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2015年7月30日 第3回厚生科学審議会 再生医療等評価部会 議事録

医政局研究開発振興課

○日時

平成27年7月30日(木)16:00~18:00


○場所

中央合同庁舎4号館全省庁共用1208特別会議室(12階)
東京都千代田区霞が関3-1-1


○出席者

【委員】

福井部会長 梅澤委員 大澤委員 岡野委員
掛江委員 紀ノ岡委員 木下委員 小林委員
鈴木委員 高橋委員 田島委員 柘植委員
手良向委員 中村委員 花井委員 前川委員
松山委員 山口委員

【事務局】

飯田審議官 福島審議官 神ノ田研究開発振興課長 吉田研究企画官

○議事

○神ノ田課長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回「厚生科学審議会 再生医療等評価部会」を開催いたします。

初めに、委員の交代がありましたので、新たに委員になられた先生を御紹介いたします。富山雅史委員の後任として委員に就任された、公益社団法人日本歯科医師会常務理事の小林慶太委員でございます。

 小林委員より、一言御挨拶をお願いいたします。

○小林委員
 皆さん、こんにちは。このたび、日本歯科医師会の執行部交代に伴いまして、委員を交代させていただきます。小林慶太です。よろしくお願いいたします。

 歯科では、PRPも含めた新しい法律施行に向けて、対応していかなければいけない部分が出てきましたので、そういうことをこれから考慮しながら進めていきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

○神ノ田課長
 ありがとうございました。

 本日は、部会の定数25名に対しまして19名御出席いただく予定でございます。高橋委員が遅れておりますけれども、現時点で18名ということでございますので、厚生科学審議会令第7条に定められております定足数に達していることを御報告申し上げます。

 なお、本日の2つ目の議題、「第一種再生医療等提供計画の再生医療等提供基準への適合性確認」につきましては非公開とさせていただきます。

 それでは、本日の会議資料の確認をさせていただきます。議事次第のほうに配付資料一覧を載せておりますので、あわせて御確認をいただければと思っております。

 議事次第の下に座席表と委員名簿を表裏でまとめたものを1枚紙で用意してございます。

 資料1-1が464ページの大部のもの。資料1-2が113ページの資料となっております。資料3が1枚紙。資料2-1が12ページの資料となっております。資料2-2、資料2-3につきましては、それぞれ1枚紙でございます。資料2-4が7ページのもの。資料2-5が21ページのものとなってございます。

 資料の不足等がございましたら、お知らせいただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、円滑な議事進行のため、撮影につきましてはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。

 以後の進行につきましては、福井部会長にお願いいたします。

○福井部会長
 それでは、よろしくお願いいたします。

 最初に、議事1、これは報告事項になりますが、遺伝子治療臨床研究実施計画について、及び遺伝子治療臨床研究に関する実施施設からの報告についてお願いいたします。事務局より説明をお願いいたします。

○吉田研究企画官
 事務局から説明いたします。資料1-1をごらんいただければと思います。

 これは慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病)を対象としたAMG0001の筋肉内投与による遺伝子治療臨床研究の実施の申請についてでございます。

 新潟大学医歯学総合病院、これは7ページ以降に資料がございます。徳島大学病院、159ページ以降に資料がございます。愛媛大学医学部附属病院、313ページ以降に資料がございます。この3つの病院から実施の申請が上がってきたものでございます。

 これにつきましては、1ページから4ページをごらんいただければと思います。慢性動脈閉塞症に対して、いわゆる肝細胞増殖因子、HGF遺伝子導入プラスミドを筋肉内投与する臨床研究でございます。

 この件は、大阪大学を中心とした多施設共同臨床研究でございます。共同研究機関として、既に5月26日の科学技術部会、また前回6月29日の再生医療等評価部会、本部会におきまして、それぞれ大阪大学、神戸大学、佐賀大学の研究計画が承認されております。その後、実施の準備及び被験者候補が見つかった施設から、順次研究施設の追加の申請が行われているという経緯でございます。今般準備が整いました新潟大学、徳島大学、及び愛媛大学から申請があった次第です。

 内容としましては、大阪大学等と同一プロトコールであることから、新規性のない臨床研究として既に実施の了承を回答しております。今回、部会にその旨を報告するものです。

 続きまして、資料1-2をごらんいただければと思います。資料1-2の1件目、慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病)を対象としたAMG0001の筋肉内投与による遺伝子治療の変更届でございます。

 大阪大学医学部附属病院からの資料が1ページ、神戸大学医学部附属病院からの資料が16ページ、そして佐賀大学医学部附属病院からの資料が25ページにございます。

 これは、ただいま資料1-1で説明しました内容と同一の臨床研究として、既に実施が了承されていた研究でございますが、主として研究期間の変更、具体的には1年から2年に延長するということを届け出るものでございます。

 期間を延長する理由としましては、本研究は8施設の共同研究であって、各病院の院内審査や研究実施の申請において想定よりも時間を要しているとのことで、今回延長の届け出がされたと聞いております。目標症例数に変更はございません。

 また、今資料1-1で説明いたしました新潟大学と徳島大学と愛媛大学の3病院の研究計画につきましては、あらかじめ研究期間を2年として設定しております。

 続きまして、自治医科大学附属病院からのAADC発現AAVベクター被殻内投与によるパーキンソン病遺伝子治療の第1/2相臨床研究における重大事態等報告でございます。35ページ以降に資料がございます。

 これにつきましては、3月2日に開催された第1回の本部会におきまして、実施が承認された臨床研究でございます。AADC、芳香族Lアミノ酸脱炭酸酵素遺伝子を導入したアデノ随伴ウイルスベクターをパーキンソン病患者の被殻内に投与する遺伝子治療でございますが、同一のウイルスベクターをAADC欠損症の被験者に投与する臨床研究もあわせて承認されているところでございます。

 今般、投与約6週間後に重大事態等の発生があって、被験者の死亡の報告がされております。具体的には37ページから39ページをごらんいただければと思います。

 自治医科大学の倫理審査会におきましては、術中・術後経過が良好であること、また病理解剖所見において明らかな器質的病変が認められていなかったことなどから、遺伝子治療との因果関係はなしと判断し、引き続き研究を実施するとの見解を出しております。ただし、パーキンソン病の遺伝子治療、及びAADC欠損症の遺伝子治療、その両方とも同意説明文書におきまして、今回の重大事態の発生について記載を追加してございます。

 具体的には、パーキンソン病の遺伝子治療につきましては60ページでございます。60ページから61ページにかけまして、今回の件が新たに記載が追記されてございます。

 また、AADC欠損症につきましては96ページをごらんいただければと思います。ここにも同じように、今回の件の記載が追記されております。これにつきましては、当部会の審査委員会におきましても、内容を確認しているところでございます。

 なお、本件につきましては、資料1-3で、きょう御欠席の今村委員のほうから疑義照会がございましたので、これについてはまた後ほど御説明させていただきます。

 以上です。

○福井部会長
 ありがとうございます。

 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。資料1-1、資料1-2、両方について。余り大きな変更ではないようにも思いますが、患者さんが亡くなった件につきましては、今村先生からの御意見のところで御検討いただければと思います。

 それでは、ただいまの御報告については御了承いただいたということにさせていただきます。次に、今村委員からの質問について事務局から説明をお願いいたします。

○吉田研究企画官
 それでは、資料1-3をごらんください。A4の1枚紙でございます。今村委員のほうから、今回の死亡例につきまして疑義照会が出されております。読ませていただきます。

 「投与後6週間で60歳男性が死亡(突然死)したことについて、1.突然死と遺伝子治療との因果関係はなしと判断されたが、その根拠が希薄ではないか。原因不明ということであり、このことから直ちに因果関係なしとは結論できないと考えられるが如何か。2.医療事故調査制度が平成2710月1日から施行されるが、本件が10月1日以降に起こったとすれば、この制度に報告すべき事例となりうるか。」でございます。

 まず、質問の1について、私のほうから回答いたします。これにつきましては、自治医科大学附属病院の遺伝子治療臨床研究審査委員会安全・効果評価・適応判定部会というところにおきまして、この有害事象に関しまして慎重な検討が行われております。

 同部会におきましては、まず術中・術後の経過は良好であり、問題となるべき事象は全く生じていなかったということ。また、病理解剖所見において死因を特定できる異常は確認できなかったが、パーキンソン病患者の死亡症例44件中4件において、本件と同様の入浴中の突然死を死因とする報告があること。また、頭蓋内にカニューレ挿入及びベクター注入に伴う器質的な病変は認められなかったこと。そして、ベクター注入の前後においても、肝機能及び心機能に有意な変化は生じていないこと。そういうことを確認して、本遺伝子治療と突然死との間には因果関係は認められないと判定がされております。

 また遺伝子治療臨床研究に関する審査委員会の委員におきましても、報告書の内容を御議論いただき、申請者の判断が妥当であるとの見解を得ているところでございます。

 1については以上です。

○神ノ田課長
 それでは、2点目の御質問に対して回答を申し上げます。

 この医療事故調査制度の対象となる医療事故に該当するかどうかという御質問でございますが、この医療事故調査制度の対象となる医療事故につきましては、医療法上定義がされてございます。ちょっとわかりにくい文章ですけれども、読み上げさせていただきます。

 「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産であって、当該管理者が当該死亡または死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるものをいう」と、そのように規定されております。

 整理しますと、まずは死亡または死産であったかどうかということと、提供した医療に起因し、または起因すると疑われるものであったかどうか、また予期しなかったものであったかどうか、そこら辺のところがポイントになってくるかと思いますけれども、今回の事例につきましては、先ほどの資料の中にもありましたとおり、遺伝子治療との因果関係はないという判断がされておりますので、この医療事故調査制度の対象とはならないのではないかと、そのように考えております。

 なお、この判断については、医療機関の管理者が行うということになっております。

 以上でございます。

○福井部会長
 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。岡野委員、どうぞ。

○岡野委員
 この治療を受けた44例中43人、どういうことがあったとおっしゃっていましたか。入浴時の血圧異常ですか。

○吉田研究企画官
 突然死の報告でございます。

○岡野委員
 それが何例中、何例でしたか。

○吉田研究企画官
 具体的には、パーキンソン病患者の死亡症例44件中4件、本件と同様の入浴中の突然死を死因とする報告があるということでございます。

○岡野委員
 これは治療の有無にかかわらず、これぐらい起きると考えてよろしいのでしょうかね。

○福井部会長
 そうですね。

○岡野委員
 そう解釈されたということですね。

○福井部会長
 どうぞ。

○山口委員
 専門ではないですけれども、専門委員として参加していただいている村田先生から、突然死は結構な頻度でパーキンソン病患者では起きるという追加の情報をいただいております。

○福井部会長
 花井委員、どうぞ。

○花井委員
 一般の患者の感覚で考えると、因果関係があるないというのは非常に難しい問題で、実は専門家の視点から言えば、今説明がされたようなお話で、一応因果関係はないと判断しているという結論はある種妥当な線なのかもしれないのですが、不明とか、限りなく因果関係は低いと考えるとか、いろいろな中間的な表現があって、医薬品の副作用などは特に完全な因果関係というのはなかなか難しい場合も結構あって、そのときにはいわゆる有害事象と副作用の違いというのは、専門用語では使い分けられているわけですけれども、その辺は一般的な感覚で言うとわかりにくい問題ではあると思います。

 今回も、ないと、これぐらいの表現でいいかどうかというのは先生方の意見ですが、少なくとも61ページの同意文書に今説明してもらった話があれば、なるほどなと私も聞いていて思う。この61ページの文章だけだったら、ないといわれても、もしかしたら不明じゃないのと疑惑を持ってしまうのですけれども、今言われたような説明があれば、なるほどな、そういうことかと、だから、ないとここに書いてあるのだなとわかるので、患者さんに対する説明というのは、相当これでもかなりの分量になっているわけだから、そのくらいは書き込んでもいいのではないか。

 そうすると、これは因果関係はないという判断の根拠が、素人でも今の説明は私が聞いてもなるほどと、一般的なパーキンソンでそういうことがあるから、今回、しかも剖検とかを踏まえて、ないと判断したのだなと。結構そうだなと思えるので、書き足すほうがいいのではないかと思いました。この書き方は不親切かなと思います。

○福井部会長
 入浴中にそれくらいの方が亡くなっていることを書き足したほうがいいということでしょうか。

○花井委員
 そのとおりです。今、まさに因果関係がないと判断した根拠が。これだと病理解剖だけですよね。そうすると、素人感覚で言えば、病理解剖だけだと、これは不明と言うべきではないかと突っ込むわけです。「不明」と「ない」は相当距離があるというのはよく議論になるのですけれども、今の説明があれば、ないとした根拠が明快かなと思いましたか。

○福井部会長
 いかがでしょうか。事務局のほうから。

○吉田研究企画官
 御指摘を踏まえまして、やり方として、この添付文書そのものに今言ったような情報を書き加えるか、あるいはこの添付文書を説明するときに、今先生が御指摘になったような情報もあわせてきちんと伝えるような形を徹底できるか、そういう方法をとるようなことを担当施設のほうに伝えたいと思っております。よろしいでしょうか。

○花井委員
 結構です。患者から言うと、死者が出ました、ああそうですか、因果関係はありません、これは一番疑う説明なので、そこはそうしていただければいいかと思います。

○福井部会長
 よろしいでしょうか。山口先生もよろしいでしょうか。

○山口委員
 正直申しまして、これは昨日までというか、先ほどまでやりとりをしておりましたので、花井委員のおっしゃるとおりに、それが伝わるようにしたほうが親切だと思います。

○福井部会長
 それでは、事務局からそのように連絡をとっていただくということでお願いいたします。

 ほかには何か御質問、御意見はございませんでしょうか。ないようでしたら、遺伝子治療臨床研究実施計画について、及び遺伝子治療臨床研究に関する実施施設からの報告については、本部会としては了解するということにいたします。ありがとうございます。

(非公開部分の議事概要については以下のとおり)
 議事:第一種再生医療等提供計画の再生医療等提供基準への適合性確認


 議事概要:以下の第一種再生医療等提供計画について、再生医療等提供基準に適合していることを確認した。

 ・再生医療等提供機関
   京都府立医科大学附属病院

 ・提供しようとする再生医療等の名称
   水疱性角膜症に対する培養角膜内皮細胞移植に関する臨床試験


(了)

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