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2015年7月31日 第62回労災保険部会議事録

労働基準局労災管理課

○日時

平成27年7月31日(金)13:00~14:27


○場所

厚生労働省専用第14会議室


○出席者

委員

明石 祐二 (社団法人日本経済団体連合会労働法制本部 主幹)
荒木 尚志 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
岩村 正彦 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
大前 和幸 (慶応義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授)
小畑 史子 (京都大学大学院国際企業戦略研究科 教授)
桐明 公男 (一般社団法人日本造船工業会 常務理事兼事務局長)
黒田 正和 (日本化学エネルギー産業労働組合連合会 事務局長)
齋藤 惠子 (UAゼンセン政策・労働条件局 部長)
佐藤 一郎 (新日鐵住金株式会社人事労政部 部長)
新谷 信幸 (日本労働組合総連合会 総合労働局長)
諏訪 嘉彦 (東急建設株式会社 執行役員住宅事業部長)
田久 悟 (全国建設労働組合総連合 書記次長)
立川 博行 (全日本海員組合中央執行委員 国際・国内政策局長)
田中 恭代 (旭化成アミダス株式会社 代表取締役社長)
中窪 裕也 (一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授)
永峰 好美 (読売新聞東京本社 編集委員)
新居 康昭 (日本通運株式会社取締役 常務執行役員)
吉村 健吾 (日本基幹産業労働組合連合会 中央執行役員)

○議題

(1)社会復帰促進等事業に係る平成26年度成果目標の実績評価及び平成27年度成果目標等について
(2)独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律について(報告)

○議事

  ○労災管理課長 ただいまから第 62 回労災保険部会を開催させていただきます。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。労災管理課長の木塚でございます。今回は委員改選後の初めての部会ということですので、部会長選出まで私が議事進行を務めさせていただきます。なお、本日、大前委員におかれましては 10 分程遅れてくるという御連絡が参っております。

 部会の委員ですが、労働政策審議会令第 7 条の第 2 項によりまして、部会の委員は分科会長が指名することとされております。労働条件分科会の岩村分科会長に、席上に配布しております名簿のとおり、部会の委員を御指名いただいております。

 議事に入る前に、新しく本部会の委員に就任されました皆様を御紹介させていただきます。委員名簿を席上に配布しておりますので御参照いただければと思います。新たに委員になられた方ですが、使用者側代表の諏訪嘉彦委員です。

○諏訪委員 諏訪でございます。よろしくお願いいたします。

○労災管理課長 また、事務局に人事異動がありましたので御紹介させていただきます。まず、労災担当の審議官です。

○審議官 ( 労災担当 )  労災担当の審議官の吉本でございます。本日拝命したところですが、委員の皆様方の御指導を頂きながらやってまいりたいと思っています。よろしくお願いいたします。

○労災管理課長 続きまして、補償課長でございます。

○補償課長 補償課長の三浦と申します。よろしくお願いします。

○労災管理課長 業務課長でございます。

○労災保険業務課長 労災保険業務課長の荻原でございます。よろしくお願いいたします。

○労災管理課長 労災保険審理室長でございます。

○労災保険審理室長 労災保険審理室長の園田と申します。よろしくお願いいたします。

○労災管理課長 労災補償訟務分析官でございます。

○労災補償訟務分析官 労災補償訟務分析官の下村です。どうぞよろしくお願いいたします。

○労災管理課長 続いて、部会長の選出について御説明させていただきます。部会長については、参考 2 の労働政策審議会令第 7 条の 6 項の規定に基づきまして、公益を代表する労働政策審議会の委員のうちから選挙することとされております。本部会におきましては、公益を代表する本審議会の委員は岩村先生のみということです。したがって、岩村先生に部会長に御就任いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 それでは、この後の議事進行については、部会長にお願い申し上げます。

○岩村部会長 部会長を仰せつかりました岩村でございます。引き続きではありますが、委員の皆様方の御支援を頂きながら役割を果たしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは進めさせていただきます。まず、部会長代理を指名させていただきます。労働政策審議会令第 7 条第 8 項に基づきまして、部会長代理は、その部会に所属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから部会長が指名することになっております。したがって、私のほうから指名をさせていただきたいと思います。部会長代理につきましては、大前委員にお願いしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは早速、本日の議事に入らせていただきます。お手元の議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。議題の 1 番目は「社会復帰促進等事業に係る平成 26 年度成果目標の実績評価及び平成 27 年度成果目標等について」ということになっております。資料等用意していただいておりますので、まず、それに沿いつつ、事務局から説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○労災管理課長補佐 ( 企画 )  本議題については、お手元の資料 1-1 から資料 1-4 、また、参考 1-1 から参考 1-9 まで御用意しておりますが、まずは、この資料のうち、参考 1-1 「社会復帰促進等事業に係る目標管理に関する基本方針」を御覧ください。

 社会復帰促進等事業については、平成 17 年度から PDCA サイクルによる目標管理を実施してきたところです。この資料の 5 ページのポンチ絵を御覧ください。目標管理の基本方針の概要が載っていますが、この基本方針においては、「基本的な考え方」として、全ての事業を目標管理の対象とすること。また、目標はアウトカム指標とアウトプット指標を用いて設定すること。そして、執行実績が相対的に低い事業や社会復帰促進等事業として実施する必要が相対的に低い事業などについて、 PDCA サイクルのチェックの場として、本部会において点検、御議論いただくこととしております。

 評価の考え方については、参考 1-2 「社会復帰促進等事業の評価の考え方」を御覧ください。こちらに基づき、指標の達成、未達成に応じて、まず一時的に A から C の評価を行っています。これに基づいて、各事業について御議論いただいた上で、各事業について、アクションとして出しまして、翌々年度、今回の平成 26 年度評価については平成 28 年度になりますが、その予算要求に反映させるような流れになっております。

 最初に戻りまして、資料 1-1 「社会復帰促進等事業に関する平成 26 年度成果目標の実績評価及び平成 27 年度成果目標 ( )( 概要 ) 」を御覧ください。こちらは平成 26 年度成果目標に対する実績評価について、まず評価類型ごとにまとめたものです。平成 26 年度目標を達成した事業は 89 あります。そのうち、運営費交付金により独立行政法人が行う事業など、次回以降の本部会で御議論いただく予定の事業を除き、平成 26 年度実績を集計しましたところ、目標未達成である B 評価の事業が 7 つ、 C 評価の事業は 4 つという状況となっております。また、下の 2 の所ですが、昨年 12 月に開催しました本部会においても御紹介、御議論させていただきましたが、平成 27 年度からの新規事業が 4 つあります。

 続いて、資料 1-2 「平成 27 年度第 1 回社会復帰促進等事業に関する検討会 主な論点」です。この資料については、事務局において本日の議題の主な論点をまとめたものです。上の「議論のポイント」にありますように、平成 26 年度成果目標が B 及び C 評価の目標未達成の事業と、平成 27 年度の新規事業を中心に御議論いただければと考えておりますが、当然、 A 事業と位置付けている事業についても御意見を頂戴したいと思っております。

 それでは、 B 及び C 評価の目標未達成事業、また、平成 27 年度の新規事業について、資料 1-3 1-4 にまとめておりますので、個別に御説明させていただきます。

 資料 1-3 1 ページです。まず、こちらのほうから、事業執行率を評価するアウトプット指標が未達成であった B 評価の事業を並べております。 1 つ目は事業番号 19 「労災特別介護援護経費」です。この事業については、在宅で介護を受けることが困難な高齢の労災重度被災労働者の方に対して、その傷病・障害の特性に応じた専門的施設介護サービスを提供する、労災特別介護施設の運営を行う事業です。この事業のアウトプット指標については、全国 8 施設の年平均での入居率を 90 %以上とするという目標を設定したところですが、実績を集計したところ、目標に届かなかったというものです。その横の欄の「理由」ですが、未達成の理由としては、平成 25 年度にお亡くなりになるなどといったことによる退居者数が多かったこと。また、そういった退居者数が多い中で、空いた所に新規に入居する際には、入居可否の審査、本人の状態と部屋のマッチング等により時間を要したため、直ちに入居に結び付かないといったことが理由として挙げられると考えております。また、その隣の欄の「改善事項」ですが、指標未達成といったことも受けまして、年金支給決定時に、職員から入居者に対する説明・周知を実施する、全都道府県の障害福祉主管部局に対して周知広報や、入居要件を満たす可能性のある方に対して本事業を紹介するなど、入居率向上のための取組を強化したいと思っております。こういった状況を踏まえまして、平成 27 年度のアウトプット指標ですが、平成 26 年度と同様に全国 8 施設の年平均での入居率を 90 %以上とするといったものを設定しまして、先ほど御説明しました改善策も通じて次年度以降、目標達成したいと考えております。

 次のページは、事業番号 26 「労働災害減少のための安全装置等の開発に関する調査研究」です。これは、業界団体等から構成される専門検討委員会といったものを設けまして、小売業等の事業場や労働者を対象として、労働災害の防止に有効な安全装置等に関するニーズの収集を行った上で、現場で必要とされる安全装置等の開発について検討し、報告書を取りまとめるといった事業です。この事業のアウトプット指標については、専門家による検討会を 4 回以上実施すると設定していましたが、目標に届かない 3 回というものでした。未達成の理由としては、小売業等に対するアンケートやヒアリングなどを計画的に実施することができ、また、委託先である中央労働災害防止協会に安全衛生や現場の災害防止対策について深い見識のある人材が豊富であったことなどから、 3 回の検討会開催で適切に報告書を取りまとめることができたということです。平成 27 年度においては、平成 26 年度に取りまとめた報告書の内容を生かして、小売業等における労働災害減少に資する保護具や安全装置の開発等の検討を進めていくこととしております。平成 27 年度に設定を考えているアウトプット指標ですが、災害防止対策について周知を図るといった観点から、報告書を踏まえて、「転倒災害」「墜落・転落災害」「切れ・こすれ災害」防止に係るリーフレットを作成し、印刷可能な電子媒体を都道府県労働局に送付すると設定したいと考えております。なお、本事業については、これについては平成 28 年度は予算要求を行わない予定です。

 次のページは、事業番号 30-2 「職業病予防対策の推進 ( 原発事故からの復旧・復興従事者の適正な放射線管理実施の指導 ) 」です。このうち、「事業概要」の (1) ですが、避難区域等において一定の線量下で除染や復旧作業を実施する中小零細事業者の団体等に対して、線量管理を指導する方を派遣し、適切な放射線管理の実施を教育・指導するとともに、教育用の資材を貸与し、団体等における自主的な放射線管理等の適切な実施等を図るといったものを 1 つの事業内容としております。これについてアウトプット指標を、線量管理の指導を 150 回以上実施、また、受益者数を約 9,000 人とするといった形で設定しましたところ、実績としては、線量管理の指導回数が 17 回ということで、目標に届かなかったというものです。未達成の理由としては、受講希望状況を踏まえて、 1 回当たりの受講人数を増やし、効率的に教育等を実施したため、 17 回の講習会開催で、最終的な目的である受益者数約 9,000 人を達成できたことから、結果的に線量管理指導回数は少なくなってしまったというものです。平成 27 年度においては、目標を達成すべく、教育の受益者数を積算の上限数に近づけるべく、各団体に対して積極的に周知広報を行うこととしております。そういった中で、平成 27 年度に設定を考えているアウトプット指標ですが、福島県外の除染がほぼ終了したことに伴い、平成 27 年度予算を減額している状況です。これに応じて、最終的な受益者数を約 6,000 人とするといった形で設定したいと考えております。

 次のページは、事業番号 40 「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への対応強化」です。これは、平日夜間・休日に労働基準法などに関して無料で電話相談を受け付ける「労働条件相談ほっとライン」の設置、また、労働基準法などの基礎知識・相談窓口をまとめた労働条件相談ポータルサイトの設置、さらに、大学・高校等での労働条件セミナー開催といったことを内容とする事業です。このうち、事業の 1 つ目と 2 つ目について、それぞれ 1 か月平均 2,000 件以上の相談を受け付ける、また、ポータルサイトへのアクセス件数を 1 か月平均 1 5,000 件以上とするといったアウトプット指標を設定していたところですが、実績として目標に届きませんでした。未達成の理由としては、 1 つ目のホットラインについては、同時間帯に契約回線数を超える受電等により、受付できない電話が発生してしまったこと。また、労働条件ポータルサイトについては、サイトの開設が平成 26 11 23 日となり、サイト内の情報の充実といったものも含めて遅れたことだと考えております。これを受けて、平成 27 年度においては、ホットラインについては、契約回線の増設ないし周知広報の充実を図るといったことを講じております。また、ポータルサイトについては、更なるサイト内容の充実や周知広報の充実を図るといったことをしっかりと講じていきたいと考えております。こういった中で、平成 27 年度のアウトプット指標ですが、ホットラインのほうについては、(1)ですが、 1 か月平均 1,600 件以上の相談を受け付けること。また、(2)のポータルサイトについては、サイトへのアクセス件数を 1 か月平均 1 5,000 件以上とするといった形で設定したいと考えております。

 次のページは、事業番号 72-1 「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進 ( 過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し ) 」といった事業です。こちらについては、労働時間等の設定の改善が図られるよう、中小企業事業主の団体等に向けた労働時間等設定改善推進助成金、また、個別企業向けに職場意識改善助成金といったものを支給する事業です。それぞれの助成金について、アウトプット指標として、労働時間等設定改善推進助成金については支給決定件数を 7 件以上とする。また、職場意識改善助成金については支給決定件数を 238 件以上とするといった目標を設定していたところ、実績として目標に届かなかったというものです。未達成の理由としては、平成 25 年度の団体助成金の支給対象団体及び傘下企業へのアンケート調査結果によると、団体を通じた助成ではなく、個別企業への直接的な支援を求める声があったことや、制度創設から 9 年が経過し、一定の役割を終えたのではないかと考えられることが挙げられます。また、個別企業向けの職場意識改善助成金については、申請件数自体は 298 件と、予算上 320 件を見積っていたところの約 93 %の申請がありましたので、周知広報等には一定の効果があったと考えておりますが、書類の不備や経営状況の悪化などによって最終的に支給決定に至らなかったケースが多かったと考えております。「改善事項」ですが、平成 27 年度においては、労働時間等設定改善推進助成金については、近年、利用実績が低調であることを踏まえ、平成 26 年度限りで廃止という形にしたところです。また、職場意識改善助成金については、事業主の書類作成に掛かる手間を省くため、より分かりやすい申請マニュアルを作成し、また、事業主のインセンティブを高めるため、助成金の上限額の増額といった改善策を講じているところです。こういった状況を踏まえて平成 27 年度のアウトプット指標ですが、職場意識改善助成金、従来の職場環境改善コースについては、平成 26 年度指標と同様、支給決定件数を 238 件以上と設定しまして、平成 27 年度の改善策を通じて目標達成をしたいと考えております。また、 2 つ目の所ですが、新たに設ける所定労働時間短縮コースといったものについて、平成 27 年度予算における想定件数の 7 (600 ) 以上とするというアウトプット指標を設定したいと思っているところです。

 次のページは、事業番号 72-2 「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進(テレワーク普及促進等対策)」です。こちらについては、テレワークセミナーの開催によるテレワーク実施時の労務管理の留意点についての周知や、テレワークモデル実証事業の実施、また、テレワークに取り組む中小企業事業主向けの職場意識改善助成金の支給などを通じて、テレワークの普及を目指すといった事業です。このうち、職場意識改善助成金について、平成 26 年度予算 ( 5 億円 ) 8 割以上の利用がなされるようにするといったアウトプット指標を立てていたところですが、実績が目標に達しなかったところです。未達成の理由としては、平成 26 年度が初年度であったこと。広報委託事業が一旦、不落となり、再調達を行ったため、広報の開始が大幅に遅れ、 9 月下旬となったことから、周知広報が不十分であったこと。また、テレワーク相談センターに寄せられた中小企業事業主の方の声には、テレワークを実施するためには準備にかなり時間が掛かることから、興味はあるが今年度は見合わせたいという声があったことが挙げられると考えております。これを受けて、「改善事項」ですが、平成 27 年度においては、広報委託事業の契約を 4 月中に終え、 5 月から順次、広報を開始しているといった状況です。また、助成金部分の平成 27 年度予算を約 3 1,000 万円としております。こちらの額については、平成 26 年度から、約 1 9,000 万円減額している状況です。平成 27 年度のアウトプット指標ですが、職場意識改善助成金の支給決定件数を、前年度実績に対し、 2 倍以上に増加させるといったことを新たに設定したいと考えております。

 次のページは、事業番号 78 「雇用労働相談センター設置・運営経費」です。これは、国家戦略特別区域内に雇用労働相談センターを設置しまして、雇用労働相談員による電話相談や窓口相談等の対応、また、弁護士による高度な専門性を要する個別相談対応、また、個別訪問指導やセミナーの開催といったことを行う事業です。この事業については、雇用勘定と労災勘定の双方から支出している事業です。平成 26 年度のアウトプット指標としては、福岡市グローバル創業・雇用創出特区における 1 回当たりのセミナーの集客数を 30 名程度とすることを設定していたのですが、実績としては 1 回当たりのセミナーの集客数は 20 名となり、目標を達成することができなかったというものです。未達成の理由としては、初年度ということもあり、周知が十分になされなかったということを考えております。これを受けて、平成 27 年度においては、雇用労働相談センターが実施するセミナーについて、関係機関とも連携し、積極的に周知を行っていきたいと思っております。平成 27 年度のアウトプット指標ですが、 1 回当たりのセミナーの集客数を、東京、関西、福岡の各センターの仕様書で定められた目標値の平均である 27 名程度とすることを設定したいと考えております。

 次のページからは政策効果を評価するアウトカム指標が未達成であった C 評価の事業について御説明します。事業番号 15 「労災ケアサポート事業経費」です。これは、在宅で介護・看護等が必要な重度の被災労働者の方に対して、労災疾病に関する専門的な知識を有する看護師等による訪問支援等を実施する事業です。アウトカム指標ですが、事業の利用者から介護、看護、健康管理、精神的ケア等が有用であった旨の評価を 90 %以上得ると設定していたのですが、目標を達成できませんでした。未達成の理由としては、平成 26 年度から調査方法を変更しまして、これまでの「有用であった」「有用でなかった」の 2 択に加えて、「どちらとも言えない」といったものを回答に追加したことが主な原因であると考えております。こういったことを受けて、「改善事項」ですが、受託者からの状況把握を適宜行い、必要な指導を行っているという状況です。こちらは C 評価となったものですが、本事業については、在宅で介護、看護等が必要な労災重度被災労働者の生命、生活維持に必要な事業であると考えております。このため、本事業については、 C 評価ではありますが、継続したいと考えております。そういった中で、平成 27 年度のアウトカム指標ですが、平成 26 年度と同様、事業の利用者から介護、看護、健康管理、精神的ケア等が有用であった旨の評価を 90 %以上得ると設定し、改善策を通じ、しっかりと目標を達成したいと考えております。

 次のページは、事業番号 17 「長期家族介護者に対する援護経費」です。これは、要介護状態の重度被災労働者の方が、業務外の事由でお亡くなりになった場合に、長期にわたり介護に当たってきた遺族の方に対して、生活転換援護金として一時金 100 万円を支給するといった事業です。こちらの事業のアウトカム指標を、申請から支給決定までに要する期間を 1 か月以内とする。その 1 か月以内とした期間内に支給決定した割合を 80 %以上とするという目標を定めていましたが、目標に届きませんでした。未達成の理由としては、遺族補償給付の請求、業務上の場合には給付するものですが、そういった請求書と、本件申請書を同時に申請いただいて受理し、遺族補償給付の業務上外の決定が下りるまでの間、本件申請に係る調査を中断していたものや、死因が業務外ということで、遺族補償給付の不支給決定がなされたため、本件申請を受理したのですが、申請者が遺族補償給付の不支給決定に係る審査請求を行ったため、審査請求の決定が確定するまでの間、本件申請の調査を中断していたものといったものが幾つかあり、目標に到達しなかったというものです。これを受けて、平成 27 年度については、申請から支給決定までに要する期間を 1 か月以内とすることを改めて通知して、迅速・適正な処理の徹底を図るとともに、処理の遅れがやむを得ない場合であっても、申請から決定までに 1 か月以上の期間を要する場合、申請者の方に連絡をした上で、迅速・適正な処理に努めるといった改善策を講じているところです。本事業については C 評価ですが、重度被災労働者の遺族の生活を援護するために必要な事業だと考えており、引き続き事業を継続していきたいと思っております。平成 27 年度のアウトカム指標は、全ての申請について、申請から支給決定までに要する期間を 1 か月とする。また、支給決定までに要する期間が 1 か月以上要する場合は、申請者にその旨を連絡すると設定し、先ほど申しました改善策も通じて、しっかりと目標達成をしたいと考えております。

 次は事業番号 18 「労災特別介護施設設置費」です。こちらについては、先ほど冒頭に説明しました労災特別介護施設について、施設の整備・修繕といったものを行うものです。アウトカム指標について、緊急性の高い労災特別介護施設の修繕を実施としていたところ、入札不調により、予定していた修繕が実施できず、目標が達成できませんでした。未達成の理由としては、平成 26 年度に予定していた修繕について、国交省への支出委任を行っていたのですが、近年の建材高騰や人員不足等、公共工事を巡る厳しい環境の下、同省において入札不調が多発している状況といったものが理由として考えられます。こういった状況から、平成 27 年度においては、「改善事項」として、厚生労働省が直接事業を実施することとして、適切な水準の予算及び十分な工期を確保した上で、入札執行状況や工事の進捗状況について、適時確認しながら、適切に工事が実施できるよう調整に努めることとしております。本事業については、在宅での介護が困難な高齢の労災重度被災労働者に対する専門的な施設介護サービスを提供するため、今後とも必要な事業であると考えており、引き続き継続していきたいと思っております。そういった中で、平成 27 年度のアウトカム指標ですが、入居者からの労災特別介護施設に対する総合的な感想について、入居者に対してアンケート調査を行い、「有用であった」という回答を 90 %以上、得るということを新たに設定しまして、改善策を通じ、しっかりと目標を達成していきたいと考えております。

C 評価の最後ですが、事業番号 68 「雇用均等行政情報化推進経費」です。こちらは、企業における男女労働者の取扱いや、育児・介護休業の状況等に係る事業場の基本情報についてデータベース管理を行うことにより、雇用均等行政の効率化及び相談・指導業務の高度化を図る事業です。この事業についても、雇用勘定と労災勘定の双方から支出している事業です。アウトカム指標については、業務・システム最適化実施前の運用経費、業務処理時間と比較して、年間 2,100 万円の経費削減ないし年間 216.6 人日分の業務処理時間の削減を図ることとしていたところ、目標に届かなかったというものです。未達成の理由としては、平成 26 1 月に行った労働局共働支援システムの更改の際に、業務上の必要性から人員配置に合わせて端末台数を増やしたことから、当初の試算値を上回る経費が必要となったことなどが考えられます。本事業については、都道府県労働局の雇用均等室における労働者からの相談対応や事業場に対する行政指導等の法施行業務を、迅速かつ正確な事務処理を行い、各種業務処理の効率化及び高度化に必要というものですので、引き続き継続したいと考えております。そういった中で、平成 27 年度のアウトカム指標ですが、業務・システム最適化実施前に比べて、年間 216.6 人日以上の業務処理時間の削減を図るといったものを設定して、改善策を通じて目標達成をしたいと考えております。

 続いて資料 1-4 です。平成 27 年度新規事業について設定しました目標について簡単に御説明いたします。最初は事業番号 10 「長期にわたる療養が必要な労働者のための復職等支援」です。これは、長期療養が必要な疾病を抱えた労働者の復職支援を行う「復職等支援コーディネーター」の養成を行い、医療機関と事業場の橋渡しを行うモデル事業を実施するという事業です。アウトカム指標としては、(1)「復職等支援コーディネーター」養成の手法が有効であると回答したコーディネーターの割合を 80 %以上とすること。(2)「復職等支援コーディネーター」による支援が有効であると回答した復職等支援を受けた労働者の割合を 80 %以上とすることを設定したいと考えております。また、アウトプット指標ですが、復職等支援を受けた労働者数を 20 人以上とすることといったことを設定したいと考えております。

 次のページは、事業番号 30-4 「職業病予防対策の推進 ( 東電福島第一原発の施設内の緊急医療体制強化への支援 ) 」です。原子力施設内における災害時の医療ネットワークの永続性の確保、また、支援対象の他原発への拡大、専門人材の育成、原子力施設内外の医療連携の強化、被災者搬送訓練等の実施といったものを促進することを内容とした事業です。アウトカム指標については、被災労働者搬送訓練後及び専門人材研修後のアンケートで、「有意義だった」などが 70 %以上を達成することを設定したいと考えております。アウトプット指標ですが、(1)専門人材育成研修を計 4 回実施すること、(2)専門人材の導入研修修了者 ( 派遣名簿登録者 ) 数を 50 人確保すること、(3)被災労働者搬送訓練を 2 つの原子力施設で実施することといったことを設定したいと考えております。

 次のページは、事業番号 41 「過労死等防止対策推進法の施行に要する経費」です。こちらについては、過労死等防止対策推進法に基づき、過労死等に関する実態調査などを行うことや、過労死等を防止することの重要性について国民の関心と理解を深めるための施策といったものを実施するものです。具体的には、過労死等に関する調査研究、また、過労死等を防止することの重要性について国民の理解を促す等、周知・啓発、さらに、過労死等防止対策推進シンポジウムの開催といったものを内容としております。こちらの事業のアウトカム指標については、過労死等防止対策推進シンポジウムの参加者満足度を 80 %以上とすることを設定したいと考えております。また、アウトプット指標については、過労死等防止対策推進シンポジウムを全国 29 か所で開催し、また、参加者数を計 4,500 人以上とするといったことを設定したいと考えております。

 次のページは、事業番号 55 「未熟練労働者に対する安全衛生教育の推進のための経費」です。こちらは、中小規模事業場において新たに就労しようとする未熟練な労働者に対する安全衛生教育の適切な実施を推進するものです。具体的には、中小規模事業場へのヒアリングを実施し、そういったヒアリング結果を踏まえて、教育すべき内容を取りまとめる検討会の開催といったものを行っていくものです。この事業のアウトカム指標については、対象となる事業場において、未熟練労働者に対する安全衛生教育の適切な実施に有益であった旨の評価を 80 %以上得ること。また、アウトプット指標については、検討会を 5 回開催し、事業場ヒアリングを 30 か所実施することを設定したいと考えております。

資料の説明については、長くなりましたが、以上です。

○岩村部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から資料に沿って説明を頂いたところでございます。これにつきまして御意見あるいは御質問がありましたら、お出しいただきたいと思います。

○吉村委員 資料の 1-3 4 ページの若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応強化について質問いたします。別冊の参考の 1-4 109 ページも横に置きながら見ていただきたいと思います。今国会に提出されました青少年雇用促進法案には、努力義務ではありますが、「国は、学校と協力して、その学生又は生徒に対し、職業生活において必要な労働に関する法令に関する知識を付与するように努めなければならないものとすること」という条文が盛り込まれております。各学校段階で、ワークルールや有事の際の相談窓口等が確実に学べるように、積極的な取組を求めたいと思います。

 事業(3)といたしまして、平成 26 年度大学等でのセミナーを 44 回開催したということですが、平成 27 年度では、大学・高校生等でのセミナーを 32 回開催となっております。平成 26 年度よりも回数が減っているということです。こちらについて理由を伺いたいと思っております。

 平成 27 年度のアウトプット指標である、 32 回以上の根拠は何であるのかということも加えてお聞きしたいと思います。また、平成 26 年度の参加者に社会人等は含まれているかなど、その属性はどうであったのかをお聞きしたいと思います。

○岩村部会長 それでは恐れ入りますが、担当課のほうでお願いいたします。

○事務局 監督課でございます。お答えしたいと思います。まず、今回の事業回数が 44 回から 32 回に減少している理由についてですが、これについては回数自体は開催場所の関係で減少しておりますが、トータルの受講者数は 3,500 人から 5,000 名と増加させているところです。効率的に実施するために、若干の回数減ということはあります。

 次に、社会人等が学校セミナーの中に受講されているかについてですが、具体的には、内容として、どういう方が参加されているかというような統計は取っておりませんけれども、実際のところは、社会人も中には入っていらっしゃいますし、開催する場所においては全国 8 ブロックで開催しており、その中で必ず 1 回はオープンキャンパスといいますか、社会人の方も全て参加できるような体制を取っております。以上です。

○吉村委員 続けてよろしいですか。

○岩村部会長 どうぞ。

○吉村委員 また、平成 27 年度はセミナー対象者を「大学生・高校生等」としていますが、この「等」には、大学生・高校生以外のどのような層が含まれているのか聞きたいと思います。

 また、若者の「使い捨て」を疑われる企業等への対応の強化という点では、ワークルール等を学べる機会の提供について、大学生や高校生だけではなく、既に社会人になった若者や企業に対しても充実させるべきと思います。社会人や企業も含め、本事業での新社会人や企業経営者を対象としたセミナーの開催についても、検討、実施すべきではないかと考えます。

 「労働条件相談ほっとライン」に平成 26 年度は月平均 1,625 件の電話相談があったということですが、そのうち労働関係法令違反が明らかであった案件は何件であったのか。また、法令違反が明らかであることを受けて、委託業者が労働基準監督署に連絡した件数、その内容によって最終的に労働関係法令違反として処分されたのは何件か、伺いたいと思います。

○事務局 お答えします。「大学生・高校生等」という「等」においては、専門学校の方が入っているという解釈です。次に法令違反についてですが、具体的には法令違反かどうかという確認をしておりませんので、このホットラインについては、相談者が労働基準監督署への情報提供を希望する場合について、委託者から事業場を管轄する労働基準監督署へ相談内容を情報提供しているというようなところもあり、法令違反自体が疑われるようなものについては、労働基準監督署の窓口を紹介させていただいているというような実績があります。具体的にそういった形で希望者から要望があり、監督署へ情報を提供させていただいている数は、具体的には、昨年は 1 1,300 件のうち 29 件にとどまっているという状況です。

○岩村部会長 よろしいでしょうか、吉村委員。

○吉村委員 最後に、昨年 7 月に第 57 回労災保険部会において、労働側から、労働者から委託業者が相談を受けた後、監督行政とのつなぎは確実に行われる体制であるべきと意見いたしました。本事業は、厚生労働省がいわゆるブラック企業対策の目玉として打ち上げた事業と認識しております。「労働条件相談ほっとライン」で相談を受けるが、受けるだけで問題解決につながらないというのでは意味がないと思います。若者の「使い捨て」を疑われる企業や、いわゆるブラック企業への取組の強化という本来の施策効果が上げられますよう、厚生労働省には万全の対応をお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。

○岩村部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。

○新谷委員 それでは、資料 1-3 5 ページにあります職場意識改善助成金の所定労働時間短縮コースの件について意見を申し上げたいと思います。この所定労働時間短縮コースの助成金については、まだ所定労働時間が週 44 時間という長い時間が認められている事業場を、この助成金を使って本来の週 40 時間に誘導していくために設けられた助成金だと思っております。 3 月の第 61 回部会において質問させていただいたときに、この特例措置対象事業場数については、約 178 万事業場とお聞きしました。そのうち 2 割が週 40 時間となっていないということで、そういった事業場を助成の対象としていくと。そのとき、助成対象は、予算上は約 1,400 企業を見込んで予算措置をしたとお聞きしていたわけです。

 伺いたいのは、 5 ページの右下にあります平成 27 年度予算において、想定件数の 7 割、 600 件という数字が書かれておりまして、これは第 61 回部会でお伺いした 1,400 件との関係で、どのように見たらいいのか。 7 割で 600 件ですから、割り戻しを入れると 1,000 件行かないと思いますけれども、これは第 61 回部会での説明との関係で、どう整合性を持って見たらいいのかを教えていただきたいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。それでは担当課のほうで説明をお願いします。

○事務局 労働条件政策課でございます。よろしくお願いいたします。今の新谷委員からの御質問の 1,400 件との関係ですけれども、予算要求上、約 1,400 件という要求をしているのですが、助成金の上限額 50 万円がある中で、財政当局とのすり合わせで、予算積算上は1件あたり 50 万円ということではなくて 30 万円ということになったものです。しかし、実行に当たっては、全て 50 万円ということで実行を組んでおります。そして、予算額を 50 万円で割り算すると 1,400 件が約 850 件という数字になります。目標設定に当たっては、 850 件の 7 割ぐらい以上を目指すということで、 600 件とカウントしております。以上です。

○岩村部会長 新谷委員いかがでしょうか。

○新谷委員 説明していただいて初めて分かる数字でして、やはりこの助成金を活用し、本当に週 40 時間に向けて頑張るというのを、みんなに分かるように示していただきたい。

 それと、残った数は 6 8,000 事業場もあって、目標設定が 600 件というのは何年かかるのだろうという気もしました。労政審の労働条件分科会でもここの部分は大分論議をして、特に理容・美容関係の分野が遅れているという報告があったわけで、満遍なく助成金を受け付けるということではなくて、もう少し攻めの助成金の活用をお願いしたいと思っています。一番進んでいない産業、業界に対して、もっと積極的なアプローチをしていただきたいと思っておりますので、行政としても強力な取組をお願いしたいと申し上げておきます。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。

○黒田委員 同じ 6 ページで、テレワーク促進の対策等について、確認と意見をしたいと思います。アウトプット指標については、平成 26 年度のテレワークのほうでは、予算の 8 割以上の利用とされていたのですが、次の平成 27 年度の目標設定、アウトプット指標のほうでは、支給決定件数を前年度実績に対して 2 倍以上と変更されているところです。資料に記載されていない平成 26 年度の支給決定件数の実績も含めて、このように目標設定が変わったというか、設定に当たっての考え方をお伺いしたいと思います。

○岩村部会長 では、担当課のほうでお願いいたします。

○事務局 労働条件政策課です。よろしくお願いいたします。今の御質問の件ですけれども、実は前年度のテレワークの助成金については支給件数が全体で 38 件ということで、活用が余り図られなかったという状況がございます。これは実は周知広報、 4 月から本来はスタートすべきものですけれども、入札で不落になった等の問題もございまして、周知広報は 9 月からということで遅れております。その関係で実績が 38 件ということもあり、今年度の目標に当たっては、せめてその倍以上ということで数字を出させていただいております。以上です。

○岩村部会長 黒田委員いかがでしょうか。

○黒田委員 それですと 76 件以上ということになると思うのですけれども、それは数値は数値として分かりました。あとは意見ですけれども、これまで部会においても労働側から指摘させていただいているのですが、テレワークは従来の労務管理では、なかなか対応が難しい面もあることに十分留意をする必要があるということ。

 それとテレワークは、ともすれば企業の単なるコスト削減として用いられてしまいますので、そういうことがないように制度の導入に当たっては、その目的ですとか、どういった業務を対象にするのか、その労働者の範囲、あるいは労働時間の管理の方法などについて、労使で十分に協議を行う必要があること。それらについて再度、十分に留意をお願いしたいと思います。

 その上で、こういった対応を適切にされた上でということですが、念押ししておきたいのは、労働者本人の意思が何といっても尊重されなければならないということも申し上げておきたいと思います。いたずらに数値目標を追い求めるのではなく、本施策の推進に当たって、厚生労働省におかれては、適切な対策を講じるようにお願いしておきたいと思います。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。

○田久委員 質問というよりも 1 件要望でありますが、新規の関係での未熟練労働者に対する安全衛生教育の推進のための経費ということで、労働災害が多い中小企業からの選出、ヒアリングをしていく。この中で製造業ということで今回はありますが、実は依然として全産業の中でも、まだ建設産業が労災事故の死亡率としては 35.7 %でトップだということです。なおかつ、 2017 年度から、いよいよオリンピック関係や復興支援も含めて、工事が進められるといわれています。

 実は日建連の発表しているように、今後新規の入職者として、 90 万人ほど、 10 年、 20 年単位でみると必要になってくるとなると、やはりこれからオリンピックや復興支援が更に本格化する中では、建設産業の中でもこういった未熟練の労働者がより一層増えていく可能性が多くなってくると。今でさえ技能労働者が減ってきている中でありますので、是非、そういう部分では、そこに向けてもヒアリング等で製造業だけではなく、業種別も含めて検討していただいて、全体の労災事故を減らしていくといった取組に、是非こういった経費を使っていただきたいと思っております。以上です。

○岩村部会長 ありがとうございます。御意見ということで承ることにしたいと思います。そのほか、いかがでしょうか。

○新谷委員 同じ資料の 7 ページの雇用労働相談センター設置運営の経費についてです。この雇用労働相談センターは国家戦略特別区域法に基づいて設置をされたという経緯がございますけれども、これはいろいろな変遷があって、最終的にこのような施策にたどり着いたわけであります。もともとは雇用戦略特区ワーキングという政府の一部有識者の方々が、「就業規則の解雇事由を裁判規範に上げろ」と言われ、結局はセンターを作るということになったのですけれども、なぜこれが社会復帰促進等事業なのか、もともと分からないところがありますけれども、こういうものが運用されているということであります。

 お聞きをしたいのは、セミナーを開催するということで、セミナーの集客数と満足度で測るということが目標になっているのですけれども、実績としてまず聞かせていただきたいのは、平成 26 年度の実績で 20 名ということになっているのですが、これはどういった人たちがこのセミナーに来られているのか、教えていただきたいと思います。

○岩村部会長 では、担当課のほうでお願いします。

○事務局 労働条件政策課でございます。よろしくお願いいたします。セミナー参加者ですが、労働者、求職者の方が約 33 %、事業主の方が同じく 33 %、その他ということで起業予定者などの方も 33 %と確認しております。

○岩村部会長 新谷委員いかがでしょうか。

○新谷委員 ありがとうございます。もともとこのセンターの利用については、当初想定されたような開業を予定される事業主だけではなくて、労働者についても相談の受付をしてほしいということを労働側としては申し上げておりましたので、受講者の中に労働者、求職者が入っているということは労働側がお願いしたことが実現したのではないかと思います。

 ただ、目標がこういう集客者の数とか相談の満足度で本当にいいのかというと、もともと申し上げたような紆余曲折はございますけれども、この特区法の目指しているところは、特別区域内において、外国人の起業家がここに会社を作るとか、増資をするとかして、雇用を増やしていく。雇用労働相談センターをそのための起爆剤とするというのがもともとの設置目的ではないかと思います。

 ですから、本来であれば、これを受講した方々、特に 33 %の起業予定者の方々が本当に起業していただいているのかどうか。要するに、本来想定した成果として結び付いているのかどうか。あるいは相談に来られた方が特別区域内で本当にきちんと事業をして、労働者の数を増やしているのかどうか。新規の就業者の数が増えたのかどうか。本当は国家戦略特別区域法が目指した成果ではないかと思うのですけれども、こういう受講者の集客数の多寡を目標とするのは、もともと国家戦略特別区域法が狙っている姿とは違うのではないかという違和感がありまして、もしその辺でお考えがあれば教えていただきたいと思います。

○岩村部会長 担当課、いかがでしょうか。

○事務局 御指摘のとおり目的としましては、海外から、あるいは新規に企業を起こす方がきちんと日本の雇用ルールを理解していただいて、個別紛争が起きることのないようにしていくというものですが、受動的に相談を受けて、すぐに起業するということについて把握する部分については、少し難しいのかなと思っております。

 また、雇用労働相談センター自体は積極的に周知させていただきますが、どうしても受動的に受けるものでございますので、それをアウトプット指標、あるいはアウトカム指標にすることについて、少し難しいのかなと考えております。ただ、実際に結果としてどのぐらいの成果が生まれたのかという点については、きちんと把握してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○岩村部会長 新谷委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。では、引き続き新谷委員どうぞ。

○新谷委員 続けて申し訳ありません。資料 1-4 の新規事業について、お聞きしたいと思います。 1-4 1 ページ目に、復職等支援コーディネーターの養成を行う新規事業が出ているのですが、事業内容は資料 1-4 だけではよく分からず、参考資料 1-4 35 ページに書かれてあります。

 お聞きしたかったのは、 5,400 万円ですか、資料に出ていますけれども、 5,000 万円以上の予算を掛けて、一体その復職等支援コーディネーターを大体どの程度の人数養成されようとしているのか、 1 人当たりの養成経費はどれぐらいで見込まれているのかを、まず教えていただけないでしょうか。

○事務局 労災管理課でございます。ただいま新谷先生から頂いた御質問ですが、どれぐらいの規模の復職等支援コーディネーターを養成するかということですが、もともとの段階では 10 名。後ほどお話させていただこうと思っていたのですが、現在、再入札に向けて調整をしている段階で、今、 5 名という形で調整しているところです。

 本事業の趣旨ですが、養成という名前を使っておりますが、どちらかというと研修を最初に行っていただいて、その方に事業を行っていただくことを想定しておりますので、実際、一人一人にどれぐらいお金を掛けるかということで予算を見積っているわけではありません。以上です。

○新谷委員 これは新規事業の提案ですが、そもそも復職等支援コーディネーターは、被災労働者が療養しながら復職するプロセスにおいて、医療機関と事業場との間でどのような役割を担うのか、説明が欠落しているのではないかと思うのです。そこの説明がないものですから、 5,000 万円掛けて 10 人養成する、今の御説明では 5 人に減らすとの話でしたが、仮に復職等支援コーディネーターを 10 人養成したとして、全国でわずか 10 人のコーディネーターが長期の療養をされている被災労働者の方々に対して、どういう役割を果たしていただけるのかと。それは 10 人で足りるのかどうかも説明が全くないものですから、判断のしようがないのです。 5,000 万円で 10 人だと言われて、役割もよく分からない。新規事業の提起であれば、資料 1-4 の表で組まれたような資料だけではなく、別途、こういう役割のものを作りたいと。そのために養成をしたいといった説明資料を添付して、提起があって然るべきではないかと思いますが、いかがですか。

○労災管理課長補佐 ( 企画 )  お答えいたします。資料の作り方からして不十分だったことについては、まず申し訳ないと思っています。全体的な枠組みとして、次年度の新規事業については、 2 回目の部会において、こういうことをやっていきたいという形で御説明させていただいているところでして、昨年 12 月の部会においても「長期にわたる療養が必要な労働者の復職等支援事業」については、御説明させていただいたところです。ただ、そのときには資料を出したのですが、今回出さなかったことについては、大変申し訳ありませんでした。

 どういったことを想定しているかですが、医療の向上等々があり、昔よりも長期にわたる療養が必要なのですが、療養をしながら復職して仕事ができる方は、だんだん増えてきていると思っています。ただ、現状としては、復職ができなく、仕事ができない方もいらっしゃるのかと思っています。こういったことについて、なぜ復職がかなわないのかといったところについて、私どもとしては、労働者個人の方が、事業主の方と病院の方との間で、自分で調整して復職について話をつけるのは、難しい面もあるのではないかと考えております。そういったところで、第三者である復職等支援コーディネーター、これは資格があるわけではないのですが、そういった専門知識を有する方が間に立って、医療機関と事業主間の御意見を聞きながら、いろいろな調整等をすることにより復職がかなうのではないかと考えております。こういったことができるのかどうかも、こういった事業へのニーズも含めて、一旦モデル事業としてやってみよう、こういう趣旨で実施したいと思っているところです。

○新谷委員 事業の趣旨には賛同しますし、是非進めていただきたいのですが、全体像が見えないのです。復職等支援コーディネーターを 10 人養成するモデル事業をパイロット的にやるということなのでしょうが、労災病院だけでも全国に多数あって、労災病院以外の一般病院にも労災で被災された労働者がお世話になっていると思うのですが、復職等支援コーディネーターがどういう役割を果たしていただけるのか。被災労働者は、身近にこういう方々を頼ることが可能な体制にまで、将来的に復職等支援コーディネーターを増やしていくといった構想をお持ちなのか。審議のタイミングが、 12 月の部会との御説明があったわけですが、そうすると、資料 1-4 に出ている所は、今日、可否の判断をしなくて、次回、可否の判断をすればいいということなのか。その審議のプロセスをどう考えればいいのか教えていただきたいと思います。

○労災管理課長補佐 ( 企画 )  御回答させていいただきます。次年度の新規事業については、 11 月ないし 12 月ぐらいに予定している部会で御紹介させていただき、その場において新規事業の内容等々についていろいろ御意見いただければと思っています。そういった御意見も踏まえた内容とする新規事業を出発させまして、今回、この場においては新規事業における目標設定について、こちらとして案を付けさせていただいたところ、この目標設定について御議論いただきたいと、事務局としては考えているところです。

○岩村部会長 これは平成 27 年度の新規事業ですから、既に走り出している事業ですね。それについて、こういう成果目標を定めているのでと、そういう御趣旨で、今日、説明があったということですね。ただ、今、新谷委員との質疑との関係で言うと、前回の予算要求の段階では説明があったけれどもという話で、具体的な中身が今日の資料では分かりにくくなっていますと、そういう御指摘だったと思います。それから、平成 28 年度にこれを更につなげていくのかどうか。その際、今後どういう展開を考えているのかと、そういう趣旨の御質問だと思いますが、それは次回のこの問題を扱うときにまた御説明いただくということでよろしいのですか。

○労災管理課長補佐 ( 企画 )  はい、お話いただいたとおりです。今回、資料が少なくて説明が不十分だったことについては、次回以降、しっかりとそういった資料も付けることによって対応させていただければと思っています。平成 28 年度以降については、お話いただきましたとおり、こちらはパイロット事業としてやっておりますので、こういった平成 27 年度の実績も見つつ、そういったところを踏まえて平成 28 年度をどうしていくかは考えてまいりたいと思っています。

○岩村部会長 ありがとうございます。新谷委員、いかがですか。

○新谷委員 結構です。

○岩村部会長 よろしいですか。

○齊藤委員 新規事業の 3 ページですが、事業番号 41 の過労死等防止対策推進法の施行に要する経費に関連して意見を申し上げます。政府の過労死等防止のための対策に関する大綱が、 7 24 日に閣議決定されています。大綱には、過労死等の事案分析や調査、過労死等を防止することの重要性に関する周知・啓発を進めることなどが盛り込まれていますが、過労死や過重労働をすることに関して、実効ある対策の策定としては不十分であると言わざるを得ません。実効ある対策の策定に関しては、第 59 回労災保険部会において労働側委員より、過労死等防止対策と労働時間規制強化、この二つが過労死等防止に向けた密接不可分な車の両輪だと申し上げています。政府は、大綱に定められた調査研究に直ちに着手し、過重労働等の実態を詳細に分析し、必要な対策を速やかに実施するよう改めて意見として申し上げておきたいと思います。

○岩村部会長 ありがとうございます。御意見として承ります。

○佐藤委員 話が戻って申し訳ないのですが、先ほどの新規事業の 10 、新谷委員がお話になった件ですが、先ほど御説明がありましたが、 12 月の御説明のときにも、使用者側からも実務的なイメージが湧かないということを随分申し上げた記憶があります。したがいまして、この新規事業は御説明がありましたとおりモデル事業であるところがポイントでして、多分、労使自治がしっかりしている会社は、余りこのニーズがないのだろうと我々は思っていますが、そうでない会社、あるいは労使関係だけの取組ではないので、こういうことが社会的に必要だということで我々は理解したのです。ただ、資格がない人間が本当にこのようなことができるのかは、私は未だもって実務的には理解がし難いので、やってみて何が起きるのか。そういう方々をどうやって助けられるのかというテーマだと理解をしていますので、ここの評価は正に数字だけではなくて、実際に何が起きたのか、どうしたらいいのかを、これからも丁寧に議論していきたいと思っていますので、その点は新谷委員と考えは基本的には一緒ですので、是非、これはよくフォローをしていきたいと思っているという意見です。

○岩村部会長 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。

○立川委員 資料 1-4 2 ページですが、福島第一原発の施設内の緊急医療体制強化への支援に関しての意見を申し上げておきたいと思います。震災直後、福島第一原発では、緊急医療体制が大きな課題となっていまして、本年 6 月には連合推薦の安全衛生分科会労働者代表委員のみではありましたが、福島第一原発を訪問し、組合役員との意見交換を行ったところです。その際、現地の緊急医療体制について、関係各位の御尽力により、体制整備が図られてきたことを確認したところです。事故の教訓を踏まえれば、事業概要に記載があるとおり、原子力施設内における被災時の医療ネットワークの永続性の確保等は、重要なテーマです。緊急医療体制の確保は、福島第一原発に限らず全ての原子力施設に水平展開されるべき内容だと考えているところです。

 第 59 回労災保険部会に提出された資料では、平成 28 年度以降、モデル試行を踏まえて全原発に対象を広げる旨の記載がありました。この点については、労働者の命と健康を守るために、体制の確保が急務です。今後、厚生労働省におかれては、本施策を遅滞なく進めるよう、強く要請しておきたいと思います。以上です。よろしくお願いします。

○岩村部会長 ありがとうございます。御意見として承りたいと思います。

○吉村委員 全体を通じて意見を申し上げたいと思います。社会復帰促進等事業の中には、労働者の安全と衛生の確保に関する必要な事項である安全衛生確保等の事業が含まれています。現在、平成 29 年度を最終年度とする政府の 12 次防の期間中であり、改めて確認しておきますが、その目標は、平成 29 年と平成 24 年度と比較して、死亡災害並びに死傷災害を 15 %以上減少させていくということです。

 しかし、本年 4 月に公表された平成 26 年度実績は、労働災害に関する死亡者数は 1,057 名で 27 名増、死傷者数は 11 9,535 名で 1,378 名増、一度に 3 名以上が被災する重大災害は 292 件で 48 件増ということで、非常に残念な結果になったということです。

 労働災害を取り巻く状況を踏まえれば、業務災害の防止に関する活動に対する援助、労働者の安全及び衛生の確保など、 12 次防の目標達成の観点から、社会復帰促進等事業によって行う施策が十分であるかという検討姿勢は、重要であることは言うまでもありません。この点について、労働側が参画していない社会復帰促進等事業に関する検討会を含めて、どのような議論がなされ、施策の検討が行われてきたのか、改めて厚生労働省の見解を確認しておきたいと思います。よろしくお願いします。

○岩村部会長 今、御質問がありましたが、事務局のほうで答えをお願いします。

○労災管理課長 社会復帰促進等事業に関する検討会において、 12 次防についてどういったことを検討されるかですが、社会復帰促進等事業検討会においては、今回皆様にお出しした資料と同じようなものをお出しし、同じように各事業の評価及び目標設定について御議論いただいているところです。申し訳ありませんが、そういった 12 次防全体の実績を踏まえてどうしていくかまでは議論をしておりません。

○事務局 安全衛生部計画課です。今、お話したとおり、社会復帰促進等の事業では、そういう位置付けでさせていただいています。別途、新谷委員等に出ていただいています安全衛生分科会で 12 次防に基づいた取組の報告をさせていただいています。その中で、ここの社会復帰等事業も含めて行政運営についても御報告させていただいて、御意見等を頂いています。そこで頂いた御意見等について、次年度予算要求等にも一部反映ということで対応をさせていただいています。そのような棲み分けではないかと考えています。

○岩村部会長 よろしいですか。

○新谷委員 今の点、関連して教えていただきたいのですが、労働安全衛生行政の中で災防計画を含めて、国としての労働災害防止のための行政予算は、一般会計を使う部分と特会の社復を使う部分が、何対何ぐらいの割合になっているのか、分かれば教えていただきたいと思います。

○岩村部会長 事務局、いかがですか。即答できますか。

○事務局 今、数字を持っていませんので、申し訳ないですが分かりません。

○岩村部会長 では、後ほど個別に新谷委員に情報提供していただければと思います。よろしくお願いします。

○佐藤委員 今回、新しい資料で参考 1-5 を使用者側の田中委員の御提案で作って付けていただいて、大変分かりやすい資料を作っていただいて有り難いのですが、こうして見てみると、いつも議論になる 4 ページから 5 ページに出ている 72-1 72-2 が、 B C をさまよっている様が浮き彫りになってまいります。これは別にやっているテーマが悪いということよりも、やり方に課題があって、決して目標の設定の問題ではないのではないかということが浮き彫りになっているのではないかと思っています。次回の評価あるいは事業の計画を立てられるときには、是非、その点も踏まえた進め方をしていただいて、どうだったのかというふうにしていきませんと、 B C 1 個ずつ毎年毎年何となく切り抜けて、それで終わりというのは、ちょっと違うのではないかと。逆に言うと、この二つ以外は A 評価でずっと続けていただいているので、比較的適正に運営されているのかというのが分かる資料でもあると思っているので、是非、ポイントを絞ってそこの議論をしていただければと思います。よろしくお願いします。

○岩村部会長 貴重な御意見をありがとうございます。

○永峰委員 

永峰委員  1 点だけ意見として言わせていただきます。社復事業に関わる話だけではないと思いますし、この事業に特化した課題でもないとは思います。 C 評価の 10 ページにあります「労災特別介護施設設置費」ですが、これは国交省による入札不調で予定していた修繕ができなかったとのお話がありました。それゆえに改善事項として平成 27 年度においては、厚生労働省が直接事業を実施するとのことですが、何かちょっと危険な臭いが感じられます。特に、今だからこそ申し上げたいのですが、どこかの省と同じことをなさらないように、是非、適切な水準の予算及び十分な工期を確保して頂きたい。また、入札・執行状況や工事の進捗状況について、適時確認と自らおっしゃっているので、この点もきちんとなさって、入札で変な迷いをなさらないように、そこのところだけくぎを刺したいと思いました。

○岩村部会長 ほかは、よろしいですか。ありがとうございます。それでは、議題の一番目については、ここまでとします。次に、議題 2 である「独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備等に関する法律について」、報告があるということです。資料を提出していただいているので、それについて事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○労災管理課長 資料 2 をお願いします。この法律案については、先般、国会提出前ということで御報告させていただきましたが、平成 25 12 月に独立行政法人改革等に関する基本的な方針が閣議決定されておりまして、その閣議決定に基づいて厚生労働省関係の独立行政法人について、法律的な措置を行うものです。この法律については、平成 27 4 24 日に成立をしておりまして、 5 7 日に公布です。

 この法律で手当てをしたのは 6 法人あるわけですが、こちらで報告させていただくものは上2つです。労働安全衛生総合研究所と労働者健康福祉機構の統合についてです。労働安全衛生総合研究所については、労働災害の予防のための安全対策などを行っている法人でして、労働者健康福祉機構については、労災病院の運営管理などを行っているわけです。これを統合しまして労働者健康安全機構と名称を改称して、予防・治療・職場復帰支援等を総合的に展開するということです。

 バイオアッセイ研究センター事業、資料の黄色い所ですが、化学物質の有害性調査がありまして、これは化学物質の発がん性の調査を行っているものです。今、これは国の委託事業として実施をしております。発がん性の調査については、大体モルモットを 2 年ぐらい化学物質にばく露させて、あるいは吸収させて、その後いろいろな解剖を通じて発がん性があるか否かを検証しているわけですが、大体一つの化学物質についての研究スパンが 5 年ぐらいでございます。こうした事業について、毎年、決算等をすると非常に繁雑であります。独立行政法人の業務が通常 5 年程度をスパンとするということで、安定的に実施していこうということで、この事業については、この法人の業務に追加しているものです。

 なお、今回の法律については、次のページの下にありますとおり、労働安全衛生総合研究所を解散して、労働者健康福祉機構が存続する法人ということですが、ここに書いてありますとおり、その権利・義務を承継することになっておりますので、労働安全衛生総合研究所の研究体制あるいは研究については、これまで同様ということです。

 また、附帯決議が参議院の厚生労働委員会でなされておりまして、ここに何点か書かれているわけですが、大きい所を申しますと、労働安全衛生総合研究所の労働災害防止に係る基礎・応用研究と労災病院の臨床研究機能との一体化による研究の充実ということで、統合による相乗効果をしっかり発揮するようにということが書かれております。

 二つ目としては、労働安全衛生総合研究所の調査研究業務については、両法人の統合によって後退することがないように、体制を含めて必要な措置を講ずることということが、附帯決議とされています。以上がこの部会に御報告させていただきたい点です。

○岩村部会長 ただいまの御報告について、御質問あるいは御意見はありますか。よろしいですか。ありがとうございました。本日、用意した議題は以上ですが、ほかにこの際ということで御発言はありますか。よろしいですか。

 以上をもちまして、本日の部会は終了とします。最後に、議事録の署名委員ですが、労働者代表については齊藤委員に、使用者代表については明石委員にそれぞれお願いをします。これで終了します。今日は、皆様お暑い中、お忙しい中、どうもありがとうございました。


(了)

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