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2015年10月28日 第5回医療介護総合確保促進会議 議事録

保険局医療介護連携政策課

○日時

平成27年10月28日(水)13時~15時


○場所

全国都市会館(2階 大ホール)


○議題

1.平成26年度地域医療介護総合確保基金(医療分)を活用した事業の実施状況の把握及び事後評価
2.地域医療介護総合確保基金を活用した事業の評価指標
3.平成27年度地域医療介護総合確保基金の交付状況
4.医療と介護の更なる連携の促進に向けて

○議事

○田中座長 定刻となりましたので、ただいまから第5回医療介護総合確保促進会議を開催いたします。

 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 会議に先立ちまして、構成員の交代及び本日の出欠状況について、事務局から報告をお願いします。

 また、前回の会議以降、事務局側にも人事異動がありましたので、あわせて紹介をお願いします。

○城課長 事務局の保険局医療介護連携政策課長の城でございます。よろしくお願いいたします。

 まず、構成員の交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。

 平田直之構成員が御退任されまして、新たに全国社会福祉法人経営者協議会副会長武居敏構成員が就任されております。

○武居構成員 武居でございます。よろしくお願いいたします。

○城課長 それから、花井圭子構成員が御退任されまして、新たに日本労働組合総連合会総合政策局長平川則男構成員が就任されております。

○平川構成員 平川でございます。よろしくお願いいたします。

○城課長 それから、和田明人構成員が御退任されまして、新たに日本歯科医師会副会長山科透構成員が就任されております。

○山科構成員 山科でございます。よろしくお願いいたします。

○城課長 続きまして、構成員の皆様の出欠状況を御報告させていただきます。

 本日は、荒井構成員、大西構成員、永井構成員、樋口構成員、森田座長代理、山本構成員から御欠席との連絡をいただいております。

 それから、荒井構成員の代理として、奈良県医療政策部長の渡邉参考人に御出席をいただいております。

 また、阿部構成員、武久構成員、白川構成員におかれましては、おくれて御参加という御連絡をいただいております。

 次に、事務局の人事異動について、主なものを御紹介いたします。

 医政局長が神田にかわっております。

 それから、大臣官房審議官(医政、精神保健医療、災害対策担当)の審議官が梅田にかわっております。

 それから、大臣官房審議官(老健、障害保健福祉担当)が濱谷にかわっております。

 それから、大臣官房審議官(医療保険担当)の谷内でございます。

 先ほど御紹介しました幹部につきましては、おくれて到着の予定でございます。

 その他、課長以下、今回かなり異動がございましたが、座席表で御確認いただければと思います。

 以上でございます。

○田中座長 ここから議事に入ります。カメラはここで御退室ください。

(カメラ退室)

○田中座長 初めに、事務局より資料の説明をお願いします。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 資料1-1、1-2、続けて御説明をさせていただきます。いずれも平成26年度地域医療介護総合確保基金の関係でございますけれども、医療分について御説明をさせていただきます。

 資料1-1をお開きいただきたいと思います。

 これは、全般的な金額を中心といたしました状況のまとめでございますが、おめくりいただきまして1ページ目、まず交付の決定につきましては、昨年1119日、内示は1017日ということでございます。

 都道府県が平成26年度から実施する事業につきまして、1、2、3と内訳がございますけれども、合計904億円でございまして、実施状況につきまして、都道府県ごとの細かいものにつきましては別の資料がございますけれども、全体をまとめたものといたしまして、1、2、3の内訳をそれぞれ記載してございますけれども、計画時点と執行の額、その割合につきまして、このようにまとめさせていただいております。

 2ページでございますけれども、執行状況、これは基金全体ということでございますけれども、904億円に関しまして措置されたもののうち、26年度に実施する事業につきまして執行率を計算しておりますが、69.5%ということでございます。

 1、2、3と2ページの下半分に表がございますけれども、御案内のとおり、1 病床の機能分化・連携、2 在宅医療の推進、3 医療従事者の確保ということでございますが、参考1、参考2の表にそれぞれ内訳を記載させていただいておりますけれども、このような内訳になっているということでございます。

 続きまして、資料1-2でございます。事業の事後評価というタイトルがついてございます。

 おめくりいただきまして、実施されました事業につきましては、各都道府県、それぞれ評価をまとめまして、1ページ目の表でいきますと、PDCAというPLANDOCHECKACTという形でのサイクルを回すことで、適切な事業実施を計画的に行っていくというのが基本的なコンセプトでありますが、きょう御議論、御審議いただく部分といたしましては、このCHECKに当たる部分でございます。全体的な国としての先ほど見ていただいたような数字も含めました状況と、それから、この後簡単に御説明させていただきますけれども、都道府県における取り組みの状況につきまして、御確認いただく、検討いただくということでございます。

 2ページは御参考までですけれども、総合確保方針、これは既に取りまとめていただいているものでございます。

 おめくりいただきまして、3ページ、4ページは全体的な御紹介でありますけれども、事業の事後評価ということでございます。先ほど簡単に触れましたPDCAの中で、事後評価のプロセスということになります。

 まず、3ページ、現在の状況でございますが、47都道府県、全て実施していただくことになりますけれども、現時点で30都道府県の実施につきまして、まとめてございます。残り17につきましては、年度内に実施予定ということでございます。

 2に重立ったもの、概況をまとめてございますけれども、指摘された内容。事後評価につきまして、特に16の都道府県におきましては審議会等で具体的な指摘が得られているということでございまして、会議体とか構成をざっとまとめてございます。

 主な意見として、これは都道府県、さまざまございますけれども、全体をまとめてございます。順不同でございます。

 細かくは御紹介いたしませんけれども、かいつまんで御説明いたしますと、まず3ページ、一番最初の主な意見ですけれども、同じような意見が後ほども出てまいりますが、数値的な評価と質的な評価をうまく組み合わせることが必要ではないのかということ。連携あるいは対応について、横のつながりを重視すべきではないか。

 それから、2つ目の丸にも書いてございますけれども、定量的な評価をする場合には、意欲的な目標であれば難しい。したがって、達成する数値的な度合いは当然変わってきますので、そういったことを勘案すべきではないか。

 あるいは、既に達成できたことについて、当然引き続きやっていくべきではないか。

 4つ目は、後ほどにも似たようなものが出てまいりますけれども、地域包括ケアシステムをどういった形でつくっていくのかということは、体系的にはかなり難しい面がありますので、事例の蓄積が重要である。

 あるいは、5つ目の丸ですけれども、具体的な回復期リハビリの病床数の増加、あるいは一部の地域ではそういったものが過当競争に入っているといった課題の御指摘がございました。

 4ページ、ざっとまた見ていただければと思いますけれども、数字と質の話が1つ目の丸で触れてございます。

 あるいは、基金を活用するということでございますけれども、当然、ハードの側面でのアプローチと、人材を育成するというアプローチの組み合わせになりますので、そのあたりについての御指摘でございますとか。

 あるいは、4ページの真ん中辺、丸の4つ目でございますが、将来的なつながりを考えて、学生等に関する絡みとか、介護職、医療と介護との関係についての言及もございました。

 それから、真ん中辺から下あたりですけれども、多職種連携に関しまして御指摘があり、一貫した取り組みが必要であるとか、あるいは前後しますけれども、その1つ上ですが、認知症に関する御指摘もいただいております。

 それぞれの都道府県で、取り組み方につきましては地域のバリエーションがもちろんございますけれども、審議会を含めましていろいろな御指摘、御議論、御評価をいただいたということでございます。これが全体像でございます。

 おめくりいただきまして5ページ以降でございますけれども、各都道府県計画全体につきまして、それぞれの都道府県で事後評価を求めておりますけれども、その自治体の事後評価に関します、各県ごとに御紹介しております重立ったものでございます。この詳細につきましては、時間の関係もございますので省略させていただきますけれども、おおむねこういったことが5ページ以降、幾つかの都道府県につきまして御紹介させていただいているということでございます。

 おめくりいただきまして、都道府県の御紹介の後、18ページでございますけれども、26年度事業の実施状況、今度は事業の柱立てに応じまして事業の御紹介を改めていたしてございます。

 上の四角に囲ってございますけれども、各都道府県から提出があった事後評価に関しまして、第4回の資料で御紹介した事業のうち、26年度で開始したものにつきまして抜粋してございます。柱立てごとでございますので、まず1.病床機能の分化・連携につきましてが18ページから19ページにかけて。

20ページから2.居宅等における医療の提供に関する事業で、内訳、2つございまして、20ページから23ページまでが(1)在宅医療の拠点整備に関する主な取組例。

 それから、24ページ、2ポツの2番目でございますが、多職種連携体制の支援に関する主な取組例につきまして、これが28ページまで続きます。

 それから、29ページから3.医療従事者の確保に関する事業、こちらが34ページまで続いてございます。

 それから、施策別ということで、35ページ、認知症施策に関する主な取組例ということで取りまとめてございます。

 甚だ簡単でございますが、資料1-1と1-2につきましては以上でございます。

○城課長 続きまして、資料2について、関連でございますので、引き続いて御説明いたします。資料2をごらんください。地域医療介護総合確保基金を活用した事業の評価指標についてという題でございます。

 1ページをお開きいただきまして、基金事業の評価指標の検討状況についてと書いてあるものでございます。

 ただいま説明がありましたように、初年度でありますので、各都道府県でこの事業については評価していただいて、それを国で通覧するということで今やっておるわけでございますが、この基金事業については、総合確保方針を踏まえて、これを検証するというのが国の役割になっております。こういったところから、各都道府県の事後評価の取組を横串の視点で確認するということが必要だろうということで、それによって基金事業がより効率的かつ効果的に実施されるようにするということを考えております。

 したがいまして、1ページ目の下のほうに(1)、(2)とございますが、基金を活用して実施する事業ごとの評価。それから、医療と介護の連携に関する評価といった視点で、今、この横串の評価指標を設定すべく調査研究を始めているということの御紹介でございます。本日の段階では、どのような検討状況になっているかという御紹介ができるにはまだ至っておりませんが、本年度にこういったものをある程度用意できるようにということで考えております。

 2ページ目には、その概要を記載いたしております。先ほど申し上げたような観点から、国立社会保障・人口問題研究所にお願いして研究班を置いていただいて、そこで検討するということで、27年4月1日から29年3月31日という期間でありますが、進めるということでやっておりますので、あわせて御紹介いたします。

 まず、資料の説明については、以上でございます。

○田中座長 ありがとうございました。

 資料1-1、1-2は報告事項ですが、構成員の皆様の御意見、御質問がありましたら、挙手の上、発言をお願いいたします。

 今村構成員、お願いします。

○今村構成員 ありがとうございました。

 ただいまの資料1-2のCHECKに、都道府県における取り組み、事業ごとの実施状況を把握・点検というのが挙げられていますが、今の御説明のとおり、地域でさまざまな事業が行われており、それを検証する方法もとりあえず地域に委ねるという趣旨だと思っています。しかしながら、基金の事業が、国がヒアリングを行って交付する金額を決定しているということなので、当然、国のほうでも一定程度指標が必要ではないかということで、この資料2にあるような研究を行うということだと思うのですけれども、資料2というのは、研究が3年間で29年3月31日までということで、ずっとこの間も基金が拠出されていくわけです。

 そういう意味で、この検討会と、この補助金事業でやられる研究、これは森田先生が入っておられるので、ある意味共通の理解もあるのだと思うのですけれども、どういう関係になるのか。折々に途中経過でもお示しいただけるようなものなのかどうかというのを、教えていただければと思います。

○田中座長 お答えください。

○城課長 事務局でございます。

29年でございまして、一応2年度間の事業としておりますが、できるだけ速やかに一定の評価指標の目安なりを御用意できれば、年度内を目標にということを考えております。それで、毎年度、基金事業はございますので、それにできるだけ早く活用できるようにということで進めたいと思っております。

○今村構成員 ありがとうございます。

○田中座長 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 資料1-2の26年度に事業の事後評価が書いてありますが、中を読んでみると、例えば地域包括ケア病棟とか訪問看護がふえた、あるいは在宅医療支援診療所がふえたとか、あるのですが、これは今回の事業の成果と、それから診療報酬改定があって、それによってふえている可能性もあります。そのあたりの議論が現場でされているかどうかを、まず1つお聞きしたい。

 もう一つは、数値よりも質ということになっており、これは当然ですが、質と言う事は簡単ですが、質の評価は何らかの指標等が必要ですが、都道府県レベルで質の評価等々の議論まで、現在、踏み込んでいるかどうか、その2点をお聞きしたいと思います。

○田中座長 2つの質問にお答えください。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 御指摘のとおり、今回おまとめしております資料を提出する前段階で、各都道府県でさまざまな検討、あるいは審議会も含めまして議論されていると承知しております。一方で、今、西澤構成員御指摘のとおり、とられておりますさまざまな病床の連携とか機能分化といったことは、基金単一で全てがなし得るというものでもございませんので、その状況は個々にさまざまな施策の組み合わせで行っていく効果が出ているというのは当然でございます。

 ただ、私どものほうで、そこのあたりの分析がどの程度現場ベースで行われているのかというのは、正直申し上げまして、詳細に全て把握できているわけではございませんので、あくまで都道府県で自主的にそういったことも含めて御評価いただくということをまとめる際に行っていただいて、それを私どもとしても受け取っているというのが実態でございます。

 それから、数値目標とともに、特に質的な評価に関します御指摘、あるいは実態としてどういったところまでやっているのかということも含めてだろうと思いますけれども、これは資料1-2で幾つか御紹介させていただきましたけれども、全ての都道府県で質に踏み込んだ議論がしっかりなされているのかどうかということは、現場の状況にもよると思いますけれども、これはここで御指摘いただいていることも含めまして、我々としては単に数字だけを捉えれば、それでいいと理解しておりません。

 当然、数字にあらわれない質的なことも含めまして、先ほどの施策の効果として、どういったことが影響しているのかということを、量的もそうですが、質的にも勘案して御議論いただくことは非常に重要だと思っております。

 以上でございます。

○田中座長 どうぞ。

○西澤構成員 わかりました。

 このような一つの成果を見ると、それがこの事業によるか、あるいは診療報酬改定での影響かという事は大事なので、そのあたりは各医療機関等々に問い合わせをするとわかると思いますので、このような分析、これが、この事業の正確な評価をするためには必要だと思います。

 それから、質の評価はなかなか難しいと思うので、都道府県でどのようにやりますか、と聞くのもありますが、この資料2にあるような事業の評価指標の研究班でそのあたりも考えていただいて、都道府県でそれをもとに実行していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○田中座長 どちらも大切な点の御指摘でした。

 鷲見構成員、どうぞ。

○鷲見構成員 ありがとうございます。

 これは消費税財源でございますので、今のお話に重なりますが、どう使われて、どう効果があるのかということが国民にわかるようにお示しいただければと思います。

 以上です。

○田中座長 平川構成員、お願いします。

○平川構成員 ありがとうございます。

 今の御発言に関連しまして、事業の実施状況、18ページ以降を見てみますと、事業の有効性というところで言うと、例えば北海道などは一連のサービスを地域において確保するための病床の整備が進んだと書いてありますけれども、具体的にどのようなサービスが進んだのかというのは、今不明でありますし、またほかのところにも設備の整備を行っただけの記載があります。

 本来であれば、医療機能の分化のために設備の整備を行うべきなのであって、その結果、病院の機能がどのぐらい進んだのかというところまでしっかり見ていかないと、単純に病院の設備の整備を行いましたということだけでは、意図が違いますので、その辺もしっかりと見えるような内容にしていくべきではないかと考えているところであります。

 あと、資料1-2の3ページから4ページ目のあたりですけれども、計画の作成に当たっては、医療や介護を受ける立場にある者、医療保険者など関係者の意見を反映させるということが総合確保方針に書かれております。都道府県計画をいろいろ見てみますと、保険者から意見聴取したことが明記されている県もあれば、全く記載がない県もありますので、その辺、総合確保方針に基づいて、しっかりと保険者からの意見聴取というのを徹底していく必要があるのかなと考えているところです。

 以上です。

○田中座長 御意見ありがとうございました。

 森構成員、お願いします。

○森構成員 ありがとうございます。

 まず、基金事業の評価指標の検討ですけれども、これについては賛成です。

 1つは、計画を立てて実行しても、きちんと評価しなければ意味がないものになってしまいますし、基金事業をより効率的で効果的にするためには、こういう評価指標というものが必要になってくると思います。

 一方、事業を見てみると、さまざまな事業があって、地域特性があって、かつ目標が数であったり、質であったり、さまざまなことがあります。その評価の仕方が、総括的な評価なのか、形成的な評価なのか、最終的に数を目標にしても形成的な評価としては施策の実行状況で評価する場面もありますので、そこはきちんと都道府県がこの評価指標を使いながら、より的確に判断できるような仕組みにしていただいて、一律に何かということではなくて、実行していっていただくことが、効果的・効率的にこの事業を実施することになるのではないかと思います。

 以上です。

○田中座長 菊池構成員、お願いします。

○菊池構成員 基金事業の評価指標を作成することは非常に重要と思いますので、資料2で御説明のあった調査研究の結果を期待しております。できるだけ早く、この研究成果が活用できるようにしていただければありがたいと思います。

 それで、資料1-2に関連してですけれども、事業の事後評価というのは、各県が基金事業のPDCAサイクルを回すのに、より適切な使い方をする上で重要と思います。県は県で、そういう形で回していくと思うのですけれども、資料1-2の1ページのPDCAの説明では、国における取り組みとして、都道府県に対し、推奨事項、改善を図るべき事項等について必要な助言を行うという国の役割がございます。このことにつきましては、具体的にはどの時点で行われているのでしょうか。また、今回、この事後評価の結果が報告されておりますけれども、この結果を踏まえて、またそういう指導を行うという計画がおありなのでしょうか。

○田中座長 質問に答えていただけますか。吉田審議官、お願いします。

○吉田審議官 医療介護連携担当の審議官でございます。

 先ほど来、今回初めての基金の実施に対してPDCAを回すということについて、さまざまな御意見をいただいております。ありがとうございます。

 率直に申しまして、本来、PDCAですので、入り口において、こうチェックするぞというのを決めてから走るというのもあろうかと思いますが、現実、このプロジェクトにつきましては、まさにきょう、御議論いただいておりますように、基金の実施がある程度行われ、それに対して都道府県レベルでのレビューが行われ、一方で都道府県がどうレビューされたかということを我々自身も教えていただきながら、研究班としての専門家による分析と、都道府県におけるいろいろなやりとりも伺いながら、そして、そういうものをこの促進会議の場に御紹介していただきながら、それの合わせ技で体制を組んでいるというのが、率直に現在のところでございます。

 そういう意味では、先ほど来、きょうお配りした資料の中の書き方で、施設整備と書いてあるけれども、もう少し内容がわからないのか、もっと評価すべきではないかという御意見ももっともだと思いますが、それぞれの都道府県は都道府県レベルで、ホームページでもこの結果について、私どもがまとめさせていただく前の段階で公開しておりますので、そういうレベルでのチェック、あるいはそういうレベルでのレビューというのも、これからいろいろな形で必要かなと思っております。

 その上で、菊池構成員からおっしゃったように、私ども国は、まさに一方でレビューをしながら、そこで評価できるものについて横展開するというのが書かせていただいた基本形でありますけれども、正直、現段階においては、まず集めて、こういう形で横に整理して、こういうものがある。そこについて、それぞれの自治体の皆さん方、あるいはきょうお集まりの皆さん方からの評価をいただきながら、ある程度いいもの、あるいは推奨すべきものを選ぶというのが現在のプロセスでございます。

 ですので、これから評価指標もつくりながら、そして、こういう形で一覧できるような形にさせていただいたものの中から、都道府県にフィードバックし、あるいはいろいろな会議などを通じて、こういうものはどうだろうかという投げかけをさせていただきたいというのが現状でございます。それをもっとエレガントに、あるいはもっとシステマチックにやるべきではないかという御指摘だと思いますので、そこについては内容をこういう形でお諮りし、私どもとしても検討しながら、だんだんとなるべく早くに体制を整えてまいりたいと思っております。

○田中座長 菊池構成員、よろしいですか。今のところ、エレガントでもシステマチックでもないけれども、これからそうしていくという御発言でした。

 加納構成員、どうぞ。

○加納構成員 今回の基金の使われ方で、1つ、公平に、公正にということで、以前もちょっと申していたのですが、公費の使われ方というのは、どういうふうに評価、これで見ていったらよろしいのでしょうか、教えていただけたらと思います。

○田中座長 公正について、お答えください。

 質問を幾つかまとめておとりすることにしましょうか。ほかに。井上構成員、どうぞ。

○井上構成員 ありがとうございます。

 先ほど吉田審議官のほうからもお話ありましたけれども、この評価自体がプログラム評価の手法だと私は思っているのですね。プログラム評価は、ある程度一般化したものの達成度を見るという評価のやり方と、新しいプログラムをつくっていくために評価項目をつくっていくという両方のやり方があるのですけれども、今回は明らかに後者なので、走りながらつくっていくというのはいたし方ないのかなと、まず思っています。

 その上で、2つほど質問というか、お話ししたいことがあります。

 1つは、評価項目をつくっていただくときに、インプットのプロセスとアウトプットとアウトカムというものをきちんとわかるように、私どもに提示していただきたいというのが1つです。

 2つ目が、評価項目を作成していく過程が大変大事だと思っているのですね。最終的には、それぞれの都道府県で評価もしていただくということになりますので、評価者である都道府県が評価できる項目でないと困るというのがあるので、きちんとこの厚生科研の中で都道府県の方々に入っていただきながら、指標をつくっていただきたいというのが2つ目。

 あと、もう一つありました。都道府県で共通して持っていただきたい項目と、それぞれ、都道府県が独自に付加していい項目というものがあると思うのです。そのあたりのフレキシビリティーも持たせていただきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。

○田中座長 評価について、御意見ありがとうございました。構成員ほかに質問、おありですか。阿部構成員、どうぞ。

○阿部構成員 各都道府県の事後評価の結果がずっと出ている資料1-2を拝見しているのですが、数値的に目標とその達成状況を比較してみると、結構乖離があると思うのですが、平均とか全国的な統計で、目標の達成度というのは何かお調べになったのか。はっきり言って、数字は出ているけれども、余りしっかりした数字になっていないところもありますので、そこはぜひ教えてください。

 それから、もう1点質問ですけれども、1-2の3ページの都道府県の事後評価の体制のところの審議会の構成メンバーですが、医療保険者の中に国民健康保険団体連合会等と入っているのですけれども、協会けんぽさんみたいなところも入っているのでしょうか。ここは、実際にどういう人たちが入っているか教えてください。

○田中座長 ほかに質問、おありでしょうか。

 加納構成員と阿部構成員の御質問にお答えください。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 加納構成員の御指摘の点につきましては、今回の資料にはおつけしておりませんけれども、以前、3月6日に26年度に関します集計をさせていただいたときの資料といたしまして、御指摘のような公的あるいは民間機関への交付の大まかな全体増、それから都道府県における数値、シェアのばらつきといいますか、状況につきましてお示ししております。今回の資料については、申しわけございません、つけてございません。

○田中座長 小林構成員。

○小林構成員 今、事後評価における会議体に協会けんぽが入っているのかという御質問がありました。私ども、会議体に9支部入っております。ほかには、意見聴取の対象になっているというのが実態でございます。

 以上です。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 それから、阿部構成員の御質問の中で、前段の全体的な数字、例えば平均とかの数字の分析といいますか、目安となるような数字がないのかという御趣旨の御質問だったと理解しております。

 その点につきましては、今回、この数字をお示ししておる一方で、我々としても、この数字の捉え方についてはいろいろな御意見をいただきました。ただ、阿部構成員が例えばということで、全国平均とか、そういった数字がどのようなものなのかという御指摘もある一方で、都道府県、もっと言いますと、地域によりまして医療の提供体制の状況とか、あるいは取り組むべき事業の内容につきましては、実態にかなり差がございます。ですから、単純に全国一律の数字を参照値につけることは、かえって誤解を招きかねないということで、そういった数字について、私どもとしてはお示しもしておりませんし、そういった形での評価ということはなじまないのかなと考えております。

○田中座長 保険局長、お願いします。

○唐澤保険局長 先生方からたくさん御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 私は、この基金については、この基金が発足するまでの間もたくさん御意見をいただいたのですが、この基金は消費税を財源にしているということは決して忘れてはいけないことだと思っております。これは、今回の引き上げで国も地方も財源をいただいて、新しい医療と介護の基金ができているわけですので、どういう成果を上げて、それをわかりやすく、地域の事情を踏まえながら国民の皆様に御説明するという責務があると思っております。

 そして、その際には、事業を実施する前にあらかじめわかりやすい指標を設定して、その事業を事前と事後で評価していくことが大変重要なことでございますので、さらに厳しい意見を事務局の方にお願いしたい。いろいろ言っていただくのはありがたいことでございますので、よろしくお願いいたします。

○田中座長 相澤構成員、どうぞ。

○相澤構成員 この計画を見ますと、国民にとって何がリターンされるのかというのが、国民から税金を集めてやっているのにもかかわらず、国民にどんなサービスや、どんないいものが返ってくるのかが、いまいち見えないのが現実だと思います。本来は、そういうサービスをするために設備を整えたり、あるいは仕組みをつくるはずで、設備や仕組みをつくるのは、恐らく目的ではなくて、あるものを達成する一つの過程でしかないと思うのですね。

 そうすると、今はそこが少しずれているような気がします。せっかくのこういう国民からの税金を使うわけですから、ぜひ国民にわかりやすい、どんなサービスが自分たちに返ってくるのか、どんなことが自分たちにプラスになるのかということを、ぜひ目標にしていただいてやっていただきたいと思います。どうも今は、僕らの言い方をすると、手段が目的になっていて、手段の目的化が起こっているのではないかと非常に懸念されますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。

○田中座長 ありがとうございました。

 ほかに御意見や厳しい御指摘があればお願いします。

 東構成員、どうぞ。

○東構成員 今、相澤構成員からも国民にわかりやすい基金の使い方をとの主旨のご発言が出ました。それに関連して、実は昨日、三重県のほうの医療介護総合確保会議に出席してまいりました。今日のこの会議の資料には出ておりませんが、医療分の基金で、特定の病院の看護師の宿舎をつくるとか、特定の医療機関のデイケアをつくるということに、この基金が使われている実態が報告されました。これを問いただしたところ、国庫補助事業で決まっていたことを基金(医療分)に振り替えたのだということを聞きまして、びっくりしました。まさしく今、相澤構成員がおっしゃったように、この基金は医療・介護に分かれておりますが、医療と介護に横串を刺すような使い方も必要だと思います。さらに、この基金の使い方の実態を国民が見たときに、何だ、施設の整備に使われているのではないかということでは国民は納得しないと思います。ですので、もう少しきちんと細かいところまで精査して、アイデア豊かな、しかも国民にわかりやすいような基金の使い方になるように、国の方で都道府県に指導していただきたいと御要望申し上げます。

○今村構成員 よろしいですか。

○田中座長 はい。

○今村構成員 後ほど資料3以降のところで申し上げようと思っていたのですが、今、東さんのおっしゃったことはとても大事なことです。何を申し上げたいのかというと、今回の基金の904億円、26年度のうち、約300億程度だったと思いますが、国庫補助事業を基金へ振りかえています。

 その国庫補助事業というのは、そもそもそれが必要なものなので国庫から補助していたわけです。地域にとって必要なものだから、国が税金を使って補助していた事業を、消費税財源に振りかえたということですから、もちろんその国庫補助事業であっても、永続的に必要かどうかは検証しなければなりませんが、あらかじめ予定されていたものについて、この基金を使わざるを得なかったということが私はあると思っております。したがって、それが国庫補助事業で使われたものが基金に振りかわって、基金を使ったからけしからぬということにはならないという御理解をいただきたいと思います。

 それから、26年度の資料1-1の66.8%、当初の計画のうち603億円が執行されて、そのうち419億円が実際に使われた。その中に、そもそももともとの国庫補助事業がどのぐらいあるのか。つまり、当然継続して行われているものと、今回、消費税財源を使って、基金として新たに地域の中で新しい仕組みをつくっていこうというものに使われているものを、明確に切り分けずに、一緒にして執行率が全体で何%と言っても、かなり意味が違うのではないか。基金の金額の中に実は性格の違うものが2つ混じり込んでいるわけで、そこをきちんと分けた上で評価しないと、私は正しく評価できないと思っております。

○田中座長 貴重な御指摘、ありがとうございます。

 森構成員、どうぞ。

○森構成員 ありがとうございます。

 先ほど吉田審議官が言われたことは非常に重要だと思っています。これは確かに走りながら始めたことですけれども、PDCAサイクルがきちんと回るように、計画の段階から進めるべきということが1点。

 あと、確かにこの基金を活用し、事業ごとの実施状況をきちんと評価することは重要なのですけれども、都道府県として、県の全体の計画をきちんと見る必要があり、基金事業だけを見て進めるのではなく、全体を見て、またその上で個々の事業にも修正をかけて進むようにしていっていただければと思います。

 以上です。

○田中座長 資料1、資料2については、一わたりよろしゅうございますか。

 とすると、平成26年度地域医療介護総合確保基金の報告について、私なりの感想を申し上げると、次のようになります。

 都道府県が計画を策定する際に、医師会等、たくさんの関係団体や市町村あるいは大学の有識者など、それなりにかもしれませんが、幅広く意見を聞いて策定していることはわかりました。まだ完成形ではないでしょうが、一応そういう関係者の意見を聞いていることがうかがえました。

 また、事業については、多くの都道府県において、多職種連携での研修事業が行われております。医療介護連携、顔の見える関係が以前より浸透してきたのではないかと、半分期待を込めてですが、思います。

 それから、交付決定が皆さん御存じのように遅かったですね。1119日でした。当然、執行が難しい場面もあったかと想定されます。執行がおくれている都道府県については、国においてもしっかりサポートしていくべきだと感じます。

 最後ですが、事後評価、まだ始まったばかりなので、走りながら考えているところです。当然、県によって取り組みの差が大きいことは、今、皆さん御指摘のとおり、否めません。都道府県は、なるべく定量的な目標を設定するように心がけていただくとともに、国も横串で全国を通底して評価できる仕組みを考えていくようにお願いいたします。などが、まとめと言うと大げさですが、私なりの感想でございます。

 資料1については、よろしゅうございますか。

 次に、3に移ります。説明をお願いします。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 それでは、資料3-1、3-2につきまして御説明させていただきます。いずれも平成27年度、今年度の都道府県計画に係る資料でございまして、まず資料3-1でございますが、平成27年度地域医療介護総合確保基金の交付状況等についてというタイトルになってございます。

 おめくりいただきまして、先ほど資料1のシリーズでお示ししたものの、おおむね27年度版ということになります。交付決定日というところに記載がございますけれども、介護分につきましては8月31日、内示日5月22日でございます。医療分につきましては、内示日7月17日で、1019日に交付を決定しております。これは1回目でございます。先般、2回目につきまして内示を1026日に行いまして、この関係については、参考資料1であわせて配付させていただいておりますけれども、現在、2回目につきまして執行に向けた取り組みをしているところでございます。ですから、この資料につきましては、1回目の医療分についての資料になります。

 1ページ目、真ん中辺にございますけれども、先ほどと同じような形で、今年度実施する事業につきまして、1から5という形で内訳をお示ししております。1が地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業。2が居宅等における医療の提供に関する事業。3が介護施設等の整備に関する事業。4が医療従事者の確保・養成に関する事業。5が介護従事者の確保に関する事業ということになってございます。

 ※印に記載させていただいておりますけれども、経済財政運営と改革の基本方針2015が閣議決定されておりますけれども、ここにおきます記載がございまして、こういったことを踏まえて、2回に分けて配分するという取り組みを行ってございます。

 それから、先ほど加納構成員からも御指摘ございましたけれども、今年度に関します、これは集計した時点でございますけれども、医療分・介護分、それぞれにつきまして、公的機関・民間機関への配分状況につきましては、こういった数字になっております。後ほど簡単に数字はまとめてございます。

 2ページでございますが、医療分に関します1回目の交付額、都道府県別で内訳をお示ししております。

 それから、おめくりいただきまして、それぞれの分野ごとといいますか、内訳をさらにお示ししておりますけれども、3ページが介護分の全体の交付額の一覧でございます。

 それから、4ページは介護分の中で介護施設等の整備に関する内訳。

 それから、5ページは介護従事者確保に関します都道府県の内訳でございます。

 それから、6ページでございますけれども、今度は医療分でございますけれども、事業区分別の交付額の割合につきまして、お示ししております。これは、1回目分ということになりますけれども、1、2、3と内訳を円グラフで記載させていただいております。

 それから、先ほどもちょっと触れましたけれども、都道府県ごとでの内訳、これはシェアになりますけれども、こういった分布状況になってございます。

 7ページは介護分の事業区分別でございまして、介護施設等の整備に関するものと、それから従事者の確保に関する事業。これに関します全体の内訳と、都道府県ごとのシェアに関します都道府県ごとの状況でございます。

 それから、8ページが医療分でございます。これは医療分全体でございますけれども、公的機関・民間機関への全体像が上の円グラフ。

 それから、下の帯グラフが都道府県別のシェアの実態でございます。

 おめくりいただきまして、公的、それから民間への交付額の割合、今度は介護分でございますけれども、9ページでございまして、これは同様なお示しの仕方をしてございます。

 それから、10ページが医療分でございますけれども、公的機関・民間機関への交付額の割合ということで、内容の内訳分でございます。1、2、4という内訳。

 それから、おめくりいただきまして11ページが介護分でございます。

 以上が資料3-1でございまして、引き続きまして資料3-2でございます。これは、先ほど、26年度分につきましても同様なお示しの仕方をしておりますけれども、重立ったものでございます。

 2ページ以降、柱立てごとにまとめてございますけれども、2ページは、1つ目の柱立てということで、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業で、重立った都道府県のものです。

 それから、4ページからが居宅等における医療の提供に関する事業ということでございまして、こちらも同様に重立ったもの。

 それから、6ページからが4番目の柱でございます医療従事者の確保に関する事業ということになります。

 以上が医療分でございまして、介護分は柱立てで3番目、5番目になりますけれども、9ページから、介護施設等の整備に関する事業でございます。

 それから、10ページから12ページにかけましてはサブタイトルがついてございますけれども、5つ目の柱立て、介護従事者の確保に関する事業で、10ページからが基盤整備に関する事業、それから参入促進に関する事業、それが11ページまで続きまして、12ページ、内訳で、資質の向上に関する事業、最後が13ページでございますが、労働環境・処遇の改善に関する事業といった重立ったものにつきまして、柱立てごとにお示ししております。

 資料3-1、3-2については以上でございます。

○田中座長 説明ありがとうございました。

 ただいまの資料3-1平成27年度地域医療介護総合確保基金の交付状況等について、それから資料3-2平成27年度都道府県計画における各種施策の主な取組例について、皆様から御意見を頂戴します。どうぞ、御発言をお願いします。

 東構成員、西澤構成員の順で。

○東構成員 2点、お願いと御報告を申し上げます。

 まず1点目です。資料3-1平成27年度地域医療介護総合確保基金の交付状況等についての1ページ目。介護分の交付状況でございますが、今回、介護施設等の整備に関する事業が634億円、それから介護従事者の確保に関する事業が90億円となっております。しかし、介護分野におきましては、現在、介護人材不足が相当危機的な状況に陥っており、何をしても人が集まらないという状況になっております。そこで、この介護従事者の確保に関する事業に関しましては、当初予算の積み増しをぜひ強く要望したいと考えております。その上で、この介護分の基金の介護施設等の整備に関する事業と介護従事者の確保に関する事業の予算の配分の振り分けについても、一度御再考をお願いしたいというのが1点目でございます。

 次に2点目です。資料3-2平成27年度都道府県計画における各種施策の主な取組例の11ページをご覧ください。三重県における地域の高齢者等就労マッチング支援事業が紹介されております。それにつきまして、私の参考資料4を御紹介させて頂いてもよいでしょうか。

○田中座長 はい。

○東構成員 参考資料4をご覧ください。今、申し上げた地域の高齢者等就労マッチング支援事業について少し詳しく御紹介したいと思い、参考資料をご用意いたしました。

 資料の3ページ目にカラー刷りのチラシがございます。これを見ていただくとおわかりでしょうが、この事業は地域に数多くおられます元気な高齢者の方に、介護助手という業務を担っていただこうという事業でございます。介護助手というのは、次の4ページに簡単にお示ししております。この介護助手ということを少し御説明いたしますと、今回のモデル事業では、この介護助手をAクラス、Bクラス、Cクラスという3つのパターンに分けました。これは、あくまで介護の方を手助けするということでございます。Aクラスは一定程度の研修を受けた方、Bクラスは軽い研修を受けた方、Cクラスは研修を受けていなくとも、いわゆる掃除・洗濯・日常家事で済むような介護の方の手助けをする業務内容に分けました。

また、2ページに介護職員配置もまんじゅう型から富士山型へと記載したものがございます。実はこのモデル事業は、三重県にある67の老人保健施設のうち9施設で実施したものですが、この9つの老人保健施設の現時点での正職員、パート職員、それから今、申し上げた介護助手がどのような比率になっているかを事前に調べグラフにしたものでございます。9つの施設だけでもこのように大きな乖離がございました。介護助手、パート等を効率的に雇用しており、正規の介護職員がそれほど多くなくて済んでいる施設がF施設でございます。それに比べまして、H施設などはほとんどが正職員であり、パートやいわゆる介護助手が少なくなっております。こういう施設は恐らく介護職員が掃除・洗濯等の業務を担っていると思われます。

 簡単に私どものモデル事業を説明いたしましたが、現状報告を申し上げたいと思います。先日第1回目の説明会を開催いたしましたが、私の施設だけで40名の元気高齢者の方が説明会に参加されて、そのうち30名の方が就労したいという御希望がございましたことを御報告しておきます。

 以上でございます。

○田中座長 モデル事業の説明、ありがとうございます。

 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 資料3-1に平成27年度の1回目だけの交付金が書いてありますが、参考資料1で26日の2回目の内示分を書いています。合計の903.7億円を、1回目のときは1、2、3、4、5に分けているのですが、この中の医療関係は1と2と4になりますか、ここでそれぞれトータルでどれだけの金額になったか、教えていただければと思います。

○田中座長 幾つか質問を伺った上で、事務局から。

 小林構成員、お願いします。

○小林構成員 資料3-1、27年度の基金の交付状況を見ますと、26年度の交付状況と比べて、6ページの医療分の第1回目、事業区分別では、1の地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業に係る交付額が大幅に増えており、これは医療機能の分化・連携を促進する観点から望ましいと思います。

 一方、同じく医療機能の分化・連携を促進する観点や、地域包括ケアシステムを推進する観点からは、病床転換に加えて、居宅等における医療の提供体制を整えることも重要であると考えております。この事業については、26年度と比べて全体に占める割合が3分の1程度まで減少しており、28年度の交付額の検討に当たっては、この26年度、27年度の各事業の実施状況といったものを見つつ、それぞれの事業の配分を決めていただきたいと思います。

 以上です。

○田中座長 山科構成員。

○山科構成員 今、小林構成員がおっしゃられたとおりで、特に27年度は、病床機能の分化・連携の区分に特化した形で行われました。26年度は、全体的にある程度バランスがとれていたのですが、27年度については、どちらかというとウエイトが病床機能の分化・連携に置かれました。特に高齢化に向かって地域医療構想を策定していくということは、地域包括ケアを含めた形で、病棟だけでなく、地域で支えるということで、在宅の部分の受け皿が十二分でないと、地域包括ケアシステムは実質的にも動いていかないと思います。ですから、28年度については、そのところを少し含んでいただいて、財源配分を検討していただけたらと思っています。

 特に、資料の26年度分の各都道府県の取組というところで、高齢者が生きがいを持って生活していく上で食べることで、楽しく生活を送るということが重要になってきます。入院という受け皿の重要性は言うまでもありませんが、地域で支えていくという総合的な医療関係者の連携を含めた人材養成・確保も十二分に配慮した予算組みをしていただきたいと、歯科医師会としてはそういうふうに願っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○田中座長 関連して。

○西澤構成員 今、各委員が1回目の額と比率だけで意見を言っていますが、2回目を足すと違う比率だと思いますので、それを発表していただいてから、議論をしたほうがよろしいのではないかと思います。

○田中座長 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 私からは、今回の交付に関して、少し厳しいことを申し上げさせていただきたいと思います。先ほどの資料3-1の中ほどに、6月30日に閣議決定されたメリハリのある配分ということに基づいて、2回の配分に分けるということになったとのご説明ですが、今回、第1回目が7月の中旬、そして第2回目の内示が今月の26日にありました。7月に第1回目の内示というと、申請される方たちは、このような6月30日の閣議決定があったなどということは理解されていないと思います。

 先ほど申し上げたように、基金の中には、従来の国庫補助事業がかなりの部分が含まれていて、この第1回目の内示において、突然、病床の機能分化・連携の事業に重点的にその配分を行うことが行われた結果、本来、同じ対象事業であるはずの在宅医療の推進とか医療従事者の確保の数多くの事業が、対象から外されたことになりました。このことは、47都道府県だけでなく医師会等を含めて、ものすごい混乱になって、今、既に実施している事業に基金がつかなくなるのではないかという大変な危機感が起こりました。結果的には、2回目の配分で、既存の事業にはおおよその基金がついたと理解しております。

 まずは、今後こういった余分な混乱が絶対に起きないように、ぜひとも国のほうでは都道府県あるいは関係団体への事前の説明を十分丁寧に行っていただきたいということと、さらに、内示及び交付の時期についても、都道府県議会の予算案に間に合うように、余裕を持たせた取り組みをしていただくようにしていただきたいと思います。これはお願いでもあります。

 それから、先ほども触れさせていただきましたが、基金の中には、従来の国庫補助事業と新たな事業が一緒に入っているので、それを一緒にして見ると、わからなくなってしまう部分があります。そこで、26年度、そして27年度で、もともとあった国庫補助事業が都道府県ごとにどのぐらいあるのかわかるように、次回から明示していただきたいと思います。

 もう一つは、先ほどからあった在宅医療の充実についてですが、多職種の連携あるいは住民の方からのワンストップのサービスなど、いろいろな窓口機能とかあると思うのですが、それは前回もこの会議で申し上げたように、介護保険の中の地域支援事業の中に位置づけられているものが大部分でありまして、これは今日の参考資料の中に、各市町村が今、どれだけ地域支援事業の中で在宅医療にかかわる部分に取り組まれているかというデータが出ておりますけれども、非常に地域差があって、まだ全然取り組まれていないところもあれば、かなり事業に取り組まれているところもあるということ。

 これをあわせて見ないと、単にこの基金の金額が少ないから、在宅医療の支援が行われていないのかというと、介護保険のほうで実施されているということもあるので、ぜひともそこは事業をここにきちんと提示していただいて、あわせての議論にしていただきたいと思います。

○田中座長 いずれも貴重な御指摘です。ありがとうございました。

 最初の西澤構成員の御質問にお答えください。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 2回目の内示も含めました27年度、全体904億円の内訳でございますが、1番目の地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業、病床機能分化に関する関連が454億円でございます。それから、在宅に係る内容につきましては65億円。それから、医療従事者の確保に関します内訳は385億円です。もう一度繰り返しますと、病床機能分化に係る部分が904億円のうち454億円、在宅に係る部分が65億円、医療従事者確保に関する内訳が385億円。

 以上でございます。

○西澤構成員 わかりました。ありがとうございます。

 1回目が、昨年の実績に比べかなりバランスが悪かったので、2回目で2と4にかなり大きい配分がされるかなと思ったのですが、合計でも2のところが少ないということでは、ほかのが構成員言ったとおりで、私も同じ意見です。

 もう一つは、今回一番多いのは1の地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設または設備の整備に関する事業ですが、資料1-1の2ページ目の26年度の実績を見ますと、参考2のほうがいいと思うのですが、一番多く予算配分されている医療従事者の確保が420億円で、しかも一番実績のパーセントが多いですね。そして、一番上の病床機能の分化・連携は4の4分の1ぐらいの額ですが、計画の割合は少なく、実績はさらに少ないということになっています。

 それで、27年度を見ると、1が圧倒的に額が多いのですが、どうも26年度の事業実績の内容から見るとかなり乖離していると思います。即ち、病床機能分化・連携にかなり多く、医療従事者の確保のほうがすごく減っている。これは、都道府県からの計画等がこのようになっていて、こういう数字になったのか、あるいは都道府県からは26年度と似ているが、何らかの調整でこのようになったのか、そのあたりのことがわかれば教えていただければと思います。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 今、御指摘の数字、各県によってかなり事情が違うと思いますので、一言で全般的な傾向といいますか、数字を申し上げるのはちょっと困難かなと考えております。

○田中座長 西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員 わかりました。

 印象から言うと、26年度で一番実績あるところが、都道府県が事業をやっているところなので、そこが一番多いのが当然だと思いますが、今回、逆転していますが、1の病床機能分化と連携は大事ですが、私たちも現場では、2025年に向けて、まだ迷っている段階で、26年あたりは使う要望が余り多くなかったと思います。北海道を見てもそう多くないです。一番困っているのは医療従事者が少ないということで、その事業が北海道でも一番多いのですね。

 であれば、今回の配分のバランスはどうも悪いので、同じ総額の中で、1、2、3の中でしか使えないというのではなくて、柔軟性を持たせていただいて、都道府県がもっとやりやすいようにしていただくというのも一つの方法だと思います。もしできればということです。

 要望です。

○田中座長 平川構成員、どうぞ。

○平川構成員 今の御意見に関連しまして、執行率がどうなるのかということは懸念されます。前年度の設備の執行率はかなり低い状況でありますので、その辺をしっかりと検証していくとともに、先ほども指摘させていただきましたけれども、執行率を上げんがために、総合確保法の基本的な方針に基づかないような基金の使い方にならないように、しっかり検証していく必要があるのではないかと思っているところです。

○田中座長 武久構成員、どうぞ。

○武久構成員 3-2の1ページ目ですけれども、1、2、4です。この基金は、地域医療介護総合確保基金ですから、すなわち地域包括ケアシステムを推進するために、医療と介護の総合的なサービスや施設がちゃんと整備されるようにというための基金と理解しております。この1番は、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設の整備ということでございますので、このことに関して言いますと、3-1の1から5までの中の3と5に関しての介護施設等の整備のほうにお金が約倍ぐらい行っておりますが、かねてから、この基金は両方足しますと千何百億円という結構な額になります。これは、いずれも消費税で賄われることになっております。

 ところが、消費税が今後8%、10%に上がるにつれて、問題になっております非課税還付の話ですね。これが大きなものは、病院の耐震化、老朽化して建て直しをしないといけない病院がこれからどんどん出てくる。その病院が、消費税がどんどん上がっていって、消費税のためにとは言えませんが、なかなかリニューアルできないということになりますと、翻ってみると、根本的なところの医療と介護の総合確保ができないということへ、また戻ってくるのではないかと思います。

 今、消費税の中で還付するというのは非常に難しいようで、これはちょっと質問ですけれども、この基金を、先ほど東先生が、あるところの整備に使うのはけしからぬ。確かに私はそう思うのですけれども、県によっては足らない病院機能とか足らない介護機能のところへ、整備するのに出しても当然いいわけですけれども、これで例えば建物をリニューアルするための消費税分にこの基金を使うということは、1、2、3、4、5の中で可能なのかどうか。

 それと、1つ根本的なことを言いますと、民間病院は基本的に固定資産税、取得税を延々と払いますけれども、民間でも一部のところは払わなくていい措置があるようです。それから、公立はほとんど払わなくていい。そこで大きな差が出ております。消費税については一緒です。その上、病院などを建てるときに、公立の場合は交付金や補助金が全部出ている。同じような社会資源である民間医療施設も、診療報酬はほとんど一緒ですから、そうなってくると公正な競争状況にないということになります。

 このことにつきまして、固定資産税が免除になれば建築もリニューアルもできると思うのですけれども、なかなか資金がないし、最近の診療報酬の減額等もありますし、介護保険の減額等もあって、なかなか設備投資ができない時期に消費税がどんどん上がっていく。片方で、消費税の一部でこういう基金をやっているというときに、消費税分の基金で補填するということが、この基金の性格上できるのかどうかということを、担当部局にお聞きしたいと思います。

○田中座長 局長、どうですか。

○唐澤保険局長 まず、今の基金は何の財源を充てられているかという問題がありまして、これは10%になったときには医療・介護に充てるのですが、そのうち、今、武久先生の御指摘のあった社会保障4経費、特に医療・介護ですけれども、その消費税のはね返り分。消費税が引き上がったから、仕入れがふえたり、関連経費がふえたり、あるいは薬価が上がったりという経費があるのですけれども、これは社会保障の4経費の増ということで、14兆円上昇したうちの8,000億円を充てることになっています。

 それで、全部合わせまして、0.8兆円以外の充実分につきましては、基礎年金の増の部分とか社会保障の充実分とか後代へのつけ回し分について、残りの財源を充てることになっている。この基金の財源というのは、2兆8,000億円の充実財源から出ているのです。だけれども、原理的にははね返り分はここから出ない。だから、この財源から消費税に充てているものを、今の基金の中から支払うというのは違うということになる。

 ただ、これは消費税の分科会で別途やっていますので、何も決まっているわけではないですけれども、例えばはね返り分から財源を切り出してきて、何か別の基金をつくって、それで払うというのなら、それはまた別の議論です。だから、これは大分レベルの違う議論なのですが、今の財源をそのまま中から切っていったら、それは充実分が減ってしまいますから、私ども、それはおかしいという主張になる。

○武久構成員 局長からありがたいお言葉、出ました。ありがたいか、ありがたくないかは別として、現状の御報告がございましたけれども、特に民間病院の大多数のところは40年ぐらいたつ建物が非常に多いですね。これは、リニューアルしようとしたときに消費税が10%になって、非常に大きな投資をしたときの消費税分が、現実問題として診療報酬ではなかなか返ってこないのです。そのために二の足を踏むということは、結局、地域医療の医療・介護の施設が不十分になるということにつながりかねないと思いまして、建物に対する消費税については、別途いろいろな機会を捉えて検討していただけたらということで、この基金も関連すると思います。

 以上です。ありがとうございました。

○田中座長 西澤構成員。

○西澤構成員 先ほど加納構成員からも発言がありましたが、公と民にということで、3-1の資料の1ページの下に公民の割合、医療分では公が24.6%、民間66.8%となっています。詳しくは8ページがそうだと思いますが、これを見ると、民のほうに多いと思うのですが、公的機関・民的機関の定義をはっきりしないと、病院で言うと、公立病院のほうには少なくて民間病院に多く行っていますよ、みたいに見えてしまいますが、民間機関と言うと何が入るのか、一覧を出してもらいたいと思います。

 そして、例えば医師会とか看護協会等は民間機関に分類されると思いますが、そういうところで医師の養成とか救急とか、あるいは看護師の新人職員の養成などが入っていれば、それは民間に回っていると言っても、実際は公立病院で養成している場合もあるので、これだけを見て民に多いというのは誤解を受けるので、もっときめ細かい資料で、どういう事業が、どのような公的機関が行っているというのを、この次にでも出していただければと思います。

 以上です。

○田中座長 次回の資料提出でよろしいですね。

 鷲見構成員、どうぞ。

○鷲見構成員 先ほどの今村構成員の意見に少し関連するのですが、都道府県の計画の中で、医療分野と介護分野がそれぞれに分割して計画されているようなイメージがあるところがあります。しかしながら、医療と介護というのはリンクしたり、重なり合っているものですので、車軸のようにきちんとしていかないとひずみが生じていってしまうと思われます。

 そこで、関係者に意見を聞くという仕組みになっているわけでございますが、見てみますと、どうしても医療関係者、分断されているように思いますので、どの事業に関してもきちんと各団体、例えばケアマネジャーであるとか、ほかの団体に代表者が入っていたり、意見を聞くという場がきちんと入っていていただきたいと思います。

 以上です。

○田中座長 はい。

○城課長 済みません、先ほど今村構成員から御紹介があった資料の場所を御紹介したいと思います。

 参考資料3というのがお手元に配付されていると思いますが、医療・介護総合確保の推進についてという資料で、これは配付のみということで予定していた資料でございます。これの23ページ、24ページに、先ほど御指摘のあった調査結果速報値が入れられております。

 1ページ戻っていただいて22ページをごらんいただくと、その(ア)から(ク)の事業が何かということを記したものがございます。

 そして、24ページをごらんいただくと、27年8月1日現在の状況として、9月の調査ですけれども、各市町村がその中で幾つ事業を実施しているかということを集計した速報を載せております。

○田中座長 ほかに。今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 ありがとうございました。大変詳細なデータで参考になります。引き続き継続してこのようなデータを提示していただきたいと思います。これを見ますと、平成30年までに全ての事業が100%になるというのは大変だから、努力していただかないといけないと思っています。

 医療計画は県がつくって、介護保険の事業計画は基礎自治体の市町村が行われるということで、県と市町村の関係は、我々で言うと、県医師会と地域の医師会の関係のように、必ずしも指揮命令系統みたいにはなっておりません。なので、相当密接な情報共有や、お互いの立場を理解してやらないといけないと思っております。そこで、市町村がこういう事業をやるに当たって、県のほうでどのように市町村に対して理解いただいて働きかけをしているのか。

 現在、地域包括ケアの構築みたいな話でいろいろなところでシンポジウムがあると、いろいろな立場の方が参加されてきて、例えばある県の行政の方は、県が市町村にこうやってくれと言って、みんな集めて説明しても、そんなに動いてもらえないのです。上から指示したって、現場は理解していただけないので、自分が全部の市町村を回って、一人一人の担当者に御説明して初めて、こういうことがうまくいくのだと。

 私はまさしくそのとおりだと思っておりまして、基礎自治体も今まで在宅医療は対象でなかったため、当然対応できる体制はなかったわけです。そこで、自治体の中でどういうふうに体制整備をされているのか。また県は、どういうふうに新しい体制をつくられているのかというデータがもしあれば、教えていただきたいと思います。

○田中座長 お答えですか。

○西嶋室長 老健局老人保健課でございます。

 先ほど御指摘のことでございますけれども、先月、1026日に都道府県の在宅医療介護連携の担当者を集めまして、この事業についての研修会をさせていただきました。その中では、この事業は市町村を中心としたものですが、市レベルで在宅医療・介護を推進するには、医療で言うと郡市医師会に市側がどのように働きかけるかということが重要だ、複数の市町村の連携を進める必要があるといった議論がありました。

 その際に、県が実質的なサポートをしていかないと、市レベルで、この(ア)から(ク)までの取り組みを進めていくのは難しいだろうということが、市レベルの方からのプレゼンテーションでもありました。その際に具体的に県と市がどういう役割を果たしていくのかということは、いくつかの地域での事例も踏まえながら都道府県担当者で共有させていただきました。今後とも県と市が連携しながらこの事業を進めていくべしということで、事例の御紹介も含めてあったところでございます。

○田中座長 医政局長、お願いします。

○神田医政局長 地域医療構想のガイドラインの中には、今村先生御指摘のようなことが記述されていまして、基本的には今あります在宅医療・介護連携推進事業を市町村が実施するに当たって、都道府県はその支援をすることということも書いてございます。それから、地域医療構想を策定していく上で、市町村単位で訪問看護とか在宅療養支援診療所等が足りないということもあると思いますので、その体制の整備については都道府県が中心となって検討していくことと。したがって、策定の過程で市町村から、先ほどお話があったように十分お話を聞きながら、都道府県がその間を調整していくということが必要だということは、ガイドラインの中でも記載されているところでございます。

○田中座長 遠藤構成員、お願いいたします。

○遠藤構成員 ありがとうございます。

 資料3-2に各種施策の主な取組例というものがあるわけですけれども、質問ですが、ここに書いてある程度の内容ではなくて、より詳細なものが公表されるのか、されているのかということについて、お聞きしたいと思います。と言いますのは、各都道府県、いろいろなことをやらなければいけない。特に地域医療構想に向けてということになりますと、新しい試みもしなければいけなくて、そういう意味では戸惑っておられるところもおありになるのではないかと思うわけであります。

 ここに書いてある程度の内容ですと、具体的なところが全然よくわからないので、アイデアを膨らませるという意味合いで、公表できる範囲のものにおいては、ぜひ公表するべきだと思いますので、そういう視点から御質問させていただいたわけです。

○田中座長 データはあるかという御質問ですが。

○迫井課長 地域医療計画課長でございます。

 今回、参考資料で、2回目の内示につきまして添付させていただいておりますけれども、今後のプロセスの中で、最終的には都道府県が交付決定に至る過程で事業を、ブラッシュアップも含めて、さらに詳細に詰めていく過程がございます。その後、都道府県によって、内容についての、あるいは整理の仕方については、もちろんそれぞれバリエーションはありますけれども、都道府県ベースである程度の内容を少なくとも公表する。ホームページ等を使って収集していただくといったことは、我々としても求めておりますし、そのように対応されると承知しております。

○遠藤構成員 各都道府県が公表するという形で公表されていくということですね。ありがとうございます。

○田中座長 資料3-1、3-2について、差し当たりよろしゅうございますか。

 さまざまな御意見をありがとうございました。本日いただいた御意見の中には、厳しいものもありましたし、参考になるものもたくさんありました。これらを踏まえて、引き続き27年度事業の適正な執行となるように都道府県に指導・助言を続けてくださるよう、国にお願いいたします。

 続いて、資料4の説明をお願いします。

○城課長 医療介護連携政策課長でございます。

 資料4をごらんください。医療と介護の更なる連携の促進に向けてという資料でございます。

 めくっていただきまして1ページ目でございます。これは、ここで中身の御議論をいただくということではなくて、今後の御検討いただきたい事項についての紹介・提案でございます。

 総合確保方針改定に向けて今後の進め方(案)と記載いたしております。この会議にお願いする事項として、基金の配分の関係のお話と、もう一つ、総合確保方針の策定・改定というミッションがございます。そこで、今後の見通しということで、これからこの関係で御議論いただきたいという趣旨でございます。

 先に2ページをごらんください。スケジュール表をお示ししております。

 一番最後というか、右端が平成30年度になっております。ここから第7次医療計画・第7期の介護保険事業計画が始まる時期でございますし、それに合わせて医療・介護の同時改定も予定されております。都道府県におかれては、市町村も関係がありますが、医療計画、介護保険事業(支援)計画を29年度の中で策定していくという形になろうかと、スケジュール的には考えております。そのもとになる基本方針、介護保険事業計画の基本指針というのがあるわけですが、この大もとを束ねる形の総合確保方針というものを定めて、それに基づいて策定していくことになります。

 これを逆算してまいりますと、次の30年度からの計画期間に向けた総合確保方針を29年度の頭にはお示しできることが必要だろうということでございますので、今、27年度の10月の終わりでございますので、この総合確保方針に向けた御議論をそろそろ開始させていただきたいという趣旨でございます。

 戻っていただきまして1ページ目でございます。以上のことが一番上の箱の中に書いてあるわけでございます。平成28年から29年初頭を目途にとりまとめることを目指して御議論を行っていってはどうかということでございます。

 今後、あらあら、こんな方向ということで、下の箱の中にたたき台と書いておりますが、いわゆる団塊の世代が75歳以上になる2025年を見据えた医療介護提供体制を整備していく上で、まず30年度を見据えて取り組んでいくことが必要だということで、例えば地域ごとの地域包括ケアシステムの取組状況については見える化ができないだろうかといったこと。

 それから、実際にそれを進めていくに当たりまして、具体的にどういった事項について医療介護連携を強化していけばいいのかといったことについて、これから御議論いただきたいという趣旨でございます。

 また、めくっていただきまして3ページは将来の姿でございますが、これは省略させていただきます。

 4ページをごらんください。参考として、医療・介護の連携について、これは都道府県のほうでのお取り組みとして組織の見直しということがございましたので、それについて御紹介させていただいている資料です。

26年から27年の医療・介護関係の組織再編を行った都道府県ということでリストアップをさせていただきました。その中で、特に新設の局・部・課で、医療・介護両方の部署を置いているところとして、群馬県、広島県の例がございましたので、次の5ページ、6ページに何かの御参考になればということでございますが、こういった取組が行われているということで御紹介させていただいております。

 5ページが群馬県の事例でございます。医療介護局を新設されて、地域包括ケア推進室も新設して、その中で全体を束ねる形で医務課と介護高齢課がそこにあるという形の再編をされたということでございます。

 それから、6ページ、広島県の取組でございます。これは、現行の健康福祉局の中の体制を医療・介護という切り口で中の所掌も見直しをされて、医療介護計画課、医療介護人材課、地域包括ケア・高齢者支援課、医療介護保険課といった形の再編をされたという事例でございます。これもあわせて御紹介いたしたいという趣旨でございます。

 資料4の御説明は以上でございます。

○田中座長 ありがとうございました。

 ただいま説明のあった資料4を中心に、我々の会議の全体構成に関する御意見でも構いません。皆様から御意見を頂戴します。

 今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 済みません、ありがとうございます。

 今回の地域包括ケアという概念の中で、画期的なものの一つが住まいということが入っていることだと思います。ことしの夏も相変わらず熱中症で何千人の高齢者が救急車で運ばれており、高齢者の住まわれている住環境が余りよくないのではないかと思っていますが、厚労省のお考えになっている住まいというのは、サービス付きの高齢者向け住宅や有料老人ホームといった施設のことをおっしゃっているのか、あるいは普通の一般の在宅の住宅のことまで考えておっしゃっているのかどうかというのを、ちょっと確認したいと思います。

 実は、きょう午前中、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議の重要課題専門調査会懇談会というところに構成員出ておりましたが、そのときに11のアクションプランの一つに地域包括ケアシステムが挙げられておりまして、その他の科学技術のプランとは異質のものとして立てられています。その中でも一部、道路の話。我々からすると道路がどう地域包括ケアと関係あるのかという話ですが、住宅の話も少し出ておりました。厚労省として、こういう住まいのことに関する地域包括ケアの構築に向けて何かお考えがあるのかどうかということを教えていただければと思います。

○田中座長 辺見課長、お願いします。

○辺見課長 地域包括ケアシステムの5つの要素の中の一つとして住まいを位置づけ、図示をするときに住まいが中心に置かれているわけですけれども、この住まいというのは、地域包括ケアの考え方が、高齢者が住みなれた地域において、できる限り暮らしを続けることができるようにという考え方も一つの背景にございますので、ここで取り上げております住まいというのは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの高齢者向けの住まいというのは当然含まれますけれども、それだけではないと考えております。

○今村構成員 その場合、通常の普通に自分で持っておられるおうちの環境ですね。そういったものに対する何か施策みたいなものは、特に考えられていないのでしょうかということです。イギリスなどだと、高齢者の住む住宅というのは、湿度は何%以下、温度は何度以下にしなければならないと、法律で既に規制が入っている状況の中で、日本は、住宅は自分でお金を出して、いいうちに住みたい人はいいうちに住んでくださいという形に、極端なことを言うとなっているわけです。

 そういう意味で、地域包括ケアの中で住宅という概念が入ったことはすごく大事なことだと思っているので、今後、仮に高齢者の住宅にリアルタイムでわかる温度計や湿度計があって、それが介護者に、あるいは医療者にリアルタイムで把握できるような仕組みがあれば、湿度や温度が高くなっていればヘルパーさんや訪問看護師さんが行って住環境を変えてあげるということは、すぐにでもできるわけです。これは私の考えですが、こういう住環境を整えていく施策に、基金が使えるのでしょうかということです。

○田中座長 吉田審議官。

○吉田審議官 この地域包括ケアという概念の取り組みを前に進めるという意味で、貴重な御提案をいただいたと思います。

 先ほど老健局のほうから申し上げましたように、私どもとしては、この住まいを非常に広い意味で受け皿として考えているということではございますが、そこに対してどういう働きかけがあるのかという点について、既存の施策が全くないわけではございませんが、これとこれですと、ここで力強く申し上げるほど、私どもも整理ができておりません。ましてや、それに対する支援も含めて、どういう方法があるかということについて、今の段階できょう、きちんと御説明できるものはございませんが、私どもも中で改めて整理させていただくとともに、いろいろな機会にまた御提言いただければと思います。

○今村構成員 これはお願いです。というのは、地域包括ケアというと国土交通省は道路だと言うわけです。要するに、内閣府の中で各省庁がいろいろなことを考えているけれども、そこが全然連携ができていない。アクションプランで内閣府のほうから厚労省に対して、地域包括ケアの中で総合科学技術・イノベーションと関係する何か提案を要望したときに、出てきた施策が本当に我々現場が考える充実した地域包括ケアの提案になっていない。ですから、ぜひとも他省庁とも密接に連携していただいて、地域包括ケアというものを考えていただきたいということをお願いしたいと思います。

○田中座長 ありがとうございます。

 地域包括ケアの今の3ページの図について、私も座長ではなくて、構成員として一言だけ申し上げることにします。

 図がありまして、右側の介護のほうは改善が必要です。なぜかというと、在宅介護サービスが上に書いてあって、真ん中に生活支援が入っており、下に施設がそれらとは分断されて書いてあるのです。地域包括ケアシステムでは、在宅サービスと施設サービスは本来一体となって、おおむね在宅、時折施設といったあり方を目指す以上、両者の真ん中に生活支援・介護予防が入って、あたかも施設と在宅が遠く離れた存在のように見える書き方ではなくて、両者が一緒になっている図柄が求められます。

 それから、上はサービスと書いてあって、下は施設の名前が書いてある点もおかしい。用語の対比で言うと、在宅サービスと施設サービスならまだ分かります。それを在宅サービスも施設サービスも支えるさまざまな提供主体、例えば老健があり、例えば通所事業所があるなどの事業所名の話と、そこから提供されている機能であるサービスがずれているにもかかわらず並列で書いてあるのです。という意味で、私がもし大学の試験官だったら、この図はまだ合格点を与えられないところでございます。

○唐澤保険局長 先ほど今村先生からお話があったように、医療計画と介護計画といいますか、医療と介護をくっつけるのはすごく難しいのです。それで、都道府県と市町村も自然にはくっつかないので、例えばこの図も見ていただきますと、左側のほうに医療があって、右側のほうに介護があって、真ん中の人に両方から充実したサービスが提供されるような図になっていますが、このこと自体が医療と介護をつけるのは難しいということの証明なのです。だから、医療と介護をどういうふうにつくったら、医療計画、地域医療ビジョンと市町村の介護の計画というのはつながるのかということは、ぜひここで御議論いただきたいと思います。

○田中座長 相澤構成員、お願いします。

○相澤構成員 4病院団体が提案しているのですが、地域の医療を支えていくためには、在宅の方がどうしても入院が必要になる機会が必ずありまして、そのときに入院できる病院というのが必要だろうということで、それを仮称ですが、地域医療介護連携支援病院という名前にして、そういう病院をある一定の地域の中に一定の数をつくっていくことが今後必要ではないかなと考えております。

 なぜそれを考えたかといいますと、入院しているときは多職種が関係するのですが、みんな同じ病院にいるものですから、連携することは非常に簡単なのですね。カンファレンスも簡単にできます。ただ、その人が退院しますとどういうことが起こるかというと、そこのサービスにかかわる人が、設立主体が違う、思いも考えも全然違う方々が集まって、その1人の方を支えなければいけないという非常に大変な問題が起こります。ですから、病院から出ていくときが一番のポイントで、そのときにどう上手に手渡せるかというのが一つの問題だと思います。

 今度は、その退院された方が在宅で暮らしていくときに、在宅でその方を見ていくために、もう一つ、そこでの多職種の協働の場面が必要で、そのときに私たちが感ずるのは、顔を会わせて話す場所というものが非常に大事だと思っています。それを地域包括ケアセンターでしたか、やろうとしているのですが、それがなかなか現実に今、うまくいっていないという問題があります。

 そこをどうするかといったときに重要なのは、そこのコーディネーターというか、ファシリテーターというか、まとめ役を誰にするかということが非常に大事で、それは恐らく行政でもだめですし、医師会の先生は医療のことは非常に詳しいのですが、介護のことがわからない。一体誰がやっていくのかということが決まらない中で、患者さんへのサービスが縦割りに分断されて提供されているというのが現実だと思います。それをいかに統合するといいますか、統括するような形でやっていくのかというのが、恐らく良質なサービスを効率的に提供する一つの手段だと思いまして、その手段をどうつくっていくのかということではないかなと思います。

 ですから、どうしても地域包括ケアで私たちは主張するのですが、在宅におられる方が入院する機会は絶対に出現します。入院した後、本当は在宅から来たのと全く同じ状態で返せればいいのですが、残念ながらそうはいかないのが今、現実としてあります。頑張ってもそうはなりません。そのときにどうしていくかというのが私は非常にポイントで、そうなると、入院をする施設と在宅の医療と、それから在宅での介護というものが、うまくそこでカンファレンスができてやっていく仕組みというのが、これまでいろいろなことをやってきたのですが、これまでのやり方ではうまくいかないので、もう一つ新しいアイデアをそこに出してやっていくということが大事ではないかなと思っております。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございました。

 東構成員、どうぞ。

○東構成員 今、相澤構成員からのご発言を針のむしろの思いで聞いておりました。まさしく私ども老人保健施設がもう少ししっかりしていれば、恐らくそういう医療機関と在宅との架け橋になり得ただろうと思っております。まだまだ力足らずですが、今後とも頑張って、そういう医療機関と在宅の橋渡しをできるような施設になるように努力してまいりたいと思います。

 それを踏まえた上で、医療と介護の連携というものが資料4でも出ております。行政の中に、特に広島県とか群馬県に医療・介護の統合された部署ができているというのは、大変すばらしいことだと思います。行政がそういう努力をしているのですが、医療と介護に携わっている者たちが交わる努力をしているのかというと、なかなかそこが難しいかなと思っております。

 三重県の話ばかり申し上げて申しわけないのですが、昨日の三重県での医療介護総合確保会議の席上でも、介護の関係者から、介護分の基金からなぜ認知症サポート医に関する事業が出ているのだと。これは医療ではないかという意見が出ました。私は、それはそれでいいと思っています。むしろ医療分の基金に介護に関係する事業が余りに少ないのではないか。医療の関係者の方から、基金の介護分ともう少し連携をとるような基金の使い方の提案があってもいいのではないかと思いますし、介護の方も基金の医療分にも御提案申し上げて、医療にも介護の事業が入る、介護分にも医療の事業が入るということが、この基金の中でできて初めて、医療と介護の連携が進んでいくのではないかと思っております。

 以上です。

 

 

○田中座長 今村構成員。

○今村構成員 参考資料3の、先ほどの22232425ページあたりを見ていただきたいのですけれども、まさしく今、相澤先生がおっしゃったような医療と介護の連携をするコーディネーターをつくっていく。その窓口をつくって、住民の相談に乗ってあげる、あるいは医療者・介護者の相談に乗るという仕組みは、この中に書かれていて、介護保険でやらなければいけないということになっているわけですね。

 この25ページを見ていただきますと、先ほど厚労省が苦労して調査していただいた結果を見ると、相澤先生がおっしゃるように、(オ)の在宅医療・介護連携に関する相談支援のところが未実施というのが73%で、一番多い。だから、この御指摘はまさしく的を射ていて、そのとおりだと私も思います。だからこそ、この事業をしっかりと地域でできるようにやっていかなければいけない。

 そのときに、基金でやるのか、地域支援事業の財源でやるのかという整理が地域できちんとできているのかどうかという問題があって、基金でやるとなっても、地域支援事業が優先になっていますから、この事業を地域支援事業でやろうと思ったら基金は出ないわけですね。

 だから、その辺のことを皆さんが本当によくわかっておられるのかどうかということも含めて、情報共有というものを改めてもう一回やっていただきたいと思います。そうでないと、介護保険の地域支援事業は介護保険の地域支援事業で、基金は基金で、とやってしまうと、本当に全体像がわからなくなってしまうのではないかと思って、何度も申し上げているのです。

○田中座長 関係者が情報を共有することが大切ですね。

 阿部構成員、どうぞ。

○阿部構成員 1ページ目の議論していくべき論点(たたき台)の中に見える化できないかとありますけれども、具体的に見える化というのはどういうことを考えておられるのか、果たしてできるのかというのが1点。

 それから、今村先生のお話、相澤先生のお話と共通ですけれども、いわゆる多職種連携の前の情報共有・情報連携について、どういうところが責任を持つことになるのか、誰がやるのかという所在に、何か制度的な担保がされているのでしょうか。

○田中座長 石川構成員から質問を伺ってから、お答えを求めます。

○石川構成員 想定される医療介護の連携は地域によって異なりますので、人口規模、世帯構成、所得水準、医療機関・施設数、医療依存度など、いくつかの観点で切り分け、例えば高齢者数が減少し、医療機関も充実している場合はA地域など、特徴的な要素が見受けられる地域分類にわけ、その地域分類ごとに医療介護連携の強化を検討してはいかがでしょうか。

それから、医療・介護をまじえた多職種での研修については、医療・福祉各領域の言語を共有することが前提にあって、ある程度研修そのものの標準化も必要だと思います。

また、どういった場所でも受けられるよう、その標準化された研修をインターネットで受講するスタイルがあってもよいと思います。

都道府県、市町村の部局連携については、再編している自治体を参考にヒアリングを行うか、例えば1日、月間の業務のなかで、どのようなスケジュールで連携を行う時間をとっているかなど、細かく調べる必要があると思います。

以上です。

○田中座長 先ほどの阿部構成員の質問に答えていただけますか。

○城課長 事務局でございます。

 見える化ということであります。まさに、どのようにすれば見える化できるか。見えないと評価もできない、比較もできないということがございますので、それをどのようにしてやるか。例えば評価指標を設けるということがあるわけですが、それをどういった指標でやるべきかといったこと、どういったものを評価すれば、これが見えるのかといったことについて、まさにお知恵をいただきたい、御議論いただきたいということも含めてということも、ここに記載した趣旨でございます。

 それから、多職種連携の責任者、制度的にということであるとあれかと思いますが、さっきの調査のところにもございましたが、介護保険の地域支援事業、例えば在宅医療・介護連携推進という事業が位置づけられている。それをガイドラインでも記載したということがありますが、関係者それぞれの主体的な参画ということだろうと思っておりますが、特に連携をやる仕事ということを誰の責任ということに置いているということではなかったと思います。

○吉田審議官 地域において連携をどういう形で、誰がリーダーとなってつくっていくかという話と、Aさん、Bさんのサービスを誰が責任を持って調整していくかという意味では、2つあろうかと思います。制度的にという御質問でありますので、後者のほうについて言えば、介護保険を使われている方で言えば、ケアマネジャーの方が医療も含めて全体を見ていただく。もちろん、ケアマネの方が医療との間で調整する、あるいは全体を見るという意味で、どういう状況にあるかということについては、また別途御議論があろうかと思いますけれども、そういう介護保険での仕組みがあろうかと思います。

 専ら医療を受けておられる方に対して、どういう形で、それ以外の生活支援も含めたコーディネーションができるのかというところにつきましては、先ほど相澤構成員もおっしゃいましたように、医療関係者のほうからもいろいろなお取り組みはあろうかと思いますが、それが制度的に責任者という形になっているわけではないと承知しております。

 そういう意味では、制度的に全て解決できるものなのか、先ほどもう一方で申し上げた、それぞれのエリアにおいて、そのエリアのサービスをどういう形でコーディネートしていくかというところについては、地域ごとにリーダーシップをとっていただく方が違うというのも実態であろうかと思います。そのあたりも含めてどう考えていくかというのは、もう一方、阿部構成員からの御質問にありましたように、見える化といいましょうか、どういう形でそこをみんなが横で評価できるかということの指標のとり方も含めて、私どもももう少し御意見をいただきながら整理したいと思います。

○田中座長 西澤構成員、それから山口構成員。

○西澤構成員 今、資料4を見ていて、何かちょっと引っかかっていたのですが、都道府県で医療・介護、両方合わさった部門ができているということですが、実は医療計画は都道府県ですが、介護は介護保険事業(支援)計画ですね。介護保険の計画を実際立てるのは市町村です。ここに市町村と全く書かないで、都道府県の中だけで連携をやっていますといっても、その先の市町村との連携の図がありません。最初の会議で、たしか国・都道府県・市町村、それぞれのつながりを示した図があったと思います。今回も市町村も入れるべきではないでしょうか。

 特に、県で起きているのは、介護の支援計画を立てるけれども、実態は市町村がやっているから口が出せないとか、意外と連携が悪い。市町村では、医療は全部都道府県がやっているので、市町村は私たちは別に考えなくてもいいということで、実は医療では、今、地域医療構想を各医療圏ごとにやっているが、都道府県と市町村との間の温度差があってうまくいっていない面もありますので、ぜひそういうことも含めきちんと書き込んだものをつくっていただいて、議論もしていただければと思います。

 以上です。

○山口構成員 少し戻りますけれども、医療・介護の連携の強化ということで言いますと、先ほどの相澤構成員の御意見に私もとても賛成です。

 先ほど吉田審議官から、介護を受けている場合はケアマネが医療も含めてとおっしゃったのですけれども、現実にそれができているかというと、ケアマネは介護のところにかなり限定されていて、医療もオーバーラップして全体のコーディネーター的な存在というところには、正直、なり得ていないのではないかと思います。

 そういうことから言いますと、医療も介護も含めて、全体の扇のかなめになれるようなコーディネーター的な存在がなければ、安心して医療・介護を切れ目なく連携して受けるということが、利用者の立場から言いますと、これはなかなか進んでいかないのではないかと思いますので、ぜひコーディネーター的な役割を誰がどのようにするのかというところを考えていく必要があるのではないかと思います。

○田中座長 井上構成員、どうぞ。

○井上構成員 ありがとうございます。

 今の資料4の一番後ろに広島県の事例を出していただいていますけれども、私もこれはとても大事なことだと思っています。最終的に組織図をどういうふうに変えていくかということが極めて重要で、それとあわせて、これは今、都道府県のものを出していただいていますけれども、市町村レベルでこういうことがきちんと行われているのかということを調べていただきたいというのが1点と。

 先ほど西澤構成員がお話ししてくださったように、都道府県と市町村の中でそれをやろうという意欲が出始めているのかというのが、もう一つ調べていただきたいということ。先ほど今村構成員から住まいのお話が出ましたけれども、特に市町村の場合は住宅部局との人事交流なども始まっていますので、そちらの事例などもあれば、ぜひ出していただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○田中座長 今村構成員。

○今村構成員 コーディネーターに関しては、本当に大事な役割だと思っておりますけれども、誰がという職種に限定する必要は私はないと思っていて、それぞれの患者さんの周りにいる方たちの中で、おのずとこの方がという方がいればいいと思っていて、コーディネーターの機能、何をコーディネーターとして働いていただけるのかという機能を明らかにすることが大事だと思っております。

 日本医師会では、文部科学省の中核的人材養成のための委託費をいただいて、今、医師会でも看護師さんを初めとして、コーディネーター機能を担っていただくためのプログラムというか、カリキュラムをつくっているところです。ぜひとも厚労省で、例えばこういう機能を持っている人がコーディネーター役を担ってくださいというものを出していただいて、それをどなたがやっていただいても私はいいのではないか。職種を決めるということは、余りしないほうがいいのではないかなと思っています。

○田中座長 では、そろそろ時間です。最後、鷲見構成員、お願いします。

○鷲見構成員 ありがとうございます。

 私も今の機能というところに注目することのほうが重要だと思っています。と言いますのは、新たな人材育成をしても、最初に局長のほうからお話があったように、ここをつなげることの難しさというのは、1人の人材で必ずなし得るものではないと思います。ですから、今ある職種の中で機能を強化するような事業を、この基金を使ってきちんとしていく。そうなりますと、地方というか、地域になりますので、地域の中で重ねてやっていく。ともに汗をかくようなつくり上げ方をしていただきたいと思っています。

 以上です。

○田中座長 まだ御意見あるかもしれませんが、そろそろ終了時刻となりますので、本日はここまでといたします。貴重な御意見をありがとうございました。

 では、事務局から次回の会議についての説明をお願いします。

○城課長 事務局でございます。

 次回の会議につきましては、平成27年度の基金全体の交付決定の状況、総合確保方針の改定に向けた議論等々、本日いただいた御意見も踏まえて整理いたしまして、改めて開催させていただきたいと考えております。日程など、詳細につきましては追って御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○田中座長 以上をもちまして、第5回医療介護総合確保促進会議を終了いたします。活発な御意見、ありがとうございました。

 


(了)

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