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2015年8月6日 第33回 先進医療会議議事録

○日時

平成27年8月6日(木)16:02〜17:57


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第12会議室(12階)


○出席者

【構成員等】
猿田座長 五十嵐座長代理 石川構成員 坂本構成員 柴田構成員 
福井構成員 福田構成員 藤原構成員 宮坂構成員 山口構成員 
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 薬剤管理官
医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 先進医療機器審査調整官 他

○議題

1 新規技術(7月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
  (先−1)
  (別紙1)(別紙2)

2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について
  (先−2)
  (別紙3)

3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
  (先−3)

4 先進医療Bの取り下げについて
  (先−4)

5 粒子線治療等について
  (先−5)

6 その他
  (先−6)(先−7)

○議事

議事録

16:02開会








○猿田座長

 それでは、時間が参りましたので、第33回「先進医療会議」を始めさせていただきます。

 本日は非常に厳しい暑さの中、またお忙しいところを構成員の皆様方におかれましてはお集まりいただきましてどうもありがとうございました。

 それでは、早速始めたいと思います。まず、先進医療会議の本日の構成員の出欠状況ですが、山本構成員からは御欠席の連絡を承っております。

 また、技術委員として本日意見をいただきました村田技術委員からは御欠席ということでございまして、山本先生並びに村田先生からは委任状をいただいておりまして、本日の議事に関しましては座長一任ということを承っております。

 次に、事務局の異動がありましたので、事務局のほうからよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 それでは、7月27日付で事務局の異動がございましたので御紹介をさせていただきます。

 清水貴也保険局医療課長補佐でございます。本日より当会議に出席いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○猿田座長

 それでは、資料の確認をまず事務局のほうからお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 では、お手元の資料を御確認ください。

 座席表、議事次第に続きまして、構成員のメンバー表になります。

 続きまして、事案1に係る資料として1枚紙になります先−1、別紙1−1、1−2、別紙2−1、及び2−2となります。

 事案2に係る資料といたしまして先−2及び別紙3が、事案3に係る資料として先3−1、3−2となります。

 事案4に係る資料として、先−4の1枚紙の資料があります。

 また、事案5の資料としまして放射線腫瘍学会の発表資料になります。

 続きまして、事案6及び事案7の資料として、それぞれ先−6、先−7の1枚紙の資料を配付しております。

 そのほかに、机上配付資料としてマル1、マル2、届出数に係る厚目の資料を一部、及びこちらに関連した1枚紙も机上に配付してございます。

 乱丁、落丁などがございましたらお申しつけください。

 また、頭撮りについてはここまでとさせていただきます。以上でございます。

(カメラ退室)

○猿田座長

 どうもありがとうございました。資料のほうはよろしいでしょうか。特に問題がなければ先に進めたいと思いますが、よろしいですか。

 ありがとうございました。それでは、今回の検討対象となる技術の利益相反につきましてお諮りしたいと思いますが、これに関しましても事務局のほうから報告をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。

 村田技術委員より、先進医療Aとして評価を行う整理番号329の技術について御報告がありました。評価対象技術に含まれる医薬品、または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でありましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づき、当該技術の議事の事前評価は可能であります。

○猿田座長

 今の御説明で、特に委員の先生方は御意見ありませんでしょうか。また、今の時点で何か報告することはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 ないということにさせていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、早速でございますけれども、「新規技術(7月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け()」につきまして諮らせていただきたいと思います。これも、まず事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 それでは、資料先‐1をごらんください。今回、振り分けをいただく技術は2つになります。「従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するデキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシスによる内皮細胞活性化療法」及び「難治性眼表面疾患(翼状片)に対するハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建」になります。

 前者につきましては、閉塞性動脈硬化症に対して吸着器でありますデキストラン硫酸カラムの適応外使用ということで申請が出されております。

 費用の内訳、保険給付されない費用、保険給付される費用、保険外併用療養費分に係る一部負担金は、いずれも先−1に記載のあるとおりでございます。

 当該治療の内容につきましては別紙1−1に当該治療計画、使用する医療機器等につきまして別紙1−2に記載しております。

 また、別の新規届出技術として「難治性眼表面疾患に対するハイパードライヒト」に関してですが、こちらは未承認の乾燥羊膜及びマイトマイシンの適応外使用ということで申請がなされております。

 費用の内訳等に関しましては、記載のとおりでございます。

 当該治療の内容は別紙2−1に、当該治療計画及び使用する医療機器等につきましては別紙2−2に記載しております。

 事務局からの説明は、以上でございます。

○猿田座長

 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 それでは、一応事務局の案としてはこの051052も先進医療Bへ振り分けたいということでございますけれども、どなたか御意見ございますでしょうか。ともにこれはよろしいのではないかと思うんですけれども、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 それでは、これはこういう形でお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、次に移らせていただきます。次は、整理番号329でございます。これは、事前評価を座長代理の五十嵐先生にお願いしていますけれども、まず事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 資料先−2をごらんください。こちらは、先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等をまとめたものになります。

 本日対象となる技術は1件でございます。技術は、「CYP2D6遺伝子多型検査」になります。こちらは、難病疾患のゴーシェ病患者さんの遺伝子タイプの同定に用いる検査であり、事前評価として五十嵐委員及び村田委員から御評価をいただいております。

 評価内容につきましては、別紙3に記載されておりますのでごらんください。

 事務局からの説明は、以上になります。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、まず五十嵐先生のほうから恐れ入りますが、御説明をよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長代理

 この検査は治療を始める、薬剤を投与する前に、その薬剤を通していいかどうかという安全性をある程度評価するための事前検査と言うべきものではないかと思います。

 少し補足的な説明をいたしますと、ゴーシェ病という病気がありまして、これはライソゾームエンザイムであるグルコセレブロシダーゼが先天的に欠損している病気であります。この病気の場合、この酵素が欠損するためにグルコシロセラミドという物質が肝臓とか脾臓とか骨髄などのマクロファージ、あるいは細網内皮系に取り込まれまして、結果的には著しい肝脾腫だとか貧血とか血小板減少、それから骨の痛みとか病的骨折、それから中枢神経にもたまりますと中枢神経障害も出るということで、全身の病気であります。

 この病気の治療薬としては、既にこの欠損している酵素であるグルコセレブロシダーゼを補充する酵素補充療法が行われているわけですけれども、もう一つの治療薬としてこのグルコシロセラミドをつくり出す前の酵素であるグルコシロセラミド合成酵素というのがあります。これを阻害する薬剤としてサデルガという薬があるわけですけれども、この薬を患者さんに投与しますと、このグルコシロセラミドの酸性が落ちるということで治療薬として用いることが可能で、外国ではもう使われているわけです。

 日本では認可はされているのですが、この薬剤であるサデルガが人によって代謝が非常に違いますので、あらかじめこの薬剤の代謝が非常に早い方と非常に遅い方を分けまして、非常に遅い方にもしこれを投与いたしますと、このサデルガの薬剤毒性があらわれてしまう。そういう方には投与できないということで、あらかじめ検査をしようというものであります。

 どういう障害が起きるかといいますと、サデルガというのは新しい薬でわからないことはまだたくさんあるみたいですけれども、一番問題なのは新毒性でありまして、これが代謝が悪いと心臓にいろいろな影響を与える。例えば、うっ血性心不全、虚血性の心疾患、心筋症、それから徐脈や伝導路障害などが増悪するということが知られております。

 ですから、このサデルガを分解するチトクロームP4502D6という遺伝子の多型を調べることによって、この患者さんは代謝活性が非常に落ちているかどうか。それをあらかじめ遺伝子解析することによって薬剤を安全に投与したいという、治療前の検査薬としてこれが出されていると理解していただきたいと思います。

 そういうことでこの評価をいたしますと、適応症としましてはこの多型検査は妥当だと思いますし、有効性も実際に今までやられていませんので、有効かどうかというのはなかなか評価が難しいと思うのですが、既に遺伝子多型のパターンによって代謝が早いかどうかということはわかりますので、これもやや有効というふうに考えることができると思います。

 それから、安全性はもちろん問題ありませんし、技術的な成熟度も既に完成している技術であります。それから、倫理的な問題もしっかりとした倫理会を通せば問題はないと思いますし、現時点では我が国では少なくとも普及していない検査だと思います。効率性につきましても、ほかのものと比較できないんですけれども、しっかりやれば効率的な結果が得られるのではないかと思います。それから、将来は保険収載にしていただくのが妥当ではないかと考えます。

 そういうことで、総合判定といたしましては「適」というふうに判断させていただきました。以上です。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、事務局のほうから本日、村田先生はおいでになれないということなので、済みませんけれども、コメントをいただいておりますのでお読みいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 村田技術委員の評価について、事務局より御紹介をさせていただきます。資料は、

別紙3の2ページ以降でございます。

 まず、「適応症」としては「妥当である」。

 「有効性」も「A.従来の技術を用いるよりも大幅に有効」。

 「安全性」は「問題なし」。

 「技術的成熟度」は「A.当該分野を専門とし経験を積んだ医師又は医師の指導下であれば行える」。

 「社会的妥当性」も「倫理的問題等はない」。

 「現時点での普及性」は「罹患率、有病率から勘案して、普及していない」。

 「効率性」は「評価不能」というところでいただいております。

 「将来の保険収載の必要性」は「A.将来的に保険収載を行うことが妥当」ということでございます。

 総合判定は「適」としていただきながら、コメントとして幾つかつけていただいております。

 「本医療技術では、ゴーシェ病患者のうち、経口投与治療薬の投与を希望する患者のCYP2D6遺伝子多型を測定し、その結果によって経口薬サデルガの投与を決めようとする計画である。サデルガは保険適応されたものの、遺伝子多型検査が保険収載されていない状態であり、これを先進医療の枠組みで対応するものである。

 本検査の結果、表現型がEM及びIMと診断されたゴーシェ病患者については、ゴーシェ病の治療法として従来の酵素補充療法のほかに経口投与治療薬の投与が選択可能となる。」

 このようにいただいております。

 また、以下、続けて代読させていただきます。

 「適応症は妥当と考えられる。有効性についてはサデルガの有用性を投与前に評価する方法が他にないことから大幅に有効、安全性については採血という軽微な侵襲に留まる。

 技術的にはキット化された検査試薬を用いることで当該分野を専門とし経験を積んだ医師又は医師の指導下であれば行えると考えられる。pharmacogenomics検査の一つであり、しかるべき手順を踏めば倫理的問題が生じる可能性は低い。罹患率、有病率が低く、現時点では本検査は普及していない。

 効率性については既に保険導入されている同様な検査は存在せず、評価不能である。将来は所謂コンパニオン診断薬として保険収載されることが妥当と思われる。

 費用については、使用機器の使用頻度が少ないため使用料が1検査あたり541,061円と高くなっているが、患者数が少ないことからやむを得ないと思われる。」

 以上の総評をいただいているところでございます。以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

 ただいま村田先生の御意見も読んでいただきましたけれども、やはり村田先生もほぼ大きな問題はないだろうということで、五十嵐先生、それから村田先生、ともにこれでよろしいんじゃないだろうかということでございます。

 それでは、委員の先生方、どなたか御意見ございますでしょうか。ゴーシェ病というと、かなりまれな病気でございますけれども。

 では、どうぞ。

○藤原構成員

 このサデルガのほうの米国とかEUの添付文書の中でCYP2D6を測りなさいとか、そういう言及はあるんですか。

○猿田座長

 ほかの国ですか。EUのほうですかね。事務局でわかりますか。

○事務局

 事務局でございます。

 すぐにはわかりかねますので、また調べてお答えをさせていただきたいと思います。

○猿田座長

 村田先生にもちょっと伺ってみるといいかもしれませんね。

 ほかに御意見ございますでしょうか。藤原先生、そういうことでよろしいですか。

○藤原構成員

 はい。

○猿田座長

 もしほかに御意見なければ、それではこれでお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 どうもありがとうございました。五十嵐先生、どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして次のほうに移らせていただきます。次は「先進医療Bの総括報告書に関する評価について」でございますが、これもまず事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 先進医療Bの総括報告書に関する評価ということで、今回は2件、審査部会のほうから報告が上がっております。

 資料3−1をごらんください。こちらは、「内視鏡下手術用ロボットを用いた冠動脈バイパス手術」の総括報告書になります。こちらも、委員の先生方から評価をいただいております。

 続きまして資料3−2になりますが、こちらは「神経症状を呈する脳放射線壊死に対する核医学診断及びベバシズマブ静脈内投与療法」の総括報告書になります。こちらは、大腸がん等に用いられるアバスチンの適応外使用ということで実施されたものになります。本件につきましても、委員の先生方から御評価をいただいております。事務局からの説明は、以上となります。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。最初のほうは、内視鏡下手術用ロボットを用いた冠動脈バイパス手術ということでございますが、坂本先生、何か御意見はありますか。

○坂本構成員

 これは冠動脈用の手術表現はありますけれども、前から相当ダヴィンチが出始めたころから結構実施されている技術で、ましてや内胸動脈を取ることだけに特化して進化してきたということで、大分症例数はあると思います。

 その後、冠動脈吻合がスタビライザーという、ビーティングハートでもその吻合箇所だけをきちんと固定する装置が各種出始めてから、さらにこのロボットの使い方が大きく進歩したということではないかと思います。

 それと同時に、一方では前立腺手術を初めいろいろなところでこれが使われ始めていますから、逆に言うとこの高額の機械を買ったときにいろいろ使ってみないと購入経費がとれないという逆現象が起きているのも事実だろうと思います。日本が、一番世界的に購入台数は多い現状です。だから、CTとかMRIと同じように日本がなぜこれだけ普及するのかという側面もあるんですけれども、さておいて技術的には十分日本人はかなり上手に使っていると思います。

○猿田座長

 結局、先進医療技術審査部会において一色先生もグラフトを取るまでしかできなかったけれども、これはしようがないだろうということですね。術者あるいは機器の関係で中止になってしまったということです。ありがとうございました。

 それから、2つ目の案件に関しましては山本晴子先生が見てくださって、今までの治療法に対してかなり有用であるということで、これでまとめていいんじゃないだろうかという御意見でございました。どなたか御意見ございますでしょうか。

 山口先生、何かございますか。特に問題ありませんか。

○山口構成員

 今までの成果を見たところ、これですばらしいということは言えないと思います。出血もかなりしていて、しかも上限ぎりぎりのものがあったりして、なかなか問題はあるんじゃないでしょうか。際立って有効だということは、少なくともこれからは期待できないと思います。

○猿田座長

 では、一応この形で。

○山口構成員

 設定された安全性は、報告を信じれば正しいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。ほかにどなたかいかがですか。

 どうぞ、坂本先生。

○坂本構成員

 これは施設が過去に心臓外科でいろいろな問題を起こした履歴がありますので、その点、安全管理をきちんとやるということが大事だろうと思います。

 それから、症例をかなり絞ってやってもらわないと、ステントが入ったり、バルーンを入れたり冠動脈病変は既に内科的な治療で手を加えてからやるときには吻合領域の選択がかなり狭まりますので、できたら初回手術的にこれを応用するところから始まっていくと思います。

 あとは、片肺呼吸でやるときにそれなりの負担、すなわち本来の正中切開でやる手術よりは、片肺挿管の分離換気で麻酔をかけざるを得ないというハンディも必ず伴いますので、そこら辺の安全管理がやはり大事だろうと思います。

○猿田座長

 結局、今の時点ではこれは評価でとめるよりしようがないですね。ありがとうございました。それでは、ほかに御意見がなければこの2つともそういう形で一応評価ということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、次に移りたいと思います。次は、「先進医療Bの取り下げ」でございますが、これも事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局になります。

 資料先−4をごらんください。こちらは、「自己口腔粘膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術」に係る先進医療Bの取り下げということで申請がありました。

 平成241130日の先進医療会議のほうで「適」と判断されまして、その後、大阪大学医学部附属病院で実施されておりました先進医療になります。事務局からの説明は、以上になります。

○猿田座長

 ありがとうございました。これは、結局阪大でもう終了したということになるんですね。

○事務局

 はい。

○猿田座長

 適用外としてですね。ありがとうございました。これは、特に問題ないですね。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。それでは、これもお認めいただいたということにさせていただきます。

 それでは、続きまして今日は「粒子線治療等について」の議論をさせていただきたいと思います。本日は、この件に関して御説明いただくために日本放射線腫瘍学会の関係者の方々においでいただいております。まず、この会議の構成員の先生方にこの開催要綱14の1に基づいて日本放射線腫瘍学会の皆様方に御参加いただいて御説明いただくということをお認めいただくということで許可をいただかなければいけないのですが、よろしいですね。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございます。お認めいただいたということにさせていただきます。

 それでは、恐れ入りますけれども、日本放射線腫瘍学会の先生方に来ていただきます。

(日本放射線腫瘍学会関係者着席)

○猿田座長

 先生方、お忙しいところどうもありがとうございました。

 まず、事務局のほうから御説明をいただいて、それから説明していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初に事務局のほうから御説明をいただけますか。

○事務局

 事務局になります。

 それでは、資料5並びに机上配付資料のほうをごらんください。こちらにつきましては、本日放射線腫瘍学会の関係者の方々にお越しいただき、現状の取り組み等について御説明いただくということになりました。

 また、本日の出席者の一覧につきましては資料5の87ページに記載しております。ごらんください。事務局からの説明は、以上となります。

○猿田座長

 構成員の先生方、よろしいですか。資料は行っておりますでしょうか。

 もしよろしければ、それでは日本放射線腫瘍学会のほうから御説明をどうぞよろしくお願いいたします。

○日本放射線腫瘍学会(西村)

 日本放射線腫瘍学会の理事長を務めております西村と申します。本日は、よろしくお願いいたします。

 日本放射線腫瘍学会では粒子線治療の健全な発展を願いつつ、昨年、粒子線施設の導入のあり方に関する声明文、本年、先進医療の適応になり得る病態に関する見解というものを、ホームページ等を通じて公表しております。今回、粒子線委員会を中心にいたしまして現在14の日本に稼働している粒子線施設がございますけれども、その全ての施設からのデータを集めまして本日の検討会で御評価いただきたいと思います。

 もちろん、その中にはレトロスペクティブな施設横断的な分析はあるんですけれども、なかなかエビデンスとしては評価が難しいというところもございますので、これからの前向き試験についても現在鋭意検討、作成中でございまして、それについて今から粒子線委員長の白土教授に説明をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○猿田座長

 では、よろしくお願いいたします。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 それでは、粒子線治療委員会委員長の白土でございます。

 お手元の発表資料をもとに説明させていただきます。先−5であります。

 2ページ目をごらんください。前回の診療報酬改訂の際に、これまで先進医療として実施してきたデータについて施設横断的に取りまとめた上で解析を実施することが適切な評価のために必要であること、または臓器や組織型ごとに評価することが先進医療AとBの振り分け、さらに平成28年度診療報酬改訂時の判断のために必要であるということが指摘されております。これに基づきまして、昨年8月から本学会が中心となって施設横断的な解析を行うことになりました。

 3ページ、4ページをごらんください。まず、昨年9月に粒子線治療の先進医療実施全施設を網羅したワーキンググループを設置し、データを陽子線治療、重粒子線治療それぞれで施設横断的に取りまとめ、臨床研究、統計、医療経済の専門家に入っていただき、解析を行ってまいりました。

 同一のプロトコールでの登録ができなかった場合には、各施設の研究結果を学会側で取りまとめ、過去の報告とできるだけ背景をそろえて比較を行いました。

 その他、IMRTの実施施設へのアンケート、外部評価委員会の設置、定位X線治療との後ろ向き比較研究、それから過去の文献上の成績との比較等を行いました。

 5ページをごらんください。陽子線治療では諸外国で有効性が示されている小児腫瘍、骨・軟部腫瘍、扁平上皮がんを除く頭頸部腫瘍などの希少がんに関して、同一プロトコールで多施設共同後ろ向き研究を行いました。肝細胞がん、非小細胞肺がん、前立腺がんなどのコモンキャンサーに関しては、既存の根治治療がない病態を中心に各施設の研究結果を集約し、解析しました。

 6ページをごらんください。重粒子線治療でも希少がんのみならず肝がん、肺がん、前立腺がんなどのコモンキャンサーに関しても、こちらは全4施設の共同臨床試験を後ろ向きに行いました。重粒子線治療では20歳未満の症例数は少ないために、小児腫瘍としてではなく疾患ごとに含めて解析しております。

 それでは、7ページ以降、疾患ごとに解析結果を御報告いたします。

 まず、20歳未満の小児腫瘍であります。小児は、X線治療後の成長障害や2次発がんを減らすために、線量分布に優れた陽子線治療が期待されております。今回、1983年以降に陽子線治療が行われた全343例を解析しました。

 7ページに症例の内訳を示し、8ページに全生存期間を示しますが、疾患の内訳が多様であり、このままでは既存治療との比較は困難であります。

 8ページ、右下に重篤な有害事象、Grade4の一覧を示します。5例中3例はX線治療では正常組織の耐えられる線量、いわゆる耐容線量を超え、根治治療が不可能な症例でありました。

 9ページに今度は陽子線治療の選択理由を示しますが、X線治療では耐容線量を超えるためという理由が99ありました。従来は姑息的照射をしていたと思われるこれらの群の10年生存は、44%というよい成績でありました。

 さらに、右側のX線治療は選択すらし得ず、従来は緩和治療となっていたはずの41例でも10年生存は26%という成績が得られていました。

10ページ、11ページは既存X線治療の発表と背景因子を合わせても、ある程度症例数が確保できた横紋筋肉腫及び神経芽腫の病期INSS4の結果でありますが、それぞれX線治療の全生存率を上回っておりました。陽子線治療のほうが観察期間が短いので解釈に注意が必要ですが、今のところ有害反応や頻度はかなり低いことがわかります。

12ページ上段に、X線治療より心臓や胃腸の照射範囲を著しく減らせる陽子線の全脳全脊髄照射、全14症例のリストを示します。観察期間中央値が3年弱で、Grade3上の有害事象は観察されていません。

 下段には全体としてX線治療困難例でも有害事象が少なかったこと、右には第三者委員会の判断として2次がんを否定できない症例が2例であったことを示しますが、1次発がんの比較はさらに経過を見る必要がございます。

13ページに、IMRTとの後ろ向き比較研究の可能性に関しましてIMRT実施期間に行ったアンケート結果を示します。全国的に小児腫瘍に対するIMRT治療の実施期間は少なく、症例の観察期間は短く、比較すべきIMRTの臨床データがほとんど存在しなかったというのが実情であります。実は、X線IMRTの実施施設の増加は2012年以降でありまして、今回調査した疾患ではIMRTの後ろ向き研究を行うには患者数が少な過ぎるということがわかりました。

14ページには、小児腫瘍を疾患別に、左にIMRT、右に陽子線の症例数を示しますが、IMRTは脳腫瘍と頭頸部腫瘍がほとんどで、陽子線治療と疾患分布の異なることもわかりました。

15ページですが、こういった状況でIMRTとの意味のある比較として、陽子線治療を行った過去の患者のデータを用いてIMRTの仮の治療計画を今回第三者がやり直して生涯の2次発がんリスクの比較を行いました。無作為に抽出した26名でモデル計算しまして、陽子線治療でリスクが有意に平均で3分の1に低減することが示唆されました。

1619ページには、神戸薬科大学の森脇先生にお願いして行った小児腫瘍のX線治療不可能例に関する医療経済評価の探索的分析結果であります。重要臓器の線量超過のためX線治療は不可能だが、陽子線治療が可能であった小児腫瘍患者群が、もし筑波大学で緩和医療を受けた小児腫瘍群と同じ患者集団であると仮定した場合、18ページに示すように陽子線治療は緩和治療と比較して生存年数で4.39年の効果の差が期待される一方で、592万円の追加的な費用がかかるということがわかりました。実際には要治療群の間で患者集団が異なるため、解釈には十分な注意を要しますが、注目すべき結果であります。

 以上、小児腫瘍では陽子線治療の有効性と優れた安全性が示され、IMRTに比べて2次発がんの低下が示唆され、医療経済指標での解析にはさらに検討を要しますが、少なくとも従来のX線治療では安全な照射が困難な病態に関しては保険収載を考えてもいいのではないかと思いました。

 次に、骨・軟部腫瘍です。脳や腸など重要臓器に近く、X線では十分な線量を照射できない部位に多く発生し、古くから粒子線治療が期待されてきました。また、特に重粒子線治療ではX線抵抗性の骨肉腫などにも効果が期待されてきました。

2021ページに陽子線治療113例の20歳以上の患者内訳を示しますが、頭蓋底、脊椎原発の脊索瘍、軟骨肉腫が多く、手術と組み合わせた術後照射が多いことがわかります。

2223ページに部位別、組織型別の成績を示しますが、良好な成績でありました。

24ページの、左に「X線治療では耐容線量を超え、従来は姑息的照射をしていたと思われる群で、優れた治療成績が得られた」こと、右には「最も症例数の多かった頭蓋底腫瘍において、脊索腫、軟骨肉腫ともに、優れた治療成績が得られていた」ことを示します。

25ページは、陽子線全体の有害事象で重篤な有害事象が少なかったことがわかります。

26ページからは、切除非適応の骨・軟部腫瘍に対する重粒子線治療764例の内訳と成績です。重粒子線治療でも脊索腫や軟骨肉腫が最も多いのですが、さらにほかの骨盤、後腹膜、頭頸部などの部位や骨肉種、脂肪肉腫、その他、多彩な部位や組織型が組まれております。

27ページには全体の成績、28ページには体積別の成績を示しますが、大きな症例も含まれていることがわかります。

2931ページには、まず仙骨・尾骨の脊索腫、そして骨盤の骨肉種、頭頸部肉腫の成績を示しますが、いずれも成績が優れておりました。

32ページに、頭頸部肉腫において重粒子線治療がX線治療の成績に比べて明らかに優れていること、手術の成績と同等の5年無病生存率であることが示されております。

33ページでは、重粒子線治療が脊索腫、骨肉種、軟骨肉腫、後腹膜肉腫で切除に匹敵する5年全生存率を挙げていることを示しております。

34ページでありますが、頭蓋底脊索腫で陽子線も重粒子線治療も今回の研究の成績が欧米の重粒子線治療施設の成績に匹敵し、従来のX線治療よりも優れていることが示されました。

35ページは仙椎の脊索腫でありまして、陽子線も重粒子線治療も明らかに従来の手術と同等か、それ以上の有効性を安全に達成していることが示されました。

 以上のように、頭蓋底から仙椎までの骨・軟部腫瘍では陽子線治療及び重粒子線治療が優れた有効性と安全性を示しました。また、重粒子線治療ではさらに多彩な分野、組織型に対して有効性と安全性が示されました。

 切除不適応、あるいは術後残存の骨・軟部腫瘍に関しては、ほかに有効な根治治療がなく、保険収載を考えてもよいのではないかと思いました。

3645ページにかけては、これもX線治療抵抗性と言われてきた扁平上皮がんを除く頭頸部腫瘍に対する粒子線治療の成績をまとめました。

36ページには陽子線治療の患者384例の内訳、37ページには部位と組織型別の成績を示します。いずれも優れた成績で、例えば37ページ下段に示すごとく、悪性黒色腫では従来のX線治療の5年全生存率の報告をかなり上回っておりました。

38ページの右上の図は陽子線治療の選択利用別の全生存率ですが、X線では従来は姑息的照射をしていたと思われるAやB群で50%程度の10年生存率が得られていました。

 下段は晩期有害事象で、上顎洞がんなどの予測されたGrade4の視力障害はありますが、おおむね安全性に優れていたことを示します。

3940ページには重粒子線治療845例の内訳、4142ページにはその部位別、組織型別の成績を示します。

42ページ右下には、眼球の悪性黒色腫でも優れた成績を挙げていることを示しております。

43ページには、重粒子線治療全体の有害事象のデータを示し、Grade4以上の詳細なことは参考資料のほうに記載しておりますが、切除非適応症例を対象としていることから妥当な頻度であると判断されました。

44ページには、悪性黒色腫と腺様嚢胞がんにおいて既存治療であるX線治療との成績が比較されております。陽子線治療も重粒子線治療も、全生存率及び重篤な有害事象のいずれに関しても優れた成績を挙げていることが示されております。

45ページでございますが、昨年ランセントオンコロジーに発表された頭頸部がんへの粒子線治療と既存X線治療、IMRTとの比較に関するシステマティックレビューの結果であります。粒子線治療とX線治療に陽子線治療がIMRTに対して有意に5年全生存率で上回っておりました。

 以上より、手術非適応の扁平上皮がんを除く頭頸部がんに関しては陽子線及び重粒子線治療は既存治療であるX線治療を上回っており、保険収載を考えてもよいのではないかと思いました。

 続きまして、肝細胞がんの解析結果を4652ページにまとめました。46ページに単発肝細胞がんへの重粒子線治療の多施設共同後ろ向き研究の結果を示します。

47ページには、このデータと肝動脈化学塞栓療法(TACE)の全国調査報告との比較を示しておりますが、3年全生存率、安全性とも優れていることを示しております。しかし、患者背景因子がそろっておりません。

 そこで、48ページ以降は患者背景をできるだけそろえて既存治療と比較いたしました。また、陽子線治療のほうは施設ごとに後ろ向きに解析を行い、参考値として表に記入いたしました。

 ビジーなスライドで恐縮ですが、まず48ページであります。陽子線治療と重粒子線治療の手術拒否例でございますが、肝予備能、Child Pughはばらつきはありますが、手術成績等はほぼ同等、TACE拒否例は47ページのデータも合わせて考えると陽子線が上回る可能性が示唆されましたが、後ろ向きですので何とも言えないところであります。

49ページは、いわゆるMilano基準内で手術及び焼灼療法、RFA不可能で、かつTACEが不可能、あるいは不十分な症例で肝移植できない場合のことでありますが、ここでは粒子線治療は緩和医療よりも優れてはいますが、定位X線治療との間には生存期間の差を認めませんでした。

50ページには手術もRFATACEも不可能、あるいは不十分な症例のうち5センチを超えるような症例をまとめました。この群では粒子線治療は5センチ以下の症例の緩和医療よりも生存期間中央値が優れておりまして、現在この5センチを超える群には定位X線治療の適応はなく、既存の根治治療法がありません。

51ページでは、この既存治療がない群に粒子線治療後にかなりの長期生存者がいることを図示いたしました。この病態はまれなのですが、粒子線治療のほうがX線治療よりも大きな腫瘍にも安全に照射できるという物理的な事実に一致しておりまして、今回の重要な研究結果の一つではないかと考えております。

52ページには、2014年に発表された肝細胞がん全体に対する粒子線治療のシステマティックレビューの結果を示します。粒子線治療は有効性に関して従来X線治療を上回り、有害反応に関して定位X線治療を上回っておりました。

 以上により、肝細胞がんのうち既存治療が可能な病態では、後ろ向き研究では背景因子がそろっていないこと、または既存の治療の希少がんとは異なりまして症例数も多いということから、多施設で前向きに検討すべきでないかと思われました。

 しかしながら、この比較すべき既存治療がないまれな病態、すなわち5センチを超える病態で既存の根治治療の適用がない場合に限っては保険収載を考えてもよいのではないかと思いました。

5361ページにかけては、非小細胞肺がんであります。

53ページに、重粒子線治療の非小細胞肺がんへの多施設共同後ろ向き開発研究の結果を示します。1期非小細胞肺がんに対して、総じて優れた成績を挙げておりました。同病態には定位X線治療が優れた成績を挙げていることから、全体として既存治療に置きかわるのは難しいと思いましたので、その中から対象を絞り、手術、定位X線治療とも困難な病態の治療成績を肝がんと同じような形で調べました。

54ページに、間質性肺炎を合併したり、重要臓器への線量制限で定位X線治療の適応がない症例への重粒子線治療の成績をまとめています。

55ページには、同様の背景因子を持った症例への筑波大の陽子線治療の成績を参考として示しております。

5657ページは、過去の定位X線治療や緩和医療との文献的比較を示しますが、粒子線治療が効果、安全性に優れていることが示唆されました。

 ただし、間質性肺炎合併例に関しては極めて重篤な放射線肺臓炎が起き得るので、前向き試験が必要ではないかと思われました。

5859ページはがんセンター東病院の注目すべきデータでありまして、切除不能3期非小細胞肺がんで耐容線量制限から根治的なX線治療ができない同一時期の症例に対して陽子線治療を行った群と、化学療法あるいは緩和治療を行った群の比較です。有意差をもって陽子線治療の無増悪生存率が上回り、59ページには生存期間中央値が延長していることがわかります。

60ページには重粒子線治療でも同様な傾向はあること、61ページも含めてそういう傾向はここにも認められました。

 以上から、症例数としては極めて少ない群だと思われますが、手術困難、かつX線治療では耐容線量を超えるために根治治療が困難な3期非小細胞肺がんに関しては既存の根治治療がないこと、粒子線治療の線量分布の特性から論理的に期待される結果であることから、保険収載を考えてもよいのではないかと思いました。

 最後に、前立腺がんであります。6263ページに、前立腺がんに対する重粒子線治療の多施設共同後ろ向き観察研究の結果を示します。各リスク群とも、総じて優れた5年の生化学的非再発率と晩期障害発生率を示しました。

64ページには、陽子線治療の各施設のデータも参考として5年生化学的非再発率と、Grade2以上の有害反応を示しております。

6566ページには、X線の3次元原体照射、IMRTとの比較データ。

6768ページには、最近公表された論文のデータをプロットしたものを示しております。総じて陽子線治療、重粒子線治療ともよい成績を挙げておりますが、X線のIMRTの5年の有効性、安全性、ともに優れております。最も予後が悪いハイグレード、あるいは若い症例に関しては粒子線治療が有効性や2次発がんリスクに優れていることから前向きの臨床試験で比較する余地があると考えます。

 ローグレード、インターメディエートグレードに関しては、再発率、晩期障害、2次発がんに差が出るとしても10年目以降になると考えられ、必要とされる症例数も多く、5年程度の臨床試験では結論を出すのが難しいであろうと考えられました。

 次に、6970ページであります。今回の解析で、コモンキャンサーのうち既存の根治治療があり、背景因子がそろっていないために既存治療との意味のある比較ができなかった病態に関しては、今後も限局性固形がんへの先進医療Aとして施設ごとに症例を集積しても適切な評価に耐えるデータの蓄積、解析が困難であろうと思われました。そういった疾患、病態では疾患や組織型を絞り、過去の報告と背景因子をそろえて同一プロトコールで多施設共同の先進医療Bとして進めることが必要と考えられました。

 現時点で進行中の先進医療Bの申請予定案件として、69ページに陽子線治療、70ページに重粒子線治療を示します。

71ページには、例として肝細胞がんにおいてどの部分を先進医療Bとして考え、どの部分に保険収載を考えてもよいと思ったかを診療アルゴリズムの上に映し出しました。

 最後に、7277ページに最新の知見と海外の状況を参考資料としてお示しします。

72ページですが、まず放射線の防護の大原則はALALAAs low as reasonably availableであります。最近、X線治療の心疾患や2次発がんのデータが明らかにされ、1グレー当たり心疾患の頻度が7.4%増加するけれども、粒子線治療ではこれがゼロにできること。右側は、ホジキン病X線照射後、2次発がんや心疾患がふえるのは10年以後生涯にわたるためX線治療との比較試験が難しいこと。小児がんの治療30年後の生存者の実に73%が心疾患、42%は重篤な心疾患で、それぞれのX線治療歴の相対リスクは3.2倍、8.1倍に達すること。そして、これらの減少のため各国で本日述べた希少疾患や特殊な病態に限ってALALAの原則を適用し、陽子線治療の保険収載が進んでいることがわかりました。

73ページに、参考までに調べた他国の保険収載状況を載せました。本日述べた疾患、病態に関して、医療経済学的な検討が盛んなイギリスを筆頭に、アメリカのメディケア、オランダ、フランス、カナダ、スイス等にて保険収載されております。

 イギリスの試算では、陽子線治療の適応患者は全がん患者の0.4〜1%でありました。

 重粒子線治療はドイツ、イタリア、中国で行われ、オーストラリアからは放射線医学総合研究所に国費で治療患者が紹介されております。

74ページに、世界の陽子線治療と重粒子線治療施設の推移、75ページに地理的分布を示しております。

76ページに、我が国で本日述べた疾患と病態に保険収載した場合に予想されるアンケートとデータベースに基づいた患者数を示しますが、現在の放射線治療適応患者全体の1.52.5%、全がん患者の約0.5%に相当すると考えられました。

77ページには、個々の症例において線量分布から粒子線治療がX線治療よりも有害反応のリスクをどれだけ減らせるかということを治療前に計算できるようになっていること、その差が有意な場合だけ粒子線治療の保険適用を認めるという方法をオランダ、米国では取り入れつつあるということで、医療費増大を防ぐ努力をしている国もあるということをお伝えしておきます。

7879ページには、それぞれの疾患、病態ごとに述べたことがまとめてございます。まとめますと、既存治療法では安全に根治治療ができない希少疾患や、粒子線治療ならではの線量分布のメリットを生かせるまれな病態では保険収載を考えてもよいのではないかと思いましたが、その他についてはまた後で述べさせていただきます。

 次に、80ページの12番をごらんください。日本放射線腫瘍学会理事会では今回、保険収載を考えた疾患・病態に限れば、我が国には粒子線治療を受けるために国民がアクセスできるだけの施設数があること。ただし、あくまでも現時点の予想値で将来的に適応疾患と同様に、今後その判断は変わり得るという2つのことが承認されましたので御報告させていただきます。

81ページに総括を載せております。今まで陽子線治療は「限局性固形がん」への先進医療Aの枠組みの中で、施設ごとの各プロトコールで治療されてきましたが、今回臓器・組織型別に解析等を実施したところ、既存治療に比べ、有効性、安全性に優れる疾患・病態と、有効性が明確でない疾患・病態が判明しました。さらに、後ろ向き研究の限界で既存治療との比較自体ができない疾患・病態があることも判明いたしました。

 今回、既存治療との比較ができなかった病態に関しては、今後もAとして進めてもなかなか難しいであろう。一方で、それらの中には前向きに検討するべき見込みのある結果もあることから、疾患を絞って先進医療Bなどで行うということも考えられるだろう。

 ただし、従来のX線治療との比較試験で、ゆっくりとした増殖する腫瘍の有効性、血管系の晩期障害、2次発がん率などに関しては10年以上の観察が必要であり、前向き臨床試験のデータ収集や評価方法に関しては検討が必要だろうと思われました。

 以上、駆け足で大変申しわけございませんが、終わらせていただきます。

○猿田座長

 非常にわかりやすく説明していただいて、特に順を追って説明していただけましたので、非常にわかりやすかったと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、少し時間をいただいて構成員の先生方から御質問を受けたいと思うんですけれども、非常に膨大な資料でございますので、先ほど御説明いただいたとおり順に、例えば小児腫瘍、骨・軟部腫瘍、頭頸部、それから肝臓、肺、前立腺のような形にして、あとは陽子線と重粒子線とどうかという形で質問を受けさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。そのほうがいいかと思います。

 それでは、まず以前から言われていたことですが、小児がんに対してかなり効果的なことがいわれましたが、小児のがんに対する陽子線治療を中心に御質問いただければと思うのですけれども、かなり膨大な資料でございますが、どうぞ御意見をいただければと思います。先生方の御意見が非常に貴重でございますので、よろしくお願いいたします。

 では、福井先生どうぞ。

○福井構成員

 総論的なことでもよろしいでしょうか。

○猿田座長

 もちろん、どうぞ。

○福井構成員

 恐らく今後プロスペクティブに検証せざるを得ない事柄が幾つかあると思いますが、そのことも含めて全ての症例を中央化して登録し、解析するということを考えられているのでしょうか。

 もう一点、断片的なデータしか出てこない可能性がありますので、私は17ページ、18ページあたりのデータを統合化するタイプの研究、たとえばマルコフモデルなどを使ったシミュレーションを行うとよいと思います。例えばこのデータですとQuality adjusted Life YearsQALY)に変換できる可能性があるのではないでしょうか。ここではそのような解析を行わなかったということがあえて書かれていますが、それについて説明していただければと思います。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 それでは、まず白土のほうからお答えさせていただきます。

 粒子線治療全体のデータベース、これは考えております。前向き試験に関しても、やはり今後は全例登録をすべきであろうということで学会を中心に今、考えているところであります。

 2つ目の御質問は、今日来ていただいています森脇先生のほうから一言お願いできますか。

○猿田座長

 では、お願いいたします。

○日本放射線腫瘍学会(森脇)

 神戸薬科大学の森脇でございます。よろしくお願いいたします。

 先ほど御指摘のあったクオリティー・アジャステッド・ライフイヤーズ、QOL値で重みづけをした生存年数の推定というところなのですけれども、今回は小児腫瘍における探索的な分析ということで、我が国における今後の医療経済評価の実施可能性を検討するという予備的な意味が強いのですが、その中で利用可能なデータソース内で分析をさせていただきました。

 今回ですけれども、小児腫瘍におけるQOL値のデータですが、これは利用可能なものがございませんでしたので、今回の探索的な分析には含めませんでした。そういうことで、将来的にこの患者さんのQOL値のデータの蓄積といったものが必要になると現時点で考えております。以上です。

○猿田座長

 どうぞ、総括的なことも含めて結構です。それから、小児のほうへという形でどなたかどうぞ。

 では、藤原先生。

○藤原構成員

 総括的なことで、頭の整理のためにお聞きしておきたいんですけれども、サイバーナイフとかIMRTとかで普通の放射線照射をするときにプライマリーリージョン以外に転移巣とか再発巣に対して保険が効かないという話も聞いたことがあるのですが、このあたりで重粒子線は今、先進医療の中でやっているからいいのですけれども、ほかのX線を使った放射線照射で保険が効かなくて困っているというところをもう少しクリアにしたいんですけれども。

○猿田座長

 難しいですね。どなたかお答えいただけますか。

○日本放射線腫瘍学会(大西)

 山梨大学の健保委員長の大西と申します。

 定位照射の保険適用は厳密にX線を使った定位照射で、これはサイバーナイフもその中に入るんですけれども、腫瘍のサイズとか臓器の位置、特に肺と肝臓でサイズも5センチ以内、それから数も3個以内ということで厳密に適用が決まっております。それ以外の病態に関しましては、一般的な通常の照射の範囲内で保険運用をしているという形になります。

IMRTに関しましては限局性の固定がんということで、転移がんであっても1カ所のみで、ほかに転移のない1カ所だけで限局した狭い範囲の固形がんであれば保険適用になっている形であります。それ以外の一般的な転移がんは、やはり通常の算定をするという形になっております。

○猿田座長

 ほかにいかがですか。

 では、どうぞ福田先生。

○福田構成員

 私もちょっと経済評価のほうからちょっとコメントさせていただければ思います。

 まず、私が拝見した今までの資料の中では非常によくやられているんじゃないかと個人的には思います。なので、このような検討は今後重要なのではないかと思います。

 その上でちょっと御質問させていただきたいんですけれども、1つはこういうものを分析していくときになかなか、特にこういう小児の腫瘍などの疾患だと前向きにRCTをやるのは難しいというのはわかりますので、こういうモデルや推計というのはあると思います。

 ただ、やはり比較対象とどのくらい本当に比較できるのかというところは気になっておりまして、確かに18ページの最終的な数値的なところにも対象手段が違うから統合しないというのは適切な御判断だと思うんですけれども、特に今回この分析を見ると緩和治療をやる方を比較対象にしていると思うのですが、大分予後は違いますし、気になるのは小児腫瘍と言ったときに筑波大学でされている緩和治療の対象者としているところと、今回陽子線のほうは多分、各施設でやっているものだと思うのですが、疾患の構成とか、重症度とか、年齢とか、そういうものはそもそも比較ができるのか。

 あるいはさらに気になるのは、そもそもなぜこの方は陽子線治療を受けなかったのかというところがあって、例えば陽子線治療にも適応にならないような予後の悪い方が比較対象になっているんじゃないか。だから、差が大きく見えるんじゃないかということもちょっと思ったりするのですが、そのあたりはいかがでしょうかということが1つです。

 2つ目は、分析の時間枠を10年と限定しているのは特に理由があるのでしょうか。その前の治療成績の陽子線治療のものを見ると、10年時点での生存というのはそれなりにいると思うので、これはあえて短目に推計したということなのでしょうか。もっと差が出そうな気も、逆にしなくはない。

 3点目は小児に限定したわけではないのですが、先ほどの福井先生ともちょっと似ているんですけれども、やはりQOLは結構重要だと思うので、小児についてはわかりましたが、ほかの疾患領域についても粒子線治療をやった場合のQOLの調査とか、そういうものは国内では取り組みがあるのでしょうか。その3点を伺わせていただければと思います。

○猿田座長

 よろしいでしょうか。今の3点をお願いします。

○日本放射線腫瘍学会(森脇)

 神戸薬科の森脇です。

 1点目のバックグラウンドに関してですけれども、陽子線の対象患者につきましては、後ろ向き研究のデータをベースにしております。それで、平均年齢としては10歳くらい、男女比は大体1対1、疾患としては神経芽細胞腫、脊索腫、軟骨肉腫、頭頸部腫瘍といったいろいろな疾患が混ざったような形のデータになっております。

 それで、緩和治療群につきましては、こちらは筑波大学病院のデータになりますけれども、平均年齢としては大体6.5歳で、男女比は大体1対1で、疾患としては胸グリオーマ、中枢PNET、ユーイング肉腫といった疾患構成になっております。それで、比較可能性についてはこの2群は平均年齢にやや差があったり、疾患構成も若干異なっているということが見てとれますので、この2群のデータをベースにしたモデル分析によって、いわゆる医療経済的な統合指標として評価するのは現時点では必ずしも適切ではないのではないかと考えております。

 2点目の分析の時間枠を10年に設定した理由でありますが、こちらは後ろ向き観察研究の報告、例えば9ページ等に陽子線治療、X線治療を選択し得なかった例であるとか、いろいろな理由別にカプランマイヤー曲線が引いてありますけれども、この選択不可のn41例のデータですね。1年生存率が71%から始まって、10年生存率26%まで報告されています。今回は、一応10年生存率がこちらに記載されておりましたので、こちらをベースケースの分析の時間枠とさせていただきました。

 テクニカルにはその時間を超えたさらに長期での推計計算というものももちろん可能でありますが、本日データとしては御用意していないということであります。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 3点目は、QOLのデータがあるかという御質問だと思います。

 施設ごとにある程度やっているところもあると思いますが、今回はまだまとめられておりません。今回、前向きに関しましては先進医療Bの中で秋元先生から一言お願いします。

○日本放射線腫瘍学会(秋元)

 国立がん研究センター東病院の秋元です。

 先進医療Bは今、幾つか計画しているのですが、その中で標準治療と陽子線を比較するような試験は計画しておりまして、その中には先生が言われたようにQOLをきちんと評価して、そこに今までのハードなエンドポイントに加えてこういうソフトなエンドポイントもきちんと評価するような体制で今、検討はしております。

○猿田座長

 では、どうぞ。

○五十嵐座長代理

 小児がんは年間1,100人くらい発症するわけです。小児の固形腫瘍というのは1,100人くらいなのですけれども、その中でこれからプロスペクティブにいろいろな疾患ごとに比較試験をしなきゃいけないと思うのですが、その場合、プロトコールをつくらなければいけないと思うのですけれども、エンドポイントがどれによるかにももちろんよるわけですが、どのくらいの患者さんを疾患ごとに入れていくとどのくらいの年齢でデータが出るかというのは、それぞれの疾患に対して検討されましたか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 御質問は小児がんのことですか。

○五十嵐座長代理

 そうです。小児がんです。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 小児がんに関しましては、先進医療Bという形で今、考えているというよりは他国の状況も考え、非常に希少疾患であるということも考えますと、これ以上先進医療として行うよりは保険収載という形で考えていったほうがいいのではないかと思っておりますので、その試算という形で今は動いておりません。

○猿田座長

 以前もやはり小児がんをまず焦点にしてやっていこうということが随分議論されたものですけれども、そういったことですね。

 では、柴田先生どうぞ。

○柴田構成員

 冒頭に出ていました登録の件について質問させてください。

 今後の仕組みとしてどのようなイメージを持っておられるのかということを確認させていただきたいのですが、これから例えば先進医療Bなどで、臨床試験で評価がされるものも出てくると思うのですけれども、そういうものも含めて悉皆的なものに近い登録システムをお考えなのか。あるいは、臨床試験と住み分けをする形の登録のシステムをお考えなのか。どちらになるのでしょうか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 私の範囲内でお答えさせていただきます。どこの許可も得ていない発言になりますけれども、まず前半の先進医療Bで行うものに関しては普通の臨床試験の形でデータセンターを置いてという形になると思います。

 それで、住み分けという形もやはり併用していくべきではないか。特に、先ほど申し上げた非常に長い経過を見ないと、粒子線治療のよさが見えないようなものに関してはデータシートを非常にコンパクトにして、しかし長期的に見ていくというもう一つのものを立ち上げる必要があるであろう。

 それで、お答えできないのはコストの部分でございます。どのようなコストをそこに想定して、それをどうやって維持していくのかということに関しましては、先進医療のあり方そのほかを常に議論していく中で答えを見つけていく必要があるのではないかという気がしております。

○猿田座長

 ほかにどなたか、総論的なことで御意見ございませんか。

 どうぞ、山口先生。

○山口構成員

 ちょっと膨大で私も消化しきれなかったのですけれども、大体同じようなパターンで話をされて、生存率の曲線を示されて、これは極めて優れた成績だ。その次に、既存の治療との比較を文献だとかいろいろな視点から出して比較されているわけです。しかし、例えば10の研究を対照としてとった場合にどういう根拠で対照としてとったかとか不明です。また、それぞれの疾患は別々で統一されたものがなくて、ばらばらにやったという感じがして、もう少しわかりやすく全ての疾患について一定のパターンでいいんですけれども、説明していただきたいと思います。でなければ、これは都合のいいデータを集めてやったんじゃないかと思ってしまいます。

 それから、御存じだと思いますけれども、これは基本的には前向きの試験をやらないと結論は出ないと思います。

 小児のことについては線量分布のこととか、いろいろなことで有効性はかなり期待できると思います。それから、将来性のこともあると考えたら、その結論が出るまで待っていると、子どももかわいそうだということはよくわかるので、そちらのほうをしっかりやられてはどうでしょう。そのほかのものについては今、既存のIMRTとかかなりいいデータがあります。そういうものをむしろ集めて比較できるようなことをしていただかないと、今のこの比較だけではすばらしいとは言えないと思います。

○猿田座長

 御意見いただけますか。

 では、どうぞ白土先生。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 粒子線治療委員会委員長の白土であります。

 決してそのようなつもりでやったことはないので一言、言わせていただきますと、まず希少がんに関しては全く私たちも同意見で、これ以上時間をかけても比較が統計的にできるようなデータが出るとは思えない数なものですから、これは先ほど申し上げたように我々もできるだけ放射線を少なくしたいという基本原則に沿って考えるべきではないかと思っております。

IMRTとの比較でございますが、私たちはコモンキャンサーに関しては既存治療がおっしゃっているようないい部分、これはやはり前向きに見ないとだめだということは間違いないと思っております。それで、既存治療ではカバーできない部分がございまして、そのうち大きなもので非常に重要な臓器に近い部分にあるもの、これに関しては保険適用がされていないわけであります。

 例えば、肝がんですと5センチを超えると今は治療法がない。保険収載されている治療法はないという領域がほんの少しですが、あるんです。そういうものに関してのみ、今回はコモンキャンサーではあるが、極めて粒子線の有効性が期待できる領域に関しての御報告をさせていただいたというわけでありまして、もし欠けているとすれば物理的になぜここなのかという説明は今回省かせていただきましたが、できればそこをもう少しきちんと評価できるような方法を加えることでそこを乗り切るのがいいのではないかと思っています。

 実際にはアメリカとオランダではそれを個々の患者に行いまして、先生がおっしゃるように保険を出すほうではそこがエビデンスがないと出せないということで、患者さんにIMRTと粒子線をどちらもプランさせるんです。それで、ある一定以上のリスクの差があった場合だけ保険を認めるという方法を取り入れております。我々は、それも一つの手ではないか。そうすることによって、これは明らかに粒子線じゃないと治せないというものだけがセレクトして治療されていくという方法はあり得ると思っております。

○山口構成員

 別にIMRTにこだわるわけではないんですけれども、私の言いたいのは、例えば文献を検索して過去の報告から比べていいとか、悪いとか、データが幾つか出ていますが、それを選んだ基準とか、そういうものが全体で統一されているのかどうかということです。例えば1990年代のかなり古いものが混じったりしていますし、ピンポイントで1つ2つ出しているものもあって、これはやはり比較にはならないんじゃないかと思うんです。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 白土ですけれども、やったことだけお伝えしますと、まず昨年の8月のワーキンググループをつくって最初の期間は各疾患において各グループで全ての文献検索を行いました。それは8月の末までの報告書には載せるつもりですが、膨大な資料の論文を翻訳して載せてあります。

 それとの比較において、今日は代表的なデータをお見せしたということになりますので、そこを見ていただいたときに、我々が何かセレクトして悪いX線治療のほうを出しているのではないかというところは見ていただきたいと思います。

 それから、IMRTとの比較で一番重要なのは、我々は恣意的に悪いデータを見せていないかということだと思いますので、特に小児に関しては第三者外部委員会をつくりましてその方々にこれを評価していただいておりますので、ここに出したデータは我々がセレクトしたというよりはそちらの委員会がセレクトした部分があります。ほかの疾患に関しても、もしお時間をいただければそういう形で、X線側から見てこれが妥当な判断かどうかというのはそちら側の委員に評価していただく必要があるかと思います。

○猿田座長

 どうぞ。

○山口構成員

 多分、余り時間がなかったのでできなかったのではないかと思うんですけれども、例えばガイドラインをつくるときのレビューなどは手法がきちんと決まっていますね。文献のレビューがそのような手法にのっとってという指示が出て、行われたわけですか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 白土ですが、文献レビューに関しては完璧なシステマティックレビューの方法をとる時間はございませんでした。それは間違いございません。ですから、そこに関してはもし時間があればさらに追加したいと思います。

○猿田座長

 今度集められた症例は二千数例ですね。それはまだ大分残っていると思いますが、使えそうな症例というのはまだあるんですか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 今回お示しした疾患に関しては、これが全てだと思います。

○猿田座長

 わかりました。かなり膨大なデータをよく整理してくれたと思います。実は私たちはもっと前からお願いしなきゃいけなかったのかもしれませんけれども、ともかくかなりのデータで、全体的なことはよくわかりました。

 では、福井先生どうぞ。

○福井構成員

 私も、ほとんどのデータにつきましては有効性が高い、または著しく高い、そして、有害事象が少ない方向を示している。また、治療法がない患者さんについての治療成績もかなりアクセプタブルなデータになっているという意味で、いい解析データではあると思います。しかしながら、何と言っても観察研究なものですから、どれくらいバイアスが入っている可能性があるのかについて多くの人が納得するかどうかが大変重要になります。

 したがって、データをもう少しきめ細かく分析して、できるだけ多くの専門家の方々に見ていただいて、できるなら国際誌にアクセプトされる論文にしたほうがいいんじゃないでしょうか。つまり、国内外の多くの専門家の目を通して、観察研究の質の判断をしてもらったほうがいいのではないかと思います。

○猿田座長

 総論的なことに関してあと2〜3の方から意見をいただいて、焦点を絞って議論させていただきたいと思います。大切なことは福井先生がおっしゃったとおり、どのくらいのバイアスがあるかということですけれども、レトロスペクティブなデータですからなかなか大変ですが、よろしいでしょうか。

 では、藤原先生どうぞ。

○藤原構成員

75ページで世界の陽子線と重粒子線の治療施設の数とかを示していただいて、放射線腫瘍学会さんは平成26年2月に粒子線治療施設の導入に関してはもう少し慎重になるべきだという声明を出されているんですけれども、今日のお話を聞いていても、もともと今日呼んでいただいたのは多分この前の群馬大のヒアリングのときに前立腺がんが非常に多く対象とされて、こんなものは意味があるんだろうかというところからスタートしたんじゃないかと思うんですけれども、これだけ声明を挙げていらっしゃる中で、日本にまだ重粒子線施設とか陽子線施設を新設しようなどという動きがあるというのは、私はがん薬物療法が専門ですけれども、どう見てもそれだったらIMRTとか定位照射ができる施設をつくったほうがいいように思うんですが、そこは放射線腫瘍学会さんとしては今回のデータをまとめられて、もっと世の中に周知する。つくり過ぎないほうがいいんですかとか、そういうことを周知されるとか、そういうようなことは予定されているんですか。

○日本放射線腫瘍学会(西村)

 理事長の西村です。

 先生の御指摘はもっともで、我々としては最初にも申しましたように健全な発展を祈念しているわけで、乱立ですね。特に昨年なぜ声明文を我々は出さざるを得なかったかというのは、先生の御心配にもあったようにがんセンター、あるいは地域の拠点病院でもないような、あるいは大学病院でもないような一民間病院が突然粒子線をつくるみたいな事例が幾つかあって、それは我々として何としてでも阻止しなければいけない。

 ただ、学会にはそれをつくるなという権利もありませんので、なかなかそこをストレートに、おたくの病院はつくってはいけないよ、というようなことは言えないのでああいう形の声明を出して、我々としてはしっかりしたバックグラウンドのある施設に限って粒子線治療センターをつくってほしいというようなことを声明したわけであります。

 それで、数は今回保険適用をお願いといいましょうか、申請している小児だとか、限られたがん腫に関しての施設数は現時点においてはある。これ以上は、必要ない。ただ、やはり物理的な線量分布のよさというのは明白にX線と比べてありますので、将来やはりこの適用は当然拡大していくものと思います。そういう意味において、将来においては今よりも施設は必要であろうとは考えています。

 ただ、やはり一般病院、民間病院が突然つくるというような事例は極力排除していかなければいけないと思っています。

○猿田座長

 それは、業者との関係もかなりあるかと思いますね。

○日本放射線腫瘍学会(西村)

 それは、あるかもしれないですね。

○猿田座長

 そうしましたら、今度は少し臓器に絞って私どもとすれば最初に言われたのが小児がんのことだったのですけれども、小児がんに関してどなたかございますか。

 では、石川先生どうぞ。

○石川構成員

 日本医師会の石川です。

 今までお話を聞いていまして、私はやはり小児がんの治療の発展のためにいろいろと可能性を模索していただくというのも大変歓迎するわけですけれども、今回お見せいただいた資料ですと、山口先生がおっしゃったように大変手術例なども古い文献だとか、そういういうものを引き出しているということはありまして、私たちは期待するところは大きいわけですから、少しお時間が足りなくてこうだったということであれば、先生方もこれだけおいでいただいてかなり厳しい議論になっていると思うんですけれども、もう一回今までの洗い直しといいますか、そういうものをやっていただいて、私たちも期待が持てるような本当のデータみたいなものを出していただくということはどうでしょうか。

 そうでないと、私も小児科ですけれども、かなり前の古いデータと比較してこうだと言われても、そうなのかなというふうに大変疑問を持つわけですから、大変御苦労だと思うんですけれども、そこのところはしっかりともう一回やっていただいてお示しいただくというのはどうでしょうか。

○猿田座長

 どうぞ、白土先生。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 我々もまさにそうしたかったのですが、少なくとも小児腫瘍に関しましては既に世界的に標準治療が陽子線に移っている状況が生まれておりまして、新しいペーパーにX線治療がないんです。IMRTとか定位照射はむしろ陽子線に比べる立場になっていまして、それよりも新しいデータとして2〜3年の治療、メディアンサバイバルでこんなデータが出始めていますというデータでよろしければ出せるのですが、とても長期に見て陽子線と同じような疾患を比べられる。例えば、小児腫瘍とか、頭蓋底腫瘍とか、頭頸部に関しては最近のものがなくてこうなっているということはぜひ御理解いただきたいと思います。

○猿田座長

 有害事象に関しては、本当にきれいなデータが出ていますよね。それから、4年くらいのものが出ているとか、確かにそのあたりのところはとれると思うんですけれども、ほかにいかがですか。

 では、どうぞ。

○藤原構成員

15ページで、私はこれが一番インパクトがあるというか、小児腫瘍について2次発がんをちゃんと抑える。これはシミュレーションのデータではあるんですけれども、3倍も違ったら比較試験のしようがないだろうと思います。これがあるんだったらいいなと思ったんですけれども、何年後の2次発がんを推定するようなシミュレーションのデータなのかを教えてほしいと思います。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 このLARという値は生涯にわたっての、つまり80歳で死ぬと80歳までの全部を積算したもののリスクの値でございます。この1つ前に各年齢のEARという値があって、それを積分している値です。ですから、2歳の人が70歳になって、80歳になって死ぬまでの間の比較というふうに見ていただければよろしいと思います。

○猿田座長

 では、柴田先生どうぞ。

○柴田構成員

今の件について、追加で確認させてください。

 これは、一人一人の患者さんに対してリスクの推計値が出てきて、なおかつそれを今回の26例の方に対して2つの方法でやったときのリスクの推計値の差を評価したら、差がついたという数字でしょうか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 北大の白土です。おっしゃるとおりです。参考資料のほうに全て載せておりますが、26例全てにおいて一つ一つプランをして、その比較をしたということのデータであります。

○柴田構成員

 となりますと、例えば比較試験はできないにしても、実際に陽子線治療を受けた患者さんを今後追跡することによって、このモデルによる推計のリスクと、実際にある治療の入った集団の中でのリスクというのが、実際にモデルどおりであったか否かというのを、今後数年かけて、あるいは長期にわたってフォローすることで確認することはテクニカルには可能だと理解していいですか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 おっしゃるとおりだと思います。かなり長期にわたりますが、それはぜひやっていきたいと思っております。

○猿田座長

 ほかにどなたか、小児のことでありますでしょうか。もしなければ、次に骨・軟部腫瘍に関して、これも少しデータにばらつきがありますけれども、どなたか御意見ありますでしょうか。やはり表面的なほうが効果的なものがあるように見えますけれども、よろしいでしょうか。

 これは、重粒子線と陽子線で差がこんなにございますか。

○日本放射線腫瘍学会(鎌田)

 放医研の鎌田でございます。

 これをごらんになっていただければおわかりいただけると思うんですけれども、陽子線のほうは大体頭蓋底と、あとは脊椎近傍の脊索腫と軟骨肉腫というものが主体になっております。さらにコメントの中でもありましたけれども、術後照射、手術との併用が大体主なアプローチの仕方です。

 一方、重粒子線のほうは明らかに切除が難しいという方が中心になっております。そういう差はあると思っております。

○猿田座長

 ありがとうございました。ほかにどなたか御質問ございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、続いて頭頸部がんのほうに対してはどうでございましょうか。効果的なデータが出ていますけれども、特に先生方、特別に御意見はないですか。

 もしございませんようでしたら、かなりの症例が検討された原発性肝臓がんに関しましてはどうでしょうか。これは、ほかとの比較がかなりしっかり出されています。

 では、どうぞ、藤原先生。

○藤原構成員

52ページでシステマティックレビューがあるんですけれども、これは粒子線としか書いていないんですが、陽子線とか重粒子線どちらかというデータはこのときにはなかったんですか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 では、私のほうから、左側のシステマティックレビューの有効性のほうはどちらも加わったデータでございまして、右側のほうは。

 失礼しました。これは、どちらも入っている症例です。今、言おうと思ったのは、頭蓋底のほうは、1つは粒子線ではなくて陽子線だったんですが、肝がんはどちらも入っている状況でデータが出ております。

○藤原構成員

 ということは、どちらとも言えないということなんですかね。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 それぞれが標準治療との比較という形でデータを見ていますので、どちらがいいという言い方はできないのですが、実際に行われているのは、重粒子線治療は短期分割で回数が少ない治療が行われていて、陽子線は20回くらいの分割で行われているという差がございますが、データそのものの差は今回大きな差をもっての比較はありませんでした。

○猿田座長

 ほかに、どなたかございますでしょうか。重粒子線と塞栓療法との差が物すごくあるというわけではないんですね。大きさにもよりますけれども、そこが一つかと思います。

 では、どうぞ。

○福井構成員

 手術も定位X線治療も困難だという判断は、その施設の先生方だけで行われたのでしょうか。それとも、放射線科以外のがんの専門の先生方も入って、いわゆるキャンサーボード的に判断されたのかどうかを伺いたいと思います。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 白土ですが、お答えいたします。

 そこは今回のデータの弱い点でございまして、施設ごとにキャンサーボードを持っているところもあればそうではないところもあって、紹介した医師の判断というものが基準になっていると思っていただいてよろしいのではないかと思いますので、そこに関してやはり前向きで見ていく必要があるかと考えております。

○猿田座長

 ほかに、どなたかございますでしょうか。もしよろしければ、先にいきまして原発の肺がんに関してはどうでしょうか。これは難しいと思いますけれども、肺がんは有害事象に関してはほかのがんと余り変わらないと考えていいんですか。

○日本放射線腫瘍学会(塩山)

 九州重粒子線センターの塩山といいます。

 重粒子線治療の多施設臨床研究のデータからしますと、既存資料と比べて有害事象は非常に少ないと考えていただいていいと思います。特に、肺の臓器というのは非常に放射線感受性の高い臓器でありますので、重篤な肺臓炎のリスクとか、そういったものは非常に低く出ていると考えていいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。もしなければ、前立腺に関してはどうですか。

 では、藤原先生どうぞ。

○藤原構成員

 前回、この先進医療会議にかかった群馬大学も前立腺は多かったですし、放医研さんがたしか今年の2月にランセントオンコロジーに過去の御自身の経験をまとめられたデータを見ても前立腺がんが大半だったのですけれども、先ほどのお話を聞いていると、何か前立腺がんというのはむしろほかの既存のRTのほうで十分ではないかとか、あるいは最近は前立腺がんはホルモン療法耐性例にも効くホルモン療法が出てきて、治療体系が大きく変わろうとしていく中で、どう見ても前立腺がんに対して粒子線をやるというのはちょっとおかしいと考えると思います。

 それから、アメリカを見てみると、たしか誰かから聞いたんですけれども、CMSは前立腺がんについては粒子線の治療とIMRTと保険の支払い額は同じにしていると聞きますし、このあたりは放射線腫瘍学会さんとして前立腺がんについて今後どういうふうに学会を挙げて対応を考えていらっしゃるのか。先進医療Bでやるというところもあるのかもしれないですけれども。

○猿田座長

 御意見をいただけますか。

○日本放射線腫瘍学会(白土)

 まず、全般的なところを白土のほうからお話いたします。

 これは、非常に大きな我々のテーマだと思っております。まず、1つは同等であるというところまではまず間違いないので、そのCMSと同じように例えば陽子線であれば同等事象なのだというところまではコンセンサスが得られ、X線の方々も得られているのは間違いないと思います。では、同等以上の部分がどれだけなのかといったときに、今までのデータではなかなかそこをエビデンスを持って言える状況ではないだろうというのが1つです。

 あとは、先ほどの2次発がんの解析を実は前立腺でもやってみました。そうしますと、70歳以下であれば1%と3%の違いぐらいの2次発がんの差は出ました。それを有意と見るのかどうか。そのあたりのことは、例えば抗がん剤に対してどのくらい発がんの差があれば有意と見るのかというのは、今レギュラトリーサイエンスの先生と研究していまして、そこが過去のレギュラトリーサイエンスから考えても有意な差だという年齢層があれば、それ以下の前立腺がんにはX線よりも陽子線がいいとか、そういう議論はできるのかもしれませんが、まさに前向きに見ないとわからないと思っております。

 重粒子線については、鎌田先生お願いします。

○日本放射線腫瘍学会(鎌田)

 重粒子線治療は、大体全体の二十数%くらいに我々の施設ではなっていると思います。これをやっている理由といたしましては、重粒子線の特徴といいますのは治療期間を短期化できる。短くできる。当初20回、5週間の治療だったわけですけれども、これを4週間、3週間という形で現在短縮しております。そうすることによって、患者さんのいろいろな負担が減るだろう。

 さらに、強い生物効果があるということでハイリスクのグループ、これについては若干よい成績も出ている。さらに、直腸の障害ですね。これについては明らかに線量分布のよさから、より低い副作用の発生率になっているところがございます。

 それで、今12回で治療を行っているわけでありますけれども、もっと短くできる可能性も出てきておりまして、こういたしますと次の、より効率的な治療、高い装置ですのでそういう形での解決法はあるのではないかと私は考えているところでございます。

 また、患者さんにとっても短い治療というのは非常に魅力的ではないかと思っているところでございます。

○猿田座長

 もう一つ、やはりメラノーマに対しては今、薬物療法が非常に新しいものが出てきて画期的になっているけれど、先ほどの御説明で重粒子線治療がやられている症例があったのですが、メラノーマに対してはどうお考えになりますか。

○日本放射線腫瘍学会(鎌田)

 非常に大きなメラノーマが私どものほうには参ります。ちょっと手術でも手がつけられないような方ですね。そういう方に対して、重粒子は相当よく効いているという実績はございます。

 そういうことを考えますと、薬の効果はあったとしても、例えば原発を完全に薬だけでコントロールできるかというと、こういうことを言うと失礼ですけれども、私はちょっと疑問が残る。そうすると、重粒子とそういうような新たな全身的な療法の組み合わせということによって、事実、私どものデータでは化学療法との組み合わせでヒストリカルコントロールですけれども、かなり生存率が改善したという事実がございます。ローカルがきちんとコントロールできると、追加の治療も非常によく効くというふうに考えているところでございます。

○猿田座長

 ありがとうございました。あとは、どなたかございますか。

 では、どうぞ。

○日本放射線腫瘍学会(西村)

JASTROの理事長としてというよりも、粒子線のノンユーザーの放射線腫瘍医の立場から先生の御質問に答えたいと思います。

 我々、普通のX線を使っている者にとって、前立腺がんに対して本当に粒子線治療が有意であるかというと、実は疑問に私自身も思っています。周りの人に怒られるかもしれませんけれども。

 ただ、今、鎌田先生がおっしゃったように、治療のオプションの一つとして短期間で終わらせたいようないろいろな仕事とか、あるいは社会的な理由で終わらせたい方に対するオプションを提供するというのは、それはそれで意味があると思いますし、2次発がんについて白土先生は1%、3%と言ったけれども、これは余り70のおじいさんにとっては意味がないのかなという気が私はしています。

 ですから、JASTROとして今回も前立腺がんに関しては保険収載の疾患としては入れておりませんし、ただ、エビデンスとしてはこれからプロスペクティブに出していくべき必要性はもちろんあると思うんですけれども、現時点においてはっきりと保険収載に値するとはまだ言えないのではないかと、正直に思っております。

○猿田座長

 そのほか、今、各臓器に対する効果もお話いただきましたけれども、全体的にどなたかございませんでしょうか。レトロスペクティブでこれだけのデータを集めていただいたのでかなりのことはわかったと思いますが。今度このような機会をもたせていただくことによって、かなりいろいろな状況もわかってきたと思います。それから、腫瘍別の効果もかなりわかりましたし、実際にどのくらいの有害事象があるか。重篤なものは少ないということもよくわかりました。

 あとは、難しいのは福田先生がやっておられる医療経済的なことですね。そこはなかなか難しいと思いますが、いろいろな点で本当に貴重な成績を発表していただいたので、私どもとしては非常に勉強になりました。

 どなたか、最後に先生から何かありませんか。

○山口構成員

 1つだけちょっとこだわったことがあって、これから新設するのは民間ではだめだというのはいかがなものかと思います。

 というのは、恐らく意図はきちんとした体制じゃないとだめだということだと思うんです。では、私立の大学はだめなのかという話になりますし、アメリカでは別に国公立がやっているわけではないです。揚げ足取りで申しわけないですが。

○日本放射線腫瘍学会(西村)

 民間病院という意味は、私も近畿大学というのは私立大学なので自分が民間病院という意識は余り持っていませんけれども、そういう意味の民間ではなくて、がんに対するバックグラウンドがないような民間病院が粒子線治療を持つことに、やはり我々としては疑問を呈さざるを得ない。私立大学が持つのは全然問題ないと、私は思っております。

○山口構成員

 実はがん研も私立の病院で、民間の病院という言葉でくくられないほうがいいんじゃないかということです。多分、言っていることは一緒だと思います。

○猿田座長

 どうぞ。

○日本放射線腫瘍学会(中川)

 東大病院の中川でございます。

 この粒子線治療をどのように普及させるかというのは、技術の進歩にもかなり依存するところですし、また装置の価格にもよってくるわけです。例えば、40年前、50年前、コバルト60遠隔装置というものが放射線治療のメインストリームでした。それが電子ライナックに変わっていく過程があったわけですね。それで、今後リニアックが粒子線治療によって取ってかわられるかどうか、これはわかりません。

 ただ、そもそも現在のリニアックが今後とも主流であるべきであるかどうかは議論のあるところだということはちょっと考える必要があるのではないかという気がします。

○猿田座長

 大切なことは、やはり国民に対して正しい理解をしてもらわなければいけない。これはいろいろなことが、ちまたでいわれているものですから、非常に大切な点だと思うので、正しい情報を私どもとすれば伝えなければいけないと思っています。これは、非常に重要なことだと思います。

 ほかにもしなければ、それでは本当にお忙しいところおいでいただきまして、貴重なデータを発表していただきましてどうもありがとうございました。また私ども検討させていただきます。ありがとうございました。

(日本放射線腫瘍学会関係者退室)

○猿田座長

 一応、皆さん方の御意見を伺って状況はわかったと思いますが、事務局としてはこれをどういう方向へ持っていくかだけよろしくお願いいたします。

○医療課企画官

 通常の流れであれば、先進医療として実施している技術は次期改定に向けて、本年6月末までの実施状況等を踏まえて、今後、先進医療会議で、保険収載、継続、削除という御意見をまとめていただくことになります。粒子線治療については、本日の会議で、ご指摘いただいた点もありますので、それらについて対応可能なものについては追加で提出をしていただいて、最終的にどうするかという議論をしていただくという予定でございます。

 今日の御議論の内容については、取りまとめて、また先生方に確認をしていただきたいと思っております。

○猿田座長

 特に、これからの前向き治療といったときに比較が難しいですね。

○医療課企画官

 放射線腫瘍学会の資料の中でも、先進医療Bとして既に幾つか検討が動き出しているというご報告がありました。現在、先進医療Aではありますが、年度内には、部分的に先進医療Bに移行するということもありますし、放射線腫瘍学会の発表資料のまとめの中にも、今の先進医療Aでは、保険収載につながる議論に必要なデータが集まらないという記載もありました。それらも踏まえて、次期改定でどう取り扱うかという点についても、引き続き、御議論いただければと思います。

○猿田座長

 そうですね。ですから、こちらの委員会での意見をまとめて学会のほうにも伝えて、要するに少しでも無駄にならないように、そして早く進めるということかと思いますので、そのあたりはよろしくお願いいたします。ほかにどなたか先生方からございますか。

 どうぞ、石川先生。

○石川構成員

 ちょっとしつこいようですけれども、例えば32とか3334の骨・軟部腫瘍に対する重粒子線治療の文献学的比較などを見ますと、例えば切除と重粒子線との比較をしても正直言いましてそんなに変わりはないんです。

 そうすると、我々としましてはこの治療が大変お金もかかって、しかも要するに保険点数もない状況の中で、これは評価としては大変ブラックな評価になってしまうわけですね。それでいいのかどうかということです。ここは私などが参加させていただいていますけれども、日本の先進医療をある面ではつかさどる会議でありますので、そこでこの重粒子線の治療がこういうことで、骨・軟部腫瘍に対してはこういう比較しかなくて、これでやるといったときに、本当にそうですか、いいんですかみたいな感じになってしまうのはまずいと思うんです。

 それで、私はさっき言ったような、もう少し時間があれば違う比較があって、もう少し先生方の、日常かなり努力されていると思うので、そういうことが見えるのでなはいかと思ったので言った次第です。

 これを見ますと、ちょっといかがなものかと正直言ってなってしまうと思うんです。

○猿田座長

 ありがとうございました。ほかにございますか。

 それでは事務局のほうから「安全性報告の遅延について」をお願いします。

○事務局

 それでは、事務局になります。

 資料として、先−6及び机上配付資料1をごらんください。こちらは、先進医療Bとして実施されている医療技術になります抗原ペプチドによるがんワクチン療法になります。申請医療機関は久留米大学医学部附属病院になるのですが、その協力機関である近畿大学医学部附属病院にて発生した事案になります。

 なお、こちらに関しましては因果関係不明の合併症が生じ、実施計画書等から予測できないものであったのですが、担当医にその認識が欠如していたため届出が遅延していたという問題になります。

 こちらについて、対応()ということでペーパーのほうをまとめさせていただいており、当該病院において自主点検を実施していただき、そちらを本会議の皆様に御報告していただくという形でよろしいでしょうか。

○猿田座長

 どなたか、御意見ありますでしょうか。今の形で、どうしても時間がかかってしまったものはこうなってしまうものですから、できるだけすっきりさせていただこうということですけれども、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。では、そのようにしていただきたいと思います。

 それでは、続きまして「先進医療Bにおける予定試験期間・症例数について」、これもやはり前に一回ここで議論になった問題でございますけれども、よろしくお願いいたします。

○事務局

 資料先−7という1枚紙をごらんください。こちらは、先ほど座長のほうから言及がありましたように、予定試験期間及び症例数について整理したものになります。

 先月の会議におきまして、予定症例数を超過した事案を受けて、先進医療会議において予定症例数の取扱いについて幾つかの指摘が寄せられたところであります。そちらを踏まえ、事務局としてペーパーの「2.今後の対応()」とあるように案をまとめさせていただいております。

 まず、原則といたしまして症例数については厳守されるべきであること。ただし、多施設共同研究施設のように複数の施設が参加している場合におきましては、データを管理しているメインの施設において登録症例数が予定症例数に到達した時点と、そのことが判明した時点で若干タイムラグがあり、その間にインフォームドコンセント等が済んでいる場合が想定されます。

 今後は、このようなやむを得ないことが予想される研究の申請におきましては、既にインフォームドコンセント済み及び同意取得済みの患者様につきましては速やかに登録し、登録数が症例数に達したと判明した時点以降は新たな説明等を実施することは認められないこととし、その取扱いを申請にかかる計画書に記載することとしてはどうかという案になります。

 また、3につきましては、これまでに既に承認された先進医療についての取扱いを述べておりますが、前述のやむを得ない事由が発生した場合には総括報告書のほうにその旨、記載を求める、という案になりますが、お願いいたします。

○猿田座長

 ありがとうございました。ちょっと伺うところでは、1,000例以上でやっているところと、あとは300例というところの例が2〜3例あるということでございますから、特に症例数が多いところで問題だろうと思います。

 これは、柴田先生から何かございますか。

○柴田構成員

 こちらの2の「今後の対応()」のところに書いていただいている方向であれば、具体的に参加されるお医者さん、あるいは担当される方々が、自分たちのやっていることがルール違反になるのかどうかを事前に予見できる規定になっていますので、こういう形であれば現実的なルールなのではないかと考えます。

○猿田座長

 これを徹底していただくということでよろしいですか。

 ほかに御意見ございますでしょうか。もしなければ、今言った形で通達ということで、一応、今日議論していただくことは全てでございますが、先生方のほうから何かございますか。

 では、事務局のほうからどうぞ。

○事務局

 事務局でございます。

 先ほど御審議をいただきました、先進医療の新規技術の審議に際しまして、藤原先生からサデルガのアメリカとヨーロッパの承認内容についてお問い合わせがありましたのでお答えをいたします。

FDAの承認内容といたしましては、CYP2D6の状況というものが効能効果の中にきちんと書き込まれております。また、ヨーロッパのほうでもCYP2D6の状況が書き込まれております。

 ただ、日本人の代謝の状況というのは少し違いますので、範囲はやや違っておりますが、その部分については書き込まれているということでお答えをさせていただきます。

○猿田座長

 一応あるということですね。よろしいですか。

○藤原構成員

 それだと、余計追い風かなと思います。

○猿田座長

 もしほかになければこれで終わりたいと思うのですが、次の予定だけお願いします。

○事務局

 事務局になります。

 参考資料という1枚紙になりますが、次回の先進医療会議の開催につきましては平成27年9月3日を予定しております。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

 先生方には、活発な御議論をいただきましてどうもありがとうございました。

 それでは、これで33回の先進医療会議を終わりたいと思います。御協力ありがとうございました。



(了)

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