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2015年7月22日 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録

○日時

平成27年7月22日(水)15:00~


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○出席者

出席委員(15名)五十音順

 有 田 芳 子、 板 倉 ゆか子、 大 前 和 幸、 川 本 俊 弘、
◎鈴 木   勉、 豊 島   聰、 長 尾 哲 二、 永 沼   章、
 新 美 育 文、○西 川 秋 佳、 西 村 哲 治、 菱 田 和 己、
 平 塚   明、 福 内 恵 子、 吉田  喜久雄
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)五十音順

中 川 秀 己

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
倉 持 憲 路 (化学物質安全対策室長)

○議事

 

○事務局 定刻になりましたので、ただ今から、平成27年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会を開催いたします。議事に先立ち、夏季の軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止・省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでおります。これを踏まえ、事務局は軽装にて対応させていただいております。委員の方々におかれましても、御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本年1月、薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われ、この部会についても新しく委員の任命が行われました。お手元の化学物質安全対策部会委員名簿に従い、委員の方々を御紹介いたします。

 主婦連合会の有田芳子委員です。消費生活アナリストの板倉ゆか子委員です。慶應義塾大学の大前和幸委員です。産業医科大学の川本俊弘委員です。星薬科大学の鈴木勉委員です。日本薬剤師研修センターの豊島聰委員です。近畿大学の長尾哲二委員です。東京慈恵会医科大学の中川秀己委員は本日御欠席です。東北大学の永沼章委員です。明治大学の新美育文委員です。国立医薬品食品衛生研究所の西川秋佳委員です。帝京平成大学の西村哲治委員です。国民生活センターの菱田和己委員です。東京薬科大学の平塚明委員です。東京都江東区の福内恵子委員です。産業技術総合研究所の吉田喜久雄委員です。

 続いて事務局の紹介をさせていただきます。医薬担当大臣官房審議官の成田です。化学物質安全対策室長の倉持です。なお、本日は審議事項に関して、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を、厚生労働省とともに共管している経済産業省及び環境省の担当者にも事務局として出席していただいておりますことを申し添えます。

 この部会の部会長については、薬事分科会長から鈴木勉委員を御指名いただいておりますので御報告申し上げます。さらに、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから、部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理することとされており、部会長代理については部会長から御指名いただくこととなっております。鈴木部会長、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。部会長代理については西川委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは、西川委員はこちらの席にお願いいたします。

○事務局 化学物質安全対策部会の総委員数は16名であり、定足数は過半数の9名となっております。本日は、中川委員から御欠席の御連絡を頂いており、現在15名の委員の方々に御出席を頂いておりますので、この会議は定足数に達していることを御報告申し上げます。なお、本日の会議は「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」など、非公開とするべき場合には該当しないため、公開で行われ、資料及び議事録も公開となっておりますので御承知おきください。以降の議事進行につきましては、鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 議事を進めます。配付資料の確認をお願いします。

○事務局 座席表と委員名簿、議事次第。資料1「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について」、資料2「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況について」です。

 参考資料1「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について」、参考資料2「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律()及び化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令()」、参考資料3「諮問書」、参考資料4「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の概要」、参考資料5「新規POPsの追加フロー」、参考資料6「POPs条約第7回締約国会議において決定された事項」、参考資料7「Risk profile on chlorinated naphthalenes」、参考資料8「Risk profile on pentachlorophenol and its salts and esters」、参考資料9「優先評価化学物質のリスク評価(一次)人健康影響に係る評価IIクロロエチレン」です。

 当日配付資料1「薬事分科会規程」、当日配付資料2「薬事分科会における確認事項」、当日配付資料3「薬事分科会における審議参加の取扱い等について」です。落丁、乱丁などありましたら、事務局までお申し出ください。

○鈴木部会長 本日は、審議事項1議題、報告事項1議題となっております。順番が前後いたしますが、審議事項の前に、薬事分科会の規程に関して説明をお願いします。

○事務局 本日は、委員の改選や任命が行われて初めての部会でもありますので、薬事分科会の確認事項について、続いて薬事分科会における審議参加等の取扱いについて御説明いたします。審議会の規程について、特に御留意いただきたい事項3点について御説明いたします。

 第1点は、守秘義務の関係です。国家公務員法第100条において、職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とすると規定されております。委員、臨時委員、専門委員は非常勤の国家公務員であり、この規定の適用を受けますので、職務上知り得た秘密について漏らすことのないようお願いいたします。

 第2点は、薬事に関する企業等の関係です。当日配付資料1「薬事分科会規程」の6ページを御覧ください。第11条において、委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならないと規定されております。審議の中立性、公平性を確保する観点から規定されておりますので、これらに該当する場合又は任期中に該当することとなる場合には速やかに事務局まで御連絡いただきますようお願いいたします。

 第3点は、当部会の所掌の関係です。4ページに第3条第16項があります。その中に化学物質安全対策部会は、化学物質による環境汚染の防止、家庭用品の安全性の確保及びその他化学物質の安全性に関する事項を調査審議するとされております。

 次に5ページの第7条で部会の議決です。部会における決定事項のうち、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項に該当するものについては、分科会長の同意を得て、当該部会の議決をもって分科会の議決とする。ただし、当該部会において、特に慎重な審議を必要とする事項であるとの決定がなされた場合はこの限りではないと定められております。

 今申し上げました、比較的容易なものとして分科会があらかじめ定める事項については、当日配付資料2「薬事分科会における確認事項」の中の4ページを御覧ください。その中に、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律等に基づき審議会に諮問するものの取扱いがあります。2の所に、審議会に諮問を行ったものについての部会、分科会での審議又は報告の扱いは、原則として別添の表に示す例による。ただし、化学物質安全対策部会長が薬事分科会の審議を要すると判断したものについては、薬事分科会審議とするとされております。

 別表については19ページの1416までが、当部会の所掌の表になります。本日御審議いただく第一種特定化学物質の指定の可否については、14の表の一つ目にあるとおり、部会○、分科会△と記載されております。これは部会審議、分科会報告という取扱いをすることになっております。委員の皆様方におかれましては、このような規定を御承知の上、御審議いただきますようよろしくお願いいたします。

 二つ目の審議参加の取扱い等について、当日配付資料3を御覧ください。今般、顧問就任や申告誤りについて確認させていただきました。委員の皆様におかれましてはお忙しいところ御協力いただきまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 その結果、薬事分科会の部会、調査会において、規程に沿った対応が行われていなかったことが判明し、6月5日に公表しておりますので御報告いたします。

 1.()薬事分科会及びその下に置かれた部会、調査会委員8名が、薬事に関する企業の役職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任していた事実が判明し、これら8名の委員については辞任していただいております。1.()()については、当部会は寄付金、契約金等の申告が必要となる部会ではありませんので説明は割愛させていただきます。

 今後の対応としましては、企業の顧問等に就任した際の辞任などの規程の重要事項を、会議開催の度に注意喚起させていただくことにより、適切な取扱いを徹底して参りたいと考えております。具体的には、最後のページにあるようなチェック票を委員の皆様に送付させていただきます。具体例などを挙げて御理解いただけるようにしておりますので、自己点検に御活用いただきたいと思います。こうした事例が発生しましたのは、事務局による規程の内容の周知徹底や、委員就任時の確認が不十分であったことも一因であり、審議会の事務局として至らなかったことをお詫び申し上げます。

 先ほど、薬事関連企業の顧問等の辞任の規程である、薬事分科会規程の第11条の内容を御説明させていただきましたが、化学物質安全対策部会委員の先生方におかれましては、この機会に改めて規程を御認識いただきますとともに、今後とも規程の遵守に御協力いただきますようお願い申し上げます。

○鈴木部会長 ただ今の事務局からの説明に対し、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいようでしたら審議事項に進みます。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題1、審議事項の残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)新規対象物質の化審法第一種特定化学物質への指定について、事務局より御説明いたします。本議題については、資料1、参考資料1に基づいて御説明いたします。参考資料1を御覧ください。この審議の背景である化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の概要や、POPs条約の概要について簡潔にまとめております。2ページは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以後、化審法と略す)の体系をお示しております。左下の部分ですが、新規化学物質を製造又は輸入しようとする者は、製造又は輸入に先立ち、当該物質に関する分解性、蓄積性、毒性に関するデータを届け出ていただき、その内容について本部会の下に置かれております化学物質調査会において審査の上、届出をした者に対し、その判定結果を通知しております。

 右上を御覧ください。難分解性、高蓄積性及び長期毒性の全てを有するとされたものについては、第一種特定化学物質に該当し、政令で化学物質を指定します。製造・輸入の許可制で事実上禁止となり、政令で指定した製品の輸入が禁止され、政令で代替困難な用途を指定し当該用途以外は使用禁止となります。本日は、この第一種特定化学物質の指定の可否の部分について御審議いただくものです。

 なお、右下の部分については、本日の審議事項とは直接には関係しませんけれども、審査において第一種特定化学物質に該当しないとされた化学物質については、環境中のばく露量、予測される製造・輸入数量等に基づいて評価を行い、相当広範な地域に相当程度残留している物質又はその見込みがある物質について、優先評価化学物質に指定します。優先評価化学物質については、更に詳細なリスク評価を経た後、長期毒性を有するとされたものについては第二種特定化学物質に指定することとなります。この辺りについては報告事項のところで御参照いただければと思います。

 3ページは、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(以後、POPs条約と略す)の概要をお示ししております。POPsとは、Persistent Organic Pollutantsの頭文字を取ったもので、残留性有機汚染物質と訳しております。この条約については、1.~4.にあるとおり、人又は生態に対する長期毒性、難分解性、高蓄積性及び長距離移動性の全てを有するものをPOPsとし、このような物質については1か国にとどまらない国際的な環境汚染防止の取組が必要という観点から、製造・使用等の原則禁止などの措置を講ずることにおいて、国際的に協調し、POPsの廃絶、削減等を行うものになります。

 この条約については、2001年5月に採択され、我が国は2002年8月に締結し、2004年5月に発効しております。2015年6月現在、178か国が締結しております。この条約の締約国会議(COP)は2年に1回開催され、これまでに7回開催されております。また専門・技術的事項については、COPの下で残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)で審議をされております。なお、POPs条約上、製造・使用等の原則禁止とされている物質は、長期毒性、難分解性、高蓄積性の全てを有する物質であることから、全て化審法に規定する第一種特定化学物質に指定されていることになります。

 4ページを御覧ください。2015年5月にスイスのジュネーブで開催された第7回締約国会議(COP7)において、塩素数が2~8のポリ塩化ナフタレン、ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類についてPOPRCの勧告を踏まえ、製造・使用等を原則禁止とすることが決定されました。なお、枠内に記載しておりますとおり、それぞれ製造・使用等の禁止の例外措置も併せて決められております。

 このうちポリ塩化ナフタレンについては、塩素数が3~8のポリ塩化ナフタレンについて、既に第一種特定化学物質として指定済みです。また、ヘキサクロロブタジエンについても、第一種特定化学物質に既に指定しています。

 5ページを御覧ください。今、申し上げたとおりポリ塩化ナフタレンについては塩素数が3~8のものについては、既に昭和54年に第一種特定化学物質に指定されております。今回POPRCの評価を受けたCOP7の結果を踏まえ、塩素数が2~8のポリ塩化ナフタレンとして評価された結果、難分解性、高蓄積性、長期毒性及び長距離移動性が認められることから、現在第一種特定化学物質とされていない塩素数が2のポリ塩化ナフタレンについても、第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかということが、本日の審議事項の1点目になります。

 また、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類についても、POPRCの評価を受けたCOP7の結果を踏まえ、難分解性、高蓄積性、長期毒性、長距離移動性が認められるとされていますので、第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかというのが、本日の審議事項の2点目です。

 6ページを御覧ください。今後の予定です。1.は今申し上げました、本日の審議事項になります。2.は化審法第24条第1項に基づき、海外における使用事情等を考慮し、輸入を禁止する製品を政令で指定することとなっております。3.は化審法第25条に基づき、代替困難な用途がある場合においては、当該用途を政令で指定し、それ以外の用途への使用を制限することができるようになっております。2.と3.については、海外の使用事情等を調査の上、本年の秋頃に改めて当部会を開催の上、御審議していただきたいと考えております。その後、TBT通報・パブリックコメントなどの所要の手続を経て、来年をめどに政令を公布、施行したいと考えております。

 以上を踏まえ、資料1に戻ります。こちらに文章でまとめております。1.背景については、今申し上げたとおりPOPs条約及び本年5月に開催されたPOPs条約締約国会議に係る経緯が記載してあります。

 2.化審法による対応()です。()は今御説明したことと重複する部分があります。COP7での附属書の改正により、POPs条約の対象物質に追加されたもののうち、塩素数が3以上のポリ塩化ナフタレンについては昭和54年に、ヘキサクロロブタジエンについては平成17年に、それぞれ第一種特定化学物質に指定されております。また、塩素数が2以上のポリ塩化ナフタレン並びにペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類についてはPOPsとしての要件を満たすということで、POPRCにより既に科学的に評価がされております。適宜、参考1及び参考2を参照していただきたいと思います。また詳細については英語の文章になっておりますけれども、参考資料7と8を御確認いただければと思います。

 これらの要件については、化審法の第一種特定化学物質と同様に分解性、蓄積性、毒性等に基づくものであります。附属書Aと記載しておりますが、これは既に禁止をするという化審法で担保する部分ですので、既に付属書Aに掲げられている化学物質と同様に、未指定である塩素数が2のポリ塩化ナフタレン並びにペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類についても、化審法の第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかというのが今回の諮問事項になります。

()については、先ほども少し述べさせていただきましたけれども、本年の秋頃に御審議いただく予定としている輸入を禁止する製品の指定と、代替困難な用途の指定に関する内容となっております。

 3ページですが、今回第一種特定化学物質に指定することとしてはどうかという化学物質の構造式や、CAS番号という化学物質を特定する番号をお示ししております。

 5ページは、先ほど御紹介させていただきましたが、参考1の部分についてはポリ塩化ナフタレンの分解性、蓄積性、人健康影響、動植物への影響関連をまとめた資料です。参考2は、ペンタクロロフェノールとその塩及びそのエステル類の有害性の概要をまとめたものになります。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 御説明ありがとうございました。まず、化学物質調査会の座長である西川委員よりコメント等ありましたらお願いいたします。

○西川部会長代理 先月の化学物質調査会において、本件について議論いたしました。人健康影響関連については、特に大きな議論はなかったこともあり、調査会としてはこの二つの物質群を第一種特定化学物質に指定することは妥当と判断したところです。ただし、1点、ポリ塩化ナフタレンについてのみ補足説明をいたします。

 資料1の5ページに、参考1として、塩素数が2以上のポリ塩化ナフタレンの有害性についての概要が記載されております。この資料を御覧になるとお分かりかと思いますが、塩素数2以上のポリ塩化ナフタレンの有害性については、いずれもポリ塩化ナフタレンの混合物による試験データであり、塩素数が2のポリ塩化ナフタレンに特化したデータは、本資料でも参考資料7のPOPRCRisk profileでも特段示されておりません。

 しかしながら、参考資料7の4ページのsummaryの部分ですが、9段落目にありますように、この慢性毒性については塩素数2のものから有害性があることが示唆されると書いてあります。さらに、10段落目には、このものについてはダイオキシン様の毒性変化、生殖発生毒性や肝臓に対する影響も見込まれるということです。

 5ページの13段落はまとめですが、塩素数が2からそれ以上のものを含めて有意な有害性影響が人健康にあることも書かれており、特に塩素数2についてはそれ単独でのin vivoの試験データはないのですが、in vitroで他のポリ塩化ナフタレンとの用量相関性を示す影響も見られることが報告されております。

 以上のことを総合的に勘案しますと、塩素数2のポリ塩化ナフタレンについても毒性があることが認められますので、第一種特定化学物質に指定することは問題ないと考えております。以上です。

○鈴木部会長 コメントありがとうございました。それでは、ただ今の事務局からの説明について、御意見等はありますか。

○豊島委員 今、分からないことが一つあったのですが、昭和54年の時点ではポリ塩化ナフタレンの塩素数2のものについては、第一種特定化学物質に指定されていなかったわけですね。ということは、逆に言うと、3~8はされていて、それだけされていないということは、その時点で実は何かデータがあったのではないのですかね。

○事務局 昭和54年の段階では、塩素数が3以上のものについて明確に毒性、又は蓄積性など、この第一種特定化学物質を構成する要件が整うということで指定をされたことになります。塩素数が2のものについては、特段データがないということで特段審議はされておりません。現在、もしこの塩素数2の化学物質を化審法に基づき工業的に使うような場合については、新規化学物質としての申請、届出が必要になり、審査の対象となります。塩素数が2のものについては、まだ評価が行われていない状況です。

○豊島委員 しかし、危険性があるものなら、その可能性はあるわけですね。それで、規定していなかったというのが、ちょっと疑問に思ったのですね。

○化学物質安全対策室長 これも繰り返しになりますが、昭和54年当時は人健康影響や蓄積性といった要件について、十分なデータがなかったけれども、現在POPRCではそういったデータも蓄積性のデータや人健康などのデータもその後分かってきて、今回塩素数が2のものも含めて要件を満たしているのではないかということで、御審議をお願いしたいというところです。

○豊島委員 今回入れることは、指定することは全然問題ないと思うのですね。それは、もう当然のことだと思うのですが、ただ昭和54年の段階でどうして入れなかったのかというのは、今の説明を聞いてもよく分からないのですけれども。

○鈴木部会長 いかがでしょうか。更なる説明はありますか。

○事務局 補足的な説明になりますが、当時塩素数が2のものについて工業的用途で使われるようなものがなかったということが、一番大きな部分かと思います。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、お諮りいたします。本日審議いただいた塩素数2のポリ塩化ナフタレンとペンタクロロフェノールとその塩及びエステル類について、第一種特定化学物質に指定することが適当であると、部会として了承してよろしいでしょうか。御了承いただいたものといたします。また、本件の薬事分科会での取扱いについては、最初に事務局から説明いただいた確認事項に基づき、薬事分科会報告とさせていただきたいと思います。では、事務局から今後の手続について説明をお願いいたします。

○事務局 本日御審議、御了承いただきました内容については、次回の薬事・食品衛生審議会薬事分科会に報告いたします。また、今回第一種特定化学物質に指定することが適当とされた物質については、今後、輸入禁止製品の指定、適用除外等の検討を行うこととしております。事務局において検討の上、改めて本部会において御審議いただく予定としておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○鈴木部会長 次に進みます。報告事項について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 議題2、報告事項、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況について、資料2を御覧ください。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく新規化学物質及び一般化学物質の審査については、化学物質安全対策部会の下に設置しております化学物質調査会において審議することとなっております。その審議状況について本部会に報告をすることにしておりますので、本日その状況について報告申し上げます。

 前回、本部会に報告したのが平成26年8月ですので、それ以降についてこちらの資料にまとめております。平成26年度第5回化学物質調査会から、平成27年度第3回化学物質調査会までの表を作成しております。審査物質数の左側については、新規化学物質の審査された物質数を示しており、全て合計しますと310の化学物質の審査を行ったことになります。また、表の中央に一般化学物質から評価を行った物質を示しており、昨年11月に評価を行い、12月に持ち越しになったものを含め、349物質が審議されております。また、表の右側については、優先評価化学物質の審査を行った物質数を記載しております。ここについては、一般化学物質の審査、評価を行い、優先評価化学物質として指定された化学物質の中から順次進めていくということで、昨年12月に人健康影響について第1回目の評価を行っております。

 別紙1について、補足的に御説明いたします。こちらは、先ほど申し上げましたように一般化学物質の評価を行い、優先評価化学物質として指定すべき化学物質として審議されたもので、平成27年4月1日に優先評価化学物質の指定が行われております。また別紙2については、リスク評価IIにおけるクロロエチレンの評価結果ということで、その優先評価化学物質の詳細な評価を行った結果の概要をお示ししております。概要については、このクロロエチレンという化学物質について評価を行ったところ、第二種特定化学物質の定義に定めます、広範な地域で環境の汚染により人の健康に係る被害を生ずる恐れがあるとは認められないということで評価をされているところでして、優先評価化学物質の指定を取り消し、一般化学物質に戻るとともに、製造・輸入数量等の一部把握をすることなどを引き続き行っていくとしたものです。別紙2の評価書、詳細な化学的なデータについては、参考資料9に添付をしておりますので、こちらを御覧いただければと思います。以上、報告事項の説明になります。

○鈴木部会長 ただ今の内容について、御意見等はありますか。よろしいでしょうか。それでは、本件については御確認いただいたものといたします。本日の議題は以上ですが、ほかに何かありますか。

○事務局 事務局からは特にありません。

○鈴木部会長 それでは、以上で本日の化学物質安全対策部会は終了といたします。委員の先生方、御協力ありがとうございました。

                                                                         

 


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 化学物質安全対策室 補佐 日田(内線2910)

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