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2015年7月16日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成27年7月16日(木)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、斉藤委員、佐々木委員、佐藤委員、佐野委員、永山委員、根本委員、宮井委員、吉成委員、鰐渕委員

事務局

山本基準審査課長、黒羽課長補佐、大田課長補佐、松倉専門官、飯塚専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 山木専門官
農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松補佐

○議題

(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
   ・動物用医薬品豚サーコウイルス(2型・組換え型)感染症・豚繁殖・呼吸障害症候群・マイコプラズマ・ハイオニューモニエ感染症(カルボキシビニルポリマーアジュバンド加)混合ワクチン
   ・農薬及び動物用医薬品スピノサド
   ・動物医薬品及び飼料添加物ラサロシド
   ・農薬フルメツラム
   ・農薬フルピラジフロン
   ・動物用医薬品ガミスロマイシン

(2)人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質の設定について   
   ・イタコン酸(対象外物質)
   ・カルシフェロール及び25-ヒドロキシコレカルシフェロール(対象外物質)
   ・L-カルニチン(対象外物質)
   ・グリセリン酢酸脂肪酸エステル(対象外物質)
   ・ポリグリセリン酸脂肪酸エステル(対象外物質)

(3)その他
   ・平成27年度 食品健康影響評価依頼について

○議事

○事務局 それでは、皆様お集まりのようですので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。

 本日は尾崎委員、二村委員、由田委員より御欠席されるとの御連絡をいただいておりますけれども、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中11名の御出席をいただいておりまして、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立していることを御報告させていただきます。

 審議に入ります前に、利益相反に関しまして過去3年間における寄附金等の受け取りについて事前に各委員に確認を行ったところ、混合ワクチン、ガミスロマイシンについて該当がございました。これら2剤につきまして佐々木委員より申告がございましたけれども、食品衛生分科会の審議参加規定に基づきまして、審議及び議決の参加が可能であることを御報告させていただきます。

 それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思いますけれども、今日は雨の中、集まっていただいてありがとうございます。台風が来ているようですが、なるべく早く終えたいと思いますけれども、そうは言っても審議はきちんとやらなければいけないので、よろしくお願いいたします。

 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。

 本日お配りしました資料は、まず議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料の次に座席表がございます。

 その後ろに、本日御審議いただく品目につきまして、それぞれ資料1-1、資料2-1のように報告書を資料11まで配付させていただいております。

 資料12としまして、報告事項についての資料がございます。

 その後ろに本日御審議いただく品目につきまして、食品安全委員会の評価書等につきまして資料1-2、資料2-2のように資料11まで配付させていただいております。

 不足している資料がございましたら事務局までお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 それでは、審議に入りたいと思います。本日は農薬について2剤、動物用医薬品について2剤、農薬及び動物用医薬品について1剤、動物用医薬品及び飼料添加物について1剤、対象外物質5剤について審議を行います。なお、報告書の作成に当たりましては、先生方にあらかじめ資料を見ていただいて、コメントをいただき、修正が必要なところは修正しているところでございます。どうもありがとうございます。

 それでは、議題1の食品中の残留農薬に係る残留基準の設定でございます。

 最初に、動物用医薬品豚サーコウイルス(2型・組換え型)感染症・豚繁殖云々というものですけれども、それについて御審議をお願いいたします。

 事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、1剤目の動物用医薬品の混合ワクチンについて事務局から御説明をいたします。

 資料1-1を御覧ください。品目名は豚サーコウイルス(2型・組換え型)感染症・豚繁殖・呼吸障害症候群・マイコプラズマ・ハイオニューモニエ感染症(カルボキシビニルポリマーアジュバント加)混合ワクチンでございます。

 今般、本剤について動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたことに伴い、本部会において残留基準の設定について御審議をいただくものでございます。

 この混合ワクチンは、3つの既承認のワクチンである豚サーコウイルス2型不活化抗原、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ不活化抗原、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス乾燥抗原を混合したものでございます。

 実際には1つの製品にこれら3つのワクチンが個包装されていて、使う前に混合して34週齢の豚の頚部筋肉内に注射して用いることとなっております。

 用途は12)に記載してあるとおりでございます。感染症に起因する豚の生産阻害等を改善するために使われるということでございます。

 次に、食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を2ページ目の2に記載しております。食品安全委員会は本剤について主剤の1つである豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルスが既に人に対する病原性はないと評価していること。ほかの2つの主剤については不活化されていること。また、保存料等の添加剤は既に評価を受けた動物用医薬品の添加剤と同一であり、含有量も同量以下であること等から、本製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じて人の健康に影響を与える可能性は無視できると考えられると評価をしております。

 基準値の取扱いにつきまして3に記載しております。食品健康影響評価の結果を踏まえて残留基準を設定しないこととするとしております。

 御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 では、先生方から御意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。これは普通のものとは違いますので、まとめて先生方から御意見を伺いたいと思いますが、特によろしいですか。安全性の面、薬効の面、感染の面、こういったところについて食品安全委員会では安全性に問題ないという答申で、この部会としては残留基準を設定しないこととするという事務局案ですけれども、よろしいでしょうか。

 それでは、本報告案をこの部会の報告としてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 では、事務局案をこの部会の報告とさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、次は農薬の動物用医薬品のスピノサドについて御審議をお願いしたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 2剤目の農薬・動物用医薬品スピノサドについて説明いたします。資料2-1を御覧ください。

 スピノサドはマクロライド系の殺虫剤でございまして、農薬及び動物用医薬品として使用されております。本品目に関しては、動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたことに伴い残留基準の設定について今回御審議いただくもので、前回の平成23年に続いて2回目の部会報告となります。

 用途、化学名、構造式等は記載のとおりでございます。平成24年にIUPAC名が変更されたので、それは前回の部会報告書から修正をしてございます。

3ページ目から適用の範囲及び使用方法を記載しております。(1)の農薬としての国内外の使用方法に関しては、前回の部会報告から情報をアップデートしたのみで、大きな変更はございません。

 今回、申請がありました動物用医薬品としての使用方法は、11ページの上に記載しております。四角囲みになっていますところが今回申請があったものでございます。スピノサドを有効成分とする畜舎噴霧剤として鶏に使用するということで、使用方法、休薬期間はこちらに書いてあるとおりでございます。

 その下の海外に関しては前回の部会で御審議いただいたところでございまして、前回インポートトレランス申請があったことに伴って御審議いただいて、こちらの記載をしております。ここも情報をアップデートしたのみで変更はございません。

12ページ目の3の作物残留試験でございますけれども、こちらも前回御審議いただいた部分で、それ以降、追加のデータはございません。詳細については別紙1-11-5に記載しております。

 次に、畜産物中の推定残留濃度、12ページ目の一番下の4から始まっておりますけれども、本剤については飼料として給与した作物を通じ家畜の筋肉等への移行が想定されるということから、前回部会において飼料中の残留農薬濃度と動物飼養試験の結果を用いて畜産物中の推定残留量を算出しております。前回以降、追加のデータ等はございませんので、推定残留濃度等は前回のとおり記載してございます。

 今回、申請がございました動物用医薬品を用いた対象動物における残留試験のデータが2つ追加されております。それを15ページ目に記載しております。それぞれ産卵鶏を用いた残留試験でございまして、スピノサド製剤を単回散布して鶏組織中のスピノサドを定量したもので、結果はこちらに記載のとおりでございます。今回、各組織について統計学的解析によって、2日後における最大許容濃度の上限を算出したデータが提出されておりまして、その結果をまとめたものを表6及び表9に記載しております。

17ページ目の6ADIの評価ですけれども、前回の評価結果からADIは変更なく、0.024mg/kg体重と食品安全委員会で評価がされております。JMPRADI0.02mg/kg体重と設定をしております。コーデックス基準、いろいろな農畜産物に基準値が設定をされております。諸外国について調査した結果、米国、カナダ、EU、豪州、ニュージーランドそれぞれにおいて基準値が各品目に設定をされております。

17ページ目の下の8、基準値案をごらんいただければと思いますが、規制対象はこれまでと同様スピノサドとしております。個別の基準値案は別紙2に記載しております。

27ページ目以降を御覧ください。今回申請がありました動物用医薬品に基づく基準値の設定以外に、コーデックス基準に基づいて幾つか本基準の改正を提案しておりますので、それについて簡単に御説明をいたします。

27ページ目のだいこん類の葉、かぶ類の葉、はくさい及びきょうなについて、前回部会において暴露推定の結果、ADI比が高くなってしまうという理由から、コーデックス基準を採用していなかったのですけれども、今回JECFAが示したSTMR等の数値を用いて改めてADI試算を行ったところ、コーデックス基準を採用しても問題ないと考えられたため、これらの食品の本基準を改正したいと考えております。

 次に、ねぎ、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、その他のベリー類、パッションフルーツ、アーモンド、その他のナッツ類、黒く四角囲みされているものでございますけれども、これは前回部会以降にコーデックスの基準が新たに設定されたものでございまして、それに準じて本基準の改正を提案しております。

29ページ目に、今回申請がなされた動物用医薬品の対象家畜である鶏の各組織について、今回提出された残留試験のデータに基づいてそれぞれ基準値案を提案しております。基準値案はこちらに記載のとおりでございます。

 これらの基準値案に基づいてADIを試算した結果、ADIが最も高い幼小児で59%でありまして、詳細な暴露評価の結果が別紙3で、それをまとめたものが1718ページ目に記載をしてございます。 以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これについては2回目ということですが、とりあえず一つ一つチェックしていただきたいと思います。

 最初に化学名、化学構造については特に変更はございませんでしょうか。

 薬理作用とかその辺についてもよろしいですか。

○宮井委員 1カ所よろしいですか。8ページ4の粒剤なのですけれども、34は混合剤なので有効成分を追記してもらったのですが、34が同じ有効成分になっていますけれども、4はちょっと違うわけで、紋枯病が入っているのでもう一剤、有効成分を追加する必要があると思いますので、多分チフルザミドだと思いますので、それを確認して入れておいてもらえますか。

○事務局 確認して追加いたします。

○大野部会長 よろしくお願いします。

 ここのところで鶏の鶏舎にまくのが1平方メートル当たり2g以下ということですけれども、これは普通なのですか。こんなにたくさんまくというのは、1平方メートル2gといったらすごい量という感じがするのです。海外でもアメリカで畜舎なりでは1.41.9gまくということですけれども、こういう抗生物質的なものをこれだけまいたらどうなるのだろうと。これは農水のほうではいかがですか。特に問題になっていないですか。

○農林水産省 農林水産省から一言補足させていただきます。この医薬品の用量としましては1平方メートル底面当たりとしているのですけれども、実際は液体に溶解しまして鶏のケージに噴霧するということで、底面だけではなくて側面、天井といったところにもまくことになります。それを底面当たりの量に換算したときにこういう値になる、という書き方になっております。

○大野部会長 これは水に溶かしたものとか、溶剤に溶かしたものを2gまくというわけではないですね。活性成分で2gまくということですね。

○農林水産省 そうです。

○大野部会長 わかりました。そういうことだそうです。

 今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、代謝、体内動態で新たなことはございますでしょうか。

○吉成委員 問題ないです。

○大野部会長 安全性の面ではいかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今までのところ、先生方から御意見ございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、分析方法、分析結果、そのあたりについて何かございますでしょうか。よろしいですか。

 基準値と国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。ただ今説明にございましたけれども、前回は基準値を残留量に基づいて、そのまま設定するとADIを超えてしまう可能性があるので、低くしたところもありましたが、その後、詳細な解析をするようになった。暴露量の評価をですね。それに基づいて基準値をより多くしても、コーデックスのデータを採用しても問題ないというような説明を受けましたけれども、その辺、先生方よろしいでしょうか。トータルとして最大でもADI比で59%ということでございます。

 全体を通して御意見ございますでしょうか。特にこれについては修正なしということで、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、スピノサドについて事務局案のまま部会の報告とさせていただきます。

 次の品目ですけれども、動物用医薬品及び飼料添加物のラサロシドについて審議をお願いいたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 3剤目の動物用医薬品及び飼料添加物であるラサロシドについて御説明いたします。資料3-1を御覧ください。

 ラサロシドにつきましては、本部会において平成2612月に御審議をいただきましたが、本年2月から4月にかけて実施したWTO/SPS通報において、各国からコメント及びデータが追加で提供されたということがございまして、今回改めて御審議をいただくものでございます。

 前回の部会報告書からの変更点を中心に御説明させていただきます。ラサロシドは抗生物質の1つで、海外では牛や家禽のコクシジウム症予防のために用いられておりまして、国内では牛及び鶏用飼料の飼料添加物として指定されております。

 作用機序、化学名、構造式等については、前回の部会報告書と同様の記載となっております。

4ページ目、5ページ目を御覧ください。適用方法及び用量の項目でございます。1に国内での飼料添加物としての使用方法、2に海外での使用方法を記載しております。今回、豪州における使用方法の情報を5ページ目に追加をしております。

6ページ目に記載している(2)家畜残留試験を御覧ください。今回新たに豪州からデータが提供されて、3つ残留試験を追加しております。

 まず2の乳牛を用いた残留試験でございます。こちらを新たに追加しております。

9ページ目の89に鶏を用いた残留試験と羊を用いた残留試験をそれぞれ新たに追加しております。

 さらに牛を用いた代謝試験のデータも追加されておりまして、 14 Cで標識したラサロシドナトリウムを牛に経口投与し、総残留放射活性(TRR)を測定したもので、肝臓における最大TRR4.0496mg/kgだったという結果でございます。豪州政府は、このデータからラサロシドAの割合を15%、TRRに対する割合を15%として、肝臓におけるラサロシド濃度を0.61mg/kgと推定し、この値に基づいて基準値を設定しております。

 この15%という数字なのですけれども、大使館等を通じて確認をしたのですが、原著の入手はできませんでした。ただ、欧州の医薬品審査庁、EMEA2012年の報告書を確認したところ、この割合は13.1%ということで報告されておりまして、その割合に関しては妥当な水準であると考えてございます。残留マーカーに関して(4)に新たに追加をしておりまして、EMEAの評価書から抜粋をしてこちらに記載をしております。鶏と牛の各組織におけるTRRに対する残留マーカーの割合を(4)に記載をしております。

10ページ目のADIの評価でございますが、こちらは前回の報告書の記載から変更はございません。ラサロシドナトリウムとしてADI 0.005mg/kgが設定されております。

11ページ、諸外国の状況でございますけれども、1点訂正をさせていただければと思います。JECFAで過去にリスク評価がなされて、ADIが設定されているのですが、括弧書きで「ラサロシドとして」と書いてありますが、ラサロシドナトリウムとして設定をしておりますので、こちらは後で修正をさせていただきたいと思います。

 基準値案につきましては、残留の規制対象は前回御審議の結果と同様のラサロシドAとしております。基準値案は別紙1に記載をしております。

13ページ、牛の肝臓、腎臓及び食用部分については、豪州の牛の代謝試験の結果に基づき0.7ppmを基準値案としております。その他の陸棲哺乳類については豪州の羊の残留試験の結果に基づいて、同様に0.7ppmを基準値案としております。

 乳に関しては、豪州の乳牛の残留試験の結果に基づいて0.01ppmを基準値案としております。

 鶏につきましては、こちらも豪州の鶏の残留試験に基づいて、それぞれ記載のとおり基準値案としております。

 鶏及びその他の家禽の卵については、前回部会から変更はなく、追加のデータもございませんでした。ですのでEUの残留試験結果に基づき0.2ppmとしております。その他の豚、魚介類、はちみつについてはデータがございませんので、暫定基準を削除することにしてございます。

 こちらの基準値案に基づいて長期的な暴露量を推定した結果を別紙214ページ目に記載してございまして、それを11ページ目の下の表にまとめて記載をしております。TMDI試算をした結果、一番高い幼小児でもADIは約65%という結果でございました。

 最後の16ページ目が答申案となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 これについては先ほど説明にございましたように、12月に審議した結果、それをWTO通報した後コメントがあったので、それに基づいて修正したところでございますので、修正されたところを中心に先生方から御意見を伺いたいと思います。

 いかがでしょうか。使用方法、残留試験、代謝試験、そのあたりでいろいろ追加されました。今、説明がありました9ページの代謝試験の第2パラグラフの1行目のところで、最大TRR4.0496ということで、論文とかそういうところでこのように書くと笑われてしまうのですけれども、こんなに有効数字が多いはずはないということで、これはもとの報告書がそうなっていたわけですね。

○事務局 そのまま記載をしております。

○大野部会長 それをこちらで勝手に修正することはできないということですか。

○事務局 こちらの判断で有効数字を3桁とか2桁にするとなれば、そちらに修正いたします。

○大野部会長 それでもよろしいですか。いかがでしょうか。有効数字3桁ぐらいでよろしいですね。そうすると4.05となりますけれども、よろしいですか。では、そのように修正をお願いいたします。

 ほかにラサロシドの割合を15%にするということについて説明がございましたけれども、よろしいですか。欧州の検査の結果だと13%ぐらいだということですが、15%でやるとコンサーバティブな判断になると思うのですけれども、よろしいですか。

 では、基準値の設定のところで御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

全体を通してほかに御意見ございますでしょうか。

 それでは、事務局として誤記の修正が1つあって、有効数字のところで1つ修正をしていただいたということで、その修正をしたものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 次の品目ですけれども、次の品目は農薬のフルメツラムについての御審議でございます。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 農薬フルメツラムでございます。資料4-1をお願いいたします。

 今般の残留基準の検討につきましては、暫定基準の見直しについて食品安全委員会において食品健康影響評価がなされたことを踏まえたものでありまして、この部会では初めて御審議いただくものでございます。品目名はフルメツラムで、用途はアゾロピリミジン環を有する除草剤でございます。

 その他、用途、化学名、構造式、物性は記載のとおりでございます。

 本剤は、国内では農薬登録はございません。海外での使用方法につきまして、米国、豪州それぞれの使用方法を記載してございます。

 作物残留試験でございますが、分析対象はフルメツラムでございます。

 分析方法は記載のとおりでございます。

 畜産物への推定残留量で、乳牛における残留試験が行われておりまして、表1に残留量がまとめられております。この結果に関連しまして、豪州では乳牛におけるMFL、飼料の摂取によって畜産動物が暴露される最大量を10.16ppmと評価しております。

5ページになりますが、MFLと各試験における投与量から畜産物中の推定残留量を算出しておりまして、表2にお示ししてございます。

ADIの評価でございますが、食品安全委員会による評価の結果、無毒性量100mg/kg体重/日、安全係数100を用いましてADI1mg/kg体重/日と評価されております。

 諸外国における状況でございますが、JMPRにおける毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。米国においてトウモロコシ、大豆等に、カナダにおいてトウモロコシ、大豆、豪州において穀類、畜産物等に基準値が設定されております。

 基準値案でございますが、残留の規制対象はフルメツラムとするとしております。

 食品安全委員会の評価におきましても、暴露評価対象物質としてフルメツラムを設定されております。

 基準値案につきましては、別紙2のとおりでございます。

 長期暴露評価でございますが、TMDI試算でADI比が幼小児でも0.25という状況になっております。暴露評価につきましては別紙3にお示してございます。

 事務局からの説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 これは初回審議ということですので、順々に御審議をお願いいたします。

 化学名、構造、物性、そのあたりについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途と薬理作用、そのあたりについていかがでしょうか。よろしいですか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 尾崎先生からは特にコメントはございませんか。

○事務局 ございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 安全性の面でいかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構でございます。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝のところで吉成先生いかがですか。体内動態。

○吉成委員 動物では親化合物がほとんどで、植物、農作物ではほとんど残留しないということで、親化合物を見るということでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も同様に考えました。

 今までのところで先生方、御意見ございますでしょうか。

 分析方法、分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。

 それでは、それに基づいて決められた基準値、国際的整合性、そのあたりについてはいかがでしょうか。特によろしいでしょうか。

 全体を通して御意見ございますでしょうか。特にないようですので、修正もございませんでした。ということで、事務局案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 次は農薬のフルピラジフロンについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 5剤目、フルピラジフロンについてでございます。

 資料5-1、今般の残留基準の検討については、農薬取締法に基づく新規農薬登録申請がなされたこと及び関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴い残留基準値の検討を行うものでございます。今回が初めての審議となります。

 まず概要についてです。本剤はブテノライド系の殺虫剤でございまして、ニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストとして作用して殺虫活性を示すと考えられております。

 化学名、構造式及び物性についてはお示ししているとおりです。

 続きまして、適用の範囲及び使用方法についてです。今回、新規の農薬登録申請がなされた品目については、稲のみでございます。一方、インポートトレランス申請がなされたものについては米国の基準値を参照したものでございますが、2ページ目から7ページ目までにその使用方法を記しております。

 続きまして、作物残留試験についてです。分析の概要につきましては国内と海外の分析の方法を示してございます。作物残留試験結果につきましては、国内で実施された作残試験については別紙1-1、海外で実施された作物残留試験結果については1-2に示しております。

 畜産物への推定残留量についてです。畜産物を対象とした分析の概要を9ページ目に記しております。

10ページ目以降に家畜残留試験の結果を記してございまして、1に乳牛を対象とした残留試験結果、2に産卵鶏を対象とした残留試験結果を記してございます。これらの残留試験結果と各畜体のMTDBから推定残留量は算出した結果を12ページの上、推定残留量のところに記してございます。

 乳牛を用いた残留試験と乳牛のMTDBから乳牛の推定残留量を表3-1に示してございます。乳牛の残留試験成績と豚のMTDBの数値から、豚の推定残留量を表3-2に記してございます。産卵鶏の残留試験成績と鶏のMTDBから産卵鶏の推定残留量を表3-3に示してございます。米国においては産卵鶏の推定残留量を十分に低いと評価がなされておりまして、推定残留量は不要と評価がなされております。米国においては産卵鶏の卵を除く食用部分には基準値は設定されておりません。

 続きまして、ADI及びARfDの評価についてです。食品安全委員会においてフルピラジフロンに関してADI及びARfDが設定されております。ADIについては無毒性量3.16mg/kg体重/日の値を安全係数100で除した0.031mg/kg体重/日が評価がなされております。一方、ARfDに関しては無毒性量35mg/kg体重を安全係数100で除した0.35mg/kg体重が評価がなされております。

 続きまして、諸外国における状況についてです。JMPRについて毒性の評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。主要5カ国・地域に置いては、米国においてのみ基準値が設定されております。

 続きまして、基準値案についてです。残留の規制対象はフルピラジフロン親化合物のみとしております。その下に記してございますが、代謝物M33については、一部の農畜産物で親化合物より多く検出されており、一部の毒性試験において親化合物と同等の毒性が示されております。ただ、代謝物M33は動物代謝試験においても認められる代謝物であること、構造から親化合物と比較して速やかに排泄されると考えられること、M33を加えて暴露評価を行ったとしても、ADI占有率が十分に低いことからM33を規制対象には含めない案としております。

 また、米国においてもこの3つの理由から、農産物及び畜産物の規制対象をフルピラジフロンのみとしております。

 なお、食品安全委員会における食品健康影響評価においては、農産物及び畜産物中の暴露評価対象物質を親化合物のみとしております。

 基準値案についてです。基準値案については別紙2に記載してございます。

 (3)暴露評価についてです。先ほども少し説明させていただきましたが、米国においてはM33を考慮した暴露評価が試算されておりまして、その結果から規制対象を選定していることから、本部会報告書の中でもフルピラジフロンだけではなく、代謝物33を考慮した暴露評価を行っております。

1.長期暴露評価についてですが、フルピラジフロン及び代謝物M33の和のADIに対する比について

は、最も高いもので幼小児の50.2%という数値になります。なお、米国においてはフルピラジフロンとM33を考慮した暴露評価が試算されておりまして、その結果からM33の暴露量は親化合物と比較して5分の1から7分の1程度であったという結果が得られていることから、米国においては規制対象物質をフルピラジフロンのみとしております。

 ただ、今回ここにお示ししてはいませんが、我が国の摂取量から長期暴露評価を行った結果については、親化合物のみで試算いたしますと35%程度であるという結果が得られていることから、M33の寄与度が米国よりも高いという数値が得られておりますので、今回フルピラジフロンだけではなくM33を踏まえた暴露評価を行っております。

 続きまして2、短期暴露評価についてです。短期暴露評価に関してもフルピラジフロンと代謝物M33の和を用いて試算しております。どの食品においてもARfDを超えていないことが確認されております。詳細な結果につきましては別紙4-1及び別紙4-2を御覧ください。

37ページの別紙3に先ほど説明した1の長期暴露評価の結果を載せております。暴露評価に用いた数値について補足説明をさせていただきます。陸棲哺乳類の肉類と家禽の肉類を除く食品については、ADI試算で各作物残留試験成績から得られた親化合物の平均値と代謝物M33の平均値の和を暴露評価に用いた数字に用いております。一方で陸棲哺乳類の肉類については牛、豚その他の陸棲哺乳類に属する筋肉又は脂肪のうち、高いほうの推定残留量の値を入れて暴露評価を行っております。家禽の筋肉につきましては、先ほども少し説明させていただきましたが、米国本国においては家禽の卵を除く食用部分に基準値を設定しないことになっているので、今回も家禽の筋肉や脂肪には基準値を設定しない案としているのですが、家禽の筋肉についての暴露評価を行っております。暴露評価に用いた数値につきましては、代謝物M33の推定残留量が0.033という値が算出されておりますので、その値で試算をしております。

 続きまして、短期暴露評価についてです。別紙4-1及び別紙4-2を御覧ください。ここでの暴露評価に用いた数値について説明させていただきます。米を除く全ての食品については、作物残留試験成績の例数が4例以上ございますので、HRを用いて試算しております。ただ、今回親化合物に加えてM33も考慮した暴露評価を行っておりますので、フルピラジフロン及びM33の残留量を足したものの中で最も高い値を暴露評価に用いた数字に入れております。

 一方で米につきましては例数が足りませんので、HRを用いて算出することができませんでした。そのかわりにフルピラジフロンと代謝物M33を仮に規制対象とした場合の基準値案が0.2であることから、その値を用いて暴露評価を行っております。ごらんいただくとおり、この試算においてもARfDを超えた食品はございませんでした。

 最後のページが答申案です。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 これも初回審議ということでございます。化学名、化学構造、物性、そのあたりについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途、薬理作用、その他についていかがでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これについても尾崎先生のコメントは特に来ていませんね。

○事務局 特にございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 では体内動態のところ、測定対象物質も含めて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 御説明があったとおり、代謝物M33というものが幾つかの動物、植物に出るということなのですけれども、13ページの基準値案に書かれているような説明に私も納得いたしますし、そのとおりだと思いますので、規制対象に33を含めずに親化合物だけとするのでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

 私も同様に考えました。8ページにM33の構造が載っていますけれども、非常にシンプルな構造で、カルボン酸になっているということですので、速やかに排泄されるということでよろしいのではないかと思います。

 先ほど米国においても同様の理由からという説明がありましたが、動物代謝試験で認められる代謝物であるという理由だけではなくて、そのほかのことも含めた説明が向こうにはあるのですか。

○事務局 それ以外にも2つ、挙げさせていただいている3つの理由で米国においては規制対象から除かれております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 無毒性量、急性参照用量ともに出されておりますけれども、記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。よろしいですか。それでは、分析方法、分析結果、そのあたりについてはいかがでしょうか。

 それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。特に修正にかかわるようなコメントはございませんでした。では、事務局案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 申しわけないのですけれども、フルメツラムに戻らせていただきたいのですが、食品安全委員会の報告で気になるところがありまして、ふだんは書いていなかったことが書いてあって、フルメツラムの19ページの一番下のところで「暴露量については当該評価結果を踏まえて暫定基準値の見直しを行う際に確認することとする」という表現があって、これはなぜこういう表現になったのかなと思うのですけれども、こういう表現があると暴露評価の結果について、これから食品安全委員会に報告するという今までとは違う手続をするのでしょうか。

○事務局 こちらの表現は、食品安全委員会の評価が出されたときに記載がございます。

○大野部会長 これはいつもはないですね。ほかの品目にはなかったと思うのです。初回のときだけあるのかなと思ったのですけれども。

○吉成委員 ラサロシドにもあります。

○大野部会長 そうですか。これはかなり一般的に使われている表現なのですか。では、初回のときにはそういうようにやるのですかね。ないこともあったので。

○事務局 こちらの表現は、暫定基準の見直しのときにだけ記載される事項でございまして、私ども暫定基準につきましては、食品安全委員会に諮問するときに基準値の実際の案というものが余り明確になっていませんので、部会審議を経た後に最終的な基準値案として食品安全委員会に報告しております。そのことを指しているのです。

○大野部会長 ありがとうございます。暫定基準の見直しのときにこういうものがつくということでございます。どうも私の勉強不足で、済みませんでした。

 それでは、次の品目ですけれども、動物用医薬品ガミスロマイシンについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料6-1、また補足資料として1枚紙がついております。これらを使って御説明を申し上げます。

 ガミスロマイシンについてですが、実は本剤につきましては、昨年11月の本部会において一度御審議をいただきました。その際、報告書案についても御確認をいただきまして、基準値案を含めて特に委員の先生方から反対の御意見等はなかったのですけれども、事務局側の事情がありまして、事務局からお願いをして保留という扱いにさせていただいておりました。その事情といいますのは、本剤は注射剤なのですけれども、その注射部位の残留の取扱いをどのようにするかということについて少し調整が必要であるという事情がありまして、昨年11月は保留という扱いをさせていただきました。その事情については後ほど補足資料を使いまして詳しく御説明を申し上げます。

 まず資料6-1につきまして、前回、一度御説明をしておりますが、改めて思い出していただくという意味で一とおり御説明を申し上げます。

 本剤につきましては、動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたことに伴いまして、農林水産省から意見聴取があり、本部会で御審議をいただくものです。

 用途ですが、合成抗菌剤でして、マクロライド系の抗菌性物質です。細菌のタンパク質合成を阻害することによりまして、静菌作用を示すと考えられております。

 海外では欧州、米国等で動物薬として牛の細菌性呼吸器複合感染症に対する治療薬として既に使用されております。国内では現在は承認されておりませんが、今般、牛の細菌性肺炎の治療薬として承認申請がなされたものであります。

 また、ヒト用の医薬品としては国内外を含めて使用されておりません。

 化学名、構造式及び物性については、お示ししたとおりです。

2ページ、適用方法及び用量ですけれども、本剤は注射剤でして対象動物は牛です。牛のところに括弧書きで少し細かく書いておりますが、要するに搾乳をする牛に対しては使用しないことになっております。1日量としては体重1kg当たり6mg(力価)以下の量を皮下に注射をいたしまして、休薬期間は49日とされております。

2の対象動物における残留試験です。分析対象の化合物はガミスロマイシンとしておりまして、分析法の概要は記載をしたとおりです。残留試験の結果につきましては3ページの表1及び表2に記載をしております。表1、表2ともに牛に対してガミスロマイシンを単回皮下投与した場合の各組織の残留量を載せております。そして、これらの残留試験の結果から、各組織における最大残留量を統計学的な解析により算出したものを3ページの下の表3に記載をしております。肝臓、腎臓、小腸につきましては残留データから統計的に算出しております。一方、筋肉と脂肪につきましては残留量が定量限界を下回るケースが多かったため、統計的な解析は行っておりません。

4ページ「3ADIの評価」です。まず毒性学的なADIにつきましては、0.01mg/kg体重/日と評価をされております。また、微生物学的ADIにつきましては0.045mg/kg体重/日と評価されておりまして、これらのうち小さいほうの値である0.01mg/kg体重/日が最終的なADIとして設定されております。

 「4.諸外国における状況」ですが、JECFAにおいて評価されておらず、国際基準も設定されておりません。主要国におきましては米国、カナダ及びEUにおいて基準値が設定されております。

5ページ「5.基準値案」です。残留の規制対象はガミスロマイシン本体のみとしております。米国、カナダ及びEUにおいても、指標残留物としては同じガミスロマイシン本体となっております。

 基準値案につきましては6ページの別紙1に記載をしております。

 暴露評価の結果ですけれども、7ページの別紙2に記載をしております。

5ページに戻っていただきまして、(3)の暴露評価のところを説明させていただきますが、規制対象物質はガミスロマイシンとしておりますが、暴露評価はガミスロマイシン由来の他の残留物全てを含めた総残留で評価をしておりまして、ガミスロマイシンと総残留との残留の比につきましては、5ページ中ほどに各組織別にその比率を記載しております。この総残留を使って暴露評価をしたものが先ほどの7ページの別紙2になります。ADIに対する比としては、最大となるのが妊婦の1.4%でございます。

 最後、答申案が9ページに記載をしてございます。

 部会報告書の説明は以上になりますけれども、最初に申し上げた補足資料を使いまして注射部位の取扱いについて御説明をさせていただきたいと思います。

1枚紙の補足資料ですけれども、表側の12につきましては、昨年11月の前回の部会でも同じ内容を説明させていただいておりますが、改めて御説明申し上げます。

 まず「1.注射部位の残留について」ですけれども、今般、承認申請のありましたガミスロマイシン製剤は、牛の頚部皮下に投与する注射剤であるところ、残留試験の結果によれば、注射部位直下の筋肉には他の通常部位に比べて、高濃度のガミスロマイシンが残留しているという結果が得られております。それをその下の表1に記載しております。

 先ほど報告書本体に記載をしておりました2種類の試験と同じ試験なのですけれども、通常の筋肉のデータに加えて注射部位直下筋肉のデータを記載しています。こちらのデータを見ていただきますと、本剤は休薬期間49日となっておりますので、40日と65日の間ぐらいを見ていただければと思うのですが、通常の筋肉については定量限界である0.01を下回っておりますが、注射部位直下の筋肉に限っては、それよりもかなり高い残留が認められております。

 この注射部位の残留をどう取扱うかというのが論点なのですけれども、本文に戻っていただきまして2つ目の○ですが、一方、注射剤の残留基準については、従来より筋肉の大部分を占める通常部位に対応した基準値を設定することにより、その適正使用を確保することとしており、本剤についても現在の基準値案0.01pmは当該考え方に基づいたものとなっております。

 その下の注釈ですけれども、本剤について仮に注射部位の残留濃度を考慮した場合、筋肉の基準値案は6ppmとなる見込みです。ただし、この場合、適正使用の有無にかかわらず、筋肉の大部分を占める通常部位について、およそ基準値を超過する可能性がなくなる。つまり使用方法を守らずに過剰な投与をしたり、あるいは休薬期間を守らなかったとしても、通常の部位が6ppmを超えるという可能性はまずあり得ませんので、仮にこの6ppmの基準値を下回っていたとしても、その適正使用をしたかどうかということについては確認ができなくなるということを書いております。

 その下の○ですが、ただし、本剤を適正に使用した場合でも、たまたま注射部位の筋肉を採取して残留検査を行った場合に、基準値案を超過する可能性があります。この基準値案を超過した場合に、それを直ちに違反としてしまっていいのかということが懸案事項として残っております。

 次に「2.注射部位の摂取を考慮した場合の安全性について」と書かせていただいております。今回、筋肉の基準値をどのような形で設定するにせよ、注射部位を摂取しても安全であるということがいずれにしても前提となります。それについて書かせていただいております。

 注射部位の直下の筋肉へのガミスロマイシンの残留について、残留試験の結果から統計学的な解析により、投与後49日の時点、これは休薬期間に相当しますが、その平均的な残留濃度を推定しますと0.35ppmと算出されます。その場合に注射部位が筋肉全体のうちどれぐらいの割合を占めているかということはデータがありませんので、仮に人が摂取する全ての筋肉部位に0.35ppmのガミスロマイシンが残留するというワーストケースを想定した場合ですが、この場合であってもガミスロマイシンの推定摂取量は、先ほどと同じく総残留で評価をしておりますが、これはADI比において最大7.6%にとどまるということで、安全性上は問題がないと考えております。

 裏のページに行っていただきまして、今の結論として、したがって、本剤が適正に使用される限り、注射部位直下の筋肉が摂取されたとしても特段安全性上の問題はないと考えております。

 前回はここまで御説明を差し上げた上で、では注射部位が基準値を超える可能性があるという問題についてどのような取扱いをするか、これについて諸外国での事例などを調査した上で検討させていただくという形で保留とさせていただきました。

 その下の3番が今回新しいことになります。「3.諸外国(米国、EU、豪州)における注射剤の取扱い」です。具体的には米国、EU、豪州の例を書いております。これらの国においては、いずれの国においても筋肉の残留基準値の設定に当たっては、基本的に注射部位の残留濃度を考慮せず、通常部位の残留濃度に基づき設定をしております。

 一方で、休薬期間の設定に当たっては、1.注射部位の残留濃度が基準値を下回るように休薬期間を設定している国、これはEUが該当します。また、2.安全性上の懸念がない限り、注射部位の残留濃度が基準値を下回るかどうかを考慮せずに休薬期間を設定している国、これは米国や豪州が該当いたします。

 その下の注釈はEUに関してつけさせていただいたのですが、EUについては、今申し上げたとおり通常部位に対応した基準値をつけた上で注射部位の残留濃度がそれを下回るような休薬期間を設定してきているという形になっておりまして、日本の現状と一番近い状態かと思うのですけれども、ただ、これについてもEUでは議論があるようでして、つまりこのような取扱いをした場合、安全性上の懸念がない場合であっても休薬期間が長くなってしまうため、それについてもう少し合理的な方法がないのかということで、現在、EUでは取扱いの見直しを検討中という状況です。これについてはまだ結論が出ていないということです。

 最後「4.対応」というところですけれども、本剤につきましては、注射部位の残留濃度に対応した基準値、これは先ほど説明しました6ppmに相当しますが、これを設定することは大部分を占める通常部位の筋肉にとっては不要に高い基準値を設定することになり、妥当ではないと考えられます。そのため、諸外国における取扱いも参考といたしまして、通常部位の筋肉に対応した基準値、これは今回提案させていただいております0.01ppmに相当いたします。これを設定しつつ、それを前提とした場合に、安全性上の問題がない範囲において注射部位の残留濃度が基準値を超過する可能性があることへの対応については、引き続き検討することとさせていただきたいと思っております。

 ということで、基準値につきましては今回0.01という筋肉の基準値を提案させていただいておりまして、これについては御審議の上で御判断をいただきたいと思っております。その上で、その基準値を超過した場合の取扱い、あるいはその検査の仕方によって何かしら融通を利かせることができるか。こういった行政上の課題については厚労省で引き続き検討をさせていただきたいと思っております。

 という前提におきまして、本日の部会報告書について御審議をお願いできればと思っております。よろしくお願いいたします。

○大野部会長 御丁寧に説明していただいてありがとうございます。

 それでは、これについては以前、審議したということでございますので、ただ今説明があった注射部位の取扱いについて、特に、御意見を伺ったほうがいいかと思いますけれども、一応、今までの報告書について特に問題がないかどうか確認をいただきたいのですが、その後で注射部位の取扱いについて御意見を伺いたいと思います。

 吉成先生、お願いします。

○吉成委員 化学名なのですけれども、立体の表記の一番初め、2R3Sと続いていますけれども、3行目にもありますが、数字のほうは全てイタリックではなくて立体ですので、それだけ御修正いただければと思います。1行目に10個ぐらいで、3行目にもありますので、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございます。RSを一緒に戻してはいけないですね。それは注意してくださるようお願いいたします。

 ほかに先生方から報告について御意見ございますでしょうか。

 それでは、注射部位の取扱いについて御意見、御質問はございますでしょうか。この辺は石井先生が一番関係しているのではないかと思いますけれども、いかがですか。こういう取扱いで実際に検査するときに問題ないでしょうか。多くなってしまう場合もあるわけですね。非常に低い確率だと思いますが、検査の現場でそういうものが出た場合の取扱いとか、混乱は出ないですか。

○石井委員 混乱すると思います。ですのでこれから御検討いただくということだと思います。

○大野部会長 これを通知するときには、ガミスロマイシンについては注射部位についてはたまたまこういうように基準値を若干オーバーしていても、安全性の問題はないんだということを別途衛生研究所に連絡するのでしょうか。

○事務局 恐らく基準値を告示するときに、そういった注射部位の取扱いなどについても、例えば施行通知という形で厚労省から通知を行うとか、何かしら方針を示させていただくことがあったほうがいいのではないかと思っております。

○大野部会長 ありがとうございます。そうしていただければ混乱がかなり防げると思います。

 これでもし注射部位だけとった場合でも、ADI80%を超えないというようなことを条件に今回やっているわけですけれども、もし注射部位の摂取だけでADIを超えてしまっている可能性があるような場合には、今のところの態度としては注射部位はとってはいけないという形になるのでしょうか。

○事務局 本剤に限って言えば、注射部位を摂取しても安全性上は問題ないという形ですけれども、もし別の製剤で注射部位を摂取すると健康上のリスクがあるということであれば、それは使用方法自体を見直して、注射部位の残留が十分に安全なレベルまで下がった状態で出荷するという形をとっていただく必要があろうかと思います。ですので今回の取扱いはあくまでも安全性上の懸念がない場合には、こういうことができるのではないかという趣旨で御説明させていただきました。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかの先生方から御意見、御質問はございますでしょうか。佐々木先生、お願いします。

○佐々木委員 ちょっと質問なのですけれども、この製剤の場合ですと注射部位を摂取しても試算だとADI10%以下で、牛の場合、頭部に注射をすると聞いているのですが、頭部に注射する場合、多くの場合はBSEの検査で実際には食用に回らないと聞いたこともあるので、そのあたりはよくわからないのですが、そこは教えていただけますか。

○事務局 この剤については注射部位は頚部と指定されております。

○佐々木委員 頚部というのは。

○事務局 首とか肩のあたりのことを指しているかと思います。

○佐々木委員 それは食用に回ることがありますか。詳しくなくて申しわけないです。

○農林水産省 なるべく食用に回らない部位ということで頚部が選ばれてはおりますけれども、その頚部の中でも食肉として回る部分というのはございます。

○佐々木委員 わかりました。ありがとうございます。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。

○斉藤委員 言葉の問題なのですけれども、用途のところの合成抗菌剤というのは、この表記でよろしかったでしょうか。ちなみに2行目は15員環マクロライド系抗菌性物質となっていまして、食品安全委員会の評価書のほうは抗生物質となっているので、これは抗生物質ではないかと思ったのですけれども、定義の問題ですからこれでいいということであればよろしいかと思うのです。

○事務局 表記について確認した上で、適切な表現にさせていただきたいと思います。

○斉藤委員 お願いします。普通、合成抗菌剤と言ったらニューキノロンとかサルファ剤とか、そういった化学合成した場合に合成というものが入るので、そうでない場合にはたしかつかなかったと記憶していたので、御確認のほどお願いいたします。

○大野部会長 これを化学合成しているのだったらいいということで、よろしいですか。

 分析方法のところで教えてほしいのですけれども、2ページに書いてある分析方法はLC-MS/MSで測定することになっておりますので、これはガミスロマイシンそのものをはかっているように私なんかは見えてしまうのですけれども、これでもほかのものが入ってきてしまうことはあるのでしょうか。と申しますのは、最後のところで7ページではガミスロマイシン相当量とは食品中に残留するガミスロマイシン由来の残留物の全てがガミスロマイシンと仮定した場合の量と書いてあるので、ここを見ると測定したものはガミスロマイシンだけではないと読めてしまうので。

○事務局 この総残留とガミスロマイシン本体との比率を算出した試験は別の試験でして、表1、表2に載せさせていただいている残留試験とは別の試験です。

○大野部会長 わかりました。別の方法で計っているということですね。ありがとうございます。

 それでは、ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。報告書の全体を含めて、注射部位の取扱いについて、よろしいでしょうか。

 注射部位の取扱いについては、おおむね承認していただいたということにしたいと思います。ガミスロマイシンの報告書については、化学名の表記について修正がございましたけれども、合成抗菌剤については確認して、必要に応じて修正するということで、その前提のもとでこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、次は対象外物質ということになるのかなと思うのですが、イタコン酸についての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 7剤目のイタコン酸でございます。資料7-1を御覧ください。

 本剤は農林水産省より新規農薬登録申請に伴う基準値設定依頼がなされたものでございまして、今回、イタコン酸の対象外物質としての指定について御審議いただくものでございます。

 まず対象外物質について御説明いたします。対象外物質とは、通常の方法によって使用され、食品中に残留した場合であっても、その食品を摂取することによってヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかである農薬等の成分である物質でございまして、仮に食品中に残留が認められても規制の対象とすることは適切ではないということから、ポジティブリスト制度対象外の物質として定めているものです。今回この対象外物質に指定することについて御審議いただきたいと思っております。

 まず「1.概要」を御覧ください。イタコン酸はでんぷん、粗糖などを発酵し精製される天然物でございまして、リンゴ用の摘花剤として使用されております。使用目的といたしまして、頂芽中心花の受粉完了後に散布することで、効果的に側花芽及び腋花芽の開花を阻害し、品質のよい中心果を得るために用いられております。その作用機序といたしまして、花粉管伸長阻害又は有機酸によって生じる柱頭の焼けによる受精阻害により摘花効果を示すと考えられております。

 化学名、構造式、物性につきましては、記載のとおりとなっております。

 続いて、使用方法及び用量についてですが、国内の使用方法は表に示すとおりでございます。

 そのほかに、イタコン酸は既存添加物として指定されておりまして、酸味料やpH調整剤として使用されています。

 続いて、食品健康影響評価についてですが、食品安全委員会によると、眼に対する刺激性試験において粘膜に対して強い刺激性が認められ、各種毒性試験の結果からは急性経口毒性試験において運動失調、立毛、体重増加抑制等が認められましたが、その他の試験ではイタコン酸投与によると考えられる生体にとって問題となる影響は認められていないと評価されております。

 残留性についてですが、食品安全委員会の評価書の資料7-210ページを御覧ください。31)の作物残留試験についてですが、農薬としての使用量を考慮したとき、りんごの花への付着量から果実への付着量は最大で1.51mgと推定されております。一方、食品添加物としてですが、イタコン酸に使用基準は設定されておりませんが、その性質上、一般的に清涼飲料水に0.010.2%添加されており、清涼飲料水1250mL当たりに0.01%のイタコン酸が添加されていると仮定したとき、1本当たりにイタコン酸が25mg添加されていることになります。

 そのほか記載されていますように、しょうゆ等の調味料の含有されておりまして、これら食品から本剤を摂取していることを考慮した場合、農薬としての使用に起因する残留によって、通常の食生活で摂取している量を増加させる可能性は極めて低いと考えられます。

 以上のことから、農薬として通常使用される限りにおいて食品にイタコン酸が残留することにより、ヒトの健康を損なうおそれはないと評価されております。

 資料7-1の部会報告書案に戻っていただきまして、2ページですが、諸外国における状況については記載のとおりとなっております。

 対象外物質としての設定についてですが、イタコン酸は農薬として適切に使用される限りにおいて、食品に残留することにより、人の健康を損なうおそれがないことが明らかなものとして、食品衛生法第11条第3項の規定に基づく対象外物質として設定することとしたいと考えております。

 最後のページが答申案になります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 これについて順を追って御審議をお願いします。

 化学名、化学構造、物性、そのあたりについて吉成先生、よろしいでしょうか。

○吉成委員 はい、問題ないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途、薬理作用、そのあたりについて宮井先生いかがでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝については特に記載されているのかな。その辺については吉成先生、いかがですか。

○吉成委員 特に問題ないと思います。

○大野部会長 代謝については記載されていないですね。でも、問題ないということで、残留も非常にわずかです。安全性の面でよろしいですか。

○鰐渕委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。劇物ということですけれども、実際に使う場合には大きく希釈されて使われているということで、今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、ここについては分析とかそういうものは載せていませんが、最終的な答申案と全体的な報告書の内容について先生方、御意見ございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、これについては対象外物質ということでよろしいでしょうか。

 では、報告書についても修正はなしということでよろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 次の品目ですけれども、これも対象外物質としてのカルシフェロール及び25-ヒドロキシコレカルシフェロールについて御審議をお願いいたします。

 事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 8剤目のカルシフェロール及び25-ヒドロキシコレカルシフェロールでございます。

 資料8-1を御覧ください。今回、農林水産省より25-ヒドロキシコレカルシフェロールが飼料添加物の指定並びに基準及び規格の設定に係る意見聴取がなされたことと、既にポジティブリスト導入時に暫定的に対象外物質として指定されているカルシフェロールについて、改めて対象外物質として指定することについて御審議いただくものでございまして、初回の部会となります。

 まずカルシフェロールは、抗くる病作用を持つ脂溶性ビタミンであるビタミンDの総称でございまして、17位の側鎖構造の違いによりビタミンD2 D7 が存在します。このうち自然界に広く分布し、生理学的に重要なものはビタミンD2 であるエルゴカルシフェロールとビタミンD3 であるコレカルシフェロールの2種類がございます。生体内では肝臓においてコレカルシフェロールの25位が水酸化され、25-ヒドロキシコレカルシフェロールとなり、さらに腎臓において水酸化されまして1α, 25-ジヒドロキシコレカルシフェロールに代謝されて生理活性を示すと考えられております。

 化学名、構造式につきましては、1ページから2ページに記載しております。

 使用方法及び用量については、3ページに記載しております。

 食品健康影響評価ですが、カルシフェロールは脂溶性ビタミンでございまして、人の体内で生合成されるほか、魚肉、バター等に含まれておりまして、通常食品を通じて摂取されていること、また、通常の食事では過剰量のカルシフェロールを摂取することはなく、サプリメント等による過剰摂取によりカルシフェロール過剰症が起こる可能性が高いことが知られております。

 また、EFSAの評価については食品安全委員会の評価書の資料8-223ページを御覧ください。31EFSAにおける評価についてですが、EFSAでは成人に対して高カルシウム血症がビタミンDの毒性の指標として設定されております。ヒトの2試験からNOAEL250μg/ヒト/日と設定されております。これらの試験から不確定要素を考慮して妊婦及び授乳中の女性を含む成人の許容上限摂取量(UL)を100、小児及び若年層については高用量のビタミンDの摂取データが不足しているものの、1117歳の年齢層は骨生成及び成長が迅速に行われる年齢層であり、成人と比較してビタミンDの許容値が低いとは考えにくいことから、UL100と設定されております。

110歳の子供に対しても同様の考え方が適用され、体格が小さいことを考慮してUL50と設定されております。乳児については高用量のビタミンD摂取により成長が障害され、高カルシウム血症が発現するというデータがあることから、UL25とされております。欧州14カ国の調査におけるビタミンDの摂取データから、多量に摂取する人においてもその摂取量はどの年齢層でもこれらビタミンDUL未満であることが示されております。

 また、家畜及び家禽の飼料中のビタミンD3 含有量について評価されておりまして、欧州14カ国における最近の栄養調査では、ビタミンDの摂取量は安全上限値を十分下回ることが判明しております。動物由来の食品は、ビタミンD3 の飼料添加物を含む最近の飼育方法で生産されていることを前提とした場合、現在認められている最大量のビタミンDを飼料に添加してもULを超えないと結論づけられております。

 (2)のEMEAにおける評価についてですが、動物用医薬品としては短期的治療のためにのみ使用されまして、投与された動物が治療中又は治療直後に食用に供されることは考えにくく、動物の可食部に自然に含有するビタミンD濃度には大きなばらつきがございまして、MRL確立のための調査は非常に困難であることから、MRLを設定する必要はないと結論づけられております。

 部会報告書案の4ページに戻っていただきまして、3段落目から御覧ください。カルシフェロールは国内において飼料添加物、食品添加物等、さまざまな分野で使用されており、その使用実績においてもこれまでに安全性に関する特段の問題は認められておりません。

25-ヒドロキシコレカルシフェロールについては、コレカルシフェロールの代謝物であり、その毒性についてはカルシフェロールより強いとは考えられない。また、食品を介してヒトが25-ヒドロキシコレカルシフェロールを過剰に摂取することはないと考えられる。

 以上のことから、動物用医薬品及び飼料添加物として通常使用される限りにおいて、食品に残留することによりヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかであるものと考えられると、食品安全委員会により評価されております。

 諸外国における状況については、記載しているとおりとなっております。

 対象外物質としての設定については記載しているとおりでございまして、最後のページが答申案になります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、これを対象外物質として継続するかどうかということについての御審議ということでございます。初回ですので順を追って御審議をお願いいたします。

 化学名、化学構造、物性、そのあたりについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途、薬理作用について宮井先生、いかがでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝経路について特に詳しくは載っていませんけれども、吉成先生、御意見ありますか。よろしいですか。

○吉成委員 特にないです。

○大野部会長 安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐淵委員 特に問題ないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今までのところで先生方、御意見ございますでしょうか。

 それでは、食品健康影響評価の表現、食品安全委員会の報告書から抜き出したものですけれども、特によろしいでしょうか。

1つだけ、食品安全委員会から抜き書きしたからですが、4ページの一番上から3行目のところで「各年齢におけるULは」というところが、読んでいて何だろうと思ったのですけれども、もとの食品安全委員会の報告には、その前にこの説明があるので、どこかでULの意味について書いておいていただけますでしょうか。

○事務局 わかりました。

○大野部会長 お願いします。

 分析方法とか載っていませんけれども、それも含めて先生方から御意見を伺いたいと思いますが、そういった面からの御意見はございますでしょうか。問題はございませんか。

 それでは、これを継続して対象外物質とすることについてはいかがでしょうか。

○永山委員 継続する点については特に意見は持っていないのですが、確認といいますか、4ページの「4.諸外国における状況」の中で、最後のところといいますか、「米国、カナダ、EU、豪州及びニュージーランドについて調査した結果、EFSA及びEMEAにおいて評価されている」でとまってしまっているのですが、評価されてどうなっているのかというのが何も書いていないと、何なのかなというのはちょっと気になったものですから、その辺はいかがでしょうか。

○大野部会長 いかがでしょうか。

○事務局 評価の内容ですが、「3.食品健康影響評価」の部分に書いてあるのと重複するので割愛させていただきました。

○永山委員 それであれば、その旨を一言でもいいのですけれども、3の場合は以下のように評価されているということで、ずっと評価の内容が書いてあるので分かるのですが、この部分についてはそこでとまってしまっているものですから、例えば3と同じなら同じ評価が行われているとか、何かそういうものが一言あったほうがわかりやすいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○大野部会長 いかがでしょうか。

○事務局 わかりました。

○大野部会長 食品安全委員会の報告の最後の「以上のことから」の動物用医薬品及び飼料添加物として通常使用される限りにおいて何とかかんとかって、そういう結論が同じわけですね。

○事務局 はい。

○大野部会長 そういったニュアンスのことを追加するということですね。皆さんよろしいでしょうか。では、そういう内容のことを追加してくださるようお願いいたします。

 ほかに御意見ございますでしょうか。それでは、対象外物質とするということ、それから、部会としての報告書の案について若干補足をしていただくということで、報告書の案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、対象外物質であるカルニチンについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 9剤目のL-カルニチンでございます。

 資料9-1を御覧ください。本剤は農林水産省より飼料添加物の指定並びに基準及び規格の設定について意見聴取がなされたものでございまして、今回新たに対象外物質として指定することについて御審議いただく品目でございます。

 本剤は、国内においてカルニチン塩化物が牛、豚等を対象とした消化器疾患における症状改善を目的とした動物用医薬品の一成分として使用されております。また、ヒトに対してはL-カルニチン及びL-カルニチン塩化物を有効成分とする製剤が承認されております。

 海外においては米国、カナダ、EU等において牛、豚等を対象にL-カルニチン又はその酒石酸塩を有効成分とする飼料添加物又はサプリメントが使用されています。

 適用方法及び用量については、記載のとおりでございます。

 続いて食品健康影響評価についてですが、食品安全委員会によるとL-カルニチンは生体に必須な成分であり、主に肉や乳製品等から摂取され、肝臓や腎臓等で生合成されること、そして、本剤の食品を介した日本人の一日摂取量は0.77mg/kg体重/日と推定されており、この摂取量はFESAにおいてヒトの忍容性試験の結果から得られた副作用がみられない用量である33.3mg/kg体重/日より低いものでございまして、また、豚に対して本剤を飼料添加物として使用したことによる摂取増加量は0.1mg/kg体重/日と推定されており、EFSAでは本剤の実用的濃度での飼料添加物としての使用は、畜産物食品由来のL-カルニチン摂取量を本質的に増加させるものではないと結論づけております。

 また、ヒトの経口投与試験において、ヒトの腸管におけるL-カルニチンの吸収は投与量33.3mg/kg体重/日で飽和していると考えられること。

 以上のことから、食品を介してヒトがL-カルニチンを過剰に摂取することはないと考えられております。

 さらにL-カルニチンは国内で医薬品的効能を標榜しない限り、食品での利用が認められておりまして、これまで長年の食習慣においてL-カルニチンを含む食品で特に弊害が認められていないことから、本剤が動物用医薬品及び飼料添加物として通常使用される限りにおいて、食品に残留することによりヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかであるものと考えられると評価されております。

 諸外国における状況については、記載のとおりとなっておりまして、対象外物質としての設定について記載しているとおりとなっております。

 答申案は最後のページになります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、これについて化学名、化学構造、物性、そのあたりについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 確認なのですけれども、IUPACの名前のbutanoateとなっているところの前はスペースがもしあいているのであれば、スペースを取ってください。全角括弧でスペースが入っていないのであればそのままなのですが、確認だけお願いします。

○大野部会長 お願いいたします。

 それだけでよろしいですか。ありがとうございます。

 用途と薬理作用、そのあたりについて宮井先生、いかがでしょうか。

○宮井委員 特に問題ありません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 これについて代謝とか体内動態のところ、これはよろしいですね。

○吉成委員 問題ないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 安全性の面でもよろしいですね。

○鰐淵委員 特に問題ないです。

○大野部会長 食品安全委員会の報告書の内容とか文面とか、それもよろしいですね。ありがとうございました。

 今までのところで先生方、御意見ございますでしょうか。

 それでは、そのほか分析とかそういった面からの御意見ございますでしょうか。

○永山委員 これも先ほどと同様なのですけれども、確かに3には書いてあるのですが、ここにただ評価だけ書いてあると若干わかりにくいと思うので、一言だけでいいかと思うのですが。

○大野部会長 ありがとうございます。そのように追加をお願いいたします。

 ほかに御意見ございますでしょうか。

 それでは、これについては引き続き対象外物質とすることについてはよろしいですか。

 この報告書の事務局案ですけれども、若干修正をしていただくところはございましたが、修正したものをもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 次の品目ですけれども、これも対象外物質ですね。グリセリン酢酸脂肪酸エステルについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いします。

○事務局 10剤目、グリセリン酢酸脂肪酸エステルについてでございます。

 資料10-1を御覧ください。本剤は農薬取締法に基づく新規農薬登録申請に伴う基準設定依頼が農林水産省からなされたことに伴って、本剤を対象外物質として設定することについて御審議いただくものでございます。初回の審議となります。

 概要についてです。本剤は忌避剤でございまして、本剤による忌避の作用機序については明らかにされておりませんが、処理作物への成虫の定着を阻害することで忌避効果を発揮すると考えられております。また、気門封鎖等の物理的作用によって、幼虫に対して殺虫効果を示すと考えられております。

 一方、国内では食品添加物のグリセリン脂肪酸エステルの1つとして、乳化剤として使用されておりますが、使用基準は設定されておりません。

 構造式につきましては、お示ししているとおりでございます。

 適用方法及び用量についてですが、トマト、ミニトマトを対象作物とした使用方法が設定されております。

 続きまして、食品健康影響評価についてです。食品安全委員会の評価結果においては、各種毒性試験の結果から、グリセリン酢酸脂肪酸エステル投与による影響は高用量投与による精巣でのわずかな影響のみであるとされております。また、食品添加物として使用されるグリセリン酢酸脂肪酸エステルが農薬として使用された場合、その使用により生ずる作物残留によって、通常の食生活において食品から摂取しているグリセリン酢酸脂肪酸エステルの量を増加させる可能性は極めて低いと考えられるとされております。

 この点につきまして、資料10-28ページを御覧ください。本剤の残留性について評価がなされております。グリセリン酢酸脂肪酸エステルを処理したミニトマトの重量から残留濃度が測定されておりまして、26.8mg/kgとされております。これに対して本剤が食品添加物として使用された場合、食品中にどれぐらい添加されているかという数値を表3に示してございますが、この数値をppmに換算いたしますと3,00015ppmであるとされておりまして、この量を比較したところ最大でも農薬として使用され残留する量の100分の1程度であるということから、グリセリン酢酸脂肪酸エステルは農薬として想定し得る使用方法に基づき、通常使用される限りにおいて、食品に残留することによりヒトの健康を損なうおそれがないことが明らかであると考えられると評価がなされております。

 報告書案に戻っていただきまして、諸外国における状況についてです。JMPRにおいて毒性評価は行われておらず、国際基準も設定されておりません。主要5カ国地域においても基準値は設定されておりません。1973年にJECFAにおいて食品添加物としての毒性評価が行われておりまして、ADIは設定不要という評価がなされております。米国、EUにおいても食品添加物としての指定がございます。

 最後に、対象外物質としての設定についてです。本剤は農薬として適正に使用される限りにおいて、食品に残留することによりヒトの健康を損なうおそれがないことが明らかであると考えられております。

 食品安全委員会の評価結果を踏まえ、本剤を対象外物質として設定することは妥当であるという案としております。

 最後のページが答申案です。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 この化学名は問題ないですか。構造あたりについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 いいと思います。

○大野部会長 今、気がついたのですけれども、なぜグリセリン酢酸脂肪酸エステルと言うのですか。酢酸はエステルに入っていないですね。

○吉成委員 lmnがゼロになったときは、メチレンがなくなるので酢酸エステルになるということだと思います。

○大野部会長 わかりました。そうですね。前に読んだときはわかっていたのだけれども、今はわからなくなってしまって。

 用途、薬理作用、そのあたりについて宮井先生いかがでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝のところとか体内動態は特に問題ないですね。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 安全性についてはよろしいでしょうか。

○鰐渕委員 はい、大丈夫です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今までのところで先生方御意見ございますでしょうか。

 それでは、そのほか全体を通して御意見ございますでしょうか。よろしいですか。

 これについて継続して対象外物質とすることについてはよろしいでしょうか。

 この報告書ですけれども、事務局案について特に修正はございませんでしたが、事務局案をもってこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 それでは、今日の最後の品目ですけれども、対象外物質のポリグリセリン脂肪酸エステルについての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 ポリグリセリン脂肪酸エステルについてです。

 資料11-1を御覧ください。本剤は農薬取締法に基づく新規農薬登録申請に伴う基準値設定依頼が農林水産省からなされたことに伴い、対象外物質として設定することについて御審議いただくものでございます。今回が初回の審議となります。

 概要についてです。本剤は殺虫剤でございまして、害虫の気門を物理的に封鎖し、窒息死させることにより殺虫口座を示すと考えられております。一方、国内ではグリセリン脂肪酸エステルの1つとして乳化剤として使用されておりますが、使用基準は設定されておりません。

 構造については、お示ししているとおりでございます。

 適用方法及び用量についてです。野菜類全般に対する使用方法が設定されております。

 続きまして、食品健康影響評価についてです。食品安全委員会における評価書において、各毒性試験の結果からポリグリセリン脂肪酸エステル投与による影響は、高用量投与により肝臓及び腎臓の重量増加並びに尿中窒素の増加が認められたのみであるとされております。

 また、食品添加物として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルが農薬として使用された場合、その使用により生ずる作物残留によって通常の生活において食品から摂取しているポリグリセリン脂肪酸エステルの量を増加させる可能性は極めて低いと考えられるとされております。

 これに関してなのですが、資料11-27ページを御覧ください。本剤の残留性について評価がされておりまして、まず食品添加物としてのポリグリセリン脂肪酸エステルの一日摂取量を調査した結果、一日摂取量は6行目に示しているとおり27mg//日と考えられたとされております。一方、農薬としての摂取量についてですが、本剤と同じ作用機序を有している気門封鎖剤がどれぐらい使用されているかという試算が行われておりまして、その使用量が全て本剤の使用に置きかわったと仮定した場合、その摂取量はそのパラグラフの最後の行に書かれているとおり、0.35mg//日と推定されるとされております。これらを比較したところ、食品添加物の摂取量に比べて農薬の摂取量については1.3%程度であることから、ポリグリセリン脂肪酸エステルは農薬として想定する使用方法に基づき、通常使用される限りにおいて食品に残留することにより、ヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかであると考えられるとされております。

 報告書に戻っていただきまして、諸外国における状況についてです。JMPRにおける毒性評価は行われておらず、国際基準は設定されておりません。主要5カ国地域においても基準値は設定されておりません。

1973年、これは食品添加物としてですが、毒性評価が行われておりまして、ADIが設定されております。米国においても食品添加物としての登録がございます。

 最後に対象外物質としての設定についてです。本剤は農薬として適正に使用される限りにおいて、食品に残留することにより人の健康を損なうおそれのないことが明らかであると考えられるとする案としております。

 最後のページが答申案です。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、これについても化学構造、それらについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 質問なのですけれども、構造の書き方を見るとRというのが脂肪酸残基又は水素原子という書き方でされていて、脂肪酸は幅広いと思うのですが、これは食品添加物としての規格基準みたいなもので、Rというか脂肪酸の長さというのは規定されていないのかなということが1つと、食品安全委員会もそのように書いているのでRだけで書いていますけれども、この構造式の書き方で書いてしまうと、R3つが同じものという理解になってしまうような気もしないでもないのですが、そうすると想定されるものがポリグリセリン1モルに対して約10モルしか脂肪酸がついていないので、ところどころだけ脂肪酸がついている形かなと思うのですけれども、例えば違う可能性がある場合はR1R2R3とか、ただnが入ってくるので非常にややこしいことになるのでまとめてRと書いているのかもしれないのですが、この書き方でよいのかということです。仕方がないのかもしれませんが、少しだけ疑問があります。

1つ目の質問の脂肪酸についてどうなっているかということ、もしわかれば教えていただければと思います。

○大野部会長 いかがでしょうか。

○事務局 手元にある資料では判断しかねますので、また調べて御報告させていただくということでよろしいでしょうか。

○大野部会長 この構造式の書き方でいいのかなと私も思ったのですけれども、括弧の中だけ見るとn1個のときはいいのですが、たくさん並んだ場合に中の部分がグリセリンになりますか。一番左とかCH2 がそのままOにエーテル結合しているような感じに見えてしまいますね。これでいいのですか。特に問題ないですか。わかりました。大分、私の理解度が落ちてきていますね。こういうことは分析の先生が得意なので、よろしいでしょうか。

 それでは、用途、薬理作用、その辺については宮井先生、よろしいでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝についても特に問題はないですね。ありがとうございます。

 安全性の面でも特にいいかなと思いますけれども、よろしいですか。

○鰐渕委員 特に問題ないです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今までのところで先生方から御意見ございますでしょうか。

 それでは、全体を通していかがでしょうか。

 特にないようでしたら、このポリグリセリン脂肪酸エステルについて対象外物質とすることについていかがでしょうか。

○斉藤委員 1つだけつまらないことで教えていただきたいのですけれども、先ほどのグリセリン酢酸脂肪酸エステルのときの用途のときに、若齢幼虫に対してという表現があったのですが、今回は害虫のというので同じように気門をふさぐと言うのですけれども、宮井先生、違うと認識してよろしいのでしょうか。

○宮井委員 恐らく1つ前のは同じような作用はするのですけれども、殺虫効果が若齢に対してよりも老齢というか、もう少し大きくなったものに対しては弱かったということで、特に若齢というように狭めているわけです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、対象外物質とすることについてはよろしいですね。

 事務局案についていかがでしょうか。さらに修正するようなところはございますでしょうか。

 先ほど吉成先生のコメントでR、脂肪酸の構造について調べていただくということで、それについて明確なものがあれば記入する。どうもはっきりしなかったら記載しないということでよろしいですか。では、そういうことで事務局案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。

 これで本日の上程された品目について全ての審議は終わりましたけれども、今日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、お手元に配付しております横1枚紙を御覧ください。

 平成2233日に了承されました、食品衛生分科会における確認事項に基づきまして、本日の部会で御審議いただきました農薬2剤、動物用医薬品2剤、農薬及び動物用医薬品1剤、動物用医薬品及び飼料添加物1剤、対象外物質5剤について、分科会での取扱い原案を御用意させていただいております。

 本日御審議いただきました品目のうち、フルピラジフロン、ガミスロマイシンにつきましては新規物質でございますので、区分1とする案とさせていただきました。

 資料の修正なのですけれども、対象外物質でございますイタコン酸、カルシフェロールとL-カルニチン、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、これらの物質につきましては区分1ではなく区分7としまして、分科会では文書配付による報告とする扱いとさせていただきたいと存じます。

 フルメツラムにつきましては、既に設定されている残留基準の一部改正に該当しますことから、区分3とする案とさせていただいております。

 スピノサドにつきましては、食品安全委員会での評価の結果に変更がないことから、区分4とする案としております。

 ラサロシドにつきましてですけれども、こちらは平成2612月、部会で御審議いただいた内容につきまして既に区分3として分科会に報告しておりまして、その後、特に食品安全委員会での評価は行われておりませんので、本日御審議いただいた内容につきましては分科会には文書による報告としまして、区分4とする案としております。

 最後に、混合ワクチンについてですけれども、こちらは食品健康影響評価の結果から食品中の残留基準を設定しないことから、区分5とする案とさせていただいております。

 以上でございます。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ただ今御説明いただいた食品衛生分科会での取扱い案について、先生方から御意見はございますでしょうか。よろしいですか。特にないようですので、部会としてこのような扱いでよろしいかどうか、分科会長の承認を得たいと思います。よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、事務局から今後の手続について説明をお願いいたします。

○事務局 本日御審議いただきました農薬2剤、動物用医薬品2剤、農薬及び動物用医薬品1剤、動物用医薬品及び飼料添加物1剤、対象外物質5剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けていますことから何品目か修正が必要なものがございますが、御確認いただいた修正版をもって部会報告書とさせていただきます。

 今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等、必要な手続を進める予定としております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 続いて報告事項に移りたいと思います。お願いいたします。

○事務局 それでは、資料12につきまして御報告させていただきます。

 毎年、暫定基準の見直しにつきまして、食品健康影響評価の依頼計画を食品安全委員会のほうで説明しております。今年度は630日に説明しておりまして、その内容を御報告させていただきます。

 暫定基準につきましては、ポジティブリスト制度導入時の758物質のうち、平成275月末時点で357物質について食品安全委員会における評価が終了しております。

3ページの別添1に詳細を記載しております。印刷が見にくくなっておりますけれども、一番上の棒グラフが暫定基準758と黒いところに記載しております。真ん中の一番左端、食品安全委員会に未諮問166と記載しております。一番下のバーですけれども、こちらは暫定基準472というように記載してございます。

 このグラフについて説明させていただきますと、真ん中の暫定基準の見直しの状況という棒グラフを見ていただきたいのですけれども、こちら昨年4月に食品安全委員会で報告して、その後、農動部会でも御報告させていただいておりますが、その当時と比較しますと食品安全委員会が評価中のものは266から23531物質減少しておりまして、部会審議等を含め、厚労省で基準改正手続中のものも106から71ということで35物質減少しております。また、見直し済みの品目につきましては219品目から286となりまして、67物質の暫定基準の見直しが約1年余りの間に実施されております。暫定基準の見直しのほうは食品安全委員会に評価依頼をしたものは徐々に進んでおりますけれども、食品安全委員会の未諮問の物質につきましては昨年度は167とこちらの資料で記載しておりましたが、今回1661物質の諮問しか進んでおりません。こちら166物質につきましては評価用資料の収集が非常に困難な状況となっているものも多くございます。

 これらの物質の詳細につきましては次ページからの別添2に示しております。4ページになりますけれども、国内登録・承認・指定があるものが47物質ございます。こちらのものにつきましては引き続き関係府省等と協議を行いまして、計画的に評価依頼を進めていくこととしております。

 また、下のほうの表ですけれども、国内登録、承認等がない物質につきましては大使館を通じて情報収集を行っておりますが、今年度データ提供の見込みのない物質という2-4という分類がございますけれども、こちらが昨年42だったのですが、86と約2倍に増加しております。いろいろとデータ提供をしていただけないかというところをこれまでお願いしてきたところなのですけれども、かなり数がふえておりますので、このようなデータ提供の見込みのない物質につきましては、海外政府機関等への十分な周知期間を設けた上で、現在の0.01ppm以上の暫定基準を削除して、一律基準によるリスク管理措置を実施できるよう検討する予定としております。

 資料のほう2ページに戻っていただきまして、13に今、御説明した内容を記載しております。2ページの最後の「4.その他」でございますけれども、暫定基準の見直しだけではなく、ARfDを考慮した基準値の見直しについても本年3月にお示しした方針に基づいて進めていく必要があるところです。また、通常の適用拡大やインポートトレランスなどの申請による基準設定もございますので、リスク管理の観点から効果的に基準の設定、見直しを進めていく予定としております。

 御説明は以上でございます。

○大野部会長 ありがとうございました。

 ただ今の説明について質問はございますでしょうか。よろしいですか。

 そのほかに報告事項はございますでしょうか。

○事務局 特にございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、次回の予定について説明をお願いいたします。

○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成27910日木曜日の午後を予定しております。出欠につきましては後日、確認させていただきます。詳細につきましても御連絡を追って差し上げる予定にしております。

 最後に御連絡ですけれども、机上に配付しております委員必要事項連絡票は、会議終了後に係の者が回収いたしますので、机上に置いたままでお願いいたします。

 以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、以上をもちまして本日の部会は終了させていただきます。御審議ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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