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2015年6月29日 第14回がん検診のあり方に関する検討会(議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成27年6月29日(月)16:00〜18:00


○場所

航空会館 501〜502会議室(5階)
(東京都港区新橋1−18−1)


○議題

(1)乳がん検診について
(2)胃がん検診について
(3)その他

○議事

○がん対策推進官 定刻より若干早いですが、構成員の皆様お集まりですので、第14回「がん検診のあり方に関する検討会」を始めさせていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、皆様御出席でございます。

 まず、最初に、資料の御確認をお願いいたします。

 座席表、議事次第に続きまして、

 資料1 乳がん検診、胃がん検診等に関する議論の整理及び論点等

 参考資料1 がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針

 参考資料2 老人保健事業に基づく乳がん検診及び子宮がん検診の見直しについて がん検診に関する検討会中間報告(平成16年3月)

 参考資料3 平成25年度がん検診推進事業の実施状況

 資料に不足、乱丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。

 特にないようでしたら、この後の進行は大内座長にお願いいたします。

○大内座長 それでは、第14回の「がん検診のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 本日の議題が「乳がん検診、胃がん検診等に関する議論の整理及び論点について」とありますが、振り返ってみますと、この検討会はこのたびで14回になりますが、第9回から乳がん検診、第10回目からは胃がん検診についても最新の有効性評価に関するガイドラインについて説明いただいて、第12回でも胃がん検診について集中的に議論し、4月23日の第13回、前回では改めて乳がん検診と胃がん検診について議論を深めたところです。今回は、できれば来年度にも反映したく、このがん検診のあり方について乳がんと胃がんについて整理してみてはどうかと考えております。

 議論の整理に当たりまして、今までの経緯を踏まえまして、まず事務局から説明をしていただきたいと思います。では、よろしくお願いします。

○事務局 それでは、資料1を御確認いただけますでしょうか。

 「乳がん検診、胃がん検診等に関する議論の整理及び論点等」ということで、これまでの検討会での議論についてまとめてございます。

 下の段でございますが、乳がん検診に関する議論の整理といたしまして、まず第9回の検討会におきましては、国立がん研究センターの斎藤構成員より「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン」について御説明をいただきました。この中で、マンモグラフィ単独による乳がん検診は4074歳において、乳がんの死亡率減少効果を示す相応な証拠があるといったことについて御説明いただいております。

 また、第10回の検討会におきましては、事務局より「乳がん検診等の実態について」という議題におきまして、国の指針に基づく検診の実施状況についてまとめたものを御提示しました。この際、対象年齢ですとか受診間隔、検診項目等におきまして、市町村の実態について御説明しております。

 続きまして、第11回「がん検診のあり方に関する検討会」におきましては、「乳がん検診の精度管理について」という議題におきまして、日本乳がん検診制度管理中央機構の遠藤参考人をお呼びして、乳がん検診における従事者の育成状況ですとか講習会などの取り組みについて御説明をいただきました。

 また、第13回「がん検診のあり方に関する検討会」におきましては、「乳がん検診における新たな知見について」という議事におきまして、祖父江構成員より、超音波検査による乳がん検診の有効性を検証する比較試験の概要、いわゆるJ-START(乳がん検診における超音波検査の有効性試験に関する研究)について御説明をいただいたところでございます。

 続きまして、胃がん検診につきましては、第10回より検討を始めております。第10回は事務局より「胃がん検診に関する検討の経緯等について」ということで、国の指針に基づかない検診の実施状況について御説明いたしまして、御議論いただいたところです。

 また、第11回におきまして、国立がん研究センターの濱島参考人より、有効性評価に基づく胃がん検診ガイドラインについての御説明をいただきました。この中で胃エックス線検査は死亡率減少効果を示す相応の証拠がある、また、胃内視鏡検査は死亡率減少効果を示す相応の証拠があるといったことについて御説明いただいております。

 また、内視鏡検査につきましては、対象年齢を50歳以上とすること、また、検診間隔は2〜3年に延長することが可能ということもお話しいただいております。

 内視鏡につきましては、重篤な偶発症に適切に対応できる体制が整備できないうちは実施すべきでないという御助言もいただいております。

 続きまして、第12回の検討会におきましては、新潟県立がんセンター新潟病院の成澤参考人に「胃内視鏡検診の実態について」ということで、既に新潟市では胃内視鏡検診を実施されておりまして、その実態について御説明いただいております。

 また、宮城県対がん協会がん検診センターの渋谷参考人より「胃内視鏡検査を実施するにあたっての留意点」ということで、対策型検診として実施する場合の課題や偶発症、必要な体制整備等について御説明いただきました。

 また、国立がん研究センターの濱島参考人より「胃内視鏡検診の処理能」ということで、その処理能から見た課題として検診機器の供給、対象年齢、検診間隔について御説明いただいたところです。

 また、第13回におきましては、日本胃がん予知・診断・治療研究機構理事長の三木参考人よりリスク層別化検診の概要について、主に利点やリスク層別化検診の実施状況について御説明いただきました。

 また、日本消化器がん検診学会理事長の深尾参考人より、胃がんリスク評価について、高リスク群の管理体制ですとか、胃がんリスク評価の効果及び有効性の評価の必要性について御説明いただき、これらの御説明を踏まえて御議論いただいたところでございます。

 続きまして、4ページでございます。これまでの検討を踏まえまして、乳がん検診に関する論点案として、以下の3点をまとめております。

 まず、1点目ですが、マンモグラフィ単独検診について、40歳以上の女性においてマンモグラフィ単独検診を推奨することについてどう考えるかという点でございます。

 2点目は、視触診の位置づけですが、40歳以上の女性において視触診を任意とすることについてどう考えるかということでございます。

 3点目、乳房超音波検査について、40歳代の女性におきましてマンモグラフィと超音波検査の併用群は、マンモグラフィ単独群に比べて感度及びがん発見率において、その有効性が示されております。今後は、死亡率減少効果の検証に加え、評価体制や実施体制について検討を行いつつ、乳がん検診における超音波検査の位置づけを整理していくということについてどう考えるかということで、本日御意見をちょうだいしたいと考えております。

 また、御参考までに参考資料2におきまして、当「がん検診のあり方に関する検討会」の前身の「がん検診に関する検討会」で平成16年3月に中間報告をとりまとめております。主に乳がん検診及び子宮がん検診の項目についてですけれども、こちらの16ページ「1 検診の見直しについて」「()乳がん検診」の1検診方法におきまして、「マンモグラフィによる検診を原則とする。年齢による乳腺密度やマンモグラフィによる検診体制の整備状況を考慮して、当分の間は視触診も併せて実施することとする」ということが書かれております。こちらは御参考までにおつけしております。

 また、資料1の4ページの下段ですけれども、胃がん検診に関する論点案として、こちらも3点まとめてございます。

 まず、1点目、胃エックス線検査につきましては、メリット・デメリットを総合的に勘案した上で、引き続き対策型検診として推奨してはどうかと考えております。

 また、胃内視鏡検査について死亡率減少効果を示す相応の証拠が確認されましたが、これを対策型検診として推奨することについて、どう考えるか御意見をいただきたいと思っております。

 また、内視鏡検診につきましては、対象年齢を50歳以上とすること、また、検診間隔を2年とすることについて、それぞれどう考えるかについて御意見いただきたいと思っております。

 また、安全管理を含めました精度管理、体制整備につきましては、日本消化器がん検診学会のほうで作成予定の胃内視鏡検査の体制整備に係るマニュアル等を参考としていただきまして整理していきたいと考えております。こちらについてもどう考えるかということで御意見をちょうだいしたいと思っております。

 3点目ですが、ヘリコバクター・ピロリ抗体検査等について、ヘリコバクター・ピロリ抗体検査と除菌につきましては、胃がん対策の観点から重要であり、保険適用もされているところでございます。このヘリコバクター・ピロリ抗体検査及びペプシノゲン検査につきましては、引き続き知見の蓄積を行いつつ、がん検診との関係も含めて位置づけについて検討していくこととしてはどうかということで御意見をちょうだいしたいと考えております。

 乳がん検診、胃がん検診のまとめにつきましては、以上でございます。

○大内座長 過去の検討会の概略、乳がん検診と胃がん検診に分けて説明いただきました。順番的には乳がん検診からまとめられております。乳がん検診の論点案としましては、4ページの上の段に示されたとおりです。

 それから、胃がん検診につきましても、第10回から検討されておりまして、第13回までの議事の整理がされていて、胃がん検診に関する論点案も4ページに記載されております。

 では、個別に議論を進めたいと思いますが、まず、乳がん検診について事務局から示されました論点案を考えるに先立ちまして、事務局から提案されている参考資料1と参考資料2をごらんいただきたいと思います。参考資料1は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」、老健局長通知ということで今出ているものでございます。この中で、乳がんについては11ページの「5 乳がん検診」に「()検診項目」とありまして「乳がん検診の検診項目は、次に掲げる問診、視診、触診及び乳房エックス線検査(マンモグラフィをいう。以下同じ。)とする。なお、乳房エックス線写真の読影と視診及び触診(以下「視触診」という。)は、原則として同時に実施する。ただし、乳房エックス線撮影装置を搭載した検診車による乳がん検診を実施し、及び乳房エックス線写真の二重読影を実施する場合は、この限りではない」というのが通達になっておりまして、これが今、市町村事業の中で生きているわけです。

 一方で、この「がん検診のあり方に関する検討会」の前身であります、垣添先生が座長だったときの「老人保健事業に基づく乳がん検診及び子宮がん検診の見直しについて」ということで、平成16年3月に検討会からの中間報告がございます。これをもう一度お出しした理由は、恐らく今動いている検討会が11年ほど前に行われたような形でとりまとめていくのではないかと推察するに当たりまして、当時どのような議論がされたかを確認していただきたく出していただきました。

 先ほど事務局から説明がありましたように、参考資料2の16ページに「6 提言」とありまして、「1 検診の見直しについて」の「()乳がん検診」については、今申し述べられたように、「マンモグラフィによる検診を原則とする。年齢による乳腺密度やマンモグラフィによる検診体制の整備状況を考慮して、当分の間は視触診も併せて実施することとする」。2検診対象年齢も40歳以上とするということで、改められたわけです。

 この点については御理解いただけますね。

21ページに、この検討会の構成員の氏名があります。垣添忠生先生が当時の座長でして、私、今回の構成員メンバーであります斎藤博先生も参画されておられました。ということで、このような経緯をあったことを御理解いただきたいと思います。

16ページに戻りますが、マンモグラフィによる検診を原則とするとうたわれていて、「ただし」ということがあるのですけれども、当分の間は視触診もあわせて実施するとされております。これはマンモグラフィの実施体制が未整備だったということがありまして、この後、平成17年、平成18年度の2カ年にわたって国の健康フロンティア整備事業、女性がん対策ということで、マンモグラフィの緊急整備が厚労省主導で80億円ほどを投じて全国にマンモグラフィ機器500台、撮影技師、読影医師の養成等も行ったと。それから10年たつということを御理解いただきたいということです。

 そのような観点でよろしいでしょうか。当時この件に関わっていました斎藤先生、何かコメントありますか。

○斎藤構成員 特にありません。

○大内座長 これが出発点と考えていただいて、本検討会において乳がん検診の見直しについてどうあるべきかという議論を深めていただければと思います。

 そこで、先ほどの資料1の4ページの論点案ですが、マンモグラフィ単独検診について、40歳以上の女性において、マンモグラフィ単独検診を推奨することについて、どう考えるか。視触診の位置づけ、40歳以上の女性において、視触診を任意とすることについて、どう考えるか。乳房超音波検査について。これは第12回でしたか、祖父江構成員からJ-STARTのプライマリーエンドポイント、感度・特異度、がん発見率についての説明がございまして、結果とましては、超音波検査を併用することによってマンモ単独に比べて、特に40歳代は高濃度乳房ですので、感度、がん発見率が有意に上昇することが示されています。ただし、乳がん検診精度管理中央機構の遠藤参考人から、今後、体制整備が必要であるということも指摘されているところです。

 では、この点について御意見をいただきます。いかがでしょうか。

○祖父江構成員 平成16年の記述では、特に40歳代の乳がん検診においてはマンモグラフィに視触診を併用して実施すべきだと書いてありますね。その後10年余りたっているわけで、その間にマンモグラフィの精度というのはかなり改善されたという事実が恐らくあるのでしょうけれども、そこが余りきちんと記述されていないような気がします。それがどの程度なのかということがまず1つ。

 しかしながら、視触診単独での発見例というのがあるわけです。J-STARTの中を見ても、どちらも視触診はやっているので、超音波を上乗せしない群での視触診単独発見例があるわけです。超音波を上乗せするとそれがゼロになるんです。視触診単独での発見例というのはマンモグラフィとUS(超音波)併用群ではないと。ここの兼ね合いだと思うのですけれども、マンモグラフィ単独でやることで昔に比べてどの程度精度が改善されているのか。しかしながら、視触診単独での発見例もある、そこをどう考えてマンモ単独ということでやれるのか。その際に可能性としてはUSを上乗せすると、それがゼロになると。そこは、まだ証拠としては十分とは言えない段階で、補填する意味で超音波を使うのか、そういったところが議論になるのだろうと思いました。

○大内座長 大変貴重な御意見ありがとうございます。

 祖父江構成員がおっしゃるように、まずは10年たってマンモグラフィ検診の精度あるいは体制整備がどれだけ整ったかという記載も必要ではないかということですね。これは、第11回の検討会で、遠藤参考人からも日本乳がん検診精度管理中央機構としての体制整備状況について説明を受けたところです。10年前に比べますと、はるかにマンモ機器も整備されていますし、撮影技師・医師の精度管理も向上していることは事実ですので、その件は恐らく記載されたほうがよろしいのかなと思います。

 一方で、単独でいいのかということですが、国際標準的にはマンモグラフィ検診というのは基本です。米国あるいはカナダ等は触診も加えることを可としているのですが、実際に触診で乳がんが見つかっても、マンモグラフィでネガティブであれば検診は陰性という扱いです。ですので、基本はマンモ検診なのですが、しかしながら、米国のガイドラインにもマンモグラフィ・イズ・ノットパーフェクトと書いてあって、触診も適宜併用しなさいとも理解できるのです。ですので、マンモグラフィの弱点はデンスブレスト、若年女性の高密度乳房ですので、その点をどう補うかということだと思います。これは国民の不利益にならないようにということの御指摘だと思いますが、祖父江構成員が触れられたようにJ-START、7万3,000例ほどのランダム化だけのデータを見ても、介入群、マンモプラスエコー群では触診単独発見例はゼロでしたが、マンモグラフィ群で超音波を併用しない群では、8例の方が視触診で乳がんという診断を受けています。それから、中間期がんも2年間のフォローアップで非介入群、超音波を上乗せしない群で2倍になっているというのが事実で、それで感度はマンモ+エコー群が91%を超えていますが、マンモ単独群は77%になっています。ですので、祖父江構成員の御指摘のように、マンモグラフィの弱点である高濃度乳房に対して、どのような担保をするか。視触診の文言も必要かもしれませんし、今回のJ-STARTの結果を受けて超音波検査についても書き込むことが可能かもしれません。そういった観点からいかがでしょうか。

○松田構成員 J-STARTの話とちょっと変わってしまうので申しわけないのですが、祖父江構成員から視触診によってのみ判定される乳がんがあるというお話だったのですが、50歳代は1方向、MLO(内外斜位方向)で撮っていましたよね。40歳代は2方向なので、それに頭尾方向の撮影が追加され、しかも視触診がある。今回、視触診を必ずしも併用しなくていいということになると、40歳代は2方向のマンモ、もしくはそれに超音波が併用されるかもしれない。従来の撮影の仕方だと、50歳以上は1方向のみのマンモグラフィということになるかと思いますが、これを2方向にする必要があるのかどうか。諸外国ではどうなのか、あとは、マンモ単独での有効性が示されたという御発表が先ほどあったのですが、斎藤構成員からの発表だったかと思いますが、これは撮影は1方向のみでも有効だと考えていいのでしょうか。あるいは諸外国はどうなのか教えていただければと思います。

○大内座長 諸外国で8つのRCTがあるのですが、マンモグラフィのMLO1方向なのか、CC頭尾方向)も含めた2方向だったかの詳細については調べないとわからないです。私も記憶が曖昧なのですけれども、どなたかわかる方はおられますか。基本的には、欧米の過去のスウェーデンやUKトライアルは1方向でしたね。最近のエイジトライアルなどは多分2方向だった気がしますが、確認しますけれども。先生がおっしゃるように、40歳代に導入するときにかなり議論しました。やはりデンスブレストなので偽陰性をなくすためにできるだけ2方向にしましょうということで、あえて2方向にすることと書き込んでいます。先生御指摘のように、もし50歳以上についてもマンモグラフィ検診を原則とするということになれば、2方向ということも検討する必要があろうかと思いますが、そういうことでよろしいですか。【追記:過去のランダム化比較試験(RCT)を調べたところ、1方向、2方向はほぼ同数でした(HIPは2方向):添付パワーポイントファイル】

○松田構成員 はい。

○斎藤構成員 今、併用による上乗せということだったのですけれども、J-STARTでやられたのは発見率ということで、これを見ると感度という指標で表すと9177ということで明らかに有意なのですが、問題は最終的な指標で有効性が示されたのではなくて、感度で有意であるということが示されたわけです。J-STARTのデータをこれから掘り下げると、死亡をエンドポイントにしなくても、見つかった上乗せ分の乳がんの生物学的な側面・特徴というのもわかってくると思うのですけれども、今は単に数の上で確かに上乗せがあるということがわかったところですよね。ですから、J-STARTの今後の結果を待つのもそうですけれども、既存の検討で超音波でよく見つかるといいますか、マンモグラフィと生物学的な特徴ということも現時点では見ておく必要があるのではないかとは思います。ちょっと散見した報告では、超音波では非小葉性のものが少ないという報告もあるようですから、先ほどの祖父江構成員の検討に加えてそういうことも見ておいたほうがいいのではないかと思います。

○大内座長 あくまでもプライマリーエンドポイント、感度・特異度、がん発見率の観点で、斎藤構成員がおっしゃるのは結局、がん検診の有効性というのは最終的には死亡率減少効果を見なければいけませんが、それを待つとあと20年はかかります。そのサロゲートマーカーとして何がふさわしいかということで、セカンダリーエンドポイントは両群を受診された被験者の方々の中で、次に発生してくる乳がんの進行度を比較するということで、そのデータを今集めていて、多分2年以内には結果が出ると思います。ただ、それもサロゲートでして、実際の死亡率減少効果を見ているわけではない。

 あと、生物学的な観点からどうなのかということで、悪性度が強いとか強くないとかいろいろ言われていますけれども、概して40歳代でマンモグラフィ検診によって見つかるのは、DCIS(非浸潤性乳管がん)が非常に多いです。エコーで見つかってくるのは、マンモグラフィでは発見できない2cm以下の浸潤がんが多かったということは事実です。ただ、生物学的にどうかということは、まだ検討しておりませんので、答えはありません。

 触診をいきなり廃止するというわけにも、なかなかいかないので、その点今まで触診で発見されていた方々へ不利益にならないようにということで考えた場合に、J-STARTの結果からすれば、エコーを併用することによってカバーできていたということは事実です。そのことだけは言えます。過剰診断のこともあるので、何でも引っかければいいというものではなくて、要精検率を下げる、つまり特異度を落とすことなく、導入することが望ましい。今、総合判定と言いまして、マンモグラフィを見ながら超音波検査をするという体制で、併用での判定基準に持っていくと、要精検率が今までマンモグラフィ単独が5〜8%だったものをその半分ぐらいにできるだろうというシミュレーションは出ていますので、これは運用の仕方ですけれども、そういった体制整備も今後検討が必要かなと思っています。それが3項目目に書いてある中身と考えていただければと思います。

 そんな流れでよろしいですか。何か追加すべきことはございますか。どうぞ。

○祖父江構成員 やや思いつきで言っているところもあるのですが、一方で視触診の精度管理というのはなかなか難しいということがあります。きちんと行えば恐らく視触診単独発見例というのはあるのでしょうけれども、現実に今日本で全国津々浦々で行われている乳がん検診において、どの程度視触診単独の発見例があるのかについても何か押さえられるといいですね。

○大内座長 視触診単独でされているところはまず今はないのではないかと思います。

○祖父江構成員 検診はもちろんマンモグラフィもやっていると。だけれども、結果的にはマンモグラフィネガティブで視触診単独で発見された例がどの程度あるのか。そういうものがかなりあるのであればまずいのでしょうけれども、実際には視触診の精度がそれほど高くない場合は余り期待されないということもあるのでしょうし、現実の視触診の精度というのがかなりきいてくるのだろうと思うので、そのあたりのデータがあると多少参考になるかなと思いました。

○大内座長 かつては視触診単独の発見率は0.08とかでしたね。マンモ導入前ですけれども。今はマンモが導入されて0.3弱ですから、過去のデータと今のデータを見た場合、約4分の1ですか。それから、J-STARTのマンモ単独群で視触診もやっているわけですけれども、それで見つかったがんが、後で確認しますけれども、117名で8例が視触診単独だった気がします。そうすると大体計算できますね。【追記:データを確認済み】

○祖父江構成員 ただ、J-STARTの中でやっている視触診というのは、それなりにきちんとされているのだと思うんです。全国津々浦々やられている視触診の中では、余り精度のよくないところもあるのでしょうし、それをやるぐらいならきちんとマンモグラフィを単独でやったほうがいいだろうという考えもあるのかと思いました。

○大内座長 道永構成員、何かございますか。

○道永構成員 今のお話と重なるのかもしれませんが、参考資料2で一番最後のページに平成14年度の乳がん検診の実績があります。この中で視触診単独検診とマンモの併用検診がありまして、がん発見率を見てみたのですけれども、余り変わらないという結果だと思いました。今、祖父江構成員がおっしゃったように、恐らく10年たってマンモの精度管理ができて、読影もどこでも機械がそろってということのエビデンスが必要ならば、これと同じデータをとることができれば比較になるのかなと思うのですけれども、単独検診でこれだけ見つかっているということは、視触診をしなくていいよと言えるかどうかというのがちょっと不安に思いました。

○大内座長 事務局に確認したいのですが、市町村事業でがん検診が行われていまして、事業報告が毎年上がってきますね。その中で乳がん検診については5歳階級で市区町村からデータが上がってきますけれども、これは斎藤構成員からも5年ほど前に改正されて、触診単独、触診プラスマンモ、マンモ単独の3通りあったはずですが、今でも触診単独のところはありましたか。

○斎藤構成員 ないです。

○大内座長 ですので、過去のデータまでさかのぼることはできるのですけれども、現時点では老健局長通達が視触診及びマンモグラフィの同時併用になっているので、その分しか計算されていないのです。これは問題なのですけれども、実際に医師不足等で触診する医師もいなくて、特に出張検診では触診を省いてマンモ単独の市区町村が非常に多いのです。その結果として、県によっては数パーセントという乳がん検診受診率のデータが出ています。それはできるだけ改めていただきたいのですけれども、そうしないとがん検診受診率50%に遠く及ばないので、それを何とかしてほしいのですが、道永構成員が言われるように過去のデータをさかのぼって見ることはできると思います。ただ、触診についてどれだけの意義があるかは、これまでも何度も議論されてきたことで、それから触診による乳がん検診の有効性評価については、既に16年ほど前ですか1999年に今のキャンサーサイエンス、当時のJJCRに宮城と群馬のケースコントロールスタディ(症例対照研究)で調査しています。そして、死亡率減少効果がなかったというのが結論です。それから16年たっていますけれども、世界中にも触診による乳がん検診で死亡率が減少したというデータはないので、やはりここは前回とは書きぶりを変えなければいけないと思っています。

○菅野構成員 若干お恥ずかしながらという話も含めてですが、実は八王子市では昨年度まで視触診単独という検診を続けておりまして、今年度から科学的根拠に基づかないということでやめたのですが、昨年やめるに当たって、一応、医師会と相談するのでまとめたものが多少あります。というのは、八王子の場合30歳代から視触診を続けていて、それを今年度からやめようということですが、40歳以上も視触診単独というのが昨年までは続いておりまして、ただ、それをやることによってマンモグラフィの検診を痛いので受けないという人がいて、ちゃんと見つからないということでそれもあわせて、ことしやめたのですが、年間視触診で最後のほうの年で6,000人ぐらいのみで、乳がんマンモグラフィで1万2,000とかありますので、場合によっては数字をとれば少し見えてくるものがあるかもしれませんが、少なくとも30歳代については全然意味がないという話になって昨年一応やめたという経緯があります。

 あと、若干恨み節になるのですが、平成16年のまとめの中で「当分の間、視触診も併せて実施する」とありますが、本当に文章というのはいろいろ読めまして、「併せて実施する」のがマンモグラフィとあわせて実施すると読まなかった方がいまして、視触診単独もあわせてできるのかということが後々に市町村に響いたところもあるということで、文章の整理についてはぜひ、議事録を読めばわかると言わずにお願いしたいということでございます。

○大内座長 ただいまの菅野構成員の御発言は大変重みがありまして、実は、御存じだと思いますけれども、子宮頸がんと乳がんは対象年齢が特例措置で30歳以上だったのです。ほかのがん検診は40歳だったのです。それが改まったのが、平成16年のまとめで、乳がんについては40歳以上、子宮頸がんについては逆に20歳と引き下げたわけですけれども、当時、30歳代をどうするかということがそのままでした。それで多分、市町村によってはいまだにやっているところもあると思うのです。触診をそのまま続けているというのも実態かと思いますので、そこはきちんと書き込むことが必要かという御指摘です。

 どうぞ。

○福田構成員 ちょっと違っているかもしれませんが、お話を伺っていると、これから考えなければいけないのは、マンモグラフィを基本的に推奨するのだと思いますので、視触診単独でやったときというよりも、祖父江構成員からありました、併用でやったときにマンモでネガティブで触診でわかったというものがどのくらいかみたいなものが実際の検診で出てこないのかなと思います。

 それともう一つ、先ほど大内座長から海外の例ということで教えていただいたのですけれども、マンモでネガティブで視触診でポジティブでも結局ネガティブという判断だというのはどういうことなのですか。やはりマンモでわからない限りはということなのでしょうか。

○大内座長 死亡率減少効果を示しているのはマンモグラフィ検診のみです。欧米は基本的には、いわゆる死亡率減少効果を示したトライアルがあって、それを根拠にしていますので、ただし、マンモグラフィの問題点は特に40歳代、これは偽陰性が極めて多いということがわかっていますので、それに対して触診も上乗せして構わないよと。ただし、ルールとしては触診発見がんは検診発見陰性だという定義が実際にアメリカではされています。

○福田構成員 それは問題ではないわけですか、やはりそういう判断が正しいと。

○大内座長 ですから、基本はマンモグラフィということです。

○井上構成員 先ほどの松田構成員のコメントにもちょっと関係するのですけれども、40歳代だけが見つかりにくいから2方向から撮るような仕組みになっていて、50歳代になると1方向からになるというお話で、さらに40歳代の見つかりにくい人のものを何とかして見つけ出そうとすべく触診も加える、というように、別の方法が補完されているわけですよね。なので、例えば今後の方向性としては、超音波検査を併用するような形に40歳代が置き変わっていくのだろうけれども、私の中ではマンモはどの年齢でも1方向にするんだとか、一定にした方法の中でさらにプラスして超音波をするとか、将来的に少しシンプルな方向に整理し直したほうがいいのではないかと考えています。それを補う情報として必要なのは、例えば1方向を2方向にすると幾らぐらい医療費が余分にかかっているのかなどの情報だと思います。個人的あるいは周りの単なる意見と言ってはいけないのでしょうけれども、言わせていただけば、やはり40歳代の女性というのは視触診を嫌がってそれで行かない人も結構いて、私の同僚のいろいろな人の話からすると、そういうものも行かない理由にはなってしまうので、それが検査という形で補えるのであれば、検診の受診率も少しは向上するのかなと思います。結局今までの経緯の中で複雑に対応した部分を、理想に向かっているのであれば、その理想の方向になった時点で整理し直すのも一つかなと思うので、もし、別に2方向にしたって何も変わらないんだ、むしろ2方向にすることによって精度がよくなるんだという、ある程度のエビデンスがあるのであれば、もちろん2方向で撮っていくべきだと思うのですけれども、私もどちらがいいのかもよくわからないで今発言させていただいておりますが、少し整理が必要なのかなと思いました。

○大内座長 井上構成員の御指摘はもっともでして、実は参考資料1の指針のほかに17ページの別紙からは「がん検診等実施上の留意事項」ということで詳しいことが書いてあります。21ページに1方向、2方向についての記載、4のイの部分です。「乳房エックス線写真の撮影について」とあって、要は40歳代を入れたということで2方向。ただし、50歳以上の対象者にも頭尾方向を追加することは差し支えないと記載はされています。ただ、実際には40歳代が2方向で、50歳以上が1方向だと。それはどうしてもデンスブレストということがあって、現場としては2方向ないと判定ができないというような声があったのでこうなっています。ただ、今後、例えば超音波が入ってきた場合にどうなるかということです。よりシンプルにしたほうがいいのではないかというのは、私もその可能性はありだと思います。やはり、マンモグラフィには限界はあるわけですから。その辺は多分時とともに、技術の進歩とともに変わっていくのだと思います。ただ、現時点では先生がおっしゃるようなことは、この通達を出すときにも一応検討されていたということで、今後こういった形で来年の春には、この辺も含めて見直しが必要だろうと思っています。

 事務局としてはいかがですか。

○がん対策推進官 少し確認をさせていただきますと、4ページの上に乳がん検診の論点案が3点ございまして、まず、マンモグラフィ単独検診について40歳以上の女性において現状では視触診とマンモグラフィを両方やることになっているのですけれども、マンモグラフィ単独検診について推奨することについては、そういう方向でよろしいかどうかという点が1点目。

 2点目は、視触診の位置づけとして、現状では必須ということになっているのですが、冒頭あるいは座長からも御紹介があった平成16年の報告書にもございますように、当時も当分の間、視触診もあわせ実施するということになっていまして、原則はむしろマンモグラフィ検診ということになっていましたので、そういうことも考えあわせて、視触診については現状必須ですけれども、任意とするという方向性でよろしいかどうか。

 3点目の超音波検査ですが、これについては今回一定のエビデンスが示されたと。ただ、それに加えまして、今後これを本格的に国の指針として推奨するためには、死亡率減少効果の検証も今後必要ですし、さまざまな評価体制、実施体制についての検討も必要だということですので、そういったことをさらに検討を行った上で、超音波検査について位置づけを図っていくということに関してどう考えるか。

 要するに、超音波検査については、今般の報告書の段階と実際の指針の段階がありまして、報告書の段階では有効性についても当然書き込むことになるかと考えておりますけれども、推奨するかどうかという観点に関して、乳房の超音波検査については今回は具体的に推奨するか、しないか。する場合に、例えば視触診のかわりにしてはどうかといった議論もありましたけれども、現状では視触診のかわりに単純に代替として超音波検査を位置づけるといったことに関して、まだ少し議論が不十分な点もあるのかなと考えておりますので、そのあたりについてどう考えるかといったことも確認させていただきたいと思います。

 もちろん、きょう結論を出す必要はなくて、先に今後のスケジュールを確認いたしますと、7月16日と7月30日に予定しております。7月16日に本日の議論を踏まえまして、きょうは論点案という形でかなりシンプルな形になっておりますけれども、本日の議論を踏まえまして、報告書の案という形で次回7月16日にお示しして、さらにまたそこで御議論いただいて、7月30日にさらにブラッシュアップしたものをお示しして、できればそこで報告書としてとりまとめたいと考えています。そのとりまとめた報告書に基づいて、実際の健康局長通知をどのように改定するかということを事務局で検討して改定を図っていきたいというスケジュールで考えておりますので、本日いただいた御議論を踏まえまして、事務局で7月16日の次回に向けて報告書の原案を整理していきたいと考えております。

○大内座長 まず、マンモグラフィ単独検診を推奨というのは問題ないと思うのですが、特に50歳以上については何の問題もない。問題は40歳代です。10年前と違うのは、マンモグラフィ検診の体制整備は、ほぼできています。変わらないのは高濃度乳腺密度ですので、ここは乳腺密度を考慮してといったところで視触診の位置づけ、あるいは超音波検査の位置づけについて付記するというのが私は筋だと思っています。精度管理上ふさわしいのは、それからエビデンスレベルからしても、今後位置づけが固まっていくのは超音波だと思うので、それが将来的に生きてくるような書きぶりにされれば、後で見直してもなるほどということになると思います。

 「当分の間」というのはマンモ検診が未整備状況だった10年前とは違うのですが、マンモグラフィの限界であるいわゆる若年女性の高濃度乳房について書き込む必要があるだろうと。今回のデータを見ても、超音波は精度管理をこれからさらに徹底していくでしょうけれども、それを図りながら取り込んでいくことになるかと思います。

 現に欧米では、特にアメリカ合衆国では40歳代について例のUS Preventive Services Task Forceがマンモグラフィ検診を推奨しないということを2009年に出しています。では、何をするかということで非常に困っているわけです。50歳以上については何の問題もないのですが、欧米とアジア人の違いは、アジア人は40歳代に乳がん罹患のピークがあるということです。欧米では40歳代はそれほど議論がなくても、日本では議論しなければいけない観点だということで40歳は外せないということがありますので、そこがここの大きな論点だろうと思います。マンモ単独検診というのは50歳以上では世界標準ですけれども、40歳代についてはリコメンドされていませんので、そこを守るのであれば、やはり将来的には超音波あるいはさらにMRIなども入ってくるかと思いますが、現時点でデータが出てきているのは超音波検診なので、その辺を書き込むような形でいかがでしょうか。

 ここまで言っていいのですかね、祖父江構成員。

○祖父江構成員 50歳代以上に関しては、シンプル・イズ・ベストでマンモグラフィ単独ということをきちんと推し進めるということでいいと思うのですけれども、40歳代に関しては世界的にも非常にナイーブな問題であり、日本においては40歳代の乳がんというのが一番大きな問題であるので、日本独自の考え方を示すというのも恐らくOKだと思います。そこに関しては、マンモグラフィ単独とは言いにくいところがあって、恐らく将来的にはUS併用ということになるのでしょうけれども、それはまだ時期尚早であるというところで、いろいろな選択肢がありますねということをうまく書き込むところではないかと思います。

○大内座長 ということで、今のコメントを参考にしながら、次回のときに原案を出していただけますか。

○松田構成員 少なくとも今、祖父江構成員のお話だと、50歳以上はマンモ単独でもいいのではないかというお話だったのですが、自己触診をどうするかという問題があろうかと思うんです。視触診をなくすに当たっては、私は福井なのですけれども、検討しているのは50歳以上もやはり2方向にしようかというのと、もう一つは自己触診をきちんと検診会場で教えて、それを実行していただこうということがどうなのかということですが、自己触診の意義について議論が必要なのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

○大内座長 自己触診は上海スタディが10万規模であるのですけれども、それでは効果がなかったということで、ただし、例えば今乳がん検診は2年に1回ですので途中何が起こってもおかしくないので、自己触診を勧めるというのは基本です。自己触診をしたから死亡率が下がったというエビデンスはないので、その辺は御自分の健康に留意されてということで、たぶん自己触診については通達にも書いてあったと思いますけれども、祖父江構成員、その点いかがですか。

○祖父江構成員 ポリシーとしてきちんと教育をしましょうみたいなことをするには、やはりリソースが必要なわけです。そのことに関して言うと余りエビデンスはないです。教育をして自己触診をしていただくと、死亡率が下がらない上にフォルスポジティブがふえるというようなこともありますし、その辺は慎重に行ったほうがいいような気がします。

○大内座長 斎藤構成員どうぞ。

○斎藤構成員 自己触診で見つかるがんもあるのですけれども、今出たようにエビデンスはない。一方で、検診の枠の中で自己触診をやるべきということになると自己触診が事実上、検診法のようになってしまうわけです。その情報を受けた市民の方が突然、自己触診をやり出して、そうすると非常に高率に何かしこりを触れるわけです。そして不安にかられて次の日ブレストクリニックに行列をなすみたいな話は今までもあったやに聞いていますが、これはプレバレンスとして大きな不安を発生させることになるので、あくまでも普及ということで切り分けて、この対策型検診の議論とは別にやるべきではないかと思います。

 もし、その先にこういう検診に組み入れるような可能性が出てきたら、そこまで議論が進んだときに検討すればいいことで、現状では枠組みもエビデンスもない上に、どうやってやればいいかということもはっきりしませんので、あくまでも普及という位置づけにして、別立てのほうがいいと思います。

○事務局 よろしいでしょうか。参考資料1の13ページの「()その他」に、乳がんの自己触診について記載がございます。実際に、先ほど斎藤構成員からも御指摘がありました啓発普及を図るよう努めるみたいな書きぶりに現在はなっております。

○大内座長 そういうことで書いてありますので同じような形で

よろしいでしょうか。大体の論点整理の方向性が見えたと思います。

 では、胃がん検診に移りますが、よろしいですか。胃がん検診に関する議論の整理も3つございます。お手元の参考資料1、これも老健局長通知の中で胃がん検診は最初に出てくるわけですけれども、4ページの下から5ページにわたってありますように、検診項目、問診と胃部エックス線検査ということになっています。これに今回の大きな議論は、内視鏡検査とリスク層別化検診ということで議論を深めていきたいと思います。

 第10回から参考人にも出席いただいて、最新の胃がん検診ガイドラインの概要や、特に内視鏡検査による検診についての見直し、精度管理上の問題点、偶発症に対する体制整備について議論しました。第12回は、新潟市の成澤参考人から実態について説明がありました。第13回では、リスク層別化検診ということで、ヘリコバクター・ピロリについての議論があったわけです。それを踏まえまして、資料1の4ページの下にありますように、論点案としまして、まず、現行の胃エックス線検査について、引き続き対策型検診として推奨してはどうかというのが第1点。

 第2点は、胃内視鏡検査について死亡率減少効果を示す相応の証拠が確認された、対策型検診として推奨することについてどうするか。対象年齢は50歳以上、検診間隔を2年とすることをどう考えるか。それから、安全管理は極めて大事でして、この体制整備についても検討を進める必要があるということです。

 第3点は、ヘリコバクター・ピロリ抗体検査等についてそのあり方、現に行われているところもありますし、胃がん対策の観点から重要であるということで、しかしながら、保険適用されているということで、この位置づけをどうするか。いわゆる胃がん検診の標準として入れることが可能かどうかについて議論をいただければと思います。

 最初の胃部エックス線検査については、いかがですか。これを置いておいて、まず胃内視鏡検査について議論を深めましょうか。確認です。ここに書いてある点についていかがでしょうか。

 斎藤構成員は前に濱島班のデータは説明されましたよね。胃内視鏡検査のエビデンスレベルについて改めてどうぞ。

○斎藤構成員 ガイドラインの内容ですか。つい2〜3年前では死亡を指標にした研究が6つあったのですが、何かを判断するだけの水準に達している研究はなくて、不十分な証拠ということだったのですが、国内からの研究と、韓国のナショナルデータ、これはパブリッシュされていないのですが、つまり複数の研究が出て、評価に耐え得るレベルと見なせる研究が出て、それによって相応の根拠があるということで推奨というガイドラインの結論になったわけです。

 対象年齢については、エックス線を決めたときの効果の大きさを、1例救命するために必要な受診者数という指標を例えばもとにして、そういった勘案もしますと、エックス線の効果の大きさに対応するのが50歳以上ということで、対象年齢は50歳という推奨になりました。

 検診間隔2年というのは2〜3年としてあるわけですが、特定するほどの根拠はないのですが、2〜3年効果が続くであろうという結果が得られていること。それから、感度がエックス線より高そうだということで、それを裏付けるというような判断です。

 内視鏡については、マネジメントが非常に難しいということがあって、内視鏡検診を対策型としてやるためには、しかるべき必要条件を満たさなくてはいけないという整理でした。

 以上が、ガイドラインの大体の概要です。

○大内座長 資料1の2ページ下、第11回の検討会の論点とありますが、これについて改めて説明いただきました。いかがですか。胃内視鏡検査に関する位置づけですけれども、死亡率減少効果を示す相応の証拠があるということで、今回は踏み込んで本検討会でも胃内視鏡検査も推奨するということについて、いかがでしょうか。ただし、その場合、年齢が50歳以上であって、検診間隔は2〜3年でも可とする。

○松田構成員 今回、内視鏡でも胃がん死亡率の減少効果が示されたということで、胃がん検診の方法としては2つあると。1つは従来のエックス線で、もう一つが内視鏡。

 内視鏡をやるに当たっては、どこでもそうかと思うのですが、やはりキャパシティーの問題があって、全てを内視鏡で置きかえてしまうということは現実的には無理だと思うんです。ですから、従来のエックス線でしかやれない地域は当然あるでしょうし、併用、2つでいくことが必要だろうとまず思います。

 そこで年齢と受診間隔ですけれども、従来胃のエックス線は40歳以上とうたっていて、これから新潟でも金沢でそうだったと思いますが、選択でどちらでも構わないという形で行っている地域がこれまでは多かったかと思いますが、胃のエックス線は40歳以上で、内視鏡は50歳以上というのは、なかなか理解が得られない面もあるかと思います。ただ、キャパシティーの問題で内視鏡は50歳以上にせざるを得ない、地域によってそういうやり方はあるかと思うのですが、エックス線と内視鏡で間隔、対象年齢を変えることがどうなのかというあたりが、実際に行うとすると問題になるのではないかと思います。

○大内座長 いかがでしょうか。私も気になっていましたが。

○井上構成員 まさに、それを発言させていただこうかなと思っていたのですけれども、やはり方法によって年齢が分かれるというのは対策型検診上とても理解しにくいところというか、行政の立場に立ったとしても導入しにくい部分があると思うので、やはり年齢はそろえたほうがいいのではないかと普通に考えると思うわけです。両方40歳からとする手もあるかと思うのですが、逆に、エックス線検査を50歳代に引き上げるという選択肢はないのかなと思いました。今回は特に胃内視鏡検査に特化して50歳からとなっていたので何か変えられないかなと。どちらかを合わせて、とにかく同じ年齢にしたほうがよろしいのではないかと思いました。

○大内座長 ダブルスタンダードは無理ですよね。内視鏡検査を導入するのであればという条件で、それは50歳以上で間隔は2年以上というのはわかるのですが、では、胃エックス線検査はどうするのだということで、同じことを適用すると今まで40歳代で実施されているところもたくさんあるし、データ的にもかなり持っていらっしゃると思います。

 ガイドラインを先ほど確認したのですが、胃内視鏡検査については年齢と検診間隔は書いてあるのですが、胃部エックス線検査については年齢に踏み込んだ記載がなくて、間隔もないんです。ありますか。

○事務局 ガイドライン上は、エックス線は対象年齢は50歳以上が望ましいという記載はございます。

○大内座長 「50歳以上が望ましい」と書いてあるそうです、失礼しました。

○祖父江構成員 レントゲンは何も書いていなかったですか。

○がん対策推進官 国立がん研究センターのガイドラインの記載ですけれども、3月27日に検討会でもお示しした資料の記載として、胃エックス線については対策型検診としての実施を推奨する、検診対象は50歳以上が望ましい。検診間隔についての記載はこの資料にはございません。内視鏡につきましては、同様に50歳以上が望ましく、検診間隔は2〜3年とすることができるとされております。この記載を踏まえて現実の指針としてどういうふうにしていくかという両面あろうかと思います。確かにおっしゃるとおり年齢を合わせるべきだという観点ももちろんございますし、現行40歳でバリウム検査、エックス線検査で行われていることをどう考えるかという観点もあろうかと思います。その点について、まさに御議論いただければと思います。

○大内座長 では、祖父江構成員どうぞ。

○祖父江構成員 今のステートメントは、今回の国がんからのガイドラインということですね。従来からのレントゲンに関しては特に間隔とか年齢はないということですね。

 私も年齢の区分というのはそろえたほうがいいと思います。レントゲンは40歳とか内視鏡は50歳というのは、やはりポリシーとして複雑といいますか、方法はどうあれターゲットとする年齢は一緒のほうがいいと思います。ただ、今まで40歳と言っていたのを50歳に引き上げるというのは、見た目上サービスの低下ということになるのだと思いますけれども、今割と世界的な風潮としては、いったん普及した検診というものをオーバーユーズ、過剰な利用に関して適切な方向に持っていくという方向性が結構示されていると思うんです。PSAに関しても、あるいは乳がんに関しても、そういう方向性の検討がされていますし、それがかなり難しいということは実は言われていて、一旦検診が提供されると、多くの人が検診はよいことと思っていて、検診の範囲を狭めるあるいは使わない方向に変えるということがかなり難しく、特に、高齢者の意識を変えるというのはほとんど不可能に近いというデータも出ているようです。だけれども、適正な方向性を示していくというのがなければ、オーバーユーズということに関してきちんとした方向性を示すというのが、私はこういう検討会などの役割ではないかと思います。ですから、サービス低下ということだけでなく、適正な利用ということをきちんと示し、この場合、具体的には40歳ではなく50歳ということで年齢区分を上げるほうがいいように思います。

○大内座長 どうぞ。

○斎藤構成員 ガイドラインで評価してまとめているものは、研究をもとにその年齢でできればその検診間隔で、最初にどういう方法でということですけれども、それで有効かどうかということです。それから、不利益とのバランスがどうかということを言っているわけですが、この有効性は余り変わらないと思いますけれども、それも全く変わらないわけではなくて、トレンドで変わってくるわけです。例えば、死亡がどんどん減ってしまったら有効性もなくなるということもあり得るわけです。

 ですから、あくまでも有効性があるかどうかを示していて、それをどう採用するかということを判断する基礎資料であると。具体的には年齢に関しては40歳以上で有効性ありといったら40歳以下はないわけですけれども、40歳以上の対象年齢でどこまでを対象にするかというのは、議論の問題だと思います。

 それから、さっき言ったとおり、一旦有効性がありとされたものも疾病負担が変化するということでも変わるわけですから、そういう見直しは当然必要だということだと思います。

○大内座長 がん検診の費用に関しての議論がきょうは余りないのですけれども、本当はそこも含めて議論しないと。最終的には、ここは局長の諮問委員会ですし、厚生労働省として、がん検診の指針の見直しに入るとなった場合に、それが市町村事業として入っていくわけです。その場合どうしても財源が伴うわけですので、平成10年にがん検診費用が一般財源化され、あれから17年経過していますけれども、これは内視鏡検査による検診が加わればその分コストが上がるわけです。では、それはきちんと持てるのかということです。私の記憶では多分、国から一般財源化されても年間がん検診費用としては1,300億円ほど入っていると思いますが、それがどうなっているか中身はわかりませんけれども、いずれにしても効率性のことも考えて、祖父江構成員もおっしゃった世界的な見直しがあるというのは、検診の対象年齢とか絞り込みというのも効率性のことも入っているのだと思います。そこまでこの検討会で議論するかということになると、大変重たいですね。

○祖父江構成員 世界的にオーバーユーズに関する警鐘を進めているという背景は、別に費用のことではなくて不利益のことだと思います。利益・不利益バランスが悪い対象者に対して検診を行うことはどうなのかというところであって、お金のことはちょっと違う観点だと私は思っていますが。

○大内座長 それはもちろん。最終的にはこういったことを決めても、また多分、厚生労働省は財務省との折衝が必要になりますね。もちろん、いわゆるがん検診の不利益、効率性の問題も議論しなければいけないのですが、そういう観点から胃がんの対象年齢をどうするか、胃内視鏡検査を仮に50歳以上、検診間隔を2年とした場合、それを胃エックス線検査と分けて示すのかということなので、この点は次回までに検討をしてお示しするということでどうですか。多分このままでは切りがないですね。

 福田構成員、いかがですか。

○福田構成員 祖父江構成員おっしゃるように、メインは不利益のほうだと思うのですが、一方でコストも気になってしまって、先生がおっしゃるとおり実施していくとなるとお金がかかることになりますから、そこの検討も大事だと思います。確かに追加的なメリットがそれほどないのであれば、やらないほうが不利益も少ないし、コスト的にも見合うのだと思いますので、その辺の検討はすべきかなと思います。

 あと、以前の資料を見直すと、確かに胃のエックス線と内視鏡と両方50歳以上と書いてあるものもありますし、40歳代については3番目のリスクの層別化みたいなものとあわせてデータを蓄積すべきみたいなものが研究の提言としてついているようですので、その辺を組み合わせて検討するというのもあるのかなとは思います。

○大内座長 例えば、案1としては、エックス線も内視鏡と同じくして50歳以上で2年間隔。第2案として、やはりエックス線はこれだけ日本で浸透しているわけですから40歳のままということで、その点について検討を進めるということと、今、福田構成員から言われましたように、リスクの層別化についても年齢もあわせて検討したほうがいいということですね。

○福田構成員 そのときの検討会の資料のガイドラインの推奨グレードの下に、研究の提言というものは恐らくそのガイドラインについていたものだと思いますけれども、その中では40歳代を対象とする妥当性については、ピロリ菌感染リスクをもとに再検討するための基礎資料を蓄積すべきであるという提言をされていますので、特に40歳代についてはそういうものが必要ということなのかなと理解したのですが。

○大内座長 では、まずは基本案としては、対象年齢、検診間隔についても踏み込んで議論しましょうということですね。その場合に50歳以上という案もありということで、引き続き検討いたします。

 第3点のリスク層別化検診ですが、この扱いについて御議論いただきたいと思います。ここにはヘリコバクター・ピロリ抗体検査等についてとありますが、胃がん対策への観点から重要である。しかしながら、保険適用とされていることが現実です。今現在、知見の集積、いろいろな検討がされているところでして、前回も活発な御討議があったところです。リスク評価、いわゆる高リスク群の管理体制等について、もう一度意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○斎藤構成員 これはあくまでも研究ということだと思います。問題は今実際、リスク層別という名前か何かわかりませんけれども、検診として実際に行われてしまっているという問題があるわけですが、本来研究ですよね。エビデンスがないわけです。

 それともう一つ、やってしまっている現状を見ると、ほとんど例外なくわかるのですが、全然マネジメントができていない。つまり、検診をやる条件としては有効性と不利益が少ないということのほかに、もう一つマネジメントの体制ができていなくてはいけないということがあるのですが、それが全くできていない。現状では、市民は、従来の検診に変わり得るものだと誤解せざるを得ないわけです。そういうことで既存のある意味しっかりした部分もある検診が、そういうマネジメントできない検診に置換されてきているという現状もあるわけで、あくまでも将来有望であるから、リサーチをしてそういう方法を編み出しましょうという本来の位置づけを明確にすべきではないかと思います。

○大内座長 ヘリコバクター・ピロリ抗体検査、ペプシノゲン検査については、がん検診との関係について、その位置づけを検討してはどうかということですね。

 道永構成員、何かコメントありますか。

○道永構成員 不勉強で申しわけないのですけれども、ヘリコバクター・ピロリの感染が今後新しくできるということがなければ、これから対策型検診としていわゆるABC検診というのを入れる必要があるのかどうかというのは甚だ疑問です。あと、保険適用できているということは、意外と簡単に普通の開業の先生が検査をして、陽性だったら除菌しておこうねというところで話が終わってしまいますので、それが一番受けている方にとっても簡便な方法なので、いわゆる対策型検診ということで自治体が行うにはちょっとそぐわないのかなという感じがいたします。

○大内座長 井上構成員、何かございますか。

○井上構成員 リスク層別化については、今後の胃がんの特徴としてはピロリ菌が原因であって、それが日本人の特徴として世代によって全く感染率が違う。要は10年下がれば低リスクになっていくわけで、先ほどの50代、40代というのがある意味境目になっていて、その後に検診の効果がガラッと世代で変わってしまう。あと10年、20年の間にそれがやってくるということです。なので、それを踏まえながらこのピロリ菌抗体検査やペプシノゲン検査の位置づけを考えていかなければいけないと思っております。やはりリスク層別化はリスク層別化以外の何物でもないので、リスク層別化をしてから今普及している胃がんの対策型検診のような検診方法を持ってくると、不利益とかそういうことよりも前面に出てくるのはどちらかというと、リスク層別化によってピロリ菌やペプシノゲンを検査する医療費がどのくらい余分にかかり、それによってエックス線とか内視鏡検査に持っていける人たちがある程度選別されるとするならば、全員やっていたときよりもお金がどのくらい節約できるのかというところにかかってくるのではないかという気もしていて、いずれにしても、先ほど言われたように、今はあくまでリサーチのレベルを抜けていないので、これをいきなり導入するのは当然早過ぎるわけで、今のところは研究をしてどういう位置づけにするかを検討する段階にあるということではないかと思います。

 ただ、方向性としては、世代の出生コホートがどんどんずれていて、日本人にとってはそれが非常に大きな胃がんの特徴であって、リスクグループの年齢が下がれば下がるほどピロリ菌の保有率も劇的に下がってしまっているという現状の中で、検診の方法を考えていかなければいけないので、どちらかというと、日本人の対策型胃がん検診は、余り固めないで我々の中では柔軟に考えておかないと、ここで提言しても戦略が10年後には変化している可能性は十分あると思います。

○大内座長 どうぞ。

○松田構成員 胃がん検診の対象年齢ですけれども、今のリスク評価も絡めてですが、今後HP(ヘリコバクター・ピロリ)感染は非常に減ってきて、胃がんの罹患も減って、祖父江構成員がお話しになったように、胃がん検診の対象年齢を考える時期は間違いなく来るのだと思います。ただ、それが今なのか、40歳以上をやめていいのかということになると、ちょっとまだ議論が必要なのかなと思います。

 内視鏡にしろ、エックス線にしろ、今実は判定の仕方が随分変わってきまして、ヘリコバクター・ピロリの感染があるのかどうかというのは間違いなく画像でも見ている。100%とは言いませんが、非常に胃がんのリスクが低いような方には、深尾参考人もHPとペプシノゲンの併用の観点からお話しになったのですが、非常にリスクが低い人たちは胃がん検診の対象から除いていいのではないか。本当にリスクが低いと判定されればということだったのですが、画像で間違いなく未感染という方については今後、対象から除く。そうすると不利益も減らせるのかなと思っているので、今後画像診断でもヘリコバクター・ピロリの感染があるかどうかをきちんと情報として伝えていくということが今始まっていますし、間違いなくそれが必要になると。そのときに対象年齢はしっかり考えていいのかなと、今の時点では内視鏡、レントゲンともに40歳以上にしてもいいのではないかと思います。

○斎藤構成員 先ほど来からの議論は、リスク検診なるものが実態がもうできていて、標準化もされているというような前提で話がされているような気がするのですが、実はそうではなくて、まず、ピロリ菌の抗体価に関しても、全く閾値はどこがいいのかよくわからない、それから、萎縮の指標もそうなんですね。それから、ここの部分は受け売りですけれども、キット間の比較性、同じカットオフポイントでどういう関係なのかということもほとんど比較性が担保されていないそうです。

 実際最近、いろいろなことがわかってくるのですが、もう一つは萎縮もない、ヘリコバクターもいないという本当にいない群からも非高分化腺がんのグループが10%あるというのは、ほぼエスタブリッシュしていまして、実際最近HPがいないところから胃がん死亡例が報告されているんです。つい先週も抄録レベルですけれども。ですから、Aで対象を除外できるか、低リスクを除外できるかということ自体が、一体どのくらい客観性があるかまだ全くわかっていないんです。ですから、くれぐれも言っておきたいのは、エビデンスという以前の問題で全く標準化されていないということを、まず認識しておく必要があると思います。

○松田構成員 今、リスク検診とか層別化でA群と、途中でその言葉を使ったので混同してしまったかと思いますが、今、血液でリスクの層別化をしようということではなくて、あくまでエックス線と内視鏡という2つでこれから胃がん検診を始めようと。それについても、最近はHPの未感染かどうかをきちんと判定するようになっていると。100%とは言わないのですが、それで未感染だと判定できる人については、不利益を軽減するためにも検診間隔を開けられるのではないかというお話をしたので、血液を胃がん検診に用いようという意図はありません。

○斎藤構成員 それについても病理ベースでやると、内視鏡で萎縮なしとした感度が70%にすぎないという報告も非公式ながらあるんですね。ですから、全て何がどこまで固まっているかわかっていないということだと私は理解しています。

○祖父江構成員 胃がんの罹患率が下がっているということもあり、年齢の下限を上げるという一般的な話はそうなのですけれども、胃がんの場合は一様に下がっているわけではなくて、リスクの高い人は減っているというか、感染の割合が減っている。感染している人はリスクが下がっていないわけです。ですから、今のリスク層別化の話と関連しますけれども、40歳代人たちを一様に検診をやめてしまうというのは余り賢い方法でもなくて、リスクの高い人には継続的に検診を提供するということが恐らく重要なのだと思います。その割合が世代ごとにどんどん減っていくのだろうと、そのことがある程度わかっているわけですから、リスク層別化ということをきちんと研究で進めていって、一様にというヘルスポリシーではなくて、リスクの高い人には検診を提供し、そうでない人には抑制的に行うということが恐らく王道なのだと思います。ただ、それが余りにハイリスクの人が少なくなるとか、そういうことになったら、ヘルスポリシーとしてはそこで打ち止めということになるのでしょうけれども、そのレベルにはまだ今の40歳代の人は達していないというか、ヘテロにハイリスクの人がいるから、そういう人に対してポリシーとしてカバーすべきではないかというのはあると思います。

○大内座長 今のヘリコバクター・ピロリ、ペプシノゲン検査に関する意見も大体出ましたけれども、世代の罹患の流れといったことも勘案しながら、これは実は最初に議論した胃エックス線検査の対象年齢についても関連するわけです。かといって、ここで結論を先送りするのも検討会としては何をしたのかということになりますので、やはり一定の案をこれから出していただいて、次回にもう一度議論することにします。今は、まず胃内視鏡検査については導入。これも50歳で2年をベースにして、胃部エックス線検査の扱い、それから、リスク層別化、これは今皆さんの多数の方が、まだエビデンスレベルが弱いということと、今後の日本人の胃がん罹患動向を見据えるに、やはりハイリスクという観点で、例えば、今、松田構成員が言われたように、エックス線検査、内視鏡でもわかるのではないか、血液検査でなく現状の胃エックス線と内視鏡検診も含めて層別化も可能ではないかということも含めた議論の整理をしてもらえればと思いますが、事務局でできますか。

○がん対策推進官 素案ということでお示しすることは可能かと思います。少しバリエーションのあるような形になってしまうかもしれないですけれども、素案をまとめてさらに次回御議論いただくことは可能かと思います。ただ、バリエーションがなるべく少ないにこしたことはないので、改めて確認をさせていただければと思いますけれども、4ページに下に沿って確認いたしますと、胃内視鏡検査について対策型検診として年齢と検診間隔はとりあえず別として、対策型検診としてこれも一つの方法として推奨することについてはコンセンサスが得られているという理解でよろしいでしょうか。

 その上で、年齢と間隔ですが、年齢について今般改定された国がんのガイドラインでは50歳以上で2〜3年とすることができるとされているところですが、仮に年齢について50歳以上とした場合には、胃エックス線検査にも関連が出てきまして、胃エックス線検査について同じ年齢でやったほうがいいのではないかという御議論がありました。一方、現状で胃エックス線検査については40歳以上で行われておりますので、それについてどう考えるかという点がございます。

 それはとりあえず今は置いておいて、内視鏡の検診間隔について2〜3年とすることができるということなのですけれども、これについては少し安全を見て2年ということをこの段階では論点として記載させていただいているのですが、これは2年という記載でいいのかどうかという点について、今御議論があればお願いしたいと思います。

○大内座長 胃内視鏡検査の検診間隔については、祖父江構成員、2年間でよろしいですか。

○祖父江構成員 有効性の観点から2年間あけられるという話でしたか。

○斎藤構成員 そうですね。

○祖父江構成員 ただ、現実に検診を行っていく場合に、ずっと内視鏡を受ける人もいるでしょうけれども、間にレントゲンを受けたりすることもあるでしょうから、なかなかコンビネーションとしては難しい、間隔を一定にするということがなかなか難しいかもしれないです。だけれども、できるだけ内視鏡を1回でも受ける人をふやしていくという方向性ではないかと思ったりします。ですから、ずっと内視鏡だけで行う集団も恐らくあるでしょうけれども、できるだけ内視鏡を1回でも受ける人をふやす方向性で、レントゲンもうまく組み合わせて行うというような形のやり方もあるのではないかと思います。

○大内座長 松田構成員が最初に言われたように、今一遍に内視鏡全てに移行することは絶対に不可能ですから、多分両論なのでしょうね。あとは検診間隔とすれば2年を基本として、その辺をこれからやりとりしましょうか。どうぞ。

○菅野構成員 きょうの議論全体を通してになると思いますが、正直私の所属する組織、基礎自治体は大体始めるのは簡単ですが、やめるのが苦手という組織で、実施する現場のことを考えると、足並みは結構合わせていただきたいと思うんです。さっきの書きぶりもそうですが。特に今のお話ですと、胃エックス線と内視鏡がどっちを受けてもいいけれども、例えば順番に受けられるみたいなことがあると、それは両方の体制をそろえて毎年毎年1個ずつ交互に受けるみたいな議論につながりますので、やるのであれば胃内視鏡もしくはエックス線どちらかを50歳以上で2年に1回受けるとか、そのような整理をすることが、現場は全てを毎年みたいに、やれればやったほうがいいという方向にどうしても動きますので、研究の域でその数がとれるということは別の意味で大事だと思いますが、自治体現場でやることを考えますと、そろえて条件はシンプルな方向でお願いしたいと思います。

○大内座長 事務局はよろしいですか。

○がん対策推進官 なるべくシンプルに年齢を合わせるという観点で考えますと、胃内視鏡は50歳を前提にすれば胃エックス線検査は50歳に合わせるという議論になるのですが、一方、本日の別の議論として、現段階で40歳から50歳に上げるのもどうかという議論もあったかと思います。そうなると、むしろ現行の胃内視鏡検査を合わせて40歳以上にするという議論も本日の議論の中であったかと思うのですが、そのあたり、要するに胃エックス線検査40歳、胃内視鏡検査40歳に合わせるという選択肢に関して、もし御議論があればお願いします。今回整理できなければ、バリエーションという形で次回にお示しできればと思いますが、もし、今議論があればお願いします。

○大内座長 ガイドライン上で50歳以上でも可という書き方だったと思いますが、50歳以上が望ましいということですね。合わせる場合に40歳代でもいいですかという事務局からの質問ですが、いかがですか。

○菅野構成員 専門でないところでバンバン言いますが、先ほど内視鏡の対象年齢を50歳以上とするというときに、エックス線の導入時のリスク評価が、始めたときのエックス線の40歳のリスクが今の50歳だからということがあったかと思いますが、その議論のベースで4050を合わせるべきではないかと思います。要は、胃内視鏡については当時の40歳だから50歳でいいけれども、胃エックス線は当然50歳に上がっているはずだと思うのですが、それを合わせないという話はちょっとおかしな議論かなと思いまして。ここについてはどの検査を入れるにしても、エックス線導入時のリスクが現在50歳に上がっているのでしたら50歳ですし、40歳なら40歳のどちらかの二択なのではないかと思ったのですが。

○大内座長 不利益等を考えますと、やはり本来であれば最初の案のとおり50歳なのでしょうね。祖父江構成員いかがですか。

○祖父江構成員 年齢というよりも、もっと賢いリスクの分け方というのがあるのかなと思うわけです。

○大内座長 どのように明記するかによりますね。書き方によると思いますが。どうしますか、40歳としておいては何も進歩がないですかね。

 では、次回までに素案をつくっていただくのですが、非常に悩ましいところでして、井上構成員からも2つの検診の対象年齢が違うのはおかしいという、それもごもっともですから、今のところを基本50歳でいけるかどうか、40歳代に問題を残さないために「当面の間」とか、ただし書きができると思います。そういうことで原案を作成していただくということでいかがでしょうか。

○祖父江構成員 年齢の下限に関しては胃がんだけの話ではなくて、変更したほうが適切ではないかというようなものがほかにも幾つかあります。恐らく罹患率の問題からいうと肺がんなども40歳代というのは余り適切ではないかもしれませんし、子宮頸がんなどもちょっと若過ぎるというのがありますね。そことのバランスもあったりするので、なかなか胃がん単独で話をするのも難しいところがあります。そういう観点もあるということです。

○大内座長 がん検診の開始年齢もそうですけれども、終了年齢についてきょうは全く議論していませんけれども、そもそも諸外国では、例えばマンモグラフィ検診、基本的には6469歳、どんなに高齢でも74歳ですよね。今がん対策基本計画では、がん死亡率の指標は74歳までですね。検診については、いつだったか祖父江構成員から69歳が望ましいのではないかという意見もありました。多分これは胃がん・乳がん検診についての中間報告がまとまった後で議論すべきことだろうと思っていました。開始年齢、終了年齢についてもそろそろ議論すべきだろうと思っていましたけれども、よろしいでしょうか。きょうは胃がん検診について、いろいろデータが出てきたところを整理させていただくと、50歳というのがキーワードですが、まだ結論ではありません。きょうは議論していただいて、次の検討会でさらに検討して、だめなときは続けて間隔を余りあけずにやる予定でおりましたので、そのことも含めて事務局から説明いただけますか。今後のスケジュールについて。

○がん対策推進官 先ほど前倒しで御説明したことも含めて、改めて今後のスケジュールについて御説明いたします。

 次回につきましては7月16日を予定しております。次々回につきましては、7月30日を予定しております。次回に本日の議論を踏まえまして、より報告書に近い形で整理したものをお示ししまして、それについてさらに御議論をいただいて、7月30日に報告書としてとりまとめを図りたいと考えております。詳しい時間・場所につきましては、後ほどまた御連絡をいたします。

○大内座長 本日は、構成員全員出席という最近ではないことでしたので、私としては皆さんから意見をいただいて非常によかったと思っています。

 いろいろな議論をいただきましたので、それを勘案しながら次回、事務局に整理していただいて、まとめの案を出すことでよろしいですか。

○菅野構成員 最後のほう年齢の話でずっといきましたが、間隔についてもこの間のガイドラインの中で、胃がんエックス線でも1〜3年の間は有意な差がという記述もどこかにあったように思ったのですが、その検討も踏まえて2年に1回ということも合わせられるならそれもいいと思うので、ベースの中に入れておいていただきたいのですが。

○斎藤構成員 そこは3年まで効果があるというのは言えなくもないのですけれども、1〜3年の1年と意味とは違うんですね。3年以内に1回でもあり、あるいは2回あり、3回あり、全部ひっくるめての計算なので、根拠としては1年が一番強いです。内視鏡については韓国のデータを見ると、大きいデータなのでいろいろ差が出ているんです。ちょっとそこは差があります。

○大内座長 オッズ比が0.8前後で2年、3年は変わらなかったと思いますが、乳がん、子宮頸がんが今から11年前に2年に1回としたのもありますけれども、今回胃がんについて2年に1回というのは行政的にも合わせやすいのではないかという気がしますけれども、いかがですか。

○菅野構成員 そうですね。行政的には2年に1回とかで合わせていただいたほうがもちろんいいですし、リスクが変わらないのであれば当然2年に1回のほうがいいわけで、毎年の機会が残りますと順番にやるとか、ある年は両方受けるとか不利益がどんどんふえる方向かと思いますので。

○大内座長 検診間隔と対象年齢についてはまた別途議論します。これは臓器を超えますので、ここで深めるのはなかなか困難だと思います。

 ほかに御意見があればどうぞ。

○斎藤構成員 細かいことで恐縮ですけれども、ちょっと今蒸し返しになったので。さっきの菅野構成員のモダリティーをどちらかにしてくれという話ですが、エビデンスがあるものが複数あった場合は、どれか受けるというのが恐らく受診率の上でもいいだろうし、効果は足し算になるんですよね。例えば、アメリカの大腸がん検診がまさにそうで、「any modality can contribute」となっているわけですよね。ですから、エビデンスがあれば、胃がんはほかではないエビデンスが複数の方法についてあるということで、できればそれを生かしたほうがいいと。ただ、実際にやる自治体の大腸がんを初めとするマネジメントとの天秤ですよね。そちらだけで判断しないで、できれば選択ができたほうがいいということを申し上げておきます。

○大内座長 よろしいでしょうか。

 事務局からさらにございますか。

では、本日の検討会はこれで終了したいと思います。構成員の皆様方、大変御苦労様でした。


(了)

健康局がん対策・健康増進課

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