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2015年8月5日 障害者差別解消法に基づく対応指針案及び対応要領案に関する厚生労働省ヒアリング議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成28年8月5日(水)13:00~


○場所

労働委員会会館講堂
(東京都港区芝公園1-5-32)


○議事

○司会

 定刻を過ぎましたので、これより障害者差別解消法に基づく対応指針案及び対応要領案に関する厚生労働省ヒアリングを開催させていただきます。本日進行を務めさせていただきます、厚生労働省障害保健福祉部企画課の小牟礼でございます。御出席の皆様におかれましては御多忙中のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日のヒアリングは 16 時までを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 まず、障害保健福祉部企画課長の川又より御挨拶をさせていただきます。

 

○障害保健福祉部企画課長

 皆さん、こんにちは。今日はお暑いところお集まりいただきまして、ありがとうございます。厚生労働省障害保健福祉部企画課長、川又と申します。よろしくお願いいたします。

 平成 25 6 月に障害者差別解消法が成立いたしまして、来年の 4 月に施行されるということです。現在、国の行政機関、独立行政法人等におきまして、所管の業界向けの対応指針、それから、その職員向けの対応要領の作成が進んでいるところです。本日は厚生労働省関係の、特に対応指針 ( ガイドライン ) を中心に、それから、独立行政法人の対応要領ということで皆様方から様々な御意見を頂いて、更に良いものにしたいということで素案を御紹介させていただき、いろいろな御意見をお伺いするということでこの場を設けさせていただきました。

 なお、各省分は、内閣府で順次こうした同様のヒアリングは行われております。厚労省関係では、人事課関係と中央労働委員会の事務局が、先立って内閣府のヒアリングに参加させていただきましたが、今回はそれとは別途、厚生労働省の関係の、特に対応指針を中心にということで、厚労省として別の場を設けさせていただきました。

 事業者向けの対応指針 ( ガイドライン ) につきましては、厚生労働省関係は 4 本あります。福祉事業者向け、医療関係者向け、衛生事業者関係向け、社会保険労務士と 4 分野についてあります。また、所管の独立行政法人が 18 あります。中身については共通する部分もありますので、説明等につきましては、できるだけ効率的に行わせていただければと思っております。

 特に厚生労働省関係の対応指針は、事業者向けのものですが、できるだけ厚労省ならではの工夫というか、内容の充実を目指したいということで作成を進めてまいりました。ほかの役所のも少し拝見させていただいておりますが、余りページ数も多くないものが多いように見受けられたのですが、せっかく作るからには、やはりきちんと読んでもらって使えるものにしたいというのが 1 つありました。例えば、事業者の研修で使うテキストにも使えるとか、ヘルパーさんにも読んでいただけるような、そうしたもの、指針ではありますが、規制的な指針ではなくて、むしろ普及啓発も兼ねてこの差別解消法についての理解を深めていただけるような、そうしたガイドラインにしたいということ、読んでもらえる親しみやすいものにしたいというような思いもございました。

 そういう観点からも、文体も「です・ます」調にしておりますし、また、いろいろな例をかなりふんだんに入れたつもりでして、様々な障害種別ごとに、その障害がどのような特性があって、どのような対応をしたらいいのかというようなことのヒントになるようなものですとか、あるいは、具体的な対応例をできるだけ多くということでコラムのような形で書かせていただきましたし、また、参考となる周辺情報についてコラムということで解説を幾つか載せております。例えば身体障害者補助犬ですとか、障害者関係の様々なマークですとか、発達障害者支援法ですとか、障害者虐待防止法ですとか、あるいは障害者総合支援法で難病が対象になっているというようなことですとか、そのような関連の情報をできるだけコラムという形で挟ませていただきまして、そうした、全体として理解を深めていただけるようなものになればいいなということで作成させていただいたつもりです。

 今日は忌憚のない御意見を頂ければと思います。今後のスケジュールとしては、パブリックコメントを経て最終的な案を固めるというスケジュールになっておりますので、よろしくお願いいたします。本日はよろしくお願いいたします。

 

○司会

 それではここでカメラ撮りは終了とさせていただきますので、プレスの方はよろしくお願いいたします。

 なお、傍聴についてですが、本日、多数の傍聴の御応募を頂いておりましたことから、やむなく抽選をさせていただいておりますので、その旨御報告させていただきます。

 それでは、本日のヒアリングに御出席いただいております皆様を御紹介させていただきます。一般社団法人全国肢体不自由児者父母の会連合会、石橋吉章副会長様。一般社団法人日本難病・疾病団体協議会、伊藤たてお前代表理事。一般社団法人日本発達障害ネットワーク、大塚晃理事。公益社団法人全国脊髄損傷者連合会、大濱眞副代表理事。一般財団法人全日本ろうあ連盟、小中栄一副理事長。全国手をつなぐ育成会連合会、田中正博統括。社会福祉法人全国盲ろう者協会、福島智理事。社会福祉法人日本盲人会連合、藤井貢組織部部長。公益社団法人全国精神保健福祉会連合会、本條義和理事長。特定非営利活動法人ディーピーアイ日本会議、見形信子事務局長代理。社会福祉法人日本身体障害者団体連合会、森祐司常務理事兼事務局長。

 では、資料の確認をさせていただきます。議事次第に続きまして「対応指針案」といたしまして、資料 1-1 が福祉事業者向け、資料 1-2 が医療関係事業者向け、資料 1-3 が衛生事業者向け、資料 1-4 が社会保険労務士の業務を行う事業者向けとなっております。そして、「対応要領案」ですが、次第に記載しておりますように、資料 2-1 から資料 2-18 に記載しております法人等の要領についてお配りしております。以上、お手元にございますでしょうか。不足等がございましたら、事務局にお知らせください。

 なお、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省のホームページに掲載されますので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。

 本日の議事の進め方ですが、前半で対応指針案に関する御意見を頂きまして、 10 分程度の休憩を挟みまして、後半で対応要領案に関する御意見を頂きたいと考えております。

 それでは、対応指針案に関する説明に入らせていただきます。お手元の資料の順番どおり、 4 つの指針案につきまして担当部局より簡単に内容の説明をさせていただきました後、御出席者の皆様から御発言を頂く、という形で進めてまいります。

 それでは、福祉事業者向けガイドラインの説明から始めさせていただきます。資料 1-1 を御覧ください。資料 1-1 は「障害者差別解消法福祉事業者向けガイドライン」としておりまして、「福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針」でございます。
 1 ページめくっていただきますと、「はじめに」ということで挨拶文を掲載しております。この指針につきましては、今年 2 月に閣議決定された基本方針に示された指針の記載事項を柱に、先ほど川又課長からも申し上げましたが、事業者の方に活用していただきやすいものを目指して作成したところです。

 目次を御覧ください。柱立てといたしましては、第 1 といたしまして「趣旨」、第 2 といたしまして「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」、第 3 といたしまして「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例」、第 4 といたしまして「事業者における相談体制の整備」、第 5 といたしまして「事業者における研修・啓発」、第 6 といたしまして「国の行政機関における相談窓口」、第 7 といたしまして「主務大臣による行政措置」といった構成立てにしております。

 1 ページを御覧ください。第 1 の「趣旨」ですが、 (1) といたしまして障害者差別解消法制定の経緯を簡単に記載しております。平成 19 年の権利条約に署名して以来、国内法の整備をはじめとする取組を進めてきたこと。それから、平成 16 年の障害者基本法の改正におきまして、差別の禁止が基本理念として明示され、平成 23 年の改正の際に基本原則として差別の禁止、合理的な配慮の提供義務といったものが規定されてきたといった流れにつきまして簡単に記載しております。

 (2) は、対象となる障害者。障害者差別解消法の対象となる障害者の範囲についての記述をしております。

 5 ページ、 (3) は障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針について。平成 27 2 24 日に閣議決定をいたしました「基本方針」の位置付けについて記述しているところです。

 続きまして、 (4) は福祉分野における対応指針ということで、本指針が対象とする福祉事業者の範囲について規定しているところです。 7 ページの上のほうになりますが、社会福祉法第 2 条に規定いたします社会福祉事業その他の福祉分野に係る事業を行う事業者という規定にしているところです。

 9 ページ、第 2 「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」という章です。 (1) の不当な差別的取扱いの➀といたしまして、「不当な差別的取扱いの基本的考え方」について簡単に記載しているところです。

 ➁は「正当な理由の判断の視点」です。こちらは、不当な差別的取扱いが「正当な理由なく、障害者を、問題となる事務・事業について本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うこと」というような規定になっているところから、では正当な理由の判断の視点というのはどういったものかといったところの考え方を簡単に示しているところです。

 10 ページ、 (2) 合理的配慮です。➀に関しましては、「合理的配慮の基本的な考え方」につきまして、まず「合理的配慮とは」ということで、合理的配慮の定義、考え方、これらを考える際の留意点といったようなものについての記述をしております。

 続きまして、「意思の表明」です。合理的配慮に関しましても、意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときに必要かつ合理的な配慮を行うものということですので、その意思の表明がどういった場合が考えられるのかといったような点につきまして、簡単に記載しております。

 12 ページ、「環境整備との関係」です。環境整備に関しましては、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的な改善措置ということで、いわゆるバリアフリー、意思表示やコミュニケーション支援のサービス、情報アクセシビリティの向上といったようなことが考えられますが、これらの環境整備と合理的配慮の関係についての記述を簡単にしております。

 13 ページ、➁「過重な負担の基本的な考え方」です。こちらにつきましては、個別の事案ごとに過重であるのかどうなのかということを検討、判断していっていただくことになるわけですが、その判断の基準として、どういった事項を考慮していくのかといったようなところを項目立てて書いているところです。

 続きまして 14 ページです。第 3 の「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例」です。 (1) です。不当な差別的取扱いと考えられる例です。ここに記載しておりますものはあくまで例示ということで、これに限られるものではありません。といった点を御留意いただいた上での記載ですが、 4 つの柱で事例を示しているところです。サービスの利用を拒否すること。サービスの利用を制限すること、場所、時間帯などの制限をするということ。それから、サービスの利用に際しまして条件を付すこと、障害のない者には付さない条件を付すこと。それから、サービスの利用・提供に当たりまして他の者とは異なる取扱いをすること。この大きな柱立てに沿って考えられる事例を、何点かずつ御提示しているというところです。

 15 ページ、 (2) 合理的配慮と考えられる例です。こちらにつきましても、記載しております事例はあくまで例示ということで、これに限られるものではないということが前提です。こちらにつきましては、 3 つの柱に整理して御提示しております。基準・手順の柔軟な変更。物理的環境への配慮。補助器具・サービスの提供という形です。最後の柱につきましては更に細かく、情報提供・利用手続についての配慮や工夫、建物や設備についての配慮や工夫、職員などとのコミュニケーションや情報のやり取り、サービス提供についての配慮や工夫といった柱立てに沿って、考えられる事例を御提示させていただきました。

 17 ページ、下のほうの※の中には、環境整備の 1 つに当たりますバリアフリーに関する整備の事例をお示ししているところです。

 19 ページ、 (3) 障害特性に応じた対応についてです。こちらが、我々といたしまして工夫して掲載させていただいたところです。こちらの章につきましては、 19 ページから 44 ページにわたりまして、 14 の障害について、それぞれの主な特性と主な対応について簡単にまとめたものです。

 どういった障害について記載されているかということで御紹介申し上げますと、 19 ページには視覚障害、 21 ページには聴覚・言語障害、 23 ページから視覚と聴覚の重複障害、 25 ページにいきまして、車椅子を利用されている肢体不自由者について、 27 ページにつきましては車椅子利用をされていない肢体不自由の方、 29 ページには失語症、 31 ページは高次脳機能障害、 33 ページに内部障害、 35 ページには難病、知的障害、 37 ページが自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害 ( 自閉症スペクトラム障害 ) 、下のほうにまいりまして、学習障害 ( 限局性学習障害 ) につきまして、 39 ページに、注意欠陥多動性障害 ( 注意欠如・多動性障害 ) 39 ページの下のほうから、精神障害といった形で、それぞれの特性、対応といったものを記載しているところです。

 その右のページが参考ページです。こちらにつきましても、障害特性に応じた具体的対応例ということで様々な事例を掲載させていただきました。こちらにつきましては合理的配慮とまでいえないような事例も含まれているかもしれませんが、障害者の方等の対応へのヒントになるような例を記載したいということで、数例記載しております。ここの事例につきましても、今後も充実していきたいと考えているところです。

 45 ページにまいります。第 4 「事業者における相談体制の整備」です。こちらにつきましては、事業者が相談体制を各事業所で整備していただく際の留意事項について記載しているところです。

 第 5 「事業者における研修・啓発」です。こちらにつきましても、事業所内での研修・啓発に向けて留意していただきたいことについての記載ということです。

 47 ページ、第 6 「国の行政機関における相談窓口」ということで、厚生労働省における福祉関係の窓口についての記載をしております。こちらにつきましては部門ごとに、 (1) 子ども・子育て、保育、児童養護施設関係、 (2) 生活保護関係、 (3) 地域福祉、生活困窮者自立支援関係、 (4) 障害福祉、精神保健関係、 (5) 高齢者福祉関係という形で、それぞれの窓口を記載しております。

 49 ページの第 7 「主務大臣による行政措置」ということで、自主的な改善を期待することが困難である場合など、特に必要があると認められるときには主務大臣が事業者に対して報告、助言、指導、勧告をすることができるとされております法第 12 条の記載を紹介させていただいているというところです。

 最後は「おわりに」です。締めの言葉といたしまして、この指針につきましては今後もより具体的な事例、特に好事例をお示しできるように努めていきたいということで考えております。

 最初に申し述べるのを失念しておりましたが、このガイドラインにつきましては、基本的には左のページを本文にしており、右のページ、偶数ページに参考ページといったようなことで、いろいろな参考条文とかコラムとか、関連情報などを記載しているということです。先ほども少し御紹介がありましたが、 16 ページには「身体障害者補助犬とは」といったようなことでの御紹介、 18 ページに、障害者に関するマークの御紹介をしております。 40 ページには「障害特性や特性ごとの配慮事項等」ということで、そういった配慮事項を知る参考になるようなホームページが各種ありますので、その一部を御紹介しているようなところです。 42 ページには発達障害者支援法についての御紹介、 46 ページには障害者虐待防止法の御説明といったような形で、いろいろな関連情報についても御紹介をしております。福祉の分野につきましては、以上で御説明を終わらせていただきたいと思います。

 続きまして、医療関係事業者向けガイドラインの説明をさせていただきます。

 

○医政局

 厚生労働省医政局総務課の山本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。福祉分野の対応指針案に続きまして、医療分野の対応指針案について御説明いたします。

 医療分野の対応指針につきましては、指針の中にありますのは、冒頭の「趣旨」あるいは「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」など、その多くの点につきまして、基本的に福祉分野の指針と共通した記載内容を取っております。したがいまして私からは、医療分野の対応指針案の中で福祉分野の対応指針案と異なる点について御説明いたします。

 まず 1 点目ですが、お手元に配布しています資料の資料番号 1-2 「障害者差別解消法医療関係事業者向けガイドライン」の 4 ページを御覧ください。本指針の対象となる医療関係事業者の範囲について定義している箇所です。本指針の事業者の範囲としましては、主に医療法の第 1 条の 2 に規定する医療提供施設の運営事業をはじめとした医療分野に関わる事業を行う事業者としております。例示しております施設としましては、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局、訪問看護ステーション、これらの施設を想定しております。

 2 点目ですが、 10 ページを御覧ください。第 3 「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例」についてです。この章につきましては、主に医療機関や薬局などにおいて不当な差別的取扱いになる可能性がある事例、あるいは好事例として合理的配慮の例などを記載しております。

 1 例を読み上げますと、例えば不当な差別的取扱いの例についてですが、「医療機関や薬局において、人的体制、設備体制が整っており、対応可能であるにもかかわらず、障害があることを理由に診療・入院・調剤等を拒否すること」。あるいは、合理的配慮の例といたしましては 12 ページの中で、「障害者に配慮したナースコールの設置を行うこと ( 息でナースコールができるマルチケアコール、機能障害者用押しボタンなど ) 」といった記載をしております。

 3 点目です。 27 ページと 28 ページを御覧ください。第 6 「国の行政機関における相談窓口」の章を設けております。こちらにつきましては、厚生労働省における医療関係の担当窓口として、まず医療機関関係につきましては医政局総務課、あるいは、薬局関係につきましては医薬食品局総務課を記載しております。

 このほか、全体の構成としてですが、福祉分野の指針では見開きの右ページに、いわゆる先ほど御説明があったようなコラム的な参考ページを載せているという形を取っておりますが、医療分野の指針につきましては、指針の本文と区分する形で最後にこれらのコラムの要素をまとめて載せるという構成を取っております。以上が福祉分野の指針と医療分野の指針の主に異なっている部分です。医療分野の対応指針案についての説明は以上です。

 

○司会

 それでは、次に衛生事業者向けガイドラインの説明をさせていただきます。

 

○健康局

 厚生労働省健康局生活衛生課の平木と申します。よろしくお願いします。福祉分野、医療関係分野に引き続き、衛生分野の対応指針について説明させていただきます。

 資料 1-3 の衛生事業者向けガイドラインを御覧ください。本ガイドラインは医療関係と同じように、うちも福祉事業者向けのガイドラインを基に作成させていただいているので、対象事業者及び参考、具体的対応例、そういう共通する場所がほとんどになるので、被る場所については説明を省略させていただきます。

 それでは、説明に入らせていただきます。 7 ページを御覧ください。衛生分野の対象事業者についてですが、いわゆる生活衛生関係営業者と水道事業者等について構成させていただいています。また、配布資料には記載されていませんが、給水装置工事事業者についても対象になるものと考えているので、後ほど対象事業者として入れたいと思っています。

 いわゆる生活衛生関係営業者ですが、そこに記載しているとおり、飲食店、理美容業、クリーニング、旅館、ホテル等、全部で 17 業者あるのですが、そういった営業者のことを言います。また、水道事業者は皆さんの家庭に水道水を配水している市町村等の事業者のことを言い、給水装置工事事業者は家庭の蛇口等の給水装置を工事する事業者のことを言います。いずれの事業者も、皆さんが日常生活を営んでいく上で欠くことのできない、大事なサービスを担っているものだと考えているので、今後、できる限り対応が円滑に進むよう、周知徹底を図っていきたいと考えています。

 ページの説明が前後しますが、6ページを御覧ください。生活衛生業のほうでは、「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」、生衛法と呼んでいますが、生衛法に基づいて、各業種ごとに振興指針というものの告示を作成しています。各業種における現状や今後の対応方針等について定めていまして、 17 業種ごと、各 5 年ごとに構成しているものがあります。こちらには障害者対応として、多少の記載はしていたのですが、今回のガイドラインのように詳細な内容を記載しているものではなかったので、今年度以降、こちらの対応指針にも可能な範囲で内容を盛り込み、実施に向けて周知を図っていきたいと考えています。

 また、水道事業者については、ガイドラインには記載していないのですが、水道法における供給規程に、特定の者に対して不等な差別的取扱いをしないよう規定しているので、今後は事業者について、水道法の規程を遵守するよう、引き続き周知してまいりたいと考えています。

 次のページになるのですが、 20 ページ以降の具体的対応例です。例を挙げますと、飲食店でメニュー対応やコミュニケーション対応、映画館で車椅子の方でもそのまま見られるような対応をさせていただいているのですが、そういった内容を具体例として記載しています。本日御参加いただいている各団体の方から、例えばこういった具体例を入れてくれないか、こういう対応も盛り込むことができないか等々の話がありましたら、是非、御連絡を頂いたら紹介させていただいて、事業者のほうでも対応できるように鋭意努力していきたいと思っています。衛生分野に係る説明は以上になります。どうもありがとうございました。

 

○司会

 それでは、最後に社会保険労務士の業務を行う事業者向けガイドラインの説明をさせていただきます。

 

○労働基準局

 それでは、社会保険労務士業務を行う事業者向けガイドラインの趣旨について御説明させていただきます。私は厚生労働省労働基準局監督課社会保険労務士係の上野と申します。よろしくお願いします。

 まず、対象となる社会保険労務士という仕事は国家資格ということで、名前をお聞きになったことなどはあるかと思いますが、こういった社会保険労務士がどういう仕事をされている方々なのかというところを、最初に簡単に御説明させていただきたいと思います。指針の関係で言いますと、 2 ページの (4) です。最後の段落でして、「本指針の対象となる事業者の範囲は、社会保険労務士法第 2 条及び第 2 条の 2 に規定する社会保険労務士の業務を行う事業者です」という、これだけでは分かりませんので、私から簡単にどういった業務を行っているのかというのを補足させていただきます。

 社会保険労務士は、主に社会保険労務士試験という国家資格に合格した方が、労働保険、社会保険、労働問題、そういったものの専門家として、法定帳簿類の作成ですとか、年金相談、労働相談、労働局等で行われる個別労働紛争の解決のためのあっせん代理といったような形で、労働社会保険諸法令に基づく専門家として日々業務を行っているところです。特に年金相談ですとか労働相談、もしくは個別労働関係紛争のあっせんといった、相談者や依頼者の方々と直接お話をして相談を受けるという場においては、そういった方々のどういったところに問題意識を持っていて、どういう解決方法を求めているのかということに傾聴し、その依頼者、相談者の方にとって最も良い解決方法を探るというところが、特に重要なファクターとなっているところです。

 そういう意味では、そういった相談者の方々と適切な意志疎通、コミュニケーション、そういったものを図っていくことが、社会保険労務士の仕事をする上で非常に重要な仕事ということになっていくわけです。

 各社会保険労務士の方々は、そういった問題意識を持ちながら、いろいろ個別に工夫を凝らしていただいて、年金相談、労働相談を行ったり、あとは講演会を開いて、労働・社会保険諸法令の内容、それを遵守することの重要性、具体的な労働紛争の解決事例などを紹介しながら、いろいろな専門的な労働・社会保険諸法令についての解決に導いていくという役割を担っているわけです。

 その意味で社会保険労務士は法律の専門家、労働保険、社会保険に特化した法律の専門的職業であり、やや一般の方には技術的に難しいと思われる部分の知見を駆使しながら、一方でそれを依頼者の方に分かりやすく説明をし、解決に導いていくという、そういった能力も求められているところでして、例えば障害をお持ちの方が相談に来られたときに、どのように対応するのかということで、社会保険労務士の本分を全うしていただくという意味においては、それは障害をお持ちの方、そうでない方、関係なく職責を全うし、十分な役務の提供と呼んでいるのですが、提供をしていただくことが必要になってくるわけです。

 今申し上げたような、本来の社会保険労務士の国家資格者としての職責を全うするためには、当然、障害者差別解消法の理念、内容、趣旨といったものを十分に理解していただいた上で、懇切丁寧な対応をしてもらうことが重要になってくるということがありますので、今回、所管官庁として対応指針を作成させていただいた次第です。

 対応指針の内容は、福祉分野等々で書かれている部分のエッセンスというところを中心的に、社会保険労務士の業務に合った形で作成させていただいています。ともすれば各分野の方々と比べると、やや足りないのではないか、少ないのではないかと、ページ数としてはそういう印象を受けられるかもしれませんが、私どもの考えとしては、必ずしもそういった分野に明るい人ばかりではないというところも踏まえて、できるだけ重要な部分、根本的なエッセンス、これを端的に理解していただくことを念頭に置きながら、重要なエッセンスの部分をガイドラインとして今回作成をさせていただいているわけです。

 ですので、もしこの場でいろいろな御意見、御助言等を頂ければ、その部分についてはまた反映させていただくなど、検討させていただいて、社会保険労務士が十分に役務の提供を果たせるよう、障害の有無にかかわらず、十分な社会的な役割を果たせるよう、有意義な対応指針にしたいと考えているので、御意見を頂戴できればと思っています。以上です。

 

○司会

 それでは、厚生労働省が作成した事業者向け対応指針案の御説明は以上となります。この時間から、御出席の皆様から御発言をお願いしたいと思います。御発言を頂く際には、まず挙手をいただきまして、こちらの指名を受けてから発言をお願いします。できましたら最初に結論を述べていただいて、その後に理由を説明をしていただければと思っています。御発言の際には、まずお名前をおっしゃっていただいて、ゆっくり分かりやすく御発言いただきますようお願いします。できるだけマイクに近寄ってお話しいただくよう、お願いします。

 それから、御発言の際は資料番号を指定の上、どの分野の事業者向け対応指針案の、いずれの項目に関しての御意見なのかというのを、ページ数と合わせてお知らせいただくと有り難いと存じます。例えば資料 1-1 、福祉事業者向けガイドライン、 2 ページの経緯についての意見ですといったようにお願いできればと考えています。

 それでは、これから 14 40 分ぐらいまでの時間で御意見を賜りたいと存じます。これから 11 人の皆様に御意見を伺うことになりますので、御発言は簡潔に、議事の進行に御協力をお願いします。それでは、挙手をお願いします。一番に挙げられました大塚先生、どうぞ。

 

○日本発達障害ネットワーク大塚理事

 日本発達障害ネットワークの大塚です。 3 つほど簡潔に意見をお話します。障害者差別解消法の福祉事業者向けガイドラインを使ってということで、資料 1-1 です。事例等を入れていただいて、大変分かりやすい事業者向けのガイドラインになっていると考えています。その中で 1 番目に、 10 11 ページにかけての「合理的配慮とは」ということです。特に 11 ページの 2 段落目、合理的配慮は非常に「多様かつ個別性が高いもの」などということが入っています。それも含めて、事業者が具体的に合理的配慮をどのように行うか。それも個別性の高いものに対する対応ということなので、その方法として、個別の支援計画によるということを明記したほうがいいのではないかと思っています。

 企画課長がおっしゃったように、これを例えば研修に使えるものとして、事業者が理念があって具体例はあるのだけれど、どのようにして合理的配慮、あるいは障壁を解消、除去していくということが明確ではない。そのときに使えるのが個別の支援計画だと思っています。相談支援専門員が作るサービスの利用計画でもいいですし、サビ看が作る個別の支援計画、あるいは居宅介護事業者が作る計画、そういう中にきちんとこのようにして合理的配慮をやっていくのだと。正にサービス提供や支援における合理的配慮ですから、そういうものを入れてはどうかということを提案します。

 続いて 2 つ目です。「意思の表明」という所の 2 つ目のパラグラフに、「障害者からの意思の表明のみでなく、知的障害や精神障害等により本人からの意思表明が困難な場合には、障害者の家族、介助者等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う」ということになっています。

 1 番目について、「介助者」という言葉に少し違和感があるところです。「介助」という言葉は、基本法、総合支援法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法にはゼロです。身体障害者福祉法のみ 9 個ヒットしました。「支援」という言葉は基本法に 21 、総合支援法に 969 、知的障害者福祉法に 81 、精神保健福祉法に 42 、身体障害者福祉法に 103 ということです。ですから、ほかのところにおいても「介助者」という言葉は少し違和感があるのですが、特にここは障害者からの意思の表明ということなので、意思の表明を介助するという言葉は多分ないと思いますので、ここは「支援者」ではないかと考えています。そのほかの場所においても、むしろ「支援者」のほうが良いのではないか。一般的な言葉として、良いのではないかということです。

 それから、「コミュニケーションを支援する者」、これが必要かどうか分からないのですが、それに加えて成年後見人と法定代理人というものが必要だと考えています。サービス提供、契約の主体となり得る障害の重い方については、家族、介助者だけではなくて、法的には後見人等なのですから、その優位性からいってもこれは非常に重要なものです。成年後見人制度そのものが様々な課題があるということは承知していますが、これを良い意味における、障害のある方、意思表明が困難な方に対する権利を擁護する主体として、これから推進していくためにも必要だと考えています。

 それから、その下の「意思の表明が困難な障害者が」ということと、最後に「建設的対話を働きかける」ということが、どうも合わないように思っています。意思の表明が困難な障害者についても建設的対話を行うというのは非常に良いことで、必要なことだと思っています。権利問題としてはいいのですが、事実問題として、非常に障害が重い方について、意思の表明が困難な人が建設的対話によって成り立つというのは、ちょっと考えられないことだと思っています。そうなると、意思の表明が困難で介助者がいない場合について、明らかに合理的配慮が必要だということであれば、法の趣旨に鑑みれば、それは事業者が自ら様々な過剰な負担などを乗り越えて積極的に取り組んでください、やってくださいという意味のほうがいいのではないかと思っています。建設的対話というのと、やはり意思表明の困難な障害者というのは、理想的にはいいのですが、現実的な問題としてはなかなか困難だと考えています。

 それから、最後です。事例の所における 37 38 ページ、発達障害の方についての主な特性ということ。特に 39 ページの「注意欠陥多動性障害」について、主な特性という所はいいのですが、どうしても例示をするときに、分かりやすくするために、ネガティブな言葉が出てきてしまっているということがあると思っています。それで、価値が伴うようなことになっています。例えば注意力を維持すること、同じ間違いを繰り返す、すぐ飽きる、先延ばしする、じっとしていられない、おしゃべりが止まらない、辛抱できない、決まりを守らないというのは、正にネガティブな言葉なので、むしろ障害に対する誤解を与える言葉だと思っています。こういうものについては、私たち団体としても言葉を考えますが、肯定的な意味において、事実を事実として伝えられる言葉にしたほうがいいのではないかということを提案します。以上です。

 

○司会

 ありがとうございました。では、端からということで伊藤さん、お願いします。

 

○日本難病・疾病団体協議会伊藤前代表理事

 日本難病・疾病団体協議会の伊藤です。意見というよりも、こういうのはどう考えるのかという全般的なことと、どこが所管するのかという話をさせてもらいます。

 1 つは福祉事業者向けですが、福祉事業者向けと言っていいのかどうか。事業者というよりも、むしろ厚生労働省としてどうお考えかということをお聞きしたいのです。この中では視覚障害の主な特徴などにある「先天性の場合」ということで、例えば糖尿病性網膜症などが書かれていますが、糖尿病性で網膜症になる場合は視覚障害なのでしょうけれど、では、先天性の糖尿病自体はどうなのだということが、「うんと悪くなったら見ますよ」みたいな印象があって、ここのところをどうお考えなのかということ。

 それから、 33 ページに「内部障害」が同じく出ているわけですが、ここも心臓機能障害以下が書いてありますが、ここに書かれている機能の障害だけが内部障害なのかなと思っています。

 それと、続いて次のページに「難病」と書かれているわけですが、こういう難病というジャンルと内部障害というジャンルがあって、どちらも病気なのだと思いますが、この関係もこれから、今の課題ではないのかもしれませんが、どうしたらいいのかということ。同じ福祉サービスの中で、いわゆる機能障害という障害と難病とでは受けることができる、国のほうのサービスは同じにしても、社会的には少し少ないように思うので、そういう同じ障害と位置付けられているものの中で、ジャンルによっては受けることができるサービスが違うというのは今後の課題なのか、これからどのように取り組んでいくのがいいのか、もしもお考えがあったら教えていただきたいと思います。

 それに関連するのですが、社会保険労務士の所でも、これは社会保険労務士が悪いわけではなくて、この話はどこに持っていったらいいのかということです。主に病気の人、内部障害も含めてですが、年金なのです。障害年金の認定などで、県によっても大変大きな差がある。認定にも差がありますが、先般の報道などによりますと、減額だとか停止というところで、診断書なのか認定なのか分かりませんが大きな差がある。こういう場合の話というのは、どこでなのか。あるいは、そういう認定・判定の違い、意見書の書き方の違いというのは、必ずしも差別解消法とは直接リンクしないということなのか。もしも少し分かりましたら、教えていただきたいと思います。

 それと、もう 1 点ですが、最近様々な事件が起きるせいか、人がたくさん集まる所での椅子というか、座る場所、休む場所が非常に少ないわけです。例えば東京ですと、東京駅からずっといくような地下街、地下通路にしても、非常に長い通路、全く休む所がないのです。私どもも患者さんを案内して、何度か本当に困ったことがあるのですが、ちょっと一息させる、休ませる、回復を待つという場所がないのです。そういう公共の場所で、やはり病気を持っていて何とか社会の中で活動しようとしても、少し腰掛けるとか休む場所がないというのは、今後、日本の都市構造の在り方として、そういう方向でずっといかれるのか、そうでない方法もあるのかというのは、しかもその話はここでするのか、もっと別な省庁の話なのかというのも分かりませんので、分かりましたら教えていただきたいと思います。以上です。

 

○障害保健福祉部企画課長

 厚労省の企画課長の川又です。幾つか難しい御質問を頂きましたが、障害者の範囲ということだと思います。確かに福祉サービスなど、様々な要件なりでサービスが異なったりとありますが、この差別解消という文脈における障害者というのは、例えば資料 1-1 の福祉のガイドラインであれば、 3 ページに「対象となる障害者」ということで、これは国の基本方針から引用していますので、国の基本方針、内閣府の政策委員会のほうでおまとめいただいた範囲を踏襲していますが、基本的には狭い意味での身体障害者とか、知的障害者というだけではなくて、「社会的障壁によって、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制約を受けるもの」という文脈で、この解消法という文脈では把握をされると思いますので、そういう意味で、狭い意味での障害者ではなくて、広い意味での障害者を、このガイドラインは念頭に置いているということと理解をしているところです。

 それから、最後の座る場所の話です。これはあくまで厚労省の所管の事業のガイドラインなので、それぞれの所管の分野の業界において、例えば休憩の場所とか、そういう配慮はしていただければ、していただいたほうがいいと思いますが、例えば公園だったら国交省とか、それぞれの恐らく省庁の事業の所管する分野におけるこうした指針なりガイドラインなりのほうで、それぞれの業界のほうでお考えをいただかなければいけない。厚労省だけでもいけないし、全体でそういう声を受け止めて改善をしていくのかなと考えています。もちろん我々の厚労省の所管の業界で工夫できることがあれば、取り組んでいくべきだと思っています。

 また、障害年金の認定の話がありましたが、認定自体は年金機構のほうで認定をされるわけですが、地域差があるという御指摘もあって、今、精神・知的障害者の認定基準というのをある程度そろった判定ができるようにということで、基準の精緻化を図る検討が進んで、概ね成案が出来つつあるというところです。そうした取組を通じて、ばらつきというものは是正をされていくべきだろうと思います。ただ、それが差別なのかどうかというのは、ちょっと違う面もあるのかなという気はしています。

 

○司会

 よろしいですか。では、森様、お願いします。

 

○日本身体障害者団体連合会森常務理事兼事務局長

 日身連の森です。どうも今日はありがとうございました。私は各省庁のヒアリングに出ていまして、非常にむなしさを感じていたのですが、特に厚労省の対応要領については通り一辺のような形だったものですから、何かもう少し肉はないのかなと思っていましたところ、今日、私は本当に嬉しく思っています。参考ページも出てきているし、いろいろ障害特性なんていうのも出てきているし、私がちょうど考えていたようなことが出てきているので、本当によかったと思っています。

 この施行の問題、このガイドラインに平成 27 年何月と書いてありますが、これは附則がまた付いて、平成 28 4 1 日からという形で理解してよろしいでしょうか。

 それと、もう 1 つは障害特性についても書いていただいて、本当によかったと思っていますが、例えば 29 ページを見てもらいますと、出典が出ているのです。「失語症のある人の雇用の支援のために」という形で、そこから引用していますよという形で出ています。そういうところから見ると、違うのはどうなっているのか、根拠みたいなのがあるのかなと。といいますのは、これは恐らく厚労省が作りますからバイブルになると思うのです。だから、その辺の言葉などは本当にいいのかなという気がしています。

 それと、言葉遣いが少し違うデータによると、言い回し等についていろいろなものがあると思いますので、それは我々も事務的に、パブリックコメントか何かのときに少しお話しようかなと思っています。

 それと、私が食堂などに行って非常に気になっていたのが補助犬の問題なのです。「ペットはお断りします」と書いてあって。補助犬のことについて細かく出ているのでよかったと思うのですが、恐らく衛生との関係でそういう話が出てくるのではないかなと思って。そうすると、そういう場合においては正当な理由になるのかならないのかと思って、実はずっと悩んでいたのですが、その辺がもし分かったら教えていただきたいと思います。

 それと、この参考ページというのは、厚労省の対応要領などにも何か入れておいたほうがいいかなという気がしています。というのは、新人研修などに相当使えると思うのです。参考になると思いますので、そんなことを私なりに少し考えました。以上です。ありがとうございました。

 

○司会

 いつから適用になるのかということが 1 つ目の御質問だったと思うのですが、法の施行が平成 28 4 月からということで、こちらのガイドラインについても、その施行に向けてということで準備してまいりました。できれば、パブリックコメントが 9 月か 10 月ぐらいに終了しまして、最終版を公表するという形で、そこから平成 28 4 月まで周知徹底の期間を設けるということで、本格的な適用については平成 28 4 月になろうかと思いますが、それ以前から事業者の方には見ていただいて準備をしていただくことになると考えております。

 障害特性の出典についてですが、一応、障害部にもいろいろな専門官もおりますし、専門機関であります国立リハビリテーションセンターや精神・神経医療研究センターの医師の方や、国立のぞみの園の専門家の方等にもチェックいただいて作っております。

 

○健康局

 健康局生活衛生課です。食堂の補助犬の関係なのですが、基本的には法律上で正当な理由がない場合は受け入れる義務になっております。私どもも、それを周知徹底はしていこうと思っておりますので、今回のこのガイドラインの周知等を含めて御意見を頂いた内容についても適宜周知してまいりたいと思いますので、今後は配慮していきたいと思っております。特段、私どもから明言して示しているものではなく、その辺りは今後周知していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○司会

 要領にも参考ページを入れたらどうかというような御意見も頂いておりましたが、この意見は人事課にもお伝えをしまして相談させていただきたいと思います。

 

○全国精神保健福祉会連合会本條理事長

 全国精神保健福祉会連合会の本條です。私も、隣の森さん同様、今回のガイドラインは非常によくできていると思います。ただ、前回までのヒアリングを通じて思ったことがありますが、やはり今回の厚生労働省の指針を是非他省庁のガイドライン、あるいは地方行政にも、また事業者にも十分周知徹底といいますか、すり合わせをしていただき、少なくとも先ほど障害者の定義のお話もありましたが、障害者権利条約あるいは基本法にのっとった、課長のお言葉によれば広義の障害者という定義の差別解消に向けて推進していただきたいと思います。これが第 1 点です。

 第 2 点は、 45 ページに研修あるいは相談等が書いてありますが、ちょっと提案があります。やはり障害というのはいろいろあるわけで、是非、研修をする場合には具体的に機能による障害だけでなく、社会的障壁。どういうことが障害のある方にとって生活のしづらさを伴うかを、具体的に研修していただいたらいいのではないでしょうか。 1 つは、御本人の体験あるいは疑似体験を取り入れていただいたらいいのではないでしょうか。それから、日身連では相談事例集を作っておられますから、そういう当事者団体の相談事例集なども参考にしていただいたらいいのではないかと思います。精神においても、後ればせながら本年度初めてとなる精神障害者相談事例集を作りたいと思っておりますので、それらも参考にしていただければと思います。

 最後に、資料 1-4 で全般的なことですが、障害年金等では従来は社会福祉士、精神保健福祉士などに相談に乗っていた場合がありますが、年金相談となりますと社労士が一番専門知識が深いと思います。障害者差別解消においては、この程度ではいいと思うのですが、是非とも障害そのものについての理解、促進を深めていただくということになれば、社労士はもともと年金や労働法については詳しい知識がありますから、障害のことがお分かりになれば、今まで年金の支給を受けられなかった方が受けられるようなことにもつながるのではないかと思いますので、是非、御検討いただきたいと思います。

 

○司会

 貴重な御意見をありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。

 

○労働基準局

 社会保険労務士関係で頂戴いたしました御意見については、もちろん障害年金についての専門家という位置付がありますので、そういったところに関連して、必要な情報等を社会保険労務士を通じて提供できる場面があれば、そういったところにも活躍できるように努めてまいりたいと思います。貴重な御意見、ありがとうございました。

 

○全国肢体不自由児者父母の会連合会石橋副会長

 全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋です。資料 1-1 25 27 ページですが、肢体不自由者を、車椅子使用者と車椅子以外と区別したのはなぜなのかなというのが 1 つあります。というのは、共通する事象もありますので、なぜ区別したのかなと。また、特性の中には知的障害者、生まれながらにして障害を持っている私たちの子供たちにとってみれば、児者が関係しまして、最初から車椅子という状況もありますから、こういう区切りにするのは今一時の状態からの方に対してはこうですよという見方のガイドラインなのか、流れの中でのガイドラインなのか。何を事業者に知ってもらうのかなというのが、ここだけが状態に合わせて区別しているのですね。車椅子に乗っている人と乗っていない人と。単純な区分けではないと思います。

 それから、衛生事業者向けのガイドラインの 1-3 の薬局というのは、要するに調剤をしていればいいのでしたら、コンビニやスーパーなども全て含まれると理解すればよろしいのでしょうか。

 

○社会・援護局障害保健福祉部

 障害保健福祉部の加藤と申します。肢体不自由者の記載の所です。この辺りは、有識者の方々からも対応者が分かりやすいカテゴリーにしたらどうかという御意見を頂きながら全体的に記載をさせていただいているところです。今頂いた御意見も踏まえて、もう一度全体的に整理をしてみたいと思います。

 

○医薬食品局

 薬局に関してお尋ねいただきましたので、医薬食品局総務課の浦からお答えいたします。まず薬局という所は、医師から処方せんをもらって薬をもらう所、調剤をしてもらう所と法的に位置付けられております。現在、いわゆるドラッグストアなどいろいろな形で一般用医薬品を購入できますが、そういう所とは実は一線を画しております。最近は、ドラッグストアの中でも調剤を受け付ける、処方せんを受け付ける薬局の機能を持っている所、併設している所も増えてきておりますので、そういう意味ではなかなか一般の方からすると区分けしづらいところはあるかと思います。考え方としては、医師の処方せんを持って行って、そこで調剤をしてもらえる所を薬局と言っているということで御理解を頂ければと思います。

 

○全国肢体不自由児者父母の会連合会石橋副会長

 ありがとうございました。

 

○司会

 よろしいでしょうか。

 

○日本盲人会連合藤井組織部部長

 盲人会連合の藤井と申します。いろいろと見直しなり、詳しく整理いただきまして、かなり当初とは変わったことをまず御礼申し上げます。 2 3 、お伺いしたいことがあります。 1 点は、これらの指針ですが、事例を積み重ねながら少しずつ改善していくというお話がありました。法律そのものは 3 年後の見直し規定がありますが、指針はそれに伴って再度、このような形になるかどうかは別として、見直しをなさるということになるのかどうかをお聞きしたいと思います。

 それから、これはしつこく申し上げておりますが、指針ですので、地方自治体あるいはいろいろな民間の事業者へ向けての指針になると思いますが、その中で障害者雇用促進法に関わって、例えばこの範囲でいきますと、障害当事者がたくさん働いている実態があります。これらについては、障害者雇用促進法の規定が適用になるということで、指針の中には直接触れられておりませんが、例えば私ども視覚障害者や聴覚障害者は、そこで適切な仕事をしたり、事業者の対象となる顧客、あるいは事業の対象者に対して適切な配慮義務を実施しなければいけないということがあります。そうすると、基本的には何となくですが、全体枠でいいますと、健常者が障害者に向けてどうすべきだというイメージになってしまうなというような危惧を抱きながら、今、全体の流れを思っております。

 是非、これらの指針を提示なさるときには、障害者雇用促進法における合理的配慮義務の問題とセットで提示いただけないでしょうか。そのことによって、合理的配慮あるいは差別をしてはならない障害当事者が適切に、顧客ないしは利用者、あるいは対象者に対して義務を果たせるのではないかと。そのことによって、この法律が健常者が障害者に向けてやっているので、提供する側と提供される側という何となく全体ににおう雰囲気がクリアできるのではないかと思い、非常に言いにくいのですが、全体として整理がついてきたなという御礼を申し上げながら、 1 つの質問と提案を申し上げました。よろしくお願いいたします。

 

○司会

 藤井様、ありがとうございました。 1 つ目の見直しをいつのタイミングでするのかということでしたが、こちらについては特に 3 年といったことではなく、随時見直しをしていくと考えております。

 最後の御提案については、私どもも貴重な御意見として持ち帰り、内閣府等にもお伝えをする中でどのような対応が取れるのかも考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○日本盲人会連合藤井組織部部長

 随時意見を述べていいということになるのでしょうか。

 

○司会

 そうですね。御意見については、随時承ってまいりまして、改正のタイミングはまた別になるかもしれませんが、随時承ってまいりたいと思います。

 

○日本盲人会連合藤井組織部部長

 ありがとうございます。

 

○全日本ろうあ連盟小中副理事長

 全日本ろうあ連盟の小中です。幾つか気が付いたことについて申し上げたいと思います。 1 つは、障害の特性に応じた対応について、これは入っておりますが、分かりやすく参考になるだろうと思います。ちょっと改定していただきたいことがあります。最初の、福祉事業者向けのガイドライン、 21 ページの聴覚・言語障害の所になります。「難聴者は補聴器や人工内耳で聴覚を補完する」という記述になっておりますが、補完という言葉はちょっと抵抗感が否めません。聴覚を補って完全にというような状況の言葉の意味らしいのですが、補聴器や人工内耳を装着しても聴こえる方と同じような聴こえになるということはないわけです。ですから、補完という言葉は削除していただきたいと思います。

 それから、 23 ページの最初の部分、人工内耳を使っている場合にスピーカーを通じる等々と書いてある所ですが、人工内耳だけというような表現をしておりますが、これを補聴器も加えていただきたいと思います。補聴器、人工内耳を並列して記述していただきたいと思います。

 それから、主な対応の所で、「手話や文字表示など、聴覚情報を代替する配慮」と書いてありますが、代替という言葉は少し気になる部分です。できれば、聴覚情報を目で見て分かる情報に変える配慮というような表記に変えていただきたいと思います。その下になりますが、「人工内耳を装用し、残響や反響がある」という所も、先ほど話したように補聴器も入れていただきたいと思います。補聴器、人工内耳を並列した形で入れていただきたいと思います。

 それから、いろいろな具体的な対応についても出されており、分かりやすいのですが、衛生事業者向けのガイドラインの 22 ページの 3 番目の、「ホテルでのコミュニケーションツールについて」という例が出ております。全体的に、聴覚障害者の場合、コミュニケーションの面において載ることが多いのですが、ホテルに関してはこれに加えて追加していただきたい言葉があります。客室の中でテレビを見るとき、ホテルによっては字幕のボタンのないようなテレビが置いてある場合もあります。字幕表示が見られないホテルはまだまだありますので、字幕ボタンのあるテレビを、安心して字幕付きの情報も得たいということも含めて載せていただきたいと思います。

 次の 4 番目は、「会計時等の気配り」についてです。最終的な会計の前に、まず店に入って注文をします。その時点で聴こえないということが分かった場合に、注文するときの配慮が必要です。例えば、メニューを指差したり、筆談したりという対応があります。店によっては、非常に繁忙時期で嫌な顔をされて、それがトラブルになった例もまだ起こっておりますので、入店したときに聴こえないということを出した場合には、メニューで確認したり、筆談をしたりという部分の配慮も入れていただきたいと思っております。

 それから全体的に、私は文科省の対応指針の会議にも参加させていただき、その比較として気が付いたことを申し上げます。 1 つは、福祉事業者向けのガイドラインの 15 ページ (2) 合理的配慮と考えられる例に記載されている事例は、例示でありとなっております。事業者に強制する性格のものではないというような書きぶりになっております。この書き方については、かなり事業者に配慮しすぎなような書き方のようにも見受けられます。事業者の負担になるようならば、しなくてもいいというような受け止め方になりやすいです。できるだけやってほしいという気持ちが、まず大切になります。どうしてもそれでもできないといった場合には、しょうがないと思いますが、初めから「過重な負担となる可能性があるため」というようなことが表現の中で強く出しすぎというのは、文科省の表記は少し抑えたような表記になっておりますので、同じような表現に工夫をしていただければと思います。

 また、文科省の対応指針においては、望ましいという言葉について少し説明を入れ、対応指針ですので、義務ではない。望ましい、しかし意味はできるだけやっていただきたいという気持ち、そういう姿勢であるということをわざわざ入れております。そのようなことも、一緒に工夫をしていった形で入れてほしいと思います。

 それから、研修についてですが、研修・啓発は非常に重要なことだと思います。その研修・啓発をするときに、文科省の対応指針の場合には、いろいろな分野において、福祉や医療、また障害当事者関係団体等の関係も含めて対応していきましょうというような文面になったと思います。それと同じようなことも、ここに入れていただければ有り難いと思います。

 

○司会

 障害特性の部分に関して、いろいろ文言の整理についての御指摘を頂いたかと思います。こちらについて、頂いた御意見等を再度整理をさせていただきたいと思っております。また、ほかにもお気付きの点等がありましたら、後ほどまた文書等でもお知らせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 文科省の指針との差の御指摘もありました。こちらについては、私どもも文科省の文言等を参照させていただき、再度どのような形の記載がいいのかを検討させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○全国盲ろう者協会福島理事

 本日は、対応要領の部分もこの後おありかと思いますが、恐らくこの対応指針が中心だと思いますので、この対応指針についてやや丁寧に申し上げます。

 まず、全体的なことについての感想になりますが、先ほど森さんもおっしゃっていたように、こうした指針が出されることは私も大変画期的なことだと思います。国が、こうした具体的な例も含めて示されることは、意味があるだろうと思います。しかも、これら差別解消法が直接の契機ではありますが、背景、それに関しては権利条約がありますので、それが非常に重要だろうと思います。その意味で、本條さんがおっしゃっていたように、例えば研修などでは障害をめぐる社会的障壁、つまり障害が障害者の中に孤立してあるだけではなくて、社会的障壁が障害の本質なのだという障害者権利条約の精神は、是非、各事業者の皆さんにも基本的な部分は伝えていただければうれしいと思っております。今後、研修が非常に重要だろうと思います。

 藤井さんがおっしゃっていた雇用促進法との関連も、差別解消を実質的に進めていく上では不可欠だろうと思います。ちなみに、私たち盲ろう者については、こうした盲ろう者についての記述がこういった文書に出てくること自体が非常に画期的なことなので、とても有り難いことです。ただ、それだけにほとんど初めて出てきたということもあり、今後いろいろ手直ししていただきたいことが出てくるかなと思っております。

 例えば、見出しの所で割と表現が揺れており、資料 1-1 の福祉、医療、生活、 22 23 ページですが、「視覚と聴覚の重複障害 ( 盲ろう ) 」、主な特性と書かれていたりするのですね。これは、最初に「盲ろう」というものを出していただきたいと思っております。ほかの部分では、盲ろう者が最初に出てくる所もあるのですが、視覚と聴覚が最初にきてしまうと、何か盲ろうという障害についてが説明みたいになってしまうので、そうではなく、権利条約の第 24 条などでは公定訳でも盲ろうという言葉が日本語で入っています。確かに、身体障害者福祉法ではまだ盲ろうという表現はないのですが、国際的な盲ろうという障害が認知されていて、権利条約にもわざわざ書いてありますので、是非これは見出しにも「盲ろう」で統一していただきたいなと思います。

 それとの関連で、例えば対応の仕方、「主な対応」の所で幾つか出てきているのですが、盲ろうというのが視覚や聴覚の単一の障害への対応で大丈夫な場合もあるけれども、それが難しい場合は対応を考えましょうというような流れになっているのですが、これも視覚障害や聴覚障害単一の支援とはやはり違います。もし、単一の障害の対応でオーケーなのであれば、盲ろうという枠を考える必要がありません。

 例えば、同じ点字を使っているといっても違うわけです。例えば、今日の点字の資料がありますね。資料は点字で出していただいたのは有り難いのですが、だから点字を読むのですけれども、この場で点字の資料をもらっても意味がないのです。なぜならば、盲ろう者である私は話を聞きながら点字を読むことはできないからです。手や腕で話を聞いているので、同じく手や指で文字を読む点字は同時には使えない。したがって、盲ろう者はその場で配布された点字資料は意味がないのです、読めないのです。例えば、こういう例でも分かるように、同じ点字を使っているといっても、視覚障害者への配慮と盲ろう者では質が違うということ。表面的に点字を使っているからいいのだなというので発想が違います。

 参考事例の所でも、点字は使っているから施設の訓練ができるか、あるいは掌に字を書くことで訓練が受けられる方向に話が進みますというような、これはあくまでも仮想の事例だと思いますが、これなどでは掌に字を書けばそれでいいのかとか、普通の点字ができるからそれでいいのかという誤解をされてしまいます。そうではなくて、たとえ点字で話ができたとしても、あるいは掌に字を書けたとしても、そもそも施設まで盲ろう者は 1 人で行けないわけです。どうやって行くのか。そして、施設の担当者が何か言いたいことを自分の都合でちょっとだけ書いて、そのままどこか行ってしまったら盲ろう者には何も分からないので、その辺りの対応は必要なのですね。

 ということで、とにかく具体的な表現はともかく、盲ろうというのは独自の障害であり、視覚障害単独や聴覚障害単独とは異なる対応が必要なのだということ。 2 つが重なってしまうと、それが足し算ではなく掛け算になってしまうのだということ辺りを、今後中身を膨らませていただければうれしいなと思っております。

 あとは、これは障害の特性の所で、いろいろと目と耳の障害の組み合わせについて書いてくださったりしていますので、それはそれでいいのですが、もう 1 つ大きな特徴は、進行性の障害が多いということです。特に視力の低下が進む過程では、非常に複雑な障害像の状態になりますので、例えば昼間は見えているのだけれども夜は見えなくなる。これは、もちろん単一の視覚障害の方の問題でもあるのですが、そこに耳が加わると非常に大変さが増幅されます。こういった昼と夜での見え方が違うことがあるといったことですね。

 あとは、差別の事例になるかどうか、もしかすると虐待の例になるかもしれませんが少し申し上げますと、盲ろう者の関係で高齢の盲ろう者が老人ホームに入ったときによく出てくる話で、トイレに行ったり食事のお世話とかはされるのですが、コミュニケーションの対応が事実上ない。ですから、放置されてしまう。これは、沈黙の拷問なのですよね。無言の行を強いることなのです。今の制度とは、盲ろう者がいてその人に話しかけなくても別に違法ではないし、それが差別ということにはならないのですが、拷問に近いような苦痛を盲ろう者は受けるのです。コミュニケーションがないことは、非常に苦しいのですね。そういったことはこれまで見過ごされてきたので、権利条約で盲ろう者のことが明記されて、そして差別解消法が日本でもできたということで、盲ろうという状態がいかに人にとって過酷なものか、そして、それに対応するシステムがこれまでいかに未整備であったかという点を踏まえて、今後内容を膨らませていただければうれしいなと思います。

 最後に 1 点だけ。これまでの記述は主にコミュニケーションに限定されておりますが、盲ろう者のニーズはコミュニケーションが自力でできないことだけではなく、移動もできないということ、それが重なっていること。そこが分かりにくいので、その記述がないので、移動のハンディとコミュニケーションのハンディが両方重なっていますので、その辺りをどこかに入れていただければうれしいと思います。

 

○司会

 貴重な御意見、ありがとうございました。御意見を踏まえまして、文言、表現の整理をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。続きまして、見形様。

 

○ディーピーアイ日本会議見形事務局長代理

 ディーピーアイから意見を述べさせていただきます。

 厚生労働省の福祉事業者のガイドラインのほうから、全般的なお話をさせていただきたいのですが。ディーピーアイは皆さん御存じだと思いますが、障害種別を越えて人権擁護活動、権利擁護活動をしている当事者組織です。よろしくお願いします。

 まず全体的に、ほかの省庁も読ませていただいて、それに比べまして非常に丁寧に作られているということが分かりました。それは大きく評価できるものであると思っています。やはり、厚生労働省の皆さんとは、長年の障害者運動の中の積上げとかがこういった形になって、私たちに寄り添っていただく形のガイドラインという形でできてきたのかなというふうに感じていて、これを基に、ほかの省庁もモデルとして是非頑張っていただけたらなと考えています。あと、具体的な事例などのことで、少しお話を付け加えていただけたらということがあります。

 まず、 10 ページ、福祉事業者のほうですけれども、正当な理由と合理的配慮の過重な負担というところがあると思うのですけれども、この文言のところなのです。この記述で抜けているところがあったと思うのですが、 10 ページの「また、正当な理由を」と書いてある 1 文があると思うのですが、「また、『正当な理由』を根拠に、不当な差別的取扱いを禁止する法の趣旨」ということで、「形骸化されるべきではなく、抽象的に事故の危惧がある、危険が想定されるといった理由によりサービスを提供しないといったことは適切ではありません」という表記を入れていただいて、非常によかったと思います。

 それについては先ほども、ほかの団体の皆様もおっしゃっていたと思うのですが、理由があるからといって、闇雲にはないと思うのですが、サービスを提供しないという流れを作っていってしまうということは大変困ってしまうことなので、過重な負担に全て該当させられてしまうと、結局は差別を助長する可能性も出てきてしまうので、その辺については、ほかの所にもこちらの文言を入れていただけるといいかなと思います。衛生事業者の過重な負担の所にもこの記載が抜けていたと思いますので、入れていただけるといいと思います。医療のほうも同じような表記をしていただきたいと思います。 6 ページの「正当な理由の判断の視点」という所にも、最後に抜けているので、こちらに入れていただけるとよいと思います。

 それから、事例がいろいろあるのですけれども、これについてはパブリックコメントでもこれから募集されるということで、たくさん出てくるといいなと思うのですが、例えば差別事例として、私やディーピーアイのほうで把握していることをちょっとお話できたら、例として幾つか挙げたいと思うのです。

 こちらには記載はありませんが、某施設で地域移行という流れで、障害のある方が自立を目指していらっしゃる当事者の方がいるのですけれども、保護者を同伴しないと外に出してもらえないという事例が実際起きています。そういったことは、実際こちらのガイドラインにも、してはいけないということを記載されているのですけれども、そういった事例が起こっていますので、これについては、成人である人たちに対しての処遇として、扱いとしてはあってはいけないと思うのです。そういう姿勢がまだ施設のほうにあるという現実を書いていただきたいというか、重く捉えていただきたいなと思います。

 また、これは好事例として挙げられるのですけれども、私の例ですが、実際病院に行ったときに、診療台に、私は左側からじゃないと介助ができないのですが、どうしてもベッドが右側にあって左にいけないという状況があって、そこを病院のほうに動かしてもらって診療ができたということもありました。一個人の病院ですけれども、そういったところで工夫をしていただけて、とてもよかったなと思っています。

 また、相談支援の初任者研修は、対応事例だと思うのですけれども、研修を受ける身であった者が車椅子使用者だということは分かっていたのですが、やむを得ずか分かりませんが、階段しかない会場に行くことになってしまって、車椅子を 3 階まで上げてもらったというか、上げざるを得ないのですが、そういった形で対応したということも、最近ですが報告がきています。そういった事例について、聞いていただきながら盛り込んでいただけると、より分かりやすいものになっていくのかなと考えております。

 次にいきます。 45 ページの相談体制と当事者参画の部分です。これについては、専門家は相談体制、専門家の方々の名前はたくさん書いて、団体さんはたくさん入っているのですけれども、そこに当事者の団体、 NPO 法人とかを含むというようなことを入れていただけないかと思います。なかなか障害のある人たちは、窓口に行って話すということがハードルが高い部分もありますので、そういった意味では、私たちの当事者の組織とつなげていくということを、是非、福祉事業者や医療従事者の人たち、事業者の方々にも、全面的に知っていただけないかなと考えます。

 35 ページの「知的障害」の方々の特性についてというところです。この特性については、私たち障害のある人たちは医療モデルではないということで、社会モデルとして法律では捉えられていると思うのですけれども、この知的障害の方の特性の部分では、そういった医療的な要素、医療モデルとしての要素が多いのかなと感じています。この文言になりますと、ステレオタイプというか、知的障害者はこういうものという枠で捉えられてしまう危険性があるのではないかと思っています。具体的には特性の部分で「脳の障害が原因」という表記がありますけれども、こういったネカティブな発想というか、表記ではなくて、考えたり理解したり読んだりとか、こういった形の表記で、支援が必要な人、支援が必要であるといったような表現に変えていただけないかと感じています。

 最後です。 11 ページです。先ほども御意見を頂いたと思いますが、成年後見の部分です。確かに、成年後見の人たちが意思決定の部分で必要なところというのも理解できるところもあるのですけれども、世界的な権利条約の流れや、そういった動き、問題点、選挙権の問題など、当事者の権利が剥奪されてしまうというところが大きな要素として、問題として挙がっています。そういったところで成年後見人を置くというところではなくて、意思決定支援員とか、支援者というような表記でやっていただくことはできないかと思います。以上です。

 

○司会

 見形様、ありがとうございました。様々な御意見を頂戴いたしました。表現に関すること等については、持ち帰りまして、それぞれの部署で整理を再度させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。お待たせしました。大濱様、お願いいたします。

 

○全国脊髄損傷者連合会大濱副代表理事

 医療のガイドラインついてお願いします。 10 ページの差別的取扱いで、医療機関や薬局がサービスの提供を拒否することが挙げられており、福祉事業者と同じような書きぶりになっています。この中で、「人的体制、設備体制が整っており、対応可能であるにもかかわらず」拒否することとありますが、これを反対解釈すると、人的体制や設備体制が整っていなければ正当な理由に該当すると読めてしまいます。例えばこれまで何度も問題になっていますが、救急車で搬送されても、今の人的体制ではこれ以上の患者の受け入れは無理だからという理由で、あちこちの病院をたらい回しにされて、病院にたどり着く前に亡くなってしまったという例もあります。ですから、医療のガイドラインでは、ここをもう少し強く書いていただきたいと思います。一律の書き方だと誤解を生んで、同じような事故が発生していますから、例えば三次救急医療機関などでは正当な理由にもっと高いハードルを設定するなどの措置が必要だと思います。それが 1 点目です。

 次に 12 ページですが、病院などでの電光表示板や施設内放送の文字化のことが書いてあります。病院などでは厳重に守られていると思いますが、個人情報保護の関係で、名前などを表示しないように注意すべきだと思いますので、一文入れていただきたいと思います。以上です。

 

○医政局

 御意見ありがとうございます。医政局の総務課でございます。今、御指摘いただきました 1 つ目の、いわゆる医療機関や薬局における人的体制、設備が整っているという状態において、診療、入院、調剤等を拒否するというところの表現が、今一弱いというところにつきましては、非常に貴重な重要な御意見かと思いますので、例えば 3 次救急医療とか、もちろん 3 次に限らず、いわゆる緊急の診療の必要性があるということも当然ながらあるかと思いますので、そういったところを考慮して、どういった書き方ができるのかということを慎重に検討したいと思います。

 もう 1 つの、 12 ページの所で頂いた御指摘も、いわゆる個人情報保護法等で保護の対象となるということで、当然ながら健常者の方も障害者の方もそれは一律に同じということですので、ここの辺の書きぶりについては、頂いた御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。御意見ありがとうございます。

 

○司会

 ありがとうございました。では、田中様。

 

○全国手をつなぐ育成会連合会田中統括

 育成会連合会の田中です。 11 ページの「意思の表明」の所で、大塚さんとも重なる部分があるのですが、 2 段目のパラグラフの所の、「障害者からの意思の表明のみでなく、知的障害や精神障害等により本人からの意思の表明が困難な場合には、障害者の家族」の後の「介助者等」というのを、「支援者」にしていただいて、そして、基本的には今、意思決定支援と成年後見は両方とも課題で、意思決定支援員という言葉はまだ生まれていない状況もありますので、そういったことも含めて、今ある仕組みとして相談支援員と成年後見を入れて。課題があることに関しては課題として整理していかないと、実際にないものを書き込んでいっても、なかなか現実的にはならないかなと思いますので、そこは特に配慮いただければと思います。

 課題解決に向けては、様々な形で具体的に解決していく必要がありますので、取りあえずスタートラインとしては、現状について記入していただくということで進めていただければと思います。以上です。

 

○司会

 ありがとうございました。貴重な御意見として、持ち帰ってまた検討をさせていただきたいと思います。この場で言い尽くせなかったこと等ありましたら、今後パブリックコメントの実施も予定されておりますし、それとは別に、また文書等で御意見を頂戴するということでも御連絡を頂ければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 そうしましたら、休憩を予定どおり 10 分取らせていただきますので、 15 10 分再開ということでお願いいたします。

 

                                    ( 休憩 )

 

○司会

 それでは再開させていただきます。これからは「対応要領案」に関するパートに移りたいと思います。進め方については、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所から、当該法人の「対応要領案」に関して説明を行います。その後、順次、各法人等の対応要領に関して、医薬基盤・健康・栄養研究所の対応要領と異なる点を中心に説明を行って、その後、御出席の皆様から御発言を頂く形で進めていきたいと思いますので、御協力をお願いいたします。それでは、資料 2-1 の御説明をお願いします。

 

○医薬基盤・健康・栄養研究所

 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所総務部総務課人事給与係長の下山田と申します。本日はよろしくお願いいたします。

 初めに、当研究所の概要を簡単に御説明いたします。当研究所はもともと国の機関であった国立医薬品食品衛生研究所の大阪支所を母体として、平成 17 4 1 日に設立された法人です。また、本年 4 1 日には、東京新宿にある国立健康・栄養研究所と統合され、現在の国立研究開発法人と組織が変更になりました。本部は、大阪府の茨木市にあります。ほかに北海道、筑波、種子島に研究部を設置しております。また、先ほど申し上げたとおり、今年の 4 1 日より東京にも事務所を構えております。

 本法人の目的と事業については、創薬支援、医薬品等の開発振興、国民の健康の保持増進に関する調査・研究、国民の栄養その他、国民の食生活の調査研究となっております。

 職員は約 350 名ほどおり、大阪に 200 名程度、東京は 70 名程度、残りの 80 人弱がそれぞれ北海道、筑波、種子島に点在しております。以上、簡単ではございますが、当研究所の概要を説明させていただきました。

 続きまして、対応要領案について説明いたします。この対応要領案については、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針に即して、当研究所の職員が取り組むべきことについて規定しております。

 具体的には要領の目的、差別的な取り扱いの禁止、合理的配慮の提供、職員に対する懲戒処分、相談体制の整備、職員に対する研修と啓発を定めております。

 資料は資料 2-1 となっており、当研究部は各地に事務所が転在しておりますので、 2 ページの「相談体制の整備」におきましては、第 6 条、 1 の総務部長は大阪におります。 2 の次長は東京、 3 の総務課長は大阪、 4 の健栄研総務課長は東京というように、大阪と東京の 2 か所にそれぞれ分けて相談体制を整備することという案で作っております。

 4 ページ以降は、先ほど申し上げた事項に係る「留意事項」を定めたものです。 4 ページ、第 1 として「不当な差別的取扱いの基本的な考え方」。第 2 として「正当な理由の判断の視点」、第 3 として「不当な差別的取扱いの具体例」。 5 ページ、第 4 として「合理的配慮の基本的な考え方」。 7 ページ、第 5 として「過重な負担の基本的な考え方」、第 6 として「合理的配慮の具体例」を定めております。当研究所においては、まだまだ要領案の段階ですが、今後、これを決定して、当研究所の職員に対して、研修・啓発を積極的にやっていきたいと考えております。説明は以上です。ありがとうございました。

 

○司会

 それでは、独立行政法人国立病院機構からお願いします。

 

○国立病院機構

 独立行政法人国立病院機構総務部秘書室長の太田と申します。よろしくお願いいたします。

 法人の概要については、国立病院機構は、医療の提供や医療に関する調査・研究、医療に関する技術者の研修等の業務を通じて、公衆衛生の向上や増進に寄与することを目的とした法人です。病院の運営等を主に行っております。法人の本部は東京都目黒区にありまして、平成 27 1 1 日現在の職員数は 5 9,349 人、平成 27 4 1 日現在の病院数は 143 施設と非常に大規模な法人となっております。平成 27 3 月までは特定独立行政法人といって身分は国家公務員でしたが、この 4 月をもって国家公務員の身分は外れて、団体職員として仕事をしております。

 国立病院機構の特徴としては、政策医療のセーフティネットの受けどころとして、筋ジストロフィーが 95.7 %、重症心身障害が 38.0 %、結核が 34.9 %、心身喪失者等医療監察法が 52.1 %の全国の病床シェアを有しております。以上が、法人の概要です。

 「国立病院機構における障害を理由とする差別の解消の推進に関する規程」については、資料 2-2 です。栄養研究所との差異を説明させていただくと、第 5 条と第 7 条に主な違いがあります。先ほど申しましたように 143 の病院がありますので、相談体制の整備というのは、独立行政法人の国立病院機構本部にも置きますし、あとは各病院の総務部門にも窓口担当者を置くこととして、担当者も職務命令をもって定めるとしております。今の説明は第 7 条です。

 第 5 条に戻りまして、監督者もそれぞれの本部なり、病院なり、 143 の病院がありまして、全国津々浦々ありますので、地域ごとにグループを設けており、そちらの理事や総括長という幹部職員が監督者となって、解消の推進に関して迅速かつ適正に対応して体制を整えようとしております。まだ案の段階ですので、御指摘等ありましたら、何なりと申し付けいただければと思います。国立病院機構からは以上です。

 

○司会

 続きまして、独立行政法人地域医療機能推進機構からお願いいたします。

 

○地域医療機能推進機構

 独立行政法人地域医療機能推進機構総務部総務課長の柳沢と申します。

 まず、当機構の概要です。当機構におきましては、前身として社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院、これら 3 つの団体の病院等を統合して地域医療機能推進機構という新しい独立行政法人となり、平成 26 4 1 日に発足して、当年で 2 年目という非常に歴史の浅い独立行政法人となっております。

 特徴としては、病院として 57 施設、介護老人保健施設が約半分の 26 施設に備えております。それと看護専門学校が 7 施設、研修センターを 1 つ持っているという状況です。各県に全てというわけではありませんが、全国に展開している法人です。職員数は非常勤と常勤を合わせて約 2.8 万人を有する団体で、医療及び介護を中心に行っている独立行政法人です。以上が機構の概要です。

 続きまして、対応要領案について説明いたします。基盤研との大きな違いとしては、第 2 条にこの定義として、職員はどういうものかというものを示しております。「法人の職員及び法人の業務活動に従事する者をいう」ということで、 1 行付けております。これは病院という性質上、委託、派遣職員が非常に多く、その者に関しても一応職員という扱いとして、この規程に沿ってやっていただくことを前面に打ち出しているものです。

 そのほか、先ほども国立病院機構から御説明がありましたが、第 5 条、第 7 条に関して、全国に 57 病院がありますので、本部と病院を分けて、それぞれに監督者を置く。同じような関係で、相談体制についても本部地区、病院に関してはきちんと 57 全てに置くことを前提に、このような形で書き方を変えている状況です。

 「留意事項」に関しては、先ほども少し触れましたが、第 4 の「合理的配慮の基本的な考え方」の基盤研に関しては第 5 がありますが、この第 5 に関しては、委託職員の関係が書いてありますので、先ほどの要領の第 2 条で、当機構としては、委託職員・派遣職員に関してもその義務を負わせているというところで、書き方を変えております。大きな違いは以上です。

 

○司会

 それでは、国立研究開発法人国立がん研究センターからお願いします。

 

○国立がん研究センター

 国立研究開発法人国立がん研究センターの財務経理部医事課長の城本と申します。本日はよろしくお願いいたします。

 初めに、当法人の概要を説明させていただきます。当センターは、 1962 年に我が国のがん医療の拠点になる国立機関として設立され、以来 50 年にわたり、地域の方々はもとより全国のがん患者様に最新かつ最善の医療を提供してまいりました。また、がんの病態解明と治療開発に向けた先端的な研究を行い、適正な臨床試験によって確立された根拠に基づくがん医療を実践する場として、医師、看護師をはじめとする専門医療従事者の養成の中心的な役割を担ってきたところです。

 2010 4 月には、独立行政法人として新たに生まれ変わり、さらに本年 4 月より、国立研究開発法人として研究開発成果の最大化を目的とし、大学又は民間企業が取り組み難い課題に取り組む法人として位置付けられたところです。当センターは、高度先駆的ながん医療を行うとともに、全国のがん診療拠点病院との連携、臨床研究ネットワークの推進、緩和ケアの実践、相談支援と情報提供のモデル構築などを通して、患者様の Quality of life の向上に努めているところです。

 なお、当センターの主な組織構成としては、東京都中央区築地にある国立がんセンター中央病院、研究所、先端医療開発センター、がん予防・検診研究センター、がん対策情報センター、千葉県柏市の国立がん研究センター東病院から大きく組織されており、職員数については、本年 4 1 日現在で 2,967 名、病床数は、中央病院と東病院を合わせて 1,025 床。昨年度の 1 日平均の患者数は、入院患者数は両病院合わせて 894 名。外来患者数は 1 2,244 名といった状況です。

 続きまして、対応要領について御説明いたします。お手元の資料 2-4 になります。相違点、異なる点ということで 3 点挙げております。 1 点目は、対応要領の第 6 条の相談窓口ですが、当センターは、東京、千葉と事業場が分かれているため、中央病院、東病院の各事業場に相談窓口を設けて、相談に的確に対応するために担当する職員を指定しております。

 9 ページ、 2 3 点目として、別紙第 6 「合理的配慮の具体例」の「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」に、追加事項として、「センター敷地内の駐車場等において、障害者の来訪が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する」点と、「入館時に IC カードゲートを通過することが困難な場合、別ルートからの入館を認める」。以上の 3 点が異なっている点ということで、補足の説明をさせていただきました。以上です。

 

○日本難病・疾病団体協議会伊藤前代表理事

 事業所の概要の説明は省略してもらわないと、間に合わないかもしれません。

 

○司会

 分かりました。時間が押しておりますので、そうしましたら、要領の内容だけを簡単に御説明ということでお願いいたします。次は国立研究開発法人国立循環器病研究センター様からお願いします。

 

○国立循環器病研究センター

 国立循環器病研究センター総務課長の幾嶋です。よろしくお願いいたします。

 それでは、異なる点で規程の第 6 条、相談体制の所です。当センターの体制は、 3 番目に「職員の服務を担当する者」と書いておりますが、人事管理室長又は人事管理専門職を 3 番目に持ってきておりまして、服務を所管する部というのが人事部、人事部長と人事課長を当てております。 4 番目に総務課長、私が当てておりますが、障害者対策を所管している課ということです。具体的には当センターでは知的障害者の方 8 名を非常勤職員として雇用しており、私どもの課で清掃の担当をしてもらっております。 5 番目としては、 1 から 4 の者では相談しにくいということも考えられるということで、障害者である職員を、これは理事長が指名する者ということにしておりますが、その者を当てようかと考えております。

 別表の異なる点の一番最後の「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」については、当センターで実際に行っていることですが、センターの敷地内の駐車場におきましては、通常、障害者専用とされていない区画ですが、それを臨機応変に障害者専用の区画に変更することを実施しておりますので、そういうことを盛り込む。それと入館時のゲートを通過することが困難な場合は、これも臨機応変に別ルートからの入館を認めると。この 2 点について追加しております。以上です。

 

○司会

 続きまして、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターからお願いいたします。

 

○国立精神・神経医療研究センター

 国立精神・神経医療研究センター総務課長の平田と申します。よろしくお願いいたします。

 当センターの要領については、 3 点違う点を御説明させていただきます。資料 2-6 、第 6 条、相談窓口ですが、当センターは総務部に設置して、総務部長以下、総務課長、人事課長、労務管理室長を配置予定としております。

 別紙の一番最後のページで「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」ですが、やはり障害者専用区画の変更ということで、当センターでは駐車場には管理委託者 1 名を既に配置しております。障害者の来訪が多数見込まれる場合には、その管理委託者とあらかじめ打合せを行い、通常は障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更することとしております。また、入館時に IC カードゲートを通過することが困難な場合には、別ルートからの入館を考えております。以上です。ありがとうございました。

 

○司会

 続いて、国立研究開発法人国立国際医療研究センターです。

 

○国立国際医療研究センター

 国立国際医療研究センター人事管理室長の加藤です。よろしくお願いいたします。

 私どもの対応要領の相違点というのは第 6 条で、事業場が 3 つありますので、戸山事業場、国府台事業場、清瀬事業場ということで、それぞれ職員を配置しております。留意事項の相違点は 9 ページで、こちらも駐車場の関係で、センターの敷地内の駐車場等におき、障害者の来訪が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更することと、入館時に IC カードゲートを通過することが困難な場合、別ルートからの入館を認めるということになります。以上になります。

 

○司会

 それでは、国立研究開発法人国立成育医療研究センターからお願いいたします。

 

○国立成育医療研究センター

 成育医療研究センター人事課の齋藤と申します。よろしくお願いいたします。

 当法人の対応要領案は資料 2-8 です。医薬基盤研究所との相違点は、まず 2 ページの第 6 条の「相談体制の整備」の相談窓口担当職員が異なっております。私どもは、人事課長、総務課長、人事課労務管理室長、財務経理部医事室の患者相談専門職、総務部長が指名する者となっております。

 また、留意事項については最後のページです。「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」ということで、上から 5 つ目の○に、「センターの敷地内の駐車場等において、障害者の来訪が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する」。また、その下ですが、「入館時に IC カードゲートを通過することが困難な場合、別ルートからの入館を認める」。この 2 つが加わっております。以上です。

 

○司会

 続いて、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターからお願いいたします。

 

○国立長寿医療研究センター

 国立長寿医療研究センターの人事課長の川原と申します。よろしくお願いいたします。

 医薬基盤研究所様と異なる点は 3 点ございます。資料 2-9 を御覧ください。まず 1 点目は、 2 ページの第 6 条「相談体制の整備」です。相談窓口については、職員の人事管理、服務の担当部門である総務部の職員を相談窓口としております。具体的には総務部長、総務部人事課長、総務部人事課労務専門職及び障害者である職員等で総務部人事課長が指名する者としておりますが、相談者が相談しやすい環境となるよう運用していきたいと考えているところです。

 2 つ目は、 7 ページの「留意事項」です。第 6 「合理的配慮の具体例」として、「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」の中の上から 5 つ目、「センターの敷地内の駐車場等において、障害者の来訪が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する」との具体例を設けております。当法人では、 20 台の障害者専用区画を設けているところですが、障害者の来訪が多く見込まれるような場合には、建物に近い駐車区画を優先的に障害者専用の区画に変更するように対応していきたいと考えているところです。

 最後に 3 点目です。 6 つ目の具体例として、「入館時に IC カードゲートを通過することが困難な場合、別ルートからの入館を認める」との具体例を設けています。当法人においては、研究所の建物を中心とし、セキュリティ対策の観点から入館を制限しておりますが、例えば車椅子などで来訪される障害者の方などでゲートを通過することが困難な場合においては、別のルートでの入館を御案内するという対応をしていきたいと考えているところです。以上、 3 つの異なる点の御説明を終了いたします。

 

○司会

 続いて、独立行政法人医薬品医療機器総合機構からお願いいたします。

 

○医薬品医療機器総合機構

 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の人事課長の信沢と申します。よろしくお願いいたします。

 医薬基盤・健康・栄養研究所との相違点は、資料 2-10 2 ページの第 6 条「相談体制の整備」です。こちらは総務部で、私、人事課長と同じく人事をしている人事調整役で相談の窓口とさせていただきます。それから、医薬品機構は関西の大阪にも支部がありますので、そちらは関西支部長が相談窓口となるというところが相違点です。

 私ども医薬品機構の場合は、貸ビルに入っておりますので、会社内に段差はなく、スロープも整備されております。もう 1 点の相違点は、 7 ページの「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」で、基盤研は「車両乗降場所を施設出入口に近い場所へ変更する」と記載があるのですが、私どもの貸ビルでは車止めが入口すぐの所にありますので、この条文は記載しておりません。

 

○司会

 独立行政法人勤労者退職金共済機構からお願いいたします。

 

○勤労者退職金共済機構

 総務課長の岩崎と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 私たち勤労者退職基金共済機構の資料は 2-11 です。違いは 1 点です。 2 ページ目の第 6 条です。相談窓口が幾つか分かれておりますが、私たち勤労者退職金共済機構は中小企業、建設業、清酒製造業・林業の方の退職金のお支払をやっており、それぞれに制度なども異なっているので、相談窓口を分けているという違いがあります。相違点については以上です。

 

○司会

 独立行政法人労働者健康安全機構からお願いいたします。

 

○労働者健康安全機構

 労働者健康福祉機構総務課の藤井と申します。今回、対応要領の名前は「労働者健康安全機構」となっておりますが、平成 28 4 月から当機構は労働安全衛生総合研究所と日本バイオアッセイ研究センターと統合し、法人名が労働者健康安全機構になるため、名称が変わっております。

 当機構の資料は 2-12 です。相違点は 2 ページ目で、ほかの団体と同じく「相談体制の整備」です。当機構は労災病院を所管しているので、本部以外には労災病院、また産業保健総合支援センターというものも持っており、そちらにあっては副所長、それ以外の所にあっては事務長という役職があるので、そちらを相談窓口として指名しております。以上です。

 

○司会

 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構からお願いいたします。

 

○高齢・障害・求職者雇用支援機構

 高齢・障害・求職者雇用支援機構総務部人事課長補佐の貴舩と申します。よろしくお願いいたします。

 資料は 2-13 です。主な相違点は、まず 1 ページ目の第 1 条です。私どもは「職員」となっているところを役員も含め、「役職員」という形で表記させていただいております。 3 ページの第 4 条第 1 項の「監督者」について、当機構は本部と全国に施設を抱えていますので、本部においては各業務担当部の部長相当職、全国の施設においては施設の長としております。

 続いて、 4 ページの第 6 条第 1 項の相談窓口です。当機構は多くの施設を設置、運営しているので、本文の中ではなく別表という形で、資料でいくと 6 ページから 7 ページに、それぞれ施設ごとに相談窓口を設けて、記載しているところです。

 続いて、別紙の「留意事項」の主な相違点です。 15 ページです。「合理的配慮に当たり得る物理的環境への配慮の具体例」というところで、 15 ページの上から 4 つ目の○で、「障害の特性により、説明会、シンポジウム、職業訓練等の際に、頻回に離席の必要がある場合に、座席位置を扉付近にする」と、当機構の業務に合わせた書きぶりにしております。

 それから、 15 ページの下の 2 つの○を新たに付け加え、「トイレには手摺を設置する等の安全に利用できる環境整備を行う」ということと、「障害者が安心して歩けるように通路には物を置かないようにする」というのを加えております。

 16 ページです。上から 5 番目の○です。知的障害者に限定せず、「障害者本人から申し出があった際に」という形で書きぶりを変えております。

 17 ページです。上から 3 つ目の○と 4 つ目の○については、先ほど来の法人と同じように、区画変更と IC カードゲートの行を入れております。次の○では、「他人との接触、多人数の中にいることによる緊張により、不随意の発声等がある場合、当該障害者に説明の上、周囲に人が少なく静かな場所へ誘導する等、本人が安心できる環境を準備する」という書きぶりにしております。最後の○は、補助犬を同伴することを認めるということを新たに加えております。以上です。

 

○司会

 独立行政法人福祉医療機構からお願いいたします。

 

○福祉医療機構

 福祉医療機構総務課の山口と申します。よろしくお願いいたします。

 基盤研との相違点は、第 1 条は職員だけでなく「役職員」と括っています。その関係で、第 5 条です。私どもの懲戒の規定の対象は職員だけということですので、役員のために第 2 項を設け、合理的配慮の不提供をした場合に、前項に準じた措置を行うことができるというのを決めております。

 その他の点として、第 6 条の相談体制です。私どものところは、東京と大阪に事務所があります。 1 番、 2 番、総務課長、人事課長が東京におります。 3 番が大阪支店契約課長となっております。

 その他の点は、留意のほうで先ほどもありましたが、私どもの所も東京も大阪も貸ビルですので、段差はありませんので、スロープの条項を外しているのと、車両の乗降場所を出入口に近い場所とするというのは外しております。

 

○司会

 独立行政法人国立重度知的障害者総合支設のぞみの園からお願いいたします。

 

○国立重度知的障害者総合支設のぞみの園

 国立重度知的障害者総合支設のぞみの園事業企画部の吉澤と申します。

 相違点ですが、同じく 2 ページの第 6 条の相談体制の部分です。医薬基盤は相談窓口を置くとしていますが、国立のぞみの園の対応要領案では、「相談員を置く」としております。のぞみの園では、各部に見学、面会、受診者等の外来が来られるので、各部の責任者である部長を相談員として当てて対応することとしております。また、第 2 項の相談員の責務として、「相談等への的確な対応に必要な知識の習得等に努めなければならない」といった規定を設けております。

 次に「留意事項」です。別紙の 4 ページの 3 行目です。「障害があることを理由に施設の利用を制限する」、また 5 行目の「障害があることを理由に」の後に、「研究成果の紹介、問合せ」といった記載を追記しております。ここでいう施設は、園内に文化センター、運動場、テニスコート、プール等があり、それを指しています。また、のぞみの園には研究部があり、そこでの研究成果の紹介、問合せの提供を拒んではならない旨を追記しました。

 次に 7 行目、「障害があることを理由に説明会」の後にシンポジウム等を「研修会、セミナー等」に変更しております。これについては、のぞみの園の主催で開催する研修会、セミナー等を想定して、実情に合わせて変更しました。

 次に、「留意事項」の 6 ページです。 9 行目の「段差がある場合に」の前に、「園内、建物内 ( 玄関上がり框等 ) 」、また、 11 行目「車椅子利用者の動線となるスペースを確保する等、障害特性に配慮し環境を調整する」、また 23 行目に「研究の成果物ないし資料について、要望に対して、アクセス可能な形式 ( : 音声読み上げ等に対応できるテキストファイル等 ) に変換して送付する」という記載を追記しております。

 7 ページの 2 行目に、「障害特性に配慮して、なるべく静かに落ち着いた声の調子で分かりやすく話しかける」といった記載を追記しております。

 最後ですが、 12 行目「のぞみの園の敷地内の駐車場等において、障害者の来園が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する」といった記載となっております。以上です。

 

○司会

 年金積立金管理運用独立行政法人からお願いいたします。

 

○年金積立金管理運用独立行政法人

 年金積立金管理運用独立行政法人管理部総務課の山田と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

 当法人の対応要領案について、栄養研究所と異なる部分を 2 か所御説明いたします。まず 1 点目は、資料の 2-16 2 ページの第 6 条を御覧ください。第 6 条は「相談窓口の整備」についてです。私どもは、管理部長、総務課長、管理部長が指名する障害者である職員の 3 名体制とさせていただいております。

 2 点目は、資料の 4 ページ及び 5 ページです。 4 ページの真ん中辺りに、第 4 「合理的配慮の基本的な考え方」とあり、これが第 1 項から第 4 項まで続いているのですが、栄養研究所の場合は、 1 項多い第 5 項までとなっております。こちらの第 5 項目については、運営を第三者に任せる施設等がある場合について規定されているのかと思いますが、当法人は運営を委託する施設等がありませんので、こちらの条項の設置はなく、 1 項少ないものとなっております。簡単ですが、以上で終わらせていただきます。

 

○司会

 日本年金機構からお願いいたします。

 

○日本年金機構

 日本年金機構サービス推進部の西脇です。よろしくお願いいたします。

 私どもは資料 2-17 です。まず、 1 ページ目の第 3 条「合理的配慮の提供」です。こちらは最後のほうに一部追加をし、「また、日本年金機構は、合理的配慮の提供について、お客様の声を反映した改善を継続して行うとともに、年金制度に関する周知については積極的な活動を行う」ということを追加しております。

 4 条の「監督者の設置」、第 5 条に「監督者の責務」として、明確にするために分けて記載をしました。

 同じ 2 ページの第 7 条「相談体制」ですが、私どもは全国に 312 か所の年金事務所のお客様対応の窓口がありますので、そういった意味も含めて、本部では私どもサービス推進部の部長、その他の拠点ではそれぞれの長が窓口を定めるものということで、指定をという表現にしております。第 3 項で、全国に散らばっていますので、相談内容を集約するという意味も込めまして、伝達及び対応についての記載をこちらで加えさせていただきました。

 次は 3 ページ目です。最後の第 9 条は条文を追加させていただきました。それぞれの地域で、「障害者差別解消支援地域協議会に協力するなど、関係機関と連携して、障害を理由とする差別の解消を推進するものとする」という条文を追加しております。

 「留意事項」です。「合理的配慮に当たり得る意思疎通の配慮の具体例」の所です。 8 ページです。変更点については、知的障害者からの申し出があった際にうんぬんについて、また、なじみのない外来語を避けるという文言がありましたが、こちらは一旦私どもでも合うような形で検討するために、この場合は削除させていただいております。

 次の「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」ですが、「立って列に並んで」というケースとか、「スクリーンや板書等」という文言については、私どもの事務所では、実際にこういったケースは発生しませんから、「待合室等に障害者の利便性に配慮した席を用意する」という文言に変更させていただきました。また、先ほど来出ておりますが、敷地内の駐車場は当然ございますので、「駐車場等において、障害者の来所が多数見込まれる場合、通常、障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する」という文言と、本部ですと入館時に IC カードゲートがありますので、「困難な場合、別ルートからの入館を認める」という文言を付け加えております。以上です。

 

○司会

 独立行政法人労働政策研究・研修機構からお願いいたします。

 

○労働政策研究・研修機構

 労働政策研究・研修機構人事課長の大島です。

 資料は 2-18 です。主な相違点として、 4 ページの第 6 条「相談対制の整備」の箇所です。第 6 条第 1 項で、「相談窓口を設置する」とさせていただいております。第 2 項で、「相談窓口は、総務部長が定める」としております。私どもは事務所が 2 か所あり、事務所ごとに総務部長が指定する者が相談窓口を務める予定としています。第 3 項では、「相談窓口は、相談者からの相談の内容となる事実の詳細その他必要な情報を聴取し、事実確認をしたうえで、相談対象事案があると認めるときは、速やかに是正措置及び再発防止策を採るものとする」と規定させていただいております。相違点は以上です。

 

○司会

 こちらの不手際で終了時間がせまってきていますが、できましたら 15 分程度延長させていただき、一言ずつ端的に御意見を頂戴できればと思いますので、挙手をお願いいたします。

 

○日本難病・疾病団体協議会伊藤前代表理事

 日本難病・疾病団体協議会の伊藤です。具体的にはたくさんあるのですが、代表しまして私どもが最も身近な国立病院機構さんの資料 2-2 を用いて、何点かお話したいと思います。

 1 つは相談のところで非常に気になったのですが、相談を受ける者に障害をもっている人を相談の担当にしているという所が、 18 件のうち 7 件でしかありませんでした。これでいいのかということです。特に、この中で大きく各事業所が違うのは、職員を対象として差別があった場合というのと、そこを特に書いていない所、利用者も含めてと読み取れる所と、ばらばらなのですが、ここでいう障害者差別の相談というのは、職員だけを対象にしていいのかどうかというところ、特に、ここにあるような国立病院機構のような所ですと、我々も行きますし、たくさんの障害や病気をもった方が行くのですから、そういう所は特にこのことは留意しなければならないだろうと思います。

 やはり職員のことだけではなくて、利用者、そこを利用している人たちもどうかという観点が、国の機関であれば、あるいは国に準ずる機関というのは重要なのではないかと思います。そういう点では人事の所に相談があるとか、施設の長が相談を受けるというのは、非常に行きにくい所でもありますので、検討を要するのではないかと思います。

 特に、国立病院機構のような所は、あらゆる職種が混在している所ですので、事務方だけで作るのではなくて、それぞれの職種の方にこの趣旨を徹底される上でも、我々の所はこれでいいのかというような検討を、それぞれの国立病院機構の病院は検討会を持たなければならないのではないかと思います。

 あとは、些細なようですが、文章が非常に難しいです。いつの時代に作った文章だというところが非常に多いです。職員も読み方は分かるのかというところがたくさんあります。「留意する」「配慮する」「除去する」というのはまだしも、これも大変申し訳ないけれども、資料 2-2 でいけば、 2 ページに「喚起し」とか、懲戒処分の所では「態様等によって」と、これは分からない職員もたくさんいるのではないかと思います。

 そして、 3 ページの第 8 条の第 3 ですと、「障害者へ適切に対応する」とあって、「障害者へ」という表現がいいのかどうか。障害をもっている利用者の方とか、そういうことなのか、職員のことも含めて障害をもっている人が正しいのではないかという気がするのです。

 4 ページですと、「いわゆる積極的改善措置」というのが出てきたり、 5 ページですと上から 2 つ目の○の所には、「障害があることを理由に対応の順序を劣後させる」とあり、これは「後回しにする」とか「順序を入れ替える」と書いてある所がありますので、そういう表現でいいのではないか、何で「劣後」と言うのかというのが気になったところです。

 そういうことも含めて、例えば 7 ページの「合理的配慮の具体例」に書かれている第 6 の具体的配慮の具体例というのは、特に上半分については、ほとんどこれは具体例というよりもマナーの類に所属することで、今更こんなことを書かなくてもいいのではないか、当然だと思うのです。

 ここでも文字について幾つか言っておきたいと思います。○の 2 つ目は、「配架棚の高い所に置かれたパンフレット」とありますが、今どき「配架棚」という言葉を使っているのかどうか、これを分かる人がいるのかどうか。その 2 つ下の所にも、「頻回に離席」と、これもほとんどの所がこういう表現をしているのですが、こういうことでいいのだろうか。本当に分かりやすく、職員だけではなくて、利用する人も、周囲の人も、勤めている人の家族も分かりやすいような表現にしていかないと、差別の解消というのがごく一部の職員のものだけになってしまうのではないかということで、非常に残念に思ってこれを見ておりました。

 

○司会

 時間のある限り、皆様の御意見を先にお伺いしたいと思います。

 

○日本身体障害者団体連合会森常務理事兼事務局長

 日身連の森です。 2 点あります。今日の前半でお話をしたわけですが、施行日を見てもらうと 18 ありますが、ばらばらみたいなので、それは調整したほうがいいのではないかという気がしました。

 それと、 2-15 ののぞみの園のことですが、いろいろ事例等が出ているのですが、これは既に当然のことで、専門の施設ですから、当然にやっているのではないかと思っていて、外部の障害者が来たときにやるためにやっているのかなと思ったり、私自身が混乱してしまっているのですが、どうでしょうか。

 

○司会

 藤井様。

 

○日本盲人会連合藤井組織部部長

 日盲連の藤井です。 3 点ほどございます。 1 点は、資料 2-1 の別紙 6 7 ページを用いて、本省部分についてもここは同じだと思うのですが、事業を委託する場合に合理的配慮について、その文書に記述することが望ましいという記載があります。また、次に正当な理由の判断の中で、費用がかかるとかかからないという部分で、合理的配慮の提供をしない場合に説明することが望ましいというような書き方があります。これは、きちんと説明すべきであったり、契約書には記載すべきではないかと思いますので、指導するために書く文書としてはこれでいいのだろうと思うのですが、各機関なり本省が実務的に実施する別紙ですので、こうするのだと規定を書き替えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。そのほか、似たような文言がありますが、制度の趣旨を踏まえて、国には義務があるわけですので、きちんと表現を変えていただきたいと思っています。

 3 点目は質問です。やがてこれらを踏まえてパブリックコメント等の手続が入りますが、これは各府省で一斉になさるのか、あるいは厚労省におかれては別途なさるのでしょうか。それと、本日の議題にするにしても、様々な機関の方々から説明を伺いましたが、パブリックコメントに付するに当たり、私などが意見をするのに、先ほど私も「まとめてこうですよ」と申し上げましたが、どこかの例を取って、ほかも一緒だからということで発言した場合、それは各機関にも配布いただけるのかどうかという点を、非常に懸念しておりますので、よろしくお願いします。

 

○司会

 小中様。

 

○全日本ろうあ連盟小中副理事長

 全日本ろうあ連盟の小中です。 2 つほど述べたいと思います。先ほどお話をしていただいたことなのですが、合理的配慮の具体例の中で、意思疎通の配慮の具体例として、「筆談、読み上げ、手話などのコミュニケーション手段を用いる」というような文面があります。 3 つの機関が手話が抜けている状況なのです。 3 つというのは、国立病院機構、地域医療機能推進機構、もう 1 つは医薬品医療機器総合機構という 3 つの機構です。これは「手話」という文言が抜けていますので、やはり手話もきちんとここに文言として加えていただきたいと思います。

 2 つ目です。「必要に応じて手話通訳や要約筆記者を派遣する」というような、この間行われたガイドラインの中には載っております。このような、必要に応じて手話通訳者、要約筆記者を派遣するということについても盛り込んであるのかどうか、これは全ての皆様に確認をお願いしたいと思っています。手話通訳、要約筆記ほか、福祉サービスに対応しているいろいろな部分がありますが、これからは福祉サービスだけではなく、合理的配慮の部分においても必要な負担をしていただいて対応するということに変わりつつあると思いますので、そういう面においても、きちんと対応する姿勢というものを持っていただきたいと思っています。

 過重な負担ということについて、それを理由にして拒むということができるだけないように進めていただきたいと思います。例えば、私の経験から、手話通訳の依頼があった場合に、負担できるかどうかという例はよくありまます。例えば2万円必要だったときに負担ができるかどうか。難しい場合は半分とか払える分がいくらなのかを出して欲しいとお願いしています。負担できるか、負担できないかだけで終わるのではなく、負担できる範囲に応じて負担する姿勢も持ってもらう必要があると思います。前向きに考えていく姿勢になるよう、啓発し運用を進めていただければ幸いです。

 

○司会

 続きまして、ディーピーアイ。

 

○ディーピーアイ日本会議見形事務局長代理

 ディーピーアイです。先ほどの福祉事業者のガイドラインのところでも申し上げたのですが、病院関係の全体なのですが、福祉事業者の 10 ページに記載してある正当化理由、「正当な理由の判断の視点」という所に記載されている「『正当な理由』を根拠に、不当な差別的取扱いを禁止する法の趣旨が形骸化されるべきではなく」という行、最後にまた、「サービスを提供しないといったことは適切ではありません」という文言を、皆さんのところに是非加えていただきたいです。と言いますのは、実際に私の体験でもあるのですが、病院に行くと、私は神経難病なのですが、診療拒否されてしまうということが実際にありました。診てもらえなくて、門前払いということが、「私の病気は分からなくて怖いので、診ることはできません」ということを言われることが多いです。神経難病の国立病院機構もそうなのですが、私たち患者に対する処遇で、幾つか差別的事例も報告があります。

 そういった状況の中で、きちんと指針が役に立たなければ意味がないと思いますので、そこは強くお願いしたいと思います。

 

○司会

 大濱様。

 

○全国脊髄損傷者連合会大濱副代表理事

 脊損連合会の大濱です。国立病院機構と、厚生年金病院などを所管する地域医療機能推進機構の対応要領についてです。資料 2-2 でも資料 2-3 でも最後のページですが、合理的配慮の具体例の中の「ルール・慣行の柔軟な変更の具体例」について、この 2 つの機構だけが具体例が 4 つしかありません。そういうことではないのでしょうが、ちょっと消極的に見えます。

 両方とも、特に駐車場に関する記載が全くありません。その理由をお聞かせいただきたい。私も国立病院機構の本部に併設されている東京医療センターを利用していますが、あそこの駐車場は結構遠いです。できればもう少し近い場所に障害者用の駐車場を設けていただきたい。タクシー乗り場は長い車列が確保されていますが、車寄せに 1 台だけ待機していればいいと思いますから、 2 台目以降はもう少し離れた場所で停車してもらうなど、いろいろな工夫ができると思います。

それから、スクリーンや掲示板をよく見える場所に設置していただきたい。これも東京医療センターの話ですが、薬の処方の順番待ちの番号表示のスクリーンの前が非常に混んでいて、車椅子使用者の居場所がなかなかかありません。ですので、そのようなスペースの確保もお願いします。

この辺りはルール・慣行の変更から少し離れますが、もう少し改善の余地があると思いますので、よろしくお願いします。

 

○司会

 田中様。

 

○全国手をつなぐ育成会連合会田中統括

 全国手をつなぐ育成会連合会です。知的障害の方への配慮として、いろいろと分かりやすい表現について記載していただいておりますが、これを具体的に、特に年金などの申請を受け付けるような立場での、それぞれ利用者の方がいろいろな立場で関わられると思うのですが、必要なパンフレットなどを書いていただいた視点で作り直していただく作業なども、予算やいろいろな制約される条件があると思いますが、まずはそこから第一歩を始めていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 

○司会

 本條様。

 

○全国精神保健福祉会連合会本條理事長

 精神科救急患者が、一般の総合病院でなかなか受診できない。逆に、精神障害があるために精神科以外の受診がなかなかできないという問題がありますので、検討していただきたいと思います。

 

○司会

 本日は大変申し訳ございません。時間がなくて、十分に発言していただくことができなかったと思いますが、この場で言い尽くせなかったことに関しましては、また随時御連絡を頂きたいということです。本日頂きました御意見につきましては、各部署に持ち帰り、整理の上、またパブリックコメント等にかけていくということにしたいと思っております。

 「パブコメは一斉にするのか」という御質問がございましたが、こちらについてはまだ整理が付いていない状況ではあります。「 1 つの所に代表して意見を出したものが、その他の所にも必ずいくように整備していくのか」といった点についても、この辺はまた内閣府とも相談しながら対応していきたいと思っております。ただ、本日は言い尽くせなかったということで、これから御意見等を追加で言いたいということがございましたら、そちらについては障害部企画課に御意見を頂戴いたしましたら、関係部署に必ずつなぐようにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 短い時間でございましたが、本日ヒアリングを予定していた事項は以上となります。これをもちまして、本日の障害者差別解消法に基づく対応指針案、対応要領案に関するヒアリングは終了させていただきます。長時間ありがとうございました。


(了)

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