ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会)> 第五回特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会議事録(2015年10月20日)




2015年10月20日 第五回特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会議事録

年金局事業管理課

○日時

平成27年10月20日(火)13:30~14:40


○場所

厚生労働省17階専用第21会議室


○出席者

喜田村委員長、片桐委員、白石委員、高橋委員、嵩委員、柳委員、山口委員

○議題

(1)承認基準(省令案)について
(2)事務の取扱いについて
(3)その他

○議事

○高橋事業管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第5回「特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、委員の出欠状況の御報告でございます。全員出席をいただいております。

 それから、事務局のほうで前回の委員会より人事異動がございました。

 福本厚生労働省大臣官房年金管理審議官でございます。

 

○福本年金管理審議官 よろしくお願いします。

 

○高橋事業管理課長 私は、年金局事業管理課長の高橋でございます。よろしくお願いいたします。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。

 クリップをお外しいただきまして、資料1「国民年金法施行規則の一部を改正する省令の概要(案)」。

 資料2-1、横紙で「事務の取扱いについて」。

 資料2-2「特定事由に係る申出等の事務の取扱について(案)」。

 それから、資料3「標準処理期間について」。

 それから、参照条文で参考資料1をつけさせていただきます。

 資料の落ちや抜け等ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、議事進行につきましては、喜田村委員長にお願いいたしたいと存じますが、カメラの方はここで退室をお願いいたします。

 

○喜田村委員長 それでは、議事次第に従って議事を進めていきたいと思います。

 今回は、私どもの委員会の本丸というかな、一番大事なことであります承認基準(省令案)というものの御審議をいただきますので、活発な御議論をいただければと思います。

 それでは、議事次第に従いまして、「(1)承認基準(省令案)について」を御審議いただきます。

 それでは、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 それでは、資料1「国民年金法施行規則の一部を改正する省令の概要(案)」について御説明申し上げます。

 特定事由に係る申出等の承認基準を定めるため、国民年金法施行規則の一部を改正し、以下の事項を定める規定を新設したいと考えています。

 1ポツの承認の基準の規定案については、

 「被保険者又は被保険者であった者による附則第9条の4の7第1項に規定する申出、第9条の4の9第1項に規定する申出、第9条の」。済みません、ここはタイプミスがございまして、「第9条の10」と書いてありますが、「第9条の4の10第1項に規定する申出」でございます。その後、「及び」以下、こちらも「第9条の4の10第1項に規定する申出に係る承認の基準」ですが、「当該特定事由に係る申出等に係る事実が社会通念に照らして不合理でなく、疎明されたと認められることとする」としてはどうかということでございます。

 疎明につきましては、「一応確からしいという推測を得させる程度の挙証」とされています。

 マル2としまして、疎明の認定につきましては、「機構は、次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。ただし、周辺事情、これは申出等に理由があると認める判断に資する事情のことを指しますが、それが存在するときは、この周辺事情も勘案して認定するものとする。」

 一号としまして、特定事由に係る事実について、申出者から提出された資料、機構等が保有する資料、は国民年金原簿により確認できる場合。

 二号といたしまして、前号に掲げる場合のほか、特定事由に係る事実について関連資料、すなわち特定事由に係る申出等に係る事実があったことを推測するに足りる資料が存在し、かつ機構において当該関連資料に反する事実を明らかにすることができない場合。

 このいずれかに該当する場合。

 2ポツにおきましては、「機構による関連資料の収集等」ということでございまして、機構は、疎明の認定に際しましては、関連資料であって機構等が保有すると思料されるものを積極的に収集するよう努める。あわせまして、被保険者等が適切に特定事由に係る申出等を行うことができるよう、被保険者等に対し助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。

 これまで第4回にわたるこの専門委員会の御議論を踏まえて、このような内容の省令案を定めさせていただきたいと考えてございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 ただいま御説明いただきましたけれども、これにつきまして、御質問あるいは御意見等ございましたら、頂戴いたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。山口さん。

 

○山口委員 今、御説明をいただきました2のほう、「機構による関連資料の収集等」という見出しで、機構の努力義務について規定されています。委託業者であるとか、機構の内部的な処理に係るものについては、機構の努力義務の範囲ということになると思いますが、例えば市町村の場合というのはどういう位置関係になるのかということをお伺いしたいと思います。

 市町村の場合は、市町村によって体制が違ったり、対応にばらつきが出る可能性が考えられるかと思いますので、そのあたりの対応にばらつきが出ないことを担保するためにはどうしたらいいかということを考えるのですけれども、そのあたりのところをお伺いできればと思います。

 以上です。

 

○喜田村委員長 今の点、事務局、お願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 関連資料の収集等につきましてですが、この資料にもございますように、主語は「機構は」となっていまして、機構は、「機構等が保有すると思料されるもの」、この「等」の中に市町村も含まれてございますけれども、市町村が保有すると思料されるものも機構が積極的に収集するよう努めるという内容でございます。したがいまして、機構のほうで市町村に対して、市町村が保有していると思われる資料につきましては、こういうものがないかどうかということに対して協力依頼を求めていくということでございます。今、委員の御指摘は、市町村によって資料の保管状況、ばらつきがあるのではないかということでございますが、市町村によって、その保管期限が定まっていると思いますが、その保管期限内におさまっているものはもちろん探していただくようお願いするとともに、保管期限を過ぎてももし残っているものがあれば、そういうものもあわせて御提出をお願いしたいということを依頼していくということになろうかと存じます。

 

○喜田村委員長 ここに書かれておりますように、「機構は」で始まっておりますので、機構が積極的にやっていただき、なおかつ市町村等についてもお問い合わせなどをやっていただけるものというふうに考えております。

 ほかに御意見等、何かございますでしょうか。嵩さん。

 

○嵩委員 先日御説明いただいたときの資料と照らすと、1のマル1が、先日は一号、二号という形でなっていたのですが、きょうは一文で書かれていまして、これは、疎明されるということは、当然不合理でないということも含まれている、そういう意味で一文にされたということでしょうか。

 

○高橋事業管理課長 おっしゃるとおりでございます。社会通念に照らして不合理でなく、疎明されたというものが一つのものとして書いてございます。

 

○喜田村委員長 ほかにございましょうか。

 これは形式的なことですが、で「疎明」の説明が書いてありますが、これは省令案の中には入らないということですね。

 

○高橋事業管理課長 失礼いたしました。そのとおりでございます。きょうの資料の中には書いていますが、省令の条文には※の説明は記載いたしません。

 

○喜田村委員長 どこかほかのところで説明とか、中でこの「疎明」というのはどういうことなのだということをつくるのでしょうか。それとももう大体おわかりになるということなのかな。

 

○高橋事業管理課長 前例でも「疎明」という文言を使った法令はございまして、これでおわかりになるのではないかと思いますが、ただ、具体的に「一応確からしい」という認定の基準につきましては、この後、御説明する事務運用の取り扱いのほうで具体事例に照らして御説明いたしたいと思います。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 今まで何回かやってまいりました中での御意見をまとめてこういうふうに書いていただいたものと承知しておりますけれども、ほかの委員の先生方、御質問あるいは御意見等ございますでしょうか。では、高橋さん。

 

○高橋委員 先ほど山口先生からお話がございました市町村でばらつきがあるのではないかということですが、確かに文書の保存年限の関係がございます。例えば受付処理簿の関係ですと、全国一律、恐らく3年という形になっていようかと思いますが、例えばその事案に対する報告書ですとか顛末書といったものについては、やはりばらつきがあろうと思います。

 先ほど高橋課長から「機構は」ということでお話ございましたが、恐らく公文書でもって照会という形になろうかと思います。当然各自治体もあるを尽くして調べるという形にはなろうと思いますが、やはり報告、顛末書については、どうしてもばらつきが出てしまうのかなというところは考えているところでございます。

 以上です。

 

○喜田村委員長 実務に従った御意見、ありがとうございました。

 ほかに御意見等、あるいは御質問等でも結構ですけれども、いかがでございましょうか。嵩さん。

 

○嵩委員 今の関係ですが、機構が、機構内部だといいのだと思いますが、それ以外の機関にも資料があれば出してくれと言うのですけれども、それ以外の機関は、それを提出する義務というか、それに対して回答する義務とか、そういうのは特になく、協力をお願いするという程度になるのでしょうか。

 

○喜田村委員長 いかがでしょうか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 協力要請の域を超えないと思っておりますが、やはり被保険者または被保険者であった方の権利を救済するということをよくよくお伝えさせていただいて、できる限りの協力をお願いしたいと思っております。

 

○喜田村委員長 何か共助に関するような規定とかあるのですか。そういうものは特になくてということでしょうか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 市町村とかですと、国民年金法上、資格関係の照会ができる、調査のできるものはあるのですが、それ以外の例えば金融機関に対してとか、今、手元に条文を持っていないので確かなことは申し上げられないのですけれども、そこまではなかったというふうに記憶をしております。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 どうぞ。

 

○嵩委員 これとは関係ないところですけれども、行政側が金融機関に例えば所得というか、いろいろ照会をしたときに、個人情報ですのでとか言って渋られる局面があるようですが、そういう懸念というのはあるのでしょうか。それに対する対策とか、そういうのはあるのでしょうか。

 

○喜田村委員長 いかがでしょうか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 おっしゃるとおり、今、個人情報保護がかなり厳しくなってきておりまして、それぞれの団体、金融機関等も含めて、いわゆるポリシーというのを持っておりますので、それにのっとっての対応になろうかと思います。そういう中で、先ほど申し上げましたとおり、今回の我々の趣旨をきっちり伝えさせていただくのと、状況によりましては、基本的に申出者の情報でございますので、申出者の方が同意をしているとか、これから具体的な事務については詰める必要があるかと思いますけれども、なるべく協力をいただけるような手法はないのかということをいろいろ検討してまいりたいと思っております。

 

○喜田村委員長 ぜひそのあたりも今後よろしくお願いをいたしたいと思います。

 ほかに何かございましょうか。

 大変よくできた案なので、余り委員の方からの御質疑もないようですけれども。

 そういたしますと、承認基準の省令案の概要につきましては、資料1で記載されておりますけれども、事務局からの案で当委員会としても了承するということでよろしゅうございましょうか。

 

○喜田村委員長 では、全員御承認をいただけるということですので、省令の概要につきましては、資料1のとおり、当委員会においても承認をさせていただくということでお願いいたします。

 その次が事務の取り扱いということになるのでしょうか。

 

○高橋事業管理課長 まず、この省令案の今後の手続について御説明をさせていただきます。

 

○喜田村委員長 そうですね。よろしくお願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 ただいま、御了承いただきました省令案でございますけれども、今後の手続につきましては、パブリックコメントをこれから約1カ月ほど行いまして、そのパブリックコメントで出てきたコメント及びそれに対する回答につきまして、次回のこの専門委員会において御報告いたしまして、その上で、社会保障審議会事業管理部会への諮問・答申という手続とさせていただきたいと存じております。

 

○喜田村委員長 パブコメのはどこに出るのですか。具体的に。

 

○高橋事業管理課長 ホームページです。

 

○喜田村委員長 厚労省のホームページということですね。

 

○高橋事業管理課長 厚労省のホームページでございます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 今後はそういったことで、皆さんからの御意見を頂戴した後、正式の手続に移っていくということになろうかと思います。

 

○高橋事業管理課長 済みません。少し訂正させていただきます。先ほど厚労省のホームページと言いましたが、政府全体のeカバメント、e-Govという電子政府のサイトがございまして、これは各省庁のパブリックコメントを全部見られるサイトでございまして、そちらのほうに掲載させていただきます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 今後の流れは、今、事務局から御説明いただいたとおりということでございます。

 それでは、議事の「(2)事務の取扱いについて」につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 それでは、資料2-1及び資料2-2について御説明を申し上げます。まず、資料2-1「事務の取扱いについて」でございますけれども、先ほどの省令案を公布した際に、以下の内容についての事務取扱通知を年金機構及び地方厚生局宛てに発出したいと考えております。

 内容につきましては、まず1番目に今回の特定事由に係る申出等の制度の趣旨・概要ですが、これは後ほど資料2-2で御説明申し上げます。

 2としまして、これは法律で特定手続を政令で定めるというふうにされてございまして、国民年金法等に規定する諸手続を政令で定める予定となってございます。これにつきましてもこの事務取扱通知の中に記載していきたいと考えております。

 3としまして、申出受付から通知書送付までの事務の流れ。これにつきましては、受付の際には、申出者に対しまして、本制度の趣旨、手続の流れ、提出物の例、不服申立の手続等を丁寧に説明する等の助言、必要な援助を行うよう努める旨を記載していきたいと考えております。

 4で申出等の承認基準の具体的運用についてということで、具体事例を踏まえた運用の取り扱いについて示したいと考えております。

 5が申出書の様式。

 6が承認決定通知書・不承認決定通知書の様式でございますけれども、これは御意見を踏まえまして、不承認の決定通知書には、申出者の方に不承認の理由をわかりやすい言葉で記載するよう努めたいと思っております。

 7が標準処理期間については、資料3で御説明を申し上げます。

 それでは、続きまして、資料2-2「特定事由に係る申出等の事務取扱について」でございます。

 おめくりいただきまして、1ページ目には一般的事項といたしまして、まず1ポツに「趣旨」を書いてございます。今回のこの制度というのは、申出の受理及びその承認を委任された日本年金機構において承認事務を適正かつ迅速に行えるようにすることを目的とする。

 2ポツ「基本方針」でございますけれども、この申出等の制度が、「社会保障審議会日本年金機構評価部会年金記録問題に関する特別委員会」において、事務処理誤り等の事由により国民年金保険料の納付の機会を逸失した場合等について、法的措置による救済の必要性が指摘されたことを受けて創設された制度であることを踏まえて、以下の3つの方針を記載したいと考えております。

 1つ目が「関連資料・周辺事情の積極的な収集」。先ほども御議論いただきました。周辺事情につきましては、特定事由に係る申出等に理由があると認める判断に資する事情についても、積極的に調査・収集を行うよう努める。

 2ポツ「判断の基準」につきましては、省令案の内容を掲げてございます。

 3ポツ「公平かつ公正な承認決定等」ということでございます。また書きで、機構は承認・不承認の決定状況等につきまして、定期的に年金局に報告を行うように求めていきたいと考えております。

 2ページ目に参りまして、「承認の決定等の考え方」でございますが、11ページで掲げてございます「認定の基準」、それから「申出の対象」に基づきまして、理由があると判断できる場合に承認の決定を行うものとしたいと考えております。

 なお書きで書いてありますが、これもこれまでの委員会で委員から誤指摘がありましたが、今回の制度につきましては、訴訟によらずに簡易な手続で救済の道を開くことを目的として設けられた制度であるということで、不服申立、訴訟における手続とは制度の趣旨、証拠の収集方法、事実の認定基準等を異にしているということでございまして、本制度において申出の承認決定がされたことをもって、訴訟等の手続において、事務処理誤りの事実の証明、賠償責任等が認められるものではないということを記載したいと考えてございます。

 「4 本制度の対象とならない手続」。ここは年金記録訂正請求手続との関係を記載してございます。

 まず、今回の本制度は、特定事由によりまして、国民年金法上の手続を行うことができなくなった場合、または遅滞した場合の特例でございます。

 他方で、記録訂正請求手続のほうは、本人が納付した、あるいは申請したにもかかわらず、記録が異なっている場合ということで、特定事由の申出の制度の対象となることは通常は想定されないと考えております。

 また、本制度につきましては、これまでの事務局の説明もありましたが、年金の受給権や受給額に影響しない場合の手続を対象としてございまして、※印のような事例につきましては、年金の受給権、受給額に影響しない場合ということで考えられますので、対象とならない。具体的には、特定事由により前納制度による割引後の額での納付ができなかったが、通常の保険料額での納付はできた場合。それから、特定事由により追納申し込みの時期がおくれたため、追納額が高くなった場合等。これらのケースにつきましては、年金の受給権、受給額には影響しない場合に該当するということで考えております。

 続きまして、3ページをお願いいたします。

 特定事由に係る申出の対象の範囲でございます。まず、1ポツで「特定事由の行為主体」。これは国民年金制度の事務処理を担当する全ての機関等を特定事由の行為主体とすると考えてございます。

 具体的には、マル1厚生労働省、日本年金機構。マル1旧厚生省、旧社会保険庁。マル2市区町村。マル3委託業者等。マル4収納機関等。

 それから、印の下のほうでございますけれども、ファイナンシャルプランナー、弁護士、社会保険労務士等の方々につきましては、国民年金制度の事務処理を担当している者ではないため、特定事由の行為主体にはならないと考えております。

 続きまして、2のほうで行為類型を聞くものを4つに分けてございます。

 マル1処理誤り。誤った処理が行われた。

 マル2処理漏れ。届け書の処理を行っていない。

 マル3説明誤り。誤った説明を行った。

 マル4説明漏れ。本来説明すべき事項について必要な説明を行わなかった。ただし、不親切にとどまるものは説明漏れに含めないというのがこれまでの御議論だったと承知しております。

 さらに、「(2)行為類型の具体例」といたしまして、この4類型につきまして、具体例を記載しております。以下にした記載した具体例に該当する、または類似する場合に特定事由に該当すると考えております。

 マル1の処理誤り。これもこれまでの委員会にお示しした資料のものをまた繰り返してございますが、一つ例示しますと、例えばウのところでございますけれども、法定免除の要件を職員が誤って認識して、法定免除の処理をした。その後、法定免除ではないということが判明し、法定免除を取り消した。しかし、この取り消した時点においては、既に時効を迎えた期間がありまして、当該期間については、時効完成により保険料納付、または免除等の申請ができなかった事例。こういうものが処理誤りの例の一つかと存じます。

 続きまして、5ページ、マル2の処理漏れでございます。処理漏れの事例を一つ申し上げますと、ウでございますが、納付書発行の処理をすべきであったにもかかわらず、処理しなかった、あるいは処理がおくれた。被保険者の方から年金事務所に問い合わせを行った際に処理しなかった、処理がおくれていることが判明したが、これも時効により一部の保険料を納付できなかった。こういう事例が処理漏れに当たるということで掲げてさせていただいています。

 マル3、6ページに参りまして、説明誤りも幾つか事例、これまでも掲げさせていただいております。

 1枚おめくりいただきまして、7ページ、ウのところを御説明いたしますと、これは被保険者の方が会社を退職して、厚生年金から国民年金に加入する際に、退職した証明書を添付して年金事務所へ免除申請書を提出した。年金事務所のほうでは、全額免除が承認された場合は、翌年度の免除について継続して日本年金機構で審査を行うから、本人の手続が不要であること、納付書が届いても納付しないようにという説明を行ったという事例でございます。

 ただ、これは、失業による免除、特例免除の申請で全額免除が認められている場合につきましては、継続ではなくて、翌年度に改めて本人の申請が本来必要となってございます。被保険者の方に対して年金事務所から特別催告状が送付されたということで、問い合わせをいただきまして、日本年金機構において免除の審査を行っていなかったということで、改めて免除の申請が必要であったという説明を受けたということでございますけれども、これも時効がありまして、特例免除の申請が受けられなくなった、できなくなったという事例でございます。

 それから、マル4の説明漏れ。9ページをお願いいたします。イの事例を御紹介したいと思います。66歳の被保険者の方でございますけれども、年金相談を行った際に、25年の受給資格期間に2カ月間不足していることがわかり、受給権を満たしていないという説明を受けた。年金事務所のほうでは、年金を受給するためには特例高齢任意加入を申し出ていただいて、2カ月間納付するようにという説明を行いました。被保険者は、この説明どおりに特例高齢任意加入の申出を行い、2カ月分の国民年金保険料を納付したという事例でございますが、この方につきましては、60歳以前の過去10年以内の間に未加入期間があったということでございまして、これにつきましては、特例高齢任意加入だけではなくて、後納保険料を申し込み納付すれば、1カ月後に受給権が発生していたというものでございまして、特例高齢任意加入を選択したことにより、受給権の発生が2カ月おくれたという事例でございます。

 こちらのほうにつきましては、下の※で書いてございますが、被保険者が納付方法の選択肢について説明を求めたにもかかわらず、一方の制度しか説明しなかった場合として、特定事由に該当するという事例でございます。

 これが4類型の事例でございます。

 これまでこの委員会で事務局からいろいろこういう事例を御紹介させていただきましたが、また、この制度が実際に運用施行された際には、ここに書いていないような事例が出てきた場合には、その都度情報を共有して、判断基準を統一していきたいと考えてございます。

 続きまして、11ページでございます。認定の基準、申出内容については、以下に基づいて認定することとしたいと考えてございます。「1 資料について (1)行政側が持ち得る資料」ということでございます。機構は、以下のように、当該資料が保存されていると考えられる場合には、必ず存在の有無を調査し、収集を行うように努めるとしてございます。

 具体的な資料の例でございますが、顛末書等の事故報告等、届書・申請書等、年金相談・手続受付票等々ということでございます。

 その下ので書いてございますのは、機構は当時の担当職員に聴取を行う等、必要に応じて積極的に収集を行うよう努めるということでございます。

 「(2)申出者が持ち得る関連資料」でございます。届書・申請書等控え、相談票等々。マル6で御本人の当時のメモ。これにつきましても関連資料になり得るものとして示してございます。

12ページへ参りまして、「(1)(2)以外の資料について」ということでございます。申出者が第三者の証言や物を資料として提出してきた場合の取り扱いでございます。前回も第三者の証言の範囲について御意見ございましたけれども、今回事務局としましては、その内容や申出者と第三者との関係などから推測して、虚偽とは認められない、他の資料などと整合性がある、証言の場合、根拠等を含む具体的なものかどうか、こういう条件を総合的に勘案しまして関連資料として持ち得ることができるとしてはどうかというふうに事務局として考えてございます。

 「(4)資料の真正性について」でございます。申出者の方から提出される資料につきましては、真正なものかどうかを確認する手続を定めたいと考えております。

 例としまして、加筆修正の形跡など、明らかに当時に作成されたものと認められない事由がないこと。外見が経年劣化している、当時のチラシ等に記載されている等メモが記載された紙が当時のものと認められること。こういうことで真正なものであるかどうかの確認を求めたいと思ってございます。

 「2 認定の考え方」。認定の基準につきましては、これまでの御説明のとおりでございます。

 (2)の周辺事情につきましては、周辺事情のみで認定をすることはできないこととしますが、資料とあわせて、判断するための要素として勘案することはできるということで、例といたしまして、申請者が特定事由によって納付、申請等をすることができなくなったと主張している期間以外の、その前後の保険料は納付または申請等がされている。あるいは申出者の方が口座振替で付加保険料が引き落とされなくなったと御主張されている月から一定期間後に、再度付加保険料の納付の申し込みがあった。その結果、未納期間がない。こういうことは周辺事情として勘案してはどうかということでございます。

 続きまして、13ページ「(3)認定基準に該当しない場合」ということで掲げてございます。マル1申出者の申出内容と機構が収集した資料、周辺事情に矛盾がある場合。

 マル2申出者の方が特定事由があったと御主張される時期に、制度的に納付、または申請等ができなかったようなケース。

 マル3申出内容が、時期や場所を全く覚えていないなど具体性に欠ける場合。

 マル4資料が一切存在せず、申出者が申出に理由があると御主張されているだけの場合。

 こういう場合には一応確からしいという判断はしないこととしてはどうかと考えてございます。

14ページ「参考」。最後でございますけれども、いろいろ事例等、認定の例をそれぞれ対応させて書いてございます。

 上からの2つ目の箱、「被保険者がコールセンターに納付書の再作成を依頼したが」という事例でございますが、マル2の場合、機構等に関連資料等が全く存在しない場合であっても、日付、コールセンターに依頼した内容が記載された御本人のメモ、日記等がある。それから、イ、機構等に「一応確からしい」ことを否定するものがないという場合には、特定事由として認定することができるということにしてございますが、のところで、本人のメモ、日記に依頼の日付しか記載されていない場合には、その他の関連資料等とあわせて、総合的に判断していただく必要があると考えてございます。

 資料2-1、資料2-2の御説明は以上であります。

 よろしくお願いいたします。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 特に資料2-2のほうは大部といいますか、長い丁数のものでございますけれども、2-1とあわせまして、委員の先生方、御質問あるいは御意見等ございましたら、頂戴いたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

 

○柳委員 資料2-2の1ページの「基本方針」のところで、これは確認になるのですが、一として「関連資料・周辺事情の積極的な収集」というところがあります。内容については、これで結構だと思うのですが、先ほど出た資料1の省令の概要の中では「関連資料の収集等」というところで、関連資料の収集ということだけが省令になるような形になっているのですけれども、そうすると、「周辺事情の積極的な収集」につきましては、内部的な基本方針ということで理解すればいいのでしょうか。

 

○喜田村委員長 いかがでしょうか。

 

○高橋事業管理課長 今の委員の御指摘は、省令のほうでは「関連資料の収集」だけではなくて、被保険者等に対する必要な援助ということも書いてあるけれども、こちらの基本方針では書いていないのではないかということでございましょうか。

 

○柳委員 そこに含めて理解するのでしょうか。基本方針のほうでは「周辺事情の積極的な収集」という言葉がございますが、省令のほうでは「関連資料の収集」ということは書いてあるのですが、「周辺事情」という言葉は入ってきていないのですね。これはあくまで概要ですから全部記載する必要もないような気もするのですが、その辺は、省令で周辺事情の積極的な収集について記載されるのか、それとも内部の基本方針として理解すればいいのか。結論に異論はないわけですが、その辺はどちらなのでしょうかということでございます。

 

○高橋事業管理課長 失礼しました。御指摘のとおりでして、この基本方針は内部の資料の事務の取り扱いということで定めております。省令の規定上は「関連資料」ということで書いてございまして、「周辺事情」という文言までは出てきていないわけですけれども、実際の事務の取り扱いとしましては、さらに周辺事情を踏まえて運用していきたいと考えてございます。

 

○喜田村委員長 どうぞ。

 

○柳委員 そうすると、先ほど御説明の中で出ていた「被保険者等に対し助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする」というのが、「周辺事情の積極的な収集」とかその辺に当たるということですか。

 

○高橋事業管理課長 それも含まれるということでございます。

 

○喜田村委員長 ほかにいかがでございましょうか。では、山口さん。

 

○山口委員 2点あります。

 1つは、資料2-1の6の「不承認決定通知書の様式」というところです。前回も意見をお伝えしたところですけれども、「不承認の理由をわかりやすい言葉で記載」とお書きいただいておりますが、基準に該当するかどうかという点も含めて、今の事務の取り扱いに関する文書の中で総合的に検討して判断しますというふうに書かれているので、そのあたりのところ、そういう手続をもって総合的に判断した結果、こうなりましたということをわかりやすく記載していただくことを検討していただきたいと思います。

 もう一点が資料2-2、事務取扱ですけれども、4ページ以下で4つ類型があるものの具体例が記されています。それに関して具体例に該当するということで、既にこれまで検討した事例が列挙されていますが、類似する場合というのは、新しい事例が出てきたものか、類似というのはどういう意味なのかというところをもう少し具体的にお伺いしたいと思います。

 以上です。

 

○喜田村委員長 いかがでございましょうか。御意見の部分と御質問の部分とあったように思いますけれども。

 

○高橋事業管理課長 2点いただきました。

 まず、1点目の「不承認決定通知書の様式」の書きぶりでございますけれども、御意見を踏まえて、できるだけ申出者の方に御理解いただけるような文言で書くように工夫してまいりたいと思います。

 2つ目、資料2-2の行為類型の具体例、類似する場合ということでございます。実は類似する場合というのはどこまでかというのは、現時点で一概にこういうものですと申し上げることはなかなか難しゅうございますが、例えば何歳が違う、何月というのが違うとか、何年が違うとか、そういうのは明らかに類似するケースに当たりますし、ここの範囲は、これから運用していく中でこの類似に当たらないかどうか。もし類似に当たらない場合には、さらにそういうものもアップデートしていくということで運用してまいりたいと思っております。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 類似に当たるかどうかということは、まずは本部で判断するということになるわけですね。そのときは年金局と相談とかいうようなこともあるのでしょうか。実際のところどんなイメージでお考えですか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 具体的にはこれから詰めていくことになると思いますけれども、私どものほうとしてここに例示をしていただいている。この例示に照らして、誰が見ても客観的に見てこの例示と同じであるようなものについては、年金局への御判断というのはないと思うのですが、どう考えても似ているようだけれども、ちょっとどうかなと疑問に思うようなケースというのは、これから個々の具体例を見ていくと出てくると思います。それについては年金局のほうに御相談をするとともに、決定事例の報告を年金局にすることになっておりますので、やはりそういう場面におきまして、これは具体的にこういう事例であるとか、こういう観点でこういう決定をしたということをよく説明させていただいて、そこを共有しながら、新しい体系が出てくれば、その辺の御判断を一緒にしていきたいと考えております。

 

○喜田村委員長 どうぞ。

 

○高橋事業管理課長 補足させていただきます。

 第4回の資料がお手元にございますでしょうか。第4回の資料2で「申出に係る事務処理の流れ」という絵を見ていただきますと、年金機構と厚生労働省の関係が書いてございますが、本部で承認・不承認の決定をするわけでございますけれども、右側の厚生労働省のほうを見ていただきますと、疑義が生じた場合の回答は、年金機構の相談を受けて厚生労働省のほうで回答し、必要に応じまして承認基準の更新。その場合には、また法律の規定に基づいて管理部会のほうにもお諮りするというような手続で考えております。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかに御意見、御質問。では、白石さん。

 

○白石委員 今のことに似ていますが、類似しているかどうかという部分でいくと、多分一番最初に受ける年金事務所が判断をどうするかという部分で、「類似」と書いてあっても、年金の申請者の表現の仕方一つでキーワードが個々に変わってきます。実際第三者委員会などで何十万件やって、今、ちょうど分析委員会でやっていますが、キーワードが絞り切れないみたいなところがちょっとありますけれども、そういう部分でいくと、年金事務所の一番最初に受け付けるところで類似かどうかを判断できないような事例も実際は出てくることが多数あるのかなと思います。

 そのときに、機構と厚生労働省の関係はわかったのですが、もう少し年金事務所と機構のその部分の仕組みをきちんとしていただきたいと思います。

 

○高橋事業管理課長 ありがとうございます。ご指摘の事務処理のプロセス、進め方についてもこれからしっかりと決めていきたいと思ってございます。ただ、特定事由の申出に理由があると承認するかどうかの判断自身は、年金事務所ではなくて本部で行わせていただきますが、ただ、その際、年金事務所、ブロック、本部に送られて来る際にある程度システマチックに類似かどうか、そういうものを分類して上げてくるようなシステムにできるかどうかということは工夫してまいりたいと思います。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 その辺も資料3の標準処理期間をどういうふうにとっているかということと関連してくるのだろうと思いますので、もし必要があれば、そのときにもまた御説明いただければと思います。

 ほかにございましょうか。嵩さん。

 

○嵩委員 若干気になったのは、資料2-2の2ページ「本制度の対象とならない手続」で、「また」以下のところですが、※印のものが対象にならないというのは、前に議論して、それはそれでいいと思うのですが、年金の受給権や受給額に影響しない場合には、そもそも承認もしてもらえないということになってくるということなのでしょうか。それについて、法律上、明確に受給額に影響がある場合でないと承認はしてもらえないとか、そういうのをどこから読み取るのかというのがわからなかったのですけれども、どこかに規定があるとか、あるいは解釈でそうなるということなのでしょうか。

 

○喜田村委員長 いかがでしょうか。

 

○事務局 事務局からお答え申し上げます。

 法律上で申し上げますと、まず、承認の対象となっているものは、申出があったことに対して承認を行うことになっているのですけれども、申出をする要件というのが、政令で定めた特定手続と呼ばれるものができなかった場合に、その旨の申出を行うことになっておりまして、ここで定めるところの手続というものが全て年金額に関係するような手続、具体的には任意加入とか付加の申し込みとか、そういった年金額とか受給資格期間に関係するような手続のみをここで定めることとしておりますので、結果として年金額に関係しないようなもの、以前議論に出ました前納の額の話ですとか、そういったものに関しては、ここの申出の要件に入ってこないという形になります。

 

○嵩委員 そしたら、この期間、免除できなかったから、特定免除期間に認定してほしいという申出があったとき、それを加えても例えば受給要件の25年に満たないとかいう場合は対象にならないというふうになるのですか。

 

○事務局 その手続自体で25年を満たす必要はございませんので、例えば20年の方にそういった免除の手続漏れが二、三年見つかったとすれば、それを足しておけば、将来的には残り2年納めるだけで年金がもらえるようになりますので、その手続をしたことによって年金受給権に直接結びつかなくても、将来の年金受給権に向かってプラスになるといいますか、影響を及ぼすものであれば対象になります。

 

○嵩委員 そしたら、今、受給している人でもこれ以上納めようがない人については、例えば2年プラスしてももうどうしようもないという場合は対象外ということになるということでしょうか。

 

○事務局 法律上は排除はしていませんけれども、結果として認められたとしても、その方の年金には結びつかないことになりますので、あとは、窓口、でどういった説明をするかということ、いろいろ頑張って証拠とかを出していただいても結局、年金に結びつかないというときに、そこまでして手続をしていただくかどうかというのはその場での判断になりますが、おっしゃるとおり、法律でそういった人たちを排除するということにはなってございません。

 

○嵩委員 わかりました。

 

○喜田村委員長 御本人救済のための手続だから、救済されないことがわかっていると、実際は実例としては極めて少ないのではなかろうかというような御意見があったようにも記憶しておりますけれども。

 

○嵩委員 わかりました。

 

○喜田村委員長 ほかにございましょうか。では、片桐さん。

 

○片桐委員 資料1の省令の概要(案)の1番のマル2の二号です。「かつ」以下に「機構において当該関連資料に反する事実を明らかにすることができない場合」というのがあるのですが、これはどこまでやるかの判断というのを一体誰がするのか。例えばこれは市町村が判断するということでいいのか、「機構において」ということだから、機構なのかと思うのですが、では、明らかにすることができないということを機構の誰がやればいいのかというところを教えていただけますか。

 

○喜田村委員長 主語は「機構は」となっているので、具体的にどの部局、どの程度でやるのかという御質問だと思いますが、いかがでしょうか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 まず、ここには「機構において」ですから、機構でございます。誰がということになりますと、前回の資料2ですが、「申出に係る事務処理の流れ」となっておりまして、日本年金機構の中で「本部」というふうに書いておりますが、この本部の中での、もっと具体的に言えば、まだこれから整理が必要ですけれども、国民年金の所管をしております国民年金部で判断をしていくことになろうかと思います。

 具体的に、それを単純に誰か担当が一人で判断をすればいいかということではなくて、今まで我々がこういう仕事をしてきている中では合議制でやっておりますので、いろいろな意見を聞きながら、ここまでであれば、客観的にどなたが見てもしようがないだろうというようなところで判断をさせていただいておりますので、これから整理をしていく中で、機構の中でそういう判断基準でやっていくことになるかと思います。

 

○片桐委員 ありがとうございました。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかに御意見、御質問等ございましょうか。どうぞ。

 

○柳委員 済みません。前回の資料ということで、前回の資料「申出に係る事務処理の流れ」というのを先ほどお示しいただいて、申出に対して承認か、不承認かという決定があるのですけれども、今、ふと思ったのですが、例えば期間が半分だったら認められるとか、そういう判断というのは、救済のためにあり得るのかなとも思うのですが、それは一部承認みたいなことになるのでしょうか。

 

○高橋事業管理課長 それは個別のケースを見てみないとわからないのですが、申出者の主張が100%の期間ではなくて、明らかに一部の期間には機構のほうで反証するような証拠を持っているというケースがもし出てきた場合には、そういう事例というのは考えられると思います。

 

○喜田村委員長 どうぞ。

 

○嵩委員 私も今、そのケースについて、先ほどの質問との関係で考えたのですが、例えば10年の申出があって、10年全部認められれば額に影響があるとか、新たに受給権が発生するけれども、結局5年しか認められなかった場合でも、5年分は承認するということになるのですね。5年分では受給額に影響しないといっても、5年分については承認をすると。そこは額に影響ないから、不承認とはならないのですね。

 

○高橋事業管理課長 それは証拠がそういうふうにそろっていれば、その証拠のある期間、あるいは疎明が認定された期間は認定させていただいて、他方で、やはり反証材料がある期間まで認定するということは難しいので、その期間は承認しないという取り扱いになろうかと思います。

 

○喜田村委員長 裁判だと一部認定というのがよくあるけれども、こういう行政の中で、主文というのはどうなのですか。申出に理由があるとか、ないとかという判断になるのでしたか。済みません、教えてください。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 今回の事例におきましては、事務処理の取り扱いを見ていただきますと、「行為類型の具体例」というのが書いてありますが、要は、そもそもお客様が申し出るに当たって、まず原因があるわけです。そうすると、原因が、例えば事務処理誤りを見ていただいてもわかりますとおり、1点といいますか、そこを起点にして、どういうことが起きたのか、事象が起きているわけでございますので、そういうことから考えていきますと、一つの流れの中で、承認期間というのが、基本的には一部認定みたいなケースというのは余り考えられないのではないかと思います。

 逆に、例えばAの時点で入力誤りがあって、またBの時点で入力誤りがあったというのを同時に申し立てをするようなケースについては、Aの時点で入力誤りがあったのは、疎明はできないけれども、Bの時点では機構のほうでも反証ができないということであれば、Bの時点について認められるというようなケースは出てくるかと思います。

 

○喜田村委員長 実際にやってみないと、どういうことが起こるのかというのは、それこそ類似する場合に当たるか、当たらないかも含めて、日々新しい検討が必要になってくるのかなという感じはいたします。

 ほかに御意見、御質問等ございましょうか。

 私から1つ質問といいますか、希望になるのかもしれませんけれども、資料2-2の13ページ「認定基準に該当しない場合」というので、「マル1申出者の申出内容と機構が収集した資料、周辺事情に矛盾がある場合」というのがありますが、矛盾があるというのは、いろいろ検討したけれども、矛盾が最後まで残るというようなことを想定していらっしゃるのでしょうね。つまり、例えば申出者が言ってきたのは、記憶違いがあって、1年ずれていた。でも、ほかのことから調べてみたら、1年違っているというのはきちんとわかって、それにすると機構側が収集した資料との間で矛盾がないというような場合も当然出てくるかと思いますけれども、形式的に矛盾があるから、もうそれでだめというようなことではなくて、一応事実認定なり何なりというのをきちんとしていただいた上で、それでもなおかつ矛盾がある場合には認定できませんよと。こういう御趣旨で書いているのだろうというふうに思いますけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

 

○高橋事業管理課長 省令でも被保険者の方に対して助言、必要な援助をするようにということを定めていますので、それを踏まえた上でもやはり矛盾があるという場合を想定しております。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかにございましょうか。

 それでは、大体皆さん、御意見、御質問も出たようでございますので、この取り扱いにつきましては、引き続き事務局のほうでよりよい制度なりをつくっていただければと思っております。

 それでは、議事次第。

 

○高橋事業管理課長 失礼しました。あと、標準処理期間について説明申し上げます。

 

○喜田村委員長 標準処理ですね。資料3ですか。お願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 それでは、資料3をお願いいたします。標準処理期間について、前回御意見をいただきましたので、整理させていただきました。

 この申出等に係る事務の標準処理期間につきましては、90日としたいと考えてございます。内訳はその下にございますけれども、まず、年金事務所で申出書等を受け付けましてから、事実確認等、資料収集・調査書の作成に20日間。それをブロック本部に送りまして、ブロック本部のほうでは、ついている資料等の形式審査に10日間。ここに不備があれば、また年金事務所に照会する等の事務を想定しています。その上で、ブロック本部から本部に送付いたしまして、本部におきましては、先ほど御説明がありましたように、内容審査、独自調査、必要があれば行った上で、承認・不承認の決定、決定の連絡。ここに50日間。その決定結果を年金事務所で受け付けまして、御本人の方に通知書・納付書を送付するのに10日間。計90日間としたいと考えております。

 参考としまして、国民年金原簿の訂正請求の処理期間がどうなっているかということでございますが、一定の条件を満たし年金事務所のみでの訂正処理が完結する場合は65日としております。

 それから、地方審議会の審議を経て訂正処理が完結する場合につきましては、ちょっと長く、168日ということにしております。こういうことも鑑みて今回の標準処理期間を90日間とさせていただければと考えております。

 よろしくお願いいたします。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 年金事務所でやるのは、申出を受けて、本部が判断するに必要と考えられる事実確認を行うということ。それから、ブロック本部では、「形式審査」とありますけれども、ブロックなりに見て、さらに必要なものがあるかどうかを確認して、それを本部に送り、本部で先ほどのような合議制で判断をする。こういうことになろうかと思います。

 委員の先生方、資料3につきまして御質問あるいは御意見等ございましたら、頂戴いたしたいと存じます。山口さん。

 

○山口委員 処理の流れ、処理期間をお示しいただいていますけれども、本部の審査に関しての質問です。本部は、年金事務所から上がってきた書類を審査するということなのですが、例えば申し立てた御本人に内容を確認するとか、第三者の証言をしてくださった方に直接尋ねるとか、そういうことを追加的にやるということはあるのでしょうか。

 

○喜田村委員長 いかがでしょうか。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 年金事務所から上がった事実確認等の資料の内容を見させていただいて、第三者の方にさらにこういう観点で話を聞いてみると、何か確からしい証拠があるのではないかとか、そういうのも我々が審査していく中で出てくると思います。そういうケースにおきましては、必要に応じて直接的にお聞きするのか、また、年金事務所を通じてということになるのか、まだ整理しておりませんが、そういう情報収集もしていくことを考えております。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかにございましょうか。

90日となったら、これは何かに出るのでしたか。どういうふうになるのでしたか。行政手続法に基づく期間というのは。

 

○高橋事業管理課長 開示の方法ですが、この資料の下のほうに行政手続法の条文をつけてございますが、標準処理期間を定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所、今回の場合ですと年金事務所になりますけれども、備えつけ、その他の適当な方法により公にしていくということになります。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 御意見ございましょうか。

 では、これにつきましても委員会としては了承いたしますということでございます。

 新しい制度でございますので、始まるまでに御努力が必要かと思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。

 それでは、議事次第でいきますと、「その他」ということになりますが、事務局あるいは委員の先生方、この際というものがおありでしたら頂戴いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、議題といたしましては、予定されたものは終了いたしましたけれども、今後の日程等につきまして、冒頭にも御説明がありましたが、それも含めてもう一度今後の日程の御説明を事務局からお願いいたします。

 

○高橋事業管理課長 次回の日程でございますけれども、パブリックコメントを経まして、その回答なども整理された時点で、できるだけ早い時点でまた御報告を申し上げたいと思っております。日程につきましては、改めて私どもから御連絡を差し上げたいと存じます。よろしくお願いします。

 

○喜田村委員長 1カ月ぐらいでまとめて、これを事業管理部会に上げるのですね。

 

○高橋事業管理課長 はい。

 

○喜田村委員長 それが年内ぐらいというような見込みでしょうか。いろんな不確定要素もあろうかと思いますが、今の見通しを教えていただけますか。

 

○高橋事業管理課長 できれば年内の事業管理部会に諮問・答申をできればと考えてございます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 そういった見込み、予定で進んでおりますので、委員の先生方、あと一回ぐらいかと思いますけれども、ぜひ活発な御審議を次回もお願いいたしたいと思います。

 それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。

 委員の皆様、事務局の方、ありがとうございました。


(了)

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