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2015年7月30日 第15回がん検診のあり方に関する検討会(議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成27年7月30日(木)14:00〜16:00


○場所

航空会館 701〜702会議室(7階)
(東京都港区新橋1−18−1)


○議題

(1)乳がん検診及び胃がん検診について
(2)その他

○議事

○がん対策推進官 それでは、定刻より少し早いのですけれども、構成員の皆様おそろいになりましたので、ただいまより第15回「がん検診のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方ですが、本日は祖父江構成員から欠席との連絡をいただいております。

 次に、資料の確認をお願いいたします。

 1枚目が座席表です。その後に議事次第がありまして、資料1の裏面でございますが、1点修正がございまして、福田構成員の肩書きが「統括研究官」となっておりますが、本年4月より「医療・福祉サービス研究部部長」となっておりますので、修正させていただきます。大変失礼いたしました。

 資料2 がん検診のあり方に関する検討会中間報告書(案)

 資料3 乳がん検診及び胃がん検診に関するデータのまとめ

 参考資料1 有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン

 参考資料2 がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針

 参考資料3 乳がん検診及び子宮がん検診の見直しについて

 参考資料4 胃がん検診の見直しについて がん検診に関する検討会中間報告

 資料に不足、乱丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。よろしいでしょうか。

 以上をもちまして、カメラをおおさめいただきますよう、御協力のほどお願いいたします。

 それでは、この後の進行は大内座長にお願いいたします。

○大内座長 それでは、第15回の「がん検診のあり方に関する検討会」を開催したいと思います。議事次第にありますように、この議題に沿って進めてまいります。

 議題1「乳がん検診及び胃がん検診について」ですが、まず事務局から資料をもとに説明願います。

○事務局 それでは、事務局より資料の御説明をさせていただきます。

 まず、資料2をごらんいただけますでしょうか。こちらは「がん検診のあり方に関する検討会中間報告書(案)」ということで、乳がん検診及び胃がん検診の検診項目等についてまとめております。

 1ページの「はじめに」でございますが、まず1段目、がん検診の位置づけについて整理してございます。

 まず、がん検診は、昭和57年度から老人保健法に基づく医療等以外の保健事業ということで体制整備がされてまいりましたけれども、平成10年度から老人保健法に基づかない市町村事業と位置づけられ、また、平成20年度から健康増進法に基づく市町村事業と位置づけられております。

 また、2段目は、厚生労働省の取り組みについて御紹介しております。本日の参考資料2「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を発出し、科学的根拠に基づく正しいがん検診の実施を進めております。それ以外に、がん検診の受診率の向上のために、がん検診推進事業というのを平成21年度から実施しております。

 3段目は、現在、市町村で実施されているがん検診の実情・課題についてまとめております。現在、国の指針以外のがん種の検診を実施している、または、国の指針以外の検診項目を実施している市町村というのは、それぞれ1,000を超えております。また、検診受診率は依然40%と諸外国に比べて低いといった課題を書かせていただいております。こうした課題を踏まえまして、平成24年6月に閣議決定されました、がん対策推進基本計画の目標について記載してございます。

 本検討会におきましては、平成26年9月から乳がん検診、胃がん検診の検診項目について、参考人からの意見聴取も含めて計6回の検討会を行っております。これまでの検討結果を踏まえまして、とりまとめを以降に行っております。

 2ページ「乳がん検診の現状と課題」についてでございます。

 まず「1.現状について」でございますが、日本では近年、若年層での乳がんの罹患及び50歳以上の死亡が増加している傾向にあり、乳がんは若年層を含めた女性にとって重大な問題となっております。

 3つ目の○でございますが、平成16年度から乳がんにつきましては40歳以上の女性に対し視触診及び乳房エックス線検査、いわゆるマンモグラフィの併用による乳がん検診を2年に1度実施することとしております。

 先日行いました平成27年の厚生労働省の調査の速報値におきまして、乳がん検診は全市町村で実施されているという状況でございました。また、28.9%の市区町村が毎年受診機会を設けるとともに、受診勧奨を毎年実施している状況であること。また、31.9%の市区町村で乳房の超音波検査が実施されているという状況でございました。

 「2.乳がん検診の検診項目に関する検討」でございます。

 「1)マンモグラフィ」につきましては、2つ目の○にございますように、マンモグラフィによる検診体制の整備が十分にできていない状況を考慮して、マンモグラフィと視触診の併用による検診を推奨してきたところでございます。こちらは、マンモグラフィ緊急整備事業並びにマンモグラフィ撮影技師及び読影医師養成研修事業等によりまして、マンモグラフィ機器の整備、読影医師及び撮影技師の技術向上等を図ってきたところでございまして、現在マンモグラフィによる検診がほぼ全市区町村で実施されていることから、検診体制の基盤は整備されてきたということが言えるかと思います。

 また、マンモグラフィ単独による乳がん検診は、乳がんの死亡率減少効果があるという報告がございました。こういったことから、乳がん検診においてはマンモグラフィによる検診を原則とするということで書かせていただいております。

 「2)視触診」は、患者自身の自己触診、それから、臨床の場での乳がん発見の契機となることは少なくないという状況にありますが、視触診のそもそもの検診精度の問題点も指摘されているところでございます。また、欧米諸国におきましては、視触診を併用していない国が多く見受けられる状況であるということ、視触診についてはマンモグラフィによる検診体制の整備状況を踏まえると、必ずしも実施しなければいけないものでもないということを記載させていただいております。

 「3)超音波検査」でございますが、超音波につきましては高濃度乳腺が多い日本人女性におきましては、40歳代の検診においてがん発見率の低さや偽陽性率の高さといったことが指摘されておりまして、こういった方々に対し40歳代の女性を対象にマンモグラフィに超音波を併用する群と、マンモグラフィ単独群とのランダム化比較試験、いわゆるJ-STARTが実施されておりまして、このマンモグラフィの超音波の併用群はマンモグラフィ単独群に比べ感度及びがん発見率において、その有用性が示されたところでございます。また、これにつきましては、死亡率減少効果について引き続き検証を行っているところでございます。

 今後、超音波検査につきましては、対策型検診として導入される可能性がございまして、検査機器の仕様や読影技術、診断基準の標準化、評価体制や実施体制についても引き続き検証することとしております。

 「3.検診の対象年齢」でございますが、これまでどおり40歳以上とすることが妥当ということで記載しております。

 「4.検診間隔」におきましても、2年に1度とするということで記載しております。

 「5.乳がん検診項目に関する提言」といたしまして、検討会としては以下を提言するということでまとめさせていただいております。

 まず「1)検診方法」ですが、マンモグラフィによる検診を原則とする。

 2つ目に、視触診の実施に当たっては、マンモグラフィと併用して実施することとする。

 3つ目、超音波につきましては、死亡率減少効果や検診の実施体制等について引き続き検証していく必要があるとしております。

 こちらにつきましては今後、対策型検診として導入される可能性も踏まえて、引き続き検証していくということでございます。

 「2)対象年齢」は、これまでどおり40歳以上。

 「3)検診間隔」も、2年に1度とすると記載しております。

 5ページからは胃がん検診についてでございます。「胃がん検診の現状と課題」ということで、「1.現状について」を記載してございます。

 まず、胃がんは日本人において罹患の第1位、死亡の第2位でございまして、日本人にとっては重大な問題ではありますが、近年胃がんの年齢調整罹患率及び年齢調整死亡率というのは減少傾向にございます。

 また、胃がんのリスク要因として高塩分食、喫煙、ヘリコバクター・ピロリの感染等を記載しております。

 4つ目ですけれども、こちらも同じく先日行いました厚生労働省の調査におきまして、胃がん検診は99.8%の市区町村で実施されているという状況です。この中で20.4%の市区町村で胃内視鏡検査が実施されており、また、約6.0%の市区町村でヘリコバクター・ピロリ抗体検査及びペプシノゲン検査が実施されているという状況でございました。

 「2.胃がん検診の検診項目に関する検討」でございます。

 「1)胃部エックス線検査」につきましては、死亡率減少効果を示す相応なエビデンスがあるということで、対策型検診として実施することが適当とさせていただいております。

 「2)胃内視鏡検査」につきましては、出血、穿孔、ショック等の偶発症があるということも記載させていただいております。ただ、胃がん検診における内視鏡検査につきましては、従来の胃エックス線検査に比べ、感度が高い傾向があるということも記載しております。

 胃内視鏡検査における胃がん検診は、胃部エックス線検査に比べて費用がかかるほか、検査を実施する医師や医療機関の確保等が必要だという課題もございます。ただ、胃がん検診、内視鏡につきましては、胃がんの死亡率減少効果を示す相応な証拠が認められたため、対策型検診として実施することが適当と記載しております。

 ただし、胃部エックス線検査に比べまして、より重篤な偶発症が起こり得ることから、これに適切に対応できる体制が整備できないうちは実施すべきではないということも記載しております。こちらにつきましては、日本消化器がん検診学会で示される予定の胃内視鏡検査の安全管理を含めた体制整備に係るマニュアル等を参考としていただき、適切な体制整備のもとで実施されるべきと考えております。

 「3)ペプシノゲン検査」につきましては、現時点では死亡率減少効果を検討した研究はあるものの、まだエビデンスが十分ではないということで、さらなる検証が必要としております。

 「4)ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」につきましても、死亡率減少効果を示すエビデンスがないため、さらなる検証が必要とさせていただいております。また、こちらにつきましては抗体価の判定基準についても、さらなる知見の収集が必要であると記載しております。

 「5)ペプシノゲン検査及びヘリコバクター・ピロリ抗体検査の併用」につきましては、胃がんリスクの評価による検診というのは、リスクの層別化ができることでリスクに応じた検診が提供できる有用な検査方法となる可能性はあります。ただ、現時点では死亡率減少効果を示すエビデンスが十分ではないということで、さらなる検証が必要としております。こちらも先ほど同様、抗体価の判定基準についても、さらなる知見の収集が必要とさせていただいています。

 また、これらの検査により胃がんのリスクを層別化することで医師の確保等、検診の供給体制が不十分な地域においても、効率的な検診の実施が期待されることから、今後引き続き検証が必要としております。

 続きまして「3.検診の対象年齢」でございますが、現在40歳以上の逐年検診としております。

 ヘリコバクター・ピロリの感染率が、1992年の報告におきましては4049歳で約80%という状況にありましたが、近年40歳代で感染率は50%以下になっているという状況、感染率が各年代において減少傾向にあるという状況も踏まえまして、事務局の案といたしましては、胃部エックス線検査、胃内視鏡検査ともに50歳以上とすることを提案しております。

 「4.検診間隔」でございますが、胃部エックス線検査による検診については1〜3年以内の受診歴がある場合、約60%の有意な死亡率減少効果が認められたという研究がございます。

 内視鏡検査につきましては、3年以内の受診歴がある場合に約30%の有意な死亡率減少効果が認められたという研究がございます。

 これらの科学的根拠に基づきまして、案といたしましては胃部エックス線検査は逐年実施、胃内視鏡検査は隔年実施としております。ただし、精度管理や検診の供給体制など市区町村の実施体制等に応じ、検診間隔をどちらかに合わせて実施しても差し支えないというような文言もつけ加えております。

 「5.実務上の課題」でございますが、胃がん検診における胃内視鏡検査につきましては、検査を実施する医師や医療機関の確保、偶発症対策を含めた検診体制の整備等において、検診を実施するのに適切な体制の構築が必要でございます。こういった課題を記載しております。

 以上の検討を踏まえまして、「6.胃がん検診項目に関する提言」ということで検討会としての提言を記載しております。

 まず、「1)検診方法」でございますが、胃部エックス線検査もしくは胃内視鏡検査とする。

 2つ目に、ペプシノゲン検査及びヘリコバクター・ピロリ抗体検査については、胃部エックス線検査や胃内視鏡検査と組み合わせた検診方法の構築や、死亡率減少効果等について引き続き検証を行っていく必要があるとしております。

 また、「2)対象年齢」でございますが、原則として50歳以上とする。

 「3)検診間隔」につきましては、胃部エックス線検査は1年に1度、胃内視鏡検査は2年に1度とする。ただし、市区町村の実施体制等に応じ、検診間隔を合わせて実施しても差し支えないということでまとめております。

 以降は御参照いただければと思います。

 9ページ、先ほどの福田構成員の肩書きについて、後ほど訂正させていただきます。

 あわせまして、資料3も説明させていただきます。

 資料3につきましては、今回議論をするに当たって必要と思われる、乳がん検診及び胃がん検診に関するデータをまとめております。1ページの下の段につきましては、乳がん検診のこれまでの経緯や検診項目の推移、こういった形で変わってきたというところをまとめております。

 平成16年から40歳以上、2年に1回ということで、問診、視診、触診、乳房エックス線検査による検診を現在の指針の中で位置づけてございます。

 2ページでございますが、これは市区町村における乳がん検診の受診者数等について、平成25年度地域保健・健康増進事業報告より作成しております。一番上の総数は、がん対策推進基本計画で受診率の算定を69歳までとしたことから、4069歳までの総数とさせていただいております。乳がんにつきましては、要精検率というのは若いほど高いという状況にございます。

 下の段ですけれども、乳がんの年齢調整罹患率の最新のデータをお示ししております。ごらんいただきますと、乳がんは年々増加傾向にあるという状況でございます。

 3ページ上の段は、乳がんの年齢調整死亡率でございます。こちらも年々増加傾向にあるという状況です。

 下の段は、乳がんの年齢階級別罹患率を記しております。大体10年ごとの罹患率をお示ししておりますが、4044歳におきましては、2011年の最新のデータでは、急に傾きが上がっているという状況でございます。

 4ページは、乳がんの年齢階級別の死亡率をお示ししたものです。死亡率につきましては50歳代から、過去に比べると山が高くなっているような状況でございます。

 下の段でございますが、胃がん検診の歩みについてお示ししております。胃がん検診につきましては、現在40歳以上、年1回で、検診項目は問診及び胃部エックス線検査としているところをまとめております。

 5ページは、同様に平成25年度地域保健・健康増進事業報告より胃がん検診の受診率等についてまとめております。こちらは乳がんと違いまして、要精検率は年齢が上がるほど高いという状況にございます。こちらも同じように4069歳までの総数となっております。

 下の段でございますが、胃がんの年齢調整罹患率は年々減少傾向にあるという状況でございます。

 6ページの上の段、胃がんの年齢調整死亡率につきましても、年々減少傾向にあるという状況でございます。

 下の段は、胃がんの年齢階級別罹患率をお示ししております。4044歳をごらんいただきますと、1990年に比べると2011年というのは半分以下の数字になっている状況でございます。

 7ページは、胃がんの年齢階級別死亡率をお示ししておりまして、こちらも4044歳をごらんいただきますと、1990年に比べ2013年では3分の1から4分の1ぐらいの数字になっているという状況でございます。

 以上、乳がん、胃がんのデータのまとめと中間報告について御説明いたしました。

○大内座長 御説明ありがとうございました。

 資料2、本検討会の中間報告書(案)ということでお示しいただきました。このとりまとめを行うに当たりまして、皆様から意見をいただきたいと思っております。

 最初に「はじめに」のところですけれども、特に御質問等ございますか。

 よろしければ、各論的に2ページの乳がん検診について議論を開始したいと思います。

 「1.現状について」は、このとおりでよろしいでしょうか。

 「2.乳がん検診の検診項目に関する検討」は、過去の経緯についても記載されているところです。マンモグラフィ、視触診、超音波検査の3項目についてまとめられております。9ページにありますように、本検討会では第9回から本日で7回になりますが、乳がん検診と胃がん検診について検討してまいりましたので、そのとりまとめがこのように記載されていることになります。2ページから3ページの中段まで、特にマンモグラフィ検診の位置づけ、3ページの上段の2つ目の「乳がん検診においては、マンモグラフィ検診を原則とする」という記載について、よろしいでしょうか。基本的な考え方として皆さん同意でしょうか。

 では、視触診についてですが、3点にまとめられています。今日の参考資料3に、平成16年3月のこの検討会の前身に当たります「がん検診に関する検討会」の乳がん検診及び子宮がん検診の見直しについての報告書がございます。おめくりいただきまして、乳がん検診についてとりまとめているところを、まず確認していただきたいと思います。

16ページに「提言」がございます。「1 検診の見直しについて」「()乳がん検診」の検診方法として「マンモグラフィによる検診を原則とする。年齢による乳腺密度やマンモグラフィによる検診体制の整備状況を考慮して、当分の間は視触診も併せて実施することとする」ということでとりまとめられた経緯がございます。

 この「当分の間は視触診も併せて実施することとする」とうたわれました理由は、先ほど事務局からも説明がありましたように、今回の報告書の2ページの下の○に記載があるとおりで、マンモグラフィによる検診体制の整備が不十分であったことが考慮されたと。実は平成16年度の検討会の報告をもって、平成17年度、平成18年度の2か年にわたりまして、マンモグラフィ緊急整備事業が国の主導で展開されております。それから10年経過しています。全国的にマンモグラフィによる検診が実施可能となっていると。したがいまして、マンモグラフィによる検診体制の基盤は整備されてきたと言えるということでございますが、よろしいでしょうか。

 こういった背景がございますので、その点も御理解の上、進めていただきたいと思います。

 視触診についての書き方ですけれども、○が3つございますが、マンモグラフィによる検診体制の整備状況を踏まえると、必ずしも実施しなければいけないものではないという記載になっております。

 超音波検査につきましても、平成16年度には提言の中で引き続き調査研究を進める必要があるとありました。それを受けて、超音波とマンモグラフィを併用した群とマンモグラフィ単独群との間でランダム化比較試験が実施されているところでございます。そのプライマリーエンドポイントについては、先日、祖父江構成員から報告されたとおりでして、その点が3ページの欄外に4番の注釈として書いてあるとおりです。介入群と非介入群における感度、がん発見率についての記載がございます。ただし、まだ死亡率減少効果を見た研究まではいっていないということですので、引き続き検証を行っているところであるという書きぶりでございます。

 乳房の超音波検査については、今後、対策型検診に導入される可能性があり、検査機器の仕様や検査方法、統計技術や診断基準の標準化等、引き続き検討していく必要があるということがとりまとめになるかと思いますが、この点についてはよろしいでしょうか。

 乳がん検診の対象年齢は、引き続き40歳以上とすることが妥当であると。この点もよろしいかと思いますが、いいですか。

 検診間隔につきましても2年に1度とするということで、先ほど資料3の乳がんの罹患状況、死亡率の状況、最新のデータを示されましたけれども、かなり若年層で増えているということです。特に40歳代から急激に増えておりますので、この点も踏まえての記載になっているかと思います。

 本題の提言に移りますが、4ページです。ここは皆さんから御議論をいただきたいと思います。まず、第1点の検診方法。1つ目が「マンモグラフィによる検診を原則とする」、この点についてはよろしいですね。

 2つ目ですが、「視触診については必須ではないが、実施に当たってはマンモグラフィと併用して実施することとする」という文言については、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○菅野構成員 ニュアンスの問題なのですが、「必須ではないが、実施に当たっては」とするよりは、「実施する場合は」と、もう少しトーンを落としてもいいかなと思ったのですが。

○大内座長 推奨グレード的には落とすというニュアンスでしょうか。

○菅野構成員 科学的根拠には少し薄い面があるということで、「実施に当たっては」と言うとちょっと前向きな感じも受けるので、「実施する場合は」と。

○大内座長 よろしいですか。

 斎藤構成員どうぞ。

○斎藤構成員 今の御指摘と同じことなのですけれども、もう少し詳しく根拠を言いますと、視触診に関するエビデンスは有効性が認められないということがまずあります。それから、先ほどまとめにありました精度管理の問題があって、さらには前回の検討会の折には、マンモグラフィの体制整備がまだ現状とは全然違ってなされていなかったと。それで今に至っているわけで、そうしますと科学的根拠の面、それから、精度管理という問題がある。そして、体制は整備されたということを勘案すると、やはり視触診を併用する根拠が平成16年当時からは明らかに後退している。そもそも平成16年の検討会のときも、科学的根拠についてはマンモグラフィだという結論だったと思いますが、そういうことからすると、少し明確に文言を整理しておいたほうがいいかなと思います。

 同じことで恐縮なのですが、視触診については「必須ではないが」と言うと、視触診を行うことが前提で、しかし、必ずしもその限りではないというふうに読めるわけで、一義的に解釈できないと思いますので、もう少し限定的に、今申し述べたような背景をきちんと反映できるような文言にしたほうがいいと思います。一案としては、もし、やるとすればという提案でしたが、基本的には賛成です。細かい文言については、言葉というのは大事ですので、よくよく練ったほうがいいかなという気はします。

○大内座長 どうぞ。

○福田構成員 私も斎藤構成員の御意見に賛成で、そういう意味ではちょっと過ぎてしまいましたが、3ページの「4.検診間隔」のところも、多分前回と同じだと思いますが、「わが国において、視触診とマンモグラフィによる併用検診の適正な受診間隔」というのも併用が前提に書かれている気がするので、少し書き方を変えたほうがいいのではないかと思います。

○大内座長 貴重な御指摘ありがとうございました。

 3名の構成員の御意見からしますと、視触診の書きぶりについてはもう少し推奨グレードを下げるといいますか、具体的には、これだと視触診を前面に出しているように見えますので、また、今、斎藤構成員が言われたように、視触診についての死亡率減少効果のエビデンスはないということも考えますと、表現を改めるべきではないかということですが、そのような方向でよろしいでしょうか。文言については、ここで一気に全文を変えるのは困難かと思いますので、もしよろしければ座長預かりとさせていただいて検討させていただいて、皆さんにも御意見をいただきながら提示させていただくということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大内座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○菅野構成員 文言修正の際、前回は「当分の間、視触診も併せて」とあったのが、私が何度も言っていますように、視触診だけというのもOKとしているように読めたのが、ここでは「マンモグラフィと併用して」と誤解のないように変わっていますので、文言修正の際この点は尊重したままお願いしたいと思います。

○大内座長 実施する場合にはマンモグラフィと併用をマストとするというような書きぶりにするということですね。これも皆さん同意かと思います。では、そのようにさせていただきます。

 3つ目の○ですが、超音波検査についての記載ですけれども、原案では「高濃度乳腺における感度及びがん発見率において、その有用性が示されており、対策型検診として導入される可能性があり、死亡率減少効果や検診の実施体制等について、引き続き検証していく必要がある」ということになっています。

 一方で、最初に説明がありましたように、今の乳がん検診の日本における現状、2ページの中ほどに書いてありますが、平成27年の厚生労働省の調査によると、31.9%の市区町村で乳房超音波検査が実施されていたと。既に約3分の1弱の市区町村で実施されているという状況もあります。この書きぶりについてはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○松田構成員 今の超音波検査についてですが、これはJ-STARTを念頭に置いたものなので、40歳代ということと、マンモグラフィ併用ということがわかるような表現にしたほうがいいのかなと思います。ですから、50歳以上を対象にしたものではないということと、超音波単独でもないということがわかるような文言にしておいたほうがいいかなと思います。

○大内座長 いかがでしょうか。

○斎藤構成員 これは、J-STARTの結果が間もなくオープンになるのだと思いますが、いずれにしろ内容は3ページの下段に示されているような概要です。これは最終的な指標の死亡率を下げたという証拠よりはまだ手前です。その死亡率減少についての証拠がいつ得られるかというのは、J-STARTに関しても見通しがあるわけではないのですが、少なくともJ-STARTの中で引き続いて行われるであろう超音波の上乗せによる実際のアドバンテージの上乗せがどのくらいかというような検討とか、たくさん課題があって、恐らく続々とそういうものが出るのではないかと思います。そういった間接的な証拠を見ないうちに拙速にこの導入を考えるというのは、この検討会の基本的な原則と相反するところがありますので、そこは慎重であるべきだと思います。このことに関しては、前回か前々回にも言及したのですが、近い将来の導入に向けて検討するというのはまさにそのとおりですが、現状で導入するというものではないと私は考えています。

○大内座長 松田構成員からのマンモとの併用、40歳代という書きぶりについて、追加すべきかどうか、考えるに、高濃度乳腺というのがマンモグラフィでないとわからないわけです。マンモグラフィ上の高濃度乳腺ですから、マンモグラフィと併用することが前提での書きぶりです。高濃度乳腺(デンスブレスト)はどの年代に多いかというと、やはり40歳代で、全体的に40歳代は6〜7割ぐらいです。50歳代が若干増えてきていまして、4割を超えるかもしれません。その辺は、ここに40歳代と書くことが果たしていいのかどうか。J-STARTにだけ特化したような書き方になってしまうので、なかなか難しいなと思っています。

 世界的な流れからいいますと、やはりマンモグラフィ上のデンスブレスト対策というのが今喫緊の課題でして、今アメリカでも50州のうち約半数の州でいわゆるデンスブレスト告知法案、マンモ検診におけるデンシティーについて医師が受診者に告げなければいけないという法律ができていまして、それが世界的な流れになっています。ですから、それを念頭にこのように、いわゆるマンモグラフィ上の高濃度乳腺を背景に書いておくというのがここにありまして、松田構成員の御質問には一応マンモと40歳代というのがほとんど重なっているという解釈だったのですが、やはりきちんと書くべきでしょうか。

○松田構成員 例えば、施設の中の検診であればマンモグラフィの結果を見ながら、これはデンスブレストなので超音波を併用ということは可能かと思います。しかし、車検診では、最近はデジタルが多くなってきたのでデンスブレストかどうかわかるケースは多々あるかとは思いますが、その時点でデンスブレストかどうか判定ができなくて超音波を併用しないといけないかどうか必ずしも判断できないのではないかと思うんです。実際問題として。そうすると、どういうケースで超音波を併用するかをあらかじめ決めるとなれば年齢しかないのかなという意味合いで申し上げたわけです。

○大内座長 わかりました。ただ、最初のところにマンモグラフィの検診を原則とするとありますので、これがファーストであって、超音波検査については世界的な流れを見ても、いろいろな期待価はあるのですが、あくまでもいわゆるマンモグラフィの弱点を補うようなアジャンクティブ(adjunctive)という言葉を使う傾向にありまして、マンモグラフィを原則として、高濃度乳房に対する超音波検査という位置づけで今、研究が進められているという状況はございます。そういうことがわかるような、先生がおっしゃるようにマンモグラフィと併用して行うということが見える形での書きぶりに改めるということでよろしいでしょうか。これも座長預かりとさせていただいて、文言修正させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大内座長 ありがとうございます。

 対象年齢は40歳以上とする。検診間隔は2年に1度とする、これはよろしいでしょうか。

 どうぞ。

○道永構成員 参考資料3の検診対象年齢のところで、「30歳代の視触診単独による検診及び超音波による検診については、今後引き続き調査・研究を進める必要がある」という表現があります。今回、今見ましたが、中にも特に30歳代のことには言及していません。そのままでいいのでしょうか。恐らく超音波という言葉が入っているのでJ-STARTのほうには入っていると思っていますが、一言入れておかなくてよろしいのでしょうか。30歳代のことが何も表現がないのがちょっと気になりました。

○大内座長 道永構成員の御指摘のとおりでして、平成16年3月の見直しのときには、ここまで子宮頸がんと乳がん検診については特例措置で30歳代が入っていたのです。このときの議論は、乳がん検診と子宮頸がん検診の両方を見直していまして、子宮頸がんは20歳まで年齢を下げたので問題にならなくなって、一方で、乳がん検診については40歳以上にする、これは国際標準に合わせようということになったのですが、そのときに30歳代についての書き込みが必要であるという判断のもとにされたものです。特例措置は、既にこの時点からなくなってしまっていますので、そういった経緯がございまして今回は特に30歳代についての書き込みはしていませんでした。どうしましょうか。

 今でもその名残があって、30歳代の乳がん検診をされている市区町村が確かにあると思います。それも問題であって、乳がん検診を30歳代で行うというのは、確かにトライアルベースではイギリスなどでもあるのですけれども、それも39歳とか年齢がかなり上がっています。資料3の乳がんの年齢階級別罹患率をごらんいただくと、35歳から急激に上がってきていることは確かです。ただし、40歳代ほどではないということで悩ましいのですけれども、実はこんなに罹患率が高いのではないかということであれば、もう少し踏み込んでもらってもいいのですが、まずマンモグラフィというのがスタンダードだとすると、30歳代というのは非常に高濃度乳腺が多いので、それこそ超音波検査の有効性が確定的になれば、その後で検討できますけれども、今回は30歳代についてはなかなか書き込めないというのがあります。

 いかがしましょうか。よろしいですか。

○道永構成員 はい。

○大内座長 ありがとうございます。

 それでは、先ほどの議論を踏まえまして、一部修正をさせていただくということにしたいと思います。

 では、胃がん検診について議論を深めたいと思います。

 まず、「1.現状について」ですけれども、この文言等について御意見ありますでしょうか。

 それから「2.胃がん検診の検診項目に関する検討」ということで、今回は胃部エックス線検査に加えて胃内視鏡検査、今回新たなデータが検討されております。前回をもう一度振り返っていただいて、参考資料4が平成19年6月にまとめられました「胃がん検診の見直しについて」でございます。11ページに提言がございまして、このときは検査方法として「胃エックス線によるものとする。ただし、胃内視鏡検査については、がん検診における有効性を評価するために、死亡率減少効果という観点から、研究を行い、データを集める必要がある」。まさに、この件が今回データを集めて検証されてきたということになります。

 今回は、この点について踏み込んで修正できるという判断になります。ですので、6ページの2つ目「胃内視鏡検査による胃がん検診は、胃がんの死亡率減少効果を示す相応な証拠が認められたため、対策型検診として実施することが適当である」という書き方になっています。ただ、その上段にありますように、検査を実施する医師や医療機関の確保等についての問題点、それから、偶発症に対する対応、体制整備についての書き込みがございます。よろしいでしょうか。

○菅野構成員 今の偶発症の記述なのですが、最近の胃がん検診を見ていると、割と高齢化による誤嚥とか、マンモのほうに書いてあることを考えると、多分胃がんのほうが被曝量などは多いと思うので、その記述がないというのは少しバランスを欠くかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○大内座長 被曝についての記載は確かにないですね。そもそもこの検討会で被曝についての議論がなかったということですね。データとしては多分とれると思いますが、今の菅野構成員の御意見をいただくと、偶発症のところに書き入れる可能性はありますね。では、検討してみます。よろしいですか。

○斎藤構成員 今の被曝のことについて1つコメントしておきたいと思います。最近、被曝のデータが言及され昔よりもっと多いではないかという指摘があります。放射線医学総合研究所のホームページに載っているデータが元になっているようですが、それは臨床上の診断のための検査についての測定です。それを検診のデータとして引用しているようです。そういう意味ではもし入れるのであれば、そこを明示したほうがいいかもしれないです。

○大内座長 文言を入れる場合には、その文献も追記するということでよろしいですね。

 リスク層別化にかかわるペプシノゲンあるいはヘリコバクター・ピロリ抗体検査に関する記載は、本検討会でも参考人の方にも説明いただいて、消化がん検診学会からの意見等もいただいてきたところですが、このようにペプシノゲン検査についての記載、ピロリ抗体検査についての記載、組み合わせた場合の胃がんリスク評価による検診についての記載は、非常に有用な検査法となり得る可能性があるということです。しかしながら、現時点では死亡率減少効果を示すエビデンスが十分でないため、さらなる検証が必要であるといった記載の仕方ですけれども、いかがでしょうか。

 一応、この記載を踏まえながら提言まで進んでいきたいと思いますけれども、提言のところでまた見直しを図ります。

 7ページの「3.検診の対象年齢」が今回の非常に大きなポイントになりまして、1つ目にありますように、「胃がんの死亡率減少効果を認めているのは40歳以上の逐年検診であるが、近年胃がんの罹患率、死亡率は減少傾向にあり」と、先ほどデータに示されたとおりでして、「1990年に比べ、直近のデータでは4049歳の胃がん罹患率は男女ともに約半数、胃がん死亡率は男女ともに約1/6に減少している」といった背景がございます。

 2番目に、胃がんのリスク要因であるヘリコバクター・ピロリの感染率についても近年減少しているという記載がございます。

 このような状況を踏まえて、胃がん検診対象年齢において50歳以上とすることが考えられるとなっています。これは大きな変化になるかと思います。後で提言のところでもう一度議論しますが、よろしいでしょうか。

 「4.検診間隔」については、科学的検証としての胃部エックス線検査による検診間隔については12番の研究、1995年の日本消化器病学会雑誌にある評価の中で、隔年検診のデータがあるという記載です。ただし、隔年検診でいいとする確たるデータが多いわけではないと。この点についていかがですか。特に内視鏡検査については参考人からもいただいたように、3年以内の受診歴がある場合には有意であるといったデータが出されました。ですので、内視鏡検査を導入する場合には、2年に1回というのは理論的に合うのですが、エックス線検査について逐年なのか隔年なのかということが今回の大きなテーマになるかと思います。

 斎藤構成員、いかがですか。

○斎藤構成員 実は、エックス線も内視鏡も間隔については、それほどはっきり言えるデータがあるわけではないのですが、内視鏡については韓国のデータなどを見ますと、年代によっては、3年あるいは4年のところもかなりはっきり差が出ていたりするというデータがあります。

 それから、エックス線については、今の12番の論文では3年まで差が出ています。1年、2年に関しては99%信頼区間が1以下になっていて、3年については95%ということですが、そういう解釈でいいと思います。ただ、単一の研究なので十分な根拠というわけではない。それに、3年以内に1度でも有効性ありという、これは検診間隔に直結するエビデンスにはなりませんが、ほかの複数の研究と抱き合わせで総合して考えると、1年はかたいところで、2年以上でもあるのではないかという判断はできると思います。

 それと、今はエビデンスの話ですが、もう一つ検診間隔を判断するときには、従前よりも、推奨は利益・不利益バランス、特に不利益を余計に考えるようになっているわけです。そうしますと、ここにも記述がありますが、この間の非常に顕著な死亡率・罹患率の減少ということで、その有効性が平成16年のガイドライン当時に比べると相当減っていると。実際、計算上では1人助けるために必要な人数というのが、当時40歳で計算された値が、最新のデータでは5055歳ぐらいに相当するということもありますので、そういう推奨の方法も変わってきていまして、利益・不利益バランスを考えると、より不利益の小さい隔年という判断はできると思います。

○大内座長 胃部エックス線検査についても、隔年という考え方も可能だという御意見です。後ほど提言のところで、もう一度議論させていただきます。

 どうぞ。

○福田構成員 気になるのが「ただし」以下の「市区町村の実施体制等に応じ、検診間隔を合わせて実施しても差し支えない」という部分で、現実にはそういう面があると思うのですが、この文言だけですとどちらに合わせろと言っているわけではないので、どちらでもいいととられる。つまり、エックス線を隔年でもいいし、内視鏡を毎年でもいいと読めるような気がします。実際にはそうではないのだと思いますので、どちらかというと私もここでの議論を聞いている限りでは今、斎藤構成員がおっしゃったとおり、合わせると言ったらエックス線を隔年でと理解していたので、この書き方はいかがなものかと思います。

○大内座長 提言にまでいきましたね。その前に「5.実務上の課題」が7ページの下にありますけれども、これは胃内視鏡検査の要件について、もう少し体制の構築が必要であるという点についてはよろしいですね。

 そうであれば提言のほうで、今、福田構成員、斎藤構成員が指摘されましたが。

○井上構成員 そちらに移る前に7ページで、何となく気になる文言があって、もし可能であれば修正していただきたいのが、「3.検診の対象年齢」の3行目、胃がん罹患率が約半数となっていて、胃がん死亡率は男女ともに約1/6ということで、罹患率というのは半数という数のとらえ方だと微妙にニュアンスが異なるので、ここはできれば「約半減」とか「2分の1に減少」とか、そういう言い回しに変えていただくと気持ち悪くなくなるのですけれども。

 あと、これは我々プロが見るというよりも、ひょっとしたら検診間隔の約60%の有意な死亡率減少効果とか、約30%の有意な死亡率減少効果という意味がうまくとれないかもしれない。前に全く知らない人に御説明したときに、結局どっちが余分に減っているのかよくわからないという指摘を何度か受けたことがあって、この話は間違いないと思うのですけれども、一般プラスアルファの方がわかるような言い回しにうまく変えられないかなと思いました。

○大内座長 文言の修正ですね。確かに、これはわかりにくいですね。胃がん罹患率が約半数、これは半減ですね。統一的に書くことと、死亡率減少効果の記載の仕方も少しわかりやすくということでよろしいですか。

 どうぞ。

○斎藤構成員 これに関しては、相対リスクと絶対リスクのどっちで示すかというのがあるのですが、実はこれは市民の中で一体どっちが情報として適切なのかというのはなかなかわからないんです。いろいろ聞いてみると、リテラシーが高い人は絶対リスクのほうが通りがいいみたいなのですけれども、必ずしもそうではなくて、例えば相対リスクを使うと、受けない人に比べて受けた人では60%リスクが低下するという言い方になると思うのですが、そういう相対リスクのほうがわかりいいと言う人もいるんです。いずれにしろ、文言を相対リスクで教えるのであれば、「受けない場合に比べて受けた場合は」というふうな言葉を入れるとか、今の井上構成員の御指摘は多分、絶対リスクにしろという意味ではないと思いますが、いずれにしろ、わかりやすいようにということだと思います。

○井上構成員 マイナスの方向にいくので、わからなくなるんです。

○大内座長 相対リスクが60%減少するのだという書きぶりですね。

 どうぞ。

○道永構成員 文言のことで申し訳ないのですけれども、今の「3.検診の対象年齢」のところです。「4049歳」という言葉が2つ出てきますが、これを全部見ますと「40歳代」というので統一していますので、そうすると「ヘリコバクター・ピロリの感染率は、1992年の報告において、40歳代で約80%であったが、近年、40歳代で感染率は50%以下になっており」と。ここだけ「4049歳」になっていますが、「40歳代」と同じですよね。すごく読みにくかったです。

○大内座長 これも文言の修正ですね。よろしいでしょうか。ほかにはいいですか。

 それでは提言に移ります。

 「1)検診方法」として「胃部エックス線検査若しくは胃内視鏡検査とする」。これは、胃内視鏡検査についての根拠が示されてきたということで、今回指針の中に盛り込むことになるわけですけれども、先ほど来指摘されているように、医師あるいは設備の問題、それから、集団検診にも胃内視鏡検査がすぐにフィットするわけではないということもあって、どちらでもいいという書き方なのですが、松田構成員いかがですか。

○松田構成員 今、先生御指摘のとおりで、内視鏡検診は施設の検診、個別検診という形では可能だと思いますが、従来もっと数がたくさん行われている集団検診という形で内視鏡を行うのは現実的にはまず不可能なので、これは併記という形。また内視鏡を必ずしも受けたくない人たちもいるので、そうするとエックス線というのは残しておくという形が妥当だと思います。

○大内座長 よろしいでしょうか。

 2番目「ペプシノゲン検査及びヘリコバクター・ピロリ抗体検査については、胃がんのリスク層別化ができることで、リスクに応じた検診が提供でき、検診の対象者の絞り込みにおいても、有用な方法となりうるが、死亡率減少効果のエビデンスが十分ではないため、胃部エックス線検査や胃内視鏡検査と組み合わせた検診方法の構築や死亡率減少効果等について、引き続き検証を行っていく必要がある」と、かなり長い文章になっていますけれども、平成19年のときの書きぶりにかなり似ているのですが、このときは内視鏡検査について検証を行う必要があるということだったのですが、今回はリスク層別化について、少し前向きに検討しましょうと。有用である可能性が高いという書きぶり、一方では、いわゆるがん検診の標準的な方法としては、科学的根拠、死亡率減少効果のエビデンスがまだ出ていないということで、このように記載されています。この点についていかがでしょうか。

 どうぞ。

○菅野構成員 こちらはJ-STARTのように国家的プロジェクトとしてちゃんと検証が回っているというわけでもないと思うので、検証を行っていく前に倫理的配慮のもとに引き続き検証を行っていく必要があるというような一言文言を入れたほうが、現状行われている市町村で、いわゆるやりっ放し検診というものは、あくまできちんとした倫理的配慮のもとに将来の国のエビデンスのためになるというような書きぶりになってはどうかと思ったのですが。

○大内座長 倫理的配慮のもとにというのは研究を前提にしていますね。これは臨床試験もこれから検討される可能性はもちろん高いわけですから、そういったことも含めてという意味でしょうか。

 どうぞ。

○斎藤構成員 今の菅野構成員の意図は、2〜3回以前の会で御指摘があったと思います。そのときの内容は、自治体が税金を使って施策としてやる検診の方法に科学的根拠がないというのは倫理的ではないだろうという趣旨だったと思います。ですから、研究としてやるべきで、研究上倫理を全うすべきという意味ではなくて、そういう提案なのだと思いますけれども。

○大内座長 事務局のほうで何かありますか。

○がん対策推進官 倫理的配慮という御提案が今あったのですけれども、例えば、エビデンスの収集に向け引き続き検証していくとか、それぐらいの文言でいかがでしょうかと思ったのですけれども、座長と御相談させていただきますが。

○大内座長 菅野構成員よろしいですか。

○菅野構成員 エビデンスの収集に向け、当然、倫理的配慮がされた前提なのだとは思いますが、現状いろいろな自治体で結局胃がんのバリウムの体制がとれないから、ABCのほうにいってしまおうと、血液の検査で簡単にやれるのでというような自治体が多い中では、やはりやりっ放しが多いので、そのところをもう少し、斎藤構成員が言っていただいたように、公費を投入してわざわざ自治体がそれを選択するのであれば、きちんとした住民への倫理的な配慮のもとにエビデンスを蓄積するというふうに読めるといいなと思うのですけれども。

○大内座長 それでは、ただいまの菅野構成員の提言につきましては、私のほうで預からせていただいて事務局と協議した上で、後で案をお示ししたいと思います。よろしいでしょうか。では、このペプシノゲン、ピロリ抗体検査の書きぶりについては修正を行うということでよろしいですね。

 「2)対象年齢」ですが、先ほど来データが示されていますように、原則として50歳以上とするということで、かなり踏み込んだ中身になっています。胃がんの最近の罹患率の動向、死亡率の動向も含めて検討されてきた経緯から、このような結論としたいという案ですが、いかがでしょうか。ただ、これは次の検診間隔も含めて議論しないといけないと思っていまして、現状40歳以上で胃部エックス線検査が逐年で行われているという背景がございまして、それを50歳以上とするとしたときの検診間隔についての議論で、しかも、今回胃がんについては胃内視鏡検査がいわゆる対策型検診として入ることを考えるに、どの辺がより理にかなったものかということです。

 この検診間隔については、案としては胃部エックス線検査を1年に1度、胃内視鏡検査を2年に1度ということで混在していまして、ただし、市区町村の実施体制に応じて合わせても差し支えない。先ほど福田構成員からも指摘されたとおり、これはおかしいのではないかという御意見もありました。斎藤構成員からは、胃部エックス線検査についても複数年間隔でもいいという、データ的にそう多くはないのですけれども、そういうデータがあるという指摘もあります。ですので、年齢と検診間隔とを一緒に議論したいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○菅野構成員 4点あります。やはり逐年ですと不利益が起こりやすいということは先ほど言っていただいたとおり。

 2点目は、前回のがん検診に関する検討会中間報告の9〜10ページあたりでも、もう既に2〜3年は持続するとか、今回は逐年とするけれども、間隔は隔年でもいいのではないかということが織り込まれていたと。現在わかってきている内容でも、隔年でも大丈夫ということがだんだん見えてきたということ。

 それから、受診率の計算をどうするのかという点です。逐年と隔年ですと、どう計算するのかかなり技術的に難しい点もあろうかと思います。

 それから最大は、自治体の立場からすると実施の体制という点です。おのずとこういう書き方になりますと、1年に1回やるところがサービスがいい自治体で、2年に1回のところはサービスが低下したととらえられるわけですが、我々としては今回、不利益と利益のバランスからして、やはり科学的根拠に基づく検討会として出す中身ですので、そういう意味では2年に1回とエックス線も含めて統一してはどうかと。その中で例外として毎年やるところがあるならと思うのですけれども、文言としてエックス線は原則として逐年というのはいかがなものかと思います。

○大内座長 大変的確な御指摘ありがとうございました。

 不利益についてを考えれば隔年でいいだろうと。次に、今までの検討会の議事録等にも隔年ということが何度も指摘されているところであると。それから、受診率の計算はがん対策基本計画の中で50%以上、その達成はなかなか困難であるということが既に言われていまして、胃がん検診受診率の目標は当面40%となっていますが、要はどのような受診率計算をするかと。同じ胃がん検診の中で二通りの検診間隔を設けることは混乱を招くのではないか。何よりもこれを自治体に預けてしまうような形になってしまいますので、この点について今、菅野構成員から実施体制も含めた上で自治体としては、これでは困るという御意見です。

 どうぞ。

○斎藤構成員 問題点は菅野構成員から指摘していただきましたが、もう一つ追加するとすれば、台帳の管理に基づいた受診勧奨にも響いてきます。

 それから、繰り返しになりますが、受診率はカウントできません。推計しか手がないです。ですから、今問題になっていることをさらに問題をつくることになります。これは提言、つまり推奨につながるところはサイエンスだけではなくて、パブリックヘルスの観点からマネジメントができるという原則がありますので、それを重く考えて判断することも必要ではないかと思います。

 さっき申し述べたように、年齢はそれほどでもなくて割と明確に判断できますが、間隔については非常に悩ましいところです。しかし、そういうふうにエビデンスが読めるということや不利益の話とか、推奨の決定方法の変化ということを総合すると、複数年数でもいいのではないかという判断もあるのではないかと申し上げたわけですけれども、それにさらにマネジメントできるかどうかという重要なことを勘案すると、前回の井上構成員も指摘されたように、統一するというのは重要なことではないかと思います。

 それともう一点。自治体に任せるみたいなニュアンスにとれる記述があるのですが、そもそもこの検討会では実施主体が自治体になったとはいえ、国としてはがん対策上の検診の成果を挙げるためにこういうふうにやると。それをなるべく守ってくださいというようなことで一貫してステートメントをつくってきたと思います。そして、指針に反映してきたと思うんです。しかし、現状は基本計画の3つの個別目標について、指針外の検診がどんどん増えており、基本計画の達成については逆行するような現状があるわけです。これはもっと自治体が指針ないしはこういう推奨をきちんと見て、それを踏まえてやっていただくほうが、がん対策は進むだろうということだと思います。ですから、ここで自治体が守れないような、あるいは自治体に任せるよというニュアンス、そういうステートメントというのは、個人的にはあまりよろしくないのかなという気はします。○大内座長 どうぞ。

○松田構成員 今、菅野構成員、斎藤構成員がお話しになりましたが、胃のエックス線と内視鏡で間隔をそろえるというのは、そのほうがわかりやすいのだろうと思います。ただ、それほど大きくは違わないけれども、エックス線のほうが感度が多少低いのではないかという思いがあって、それと従来1年ごとに行っていたので、エックス線は毎年で内視鏡は2年。

 内視鏡を2年に1回にしないといけない理由は、死亡率減少効果が逐年でなくてもあるということだけではなくて、恐らく内視鏡のキャパシティーが足りないので、とても逐年では現実にやれないという状況もあるのだと思います。ですから、すっきりさせるためにはエックス線と内視鏡両方とも2年ごと、50歳とするとすっきりすると思います。ただし、前回の検討会でも祖父江構成員からお話があったように、今回、胃がん検診を50歳以上とするに当たって、ほかのがん、今後検討されることになるかどうかわからないですが、例えば大腸がんや肺がんについても従来の40歳以上でいいのかどうか、それは当然議論されるべきだろうと。そういうことを条件に、50歳以上で2年に1回とするとすっきりするかなと思います。

 それともう一つ、先ほど斎藤構成員がお話しになったのですが、冒頭の書き出しのところにあってこれまでも何度も指摘させていただいていますが、がん検診には今回、市区町村事業の他に職域の検診というものがありますよね。今回の提言が職域の検診についても、それなりの拘束力があるのかどうか。どこに働いているかによって受けられる胃がん検診なりが違ってしまうというのは非常によろしくないと思うので、何かしら保険者に対する働きかけが今回の提言を含めてあったほうが非常にすっきりして、皆が平等な検診が受けられる体制ができるかなと思います。今後の課題として、ぜひ御検討いただければと思います。

○大内座長 先生がおっしゃった後ろのほうで、いわゆる職域については本報告書案の「はじめに」の前段に書いてありまして、今我々が議論しているのは健康増進法に基づく市町村事業と位置づけられた対策型検診です。一方では、職域についての扱いです。前からこのことはいつも議論になっていて、対象はだれなのだと、市区町村事業だけではないだろうと。等しく日本国民であろうというのは皆さん共通するところです。ただし、本検討会が設置された経緯からして、これは対策型検診の見直しということになっています。一方で健康増進法と労働安全衛生法があって、職域についての壁があって、それは皆さん御存じのとおりでして、我々が今回目途とするのは、厚労省の健康局長の諮問委員会としてやっているわけですので、私の感覚では、今までこの中で議論してきて、それが指針として出た場合には、間違いなく職域にも波及するだろうと。ただし、法制化まではなかなか持っていけないというのが現状かと思います。そうなってほしいのですが、制度上はどうしようもないところもあるかと思いますので、この点事務局から何か補足はありますか。職域まで書き込むことはできるのですが、それをルール化して適用しろとは法律上なかなか言えないですよね。

○がん対策推進官 そうですね、この検討会においては健康増進法に基づいて行われている市区町村のがん検診に対する指針ということなので、職域に対しての拘束力というのは実際にはないのですけれども、ただ今、座長御指摘のとおり、この指針をもって職域のがん検診の内容を決めているというところもありますので、その影響力というのは一定程度あると思います。また、もし、そういったことについて御提言をしたいということであれば、この報告書の中に盛り込む分には問題ないと思います。

○大内座長 先ほどの議論で、検診間隔について二通りあるのは問題だという御意見がありましたが、前回の検討会でも井上構成員が言われたのですが、もう一度先生からコメントをいただけますか。

○井上構成員 皆様御指摘のとおりで、回数が2年に1回だったらそのように決めてあったほうがいいということなので、2年に1回で統一するということと50歳以上に変更するというのは、ガイドラインなどの元になるエビデンスを評価する検討が、ちゃんとこういう場所で反映されるのだということを世の中に示すためにもすごく重要だと思っていて、日本は一度決めてしまうとそれがなかなか動かせない。けれども、胃がんというのは本当に出生コーホートでものすごく変動している大変ながんだと思っていて、それを受けながら変更するというのは今回画期的なのではないかと思うんです。ほかのがんも変わっていっていると思うので、しょっちゅう変わるのは振り回されてよくないのですけれども、きちんとしたエビデンスのもとに国の方針を変えていくというアクションはすごく重要だと思っていて、座長はとても大変な思いかもしれませんけれども、私はぜひこれでいけばいいと思っております。

○大内座長 皆さんの御意見は統一したほうがよろしいのではないかという御意見です。序文のところで、この検討会が、がん検診のあり方は科学的根拠に基づくがん検診のあり方を検討するのだということをうたわれていますので、それを貫きたいというのが私の本音です。とはいえ、日本におけるがん検診の現状を踏まえていろいろ現場との乖離がないような、いわゆるスムーズな移行も考えたいということから、一定の許容範囲をもってこのような案でお示しさせていただきましたけれども、今、井上構成員が言われるように、科学的根拠が積み重なってきた中で、どこで踏み込んで国の指針として反映させていただくかということは責任が重いと思っています。できれば、ここは私も統一したほうがよろしいのではないかと思っています。

 福田構成員いかがでしょうか。

○福田構成員 私も、どちらかに合わせてではなく、できればエビデンスに基づいた感じで言えば、2年に1度で統一したほうがいいのではないかと思います。

○大内座長 検診間隔についてですけれども、皆さんの御意見は2年に1回を基本とするということで調整してよろしいですか。事務局もよろしいですか。

 では、そのような方向性でとりまとめていこうと思います。

 では、福田構成員から追加をどうぞ。

○福田構成員 もう一点、本当に細かいところで恐縮なのですが、「2)対象年齢」のところで、なぜここだけ「原則として」というのが入っているのかがよくかわらないのです。つまり、7ページには特に「原則として」とは書いていないので、あるいはほかの推奨を見ても書いていないのに、なぜ、ここだけわざわざ「原則として」と書くのでしょうか。

○大内座長 これは現状で40歳代から始めているので激変緩和措置みたいなもので、そういうことですよね。

○福田構成員 これも実施者から見ると曖昧で、原則ではないのはどんな方なのだろうと、かえって悩まれないのかなと思ったりしたものですから。

○事務局 座長御指摘のとおりで、従来40歳以上としてきたので、すぐに対応できないところもあるだろうということで「原則として」という書きぶりにしておりますが、紛らわしいようでしたら、文言を調整させていただきます。

○大内座長 松田構成員いかがですか。現場の観点からも、「原則として」を外してもいいですか。私は、残しておいたほうがよろしいと思うのですが。

○松田構成員 50歳以上と決めてしまえば、それでもいいのかなと思いますが、「原則として」というのは非常に便利な言葉ではあって、なくてもいいのかなと。

○井上構成員 先ほどからのお話ですと、これが出たからといって従うことができない自治体も出てくるわけですよね。ということは、別に「原則として」は外しておいてもいいと思います。できないところは40歳でしばらくは引きずるわけだし、むしろ曖昧な書き方でここだけを残す、いかにも前のことに気を遣って変更があまりないところはズバッと書き切って、前と違うところだけをすごく文学的なニュアンスで入れなくてもいいような気もするんですね。結果は同じですよね。

○大内座長 菅野構成員いかがですか。

○菅野構成員 おっしゃるとおりで、正直こういう逃げ道のようなことがあると実際の現場とすると、今やっていることを尊重なのですが、言い方は悪いのですが、例えば50歳以上ということと、2年に1回とはっきり決まることによって、正直なことを申せば、国がそう言ったからと国のせいにしては申し訳ないですが、現場としてはそのような対応の合わせというか、マネジメント上やりやすい部分がありますので、ここはスパッと言っていただいたほうが、きちんとやろうという動きがあると思います。

○大内座長 どうぞ。

○松田構成員 今回50歳以上でエックス線、内視鏡とも2年に1回という提言がされて、それはそれでいいと思います。ただし、最近の胃がん検診の考え方はちょっと変わってきて、まだ残念なことにエビデンスベースドではないのですけれども、2年前から始まったピロリの除菌だと思います。まだまだピロリを除菌して胃がんの予防ができるというところまで至っていないのは十分承知しているのですが、なるべくだったら早い時期にヘリコバクター・ピロリ感染胃炎、萎縮性胃炎を見つけて除菌をしようという動きが世の中に間違いなくあると思います。ですから、40歳代で内視鏡検診が行われていれば、そういうことにつながった可能性もあるという考え方は当然あるので、今回ヘリコバクター・ピロリとペプシノゲンの併用によるリスクの評価ということと、あとは除菌のこともどこかに一言入れて、除菌による胃がんの予防についても今後検討が必要とか、そのような文言があってもいいのかなと思います。それを踏まえてなお50歳という書き込みでも、私はいいのだろうと思います。

○大内座長 除菌による胃がんの予防については、どこに書き込めばいいですか、6ページあたりですかね。

○松田構成員 書く場所が難しいかなと思いますが、実際問題として現場としては非常に大きなものになって、40歳代が外れてくると、そのあたりの混乱が少し生じてくる可能性があります。胃がん検診なので、こういうふうにはっきり割り切るというのは当然のあり方だとは思いますけれども、どこに書くかと言われると。

○大内座長 7ページの「5.実務上の課題」に2つ目の○としてつけ足しますか。

○松田構成員 そうですね。

○大内座長 50歳以上とすることによって、いろいろな問題点も出ているはずですので。それから、今の胃がんの罹患の動向とか今後の観点を見据えた書きぶりですね。では、ここは皆さんに御意見をいただいたような観点で、「5.実務上の課題」は胃内視鏡検査しか書いていないので、実は提言の中にも2つ目でピロリ抗体検査について書き込まれているわけですので、この辺を少し6ページにも書き込む。

○斎藤構成員 確認ですけれども、今の御提案は検討せよということですか、やれということではないですね。やれというふうにとられると非常にうまくないと思うんです。

○松田構成員 やれということではありません。今相当な勢いで行われているので、きちんとそのデータが検証されて、きちんとしたデータが出てくれば除菌による予防ということも考慮に入れないといけないのではないかということです。

○斎藤構成員 それは、くれぐれもミスリードしないように表記しないといけないですね。除菌による、明らかな副作用が発現しているにもかかわらず、服薬継続が指示されるなどの実態もあるようにきいています。ですから、くれぐれもミスリードしないようにしないといけないですね。検診のところに書くというのは、よほど工夫しないと、ポピュレーションとしての不利益を誘発しないかということが非常に心配なのですが。

○松田構成員 斎藤構成員がおっしゃったように、今、非常に懸念されるところではあると思いますが、ただ、内視鏡検診が今後、対策型検診に入ってくると、間違いなくピロリ感染かどうかということを考えて、次にどうするかということがついてきますよね。ですから、そこをどこかしらに記載しないといけないのかなと思います。除菌に当たっては、利益・不利益も含めてきちんと情報提供しないといけないとか、確かに今回「がん検診のあり方に関する検討会」なので難しい面はありますが、内視鏡検診に付随してくることなので、全く記載がなしでいいのかなというのが懸念されるところです。

○斎藤構成員 これは、がん対策ですよね。今、除菌が保険適用になっているのはユージュアルケアとして、つまり胃炎の治療ですよね。ここに書き込むことによって、その垣根がわからくなってしまうことを心配します。

○大内座長 確かに、これはがん対策の一環のがん検診検討会ということで、国の指針の根本になっていくわけですので、今の松田構成員の御指摘も十分に考慮した上で、7ページの「5.実務上の課題」の胃内視鏡検査に付随した形で書くことができるかどうか。これも大変申し訳ないですが、預からせていただきまして事務局と詰めて検討させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、先ほど来議論になっていました対象年齢と検診間隔ですけれども、全ての構成員の方々が対象年齢については乳がん検診と同じなのですけれども、「原則として」をとって50歳以上とする。検診間隔については、2年に1度とするというまとめになろうかと思いますが、そのような方向でよろしいですか。

○井上構成員 ちょっと聞きそびれているかもしれませんが、そうすると、「ただし」の後が消えてしまうということになるのですか。

○大内座長 消えます。

○井上構成員 全部消えるのですね、わかりました。

○大内座長 要は、4ページの乳がん検診の対象年齢と同じ書きぶりになります。

 ここは皆さんの合意も必要ですので確認させていただきたいと思いますが、かなり修正がありますけれども、事務局はよろしいですか。

○事務局 いただきました意見は、先ほど座長預かりとなった部分も含めて、またこちらで調整させていただきたいと思います。

○大内座長 今、事務局に確認しましたところ、座長預かりということで調整もした上でという条件を付して、案として、対象年齢は50歳以上とする、検診間隔は2年に1度とするというのを基本として、これから調整させていただきます。

 では、井上構成員どうぞ。

○井上構成員 今、胃がんの議論があっての整合性ということで、先ほどの乳がん検診の書きぶりの議論がちょっと気になったものですから。ということは、先ほど視触診で座長預かりになっていた記述部分があるかと思いますが、視触診についてもちょっとトーンを落としてということもありかもしれませんけれども、視触診については必須でないと言い切ってしまうか、全く視触診の記述を消してしまうというのもありなのかなと思ったので、これは多分、座長預かりになってしまうかと思うのですけれども、何となく胃がんの議論を聞いていて、ここはもうちょっとすっきりしてもよろしいかと。

 というのは、その前のどうなっているかという検討の部分で、結局マンモグラフィによる検診が全市区町村で実施されているということになってしまうと、視触診は必須ではないというのと、あまり推奨しないというか、エビデンスがない以上、マンモグラフィが全市町村にある以上、提言する必要もないのかなと思ってしまったんです。

○大内座長 井上構成員の御指摘の点は私もそもそも考えていまして、ただ、そこまで踏み込むには、日本の今までの老健法の第2次から、昭和62年から始まった視触診による検診という歴史を踏まえて、科学的根拠をベースにいくと、まさしく先生がおっしゃるとおりです。私もそこまで踏み込んでという案もあったのですが、やはり全体の移行期を考えるにおいて、超音波検査における有効性、科学的根拠といいますと、死亡率減少効果が見えるまではもう少し時間がかかるので、その間をどうつなぐかということがあって、視触診体制を全部廃止することの懸念もありまして、記載はしましょうかというところで考えていました。ただし、この記載だといかにも視触診を勧めるような形になっていますので、これは科学的根拠、世界的な評価からすると根拠がないのが事実ですし、日本の症例対照研究でも視触診による死亡率減少効果はないということが結論づけられていますから、この書きぶりについてはむしろ改めます。ただ、丸ごと消すかと言われますと、これを判断するのはなかなか難しい。どうしますか、もう一度戻しますか。

 斎藤構成員から何かありましたら。

○斎藤構成員 要は、議論は平成16年のときも踏まえると、視触診はやる根拠がないという議論は段階的に十分積み重なっているわけですね。ただ、実際に自治体がどうすればいいかということがわかる必要があって、それがわかればいいと思います。全く言及しないということになると、やはり自治体は一体どうすればいいのですかという混乱がちょっと心配かなという気はしますね。

○大内座長 井上構成員がおっしゃられたことを重々考慮した上で、乳がん検診についての4ページの2つ目の○については文言を修正して、書きぶりをもっと推奨グレードを下げる形にしたいと思います。よろしいですか。この点については、また預からせていただきたいと思います。

 では、乳がん、胃がん、2つの大きな課題について議論を重ねてきましたけれども、まとめまして何か御質問ございますか。

○斎藤構成員 さっきの松田構成員からの提案で、それから事務局からもレスポンスがありましたけれども、職域の言及をここでしてもいいということであれば、差し障りがないような形でここに入れることを考えたほうがいいのではないかと思います。

 というのは、職域では所轄法が違うということが現状の発端なわけですけれども、別に健康増進事業と検診方法を決める上で競合する背景があるわけではなくて、ただ単に、寄って立つべき指針や精度管理の枠組みがないということなんです。ですから、参考にする指針がないより、あったほうがいい職域は確実に存在すると思うわけです。事実、協会けんぽは年齢だけは違いますけれども、厚労省の指針と同じメニューをやっているわけです。

 ですから、この検討会のターゲットはあくまでも健康増進事業ではあるけれども、それより大きな背景というか枠組みとして、がん対策で年齢を提言された全国民という視野で、冒頭の「はじめに」の第1パラグラフの中に大きなスコープを書いておいて、本来そうあるべきだけれども、この報告書は健康増進事業をターゲットとして書いているものだと、例えばそういう書き方で職域についても言及すると。今まで職域について言及したことは多分ないと思うんです。書いて悪いことはないですし、支障がない書き方が可能であれば、書いていただいたほうがいいのかなという気がします。

○大内座長 私の記憶では、平成20年に別途設置された「がん検診の精度管理のあり方に関する検討会」報告書の「はじめに」に書いてあります。「職域も含めた」という文言がありましたので、そういったものを参考にしながら書きぶりを考えましょうか。ただし、これはあくまでも健康増進法があります。前段のほうで、広く国民を対象にしているということがわかるような書き方にしていただければと思います。それは前例としてあります、平成20年3月の報告書です。5大がん検診について全ての精度管理についてまとめたときの最初のパラグラフがそうなっているはずです。事務局ございますか。後で確認していただいて。その点も含めて書けるような形に、これも座長預かりにさせていただきたいと思います。

 どうぞ。

○菅野構成員 言っていることは同じなのですが、職域に対して呼びかける意味合いとして、もう一つは、先ほど胃がんでも言ったのですが、我々は科学的根拠に基づいて利益・不利益を考えたときに、こういうがん検診という提言をしているわけです。職域から市の国民健康保険に移ってこられる方々がサービスの低下だととられてしまうわけですが、あくまでそうではないんですと。その点を踏まえて職域でもそうあってほしいということを書き込むことは、受けられる方のことを考えたときに、そういう方法がいいんだという意味での呼びかけになるとよろしいのではないかと思います。

○大内座長 どうぞ。

○事務局 先ほど座長御指摘の平成20年の報告書におきまして、「はじめに」の部分で一番最後に「 そこで、本委員会においては、平成20年度から健康増進法の努力義務に位置づけられる市町村事業としてのがん検診のみでなく、職場におけるがん検診等も含めた、わが国のがん検診について、がん対策推進基本計画に定められた目標の達成に向けた具体的な取組のあり方について検討を行った」という文言がございますが、先ほど御指摘の御意見を踏まえて、職域におけるがん検診についても調整させていただきたいと思います。

○大内座長 私の立場から言うと、当時私は座長ではなかったので、そういったことを申し上げていたのですが、座長になってみるとなかなか言いにくいものですね。申し訳ないです。

 では、そういうことも書き加えるということで、よろしいでしょうか。

 それでは、全体を通していかがですか。年齢が今回、胃がん検診について対象が50歳以上ということで、先ほど松田構成員から、これからほかのがん検診がどうなるかということもありましたが、今後の本検討会のスケジュール等もあると思いますが、その中でまた検討されていくものと思っています。

 それでは、今日は中身の濃い御議論を本当にありがとうございました。

 では、一度マイクを事務局にお戻しいたします。

○がん対策推進官 それでは、この中間報告書については座長預かりということで、本日いただいた御意見を反映して、座長と構成員の皆様にも御意見を聞きながら、とりまとめを進めさせていただきたいと思います。

 事務局からは以上です。

○大内座長 改めて私から。いくつかの御意見がありましたので、検討課題については座長預かりということにさせていただきます。本日の議論を踏まえまして、中間報告書のとりまとめを行いたいと思います。

 では、本日の検討会は、これにて終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

健康局がん対策・健康増進課

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