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2015年6月5日 社会保障審議会児童部会第1回遊びのプログラム等に関する専門委員会

雇用均等・児童家庭局育成環境課

○日時

平成27年6月5日(金)15:00~17:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

委員

植木 信一 (新潟県立大学人間生活学部子ども学科准教授)
大塚  晃 (上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授)
北島 尚志 (NPO法人あそび環境Museumアフタフ・バーバン理事長)
佐野 真一 (港区立麻布子ども中高生プラザ館長)
鈴木 一光 (一般財団法人児童健全育成推進財団理事長)
高松 絵里子 (北海道中標津町役場町民生活部子育て支援室長)
中川 一良 (社会福祉法人健光園 京都市北白川児童館館長)
松田 妙子 (NPO法人せたがや子育てネット代表)
吉村 温子 (玉川大学非常勤講師)

事務局

古川育成環境課長
竹中育成環境課長補佐

○議題

(1)委員長の選任について
(2)主な論点・今後の進め方について
(3)「こどもの城」が開発した遊びのプログラム等に関する実践状況
   ヒアリング
(4)「こどもの城」が開発した遊びのプログラム等の地域の児童館
   等における実践状況調査の実施について
(5)その他

○配布資料

資料1 「遊びのプログラム等に関する専門委員会」の設置について
資料2 当面の主な論点について
資料3 平成27年度検討スケジュール
資料4 スポーツ鬼ごっこ実践報告(八重田講師説明資料)
資料5 児童館における障がいのある児童の支援(居場所づくり)について(小西講師説明資料)
資料6 「こどもの城」が開発した遊びのプログラム等の地域の児童館等における実践状況調査について
(参考資料1) 「こどもの城」が開発した「健全育成のための活動プログラム」(厚生労働省ホームページ掲載資料他)
(参考資料2) 「児童館ガイドライン」関係資料
(参考資料3) 「児童館の運営内容等に関する調査研究」(平成26年度児童福祉問題調査研究事業報告書)
(参考資料4) 児童館・放課後児童クラブ関係基礎資料

○議事

○議事

○竹中育成環境課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第1回遊びのプログラム等に関する専門委員会を開催させていただきます。委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 会議に先立ちまして、第1回ということですので、安藤雇用均等・児童家庭局長より御挨拶申し上げます。

○安藤雇用均等・児童家庭局長 雇用均等・児童家庭局長の安藤でございます。「遊びのプログラム等に関する専門委員会」の開催に当たりまして、御挨拶を申し上げます。

 本日、お集まりの皆様方におかれましては、日頃より子ども・子育て支援や児童の健全育成施策の推進に御尽力いただきまして、誠にありがとうございます。昭和60年に国が設置した児童館でございます「こどもの城」は、先駆的な遊びのプログラムを開発して、来館した子どもたちに提供するほか、全国の児童館等に情報提供するなどの役割を果たしてきたところでございます。今般、老朽化などのために閉館されましたけれども、様々なニーズを持つ子どもたちに健全な遊びを提供できる居場所を確保するということは、大変大事なことであると考えておりまして、これまで「こどもの城」が果たしてきた機能や役割、これを今後も国が引き継いで、関係団体や地域の児童館などの御協力をいただきながら進めていきたいと考えております。特に「こどもの城」が開発してきた遊びのプログラムについては、国が継承し、普及発展を図ることにしており、そのためには専門的な知見や豊富な実践経験をお持ちの皆様方のお力を是非貸していただきたいと考えております。

 具体的には、この専門委員会においては、遊びのプログラム実践の好事例の全国的な普及啓発を図るとともに、時代の要請に対応した、障害児や配慮を必要とする子どもを含めた、新たなプログラムの開発などに取り組んでいただきたいと考えております。

 また、それと併せて、これからの地域の児童館等の果たすべき機能や役割などについても御検討いただきたいと考えております。その際、皆様の実践から導き出される、子どもの発達段階に応じた遊びの有効性などを体系的に整理していくというようなことも視野に入れて御検討いただければと考えております。どうぞ、それぞれの現場での実践、専門分野での御研究などを生かした形で、充実した御審議をお願い申し上げたいと思います。簡単ではございますが、開会に当たり、お願いと御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○竹中育成環境課長補佐 続きまして、事務局より、本日お集まりの委員の皆様の御紹介をさせていただきます。五十音順に御紹介させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 新潟県立大学人間生活学部子ども学科准教授の植木委員です。上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授の大塚委員です。NPO法人あそび環境Museumアフタフ・バーバン理事長の北島委員です。港区立麻布子ども中高生プラザ館長の佐野委員です。一般財団法人児童健全育成推進財団理事長の鈴木委員です。北海道中標津町役場町民生活部子育て支援室長の高松委員です。社会福祉法人健光園京都市北白川児童館館長の中川委員です。NPO法人せたがや子育てネット代表理事の松田委員です。玉川大学非常勤講師の吉村委員です。なお、城西国際大学福祉総合学部福祉総合学科客員教授の羽崎委員でございますが、本日は所要により御欠席となっております。

 また本日は、本専門委員会の論点に関連して、児童館で遊びのプログラムや障害児の活動支援について熱心に実践されている、お二人の講師の方にお越しいただき、ヒアリングの場を設けさせていただいております。ここで講師の方を御報告いただく順番で御紹介いたします。社会福祉法人雲柱社フレンドリープラザ墨田児童会館の八重田裕一朗様です。社会福祉法人西陣会京都市西陣児童館の小西秀和様です。後ほど、御報告をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、事務局側の出席者の紹介をいたします。最初に、先ほど挨拶をいたしました、雇用均等・児童家庭局長の安藤です。雇用均等・児童家庭局育成環境課長の古川です。雇用均等・児童家庭局育成環境課課長補佐の齋藤です。司会をしております私は、育成環境課課長補佐の竹中です。よろしくお願いいたします。後ほど、大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭、少子化対策担当)の木下が遅れて出席する予定でおります。

 まず、第1回ということもありますので、本専門委員会の設置の趣旨と位置付けについて御説明申し上げたいと思います。お配りしている資料1「遊びのプログラム等に関する専門委員会の設置について」の1「設置の趣旨」にも書かれておりますが、本年3月末に完全閉館した「こどもの城」ですが、これまで約500種類の先駆的な遊びのプログラムを開発し、来館した子どもたちに提供するほか、全国の児童館等に情報提供を行うなどして、役割を果たしてきたところです。こうした約30年間にわたり蓄積されてきた遊びのプログラムですとか、「こどもの城」が果たしてきた機能、役割については、今後も国が引き継ぎ、継承することとしておりますが、そうした遊びのプログラムの全国的な普及啓発ですとか、新たなプログラムの開発、さらに今後の地域の児童館等の果たすべき機能や役割なども併せて検討いただくということで、今般、社会保障審議会児童部会の下に、本専門委員会を設置させていただいたところです。その他、構成等については、記載のとおりですので、御確認いただきたいと思います。

 それでは、議事次第に沿いまして、議事に入ります。まず最初に、本専門委員会の委員長の選任を行いたいと思います。僭越ですが、事務局としましては、一般財団法人児童健全育成推進財団理事長の鈴木委員に委員長をお願いしたいと考えておりますけれども、委員の皆様、いかがでしょうか。

                                  (異議なし)

○竹中育成環境課長補佐 ありがとうございます。それでは、本専門委員会の委員長は鈴木委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。恐縮ですが、鈴木委員におかれましては、お席を委員長席のほうに御移動をお願いしたいと思います。

 それでは、鈴木委員長から一言御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 委員の皆様の誰よりも歳が上ということで、座長をお引き受けすることをお許しいただきたいと思います。皆様におかれましては、専門委員会の運営に積極的に御協力をお願い申し上げます。一言、専門委員会の座長就任の御挨拶をさせていただきます。

 私どもの財団ですが、昔の名前は全国児童館連合会と申しました。地域児童館の要望により発足した社団法人です。児童福祉法の起草者が前文に入れたかったという「子どもは歴史の希望である」という、19世紀の女性社会運動家のエレン・ケイの言葉を社団のロゴに、活動をしてまいりました。

 この3月、その旗頭の「こどもの城」を失いました。前政権は、ディズニーランド、USJ、それからキッザニアなどが子どもの遊び場として人気を博している、そのようなことも理由の1つに挙げて廃止を決定したようでございます。今後、国は児童福祉の精神にも重きを置かないのかと、私は大変落胆をいたしましたし、これは児童館関係者の全国的な危機意識を募らせたと考えています。

 しかし、今般、先ほど局長の御挨拶にもありました「こどもの城」が開発してきた遊びのプログラムについては、国が継承し普及発展を図っていく方針が出され、この有り難い機会を慎重に生かしていく必要を痛感しております。

 折から、児童館は数年前より毎年数館ですが減り続けておりまして、建物の老朽化に加え、耐震構造対応が急務となっているところへ、地方の財源の厳しさも追い打ちをかけました。とはいえ、学校を廃止する市町村はないのですね。もとより背景は異なりますが、児童館の必要性、それから遊びの人格における有効性、それを強く認識させられなかったことは私どもの責任だと常々反省してまいりました。

 それもあって、今回の遊びのプログラム等に対する専門委員会のあるべき方向性への示唆は、児童館の設置運営基準にあると思いました。そこには、「こどもの城」は広域を対象として、児童に健全な遊びを与え、児童の健康を増進し、情操を豊かにすることに加えて、多様なニーズに総合的な対応ができる体制にある児童館であると謳われています。この「こどもの城」の遊びのプログラム等がどのくらい全国に普及しているかということの実態を把握することに始まり、そのプログラムが子どもの発達になくてはならない活動であることを実証していきたいと考えております。加えて、障害のある子ども、虐待された子ども、貧困状態に置かれている子どもなど、配慮を要する子どもたちに有効な遊びのプログラムを開発していく、それを普及していくということで、福祉施設としての児童館の面目躍如を図りたいと思っています。

 遊びは人類に不可欠の活動であり、仕事や学問の対立軸にあるものではなくて、人生を肯定的に生きる心の源を作るものだと私は考えています。幸せに育った子どもは、児童と周囲の人間たちを信頼して、弱者を同胞として救済する強者にも成長していきます。それらも実証して、現状、児童館の課題等も整理し、現代のトレンドに資する児童館の活動プログラムの開発、児童館と児童厚生員の在り方などを、ガイドラインの見直しも視野に入れて、そのような方向の専門委員会にしていきたいと考えています。皆様のお力沿えを切にお願い申し上げます。

○竹中育成環境課長補佐 ありがとうございました。それでは、これ以後の進行につきましては、鈴木委員長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 議事に入ります。初めに、本専門委員会の会議の公開の扱いと資料の確認について、事務局からお願いいたします。

○竹中育成環境課長補佐 まず、本専門委員会の会議の扱いについてです。会議と資料については、規定に基づいて公開とさせていただきます。議事録については、後日、委員の皆様に御確認をいただいた上で、厚生労働省のホームページに公開させていただきます。よろしくお願いいたします。

 続いて、本日お手元にお配りしている資料の確認です。資料1は、社会保障審議会児童部会「遊びのプログラム等に関する専門委員会」の設置について、2枚目に委員名簿が付いています。資料2「当面の主な論点について」、資料3「平成27年度検討スケジュール」、資料4「スポーツ鬼ごっこ実践報告」(八重田講師説明資料)、資料5「児童館における障がいのある児童の支援(居場所づくり)について」(小西講師説明資料)、資料6「「こどもの城」が開発した遊びのプログラム等の地域の児童館等における実践状況調査について」、別添として「実践状況調査票()」、参考資料1「「こどもの城」が開発した健全育成のための活動プログラム」、「健全育成のための活動プログラム(抜粋版)」、参考資料2「児童館ガイドライン」関係資料、参考資料3「児童館の運営内容等に関する調査研究」、参考資料4「児童館・放課後児童クラブ関係基礎資料」。欠落等がありましたら、事務局までお申し付けください。

○鈴木委員長 本日の議事進行についてですが、本日は第1回です。本専門委員会において議論を始めるに先立ち、本専門委員会の論点と今後のスケジュールについて、資料2、資料3を基に、事務局から御説明をお願いいたします。

○古川育成環境課長 資料2です。当面、本委員会で御議論いただくことを念頭に置いている論点について整理しております。1「こどもの城が開発した遊びのプログラム等の分析及び評価について」です。こどもの城が開発した約500種類の遊びのプログラム、また地域の児童館で行われている活動プログラムの実践状況の把握、把握した上での分析、評価の方法について、御議論いただければと思っております。また、遊びのプログラム等の好実践事例を、いかに効果的に普及啓発を進めていくかという手法についても、お知恵をいただければと考えております。

2「遊びのプログラムの改定、開発に向けた検討について」です。これまで蓄積されてきた遊びのプログラムを改定していくために必要となる目下のニーズや関心をどのように把握するか、またその分析をどのように行っていくかという点について、御議論いただければと考えております。

 時代の要請に対応した障害児や配慮を必要とする子どもを含めた新たなプログラムを開発していく際に必要となるコンテンツやツール、技法、更にはどのように効果測定を図っていくかについて、御議論いただければと考えています。

 また、新たなプログラムを御検討いただくということにしておりますが、その際には試行的に実践していただくことが必要になろうかと思いますが、その方法やモデル児童館を指定していくことも必要かと思います。どのように進めていくかを御議論いただければと考えております。

3「地域の児童館等の果たすべき機能及び役割の検討について」です。遊びのプログラムなどの実践状況の分析及び評価から導き出される児童館の活動に参加した子どもの変化等を踏まえ、子どもの発達段階に応じた「遊び」の効用を体系的に整理することも御議論いただきたいと考えております。先ほど委員長がおっしゃった遊びの効果を実証した上で、言語化していくということではないかと考えております。

2つ目ですが、平成23年に策定した「児童館ガイドライン」があります。これに基づく取組状況を評価していただき、課題を整理していただくこともお願いできればと考えております。

3つ目は、「遊び」を基本とし、その上で子どもの健全な育成や子育て家庭への支援に資するために、地域の児童館等が果たすべき機能及び役割を明確にしていただければと考えております。これが当面の主な論点です。

 続いて、資料3に基づき、平成27年度の検討スケジュールについて説明いたします。第1回は本日、これから御議論いただきますが、例えば4つ目の「こどもの城が開発し

た遊びのプログラム等の地域の児童館等における実践状況調査の実施について」という点

について御議論いただくこととしております。

 第2回は9月上旬を考えており、実践状況調査の調査結果を整理した上で御報告させていただくことを考えております。

 その後、大体2か月に1回程度の開催を念頭に置いており、第3回は11月上旬頃としております。そこでのテーマは、実践状況調査結果の分析及びその評価をしていただくということです。

 第4回は1月頃ということですが、先ほど申し上げた好実践事例等の普及啓発をどのようにしていくか、また遊びのプログラムの開発、改定などをどのように進めていくかということを御議論いただければと考えております。

 第5回は3月中旬ということですが、新たなプログラムの試行的実践方法やモデル児童館の指定などについて御議論いただければと考えております。

 下に「注1」がありますが、こうした御議論と併せて、必要に応じて遊びのプログラムを実践している児童館等に委員の先生方に赴いていただき、実地でヒアリングをしていただくことも考えております。また、委員会の検討状況や先生方の御出席の御予定などを踏まえ、スケジュールの変更は当然あり得るということで申し上げさせていただきます。

○鈴木委員長 今の事務局の説明に対して、委員の方々から御質問、御確認などはございますでしょうか。遊びの効果を実証していく、言語化するというのは、我々も何十年も苦労してきたことですので、この短期間でそれを確立していくというのは大変なことだと思いますが、よろしゅうございますか。

○北島委員 来年の3月までの予定が書かれているのですが、先ほどの論点の3点でいくと、当然これに含まれていませんよね。とても3つ論点を1年では無理と思いますが来年以降どのくらいのスパンで考えていますか。

○古川育成環境課長 まず、本日は第1回ですので、委員の先生方の御議論を踏まえて、どこまで進めるかということです。委員長におっしゃっていただいたとおり、簡単に「実証」「言語化」と申し上げましたが、それは容易ならざるということはそのとおりだと思っております。

 ただ、遊びの役割というものを多くの方に理解していただき、地域で取り組んでいただくというためには、そうした取組が必要だと考えておりますので、できる限り早い段階でとは思っておりますが、まずこうした現場のデータを踏まえて、今できること、プログラムの開発をやっていただいた上で、こうした積み重ねで、自ずと先行きは見えてくるのかなと思っておりますので、できる限り私どもとしましては、そうした一定の区切りまでは進めていただければと思っておりますが、今の時点でいつまでと明確な意識を持っているものではありません。丁寧な御議論をいただければと考えております。

○鈴木委員長 ほかにはどうでしょうか。全体の子どもの状況とか、社会状況を見ると、そんなにのんびりも構えてもいられないという気持ちも私どもにもあり、ここはできるだけ急ぎながら丁寧に実証していくということで、皆さんの御協力をいただくことになろうかと思います。とりあえずよろしゅうございますか。

 続いて、議事の(3)に移ります。本日は、こどもの城が開発したというスポーツ鬼ごっこのプログラムを精力的に実践されている社会福祉法人雲柱社、フレンドリープラザ墨田児童会館の八重田様と、児童館で障害のある子どもの居場所作りを進め、同世代の子ども同士の交流などを積極的に実践されている社会福祉法人西陣会京都市西陣児童館の小西様にお越しいただいております。こうした実践を通し、子どもたちにもたらされる効果などについてお話をいただきたいと思います。まずは、フレンドリープラザ墨田児童会館の八重田様からよろしくお願いいたします。

○八重田講師 ただいま御紹介いただいた東京都墨田区にあるフレンドリープラザ墨田児童会館館長の八重田裕一朗と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は、社会福祉法人雲柱社というところに所属しており、そこで施設長を務めさせていただいております。今日は、地域にとって児童館がどれだけ根付いているか、現場の職員の生の声も委員の皆様にお伝えして、児童館が地域にとって本当に大切だということも少しアピールできたら幸いです。

 実際に、今日も朝9時にお母さんが駆け込んできて、「鬱気味で、17日に心療内科に行くが、それまでどうしたらいいだろう。我が子は3人いるんです」と、こういったケースが現場では日常茶飯事に起こっています。さて、今日はスポーツ鬼ごっこの実践ということですので、子どもたちの元気な声も少し映像に撮ってきました。是非その辺も発表できたらと思います。何分不慣れですので、お聞き苦しいところもあると思いますが、お聞きいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。パワーポイントで御説明させていただきます。

 まず、墨田児童会館における児童館事業へのスポーツ鬼ごっこの導入の背景と実践の報告です。私の前任である館長の山口が、20131月に代々木公園でのワークショップでスポーツ鬼ごっこと知り合ったのが、最初のきっかけになります。そして、3月にすぐに職員を派遣しました。そこで、職員はすごく感銘を受け、その2か月後のこどもの日にあるイベント、「こどもの日スペシャル」で実施しました。

 そこで、子どもたちに反響が非常にあり、10月には墨田区で一番大きな子どもの祭りである「すみだまつり」で、墨田区の全11児童館が、合同ブースとして実践をしました。その後、毎年実践させていただいております。毎年1,000名ぐらいのお子さんが、この活動に参加してくれています。

 そして、昨年10月に児童館として墨田区から、私たちの墨田児童会館とさくら橋コミュニティセンターという児童館が、全国大会に出場しました。結果はたくさん負けてしまったのですが、非常に多くの感動を与えてくれました。「1個の宝を取った」という喜びを、子どもたちが本当にうれしそうにして帰ってきたのがとても印象的でした。負けることからも、得るものがすごくあると感じました。

 そして、それを機に子どもたちと話し合って、今年の4月から、スポーツ鬼ごっこをクラブ化しました。この4月から登録が、40名定員で、もちろん40名は埋まっています。後でも、少しお話をするのですが、鬼ごっこの響きから、子どもたちと親御さんにスッと入るので受け入れやすく人気があります。それがすごく魅力的で、運動の苦手な子、少し体格のいい子、無口な子、そのような子がたくさん集まって、今活動を進めているところです。

 スポーツ鬼ごっこは初めて耳にする方もいらっしゃると思いますので、簡単に御説明します。これは鬼ごっこ協会さんから引用したのですが、縦25m、横15mの長方形が規格になります。真ん中にセンターラインがあり、緑の所がセーフティゾーンということで、ここに入るとゆっくりできます。誰にもタッチされない休憩ゾーンという感じでしょうか。そして、真ん中にあるTサークルが宝ゾーンで、この宝ゾーンにある宝を取ったら勝ちというゲームです。真ん中の線から相手側の陣地に入ったときに、初めてアウトになるのですが、アウトにするためにはタッチは両手でなければいけないのです。片手でタッチするのは駄目なのです。これが結構難しくて、本当にヒートアップする競技です。

 試合時間は5分×2本が全国大会の仕様になっております。プレイヤーは7人です。非常に動きますので、出入りは自由です。そのため、疲れた子がいたり、けがをしたら、「はい、次」ということで、入れ替わりができます。1チームは1012名で自由に入れ替われます。それから審判が主審と副審ということになります。

 これが一応規格になっているのですが、このスポーツ鬼ごっこの非常にいいところは、大きさが、25m×15mでなくてもいいのです。この会場の真ん中ぐらいでもできてしまうのです。というのは、参加人数は7人とありましたが、5人でもいいのです。子どもたちが決めて、子どもたちが自由に考えて、その場が切り盛りできてしまう。ラインを引く必要もなくて、足でやったり、宝は帽子とか、靴とかでもいいのです。みんなで裸足になったりとかもできるのです。それが、このスポーツ鬼ごっこの1つのいいポイントではないかなと考えております。

 簡単な基本ルールが7つほどあります。1つ目は、時間内に宝を多く獲得したチームが勝利です。2つ目が、相手の宝を取りに行きながら、自陣の宝を守ることになります。3つ目が、タッチをするときは必ず両手です。4つ目は、Tサークルの中には守りの選手は入ってはいけません。5つ目は、センターラインを越えてから敵陣に入り、相手にタッチされたら自陣のセーフティエリアに戻れば再スタートできるのです。何度でも復活できるということが、このスポーツにおける特徴かと思います。6つ目は、敵陣のSエリア、セーフティエリアに入ったら、相手からタッチされないということになります。7つ目は、タッチするときに押したりたたいたりしてはいけませんということです。基本ルールはこの7つになります。

 ここで、簡単にコートや試合時間、プレー数やルールを御説明させていただいた上で、映像をお見せできたらなと思っております。

 これが実際に撮った映像なのですが、真ん中にセンターラインがあり、子どもたちが動いております。高校生がちょうど来てくれたので、一緒に参加してくれました。真ん中で指示しているのが高校生です。女の子も入っていますし、体格の大きな子もいます。出たり入ったり、センターラインで駆引きをしております。この最初の駆引きから一気に展開します。出たり入ったりすると、子どもたちが動くことによって、ある一定のスペースがポッと生まれます。そこに走り込みます。穴があった所を見かけたら、ゲットというような形になります。

 スローでいきます。今、せめぎ合っている状態の中で、8番の子がスペースを見つけて、ここぞとばかりにセーフティゾーンに走り込みます。ここに入ったと思ったら、反対側のスペースが空いたので、ここで入り宝をゲットというような状況になります。

 今度は緑が攻めます。徹底的に最初は緑側が守ります。両手タッチで倒します。タッチされた子は、またセーフティゾーンに戻って、また復活します。徹底的に緑が守ります。少し体格のいい男の子が突っ込みますが、また戻ってきます。この鬼ごっこのいいところは何度でも挑戦できるところです。

 白の高校生が入りました。入ることによって、ここにスペースが生まれて、反対側も入りました。また反対側も入ってきたことによって、一気にスペースが空いて、宝をゲットというような状況になります。

 今のようにせめぎ合いをしながら、守って守って、攻めたり、このセーフティゾーンになるべく多く行くと、スペースが生まれます。

 もう1回スローでいきます。これで白の高校生が自分でセーフティゾーンに入りに行きます。みんなが左側に集中するので、右ゾーンを気にしながら、チャンスと見せかけて、右側のセーフティゾーンに1人、そしてまた1人と行って、真ん中からも来ます。真ん中からも来るので、後ろの左右を見ている間に、ここで取られてしまったという映像になります。

 先ほど見ていただいたように、年齢や性別、体格の大きい小さい、体力のあるないは関係なしにできるのが、このスポーツ鬼ごっこの魅力ではないかなと考えております。

 今お話したようなことを整理させていただき、私なりに魅力をまとめてみました。まず、普通の鬼ごっこと何が違うのかと考えたときに、先ほどお伝えしましたようにスポーツ鬼ごっこは範囲が決められています。普通の鬼ごっこは校庭などの広い所でやると、途中で鬼が嫌になってしまうと、自然と鬼ごっこがなくなってしまったりするのですが、範囲が決められていることで、非常に集中してできるということがあります。

 また、ルールや制限時間があるので、その短期間に子どもが集中したり、疲れた子、けがした子については、入れ替わりが自由だということがメリットだと思っております。

3つ目が、お互いを認め合ってプレーをするということで、対人コミュニケーションを自然に身に付けられます。初めて会った友だちでも、勝つためにはどうすればいいのかということなどを話せるのではないかと思っております。

 私なりに4点、スポーツ鬼ごっこの魅力を分析いたしました。先ほどから申し上げているように、1つ目は誰でもヒーローになれるということです。運動が得意、不得意は関係なくヒーローになれます。物静かな子、特に低学年の物静かな子が、相手の動きを見て、そっとセーフティエリアに入ります。そして、運動の得意な子が掻き混ぜています。その間に宝を取って、みんなから拍手を浴びるのです。これが非常に魅力ではないかと思っています。

 そして、先ほどから言っているように、何度も復活できるというのが、このスポーツの魅力です。タッチされて終わってしまうと、すねてしまうというのがよくあります。しかしスポーツ鬼ごっこの場合は何度でも復活できますので、体力の続く限り動き回っていただけるというのが、非常に魅力ではないかなと思います。

 それから、ニーズや施設のキャパで自由に変更ができます。基本ルールや参加人数はありますが、施設の大きさや子どもたちのニーズによって、活動に反映できるということで、子どもたちも意欲的にスポーツ鬼ごっこに参加してくれているのが現状です。

 最後は、体力増進活動としてということで、運動の苦手な子も、鬼ごっこの響きから、自ら進んで参加してくれています。鬼ごっこの要素がありますし、上記の何回も復活できる、誰でもヒーローになれるということから、自然と体力増進につながっているのではないかと私たちも思っています。実際にお母さん方の声でも、「今年は運動会で、最後までへばらずにできました」という嬉しい声もいただいております。

 現在、児童館では、0歳から18歳だけの利用ではなくて、地域のコミュニティの場として、小学校や中学校はもちろんのこと、地域の様々な団体や保護者の方が来館してくれます。今日も地域のおばちゃんが児童館に来て、「ビワを取っていいか」と話しかけてきて、そこから関係ができて、お母さん方と小さなお子さんがしゃべったりと、非常に地域コミュニティが築かれてきていると日々実感しています。一昔前は0歳から18歳の子どもだけというイメージがあったのですが、地域を包括するような形でコミュニティの現場としてやっているような状況です。その中で、子どもの健やかな育ちを支援していきたいと願っています。

 昨年、スポーツ鬼ごっこをしているときに、子どもも大人も、保護者も巻き込んでやったことがあったのです。そのときに、子どもも大人も本気で対戦することができました。その後、子どもが、「あのおじさんと会ったよ」「あのお母さん赤ちゃんがいたんだよ」ということを教えてくれたのです。たまたまスポーツ鬼ごっこがきっかけだったのかもしれないのですが、地域での会話が生まれるきっかけに、児童館がなったのだと思うと嬉しくなったということがありました。ですので、今後も地域に根ざした児童館活動やコミュニティ活動というのを模索していきたいと思っております。

 次にスポーツ鬼ごっこの全国大会の様子を御紹介します。普段は児童館でガキ大将の子が一生懸命指示を送って、子どもたちが勝てるように指示を出しています。守っているところに敵が来て、敵は今度は取ろうとしているところです。これは完璧にディフェンスをする時間で、右へ左へと作戦を練りながら歩いているシーンです。

 これがセンターラインでのせめぎ合いです。まさに、子どもたちは初めて会った対戦相手と、このセンターラインを越えるか越ないか葛藤しております。

 これは宝を取った後、セーフティゾーンからスタートしますので、前のめりになっていつでもスタートできる姿が御覧になれればと思っております。

 そして、これは笛が鳴ったと同時に、相手陣がひるんだところを一気に攻め立てているシーンです。

 これはまた守っているシーンで、画面が切れているところが敵が来たので、一気にタッチに行っている寸前のシーンです。

 これはみんなで作戦を立てながら、じわじわセンターラインに近寄っているシーンです。

 最後は、みんなで握手をしてノーサイドということで、敵も味方もなく、またやりましょうということで、全く知らないお子さんたちとエールを送っている様子です。

 最後になりますが、児童館には多くの利用者が毎日のように来てくださいます。学校や学年も違う仲間がいます。そこでスポーツ鬼ごっこを通して、多くの仲間と出会い、刺激し合いながら対人コミュニケーションを身に付けています。また、勝敗があるので、喜怒哀楽の感情も自然に出すことができます。特に私どもの児童館では負の感情、泣いてしまったり、悔しがったりという感情を、なるだけ出させてあげるように努力しております。

 先日も学校と学年は関係なく、集まったメンバーでスポーツ鬼ごっこをしました。そのときには、負けて悔し涙を流している低学年がいました。そこに高学年がそっと来て、優しい声を掛けてくれました。そうすると涙を拭きながらまた立ち上がって、奮闘して、頑張って宝をとることができ、非常に嬉しそうに喜んでいる姿が見られました。仲間の大切さをそこで感じながら、悔しさをバネに成長する姿が、児童館では垣間見ることができました。

 今回の実践を通して、子どもたちが成長する上で大切な多くの葛藤、これをこのスポーツ鬼ごっこを通して、今後も児童館として展開していきたいと思っております。御清聴ありがとうございました。

○鈴木委員長 ありがとうございました。動画が入ると、子どもの声がして、本当に楽しそうで、盛り上がっている姿が浮かびますが、これを子どもの発達の何に資したかということで実証、言語化していくということになろうかと思います。かなり館長が御説明をしてくださった気もいたします。

 続きまして、西陣児童館の小西様、よろしくお願いいたします。

○小西講師 御紹介にあずかりました、京都からまいりました社会福祉法人西陣会の小西と申します。どうぞよろしくお願いいたします。与えられたお時間が15分ということで、手短にサクサクと御説明できればと考えております。児童館における障害のある児童の支援、居場所づくりについてを御報告させていただきます。

 まずお話させていただくに当たり、西陣児童館と障害のある子どもたちのつながりという部分を少しだけ御紹介させていただきます。お手元にパンフレットもお配りしているかと思いますが、そこに詳細について書かせていただいております。1969年に学童保育所が開館して、その後、1977年から、障害のある児童と親御さんとボランティアさんが三者で活動されるグループを西陣会が支援をしてまいりました。現在も続いております。その後、1990年頃から独自に障害のある児童の受入れを学童クラブ事業、放課後クラブ事業のほうで行わせていただきました。また、その実績も踏まえて、1995年には、委員であられます中川さんと、盟友でもある元西陣児童館の館長が、京都市とも協議を行って、学童クラブ事業に障害のある児童を受け入れた際に介助者を派遣していただけるという制度化にもつながりました。

 続いて、2006年には、障害のある児童は、当時、小学校4年生まで学童クラブに在籍できましたが、5年生以降はどうなのだというところで、WAMから助成金をいただいて事業を実施しました。また、その実績を基に、2007年からは、京都市における障害のある中高生のタイムケア事業が制度化され、受託をさせていただき、現在も続けています。

 そのような前置きを踏まえて、今回、2006年の「高学年障害児童の家族支援とインクルージョン推進事業」と、2007年からスタートした「京都市障害のある中高生のタイムケア事業」について、背景等の御説明をさせていただきます。

 まず背景です。先ほども申しましたように、放課後児童クラブ後の居場所がない障害のある高学年の児童の、居場所とは何なのだろうというところは、もちろんそれぞれありますが、学童クラブ事業、放課後クラブ事業に代わるような受皿が社会にはなかったということが1点目。また、大人とマンツーマンで外出するヘルパーやプログラムのない預かり型のサービスがありますが、それだけが全てなのかというとそうではないのではないかというのが、もう1点です。最後に、親御さん自身、働き続けたいという願いを持っておられたということが背景としてありました。

 具体的にどのような事業内容を2006年度のWAMの助成事業でさせていただいたかというと、上から3つ目の「クラブ事業」です。夏休みや冬休み、土曜日に、障害のある高学年の児童の居場所づくりを実施させていただきました。また、それに付随して、様々な企画等もさせていただきました。

 次からは写真で御紹介させていただきます。これが親の勉強会です。障害があるお子さんがおられる保護者の方を対象に、制度的なものも含めた勉強会も開催させていただきました。非常にニーズが高く、参加者の方も多く集まられました。

 児童館の対象となっているのは中高生も含まれておりますが、その中高生がボランティアとしてどのような役割を担っていくことができるのだろうかというようなことも含めた、中高生のボランティア養成講座もさせていただきました。京都には大学がたくさんあります。大学生を対象としたボランティア養成講座もさせていただきました。

 この写真は、クラブ事業の居場所ということで、西陣児童館に併設する西陣会の建物の1室を借りまして、そこで障害がある高学年の子どもたちが集まっていました。そこに、学童クラブに通っている子どもたちが遊びに来て風船で遊んでいるシーンです。夏休みだったら、かき氷などは誰もがやる部分で、そういうところにも障害のある児童も一緒にというところをポイントとしてさせていただきました。

 この写真は結構特徴的で、中高生のボランティア養成講座に来ていたのが彼女で、大学生のボランティアがここで、障害のある児童がいて、それを見守る職員ということで、これは中高生が主体となって、みんなで楽しいことは何ができるかというのを企画してもらったら、料理をしようということで、このような企画もさせていただきました。

 こちらは少し見にくいかもしれないのですが、パラバルーンです。大きなビニール袋を持って、児童館のイベントで、本当に乳幼児さんから中高生まで一緒になって遊べるようなプログラムもさせていただきました。

 こちらは、ワーッとなっているのは何かと申しますと、新聞紙なのですが、新聞をビリビリ破くということについても、本当に、小さい子から大きい子まで一緒の立場になって遊べるということで、そのような企画もさせていただきました。

 続いて、2007年度から実施させていただいています、「京都市障害のある中高生のタイムケア事業」の事業概要ですが、先ほどのWAMの助成事業は5年生以降の障害のある高学年の児童を対象としていたのですが、制度化されたことによって、こちらのほうは京都市内の総合支援学校に通学する中高生が対象となりました。ですので、当時は小学校56年生であったり、地域の中学校の特別支援学級に通っている子どもたちは対象外ということにはなるのですが、制度化がなされて、特に私どもが担当させていただいているエリアはニーズが高く、分室も開所させていただきました。非常に特徴的なのが、今は放課後等デイサービスで当たり前になっている送迎も、京都市の事業として実施させていただいたというところが、当時としては先駆的だったのではないかと考えております。また、小学校の空き教室を拠点にさせていただくというところも特徴的な部分の1つです。

 写真を御紹介しますが、本当に小学校の1つの部屋なので、中高生たちが集まると、結構狭いですが、そこで、もう1か所と含めてこのような形でさせていただいています。これはちょうど帰る前に集合写真を撮ったところで、京都市内の特別支援学校は、総合支援学校と申しまして、障害種別で分けずに、重心タイプの子もいれば、発達障害、知的障害の子も一緒に通っているところで、私どものタイムケア事業も障害種別関係なく来られております。

 これは、少し見にくいかと思うのですが、自閉症のお子さんについては、上から下へというワークシステムであったり、ここはネジを箱に差していくような自立課題であったりというところで、自閉症支援の基本的な部分はやはり押さえてプログラム化しないと、子どもたちは落ち着いて過ごせないという現状もあります。

 これは地域の小学校を拠点にさせていただいていまして、小学校がプールを貸してくれるということはないのです。ただ、地域の「おやじの会」という所がありまして、「おやじの会」さんが主催するプール遊びに招いていただいて、プールで遊んだりもしました。

 また、地元のNPOが京都市のまちづくりの補助金を取って開催したアートイベントに、「うぃず」の子どもたちの作品が、このような形で行灯になって飾られて、地元のそういうイベントなども共同で行わせていただいております。

 こちらは地域の小学校ということで、全校集会でお話をさせていただいたりなどもしております。

 こちらは地元の学区の社協さん等が主催するお祭りに、西陣会のほうでさせていただいている東日本大震災の障害のある方の物品販売もさせていただいたりということで、学校だけではなくて、地域のお父さんたちや、学区の社協さんなどとの結び付きも大切にしながらさせていただいております。

 京都市内は大学生がたくさんおります。大学の中には、障害のある子どもたちと一緒に過ごす、遊ぶサークルなどもたくさんありまして、そういう学生さんを対象に、西陣会と全く関係ない方も含めてお招きして、発達障害に関する勉強会、学習会も企画してさせていただいております。

 そのような居場所づくりを通して、どんな成果、効果があったかと申し上げますと、子どもたち、保護者の方にとっては、本当に当たり前に地域の中で暮らしていくという部分において一助になったのではないかと考えております。また、職員にとっては、これらの実践を行うことで、ソーシャルワークのスキルや、ソーシャルワークを前へ押し進めていくに当たって、やはりマネージメントの能力がとても大切と考えておりまして、そういうものも身に付ける機会になったのではないか。

 最後に、児童館にとってというところでは、本当にこのような企画を通して、インクルージョンの推進に本当につながったのではないか。また、本当に必要なものを京都市が制度化していただけたというところも含めて、社会にとっても必要な事業ができたのではないかと考えております。

 一方で課題もあります。できた2006年、2007年当時の課題と、現在の課題はやはり大きく変わってきております。というのも、小学校6年生までの放課後児童クラブ事業の年齢対象の拡大や、当時なかった放課後等デイサービス事業もどんどん増えております。そういった中で、多岐にわたる障害のある子どもに対する支援や居場所というものがあるのですが、それぞれの強み、弱み、特色が、今、ちょっと分かりにくくなっている現状があるのではないかと思っております。

 また、それぞれ、支援を提供する行政窓口も違います。また、それぞれの事業をやっている事業者自身が、ほかの事業のことを知らない。だからなかなか連携を取ることができないという課題もあり、多分、資料の最後のほうに挟ませていただいているのですが、そういった課題にアプローチしたいということを思いまして、2015年度のWAMの助成の応募を現在行っていまして、通ればいいなと思っております。

 最後に可能性なのですが、本当に児童館は可能性がたくさんあるのではないかと思っております。これまで御報告させていただいた内容が全て、児童館の役割と機能の中に含まれていることをさせていただいたのみで、特に何か真新しいことをやったなどということは全くありませんでした。そういったことで、それらの機能を複合的に組み合わせることで、いろいろな可能性があるということで、子育ての何かを生み出していく卵を温めていくインキュベータとしての機能があるのではないかと考えております。

 また、今回は障害のある児童を対象にしましたが、例えば虐待防止であったり、乳幼児への関わりということについても、そのソーシャルワークやマネージメントを生かせば、いろいろな可能性が生まれてくるのではないかと思っております。また、本当に児童館は0歳から18歳までの児童、そして家族、そして地域を射程に活動している児童館ですが、そういった中で様々な事業を行うことは、正にインクルージョンの最前線が児童館の現場にあるのではないかと考えております。このような社会資源がほかにあるのかと考えますと、私の少ない知識ではありますが、ほかにそのような児童館に代わるような社会資源はないのではないかと考えております。

 最後の最後にはなるのですが、今回、遊びのプログラム等の委員会にお招きいただきましたが、まずもって、やはり私自身は、その場所があること、拠点があることが何よりも大切なことであると考えております。その拠点を基に、ソーシャルワーク、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワーク、様々なスキルを生かしながら、そして、その事業を推進させていく、事業の定義や目標や目的というものを前へ前へ進めていくということも、児童館職員には問われているのではないかと思っております。ただ、場所、ソーシャルワーク、マネージメント、3つだけであれば、どこでもやっている部分はあるのではないかと考えていまして、私自身が思うのは、やはりプログラムです。子どもたちが笑顔で遊ぶことができるとか、遊びを通して学ぶことができるプログラム、また、多世代の児童同士や地域の方を結び付けることができるプログラムこそが、本当に魂の部分ではないかと考えておりまして、ここの4つ挙げさせていただいたものがどれ1つ欠けても成立しないものがあるのではないかと、私のちょっとした経験ではありますが、そのように感じております。以上です。ありがとうございました。

○鈴木委員長 ありがとうございました。児童館は、児童福祉法の考え方を端的に具現化した施設です。全ての子どもが対象ですから、障害のある子も当然含んでいるということで、その実践をうまく、分かりやすく説明していただけたなと考えております。恐らく、西陣児童館は、これだけではなく多々事業を展開されていると思います。

 今、フレンドリープラザ墨田児童会館と西陣児童館と、2つ御発表をいただきました。短い時間で、ほんの一部分だと思うのですが集約していただきました。委員の皆様から改めて御確認や御質問、御意見などがありましたら、少しの時間ですが、意見交換をしたいと思います。挙手をされて、どなたに対する御質問であるか言っていただいて、御意見、御質問いただけませんでしょうか。

○中川委員 質問ではないのですが、今、西陣児童館の小西さんから御報告がありました障害のある子どもたちの居場所づくりですが、これは実は1995年頃から京都でも本格的に取り組むようになったのですが、それまで、障害のある子どもさんと、障害のない子どもさんが一緒に過ごすことに対する不安感のようなものが、やはり現場にあったわけなのです。それを最初に、実はそうではないのではないかと。子どもなのだから、障害のある子も、ない子も、一緒に過ごす場所をしっかり作っていくことが大事なのではないかということで西陣児童館がお始めになった。それがきっかけになって、京都でも全市的に障害のある子どもさんを、まずは学童クラブでしっかり受け入れをしていこうと。それで、最近では、先ほど出ました高学年の子どもさんについては、この平成274月までは学童クラブは6年生で終了ということでしたので、それ以降どうするのかということで、では児童館で、先ほど委員長がおっしゃったように、全ての子どもを対象とする児童館の特性を生かして、せめて夏休み等の長期休業中を児童館で過ごしてもらったらどうかという、いわゆる「はあとステイ」と我々は呼んでいるのですが、この事業につながっていったわけなのです。

 ですから、今も私はお話を聞かせていただいていて、ああ、そうだったなと。やはり、当時、どうかなと思うようなことを最初にやり始める。そこは、児童館の原点に則った考え方がしっかりあったのだなというのを、今、再確認させていただきました。

 今後の児童館の在り方を考える際も、やはりそこの原点、全ての子どもを対象とする施設なのだという特性をどう生かしていくかということが大切なのだなと思ったところです。

○佐野委員 私が今勤めております港区で、障害を持つお子さんを、学童クラブでも、一般児童でも受け入れている状態です。小学生から中学生まで受け入れています。中川委員がおっしゃったように、受け入れることは非常に大変なことでして、特に児童館の職員は、そういう意味では、障害を持つ子どもたちのための専門職ではありませんので、どの方向を目指すか、何をやれるのかということを日々悩んでいる状態の中で、本当に手探りで始めているような状況になります。

 ただ、やはり地域の居場所として、そこに児童館があるということの意味は十分分かりますので、何か進めたいという気持ちの中で毎日悩んではいるのですが、今の御発表を聞いて、本当に少し光が見えたような気がしました。こういったこともどんどん、全国で悩んでいる所はたくさんあると思いますので、良い事例を発表することで、児童館の、それこそ役割が明確になってくるのではないかと思いました。

○植木委員 私も質問というわけではないのですが、本日の論点の1つであるモデル児童館の指定とは一体何だろうということを考えながら、2つの実践を聞かせていただきました。

 例えばスポーツ鬼ごっこの場合は、普通の鬼ごっことの違いというような説明がありましたが、私から見ると、本来遊びが持っている要素が含まれているなと。例えばルールがあるだとか、お互いを認め合えるだとか、異年齢集団で実践ができて、更には、写真の中でガキ大将まで出てきました。これは、本来、地域が持っている遊び文化そのものだなということを思いました。あるいは、高学年障害児の支援に関しても、これは遊びのプログラムが地域の多様な支援とつないでいる。これも写真の中で拝見することができました。

 つまり、本来、地域が持たなければいけない要素、遊びのプログラムを、これまでは地域が文化として持っていた。しかし、様々な事情の中でそれが地域の力が衰退していく中で、しかし児童館がその本来、地域が持つ文化を継承し、そして再生しているのだなということを、2つの事例の中から確認することができました。

 そういった意味では、この委員会で明らかにする児童館ということの方向性の1つとしては、児童館が遊びプログラムを通して地域文化に果たす役割、これがどのようなものかということを明らかにするといったことが論点の1つになるのではないかと感じました。

○鈴木委員長 ありがとうございます。早々に論点を出していただきました。

○大塚委員 墨田児童会館、社会福祉法人西陣会の非常に印象に残るというか、感銘を受ける実践をありがとうございました。

1つは、児童館の様々な活動ということなのですが、その中で、職員のスキルのことについてお尋ねしたいと思います。多分、職員のスキルは一定のレベルというところで確保されていると思いますが、子どもへの理解、あるいは障害のある子どもへの理解ということもあるし、遊びを指導するというスキルのこともあります。さらに、本日のお話の中においては、ボランティアとの調整や地域活動支援というか、コミニュティオーガナイゼーションのような観点、それから、マネージメントの話も出てきました。そういう多岐多様にわたって、できているところは、そういうスキルをすぐに獲得することができるのか。あるいは、かなり困難なことなのかどうかということも含めて、どんなふうに児童館の職員の方のスキルを考えていらっしゃいますか。

○鈴木委員長 墨田児童会館さんからお願いします。

○八重田講師 墨田児童会館では、まずコミュニティワークとケースワーク、グループワーク、それからスキルの部分を、現場での館内研修も含め、行っております。また、法人内でも、人権においての研修や、ノーマライゼーションの研修等を行っています。頭に入れつつ、現場に戻ると、健常児も障害児も来ていますので実践に落とし込みます。この子の支援はどうしようか、それを話し合った上で、また現場に落として実践してみて、また振り返りをしてみてという形で、知識は頭に入れながらも、現場との応答というのか、それを日々繰り返して蓄積して、職員のスキルアップという形で進めています。

 ただ、今、委員の先生がおっしゃったように、一朝一夕ではなかなかすぐには積み重ならないのが現実で、やはり、やってみては、駄目、やってみては、駄目。でも、その積み重ねが、11つの職員の自信にもつながりますし、それが自分のスキル、引き出し、またやってみようという意欲にもつながっているのではないかと思っています。

○鈴木委員長 ありがとうございました。西陣児童館さん、続いてお願いします。

○小西講師 京都市の児童館においては、公益社団法人京都市児童館学童連盟という組織がありまして、京都市内約130館の児童館を束ねるような組織ではあるのですが、そこが様々な障害のみならず、ボランティアさんに対してであったり、コミュニティに対しての研修はされています。

 ただ、それを受講したからということで、すぐ身に付くのか、獲得できるのかというと、私は難しいかなと思っております。ただ、私どものほうでやってきた事業等であったり、困難な家庭を支援するに当たって、結果を出さなければいけない。目の前に困っている子どもたち、御家族がいるということに対して、では研修して頑張って学びましょうでは、そうはならないですよね。そういった部分で、本当に目の前にいる子どもたちに何ができるのかというところで、もう学ばざるを得ない。学びながら、やりながら、実践しながら、それで身に付けざるを得ないというような形で、私自身も知らないことだらけの中で、知っている人にまず聞きに行くなどというところからのスタートをすることで、ようやく本当の意味で身に付くのかなということを考えております。ですので、走りながらでないと身に付かない。そういう現場が児童館なのかなという部分も感じたりはしております。

○鈴木委員長 ありがとうございます。大塚委員、よろしいですか。

○大塚委員 はい。

○北島委員 これからの論点というか、こういうことをきちんと話をしていきたいなと思ったのが、スポーツ鬼ごっこの実践報告でした。大変考えられたルールで、今、そこでお話を伺っているだけでも、相当、子どもたちがきっと楽しいだろうなというのはとてもよく感じました。

 しかし、私はアフタフ・バーバンを作る前が、東京の練馬区という所で児童館の職員を16年していましたので、児童館が1つの役割として、大人が形とルールを決めて、子どもたちにやらせるという形は、当時80年代もたくさんありました。例えばけん玉などの検定とか、スポーツドッジボールやスポーツチャンバラといった形で、全国大会のような形をとったりして、その普及に大きな役割を果たすという意味では児童館は貴重な場だろうと思っているのですが、同時に、そのことを指導する側には、遊ぶとは何だろうということが理解されてなくてはならないということです、これはやはりスポーツなのだなと思ったのです。では、改めて遊ぶとは何だろうということを、この委員会の中で皆さんと議論したいなというのをすごく思いました。

 例えば検定大会も、大人が決めた何級ということに、子どもたちは本当に頑張るし、涙を流して、負けたら悔しいし、大会で負ければ、来年頑張るぞ!と頑張るのですが、でもそこで、例えば子どもたちは、けん玉を使って鬼ごっこをしたりと、自分たちで遊びを作り始めたりすると、大人がそれは何級にはないのだから的な指導になったときに、つまり、けん玉を通して一体何をしたかったのだろうということが、とても混乱した時期がありました。

 このスポーツ鬼ごっこを通して、一体私たちはどんな遊びを豊かにしていくのか。つまり、決められた、きちんと考えられたすごい豊かなルールを、彼ら自身が自ら発見し体験しなければ、やはり本当の遊びにはなっていかないのだろうなというのを、聞きながら、自分の過去の体験を踏まえて感じていました。「ああ、この委員会で、その遊びについての議論を深めたい」と改めて思いました。

○鈴木委員長 ありがとうございます。貴重な御意見をいただけたのではないかと思います。時間も全体に迫っておりますので、委員からの御意見はこの辺りで閉じさせていただきます。

 今いただいた御意見もそうですが、私もこの児童館をやっていて、いろいろな所に寄付金を集めに行ったり、補助金をもらいに行ったりするときに、やはり、スポーツ鬼ごっこの楽しさは、見ていて分かるし、意味は私は分かるのですが、スポーツ鬼ごっこをやらないと人格的に破綻なのかと反論されるのが、一番弱点でした。そうだと言い切れる何かの実証が必要ではないかと。

 館長さんは、体力増進活動、その中でも協応性やスピードや、急に速度、方向を変えるとか、いろいろ人間の発達に資するものも御指摘されたし、それから、ルールを守る、それから、踏み切る勇気、待つ勇気、そういったものも精神的にも培えるというようなこともおっしゃってくださったと思いますので、その辺りを明確に言語化していく。

 それから、やはり、スポーツ鬼ごっこをやることによって、次の運動会でうんと走れるようになったという親御さんの証言を、話というよりもロジカルに積み上げていく。それを社会に発信していくというようなことも、この委員会のテーマなのではないかというようなことを感じました。

 それから本当に、遊びとスポーツと、一体どこで切り替わっていくのか。楽しめるうちは遊び、勝敗にこだわったらスポーツというような言い方もあります。それと、勝敗にこだわるようになると、極めて仕事に近づいてくるというような言い方もありますので、そんなことを視座に入れながら、児童館で言う遊びとはどこまでを指すのかというようなことも必要な範囲なのではないかなどということを考えて聞いておりました。

 それでは、この辺りで質疑は終了させていただきます。フレンドリープラザ墨田児童会館の八重田館長、京都市西陣児童館の小西先生におかれましては、お忙しい中お越しいただきまして、大変貴重なお話を分かりやすくいただきました。ありがとうございます。

 次に、議事の4に移ります。「こどもの城」が開発した遊びのプログラム等の地域の児童館等における実践状況調査の実施ということを、まず、当面の課題にしたいと思いますが、事務局よりこれについて、御説明をお願いいたします。

○竹中育成環境課長補佐 資料61番に「調査の目的」が書いてあります。1つ目の○と2つ目の○は、これまでいろいろ説明してきたことです。3つ目の○は、資料2で御説明いたしました、本専門委員会における当面の主な論点の議論を進めていただく中で、実践状況調査をさせていただいて、そのデータベースを取っていくことが必要だと考えております。こどもの城の開発したプログラムの主なもの、それ以外にも地域の児童館で独自に実施されている活動プログラムは多数あると思います。そういうものの取組状況や、子どもたちへの影響・効果などについて、把握・分析・検証を行っていただくことが必要だと考えております。それを基にして、実践の好事例を全国的に普及・啓発をさせていくとか、新たなプログラムの改定・開発に向けた検討にも資していく。その次のステップである児童館等の果たすべき機能・役割についての検討にもつなげていければと考えております。まずは全国的な調査をさせていただきたいと思っております。

2番は「調査対象」です。現在、全国に約4,600の児童館が設置されております。それを対象とした悉皆調査を行いたいと考えております。対象となるプログラムは、平成24年度から平成26年度にかけての3か年で実施したものを考えております。

3番は「調査方法」です。地方自治体の御協力を仰がなければいけませんけれども、厚生労働省のほうから、都道府県・指定都市・中核市を通じ、各児童館ごとの運営主体へ送付させていただき、調査票を御記入いただきたいと考えております。

4番は「主な調査事項」です。今回の事務局の案としては、調査票を3種類作成しております。1つ目は、児童館等の運営主体用の調査票。2つ目は、利用者の声が必要だと思いますので、保護者用の調査票。3つ目は、子ども用の調査票です。それらの中に盛り込む事項として6つ書いています。運営主体用としては、児童館等の運営状況。これは設備の問題、職員の問題、その職員の資格等の問題について確認させていただきます。2番目は、プログラムのカテゴリー別の実践状況調査を詳しくしていく。プログラムの効果・影響・課題などについてお聞きする。さらに、改定・開発に向けての御意見、御提案なども出していただければと考えております。

 裏面で「調査の期間」です。本日は、事務局の案をたたき台ということで後ほど簡単に説明いたしますけれども、別添の調査票を提示させていただきました。これを委員の皆様方に御確認いただき、来週中ぐらいまでに、細かく見ていただき、委員の皆様方の御意見を受け、615日の週ぐらいには、この調査票を全国に送付し、約1か月間をかけて、7月末までに回収したいと考えております。8月中に集計を行い、第2回が9月上旬に開催予定となっておりますので、そこで事務局がまとめた調査結果を提示させていただきたいと考えております。

 資料6の別添は、「実践状況調査票()」です。ポイントだけ御説明いたします。3種類の調査票を作りますが、これは便宜上3種類をまとめておりますけれども、実際に送付するときには、それぞれ分けて送付させていただきます。

1番目は児童館、運営主体向けの調査です。3ページから、児童館の基礎的な情報を書いていただきます。5ページ以降が、それぞれ実施されているプログラムの状況についてお聞きする内容です。6ページから7ページまでの真ん中辺りにかけてが、いわゆるこどもの城で開発した具体的なプログラムを、事務局の案では羅列しておりますが、こういうものを児童館で実施しているか。7ページの真ん中の下辺りの設問で、B-9とありますが、これはこどもの城で開発したプログラム以外のもので、要は各児童館でそれぞれ創意工夫を凝らして実施しているプログラムを挙げていただこうと考えております。もちろん複数あると思いますので、そのプログラムごとに書いていただくことになります。

8ページからが、そのプログラムの実施効果という設問になっております。その中で特に皆様方に御確認いただきたいのは、9ページのC-2からが、プログラムを実践した際の効果という設問になっております。効果的だったプログラムについてお聞きする内容になっております。そのエの所で、「効果的だったと考えた理由を挙げてください」ということで、設問を幾つか挙げております。「プログラム参加者が増加し、定着した」「子どもがプログラムや行事等に積極的に参加するようになった」「子どもが日常生活において基本的なルールを守れるようになった」「子どもが困っている仲間に手を差し伸べられるようになった」「職員と子どもとの日常的な会話が増えた」「指導者の育成に役立った」等々のことを設問として挙げております。今回の専門委員会での目的である、児童館がこういうプログラムを実施していく、子どもの成長や発達にとって、遊びというものがどのような意味をもたらすのかということを、こういう設問の中から導き出せればと考えておりますので、この辺の所を御確認いただきたいと思います。

12ページ以降が、児童館の運営自体に与えた影響などの設問を書いております。14ページ、15ページが、そのプログラム実施における課題等について書いております。15ページでは、今後新たなプログラム導入を考えている予定があるかどうかなどの質問も入れております。

16ページ、17ページが保護者向けのアンケート調査になります。これは、各児童館を利用している保護者に対して記述していただこうと考えております。問2で「あなたが参加したプログラムについて」という設問の中で、特に3「プログラムに参加する前と後で何か変化がありましたか」ということ。ここでは保護者自身が参加したプログラムということで、いわゆる子育て広場、親子広場的なことを想定しておりますけれども、「今後の子育てに対する不安が軽減された」「子育てについて客観的に(前向きに)捉えられるようになった」「子どもとの関係を比較的良好に保てるようになった」「子どもに腹を立てる頻度が減った」などの設問を考えております。

 問3で、「あなたの子どもが参加したプログラムについて」という設問の中で、17ページの2「プログラムに参加させてよかった点について」ということで、先ほどの運営主体向けの質問とリンクするのですが、「他の行事等にも積極的に参加するようになった」「日常生活において基本的なルールを守るようになった」「困っている仲間に手を差し伸べられるようになった」「児童館の職員と気軽に話すようになった」などの設問を挙げております。

18ページは、子ども向けの調査です。これは小学生以上を想定しておりますけれども、「あなたが参加したプログラムについて教えてください」ということで、2「参加してよかった点」、3「プログラムに参加する前と後で何か変わったことがありますか」という問いかけをしています。

 事務局で(案)を作らせていただきましたけれども、皆様方の知見を是非お聞きしたいと思います。質問の聞き方とか、設問の内容を、もっと具体的に分かりやすくできないかとか、そういうことがいろいろあると思いますので、来週1週間お考えいただいて、事務局まで教えていただければと考えております。以上です。

○鈴木委員長 これは、じっくり見て御意見を寄せていただければと思います。今この場で、これだけは確認したいということがあれば、御質問をお受けいたします。

○松田委員 見当違いの話をしたらいけないと思うのですけれども、北島委員がおっしゃったことには私も同感です。遊びのプログラム等に関する専門委員会なのですけれども、そもそも遊びのことは話さなくてもいいのかなというのが1つです。こどもの城が開発したプログラムを前提にということだと思うのです。この質問票を見ると、こどもの城のプログラムは、そもそも児童館でこれを参考にしてやりなよみたいな感じの空気で児童館が運営されているのかということ。もし導入したいと思ったときに、そのやり方の周知とか予算の配慮というものは、全国の児童館はどう捉えているのか。別にここに載っていなくても、利用者の子どもたちと一緒に作り上げていったプロセスみたいなものが、もしかして7ページの問B-9に書けるようにはなっています。そもそもこういうものが作れるようになったら、児童館はいいのになというか、やっているのではないかと思っています。

 この流れの中で聞くのがいいのか分からないのですけれども、こういうものを、その地域の実情に合わせてとか、子どもたちの今の様子を見ながら作っていけたり、それこそ変えていけたりということも聞くのであれば、もうちょっとこの部分が、それは後で言えばいいのですけれども、それこそ別に聞いたらいいのにと思いました。これを聞くに当たって、児童館の人がポカンとするのではないかと思ったのです。そこの前提条件みたいなものがもしあれば教えてください。

○鈴木委員長 今のことも含め、一度御意見をいただいてから、また事務局で(案)を出すほうが効率的なような気もしますが、事務局から何かありますか。

○竹中育成環境課長補佐 あくまでもこれはたたき台を出させていただいて、全体の整理も含めて御意見をいただきたいと思います。そういう御意見を受けて、こちらのほうで整理をさせていただいて、もう一度委員の皆様にフィードバックをさせていただいたものを、全国の児童館に配りたいと思います。特に児童館でこれを書いていただく際に論点といいますか、この調査の趣旨・目的を理解していただいた上で書いていただくことが必要で、更に実態を忠実に踏まえていただくことも大切ですので、そういう書きやすさなども是非教えていただければと考えております。

○鈴木委員長 児童館にお勤めだったり、お勤めだった方も多いと思いますが、この聞き方で児童館の職員が書けるだろうかという視点で声を寄せていただければと思います。私も、児童育成協会の理事として、「こどもの城」担当だったので、今の御意見のように、こどもの城が開発と言っていますが、実際に無から開発した遊びなどないのです。ほとんどが全国の児童館、世界で行われてきた遊びに、一工夫したということですから、「こどもの城」が開発したということに余りこだわらないほうが、地域の児童館では記しを付けやすいのかもしれません。そういうことも含めて、1週間以内だそうですので、意見をお寄せください。是非このピンクの本(「こどもの城」健全育成のためのプログラム)をお読みいただいて、これを参考に意見をお寄せいただきたいと思います。ちなみにプレッシャーをかけるようですけれども、私は全部読みました。よろしくお願いいたします。

 時間もどんどん差し迫って、フリートーキングの時間があと20分ちょっとです。12分をお守りいただきながら、御自身の立場や、今後はこうだとか、今お考えになっていることを順繰りにこの場で御発表いただきたいと思います。本日は全部五十音順で、植木委員から順にお願いします。

○植木委員 私は、ここ4年間ぐらい被災地の児童館支援を続けております。つい先日、支援に行った児童館の児童厚生員から、子どもたちと一緒に作りましたという造形物をお土産としていただきました。余りにも素敵だったものですから、「それはどこで習ったのですか」と聞いたら、「こどもの城です」と言っていました。つまり、被災地であっても、復興の途中で児童館が、こどもの城で開発したものを、子どもたちと一緒に作り、それをもってまた元気を出し、そして我々ボランティアや支援に対してのお礼として、そういうものをまた提供する。幅広く全体的な支援ということと同時に、最近のトピックスである被災地支援の辺りも視点としては大事なのかと。そこに遊びのプログラムというのは、これまでどのように影響されてきたのかということも気になる点です。

○大塚委員 こどもの城が開発したと言われているプログラムの中で、こういうものについては全国的にもう少し普及させたほうがいい、というのは妥当なことだと思います。その普及方法については様々な工夫があると思います。先ほどのチャンバラみたいなのが、全国大会をすればみんな乗るわけだから、そのような方法論も含めていると思います。ただ、そういうことを、国が今の時代においてすべきかどうかというのは、どのような強制力を持ってというより、あくまで選択の中のお薦めの1つということだと思いますので、どのように提示していくかというか、普及させていくかということが少し気になります。強制力があるのはちょっと困るのではないか。

 もう1つは、配慮された子どものことについての、新たなプログラムを含めてもそうです。そういう方たちのためのプログラムを開発していただくことは非常に喜ばしいことです。本日のお話の中で、遊びによって、むしろ配慮された子どもたちと、一般的な子どもたちを取り結ぶ共生社会をつくるための手段としての遊びと考えたほうが、より効果的というか、これからの時代に合うということです。遊びを通して一緒になれるというものの開発が重要かと思います。

 この分野は疎いのですけれども、イギリスではプレイストラテジーという、国自身が遊び戦略を持って、遊びというものに積極的に関わってこれを推進していると。これは調べた限りなのですけれども、遊びの重要性と、遊びをどのように子どもの健全な育成のための戦略として使っていくかということも議論できれば、より発展的になるのではないかと思います。

○北島委員 アフタフ・バーバンの活動をして22年目に入りました。先ほどお話しましたように、私も児童館の職員を16年していました。今回のこの話をいただいて、遊ぶということと、児童館の今の現状を考えると、本当に貴重な場をいただいたと思い、このことをきちんと議論できるということに、今は自分なりにきちんと意見を述べたいということを改めて思いました。

 ただし難しいのは、遊びにこういう効果が出ますというようにしてしまうと、遊びがもう遊びではなくなってしまうという部分を、私たちはしっかり押さえた上で、遊びと発達のことを議論しなくてはならない。ルールは守るものなのですが、ルールを守ったほうが面白いという実感をしない限り、それは守らせてしまうことになる。何を大事にするかということを皆で、「それでいこうね」と合意形成したことがルールになる。何を大事にするかというプロセスが、実は遊びの中でとても大事だということの議論を深めていきたいと思っています。そして、だから遊びの中に力があるということも、同時にそこから導き出されていけたらいいと思っています。

 もう1つは、こどもの城が開発したと言われると、多分児童館の職員はちょっとカチンと来る可能性もあります。「これは俺もやっていました」みたいなことがあるので、この言葉については後で意見を出しますけれども、外したほうがいいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

○佐野委員 こどもの城が開発したプログラムに、開館以来30年間関わってきて、閉館の年まで勤めておりました、児童育成協会の佐野です。現在は、指定管理で港区の児童館を児童育成協会が運営しておりますけれども、30年間全国の児童館行政、児童館の職員の少しでもお力添え、底上げになるように、様々な取組をしてまいりました。この専門委員会には、こどもの城の職員が出来きれなかったことをつないでいただけると思い、参加させていただくことになりました。

 恐らくプログラムと言うと非常に狭い範囲になってしまいます。我々は、「動くこどもの城」だけではなくて、研修会や講師派遣を通じ、全国様々な所で児童館の先生方にアプローチをしてまいりました。ですから、考え方であるとか、エッセンスであるとか、魂であるとか、そういうものも含めてこどもの城の影響力が何か出てくれば、うれしいと思います。

 今、港区の子ども中高生プラザは、こどもの城を私も含めて20年から30年勤めたスタッフ10人と、こどもの城で半年研修をしたスタッフ10人で運営しております。そういう意味では、こどもの城で長くやってきたことを、今、地域の児童館の中で落とし込みながら、様々悩んで実践をしている最中です。この専門委員会が、その実践と連動しながら、何か意味のあるものにつながっていければいいかと思います。どうぞよろしくお願いします。

○高松委員 遊びの重要性のところで、中標津町での取組を紹介させていただきます。中標津町は24,000人の町なのですけれども、遊びを軸にして、毎年、「じどうかん祭り」という大きな行事をやっています。集客人数は2,4002,600人ぐらいです。それは大人も子どもも赤ちゃんも中学生も高校生も、児童館の子どもたちだけではなく、地域が一体となって活動しております。遊びの持つ力というのはすごいなと。遊びが、人と人をつないでいく。子どもが楽しいことは、大人も楽しいです。遊びが、人と人とを本当に連携していくのだということを、児童館に勤めさせていただいて初めて学びました。

 子どもたちは、決められたルールがなくて、何もない所でも、ルールを自分たちで作り出して遊びを考えていく力を本当に持っているのだなということを感じています。喧嘩もするけれども、仲直りの方法も見い出していきます。

中標津町では、55日に新しい児童センターがオープンしました。赤ちゃんから中高生までが活動できる居場所を提供しています。もちろんこういう遊びのプログラムもすごく大切なのですけれども、その中で、子どもたちに遊びを提供するばかりではなくて、子どもたちが遊びを作り出していけるようなことも、児童館としては提供していかなければならないのではないかということで、職員と一緒に考えています。遊ぶこと自体が生きていく上での基礎力となっていることを、改めて痛感させられますし、生きていく力の底力を、児童館が果たすべき役割として遊びを通して応援できる環境の整備が必要と考えています。

○中川委員 私どもは3つの柱を立てて児童館の活動に取り組んでおります。1つ目は子ども、2つ目は家庭、3つ目は地域です。子どもについては、先ほど来皆さん方からおっしゃっていただいているように、遊びを中心とした活動を行い、健全育成を図る、これが基本になっております。ただ、一方で現在の子どもたちの様子を見ると、大変多様な課題に直面しているのかと思っております。例えば、ひとり親家庭の増大に伴う子どもの貧困の問題であったり、あるいは虐待事案の多発化であったり、そうしたことに対して、児童館としてもしっかりと対応していかなければならないという思いを持っております。

2つ目は家庭ですが、京都市では、0歳、1歳、2歳の在宅で子育てをされている方の割合は7割に達するのです。この7割の方を、どこで誰が支えていくのか。保育園、幼稚園の改革が進んでおりますけれども、やはり012歳の部分を支えていくミッションが児童館には課されているのではないかと思っています。

3つ目は地域です。京都市においては、平成24年度から、地域のコミュニティを活性化するための推進条例を制定しております。京都は、地方創生を京都が中心になってやっていこうということで、大変大事なテーマとして考えております。この地域コミュニティの活性化が、京都の地域力、京都の活力につながるという確信の下に取り組んでいて、そこにしっかりと児童館もポジションを置いております。この条例の中で、児童館もともに手を携えて、地域の皆さん方と取り組んでおります。

 様々な事例があるので御紹介したいのですけれども、時間がありません。子どもたちを中心にして、地域の方がそこに集まってくださる。そのことが原動力となって、京都力が強まっていく、こんな思いを持って取り組んでおります。私たち京都の人間は、あつかましくも、よく「日本に京都があってよかった」と申します。今、京都の児童館関係者は、「京都に児童館があってよかった」ということを合い言葉にして、取組を進めています。この専門委員会においても、こうした児童館の大いなる可能性について議論を進めていけたらと考えております。

○松田委員 この会議にも遊びが要ると思いました。次回はかぶり物でもしてこようかと思っています。大人が楽しめないといけないと思っています。ただ、大人が遊びと思っている遊びと、子どもが、命そのものだと思うのですけれども、遊びとはちょっとずれがあって、子どもの自ら遊ぶこととか、子どもたちが自ら遊びを作っていることをまず大人に理解してもらう。そこを発見できる大人を増やさないと、ずっと与え続けるものになると思います。

 それは先ほどお話をいただいたように、地域の乳幼児期のところから始まっていて、赤ちゃんだって、自分で遊んでいます。それを理解する大人だったり、保護者だったり、地域の人がいないと、本当にそこから今やスマホであやしている状態です。子どもたちは自分たちで遊びを作っているし、見つけているし、それを支える大人でありたいし、地域でありたいと思います。それなので、そこに手段としてプログラムがあるともしかしたらいいのかという捉えでないと、そっちに目的が行ってしまうと怖いと思います。

 もう1点は、地域でもし実践が具体的にあるとしたら、地域の中でも中と外の話が出ていて、そこに行けばいいよというように、子どもがその館に押し込められてしまうのではよくないと思います。それなので、本当は、逆に児童館を中心に、地域のほうに遊びがあふれて、町の中で遊べるような子どもたちをもっと増やさないといけない。その環境整備まで、この会議でできるかは分からないのですけれども、論点3はいつやるのというお話が先ほどあったように、そこにつながっていくのかと思いました。

○吉村委員 先ほどから出ている、こどもの城に私も30年間勤めておりました。こどもの城児童合唱団をはじめ、幼児のリトミック活動、ダウン症児のための音楽活動など、多くの子どもたちと、音楽を使った表現活動を展開してまいりました。残念ながら331日でなくなりました。子どもたちが、これからも続けたいという意思を表してくれましたので、いろいろな所からお手伝いいただいて、厚生労働省の皆さん、推進財団の皆さん、こどもの城の母体である公益財団法人児童育成協会のお許しをいただき、NPOとして新たに300人の子どもたちとスタートしました。

 この子どもたちが、こどもの城のプログラムそのものではないかと思っております。この子どもたちが、今年の夏は石川県の児童館を訪問いたします。こどもの城でやりましたプログラムを、少しでも地方へ行ってキャッチボールをして、そしてそこで広めていけたらいいなと願っています。私の専門は音楽です。音楽は、教育や育成の本質的な一部であるとずっと思っています。遊びの中で、友達とともに遊んだり、歌ったり、演奏したり、踊ったり、そして鬼ごっこも含め、いろいろな形で調和をし、そして喜びをたくさん感じて、芸術的な感性を磨いていく、それこそが児童館のプログラムの1つなのではないかと信じています。

 ノーマライゼーション、障害の有る無しを取り払った形で活動を続けてまいりましたけれども、障害児のほうが、かえって障害の無い子どもたちを助けてくれる場面を何度も見ました。このことも、プログラムの1つとして皆に伝えていけたらいいと思っています。私もこの専門委員会に呼んでいただきましたので、普及と新たなプログラムの展開のお役に立てたらいいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

○鈴木委員長 ありがとうございました。一巡させていただきましたが、これで本日は大体時間となりました。児童福祉法ができたときに、私の先輩たちに聞いた話ですけれども、本来は児童保護法でいこうということで、ずうっと議会、国会を通っておりました。この時にせっかく新しい法律を作るのだから、児童福祉法にしたらいいのではないかということを、最終的に強く押したのは、通りがかった吉田茂さんだと伺っております。この児童福祉法という、耳慣れない「福祉」を付けた以上、その中に保護だけではない子どもたちの施設も入れなければいけないということで入ったのが児童館です。

 それから、子どもに問題はないということで、家庭環境だけで入ったのが保育所です。ですから、保育所と児童館というのは、児童福祉法を一番体現している施設です。保育所の次に数のあるのが児童館です。その児童館は0歳から18歳までを統一して見られる唯一の児童福祉施設です。児童福祉法をよく読んでみると、児童福祉法の底流にも、生活と全ての遊びを通して、子どもの発達支援をすることが、底流として流れているのが児童福祉法であるかと考えます。

 そういう状況を考えたときに、児童館はただ遊んでいればいいのではないのです。遊びを通して、子どもが発達し、その発達したことを地域に、地方自治体の方々にも論証していかなければならない。この辺がおざなりであった。大変遊び好きな児童館の職員がたくさんいるのですが、その意味をきちんと伝達しなかったという意味で、私は強く反省しています。そういう論証を重ねて、今はやりのエビデンスをもって、児童館の大事さを最終的に訴えていける専門委員会になればいいと考えております。

 本日は小西講師、八重田講師の発表も伺って、やはり福祉は人なり。そこにいる職員が走りながら学ぶともおっしゃってくださいましたが、走りながらでも、悩みながらでも学べるような、そういう児童館の職員の環境づくりも、この専門委員会で触れられるといいと思いました。私はいつも思うのですけれども、生まれながらの専門家はいないです。障害をもった子どもの親御さんは、障害の教育の専門家ではない。でも、自分の子どもに対する愛情から、その子どもの障害については誰よりも詳しくなります。やはり、そういう気持ちを児童厚生員が持って関われるような児童館の環境づくりに少しでも資することができればと、これからの専門委員会の発展を考えていきたいと思っております。

 つたない進行で恐縮でしたが、これで予定の時間になりましたので、この辺で議事を終了させていただきます。次回の予定等について、事務局から連絡をお願いします。

○竹中育成環境課長補佐 本日は委員の皆様、そして講師のお二方ありがとうございました。先ほどの実践状況調査の関係ですが、後ほど事務局から御連絡いたしますが、615()までに、事務局のほうにメール等で是非お伝えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 次回は先ほどのスケジュールでいくと、9月上旬を予定しております。この調査の進捗状況により多少前後することがあると思います。また、その点については事務局から御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はこれで終了させていただきます。大変お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)

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