく、やはり他国でも、例えば中国の環境が悪くて日本に影響があるような場合、東南アジアで、印刷物でポリューションを出していくということについては、我々も何とか対策をとらなければなりません。そのときの支援を、中小企業の環境対策で非常に優秀な能力を持っている企業が、東南アジアに行って、そういう会社に対していろいろな指導をしていくことは中小企業の力だけではできないわけです。こういったことに対しても、様々な業界で優秀な能力を持っている中小企業がたくさんあると思いますが、しっかりと国際連携に協力するのであれば、国あるいは地方自治体が一緒になって、そういう取組を実施する会社を支援して、他国と連携していくという制度を是非、今後、作っていっていただきたいと思います。意見です。

○小杉分科会長 何かコメントありますか。

○宮本能力評価課長 能力評価課です。今、御意見を賜りました技能五輪国際大会についてですが、今年度8月にブラジルで国際大会があり、日本は3位という結果になり、前回よりも1つ順位を上げました。メダルの数についても前回より多かったのですが、実はこの3位については同数の5個である国が大変増えており、なかなか油断ができない状況だと考えております。今後とも日本が技能において高い能力を有することを国際的に示していく上で、この国際大会で勝っていくことが非常に大事だと思っております。

 御指摘がありましたように、選手を輩出される企業・業界には、大変な負担をいただいていると認識しております。これまでも国としては、選出に当たる費用について負担をしておりましたが、今、御指摘がありましたので、今後、支援の在り方について検討していきたいと考えております。

○西田海外協力室長 2点目に国際連携のお話がありました。若干ずれるかもしれませんが、東南アジアとの関連で申し上げますと、特に今、技能評価システム移転事業という日本型の技能検定のアジア標準化に向けた協力に取り組んでおり、ベトナム始め少しずつ芽が出始めているところですが、その際に、この技能評価制度というのは、民間企業のノウハウも非常に必要としています。これまで割と大企業を中心に機械加工などやってきましたが、最近ですと佐官などほかのいろいろな職種で、中小企業にもできるだけ参画していただくような形で、日本のノウハウをアジア緒国に移転することでうまく標準化につなげていけるよう、努力したいと思っております。

 また、我々はJICAとも連携していろいろな協力をやっております。JICAもいろいろ中小企業のノウハウを活用してという支援もやっていると聞いておりますので、できるだけそういった情報も御提供できればと思っております。

○小杉分科会長 お待たせしました、大隈委員お願いします。

○大隈委員 1点の質問と1点の意見です。資料2-12ページに「企業内における人材育成の評価」とありますが、○の2つ目に「中長期的視点に立った業界単位の」云々、これを検討すると。これは具体的にどういうことをイメージされているのか、今からかもしれませんが、あれば教えてほしいというのが質問の1点です。

 もう1点は、下の雇用型訓練ですが、これについては先ほどから高橋委員や島村委員から必要性を言われています。これは正に私も効果は高いと思っていますので、事業主への支援の拡充という点もしっかりと見せてもらいたい。どういうことができるのかということも含めて、これから議論させていただきたいと思いました。

○伊藤キャリア形成支援課長 キャリア形成支援課です。今、相関連する2つの御質問、御意見を頂戴いたしました。この業界単位の人材育成促進の仕組みですが、まず現状の支援の仕組みとして申し上げると、その2つ下の○にも掲げている認定職業訓練。職業訓練基準を満たす事業主団体、又は各企業が実施する訓練に対する国及び都道府県に対する補助といった仕組みがあります。こういったスキームを活用しながら、本制度の中心的な対象業界である建設業、製造業等の人材育成の仕組みを、より促進をする仕組みという視点が1つ有り得るかと思っております。

 また、企業等における人材育成支援の仕組みとしては、今の御質問でも少し触れましたが、助成の仕組み、キャリア形成促進助成金あるいはキャリアアップ助成金といったメニューがあり、時々の政策課題に応じたメニューの拡充等を図ってきていますが、これまで、これら助成金に関しては、基本的には各企業が実施する一定の要件を満たす訓練、あるいは訓練受講中の賃金助成という形で運用してきました。しかし、今後、よりダイナミックな効果的な人材育成の促進をする上では、個別企業の取組だけではなくて、業界を挙げた共通人材ニーズに即しての大ロットでの本格的な訓練の支援ということが大変重要ではないか。

 今年度からものづくり職業訓練ということで、対象分野としては現時点で製造業、建設業限定ですが、OJTOFF-JTを組み合わせての事業主団体主体の長期にわたる訓練に対する助成メニューの創設などにも着手しているところです。こうした業界団体を対象としての助成メニューあるいは対象業界の拡大といったことも当然、重要な視点になってくるかと思っております。

 また、こうした経済的インセンティブということに限らず、やはり様々な業界が実施する、それぞれの人材育成課題に応じての教育訓練その他の人材育成の取組のモデル作りといったことも、大変重要ではないかと思っております。こうした助成措置とあいまってのモデルの開発、あるいはその普及といった視点も大変重要ではないかと思っております。今申し上げたような視点を中心としつつ、今後の審議の中で頂いた御意見も踏まえながら、予算措置その他の形で、業界単位の人材育成促進の仕組みの整備を図っていきたいと現時点で考えております。

○小杉分科会長 それではお待たせしました。

○田口委員 3つほどあります。前回も少し質問させていただいたのですが、能力開発基本調査が30人以上の規模になっていますが、よくテレビ等でも、大田区の町工場の持っている技術が世界のトップレベルにあるということなど報道されていますが、むしろ30人に満たない事業所の実態がどうなのか。つまり、ほとんど日本の産業の場合は、99%以上が中小零細企業なわけですから、そこの人手不足の中でますます人材の確保がこれから困難になると思うわけです。その事業所の悩みや、実態的にどのような職業訓練を求めているのか、その辺のデータがないと、いわゆる能力開発の基本方針は立ってこないのではないかと常々思っているのです。その点については掌握されていくことができるのかどうか、要望しておきたいと思います。

 もう1つは、資料2-12ページの「企業内における人材育成の強化」で、「キャリア形成促進助成金やキャリアアップ助成金の活用」とあり、これは非常に有益だと思うのですが、小規模事業所の場合、非常に申請手続において負担がかなりあって、小規模事業所でうまく活用されていないという実態があろうかと思いますので、この点については、小規模事業所がもっと活用できるような何らかの支援を頂けないか。それが可能なのかどうか。

 もう1つは、3ページの「全員参加の社会」の2つ目の○の「関係機関の緊密なネットワークの下で」についてです。この間のNHKで、秋田県のある町の社会福祉協議会が活動されて、その町のニートの方が多数いたわけですが、その方の就職に大きく結び付けたという事例が報道されていましたが、そういう成功事例といったものをもう少し集めて、紹介して参考にしたほうがいいのではないでしょうか。

 それと今後の話ですが、先ほどもグローバル化のお話がありましたが、TPPが大筋合意されたということで、これは将来的な話でしょうが、最終的にはいわゆる人が入ってくるのではないかという危惧を抱いているのですが、そういうことがあるのかどうか。そういうものが今後、日本の産業社会あるいは職業能力開発に影響を与えるのかどうか。これらについてもし何かありましたら、次回でも結構ですから教えていただければと思います。

○尾田基盤整備室長 1点目については、能力開発基本調査は、基盤整備室で担当しておりますので御説明します。委員が御指摘のとおり、今、30人以上規模の企業に対する調査として実施しており、それ以下の小規模企業について実態が把握できていないのは、御指摘のとおりだと思います。これは以前にも御指摘があったときに前任者から回答させていただいた点はあるかと思いますが、この対象を広げるに当たっては、やはりサンプルサイズをどうしていくかという問題がどうしてもあり、これ自体は委託で調査しているということで、国自体が実施している調査ではなく、なかなか費用の問題が付いて回ります。ですから、そこは検討課題とさせていただき、では小規模企業の実態をどう捉えるかということは併せて検討課題として受け止めさせていただければと思います。

○伊藤キャリア形成支援課長 2点目、3点目についてお答え申し上げます。助成金に関しては先ほども若干触れましたが、中小企業に関しては、助成率を引き上げる措置、また、業界団体等に対して、活用・促進の御説明、御依頼申し上げる際には、制度の説明だけではなく、それぞれの業態に促しての具体的な活用例等を提示するなど、できる限り中小企業を含めてこれら助成金が有効活用できるような環境整備に努めてきました。

 しかし、御指摘を頂いたように、確かに様々な手続の煩雑さ等があり、中小企業にとって十分に使いやすいものになっているわけではないという問題意識は持っております。そうした観点から、メニュー、要件等をできるだけ簡明なものとするとともに、助成金としての公正性確保できる範疇で、手続、書類等の簡素化についても検討しています。利用者の意見を踏まえながら、それらの措置を更に順次、講じていきたいと思っております。

 また、全員参加社会実現という観点で、1つの例示として、地域ぐるみのニート自立支援についてお話いただきました。これら取組に係る労働行政における中心的な事業、地域若者サポートステーション事業に関しては、個々のニートの自立支援ということだけではなく、これら自立支援には関係機関のネットワーク構築は不可欠ということで、このサポステを中心としての自立支援のネットワークづくりということも、この事業メニューの中に含めているところです。そうした枠組みの中で、私どもそれぞれの地域ごとのサポステ事業の活動の好事例発信などには、これまでも努めてきたところですが、この度の全員参加社会実現という政策課題の下で、せっかく私どもが取り込んでいる事業の具体例も含めての情報発信を更に強化をしていきたいと考えております。

○宮川職業能力開発局長 外国人材の活用について、様々な御議論があることは承知しております。成長戦略の中でもこの外国人材について、現在の政府の考え方をすぐ変えるということではないのですが、いずれにしてもこれは中長期的な課題として、じっくり考えるべき必要な議論ではなかろうかと思います。この問題は、決して労働問題や経済問題だけではなく、教育、文化、治安や自治体の在り方など、共生の問題を様々な観点から、正に国民全体の視点で御議論いただく課題ではなかろうかと思っております。

 その中で、私ども職業能力開発行政の立ち位置と申しますのは、今、高度人材を始めとして、合法的に、例えば日系人の方など様々な外国人の方が既に日本社会で働いていただいているわけですし、それは正に合法的に働いていただいているわけです。この方々もいわば日本社会の、先ほどもいろいろと議論がありました生産性革命も含めて、日本における生産、経済を支える人材として、我々、能力開発行政が対象としなければならない人たちに当然含まれるだろうと考えております。そういう意味で、今後、外国の方がいろいろな意味で増えていく中で、それらの方々の能力をアップしていくことについても、我々は意識していかなければならないと考えております。以上です。

○小杉分科会長 時間のほうがそろそろなので、最後の1人にさせていただきたいのですが、お二人いらっしゃいますね。では、短くお願いします。

○浅井委員 産業構造の変化、それから人手不足への対応を踏まえて、この中から一歩進んで、今後、5年先の日本ということを考えていきますと、ITというよりはIOTやロボット革命ということではないかと思います。それから、グローバル化と同時にグローカルという形の視点が要るのではないかと考えております。

 人手不足の分野について、その原因が単に少子高齢化だけではなく、その分野に従事したくないような現場があるとしたら、例えばロボット大賞で素晴らしいロボットがたくさん出ておりますので、科学技術で置き換えて、よりやりがい、生きがいを感じられるような労働現場に変えていくということも重要ではないかと思います。

 それから、ついついグローバルのほうばかり見てしまうのですが、地方の経済の状況というものを見てみますと、若者が単に都会に行くのが、東京で働きたいと思うのは、若者にとって東京が楽しいというような単純な議論ではなくて、それだけ努力した若者が報われない、頑張ってもやりがいが感じられないような状況があるからであって、グローカルということはグローバルと同時にローカルのほうの現場にも目を向けていただけたらと思います。以上です。

○小杉分科会長 御意見ということで、引き続き。

○三村委員 私のほうも、時間がないので意見だけでとどめさせていただきます。資料2-11ページの真ん中から少し下で、いわゆる公共訓練の総合的な訓練計画について少しお話をさせていただきます。埼玉県では実際にこうした総合的な訓練計画を立て、何にメリットがあるかということを議論したのですが、やはり、求職者の情報が共有化されるという意味で、非常に大きなメリットがあると思っております。ここでは「べきではないか」という形でクエスチョンが付いておりますが、「進めていく」ぐらいの論調にしていただければという意見です。

2ページ目の企業内の人材育成です。先ほど来議論されておりますが、各企業さんのお話を伺いますと、やはり人材育成は重要で、企業内訓練はなさっていて、助成金も交付されておりますが、一方で訓練成果を短期に求めて、それが現れてこないため途中でやめてしまうと聞いております。少なくとも3年はこの訓練を続けながら、長期的な展望の中で訓練計画を立て、効果を待つことができるようにという意味では、助成も必要ですが、それをつづけるような知恵も必要なのではないかということです。

 最後です。下から3番目の○で、「職業人生を通じた労働者の主体的なキャリア形成の推進」ですが、厚生労働省としては、具体的に示すことはできないかもしれませんが、何歳までを職業人生とするのでしょうか。ある意味では、雇用保険の受給年齢は65歳までですが、70歳ということも想定できるのではないかということです。先ほど大久保委員からもありました、シルバータレントをどう活用するかということが、今後の日本の生産労働力を高めていく上では重要な点だと思いますので、この辺も次回でも結構ですが、お考えをお聞かせいただければと思います。以上です。

○小杉分科会長 それではもうお一方。

○高橋()委員 申し訳ありません。地方における能力開発担当者の配置について申し上げたいと思います。資料2-1を見ますと、項目としては挙がっていないのですが、文章の中に、「地域の産業における人材ニーズに応じた職業訓練を実施」ですとか、「地域の訓練ニーズの把握」という言葉が散りばめられているのですね。求職者支援制度の発足に伴い、都道府県の労働局に職業能力開発の担当者が置かれたと聞いております。地域ではどのようなニーズがあるのか、その地域における産業のためにどういう訓練をしていけばいいのかということを的確につかむ上でも、より地域に近い所にこの職業能力開発の担当者を配置することについて、検討していったらどうかと思います。

 それと併せて、都道府県の労働局にそういう担当者を配置したということですから、その配置によってどういう変化、効果があったのかということも、今度の分科会でお示ししていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○小杉分科会長 厚生労働省のほうから、今ここで必要なコメントはありますか。次回の分科会でお示しになりますか。

○木塚総務課長 先ほど様々な意見を頂戴いたしましたので、これをしっかり次回で、どういう形か取り入れた形で、また議論の資料等を提示させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○小杉分科会長 委員の方から特にございませんか。それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。次の日程については、改めて事務局から連絡いたします。また、本日の議事録の署名人ですが、労働者側は田口委員、使用者側は大隈委員、よろしくお願いいたします。では、本日はこれにて終了いたします。御協力ありがとうございました。


(了)

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