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2015年9月25日 第92回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成27年9月25日(金)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○議題

(1)勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱について(諮問)
(2)第10次職業能力開発基本計画について
(3)その他

○議事

○小杉分科会長 定刻より若干前ですが、定足数に達しておりますので、ただいまから「第92回労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の出欠状況は、浅井委員、原委員、大隈委員、河本委員、島村委員、中村委員が御欠席です。なお、河本委員の代理として、全日本空輸株式会社人材戦略室の秋田人事部グループキャリア支援室長に御出席いただいております。また、使用者側の高橋委員は所用により途中退席される予定です。

 それでは、議事に入ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱について(諮問)、第10次職業能力開発基本計画について、その他の3件です。

 まず、最初の議題は「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱について(諮問)」です。これは918日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされたところであり、これを受けて本分科会において審議を行うものです。内容について事務局から説明をお願いします。

○宮下総務課調査官 資料1-1です。諮問に入る前に、勤労者青少年福祉法等の一部を改正する法律の経過について説明いたします。本法律案については参議院先議とされ、416日に参議院厚生労働委員会、翌17日に参議院本会議で可決され、その後、94日に衆議院厚生労働委員会、同11日に衆議院本会議で可決、成立、同18日に公布されました。

 この過程において参議院厚生労働委員会では附帯決議が付され、当分科会関係では、資料3枚目にあります7で、地域若者サポートステーションについて安定的な財源の確保等に努めること、それから8で、キャリア・コンサルタント試験の内容及び難易度について十分検討することやキャリア・コンサルタントに対するメンタルヘルスに関する教育及び情報提供を行うことが決議されました。

 資料1-2です。918日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに諮問された、勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱のうち、当分科会で審議いただきたい「キャリア形成促進助成金制度の改正」部分です。これは雇用保険法施行規則の一部改正部分です。改正の内容は、今般の法改正により、青少年に関する雇用管理の状況が優良である、常時使用する従業員の数が300人以下の企業について、厚生労働大臣による新たな認定制度が設けられます。その認定を受けた事業主が雇用契約を締結後5年を経過していない労働者であって、35歳未満のものに対してキャリア形成促進助成金のうち政策課題対応型訓練の若年人材育成コースを受けていただく場合に、当該訓練の運営に要した経費等に対する助成割合を、大企業の場合には通常の3分の1から2分の1へ、中小企業の場合には2分の1から3分の2へそれぞれ引き上げるという内容です。具体的なイメージについては、資料1-3を御覧ください。

 なお、常時使用する従業員の数が300人以下の場合であっても、中小企業基本法では、例えば小売業については同人数が51人以上の企業は大企業とされるため、助成金の区分では大企業として2分の1が助成されるという仕組みになっております。施行日については、来月の1日となっております。

 資料1-4です。労働政策審議会職業能力開発分科会運営規程の一部改正です。本件は諮問案件ではありませんが、本法改正に伴う分科会の運営に直接関係する規定の整備であるため、併せて御審議いただきたいと考えております。改正の趣旨です。これまで厚生労働大臣は、勤労青少年福祉対策基本方針を職業能力開発分科会若年労働者部会の意見を聴いて定めてきたところです。法改正により、今後は青少年雇用対策基本方針を職業安定分科会雇用対策基本問題部会の意見を聴いて定めることとするため、所要の見直しを行うものです。

 具体的には、23ページの新旧対照表を御覧いただければと思います。第6条の部会の設置に関する規定、第7条の部会委員の構成に関する規定などを削除する内容となっております。関係する参考資料も何点か提出しております。参考資料1は、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案」の概要です。1.(2)適職選択のための取組促進のマル3に先ほど申し上げた認定制度が位置付けられています。また、1.(1)関係者の責務の明確化等に関連して、厚生労働大臣は指針を定め公表するという規定があります。参考資料2ですが、「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」が該当し、今後、厚生労働大臣告示で定めることになります。なお、本指針については、資料1-2で示しました省令案要綱のうち職業安定分科会に関する部分と併せて、918日に行われました職業安定分科会において妥当と認めるとされております。

 参考資料3は、新たに策定する参考資料2の「指針」と、平成2211月に改正されたこれまでの「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」との構成を比較した表です。真ん中の列が新指針、左の列が旧指針、右の列が建議や国会等における答弁等を記載しております。職業能力開発関係の事項については、7ページの第32以降となっております。なお、旧指針については廃止される予定となっております。

 その他、参考資料4は、今回の法改正の基本となった今年1月の「若者の雇用対策の充実等について」の建議などとなっております。資料の説明は以上です。

○小杉会長 それでは、御質問、御意見をお受けしたいと思います。いかがですか。特にありませんか。それでは当分科会としては、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令案要綱について」は、妥当と認める旨を、私から労働政策審議会会長宛てに報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○小杉会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文()の配布をお願いします。

(報告文()配布)

○小杉会長 では、お手元に配布されました報告文()により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。

(異議なし)

○小杉会長 ありがとうございます。それでは、そのように報告させていただきます。また、当分科会としては、資料1-4の職業能力開発分科会運営規程の改正について了承することでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○小杉会長 ありがとうございます。それでは、この議題はここまでといたします。続いて、議題2「第10次職業能力開発基本計画について」です。内容について事務局から説明をお願いします。

○宮下総務課調査官 資料2-1です。職業能力開発基本計画は、御存じのとおり職業能力開発促進法の規定により厚生労働大臣が定めることとされており、今回は平成28年度から平成32年度までの「第10次職業能力開発基本計画における視点」を提示しております。まず、総論的な視点、現状認識として、日本経済が産業構造のサービス経済化、顧客ニーズの変化の加速化、人口減少局面にある中で、非正規雇用労働者等を含む一人一人の労働者の多様な能力を高め生産性を向上させることが不可欠ではないか。また、このような状況の中で、労働力人口の減少、非正規雇用労働者の割合の増加、企業の教育訓練費の推移、労働者の自己啓発の実施割合の推移という観点に留意して、職業能力開発の在り方を検討するべきではないかということを挙げております。

 次に、産業界や地域ニーズを踏まえた人材育成の推進という視点から、公共職業訓練と求職者支援訓練の計画を一体化し、総合的な計画として効果的に実施すること、その際には地域ニーズ等を踏まえた訓練コースとし・カリキュラム等の開発・検証等による質の担保・向上や訓練情報の提供を進めること、企業内の人材育成強化や労働者の主体的なキャリア形成に資する各種施策を実施していくこと、中長期的な観点から、雇用、産業、教育の各施策が密接に連携し産業構造の変化等を踏まえた人材育成施策を一体的・計画的に推進する必要性を挙げております。

 企業内における人材育成の強化という視点では、労働者に対する助成金を活用した企業内での人材育成を促進する必要性、中長期的視野に立った企業内での人材育成を促進する仕組みの検討、雇用型訓練や認定職業訓練の更なる推進を挙げております。

 次に職業能力人生を通じた労働者の主体的なキャリア形成の推進という視点では、キャリア・コンサルタントの役割・機能を整理した上での計画的な養成や、職業生活の節目における定期的なの機会の確保、新ジョブ・カードの更なる普及・促進、教育訓練制度のより効果的な周知、専門実践教育訓練の講座数充実とユニバーサルサービスとしての効果的な実施の必要性、教育訓練休暇制度などの導入支援を通じた自発的な職業能力開発の時間の確保の必要性を挙げております。

 「全員参加の社会」の実現加速に向けた職業能力開発の推進という視点からは、若者、中高年齢者、女性に対する各種施策の充実など。

 その他、労働市場で活用される実践的な職業能力評価制度の構築、非正規雇用労働者や特別な支援を必要とする者に対する職業開発の推進、技能の振興、職業能力開発分野の国際連携・協力の推進という視点から、それぞれ記載がなされており、8つの視点から構成されております。

 資料2-2です。平成23年度から今年度までの第9次職業能力開発基本計画の主な進捗状況です。こちらも大きく8つの柱から構成されています。昨年度の実績、今年度の取組を中心に説明いたします。1ページです。1つ目の柱、成長が見込まれる分野の人材育成です。これらの成長分野を含めた公共職業訓練の実績です。平成26年度は約13万人に対して実施して就職率は施設内83.2%、委託で74.2%です。求職者支援訓練については約55,000人に対して実施し、速報値ですが、基礎コース、実践コースともにそれぞれ就職率が50%を超えているという状況です。

2ページです。人材ニーズの把握、訓練カリキュラムや指導技法の研究開発です。2(ローマ数字)の地域の関係機関の協働による職業訓練コースの開発、検証実施事業では、昨年度の10都道府県に加えて、今年度から福島など15県で新たに実施していること、4(ローマ数字)の訓練カリキュラムの一般公開では、平成26年度に農林、化学など7分野をホームページ上で公開したこと、5(ローマ数字)の機構においては平成27年度の離職者訓練コースを設定するに当たり223科の見直しなどを通じて、それぞれ目的を達成しております。

5ページです。ものづくり分野の人材育成です。国は全国ネットワークによるスケールメリットをいかした訓練、都道府県は基礎的な訓練や地域産業の人材ニーズに対応した訓練と、それぞれ役割に応じた訓練を担っておりますが、平成26年度の実績、就職率は、国は86.3%とほぼ横ばい、都道府県は76.4%と前年度を上回っているという状況です。6ページです。環境・エネルギー分野等の新しい分野の訓練の拡充です。平成23年度以降、ポリテクセンター等で環境・エネルギー分野の職業訓練を拡充しました。平成26年度のコース数と入所者数は、離職者訓練、在職者訓練ともに前年度に比べ増加しているという状況です。

7ページ以降の2つ目の柱は「非正規労働者等に対する雇用のセーフティネットとしての能力開発の強化」です。9ページの(3)ジョブ・カード制度の普及促進については、取得者数は平成32年度までに300万人との目標を掲げて、各年度の目標を前年度比1割増しとしております。本計画期間中に84.9万人、累計で130万人が取得していますが、大半が訓練受講生で、今般の法改正を踏まえて活用の場面を拡大することが必要であると考えております。10ページです。(4)その他です。助成金を活用した訓練による有期実習型訓練修了者の正社員就職率は74%となっており、非正規雇用から正規雇用への転換に一定程度効果があったと考えております。

11ページ以降の3つ目の柱は「教育訓練と連携した職業能力評価システムの整備」です。12ページのマル2職業能力評価基準の普及・促進、13ページの社会的ニーズに合った技能検定制度等の見直し、ともに当初計画どおりに実施しているという認識です。

14ページ以降の4つ目の柱は「職業生涯を通じたキャリア形成支援の一層の推進」です。(1)個人の主体的な能力開発の支援については、キャリア・コンサルタントの養成は平成26年度末までに累積で94,000人となっております。順調に増加していると考えており、併せて専門性の向上と活用領域の拡大に務めているところです。3(ローマ数字)の教育訓練給付制度については、指定講座数は伸びていますが、支給人員と支給額がともに横ばいであるため、更なる周知が必要であると考えております。

15ページです。(2)企業による労働者の能力開発の支援です。キャリア形成促進助成金については、平成26年度の支給実績が約66億円と前年度とほぼ横ばいとなっており、制度の見直し拡充等について事業主に周知するとともに、事務手続の簡素化等が課題であると考えております。なお、平成27年度については、「ものづくり人材育成訓練」の創設など、更なる拡充を行っているところです。16ページの認定職業訓練ですが、訓練生数が減少傾向にあるため職業訓練に取り組む事業主等への支援の拡充が必要であると考えております。17ページのマル4に関連して、「ものづくりマイスター」の認定者数は平成26年度の目標である1,384名を超え、2,448名という状況です。

18ページです。(3)キャリア教育の推進に関してです。キャリア教育に携わる専門人材養成のための講習ですが、平成26年度も全国で25回開催されています。講習後のアンケートの結果からもニーズに対応したものとなっているという認識でおります。

19ページの5.「技能の振興」です。各種技能競技大会が当初計画どおり毎年行われている状況です。今年度は技能五輪国際大会にも参加したという状況です。

21ページ以降は6つ目の柱の「特別な支援を必要とする者に対する職業能力開発の推進」です。求職者支援訓練を実施して、就業経験に乏しいという特性に応じた訓練を実施しております。特にニート等の若者に対しては、地域若者サポートステーション事業を実施しており、平成23年から平成32年までの10年間の就職等進路決定者数を10万人とすることを目標としておりますが、平成26年度末現在の目標達成率は66.7%で、順調に推移していると考えております。22ページです。3(ローマ数字)の母子家庭の母に対するマル1準備講習付き職業訓練の就職率、あるいは4(ローマ数字)の障害者に対するマル1職業能力開発校における就職率、23ページにありますが、マル2障害者委託訓練の就職率等については、それぞれ前年度を上回る結果となっております。

24ページ以降は7つ目の柱「職業能力開発分野の国際連携・協力の推進」です。マル1開発途上国への訓練指導員の派遣等による職業訓練実施の支援、マル2開発途上国における日本型技能評価システム構築の支援については、それぞれ順調に推移しております。マル3技能実習制度の適切かつ円滑な推進については、巡回指導、母国語電話相談に取り組んでいるところですが、技能移転を通じた国際貢献という制度趣旨の徹底、管理監督体制の強化と制度の拡充のため、技能実習法案を国会に提出しているという状況です。

26ページ以降は8つ目の柱「我が国全体の職業能力開発プロデュース機能(総合調整機能)の強化」です。27ページのマル2訓練に係る情報の提供、品質の確保に関しては、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において、民間教育訓練機関に対する職業訓練サービスガイドライン研修を実施するとともに、ガイドラインの一層の活用促進策を検討する調査研究事業を実施したという状況です。

 また、マル3訓練指導員等の育成・確保ですが、2(ローマ数字)のスキルアップ訓練に関して、職業能力開発総合大学校の教員等が各地域に出向いて実施する出前型訓練を平成26年度は全国47都道府県において約4,000人弱に実施したところです。以下、職業訓練の実施体制の整備ということで、施設数等については記載のとおりです。

 資料2-3ですが、第10次職業能力開発基本計画を策定するに当たり、現在取り組んでいます職業能力開発施策や能力開発基本調査等に基づく各種データを資料集という形で提出しております。

 参考資料5は、昨年の9月にまとめていただきました職業能力開発の今後の在り方に関する研究会報告書です。また、参考資料6は、先ほど説明申し上げました第9次職業能力開発基本計画の全体像です。こちらも併せて参考にしていただければと思います。資料の説明は以上です。

○小杉分科会長 皆様からの御質問、御意見を伺いたいと思います。

○田口委員 資料2-1の「第10次職業能力開発基本計画における視点」の3ページの「労働市場で活用される実践的な職業能力評価制度の構築等」です。ここで「技能検定の整備をはじめとする見直しを推進する」と書かれておりますが、技能検定で言いますと、1993年度から3級が作られて、最も合格者が多くなっていますが、3級の受検者の8割、職種によっては9割以上が学生という内容になっております。お願いしたいのは、合格者が合格した後、当該職種、受検をした職種にどの程度就職しているのか。こういうことについて、把握をしているのであれば教えていただきたい。もし把握されていないということであれば、今後この基本計画の策定に向けて非常に重要なポイントになると思うのです。ですから、その把握の調査について、是非御検討をお願いしたいということです。

○小杉分科会長 把握されていますか。どうでしょうか。

○宮本能力評価課長 委員が御指摘の技能検定受検者のその後の当該職種などへ就職した方の割合については、直接的に調査した結果は持ち合わせておりませんが、平成16年度に実施した委託事業による調査研究において、3級の学科試験日に受検者に対して行ったアンケートがあります。その結果、技能検定の合格後、受検した職種(作業も含む)に関する仕事に就くことを希望する者及び既に就いている者の割合は、全体で76.2%だったという結果であると承知しております。しかしながら、この調査から既に10年経過しており、実際に就職したかどうかは把握できていない状況ですので、委員の御指摘も踏まえつつ、どのような対応が取れるか検討してまいりたいと考えております。

○新谷委員 今日から実質的に第10次職業能力開発基本計画の在り方を検討するということになります。5年前に第9次職業能力開発基本計画の策定をしたときも、大分論議をさせていただいて第9次計画につながったと思います。今日、資料を幾つか示していただいているのですが、特に参考資料6に、今動いている第9次計画の全体像が1枚でまとめられております。今日は資料2-2で、第9次計画におけるそれぞれの施策についての実績報告を頂いています。この参考資料6の下に記載されている各論に当たる部分の報告を頂いたわけですが、今日これから論議をするに当たって認識をしておかないといけないのは、5年前に策定した第9次計画の現状に対する認識と今後の方向性という大きな方向観についてです。第9次計画の実績や評価というところを、どのように見るのかということが定まっていないと、第10次計画についていきなり各論で実績や細かな数字という論議をしても、うまくいかないのではないかと思っています。

 特に方向性としては、もともと国が持っているインフラというのは、もちろんそれは雇用のセーフティネットという面からいくと、離職者の訓練を中心としたセーフティネットとしての訓練を中心に、いろいろなインフラの整備もされてきたと思いますが、前回第9次計画を論議した際に、もう少し「攻めの人材育成」を国としても行うべきではないかということで、成長が見込まれる分野やものづくり分野といった、新たな項目を設けたと思います。

 そういった意味では、参考資料6に書いてある大きな方向性として5つの項目があるわけですが、その評価を最初にしておかないと、次へ進めないのではないかと思っております。今日は第10次計画について論議する取っ掛かりの分科会ですから、次回第93回の本分科会には第9次計画に対する大まかな評価、もう既に策定から4年半たっているわけですから、最終版ではないとしても、この4年半の評価についての総括資料を提出していただきたいと思っています。

 今回、資料2-1で「第10次職業能力開発基本計画における視点」として、この間の経済社会の変化を踏まえて、こうあるべきだというポイントが示されていますが、何点か気になるところがあります。ここに示されている内容は求人側の企業と求職側の労働者、それぞれのニーズに基づくものが埋め込まれていると同時に、行政としてこれを実施したいというシーズが埋め込まれていると思います。

 特に2ページ目以降に書かれているキャリア・コンサルティングや新ジョブ・カードというのは、行政の意思としてこれを実施したいということが出ていると思うのです。これはニーズ側もそうなのですが、ややもすると実現可能性ということが置き去りにされてしまって、要するに政策が上滑りすることが幾つか散見されると思うわけです。したがって、実現可能性やフィージビリティー・スタディというところをしっかり詰めておく必要があると思います。第10次計画の提案をする際にはやはりバックデータなり、あるいは実現可能性なりを詰めておかないと、5年後には第10次計画の総括が厳しいものになるのではないかと思いますので、そういう目線で今後、資料を作っていただきたいと思います。

 全体を通して、資料2-1にあるこの間の変化の中で記載されていないと思うのは、最初の○についてです。マル1に労働力人口の減少とか、労働力人口の年齢構成の変化のほか、高齢化などが記載されているのですが、やはりこの5年間における大きな変化の1つは労働需給の変化だと思います。御承知のような失業率、有効求人倍率のような状況で、本当に企業は人手不足になり、人手不足が各企業にとっては成長阻害要因の1つにもなりかけておりますので、現有の在職者に対する能力開発、いかに今在籍している労働者、在職者の能力を高めて生産性を上げていくかというのが、企業競争にとっても不可欠な状況になってきております。そういった視点からの労働力需給の変化を踏まえた、特に在職者に対する企業内訓練をどのように強化するのか、要するに行政として企業の背中をどうやって押すのかというところを検討すべきではないかと思います。

 その意味では、資料2-11ページの下から2つ目の○、企業内の人材育成はそれに当たる所かもしれませんが、たった4行ぐらいしか書いていません。もちろん、国がやるべきものはどこまでなのかという役割分担の問題がありますが、我々としては、企業内の人材育成は今後の第10次計画の大きな目玉になるのではないかと思っています。

 もう1つ、国としてやるべきことはセーフティネットの整備です。労働者の中でも弱者に属する方々、非正規労働者であるとか、特に女性に対する職業能力開発、スキルアップの在り方をどうするかといったところを、国の役割として職業能力開発行政の中でどう果たすかということが大事だと思います。

 最後に、これは職業能力開発の計画ですが、特に成長分野と言われている分野、医療や介護などは、離職率の高さも顕著で、職業能力開発だけでは問題が完結しないというのは当然のことです。ですから、職業能力開発行政と職業安定行政とをどのように組み合わせていくのかが重要です。当該分野の労働環境なり雇用環境の改善等々と併せて語らないと、職業能力開発した労働者にその分野に行っていただいていても、離職率が高いままで次から次へと辞めてしまう。また、次から次へと労働者を送らないといけないという悪循環になりますので、セットで考えていただくという視点も持っていただければと思っています。長くなりましたが、私からは以上です。

○小杉分科会長 これは何かありますか。

○吉永総務課長 御意見ありがとうございます。これから10次計画を策定するに当たりまして、委員が御指摘のような点も含めて、様々な御意見を頂戴できればと考えております。事務局として9次の計画ができた時点と、これから作ろうとする10次、正に今の時点、2つ大きく異なる点があるのだろうと思っております。十分意を尽くした視点にはなっておらないわけですが、1つは9次計画を策定した平成22年の段階の経済状況は、かなり悪かった時期です。そういう中で、どちらかというと経済環境が非常に悪い中での能力開発をどうするのかということが主として中心になって記載されているのではないかと思っております。

 もう1つは、この5年間で、いわゆる団塊の世代が労働市場からかなり抜けてしまったという状況の中で、大きな塊が抜けたという中での労働力需給の環境が大きく変わってきているという状況だと思っております。現在の人手不足の議論は、もちろん好景気による部分もありますが、一方でそういうボリュームゾーンが労働市場から退出を始めているという点も多いのではないかと思っております。

 こういう2つの大きな環境の変化の中で、能開行政をどう考えていくのかという観点で、10次計画をうまく作っていければと考えておりますので、委員の皆様の忌憚のない御意見を頂ければと考えております。データとして9次計画の成果という形になりますが、今ほどお示ししたものの中で個々のデータとしてはそれなりに順調に行ったと説明させていただいたところですが、その上でどういうことが資料として用意できるのかということは検討してまいりたいと思っております。

 また、行政のシーズという形でキャリア・コンサルタント、ジョブ・カードについての御指摘がありました。フィージビリティーの話を十分考えるべきではないかという御指摘で、非常に考慮していくべきだと考えております。キャリア・コンサルタントの制度自体は、先ほど説明させていただきました勤労青少年福祉法の改正の中で、来年4月からの施行ということです。制度としては、既存の制度をある意味、国家資格化するということにはなるわけですが、その上で全体の能開行政、あるいは雇用行政全体の中での位置付けをどう考えていくのかという辺りについても、併せて検討を進めていくべきだと考えておりますので、能開基本計画における位置付け、あるいは施策の位置付けという観点で、また御意見などを頂戴できればと考えているところです。

 需給の変化は先ほど申しましたとおりです。特に企業における人手不足感がある中で、一部ではありますが雇用の条件がかなり改善しているような企業部門も見られるところです。そういう中で、在職者の能力開発が重要であると、正に御指摘のとおりだと思っております。これについて、在職者の訓練という形で進めていくのが効果的かということで、主たるツールは視点の紙に記載したとおり助成金を使っていくということですが、併せて中長期的な視点に立った企業内の人材育成を促進する仕組みを検討すべきではないかという形で記載しております。正に助成金の枠組みを超えた、ある意味、仕組みのようなものが何か作れないかと考えているところです。これについてもなかなか難しい課題ではありますが、何とか10次計画の中でフィージビリティーのある具体的な計画にできればと考えているところです。

 セーフティネットの部分については、正に能開行政の背骨の部分ですので、この辺りについてもきちんとやっていくことが重要だと思っております。また、離職との兼ね合いで安定行政とのリンケージという形ですが、安定行政とのリンケージについては、先ほど参考資料で配布させていただいた研究会の報告書の中でもそれなりのボリュームを取っておりますし、また今回の勤労青少年福祉法の改正の中でもハローワーク、労働局を能開行政の拠点ということで、小さな一歩ですが、一歩を踏み出しているというところです。そういう中での安定行政と能開行政のリンケージについても、計画の中に記載できる部分もあるのだろうと思っております。そういう意味で、様々に御意見を頂戴できればと考えております。

○高倉委員 資料2-1に記載の視点については、全体的な課題を網羅されていると思いますが、これまでも本分科会において対象者や実施主体ごとの役割分担、これを整理すべきではないでしょうかという意見は述べさせていただいております。在職者、離職者、求職者、学生、生徒と非常に多様な対象者がいる。そして、国や地方自治体、企業、学校、労働者本人、民間団体、こういった主体はどのように職業訓練やキャリア形成の支援を行うべきか。こういった点が必ずしも明確になっているとは言い難いのではないかという認識をしております。

 したがって、第10次計画の策定においては、特に実施主体について、幅広い関係者の役割分担を明確化させるといった視点を是非織り込んでいただきたいと思います。例えば国が担う部分と企業が担う部分を明確に分けて、どこにウエイトを置いてやっていくのかという濃淡を付けたような視点が必要ではないかと思っております。以上です。

○田口委員 第10次の基本計画を策定するに当たっての議論になっていますが、その到達と実績についても御報告がありましたが、その元のデータになっています職業能力開発基本調査のことです。確か以前も別の委員の方が言われたと思うのですが、事業所調査で30人以上の常用労働者を雇用している事業所が対象になっておりますが、日本の産業構造を見た場合、5人未満の雇用労働者を抱えている事業所が半数ということになっておりますので、そこの部分を把握していくことが正確な実態を掌握することになるのではないか。それに基づいて計画を策定していくことが重要なのではないか。毎月勤労統計が30人以上と5人以上になっていますが、労働移動率の所を見たのですが、30人以上ですと0.4なのですが、5人以上で取ると1.4になっているのです。確か平成271月の調査だったと思うのです。だから、小規模を入れると、それだけ高くなっているわけなのです。ですから、5人未満になると高くなっているのか低くなっているのかちょっと分かりませんが、それだけの差がありますので、実態は正確に把握をして、その上で計画を立てる、審議をするということが必要ではないかと思います。

○吉永総務課長 能開基本調査の規模については、これまでも原先生から御意見を頂いているところです。私どもも非常に大きな課題だと思っておりますので、地方に行くと29人ぐらいでは零細というわけではないと思いますが、そういう所の実態を把握することが非常に重要ではないかと思っております。一方で能開基本調査のサンプルサイズはそんなに大きなものではありませんので、このサンプルサイズの中で零細の事業所まで広げることをやりますと、調査としてかなりぶれが大きくなるということもあります。そういう意味で、能開基本調査を直接的に拡充する、毎月勤労統計ぐらい大きな規模になると、サンプルサイズもそれなりに取れますので、有意な調査結果が出る部分はあるかと思いますが、現実にはなかなか難しいところがあります。

 いずれにしても零細部分についての実態の把握については課題だと認識しております。なかなか直ちにできる問題でもないのですが、こういった問題に留意しながら作業を進めていきたいと考えております。

○高橋()委員 資料2-1に記載されている視点の中での各論部分についてですが、企業に雇われながら訓練を受ける方式も一層推進していくという視点を、もう少し強く織り込んでいただければと思っております。今、私の手元に労働政策研究・研修機構が追跡調査をした受講訓練別、各調査時点の就職率と正社員の就職率というデータがあるのですが、雇用型訓練は、委託訓練活用型デュアルシステムなど、ほかの公的訓練に比べて就職率、正社員就職率、どちらも上回っているというデータがあります。こういうところからすると、やはり雇用型訓練という方式は、雇用への橋渡しの役割を十分果たしているのではないかと考えているところです。企業に雇われながら訓練を受ける、実践的な方式であり、これは効果があるのだろうと思いますので、冒頭申し上げたような視点をまた織り込んでいただければと思います。以上です。

○吉永総務課長 御指摘のとおり、訓練についてOJTOff-JTをうまく組み合わせて行うことが効果的だろうと思っております。その中で、御指摘のとおり雇用型訓練については正社員化率が非常に高いという状況で、現状、大体1万人ぐらいの枠でやっておりますが、これをどういう形で広げていけるのかは課題だと考えております。今回の視点の中にも、計画的にOJTOff-JTの機会の確保であるとか、様々な所に少しずつ盛り込んでいるつもりではありますが、1つの大きな課題として雇用型訓練という形で広げていくのか。雇用型訓練はある意味ヨーロッパ型の典型的な訓練になるかと思いますので、そういう意味でこういったものをどういう形で、施設型訓練と組み合わせた形で運用していくのかというのが1つの課題だと思っておりますので、そういう視点も留意しながら、計画の立案につなげていければと考えております。

○板垣委員 非正規雇用労働者と女性に対する職業能力開発について、発言させていただきます。非正規雇用労働者に関しては、「キャリアアップ助成金、雇用型訓練、専門実践教育訓練を含む教育訓練給付制度の更なる活用」という記載があります。これらの制度については、もちろん必要な制度であることは認識しておりますが、いずれも既存の制度です。第10次職業能力開発基本計画の策定に当たっては、既存の制度を活用することも大事ですが、制度の新設を含めた拡充を検討すべきではないかというのが意見です。また、既存の制度の活用については、ハローワーク、地域若者サポートステーションなどになかなか来ないような層に対して、どのような周知をしていくのか、どうやって潜在的なニーズを掘り起こしていくのかといった視点も必要だと考えております。

 次に平成2412月、厚生労働省は非正規雇用労働者の能力開発抜本強化に関する検討会の報告書を発表しています。その中では「正規、非正規という雇用形態にかかわらず、将来に夢や希望を持ちながら安心して生活を送れるような収入を確保できるよう、能力開発機会を提供し、、キャリアアップ支援(特にフリーター等不本意非正規に焦点)」、「能力開発の主体については、個人がその取組の中心となるが、個人任せでは限界があるため、非正規雇用の労働者を『人財』として、企業、業界団体、公共部門等社会全体で育成していくことが不可欠」、「能力開発後の処遇やキャリアパスなど『将来像』を『見える化』、労働者一人ひとりに施策が『届く』よう積極的に情報発信、身近な地域での能力開発の提供等」との提言がなされていますが、提言内容が具体的にどのように反映されるのかという点について確認させていただきたいと思います。

 最後に1点、質問です。資料2-222ページに母子家庭の母に関するこれまでの実績についての掲載があります。この実績の中に「マル2託児サービス付き委託訓練」という項目が掲載されています。この「コース数」の欄には人数が書かれていて、受講者に占める利用率としてパーセンテージの表示がされているのですが、どのような見方をすればよいのか補足説明をお願いいたします。

○吉永総務課長 施策について、様々な対象者について盛り込んであるけれども、拡充が中心ではないかという御指摘です。私どもとして非正規の方々を中心として、どういう対策が打てるのかというのは非常に大きな課題です。今ほど板垣委員から御指摘いただいたようなそれぞれのメニューについて、私どもとして持っている最大限のツールについて記載しているところです。基本的な考え方は、これを今のままというわけではなくて、それぞれのメニューの中で更に、例えば専門実践であれば講座をどういう形で見直していくのかとか、あるいは求職者支援のようなものを使うのであれば、具体的な組立てをどう考えていくのか。それぞれのツールごとにリファインしていくということを1つ考えているところです。その上で、何かこれをやればというのがもしあれば是非ともやりたいと思っております。そういう意味で、ここは足りていないとか、こういった方々に対してこういう施策が重要だということであれば、そういった御指摘もいただければ、そういうものも積極的に盛り込んでいきたいと考えております。

2点に分けて御指摘いただきましたが、能開行政の1つの大きな課題としては広報力、周知の関係だと思っております。先ほど追加資料の所で指摘させていただきました研究会報告書の中でも、具体的な能開の様々なメニューを必要とする方にどういう形で周知するのか。これが十分できていないのではないかという形の御指摘が記載されております。これについて、様々な機関、ツールを使ってやっていくべきものだと思っております。例えばジョブ・カードについては、政府公報のような形で、大々的にPRすることも予定しております。

 また、訓練についてはある意味、二極化している部分があります。ステップアップしていくためにどんどん御活用いただく方、あるいは専業主婦の方でそろそろ就職しようかという方、様々な方がいらっしゃいます。主婦向けにどういう形で情報を発信するかというのは難しいわけですが、最近、実験的には主婦向けのリビング雑誌の中でタイアップ記事という形で訓練の情報についても提供することをやっております。

 一方で、なかなか訓練になじまないような方向けについては、福祉事務所等々との連携も強化していくということで、どういう訓練メニューがあるかということも周知をしていく。そういうことで、ハローワークを使って周知を行うことはもとよりですが、それぞれの訓練の必要な方のセグメントに分けた形で、それぞれにどういう形で訓練情報が提供できるのかというものを今、実験的に始めているところです。一部のメニューについてはYOU TUBEで発信するということも始めているところです。そういうものを総合的に活用しながら必要な方に情報を提供することを考えております。その上で、また各委員の皆様方からこういう広報がいいのではないかという御指摘を頂ければ、そういったものに取り組んでいきたいと考えております。

 また、非正規向けの訓練が重要であるというものは言を俟たないわけです。非正規の方に限らず、エンプロイアビリティをどう高めていくのかということが訓練の1つの目的であると思っているところです。そういう意味で、様々なメニューを使いながら、キャリアアップできるようにしていく。正に景気状況が改善して、やや人手不足感が出ている状況ですので、ある意味タイミングとしては絶好のタイミングです。また、企業の中でも正社員を増やしていこうという動きも出ているわけです。こういう中で、そういう方向に誘導していくような訓練メニューが開発できないかと考えているところです。

1つ重要だと思っておりますのは、企業の御協力はもとよりですが、業界団体などの御協力の中で、特に中小企業におかれましては、そのような団体が積極的にやっていくということが1つツールとしてあるのではないかということで、今回の視点の中では認定訓練という形でありますが、認定訓練を活用していただく中で、特に若い方が就職するに当たって、企業の中だけではなくて、そういう訓練を使った形で就職して、エンプロイアビリティを高めていただくということも1つのツールとして重要ではないかと考えているところです。

 また、研究会報告書に戻って恐縮ですが、研究会報告書の中では入職後3年間については、業界団体として人を育てるという発想で取組が必要ではないかということも記載されているところです。なかなか難しい施策ですが、こういった取組を広げながら、全体としての若い方の正規化といいますか、処遇を上げていくような取組が進められればと考えているところです。

○宮下総務課調査官 母子家庭の母の託児サービス委託訓練ですが、ここはコース数ですので、人というのは不適切です。428コースということです。おわびして訂正申し上げます。

○小杉分科会長 三村委員どうぞ。

○三村委員 資料2-11ページの3番目の○に書いてあります、教育政策との密接な連携についてと、2ページの2番目の○の「キャリア・コンサルタントに求められる役割・機能を整理した上で」という部分で少し言わせていただきたいと思います。

 最初の部分ですが、教育政策との密接な連携は、こちらの資料2-218ページの「キャリア教育の推進」の所に記載されている部分を更にどのように展開するかということかと思います。予算上は、そう大きな額では毎回ありませんが、キャリア・コンサルタントの研修機会の拡大では、更に具体的な部分で教育政策との関連を模索すべきではないかと思います。

 現在、その対象として考えられるのは、学校教育中心に行われている職場体験、就業体験へ、どうキャリアコンサルタントが参与していくかということかと思います。早期のキャリア形成の重要性から鑑みまして、中学生が職場体験をするというのは、最初の職業生活に接するという重要な機会でもあります。御案内かとは思いますが、2005年からもう10年、職場体験を、通称「キャリア・スタート・ウイーク」で実施しております。現在、中学校での職場体験の実施率は、1日も含めてですが、98.6%、ほぼ全ての中学校で職場体験が実施されています。しかし、スタート時点では、5日以上の職場体験を標榜したわけですが、その実施率はどんどん減っております。平成25年の調査が一番新しい数字になるかと思いますが、14.4%の中学校のみで5日以上の職場体験が行われています。

 これに関しては大変な御苦労が中学校等であるわけです。実際に職場体験をする職場を中学校の先生方が足を運んで探してくるわけです。そして、数日の期間の職場体験の中で、授業の間を縫って訪問したり、体験状況をを観察したりしているわけですが、やはり、その中でコンサルタントが大きく参与していただけると、学校の負担も減りますそういった意味で、現在職場体験、就業体験への強力な支援が必要になっています。実際に職場体験をした人間が、10年たって今度は職場体験を受け入れる側にどれほど回っているか調査を新潟県の上越市の教育委員会では実施しました。その結果、600の事業所に調査を掛けて、その中から職場体験の経験があり、今、受け入れているのだという方124人に質問をしております。そういう方たちの回答を見ますと、職場体験は現在の自分の職務に大きな影響を与えているという回答をしております。10年目を迎えた中学校の職場体験、あるいは高等学校の就業体験の推進に向けてコンサルタントの活用という1ランクアップした教育政策との連携をお考えいただければと思っております。

 世界各国で、特に中等教育における職場体験は非常に力を入れています。イギリス等では、ほぼ2週間の職場体験がセカンダリースクールでは恒常的に行われていますし、お隣の韓国では、フリーセメスターという自由学期制を取り入れ、中学校の学期の一部を、職場体験など体験を通した学習を中心にする学期を設定しながらやっています。一方、我が国も5日間の職場体験がどんどん減っているという状況をどうにか改善していただきたいと思うからです。

2番目としては、キャリア・コンサルタントの専門性ということです。キャリア・コンサルタントは幅広い所で御活躍しておられますが、たとえば、教育という専門性に特化した活躍ができるキャリア・コンサルタントも必要になってきます。そこでキャリアコンサルタントの専門性というものも整理していただければと思っております。この2点です。

○吉永総務課長 教育政策との連携というのは非常に重要な課題だと思っております。この夏の人事異動でもポスト的に文部科学省との人事交流を強化しており、企画官級の人事交流も始めております。そういう意味で、日常的な文部科学省との意見交換、政策的な調整というものをどんどん進めている状況です。

 また、キャリア教育については、これまでも連携しておりますが、今、なかなか成案にはなっておりませんが、国会のほうでもキャリア教育推進法を作るという気運はかなり盛り上がっていると思っております。残念ながら、国会情勢の関係で、今国会での成立は難しいようですが、そういうような全体としてのキャリア教育をどう進めていくかというのが、1つの大きな国としての課題になっていると思っております。

 その上で、職場体験も重要だと思っております。ただ、職場体験について、キャリコンが何かするかというと、少しキャリコンの仕事の性質とは違うのではないかと思っておりますが、いずれにしても現場サイドでは、ハローワークやポリテクなどで連携している部分もありますので、そういった形について文部科学省とも連携を取りながら進めるべきものを進めていくということではないかと思っております。

 また、キャリア・コンサルタントの専門性についての御指摘がありました。これはこれから非常に大きな課題になると思っております。勤労青少年福祉法の改正の中で、キャリア・コンサルタントの国家資格化ができたところです。今回のキャリア・コンサルタントの資格化に当たって非常に重要だったと思っておりますのは、更新制を導入したということです。更新に際しては、きちんと研修を受けるということが義務付けられますので、そういう意味では、最新の状況、あるいは分野別の状況についても、少なくとも更新のときにはきちんと講習を受けなければ更新ができないという形になります。そういう意味で専門性を高めていくということの1つのツールとして使えるのではないかと考えております。

 また、専門分野については、これからどういう形で整理するのかということではありますが、例えば、正に今、中心で使われている需給調整の場面や、今後1つ課題になるであろう企業内の分野、また、大学のキャリアセンターなどにおられる方もいらっしゃいます。あるいは、三村先生も御指摘のように、それ以外の、もう少し中等教育レベルということもあるのかもしれませんが、それぞれの専門分野をどういう形で高めていくのかというのはこれからの課題です。そういう意味で、現時点ではきちんとしたキャリア・コンサルタントの制度を導入し、それに向けて更に専門性を高めていくという作業をこれからしていきたいと考えているところです。

○三村委員 先ほど職場体験とキャリア・コンサルタントとの関係性について少しお話がありましたが、現実にもう、荒川区のある中学校では、職場体験の事前授業指導等にキャリア・コンサルタントの方が入っているということがあります。そういう可能性もあるかと思いますので、その辺りも御検討していただきたいと思います。

○大久保委員 2点ほど意見を申し上げさせていただきます。参考資料6の第9次の基本計画の中に、4番として「職業生涯を通じたキャリア形成支援の一層の推進」というものを新たに入れました。これは、参考資料5の「職業能力開発の今後の在り方に関する研究会報告書」の中でも柱の1つとして「職業人生を通じた個人主導のキャリア形成支援」というものを立てているわけです。ここに書かれている「職業生涯」や「職業人生」というのは、仕事をしている期間が高齢化によって、長くなってきている中で、様々なライフイベントもあり、変化もある中で、自分の職業能力を高めながらキャリアを作っていく支援をするという意味だと理解しております。

 ただ、以前からそうでしたし、この第9次の期間もそうだと思うのですが、やはり、具体的な政策として進化していったのは若年の支援のところです。青少年の雇用促進法などもそういうことだと思っており、どうしても中高年のところはなかなか手が回らないという状況が続いているかと思います。もちろん、若年が大事であることは言うまでもないことなのですが、人口構造を見ると、やはり中高年の人たちに働き続けていただくとか、中、高年期になったときに、次の仕事をちゃんと見つけられるようにしていくということも、とても重要な視点だと思います。ここについて、次の第10次ではもう少し具体的な展開ができないだろうかと思っております。

 例えば、公共職業訓練の受講者が年齢階層別にはどういうふうになっているのだろうか、それぞれの層の求職者数に比べて、職業訓練の受講者というのはどんな比率になっているのか、あるいは、中高年層の人たちの職業訓練の受講者の人たちの就職率はどうなっているのだろうかといったところも、一度情報を示していただけると有り難いと思っております。

 恐らく若年期の職業訓練のテーマと、中高年期のテーマは若干違うのだろうと思うのです。全く白紙から何かを覚えるというよりは、これまでの経験に少し訓練による技能を加えて新しいキャリアを求めるということも中高年の場合は多いと思いますし、その後の在り方も違うと思いますので、その辺りも含め、第10次に向けて一回整理できないものかと思っております。これが1点目です。

 もう1つは、参考資料68に書いてあるテーマなのですが、これも第9次の計画のときにはじめて議論された、「職業能力開発のプロデュース機能の強化」についてです。公共職業訓練をはじめとした職業訓練を実際に提供する主体者としての役割だけではなく、実際にはこの仕組みやルールを作ることによって、全体としての職業能力開発を促進していくという役割の話だと思います。

 参考資料5のほうには、似た言葉ですが、「職業能力評価制度等の労働市場インフラの整備が推進され」という言葉が書いてあるわけです。恐らくある種同じような視点からの言葉だと思うのですが、このような問題意識の中で、キャリア・コンサルタントやジョブ・カードや業界検定というものを作ってきたのだと思うのですが、もう一度、「労働市場インフラの整備」とは一体何なのだということを、せっかくのこの第10次の基本計画を作るタイミングで議論してみたほうがいいのではないかと思っております。いわゆるジョブ・カードにしろ、キャリコンにしろ、一つ一つがばらばらに存在しているわけではなくて、全体として絡んで、大きな流れとしての機能を作っていくものだと思います。それがどういう姿を目指しているのかということが、やはり十分に議論されていないところもあるのではないかと思います。それがどこまでできていて、何が第10次に向けて課題になるのかということを一回検証してみたいと思っております。

 インフラ整備と言ったときに、今まで取組が進んでいないのは、何回も同じことを言って大変恐縮なのですが、ITの活用だと思っております。なるべく幅広い層に効率良く職業能力開発のためのサービスを提供するためには、もう少しITを使った生産性向上を考えなければいけない時期に来ていると思っております。それも広い意味でのインフラの整備の1つとして検討してはどうかと思っております。以上2点、意見として申し上げておきたいと思います。

○吉永総務課長 重要な御指摘を頂いたと思います。公共訓練のデータについては、整備できるものについては次回以降で提供させていただければと考えております。

 その上で、今回の法改正で、若年については一定程度方向ができたのではないかと思っております。また、中高年という、ある意味永遠の課題であるところもあるのですが、どういう形で対応するのかというのが、次のステップではないかと思っております。お配りしました視点の中でも「中高年齢者のキャリア形成・希望に応じたキャリアチェンジを支援する」という件を記載しております。1パラ立てております。なかなか効果的なものは何があるのかということ、特に産業構造が変わる中でどういうものが効果的なのかというものについて慎重に考えていくことが必要だと思っておりますので、その辺りについても第10次計画に盛り込めればと考えております。

 また、プロデュース機能の強化というところが非常に大きな課題です。プロデュース機能というと非常に格好良いのですが、実際にジョブ・カードにしても、キャリア・コンサルタントにしても、あるいは技能検定制度にしても、それぞれのパーツについてのメニューというものは、それなりのものとしてできてきているわけですが、これが労働者の方一人一人についてどういう当てはめをしていくと、その方がより良い職業人生を歩めるのかという視点は、どうしてもなおざりになっている部分があるのではないか。例えば、訓練を受けて検定を取って、その中でまた、その訓練を受けるに当たってはキャリア・コンサルタントを受けてという形で誘導して、その職業人生を送っていくという形でキャリアアップをしていく、あるいは企業の中でもステップアップしていく、場合によっては転職するにしてもステップアップしていくような転職ができるということもあると思います。例えば職業能力評価基準のようなものもありますので、企業の中でそういうものを活用するということもあるのだと思っております。そういうような絵姿が、なかなか全体像としてお示しできていないというところがあります。今、大久保委員の御指摘にもありましたので、第10次計画の中で、そういうような、ある意味プロデュース機能を持っている行政としての立場と併せて、それを活用する立場からどういう形で相互効果的に使っていけるのかというような観点で計画を作れればいいなと、個人的には思っております。

○豊島委員 冒頭の新谷委員の発言と少し関連するのですが、第10次職業能力開発基本計画を策定するに当たって、第9次職業能力開発基本計画の総括をしっかりと踏まえた上で作っていくべきということです。そして、総務課長が言われたように、第9次計画の当時とは情勢が違っているわけですから、現在の情勢を踏まえた計画にすべきと思うわけです。

 その中身を具体的に言うと、資料2-2の一番最初に「成長が見込まれる分野の人材育成」とあって、「介護・福祉、医療、子育て、情報通信、環境等の分野において必要とされる人材育成の推進」ということが掲げられており、これまでの実績が右側の欄に、受講者数、就職者数という形でそれぞれ書いてあります。この受講者数については簡潔にまとめていただいてしまったため、どの分野で何人ぐらいが受講して、どの分野にどれぐらいが就職したかというのが分からなくなっています。今言いましたような情報が分かる資料があると思いますので、出していただきたいと思います。そして、一番大事なことは、「成長が見込まれる分野の人材育成」を通じて雇用者数が増えたかどうかということだと思いますので、雇用者数が増えたのかどうかということが分かれば教えていただきたい。

 全体として、その他についても、そういった観点で、この第9次職業能力開発基本計画のそれぞれの施策によって、それがどういう効果を表したかということが分かるような整理をお願いしたいと思います。

 関連して、先ほど総務課長も、個々の施策は順調に進んでいる旨をおっしゃいましたが、資料2-221ページの「ニート等の若年者」という所を見ると、平成23年から平成32年までの目標に対して、平成26年度末の目標達成率は66.7%で、順調に推移しているということであり、目標との関係では順調なのですが、右側の欄を見ると、地域若者サポートステーションへの延べ来所者数が523,101人という数字が記載されています。また、就職等進路決定者数2106人という数字も記載されています。延べ数ですから実数として何人の方が来られたかというのは分かりませんが、この数字の乖離であったり、片方で、資料2-310ページで、ニート数・フリーター数の推移を見ると、若者の数が減少する中、15歳から39歳の無業者の数は高止まり、フリーター数は180万人で高止まりであり、それぞれ数字が書いてあります。これらの数字を見ると、まだまだ道遠しという感想を持つものであり、目標との関係では順調でも、実態や現状との関係ではもっと何かできないのかという思いがあります。より効果的に課題が解決する方向で目標を掲げていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 それから、「成長が見込まれる分野」ということについて、第9次計画と第10次計画で対象となる分野に変化があるのかどうかということをお伺いしたいところです。また、重点成長分野と言うと、どうしても人手不足分野と受け止められる側面があり、人手不足問題を解消しようとすると、職業能力開発を通じたスキルアップはもちろんのこと、労働条件など、雇用の質を向上させることも不可欠であると思います。労働者の職業能力開発と処遇改善を両輪として取り組むことが重要だと思いますので、そういうことも念頭に置いた施策を求めておきたいと思います。

○吉永総務課長 データについては整理して、改めて御説明させていただければと考えております。

 ニートについて具体的な御指摘がありました。資料の中で、地域若者サポートステーションへの来所者数と就職等進路決定者数が大きく乖離しているというところもあります。延べ来所者数ですと様々な方がいらっしゃいますので実際にはこの間に支援対象者としてカテゴリーがあり、その中でどのくらいの方が就職等進路決定したかという形が重要になるわけです。ここの欄には記載しておりませんが、おおむね4万人強の方を支援対象とし、実際に2万人ぐらいの方が、就職だけではありませんが、就職あるいは訓練校に通う、あるいは学校に戻るという方も若干いらっしゃいますが、そういう形で進路決定をしている状況です。

 そういう意味で、今回、勤労青少年福祉法の改正の中で、法律に地域若者サポートステーションについても位置付けることができたわけですが、一定の成果はこれまで挙げてきていると思っておりますし、もともとの計画であった平成32年までに10万人の方の就職等の進路決定をするという目標については、達成できる状況で推移していると思っております。

 ただ、一方で、御指摘いただきましたとおり、ニート、フリーターの数については非常に高水準で高止まっているという状況があります。御指摘いただいた参考資料集のパワーポイントの10ページのスライドに具体的なものが出ておりますが、最近の経済状況の変化の中で、若い方のニートの数は若干減少してきています。通常、ニートと言われると35歳未満ですので、ここで言うと、34歳までのカテゴリーで見ていただくという形になります。左下の表で見ますと、大体64万人ぐらいいらっしゃった状況から56万人ぐらいまでに減っているという状況です。ただ、内訳で見ますと、3034歳層や、通常のニートとは別にニート等の「等」に入る部分の3539歳層は、逆に増加傾向にあります。コホートで見ましても、平成21年の3034歳層は18万人であったものが、平成26年には5年たっていますのでコホートとしては3539歳になるわけですが、20万人という形で増えてきている状況があります。そういう意味で、地域若者サポートステーションの機能そのものについては、所期の機能を発揮していると考えているところですが、ただ、それで足りているのか。特に、年長のニート層、フリーター層の方々について、所期の機能が達成できているかどうかについては、改めて考えていく必要があるだろうと思っております。

 また、成長が見込まれる分野という形での第9次のカテゴリーがあります。これらについては、ある意味、人手不足分野と重なる部分があり、医療系や介護系など、現状でもやや不足気味ですし、今後の介護事情を考えると足りていないという状況は引き続き続くものと考えております。ただ、御指摘のとおり、労働条件その他の面を含めて、定着の問題等々ある分野ですので、そういう中でのいろいろな課題については、職業安定局等とも連携しながら、あるいは老健局等とも連携を取りながら改善していくということは重要だと考えております。

 ただ、今後考えていく分野については、今回の視点の中に盛り込んでおりますが、「生産性の向上」というキーワードを1つ入れさせていただいております。今の政権の1つの課題ですが、そういう観点からしますと、従来の成長が見込まれる分野という形で重点化されているものとはほかに、今後の日本経済社会の中で重点的に対応すべき分野というものがあるのかもしれないと考えております。別途、専門実践教育訓練の講座指定の見直しの関係で御相談させていただいておりますが、例えばIT系の分野など様々な分野について、この分野を政策的に成長させることによって日本の経済社会の発展に寄与するという分野がある程度特定できるのであれば、そういう分野に訓練を移動していくというのも1つの考え方ではないかと考えているところです。なかなかその分野の選定は難しいところではありますが、そういう観点に立ちながら施策を考えていきたいと、現時点で考えているところです。

○田口委員 先ほど豊島委員が質問された資料の24ページなのですが、職業能力開発分野の国際連携・協力の推進のマル3「技能実習制度の適切かつ円滑な推進及び見直し」です。今、見ていて気付いたのですが、巡回指導の実績で、件数は出ていて、関連団体は3,000社ぐらいだったと思うのですが、その到達率が何割ぐらいまで来ているのか。あと、確か3年に1回ぐらいの割合で巡回指導が1つの実習実施機関に行われるとお聞きしておりますが、この到達率がどのぐらいなのでしょうか。。

 あと、技能実習生の逃亡というのが最近ずっと増えてきています。そのままずっと増え続けていって、どういう原因によるのか、人権侵害や、そもそもがほかの職種に行くためのルートとしてそこが使われているのかなどと、いろいろな問題もあろうかと思いますが、そういう逃亡に至る原因がどこにあるのか。

 それと、私の所の関係者にも、実習機関をやっている人間がおりますが、大体、ベトナム人や中国人のスタッフの人を雇用しているわけなのです。むしろトラブルが起きるのは、実習生の現場の作業というよりも、休みの日の日常生活などのところで起きることのほうが多くて、そういうときに、中国人やベトナム人のスタッフの方がかなり貢献されているということがあります。例えば建築大工で言えば、技能実習生が占める比率が、かなり上がってきているのです。建築大工でそのぐらいですから、ほかの職種で畜産など、技能実習生にかなり依存している業種があると思うのですが、そういうところの若年労働者の技能実習生に依存する比率はかなり高くなってきているのではないかと思うのです。ですから、その辺りの実情も是非把握をしていただければと思います。よろしくお願いします。

○新谷委員 大分意見が続いていますが、私から1点申し上げます。本日、各論の論議をするつもりは余りなかったのですが、次回第93回の本分科会における資料の要求をしたいと思います。資料2-212ページと14ページです。資料2-2は、厚生労働省として訓練を提供するサプライサイドのデータが入っていて、その訓練受講者の数や就職率など、アウトプットとアウトカムの状況が出ているのですが、12ページは職業能力評価の普及・促進を目的とした施策なのです。ところが、出ている資料は職業能力評価基準についてこれだけの職種で追加をしましたということであって、普及に対する評価ではないのです。毎回言っていますように、これは厚生労働省の外郭団体がずっと受託されていて、ストックとしてはすごい数の職種の評価は実施されているのですが、その業界における普及・促進といったところが一体どうなっているかが分かるデータを毎回要求しても、データが出てこないのです。職業能力評価基準自体は次々と作っているのですが、それが本当に職業能力評価基準として社会に定着するためのツールとして活用されているのかというところが、これは正しくアウトカムの目標数値だと思うのですが、そこはいつも全く出てこないのです。ですから、今度論議をする際には、ここのデータを補強していただきたいと思います。

 同じく14ページ、キャリア・コンサルタントに関して、これもサプライサイド視点で、いつもこういう数字が出てくるのですが、14ページの真ん中辺りに、キャリア・コンサルタントがどういうふうに活用されているのかに関して、「従業員の自律的なキャリア形成の支援に取り組む企業を公募し、優れた企業を表彰」しているという表彰制度の実績が小さな字で出ています。しかし、このキャリア・コンサルタントが、その企業の中で本当に活用されて、本当に必要なときにキャリア・コンサルティングを受けられる体制にあるのが一体どれくらいの割合なのかというところの評価が、いつも出てこないのです。これも本当にサプライサイド視点の、キャリア・コンサルタントをこれだけ養成したというデータなどは出てくるのですが、キャリア・コンサルタントが社会の中でどれくらい活用されていて、目標とされている、必要なときにキャリア・コンサルティングを受けられる体制になっているのかというのをどうやって測っているのかというところを、何かデータがあれば次回第93回に示していただきたいと思います。

○小杉分科会長 委員の言われたデータを、次回にお願いいたします。ほかにありますか。特にないようでしたら、この議論はここまでとさせていただきます。

 そのほか、委員の皆様から何かありますか。ないようでしたら、本日の議論は以上とさせていただきます。次回の日程については、事務局のほうから改めて御連絡いたします。本日の議事録の署名人ですが、労働者側は高橋()委員、使用者側は諏訪委員にお願いいたします。本日はこれで終わりにいたします。どうも皆様、審議に御協力ありがとうございました。


(了)

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