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2015年5月8日 第5回生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会

○日時

平成27年5月8日(金)


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室


○議題

報告書(素案)についての議論

○議事

○清家座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第 5 回生涯現役社会の実現に向けた雇用・就労環境の整備に関する検討会を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 本検討会では、これまで 4 回にわたり、高年齢者の雇用・就業対策の現状と課題に係わる個別の論点について議論をし、各企業、シルバー人材センター、自治体から現場の取組に関するヒアリングも行ってきたところです。

 本日は、事務局に作成をお願いしておりました報告書のたたき台が出来上がっておりますので、これに基づき、取りまとめに向けた議論をお願いしたいと思っております。なお、プレスの撮影はここまでになりますので、カメラはここまでとしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入ります。冒頭に事務局から報告書 ( 素案 ) について説明を受け、その後、質疑応答と意見交換の時間を設けたいと思います。

 それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○雇用開発企画課長 それでは、本検討会の第 1 回から第 4 回の議論とヒアリングの結果を踏まえ、事務局で整理した報告書の素案について説明を申し上げます。

 目次を御覧ください。第 1 章におきましては、「生涯現役社会を実現する必要性」について、基本的な統計データを中心に整理しております。第 2 章におきましては、「生涯現役社会を実現していくための検討を進めていくうえでの基本的視点」について整理しております。第 3 章におきましては、「高年齢者の雇用・就業対策の現状と課題」に関して、企業における雇用、職業生活設計と能力開発、再就職促進、地域における多様な形での雇用・就業機会の確保、シルバー人材センターの 5 つの項目ごとに整理しております。最後に、第 4 章におきまして、この 5 つの項目ごとに、今後、当面どのような政策が必要であるかについて、方向性を整理しております。

1 ページです。第 1 章の「生涯現役社会を実現していく必要性」について、既に様々なところで指摘され、また、本検討会でも事務局から基礎データとして示したことにつきまして、ポイントだけを簡潔にまとめたものです。

(1) において、人口の減少と高齢化がますます進んでいくであろうという見込みについて記述しております。 (2) におきまして、我が国の高年齢者は就業意欲が高く、 65 歳以上で就業希望がありながら就業ができていない方が 207 万人にも達していることなどについて記述しております。 (3) ですけれども、人口減少社会の中で社会の活力を維持し、持続的な成長を実現するためには、高年齢者が活躍できる機会を確保し、その能力を十分生かせるようにしていくことが不可欠であること。そして、これまで高年齢者の雇用・就業対策としては、 65 歳までの継続雇用を中心に推進してきたけれども、 65 歳以降も働きたいという高年齢者が増加してきていることなどを踏まえるならば、 65 歳以降も働く意欲のある高年齢者が、年齢にかかわりなく生涯現役で活躍できる社会環境を整備していくこと、が必要であるという基本認識を記述しております。

2 ページです。 (4) では、 65 歳以上の雇用の確保の課題について記述しておりますが、まず現状として、 65 歳以上の有業者数が、昭和 62 年から平成 24 年の 25 年間に倍増しているということ。それから、小規模企業において雇用されている方が多いという事実を押さえたうえで、雇用確保のためには健康、モチベーション、専門知識・技能、協調性などの要素が重要であること、を記述しております。

3 ページです。第 2 章では、「生涯現役社会の実現の基本的視点」について記述した部分ですけれども、特に検討会における議論の中で焦点となったテーマからいくつか抽出して、それを大きく 2 つに整理しました。その 1 点目は (1) です。高年齢者は、若年者に比べて生産性が低いなどとネガティブに捉えられる場合もありますけれども、高年齢者が働くということのポジティブな側面について国民全体が理解していくことが、生涯現役社会の実現にとって重要であるという観点から議論を整理したものです。その 1 点目は、高年齢者が働くということは、高年齢者が「社会の支え手」として活躍できるという、ポジティブな面があることを強調しております。

2 つ目は「高年齢者の雇用促進と他世代との関係」についてです。高年齢者の雇用促進を図ることによって、若年者などの他の世代にしわ寄せがいっているのではないかという懸念がありますけれども、先生方からいただいた様々な議論を、この点について整理しております。基本的には現状として、高年齢者の雇用を進めることで直ちに他の世代にしわ寄せがいくことは、今のところいえないと思います。むしろ 4 ページになりますけれども、高年齢者と他の世代のウィンウィンの関係を作る視点こそが重要であるという点について記述しております。

3 つ目は「高年齢者の就業と健康との関係」です。働くと健康にとってプラスであるということにつきましては、両者に相関関係はあるとしても、その因果関係までを証明するというような統計調査はまだないわけですけれども、一般的にそうであろうということが指摘され、また、ミクロな調査におきましてはそれを指示するデータも出てきていることについて記述しております。

 続きまして、 (2) 高年齢者の多様な雇用・就業ニーズへの対応についてです。高年齢者は個人差が大きく、その多様性に対応していく必要があるという点です。 5 ページになりますけれども、「制限のある均質でない労働者を前提とした取組」が重要であるという視点について記述しております。特にこの視点は、育児や介護と仕事の両立を図る必要のある方に対する施策と、高年齢者に対する施策をセットで考える必要があることなど、先生方からも再三繰り返し御発言をいただいたところです。

6 ページです。第 3 章として、「高年齢者の雇用・就業対策の現状と課題」を整理しております。 (1) 企業における高年齢者の雇用の促進について整理しております。まず、「 65 歳までの継続雇用の現状」につきましては、高年齢者雇用安定法の改正により大きく進んできている状況がありますけれども、これに対応して企業においても人事処遇制度等の見直しが進められてきているという点について記述しております。また、「継続雇用の対象とならなかった労働者への対応」についても忘れてはならないという点について記述しております。

7 ページです。「 65 歳以降の雇用」の部分です。まず、「継続雇用」についてみると、現状としては、まだまだ 65 歳以上についてはこれからの課題であるという状況について記述しております。一方、中段になりますが、「 65 歳以上の高年齢者の雇入れ」の部分につきましては、近年大きな伸びを示しており、このことについて記述しております。これらを踏まえ、今後高年齢者雇用に取り組む企業の支援策の充実が重要であるという形でまとめております。

8 ページです。高年齢者の活躍を引き出すためには、健康管理が重要であるということを記述しております。さらに、「企業に対する支援の手法」としては、人事管理施策の研究・検討に今後一層力を入れていかなければいけない。それから好事例、ロールモデルを提示しなければいけない、業種別にきめ細かく施策を考えていかなければいけないといった先生方からの御指摘についてまとめて記述しております。

(2) 職業生活設計と能力開発の支援です。高齢期の職業生活設計は、高齢期になる前の中年期から始めるべきであることについて記述しております。さらに 9 ページになりますが、「全職業生活を展望した職業生活設計」の部分については、高齢期の職業生活設計は中年期から始めるべきであるという考え方を一歩進めまして、全職業生活を通じて常に検討すべきであるという考え方を示すとともに、 10 ページになりますけれども、職業生活設計をする中で他企業へキャリアチェンジをしたり、UIJターンをするような場合も考えられ、その場合の支援はあくまでも本人の自発性、主体性に基づいて行うべきであることについて記述しております。

 次に「職業生活設計の自発性と企業による支援」についてです。本人自らが行うものではあるけれども、企業にも一定の支援が求められることや、本人が企業外で個人的に支援を受けられるようにするサービスを充実させるべきであることについて記述しております。

 「高年齢者の能力開発の状況」についてです。高年齢者の能力開発は若年者に比べると低調であることについて記述したうえで、能力開発の目的と方法は若年期のそれとは異なり、既存の能力の再構築が重要であることや、自己啓発が重要であることについて記述しております。さらに、これらの職業生活設計や能力開発に対する支援に関して、 12 ページに入りますけれども、既に様々な支援策が設けられている中で、今後更なる充実が求められるということについて記述しております。

12 ページ下の (3) 中年期以降の再就職の促進です。まず、再就職促進の意義に関してですが、高年齢者の雇用促進の基本は継続雇用の推進であることを押さえたうえで、仮に本人が職業生活全般を見通してキャリアチェンジを選択した場合に、それに対する適切な支援策を用意しておく必要があるという意味で、再就職促進が重要であることを記述しております。その再就職につきましては、近年大幅に伸びてきている状況がありますけれども、今後支援策の充実が必要であるということについて記述しております。

 さらに 14 ページの上段におきまして、再就職促進における自治体の役割の重要性について記述しております。また、再就職の経路について外部労働市場の活性化を図るだけでなく、企業間の出向や移籍による労働移動についても拡充することが重要であることを記述しております。また、雇用保険につきましては、現在 65 歳以上については適用されておりませんけれども、生涯現役社会を実現する観点から、その適用年齢が適当であるかどうか等について検討が必要であることを記述しております。

15 ページの (4) 地域における多様な雇用・就業機会の確保についてです。まず、企業退職者等が能力を生かせていないという状況に対して、柏市においてセカンドライフ全般に対する支援を行う中で、うまく地元の仕事を掘り起こして高年齢者にそれを提供する仕組みを作り上げていることについて紹介しております。そして、柏市の事例をはじめ、現在モデル的な取組が進んできていることから、これを全国に広げていくことが必要であることについて記述しております。このような地域の取組を行う中で重要なポイントとしては、雇用・就業機会の掘り起こしが重要であるということ。

そして 16 ページですけれども、企業退職者等の意識改革が重要であること、地方自治体が積極的に関与して、地域の関係機関のネットワークを作っていくことが重要であることを記述しております。

17 ページの (5) シルバー人材センターの機能強化の関係です。まず、センターの現状を整理したうえで、センターは今後従来型の請負事業だけではなく、派遣事業や職業紹介事業も活用しながら積極的に雇用・就業機会を開拓していくことが必要であることについて記述しております。

 また 18 ページになりますが、センターは介護・保育支援サービス等の分野で雇用・就業機会を開拓していくべきことについて記述しております。さらに、センターにおける就業時間が臨時的、短期的、軽易なものに限定されているという、いわゆる「臨・短・軽」問題について記述しております。方向性としては、 65 歳以上の労働率が上昇していることや、高年齢者自身もまた発注者側においてもニーズが変化してきていることを踏まえるならば、この「臨・短・軽」要件については緩和等を検討すべきではないかとしております。ただし、この検討に当たりましては民業圧迫等の懸念もありますので、その点に留意しなければならないということを記述しております。さらに、センターにはセンター自身が事業を創造し、事業を産み出していくという取組が求められている点につきましても記述しております。

20 ページです。第 4 章として、「当面求められる施策の方向性」について整理しております。これは、これまでの議論の中から今後の施策の方向性に関する部分を抽出して、それをある程度具体化して整理したものです。 (1) 企業の雇用に関する施策です。企業における 65 歳以上の雇用を促進するため、例えば 65 歳以上の高年齢者の雇入れや多数雇用、あるいは 65 歳を超える継続雇用制度に着目して支援を行うことについて挙げております。また、高年齢者の能力や活力を引出せる人事管理施策の研究・調査、雇用環境整備等について挙げております。ロールモデルなどの企業情報の提供という方策についても挙げています。

(2) 職業生活設計と能力開発に関する支援です。労働者が高齢期、あるいは職業生活全般を展望して職業生活設計ができるようにするため、企業によるセミナーやキャリコンの推進を図ること、労働者個人でハローワークや民間の行うセミナーやキャリコンを受けることの推進について掲げております。さらに 21 ページで、職業能力強化制度の構築、中高年向きの職業訓練の推進について挙げております。また、能力開発のために必要となる時間の確保のための教育訓練休暇制度等の普及と利用促進についても挙げています。

(3) 中年期以降の再就職の促進に関する施策です。職業相談、職業紹介などの基本的な取組を強化すること、ハローワークにおける 65 歳以上の高年齢者を対象とした窓口の設置などによる支援について挙げています。最近になりますけれども、企業による 65 歳以上の高年齢者の雇入れの促進を挙げているほか、 65 歳を超えて継続雇用する企業が様々な形態で中高年齢者を受け入れることを支援することについても挙げています。産業雇用安定センターによる出向・移籍のあっせん機能の強化や、高年齢者に関する雇用保険制度による再就職支援の一層の推進について挙げております。

(4) 地域における多様な雇用・就業機会の確保に関する施策で、 22 ページです。基本的には地方自治体が中心となって地域のネットワークを作り上げ、その下で高年齢者の雇用・就業機会を掘り起こして提供する取組を全国的に広げていくことについて掲げています。そのために地域の協議会を設置すること、現在全国 10 カ所で行われているモデル事業を周知していくこと、財政的支援の在り方について検討していくことについて挙げています。

 最後に、 (5) シルバー人材センターの機能強化に関する施策です。センターが積極的に就業機会や職域を開拓していくことについて挙げています。そのために、派遣事業や職業紹介事業による開拓、センターに対する補助金における開拓に対するインセンティブ、育児支援分野や地域における人材不足分野等における職域拡大の促進について挙げています。また、いわゆるセンターの「臨・短・軽」要件の話ですけれども、民業圧迫の懸念等を十分に念頭におきながら、その緩和等の可能性の検討をすること、センター自身による事業創造への取組促進についても挙げています。

 事務方で整理しました報告書の素案、たたき台につきましては以上です。

○清家座長 ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から報告書の素案について御説明いただいたところですが、大きく分けて第 1 章の「生涯現役社会の実現の必要性」及び第 2 章の「生涯現役社会の実現の基本的視点」というのが、いわば前提の議論、総論的な部分です。そして 3 章、 4 章がより個別具体的な議論になっているので、まず大きく議論を分けまして、最初に 1 章と 2 章の部分について、この報告書の今読んでいただいた、原案でいえば、「初めに」を含めて 1 5 ページぐらいまでの所を先に少し検討したいと思います。この 1 章、 2 章の部分について何か御提案、あるいは御意見等がありましたら、よろしくお願いします。山田委員、どうぞ。

○山田先生 これまでの議論をいろいろとまとめていただいて、ありがとうございました。前半部分、また、実は後半部分もですが、もちろん行間を読めば分かるのですが、少し踏み込み不足かなと思ったのは、キャリア中途で職歴を中断した方に、どのように政策対応していくかというところが重要だと思うのです。

 と申しますのも、初回の資料でも就業率の国際比較というのが出てきましたが、日本は高齢者就業が進んでいる国と言われていますが、男女別に見ると、非常に女性の就業率が低く、非常に男女のギャップが大きい。女性の就業率に関して言えば、 60 64 歳を見ると、アメリカやスウェーデンに比べて低いですし、ドイツともそんなに変わらない、という状況がありますので、やはりそこの部分をどのように政策的にケアするのかというのが非常に大きいところになるかと思います。

 これは釈迦に説法ですが、女性については現時点でも第 1 子出産で 6 割が継続就業していないという状況にありますし、また、再就職しても職業訓練機会の限られる非正規になるケースがほとんどなわけです。更に言えば、継続就業できても 6 歳の壁に引っかかってしまって、そこで職歴が中断する人も多い。そうしますと、こうしたことが後々まで尾を引いて、高齢期において、先進国中でも非常に大きな就業率の男女格差になっていることについて、もう少し危機感が伝わるような、踏み込んだ書き方が必要ではないかと思います。

 取り分け、今の話は、育児によってキャリアが中断してしまうケースですが、これは酒井先生の御専門かと思うのですが、日本の場合今後非常に問題になってくるのは、介護による職歴中断です。取り分け 2025 年になりますと、団塊の世代が 70 代に突入する。そうすると要介護リスクが高まって、そこで働き盛りで、人口規模の大きい団塊ジュニアが、親を介護するリスクも高まってくるわけです。 2025 年といったら先のようですが、あと 10 年しかなくて、そうした「介護によるキャリア中断」をどのようにするのかというのは、実は高齢者就業とも非常に大きな、密接な関係を持っていると思うのです。

 ですから、後半でもまたコメントを差し上げますが、この介護の部分については今、短時間勤務制度とか介護休業制度がありますが、下限が 3 か月で本当に足りるのかどうか。本当にそれが足りるかどうかというのは、確認し対応する必要があると思いますので、もう少しそういったことを含めた、「キャリア中断」が後々尾を引いて、高齢者就業にネガティブな影響を与えているというのは明らかに存在するので、そこのところをどうするのかというのをもう少し、もちろん行間を読めば分かるのですが、少し踏み込み不足かなと思いますので、強調するような書き方、もしくは新たに項目を設けるような書き方をしていただければと思います。私からは以上です。

○清家座長 分かりました、山田委員が今言われたことはもっともだと思います。例えば 4 ページの上の辺りの記述では、これはむしろ高齢者が育児支援とか介護サービス労働などに従事することによって、若い世代の雇用の継続をサポートするという趣旨のことが書かれているのですが、山田委員が言われたのは、そういう高齢者自身が、あるいは今の若い世代が高齢になったときに、特に女性が就労を続けるためには、キャリアの中断が起きないようにすることが大切だと、そういう御趣旨ですね。例えばこの中に書き入れるとしたら、どの辺の所が、例えば今の 4 ページ辺りの所に。

○山田先生 少しまとめますか、あとは第 2 節が短いので、もう少し 5 ページぐらいの所に。 5 ページの上のほうも、やはり似たような記述がありますので、独立させて、もう少し踏み込んだ形で、「キャリア中断」がなるべく起きにくい形にするという趣旨を明確化するような、何かタイトルを付けて、今すぐには思い浮かばないのですが、何か独立させて項目を立てたらどうかな、と考えています。

○清家座長 もう一度整理させていただきますと、山田委員の問題意識は、日本の高齢者就労を考えたときに、男性の就労率は高いけれども、男女間のギャップがある。そのギャップの原因は女性の場合、キャリア中断があるからだと。したがって、そこのところを指摘しておかないといけないのではないかということですね。

○山田先生 あと将来的には、やはり介護による離職の問題というのは、非常に深刻な問題になってくると思いますので、そこの部分をもう少し踏み込んで書き入れていただければと思います。

○清家座長 この点について、何か関連で御発言がある方はいらっしゃいますか。

○北浦先生 山田先生の御指摘は誠にごもっともだと思います。私も同感ですが、恐らく後のところの論議と絡んでくると思うのですが、生涯現役のときのキーワードとしては、「キャリア」というのが非常に今回の重要なワードになっているのではないかと思うのです。

 ですから、キャリアが持続的に形成されていく環境を作る。これがないと、生涯現役というのは完成しないのだということを、まず訴えていく。そうしませんと、そのときの中断というのは、まさに障害となるような様々な事情がありますから、どんなに能力形成をしていても、それが生かされない時期がある。そうすると、その次の時期においては、それが生かされないことによって就業につながらない。その結果、高齢の就業の望ましい形が出来上がらない。こんな順序になってくるのだろうと思いますので、恐らくキャリアということを強調していく、生涯にわたってのキャリアを持続的・安定的に形成していくという視点が、今回、生涯現役のときの 1 つの大きな基本思想だということを訴えて、それで山田先生のおっしゃったところを書くと、非常に分かるのではないかという感じがしました。

 これは後の所でも繰り返し、キャリアが出てきますので、ですから最初の所で何か、具体的な提案は、今はないのですが、そのような「キャリア」という言葉に関わらせて書くといいのではないかと思います。

○清家座長 小畑委員も関連ですか。

○小畑先生 はい。私も同じ点について発言させていただきたいのですが、この御提案の書類で申しますと、 3 ページから始まる 2 章「生涯現役社会の実現の基本的視点」という所の、節のタイトルが (1) 高年齢者が働くことの積極的意義、そして (2) 高年齢者の多様な雇用・就業ニーズへの対応ということで、どちらも高年齢者ということを節のタイトルに掲げているので、そういった点では、私は 5 ページの ( 制限のある均質でない労働者を前提とした取組 ) という所に、先ほど山田先生が御指摘になった点を少しお書きいただけるかなということを考えていたものですから。それと申しますのも、やはり介護離職の問題など、中年期で問題化している問題が、その後の高年期、高年齢者になった場合の深刻な問題へとつながっていくということを、どうやって御提案の案の中にうまく埋め込めるかなというときには、 (2) の中の 5 ページから始まる部分に、少し第 1 段落目との関連で、この問題はより長いスパンで捉える必要があるというような記述をすると、座りがいいかなと考えました。以上です。

○清家座長 ほかにこの関連でよろしいですか。そうしましたら、 5 ページの ( 制限のある均質でない労働者を前提とした取組 ) という項目の辺りの所に、特にやはり北浦委員が今言われたように、単にキャリアの中断も含めて、キャリア全体で考えなければいけないという視点の中で、とりわけ女性の場合、キャリアの中断が高齢期の就労の制約となっているというようなことを、明記していただいたらよろしいのではないか。それが結果としては、実は高齢者の働き方が多様だということにつながっている部分があると思います。よろしいでしょうか。

 では、また事務局におかれては、先生方の御指導も受けながら、その辺りの修文をお願いしたいと思います。ほかにいかがでしょうか。秋山委員、どうぞ。

○秋山先生 この検討会の基本的なスタンスといいますか、理念を初めに置いたほうがよいと思います。場所としては「はじめに」の所か、 2 の「基本的視点」の最初に加えていただければと思うのですが、内容としては、検討会のスタンスとして、健康寿命の延伸によって、生涯現役で社会の支えとして生きることができる、つまり生産者、納税者、消費者として生きることができるのは、長寿社会に生きる私たちの特典であり、新たなチャレンジであるということです。

 現在、「職業生活 70 年時代」と言われていますが、そうしますと、同じ仕事を 70 年続けることはあまり考えられないわけで、各自が自らの能力を最大限に生かして、主体的に職業生活を設計する。そして、自らを常に磨いていくことが必要であるということ。国民が生涯にわたって主体的にキャリア形成をしていくために、公的あるいは民間の支援の仕組み作りが必要だということを初めに書いていただく。もう少しポジティブなスタンスで始めるのがよいと思いますが、いかがでしょうか。

○清家座長 では、これに関連して何か御意見はありますか。

○阿部先生 おっしゃるとおりだと思うので、我々のスタンスを書いていただいたほうがいいかなと思います。多分、「はじめに」の辺りではないかと思ったのですが。

○清家座長 高齢化が進んだので、それへの対応としてということよりは、もう少し積極的に健康で豊かな長寿社会を実現するために、あるいはそういうものを我々が真にありがたいと感じることができるために、こういうことが必要だという趣旨のワーディングをしたほうがいいということですね。

○秋山先生 生涯現役で働いて、社会の支え手であり続けられるのは、

人生 50 年、 60 年時代に生きた前の世代は経験できなかった恩恵だと思うのです。それを支えるための仕組み作りが必要だという意味で前向きなスタンスがよいと思います。

○清家座長 では、少しそこのところのワーディング、例えば社会活力を維持して、持続的な成長を実現していくために必要だという以上の、何かもう少しポジティブな価値があるというそういう書きぶりをということですね。これもまた少し先生方の御意見を承りながら、事務局のほうでワーディングを考えていただこうと思います。よろしいでしょうか。ほかにはいかがですか。北浦委員、どうぞ。

○北浦先生  3 ページに、「高年齢者が働くことの積極的意義」について、大変整理されて書かれているのですが、最初の 3 ページの (1) の初めの所を見ますと、高年齢者を何歳層として取るのかによるのですが、「若年者に比べて体力、意欲や柔軟性などが低下し」ということで、最初からマイナスイメージをかなり強調されているのです。これは何歳層を想定するかによって確かに違うと思うので、 65 歳までなのか、 70 歳までなのか、はたしてそれ以上なのかによってイメージが違うのですが、これまでの高年齢者雇用対策の考え方には、やはり長年培われた知識・技能・経験があるはずだと。それを生かしていくのだと。そして、衰えない能力もあるのだと、こういう議論があったのだと思うのです。

 ですから、そのようなポジティブ的なことを書くのでしたら、まずそういう既存のところを少し入れていただいて、ただ、その上でこういうマイナスイメージがあることは事実なので、それを打ち返すためにこういうことを考えましょうと、このようにメリハリをつけていただいたらよろしいのではないかと思います。

○清家座長 それは、ただいまの秋山委員のお話とも少しつながりがありますね。これは事務局になり代わってお答えするわけではないですが、報告書を書くことになると、いろいろな反論がまず頭に浮かんで、そうは言ってもこうなのだというように書くものですから、どうしてもそうなるのですが、確かに北浦委員が言われたように、例えばこの辺りは、「高年齢者には長年培った経験や技能を活かして社会に貢献することが期待されており」といったような記述がまずあって、一方で、「高齢者は若年者に比べて体力・意欲・柔軟性などが低下する」という見方もあるが、そうではないといった書きぶりにしたほうが良いかもしれませんね。余り、あるべき反論を先取りしないように。

 では、その辺も少し、 3 ページの 2. (1) の冒頭の所の書きぶりを調整していただくということで。これもまた北浦委員と御相談いただいて、そのようにしていただきたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。阿部委員、どうぞ。

○阿部先生  3 ページの下から 4 行目ですが、言葉として気になった所がありまして、ここに、「継続雇用を飲み込んでいこうとする場合」と書かれているのですが、「飲み込んでいく」というのがどういうことなのかなと考えると、少し気になってきて、「継続雇用を実現しようとする」とかのほうが、「飲み込む」と言うと、何か嫌なものも飲み込んでしまうみたいな感じがするので、「実現」のほうが穏やかでいいのではないかと思いました。

 あと、「制限のある均質ではない労働者」という、 5 ページで先ほども話題になった所ですが、その前にいろいろ書かれているので分からないではないのですが、どういうイメージなのかが湧きにくいかもしれないということがあります。でも、どうしていいかと言われると、少し難しいかなとは思うのですが、「制限」あるいは「制約」があって「均質」。少し考えますが、このままでよければこのままでもいいのですが、分かりにくいかもしれないなと読んでいて思いました。

○清家座長 ここは先ほどの議論の中で、むしろこの中に、キャリア全体として考えることが大切だというのを組み込むことになりましたので、この小見出しは少し変えたほうが良いかもしれませんね。その前に、もう「多様な」と言っているので、もちろん問題から余り目を背けるのはよくないのですが、ポジティブ用語を使うとすれば、「制限のある」とかいった表現はもうやめておいて、別の表現にしてもいいのかもしれません。その辺も少し事務局の相談に乗っていただいて、そこの修文をよろしくお願いします。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。基本的な所、ずいぶん大切なポイントを御指摘いただいて大変よかったと思います。また後でこちらに戻ることもあるかということで、その先の第 3 章「高齢者の雇用・就業対策の現状と課題」及び第 4 章「当面求められる施策の方向性」の議論に進みたいと思います。

 これは見ていただくと分かりますように、第 3 章、第 4 章の (1) から (5) まではいずれも同じテーマとなっておりまして、それぞれ (1) から (5) の各テーマごとに課題とそれに向けた施策というふうに対になっていますので、テーマごとに議論をしてはどうかと思いますが、そのような形でよろしいでしょうか。

 それでは、まず「企業における高齢者の雇用の促進」について、第 3 章、第 4 章に関して御意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。山田委員、どうぞ。

○山田先生 ここの部分については 8 ページに、 ( 企業に雇用される労働者の健康問題 ) というのがあります。この中で、長時間労働のコントロールを含めていただいているのですが、この長時間労働のコントロールというのは企業側が主体になっているのですが、もちろん企業が主体的に取り組むということも重要なのですが、先ほど挙げた「キャリアの持続」というのを考えれば、やはりもう少し残業規制のようなものは労働基準で明確に入れていくという方向性を、この中で打ち出せないかと考えています。

 取り分け、今は育児休業とか、いろいろと話題になっているのですが、育児休業も重要なのですが、本当に女性、もちろん男性を含め、子育てをしながらキャリアの持続、もしくは介護をしながらのキャリアの持続を考えた場合に、やはりデファクトで残業の上限がない今の労働基準というのは、明らかに両立、キャリアの維持が難しい状況を生み出しているわけです。

 ここは、やはり前々から問題だと指摘されていますし、ここは有識者の会合ですから、そこに残業規制の上限を入れるなどというような、もう少し踏み込んだ、要は政策的に何らかの規制を入れる方向の文言というのを、やはり入れていただければと思います。かなり前々からいろいろな人たちが、「ここは問題だ、だから介護や育児との両立ができない」というのは前々から言われていることですから、そこをもう少し踏み込んで、書き込んでいただければと思います。

○清家座長 具体的にはどの辺ということになりますか。

○山田先生 この ( 企業に雇用される労働者の健康問題 ) の一番最後の段落の所に、政策としての、現状では事実上の残業の上限がない状況は。

○清家座長  8 ページの所ですね。

○山田先生 すみません、 8 ページの一番上の段落に、 ( 企業に雇用される労働者の健康問題 ) というのがありますが、そこの中の段落の最後に含める形で入れていただければと思います。

○清家座長 この点について関連の御意見、御提案はありますか。北浦委員はワークライフバランスの大家ですが。

○北浦先生 いえ、特にありません。

○清家座長 この 8 ページの所は問題提起ですが、今、山田委員が言われたのは、 20 ページの「当面求められる施策の方向性」という所になりますよね。

○山田先生 その対応ですね。

○清家座長 そうすると、「健康管理の在り方を含め、高年齢者の能力や活力を引き出せるような人事管理施策の在り方全般についての研究・検討を強化するとともに、企業における雇用環境整備・雇用管理改善を促進すること」ということですが、この「人事管理施策の在り方全般についての研究・検討を強化する」という中に、あるいは「雇用管理改善を促進する」という中に、例えば「労働時間規制の在り方も含め」といったような、そういう話になるということですか。

○山田先生 そうですね。新たにキャリアの維持について、第 1 章、第 2 章で全面的に打ち出すのであれば、この中に含めるというよりも、キャリアの維持の可能性を高めるもの、持続を高めるものとして、更に育児・介護の両立の可能性を高めるものとして、そういったものが必要であるというように、別の○で入れればいいのではないかと考えています。

○阿部先生 山田先生が言っていることは、私もよく理解します。ただ、確かにこれは「生涯現役社会の実現に向けた」と書いてあるから、生涯を通してということになってしまいかねないのですが、どちらかというと、ここで書こうとしていることは高齢期の健康の話なので、余りあちこち幅を広げてしまうと、別に縄張り争いではないですが、ちょっと混乱しかねないという気はするのです。

 だから、やはりここでは「高年齢者の雇用・就業対策の現状と課題」というタイトルの下で語っているので、高年齢者の残業の問題だとか、そういう現状認識の下で、それをしっかりやっていかなければいけないということであれば、書いてもらっておいて、また山田先生がおっしゃった育児期だとか介護の時期だとかの話は、それはそれで重要なので、それはまたちゃんと別途やったほうがいいのかなという気は少しするのですが、もちろんよくないと言っているわけではなくて。

○山田先生 なぜこれにこだわるかと申しますと、やはり高齢期の就業というのは、ずっとそれまでの積み重ねなわけです。ですから高齢期において、いきなり、「高年齢者の就業を考えて、健康を考えましょう」と言っても、実は健康というのは投資の積み重ねですから、ずっとキャリアで蓄積されたものが高齢期に出てきているわけです。ですから、高齢期の就業を促進するのであれば、その前の段階の蓄積もいろいろと考えて、キャリアであれ、健康であれ、考えなくてはいけないというのは、それは自明かと思うのです。

 ですから、もちろん報告書で焦点が定まらなくなるから、守備範囲をなるべくきっちり狭めにとったほうがいいという考え方もあるかと思いますが、繰り返しになりますが、実は高年齢者就業というのはずっと前からの積み重ねで出てくるものなので、やはりここに入れるのは、それほど守備範囲としてはおかしくないのではないかと考えています。

○清家座長 そうすると、「当面求められる施策の方向性」という所でいえば、 (1) よりは (2) の所でしょうか。

○山田先生 そうですね。

○清家座長  (2) の所で、年を取っても働けるようにしておくためには、若い頃からの健康管理は大切ですと。つまり健康寿命を伸長するという意味でも、そういう中に労働時間、残業規制という個別具体的なことだけそこに入ってくると、確かに少し浮いてしまうかもしれないので、そういう意味を込めた若い時代からの健康増進、それも人的資本投資ですよね。正に広い意味での能力開発でもあるし、だからそういうことが込められたような部分をここに入れ込むということでよろしいでしょうか。

○山田先生 そうですね。あと、もちろん健康投資とともに、キャリアの持続性といったところからも、やはり育児や介護と両立ができるような労働時間、働き方というのは一応考えなくてはいけないので、そのコンセプトで入れていただけるのであれば、個別具体的なワーディングというのにこだわるものではないです。

○北浦先生 今までの議論に少し関連することです。おっしゃったことは私も同感ですが、この 3 (1) の部分というのは、高齢期の雇用の設計の在り方についての論議なので、これはどちらかというと、高年齢者雇用の在り方のところ、つまり高齢期の時期におけるという、そういう制約が 1 つ掛かったところなのかなと思っています。

 それに比べて (2) のほうは、どちらかというと中高年期からというか、あるいはそれ以前からかも分かりませんが、山田先生がおっしゃったように、全生涯にわたるようなところのキャリア形成も含めて、当然、そこには健康問題も含んだ形でやっていく、そんな書き分けになっていると思いますので、私はどちらかというと、 (2) のほうで少し論じたほうがいいのかなというのが 1 点です。

 それから、 2 点目の ( 企業に対する支援の手法 ) の所で、 8 ページの最初のパラグラフの所ですが、いろいろ書かれているのですが、これは中高年期における対策の所で、これは無関係ではないのですが、いわゆる高齢期の設計というよりは、割と中高年対策という感じなので、やや異質な感じがしています。

 ただ、これは大事なことなので、恐らくこういうことを含まないといけない。そうすると、何が足りないのかなと思ったのですが、今言われているのは、例えば定年が 60 歳だとすると、「 60 歳を過ぎた 65 歳までの継続雇用の雇用の在り方」というのが、余りに世界が違いすぎてしまう。 60 歳までの定年の世界と、 60 歳から先の世界が違う。それは定年延長という形で一貫性を持たせればいいのかもしれませんが、「継続雇用」「再雇用」という形を取りますと、 1 回そこで断絶が起きてしまう。そこのところにいろいろな問題が生じるので、本当に現役的な働き方を続けるのだったら、もっと一貫した人事管理の流れが出来ないだろうかというのは、これは永遠的な課題であるわけです。

 然りとてなかなか難しいわけですが、恐らくその意味合いも込めて長く勤務できるような職位の在り方、ポストの在り方を考えましょうとか、恐らくそういうものがあれば 60 歳定年にかかわらず、そのポスティングをずっと維持することで、現役的な働き方が維持できる。多分そのようなことを言っているのだろうと思うので、いわゆる 60 歳以前の時期からの一貫した人事管理の流れを作り出していく、そういうことも考えていく必要がある、そのような意味でこの 1 パラを位置付けたらいいのかなと思っています。

 その意味で、具体的には修文はまだ考えていませんが、現状でいくと、断絶があるような感じがしますので、あくまでここの部分は、そういった高齢期にも及ぶ一貫した人事管理の在り方をここで考えていくのだ、というようにしたらよろしいのではないかと思います。以上です。

○清家座長 今、北浦委員が言われた、 60 前後もシームレスなというか、一貫した対応というのは、例えば 3. (1) 2 つ目ぐらいの小見出しの辺りの話になるのでしょうか。 ( 継続雇用に対応した人事処遇制度の見直しの状況 ) あたりとか。

○北浦先生 そうですね、そこに入るかもしれません。

○清家座長 あるいは、もう少し幅が広いでしょうか。

○北浦先生 ここは何か 60 歳からの世界のような書き方なので。

○清家座長 そうですね。あるいは、最後の ( 企業に対する支援の手法 ) というような。

○北浦先生 そうですね、そこの所。

○清家座長 そこの所でしょうか。

○北浦先生 そこの一部分の所で、 60 歳以前の段階から一貫した流れで働き続け、現役的な働き方ができるような、そういった人事管理の在り方を検討していくことが必要だという、そのような書きぶりができると、ここが生きてくるのではないかと思います。

○清家座長 その点についてよろしいですか。では、文章を少し検討していただけますか。確かにそれも大切なポイントだと思いますから、やはり 1 つ大きな課題は継続雇用のところでいきなりガクッと労働条件が変わってしまったり、立場が変わってしまったりするのをどうするかということだと思いますので。

○北浦先生 その点に関連して私が少し懸念しているのは、恐らく「団塊ジュニア対策」というので、またここの部分が議論されるのではないかと思っているのです。かつての団塊の世代の対応として、いわゆる専門職を作り出していくとか、いろいろ形を考えたのですが、いわゆる処遇専門職というような形でしかできなかった。そのようなことになりますと、これはやはり現役的な働き方を続けるような仕事の作り方ができたかというと、そこはいささか疑問を感じざるを得ない。またここに同じように団塊ジュニアが、非常にボリュームゾーンとして上がってきますので、企業としては恐らくこの問題が非常に重要になりますので、そのときの対応だけで考えるのではなくて、それを契機として、やはり今は 70 歳ぐらいまで考える視野の下で、どういう次のステージの働き方ができるのか。正に人事処遇制度を一貫した流れで延長できるような、そういったものを考える時期に来ているのではないかと、そんな問題意識がありますから、そこのところは是非書いていただきたいと思います。

○清家座長 大体 1990 年代前半採用組といったあたりの人が、だんだん勤続 30 年に近付いてきて、どうするかというようなことですかね。では、よろしいですか。また後で少し戻るとして、先に進ませていただきます。

 次に (2) の所です。第 3 章、第 4 章、併せて (2) の部分、「職業生活設計と能力開発の支援」、既に少し議論に入った所ですが、ここについて何かございますか。

○秋山先生 主として、 4. 「当面求められる施策の方向性」の (2) の部分ですが、先ほどのスタンスも含めて、これからは、職業生活 70 年を各自が設計して生きていくという時代になると思います。自らうまくかじ取りして、キャリアを形成していくことを助けるために、ここにあるセミナーや、キャリアコンサルティングよりもう一歩踏み込んだ施策が考えられないかと思っていました。

 各ステージで具体的な目標を掲げてそれに対する施策を作る。例えば 20 代は企業主体でよいかと思います。 30 代ぐらいから自分のスキルの棚卸しをして、 将来を展望し、 自分の職業生活の設計をすることを促す施策が必要かと。 40 代、 50 代になりますと、例えば社外インターンシップの制度を作って、元に帰ってくるオプションがあって、社外の経験、転身の経験をするような施策であるとか。そして 60 代になって継続雇用の場合、あるいは 50 代の、役職定年も同様ですが、給与のカットとセットで、兼業の規制緩和を行って、他にも活躍の場の開拓を促す。このように、職業生活のステージに応じて、もう少しきめ細かい施策が必要ではないかと思います。このような細かいことは報告書には書けないので、そういう趣旨を書き加えていただければと思っています。

○清家座長 この点についてはいかがでしょうか。今の御意見は恐らく、だんだん年齢とともに多様な選択肢が出てくるということなのだろうと思います。一方では、我々の基本的なスタンスとして、継続雇用というか、本人が希望し、できるのであれば、 1 つの企業でずっとその雇用キャリアが全うできるのが一番よろしい。その上で、本人が転職を希望したり、そういうことがあった場合に、それができるような、そういう環境を作っていくということだと思いますので、そういう趣旨の書きぶりで何かできればよろしいかと思います。今、秋山委員が言われたことで言いますと、「生涯設計計画」と「能力開発の支援」というときに、その辺もどうなりますでしょうか。つまり、雇用労働の場合に、そんなに勝手なこともできない気もします。基本的には、雇用労働ですから当然、雇主の指揮命令の下で働き、また、そのキャリアも形成していくということに多分なるのだと思うのですが、その際に、然は然り乍ら、やはり、個人として自分の意思だとか能力を生かす道を自分でいろいろと考えたいという希望も出てくるということでしょうか。

○秋山先生 選択肢ですね。

○清家座長 選択肢が出てくると。

○秋山先生 私は企業の雇用制度について不案内ですが、例えば継続雇用で給料が半分になった場合、会社には週に 3 日来ればよい、あとの 2 日は他の仕事なり何をしてもよいということは、許されていないのですか。

○雇用開発企画課長 企業によります。

○秋山先生 基本的に兼業は許されていない。

○雇用開発企画課長 企業の就労協定で兼業を認めている所は、今は余り多くないですが。

○秋山先生  継続雇用期間に兼業が許されれば、 65 歳後の次のステップにうまくつながるのではないかと思いますが。

○清家座長 そうですね、そこをうまく。

○阿部先生 少し違うのかもしれませんが、例えば 21 ページの上から 2 つ目の○の「中高年齢者が、経験や能力を生かして既存の能力を再構築することに資するような中高年齢者向きの企業内外の職業訓練」、例えば「インターンシップ」という言葉を入れるとか、多分、趣旨としてはここかと思っていたのですが。あるいはここに「出向」というのも入るかもしれませんし。

○清家座長 そうですね。

○北浦先生 よろしいでしょうか。今の点でいくと、これは、 9 ページの所では、 ( 全職業生活を展望した職業生活設計 ) と、かなり大上段に構えた書き方をされていまして、 20 ページの (2) 1 パラグラフの最後の部分には書かれています、「全職業生活」と。ですが、それの具体施策になると、どうもこれ、高齢期支援だけだというような感じに見えてしまうので、恐らく、その辺に少しギャップ感があるのかなという感じはします。ですから、多分そういうことではなくて、企業も労働者も全職業生活的にキャリア設計ができるような、そういう支援体制を作っていくことを狙っているのだろうと思いますので、何か、そこはもう少し書きぶりを考えたほうがいい。取り分け、企業の所は「高齢期の」とはっきり書いてしまっているので、これはかなり限定的な書き方にも読み取れるので、せっかく前の所で、「全体を展望して」と大きく描かれていますから、何か、もう少しそこが読み取れるような形で書かれたらいいのかと思います。

○清家座長 ここの所は、 1 つ確認しておいたほうがいいのは、 65 歳までの継続雇用という、少なくともそういう視点でいけば、できるだけ労働者がそれまで働いてきた企業の中で、雇用が保障され能力が発揮できるような、そういう状況を作っていく、これが基本的なスタンスで、これは間違いないと思います。

 その上で、個人の希望に応じて、例えば転職等についても考えることができるような環境を整えていくということがもう 1 つ多分あるのでしょうが、そこで問題なのは、これは何につけてもトレードオフはあるのですが、企業はめったやたらに従業員に辞めてもらったら困るわけです。あるいは若い頃から、いつか転職してやろうとか思って働いてもらったら困るわけです、ざっくばらんに言えば。それから労働者のほうも、企業がいつか、やはりこういうプログラムがあるから辞めてください、というようなことを言われたりするというのも安心して働けないわけなのです。

 ですから、ここは少し難しいわけですが、そういうプログラムが欲しい人にそういうプログラムが提供されていることはとても大切なのですが、一方で、企業にとっては、そういうプログラムを提供することで、従業員が将来の転職といったことを若い頃から考えてもらったりされたら困るし。あるいは労働者のほうにも、企業が将来、一定の時期がきたら何かリストラをやろうとしているのではないかと疑心暗鬼になられても困るわけです。ですから、そこのバランスの問題はちょっとあるかと思いますので、そこの書きぶりを少し考えていただければと思います。

○北浦先生 よろしいですか。今、座長がおっしゃったとおりだと思います。企業は、あくまでも、生涯現役を目指して、 1 つの企業の中においてどのような雇用の姿を作り上げられるか、そのためのキャリア形成支援、そういうことが 1 つはメインになるのだろうと思うのです。

 ですが、今度、逆に労働者の視点で言うと、これは自由なわけですから、 2 つ目の○にありますが、ハローワークでもいいし、あるいは民間のいろいろなものを受けることによって、これは 1 つの選択肢として、そういう所を受けることによって他の企業へ転職するとか、自分の違うキャリアを考えることがあってもいいと思うので、それが、別に両者が併存していて、それは選択の問題だと考えれば、私はいいのかと思います。

 ただ、その点が 1 つですが、そのように見ると、この○の、やはり個人に対するキャリアコンサルティングを受ける施策というのが現状としてどれだけあるのかと。ここに書かれているように、例えば、ハローワークなどで現行の教育訓練給付を受けるに当たってキャリアコンサルティングを受けるとか、幾つかありますが、もっともっとキャリアコンサルティングを受けるための、これは「促進する」と書いてありますが、やはり何かそういうところの、単にムードとして促進するのではなくて、何か援助、支援、そういうものも必要なのではないかと思います。ただ、それは、先ほども言いましたように、 1 つのそれぞれの選択肢という意味で整備をしていくのだと、こういう考え方ではないかと思います。

○清家座長 そうですね。

○北浦先生 支援策も含めて、何か充実も含めて促進するという。

○清家座長 ですから、この (2) 2 つ目の○は、政府が労働者を支援するということなのでしょうか。

○北浦先生 そうですかね。

○清家座長 つまり、労働者がハローワークに行ったりですとか、転職に関するセミナーや研修、キャリアコンサルティングを受けることを。

○北浦先生 促進する。

○清家座長 企業は、普通は勧めませんね。

○北浦先生 はい。

○清家座長 企業が勧めるときは辞めてもらいたいときでしょうかね。ですから、政府が個人に対してそういう環境を整えていくということですかね。

○北浦先生 「促進」と言うよりは、支援策を充実するとか、そういうことではないかと思います。あるいは環境整備とか。

○清家座長 そうですね。「促進する」と言うと何か転職を勧めているみたいな、そうすると、雇主としてはちょっと何だということになるのでしょうね。

○阿部先生 先ほど北浦先生の、幅広に取ったのが少し尻つぼみだという話がありましたが、私は、この後ろに○が 5 つありますが、これは何か時系列にうまく順番を変えたりとかすれば、結構、全体を通して言っているのではないかと思って実は読んでいたのです。例えば今の 2 番目の○もそうですが、 3 番目の○なども前のほうに出していくとか、 2 番目、 3 番目、あるいは 4 番目、 5 番目とか、これを前に出して、一番最初の○を後ろに落としただけで、多分、何か全体やっていますと見えると思うのです。ですから、内容的に更に何か追加することは追加して、少し時系列でまとめるとかいうことをやれば、もう全体を網羅していくのだという支援体制ができるのだということは見えるのではないかと思います。  

○清家座長 よろしいでしょうか、この辺の所は。

 それでは、次に (3) 中年期以降の再就職の促進です。今のことも少し関連するわけなのですが、中年期以降の再就職の促進ということになります。ここはいかがでしょうか。

○山田先生 もう少し、お伺いしたいのは、 14 ページの ( 雇用保険の適用 ) です。「適用対象外」になっているものを「適用という検討が必要」と書いてあるのですが、これは、給付としては何をイメージして適用拡大されるかということなのでしょうか。と言いますのも、適用拡大して、例えば失業手当を充実するということであれば、これは少し、何て言いますか、どうかなと思いますし、実態的な給付というのは一体どういうふうなことで検討されているか教えていただきたいと思います。

○清家座長 それでは、事務局から、では課長。

○雇用開発企画課長 この「 65 歳の雇用保険の適用」の問題というのは、 65 歳で適用後の上限となっているということが、労働力人口も 65 歳が上限になっている、つまり働く人は 65 歳までであるというアナウンスを世の中にしてしまっているという影響を与えている状況があるので、これを改めていく必要はないだろうかという点が議論の背景にあると思います。給付の中身をどうするのかという問題については、仮に 65 歳以上に適用することとなった場合に、労使でその具体的内容を決めていくべき話かと思います。

○山田先生 これは、実際にも雇用保険が 65 歳までになっているから、そういう、何て言うのですか、雇用の障害になっているという現実というのは、エビデンスは何かありましたか。

○雇用開発企画課長 例えばハローワークにおいては、雇用保険の部門と職業紹介の部門が連携して職業紹介をやっているわけですが、ハローワークでは、「 65 歳までしか雇用保険は適用しません」という話になっていると。ハローワークでも雇用保険のみならず、職業紹介も 65 歳までなのではないかとか、働くのは 65 歳までなのかなというようなイメージを求職者に与えてしまっているという問題があります。生涯現役ということを考えていくとすると、 65 歳で制度上の年齢制限をしてよいのかという話、そもそも論の話があるので、まずそこのところを考えなければいけないという話が重要であり、給付の中身とか、そういう制度の話は今後の話になろうかと思います。

○山田先生 すみません、ちょっとよく分かりません。それは職業紹介を、むしろ 65 歳以上もハローワーク内で強化すればいいという話ではないのですか。適用対象を、適用年齢を上げるということと直接は結び付かないと思うのですが。やはり直接結び付いていると考えなくてはいけないということが、少し説明として分からないので、もし教えていただければと思います。

○雇用開発企画課長 ハローワークの職業紹介というのは常に雇用保険と密接に連動してやっているので、雇用保険で 65 歳で切ってしまっているということで、一体性があるがゆえにその職業紹介のほうにも影響を与えてしまっていますし、制度的に雇用保険が 65 歳上限だということで、働く人は 65 歳までという印象を求職者に与えてしまっているという部分があるだろうということを申し上げているわけです。

○清家座長 多分、事務局がお答えになることかもしれませんが、例えばいろいろな施策を 65 歳以上の人も対象としようとする場合、例えば 2 事業であるとか、そういうかたちで進めようとしたときに、恐らく対象者が被保険者であったほうが、制度としては整合的だとかそういうことは多分あるのだろうと思うのですが。

○山田先生 ということであれば、やはり給付を今おっしゃった説明だとイメージしたものであれば、もう少しそこを明確に書かれたほうが説明としては分かりやすくなるのではないかという気がします。

○清家座長 ただ、そのとき給付を明確にすると、では負担はどうするとかそういう話が少し個別具体的に出てくるということもありますね。

○山田先生 ただ、紹介しにくいというところから入るのであれば、もちろん、それは当然ながら、直接明記するのではなくても、何らかの、そのニュアンスをどういうふうに書くかは微妙だと思いますので、むしろ、事務局のほうがそれは慎重に書かれるかと思うのですが、考えられたほうがいいのではないかと思いました。

○清家座長 少し、ではその書きぶりとして、課長が今言われたように 65 歳以上も現役の労働者と考えるのであれば、当然、労働者一般が適用対象になっている雇用保険の対象者になってもおかしくないというふうに考える。今、課長が言われたのは、むしろ、そこから外しているから現役の労働者ではないのだ、というような間違った認識が生まれてしまうことを避けたいということだと思います。もう少しポジティブな表現が必要であれば書けたらいいかなと思います。

 これは、ですから、適用対象を増やすことにするということで、いろいろなサービスを提供する一方で、例えば保険料率などにかんしてはまた別途考えるとか、そういうようなことは設計上多分あり得るのだろうと思うので。それは少し個別具体的な話になるので、この研究会で給付と負担の在り方まで書き込むのはどうかと思いますし、給付の在り方も余り具体的には書くのは難しいかと思います。

○北浦先生 重要な論点だと思うのです。恐らく適用があれば給付もあるわけですから、適用を論じていれば、問題としてはここではよろしいのかと思います。むしろ、労働保険制度、保険制度の設計としてはもっと根本的に考えないといけない所がありますし、年金制度その他との関連もありますので、ここで論ずるような話ではなかなか難しいのかと思います。適用というところについてはここに書き込まれていますから、その点で、山田先生の趣旨も十分そこで読めるのではないかとは思います。

○清家座長 様々な雇用保険上の給付というか、サービスの提供が 65 歳以上の人が本格的に働くようになればやはりあったほうがいいということでこういう書きぶりになっています。少しそこは調整させていただくということでよろしいでしょうか。ほかにいかがですか。

 ちょっと私、すみません、 1 つ気が付いたところです。そもそも、 12 ページの (3) 中年期以降の再就職の促進というタイトルなのですが、再就職支援の促進とも見えてしまいます。つまり、「中年期以降の再就職の促進」というと、何か中年期以降の再就職のお勧めのような、転職のお勧めのようで、この内容を見ると、決してそうではありませんよと書いて、「これを崩して雇用を流動化させるものであってはならない」と書いてあるのだけれど、タイトルだけ見ると、何か流動化の促進のようにちょっと受け取られてしまうかもしれないので、これを生かすとすると、「中年期以降の再就職支援の促進」ですとか、要するにこれは再就職が必要になった場合の支援をしましょうということですよね。ですから、ちょっとそのタイトルを少し考えていただけますか。

 そうすると、その下の ( 中高年齢者の再就職促進の意義 ) もそうなのです。「再就職促進」というのはそもそも再就職が必要になった人の再就職の促進という意味ですから、それはそれで分かるのですが、ちょっと、何て言うのですか、「転職の勧め」とか「流動化の勧め」のように受け取られるといけないので、少しそこのワーディングを考えていただければと思います。ほかにはよろしいですか。

 それでは、次に (4) 地域における多様な雇用・就業機会の確保という所について、御議論をお願いしたいと思います。ここでは、秋山委員のプロジェクトなども紹介されています。いかがでしょうか。

○北浦先生 そこは、これから大変チャレンジングなところの領域だと思いますので、是非この方向で具体策が検討されることが望ましいと思っております。ただ、少し古いことを感じている人間としましては、このような「就業機会の提供」という言葉にはすごく危機感というか、特別な意味合いを感じるところがあります。つまり、仕事を無理して作り出すというような話ではなくて、やはり実際にある実需を見つけてきて、それに対して提供していくのだというような形でやっていかないといけないのだろうと思います。

 あえて申し上げれば、かつての失対事業の経験はそこに反省点があったわけですが、これはそういうものとは全然違いますのでよろしいですが、したがって、全部が官公需である必要はないわけで、民間の需要であり、家庭の需要であり、とにかくいろいろなものを掘り起こしていくことが大事なので、掘り起こすというのは正に実需を掘り起こしていくことなのだというような意味で、この提供という意味を理解すればよろしいのかなと思っております。そこのところを余り安直に考えて、何か作り出せばいいということで、それは例えば自治体予算の中に計上していけば、今度は自治体の負担だけを増やすことにもなり兼ねないことにもなりますし、実需というところから遊離する危険もありますし、そういうところも考えていく必要があるのかと思っております。

 何か水を掛けるようなことを申し上げて大変恐縮なのですが、ここではそういうことを言っているのではないということを前提にして、私はこの部分について、今回のことは大きな目玉ではないかなと思っておりますので、是非、これは実現していただければ有り難いなと思います。

○清家座長 今おっしゃった点は、 15 ページで言えば、正に雇用就業機会の掘り起こしが、きちんと正しい意味での掘り起こしになっているようにということですよね。

○秋山先生 その点で 1 つ書き加えるとすれば、柏の事例では地域に仕事場がたくさんありますが、全て雇用主は採算を取って事業を回していく普通の民間の事業者なのですね。若干農家の組合、外食企業、塾などです。行政が仕事を作ってばらまくという方式とは異なります。

○清家座長 だからこそ、地域の経済や社会の活性化のために高齢者が貢献できるようにするということですね。

○秋山先生 そうですね。

○清家座長 よろしいでしょうか。そうしましたら、 (5) シルバー人材センターの機能の強化については、前回もいろいろ議論もあった所でもありますが、どうぞ、御意見を頂きたいと思います。

○北浦先生 大体、これまでの御議論を書いていただいたと思っております。今の (4) 地域における多様な雇用・就業機会の確保の所と、このシルバーの所はだいぶ関連性が高い所だと思いますので、別々のことが書かれてはおりますが、両者が関連を持っていることがもう少し言及されるといいのかなと思っております。ですから、 (5) のシルバーの所に、前回の (4) の地域において連携を行うような仕組みのときに重要な役割を 1 つ持つことが必要なのだということをうたっていただくと。現実に、もう既にシルバー人材センターがそういう役割をもって入っている所がたくさんありますので、そのように両者が連携性を持っていることを書いていただく。そのことによって、各地のシルバー人材センターから主体的な取組が生まれてくる形になると、ここが生きてくるのではないかと思っております。その点を加えていただければと思います。

○清家座長 それは (5) の最初の所ですね。

○北浦先生 はい。

○清家座長 前の (4) の流れを受けてというような形ですね。ほかにはいかがでしょうか。

○秋山先生 シルバー人材センターは、非常に先進的なセンターがありますが、 90 %以上はどうしようもない旧態依然とした、岩盤みたいです。全く危機感がないのですおそらく報告書を読まれるのは先進的なシルバーなので、余り意味がないかも分かりませんが、もう少し危機感を喚起するようなメッセージがあってもよいかなと思います。各センターレベルでできない場合は、抜本的な制度改革をする可能性ありとか。かなり深刻だと思います。

○清家座長 具体的には、どのような書きぶりですと、危機感を喚起できるでしょうか。

○秋山先生 どういう書きぶりかは、今すぐ思いつきませんが、場所としては 22 ページの (5) の最初の○の所で、 2 つ目のポチ「センターに対する補助金における就業機会・職域開拓に係るインセンティブを強化すること」などということが、多分施策としては考えられていると思いますが、もう少し踏み込んで書いてもよいかなと思います。事務局で御検討いただければと思います。

○清家座長 秋山委員が言われるとおりだと思うのですが、要するに「シルバー人材センターの機能強化」の部分というのは、我々が目指している「生涯現役社会実現」のためにシルバー人材センターがどのように機能を果たしてくれるかということですよね。

○秋山先生 そうです。

○清家座長 それはシルバー人材センターの生き残りのためにどうしたらいいかという話ではないですね。

○秋山先生 ないですね。大きな問題は、大挙して 65 歳に達した団塊の世代のニーズに対応できていないことです。

○清家座長 たしかに十分できていないところもあるかと思います。

○秋山先生 それに対応することが、生涯現役社会をつくるには非常に重要で、シルバー人材センターは非常に大きな役割を果たすことができる位置にあります、全ての基礎自治体にありますから。

○清家座長 危機感を誰が持つかということなのですが、危機感は、まずはこの報告書について言えば、このようにシルバー人材センターが機能してもらいたいのにしてくれないと困るな、という危機感を我々が持っているということですよね。

○秋山先生 そうですね。

○清家座長 それを書くということですね。

○秋山先生 そうですね。前の現状分析の所である程度説明されていますよね。「施策の方向性」 にも書き加えていただくとメッセージが強化されます 。全シ協や厚労省 レベルでは努力されてきましたが、現場は 。なかなか変わらないし、変わろうという危機感が感じられません。

○北浦先生 おっしゃった意味は大変重要な問題提起だと思います。ただ、シルバー人材センターの現状の中にいろいろな考えを持っている方もいらっしゃいますから、それはこれを受けて、またここで議論をしていくのかなと思います。ただ、そうは言っても、もう少し (5) の所を強調するのだとすると、例えば 22 ページの (5) で、「センターは就業機会を確保するための基盤として大きな役割を果たしている」と評価してしまっているのですね。余りそこを強く、「果たしていない」とは言いませんが、「果たしている」と言ってしまうと、もうそれでいいじゃないのということで終わってしまいますので、そうではなくて、多様な形での就業機会の確保に寄与しているとか機能しているが、先ほど座長もおっしゃったように、「生涯現役をつくっていく担い手としての役割がもっと必要になっている」とか、その点をここで少し強調していただいて、そのためには今対応し切れていない面もあるので次のような施策、強化を考えるべきという感じでストーリーを描けばいいのかなと思います。ですから、メリハリをちょっと付ければ、おっしゃったような意味合いは少し出るのかなと思います。

 ですから、ここで、「大きな役割を果たしている」というのは大変結構なのですが、余り強調してしまうと、そこで止まってしまいますので、そこをもう少しニュートラルに書いて、この報告書における意味合いを実現するためのシルバー人材センターとしては、こういう点がないといけないよという提案なのだと。もちろん、シルバー人材センターにはいろいろな機能があるわけですが、こういう点が付加されないと生涯現役の担い手としての立場として、まだまだ機能を検討すべき点があるのではないかというような指摘を頂ければいいのかなと思います。

○山田先生 あとは、秋山委員がおっしゃったことをもう少し折り込むのであれば、「危機感」というのは特に団塊の世代に対して、今非常に人口規模も大きい方たちに対してもすぐにでもやらなければいけないというスピード感、特にそこを対象として、もっとスピード感をもってやらなければいけないという旨を、ここの (5) の第 2 段落の辺りに入れているということではないかと思います。私も、もう少しスピード感をもって改革を進めていただければと、強く思っております。

○秋山先生 例えば数値目標を設定するとか。今、協働している柏シルバーでは 2 階をつくっています。 1 階の部分は請負で今までどおりで、 2 階で新しい団塊世代、企業退職者のニーズに合うような仕事を開拓しています。

 先日、厚労省の方と少し雑談をしていたときに、「シルバー」という名前にネガティブ なステレオタイプがくっついていることが話題になりました 。団塊の世代に退職したらシルバー で働こうと意気込んでいる人はほとんどいない、 奥さん も世間体を気にして 、シルバーだけには行かないでほしいと言う。 2 階の部分が数値目標を達成し、本稼働し始めたら、プラチナセンターと名称変更するとか、さらに具体的な構造改革も考えられますが、報告書に書き込むかどうかはまた別な問題です。

○清家座長 先ほど北浦委員が言われたことを少し受けますと、例えば 22 ページの (5) の最初の書きぶりとして、「センターは、国民に広く認知され、多様な形で高齢者の就業機会を確保するための基盤として大きな役割を果たしているが」ではなくて、「大きな役割を果たすことが期待されているが」。つまり、我々としては期待しているのだけれども、ちょっとどうなのでしょうかというぐらいにしたらいかがでしょうか、「期待されているが」。しかし、期待はしているのですからというニュアンスで。「期待されているが、対応し切れていない面がある」と書いてあるということは、対応し切れている部分も、期待に応じている部分もあるということですから、それぐらいの書きぶりにすれば、大変よろしいけれども、一部困りましたねというのではなく、もう少し危機感をもってくださいねというニュアンスではないかなという気がいたします。少し、その辺りの書きぶりを考えていただければと思います。

 ここまでいろいろと御議論を頂きましたが、小畑委員は何か御意見はありますか。

○小畑先生 最初からの議論の中で、この「生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会報告書」というタイトルの中で、高齢者に関する施策に限定して終始書くというようなスタンスが確認されたと考えました。ですので、そのために絶対に書かなければいけないことは何かが書かれていると。それに多く関連しているけれども、ダイレクトでないものをどのように書けるかというところに随分工夫が必要だというようなことが議論されているように思います。

 最後の「おわりに」は、こういった報告書の最後に大抵、こういうことが書かれている典型の文章であるのかもしれないのですが、「おわりに」の部分も少しボリュームを持たせるか、持たせないかということも少し検討してもいいのかなということをちょっと思いました。

 この問題は先ほどから繰り返し出ておりますように、ほかの世代に関しても、とても示唆の大きい、広がりのある議論をしておりますので、そういった意味では、これを実現することによっていろいろな効果、影響が期待できる、とても重要な内容であると感じました。そこで、そういったことは別に書く必要がないのか、それともそういったことも少し加えるのかということは、どちらが適当なのかなということを少し考えました。

○清家座長 確かに、「おわりに」は少しあっさりしていますね。もう少し書き込んでもいいのかもしれません。書き込み方も難しいところもあるかと思いますが。

○小畑先生 そうですね、この趣旨ですね。

○清家座長 このようにシンプルにまとめるやり方も 1 つあろうと思いますし、もう少し膨らみをもたせたような形ですね、その辺りはまた少し御相談をしていただければと思います。

 ほかに全体を通して、もう一度これだけは言っておきたいということはありますか。

○山田先生 「当面求められる施策の方向性」、第1節からの流れなのですが、やはり介護離職の問題に関する当面求められる施策の方向性は、明示的に入れておいたほうがいいのかなという気がいたします。育児に関しては少し入っているかもしれませんが、その辺りをどうするかは本当に深刻な問題ですから、やはり求められているわけですから、「施策の方向性」としては、どういう形にせよ明記していただきたいと思います。

 もう 1 つは、こういった何々をやったほうがいいというのは、全部やるべきことだとは思います。そういう意味では非常に網羅的に取り組みが書かれているのですが、これまでやってきた取り組みが本当にエフェクティブだったのかというのはきちんと検証して、これからいろいろな様々な財政制約もきつくなるでしょうから、エフェクティブな取り組みに振り分けていく必要があります。

 ここまで多面的な書きぶりだと、それにどのようにプライオリティーを付けるかということがあろうかと思うのですが、そういったことはどこかに入れていただきたいと思うのですね。きちんと、効果を確認すると。読んでいても、予算が何倍になったなどということは書かれているのですが、それが例えばどのぐらいの人を対象としていて、どのぐらいの人に使われていて、どのぐらいエフェクティブだったのかは、今の段階ではなかなか資料などがないので難しいかもしれませんが、将来的にこうした政策を続けていくのであれば、またプライオリティーの高いものに財政制約から集中的に強化していかなければいけないことになれば、そういった「効果の測定」のようなものもきちんとやっていく必要があると思います。

○清家座長 ほかにありますか。

○秋山先生 全般的なことですが、前提が高齢者の労働の質が低いし、生産力も低いし、マイナーな仕事しかできないという印象をもちます。ところが、疫学の調査などによると、今の 80 歳は 20 年前の 60 歳ぐらいの体力や能力があると言われています。 20 年前の 60 歳に体が弱った人もいたように、今日の 80 歳にも弱い人はおりますが、多くの高齢者は良質な労働力を提供できるし、それを目指すということを、職業能力開発の部分にでも書いていただきたいと思います。

シニアの労働の質は悪いという前提では自分を磨くモチベーションが下がってしまいますし、働くモラルも下がります。訓練の機会、能力を磨く機会が極めて乏しいのが現状です。そういうことを克服すれば、高齢者は良質の労働力を提供して社会の立派な支え手になることができると考えております。そういうことを多少とも書き込んでいただきたいと思います。

○清家座長 それは、例えば 1. (2) の辺りとか、あるいは先ほど出ました 2. (1) の所で、もう少し高齢労働力をポジティブに、あるいは高齢労働力が社会に貢献するのだという視点ですね。そういう面では、例えばもしかすると 1 ページの 1. (2) にあるのは、 3 段落目ぐらいに、これは高齢者自身の意識を聞いているのでそれしか出てこないのかもしれないのだけれども、「生活の糧を得るため」か「いきがいか健康のため」という、どちらかになっているのですけれども、「いきがい」という意味か、あるいは「社会参加のため」も入るのかもしれないのですけれども、高齢者の就業理由というか、社会にとっての高齢者の就業理由は、高齢者が働いてくれることによって社会が豊かになることですね。あるいは、社会保障制度の持続可能性が高まったりするということですので、この辺りも少し入れたほうがいいかもしれませんね。

 先ほどの秋山先生がおっしゃったシルバー人材センターができた頃のイメージが多少残っているところがあり、「高齢者が現役で働くのだ」「生涯現役だ」と言いながら、高齢者が働く場合は何かやむを得ず働くか、いきがいのために働くか。普通の大人はそのどちらでもなくて、普通に働いているということがあるわけで、そういう視点をもう少し入れたほうがいいのかもしれませんね。「高齢者が働く」というのは何も特別なことではないと。本当に困っているかわいそうな人だけが働いているのでもなければ、いきがいだけを求めて働いているわけではなく、普通の壮年層の人が働いているのと同じように高齢者が働いているのだと。

○秋山先生 「 80 ぐらいまで働くのが普通」という社会をつくっていくことだと思います。

○山田先生 先ほど、効果測定の所でコメントし忘れたのですが、昨日の読売オンラインですと、ハローワークを通じて助成金の支援の充実というのが出ており、多分この報告書のことだと思います。多分、 20 ページの 4 (1) のことだと思うのですが。通常、継続雇用を促進する面では確かに若年との代替はほぼ気にしなくてもいいのですが、助成金となると、労働経済学的には気にしなくてはならなくなります。補助金付き雇用になるので、代替関係について理論的には気にしなくてはいけないということですので、もし 4 (1) 1. をやることが、助成金の充実のことを表すのであれば、そこは非常に気を付けなくてはいけないところですね。余りやりすぎると、理論的には代替が起こる可能性が出てきますので、それは気を付けないと。

 特に高齢者の場合は、被用者保険がかからなければ、そこの部分だけでのコストが安い労働力になるわけですので、その辺りをもう少し気を付けなければいけないのでは。この報道がどれほど正確なのかは分かりませんが、報告書より細かく書かれていたので気になっていました。追加でのコメントです。

○清家座長 ほかによろしいですか。

○北浦先生 これはあえて書き加えていただかなくてもいいのですが、私は個人の視点で生涯現役を考えているときに、エンジンになるものはやはり健康と能力だと思うのですね。その意味で、能力の部分が非常に大事で、それが先ほどのキャリアとの議論とも関連はするのですが、ではそれをやる能力開発の施策がここにはいろいろ書かれていて、これは誠にごもっともなのですが、ではその職業訓練なり教育訓練の機会が本当にどれだけあるのかというと、私はかなり不十分なのかなという感じが少ししているのです。

 だからといって、ここでどうこうはできませんし、現実的に公的な訓練の体制もだいぶ縮小してきております。そういった中で書かれてはいるのだけれども、では本当にそれがそういう個人の能力開発をする環境として十分なのかどうかは、やはり吟味していかないといけないかなというのが 1 点、感想としてあります。ですから、これは書いていただかなくても、この中の施策を実行していく中において、その体制整備が必要だという認識をもっていただければいいのかなと思います。

 もう 1 点、重要なのは、本当は生涯学習とのリンクだろうと思っております。これは、文科省の施策にもなるのですが、結構生涯学習の施策がこういったところの生涯現役などのいわゆるベーシックなものをつくり出していますし、結構地方などに行きますと、そういう生涯学習の機会が、実はこういった自分の能力を再構成するときのいいチャンスになっている例もあります。

 ですから、そういったものも含めて、ここでの教育訓練の機会を幅広に探し出していく。それも、恐らく先ほどの地域におけるいろいろな連携の中の作業の中にも当然、それが組み込まれてくるのだろうと思いますので、そういった中でこれをやっていくと私はいいのではないかと思います。これは別に書いていただかなくてもいいのですが、感想として申し上げたいと思います。

○清家座長 阿部委員、よろしいですか。それでは、今日は大変活発にいろいろ御議論を頂きましてありがとうございました。次回も引き続き、この報告書の取りまとめに向けた議論を行います。事務局におかれましては、本日の議論を踏まえて、次回は報告書の素案というよりは報告書 ( ) を作っていただき、取りまとめに当たりたいと考えておりますので、次回の日程等について事務局からお願いいたします。

○雇用開発企画課長 次回は 5 22 ( ) 14 時〜 16 時の開催を予定しております。先ほど、座長からもお話がありましたとおり、本日頂きました御意見、御提案等を事務局で整理し、報告書素案を修正いたします。次回はそれに基づいて議論を頂きたいと思います。それをもって、報告書の取りまとめを行いたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○清家座長 ということですので、その間、もしかしたら個別に委員の先生方に少しお知恵を拝借して、事務局において修文を進めていただきたいと思いますので、どうぞ御協力をお願いいたします。では、本日はどうもありがとうございました。


(了)

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