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2015年6月10日 中央社会保険医療協議会 総会 第298回議事録

○日時

平成27年6月10日(水)11:01~12:21


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室(21階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 松原由美委員 田辺国昭委員 野口晴子委員
吉森俊和委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
鈴木邦彦委員 中川俊男委員 松本純一委員 万代恭嗣委員 
長瀬輝諠委員 堀憲郎委員 安部好弘委員
丹沢秀樹専門委員 宮島喜文専門委員 福井トシ子専門委員 岩田利雄専門委員
<事務局>
唐澤保険局長 武田審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 佐々木医療課企画官
込山保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器の保険適用について
○先進医療会議の検討結果の報告について
○薬価専門部会からの報告について
○保険医療材料専門部会からの報告について
○入院医療(その2)について
○その他

○議事

○森田会長

 それでは、ただいまより、第298回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 委員の出席状況でございますが、本日は、西村委員、花井十伍委員、田中委員、榊原委員が御欠席です。

 局長も国会のため欠席です。

 それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思いますが、本日は、4つ会議がございますので、迅速な審議に御協力をいただきたいと思います。

 まず、初めに報告事項でございますが「医療機器の保険適用について」を議題といたします。

 事務局から、資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 中医協総-1でございます。

 保険適用が既に開始しております、新規の医療機器に関する御報告でございます。

 1ページ目が、医科、A2(特定包括)ということで、技術料に包括されているものでございまして、2ページ目が、医科のBということで、技術料のほかに算定できるものでございます。

 3ページ目の一番上は、5月27日の中医協総会で御承認いただきました、新たな医療機器の新区分でございます。

 また、歯科のA2、Bもございます。

 なお、4ページ目でございますけれども、これは、5月1日に、既に保険適用を開始しているものでございますけれども、先般の中医協でご報告した資料からは、漏れておりましたので、改めて提示させていただいております。大変失礼いたしました。

 以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたら、御発言をお願いいたします。

 よろしいでしょうか、御質問等ないようでございますので、本件に係る質疑は、このあたりといたします。

 続きまして、同じく報告事項でございますが「先進医療会議の検討結果の報告について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、これも御説明をお願いいたします。

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 中医協総-2をお願いいたします。こちらは、5月7日に開催された先進医療合同会議での評価結果の報告でございます。これは、先進医療の審査期間が平均6ヶ月かかるものを3ヶ月に短縮するという国家戦略特区の特例のために、先進医療会議と先進医療技術審査部会を合同で開催したものでございます。

 技術名が、周術期hANP投与による非小細胞肺がんの術後再発抑制でありまして、適応症等が非小細胞肺がん完全切除手術予定症例でございます。

 使用します医薬品がハンプ注射用1000でございます。

 技術概要でございますけれども、35ページをごらんいただけますでしょうか。

35ページの内容の(先進性)の部分に、hANP製剤は、急性心不全に対する第一選択薬として用いられておりますが、この循環作動薬として頻用されている本邦発の薬剤をがんの再発抑制を目的として使用するという点で先進性があると記載がございます。

 具体的な内容は、36ページでございまして、非小細胞肺がん完全切除例に対する周術期hANP投与に関する多施設共同無作為化比較試験によりまして、患者さんを投与する群、しないに分けます。主要評価項目が術後2年無再発生存期間としております。

 なお、37ページにロードマップがございまして、今回は、臨床研究の次にあります、真ん中の先進医療でございます。この先進医療の結果を踏まえまして、剤型変更などを検討した上で、治験を実施し、薬事承認をとり、保険収載を目指していこうと、いう流れになっているものでございます。

 1ページにお戻りいただきまして、保険給付されない費用に関してのところでございますけれども、123,000円でございますが、このうち121,000円は研究費負担ということで、残りが患者さんの御負担ということになります。

 保険給付される費用は、1591,000円で、保険外併用療養費分に係る一部負担金のところですか、688,000円となっております。

 この技術に関しましての御報告は、以上でございます。

○森田会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたら、どうぞ、御発言をお願いいたします。

 よろしいでしょうか。

 ないようですので、本件は、このあたりにいたします。

 続きまして「薬価専門部会からの報告について」を議題といたします。

 本日は、薬価専門部会の西村部会長が御欠席のため、野口部会長代理から御報告をお願いいたします。

 どうぞ。

○野口部会長代理

 本日の薬価専門部会において、次期薬価制度改革について及び平成27年度薬価調査について議論いたしました。

 次期薬価制度改革については、引き続き薬価専門部会で議論を深めることとし、薬価調査については、事務局提案の予定どおり進めていくこととなりましたので、御報告いたします。

 以上です。

○森田会長

 どうもありがとうございました。

 事務局から補足があれば、お願いいたします。どうぞ。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 先ほどの部会長代理の報告に加えまして、先ほどの薬価部会におきまして、価格の妥結状況と流通改善について、それから、薬価改定の頻度についても御議論をいただきました。これらについても、引き続き中医協において議論を継続するということになってございます。

 報告は、以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、御質問等ございましたら、御発見をお願いいたします。

 長瀬委員、どうぞ。

○長瀬委員

 6ページの単品単価の取引状況のところで、単品単価をすすめているわけなのになかなか単品単価が進まない。先ほど、白川委員が資料を提出するようにというふうにおっしゃっていたのですが、総価取引とか、ほかのところは、どうしてこういうふうなことがなかなか進まないのかというデータも出していただければと思います。

 以上です。

○森田会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中井薬剤管理官

 薬剤管理官でございます。

 単品単価については、先ほど、白川先生からも御指摘をいただきましたように、ヒアリングをする際に、そういったこともわかるデータを出していただくということがございますので、それもあわせて検討させていただきたいと思います。

 それから、財務の関係のデータについては、私ども、その真偽はよくわかりませんけれども、ただ、チェーン薬局の実態については、医療経済実態調査なども踏まえまして、中医協においても御議論をいただければと考えてございます。

 以上です。

○森田会長

 長瀬委員、よろしゅうございますか。

○長瀬委員

 はい。

○森田会長

 ほかにいかがでしょうか。

 よろしいですか。

 ほかに質問もないようですので、本件につきましては、本日いただいた意見も踏まえまして、引き続き薬価専門部会で議論を深めていただくということいたしまして、中医協としては、これまでのところ承認するということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○森田会長

 ありがとうございます。

 それでは、ただいま説明のありました件につきましては、中医協として承認することにしたいと思います。

 続きまして「保険医療材料専門部会からの報告について」を議題といたします。

 まず、保険医療材料専門部会の印南部会長から御報告をお願いいたします。

 どうぞ。

○印南委員

 本日の保険医療材料専門部会において、保険医療材料制度改革の今後の検討の進め方について及び平成27年度材料価格調査について議論いたしました。

 保険医療材料制度改革については、引き続き、保険医療材料専門部会で議論を深めることとし、材料価格調査については、事務局提案の予定どおり進めていくことにしたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 事務局から補足があれば、お願いします。

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 本日の部会の議論では、今後の進め方に対しては、御質問いただきましたけれども、その点も踏まえて進めていくということと、資料には記載しておりませんが、業界等のヒアリングも実施しながら議論を進めていくということになっているところでございます。

 以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明について、御質問等ございますでしょうか。

 よろしいですね。

 それでは、本件につきましても、本日いただいた、先ほどの材料部会で出ました意見も踏まえまして、引き続き保険医療材料専門部会で議論を深めていただくことといたしまして、中医協として承認することにしたいと思いますが、よろしゅうございますね。

(「異議なし」と声あり)

○森田会長

 それでは、説明のありました件につきましては、中医協として承認することにいたします。

 続きまして、次期診療報酬改定に向けた議論といたしまして「入院医療(その2)について」を議題といたします。

 事務局から資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。

 医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 医療課長でございます。

 資料は、お手元の総-5と、総-5の参考となりますが、総-5の参考は、先ほど、基本問題小委員会のほうで御議論いただいた入院医療分科会の関係の調査結果でございます。必要に応じて御参照いただければと思いますが、ポイントになる資料は、総-5のほうに改めて掲げさせていただいておりますので、なるべく重複しないように総-5で説明させていただきます。

 3ページ目からですけれども、前回3月4日に御議論いただいて、主な意見を掲げさせていただいておりますので、御確認いただければと思います。

 6枚目ですが「7対1入院基本料の届出病床数の動向」ということで、スライド6の真ん中にあります図を見ていただければと思いますが、前回は、2610月現在の7対1の基本料の届出状況を御報告させていただきましたが、今回、27年4月現在の新しい数字を、そのさらに右側に加えさせていただいております。

10月時点で2万7,600床減って、さらに、その後、7,700床減っているということで、ふえた部分もありますので、10月から4月にかけてということですと、2,300床減っているというような数字になっております。

 それから、9枚目、10枚目になりますが、患者さんの在院日数の関係のスライドでございますが、調査基準日における入院患者さんの在院日数、7対1基本料の関係ですけれども、26年度では90日以上の長期入院患者さんの割合がやや低下しているというのが9枚目。

 それから、DPCの病院のほうにおける在院日数の年次推移が10枚目ということで掲げさせていただいております。

11枚目が、医療機関の平均在院日数ということで、26年度調査から拾っておりますが、7対1の基本料届出医療機関の平均在院日数の最頻値は14日、平均値は12.8日になっているという結果でございます。

1314は重複しますので飛ばさせていただきまして、15は、特定集中治療室管理料あるいは総合入院体制加算の届出の医療機関数。

16枚目が、病床規模別の医療機関数、7対1、10対1についての病床規模別の医療機関数でございます。

1718の関係のスライドが、前回、たしか鈴木委員から、それから、先ほども基本小委でも若干御意見で触れられていたかと思いますが、7対1入院基本料をとっている医療機関が、他の入院基本料をどういう感じでとっているかというのをデータとしてというか、病院内のケアミックスがどうなっているかというような御質問があったかと思いますが、それに答えられるような資料ということで準備させていただいております。

17枚目が7対1の関係でございますが、一番左側の表側に特定機能病院、500床以上、200499床、199床以下ということで、一般病棟の規模別に分けておりますが、この表を見ていただきますと、特定機能病院とか500床以上の病院では、特定集中治療室管理料とか、救命救急入院料を届けているところが多いということがおわかりいただけるかと思います。

 一方、500床以下とか、あるいは特に199床以下では、地域包括ケア病棟入院料とか、回復期リハビリテーション病棟入院料を届けている医療機関が多いということがおわかりいただけるのではないかと思います。

 下は、10対1の関係でございますが、同じような傾向でございます。

19枚目、以上をまとめるような形で、急性期入院医療につきまして、まず、1つ目のポツですが、7対1入院基本料の届出病床数の動向については、前回10月以降、この4月までの間では、約2,000床が減少したということ。

 2つ目のポツですけれども、急性期医療に関連して平均在院日数とか、重症度、医療・看護必要度とかありますが、平均在院日数及び在院日数の長い入院患者の割合は、やや減少しているということ。あるいは、重症度、医療・看護必要度については、専門的な治療・処置の割合が高くなっており、全体の該当する割合には大きな変化が見られなかったということ。

 あるいは、特定集中治療室管理料とか、総合入院体制加算などについては、届出医療機関が増加傾向にあるということ。

71入院基本料を届け出ている医療機関の病床規模は多様でございますが、あわせて、地域包括ケア病棟入院料や回復期リハビリテーション病棟入院料の届出というのは、一般病棟が中小規模の医療機関で多く見られたというような状況がございます。

 ということで、論点としてまとめてございますのは、急性期病床の機能分化及び医療機関間の連携の推進を図るため、急性期入院医療の

体制や急性期の病床で診るべき患者に関する評価等について引き続き検討していくべき

ではないかというようなまとめとさせていただいております。

 その次からが、地域包括ケア病棟の関係でございますが、23枚目が、前回の主な御意見を取りまとめてございます。

 新しい数字といたしましては、26枚目になりますが、26枚目の一番下の合計のところを見ていただければと思います。2610月の段階では、地域包括ケア病棟入院料、医療管理料、1、2をあわせてですけれども、920施設、2万4,600床と御報告させていただきましたが、27年4月の段階では、1,170施設になっておりまして、3万1,700床になっているということでございます。

27枚目、それでは、地域包括ケア病棟入院料等を届けている医療機関では、どういう入院基本料関係が減っているかというのを見たのが27枚目でございまして、7対1の入院基本料とか、あるいは亜急性期入院医療管理料というところが大きく減っているというところでございます。

 その次が31ページあたりからで、この辺は重なりますけれども、地域包括ケア病棟における入院患者さんの状況ということで、幾つか入院医療分科会からのスライドを再掲させていただいております。入棟前の居場所というのが31枚目。

32枚目は、地域包括ケア病棟入院患者さんのうち、A項目1点以上の患者さんの割合がどのくらいかということで、上のほうで20%ちょっとぐらい。特に、どういう項目の該当患者さんの割合が多いかというと、創傷処置とか、呼吸ケアというような患者さんが多いというところでございます。

 在宅復帰の関係については、37枚目から改めて掲載させていただいておりますが、特に図表として新しく掲げさせていただいているのは、42枚目のところで地域包括ケア病棟の入棟前と入棟先について整理させていただいた図表をつけさせていただいております。

43ページからになりますが、療養病棟の関係で、前回の改定で在宅復帰機能強化加算というのが設けられまして、その算定状況、43は御報告させていただいているかと思いますが、44について患者さんの流れというのを整理して改めて掲載させていただいております。

45枚目になりますけれども、入院患者さんのうちで、医学的な理由以外で退院ができない患者さんに対して、退院後に必要な支援としては、どういうものが必要かということで、一番多かったのは、食事・排泄・移動等の介護というような状況です。

46枚目は、入院料ごとの入院患者さんの栄養摂取方法について見たグラフでございますけれども、回復期リハとか、地域包括ケア病棟では、経管栄養や経静脈栄養を実施している患者さんの受け入れが少なくなっているというようなデータがあるということでございます。

47枚目、これは、入院料ごとに地域連携支援室あるいは退院支援室の設置状況を見たものでございますけれども、7対1とか、回復期リハとか、地域包括ケアでは両方設置している医療機関の割合が比較的高くなっているということ。

48枚目は、退院支援を行うに当たって困難な点として幾つか挙げられておりますが、患者さん、家族と面会日等を調整することが難しいとか、担当患者数が多いために時間を確保するのが大変だとか、患者さんの嚥下機能が十分ではなく、帰るのが難しいとか、退院支援を開始するタイミングがおくれてしまっていることが多い、病棟との情報共有が十分ではないことが多いというような理由が多くなっているというような状況でございます。

 こういういろいろ問題な点はあるということでございますけれども、49枚目にございますが、早期からの退院支援、入院時よりの退院時支援、多職種カンファレンスを行っている医療機関というのは、案外実際には多くて、それぞれ入院料ごとに見ていますけれども、実施しているというような医療機関が多くなっているというような状況になってございます。

 これらをまとめましたのが、50枚目のスライドでございますが、まず、1つ目のポツでございます。地域包括ケア病棟入院料等につきましては、27年4月までに3.2万床の届出が行われており、増加傾向にある。

 2ポツ目、地域包括ケア病棟では、急性期からの受け入れ、緊急時の受け入れ、在宅復帰支援等の役割が期待されており、調査結果においても入院患者は自宅及び自院・他院からの入院患者が多数を占めております。

 その中の患者さん像を見ると、骨折・外傷に対するリハビリテーションを目的に入院している患者さんが特に多かったということ。退院予定が決まっている患者さんが多かったというような状況。

 4つ目のポツですけれども、それぞれいろいろ要件を設けられておりますが、各医療機関において在宅復帰に向けた取り組みの推進が行われているということ。

 5つポツ目、医学的な理由以外で退院できない患者さんで、退院後に必要な支援はということですと、食事・排泄・移動等の介護が必要な場合というのが一番多かったということ。

 6つポツ目、患者・家族との面会や十分な退院調整に向けた時間の確保が困難であるというような意見が見られたということですけれども、実際には、多職種カンファレンスですとか、取り組まれている医療機関は多かったというような状況です。

 これらをまとめまして、地域包括ケア病棟について、受け入れがなされている患者は特定の状態に集中する傾向がみられるが、地域包括ケアシステムの中で期待される役割を踏まえ、病態がより複雑な患者や在宅復帰が困難な患者の診療に関する評価のあり方等について、さらに検討すべきではないかということ。

 医療機関において、在宅復帰を支援するための院内の体制や他の施設との連携の推進等についてどのように考えるかというふうに整理させていただいております。

 御説明は、以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、御質問、御発言がありましたら、どうぞ。

 鈴木委員。

○鈴木委員

 そそれでは、何点か意見と要望を中心にお話しさせていただきたいと思います。

 まず、19ページでございます。課題と論点があり、大きな前提として、急性期病床の機能分化及び医療機関間の連携の推進を図るとありますが、そのためには、診療報酬上、特に民間の医療機関においては、今後機能を転換するにしても、経営が成り立つことが前提でありますので、その配慮が必要であると思います。

 また、全体として、診療報酬上の要件の厳格化のみで対応しようとすると、必要な患者まで入れないということにもなりかねませんので、それ以外の診療報酬上での一定の制限も必要ではないかと考えております。

 また、急性期の大病院は、高度急性期と急性期に特化できるようにすべきであると考えております。

 多くの急性期の大病院は、機能の高度化と連携の強化により、前回の改定に対応しておりますが、一部に病床稼働率を維持するために、中小病院のようなケアミックス化をする動きがあります。先ほど、データ上はあまりないということですが、前回改定から、2年ぐらい様子を見てというところが多いので、数学上、すぐに出てくることは考えていません。

 一部の急性期の大病院のこうした動きは、医療機関でとの機能分化と地域連携に逆行する動きとなりますので、制限する必要があると考えます。

 特に、財政再建を目指すということであれば、まず、一般会計の繰り入れを起こっている自治体病院の過剰な急性期病床は削減すべきであると考えます。

 次に、7対1入院基本料の届出病床数は確実に減少しております。本年9月30日まで経過措置が継続されることを考えれば、その判断には、もう少し時間をかけるべきだと思います。

 さらに、平均在院日数の短縮は、既に限界に近づいており、海外は平均在院日数が短いとおっしゃいますけれども、高齢の方は、海外でも長いのです。我が国は高齢化が世界で最も進んでいるわけですから、そうした高齢化による影響を見るために、年齢階層ごとの平均在院日数を算出すべきであると考えます。これは、要望です。

 一方、特定集中治療室管理料や、総合入院体制加算などの届出医療機関数は増加傾向にあります。こうした急性期医療の高度化や充実に取り組む急性期の大病院をさらに評価するとともに、高度急性期や急性期に特化できるように引き続きケアミックス化の制限をすべきと考えます。

 7対1の入院基本料は、急性期の大病院だけでなく、中小病院でも専門病院や地域性により基幹病院となっている病院なども取得しておりますので、多様性が認められるのは当然だと考えます。

 むしろ、地域包括ケア病棟入院料、これは、管理料も含みますが、及び回復期リハビリテーション病棟入院料、これらの届出が、中小病院に多いことが明らかになったわけですが、これまで、急性期に特化した急性期の大病院と、回復期リハビリテーション病棟や、ケアミックスの中小病院との連携が、病院ごとの機能分化により推進されてきたという経緯がございます。今後とも、急性期の大病院のケアミックス化による院内機能分化ではなくて、医療機関ごとの機能分化と地域医療連携が阻害されることのないようにする取り組みが必要であると考えます。

50ページについてでございます。まず、地域包括ケア病棟入院料、これは管理料も含みますが、その届出は順調に増加していると考えられます。中小病院が過半数を占めているわけですが、それらは機能分化に対応していると考えられます。大病院の届出の中には、急性期の病床稼働率を維持するための届出が含まれるとも考えられますので、それらは機能分化と連携に逆行した動きであると考えます。

 また、地域包括ケア病棟は、自宅及び自院・他院からの入院患者が多数を占めております。これはそれぞれ前回改定の議論におけるサブアキュートとポストアキュートに対応していると考えられます。

 また、骨折・外傷に対するリハビリテーションを目的とする入院が多いのは、その前身である亜急性期入院医療管理料からの移行が多いことを考えれば、ある意味、当然であると思いますので、いわゆるサブアキュートとしての機能を見るのであれば、亜急性期入院医療管理料から移行した病棟と、その他の病床からの移行における患者像を比較する必要があると考えます。これは、要望です。

 7対1病棟、地域包括ケア病床及び療養病床においても、在宅復帰に向けた取り組みが順調に進んでいると考えられます。

 さらに医学的な理由以外で退院できない理由の多くが介護であることが明らかとなりましたが、入院中から介護、在宅復帰支援に向けて、介護支援専門局など、介護との連携もこれからはますます必要になってくると思います。

 回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟で経口摂取ができない患者の受け入れが少ないという話もありましたが、これは、在宅復帰率の低下が予想される患者や、集中的なリハビリテーションに適さない患者を分けざるを得ないということも考えられます。もし、摂食嚥下障害のリハビリテーションをさらにそうした病棟で充実させるのであれば、一定の重症となる患者については、在宅復帰の計算式の対象から除外することも検討するべきではないかと考えます。

 次に、地域包括ケア病棟では、リハビリテーションの包括により、リハビリに対する現場のインセンティブが働きにくくなり、結果としてADL低下や在宅復帰にマイナスの影響を与えている可能性も考えられることから、地域包括ケア病棟におけるリハビリ提供単位と、在宅復帰率や在院日数との関係及び骨折や外傷の内訳についてもさらに詳しく見る必要があると考えます。これは、要望です。

 最後に、退院支援の充実のためには、退院支援室の設置や早期の多職種のカンファレンス、介護との連携をさらに推進する必要があると考えます。これは、意見です。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 幾つか御要望がございましたけれども、事務局のほうは、よろしいですか。

 では、ほかにいかがでしょうか。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 資料のくくりがいわゆる急性期のところと、地域包括ケア、慢性期のところと2つに分かれておりますので、まず、急性期関連の全体的な、若干印象めいた話になりますが、前回の入院分科会から示された資料によれば、7対1が差し引き約1万4,000床ぐらい減っていることが示されました。

 それから、本日の資料によりますと、あと2,000床ぐらい減っているということでございます。これも前回申し上げましたとおり、社会状況の変化、あるいは人口構成の変化といった今後の見通し等を考えた場合に、今の病床の比率ではよくないと言いますか、変えていくべきだという認識を持っております。

 前回の改定のときに、我々として、変える必要はあるが、それをいわゆる激変ということになると、医療機関の経営に多大な影響を与えるということもあるので、なるべくソフトランディングを目指すべきだという意見を述べさせていただいて、地域包括ケアのような体系もできたわけでございますが、全般的な感想としては、残念ながら、まだ当初我々が考えていた数字には到底及ばない状況と言わざるを得ないと思っております。

 したがって、次回の改定にあたっては、以前も申し上げましたが、7対1の算定要件、施設基準、こういったものについて全般的な見直しをすべきで、方向としては厳しめの改正をしていくべきだと思っております。

 項目としては、当然のことながら、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率、その他前回も大分議論して、平均在院日数は変えなかったと思いますが、そういったものを含めて、全般的な算定要件の議論をしていくべきと考えております。

 一方、鈴木先生もおっしゃったとおり医療機関側としては、改革する場合に自己の経営を最優先で考えることはごく当然のことでございますので、その辺の影響も我々としては、もちろん意識をしなければいけないと思います。

 ただ一方では、医療介護総合確保基金のように、病床機能を変更する場合の助成基金というような仕組みもできたわけですから、2年前とは若干状況は変わっていると、私どもは認識しなければいけないと思っております。

 これが1点目でございまして、具体的な要件ごとの議論につきましては、先ほども資料をお願いしましたので、それが出てから項目ごとに議論していきたいと考えております。

 2つ目、後半部分でございますが、地域包括ケア病床については、順調にといいますか、増えつつあるということは歓迎すべき方向だと思っております。

 ただ、これは万代先生がおっしゃったとおり、ここの患者像がどうも明確でないということもあり、要件自体が少し厳し過ぎるという医師もおり、現状に合っていないという意見をおっしゃる有識者の方もいるようでございますので、これは、やはり算定要件をどうするのか、どのような病院機能を果たしてもらうのかということをもう一度検討して、算定要件を決めていくという手順が必要だと今のところは考えております。私も万代先生の意見に賛成でございます。

 それから、退院支援の話についてですが、これは鈴木先生もおっしゃったとおり、退院支援室をつくる等、それなりの効果というのも今回のデータで出ておりますが、私が先ほど資料をお願いしましたのは、特に療養病床で、在宅復帰率に着目した加点の仕組みを前回つくったわけですが、退院率がどのようになっているのかがよくわからないものですから、特に療養病床についてはその辺を少し見せていただいた上で議論をさせていただきたいと考えております。

 意図としては、在宅復帰率あるいは退院率というものは、非常に重要な指標と考えておりますので、それをいかに政策誘導で使うかということについて議論をさせていただきたいという意図でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかに、いかがでしょうか。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 いちいち白川委員の後に発言して恐縮ですけれども、退院支援が一定の効果があったというのは、49番のパワーポイントの、特に7対1、10対1の入院基本料のところをごらんになっているのですね。この差を、している、していないですね。

 恐縮ですけれども、先ほどの基本小委のときの診-1の資料の126番をごらんください。

126番の上2つ、7対1入院基本料と10対1入院基本料、地域連携室及び退院支援室、いずれも設置していないというのが、10対1のほうが多いのですよ。この部分が49番に反映されているのにすぎないのではないかと。7対1と10対1と平均在院日数の要件が違いますので、ここが、ここにあらわれているにすぎないのではないかと思うのですが、事務局、どうですか。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 そこのところは、どういう割合で混在しているかというのは、今、直ちにはわかりません。

○森田会長

 中川委員。

○中川委員

 それと、7対1の病床数が減少していない。減少していないから、もう少し厳しくすべきではないかというふうな御意見だったと思いますが、白川委員、そうですね。

○森田会長

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 いつも御指名されるので。

○中川委員

 今、発言されたからお聞きしているのです。

○白川委員

 もちろん、そういうことを申し上げました。私の発言をまた繰り返せということですか。

○中川委員

 いや、簡単なお答えで結構です。

 会長、いいですか。

○森田会長

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 前回の改定で、重症度、医療・看護必要度というのを、いろんな議論をして見直したと思います。これは、非常に厳しいだろうというふうに思いますが、結果として、現時点においては、減少数が予想より少ないとなっていますが、あるべき姿として議論して決めた要件を、病床の減少が少ないから次の改定でさらに厳しくすべきというのは、ちょっと議論の筋としては違うのではないかと、私は率直に思います。それを、まず、1点。

 それと、先ほど、石山委員もお聞きになっていましたが、この重症度、医療・看護必要度の要件が15%で、残り85%はどうしているのだと、どんな患者さんだって、見えないというふうにおっしゃいました。

 大学病院、特定機能病院でも、どんな病棟でも、例えば、病床機能報告制度では、大学病院本院は高度急性期というふうに届けています。ところが、大学病院本院の全ての病棟において、たぶん入院したときは高度急性期でしょう、その多くが、しかし、治療の効果で急性期になり、回復期になり、場合によっては慢性期に近い患者さんも大学病院の病棟にいることは十分あり得るのです。そういう経過の中で、平均して15%をクリアーしているというのは、決して緩い基準ではないと、私は思うのです。うちは大学病院の本院の病棟だから、あなたは、急性期を脱したのだから、すぐ変わりなさいという厳しいといいますか、冷たい医療は、大学病院といえどもしていないのですよ。これが日本の医療のいいところだと思います。

 ですから、私は、単純に7対1が減少しないから、また、厳しくしましょうというふうな議論はしたくないなというふうに思います。

 以上です。

○森田会長

 白川委員、どうそ。

○白川委員

 私も別に7対1が単純に減らないから厳しくしましょう、などという発言をしたつもりはございませんが、中川先生がそうとられたとしたら、私の発言の仕方が悪かったかもしれません。そのようなことではなく、申し上げたかったのは、全体の流れとして、社会状況あるいは人口の構造の推移などを考えると、7対1から、慢性期、回復期、療養病床等に全体的にシフトしていかなければいけないというのが、私どもの問題意識でございます。そのために、中医協の世界では7対1とか10対1という区分になっておりますので、方向として見直す必要があるのであれば、やはり急性期のところは少しシフトしていただくということで、中医協による診療報酬改定において、そのような方向に議論できればと、考えております。

 そのときに、診療報酬で何ができるかというと、当然のことながら、要件を使う以外に技術的には出来ませんので、要件について見直しましょうということです。

それは、より厳しくしなければいけないものもあるでしょうし、そうではないものもあると思います。現実的には、これが合理的だというものであれば、それで良いと思いますし、私も個々の項目についてこれは厳しくしましょうとか、これは今のままでいいといったことは今まで1度もありませんし、現在はそういう意図もございません。ただ全項目について、全要件について議論しましょうということを申し上げているのですが、これ以上、また詳しく説明が必要でしょうか。

○中川委員

 詳しいか、詳しくないかは別にして、急性期7対1に偏っていて、亜急性期、慢性期にシフトすべきだという、その根拠は、どういうことでしょうか。

○白川委員

 なぜ私の考えを、またここで全て言わなければいけないのか理解できません。

○中川委員

 質問を変えます。済みません。

 ワイングラス型のことをおっしゃっているのでしょうか。

○白川委員

 いや、それももちろんありますが、私どもの問題意識は当然、保険者、患者側の負担ということもあるわけです。7対1は当然高いわけですから、負担が大きいですが、社会全体の患者像もどんどんシフトしていきます。そのような高いところに行かなければいけない患者さんも当然いますが、それよりは、むしろ慢性期の患者さんが増えてくると思われますので、それに応じた診療報酬の値づけにしてもらわなければ困るというのが、私どもの意図でございます。

○中川委員

 誤解があるようですが、我々も患者の病態像に応じた医療費と、その負担というのは当然だと思いますよ。不必要な患者さんが急性期の7対1病棟に入っているということであれば、それはまた別の話です。それは別に反対しません。ただ、そういうことではないという印象を持ったものですから、ワイングラスのことをおっしゃっているのかなと思って、ちょっと気になってお聞きしました。

○森田会長

 重要な論点だと思いますが、また、これについては、議論をする機会があると思いますが、ほかに、御発言いかがでしょうか。

 では、花井圭子委員、どうぞ。

○花井圭子委員

 スライドの31でございます。質問になるかもわかりませんが、入棟患者の状況ということで、自院の急性期病床が59%、そして、退院の急性期病床が18%というふうになっておりますが、59%というのは、病院内の病床の機能分化が進んだのかと思うのですけれども、この18%というのをどんなふうに見るかということなのです。他の医療機関との連携が高まったと見る数字なのか、あるいはまだまだ他の医療機関の連携が進んでいないというふうに見るのか、あるいは、これが初めて出たので、今後、経年的にとっていくと見るのか、そのあたり、この数字をどんなふうに分析するかということをお聞かせいただければと思います。

 それから、細かいのですが、約90%と、このくくり方がよくわからないのです。他院のというのは医療機関で、自院というのも医療機関なのですが、自宅というのも含めて90%という、この赤字で書く理由を、ちょっと教えていただければと思います。

 それから、49ページ、先ほども少し議論になりましたけれども、先ほども少し議論になりましたけれども、多職種によるカンファレンスがあり、なしで、やはり相当在院日数の変化が大きいと見られます。

 そうしますと、やはり、多職種によるカンファレンスを実施するということが、他院にとって非常に重要かなと思います。

 戻りまして、スライド47のところで、7対1入院基本料と10対1入院基本料を見たときに、相当な開きがある、地域連携室及び退院支援室を設置しているということについての、同じ急性期の中でも相当な開きがあるわけですけれども、そうしますと、10対1のところにも、やはり、この連携室等々を設置するということが、相当重要になってくるのかなと思います。

 最後のまとめの論点のところは、このとおりでいいと思うのですが、もう少しさまざまな角度から退院支援のあり方というのを今後検討していく必要があるなということを意見として述べておきたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 ありがとうございました。

 最初の部分について、御質問だったと思いますが、医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 医療課長でございます。

31枚目のスライドについての御質問ですけれども、御指摘のとおり、今回、初めてのデータですので、これをもってどういう傾向にあるのか、どういう流れにあるのかというのは難しいのですけれども、院内での連携あるいは対医療機関との連携ということが、今はこういう状況になってきた。それで、今後、どういう傾向になるかとか、あるいはどういう傾向になったほうが望ましいのかというのを踏まえて、中医協でいろいろ御議論をいただくというようなことになるのだろうなと思っています。

 ここを一くくりにお示しした理由は、地域包括ケア病棟というのができた経緯というか、御議論の経緯で、自院、他院に限らず、急性期からの受け皿とか、あるいは自宅からの緊急入院というようなことが機能として、25枚目ぐらいに流れのスライドとかを示させていただいていますが、これに基づいて、ここのところをくくって約90%というふうに事務局として示させていただきました。それ以上の意味はありません。

○森田会長

 よろしいですか。

○花井圭子委員

 そうかなというふうに思ったのですけれども、そうしますと、済みません、つまらない話かもわかりませんが、この円グラフのつくり方は、他院の急性期と自院のというのをくっつけたほうがいいのかなというふうに思います。要望です。

 それから、今後、この比率がどうなっていくのかということをずっと追っていただきたいと思います。

 以上です。

○森田会長

 これは、御要望と承りました。

 松本委員、どうぞ。

○松本委員

 今のスライドでもそうなのですが、例えば、患者調査だと思うのですけれども、458人の患者さんに聞いている、26のスライドで見ますと、トータルで26年の10月で病床数は、2万4,000あるわけです。

 統計学のことは、よくわかりませんが、この母体として二万四、五千ある中で、この458というのが全体をあらわす数字であるととっていいのかどうかというのを、まず、教えていただきたいのと、後でも出てきます、40のスライドで、この患者調査は5,618人の患者さんを調査しています。ただ、42の地域包括ケア病棟における患者の流れでは、病棟に入る前は114人の調査であるのに、退院した後は、99人になっている、この数字の違いと、この114人、99人という数字が全体をやっぱりあらわすというふうに、割合としてあらわすと考えていいのか。

 次の44の療養病床においては、加算割合が38から40、加算なしは74で一緒の数字ですけれども、このいわゆる2桁の数字が、これも全体をあらわすのかどうか、その辺の、統計学的な部分もあるのかもしれませんが、少し教えていただきたいのですが。

○森田会長

 医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 御質問ありがとうございます。

 スライドの31とか、あるいは42とか44の関係で、n数の関係で御質問いただいておりますが、基本的には、まず、無作為で調査させていただいていますので、サンプリングとしてどうかといえば、統計学的にそんなに問題ないと思いますけれども、回答状況としては、それぞれのnに対してバックグラウンドがどうなっているのかというのは、ものによっては、ちゃんと、要するにどういう医療機関の回答が多かったかとか、どういう医療機関の患者さんの回答が多かったのかというのは、場合によってはしんしゃくして考えなければいけないと思っております。

4244の関係では、特にn数、有効回答数の関係でございますが、数が一致しないところは、片方だけ書かれているというケースが、例えば、42ですと、入棟もとだけ書いてあって、退棟先が書いていないというようなものも含めて、書かれているものは、それぞれで全て拾っていますので、こういう数字になって整理させていただいております。

 あとは、きょうの段階では、準備できませんけれども、両方とも記載している、患者表だけというか、データだけで数字を出し直してくれというようなことであれば、それはそれで、また別に出させていただくということになろうかと思います。

○森田会長

 松本委員。

○松本委員

 片方しか書いていないというのを、統計的に対比する表にするというのは、非常に無理があるのではないかと思いますので、ぜひ、同じ数字のものを出していただきたいと思います。

○森田会長

 それは、御検討いただけますね。

○宮嵜医療課長

 どちらが統計学的に意味があるかというのは、それぞれ考えなければいけないと思いますけれども、その違いがわかるようにとか、そういうことも含めて、集計のほうは御要望にお応えできればというふうに思っております。

○森田会長

 万代委員、どうぞ。

○万代委員

 会長の指定で、急性期の7対1の件は、これまでということでございますが、あえて一言御意見をさせていただきたいと思います。

 まず、皆様の議論を聞いていると、現場の院長としては、7対1ばかりが悪いというふうにも聞こえますが、ただ、中川委員と白川委員のディスカッションを聞いていますと、基本的な理念のところではそうではないのだということは、頭では理解いたします。

 その上で、6ページのスライドで、7対1入院基本料の届出病床数の動向が、少しずつ減っているというのは、やはり、これはこれとして評価すべきではないかなと思いまして、今、オンゴーイングだろうと、そのスピードが速い、のろいというのは、また、別の問題でございまして、やはり、現場としては、それに対応していこうという数字になってあらわれているのだろうというふうに評価しております。

 と申しますのも、例えば、7対1から10対1にすぐに変えようとしても、医療提供体制もございますし、あるいは人員の配置ですぐに解雇あるいは転換というようなことも、なかなか間々ならないというところもありますので、一定程度のスピードとか、期間というのが必要かなと思っております。

 そんな中で、スライドの7と8で、転換理由と、転換を行わなかった理由というのが比較できますが、当然、7対1が保持している病院が多いので、n数を見ていただければ行わなかった理由の回答数は222で、転換した理由は、24と少ないわけですが、逆に申し上げますと、数の差というのは、転換すべきところは、もう大分早目に転換していっているというところかなというふうに考えますので、そういった意味では、7対1のスライド8のところの転換を行わなかった理由というのを、さらに残っている病棟で、さらに精査して、本来的に7対1の要件というか、機能を発揮するような病院をどういうふうにしていくかと、どういうふうに抽出していくかということかと思います。

 その中で、先ほどちょっと申し上げましたように、スライド8ですけれども、施設基準を満たしており、転換する必要がないためということで、この施設基準が満たしているのだったら、それは、満たさないようにしようというような御発言もあるわけですけれども、前回の改定もそうですけれども、ちょっと言葉は悪いですけれども、小手先の要件の変換だけでするというふうになりますと、やはり、そこは本質を見誤るのではないかと考えております。

 実際問題、1つは患者さんの病態像で、本当に急性期の人がどういった要件に当てはまるのかというようなことを、先ほども申し上げましたように、重症度とか、必要度とかを改めて見直しながら、次回の改定には間に合わないかもしれませんけれども、そういった議論もあわせてしていかないと、やはり何パーセント減った、目標に達しないと、そういったことばっかりやっているような、何か医療の本質から外れていってしまうというふうに私も考えます。

 もう一つは、機能分化、これは、ぜひ必要だと思いますし、私も強く感じておりますけれども、それをどういった形でするか、先ほど、鈴木委員は病院単位でということで言っておられますけれども、病床機能報告制度にもありますように、いろんな形態があるだろうというふうに思います。それぞれ地域によって多様な対応ができるという意味では、機能分化のあるべき姿、それも本当に病院単位がいいのか、あるいは別の形態があるのかと、そういうことも、やはり、これも同時に少し将来に向かって議論しつつ、次回の改定のできるところはできる、できないところはできないという形で議論していくと、そんなふうに考えておりますので、意見として申し上げました。

 以上です。

○森田会長

 御意見ありがとうございました。

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 歯科医療の提供に関して、これに関連して申し上げたいのですが、入院あるいは退院あるいは転院も含めて、それをきっかけに歯科医療の提供が途絶えてしまうという問題意識を持っておりまして、かかりつけの歯科医が、そういった患者さんの環境の変化を知らないでいて、結果的にQOLが低下してしまうという問題がございます。

 そういったことに対しては、例えば、病院への歯科医師の配置等の問題提起もさせていただいているところなのですか、今回の資料に関していいますと、退院支援、先ほどから出ている多職種カンファレンス等について、歯科でも独自の退院時共同指導料であるとか、在宅患者緊急時等カンファレンス料という項目があるのですが、印象として、なかなかその取り組みが進んでいないように思っています。今後可能であれば、そういった、今、申し上げたような項目についての取り組みの状況等について、資料をお示しいただきまして、患者さんのQOLの低下を防ぐ、維持、向上の観点から講じる工夫があるか、ないかという議論もさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかに、いかがでしょうか。

 福井専門委員、どうぞ。

○福井専門委員

 退院調整のところで、意見と要望を述べさせていただきたいと思います。

 事務局から出されました資料で、さまざまな課題を認識しておりますけれども、円滑な在宅復帰を推進するためには、退院調整の機能をさらに充実させていく必要があるのではないかと考えます。

 例えば、スライドの48枚目に「退院支援を行うに当たって困難な点」というのが挙げられていますけれども、今後、ますます懸念されることは、在院日数の短縮による回転率の増加、それから、患者さんの重症化、老老介護、独居高齢者の増加、こういったことで、退院調整が複雑困難になっていくのではないかということが考えられます。

 本会がヒアリングを行いましたところ、入院時から退院を見越した支援が行われていないので、病院が退院調整をかけるタイミングが遅過ぎるというような御意見もありますし、それから、退院前のカンファレンスに担当者の頭数をそろえないといけないので、今の形式では一層負担が大きいという声もあります。

 さらに、病院の退院調整看護師、ケアマネ、訪問看護師の中で、どこで、誰が退院調整のコーディネートをするのか明確ではないので、非常に難しい状況が発生している。

 そして、退院に向けてさまざまな調整です。例えば、住宅の改修や必要物品の準備、配送をどこで誰が担うのか、これが明確になっていないということ。

 そして、NICUで退院調整加算が平成26年につきましたけれども、小児の退院調整の労力が非常にかかるということ。そして、治療方針の意思確認ですが、患者さんや御家族は、リビング・ウィルについて考えていないことが多くて、患者さんの高齢化や家族形態の変化によって、これらの確認、合意形成が非常に難しくなっているということがあります。

 スライドの47番に、地域連携室や退院支援室の設置状況が挙げられていますけれども、このような病院全体で、1つの退院調整部門において、数人のスタッフで多数の調整を全て引き受けて、患者さんや御家族がみずからさまざまな必要物品等の準備をする、これまでのような退院調整は、今後、難しくなるということが懸念されます。

 ですので、現在、多数の退院調整にかかる点数がありますけれども、それらが実効性のある評価のつけ方になっているのかという視点で、ぜひ、見直しをしていただいて、実効性を高めていただく必要があるのではないかと考えています。

 それらについての具体的な意見については、今後の検討の中で要望を述べさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

○森田会長

 御意見、ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 宮島専門委員、どうぞ。

○宮島専門委員

 専門委員の立場から1つお願いをいたします。

 急性期入院医療地域包括ケアの現場では、チーム医療を行う診療は、さまざまな形で展開されておるところです。医療安全、疾病の重症化を防ぎ、早期退院を促すということは、医療の質を高めるとともに、患者のQOLを高めることになり、強いては医療費の削減につながると考えているところでございます。

 医療関係職種の教育の充実、また、昨年の法改正等によりまして、医療関係者の業務範囲の見直しが行われ、医師の具体的な指示のもと、専門性を深くした業務が行われるなど、現場では状況が変わってきております。

 さらに、そのようなことが医師や看護職員の業務の軽減にもつながるものと期待しているところでございます。

 このようなチームで行う医療について、実情を一度きちんと報告させていただきたい。お願い申し上げま す。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ほかによろしいでしょうか。大分時間もたちましたので、特に御質問もないようでしたら、本件に係る質疑は、このあたりとさせていただきます。

 本日の御意見、御要望、その他議論を踏まえまして、引き続き次回以降、さらに議論を進めていっていただきたいと思います。

 本日の議題は、以上でございますが、幾つかその他の議題がございます。まず、事務局から2つ資料が提出されておりますので、御説明をお願いしたいと思います。

 まず、最初は「第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)の調査票及び記入要領の訂正について」、これにつきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

 では、企画調査室長、どうぞ。

○込山保険医療企画調査室長

 保険医療企画調査室長でございます。

 大変恐れ入ります、医療経済実態調査の保険薬局の調査票におきまして誤りがございました。その訂正と御報告でございます。

 資料総-6がございますが、総-6の裏をごらんいただきたいと思います。

 保険薬局調査票及び記入要領におきまして、後発医薬品の使用割合につきまして御回答をお願いしているものがございます。

 その指標につきまして、本来であれば、26年から適用する新指標での割合を書いていただくべきところ、旧来の旧指標での御回答を求める内容になっておりました。大変申しわけございません。

 つきましては、大変恐縮でございますけれども、調査対象として調査票をお送りいたしました保険薬局様に対しまして、それぞれ個別におわびと正誤表を発送させていただく予定でございます。あわせて、医療経済実態調査のホームページと、厚生労働省のホームページに同様のおわびと正誤表を掲載させていただきたいと存じます。

 また、重ねて恐縮でございます。日本薬剤師会さん、また、各都道府県の薬剤師会さん向けに、改めておわびの文書等を発送させていただきたいと考えております。

 当方の確認不足によりまして、こういった御迷惑をおかけいたしましたことをおわび申し上げます。

 以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 大変重要な調査ですので、今後、御注意をお願いしたいと思います。

 これについては、よろしいですね。

 それでは、次に「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律の概要」について事務局より御報告をお願いいたします。

 医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 医療課長でございます。

 国民健康保険法等の一部を改正する法律案が、5月27日に成立いたしまして、29日に交付されておりますけれども、中医協の関係で申し上げますと、4.の「○4患者申出療養の創設」というところですが、法案の提出前には、制度の骨格について御議論いただきまして、どうもありがとうございました。

 今、申し上げましたように、法律が成立いたしまして、この部分につきましては、一番下の行にありますが、28年4月1日施行ということですので、これから、制度の詳細について設計していかなければいけないという段階になろうかと思いますので、中医協のほうで今後引き続き御議論いただければと思っております。事務局で必要な資料を準備させていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。

 きょうの段階では以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 ただいまの御報告について、花井圭子委員、どうぞ。

○花井圭子委員

 この患者申出療養制度は中医協でということになっておりますし、来年の4月ということ、そのとおりだと思っております。いつぐらいから検討を開始して、そのスケジュール的なものを次回でも結構なのですが、出せるものなら出していただきたいと思います。

 検討の場は、中医協総会なのか、それとも、別途、別な部会で行われるのか、その辺もあわせて、次回で結構ですので教えていただきたいと思います。

○森田会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 スケジュールに関しましては、施行が来年4月ですので、できるだけ早急に、間に合うかどうかですが、次回以降のところで、順次御相談したいと思っております。

 また、議論の場は、中医協の総会でお願いするという予定でおります。

○森田会長

 よろしゅうございますか。

 ほかに、この件はよろしいですか。

 中川委員、どうぞ。

○中川委員

 この件ではないのですが、よろしいですか。

○森田会長

 この件については、ほかによろしいですか。御発言ございませんか。

 丹沢専門委員、どうぞ。

○丹沢専門委員

 法律そのものについてということよりも、皆さんに御理解をいただいておきたいと思い発言させていただきます。大学病院の所属は、私しかここにいないものですから、ちょっとお願いがあります。「3.負担の公平化」というところの○2に「紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入」というのがあるのですけれども、医療としていろいろ考えられて、こういう法律ができたのですけれども、実際には少々現場に問題が起こります。私は医科と歯科と両方とも資格を持って、両方の医療をやっている者としてお話ししますけれども、これは、大学病院の歯科においては、実は、教育用の患者の確保が困難になるのです。歯科医療費の単価と、今度導入される1万円とかいう額との差が、余りにも大きくて、それで、普通の歯が痛いというような人は、開業医さん経由で大学病院を紹介されるということはないと思います。開業医さんも患者さんの確保がすごく大変なのです。また、1万円払ってまで大学で治療してくださいという、そういう学用患者みたいな方は、もう絶望的だと考えられています。実は歯学部長・病院長会議でも大変な騒ぎになっていまして、医療の問題と教育の問題というものの包括的な面がありますので、何かしらの教育的な問題に関する緩和措置が必要なのではないかというふうに御理解いただければありがたいと思います。

 それから、今、大学病院の経営は、物すごくどこも悪いのです。そのことをもう一つ御理解いただいておければと思います。

 以上でございます。済みません、余分なことですけれども、よろしくお願いします。

○森田会長

 ありがとうございました。

 これは、中医協で検討することかどうかも含めまして、事務局のほうで、また検討していただきたいと思います。

 それでは、この件についてよろしいでしょうか。

 それでは、本件については、このあたりにさせていただきますが、それ以外としまして、中川委員、どうぞ。

○中川委員

 以前もお聞きしましたが、薬剤服用歴管理指導料、この件はどうなったのでしょうか。皆目報告がないですが。

○森田会長

 薬剤管理官、どうぞ。

○中井薬剤管理官

 この件について、できる限り早急に中医協に報告させていただきたいと思います。

○森田会長

 ということですので、よろしいですね。

 どうぞ。

○中川委員

 済みません、いつもそういうお答え、延々と見ているわけで、まさかうやむやになるとは思っていませんが、きちんと、ある程度期限切って報告してもらわないと、何か感じ悪いですよ。

○中井薬剤管理官

 決してうやむやにする気はございませんので、確実に報告させていただきたいと思います。

○森田会長

 ということでございますので、それでは、ほかにいかがでしょうか。御発言ございませんでしょうか。

 では、堀委員、どうぞ。

○堀委員

 私、中医協委員として今月の23日で任期満了でありまして、きょうが最後の中医協ですので、一言退任の御挨拶をさせていただければと思います。

 あっという間に任期が過ぎたという印象なのですが、例えば、東日本大震災の後で、被災地を視察とか、いろんな忘れられない思い出がございます。私は、基本的には、余り歯科界の外に向かって、発言、発信をした経験がないものですから、それが求められる中医協には、大変緊張を持って臨んでまいりました。

 そんな中で、一番心に残っているのは、この厚生労働省の審議会である中医協が、三者構成で毎回厳しい意見が交わされる中でお聞きしていると、やはり、委員の皆様、立場こそ違いますが、根底に患者さん、国民の健康を守るということを基本理念に据えられて、その上に立って、いろんな角度で意見を交わされ、理論を積み上げていかれるということ、これは、ある意味感銘いたしましたし、そこに歯科を代表する委員として参画できましたのは、大きな誇りに感じております。

 歯科の委員としては、振り返ってわかったことですけれども、やはり、歯科医療に対する御理解が余り多くないということで、そこの御理解をできるだけいただくこと、それから、特に、今の超高齢社会にあって、歯科医療が果たすべき新しい役割、責任について、私どもが考えているところや、目指すところについて少しでも委員の皆様の御理解を得ることが私の大きな任務だったように思っておりまして、うまくいったかどうかは、失敗だけが、反省だけが先に立ちますけれども、何とか一定の御理解は得られたのではないかなというふうに振り返っております。

 中医協は、その果たす役割が時間とともに少しずつ変わっているのは承知しておりますし、また、特に、現在の国の財政状況、危機的な状況を踏まえて、これからますます中医協の取り巻く環境も、中医協が果たす役割も厳しくなっていくのではないかと想像いたします。

 そんな意味で、ぜひ公益側、支払い側、診療側の委員の皆様、そして、厚労省の事務局の皆様が健康に留意されまして、国民の健康を守るために議論を尽くし、我が国の医療の方向性を示すという中医協の重大な責任を全うされますように御祈念申し上げまして、退任の御挨拶といたします。

 大変お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)

○森田会長

 堀委員、長い間、ありがとうございました。

 それでは、本日の議題は、これで全て終了いたしましたので終わりますが、次回の日程につきましては、追って事務局から連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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