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2015年5月22日 第6回生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会

○日時

平成27年5月22日(金)


○場所

厚生労労働省職業安定局第1・2会議室


○議題

報告書(案)についての議論

○議事

○清家座長 第 6 回生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は局長が公務のため、 3 時過ぎには退席されると伺っております。もし早目に議論が済めば、またそこで御挨拶を頂きたいと思います。

 前回の検討会では、事務局にて作成していただいた報告書のたたき台を基に議論をしていただきました。その後、事務局と相談し、また前回頂いた御意見を報告書案に反映させるための修正もしていただいたところです。その修正後の報告案に基づき、取りまとめに向けた議論をお願いしたいと存じます。

 では議事に入ります。冒頭に事務局から報告書案について、修正箇所を中心に御説明を頂き、その後、取りまとめに向けた議論をお願いしたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

○雇用開発企画課長 前回の議論を踏まえた報告書の修正案について御説明いたします。資料の「はじめに」の部分からになります。全体として、純粋な削減部分は僅かで、文章や文言の挿入、差替え、移動といったものが大半ですので、その該当部分について下線を引いております。

 「はじめに」のページの中段の「このように」から始まる段落です。これは生涯現役社会の実現を図るための基本的な考え方に関するところですが、「単に人口減少社会の中で持続的な経済成長のために高齢者が働く必要があるという姿勢ではなく、むしろ生涯現役で働けるということは豊かな長寿社会の中で生きていく中で得られる恩恵なのだというポジティブな意義を打ち出すべきである」との御意見がありました。それから、「高齢者に働いてもらうというのではなく、高齢者が働くことがごく普通の当たり前のこととして受け止められるような社会を目指すべきである」との御意見があったことに対応し、記述したものです。

 続いて、 1 ページの下の「また」以下の所です。これも、ただいま申し上げた基本的な考え方に対応したもので、「はじめに」の部分のみならず、本文中にも同じ趣旨の内容を記述したものです。

 続いて 3 ページです。上のほうの「長年培った」という所から始まる部分です。これは、もともとは「高齢者は体力、意欲、柔軟性、生産性が低いと捉えられる場合もあるけれども、生涯現役社会を実現するためには、高齢者の働くことの積極的な意義を理解すべきだ」という趣旨の記述があった部分でしたが、文章の表現方法として、「高齢者のネガティブな面から書き出すということは適当ではなく、むしろポジティブな面から書き出すべきである」との御指摘に対応して修正したものです。高齢者は社会に大きな貢献ができるというポジティブな面から書き出し、ネガティブな先入観で取られないようにすべきという点で盛り込んだものです。

 続いて、中段の下線部です。ここでも、冒頭に申し上げた生涯現役社会のポジティブな意義を強調する観点から、文言を修正しております。

 このページの一番下の行に「実現しよう」という文言があります。この部分は、もともとは「企業が高年齢者の継続雇用を飲み込もうとする場合」という表現でしたが、この「飲み込もう」という表現では、嫌なことをやるというネガティブなイメージがあるということから、ニュートラルな表現に修正すべし」との御意見があったことに対応し、修正したものです。

5 ページです。上段のブロックの部分です。これは、もともと「制限のある均質でない労働者」という表現であったところですが、「分かりにくい表現であるので、例えば制約のある同質でないという表現ではいかがか」という 1 つの案として御提言いただきましたので、その意見に対応して修正したものです。

 続いて、その下の (3) の節です。「高齢期の働き方は高齢期に入ってから検討するのでは遅く、中年期やそれ以前から、いかにキャリア形成を図るかという観点から考えていくべき」との御意見があったこと、それから「育児・介護などによるキャリアの中断が高齢期の働き方に影響を与える可能性があるので、中断しないような対策が重要である」との御指摘があったことに対応し、基本的視点の 1 つとして位置付けて記述したものです。

 なお、この育児・介護によるキャリアの中断に関する論点については、その上段の部分の「制約のある同質ではない労働者」に関するブロックの所で記述するのがよいのではといった議論もありましたが、制約のある同質ではない労働者に関するブロックについては、高齢者の多様な雇用・就業ニーズに対応していくことが必要である、という基本的視点を記述した (2) の節の一部ということになりますので、高齢者となる前の育児・介護の負担の大きな世代に関する論点をここに入れ込むことは、整理が悪くなってしまうのではないかと思われ、そのために新しく (3) の節を立てたものです。

 続いて、 8 ページです。中段の下線部です。これは企業の行う雇用管理に関して、現在は 60 歳前後で企業の人事管理に断絶があるという状況があり、これが「中高年齢者の雇用管理を考える上での大きな問題になっている」といった御指摘があったことに対応して記述したものです。

 続いて 9 ページの上段部分です。ここには下線を引いておりませんで、 4 行目の、「このような職業生活設計は高齢期の直前に検討していては遅い」といった趣旨の文章がありますが、ここの部分に関して、 7 行ほどその理由について詳しく記述しておりました。全体的なバランスから見て、冗長かと思われたために削除しております。

 続いて、 10 ページの下段の「労働者が」から始まる段落です。これは新たに記述を加えたものではなく、 11 ページの「中高年期の能力開発に対する支援」について記述したブロックの中の文言を、こちらに移動して整理したものです。

 続いて 12 ページです。中段の「また」以下の段落です。これは「高年齢者の能力開発をを行うためには、既に生涯学習のための様々な資源、機会があるのであるから、それを活用するという発想も重要だ」といった指摘がありましたので、これに対応して記述したものです。

 続いて、 12 ページの (3) の節です。もともとはこの節のタイトルを含め、本文中の表現においても、「中年期以降の再就職促進」という表現が使われておりました。ただ、「この表現であると雇用の流動化やリストラ促進を図ろうとする意図があるものとの誤解を受けてしまう危険性があるので、それを避けるために表現を修正すべきだ」との御指摘がありましたので、これに対応して修正したものです。

 続いて 15 ページです。中段に「柏市では」から始まる部分があります。これは柏市の事例について記述した所ですが、より正確に記述したということで修正を加えております。

 続いて、この 15 ページの下のほうに「地方自治体が」から始まる部分があります。これは「高齢者の雇用就業の場の開拓において、仕事を無理に創り出すという形ではなく、民間等の中から実需を掘り起こしていくことが重要である。そのために地方自治体が地元の各種機関と連携を図ることが重要である」といった御指摘があったことに対応して記述したものです。同じく 16 ページの上段においても、柏市の実情について記述しておりますが、「民間の実需の掘り起しの実例として記述することが適当だろう」という御指摘があったことに対応しております。

 また、 16 ページの下のほうですが、「シルバー人材センター」という文言が入っております。これは、高齢者の多様な就業ニーズに対応するために必要となる地域の関係機関のネットワークに、シルバー人材センターも参画すべきだといった御議論がありましたので、これに対応して挿入したものです。

 続いて、 17 ページの上のほうに「一定の機能」という表現があります。これはもともとは「シルバー人材センターが既に大きな機能を果たしている」という表現を加えておりましたが、「シルバー人材センターはもっともっと危機感をもって機能向上に取り組むべきだ。既に大きな機能を果たしていると手放しで表現してしまうのは適当ではない」といった御指摘があったことに対応して、修正したものです。

 続いて 17 ページの中段です。地域のネットワークに係るブロックを新たに挿入しております。これは、「シルバー人材センターというものは地域のネットワークに参画することが重要であり、また地方自治体との連携を深めることが重要である」といった基本的な御指摘があったことに対応し、記述したものです。

 続いて、 18 ページの「さらには」から始まる段落です。これは「シルバー人材センターという名称のイメージがよくないと受け止められる場合もある。それが機能向上のネックになっているのではないかという指摘があるから、名称変更も検討したらどうか」といった御意見があったことに対応し、記述したものです。

 続いて 21 ページです。下のほうに「その職業生活設計に基づき」とか、「中高年期又はそれ以前からの」といった表現がありますが、これは単純な文言の整理です。その下に「世代ごとの課題に応じて」という文言を入れておりますが、これは「職業生活設計や能力開発において、世代ごとの対応が重要である」といった御指摘があったことに対応して、修正したものです。

21 ページの下の行から、 22 ページの上の 2 行まで下線を付けております。これは各項目の順番を並び変えたものです。この部分については、第 3 章の「高年齢者の雇用・就業対策の現状と課題」の部分で、「全職業生活を展望した職業生活設計が重要であるということを指摘されながら、ここの具体的な施策の部分になると、企業については高齢期における施策に限定されている印象がある」という御指摘があり、それに対応いたしました。また、これに対して「施策の項目の順番を並び変えれば、それほど偏った印象にもならないのではないか」という御指摘もあったことからこれを踏まえて修正したものです。併せて、最後に漏れ落ちていた能力評価制度についても記述しております。

22 ページの (3) のタイトルの「中高年齢者の再就職の支援」については、既に申し上げたとおりの趣旨です。また、 23 ページのシルバー人材センターの部分についても、シルバー人材センターの機能強化の必要性に関することであり、既に申し上げた趣旨です。

 最後に 23 ページの次のページの「おわりに」の部分です。この部分については、「若干記述がさっぱりしているのではないか」といった御指摘があり、それと「高年齢者の雇用の問題は中年期や育児・介護などを担う世代の問題ともつながる問題であるといった幅広い視点が示されたことを、ここに記述するのがいいのではないか」といった御指摘があったことに対応し、記述したものです。

 細かな文言の整理、修正については省略いたしましたが、全体的に修正の内容は以上のとおりです。

○清家座長 ただいま事務局から御説明のあったことを踏まえて、既に意見は頂いているところですが、なお御意見あるいはコメント、あるいは修正の仕方についての御質問等がございましたらお願いいたします。

○山田先生 いろいろと前回のコメントを反映していただき、ありがとうございます。事前に拝読させていただき、多くなって恐縮なのですが 6 点ほどコメントを差し上げたく存じます。

1 点目です。 5 ページに (3) として「労働者のキャリア全体を考えた支援」という新しい項目を設けていただき、ありがとうございます。この検討会は「生涯現役社会の実現に向けた」と銘打っておりますので、高齢者雇用だけに特化した検討会ではありませんので、こういう視点が入ったことというのは、この検討会の名称とも一致して、非常にしっくりいくようになったと思います。

 その上ですが、かなり入れてくださったのですが、かなりさっぱり書かれていて、例えば「キャリアの中断が生じにくいようにしたり」というのが 2 段落目の 3 行目に入っていますが、例えば育児・介護休業期間中に短時間勤務制度の適用を受けられる最低限の期間を延ばしたり、あとは、そうした賃金低下を補う一定の所得補助とか。最後には女性というだけでなく男女ともに共通するものとして育児・介護等、仕事と家庭の両立の最大の障害というのは残業なわけです。前回も申し上げましたが、昨年度の厚生労働白書でも指摘されているように、介護離職の最大の要因というのは、長時間労働なわけです。ですから、男女ともに関連することとしては、長時間労働の削減規制なども、こうしたキャリア中断を防止するための重要な施策であるということは明記していただければと思います。

2 点目です。 12 ページに関連するところです。実は、ここの検討会の中で委員の合意としては、企業での継続雇用を中心に生涯現役社会の実現を目指そうと。もちろん、多様な就労形態があることは皆さん共通認識した上で、継続雇用を中心に生涯現役社会を築いていくという共通の認識があったかと存じます。その中で何度も出てきているように、健康寿命が伸びていますから、何らかの形で、健康寿命の伸びに応じてそうした本格的雇用を推進していくという方向性を、言葉のニュアンスですが、もう少し入れていく必要があるのではないかと思います。

 例えば 12 ページの (3) の「中高年齢者の再就職の支援」という所の 2 段落目に、「しかしながら高年齢者の雇用を促進し生涯現役社会を実現していくには、まずもって」と書いてありますが、そこに「健康寿命の伸びに応じて」といったような文言を入れていただきたいと思います。例えば 22 ページの (3) の「中高年齢者の再就職の支援」という所にも「継続雇用の推進」と書いてありますが、これも健康寿命の伸びに応じてどんどん継続雇用が推進されていくようなイメージ、ニュアンスを是非入れていただければというのが、 2 番目のコメントになります。

3 番目です。最初のコメントでも申し上げたように、「生涯現役社会の実現に向けた」ということで、これは高齢者雇用に特化した報告書ではないわけですから、そうしたキャリアの中断ということは書き入れてくださっているのですが、それに対応した施策の方向性というのも中に組み込んでいただきたいというのが 3 点目です。

4 点目です。「シルバー人材センターの機能強化」に関する所です。何度か申し上げていますように、これから高齢者の多様な就業の場として 1 つ考えられるのは、対人社会サービスの分野で、この検討会でも、何度もシルバー人材センターに対する期待が各委員からの御発言にあったと思います。

 「民業圧迫の懸念等を念頭におきながら」というところが、 23 ページの下から 3 行目の所に書かれていますが、そこには対人社会サービスの分野ではどんどん進めてくれということで、対人社会サービスの分野では特に緩和等の可能性を検討してはと、委員の皆様の同意がここの部分に関して得られれば、入れていただければと思います。特に、対人社会サービスの関係について述べるのであれば、もちろんシルバー人材センターが自治体と協働していくというのは非常に重要ですが、取り分け対人社会サービスについては、地域包括ケア関係で、社会福祉協議会の文言が 1 か所しか入っておりませんので、その部分はきっちりと入れていただきたいというのが 4 点目です。

5 点目です。前回の会合でも発言したのですが、労働政策というのはいろいろな助成金、いろいろな支援策というので、大変きめ細かな政策になっていると思うのですが、どの施策が本当に効果的なのかということについては、もう少し明確にする必要がある。そのためには厚生労働省としても、政策評価に関する有識者会議でいろいろな指標を取り上げて、これが効果的か効果的ではないとか、個別の施策について評価を受けているわけですが、そこで取り上げられる指標というのは極めて限定的なわけです。

 ですから、この報告書に盛り込むのはこの段階では大変難しいと思いますが、将来的に、実際どれだけの政策の対象者がいて、どれだけの支援を実際に行っていて、どのような効果があったのかというのを定量的に把握して、生涯現役社会の実現に向けて、雇用・就業環境の整備をより効率的に行える施策というのは何かというのは、常にレビューしていく必要があると思いますので、そのレビューの必要性について「おわりに」に書いていただきたいと思います。非常に網羅的に、漏れがないように詳しく書かれているのですが、どの政策を重点とすべきかという点を、リバリッジが効くのが何かというのが分かりにくいような気がするので、その点を含めお願いできればと思います。私からは以上です。

○清家座長 一通りコメント等を伺って、事務局からお答えいただきたいと思います。ほかに何かございますか。

○高木先生 前回お休みしていましたので、私からも何点か申し上げます。 65 歳までの雇用、あるいは 65 歳以上までの雇用を見込んで、その中心となるのが従来企業での雇用継続であるということに関しては、この報告書は非常に正しい方向性を示しているのではないかと考えています。もしも企業における雇用継続を重視するということであるなら、企業の人事管理、とりわけこの報告書でも述べられている能力開発、人材育成、そして職業生活設計、これは別の言い方をすればキャリア管理ということですが、そういったことについて本来的にはもっと議論がされて然るべきであったのではないかと考えるわけです。

 私が意見申し上げたいのは、特に最後の 4 「当面求められる施策の方向性」の辺りの記述に関してです。例えば企業での雇用継続を基本とするということであると、外部機関としての、例えば厚生労働省の関連組織であるハローワークあるいはシルバー人材センター、産業雇用安定センターの機能強化ということは一方ではよく分かるのですが、それよりもまず先に、人材育成、能力開発、キャリア管理を、生涯現役社会をつくるためにしっかりとやっていこうとする企業を奨励して、補助金などを与えることにより、より積極的な支援をするということをより強く前面に押し出す必要があるのではないかと考えています。

 例えば 4 の「当面求められる施策の方向性」の (2) ですが、「企業が労働者のために行う」という文言が 2 つ目に列挙されているのですが、これは本来的には最初に持ってきて、企業の様々な取組を支援するということを強く言っていくほうが、本来的には適切なのではないかと考えています。

 それと同じように、 (2) の「職業生活設計と能力開発の支援」の所ですが、この全体的な記述を見ると、どうも一時期はやった「自律的なキャリア」とか、「キャリアの自己責任論」といったことを思い出してしまう記述になっている気がします。これまで日本の労働者というのは、自分の職業生活について、自ら設計するという意識が弱かったので、この箇所の最後に書いてある「労働者個人の主体的な職業能力の開発・向上を促し」ということは言って然るべきだと思うのです。ただ、 (2) の記述の全体を見ると、どうもキャリア管理を個人のものに帰するというところが、何となくうかがわれる気がしております。この報告書の前半では触れていると思うのですが、企業にも責任があって、きちんとコミットメントさせるということの意識付けが、この記述に組み込まれているということが必要なのではないかと考えています。

 それと、同じ (2) の所になるのですが、人材育成、能力開発、キャリア形成について、その方法論として、人事管理を専攻している者として意見を申し述べます。どうやって人の能力が伸長していくのかということを考えたときに、同じ部署に長期にわたって張り付けて「井の中の蛙」にしてしまうと、自分の能力というのを客観視できない、キャリアというものを客観視できないという問題が起こります。その点に関しては、日本の人事管理というのは非常にうまく対応しており、日本企業特有の人事管理慣行である、全社を渡らせる形の部門横断型の人事異動を行うことで対応しているわけです。

 実はこれをやることによって、能力・キャリアの認識とともに、御本人の立ち位置が御本人にしっかりと認識されるという有用性がございます。これを 1 歩進めて、企業横断型の人事異動をさせるということもあるわけです。これは入社してから中堅社員になるまでの間に、比較的若手の能力開発のために、人材交流ということも含めて、企業横断型の異動をさせるということが図られているわけなのですが、これは実は中高年層の能力開発、キャリア形成においても非常に有効なのではないかと考えるわけです。その点を 4 の「当面求められる施策の方向性」の (2) で触れることはできないかと考えています。

4 (3) の「中高年齢者の再就職の支援」の所ですが、実はここの辺りの記述というのは、本報告書が、従来企業による雇用継続を基本に据えて生涯現役社会の実現を目指しているにもかかわらず、雇用を流動化させることを何となく奨励しているような書き方になっているのです。そういったところは本来的には余り大きく紙面を取るべきではないと考えるのです。

 しかし一方で、先ほど私が申し上げたことというのは、実は職業キャリアが長くなると組織との関係性を断って、ほかの企業に移動するということが中年期でも若年期でもあるということなのです。 60 歳以上でもあるわけです。そのときに、従来企業の中で、従業員一人一人の能力をこれまで以上に高めるということは、その方が万が一外部労働市場に出たときにも非常に強い労働者になれるということを意味するわけです。

 ということは、もしも何らかの事情で、あるいは自発的に他社に移るということを考えた場合にも、現状よりも、よりその方を育成することによって、外部労働市場にいって、次の職場を見つけるということも比較的スムーズに行われていくと。それは一人一人の従業員をまず企業の中できちんと育成することによって、それが実は果たされる。ということは、中高年層の再就職も、それによって円滑に進んでいくし、また実際に実現できるのではないかと考えています。

 もう 1 点です。同じ (3) の「中高年齢者の再就職の支援」の点です。転職・再就職を考えたときのプロセスについてです。従来企業を辞めてしまって離れてしまったなら、ハローワークや産業雇用安定センターを介してということがあるのかもしれません。あるいはシルバー人材センターで仕事を探すということになるのかもしれません。

 しかし、中高年層の転職・再就職が非常に難しいことは、これまでの経験でよく分かっていることです。そうすると、今の企業に勤めている中で、そこで働きながら次の職場を探す、そこを探索させるということが有用になってくるのではないかということです。転職研究の議論で、グラノヴェッターという社会学者が言っている「弱い紐帯仮説」というのがあるのですが、それの逆で、中高年層の転職に関しては、強い紐帯を活用するということが非常に有用であるということが、ある程度分かっているのではないかということです。

 ということは、中高年層になって、今その方がまだ辞めていない状況で、例えば先ほど申し上げたように、能力を伸長させるために企業横断型の異動をさせる。それは転じて言うと、人材交流を目指した、あるいは能力開発を目指した形の出向になると思うのですが、それをうまく利用することで、次の就職先、転職先を見つけ出させる。そうした転職・再就職の経路というものをきちんと確保して、そういったことをする企業の努力を支援することも十分にあり得るので、もしもこの (3) の所でそういったことが記されるならば、より有用なのではないかと考えます。

 さらにもう 1 点です。従来企業における雇用継続を基本として施策を進めるということになると、能力開発、人材育成の対象者は正規社員ということになるのです。一方で、非正規社員という方たちがいて、景気が少し良くなったとしても、今後かなりの量の方が非正規のままでとどまることになるのではないかと考えられます。この方たちは育成の対象にはなり得ない可能性が高いということで、この人たちが議論から外されてしまったということになるわけなのです。

 ということで、この 4 の「当面求められる施策の方向性」の最初のところで、例えば、企業が育成投資をきちんと受けられる正社員として人々を雇い入れる努力に対しても支援することを添えて、正社員であるからその後の能力開発、人材育成、職業生活設計というのが可能になって、そうであるがゆえに、それをもってして 65 歳以上も働き続けることができる、職業生活を伸ばすことができるという流れというものをつくれないかと考えています。

○清家座長 ほかにございますか。

○酒井先生 前回は、公務が入っていたため欠席してしまい申し訳ありませんでした。欠席してしまったので、前回の議論をフォローしておらず申し訳ないです。初めは、報告書全体についての感想めいたことになります。高木先生から、留保が必要という意見はありましたが、労働者自身が早いうちからキャリアを考える必要があるのだということを明確に打ち出した点に、やはりこの報告書の意義があるのかと思いました。

 それから、高齢者の雇用が若者の雇用と win-win な関係にならなければいけないという点を挙げたのも非常によかったのかなと思います。特に具体例として、例えば子育て世代への支援者としての高齢者ということを挙げたのはよかったかと思いました。

 その上で、私がこの報告書案を読ませていただいて気付いた点を 2 点述べさせていただきます。各自治体など、その地域が大きな担い手となる可能性、その地域が積極的な関与をしていくことをうたっています。しかし同時に、地域なり自治体に委ねることの帰結としては、その地域間格差が広がってくるという可能性があります。そうすると、単に地域、自治体の積極的な関与が必要と述べるだけにとどまらず、今後その地域間格差が広がりうることも考えて、その辺の格差が余り広がりすぎないように注視していく必要があるといったことも、文言として一言加えてもいいのかという感想を持ちました。

2 点目は、第 4 回の本検討会で行われたヒアリングの中でも、そういう意見があったかと思いますが、従来、高齢者を積極的に雇用しているような中小企業では、比較的年齢が若いうちに大企業から転出した人を採用してきたと言われていました。今後、この報告書が提言するように、大企業なりで継続雇用が更に盛んに行われるようになると、従来大企業から転出してきたような人を採用してきた中小企業にとっては、人材のプールを失うことになる懸念もあります。この報告書の中に書くべきかどうかは私には分かりませんけれども、この報告書の提言が、従来から高齢者雇用を積極的に行ってきた中小企業のやり方と矛盾しているように捉えられないように、説明する努力が必要なのかという気がします。端的に私の意見を言うと、中小企業への配慮というような視点も必要なのかと感じました。

○秋山先生 私から 1 点意見を述べさせていただきます。先回いろいろ意見を述べたことをとり入れていただきまして、ありがとうございました。キャリアステージごとの課題に応じた施策をということを申し上げて、それも組み込んでいただいております。私は、働く側、つまり、労働者、企業退職者の立場から、自分の能力を活用して、生涯現役で行ける環境整備ができるかどうかという観点から、この報告書を拝見しました。

 22ページの「当面求められる施策の方向性」 (3) 中高年齢者の再就職の支援の所が、ハローワークや産業雇用安定センターといった公的な事業が中心になっておりますけれども、もう少し多様化し、民間サービスの活用も施策に盛り込むとよいと思います。現実には高齢者の起業を支援する会社などの利用者が非常に多いです。そのようなものも含め、なるべく民間でできるものは民間でやってもらうということで、民間の人材活用や能力育成のサービス事業者を支援するということを、ここに少し加えていただけないかと思います。そういうところで、中年期のインターンシップの仕組みなども開発・実施してもらえばよいのではないかと思います。

○北浦先生 私から幾つかの意見を申し上げますが、細かいことも含まれております。 1 点目は、全体的に非常に立派なまとめになっているのではないかと思います。この中で強調しておかなければいけないのは、生涯を見わたすような現役社会をつくっていくときには、前回も申し上げましたが、キャリアの視点が重要なのだということはあると思います。そのキャリアを動かすエンジンになるものというのは、能力なり健康だろうと思うのです。それをどう磨いていくかを含みながら、この絵姿を考えるということだろうと思うのです。

 そのときの能力の問題について、いろいろ叙述していただいています。私は、もっともっとそこのところは力こぶを入れてやるべきかと思います。特に、準備の過程ではいろいろな問題があります。やはり、生涯現役を貫けるような形の、先ほどは継続雇用かどうかという議論がありましたけれども、そのように高齢期になっても、ある程度自分の専門性を磨いていく、あるいはその能力を最大限発揮できるように作っていくためには、その能力を絶えず見直しながらやっていく、そのようなステージを作っていくことが大事だろうと思います。

 その意味では十分書かれていると思うのです。施策のところで言うと、 22 ページに能力評価基準のことが書かれています。そこを入れていただいたのは大変有り難いことだと思います。能力評価基準といった場合に、その基準を作るだけではなくて、それを使っていく仕組みを作らなければいけない。社会的に使っていくこと、あるいは企業自身が積極的にこれを使う。これは技能検定などもそうで、そういう制度は立派なのだけれども、結局それをどう生かしていくのかという、そこのところが重要かと思います。

 その意味で、これはあえてここには出ておりませんし、まだいろいろな論議は別にありますが、今はジョブ・カード・システムをかなり拡張していこうという考えがあります。これについてのいろいろな論議があるのは承知しております。そういうものを普及していく流れの中に、例えば企業の中での自分の仕事を棚卸しをすることを促進させる。これは本人もそうだし、企業にとっても当然利益のあることです。また社会的には円滑な移動に資するわけです。そのような、言わばそういう能力・評価をどう生かしていくのか、というようなところに少し言及があると、もっと良いのではないかというのが 1 点目です。

2 点目は、シルバー人材センターについても、相当いろいろな叙述を頂いていて、これも有り難いと思います。 16 ページに、シルバー人材センターと少し関係性のある部分で、地方自治体の積極的関与うんぬんと。地域の関係機関のネットワークという叙述があります。ここの所で、「高齢者になると、自分の住んでいる地域に近いところで働きたいとする人が多くなる」とさらっと書かれています。高齢者の問題を考えていく上では、その高齢者の労働市場は非常に狭い、マーケットが狭い。それがゆえに、かつてハローワークの単位ではなくて、市町村の単位で高齢者職業相談室を作ってきた経緯があります。その労働市場の特質のようなものを踏まえた需給調整の在り方、そういう考え方の中からこういうことが出ているのだというように、きれいに整理をしていくことが大事かと思います。

 それはなぜかというと、そのことの一番、市町村立脚型の機関というのは、今現在では多分シルバー人材センターなのだろうと思うのです。ですからこそ、そこの機能に着目されるし、もっともっとそれが活用されていく、あるいは拡張できるところは、そういうことも考えたらどうだという議論があるのだと思います。もちろん市町村自身が取り組む所もあるし、現行においても市町村の高齢者職業相談室が残っているのもあります。そのような、言わば既存のマーケットとはちょっと違う、やはり狭くなっているということ、それを前提にしたところに、この問題の意味合いがあるのだということを強調したらいいと思います。

 付随的に申しますと、逆にこれだけいろいろ需給調整のものが出てくると、これらとハローワークとの関係は一体どうなるのかという問題があるのではないかと思います。それについては、ハローワークの機能をどう位置付けるのか。私は、地域全体の労働市場の需給調整の最終的な責任統括というのはハローワークだろうと思っています。全てを担うのではなくて、そのようないろいろな需給調整機関のコーディネーター役になっていく役割も持って、初めてこういうものも生きてくるのだと考えていったらいいのではないかと思います。働き方が現役的になればなるほど、そのようなハローワークとの関連性は重視しなければならないと思います。

3 点目は、山田委員の御意見は大変立派な御意見だと思い、私自身も共鳴しています。ただ、 3 ページから 5 ページに掛けての叙述なのです。「生涯現役社会の実現の基本的視点」と書いてあります。これをよく読んでみると、生涯現役社会で働く高齢者の姿を論じている部分ではないかと思います。 (1) の「高齢者が働くことの積極的意義」というのは、そういう高齢者はどのように働くのか、高齢者が働く意義とは一体何なのかというのを、ここに幾つかが「社会的な」うんぬんを初めとして書かれています。もう 1 つ、そのときには 1 つの形ではなく、多様なのだという、この基本視点をはっきり出したのがここの (2) なのかと思います。

 そうすると、 (3) の内容には私も全く同感なのですが、それを (1)(2) と同列の形で項目出しをすると、今言った目指す姿の部分ですので、ややそこの所がぼけてしまうのではないかという感じもするのです。むしろこの叙述は生かしながらも、どこかとうまく組み合わせて考えたほうがいいのかと。現実に見ると、それと関連性のある部分もあるようですので、そういうところを 1 つ考えたらどうかと。これは、私の勝手な意見です。

4 点目は、継続雇用の正社員でという問題は誠にそのとおりだと思います。しかし、これは個人差の問題もありますし、選択という問題もありますので、余りに正社員一辺倒というのは書けない可能性があります。ただ、そのときの姿がミゼラブルなものになってはいけないので、その継続雇用というのが仮に嘱託という形であったとしても、その姿が現役的に働けるような環境整備を整えるべきだというのが、私は現状のスタンスかと思います。将来的には変わってくるかもしれませんが、そのようなところを感じています。

5 点目は細かいことですが、 5 ページに「制約のある同質ではない労働者」というように表現を改めていただいております。これは、前回御議論があった中で、このように改めたと思われます。これはこれで正しいし、別におかしくはないと思うのです。ただ、この報告書を御覧になるときに、個人やいろいろな方が御覧になったときに、この表現にはやや違和感を感じております。私なりに解釈すれば、制約条件を抱えた労働者が、その特質に応じた形で、雇用や就業機会の確保ができる仕組みというのが、ここの真意なのかと思うのです。これは私自身の感じ方かもしれませんが、余り制約だとか、同質だと言うと、その言葉の意味だけで、いろいろと膨らみを持った論議をされてしまう危険があると思いますので、もう少しさらっとした言い方ができないかというのが、最後に蛇足的な意見です。

○小畑先生 私は、前回申し上げたことを取り入れていただいて有り難いと思います。拝読した段階ではこれ以上はありませんでした。

○清家座長 私からも 1 点コメントさせていただきます。私も、北浦委員がおっしゃったことと同じことを感じておりました。今回、 5 ページの (3) に新たな「労働者のキャリア全体を考えた支援」という項目を入れていただきました。この内容は是非入れていただきたいと思います。私も、キャリア全体で考える必要があると思っています。それは、高齢期だけではなくて、若い時からの、あるいはその雇用の継続が可能な仕組みの中でという、この記述そのものは全くそのとおりだし、必ず必要だと思っております。ただこの報告書の建て付けから言うと、「はじめに」という所から、高齢者の健康寿命が伸びたことによって、年齢に関わりなくその能力を発揮できるような社会をつくりましょうという話があって、そして 2. の所は、まず (1) で、高齢者が働くことの積極的意義が述べられていて、その次に (2) で、高齢者の多様な雇用・就業へのニーズという柱が立っている構造というように理解しております。

 実は、ここに新たに加えていただいた (3) というのは、 (2) を実現するための非常に大切な条件であるということです。これが、 (2) と並列の節立てになるというのは、報告書全体の構成からいってバランスがよくないと思います。 5 ページの (3) に書いていただいたような内容を、 9 ページから 10 ページに掛けて、 9 ページから正に「全職業生活を展望した職業生活設計」という所の、次の 10 ページに掛けて記述してある中の終りの所に、「職業生活設計の自発性と企業による支援」の前の所に、例えば (3) にある文章を、「また」というような接頭語を加えて、「また、高齢期の働き方は」うんぬんというような形でそのまま入れていただくようなことでよろしいのかと思います。

(3) 2. (1)(2) と並列的に並べるのは、この報告書の構造上から見て、内容そのものは全く賛成で是非報告書に入れる必要があると思うのですが、並列の節にするのには若干違和感がありますので、その辺の考え方を聞かせいただければと思います。

○山田先生 もちろん文章を活かしていただけるのであれば、最終的には座長がお取りまとめになることですから、文章を移動することについては座長の御判断にお任せしたいと思います。ただ、もし可能であれば、もう少し現状認識として、ここが出てきた理由をどこかに書き込んでいただきたい。具体的に、日本の高齢者就業率は高いのだというイメージを持っていますけれども、それは男性のイメージなのです。女性の高年齢者の就業率は、他のヨーロッパ諸国と大して変わらないか、むしろ低いぐらいなのです。ですから、そこの部分は明確に問題視するようなことを課題の所に書き上げて、こちらとの対応を考えていただければ、移動に関しては、座長がお取りまとめになるので、そういうことに関して、私は特に異論はありませんし、それは正に北浦委員がおっしゃったことともつながることになりますので、それに賛成いたします。

○清家座長 「日本の高齢者の高い就労意欲を生かす」という所に、「ただし、女性については若い頃からの就業の中断等のために、必ずしも高いとは言えないというような点に、格段の改善が必要である」というようなことをどこかに書き込むということでよろしいでしょうか。

○山田先生 お願いできればと思います。

○清家座長 一通りコメントを頂きましたので、事務局から、どのような対応が可能か、あるいはなかなか難しいということでも構いませんのでお答えいただけますか。

○雇用開発企画課長 多岐にわたっていますので、全部が全部回答できるかどうか分かりません。最終的には有識者の先生方の御意見を反映するスタンスですので、事務局としての意見ということで受け止めていただきたいのですが。

 初めに山田先生の、介護や育児の中断の問題です。キャリア全体を考える中で、そういう中断の問題が高齢期の働き方に影響を与える、だから、そこの対策と申しますか、対応をしていかなければいけない点です。 3 点目に挙げられた、そのための施策をもう少し充実して書いたらどうかという話と連動する話かと思います。ちょうど今、 (3) という節を後ろのほうにずらしたらどうかという話がありましたので、それに合わせてその趣旨をどこまで生かせるのかについては、修正をどこまで加えられるのかについて考えていきたいと思います。

 ただ、施策について余り細かく書けるかどうかは分からないところがあります。これは、生涯現役社会実現の検討会ですから、生涯全体にわたって議論するのは当然なのですけれども、最終的には高齢者の雇用を、これからは年齢に関わりなく働き続けることができる社会をどうやって皆でつくっていこうかというところが主眼です。そのために高齢期に入る前にどういう対応を取っていったらいいのかという意味で、全職業生活を考えていこうという話ですので、おのずとウエイトは高齢者対策が厚くなる話で、そこがメインになるかと思います。全体的に今後はこういう施策が必要だということを並べる中で、バランスも考えていきたいと。それは御相談しながら考えていきたいと思います。

 継続雇用の関係で、健康寿命の伸びに応じて本格的な推進を図っていくことについては、基本的にそのとおりだと思いますけれども、そのニュアンスについてはどこまで入れ込めるかについては検討してみたいと思います。

○清家座長 この段階では個別にいちいちお答えいただかなくてもよろしいかと思います。全体としてどのように対応されるのかをお話いただければよろしいかと思います。

○雇用開発企画課長 分かりました。全体的に先生方の御意見は基本的にごもっともだと考えますので、それをできるだけ生かせる方向で、記載の場所についてはいろいろ御相談させていただくことはあると思いますけれども、盛り込めるかと思います。

○清家座長 今、課長も言われたように、個別の政策のところは正にこの報告書の「おわりに」の所に、「今後、この提言を基に、労使を交えた活発な議論と合意形成がなされ、政労使一体となって生涯現役社会の実現に向けた施策が実現することを期待する」と書かれておりますので、具体的にはここで提案されたようなことが実際の政策になる場合には、それぞれ労政審の中の部会等で、三者構成の審議会において、具体論が議論されるべきものと承知しております。少し個別具体的な政策の頭出しをこの中ではしておりますけれども、この中で決め打ち的に、これをこういう具体的政策にということまでは、なかなか書き込むことは難しいかと思います。できるだけ方向性を出すということでしょう。

 これは高齢者政策、例えば改正高齢法などもそうですけれども、最終的な具体的施策は、政労使がよく相談されて、ギリギリこれなら使用者も守れる、これなら労働者側も不満はあるけれども納得するというような政策だからこそ、高い実効性を上げてきたところがあると思うのです。高齢者の雇用自体も、そのような形で、最初はいろいろな努力義務のようなものが設けられ、そしてそれがやがて義務化される。そういう意味で、我々はここでしっかりと方向性を示して、具体的な施策は三者構成の審議会等に委ね、その中でしっかり作っていただくということかと思っています。その辺はどうか宜しく御理解を頂ければと思います。

 今、いろいろ御意見を頂きました。対応可能な部分、それから全体との整合性で対応が難しい部分等があるかと思います。事務局においては、本日いろいろな御意見が出たことを個別の委員にも御相談し、もう一度御意見を伺い、事務局あるいは私のほうからのお願いと少しすり合わせていただいて、その上でもうちょっと文面が直せる所は直していただくことにします。そして最終的な文面については、恐縮ですけれども、私のほうに御一任を頂くというような取りはからいでよろしいでしょうか。そのようにしていただければ大変有り難いと思います。

                                   ( 異議なし )

○清家座長 ありがとうございました。それでは、局長は 3 時過ぎには出発されるということですので、まず局長から御挨拶を頂きます。

○職業安定局長 本当に申し訳ございません。委員の皆様には大変お忙しいところ、 2 月以来 6 回にわたり、精力的に御議論いただきました。まだ最後のすり合わせが残っておりますので、報告書の取りまとめが済んだというわけではありませんけれども、何とかここまでこぎ着けていただきまして本当にありがとうございます。

 報告書の冒頭でも触れさせていただいておりますけれども、我が国の人口構造が変化していく中で、社会の活力を維持し、あるいは持続的な成長を実現していくためには、高年齢者の希望をかなえるということ。高年齢者が活躍できる機会を確保し、その能力を十分に発揮していただけるようにすることが必要だと考えております。

 また、検討会で御議論いただきましたように、生涯現役で働き続けられるようにすることについてはポジティブに捉える必要があるということで、豊かな長寿社会で享受できる恩恵であるという視点で考えることも大事だとも感じております。

 今回の検討会では、大きく 5 つの事項に分けて御議論いただきました。 1 つ目は、企業における高年齢者の雇用の促進。 2 つ目は、職業生活設計、能力開発の支援。 3 つ目は、中高年齢者の再就職の支援。 4 つ目は、地域における多様な雇用・就業機会の確保。 5 つ目は、シルバー人材センターの機能強化です。こういうことについて整理し、御提言を頂きました。

 この成果は非常に大事なものだと考えております。まず、成長戦略など、政府の方針がこれから出てきますけれども、そこに積極的に盛り込むということで努力したいと考えております。今後、具体的な施策にしていく必要があると考えております。そのために予算に反映するということも含め、更に検討を深めたいと考えております。必要があれば法改正なども視野に入れ、労働政策審議会でも御議論いただくということで、その場でも活用させていただきたいと考えております。

 今後、施策の具体化について取り組んでまいりますけれども、その際には引き続き先生方の指導を頂くことが多々あるかと思いますけれども、引き続きよろしくお願い申し上げます。閉会に当たっての御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○清家座長 最後に私からも一言御挨拶というか、お願いを申し上げます。まず、皆様方には本当に熱心に議論に参加していただきましてありがとうございました。これからまだ修文はありますので、意見が十分に反映されなかったところもあるかと思いますけれども、その点は全体の整合性を維持するための修正ということで、御寛容な気持ちで受け止めていただければと思います。ただ私としては、この報告書原案を読んでみて、先生方の御発言の趣旨、あるいはその基になっている基本的なお考えはしっかり反映されているのではないかと思っております。

 先ほど最後の「おわりに」の一番最後の文章を読ませていただきましたけれども、是非、厚生労働省におかれましては、これだけ先生方が熱心に御議論をいただいた結果の報告ですので、必ずその施策にこれを生かしていただきたいと思います。個別の政策については、労政審のそれぞれの部会等で、しっかりと御議論いただき、良いものに仕上げていただきたいと思っております。その際には、是非、私どもの研究会の報告書の趣旨を、労使・学識経験者の委員の方々にも踏まえていただいて、あるいはそのようなことを事務局としても御説明いただいて、施策が良い方向に進むように期待しておりますので、是非そのようによろしくお願いいたします。

 本日はお暑い中を誠にありがとうございました。大変恐縮ですけれども、この後も少し個別に事務局のほうから、先生方をお訪ねして御指導いただくこともあるかと思いますので、そのことについてもあらかじめお許しを頂いて、最終的に私の責任でこの報告書を取りまとめさせていただきますこと、どうかよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

 

               


(了)

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