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2015年9月9日 社会保障審議会障害者部会(第70回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年9月9日(水) 14:00~


○場所

TKPガーデンシティ竹橋ホール10E
(東京都千代田区一ツ橋1-2-2住友商事竹橋ビル10F)


○出席者

駒村康平部会長、朝貝芳美委員、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員、石原康則委員、伊藤建雄委員、伊豫雅臣委員、大濱眞委員、小澤温委員、河崎建人委員、菊池馨実委員、菊本圭一委員、北岡賢剛委員、久保厚子委員、佐藤進委員、竹下義樹委員、橘文也委員、藤堂栄子委員、中板育美委員、中村耕三委員、日野博愛委員、広田和子委員、本條義和委員、今村早人参考人

○議事

○駒村部会長

 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから第 70 回社会保障審議会障害者部会を開会いたします。委員の皆様におかれましては、今日は大変天候が悪い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 毎回お願いしておりますので大変恐縮ですが、議事に入る前に質疑の時間について。まず事務局におかれましては、なるべく簡潔に要点を押さえた説明になるようにお願いします。また委員におかれましても、多くの委員の御発言の機会を確保するためにも、なるべく簡潔に御発言いただきたいと思います。特に今日はこういう状況ですので余り遅くなるともしかしたら帰れなくなるかもしれませんので、なるべく電車が動くうちに終わればと思います。よろしくお願いいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。

 では事務局より、委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。

 

○川又企画課長

 企画課長です。委員の出席状況です。本日は小西委員、樋口委員、永松委員、松本委員から、御都合により欠席との御連絡を頂いております。また、山口委員の代理として、今村参考人に御出席いただいております。

 本日の資料ですが、資料 1-1 が障害児支援について、資料 1-2 が、障害児に関する団体ヒアリングにおける意見をまとめた資料です。 2 つ目のテーマが、資料 2-1 は障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方について、資料 2-2 は関連する団体ヒアリングにおける意見について。このほか、最後に朝貝委員からの提出資料がございます。よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。それでは本日の議題に入りたいと思います。障害児支援について、事務局から資料説明をお願いします。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 障害児・発達障害者支援室長の津曲です。どうぞよろしくお願いいたします。資料 1-1 「障害児支援について」につき説明させていただきます。
 2 ページ目です。まず冒頭ですが、論点の整理 ( ) を紹介しております。こちらでは、「家族支援や医療的ケアが必要な障害児への支援を含め、障害児支援の在り方についてどう考えるか」「医療的ケアが必要な障害児や重症心身障害児をはじめ、障害児支援の質の向上をどのように図っていくか」とされております。
 3 ページ目からは障害児支援の現状についての資料です。はじめに障害児数の推移です。 5 年に 1 回程度実施されます「生活のしづらさなどに関する調査」によりますと、平成 23 年度の調査結果、身体障害の子供は、 7.3 万人、知的障害のある子供は、 15.2 万人となっております。また、ここ 20 年程度の推移につきましては、子供全体の数が減少する中で、身体障害のある子供は減少傾向、知的障害のある子供は増加傾向にあります。障害の程度を見ますと、身体障害のある子供はほぼ同じ傾向で、知的障害のある子供は、中度、軽度の児童が増加している状況です。
 4 ページ目は「障害児支援の利用状況」です。通所支援については、増加傾向、入所支援については、ほぼ横ばいとなっております。通所支援が増加傾向にある要因といたしましては、参考資料で付けているところですが、具体的には放課後等デイサービスが増えているとか、そういうこともあるのですが、新規参入する事業所が継続的に増加しております。これは、地域の通所支援のニーズが顕在化しており、これに応えてきているものと考えております。
 5 ページ目からは障害児支援の制度の体系を説明した資料を用意しております。まず平成 24 年度から実施されております改正児童福祉法におきまして、これまで障害種別で分かれていた体系を通所支援と入所支援の利用形態別に一元化いたしまして、通所支援の実施主体を市町村に変更しております。また、この際に放課後等デイサービスや保育所等訪問支援を創設しております。
 6 ページ目は障害児通所支援である児童発達支援について、 7 ページ目は放課後等デイサービス、 8 ページ目は保育所等訪問支援の概要となっております。児童発達支援は主に未就学児を対象とした支援です。次のページの放課後等デイサービスは、就学児を対象とした放課後などを活用した支援です。その次のページの保育所等訪問支援は、児童発達支援センターなどに通っていた障害児が保育所などに通いはじめるときに、保育所などにおいて保育士とともに支援を行っていくというものです。
 9 ページは 10 ページと合わせまして、レスパイトの機能などもあります短期入所です。次の障害児の入所支援等を含めまして福祉型と医療型に分かれておりまして、重度・重複障害や被虐待児への対応なども行っております。
 12 ページです。一般施策における障害児の受入状況について御説明いたします。保育所における障害児の受入状況を示しております。平成 25 年度は、障害児を受け入れている保育所は約 1 5,000 か所、保育所に入っている障害児の数は約 5 3,000 となっており、徐々に増加してきているという状況にあります。
 13 ページ目は、疾病などにより外出困難な障害児に対する支援を一覧としているものです。これまで、学校に通えない子供への訪問教育や病院に通えない子供への訪問看護などによる支援が行われていたところで、従来の制度の中には保育や児童発達支援に関する訪問サービスはありませんでした。保育に関しましては、平成 27 4 月から子ども・子育て支援新制度におきまして保育の必要性が認められて、障害や疾病等により保育所で集団保育が著しく困難な子供などを対象とした居宅訪問型保育というものがスタートしており、外出困難な障害児に対しての支援の充実が図られているところです。
 14 ページ目は、里親委託、いわゆる社会的養護の施設における障害児の人数です。例えば児童養護施設や乳児院といった施設において、それぞれ、その 3 割弱が障害などを有しているという現状にあります。
 15 ページ目と 16 ページ目は重症心身障害児者に対する支援についての資料です。重症心身障害児者の数については、元川崎医療福祉大学学長の岡田氏によりますと、全国でおよそ 4 3,000 人と推計されております。施設における支援といたしましては、医療型障害児入所施設や、障害者を対象とする療養介護があります。在宅における支援としては通所系サービスや短期入所などがありまして、これまでも、報酬改定などにおいて支援の充実を図ってきているところです。
 17 ページは、医療的ケアが必要な子に関する資料となっていきます。まず、医療的ケアが必要な児童に関しての診療報酬における評価を御紹介いたしますと、診療報酬上、超重症児・準超重症児入院診療加算があります。その判定基準とスコアを示した資料が 17 ページとなっております。このスコアで、超重症児、準超重症児と判定されれば、診療報酬上、加算されることとなっております。
 18 ページ目は、特別支援学校や小中学校の特別支援学級などに在籍している医療的ケアが必要な幼児・児童・生徒数となっています。一般の小中学校にも医療的ケアが必要な子供も在籍しています。その状態像を見ますと、経管栄養、気管切開、吸引などの医療的ケアが必要な子供が年々増えてきているという状況です。
 19 ページ目は、 NICU などにおける長期入院児の数の推移となっております。 20 ページ目は、 NICU MFICU における推移となっております。医療の進歩により新生児の死亡率は減少しており、以前は救命困難であった子供も救命されるようになってきたと言われております。その一方で、人工呼吸器などを装着したまま NICU に長期入院する子供が増加しており、 NICU の確保の観点からも在宅への移行に向けた取組が行われているところです。 19 ページ目にありますとおり、人工呼吸管理が必要な状態で在宅に移行する子供が増えているということです。
 21 ページ目と 22 ページ目をお開きください。こちらは、 NICU を退院しました子供の状態につきまして、平成 23 年度の総合福祉推進事業の調査の結果に基づいてお示ししているものです。様々な障害・診断名がありますが、 22 ページ目を御覧いただきますと、 NICU の退院児のうち医療的ケアが必要な子供につきましては、割合で言いましても 8 割弱、診療報酬上の超重症児や準超重症児に当たらない子供も多くなっており、半数近くは何らかの医療的ケアが行われているという状況です。内容を見ていきますと、ほとんどの子供が経管栄養を実施しております。このほか、痰の吸引であるとか、様々な医療的ケアが行われておりますが、特に近年、短期入所などの福祉的な対応も求められてきているという状況です。
 23 ページは、障害児支援と関係機関との連携についての資料です。教育との連携につきましては、平成 24 年の法改正時に文部科学省特別支援教育課との連名で「児童福祉法等の改正による教育と福祉の連携の一層の推進について」という事務連絡を発出しており、現場レベルでの連携を推進しているところです。
 24 ページは、重症心身障害児者の支援についてです。医療機関と、福祉関係とか教育機関、様々な機関との連携がやはり不可欠となってくるということで、平成 24 年度から重症心身障害児者の地域生活モデル事業というものを行っており、医療機関や福祉関係者など、地域における関係機関とのネットワークの構築を図っており、地域ごとの連携の実践例が増えてきていると考えております。
 25 ページは、障害福祉計画における障害児支援に係る計画の策定状況です。第 4 期の障害福祉計画の基本指針におきまして障害児支援につきましても、障害児支援のニーズを把握し、計画上、位置付けるよう努めることといたしました。多くの自治体で策定していただいている一方で、まだ策定していないような自治体も一部あるという状況です。

 以下、参考資料となっております。障害児支援の各事業のデータ、障害児支援の在り方検討会報告書のポイントなどをお付けしておりますので、適宜、御参照いただければと思います。資料 1-1 につきましては以上です。資料 1-2 に関しましては、これまでの 4 回のヒアリングにおいて頂いた御意見を整理しておりますので、こちらについても、適宜、御参照いただければと思います。説明については以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。では、資料 1-1 を中心に議論をしたいと思います。皆様から、この資料 1-1 を題材にしながら御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

 なお、御発言はなるべく簡潔に、 2 3 分程度でお願いできればと思います。また、なるべく委員間の議論を中心にしていきたいと思いますので、データに関する事実確認は事務局に質問しても結構です。まず、なるべく意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。

 では、朝貝委員からいきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○朝貝委員

 朝貝でございます。ただいまの医療的ケアのことについてです。在宅と医療型障害児入所施設とは車の両輪と考えておりまして、必要なときに入所ができることで在宅が成り立つというように考えております。それからもう 1 つ。肢体不自由児療育の現状について、論点整理でも、障害児支援の質の向上をどのように図っていくかということがありますので、そのことを説明させていただきたいと思います。

 まず、概略です。先日のヒアリングでも肢体不自由児という中にいろいろな状態があって、今回ここでお話するのは、大島分類 1 4 あるいはその周辺の肢体不自由児のことを説明させていただきたいと考えております。

 

○駒村部会長

 委員、これは追加資料に基づいてですね。

 

○朝貝委員

 はい、まず概略を説明させていただいて、追加資料で説明させていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 はい。

 

○朝貝委員

 概略です。脳性麻痺を中心とした運動機能の向上が期待できる肢体不自由児は少子化と医療の進歩で減少して、特に医療型障害児入所施設は重症化してきておりまして、ヒアリングでも申し上げましたように、平成 25 年度は全国で 1,654 人と、 40 年で 4 分の 1 に減少しております。これは、ノーマライゼーションの観点から良い傾向ではあるのですが、それでは、その子の持つ能力を最大限伸ばす療育が実施されているのかということが課題になっていると思います。

 それでは追加資料を御覧ください。要望は、専門的療育機能を持つ拠点施設の重点整備ということ、それから、 1 の対策に書きましたが、障害種別ごとの専門性の維持に配慮しつつ、必要な人員配置に見合った給付費設定、この 2 つを要望させていただきたいと思います。

 有期有目的入所の現状と課題ですが、重心児の入所が優先される中で、なかなか必要な有期有目的入所ができない傾向があるということが 1 番です。 2 番は大島分類ですが、 1 4 の重心であっても、スライドの 7 番に示しましたように、この子たちでも、立位とか、歩行とか、座位とか、いろいろな姿勢を取らせるということが大切になってまいります。それから、寝たきりの横に座れるというものがありますが、 3 歳頃までに座れれば支持歩行に持っていけるということがあります。結局、座れるという 2 から 24 までの群ですが、これを歩行障害の群まで持っていける可能性があると。それは、 5 番、 6 番のケースなどがそれに該当いたします。そのほかにも、歩ける、走れる子たちでも、必要に応じて治療がなされる場合があります。

 スライドの 8 番です。同じような 5 歳の状態であっても、訓練、治療で日常で歩ける状況になれば、歩行が維持できますし、車椅子になってしまえば、つかまり立ちも困難になるという例を示しております。

 スライドの 9 番です。 3 歳頃、座位が可能であれば杖歩行の可能性があるわけですが、ここにターニングポイントがあって、 6 歳から 8 歳頃歩行可能になるケースと、つかまり立ちもできなくなってしまうというケースがあり、ここが療育による運動機能予後の違いと考えております。
 10 番のスライドです。この子たちの運動機能の向上は、大体 10 歳頃までが限界で、 10 歳、 120 か月ですね、その頃までにしっかり機能を上げていかないと維持ができないということをそこに示しております。
 11 番のスライドは、平均 6 歳の子供で重症度がIIIというのは杖歩行、IVというのは車椅子、Vというのは座位不能のケースですが、このようなケースでも、入院、集中訓練をすれば通院よりも機能が有意に上がるということが示されています。

 そして重症児が多い親子入所、 1 か月ですが、 452 人のアンケートで「子供によい変化、機能向上が見られた」は 87 %の回答があります。
 13 番は地域生活と入所療育の違いです。この子たちは家庭や地域の学校では受け身になることが多いのです。家庭では甘えも出てくるという中で有期有目的入所で特別支援学校の教育を受けると、自立心が育ったり、自分より重度の子の手助けをするというようなことも出てくるケースがあります。

 それから、先ほど重心であってもいろいろな姿勢をとることが大切だと申しましたが、これは在宅の重症のお子さんで、 16 歳になって股関節周辺が非常に痛くて夜も眠れないということで、聞いてみますと、お母さんは痛いから触れないで同じ姿勢でずっと寝かせておいたということがあります。子供の頃からしっかりいろいろな姿勢を取らせていかないと、大きくなるとその姿勢しかとれなくなって、このように障害が進むということがあります。
 15 番です。通所療育のみで完結することができない場合があるという中で、専門的療育機能を持つ医療型障害児入所施設の整備及び機能強化を要望したいと思います。平成 24 年版の子ども・子育て白書では「療育体制を整備している」と書かれてございますが、ここを「拠点施設の重点整備」というようにしていただければ有り難いと思っています。

 それから、肢体不自由児は減少してきて、「ニーズがあっても、制度上、消滅の危機にある」と書いてございますが、制度上というのは、給付費の違いで重心の入所が優先される、重心が優先されれば、「児」は「者」になっていくわけですので、併設の特別支援学校は要らなくなってしまうということがあります。以上です。

 

○駒村部会長

 詳細な重要な資料を頂きまして、どうもありがとうございます。今の朝貝委員の御報告について何か御質問とか確認はありますか。よろしいですか。
 6 ページの 12 番のアンケートは飛ばしたようですが、これは、どういうことを聞かれて、出典というか、どういうデータなのでしょうか。

 

○朝貝委員

 親子入所をした保護者の方にアンケートをいたしました。これは、私ども信濃医療福祉センターで実施したものです。それで、重症児を 1 か月集中訓練しても本当に機能が上がるのだろうかということがありますが、親御さんたちの中でこの 87 %の人たちは、機能が向上したと回答しております。これは、お母さんの扱い方が上手になるのと、子供に関わる時間が家庭よりも格段に増えるのです。そうすると子供が変わってくるということがあるという証拠ではないかと考えています。

 

○駒村部会長

 では 11 の読み方としては、●の通院に比べて○のほうが上にきているということは、有意に効果があるという客観的な根拠だということですね。

 

○朝貝委員

 そうです。それも、重症度もIII、IV、Vと、杖歩行レベル、車椅子、座位不能のケースまで、統計的にも有意に運動機能が向上したという結果です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。ではほかの委員からも、関連してもいいですし、別の問題でも結構ですので。では石野委員、お願いします。

 

○石野委員

 石野です。私は、障害児童の放課後等のサービスについて分からない面がありますのでお伺いします。
 7 ページについてです。定員が 10 名となっています。学校の放課後のサービスとして非常にいい施設かと思いますが、全国の中で聴覚障害児の放課後サービスが 7 か所あると聞いています。それはまだ出来たばかりと伺っております。 7 か所で一致している部分は、通常の放課後デイサービスにはろう児が行きづらい、コミュニケーションの問題があって入りづらいという面があるのでろう児だけの放課後サービスに集まらざるを得ないという現状があるようです。定員についてももっと人数を多くして広域でできないかということです。

 続いて、 27 ページでお願いします。放課後等デイサービスの表ですが、利用児童数が 94,978 となっております。この中での特別支援学校と普通の学校の児童の割合を教えていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 では事務局、資料についてデータの確認があったと思います。お願いできますでしょうか。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 申し訳ございません、今、御指摘のございました質問ですが、特別支援学校とか普通学級とかの内訳に関しましては、こちらの利用児童数については分からない状況です。

 

○駒村部会長

 統計がないということですか。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 はい、統計としては。この利用児童数、給付を受けている者の人数を取っておりまして、これと特別支援学校に通っている人とのクロスしているようなデータがないということです。

 

○石野委員

 石野です。

 

○駒村部会長

 関連で。

 

○石野委員

 そのようなデータを示すことが非常に大事だと思います。といいますのは、実際には障害児が普通の子どもたちと一緒にいる、一緒に学ぶということは多くないと思いますので、是非具体的なデータを作成していただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 では、これはできるかどうか、事務局から何か。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 すみません、すぐにそのデータを作るということは難しいかもしれないのですが、委員の問題意識についてはしっかり受け止めていきたいと思います。

 

○駒村部会長

 ではちょっと関連して、放課後デイで佐藤委員から質問です、ちょっと飛ぶかもしれませんが。コメントですか。

 

○佐藤委員

 はい、この委員会で前にも発言したことがあるのですが、もう一度放課後等デイサービスについて問題を指摘したいと思います。更にその後も増え続けて、今や、 3 年半たたないにもかかわらず 6,000 か所近く、しかも、利用児の数もすぐ 10 万人を突破するであろうと、今、 9 4,978 という数字がこの 3 月の数字で出ていますが。

 私はこの間、つい最近ですがいろいろ情報を得たいと思って Yahoo の検索ページでこの「放課後等デイサービス」をクリックしたところ、一番先に出てきたのが、何と驚いたことに、「フランチャイズ募集」というのが「放課後等デイサービス」で出てくるのです。そこでうたってあることが、 10 人集まれば十分に社会貢献と収益を生み出すことができます、初期投資はこれぐらいかかります、フランチャイズに加盟すればロイヤリティは月 10 万円、いろいろ御指導させていただきますというようなことが書いてあって、この分野は老人福祉よりももっと将来性があります、そういうことが書かれておりました。その言葉を裏付けるように、たった 3 年半で 6,000 か所近く、利用者も 10 万人を超えようというようなことで、確かにニーズはあるのだろうと思います。だけれども、それで本当にいいのだろうかということを改めて思いました。

 放課後の子供たちのサービスについては従来からの学童保育、放課後児童健全育成事業ですか、これが今、全国に 2 5,000 か所あるそうです。仮にここで障害のある子供を 3 4 人ずつ受け入れることができれば、本来の意味での放課後の、いわば学童保育が成立するわけです。しかし、この放課後等デイサービスが、このように多くの利用者があるということで、確かに放課後や長期休暇のときにどうするかというのは大きな問題ではありましたが、児童福祉法で一元化して障害児の対応を行うということになったわけですから、やはりそれは、一般施策の中で対応できるものは対応していくということを優先的に考える。残念ながら、局で言っても保育所なり学童保育なりを所管する所と、いわゆる障害児の福祉を所管する所は違うので、なかなかスムーズにいかないという事情は分からなくはないのですが、いつまでこんな状態を続けるのかということです。「我が国の目指すべき社会の未来形は共生社会である」と言い続けて何年たつのかということを思うと、新たにこういうものを作ってそれが、言ってみれば野放図に拡大していくという状況を、あたかも障害のある子供たちの福祉が前進したかのように描くのは、私は大きな間違いだと思っています。

 保育所等訪問支援も、なかなか増えません。これも増やすためには、障害福祉課としてどういう努力をすればいいのかだけではなくて、保育所全体の問題をにらみながら問題解決を図らなければならないと思いますし、学童保育の問題も、これから放課後等デイサービスがどんどん増えれば問題は解決するというようなスタンスではなくて、どこかで立ち止まって考える必要があるのではないかと、差し当たっていろいろなニーズがあって、それに応えていくことも大きな課題だとそれは認めます。しかし、そのことだけで我々が目指している、本来あるべき福祉の在り方とか社会の在り方からますます遠ざかるようなことは容認すべきではないだろうと思います。したがって、どういう形で表現をすればいいか、今回の法改正に当たってどのように問題を提起すればいいのか。いろいろな調整が必要だろうと思いますが、現状を良しとして追認するということだけは控え目にすべきではないかと思います。

 今、この放課後等デイサービスがいろいろな意味で、一言で、私の感覚で言えば、大変おかしくなっている。これは当初から予想されたことで、そういう危惧を抱いていた人はたくさんいると思います。しかし、現実はその恐れていたことよりももっとまずい状況になりつつあると思っていまして、是非とも、このことは将来にわたって大きな検討課題であるということを認識したいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 関連しますか。

 

○北岡委員

 はい、関連します。

 

○駒村部会長

 それでは、今の放課後デイに関連することなので、順番が違いますけれども、北岡さんお願いします。

 

○北岡委員

 今の佐藤委員の、基本的な問題意識に対して賛同を思います。放課後等デイサービスについての数の、 9 4,000 人の中身ですが、放課後のデイサービスは大きく分けて 3 つのパターンがあるのではないかと。 1 つは療育型の放課後等デイサービスで、重症心身の方とか、中度重度の知的障害をお持ちの方などが主に対象となるサービスではないかと。それから、いろいろ中軽度の方も含めて一緒に利用されている混在型の放課後のデイサービスがあると。もう 1 つ、私たちのほうでは塾型の放課後デイサービスと言いますか、そういうことがあるような気がしています。全国の幾つかの事例からそう思います。特に、塾的な放課後等デイサービスについては、ハード面の整備がしやすいことやプログラムの組みやすさなどがあって、どうもこの分野が 9 4,000 人の中で非常に伸びていっているのではないかと。厚生労働省でその辺の数字も御存じかもしれませんが。

 でも他方で、重症心身の方とか重度の知的障害を持つ方の放課後デイのサービスは量的にも進んでいないような気がしています。これはやはりハード面の整備がなかなかしにくいとか、プログラムの設定が難しいとかそういう側面があるのではないかと思っています。 9 4,978 人の利用者の中において、中軽度の方が塾的な機能としてこの放課後のデイサービスを使うような実態があると私は思っていまして、この辺について更に重度の方も利用できるような状況を他方、用意していくことが必要なのではないかと思います。

 

○藤堂委員

 発達障害ネットワークの藤堂です。多分、発達障害の子供たちが一番恩恵を受けている部分だと思っております。この児童デイの質に関して、私たちはとても心配をしておりまして、おっしゃったように老人のほうよりもずっと儲かるというように、それはもしかしたら違うかもしれない、でもそう言われていて、司法書士などもそういうのでセミナーを行っていたりして、どのようにそれを転換するか、みたいなことを教えていたりするのですね。そうすると同じ認知の問題だからと言ってうまくいくだろうと参入したところが、子供たちのほうがずっと大変であると、動き回るとかいうことで、本当にさしたるノウハウとかその障害に関してのきちんとした内容を分からないまま、これはこういう資格の人がサビ管になりますよとかあるのですが、管理者として、発達障害の施設を対象としての能力があるかどうかというところは全然考えられないままそういう人がなってしまっていたりすることが多く見られるのです。とても多く見られているというのが 1 つ大きな問題があると思います。

 それで中に入っている子どもたちの親から見ると「ああ、やっとどこか子どもたちの居場所ができた」ということで飛びつくわけです。今度事業者としては、うちはこういうプログラムがあります、あっちはこういうプログラムがありますというので、 1 人の子供をみんなで取り合うような現状が実際の現場で起きているのです。それも 1 つの問題だと思います。

 それからフランチャイズの問題も本当に大きな問題だと思っていまして、はい、やりますと、うどんとかではないので、人間を扱うものなので、フランチャイズをやるのはいいかもしれないけれども、事務の効率化という意味では意味があるかと思いますけれども、内容はきちんと一つ一つやってほしいなと考えています。

 それから先ほどお話がありましたけれども、本来、それぞれの地域にある児童館とかでの放課後を見る所で、発達障害、軽度と言われている知的でそれほど問題ない、でも学校の中では大変さを抱えているような、子どもたちに対応できる人をちゃんと 1 人は絶対に置くというようにしたら、この放課後等デイに通わなくてもやっていける人たちがいっぱいいるはずです。この数字を見てとてもびっくりしておりまして、ここだけこんなに増えているのだということと、それに対して、全員にと考えたら 9 万では足りないはずなのです。でも、全員にといったら絶対に経済破綻が起きるということを考えたら、この教育とかと連携することを書いてありますので、それから地域と連携することも書いてありますので、福祉までにいかなくても、対応できるようなシステムをきちんと考えておくことが必要なのではないかと思います。

 

○駒村部会長

 ほかにこの放課後デイに関連して、御意見はありますか。事務局からもお考えをお聞きしたいところですけれども、 1 つは一般施策との関係はこのままの方向でいいのかという、佐藤委員からの御意見もあります。あと、実態把握についてもかなりいろいろな課題があるのではないかということでしたけれども、事務局から今までの意見について何かありますか。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 障害児・発達障害支援室長です。実態把握に関して申し上げれば、どのような形態が塾型と捉えるかに関して言えば、なかなか難しい面もありまして、そのような形の分類というのは行っていなくて、現状の放課後等デイサービスの状況は資料の 42 ページのとおり、その利用児童数の推移というものも増えてきていて、事業所数の推移を見ていただいても増えてきているわけですけれども、事業所数の推移というのが非常に大きいというところです。利用児童数の推移も、例えば平成 25 年、平成 26 年度で見た場合でも、これは 3 割近く増えているわけですが、総費用額で見た場合にはそれ以上の伸びがあるということです。事業所数の増加とともに、利用回数なり、 1 人当たりの費用額も増えていると考えているところです。

 こちらの放課後デイサービスについては、様々な御指摘もありますので、実態の把握であるとかについてはしっかり検討していかなければならないと考えています。

 また、一般施策との関係については、藤堂委員の御指摘のとおりと考えていますので、保育所とか放課後児童クラブとかそのような所において、どのように障害児というか発達障害のお子さんも含めてどのように受入れていただけるかということに関しては、局を越えてしっかりと連携して考えていきたいと思っています。

 

○橘委員

 以前の障害者部会でもお話したことがあると思いますが、放課後デイサービスが急激に増加しています。ただ事業所が増えればいいということでなく、問題はその中身と質の問題だと思います。ただテレビを見させて 1 日、はい、放課後は終わりました、それで送迎して報酬をもらっている事業所もありますこれはそこにいる子供さん方に、ある意味問題ではないかと。ここの辺りをどう運営指導しておられるのかを最初の頃にお話した記憶があります。そういうことも今後、捉えて対応していただきたいと思います。

 もう 1 点、義務教育終了後の学籍のない 18 歳未満の方々の放課後デイサービスの在り方についてもご検討いただければ幸いに思います。

 

○駒村部会長

 ほかによろしいですか。これは 2 周目のときにもう少し踏み込んだ議論になればと思います。引き続きこの議論は大事だと思います。ほかの論点について、こちらの委員から先にお願いします。

 

○菊本委員

 日本相談支援専門員協会の菊本でございます。医療と福祉の連携に関して 1 点意見を述べさせていただければと思います。相談支援専門員として、日頃地域の中で相談の活動をしておりますと、今日の論点にあります医療と福祉の連携で、特に医療的なケアを有する障害児者の相談というのは必ずあります。その中で、当然今の福祉サービスだけでは対応しきれない部分が非常にありますので、そうしますと基礎自治体においては、自立支援協議会でこのテーマを取り上げて、これをどうしようかと話し合われている基礎自治体は非常に多く見られております。ですけれども、市町村単位でこの課題について取組もうということになりますと、非常に対象者の人数の少なさといったところ、それから連携した医療機関が都道府県単位の中で見れば整備はされているけれども、日常的な生活圏の中に利用したい医療機関がなかったり、そこに行くまでに非常に時間や労力がかかり日常的な利用には至らないということで、いろいろな自立支援協会の中でテーマに挙がっています。

 私は埼玉県と宮城県でこの 5 年間いろいろと活動させていただきましたが、その中の 1 つの例えば埼玉県の川越市においてもこのテーマが挙がっており、たまたま埼玉県の川越市は中核市ですけれども、ここには医療拠点になる病院がありまして、そちらと自立支援協議会がタイアップをして、新たな取組をしていこうということが検討されていまして、非常に歯車がかみ合って、これからかなと思っております。ですけれども、一般的な基礎自治体においてはそういった病院との連携をしますと、今申し上げたような、条件面で非常に難しい面が出てきます。そうしますと基礎自治体レベルの協議会で議論するということだけでは非常に不十分ですので、これについては都道府県単位での計画的な整備や調整が必要ではないかと常々思っております。

 また、川越市でタイアップをしようとしている病院においては、もしかすると私の記憶違いがあるかもしれませんが、医政局のほうで小児等在宅医療連携拠点事業が行われており、これが全国のまだ 8 都県でしか実施されていないと聞いております。ですからここら辺を県の自立支援協議会等で、計画的に調整を行って、そして市町村レベルの協議会との連携や協力体制を組むことによって、少しでもこの状態が改善できるのではないかと考えております。

 

○駒村部会長

 これは御意見ということで。では、ほかによろしいですか。そうしましたら、大濱さんから。

 

○大濱委員

 脊損連合会の大濱です。 13 ページの、疾病等により外出が困難な障害児に対する支援の一覧表に「居宅訪問型保育」が載っています。これは内閣府の子ども・子育て支援新制度で平成 27 4 1 日に開始された事業です。内閣府の資料を見ますと、今年度は子どものための教育・保育給付に 6,090 億円の予算が計上されています。この給付は、施設型給付費等の負担金、地域型保育給付費の負担金、その他の補助金があって、居宅訪問型保育は 2 番目の地域型保育給付費の中に位置づけられています。

この給付の関連で、私が地元で受けている相談の中に、 3 歳の重症心身障害のお子さんのお母さんからの相談がありました。今年中に会社に復帰しないと会社を辞めざるを得ないが、今後はどこに預ければいいのか分からなくてどうしようかと悩んでいる、ということでした。区役所に相談していく中で、子育て・子育て支援新制度の居宅訪問型保育を活用してくれないかと話をしたら、区役所は、それはどういう事業か分からないし、実際にどういう担い手が事業を実施しているのかも分からない、という反応でした。そして、どういう子どもが対象となるのかもよく分からないので、この事業には手を挙げなかった、ということです。

私もこの事業について聞くのは初めてでしたが、たまたま内閣府で担当している専門官が厚生労働省出身の方でしたので、いろいろ話を聞いてみました。すると、障害福祉サービスと随分似た制度だということが分かってきました。居宅型訪問保育は、居宅介護の形態をちょっと変えればできる事業ですし、この施設型給付費等も、重症心身障害のお子さんたちを預かる日中活動系サービスに活用できる制度です。

先ほど放課後等デイサービスの話があったように、従来から障害児や障害者に対応してきた事業所のほうが、やはり専門性が高いわけです。子どものための教育・保育給付は内閣府の所管ですが、障害福祉サービスと似たような事業が内閣府で実施されていて、場合によっては居宅介護事業所も少し形態を変えればできるという情報を、厚生労働省の障害福祉課から自治体や事業者に流していただきたいと思います。

 もちろん、本人の最善の利益のためには、厚生労働省の障害者総合支援法の枠組みのほうがいいのか、それとも内閣府の予算を使ったほうがいいのかという問題もあります。ですが、今回の件については余りにも縦割りすぎて、ちょっと変だなと思います。せっかくここにも書いてあるので、横にちゃんと串を貫いてやってもらいたいということです。いかがでしょうか。

 

○駒村部会長

 これは子ども・子育て支援新制度で、消費税増税分も入れて、鳴り物入りでスタートした新しい制度で、内閣府が事務担当はしているとはいうものの、文科省と厚労省がそれぞれ今までどおり関わってくる部分もあるわけですね。だからその情報共有とか、新しい施策がどのように情報が流れていくか、自治体が知らなかったということですか、自治体がよく分かっていなかったということですか。

 

○大濱委員

 はい、そうですね。ただ、両方あると思います。自治体でも判断が付かなかっただけでなく、実際に障害者福祉の訪問系サービスや日中活動系サービスを実施している事業所も、そういう情報を知らないのではないかと思います。そこが問題だと私は思っています。

 

○駒村部会長

 障害のほうからの情報も入っていなかったということですね。

 

○大濱委員

 そうです。

 

○駒村部会長

 事務局から、今の問題について何かありますか。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 申し訳ございません。居宅訪問型保育についての説明をもう少し詳しく申しますと、これはそもそも保育サービスになっていまして、基本的には保育を必要とする児童、保育にかける児童に関してのサービスとなってまいりますので、例えば御両親が就労されているとかそのようなケースを想定されているので、障害児を含めた居宅訪問型保育を行うかどうかは、各保育所の体制になってくるので、まずは訪問することについて、各事業所なりで検討されるのかなと思っています。

 一方、療育をするとなってきますと、またそれは専門的な知見なりが必要になってくると思っていまして、児童発達支援という、療育を行うような訪問型のサービスは、現在私どもの障害福祉課でもそのようなサービス体系は用意していないという状況です。

 

○大濱委員

 実際の問題として、障害のある 3 歳児のお子さんに日中の保育が必要で、それがないと御両親が会社に戻れないというときに、絶対にこの制度を使わなければならないということではないと思います。例えば市町村の障害福祉課に必要性を認めてもらえれば、身体介護や家事援助でも対応できるわけですよね。私はそういうことを言っているつもりです。

現行制度では障害児は重度訪問介護の対象外ですから、重症心身障害児が利用できる訪問系サービスは居宅介護だけです。ですが、例えばお母さんが働いている 1 8 時間にわたって身体介護を利用するのは、実際には非常に難しいと思います。このように、事業所がやりたくても、お母さんがやってもらいたくても、現行の障害者総合支援法の枠組みでは対応できないというところを、今回の内閣府の制度で埋めることができるわけです。ですから、その辺りを自治体や事業所にきちんと情報を流さないのは、私はおかしいと思います。これについてはどうですか。

 

○津曲障害児・発達障害者支援室長

 申し訳ございません。現場レベルでの情報共有というのは私どもも、しっかり行っていただきたいと思っていますので、内閣府とかどのような情報を流しているかを確認してみたいと思います。

 

○本條委員

 私は今までに余り御意見が出ていなかった所を申し上げたいと思います。 2 ページの家族支援について、大変いい視点だと思います。保護者のレスパイトや就労支援の観点です。私はヒアリングでも申し上げましたように、介護において家族が無償のケアをやっております。それについて、やはり就労に行かなくても手当を出すことによって、支えられる側から支援を受けながらでも、これは本人も含めてですが、支援側に回ることによって、パイは大きくなっていくのではないかと。またそれはそれだけではなく、家族本人の回復に大きくつながるという、科学的根拠があります。

 もう 1 点、これは単なる障害者施策だけではなく、先ほど申し上げましたように、認知症の介護の領域、あるいは子育て中の若いお母さん方、そういう方にも共通するものであると思いますので、是非ともイギリスの 1995 年に制定された、「家族支援法」というものを検討していただきたいと思っております。

 それから第 2 点目は、連携です。同じく 2 ページの下側に、福祉と医療・教育等の関係機関との連携です。確か昨日の資料では、司法等も入っていたと思いますけれども、教育だけに限らず、司法あるいは行政分野、法務行政と言いますか、そういう分野との連携、そういうところも大切になっていくのではないかと思っております。
 3 点目に、教育についてです。やはり何ごとも早期発見、早期支援が大事になってくるのではないかと思っております。日本において、義務教育段階から昭和 52 年ぐらいまでは、精神疾患を含む心の不調そういうことを教育しておりましたが、その教育内容が、例えば精神病は遺伝病であるとか、あるいは優生手術が必要であるとか、間違った記載が多かったものでありますので、それを訂正するように家族が要望しておりましたところ、それを訂正するのではなく、無くなってしまったのです。やはりこれは非常に早い時期からそういうことを教えておく。また障害者に対する権利、人権問題等も教えておくことが非常に大事なことになってくるのではないかと、こういうことを思っておりますので、是非とも他機関、あるいは他団体等との連携を深めていただきたいと思っております。

 

○駒村部会長

 それは御意見ということですね。ほかの委員はいかがでしょうか。

 

○中板委員

 看護協会の中板です。ヒアリングのときにも若干お話をさせていただきましたが、今日の 16 ページの重症心身障害児者に対する支援の在宅における支援の中の訪問系のサービスの所に追記していただきたいと思いますので、お話をしたいと思います。

 日本看護協会でも、在宅で生活をし続ける障害者あるいはその療養者のために、必要な支援をするための施策ということで、いろいろ要望をしていますが、ヒアリング調査したことがあります。そのときに病院の方々からは、家族が在宅介護で疲れてしまって、そのときにレスパイト的な緊急入院が要請されることが出ていました。それから、在宅療養する利用者、御家族の方からは、医療依存度が高い場合に受け入れてもらえるショートステイが大変少ないと、こういったことも要望としては挙げていただきました。そういったことを踏まえまして、今までありました小規模多機能型居宅介護の通所・宿泊の訪問介護に加えて、訪問看護という機能を追加する形の医療と介護のニーズが高い在宅で生活される方への支援の充実を図るために、平成 22 年に社会保障審議会の介護保険部会で、訪問看護と小規模多機能型居宅介護を一体的にできるサービスをつくれないかを、提案しています。

 こちらが平成 24 年度の介護報酬改定のときに複合型サービスという形で創設され、その複合型サービスの中の 1 つという形で、小規模多機能型居宅介護と訪問看護が一体的に提供できる仕組みができました。これは小規模多機能型で、これまでは、いわゆる訪問介護と訪問看護を別々の事業者がそれぞれに契約をして利用するという形でしたが、これからは一体的に対応できる形になり、平成 27 年度の介護報酬改定の中で看護小規模多機能型居宅介護という形で名称が変わりました。

 これによって、医療依存度の高いお子さん、障害児者の方たちの利用、状態が不安定な場合、緊急時の場合にも対応できるという条件が整っていますので、これまでの通常の療養型通所介護事業ですとなかなか広がらなかったわけですが、こちらに変更になり、今年度で既に 200 か所以上できている状況もありますので、こういったことをこれから都道府県が使う、作り上げていく医療計画、あるいはこれからの介護保険事業計画等にしっかりと位置付けて、その数を担保していく、あるいはそこで従事する方たちや専門家たちの数もしっかりと提案していくことを含めて、サービスの提供の幅を広げていけるようにしていただければと思っています。訪問系のサービスの中に訪問看護だけというよりは、どちらかというと介護と看護が一体的に提供できるサービスを明記されたほうが、より使い勝手としてはよいのではないかと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 御提案だと思います。

 

○橘委員

 障害児支援について、通所と入所支援がありますが、どちらもより質の高い児童発達支援を進めるために、何点か意見を発信したいと思います。通所支援についてですが、児童発達支援センターに家族支援や地域支援機能、つまり保育所等訪問支援とか、障害児相談支援を必須化し、地域支援コーディネーターを配置していただけたらいいのではないかということが 1 点です。

 もう 1 点は、入所施設についてですが、障害児入所施設の入所判断は、児童養護施設の入所要件と同様の要件を満たす場合は、原則、措置入所とし、有期限とか有目的の利用の場合は契約としていただきたいと思います。つまり、今、虐待されている子どもさんが児童相談所から障害児入所施設に入る場合がありますが、それも契約となれば、親が契約をしないで家へ連れて帰ってしまい、また虐待というケースも見られるということから、こういうケースに関しては措置ということでお願いしたいと思います。

 また、確か児童養護施設職員の配置基準が引き上げられたと思うのですが、資料に児童養護施設の入所児童の状況が書いてありますが、私の知り合いの施設長も、以前は両親が交通事故で亡くなられたとか、経済的に困窮しているというケースが大半だったが、今は発達障害のお子さんが多く入所されるようになった、養護から療育になった、施設側も多様な対応をしなくてはいけなくなっており、非常に難しいということを言っていました。

 障害児入所施設の場合は、より療育的な観点からの多様な対応が必要となることから、先ほどの地域支援コーディネーターではありませんが、何とか家族支援スタッフみたいなものを配置していただければ有り難いと思います。

 私の法人ではグループホームを運営しています児童養護施設にも小規模なものが制度化されていたかと思いますが、障害児のグループホームも制度化できないのかと思っています。大きな集団型の入所施設で生活するよりも、グループホームで暮らした方が、より家庭的な対応ができるのではないかと思っています。

 最後に、これはいつも言っているのですが、障害児入所施設の名称です。何とか児童発達支援施設という名称に代えていただきたい。この名称一つで親御さんは、前向きにも後ろ向きにもなるのではないかという気がします。私はずっと 20 数年言い続けており、また再度言わせてもらいますが、障害という文言がなぜ使われているか、私は不思議でしょうがないのです。この「害」の字は、日本の漢字、言葉の中で最も悪い言葉に属するのではないかと思うのです。前に自分の子供に「あくま」ちゃんという名前を付けようとした人がいました。あれは却下されました。皆さんどうですか。全国の子供さんとか人の名前で、「障害」とか「害」を使っている名前を持っていらっしゃる人はいるのでしょうか。多分みんな、これはマイナスの言葉として捉えて、良くない言葉として捉えていると思うのです。

 今、差別解消法で「合理的配慮」と言っていますが、これは本当に配慮された言葉なのでしょうか。もっと日本の豊かな文字を使って、ポジティブな気持ちになれるような名称を考えられたらいかがかと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。大きく 2 つあって、前半の部分は少し具体的な話で、児童養護施設に障害を持った児童が非常に増えている。これは 17 ページの資料などもこのケースです。これは単年度のデータですが、これは時系列的にもはっきりと増加傾向にあって、児童養護施設の仕事の内容が随分変わってきているのではないかという御指摘で新しいサービスをという御提案ですね。

 

○橘委員

 はい。

 

○駒村部会長

 これは 2 巡目でまた事務局には今の話を整理していただいて、議論したいと思います。後半のほうは、常に橘先生が言われている話かと思います。

 

○橘委員

 申し訳ありません。

 

○駒村部会長

 それはまた大きい話ですので。久保委員、どうぞ。

 

○久保委員

 育成会の久保です。今まで皆さんの御意見を伺っていますと、いろいろなところで少しずつ関連があってつながっていると思っています。 1 つは、家族支援をきちっと届けていかないと、虐待にもつながりますし、放課後デイも家族支援がないから、きちっとできていないから、どんどん使うというのもあります。もう 1 つ、大濱さんがおっしゃっていましたように、子ども・子育て新制度を障害があってもなくても、ちゃんと使えるというふうにしていかないと、私たちはよく同じ親で話をしていますと、仕事をしていくのに 1 週間のうち 3 日か 4 日ぐらいはお風呂も食事も全部事業所でしてもらって、寝に帰ってくるだけという子、「うちの子はそうです」「私は仕事をしたいから」と、そのような親が何人もいるというのが実態ですので、その辺も少し整理して考えていく必要があると思っているのです。私は親として古いのかも分かりませんが、子供の小さいとき、大事なときは、やはり親子はちゃんと、しんどいけれども向き合ってほしいとは思っています。

 重症心身障害児の部分ですが、医療的ケアと関連があるのですが、重症心身障害児の判定を見直す必要があるのではないかと思っています。今、大変古い制度のままできていますので、医療的ケアが必要な障害児を含めて、必要な福祉、医療サービスが提供されることを考えた場合に、サービス等利用計画にきちっと落とし込んで、それが必要ですということをやっていく必要もありますし、判定基準そのものが古いので、今、医療が随分と発達していますので、今とちょっと合っていないのではないかという気もしています。その辺のところを改善していただきつつ、少し大きな制度の変更になるのかも分かりませんが、今、障害児のことが児童福祉法でやるのか、障害福祉計画でやるのかが少し曖昧になっていると思っていまして、そこを少し改正していただいて、障害福祉計画に児童福祉サービスの整備を位置付けていくのを必須にするというふうにしていただかないと、児童の支援の質とか量を担保することはできないのではないかと思っていまして、その変のところも含めて検討していく必要があるかと思っています。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。

 

○広田委員

 ぜん息のようにせき込むので、後ろにひいていましたが、障害児に初めて出会ったのは、小学校 3 年生の運動会でした。翌春引っ越しましたが、偶然彼女の隣家の 4 畳半一間が新しい我が家で同級生にもなりました。放課後、彼女の家で話したり、彼女が通販で買った“さかたの種”を蒔いて育てたり、障害児にお金の回らない時代、彼女は乳車登校でした。 5 年生に進級すると山の上にあった分校になったため、お母さんの力では送り迎えができません。

後年、彼女は、「私が一番つらかったのは、学校に行けなかったこと」と「和子ちゃんと一生一緒に暮らしたいので、お兄さんのお嫁さんになってほしいのよ」と言っていました。手先が器用で、とても頭の良い、きれいな声で「お前なんか歩けもしないんだろう!立ってみろよ!」と悪ガキ達に言われても相手にせず、島倉千代子さんの歌を歌ったり、私の尊敬する障害を持ったすてきなお友達、亡き幼なじみです。
 17 歳の頃、とても良くしてくださっていたアイザワスミエさんのお子さんは、「頭は座らず、町医者ではわからなくて、鉄道病院に連れて行ったら『重度の脳性まひ』と宣告された」そして「夜な夜な○○の線路に飛び込みそうになって」いた。電話のない時代、国鉄の車掌さんだった御主人から手紙で、「…夜勤の時、心配だから、広田さん、泊りに来て下さい」こうして私は昼間エレベーターガール、夜は定時制高校生徒終わって自宅へ帰らず、危機回避のお泊りボランティアを体験しました。

 その後、スミエさんは「広田さん!主人が『たばこをやめるから』と言ってくれて、主人の両親も『 T は私達が育てるから、又、子供を産んで、新しくやりなおしたら』と言ってくれたけど、 T を手離せない。これからは前をむいて生きるから」と明るく言われ、「 T のため」と運転免許を取ったり、お料理も上手で、彼女の生き方を女性としても私は尊敬していた。亡き素敵な女性、立派な母親でした。

こういう思い出があったりして、将来里親になろうかと思って、「役所に聞きに行ったら、『独身ではできない』そして『生活保護はなれない』とも言われた。…」と彼に話したら、彼も「独身だから」とこたえていました。 3 年前のことですが、こんな育て方もある。

 みなさんのお話伺かがっていて子供の育つイメージが見えませんでした。今の社会はすごいではないですか。学校教育に精神のこと、と私も昔思った時もありましたが、いじめをして「妄想」、悪口を言って「幻聴」残念ですが、これが実態となる時代。大人の世界は、そういうことありますよね「あの人○○だから」「あの人精神障害者手帳○級だから」地域社会等でおこっている社会病理は、国の委員を担っている私だけの体験だけでなく、全国の仲間と共有している。その結果、追い込まれて入院、場合によっては強制入院、、大変な時代にしている。私はまき込まれず、何がおころうと、なくなろうと、彼を信じたり、米軍放送でディスコを踊ったり、お風呂に入って歌ったり本を読んだりリラックスしていますが、これは大事なことです。

 警察関係者も考えてもらいたいのですが、お店や家の入り口に“安全な子供の駆け込み場”みたいのがよく貼ってあります。そうした仕分けを大人の視点で子供達に、というのはいかがなことか、「警察との関係を作りたいと思っている人が」とかも聞く。「子供に“不審者がそばに居る”とメールが入るけど、広田さん!どう思います」と都内在住者に聞かれたりします。

昨日の話ではないですが、ここでは駒ちゃん座長だけど、子供も来る公園で寝っ転がって、黒縁メガネその辺において、大関か何か、一合ビン転がっていれば、十分不審者、誰にでも声かける私はこの俺々詐欺の“ゼッケンなければ”不審者。

子供の時から、“不審者”とか“安全お店、家”を大人の判断で教え込むことが、差別にもつながると私は感じています。見た目、話し方、肌の色、様々の違いを認め合う“共生社会”が重要だと思います。ピアサポートみなみと名付けた一部屋含む我が家に 3 年間で 23 人の子供が来訪しました。子供の判断で多くはあそびに来ていた。男の子が成長したりして、性にめざめる子もでてきたり、劇場型近隣の大騒動がはじまり、子供の安全を守れないと判断して、全員来訪おことわり、と私は判断しましたが。良い体験でした。子供達といろいろ共感できて。

 多くの子供はこじんまりした生き方しかできない。その辺で遊ぶとか、あそこは宮内庁だから入れないかもしれないかもしれないけれど、子供が活き活きと。昔超貧乏でむしろをひいた掘ったて小屋で暮らしていた私は、冬の寒い日、火の気のない我が家より、焼き芋屋さんのお釜にくっついていた。そんな子供時代をすごした私からみると、昨今の子供が、大きな箱の中に入れられているみたいに感じています。

子供らしくいろいろチャレンジできて、伸びやかに、失敗したりしながら、その子なりの、自己選択、自己決定という判断力を身につけるながら成長させ自律させたい。

 電車の中で声を掛けても、返事しないので、「お母さん、今の子は知らない人と口を利いちゃいけない、と教えられているのね」と言うと、子供がお母さんの顔をみてから「そうです」と言ったりする。「いろいろ話しできて、それで自分の判断で付いて行かない子が賢い子で、返事もできず、お菓子とか出されたら付いて行ってしまうのは危ないです」。

 先ほど、どなたか「加害者」という分け方されてましたけれど、長年私は、大阪でおきた痛ましすぎる池田小学校事件を含めて精神障害者が“加害者”の事件報道でも取材を申し込まれていました。私の視点は、精神障害者だから犯罪を起こすのではなくて、障害を持つ人が、“社会”の中で孤立させられたり、「あいつの言っていること、おかしい」と理解されずいじめられたり、いろいろな背景や原因があるという点でした。現在の状況含めて、いつ切れても不思議ではない私の人生ですが、結果としてそうした体験が相談活動や委員として貴重で、その延長線上にマスコミの取材対象者としての私もあります。
 「あいつが違っているから、おかしい」とか、ラベリングすること、差別の時がある。今の時代、「何言っているんだ、ふざけんな。乙武君なんか手も足もなくてすごいじゃないか」「大濱さんもすごい、あんな車輪みたいのに乗って、カッコいい」と、言い返せる子供もそばにいない。もっとも大人が、本人不在の街中で、人様のあることないことを大騒ぎしても、誰も止められないこの時代。子供にとっては受難の時代ですね。

いろいろな所で、若い主婦にお会いしますが、「主婦は肩身が狭い」と言うから、「未来の納税者育ててるヤンママ、ガンバッテ」と言ってます。前も言ったと思いますが、何年かぶりで会ったフジサンケイグループの産経新聞親しい人に「カリスマ主婦大賞をやって」と言ったら、「流れに乗っていないので、流れに乗った時に、その時私が担当だったら、是非、広田さん、審査員になってほしい」と、流れは作らなければ。そのように大人の生き方も流れを決められてしまっている。同様に子供に流れができて、こじんまりと、日本の子供は本物の成長ができない」。日本はどうなってしまうのかなと感じていました。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。前半部分で小澤さんが最後で、後はいいですか。

 

○小澤委員
 23 ページ、「教育と福祉の連携」ということで、どうしようか迷っていたのですが、私も実は特別支援教育の教員の大学院で対応していまして、最大の縦割り行政の悲劇は 23 ページにあるとほぼ確信を持っていて、子供の問題を議論するに当たって、学校教育を除けて議論することは、ほとんど不可能なのです。

 この趣旨を改めて先ほどから読んでいたのですが、なぜ、どこに問題があるのかというと、まず、この趣旨の最後を見ていただきますと、「連携していくことが望ましい」などと当たり前の話しか書いてないのです。基本的には、実はたまたま内閣府の仕事で去年イギリスに行かせていただいて、実はイギリスも学校で非常に悩んでいて、教育、医療、福祉の書式を統一した計画を実行に移すと、そのような議論を、昨年、イギリスの教育界の中で話し合っていたのです。

 私は正直言いまして、今の日本も具体的にやるべきだと思っています。例えば、学校で個別の教育、支援計画の作成を行います。それから、当然ですが、障害児相談支援事業所でも、障害児支援利用計画を作成しますね。例えば、これを共通の書式化をどうしてできないのかとか、アセスメントの共通化の問題とか、できなくないと思うのです。それをやるべきだと思います。そうしない限り、絶対この問題は進まないということです。もちろん、どこがイニシアティブを取るかと、そういう問題で絶えず揺れるのですが、イギリスの場合は多分教員が取っていて、そこに PT OT あるいは看護と、そのような形で入れてきて、ケア会議的な要素を入れつつ、かつ、教育目標を立てると。

 先ほどの放課後デイの問題も、実はそこに謎があって、放課後デイの質を議論しようと思っても、本当のニーズが合っているのか合っていないのか判断できないのです。場合によっては塾的な要素が必要な可能性もあると。もし、そうとしたら、どこで議論すべきかと言ったら、これは多分、教育計画と障害児相談支援事業所のお作りになる計画との両方が共有化した療育目標があって、それに基づいて放課後デイが調整されると。そこで初めて議論が成立するのですが、私はこの問題を前からずっと深刻な問題の 1 つと思っていて、一向に進まないのです。これは多分、文科省と厚労省で話は終わるので、ただ、やるのだったら、合同書式とか、共通書式とか、アセスメント方法とかと、なぜやらないのだろうと、それだけは最後に申し上げたいことです。以上です。

 

○駒村部会長

 先生、それは内閣府の調査で行かれた後、調査結果としてそういうレポートを出されたわけですか。

 

○小澤委員

 はい、出しています。教育がメインではないです。ただ、イギリスが昨年、そういう動きをしようとしているという情報をつかんできたのです。

 

○駒村部会長

 分かりました。

 

○藤堂委員

 関連でいいですか。

 

○駒村部会長

 はい、お願いします。

 

○藤堂委員

 私は今年 8 月にイギリスに行って、教育省でお話を聴いてきて、去年 9 月にできていて、行動プラクティスの中で教育が主導権、イニシアティブを取って、医療・福祉で、統一して 1 人の人間を見ていくことをきちんと考えているのを、聴いてきています。イギリスでできることが日本でできないわけがないと思いますので、是非、縦割り行政の悪いところを、お話をしていても、塾的な所とか、勉強、学習するスキルを付けなくては、学校の中で生きていくことができない子たちがいるのを、それはどこでやるのというところを考えるためにも、そういうことをまず統一してから始めるべきだと思います。ありがとうございます。

 

○駒村部会長

 これはイギリスの省庁の役割分担というのは、日本と同じで、文部省、厚労省と、それとも統合された形になっているのですか、中央省庁は。

 

○藤堂委員

 いえ、教育省は教育省があり、それから、今ちょっと分からないのですが、多分、エンプロイメントはエンプロイメントという形になっているかと思います。

 

○小澤委員
 1 点だけ補足です。イギリスの場合、障害政策庁と訳されるのですかね。日本でも内閣府でそれに近いものはなくはないですが、一応、縦割行政を何とかなくすために、障害と、そこを共通ベースに置いて、政策の統合化を図ろうと、中央官庁にそれを作っていることは確かです。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。その辺の情報を反映、これは事務局もこの辺の情報を共有して頂いて、また 2 回目の議論に吸収していただく、あるいは反映していただきたいと思います。今の議論について、事務局から何かありますか。いいですか。では、そういう方向でよろしくお願いします。

 今日は天候が悪いようですので、一気にやってしまうほうが安全だと思いますので、休みを入れずに後半のいいですね。では、次の議論に入ります。議題 2 つ目の「障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方について」、事務局から資料説明をお願いします。

 

○田中障害福祉課長

 障害福祉課長の田中でございます。私から資料 2-1 、資料 2-2 について説明いたします。まず、資料 2-1 です。論点の整理 ( ) 1 番目として、支給決定プロセスの在り方についてどう考えるか、検討の視点例として決定プロセスの課題、質の確保という 2 つの点を検討の視点例として挙げております。
 3 ページ目が現行の支給決定プロセスですので、議論の前提としてこの概要を説明します。支給決定は市町村が行うものですが、現行のプロセスとしては、まず障害者、又は障害児の保護者が申請をしていただくことになります。この申請があれば障害支援区分の認定を行って、相談支援事業者が作成をするサービス等利用計画案の提出を求めた上で、これらを勘案して市町村が支給決定を行うということになっております。

 サービス等利用計画ですが、申請者が必要とするサービスの内容と量を正確に把握していくために、平成 24 4 月から市町村が必要と認めるときに、この利用計画案を作成するということにしておりましたが、平成 27 4 月から全申請者を対象として作成を義務付けております。また、今、障害支援区分と申し上げましたが、平成 26 4 月からかつての障害程度区分を障害支援区分へと見直しております。
 4 ページ、 5 ページが現行の支給決定プロセスにおいての利用者の意向を勘案するための仕組みを列挙しております。➀概況調査とありますが、市町村支給決定の申請があった場合には、原則、職員が直接当事者のサービス利用の意向等を聴取するということにしております。➁ですが、支給決定に当たっては、先ほど説明した利用者の意向を反映したサービス等利用計画案の作成が義務付けられております。
 5 ページの➂ですが、市町村はこれらを勘案して支給決定を行うということで、市町村は支給決定に当たって、利用者のサービス利用の意向等の事項を勘案することが法令で定められております。➃ですが、万が一、申請者が支給決定の内容に不服がおありになるときは、法令上も都道府県に審査請求を行うことができるという仕組みにしており、現行制度ではこのような形で支給決定を利用者の意向を踏まえたものにするということを行っているところです。
 6 ページです。検討の視点例の 2 番目に適切な支給決定に資する計画相談支援の質の確保を挙げておりますが、現行の相談支援事業所と相談支援専門員の概要をここに記載しております。計画相談の質の確保に当たっては、当然のことながらこれを行う相談支援の質を確保することが必要不可欠になっております。現行の相談支援専門員ですが、要件、研修等が 6 ページの下半分にありますが、実務経験は分野によって 3 年から 10 年です。これに加えて、初任者研修として 31.5 時間の研修を受講していただきます。これにより、相談支援専門員としてサービスの利用計画を作成することができるようになりますが、その後 1 回受けたら終わりということではなくて、 5 年ごとに 18 時間の研修を受けていただくという仕組みが現行の障害の相談支援員の制度です。
 7 ページですが、このような計画相談、相談支援は、介護保険制度にも介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーという制度がありますので、こちらの制度がどうなっているのかを記載したものです。障害分野の相談支援専門員と比べると、一番大きく違うのはケアマネジャーに試験制度があるということがあります。
 8 ページです。まず、試験を受けていただく。試験を受けていただいたら、その後、実務研修を受けていただくことになっております。介護の分野においては、今般、研修制度の見直しが行われて、平成 28 年度から研修制度が新しくなることになっております。その新しくなった制度では、実務研修が 87 時間、これも更新研修ということで合計 88 時間になります。介護のケアマネジャーのほうには、ケアマネジャーの主任という仕組みがあり、主任介護支援専門員研修 70 時間、それから更新研修 46 時間が設けられることとなっており、介護の分野においてもこういった相談を担う専門員の質の向上を図るという動きになっております。

 障害に戻って 9 ページです。平成 27 6 月時点での都道府県別の計画相談で、サービス等利用計画をどのぐらい作っているのかという作成状況で、サービス利用者に占める計画を持っている人の割合ですが、全国平均が 78.8 %になっております。都道府県別に見ると、 63 %の自治体では作成率が 9 割を超えているということですが、 80 の市町村では作成率が 50 %未満というように、まだ進んでいない所があるのが現状です。これは支給決定のときに作成が必要となるものですので、現時点で計画が作成されていない方がいらっしゃるということで、直ちに支障が生じるということではありませんが、今後の不都合が生じませんよう、またしっかり本人の意向が反映したサービス提供ができるよう、更なる体制整備が求められているところです。
 10 ページは、今般、平成 27 年の報酬改定により、今年度から新設した加算について記載しております。
 11 ページ、 2 番目の論点の整理 ( ) です。障害支援区分の意義、必要性、役割についてどう考えるかということです。
 12 ページですが、平成 26 4 月から障害程度区分から障害支援区分に見直しました。その評価について、ここにまとめております。 12 ページは障害支援区分の概要で、認定の流れとしては、市町村が支給申請を受理した場合に、調査員の訪問認定調査を行います。その結果と医師意見書の一部を基に、全国一律のコンピューター判定、いわゆる 1 次判定を行います。次に、市町村審査会において 1 次判定の結果、認定調査員による特記事項、 1 次判定に使った項目以外の医師意見書の内容を総合的に勘案して 2 次判定を行って、最終的な障害支援区分が出るということになっております。➂ですが、障害支援区分施行後、半年間の市町村審査会における 2 次判定結果を記載しております。
 13 ページです。障害支援区分への見直しに当たっては、 1 の定義ですが、従来の障害程度区分について、「障害者等に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため、心身の状態を総合的に示す」となっておりましたが、「程度」という言葉が「障害の重さ」という誤解も受けやすいということがありましたし、また標準的な支援の度合を示す区分であることが分かりにくいという御指摘もありましたので、名称は「障害程度区分」から「障害支援区分」に、また定義についてもここにあるとおり、「障害者等の障害の多様な特性、その他の心身の状態に応じて、必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示す」ということに見直しております。

 障害程度区分、特に知的障害、精神障害の方について、 1 次判定で低く判定される傾向があって、 2 次判定で引き上げられている割合が高いということがあり、 1 次判定でその特性を適切に反映できているのかということの課題が指摘されていましたので、障害支援区分の施行に当たっては、その区分の認定が障害の特性に応じて適切に行われるように見直しを行っており、見直しの内容が 14 ページになります。調査の項目自体を見直しております。また、知的障害のある方、精神障害のある方、障害の状態や症状が一定ではない方、「できたりできなかったりする場合」ですが、障害程度区分については、より頻回な状況を判断しておりましたが、障害支援区分においては、できない状況に基づいて判断をするといった判断基準の見直しを行っており、支援が必要な状況を 1 次判定でより適切に反映できるような仕組みとしております。

 また、行動障害に関しての調査項目、かつては 1 次判定において活用されていないといった課題がありましたし、また 2 次判定で 1 次判定結果を引き上げるということになると、これは市町村の審査会を行うことになりますので、各地域において差が生じているといった課題が指摘されていましたので、今般の見直しに当たっては 2 次判定での引上げ要因を 1 次判定に組み込んだ新たな判定式の構築を行っているところです。
 15 ページから 16 ページが障害支援区分施行後 6 か月の審査の判定実績で、 15 ページの赤い色のセルで塗られた部分が上位区分の変更率の数字ですが、障害程度区分との比較においては、知的障害、精神障害を中心に、 2 次判定での引上げ割合が低下しておりますので、 1 次判定の段階において適切な評価ができていると考えられると思っております。
 18 ページは、障害支援区分施行後 6 か月間の都道府県別の 2 次判定での引上げ率の実績で、障害程度区分との比較においてはばらつきが改善されていると考えております。
 19 ページがこの 4 月に開催された財務省の財政制度等審議会の資料の一部です。ここで障害支援区分について言及されていますので、ここに掲載しております。一部の自治体では 2 次判定での引上げ率が全国平均と大きく乖離しているなど、いまだ地域差があることやまた障害支援区分の審査、判定実績が従来の障害程度区分と比べて上位区分へシフトしているのではないか、といった指摘がされております。障害支援区分の施行後の認定状況については、現在、厚生労働省において障害者支援状況等調査研究事業という事業を実施しており、区分の構成割合の全国平均と比較して乖離のある自治体等に対して、その要因を検証するための調査を行っているところです。
 20 ページが障害支援区分の役割に関する資料で、国庫負担基準についてはまた後の資料で説明しますが、障害福祉サービスについて、ここにある事業について、共同生活援助、短期入所、生活介護、施設入所支援については、障害支援区分ごとに単価が設定されており、資料にお示ししているとおり、必要な方に公平に的確にサービスを提供するという観点から、各サービスについて、障害支援区分が一定以上であること等を利用の要件とするというサービスも設けているところです。
 21 ページですが、障害支援区分の認定における障害特性の更なる反映についてどう考えるかということです。区分判定のプロセスの関係については、今ほど 12 ページ以降で説明しましたので、割愛させていただきます。
 22 ページは「認定調査員マニュアル」を抜粋した資料、 23 ページは医師意見書の様式になります。今回、団体ヒアリング等においても、認定調査の際は本人だけでなくて家族、本人をよく知る支援者等から十分な聞き取りをしてほしいというような御意見、専門職の意見の添付を可能とすることを検討したらどうかという御意見がありました。現行においても、認定調査の際にはできるだけ御本人・支援者、双方から聞き取りを行うようにしております。また、対象者の状況を把握している方に立会いを求めて、できるだけ正確な調査を行うよう努めているところです。「認定調査員マニュアル」においても、こういったことを留意点として記載をし、周知しております。また、現行の医師の意見書についても、別途、専門医等に求めた意見を添付することは可能になっていますので、こういったプロセスで適正に認定事務が実施されますよう、制度の周知や普及についても、より一層しっかりと行っていくことが重要と考えております。
 24 ページの認定調査員等の質の向上の取組です。認定調査員は市町村の職員とか、市町村から委託を受けた相談事業所の職員が担っておりますが、委託を受けた相談事業所の職員については、厚生労働大臣が定める研修を修了したものであることが要件となっております。市町村の審査会委員については、障害者の保健・福祉に関する学識経験の方から市区町村長が任命することとしており、医師の意見書については主治医が作成するということで、よく分かる方に参加していただくことになっております。
 25 ページ、 26 ページは認定調査員等に対する研修の概要で、認定調査員等研修事業として、地域生活支援事業の都道府県事業で行っております。認定調査員、審査会委員、医師ということで、認定調査に支援区分の決定に関わる方について、基本的な考え方、基本姿勢、認定調査の方法等について研修を行っており、資質向上、客観的かつ公平・公正な認定が行われるようにということで取り組んでおります。
 27 ページです。障害者が地域で必要な介護を受けられるような国庫負担基準の在り方について、どう考えるかという論点で、 28 ページの国庫負担基準の考え方と、平成 27 年度の国庫負担基準の単位に関しての資料です。国庫負担基準設定の考え方にありますように、国庫負担基準、障害者自立支援法になった際に、国の経費が義務経費化されたということで導入されたものです。国の費用負担を義務化するということで、財源の裏付けを強化する一方で、国費を公平に配分し、市町村間のサービスのばらつきをなくすために、国庫負担基準の上限を定めたものとなっております。これは各個々人のサービスの上限ではありませんで、介護の必要度が高い方が多い市町村には、その人数に応じた国庫負担を行える仕組み、いわゆる市町村全体での精算基準になっております。具体的には国庫負担基準が設定されているのはここにあるような居宅系のサービスで、障害支援区分に応じて単位数が設定されていて、これを市町村ごとに積み上げた額になります。総費用額がこれより少ない場合は 2 分の 1 を、これより多い場合にはこの国庫負担基準額の 2 分の 1 を国が負担するという仕組みです。なお、平成 27 年度の国庫負担基準の見直しにおいては、重度の障害者の割合が 5 %以上の市町村について、国庫負担基準の嵩上げを行うということをしております。
 29 ページですが、介護給付費等の支給決定と国庫負担基準についての関係です。先ほども申し上げましたように、これはあくまでも個人の上限ではありませんで、国が市町村の給付費の支弁額に対して国庫負担する際の 1 人当たりの基準額です。これが個々人の支給量の上限となるものではないことについては、各都道府県に累次通知、また課長会議等で説明をしているところです。
 30 ページの国庫負担基準、訪問系サービスの総費用額と国庫負担基準の推移ですが、全国ベースで見ると、訪問系サービスに係る総費用額より、それを積み上げた国庫負担の基準の額は上回っている状況となっております。
 31 ページです。このような国庫負担基準ですが、超過をした際にどのように支援がされているかという補助事業ですが、その資料です。一定以上、重度障害者がいて、訪問系サービスの支給額が国庫負担基準を超過している市町村ですが、市町村特別事業支援ということで、地域生活支援事業によって助成を行うという事業をやっており、それをもっても、なお国庫負担基準を超過する市町村には、小規模な市町村に重点を置いた財政支援を補助金により行っているところです。
 32 ページがどういう仕組みになっているかということです。人口規模が 3 万人未満の市町村には、超過分、全額を補助の対象とするということにして、小規模な市町村ほど超過分に係る財政負担が重いということを勘案した支援にしているところです。以下、参考資料として関係条文、資料 2-2 として団体ヒアリングにおける関係する御意見をまとめたものをお付けしております。長くなりましたが、説明は以上です。

 

○駒村部会長

 今の資料 2-1 について、皆様から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

 

○橘委員

 教えてください。 19 ページの財政制度等審議会における指摘ですが、障害程度区分から障害支援区分へと変更されたことによって、区分が上位区分にシフトしているのではないかという指摘がされていますが、これに関して部長はどのようにお考えですか。やはりそう思われているのでしょうか。これはちょっと気になるところです。

 

○駒村部会長

 これは財政審からこういう厳しい指摘があって、幾つかの自治体は何でこんな差があるのだという指摘です。厚生労働省の見解をお願いいたします。

 

○藤井障害保健福祉部長

 御指名でございますのでお答えさせていただきます。今どういう状況かといいますと、検証中ですので、実際にどういう具合になっているのかというのは更に私どもとしてもチェックしてまいりたいと思っています。実際の判定がこうなのであれば、それはそれとして個々の対象者に対するサービスを提供するベースになるものですから、然るべきプロセス、然るべき判断で判定されているものであれば、それは適正なものだと受け止めるべきだと思います。その辺を今後またいろいろ検証していきたいと思っておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 事実は事実として厚生労働省としては幾つかの自治体は出てくる名前は同じなのですが、また検証してみるということです。竹下委員、お願いします。

 

○竹下委員

 竹下です。短く 3 点について指摘させていただきます。まず、支援区分の機能・役割と利用計画の関連なのですが、障害者福祉サービスの中には支援区分とは結び付かない、あるいは利用計画にはなじまないものがあるということが 1 点目の指摘です。例えば移動支援事業や仮に意思疎通支援が個別給付になったとすれば、利用計画、あるいは支援区分とどう結び付くのか。例えば当たり前の話ですが、明日、明後日の予定は組むことはできるでしょう。 1 か月、 2 週間、 3 週間の外出予定を立てることができる人は、この中に 1 人でもおられるのでしょうか。来週、買物に何時に行こう、あるいは再来週の買物は何日に行こう、それが今決められる人はいるのでしょうか。それが移動支援において利用計画を押し付けることの矛盾だと言わざるを得ないのです。まして況んや、意思疎通支援というサービスの意味から考えて、これを利用計画によって縛るということが、本当にそれが人間的な福祉サービスの在り方なのかということを強く疑問に思うわけです。したがって、福祉サービスの内容によっては、支援区分に無理矢理結び付けたり、あるいは利用計画によって縛ることが、その本質を失いかねないということを是非、理解していただきたいと思っております。
 2 点目は、今、橘さんも指摘した認定の所で差が出ることにも結び付くことで私が非常に残念なのは、例えば現在の修正された項目でもそうなのですが、端的には全盲というハンディが共通する視覚障害者であっても、自立になる人と支援 1 になる人は簡単に分かれます。なぜ分かれるかなのです。それは答え方や調査員の理解度によるのです。

 例えば移動の所でいいますと、 1-10 で衣服の着脱。これを全盲で「できる」という答えをする人と、「 1 人ではできない」と答える人は簡単に分かれます。だからこそ同行援護事業の中に衣服の着脱や排尿・排便が外出時の必要な援護に含まれているわけです。だけど、答え方によって、私は鈍くさい男ですが、嫁さんに服を着せてもらったことは、いまだ 40 何年間ありません。しかし、現実には靴下を選ぶにしても、右左をそろえるにしても、それは全盲ではできないわけですよ。結局、一定の支援が必要なわけです。それを「できる」と答える人と「誰かに手伝ってもらわないとできない」と答える人がいて、やはり認識としてずれるわけです。そのことはほかにも幾つも例を挙げられるわけです。

 例えば食事でもそうです。食事でも、全盲の人で食事ができないと答える人は、まずいないと思うのです。少なくとも全盲という単独障害で、食事を介助してもらっている人は 100 %いないでしょうね。しかし、現実に 1 人で食事を摂れるかといいますと、限られた 1 つの皿の中のものを食べるのは可能でしょう。しかし、仮に弁当が一番典型なのですが、そこには食べられない物がいっぱい入っているのです。飾りであったり、私などは時々山葵の塊を口の中に入れて、目を白黒させますが、要するに一定の支援が伴ってこそ、人間らしい食事が摂れることがあるときに、単純に今の認定で結び付けたときに、当の全盲の視覚障害者が「できない」と答えれば、要支援 1 2 になるわけですよ。あえて極端な例を出しますが、それが「できる」と答えたら、自立になるわけです。こういう差が出ること自身を十分理解してもらった上で、 2 次判定というところの調整が必要だということを御理解いただきたい、これが 2 点目です。
 3 点目は、国庫負担金の基準のところで、田中課長の説明で一定の仕組みは分かるわけですが。確かに国は繰り返し繰り返し、これはサービスの上限ではないとおっしゃるのですが、それはそのとおりです。でも、実態としては国庫負担基準が上限になっている実態は幾らでも実例で示すことはできるわけです。これをどう評価するかなのです。私はそれ自身は 1 つ、やむを得ない部分があるのかと思わないでもないのです。しかし、和歌山の裁判所などで示されているように、特に必要な場合にまで制約することにならないようにしていく仕組みというものを、もっと弾力性のあるところで仕組みを併せ考えないと、この国庫負担基準の在り方が現実のサービスの硬直化に結び付きかねない。あるいは必要なサービスが制約されることになってしまうというところを解決することも、併せてお願いしたいと思います。以上です。

 

○藤堂委員

 藤堂です。支援区分の認定における障害特性の更なる反映についてどう考えるかという論点の整理 ( ) ですが、新しく読み書きの困難ということと、感覚の過敏、集団への適応というのが項目の中に入ってきているわけですね。認定調査項目の見直しの中で、新規に出てきたものが 3 つあります。これについて伺いたいことがあります。これらを測るための何らかのアセスメント、共通のものがあるかどうかということなのです。多分ありません。これは是非、人生を通してやっていただきたいと思うのです。教育だからというのではなく、教育でも福祉でも、同じアセスメントを使ってやっていただきたいと思います。本人に聞いたところで、本人は分からないのです。本人は読めていると思っていることもあります。私も読めていると、 60 年間ずっと思っておりました。でも、 60 歳になって、ちゃんと検査しましたら、小学校 2 年生並みの読みの力しかありません。これだけ話せても、読みの力は仮名だけだと 2 年生なのです。スピードと流暢さと正確さ、 3 つをきちんと見ないと分からないものなのです。親が分かるかと言ったら、親は「いや、この子、怠けてるだけですから」とか言って、実際の像を見ることができないというのがありますので、アセスメントは大事だと思います。

 あと、感覚の過敏、鈍麻というのも、本人が感じているもので、本人はほかの人と比べてどの程度過敏なのかなどというのは分からないわけですね。だから、私は本当はこの部屋で自分の声がエコーして返ってくるのがすごく邪魔で、自分の声で思考が乱れるのです。そういうことがあったりする人もいっぱいいる。けれども、みんなそうなんだ、その中で頑張っているのだろうと思い込んでいる人もいっぱいいて、我慢に我慢を重ね、最後にパニックになってしまう人もいっぱいいるということなのです。

 集団での不適応に関しても同じです。 1 人でいたほうがずっと楽な人もいるわけで、その辺をどうアセスメントするのかということを、やっていらっしゃるのだと思うのですが、これからどのようにやっていくつもりなのかということ、これは急務だと思います。そのことだけちょっと言いたいなと思いました。

 

○駒村部会長

 これは御質問というよりは切り口ということですね。藤堂さん、今は御質問ですか。それとも切り口として、今後の議論のテーマとしてということですか。

 

○藤堂委員

 そうですね。多分、質問しても今はないというお答えだと思います。是非やっていただきたいのが、この項目、新しい項目で 引っかかってきた人たちのパーセンテージなり人数なり、それがどういう方たちなのか分かると、すごく有り難いなと思います。

 

○日野委員

 身体障害者施設協議会の日野でございます。支給決定の在り方とプロセス等について、ある市町村の現状と身障協の考え方、またそれに対して意見というか、提案について 1 つお話させていただきたいのと、もう 1 つはサービス利用計画に関わる相談支援専門員の質も含めて、いかに人材を確保するか、この 2 点についてお話させていただきます。

 まず、支給決定について、ある市町村で障害関係の事業者にアンケートを行った結果、サービス利用計画案と自治体が決定したサービス利用計画との間で、約 8 %ほど変更が加えられたという実態があります。全て 8 %は、支給量が減らされたという実態があります。近隣の市町村においても、 8 %ではありませんが、 1 2 %同じような状況があるということがあったわけです。現状で完全に行政が駄目といったら、これは駄目だと、従わざるを得ないという状況がありますので、相談支援事業所と自治体の判断が違った場合、これをどう調整していくかということが、ここで大きな課題の 1 つだと思っています。

 そこで、私たち身障協としての考え方をこれまで述べてまいりましたが、障害支援区分によって利用できるサービスに制限を設けるべきではないということは申し上げてまいりました。現在の障害支援区分の判定は、支援が必要かどうかというところの支援判定として、その後は支給量、あるいはサービス内容などというのは相談支援事業所を中心に、行政と当事者の三者による協議の中でニーズを把握して、生活環境等を総合的に勘案して決定する仕組みとすべきではないか、というのがこれまで申し上げたところです。これを踏まえて、プロセスの中で相談支援事業所と自治体の判断に差違が生じることがないように、利用者本人、相談支援事業所、自治体の三者で協議、調整をする。これはプロセスの中に組み入れていただいて、利用者本人に不利益が生じないようなプロセスが必要ではないかと思っています。以上のことから、支給決定プロセス全体を具体的に整理した上で、協議、調整による支給決定を行う仕組みとすべきではないかというのが身障協の結論です。

 もう 1 点ですが、サービス利用計画に係る相談支援専門員に関して、これは私が拠点としています福岡県での実態ですが、確かに専門員の質の向上を図るのは非常に重要なことだと思うのですが、同時に人材をいかに確保していくかということが必要だと思うのです。今年、初任者研修の受講者が、私が把握しているだけでも数施設をヒアリングしたのですが、 1 法人、大体 10 人前後の受講希望を出しましたが、ほとんど受講できないという通知がまいりました。私は 3 法人知っているのですが、その中で受講可能という通知が来たのは 1 人だけだったのです。ですから、そういう実態があるということをまず知っていただきたいということが 1 点です。

 もう 1 つは従事者、 5 年ごとに受講すると義務付けられていますが、これは現在、個人の責任において更新手続をして受講するということですが、やはりどうしても忘れて更新ができなくて、専門員としての資格を失うというケースがありますので、できれば自動車の免許証更新と同じような事前に通知が来る仕組みを設けていただけないかというのは、これはお願いです。以上です。

 

○駒村部会長

 先ほどの計画案と決定の利用計画の差が 8 %、これはかなり大きな自治体での事例ですか。

 

○日野委員

 大きいですね。政令市での例です。

 

○駒村部会長

 今の御発言のところですが、こういうのは厚生労働省としては状況は把握されているわけですか。

 

○田中障害福祉課長

 計画案を出して自治体が決定をすると、決定をしてからがプロセスというか、そこの決定に基づいて実際にどれだけ支給を使われたかというようなことで、データの回収をしていますので、実際の計画案と、計画の支給決定がどうなったかということを、統計的にデータとして把握をしているものはありません。

 

○駒村部会長

 そういう自治体の事例があるということですね。それから、もう 1 個のほうは研修の供給量というか、サービスそのものが不足しているのではないかということ。

 

○日野委員

 特に福岡県の場合、先ほど示された相談支援に関しては、非常に低調な状況ですので、それは確かに、これから相談支援専門員を充実させるというのが、福岡県の場合、 1 つの目的だろうと思うのですが、それに対してなかなか受講できないという実態がありますので、去年までは年に 1 回だったのです。県のほうに申し上げまして、一応 2 回にはなったのですが、それでもやはり受講できない人が多いという実態があります。

 

○駒村部会長

 希望者に比べて、受けられる人が非常に少ない。

 

○日野委員

 そうです。

 

○駒村部会長

 この辺も把握はしているという理解ですか。

 

○田中障害福祉課長

 自治体でどのぐらい研修を実施されているかということについてはわかりますが、どのぐらい希望されたけれど受けられなかったということになると、データとしては難しいかと思います。私どもも受けていただかないと、やはり適切な相談支援ができませんので、自治体を含め、また自治体以外で、いろいろな形で研修をやれるものもありますので、そういうところを法人さんを含め、積極的にやっていただきたいということは、重ねてお願いをしたいと思います。

 

○日野委員

 ありがとうございました。

 

○広田委員
 2001 12 19 日からこの障害者部会にでていますが、これを引き受けた頃も幸せ、今は離れているけど、すてきな彼に支えられてもっと幸せですが、この瞬間も今夜 9 時に寝かされる“社会的入院の仲間が、町の中で、村の中で、あたり前に幸せを感じて暮らせるように”と思って精神医療の被害者である精神医療サバイバーとして委員を受託した。それを日精協にも厚生労働省にも公に言いたかった。言っても言っても、何ら解決はしていない。

 村木さん事件の時も、「○○の○○の紹介で」と丁寧に電話もらいましたが、多かったのが「村木さん、上司の塩田さん。そして、木村義雄副大臣」と言っていて、厚労省の帰りに、歩きはじめても「広田さん!お元気ですか、例の○○さんも元気ですか」とか、しょっちゅうかかってきて、私は具合が悪くなったり。他の社も「○○の紹介で」と言って村木さんのこと悪く強調しはじめたので、「あら、おたくは、塩田さん、木村義雄さんではないの?」と言ったら、「何言ってるんですか、厚労省でた部長なんかより、女局長が玉だ」と大声で言って、何だか両方ワアワア。新聞の方がすごかった。

 私は何もこたえず、取材者から話を聞いていた。厚労省の中で何が起きたかと言ったら、廊下を歩いていると「広田さん!結局ノンキャリだけのトカゲの尻尾切りですか」と知らない職員まで出てきて聞かれたり、中には泣いていた。

そして私達障害者に何がおきたか、 8 円で出していた低料郵便、患者会事務局長として出席した会議、郵政事業の人から「 8 割、領収書を出してください。」と集められた団体に言われました。私は「 8 割は出せません。」「私たちが悪いことしたわけではない」「厚労省に行って下さい」と言い切って、領収書 8 割出せない理由を説明しました。そしたら郵政事業側がおれたのか、事務局や来ていた人たちから、「広田さんが来てくれたから、ここは通りました」と言われたぐらい、みんなが大変な状況でした。全国で。

 村木さんは自立支援法を作った時に、「素晴らしい法律だ」と言っていた。私は市町村に精神障害者の福祉が義務付けられるから、“これで社会的入院の仲間が”と思って与党側の「参考人を」ひきうけた。それなのに何で、関係ない区分を作ったのと厚労省に聞きたい。

民主党政権時、何度も言うけど、「危機感持って、○○さんも広田さんも入れている。…」と入って、今回も叩かれている。車イス利用者が入院時のネコエサやりボランティア先で、 20 数年まえに出会った東京新聞の記者している 30 年来の親しい人に「若い記者君の名前は今後もださないけど東京新聞の特報部というのは売りの部らしいので、日精協から委員としてお金を受けとっていた当事者という発言する時、社と部の名前だすから」と話したくらい、公明正大にものごとを処理したりしていますが、いろいろマスコミ攻勢も体験しています。

 竹下さんは弁護士だから明快に答えたり語れるけど、誰もがある日突然、厚生労働省絡みのこと等で、又は人の中傷とかで、自らが取材攻勢等を受ける可能性が国等の委員としてあります。その時、“ああ!広田さんの話、又か、と思っていたけれど、こういうことだったんだ”と参考になります。

村木さんの話はどこに行ったか、警察庁に飛び火したらしい。取り調べを可視化ということで。この間、何回も厚労省の人たちに「村木さんに会わないの」と言われていたけど会わず、先日、行ったところで偶然会ったので、「村木さん!反検察に利用されては駄目よ。○○さんにも」と私は言った。「大変な時の村木さんを応援した」人たちも村木さんを利用している。

 

○駒村部会長

 広田さん、少し話がずれ始めてしまったので、ほかの委員も手を挙げていたので、ポイントだけ。

 

○広田委員

 その村木さんの事件も厚生労働省は総括しないで、説明もなく。居住区の大らかな人柄で人望もあり、優秀な刑事さんは「広田さん!もう、俺の出番はない」「女性警察官増員したら、地域警察官の負担も増える…」と日本の警察をうれいながら今年、生き急ぐようにガンバッテ亡くなりました。名刑事さんたちのこうした気持ち等も私は理解してきた。こういう乱暴なやり方はおかしい。

一方、こちら精神障害の得たものは程度区分。誰のため、何のため、こんなものができたのか、今後こたえて下さい。

 この瞬間も、ピザもたこ焼きもフルーツパフェも食べることができない社会的入院の仲間たち、その仲間が安心して暮らせるための施策を国家プロジェクトでやろうとしても、こんなところで税金使ってしまったらやれない。削れるところは削って、スリムにして、使うべきところに投入してほしい。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございます。では、本條さんと大濱さんが手を挙げていますね。お願いします。

 

○本條委員

 私は簡単に済ませます。 2 ページの「適切な支給決定に資する計画相談支援の質の確保」、これ自体、非常に大事なことであるとは思いますが、計画相談支援ということになりますと、一言で言うならば障害者のケアマネジメントではないかと思います。もちろん、これも非常に必要でありますが、従来、精神障害者又はその家族に対しては、都道府県の職員が精神保健福祉相談員として相談支援を行っていたわけです。それが、今は市町に計画相談支援が移って、非常に後退しています。それを従来のように戻して再強化するか、あるいは別の、例えば基幹相談支援を通じて、その機能を行うか、そういうことを検討していっていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 大濱さん、お願いします。

 

○大濱委員

 脊損連合会の大濱です。私が言いたいことは 2 点ありまして、どちらも訪問系サービスの国庫負担基準についてです。

私は怪我でこういう身体になったわけですが、たまたま東京都内に住んでいたので、 24 時間介護を受けながら、今もこうやって地域で生活できています。ですが、例えば地方の小さな市町村だと、恐らくこのような介護は受けられないというのが実情です。そういうことを考えると、現在の国庫負担基準は、 1,700 市町村の 90 %カバーというのが厚生労働省の目標水準になっていて、実際に基準額を改定した後のカバー率が 75 %前後にとどまっています。ですので、この目標水準をやはり 100 %カバーに引き上げていただきたいというのが 1 点目です。

 次に 2 点目です。これは 30 ページのグラフを見ていただければ分かりますが、平成 24 年度以降、国庫負担基準額が総費用額を上回っています。ところが、国庫負担基準は市町村単位での精算基準であって、現行制度では、小規模な市町村であっても、支給量と基準額のデコボコを市町村の中で調整するシステムになっています。ですから、これをせめて都道府県単位にしていただきたいと思います。国庫負担基準を都道府県単位の精算基準に改め、基準超過の小さな市町村に対して、県内の他の市町村で余っている差額を、都道府県が割り当てることができるシステムを、是非検討していただきたい。

 この 2 点を、今回の検討課題として、この部会で議論していただきたいというのが私のお願いです。以上です。

 

○駒村部会長
 30 ページの矛盾しているように見える絵ですよね。

 

○大濱委員

 はい。

 

○駒村部会長

 またこれは 2 周目で議論したいと思うので、よろしくお願いします。ありがとうございました。それでは、阿由葉委員からお願いします。

 

○阿由葉委員

 セルプ協の阿由葉です。 2 点意見させていただきます。まず障害支援区分の認定についてです。資料 2-1 19 ページに「財政制度等審議会における指摘」があります。今回の資料はその一部なので配付資料には掲載されていませんが、指摘の中には「就労支援のサービスやグループホームなど、障害支援区分の認定が必要ないか、支援区分が非該当であっても利用が可能なサービスの見直し」といったものがあります。この指摘は、支援区分が利用要件となっていない就労系サービスについても、支援区分を利用要件にするべきという指摘と読めます。逆に、支援区分を利用要件としていない就労系サービスは、個別給付の対象から外すべきと指摘をしているようにも読めます。

 就労系サービスの利用者が支援の必要性が低いということは決してありません。就労系サービスの利用者の中にも、他のサービス利用にあたって認定を受け、区分が出ている方が多いという実情があります。本会の平成 25 年度の会員調査でも、就労継続支援 B 型の利用者でも 60 %程度の方が区分認定を受けています。残りの 40 %のうち 25 %は認定調査自体を受けていない方なので、実際に認定調査を受ければ区分の出る方の割合はもっと多くなるはずです。就労系サービスの利用者は支援の必要性が低いという誤った認識で、今後制度の見直しが進められることがないように、この点をここでは強く主張させていただきたいと思います。さらに関連ですが、就労系サービスの利用にあたっては、現在就労移行支援事業所等による就労アセスメントをするという施策がとられています。これは、支援区分ではその人にあった働く場のアセスメントが適切にできないからです。決して就労系サービスの利用にも支援区分が必要という意見ではなく、支援の必要度という点からの例としての意見であるということを補足します。これが 1 点目です。

 それから、もう 1 点です。支援区分のことで更に言えば、資料 2-1 20 ページ、生活介護事業の利用は区分 3 以上とあります。第 67 回の部会で就労支援が議論された際、 B 型と生活介護の統合・再編という意見がある中で、問題の本質はその人の状態やニーズに合った日中活動の場が十分提供できていないからであり、 B 型と生活介護を統合・再編しても解決はされないという意見を出させていただきました。本来であれば生活介護の利用が望ましい方でも、区分が出なくて B 型を利用している方も多いという意見もありました。これは、その人に合ったサービスが提供できるような支給決定ができていないということであり、検討が必要だと思います。

就労系サービスの利用の支給決定は、就労移行支援事業所等による就労アセスメントの仕組みがあり、今年 4 月に経過措置が終わり、就労系サービスの利用を希望する全ケースで適応されています。最終的にはアセスメント結果を踏まえて、相談支援事業所がサービス等利用計画案を策定し、それが支給決定の際に勘案されることになっています。就労移行支援事業所は今回の報酬改定で、就職実績のない事業所の減算の割合が厳しくなりました。相談支援事業所も平成 27 4 月以降のサービス利用におけるサービス等利用計画案の全件策定といった対応があり、非常に業務多忙な状況になっています。このような状況で適切な就労アセスメントができるのかという課題意識があります。仕組みが適切に回っているのか、確認が必要であると考えます。自立支援協議会の就労部会等の関係機関による合議体の活用を、これまで本会は意見してきました。アセスメントマニュアルの中でも検討会の設置等、関係機関との連携の重要性に触れられていますので、その人に合ったサービス提供ができるような仕組みの検討が必要であるということを、意見として出させていただきます。よろしくお願いします。

 

○駒村部会長

 どうもありがとうございます。続けて石野さん、その後に伊藤さん、お願いします。

 

○石野委員

 石野です。認定は非常に重要な問題だと考えています。当然、正確さを求められてくるわけです。私の娘が 30 代になりますが、知的障害を持っています。実は認定を受けた際、最初の第 1 次では支援 6 だったのですが、コンピュータ判定では 5 になっていました。支援の程度が違うということで、会議のときに 6 に変わったという経過がありました。もしコンピュータだけでやっていれば 5 で、判定会議でも 5 のままであれば納得できない場合は不服申立てを行うこともできますね。

 調査項目が多いから、いいとは限りません。実際に調査する場合には、調査項目は少ないほうがいいに決まっていますが、調査項目の中身について、慎重に考えなければいけません。例えば読み書きの所、新しい項目が入りましたが、「文章を読むこと、書くことに関すること」と書いてあります。これはコンピュータに入れて簡単に判定できるのかどうか、非常に疑問を持っています。きちんと正確に把握しなければいけないと思います。

 それから、例えば盲ろうの例を取り上げてみますと、盲ろう者については聞こえている状態から聞こえなくなり、その後視力が低下する、あるいは視力障害が先で聞こえなくなるなどで、障害の受け方が非常に違いますので、状況が変わってきます。それもきちんと把握しなければいけないと思います。そういう意味で慎重さを求めたいと思っています。

 

○駒村部会長

 どうもありがとうございます。では、伊藤さんからお願いします。

 

○伊藤委員

 日本難病・疾病団体協議会の伊藤です。お願いが 1 つと、意見が 2 つあります。 1 つは支援区分について、非常に曖昧な部分の多い難病患者の認定マニュアルを作っていただきまして、先ほど関係自治体、関係団体に送りましたというお話をいただきました。大変良いものが出来ていると思いますので、その点については感謝申し上げます。ただ、この障害部会に出ておられる方々も、ほとんどそういう関係団体や関係機関の代表と言っていいかと思いますが、そういう方々にも是非、難病患者の認定マニュアルというのはどうなっているのかということを実際に見ていただきたい。それを、またほかの障害にも使えるのではないかと思う部分もあるものですから、是非、次回ぐらいには参考資料としてで結構ですので、この障害部会の委員の方々にお配りいただきたいという、お願いをしたいと思います。

 それから、認定に当たっての意見ですが、せっかく難病患者の認定マニュアルというのが出来て、難病についてはこういうことに気をつけ、このように認定してほしいと書いてあるのですが、患者さんから時々聞く実際の話になりますと、審査では支援決定とならなかったということを聞いていますし、中には「そういう状態だったら身障手帳も持っていないし、無理だから申請しなくていいのではないか」と言われて、そもそも申請にならなかったという声もありますので、そういうものの実態の把握というのも、できればしていただきたいと思います。

 我々の病気によってサービスを使うというのは、本当に日内変動も含めて、様々に状況変化するわけですが、難病とともに生活をしていることの、生活の質が向上するという意味もありますので、単にサービスがなければ生活できないというわけでもなかったりするわけです。そのような部分に、現場では実態としてどういう判定をしてきたのか、どういうことが困難なのかということも、いずれつかんでいただきたいと思います。

 これも、今までもお願いしていて、なかなか難しいというお話なのですが、実際には手帳がなくても難病で指定されていればサービスを受けることができるということで、申請をするわけですが、その中でサービスだけではなくて、実際に行ってみたら障害者手帳を取れるのではないかということで、障害者手帳の取得に結び付いたケースが大変多いと聞いていますし、実際にそうだと思います。そうするとそれは従来から障害者手帳を使って、つまり身体障害者として福祉サービスを受ける権利があったのだと思うのですが、それがどういうわけか結び付いていなかったというケースだと思うのですが、それがどの程度あるのか。これは、データでは出てこないのですよね。どういう理由で相談に行って、それが障害者手帳に結び付いたのかというのはないのですが、部分的でもいいですから、どの地域でどのぐらいあるかということでもつかめれば、推測はできると思いますので、そういうのがもしも可能でしたら、そういうデータを幾つかモデルで結構ですので、つかんでいただきたいと思います。

 それから、実際に患者さんは、こういうのがあったらいいなと思いながら、疲れたとき、歩くのが困難になったときに、例えば電動車椅子がほしいとか思うわけです。それが認定に合致するかどうかというのはまた別としても、そのときにそういうのがあれば楽なのに、あるいは病院まで 1 人で行けるのにと思ったときに、自己決定の入る余地はないのか。周りから見てなかなか分からないことが多いものですから、そういう自己決定の入る余地があるのかどうかというのも、少しシステムとして御検討いただけないだろうかということです。以上です。

 

○駒村部会長

 今日は時間がないので、あまり事務局とやり取りできませんが、委員のお話を全部聞かないといけませんので、小澤委員、河崎委員、菊池委員、久保委員の順番でお願いします。

 

○小澤委員

 小澤です。 2 点ほど端的に申し上げたいのですが、 1 点目は 3 ページの図に非常に大きな問題が潜んでいて、せっかくの見直しですから、この図も見直していただきたいと思っています。というのは、「支援区分の認定→」その後に「サービス等利用計画」、これが最大の誤解を招いていて、計画の策定の議論と支援区分の議論は別ものと考えていただきたいというのは、前からずっと考えていることです。

 計画というのはあくまで、昨日の議論でも本人中心の話をしましたが、要するに何をやりたいかという、この辺りを場合によってはインフォーマルなサービスも含めてというのは、これは実際の研修でも主張しているわけでして、支援区分という枠の問題を意識したときに、これはケアマネジメントと非常に近いのですが、マネージドケアという考え方があるのです。要するに一定の総量の中で、どういうサービスが作れるかという。私はそのマネージドケアに、非常に近くなってしまっているのではないかと思います。

 だから、人材育成のときの主張とも、少しずれているのです。要するに本人中心で、そこの思いを中心にと言いつつも、制度設計だとマネージドケアみたいに、既に与えられた区分の範囲内でどう考えるかと、これは全く違うものだと思うのです。だから、ここは絶対に変えない限り、相当理解に苦しむし、現場も悩んでいると思います。

 それから、 2 点目は人材育成のところですが、これは実際に私も初任研、現任研に関わっていて、一番大きな問題は結局この研修、カリキュラムやシラバスは多分厚生労働省がお作りになったのですが、そもそもどういう人材を育成したいのか。私は教育・研修に関わっていて全然見えないです。カリキュラムは大幅に見直しが必要だろうと。それから、そこでやるべき中身も相当に組み立て直さなければいけない。それを感じているので、やはりそこを是非、これは制度ではないので、比較的容易にできることかなと思っています。要するに法の改正ではないので、それが 1 つです。

 もう 1 つ、私が研修ですごくびっくりしたのは、実は世田ヶ谷区で初任研をやっているのです。私は今までの常識で、都道府県と政令市までかなと思っていたら、そうでもないのです。制度設計で言えば、場合によっては市区町村でもできなくはない。そういうことが初めて分かりましたので、やはり研修というのは、あくまで地域の実情を踏まえて、計画作成、相談支援とやっていますので、場合によっては世田谷区で可能ならばでき得るはずだというのが初めて分かったのです。それが、もう少し身近な単位でできないか。実際問題、東京都クラスになると 900 1,000 というオーダーで受講生がやってまいりますので、それは実質、成立しないということです。

 あと、計画策定を非常に強化してきたのですが、次のステップとして、やはり計画の質をどうする気なのか。要するに計画 100 %達成と、先ほどもずっと都道府県別に棒グラフが出ていますが、その次の話はどうする気なのかというのは、やはり考えなければいけないです。そうすると計画の質とか、あるいはいい計画を作れるようなスーパーバイザーとか、そこまでやって初めて人材育成になると思いますので、是非ここは見直しに勘案していただきたい。以上です。

 

○駒村部会長

 河崎委員、お願いします。

 

○河崎委員

 日本精神科病院協会の河崎です。 2 点、意見を述べさせていただきます。まず 1 点目は計画相談支援の件ですが、資料の 9 ページに都道府県別の実績が出ています。これを見ても全国平均が 78.8 %、つまり約 8 割の方が既にサービス等利用計画を作成しているということなのでしょうが、ただ、幾つかの自治体、都道府県がかなりそれを下回っている状況だと思います。これは、どうしてこういう状況になっているのかということを、やはり分析して、それに対して対応することが必要です。

 私はいつも厚労からの資料提供で思うのですが、こうなのですと言うだけであって、これに対してはどういう要因があって、これにはこのようにやっていこうと思うというところが全くないのが、いつも残念に思っていますが、もしこれについても何らかの現状の分析結果、あるいは今後の考え方というものがあるのであれば、是非教えていただきたいというのが 1 点目です。

 それと、 2 点目は障害支援区分の件です。先ほどの課長の説明の中で、今回、障害支援区分になって、結果として知的・精神の上位への変更率が低くなったというお話がありました。確かに資料の 16 17 ページの各障害種別のデータを見ても、そのようになっていますが、身体の方たちの変更率と比べると、知的が 11.1 %、精神が 14.7 %、身体が 6.3 %ということで、相変わらず知的、特に精神の方の上位変更率が高いというわけです。これについて、精神の方に関して言えば、どういう理由で上位に変更されているのかというところを、やはり今後分析して、そして検討していくことによって、特に精神の人の特性というものが、そこから見えてくるのではないかと思ったりします。

 先ほど広田委員から、精神についてはこういう障害支援区分なんて必要ないのよと、ここへ使うお金をもっと長期の入院精神障害者の地域移行のために使ったほうが意義があるという御指摘がありました。私はまだそこまで結論を、そうだと言うつもりはありませんが、ただ、長期の入院精神障害者の方が、前のときも申し上げたと思いますが、やはり障害支援区分の認定を受けている人が少ないのです。その理由は明確で、長期の方が入院中に障害支援区分の認定を受けたとしても、そのことが何らかの利用をしながら地域へ移行するというツールにはならないわけですよね。

 ですから、前々回ぐらいの部会でも指摘をさせていただいたかもしれませんが、やはり長期の方が地域へ移行する際に、現状の何らかの障害福祉サービス等を利用して、そのことによって地域移行を実現していけるような仕組みがあれば、きっと精神障害者の方たちにとっても、この障害支援区分が有効に使える手段になるのではないかと思ったりしますので、そういうことも今後の検討課題にしていただきたいと思っています。以上です。

 

○駒村部会長

 菊池委員、お願いします。

 

○菊池委員

 菊池です。簡単に 1 点、確認させていただきたいのですが、審査請求に対する裁決例というのは、国のほうで把握されておられるのか。そして、それを分析しておられるのかということです。我々は裁判に対する判決は、ある程度把握できるのですが、裁決になると全くアクセスが難しくて、ただ、審査請求で何が問題になっているのか、何が争われているかというのを分析すると、ひょっとしてそこには宝の山がある可能性があるかなと思ったものですから、その点だけ確認させてください。

 

○駒村部会長

 はい、では菊本さんお願いします。

 

○菊本委員

 日本相談支援専門員協会の菊本です。 3 点ほど意見を述べさせていただきます。まず、計画相談の質の担保と質の確保というところですが、これについては昨日の意思決定支援の議題にもかぶる部分だと思っていますが、相談支援は意思決定支援にかなり重複した考え方が貫いているものだと思っております。その中で昨日、野澤委員からもお話が出ておりましたが、いわゆる入所施設等々に長く生活をされてきた方に、初めて相談支援専門員がプランを作るということで入って、これはいわゆる効果と言ってもいいと思いますが、御本人が実は 20 数年前に、親の意向に沿って入所してしまったけれども、時代が変わり、こういう形で外部から人が入ったことによって、地域で生活をしたいというような希望がしっかりあるということを確認ができて、それによって計画相談で掘り起こしになって、地域での生活を始めようというような事例が全国で報告がされてきています。

 日本協会としましても、計画相談の効果については、今述べさせていただいたようなこともありますので、その効果というところでは協会が責任をもって、少し全国の状況を好事例としてまとめたいと思っておりますので、全くゼロというような効果ではないと考えております。それが 1 点目です。
 2 点目は、計画相談支援の質の確保というところでは、協会としては質の確保ということは、人材育成ということに直結しているというふうに考えておりまして、その点としてはいわゆる今の初任者研修と現任者研修のカリキュラムの見直しと、集合型の座学研修の限界も、そろそろ議論していただいてもいいのではないかと思っております。

 まず、カリキュラムの見直しについては、これ自体がもともとケアマネジメントの手法というものを普及・周知するというところから検討され、その後にはたしかケアマネジメント従事者というような名前でカリキュラムの見直しが行われてきていまして、いわゆる計画相談が始まる前のカリキュラムが大幅に残っていて、そこの見直しがまだまだ不十分ではないかと思っています。ですので、いわゆる相談支援が計画相談や児童相談という形で機能分化をしておりますので、実態に合わせたカリキュラム変更が必要だと思っております。カリキュラムの見直しとともに、もう集合型の座学研修の限界も一定程度認めるべきではないか。埼玉県の初任者研修も、昨日 400 人規模で終了しましたが、やはり 400 人で集合座学研修をして、どれだけの効果があるのかというのが非常に疑問が残るところです。ですので、そこでもし養成が終わってしまうということであれば、それは質の向上にはつながってまいりませんので、 1 つの案としては、今の議論されている基幹型相談支援センターに、主任相談支援専門員等を配置して、この名称がいいかどうか分かりませんが、現場での指導体制、 OJT というのでしょうか、実務指導というべきなのでしょうか、とにかく現場でしっかりと指導ができるというような体制と、両方の体制で質の向上を図っていくと。ですから当然、座学研修の効果もあるということは認めておりますが、それだけでは非常に不十分ですので、現場での指導体制、今日の資料ですと、 8 ページの介護保険は 88 時間ということで、大幅に研修時間を増やしておりますが、こういった方法で効果が本当に上がっていくのかというのは、私としては疑問を持っております。現場での指導が必要だと思っています。

 そして 3 点目ですが、今のケアマネジメントの日本の形は、 1 つの言い方としてはブローカーモデル、仲介型のモデルが中心で、展開がされすぎているのではないかというふうに思っております。先ほどの竹下委員の御発言にもありましたように、当然ブローカーモデルでのケアプランにおいて、成果が現れる方もたくさんいらっしゃいますが、それではうまくいかない方々もいらっしゃいます。特に私が思っているのは、コミュニケーションに障害があるというか、意思決定支援が必要な方々に対して、 3 か月先、 6 か月先、 1 年先の約束をするというようなプランの在り方では、なかなか効果が上がらないのではないかと思っています。ですから、もしそういった方に目標を設定するというようなことであれば、御本人の内発的な動機に働きかける、ある意味ではエンパワーメントというふうに言ってもいいかもしれませんが、自分の生活を変えたり、目標を持って生活しようということはやはり相当個人的な理由だと思うのです。ですので、そういった関わりについては、今のやり方では不十分さが残ると思っていますので、それは例えばストレングスモデル等が世界的にも有名になっておりますが、対話型で 1 週間に一遍御本人と会って、プランを確認していくような、もっと今よりもより丁寧なやり方が必要になってきているのではないかと思っています。

 ですので、この点、後半 2 点については御議論も必要なところかなと思っているので、意見を述べさせていただきました。以上です。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。北岡さん、そして最後に久保さんという形でお願いします。

 

○北岡委員

 実は私、障害程度区分から支援区分まで、ずっと審査会の 2 つの市の審査員をやってきまして、私は障害の支援区分を作ることはサービスの利用に際してはとても重要なプロセスだろうというふうにまず思っていますので、そういう立場で話をしたいと思います。障害程度区分から支援区分に変わり、私たちの地域の中では、この区分はかなり精度が高まったねというような感想を審査員の皆さんはおっしゃっています。

 ですから、大体こんなものかなというように思っていました。大体私たちは 15 ケースに対して 1 つぐらいが上位区分に変更ということになりますので、 6 %ぐらいだと思います。そうしたら今日のこの 19 ページを見たら、 8 倍も違うケースがあるというようなことから、これは先ほども厚生労働省のほうでは、実態を把握するというようなことをお話されていましたが、是非、それは把握していただきたいというように思います。 8 倍違うものがこの支援区分としていわば全国同じ制度として、サービスを提供していくということで、この差は本当に許容範囲なのかということも思います。これは認定調査員の力量が違うのか、それとも 2 次判定の市町村の審査会の構成するメンバーのある種の考え方が反映されているのかとか、いろいろと分析の角度を持って検討していただきたいと思います。

 例えば A という町での審査会の同じ資料を B という町の審査会でやってみるということも、ひょっとしたら違った結果が出るのかもしれないと思います。別に上がることがよくて、コンピュータの判定がそのままというのが悪いとか、何かそういう決め付けた話ではなくて、 8 倍の差の持っている意味みたいなものを、是非、考えることが必要なのではないかというように思いました。以上です。

 

○駒村部会長

 ではお待たせしました、久保委員お願いします。

 

○久保委員

 育成会の久保です。私からは主にセルフプランのことについて申し上げたいと思っています。セルフプランが本来の趣旨から逸脱しているというふうに感じております。計画相談というのは基本的に暮らしに見通しを立てて、希望をかなえて不安を払拭するというのが、そういう計画を立てていくのが基本になるというふうに思っていますし、それを基本にしながら、計画を立てるだけでなくて、サービスのコーディネートだとか、公費で提供する事業所の支援とか調整だけではなくて、インフォーマルなサービスの調整、育成も含めてのことを行うというふうに思っております。そのセルフプランが実際に私たち団体のほうで説明が悪いのかもわかりませんが、今ほど皆さんからお話があるように、障害程度区分と支援区分の違いもよく分かっていないという親が結構多いのです。

 そんな意味が分かっていない親に、セルフプランを書かせること自体が、もう意味をなしていないと思っているのです。そんな実態が全国で大変多く発生しています。計画をその県が何パーセント立てたかというその目標に向かって進まれるのはいいのかも分かりませんが、ちゃんと意味のある計画を立てていただかないと、利用者としては何の意味もないと思います。そういう親の各セルフプランが、本当の意味で子供がかなえたいことを親が代弁していくとか、高齢になっていったときの先々の暮らしの不安があったということを、計画にちゃんと落とし込んでいくことが必要なのですが、そこのところが全然用を成していないということを感じていますので、本当の意味でのセルフプランになっていませんし、自治体によっては、プランがないことを支給決定しない理由にしている所もあります。ですから、それを支給決定しないということがないようにセルフプランで書かせるというようなことが発生していますので、その辺のところをもう少し見直してもらう必要があると思っております。

 もう 1 つは、二次判定の変更ですが、親がちゃんと正しく子供の状態を伝え切れていないということもありますが、もう 1 つは地域にサービスがないということがあるのです。その地域にその人に合ったサービスがないと、区分を変更してそこに行っていただくということをやっている市町村もあるのです。その辺のところもよく検討していただいて、ただ、区分を変更したからいいとか悪いとかではなくて、その原因は何かというところを突き止めて対処していただきたいと、そんなふうに思っています。

 

○駒村部会長

 ありがとうございました。これで今日の委員会は終わりにしたいと思いますが、後半で多くのデータに関して、より突っ込んだ分析をしないと分からない部分が多いのではないかとか、新しい切り口の話があったと思いますので、事務局におかれましては、 2 周目においてこれを反映していただきたいと思います。事務局から何かございますか。

 

○田中障害福祉課長

 河崎先生と菊池先生から御質問があったことについて簡潔にお答えを今できる範囲でしておきたいと思います。サービス等利用計画の作成率が低い自治体の原因ですが、この実態はどういうふうな所かですが、なぜ進まないのかという市町村相談支援事業者の御意見をいろいろ伺っています。市町村が利用者数の見込みを立てないとか、地域に事業者がいないとか、ノウハウがないとか、要はこの計画も平成 27 4 月にすぐ作ってくれといっているだけではなくて、かなり準備期間を置いて市町村に進めていただいたわけですが、そのような取組に取り組んでこられなかった自治体の作成率が低いというような状況になっていると考えています。

 こうした自治体に対しては四半期ごとに把握をしている調査のほか、都道府県を通じて個別に当たってほかの自治体例の良い例をお示ししながら改善をしていただくということに努めています。

 菊池先生から審査請求ですが、介護保険との調整の関係で取った調査の中で、 250 自治体ぐらいが回答していますが、平成 24 年度から累計で 84 件というようなデータがありますが、個別な内容については把握をしておりません。また、全国の数字を統計的にまとめたものは、ありません。

 

○川又企画課長

 企画課長ですが、伊藤委員からお求めがありました難病のマニュアルについては、次回の参考資料として配付をさせていただきます。

 

○駒村部会長

 では、事務局から今後の予定についてアナウンスをお願いいたします。

 

○川又企画課長

 次回ですが、 9 25 ( )13 時より、場所は厚生労働省の 2 階の渡り廊下を渡っていただいた講堂になります。議題としては精神障害者に対する支援の在り方について、その他の福祉サービスの在り方等についてということで、次回で 1 ラウンド目の議論は終了する予定です。

 

○駒村部会長

 どうもありがとうございました。本日も申し訳ございません。 20 分はオーバーした不手際、申し訳ございませんでした。本日はこれで閉会したいと思います。気を付けてお帰りください。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

【社会保障審議会障害者部会事務局】
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係
TEL: 03-5253-1111(内線3022)

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