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2015年7月6日 第一回特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会議事録

年金局事業管理課

○日時

平成27年7月6日(月)10:00~12:00


○場所

厚生労働省12階 専用第14会議室


○出席者

喜田村委員長、片桐委員、白石委員、高橋委員、嵩委員、柳委員、山口委員

○議題

(1)委員会の設置について
(2)特定事由について
(3)その他

○議事

○大西事業管理課長 定刻になりましたので、ただいまより第1回「特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会」を開催いたします。

 今回は第1回目の委員会開催ということもございますので、議事に先立ちまして、事務方の責任者でございます樽見英樹厚生労働省大臣官房年金管理審議官より御挨拶を申し上げます。

                       

○樽見年金管理審議官 おはようございます。

 本日は大変お忙しい中、この「特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会」に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 委員の皆様におかれましては、日ごろから厚生労働行政に対しまして御指導、御支援をいただきまして、また、本専門委員会の委員御就任をお受けいただきましたことに心から感謝を申し上げます。

 先刻、申し上げるまでもないことと思いますが、年金記録問題、平成19年に大きな問題になってからいろいろ取り組みをしてきたわけでございます。ですが、年金記録問題の本質、中核は、年金に加入した、保険料を納めたにもかかわらず記録がないというところがいわば年金記録問題ということだったわけでございますが、その対応していく色々な議論の中で、実は御本人としては年金の申請をした、手続をするつもりであったけれども、事務処理誤りによってそもそも保険料納付ができなかったということによって記録がない、そういう方もいらっしゃるということが明らかになってきたわけでございます。

 そういう方々に対する対応も必要であろうということでいろいろ議論がありましたが、昨年6月に年金事業運営改善法が成立をいたしまして、事務処理誤りなどによって国民年金保険料の納付の機会を逸失した場合などにつきまして、事後的に保険料の納付を可能とするという制度が創設をされたわけでございます。来年4月から実施することになってございます。

 この法律では、納付の機会を逸失した場合などの申し出に係る承認の基準につきまして、社会保障審議会への諮問を経て厚生労働省令で定めるということとされておりますので、このたび、この専門委員会を設置いたしまして、御審議をお願いするということになったものでございます。

 納付の申出に係る承認基準につきましては、まさにこの制度の趣旨を踏まえますと、事務処理誤りに遭った人、遭わなかった人の公平性ということも重要でございますし、年金制度への信頼性をどう確保するかということも重要でございます。

 あわせて、例えば行政訴訟の場合あるいは不服審査制度との均衡といった観点からも適切なものにする必要があろうと思っております。そうした観点からもこの専門委員会において十分に御審議をいただきまして、御意見を賜りたいと考えております。

 この制度の実施は、先ほども申し上げましたように来年4月からということを予定してございますので、私どもの考えとしましては、この専門委員会では秋ごろまでには議論の取りまとめをお願いしたいと考えてございます。限られた時間でございますけれども、委員の皆様方におかれましては、積極的に御意見を賜りまして、また御指導を賜れればと心からお願いをしている次第でございます。

 最近は、実はこの年金の業務につきましては、例の不正アクセスに伴います情報の流出ということでも大変御心配をかけておりますが、これについてもまさに年金制度への信頼、日本年金機構への信頼というものを確保する上で重要な課題でありまして、しっかり対応していかなければいかぬということでございますが、実はこの年金記録問題のとき以来の事務処理誤りということによって保険料を納められなかったという方に対する対応、これについても、年金制度への信頼、年金機構への信頼というものをしっかり確保するという上で、お客様の御要望、言い分ということもしっかりと対応しなければいけませんし、あわせて公平性、あるいはほかの方々との比較といったこと、あるいは手続の適切性といったことについても十分目を配りながら決めていく必要があると思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 簡単ではございますけれども、冒頭の御挨拶ということにさせていただきます。

 

○大西事業管理課長 続きまして、委員の皆様の御紹介を事務局からさせていただきます。

 まず、本委員会の委員長につきましては、年金事業管理部会長が指名することとなっております。

 年金事業管理部会の増田部会長より、喜田村洋一委員にお願いするとの御指名がございましたので、喜田村委員に委員長に御就任をいただいております。

 続きまして、あいうえお順で御紹介をさせていただきます。

 まず、片桐春美委員でございます。

 白石多賀子委員でいらっしゃいます。

 高橋良明委員でいらっしゃいます。

 嵩さやか委員でいらっしゃいます。

 柳志郎委員でいらっしゃいます。

 山口由紀子委員でいらっしゃいます。

 以上となってございます。

 事務局の出席者でございますが、お手元の座席図のとおりとなってございます。

 なお、樽見は公務のためここで退室をさせていただきます。

 

○樽見年金管理審議官 恐縮でございます。どうぞよろしくお願いします。

 

(樽見年金管理審議官退室)

 

○大西事業管理課長 同じく、日本年金機構の国民年金部長の町田も別の用務でおくれておりますことをおわび申し上げます。

 ここで、カメラは退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○大西事業管理課長 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 資料1-1と右上に題した資料3枚物がございまして、2枚目が1-2、3枚目が1-3となってございます。

 資料2が横判の資料で「国民年金制度及び業務の概要について」と題する資料がございます。

 資料3「特定事由について」という横の資料がございます。

 資料4「特定事由の行為主体と類型について」という横置きの資料がございます。

 参考資料1といたしまして、参考条文。

参考資料2といたしまして、「年金記録問題に関する特別委員会 報告書(平成26年1月)抜粋」というものをおつけしております。

 以上、漏れ等ございませんでしょうか。

 本委員会での御発言に当たってですが、このマイクの使い方だけ御確認で、御発言の際はこの右下にありますトークと書いてあるボタンを押して御発言をお願いいたします。

 それでは、以降の議事進行につきましては、喜田村委員長にお願いいたします。

 

○喜田村委員長 委員長を仰せつかりました。皆様の御協力のもとに進めていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、議事次第に従って進行をいたしたいと思います。

 まず、議事1「委員会の設置について」ということでございまして、本委員会の設立の趣旨、あるいはこの会議の進め方あるいは議事録等の公開、そういったことも含めてどうなっているのかということについて事務局から御説明をお願いできればと思います。

 

○大西事業管理課長 お手元の資料1-1をごらんください。「社会保障審議会 年金事業管理部会『特定保険料納付申出等に係る承認基準専門委員会』の設置について」とございます。

 「1.設置の趣旨」でございますが、後ほど資料で御説明しますが、特定事由、法令に基づき事務が行われなかった場合、あるいは誤った事務が行われた場合というものを特定事由と言うわけでございます。

 この特定事由によりまして、国民年金保険料の納付の機会を逸失した場合などにつきましては申出ができる、その際の申出に関する承認基準というものについて、専門的な観点から検討を進めるため、年金事業管理部会に本専門委員会を設置するというのが設置趣旨でございます。

 専門委員会には委員長を置き、委員長は年金事業管理部会長が指名するとなってございます。

 検討項目といたしましては、申出等の承認基準、その他ということでございます。

 運営でございますが、専門委員会の議事は原則として公開をさせていただきます。

 専門委員会は検討過程におきまして、必要に応じ、関係者の意見聴取を行うことができることとさせていただいております。

 専門委員会の検討の結果につきましては、社会保障審議会年金事業管理部会に報告することといたしております。

 その他、専門委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定めるということでございます。

 資料1-2が名簿でございます。

 資料1-3「会議の公開の取扱いについて」とございます。

 会議及び資料については公開とするということで、毎回事前に広報していまして、傍聴の方がいらっしゃるということにさせていただいております。

 議事録につきましては、後日委員会の皆様に御確認いただいた上で、速やかに厚生労働省のホームページに公開するとさせていただきます。こちらの議事録につきましては、資料などとあわせてホームページに掲載をさせていただきたいと考えております。

 3番、写真撮影等については、会議冒頭の頭撮りに限って行うことができるとさせていただいております。

 以上でございます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、各委員の先生方、御質問等がございましたらと思いますけれども、いかがでしょうか。

 先ほどの樽見さんから話がありましたけれども、大体秋ぐらいまでにという感じということでしょうか。

 

○大西事業管理課長 そのようにお願いしたいと思っております。

 

○喜田村委員長 中身については、また追って御説明を承るということになりますけれども、それに応じて委員会の開催の頻度等を決めていきたいと思っております。

 では、よろしいということでございましたら、議事次第の2番に進んでいきたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。

 議事次第の2でございます。まさにこの委員会のレーゾンデートルといいますか、本来やるべきことということだろうと思いますけれども「特定事由について」ということですが、いきなり特定事由に入る前に国民年金制度なり、あるいはその業務といったものについてあらかじめ共通認識を得ていたほうがよいと思いますので、そういったことについて御説明をいただきたいと思います。

 

○大西事業管理課長 それでは、お手元の資料2をごらんください。

 今回の御議論いただきます特定事由等につきましては、国民年金の中での問題ということで、国民年金制度及びその業務の概要について、まず御説明をいたします。

 表紙をおめくりいただきますと「公的年金制度の仕組み」ということで図がございますけれども、御案内のとおりだと思いますので説明は省略しますが、このような国民年金とその上乗せの厚生年金という2階建ての年金制度になりましたのは、昭和61年の4月からでございます。

 今回、御議論いただきます内容につきましては、必ずしも昭和61年4月以降の事件には限らないということでございまして、昭和61年4月より前はこのような体系ではなく、現在で申しますと、第1号被保険者の方々は国民年金に、現在で言うところの第2号被保険者の方々は厚生年金あるいはまた共済年金に、第3号被保険者の方々は制度の対象外で、国民年金に任意加入ができるという制度でございました。

 次の2ページ目が、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の区分ということでございますが、今回、専ら対象になります国民年金の第1号被保険者でございますけれども、保険料等はここの記載のとおりでございます。後で詳しく御説明をいたします。

 3ページ目は、被保険者数の推移というもので、これはまさに第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者という制度ができました昭和61年以降の推移をたどってございます。

 全体として見ますと、我が国の人口は最近は特に全体としては人口減少に入っているわけでございますけれども、第2号被保険者は増加傾向、国民全体がサラリーマンが増えているという傾向があろうかと思います。

 4ページ目「国民年金保険料について」ということでございます。

 国民年金保険料は、所得等にかかわらず、1人1カ月当たり定額の保険料、平成27年度で申しますと、1万5,590円となってございます。こちらの額につきましては、平成29年度まで段階的に引き上げが予定されているということでございます。

 ちなみに、次のページをごらんいただきますと、昭和36年以降の保険料の額が記載されておりまして、制度発足当初、昭和36年当時は100円、年齢によっては150円という刻みになってございましたが、その100円からスタートして、今日1万5,590円までだんだん値上がりをしてきているという経過でございます。

 4ページ目、保険料の納付義務者は厚生年金等に加入していらっしゃる方、その被扶養配偶者を除く日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の全ての方がこの国民年金の第1号被保険者となるということでございます。

 世帯主と配偶者は連帯して保険料の納付義務を負うということが、これは制度の発足当時から定められております。

 現在では、保険料の納付につきましては、この四角の下にありますような形で、金融機関、コンビニでお支払いいただく以外にも、口座振替、クレジットカード、電子納付といったものが用意をされているということでございます。

 特に現金でお支払いいただく場合、あるいは口座振替で納付される場合につきましては、あらかじめ一定期間、1カ月、6カ月、1年、2年という区分がありますが、保険料をまとめて納付することによって、保険料が割引になる前納制度というものがございます。

 所得にかかわらず、1人1カ月定額とされていることとの関係で、高所得の方も低所得の方も同じ額となっているわけでございますが、低所得の方等につきましては、免除・猶予という制度が設けられているというものが4ページ目の下の段でございます。

 免除の中には幾つか種類がございまして、生活保護法の生活扶助あるいは障害年金の受給者、こういった方は法律上免除だということで、届出によっていわば自動的に免除が適用される法定免除となってございます。

 低所得の方、本人及び配偶者、世帯主といった方々の所得に着目をして、基準以下である場合には申請によって全額免除、4分の3、2分の1、4分の1という段階的な免除が導入をされております。

 次のページの保険料額の変遷という表をごらんいただきますと、半額免除につきましては、平成14年以降、4分の1免除、4分の3免除につきましては、平成18年7月以降それぞれ導入をされているということで、金額もこの推移も最後のほうから始まっているということになってございます。

30歳未満の若年者あるいは学生につきましては、本人の申請で保険料の納付が猶予されるという制度がございます。若年者納付猶予とか、学生納付特例、略して学特などと呼んでございます。

 6ページ目、保険料の免除・猶予制度について少し詳しく説明をしております。上のほうの左側、免除の種類として申請免除、学生納付特例、若年者猶予という制度がある。それぞれ右の表がございますけれども、世帯構成に応じまして、その基準、この適用を受けられる基準が定められているということになってございます。

 その免除の手続につきましては、下のほうで簡単な図になっておりますけれども、被保険者の方々から申請を市区町村長に提出をいただきまして、市区町村のほうで申請を受理するとともに、事実の審査を行った上で、日本年金機構のほうへ送付をしていただくということで、そこで確認をした上で、承認、却下等の処分を行い、承認、却下等の結果については年金機構から被保険者へ通知をされるという流れになってございます。

 次のページが、学生納付特例制度ということで、学生につきましては、大抵の場合はむしろ所得がないのが原則であろうという考え方に立って、幅広く保険料の納付を要しないということで、猶予制度というものが設けられております。

 猶予を受けますと、10年間は保険料を追納できるということで、社会人になってから保険料を納めていただくことが可能になるということでございます。

 この手続につきましては、下のほうにありますけれども、市区町村長、場合によっては大学で学生納付特例事務法人という指定を受けている場合がありまして、この指定を受けている大学におきましては、申請の手続が大学でできることになっております。

 免除につきましては、免除を受けますと老後の年金額に一定額反映されるということでございますが、この学特も含めて猶予につきましては、老齢年金の年金額には反映されませんが、未納になっている場合は、例えばその未納期間中の障害・遺族年金などが保険料納付要件を満たさずに支給を受けられないということが生じますけれども、猶予を受けていれば、納付しているのと同じく障害年金・遺族年金などの受給の計算上は納付しているのと同じような扱いになるということで、納付猶予を受けるメリットがあるということでございます。

 8ページ目、こちらが第1号被保険者の人数と全額免除等を受けている方の人数の推移というものがございます。直近のデータで申しますと、表の一番左下になりますが、平成25年度末の時点で1号被保険者全体が1,805万人と、そのうち強制加入になっている任意加入の方以外の方が1,779万人いらっしゃいます。そのうち、全額免除を受けている方が606万人ということで、3分の1ぐらいがこの免除の該当になっているということでございます。

 以上が制度の簡単な概要でございましたが、引き続き、業務の実施体制につきまして、9ページ目以降をごらんください。

 9ページ、これは現在の実施体制でございます。厚生労働省が監督をしている日本年金機構という特殊法人におきまして、年金業務の中心的な役割を担っているということでございますけれども、右側にございますが、国民年金につきましては、被保険者や受給者からの手続に関しては市町村を経由している場合があるということで、市町村と年金機構が重要な役割を担っていただいております。

 国民年金の事務の取り扱いにつきましては歴史的な変遷がございまして、こちらの10ページ目は、平成14年までの姿ということでお示しをしております。

 平成14年までの間は国民年金関係の事務は市町村長の機関委任事務ということで、国民年金の適用・徴収に関しては専ら市町村で実施をしていただいておりました。社会保険事務所というものが図の左側にございますけれども、こちらが事務をするというのは過年度分の保険料の納付等の手続ということで、年度を過ぎてしまった保険料を納めたいという方がいらっしゃる場合には、市町村ではなくて社会保険事務所にということになっておりましたが、当時は専ら市町村長が国民年金関係の事務の手続を担っていたということでございます。

 ちなみに、この注2にございますが、保険料の納付方法も市町村が国庫金を取り扱うという性格上、現年度保険料の納付方法は国民年金印紙というものを被保険者が購入して、印紙を手帳に張りつけるという方法がとられていたということで今とは大分違う事務処理になってございました。

 次が11ページ目、平成14年度以降の取り扱いということで、機関委任事務が廃止をされまして、市町村における法定受託事務という制度が新たに創設をされました。これに伴いまして、段階的に移行しているわけですけれども、届け出の手続の一部は法定受託事務ということで市町村にお願いをしておりますが、その他の事務は社会保険事務所が行うという扱いになりまして、後で詳しく御説明いたしますが、市町村で行っている事務はこの※4というところにありますけれども、現在では法定受託事務と協力・連携事務という大別すると2通りの事務になっております。

 平成22年に日本年金機構が発足をいたしましたが、このような市町村で法定受託事務に基づき一部の手続を届出等の受理等を行っていただく。それ以外、専ら年金事務所で事務を扱うという体制は、年金機構になってからも引き継がれて今日に至っているということでございます。

 次の13ページ目に「法定受託事務の主な内容」とございます。今、市町村で行っていただいている事務の概要をこちらにまとめております。

 1番が第1号被保険者の方の資格の取得・喪失、種別の変更、氏名・住所の変更等に関する届出の受理ということでございます。こちらは専ら住民票などの手続とセットで行われることが多いということで、市町村でこういった事務を行っていただくことによりまして、被保険者の側からすると住民票の手続に市町村に行った後、もう一回別のところにある年金事務所に行かなければいけないということにならずに済むということで、利便性があるということで、市町村でお願いをしていると考えております。

 国民年金に任意加入したいという方の任意加入の申し出といった手続です。

 こちらは専ら年金の受給権が発生していない方などにつきましては、年金の場合は今ですと25年加入しないと年金がもらえないというのが原則なわけでございますけれども、その納めた期間が足りないという方が年をとってから任意加入することができるという制度がございます。この任意加入制度の申し出の受理等を市町村で実施していただいている。そのセットですけれども、任意脱退というものも同様でございます。

 年金手帳の再交付というものが4番。

 5番が先ほどの免除・猶予の関係の申請の受理等の業務ということでございます。

 6番目が付加保険料の納付・辞退の関係の手続ということがございます。

 付加保険料と申しますのは、国民年金はもともと定額を納めて定額を受給するという制度でございましたが、それに一定の保険料を任意で上乗せで払うと年金を増やすことができるというものが昭和45年の10月から導入をされています。

 先ほどの5ページ目の資料に国民年金保険料額の変遷の表がございましたけれども、この表のちょうど真ん中に「付加保険料」という欄がありますが、ご覧いただきますと、昭和45年の10月から350円で制度がスタートしていまして、当時は国民年金の保険料本体が450円でございましたので、450円と350円でかなり近い、まさに上乗せの年金というイメージなのですが、その後400円に上がった以降はずっと据え置きになってございまして、今では1万5,000円に対して400円ということで、存在意義としてはかなり小さいことになっておりますけれども、そのかわりにといっては変ですが、現在では国民年金基金という制度がございまして、この付加年金に入るか国民年金基金に入れば上乗せの給付が受けられるという制度が用意されているということでございます。

 7番目が、年金の受給権者からの年金の請求の手続でございます。ただ、請求の手続に関しましては、国民年金の期間のみの方が市町村に手続に行くことになってございます。厚生年金などの期間がある方は年金事務所に行っていただくということになります。

 8番目は、受給権者等の死亡に関する届け出の受理ということがございます。

 次の14ページ目は、先ほど来御説明している事務の変遷を図に簡単に示しておりますけれども、上のほうに平成12年3月31日までと書いてございますが、市町村がかなりの部分事務をしていたのが段階的に移管をされてきて、平成22年日本年金機構発足以降を見ますと、網かけしてある年金機構がやっている部分のほうが増えている。市町村でやっていただいているのは届出の受理といわゆる国民年金1号被保険者期間のみ有する方からの年金の請求の手続ということでございます。

 次のページが「市町村との協力・連携」という題のページでございますけれども、法定受託事務導入以前、かなりの部分、市町村で事務をしていただいておりました。それが法定受託事務ということで整理をした際に、法定受託事務と関連のある以前からやっていただいていたような事務については、協力・連携事務と呼んでいまして、引き続き実施をしていただいている。これはあくまで任意ですので、やっている市町村とやっていない市町村がそれぞれあるということでございますが、協力・連携事務につきましては、この15ページの真ん中にございますように、例えば資格取得の手続の際に保険料の納付についての案内をするということ、あるいは広報誌等への掲載、広報関係の業務、相談関係の業務です。

 各種の情報提供といいますのは、市町村の有する情報、所得情報が多いと思いますけれども、所得情報などを日本年金機構なりに御提供いただくといった事務でございます。

 5番目は障害者手帳を交付する際に、障害年金についての周知をするということで、障害福祉などを担当しております市町村の部局でこういった事務をしていただくということでございます。

 その他ということで、年金相談に当たって、窓口装置を導入したり、ねんきんネットを導入したりして、相談業務に御活用いただいているということでございます。

 最後16ページ目が、国民年金の保険料は金融機関で納めていただくとなってございまして、この金融機関も国民年金の業務の一部を実質的に担っていただいているということでございます。

 各種銀行、日銀の歳入代理店のほかに農協等あるいは信用組合、労働金庫、信用金庫、平成16年からはコンビニエンスストア、平成25年には株式会社しんきん情報サービスというところで、ドラッグストアみたいなところも含めて保険料が納められるという場が提供されてございます。

 その他、下にありますけれども、口座振替、クレジットカード払い、Pay-easy(ペイジー)などの電子納付といったものも近年導入されていまして、こういったものが国民年金にかかわってくるということでございます。

 以上で、資料2の説明を終わらせていただきます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 非常に長い期間にわたって制度が幾重にも変わってきたということで、この後の特定事由の行為主体などというところも誰がそれに該当するのかといったことも非常に多く目配りしていかなければいけないのかという気がいたしましたけれども、それはそれとして、今の事務局からの御説明につきまして、委員の先生方から何か御質問なりございましたら、御発言をお願いいたします。

 山口委員、どうぞ。

 

○山口委員 15ページのところで、市町村との協力・連携というお話がございましたが、その中で協力・連携事務ということで御説明をいただいたところですが、4つ目の各種情報の提供について、所得情報の提供で紙と磁気媒体となっているのですけれども、これからマイナンバー法が入ってきたときに、今までも電子データとして提供されているものについて何かやり方が変わるのかということと、この協力・連携事務という位置づけ自体がマイナンバー法が入ってくることで位置づけに変更はあるのかどうかお伺いしたいと思います。

 

○喜田村委員長 事務局、今の点はいかがでしょうか。

 

○大西事業管理課長 マイナンバーが導入されて、平成29年7月には地方公共団体との情報連携システムネットワークが稼働することが予定されております。それに伴いまして、いわばマイナンバーを活用した形で市町村の持っている所得情報を、システム的にマイナンバーをキーにして日本年金機構で確認することが可能になるということでございまして、そうなりますと、こちらの所得情報の提供で紙や磁気媒体で御提供いただいている部分は、必要がなくなるということになります。

 厳密に具体的にこれらの事務をどうマイナンバーの導入に伴って廃止、整理していくかということについて、まだ具体的に検討しているわけではありませんけれども、今、申し上げましたとおりですが、原則としてはそういった形でシステム的な情報連携によってここは省略ができている部分があるだろうということです。

 その他、実は所得情報に限らず住民票に関係するさまざまな情報といったものは、マイナンバーを活用することによって日本年金機構で入手が可能になるということでございます。

 

○喜田村委員長 山口委員、よろしいですか。

 

○山口委員 はい。

 

○喜田村委員長 今のお話ですと、例えば市町村が行う事実の審査といったところ、13ページの下に書いてあったと思いますけれども、そういったことも変わってくるのでしょうか。

 

○大西事業管理課長 おっしゃるとおりです。先ほどそこまで説明するべきでしたけれども、13ページにあります法定受託事務のほうもマイナンバーの導入に伴って、例えば死亡の届出などはマイナンバーを使ってシステム的に把握できるようになるので不要になるという部分で、ここら辺も市町村との法定受託事務の関係については影響が出てくるということでございます。

 

○喜田村委員長 長期間にわたるお話でしたけれども、ある意味ベーシックな点でもございますので、委員の先生方はある程度御存じのところかと思いますが、ほかに何かございましょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、いよいよこの委員会のやるべきことになるかと思いますけれども、特定事由につきまして、事務局から説明をお願いできますか。

 

○事業管理課長 お手元の資料3をお願いいたします。「特定事由について」という表紙の資料でございます。

 1ページ目ですが、今回御審議をいただきます承認基準のもとになる制度の具体的な内容についてこちらに沿って御説明を申し上げます。

 まず1ページ目に、今回の制度の創設の背景等、整理をしてございます。国民年金の保険料は納期限、翌月末ということになっているのですが、その翌月末から2年を経過すると納付することができない、徴収権が時効にかかってしまうという考え方でございます。

 また、免除等についてもこの2年を経過すると申請ができないということでございます。

 公的年金制度につきましては、長期間にわたる保険料の納付というものに基づいて、また給付についても老後の長期にわたって行っていくということが原則でございます。ある過去の一時点で事務処理誤り等によって保険料の納付ができないということがあった場合に、その後の年金生活に多大な影響を与えるおそれがあるという長期的な納付と長期的な受給という部分が、年金制度は大きく他の制度と異なる部分でございます。

 したがいまして、被保険者に責任がなく、事務処理誤りなどによって国民年金の保険料が2年間の時効で納付できない場合、保険料が納められないために将来の年金が減額になる、あるいは年金が受給できないということは、事務処理誤りに遭った方と遭わない方の公平性あるいは年金制度に対する信頼という観点から問題があるということでございます。

 年金記録問題について御審議をお願いしておりました社会保障審議会年金記録問題に関する特別委員会の報告書におきましても、こういった場合について法的な措置で救済をする必要があるという御指摘をいただきました。そういったことも踏まえまして、事務処理誤り等の事由によって保険料の納付機会を逸失した場合などにつきまして、事後的に特例保険料を納付することを可能とするということで、2年間の納期限、納付できないという時効の考え方に対して例外的な制度を設けようというのがこの制度の趣旨でございます。

 この制度につきましては、法律上は平成26年6月に交付されてございますけれども、そこから2年以内で政令で定める日に施行するということになってございますが、私どもの予定といたしましては、平成28年4月から施行したいということで考えております。

 以後、制度の具体的内容でございますけれども、まず1ページ目の一番下のところ、特定事由というものがございます。

 法律の規定につきましては、まだ実施されていないので『六法全書』などに全然載っていないので、こちらに条文を参考資料1という形でおつけしました。適宜こちらも御参照いただきながらと思いますけれども、特定事由につきましては、国民年金法その他の法令に基づいて行われるべき事務の処理が行われなかったこと、またはその処理が著しく不当であるというものを指すということで、事務が行われない場合と事務が間違っている場合の2点があることが示されております。

 2ページ目、この事務処理が特定事由、つまり事務処理が行われないまたは著しく不当な事務処理が行われた場合ということですが、この特定事由によって申請、申出ができなかった場合と保険料の納付ができなかった場合という2点ありますけれども、こういった場合には、厚生労働大臣に被保険者などの方から申出を行うことができることになっております。

 まず、申請申出ができなかった場合というのが2ページ目の説明にあります。被保険者等の方が特定事由により以下に該当するときには、厚生労働大臣にその旨を申出をすることができるということで、具体的には、この真ん中辺にA、B、C、D-1、D-2、D-3とあります。任意加入の申出、一部免除の申請、付加保険料の納付の申出、免除関係、猶予関係の申請という手続をすることができなかった、あるいはそれが遅れてしまったという場合には、その旨の申出をしていただきます。

 その申出を受けまして、この専門委員会で後日御審議をいただきます承認基準というものがあるわけですが、承認基準にのっとって承認の事務をいたします。申出が承認されますと、ここにありますけれども、申出があたかもあったように、有効な申出がなされたようなことで効果が発生するということで、任意加入の申出につきましては、申出があった日以後が被保険者期間になる。あるいは一部免除の申請があったとみなされますと一部免除期間、付加保険料ですと付加保険料を納付できる期間、免除・猶予ですと、免除等の期間、特定全額免除期間と法律上はそういう用語になっていますが、そういった期間になるということでございます。

 この2ページ目の真ん中辺に※がございますが、申出をいただいてから承認基準に照らして審査を行って承認をするというところまで一定の時間が経過してしまう場合があります。その場合でも、承認の効果は申出日にさかのぼることが法律上定められておりまして、仮に承認手続が長引いた場合でも申出者の不利にならないように措置されているというものでございます。

 この申出があった場合の効果ということにつきましては、免除期間につきましては、受給資格期間に算入いたしますし、一部年金額にも反映をするということになりますので、こちらの2ページ目の一番下の箱の中にありますけれども、老齢基礎年金の受給権者の方がこういう申出を承認されたという場合には、申出のあった翌月から年金額が増額になると思いますが、改定されますし、受給資格期間を満たしていなかった方の場合には、受給資格期間を満たすようになれば、その翌月から老齢基礎年金が支給されるという効果が発生するということでございます。

 次のページに、今度は保険料の納付ができなかった場合というものを書いております。

 この保険料の納付ができなかった場合というのは、特定事由によって、要するに事務処理誤り等によりまして、保険料あるいは付加保険料、あるいは免除を受けた方が後から追納する場合の追納保険料などというものがありますけれども、こういった保険料を納めることができなくなったケースと、先ほどの任意加入の申出あるいは一部免除の申出、付加保険料の納付の申出等によって、任意加入できる期間とされた期間について保険料を納めたいという場合がございます。

 これらの期間について納付の申出をできるというのが、納付に関する申出の効果ということでございます。こちらも承認基準に照らして承認をされた場合でございますけれども、特例保険料と呼んでいますが、保険料を納付することができるということで、納付いただきますと、申出があった日にさかのぼって納付があったものとみなされるという効果が発生し、年金額の増額あるいは老齢年金の受給権が発生するという効果が生じるということでございます。

 最後に4ページ目、特定事由に関する承認基準ということでございますが、厚生労働大臣は、厚生労働省令で申出に関する承認基準を定めるものということが規定をされておりまして、この承認基準を定めたり変更したりするときには、社会保障審議会に諮問しなければならないということで、この諮問・答申の手続自体は、年金事業管理部会というところで行っていただこうと思っておりますけれども、承認基準の策定という非常に専門的なことにつきましては、本委員会で御審議をいただいた結果を年金事業管理部会に報告をするという形で、最初の承認基準を定めるということを予定しております。

 続きまして、特定事由の具体的なイメージをつかんでいただくということで、かつて事務処理誤りについて御議論をいただきました「年金記録問題に関する特別委員会報告書」をもとにいたしまして、その内容を整理したものが5ページ目以降でございます。

 今回の参考資料2ということで、この年金記録問題特別委員会の報告書の第8章という部分をそのまま抜粋させていただいております。この参考資料2の内容をポイントだけまとめたというものが、こちらの5ページ目以降になっております。

 まず5ページ目「事務処理誤りによる顧客への影響」といたしまして、年金の過払い、未払い、保険料などの過徴収、未徴収あるいは保険料を還付するときの誤還付、その他みたいなものがあるということで、それは6ページ目にございますような形で件数全体としては3,000件弱毎年度発生しているということでございます。この中では、年金の未払いがこのうちに占める割合としては比較的多いとなってございます。

 次の7ページ目が、事務処理誤りを起こす原因別に区分をしますと、まず原因としては「確認不足」、システムの操作の際の誤り、入力漏れ、通知書などを送付するときのミスといったものがあるということでございます。

 「適用・認識誤り」とございますが、法令や通知等についての誤解があったために事務処理誤りを起こしてしまったということが2つ目でございます。

 3点目が「届出書などの放置」ということで、本来行うべき届出書などの処理を忘れてしまったということで、適切な時期までに処理がなされなかったというケースがございます。

 「その他」といたしまして、本当に不正行為による場合、あるいはシステム事故による場合。

 「事件・事故」というのは、事務処理誤りというよりはむしろ年金機構が被害者になって、あやしい電話がかかってくるとか、あるいは暴力事件が起こるというケースもここではまとめてくくってあります。

 下のほうに表の件数の推移がございますけれども、事務処理誤りの非常に大きな部分は確認不足によって発生をするということが明らかでございます。

 8ページ目につきましては、書類の放置の関連で具体的事例がかつてあったということで、厚木社会保険事務所における年金記録の確認申立書についての事案がア。

 江東年金事務所におきまして、年金記録の確認申立書に関する問題が発生しているケースがイ。

 兵庫事務センターで届け出書の処理遅延、あるいは書類紛失があったという事例がウでございます。

 これらにつきましては、日本年金機構におきまして、ここの下に掲げているような形で届出書等の総点検を行うとか、チェック体制を強化する、あるいは書類整理月間を定めてそういう機会を通じて確認・点検をする、内部監査の中で重点的な項目として扱うということで再発防止に取り組んでいることが御紹介されております。

 9ページ目でございますが、事務処理誤りについての全般的な再発防止策につきまして、御紹介をいただいております。

 1番目「内部牽制と管理面の対応」ということで、職場全体で体制を整備して相互にミスが起こらないような管理体制を強化しているという部分でございます。

 2番目に、平成2410月に全拠点で導入された「受付進捗管理システム」というものがございまして、書類についてバーコードを添付して、それをもとに今、書類がどこに行っているかというステータスを管理するというシステムを整備しているということでございます。

 3番目「お客様対応業務システム」、これは平成25年9月から稼働させているお客様の声や相談みたいなものを登録していくシステムが整備をされているということでございます。

 4番目「ブロック本部を含む各拠点の活動とその展開」とございますけれども、さまざまな拠点におきまして、勉強会あるいは研修みたいなものに努めているということでございます。

 5番目「業務監査の導入」ということで、無予告で摘発型の監査を行うなどいたしまして、書類放置などがないようにということで厳しく取り締まっている。

 6番目、そういったミスが起こってしまったときに、制裁規程を効果的に発動するということで、再発防止に取り組むという取り組みもしていただいているということでございます。

 7番目、意識改革ということで、取り組んでいるということでございます。

10ページ目が「事務処理誤り判明後の対応」ということで、これが今回の委員会での議論の中心的な部分とも関連がありますけれども、事務処理誤りが起こってしまった。それによって起きた事案について、その後どう対応するかということでございます。

 解釈・運用などによりまして、お客様に実害が生じないようにうまく手当てができたような事例が10ページ目にございます。

 例えば1番目に「1 過去の誤判断・説明誤りによる『加入機会の逸失』のケース」というものが例に挙がっていますけれども、右側をごらんいただきますと、正確な年金記録の確認が行われなかったために、任意加入の機会を失ってしまった、脱退手当金を受給してしまった、脱退手当金というのは一度受給をしてしまうとその期間分は年金に加入していなかったのと同じということで、その後、年金の受給資格件に算入しないことになってしまいます。脱退手当金をもらうかもらわないかがその後の年金の受給権に結びつかないか結びつくかという大きな分かれ目になってしまうのですが、そのときに正確な年金記録の確認ができなかったということが原因にあったということで、それを救済する対応というのが行われた例がございます。

 一部救済できているのですけれども、かなり救済できていない事例があるということで、11ページ目以降に具体例がございます。

 表の左側をごらんいただきますと、「過去の誤判断・説明誤りによる『加入機会の逸失』のケース」ということで、保険料については2年分までしか納付できないというのが原則になっているので、2年を過ぎてしまいますと、法律上は納付できないという壁に当たってしまうという問題があるということでございます。

 事例をごらんいただきますと、11ページ目の表の左側【事例1(定額保険料)】被保険者の方が年金事務所に納付書の再発行依頼を行ったときに、年金事務所が定額保険料の納付書を送付するのを忘れていたということで、被保険者が納付を希望していた一部の期間について、納付することができなくなってしまったという事例があった。

 【事例2(付加保険料)】のケースですけれども、正当な申請期限内に付加保険料の納付申出書を提出していただいたのですが、入力を忘れていたために納期限内に納付書が交付されなかったために付加保険料を納付することができなかったというケースがあったということでございます。

 「3 その他の類型化できる特定のケース(前納保険料、口座振替、追納保険料など)」ということで幾つかパターンがあります。

 まず【事例1(前納保険料)】ということでございますが、被保険者が年金事務所に前納保険料の納付書の交付依頼を行った際に、年金事務所で間違って前納ではなくて定額の普通の保険料の納付書を交付してしまったというケースで、申出をされた方は、本当は前納をして割引で保険料を納めたかったのに、それはかなわなかったという事例があるということでございます。

 ただ、個別対応で納付書の受理が確認できた場合に割引で保険料を納めるというものが認められた事例もあるということでございます。

12ページ目に【事例2(口座振替)】とありますが、被保険者の方から口座振替の依頼書が提出されたけれども、事務センターの入力誤りによって口座振替による前納保険料の納付というものができなかった事例があったということでございます。

 【事例3(追納保険料)】ですが、被保険者が年金事務所に追納の申出書を提出した際に、納付書を送付することを忘れたため、追納の納付期間を経過してしまった。追納ですと、免除を受けた方などがその後10年間は追納できるというので、この10年間を過ぎてしまうと納められない事態になってしまうということでございます。

 【事例4(追納保険料)】のケースですけれども、年度内に送付するのを忘れてしまったということで、追納加算額というのが、追納の場合は毎年度毎年度額を加算してまいりますので、年度を跨いでしまうと追納するべき保険料の額が変わってしまう、増えてしまうのです。それを前年度の追納加算額による保険料を納付することができず損してしまったという事例でございます。

 【事例5(資格期間)】の関係ですが、年金相談の際に年金資格期間に算入する合算対象期間というものがありまして、学生中の期間みたいなものですが、その学生中の期間の説明を誤ったために任意加入をすることができずに受給資格期間を満たすことができなかった事例があったということでございます。

 こういった事例に対しましては、先ほど来説明しております、一部解釈・運用で対応してまいりましたけれども、それによって対応ができないという事例も多うございます。この専門委員会特別委員会では、そういった救済が困難なケースについて法的措置の検討が必要ということが表の右側に書いてございますが、指摘をいただきました。その法的措置につきましては、今回の特定事由に基づく納付申出制度というものがまさにそれに対応するものだということでございます。

 続きまして、資料4について御説明をいたします。

 以上のような説明を踏まえまして、この特定事由というものについて、どういった行為主体がどういった類型の事務処理誤りをしてしまうかというところについて、あらあらのイメージを持っていただこうということで資料4として取りまとめております。

 表紙をおめくりいただきますと、今回の特定事由の行為主体としましては、国民年金制度の事務処理を担当する機関等を全てカバーするということを基本に考えたいということでございます。

 すなわち表にございますけれども、現在の厚生労働省や日本年金機構はもちろんですが、旧厚生省、旧社会保険庁の行った部分、市町村、市区町村で行っていた部分、現在の法定受託事務についてもそうですし、それ以前の機関委任事務の部分についても市町村というものが該当するということでございます。

 年金機構等におきましては、委託業者を使って事務を実施している部分がございます。この資料の2ページ目の表の下のほうについていますけれども、さまざまな組織等が関連をしてくるということで、保険料の納付等につきまして、電話とか戸別訪問とか文書、お手紙を書いて国民年金の保険料の納付をお願いしますという督促業務を実施していただいているのが市場化テスト事業者と言われるものです。

 コールセンター、内部事務委託者が※3とありまして、2ページ目の※3をごらんいただきますと、事務センター等において、入力処理業務、コンピューターへの入力処理などを行う業務とか機械的な作業、手作業だと思いますけれども、それから、納付書の作成、発送などの業務を民間業者に委託をして行っている場合があるということで、そういった業務を担当している内部事務の委託業者さん。

 学生納付特例事務法人というのは、先ほど学特の説明のところで申しましたけれども、大学などがこれに当たります。

 国民年金事務組合というものがございまして、※4をごらんいただきますと、同種同業者の団体が厚生労働大臣の認可を受けて、被保険者の委託を受けて各種届出を被保険者にかわって委託して、委託を受けて届出ができるという仕組みがありまして、個人タクシー事務組合というものが現存するということでございます。

 ※5といたしまして、保険料納付確認団体というものがございますけれども、これも同種同業者の団体で医師会、歯科医師会、薬剤会などがあるのですが、これらの団体が厚生労働大臣の指定を受けて加入者、医師会ですとお医者さんということだと思いますけれども、その会員である被保険者が自分の保険料の納付状況などを定期的に確認できるという仕組みが設けられておりまして、この保険料納付確認団体というものも法律に基づく組織、国民年金事務を行っている組織でございますので、こちらもカバーされるということでございます。

 国民年金基金というものがございまして、※6でございますけれども、自営業者のための任意加入で、上乗せの年金を受け取るための制度ということでございます。

 1ページ目の「まる4収納機関等」というものがございまして、先ほどの制度説明のところでも申しました保険料の納付に当たる歳入代理店等々の会社というものがこれに当たるということでございます。

 1ページ目の下の段にございますけれども、ファイナンシャルプランナーさんとか、弁護士さんとか社労士さんなどは、業として年金相談などを行っていらっしゃいますが、国民年金事務そのものではないので、そういった方が説明された内容で何か誤りがあったということに関しては、この制度ではカバーされないということを念のため書いてございます。

 以上が、特定事由の行為主体の整理ということでございます。

 続きまして、3ページ目、特定事由の行為類型ということでございます。

 事務処理誤りにつきましては、先ほど来具体的な事例は幾つか御紹介をさせていただきましたけれども、そういうものをまとめてみるとどういうものなのかということで考えてみたところでございます。

 3ページ目にありますけれども、大きく言うと処理と説明の関係があって、処理を間違っていた場合というのがまる1処理誤りということで、誤った処理が行われたケース、届出書の内容と異なる入力処理が行われたということが処理誤りでございます。

 処理漏れ、処理遅延というものが2つ目の類型で、届出書等の処理が行われていないということで、届出を受理した職員がそれを放置したまま処理しなかったという事例が考えられるというので、処理の関係はこの大きく2つに分類をしたい。

 説明の関係ですけれども、説明の誤りというのがあったということで、職員が勘違いして誤った説明をしてしまったということでございます。

 この場合ですが、誤った説明のきっかけとして、何か御本人から誤った説明のもとになるような間違った情報をお聞きしてしまった場合、御本人に瑕疵があって、その瑕疵に基づいて事実と異なる説明をしてしまった場合については、説明誤りとまでは言えないだろうということでございます。

 例として、年金相談のときに御本人から婚姻期間というものをお伺いして、奥様の年金受給権がその婚姻期間だったらこういうときに発生しますということを御説明したのですけれども、実はそのときに御本人から申出された婚姻期間は間違っていたということで、実際は年金受給権が発生しなかったということがありました。

 ただ、これはもともと御本人が婚姻期間はいついつですと相談のときにそういう説明をされたので結果的にそうなってしまったということだとして、ここでは説明誤りのカテゴリーには該当しないと整理をしております。

 4点目ですが、説明漏れという類型でございます。本来説明すべき事項について必要な説明が行われなかったというケースです。

 例えば年金受給の相談にいらっしゃった方に対して、任意加入の説明をしない、脱退手当金の説明しかしなかったという例が挙がっています。年金は25年加入しないともらえないというのが原則であります。今ではその制度はなくなってしまっているのですが、かつては脱退手当金という制度がありまして、この25年に満たない場合には、厚生年金に入った期間が非常に短いOLさんみたいな方が昔いらっしゃって、厚生年金に入った期間が3年とか5年で結婚して寿退社で卒業されていたという方には、脱退手当金を支払って、過去の3年とか5年とか短い厚生年金の分は加入していなかったという扱いになってしまうのですけれども、脱退手当金を受給するという道を選択していたということであります。

 そういう制度の前提に立ってこの事例を見ますと、私は年金をもらいたいのですがと相談された方に対して、あなたはどうせ無理だから脱退手当金をもらってしまってくださいということで、本当は年金の受給の相談に来ているのに、本当は任意加入の説明をすれば、そちらを選んでいたかもしれないのに、その説明をしなかったという事例の場合には、説明漏れに該当するのではないかということでございます。

 一方、下の段ですけれども、御本人が最初から年金をもらいたいのですがという相談ではなくて、脱退手当金について教えてくださいと来られた。その方に脱退手当金というのはこういう制度です。あなただったらもらえますねという御説明をしたという場合、本当はここでプラスアルファで任意加入の説明をするという余地もあったわけです。任意加入の説明をしていたら、もしかしたら脱退手当金をもらいに来た方の気も変わっていたかもしれないわけなのですが、そこはここで言っていますが、一般的には不親切に当たるようなものというのは説明漏れには含めないということで、下のような事例、脱退手当金について説明をしてくださいと言われて脱退手当金を説明したけれども、任意加入については説明しなかったという事例については、説明漏れのカテゴリーには該当しないということでよいのではないかとここでは整理をさせていただいております。これも御意見をいただければと思います。

 3ページ目の下の段ですが、犯罪行為が関与する場合というものも考えられるということでございますけれども、ここでは犯罪行為については考慮しないということで、犯罪行為によって特定事由が生じた場合であっても、類型としてはここに含められるということで、ここでは整理をしております。

 最後4ページ目、以上のような行為主体と行為類型を縦横に整理をするとこのようになるだろうということでございます。

 一番上の段からごらんいただきますと、処理誤り、日本年金機構の処理誤りのパターン、資格取得日を誤って入力してしまったために正しい納付書を作成せず、結果的に保険料の納付ができなかったという事例。

 市町村での処理誤りのパターンといたしまして、資格取得届の受付後に年金事務所へ報告しなければいけないのですが、その報告の内容が誤っていた、住所が誤っていたために、正しい納付書が作成されず、結果的に期限までに納付することができなかったような事例ということでございます。

 3番目はコールセンターでの事務処理誤りでございますが、コールセンターで年金事務所への納付書の再作成依頼を誤ってしまったために納付書が作成されないで、期限までに保険料を納付することができなかった。

 4点目は、収納機関における処理誤り、誤って口座振替契約を勝手に解除してしまったために、期限までに付加保険料の納付の機会を逸してしまったというケースがあり得るということでございます。

 2段目、処理漏れ、処理遅延ということでございますが、日本年金機構の処理漏れ、処理遅延の例としては、納付書の再作成依頼があったけれども、処理を怠ったために、処理をしなかったために納付書が作成されず、保険料の納付ができなかった。

 市区町村をご覧いただきますと、付加保険料の納付の申出書というものを受付したけれども、それを年金事務所へ回付しなかったために、付加保険料が納付できなかったということがあり得る。

 コールセンターのケースですけれども、コールセンターで年金事務所に連絡するのを怠ったために保険料を納付することができなかったということ。

 収納機関での例ですが、口座振替書を受付したけれども、その設定を行わなかったために結局口座振替ができなかったということで、期限が過ぎてしまったということがあり得るということ。

 説明誤りというものが3段目にございますけれども、日本年金機構の例で言いますと、後納保険料について電話で相談を受けた。ところが、誤った期限を説明してしまったために、期限内に後納保険料の納付ができなかったという事例。

 市区町村の例で見ますと、付加保険料について相談を受けたときに誤った期限の説明をしてしまったために、付加保険料の納付機会を逸してしまった。

 コールセンターですが、誤った期限の説明をしてしまったという例があります。

 説明漏れ、日本年金機構の欄をご覧いただきますと、後納の保険料について相談を受けた際に、制度の説明を行ったけれども、期限の説明を行わなかったために、後納保険料を期限までに納付することができなかった。

 市区町村、付加保険料についての相談を受けたときに、付加保険料の説明はしたけれども、期限の説明をしなかったために付加保険料を納付することができなかった。コールセンターも同様の例ということでございます。

 この説明誤りや説明漏れにつきましては、収納機関のところは空欄にさせていただいていますが、収納機関、金融機関の窓口で何か年金制度について説明をするということはない、あるいはそういった責任は金融機関の側にはないということで、ここは該当がないだろうということで斜線にさせていただいております。

 以上のような具体的な事例は、実際にあったものあるいはそれを参考にしながら作ったものということでござまして、今後、御審議いただく中でこれら特定事由に該当するか否かということも線引きをしていただきたいということで、現時点で全部必ず当てはまるとしているものではございませんので、御注意いただきたいと思います。

 以上で、資料の説明を終わらせていただきます。

 

○喜田村委員長 ありがとうございました。

 非常に盛りだくさんの御説明だったと思いますけれども、きょうは第1回ということもございますので、ある程度フリーなディスカッションになるかもしれませんが、今の資料の3と4、これの御説明につきまして、質問あるいは御意見等ございましたら、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 白石委員、どうぞ。

 

○白石委員 まず、資料3ですけれども、7ページに参考としまして、原因別区分の推移が出ています。この中で確認不足、適用・認識誤りの数字が、この報告書の時点と、その後、現在、マニュアルなどいろいろな対策を立てた結果、著しくこの数字というものは減少しているか知りたいのが1点です。

 もう1点は、先ほどの御説明の中にもありましたけれども、資料4の3ページのまる4説明漏れで不作為ということで、※のところで「一般的に不親切と言われるものは説明漏れに含めない」とありますが、結構これが事案としては一番多いような気がするのです。例えば、今後実際に私も特定事由に該当するのではないかといったときに、ここら辺の人たちの申し立てがふえてくることが予想される感じがします。

 例えば、事例として出てきているのが脱退手当金について問われたけれども、脱退手当金の説明をしたが任意加入を説明していない。これが不親切でいいのかどうかというのは、最近皆さんがやっと年金に関心を持ちましたが、この脱退手当金とか本当に記録漏れ以前、記録漏れ以降もそうですけれども、何回年金の話を、制度を聞いてもちんぷんかんぷんという答えが結構多いです。ですから、そういう方たちに対して質問されたことだけでいいのか、ただその言葉しか知らないから質問したということが大方そうだと思うのです。

 窓口の人たちは専門家ですから、そのときに一言あれば、もしかしたらこういうものが防止できたのではないかということも含めますと、ここの事例みたいなことがこれでいいのかというのは今日の資料の中では疑問に思いました。

 

○喜田村委員長 なかなかタフな質問が最初から出ておりますけれども、事務局の資料3の点がこれは数字、あるいは最近の傾向ということかもしれませんが、これについてまず何か御回答できるようなことはございますか。

 

○田中日本年金機構品質管理部長 先ほどの最初の御質問でございますけれども、この記録問題の回復委員会の報告書で報告された数字をここへ並べておりますが、これはその年度に日本年金機構が事務処理誤りとして公表した件数でございますので、実際の発生件数とはずれがございます。この種類別に分けた件数、毎年年度公表として示しておりますけれども、発生件数とすればほとんど変わっていない、トータル件数が変わっておりませんので、極端にここが減ってここが増えたという状況ではございません。

 

○大西事業管理課長 次回に公表ベースで何か出しましょうか。

 

○田中日本年金機構品質管理部長 年金事業管理部会にお出しした資料を参考に次回出させていただくようにしましょうか。

 

○大西事業管理課長 2点目でございますけれども、説明の不親切というところで、これは確かに一番我々としても悩ましいところで、おっしゃるとおりこれをどこまでだめと言い、どこからオーケーと言うかは、ぜひ今回の資料にとらわれずにそこはこの場でいろいろ御議論いただいて、ここら辺までは説明すべきものを説明していないと評価できるという線を引いていただければと思っております。

 

○喜田村委員長 私からもお聞きしたいのですけれども、我々が基準をつくるということになると、附則の中で委任されたもの、それをつくるということになるわけですから、そうすると、附則の9条の4の7「事務の処理が行われなかつたこと」か「その処理が著しく不当であること」ということになっているわけですけれども、これは立法なりなんなりの過程でどのようなものを想定しているのかといった趣旨の説明とか、あるいは起草に当たられた方のある程度の個人的な見解も含めてでもこういったものを想定しているのだといったものは何かあるのでしょうか。

 

○大西事業管理課長 まさに想定していたものとしましては、この記録問題特別委員会で御議論いただいていたようなこと自体を念頭に置いて、この条文自体は規定をしております。もともと政府が原案を作成したときに、我々が原案を作成したときにはそういうことでこの規定自体を考えたわけですが、その後国会で御審議いただいたときにも、余りこの点についての議論はなかったので、そういう意味でまとまって参考になるものというと余りなくて、まさに記録問題特別委員会の報告書が我々にとっても一番の参考資料になるものだと考えております。

 

○喜田村委員長 言葉として見ると、事務の処理が行われないと、もうそれだけで特定事由になるわけですね。だけれども、処理が行われると著しく不当だというときになるということなので、例えば説明をすべきものをしなかったとか、説明がうまくいっていないとか、その辺でどちらに該当するのかということでもしかして違ってくるのかということも若干気になって読みながらお聞きしていたのですけれども、その辺は何か詰めた議論、あるいはもうそれも含めてここで決めていいということなのか、いかがでしょうか。

 

○大西事業管理課長 内部で議論しましたときは、しなかったことに関してはこの報告書で言われているところの処理漏れとか処理遅延に当たるようなものを念頭に、ここで言うところの処理をしなかったもの類型としてはそういうものがあるだろうと考えてございましたが、それも含めてこの委員会で御審議いただければと思います。

 

○喜田村委員長 柳委員、どうぞ。

 

○柳委員 今の委員長の御質問と同じところなのですけれども、先ほど資料3の1ページのローマ数字1の一番下のところの「特定事由について」、あるいは条文のところでもそうなのですが、「特定事由とは、国民年金法その他法令に基づいて行われるべき事務の処理が行われなかったこと、またはその処理が著しく不当であることをいうものとされている」ということで定義されているのです。ところが、資料4の3ページのところだと処理誤り、処理漏れということで定義のとおり書いてあるのですけれども、そのほかに説明誤り、説明漏れと、この定義の言葉とは違う内容で出てきているのです。これは説明というのも基本的には定義の事務の中に入っているという理解でよろしいわけですか。仮にそうだとすると、説明というのは事務の一つの例なのですか。

 

○喜田村委員長 大西さん、お願いします。

 

○大西事業管理課長 まさにおっしゃるとおりで、法令の規定に基づいて行われるべき事務というものの事務の内容を我々、ここでは処理というものと説明というものの2つの類型に分けたということで考えています。多くの場合は、処理のほうに入る部分はいわば説明以外の部分は処理に全部入ってしまう感じで、全体として事務というものをカバーしていると理解しています。

 

○喜田村委員長 説明がなかったというのをどちらに捉えるのかというのは、非常に難しいですね。実務上、白石委員が言われるように非常に多いと思うのです。それが処理が行われなかったことにするのか、著しく不当というほうで入ってくるのか、なかなか難しいところだという感じはいたしました。

 ほかに他の委員、いかがでしょうか。

 嵩先生、どうぞ。

 

○嵩委員 今の関係なのですけれども、処理は何となく国民年金法とか年金関係の法律に規定されていることかという気がします。説明のほうは説明の根拠法規というのは、国民年金法なのか、例えば国賠とか、どちらになるとお考えになっているのですか。

 

○喜田村委員長 大西さん、どうぞ。

 

○大西事業管理課長 法律の条文の規定に照らして考えますと、この法律その他の政令で定める法令の規定に基づいて行われるべき事務ということなので、行われるべきかどうかというところが一つみそになるのかと思います。

 相談自体は、必ずしも法令の規定の中で相談というものが明確に位置づけられているわけではないのですが、さまざまな届出とか申出とか、あるいは請求といった行為に付随するような事務として説明というものが、実際の現場ではかなり大きなウエートを占めていまして、書類そのものの処理の前提として、説明というプロセスが必ず入ってくるものですから、そこで説明が不当ないしは不適切であるとすると、行われるべき事務が行われていないと言えるのではないかと考えております。

 

○喜田村委員長 今のでとりあえずはよろしいでしょうか。

 

○嵩委員 とりあえずは大丈夫です。ありがとうございます。

 

○喜田村委員長 私も聞いていてどうか、よくわからないところがあります。

 今の点でもほかの点でも結構です。他の委員の先生、いかがでしょうか。

 片桐さん、どうぞ。

 

○片桐委員 資料4の行為主体と類型についてというところの2ページのところで、※4と※5、国民事務組合、これは「厚生労働大臣の認可を受け」とあります。※5は保険料納付確認団体「厚生労働大臣の指定を受け」とあるのですが、この2つのカテゴリーというのは、4番目はできる仕組みとなっていて、5番は指定されて確認する仕組みとなっているのですが、これは具体的にはどのような違いがあるか教えていただけますでしょうか。

 

○喜田村委員長 お願いします。

 

○大西事業管理課長 4番の国民年金事務組合のほうですけれども、こちらは実際の例は東京都にある個人タクシーの事務組合が具体的な例としてございまして、その事務組合に加入していらっしゃる個人タクシーの運転手さんの方の委託を受けて、届出などの手続が可能になるということで、こちらは各種届出を委託を受ければできるという仕組みになってございます。

 今回の事務処理誤りというのは、具体的にこちらで事務処理誤りがあったかどうかといったら多分余りなかったのではないかと思いますけれども、理論的に考えますと、委託を受けて届出をしてくださいと頼まれたにもかかわらずそれをしなかったということが仮にあったとすれば、ここで言う特定事由に該当し得るということで、ここでは挙げております。

 一方、保険料納付確認団体でございますけれども、こちらは例えばこれは結構全国にあちらこちらの医師会、歯科医師会、地域のそういった同種同業者の方々の組織で指定されているところが何カ所かございます。こちらにつきましては、会員ですから医師会ですとお医者さんが会員になりますけれども、自分の保険料の納付状況を確認するというだけです。自分は未納がないかどうかということを確認ができるということでございます。

 したがって、こちらは上のような各種届出をするというものではないので、こちらで理論上考えられる特定事由としては、保険料の納付状況をお医者さんが医師会に確認を求めたと。医師会のほうでは、社会保険事務所へ問い合わせをして確認をしたけれども、社会保険事務所から聞き取った内容と違う内容をお医者さんに伝えたことによって何か問題が発生したということ、これも現実に具体例があるかどうかというと余り聞いたことがないのですが、考えられるものとしてはそういうケースがあり得るということで、ここでは保険料納付確認団体も観念的には含めているということでございます。

 

○片桐委員 そうしますと、4番と5番というのは余り事例はないという認識でよろしいでしょうか。

 

○大西事業管理課長 具体的には余りないと思います。

 

○片桐委員 ありがとうございます。

 

○喜田村委員長 ほかにいかがでしょうか。

 山口さん、どうぞ。

 

○山口委員 2点質問させていただきます。

 資料3の2ページで、これから基準を策定して申出が承認された場合の効果として、その申出のあった日以後の期間を算入するということなのですけれども、年金機構になってからの事例が6ページなどの件数を見ても多くなっているようなのですが、割と最近の事務処理誤りであれば申出をするまでの間が余りあかないですが、かなり前の事案ということになると間がかなりあくのですけれども、この仕組みで救済しようとするのは一定の部分で、あとは別な仕組みで救済を図るということなのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。

 もう一点は、先ほどもお話に出ました7ページの原因区分別の推移ということで、参考資料が提示してございます。その中で、原因区分で1番の確認不足が件数としては各年度一番多くなっていますが、増え方を見ますと、2番目の適用・認識誤りというものが多くなっています。これは機構になってからの件数だと思うのですけども、適用・認識誤りという件数が増えている背景というか、原因などについて御認識のところがあればお聞きしたいと思います。

 

○喜田村委員長 2点ありますので、どちらからでも結構です。

 

○大西事業管理課長 まず1問目の申出の承認の効果の関係についてでございます。

 今回の制度自体は先ほど説明にもございましたけれども、御本人から特定事由によって、何か保険料の納付などができなかったという申出があった場合に、その後承認認定手続に一定の時間を要しますが、申出日まではさかのぼって効果が発生するということでございます。

 一方、先ほど山口委員から御指摘のあった、そもそも特定事由が発生した時点、社会保険庁時代となると随分昔にもともと特定事由そのものは発生をしている場合がございます。ただ、今回の制度では、逆を言うと、申出日までしか遡らないという言い方になると思いますけれども、特定事由が起こった時点まで遡っているわけではございません。これは法律の中でそう整理させていただいているわけですけれども、私どものこうした趣旨といたしましては、一つは社会保険ですので、保険料を納めていただく、そうすると年金が増えるという納付と給付というもののバランスということで、過去特定事由があったところまで遡らなくて、申出の時点まで遡ることにしますことが給付と負担との兼ね合いというところから見て妥当だと考えた部分。

 もう一点は、先ほど山口先生からもありましたが、今回の特定事由による納付制度というのは、なるべく事務処理誤りによって保険料を納められなかった方を幅広に救済をしていきたいということで、余り事務処理誤りの証明に関して厳密にあのときこう言ったということが証明されなくても、先ほど申しました保険料を納めていただければ年金をもらえるという関係を保ちさえすれば、そこは緩やかに特定事由というものを認めてよいだろうと考えました。

 そういう意味では、なるべく簡易迅速な救済をしていこうという考え方に立っておりますので、逆に言うと、もし厳密な証明というものが可能で、あのとき絶対こう言って、こういうミスがあったということが証拠としてきちんと残っているという場合には、むしろ行政訴訟とか行政に対する不服申し立てという既存の、今回のこの制度とは別の既にある行政救済制度を御活用いただければ、過去に遡ってそこに特定事由によって被保険者の方なりに生じた損害みたいなものは賠償され得るだろうということで、そこは今回の制度は申出をしたところまで保険料を納められるようにする簡易迅速な救済のほうにウエートを置かせていただいているということで、特定事由があったところまで遡るかどうかということに関して言うと、それとの見合いでそこまでは遡っていないということでございます。

 

○田中日本年金機構品質管理部長 2つ目の資料3の7ページの発生原因区分の関係でございますが、先ほど白石委員からもお話がございまして、次回の委員会で数字を出させていただこうと思っておりますけれども、まず御理解いただきたいのが、事務処理誤りというのは、きょう事務処理誤りが発生した、ところが、それが事務処理誤りだとわかるのは例えば1カ月後であったり、1年後であったり、場合によっては5年後というケースがございます。その判明した時点で私ども機構の対応といたしましては、お客様のところに御訪問して、その経過とおわびを申し上げて、原状回復するような事務処理をやらせていただきます。

 最終的に、例えば年金のお支払い額が少なかったような場合であれば、きっちりそれが支払えたことを確認した後にプレスリリースをするという流れになっております。ですから、事務処理誤りの発生と実際のプレスリリースとの間には時間の開きがございますので、ここの7ページの資料はその年度中にプレスリリースをした数字を書いておりますので、発生原因がどう推移したかという分析に至りませんので、改めて次回その資料を出させていただきます。

 ちなみに、先ほど申し上げましたけれども、毎年発生する事務処理誤りの件数というのは大体2,000件~2,500件ぐらいの間で推移をしております。これがなかなか減らないのが私どもの非常に苦しいところでございますが、これにつきましても次回御報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

○喜田村委員長 山口委員、今のでよろしゅうございますか。

 

○山口委員 ありがとうございます。

 

○喜田村委員長 先ほどの大西さんの説明で思ったのですけれども、制度設計を教えていただきたいのですが、特定事由に該当するという申出に理由があると認めるときは申出を承認すると附則で9条の4の7の2項がなっているのですけれども、理由があると認めないときはどうなるのですか。何か厚労大臣は判断されるのですか。要するに、訴訟に乗ってくるのかどうなのか、どうなっていくのかがちょっとよく見えなかったもので、それを教えていただけますか。

 

○大西事業管理課長 承認基準に照らして申出が承認をされなかった場合は相手に承認しませんでしたと、不承認の通知みたいなものを多分手続としてはお送りすることになろうかと思います。

 その後、あとはこの制度からは離れてしまいますので、裁判に行こうかどうしようかというのは申出された方の御判断ということなので、この制度としては不承認の場合は不承認で御連絡して、それまでということになろうかと思います。

 

○喜田村委員長 附則として書いてあるのは、申出を承認するものとするということしか書いていない。どこかほかのところを見ると、理由がないときには不承認の通知をするものとするということは特には書いていないわけですね。その不承認の連絡は処分になるのでしょうか。

 

○大西事業管理課長 不承認の手続自体も処分にはなろうかと思います。

 

○喜田村委員長 そういうことを考えて基準をきちんと作らなければいけないと思ったものですから、その点だけ確認させていただきました。

 

○大西事業管理課長 そこは我々も詰めていませんが、普通の処分ですと、却下か棄却かあり得るわけです。そこはすみません。我々もまだ今回の場合どういう形になるのかというのは必ずしもありません。先ほど不承認と申し上げましたけれども、今後詰めたいと思います。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 ほかにございましょうか。

 やっていくと質問といいますか、疑問といいますか、まさにこれから基準をつくっていかなればいけないところですから議論の種は尽きないと思いますけれども、とりあえず議事といたしまして(2)特定事由については、きょうのところはこれぐらいでよろしいでしょうか。

 議事に具体的なことが書いてあるわけではございませんが、「3.その他」として委員の先生方あるいは事務局からこの場で特に何かというものがあれば、お願いをいたしたいと思います。

 事務局は特にありますか。

 

○大西事業管理課長 特にございません。

 

○喜田村委員長 では、とりあえずよろしゅうございましょうか。

 本日予定されておりました議題としては終了ということでございますけれども、事務局から今後の進行の予定について説明をしていただけますか。

 

○大西事業管理課長 次回の日程につきましては、7月3113時に開催をさせていただきたいと思います。場所につきましては、後日改めて御連絡をいたします。

 

○喜田村委員長 今、予定されているそのときの議題のようなものは何かございましょうか。

 

○大西事業管理課長 今、準備中なのでございますが、今回御議論をいただきました特定事由の行為主体と類型というものがございました。次回は処理誤り、処理漏れについて私どもで過去の事例に即した具体例をお示しして、それに基づいて御議論いただければと予定はしております。

 

○喜田村委員長 ありがとうございます。

 委員の先生方、何かこの場で、直接関係なくても結構でございます。

 白石委員、どうぞ。

 

○白石委員 9月と10月のスケジュールをなるべく早く決めていただけると大変助かります。よろしくお願いします。

 

○喜田村委員長 事務局、その点も含んでお願いをいたしたいと思います。

 よろしゅうございましょうか。

 それでは、本日の第1回の会議はこれで終了とさせていただきます。引き続き、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございます。


(了)

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