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2015年8月26日 第155回労働政策審議会雇用均等分科会

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成27年8月26日(水)14:00〜16:00


○場所

中央労働委員会 講堂


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、武石委員、権丈委員、奥宮委員、山川委員

労働者代表委員

南部委員、半沢委員、斗内委員、山中代理人(松田委員代理)

使用者代表委員

中西委員、布山委員、加藤委員、川崎委員

厚生労働省

安藤雇用均等・児童家庭局長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長、源河総務課調査官、中條育児・介護休業推進室長、高橋均等業務指導室長

○議題

(1)分科会長の選出、分科会長代理の指名及び家内労働部会委員の指名について
(2)「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」報告について
(3)2014年度の年度評価及び2015年度の目標設定について

○配布資料

資料1−1 労働政策審議会雇用均等分科会委員名簿
資料1−2 労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会委員名簿
資料1−3 労働政策審議会令
資料2−1 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(本文)
資料2−2 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(参考資料)
資料2−3 今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書(概要)
資料3 2014年度 評価シート(案)
資料4 雇用均等分科会にて検討すべき2015年度目標一覧(案)
参考資料1 女性活躍加速のための重点方針2015(ポイント)
参考資料2 女性活躍加速のための重点方針2015
参考資料3 「日本再興戦略」改訂2015(女性の活躍推進関連部分抜粋)

○議事

○源河調査官 第155回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。最初の議題は、議題(1)の「分科会長の選出、分科会長代理の指名及び家内労働部会委員の指名について」です。427日付で2年に1度の委員の改選がございました。本日はその後の最初の会合ですので、事務局から、まず雇用均等分科会会長の選任について、御報告申し上げます。

 分科会長については、労働政策審議会令第6条第6項により、当分科会及び労働政策審議会本審に所属する公益委員の中から、双方に属する委員によって選挙するということになっております。この結果、事前に田島委員が選出されておりますので、御報告申し上げます。以降の議事進行は田島分科会長にお願いいたします。なお、事務的なことですが、本日のマイクはスイッチを入れる必要はありませんので、そのまま御発言いただければと思います。それでは、田島分科会長、よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 雇用均等分科会長を仰せつかりました田島でございます。実のある議論にしていきたいと思いますので、皆様の御協力をお願いいたします。

 新任の委員を御紹介させていただきます。お手元に配布された資料1-1「労働政策審議会雇用均等分科会委員名簿」を御覧ください。今回新たに公益代表で1名の方が雇用均等分科会委員となられましたので、御紹介いたします。弁護士の奥宮委員です。

○奥宮委員 弁護士の奥宮京子と申します。何分にも初めて参加させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 本日は中窪委員、渡辺委員、石田委員から御欠席の連絡を頂いております。また、本日は松田委員の代理として、情報労連中央執行委員の山中恵子様に御出席いただいております。

 次に、分科会長代理の指名についてです。労働政策審議会令第6条第8項により、分科会長代理は分科会長が指名することとなっておりますので、私から指名させていただきます。山川委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、当分科会の下に設置されている家内労働部会の委員につきましては、労働政策審議会令第7条第2項において分科会長が指名することとなっております。お手元に配布している資料1-2の名簿のとおり、事前に指名させていただいておりますことを御報告いたします。

 議事に入ります。議題(2)は「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告について」です。事務局から資料の御説明をお願いいたします。

○蒔苗職業家庭両立課長 職業家庭両立課長の蒔苗です。資料2-1、報告書の本文及び資料2-2の報告書の参考資料を用いて御説明させていただきます。報告書は分厚いものですので、1時間ほどお時間を頂き、御説明させていただきます。

 資料2-2の参考資料集を御覧いただければと思います。資料の3ページに、「日本の人口の推移」が付いています。こちらについては皆さんよく御存じのように、人口減少局面に入っており、2060年には総人口は9,000万人を割り込む状況ですし、そのときになると高齢化率が39.9%、約4割が高齢者ということになります。そうした状況を反映し資料の5ページですが、要介護、要支援の認定者数も、この14年間を比較すると2.69倍ということで、高齢化による介護認定の数が増えてきています。

6ページです。「仕事と介護の両立」というタイトルで、就業構造基本調査で見た家族の介護や看護による離職者数の推移の棒グラフを付けています。こちらを御覧いただきますと、離職者の数は増減は繰り返していますが、直近の数字で94,900人と、約10万人近くが年間に離職されているという事実と、あとは男女比で見ると、男性が2割近くになっています。男性の年齢層を見ると、4050代が多くなっていますので、ちょうど働き世代の方々が離職しているというデータがあります。

7ページは育児のほうのデータです。こちらは育児休業の取得率については、女性の場合は大体8割を超えて推移してきておりますが、継続就業という観点で見ますと、ここのグラフにあるように、依然として約6割の女性が出産・育児により、現在においても離職しているという実態があります。

8ページです。こちらは女性の年齢階級別就業率、いわゆるM字カーブです。実線が実際の就業率、点線が潜在的労働力率です。この差が、いわゆる就業希望を持ちながら現在は働いていない女性ということで潜在的な労働力ということになりますが、人口減少下においては、こうした女性の方々に御活躍いただくことも大事なことだと考えています。

 資料2-1です。こうした背景を踏まえて、昨年11月から研究会を開催し仕事と家庭の両立について検討を重ねてきました。この研究会を開催した経緯については、育介法の改正が平成21年にあり、その附則の中で施行後5年見直し規定というのがあり、それに基づいて昨年11月から検討を開始したものです。

 資料2-126ページです。この研究会は中央大学大学院の佐藤博樹教授を座長に、当分科会に所属しておられる武石委員にも研究会に参加いただき、議論を重ねてきました。27ページに、検討の経緯、開催状況が書いてあります。昨年11月の第1回からヒアリングを何回か重ね、今年の730日に最後の研究会を開き、この87日に報告書が取りまとまったところです。

 報告書について御説明いたします。資料2-1の本文の目次を御覧ください。報告書の構成については1「総論」として、1(1)で仕事と介護の両立に係る現状について記載しています。(2)で仕事と育児の両立に係る現状について書いています。それを踏まえて2、今後の両立支援制度の検討に当たっての基本的な考え方をまとめています。2「各論」に入ります。各論の1は、いわゆる介護についての検討を加えています。2は多様な家族形態・雇用形態に対応した育児についての見直しです。3点目が、特に男性の子育てへの関わりを可能とするための環境整備というもので検討しています。4点目が、その他としてテレワーク、経済的支援等の検討を加えています。資料4ページの総論から報告書の御説明に入ります。4ページの上のほうに、「仕事と介護の両立に係る現状」の横に、参考資料集のページが「P14P20」と振ってあります。参考資料集を横に置きながら御参照いただければと思います。

 最初に4ページの下のほうですが、「現在の状況における課題」の部分です。介護休業制度については、平成11年に義務化され、これまで約16年が経過しておりますが、現在の介護休業の取得者割合を見ると、3.2%です。前回の改正時に創設した介護休暇についても、取得者割合は2.3%と、いずれも利用状況は非常に低い状況となっています。こうした両立支援の制度を利用しない理由を調べたところ、一番多かったのが、「介護に係る両立支援制度がないため」と、制度があることを知らないというのが1番です。特に、これは離職者の方で高い比率を示しています。また、現行法では、介護休業は同一の要介護状態では分割取得はできないということになっておりますので、もっと大変な時期に備えて、取り控えるという傾向も見られます。

5ページです。平均的な介護期間についても、研究会の中で調べています。まず、平均的な介護の期間は45か月程度、平均的な在宅介護期間が30か月程度ということで、こちら

は平均ですので、要介護者によって長い人も短い人もいらっしゃいますので、非常にばらつきが大きいという特徴があります。介護は育児と異なり、いわゆる予見性が低く、長さの見通しが立たないという不安、あるいは介護の状況についても介護の内容、介護をする方との関係、利用する介護サービスの内容等によって様々な差があり、個々の事情差が大きいという特徴があります。

2つ目の○です。「介護の在り方が変容してきている」という記載をしています。こちらについては、要介護に至る主な原因を見てみると、平成10年に比べて、脳血管疾患によって介護状態に至る場合が多いわけですが、こちらの比率が下がってきて、その代わりに認知症の割合が大きく増加しています。

3つ目の○ですが、「家族の在り方も変化してきている」というものです。三世代世帯が減少する一方、夫婦のみ世帯、親と未婚の子のみの世帯の割合が上昇している。こうした状況変化が介護の部分についてあります。

 次に、(2)の「育児」の部分です。育児については、これまで改正を重ねてきて、6ページの上のほうですが、いろいろな制度を創設したこともあり、順次課題には対応してきたところです。女性の育児休業の取得率を見ても、平成19年以降で見ると、8090%の間を安定的に推移してきています。一方で男性の育児休業の取得率を見ると、前回の改正において幾つか制度改正を行い、制度は大分整ってきているところではあるのですが、なかなか周知が行き届かないところもあり、男性の育児休業の取得率については、上昇傾向にあるのですが2.3%と依然として低い水準にあります。

 次に真ん中からですが、「現在の状況における課題」として、女性の多様な状況に必ずしも対応できていないということです。1点目が、先ほど女性の労働者全体の育児休業取得率は8割台と申しましたが、全体で見ると83%です。有期契約労働者の育児休業の取得割合は69.8%と、これだけを見ると非常に高いように見えるのですが、この69.8%というのは妊娠後調査時点までに退職していない方のうち、育児休業を取得した者の割合で、実際はこの前に辞めている方もいらっしゃいますので、数字が漏れているという実態があります。そこを含めて見たのが次の数字で、妊娠後育児休業を取得しながら、第1子出産後も継続就業している割合というデータを見ると、正社員の場合は43%ですが、パート・派遣といった非正規の方の場合は4%と、比率でいくと10分の1ぐらいという実態があります。さらにお子さんのいる家族形態も多様化してきており、いわゆる一人親世帯の方々が増加傾向にあります。こうした母子世帯等においては、就業状況もパート・アルバイト等の非正規雇用が5割を占めるという実態にあります。こうしたどのような就業形態・家族形態であっても、子育て期に就業継続を図ることができるようにすることが課題となっているということです。

7ページは男性の育児休業取得についてです。男性についても、育児休業の取得希望者を見ると、3割ぐらい希望者がいるわけですが、実態としては職場の雰囲気等によって取得できないということもあり、取得率は2.3%となっています。特に、今回妻の就業状態を見てデータを取っており、妻が無業の場合の男性の育児休業の取得率については、妻が正社員の場合の育児休業の取得率と比較して低い状況にあります。

 以上が現状の部分で、こうしたことを踏まえて2番として、「今後の両立支援制度の検討に当たっての基本的な考え方」を記載しています。1つ目の○は、今後の仕事と家庭の両立支援の在り方を検討するに当たっては、以下の点を基本とし、労働者のニーズと事業主の負担との兼ね合いを十分に考慮した上で、制度の充実等を図る必要があると記載しています。

2つ目の○は、その際に留意すべき事項として、両立支援制度を充実させる一方、現在の長時間労働などの働き方が変わらないままでは、育児や介護を行う労働者のみが特別な働き方をするという形となってしまい、その方のキャリア形成が損なわれる恐れがあることに留意する必要があるということです。また、特に介護については、先ほど見ましたように、長期間にわたり得るという場合があるので、法律上の休業制度のみで全てをカバーするというのは難しいというものです。したがって、国においては長時間労働の削減等、ワーク・ライフ・バランスが実現できる環境整備を行うとともに、企業においても育児や介護を抱える従業員の方以外も含めて、こういったワーク・ライフ・バランスを推進することが重要であると書いています。

 次が、多様な介護の状況に対応しつつ継続就業できる制度の実現です。2つ目の○に書いていますが、介護については、多様であるとともに、要介護者によっては介護が長期化する場合もあり、労働者の方が1人で介護を抱えてしまうと、結果として離職につながるケースが多うございます。8ページです。このため当研究会においては、多様な介護の必要性に応じて、介護休業制度や介護休暇制度、介護のための柔軟な働き方の制度など、こういった両立支援制度をうまく組み合わせながら、介護保険サービスも適切に活用しつつ、継続就業できるようにするということが重要であると考え、このために必要な制度的な対応は何かという観点で検討しています。こういった両立支援制度をうまく組み合わせながら、介護保険サービスも適切に活用しつつ継続就業をできるようにすることが重要であり、このために必要な制度的対応は何かという観点で検討しています。

 次の○は、介護の状況についておおむね共通する内容として、2つについて、家族のために仕事を調整するニーズがあるのではないかと考えています。1点目は、集中的に、ある程度一定期間、労働者の対応が必要となる場合で、介護の長期的な方針を定め、介護の体制を構築する必要がある場合というものです。2点目は、集中的にではないが、定期的、スポット的に労働者の対応が必要となる場合です。こちらについては、1の介護の体制構築後に、日常的に介護する期間において、勤務時間あるいは勤務時間帯を調整せざるを得ない場合、スポット的に休まざるを得ない場合といった2つがあるのではないかと考えており、それぞれの場合に即して、必要な両立支援制度を考えることが必要であるとしております。

 次の○については、こうした法律上の制度に加え、厚生労働省で平成25年度、平成26年度に委託事業をやっていて、こうした委託事業の成果も活用しながら、介護について進めていくことが重要ではないかということを書いています。

8ページから9ページにかけて、両立支援制度に加えて、いわゆる介護保険制度、地域包括ケアシステムの構築を目指されていますが、育児・介護休業法と介護保険サービス等福祉サービスは、利用する側から見ると車の両輪のようなものであるということに留意する必要があると記載しています。

10ページの「各論」です。各論の1ですが、介護についてです。1(1)として、「仕事と介護の両立支援制度の整理及び介護休業について」です。1つ目の○の所に書いているように、介護休業制度は、介護保険制度が開始される以前に創設され、家族が介護に関する長期的方針を決めることができるようになるまでの期間の緊急的対応措置として、休業できる権利を労働者に付与したものです。しかしながら先ほど見ましたように、約9.5万人程度の介護・看護離職者が発生している一方で、介護休業の取得率は3.2%であり、より柔軟に利用でき、かつ、労働者のニーズに合った介護休業制度を含む両立支援制度が求められているという指摘です。

 次に、現行制度の現状です。1つ目の○で、現行法では同一の対象家族について同一要介護状態ごとに1回、通算で93日の介護休業が認められています。これについて2つ目の○にあるように、平成7年の介護休業制度制定当時に脳血管系疾患のモデルをもとに、家族が介護に関する長期的方針を決定するまでの期間として3か月程度が必要とされたこととか、当時、法を上回る措置として、介護休業制度を導入していた企業において、実際に休業を取得した方の大部分が3か月以内に復帰していることを踏まえ、3か月と決めたものです。

11ページです。そうしたことを踏まえ、仕事と介護の両立支援制度の整理の部分です。1つ目の○で、介護の状況は、先の見通しが立ちにくいことから、介護休業を自ら介護するための期間と位置付けた場合には、休業期間を大幅に延長する必要があり、事業主にとって負担となるだけでなく、労働者にとっても介護へ専念する期間が長期化し、継続就業を難しくする可能性が高く、2つ目の○で、このため、介護休業については急性期や在宅介護から施設介護へ移行する期間、あるいは末期の看取りが必要な場合など、介護の体制を構築するために、ある一定期間休業する場合に対応するものとして整理すべきであるとしています。

3つ目の○ですが、こうした介護の体制を構築した後については、いわゆる介護保険サービス等を利用しながら行うわけですが、こうした介護保険サービスの利用に係る手続、あるいはスポット的な介護、通院等のために一定の休暇が必要になることが考えられるので、こうした日常的に介護する期間において、スポット的に休まざるを得ない場合に対応するものとしては、引き続き年に5日の介護休暇を位置付けるべきであるとしています。

 次の○ですが、介護の体制に変動がない場合であって、日常的なニーズに対応するものとして、勤務時間や勤務時間帯を調整する等の介護のための柔軟な働き方を位置付けた上で、その内容を検討すべきであるという指摘です。

 今後の対応の方向性として、1つ目の○の3行目辺りからですが、現行法における要介護状態が継続した場合であっても、複数回、介護体制を構築する場合が考えられる。実際に介護休業の取得希望者のうち、短期間の休業を複数回取得することを希望する労働者の割合が約9割と引き続き高いこととか、実際に介護休業を分割して取得できた事業所においては、分割できなかった事業所と比べ、労働者の継続就業率が高いということもあるので、要介護状態が継続した場合であっても、介護休業の分割取得を認めることを検討すべきであるというものです。

 次の○で、この場合、分割回数の上限については介護の始期と終期、その間の時期に1回程度休業を取得する必要があると想定されるものです。このことや、実際に労働者が介護休業を分割取得した場合の分割の回数、民間の事業所における介護休業規定の整備状況を参照しながら、労働者にとっての柔軟な働き方の権利の確保と、事業主にとっての負担の兼ね合いを考慮して、その回数を検討すべきであるとしています。

 次の○です。一方で、介護休業の期間は現状93日ですが、こちらについては1として、実際に労働者が介護のために連続して休んだ期間について調査すると、2週間以内との回答が75%と、引き続き短期間の介護休業に対するニーズが高いということ。2点目は、現在介護休業の最長期間を定めて規定を設けている事業所のうち、8割弱の事業所においては、法定どおり93日と定めていること。3点目は、中小企業を含む全ての事業主に最低基準として義務を課す育介法で対応すべき部分には自ずと制限があることから、休業期間については、分割取得が可能となった場合には、現行のまま通算して93日とすることが考えられる。この点については、なお書きの所にあるように、当該期間を延長すべきとの意見もございましたが、研究会の中では、介護休業を含めた仕事と介護の両立支援制度の今後の利用状況等を見つつ、引き続き議論すべきとの意見もございました。

 次の○です。介護休業を取得できる要介護状態の判断基準についてです。こちらについては、介護休業が導入された当時の特別養護老人ホームの入所基準を参考に設定されているものですが、現時点において、8割以上の世帯において介護開始時点に在宅介護を行っているといった実態から見ると、介護休業を取得できる範囲が狭すぎるという指摘が研究会の中でもあり、こちらについては介助の在り方等を踏まえ、緩和する方向で見直しを行うべきであるという指摘を頂いております。

 次の○です。介護休業の対象家族についてです。現状は配偶者、本人の父母、配偶者の父母、子供に加え、同居し、かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫が対象となっていますが、先ほど見たように、三世代世帯が減少することに伴い、同居しない親族の介護を行う事例も見られることから、今後ニーズがあると考えられる同居していない兄弟姉妹や祖父母を対象にすることを検討すべきであるという指摘です。特に介護休暇については、介護に関わることのできる人を増やすことにより、1人の労働者の負担の分散を図るという観点から、取得可能な対象家族の範囲を広げるべきとの意見もございました。

 次に13ページ、「介護休暇」の部分です。こちらについては、現状は対象家族が1人であれば5日、2人以上であれば10日の休暇を付与する制度が前回の改正で創設されていますが、2つ目の○にあるように、労働者に仕事と介護の両立のためにどのような働き方が望ましいかを尋ねた調査を見ると、必要なときに1日単位、半日単位又は1時間単位での休暇を取るというニーズが非常に高くなっています。そのうち、対象家族を主として介護している労働者について見ますと、4割程度が介護休暇を取得しており、そのうちの4割は法定を上回る11日以上の休暇を取得しているというデータもあります。この点について、当研究会の中では、1人、ケアマネジャーの資格を持った方にも参加いただいており、その方からヒアリングした際には、介護保険を利用する上で要介護者の家族の方に対応が求められる場面を聞いたところ、月に1回モニタリングがあり、そういった場合には家族の対応が求められるというものです。実際にケアマネの方に対する調査の中で、介護者が正社員として働いていることで困った点を尋ねた調査に対し、「介護者が働いているために相談等のための時間を十分に取ってもらえないこと」といったケアマネの回答が67%と非常に高くなっており、介護休暇制度の活用・利用拡大を進める必要があると考えられます。

 今後の対応の方向性です。現状においては、多くの労働者が年休等の休暇を取得し介護との両立に対応しているものと考えられますが、介護のために必要な休暇については介護休業や介護休暇でカバーできることが望ましいという指摘もあったことから、介護休暇については日数の延長や取得単位について検討を進めるべきであるとしています。このうち、介護休暇の取得単位については、ケアマネとの打合せ等において、丸1日休暇を取る必要はない場面というのも多うございますので、時間単位あるいは半日単位での取得を検討すべきであると指摘しています。

14ページです。こちらは資料2-2の参考資料集の38ページをお開きください。38ページには仕事と介護の両立支援制度の現行制度の絵を付けています。現行の育介法においては、介護休業に加え、家族による介護がやむを得ない場合の緊急的対応措置が必要な期間に介護休業を何らかの理由で取得しない労働者に対し、事業主が介護休業と通算した93日のうち、介護休業を取得しない日数について、所定労働時間の短縮措置、フレックスタイム制度、始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ、介護サービス費用の助成の制度のうち、いずれかの措置を事業主が講じるという義務付けです。いわゆる選択的措置義務です。

 現行制度の現状を本文で見ますと、平均的な介護期間が45か月程度、平均的在宅介護期間が30か月程度である一方で、ばらつきも当然多くなっています。また、主たる介護者のうち、介護を理由として離職した方について、介護をスタートしてから離職されるまでの期間を取ったデータを見ると、データの真ん中に当たる中央値が13か月というデータが出てきました。このことから、現在の介護休業は93日ですが、介護休業及び所定労働時間の短縮措置等が想定している介護体制を構築する期間、いわゆる93日を過ぎた後にも、こういった仕事と家庭の両立のための柔軟な働き方について検討する必要があると考えられます。

 今後の対応の方向性です。1つ目の○にありますが、現行の所定労働時間の短縮措置等は介護休業と通算した93日について事業主の選択的措置義務となっており、長期的な方針を決定するための期間として設定されています。しかし、近年介護の原因疾患等も変わってきて、認知症が増えているという現状もありますので、そうした長期的な方針を定めて介護体制を構築した後にも何らかの措置を講ずる必要があるとの指摘もありました。このため、先ほど見た選択的措置義務については、今は93日の枠の中に入っておりますが、93日間という期間から切り出すことを検討すべきであると指摘しています。選択的措置義務については、外に切り出した上で、措置の期間について検討すべきとの意見、その際の期間の長さというのは丸ごとのメニューではなく、一つ一つのメニューの措置内容に応じて検討すべきとの意見もありました。

 切り出した場合の措置内容について、1として、従来の選択的措置義務の内容を維持したまま、この4つのメニューのまま措置義務を課すこと。2は、この4つの選択的措置義務のメニューに、例えば後で出てくる所定外労働の制限、いわゆる残業免除というメニューの追加という選択肢、3は所定労働時間の短縮措置等について、選択的な措置義務から育児のように単独の措置義務に変更するということなどが考えられるとの意見がございました。なお、この点については、特にフレックスタイム制度、繰上げ・繰下げといった制度については、基本的に8時間働いて労働時間を変更せずに、柔軟化するのみであることを踏まえて検討すべきではないかという意見もありました。

 次の○です。こうした介護のための所定労働時間の短縮措置等については、現在措置がある事業所の中で、法定を上回る1年以上の期間について認めている事業所の割合は2割弱であり、こうした措置を延長し事業主に義務付ける際には、労働者のニーズと事業主の負担を見極めた上で、講ずる措置について検討を深める必要があるとされています。次に、「さらに」の所ですが、こうした体制を構築した後の期間について措置を講ずる場合には、介護は育児と異なり先の見通しが立たず多様性が大きいという特徴があるし、介護の主な原因疾患の症例等を踏まえ、分割といったことも視野に入れることが適当ではないかと書いています。さらに期間の設定に当たっては、先ほど見たように、介護離職に至る期間のデータ等を踏まえることが適当であると指摘されています。以上が(3)です。

 次に(4)の「所定外労働の制限」で、いわゆる残業免除です。こちらについては、現行法では、仕事と育児の両立支援制度として事業主に義務付けられている一方で、介護については残業免除が義務付けられておりません。この点について、介護について所定外労働の制限を導入している事業所において、介護を行う労働者の継続就業率が高いというデータがあり、こうしたことから介護についても残業免除が両立に資すると考えられるというものです。

 今後の対応の方向性として、1つ目の○に書いていますが、介護保険におけるデイサービスについては、近年の介護報酬改定において、両立の観点からサービス提供時間の区分の見直し、延長サービス時間に係る加算の対象範囲の拡大等の措置が講じられておりますので、こうしたことにより残業を免除すれば両立が可能となるケースもあることから、介護についても所定外労働の制限制度を導入すべきではないかとの意見がございました。

16ページです。こうした議論を踏まえ、3つの案をまとめました。所定外労働の制限制度については、具体的には以下の案も含め検討することが考えられるとしています。1つ目は、期間の上限を定めず介護期間終了まで事業主に義務化する。2つ目が、期間の上限を定めた上で事業主に義務化する。3つ目が、先ほど見た所定労働時間の短縮措置等の選択的措置義務のメニューに追加する。この3つの案があるのではないかという意見がございました。

(5)は「仕事と介護の両立に向けた情報提供」です。家族の介護が必要な労働者が仕事と介護の両立を円滑に図っていくためには、労働者の方々が介護休業等の法律上の両立支援制度、あるいは自社の両立支援制度、介護保険制度の仕組み等について十分に情報を得ていることが重要であると考えられます。

1つ目として、労働者個人への情報提供も重要ではないかという指摘がありました。「労働者個人への情報提供」の2つ目の○ですが、市町村の介護保険の申請窓口あるいは地域包括支援センターにおいて、介護保険サービスを利用する際の窓口として、まず最初に利用される機関であることから、こうした場所において介護サービスに関する情報のみならず、介護を行いながら継続就業するにはどうすればいいかという観点からの情報提供を、労働者が必要に応じ受け取ることができるようにすることが重要であるという指摘がございます。「また」として、労働者が最も頼りにする介護に関する方として、ケアマネジャーがいらっしゃいます。17ページにいって、こうしたケアマネジャーは、介護保険サービスの利用の観点からの支援を行っているのですが、いわゆる育児・介護休業法等の両立支援制度についてなかなか知識がない場合もありますので、こういったケアマネジャーの方に対して、介護休業制度とか働いている家族の支援のために必要な配慮など、両立支援に関する基礎的な知識を付与し、導入期からの適切な情報提供と要介護者の介護の在り方について、家族の仕事と介護の両立という観点からも考えることができるような取組を検討すべきであるとしています。

 次に、企業を通じての取組です。企業においても、従業員が介護をしているかどうか、労働者側から会社に伝えないというケースも多うございますので、実態が把握できないというところがあります。こうしたところについては、まずは相談窓口の設置等により従業員の介護ニーズを把握し、その上で両立支援制度等の必要な情報を提供できることが望ましいとしています。そこまでが介護です。

17ページの下段から2番目の育児の部分です。育児の部分の最初のところは、「育児休業の対象となる子の範囲」についてです。現行制度ですが、現行法は育児休業の対象となる「子」とは「労働者と法律上の親子関係がある子」とされており、「実子のみならず養子も含む」とされております。18ページです。今年の310日付で総務省の行政評価局長から雇用均等・児童家庭局長宛てに育児休業の対象となる子供の範囲について、いわゆる特別養子縁組を成立させるために子を監護していることは、実態として法律上の子と変わりなく養育されているものであることから、法律上の子に準じて育介法に基づく育休の対象とすべきとのあっせんが発出されたところです。

 この点について、若干、専門的ですので参考資料の74ページに特別養子縁組制度の概要を付けております。上の箱ですが、特別養子縁組とは、原則として6歳未満の未成年の福祉のために必要があるときに、家庭裁判所の審判によって、未成年者とその実親側との法律上の親族関係を消滅させ、実親子に準じる安定した養親子関係を成立させる縁組制度です。2つ目の○に書いてありますように、その際の監護期間は、家庭裁判所が養親が特別養子の親となるのに必要な監護能力その他の適格性について判断するために民法上要求されている試験的な養育期間です。ただし、試験的な養育期間ですので、監護期間中は法律上の親子関係はまだありませんので、育児休業を取得できないという実態です。

 報告書本文の18ページに戻ってください。こうしたことも踏まえて我々で特別養子縁組について検討することになったわけですが、2つ目の○にありますように、こうした特別養子縁組の監護期間のほかにも、里親や配偶者の子など、いわゆる法律上の親子関係がないまま子を養育する関係があるということですので、こういう方々を含めて検討するということを研究会で行ってまいりました。なお、特別養子縁組の監護期間については、育児休業給付金の対象として既に扱われております。

 今後の対応の方向性です。育児休業の対象となる子供の範囲については、育介法が雇用の継続を図ることを目的として制定されたものであること、あるいは育児休業が形成権という強い権利であって、かつ、全ての事業所に適用される最低基準ということを踏まえて検討していくことが必要である。こうしたことから、子の養育実態があることだけで判断することは適当ではなく、少なくとも法律上の親子関係に準じる関係と言えるか否かという観点から検討することが適当であるとされております。

 参考資料の73ページです。特別養子縁組の監護期間のほかにも里親の中が養子縁組里親や養育里親等に分かれており、こうした所について研究会でも議論してまいりました。特別養子縁組の監護期間については、そこの欄に書いてありますように育児休業は1歳までの休業となっておりますので、0歳児の対象者がどのぐらいいるかを見てみますと、0歳児の特別養子縁組の申立数は122件あります。養子縁組里親については、委託されている0歳児の割合は26%です。養育里親については、これは一般的な里親のイメージですが、産みの親と育ての親が両方いらっしゃいまして、育ての親として養育する方々ですが、こういう場合は委託期間が長いものから短いものまであるということと、実際に養育里親に委託されている0歳児の割合は約2.3%です。

 本文の18ページに戻ってください。このような観点から検討すると特別養子縁組の監護期間と養子縁組里親については、法律上の親子関係を形成することを目指していることから法律上の親子関係に準じる関係と言えるため、育児・介護休業制度の対象となる子の範囲に含めることを検討すべきである。

 ただ、今見ました養育里親等についても、なお書きで、社会的養護の1つとして機能している制度であり養育里親の方々については養育を委託されておりますので里親手当が支給されているなど、関係性が異なるという意見があったことにも留意しつつ検討すべきであると指摘を受けております。以上が子の範囲です。

(2)「有期契約労働者に係る育児休業の取得要件」です。参考資料は77ページです。現行制度で有期契約労働者については、平成16年の法改正により一定の要件の下で休業取得の対象とされており、前回、前々回の附帯決議において、有期の方の適用範囲の在り方について引き続き検討することを求められています。

19ページの上から2つ目の○です。有期契約労働者への適用範囲については、申出時点において、そこにある3つの要件をいずれも満たしている者に限られています。1つ目が、同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること。2つ目が、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること。3つ目が子が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に、労働契約期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないことが明らかであるものを除くというものです。3つ目の○にありますように、このような要件が設けられた趣旨は、法の目的が雇用の継続にあるところ、契約の更新を繰り返して継続して雇用される者も多くいるという実態を踏まえて、相当期間雇用の継続が見込まれると考えられる者について育児休業を認めることにあります。

 今後の対応の方向性です。上記の要件について、特に1年未満の契約を繰り返し更新している場合など、申出時点で将来の雇用継続の見込みがあるかどうかを労働者の方が判断することは難しいとの意見や、労働者の方と事業主側とで雇用の見込みに関する判断が分かれるということもあり、こうした部分が紛争の原因になりかねないという意見がありました。これを受けて、上の要件の2の部分ですが、3つの要件のうち、子供が1歳に達した時点で引き続き雇用されているかが不明な場合が特に問題となるということです。

 そうしたことから、1つ目は、明らかに雇用契約が更新されない者であっても、少なくとも育児休業の申出時点から当該雇用契約の終了までの期間については、育児休業の取得が可能となるようにすべきとの意見、あるいは、子が1歳に達する日までの間に、契約期間が満了し、かつ、契約の更新がないことが明らかである者のみ育児休業が取得できないこととすべき等の意見がありました。こうした取得要件の見直しについては、育介法の目的を踏まえ、雇用の継続を前提とした上で、紛争防止等の観点から、適用範囲が明確となるよう取得要件の見直しを検討すべきであるとしております。

 こちらについては意見が幾つか出ており、「なお」の所に書いてありますように、雇用の継続を前提とすれば、現行の制度以外の取得要件の設定は考えられないのではないかとの意見や、もう一方で、取得要件を撤廃して就業継続を望む労働者であれば育休を取得できるようにすべきではないかという意見もありました。

20ページです。こうした要件の見直しを検討するに当たり、事業主の雇用管理上の負担を十分に考慮した上で、契約の更新等に関する不利益取扱いの考え方等の検討すべき課題を整理しつつ、さらに検討を深める必要があるとされております。また、労働契約法の改正により、反復更新されて通算5年を超えた場合に、労働者の申込みによって無期転換できるということになったことも踏まえるべきとの指摘もありました。なお、取得要件について、そもそも雇用継続を前提としないということに関しては、契約の更新等に関する法的な課題や雇用保険等の所得保障の問題など広範な検討課題がありますが、ここについては研究会の中では十分に議論できませんでした。

 次の○です。調査したデータの中で出てきた結果として、産前産後休業を取得した有期契約労働者のうち、育児休業を取得した割合は83%と、産休が取れていれば育休が取れた割合も高いというものがあります。一方で、産前産後休業や育児休業が一定の要件を満たせば、事業所に制度がなくても取得できるということを知っていた有期契約労働者の方は33.6%と、割合が低くなっておりますから、そもそも産休を取得できることを知らないために育休の取得率も上がらないのではないかという可能性があります。こういうことについては、我々で引き続き周知に努めていくというところです。

(3)「有期契約の派遣労働者に係る育児休業の取得促進」です。1つ目の○に書いてありますように、有期契約の派遣労働者については、今、(2)で見たように有期契約労働者としての問題のほかに、派遣労働者特有の問題があると指摘されております。すなわち、育児休業について、登録型の派遣労働者の方が育児休業を取得して職場に復帰したときに新たな派遣先が見つからなければ、その時点で雇用契約が終了するという問題があるというものです。

21ページ、今後の対応の方向性です。このため育児休業取得後の派遣労働者の継続就業機会の確保の努力を派遣元において行うべきことを、何らかの形で徹底することを検討すべきであること。また、育介法に関して派遣元が雇用主として責任を負っているわけですが、こうしたこと、あるいは派遣労働者も産前産後休業・育休を取得できることについて周知を徹底するための方策を検討すべきであるとされております。

(4)「子の看護休暇について」です。こちらについても附帯決議で検討が要請されております。こちらについては、現在、年5日、最大10日まで付与ということになっておりますが、今後の対応の方向性の所で、研究会の中では子の看護休暇の日数については、現在の日数で適当であるとの意見があった一方、より柔軟な取得を可能とすべきとの指摘もなされております。すなわち、健康診断や予防接種については、丸1日休暇を取る必要がない場面も想定されることから、先ほど見た介護休暇と同様、時間単位、あるいは半日単位での取得を検討するべきであるという意見です。

 ひとり親世帯です。平成21年の附帯決議において、ひとり親世帯の子の看護休暇、育児休業の期間の延長を検討すべきという指摘を受けており、こちらについて研究会で検討したところ、ひとり親世帯についての配慮を求める意見があった一方で、特定の世帯について休暇あるいは休業の期間を延長する特例措置を講じる場合には、採用の場面において、雇用する事業主の側にディスインセンティブを与えるなど、かえって労働者の雇用機会を狭める可能性があるのではないかということで、雇用については同一のルールとすべきとの意見がありました。

(5)「所定労働時間の短縮措置及び所定外労働の制限制度の対象年齢について」です。現行の制度においては原則として3歳に満たない子を養育する労働者が、希望すれば利用できる短時間制度を措置しなくてはならないとされているところです。今後の対応の方向性ですが、こうした制度の対象となる子の年齢は現在3歳ですが、年齢の上限を引き上げて、その期間中、短時間勤務をすることができるようにすべきという意見に対しては、現状において、男女の育児の関わり度合に差があって、短時間勤務制度を利用している労働者の多くが女性となっている現状を踏まえると、単純に3歳という年齢を引き上げた場合には、その利用が引き続き女性に偏ってしまい、女性のキャリア形成上重要な時期に育児負担が女性に集中し、結果的に女性の活躍を阻害する可能性があるため、慎重に検討する必要があると指摘されております。

 一方で、保育所への入所や小学校入学など、子供のライフ・ステージごとに求められる対応が異なること等を考慮すると、制度の対象となる子供の年齢を引き上げた上で、その間で通算何年間と、丸々ずっと6歳までではなくて、6歳までの間に3年間など、通算の取得期間を設定するなど何らかの条件を設けることで、勤務時間をより柔軟に設定することが考えられるという意見もありました。

3番目は、男性の育休取得の部分です。23ページ、今後の対応の方向性です。2つ目の○の所で、先ほど冒頭に説明したように、職場の雰囲気で取りづらいということもありましたので、今後の対応の方向性の2つ目に書いてありますように、育児休業取得を言い出しやすくするためには、配偶者が出産した男性職員に対して、上司が育児休業取得計画書の提出を求めることなどによって、取得希望を把握することが効果的と考えられ、このような取組が進む方策を検討すべきである。

 次の○として、事業主による育児休業の取得を理由とした不利益取扱いは禁止されていることを周知徹底するなど、育児休業を申し出た又は取得したことによって、事業主、管理職、職場の同僚から不当な取扱いを受けることのないよう、何らかの措置を検討するべきであるというものです。一番下の○です。妻の出産後8週間以内に育児休業を取得した場合の再度取得の制度について、周知を図るべきであるという指摘。また、今年の3月に内閣府で策定した少子化社会対策大綱において、配偶者の出産直後の男性の休暇取得率、これは出産後8週間以内に半日以上の何らかの育児目的休暇等を取得した男性の割合を、2020年までに80%にしようという目標で、今取り組んでおります。この達成に向けて政府全体で社会的な機運の醸成を図る中で、男性の育児休業取得を促進していくということが求められるというものです。

 「その他」です。(1)「テレワークの活用」です。世界最先端IT国家創造宣言において、テレワークを推進することによって、女性の社会進出や少子高齢化社会における労働力の確保、男性の育児参加、仕事と介護の両立等を促進することとされております。研究会の中でも在宅勤務などのテレワークについては、例えば、遠距離介護を行う場合や、半日ケアマネさんと打合せを行った後に、半日そのまま在宅勤務をする場合などには特に有効であるという意見もありました。一方で、子育ての場面において、テレワークは全ての子育て家庭にマッチするわけではなくて、特に子供が小さいうちは、育児と在宅での勤務の分離が極めて難しいのではないかという意見もありました。また、現状、テレワークを導入している企業のデータを見ると、2%とまだ少ない実態で、実際に導入している企業の中で見ても、企業の全ての部門で実施している割合は20%台と低いものとなっております。こうしたテレワークの普及状況や、テレワークであっても労働時間管理などの適切な労務管理等が必要であることも踏まえ、仕事と育児・介護の両立促進のためのテレワークの在り方について、まずは好事例を積み重ねて引き続き検討すべきであるとされております。

(2)「経済的支援」です。育児休業については、昨年4月以降に雇用保険制度が改正され、育児休業を開始した者について、休業開始後6か月間の育児休業の給付率が67%に引き上げられております。この間については、社会保険料免除の措置があることから、実質的に休業前の賃金と比べて8割程度の所得が保障されているという実態です。この改正の効果も今後見極めながら、引き続き男性の育児休業取得促進に取り組んでいく必要があるというものです。また、介護については、介護休業取得時の経済的負担軽減の在り方など、取得向上に向けた必要な制度的対応について検討すべきとの意見もありました。

25ページの(3)「転勤配慮」です。現行の育介法上、事業主は転勤によって育児や介護を行うことが困難となる労働者がいるときは、労働者の状況に配慮しなければならないとされております。この規定については、事業主が行わなければならない「配慮」の内容について指針等において示されているのですが、その実効性を高める必要があるとの意見が研究会でありました。また、育児期・介護期の転勤配慮については、現在の企業における転勤の在り方そのものを踏まえる必要があるとの意見もありました。「このため」として、まずは企業における現在の転勤の実態を我々は把握して、これを踏まえて育児期・介護期の転勤配慮に関する雇用管理の在り方について検討を行うべきであるとされております。

(4)「介護保険サービス等の充実」です。この研究会の中で育介法等の両立支援制度の見直しをしているわけですが、車の両輪である介護保険サービスについても充実も求めるという記載をしております。3行目辺りからですが、特に、高齢者介護に関して、介護を要する高齢者の生活支援という観点と高齢者を介護する家族の負担軽減という観点から、サービスの在り方を検討することが求められると指摘しています。

(5)「保育サービスの充実」です。保育サービスの充実等も不可欠であるとして、依然としてあります待機児童の解消について、29年度末までに解消を図ることを目指して着実に取組を行うべきであるというものです。以上が研究会報告です。よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 ただいまの事務局の説明について、御質問はございますか。

○南部委員 研究会報告をまとめていただき、ありがとうございます。研究会報告の今後の位置付けについて質問いたします。これは現状の課題を踏まえた有識者による考え方の整理ということで、今後この審議会において予定されている育児・介護休業法の具体的な見直しは、この報告書に縛られるものではないと考えていいかどうかということです。基本的には、これを参考にということの理解で良いかということを、まずお聞きしたいと思います。

○蒔苗職業家庭両立課長 今、御指摘があったとおりで、この研究会はデータ等を使って現状を分析して課題の整理を行っていただいております。課題の整理とともに施策の在り方や選択肢を御議論いただいてまとめたものです。今後、当分科会において、この研究会の報告で整理いただいた議論や提言を参考にしながら、育介法の見直しについて御議論をお願いしたいと考えております。

○南部委員 認識については理解しました。この報告書では、先日、先ほど御説明いただいたように介護休業法の制度の分割取得を可能にすることであったり、所定労働時間の短縮措置等の選択的措置義務について書いております。また、介護休業の93日という期間から切り離すことを検討すべきという考え方が示されており、それについては労働側委員としても一定の評価をしております。ただ、10万人の介護離職者がいらっしゃる中で、93日の延長については少ししか触れられていないということは少しどうなのかなと思っております。

 また、非正規雇用労働者の育児休業取得の課題などについて、踏み込みがやや少ないと考えておりますので、今後、現場の実態を十分に踏まえながら、本分科会において実効性のある施策になることをお願いしたいということで、意見として申し述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 ありがとうございます。そのほかに御質問はありますか。

○斗内委員 大変、多岐にわたった論点をまとめていただいている報告書かと承っております。その中で少し質問いたします。まず、12ページの所、今もありましたように介護休業の分割取得を認めることを検討すべきということが、お示しされていますが、分かる範囲で結構なのですが、例えば、諸外国においてそのような制度整備が進んでいる所があれば、お教えいただきたいと思います。

 もう1点、同じように介護に関わる所ですが、先ほど平均的な介護で45か月、在宅介護で30か月等々のデータを出していただいているというところですが、施設介護に移るまでの期間について、もしデータをお持ちであれば御教授願えればと思っております。

 最後にもう1点、19ページの有期雇用労働者に係る所です。「紛争防止等の観点から、適用範囲が明確となるよう」という表現がありました。確かに労働者側と使用者側の見解の相違等もあると思うのですが、もしその辺について具体的な紛争事例等はどのようなものを想定されているのか、また、どのようなものがあったのかということがあれば御教授願えればという3点です。よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 事務局、今、3点お答えいただける範囲でお願いします。

○蒔苗職業家庭両立課長 諸外国の介護の分割の関係ですとか、ちょっとデータが今すぐ出てまいりませんので、今後、具体的な議論に入る際に資料として準備できるものはした上で説明いたします。紛争防止の観点についても、研究会の中で均等室の事例も1回紹介しておりますので、そこについても次回、具体的に議論する際に準備してお出ししたいと思います。

○田島分科会長 御準備をお願いいたします。

○斗内委員 施設介護に入るまでの期間の何か調査データがあればまた、今日でなくても結構なのですが。

○蒔苗職業家庭両立課長 それも次回、準備いたします。

○田島分科会長 ほかに御意見、御質問はございますか。

○奥宮委員 25ページの「介護保険サービスの充実」という所で、私はここの部分は柔軟な介護体制を構築するために欠かせない所だと思います。特に家庭で介護をしている家族や本人に対しての介護給付が非常に限定的で硬直していると考えております。その介護給付制度の見直しと法改正との関係は今後どのようになっていくのでしょうか。

○蒔苗職業家庭両立課長 今、奥宮委員からいただいた御指摘も研究会の中でもあり、それを踏まえて25ページに記載しております。先ほども説明しましたが、5行目辺りに「介護を要する高齢者の生活支援という観点」と書いてあり、高齢者を介護する家族の負担の軽減という観点からということで、実際に研究会の中では、委員ではないのですが事務局の中に介護保険担当の老健局の職員も毎回参加して議論を聞いておりますので、そういう連携について、この報告書の中で提言する形になっておりますので、我々でそこは少し老健局にもその旨を伝えていきたいと思っております。

○奥宮委員 よろしいでしょうか。1つは多分、介護保険の財政の問題があって、介護給付を財政の問題からなるべく使わせないという方向に動いているように思うのですが、そこは政府としてはどのように今後動くのでしょうか。

○蒔苗職業家庭両立課長 直接は老健局の担当ですが、今回、ちょうどこの4月から施行された介護保険制度を見ますと地域包括ケアということで、施設よりはむしろ地域の中で高齢者の面倒を見ていくという方向になってきておりますので、そこについて、御指摘の点は老健局には申し伝えようとは思いますが、この場で私が、それに対する明確な回答というのはなかなか難しいと考えております。

○田島分科会長 所管が違うものですから、ここで責任をもった回答を現段階ではできないと思いますが、おっしゃるとおり、その辺りの絡みは当然リンクする話だと思いますので、どうなりますか。

○蒔苗職業家庭両立課長 一旦、引き取らせていただいて検討したいと思います。

○奥宮委員 いろいろと報告書で制度の構築を考えていただいているのですが、やはり基本は介護保険制度があり、そこがどうなるかによってこちら側でどこまでの制度構築が必要かということになってくるのではないかと思うので、あえて質問した次第です。

○田島分科会長 ありがとうございます。ほかに御発言ございませんか。それでは、特にないようですので、議題(2)については終わります。

 次に議題(3)に移ります。議題(3)は「2014年度の年度評価及び2015年度の目標設定について」です。事務局から資料についてご説明をお願いします。

○源河調査官 資料については資料34です。労働分野の各施策の目標設定及び評価を労働関係の各分科会において、毎年度実施していただいております。本日は2014年度の年度評価と2015年度の目標について説明いたします。本日、頂いた御意見は資料3の最終ページに「分科会委員の意見」という欄がありますので、そこに記載いたします。本日だけではなくて1週間後、92日ぐらいまでに御意見を頂戴できればそれも反映したいと思いますので、事務局にお寄せいただければと思います。

 まず、資料3の年度目標の「評価シート()」です。1ページ目です。2014年度の年度目標は3つありました。まず、1点目のポジティブ・アクション取組企業の割合ですが、2014年度の目標値が40%で、実績としては57.1%と目標を達成しております。このような女性活躍推進については、今回の調査時点、昨年の秋ぐらいというのは、総理による御発言や経済界への働き掛け、それを受けての経済界における自主的な取組等があり、各企業において女性の活躍に向けた取組を行う機運が非常に高まっていたことが、この数値の要因になっているのではないかと考えております。現在、国会で女性活躍推進法案を御議論いただいているところですが、この法案が成立しましたら今後は女性活躍推進法の施行において各企業の女性活躍推進に向けた取組が、更に加速するように努めていきたいと考えております。

2つ目の目標は、くるみんマーク取得企業数です。これも目標の2,000社を達成しております。3つ目は、男性の育児休業取得率です。これは先ほど両立課長から御説明いたしましたが、2014年度の実績は2.30%で、目標の4%には達しておりません。男性の育児休業者のいる事業所の割合は、2005年の0.50%から上下しつつも全体としては上昇傾向にありますが、先ほども説明いたしましたとおり、男性は「職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だった」という答えが非常に高くなっており、今後とも職場環境の整備が必要であると考えております。

 なお、以前、1月に目標について御議論いただきましたときに、今日は御欠席ですが石田委員からくるみんについては企業数だけではなくて、認定率による評価も念頭に置いてほしいという意見を頂戴しておりました。これについて、目標としては少子化社会対策大綱等も念頭に、企業数ということにしておりますが、認定率については、お手元の資料の3ページの2行目から、現状の分析の所で現状がどのようになっているか触れているほか、4ページの3行目から今後の方針についても記載していることを申し添えさせていただきます。

 資料4は、「2015年度の年度目標一覧()」についてです。今年度も目標は3つにしており、2、3番目の目標、くるみんマーク取得企業数と男性の育児休業取得率は、昨年度同様に掲げております。くるみんマーク取得企業数については、少子化社会対策大綱で2020年までに3,000社という目標を掲げておりますので、それから逆算して2,300社という目標値を掲げております。

 男性の育児休業取得率については、昨年度同様4%にしております。最初の女性の活躍推進に向けたデータベースの掲載企業数は、今年度、新たに設ける目標です。これについては、現在審議中の女性活躍推進法案でも情報公表が非常に注目を集めており、国会でも御質問を頂戴いたしました。また、今年度は、内閣府の持っているこの関係のサイトと厚生労働省のサイトを統合して、より総合的に企業の有する情報の開示を促進することとしております。法案が成立したあと法案施行前に情報開示の機運を盛り上げていきたいと考えており、今年度目標として設定いたしました。以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○半沢委員 今回、ポジティブ・アクション取組企業割合という所、この目標を変えるという御説明を頂きました。新たに効果的な目標を立てるということであれば、それもまた構わないかなと思っております。しかし、今後、女性活躍推進法が成立したらポジティブ・アクションの計画の策定が301人以上の企業には義務化されますが、300人以下の企業に対しては努力義務が課されることになります。

 その際、努力義務にとどまる300人以下の企業に関して、現在どのぐらいの企業が取組を行っているのかを認識しておくということは、スタート地点を知るという意味において、この分科会においても重要なのではないかと思っております。そのため、この目標を変えるとしても現時点での300人以下の企業のポジティブ・アクションの取組企業の割合が分かりましたら、教えていただきたいと思います。

○田島分科会長 事務局、お願いします。

○高橋均等業務指導室長 300人以下の企業のポジティブ・アクションの取組割合についてのお尋ねですが、平成26年度の雇用均等基本調査の結果によると、この調査では企業規模の区分が300人以下ではなくて299人以下となっておりますが、100299人規模で60.3%、3099人規模で54.7%、1029人規模で42.8%となっております。

○半沢委員 ありがとうございました。それでは来期以降に関しては、今の数値の推移なども参考に、新法が成立したことを踏まえ、施行状況などを勘案した目標を立てるべきではないかと思っておりますので、その点を意見として申し上げさせていただきます。

○田島分科会長 ありがとうございます。

○布山委員 2015年度の目標の件で、男性の育児休業の取得率についてです。日本再興戦略の中の目標値にもありますし、もともとワーク・ライフ・バランス憲章の数値目標でも2020年までに目標13%ということで示されており、政府として進めていくということ自体に全然反対はしておりません。ただ、雇用均等調査を見ると、男性の育児休業の取得率は確かに2.3%なのですが、育児に関連する休暇制度の男性の取得率はかなり高いです。そうすると、ニーズという意味で、ある程度の長い休業制度だけを見るのか、先ほど報告書の中身にあったように、男性にももっと育児に関わっていただくという意味合いでのお休み、休暇ということでは、もう少し幅広く見た中での目標設定も、もしかしたらあるのではないかということで、問題提起をいたしました。これ自体がどうこうということではなく、今後考えていただいたほうがよろしいのではないかということで、意見を述べさせていただきました。

○田島分科会長 御意見として承っておきます。そのほかに御発言はございませんか。よろしいでしょうか。ほかに報告事項等がないようであれば、本日の分科会はこれで終了します。最後に議事録の署名委員は、労働者代表は南部委員、使用者代表は布山委員にお願いいたします。皆様、本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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