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2015年6月3日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成27年6月3日(水)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、尾崎委員、佐々木委員、佐藤委員、佐野委員、永山委員、根本委員、二村委員、宮井委員、吉成委員、鰐渕委員

事務局

山本基準審査課長、黒羽課長補佐、大田課長補佐、松倉専門官、飯塚専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 山木専門官
農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松補佐

○議題

(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
・ 動物用医薬品プロペタンホス
・ 農薬フルミオキサジン
・ 農薬プロパクロール
・ 農薬メビンホス
・ 農薬キンクロラック
・ 農薬1-ナフタレン酢酸
・ 農薬フルキサピロキサド

(2)その他

○議事

○事務局 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催いたします。

 本日は斉藤委員、由田委員より、御欠席されるとの御連絡を頂いておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員 14 名中 12 名の御出席を頂いており、部会委員の総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立していることを御報告いたします。

 農薬等の審議の前に利益相反に関して御連絡いたします。本日の部会で御審議いただく品目で、申請者との利害関係に関して、各委員に事前の確認を行っていましたが、該当される委員はいらっしゃらなかったので、合わせて御報告させていただきます。

 それでは、大野部会長に審議の進行をよろしくお願いいたします。

○大野部会長 今日は皆さん、雨の中を集まっていただいてありがとうございます。また、事前に資料をチェックしていただき、案を作ってくださってありがとうございます。

 最初に事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をいたします。本日お配りした資料は、「議事次第」「配布資料一覧」、さらに「委員名簿」と関係省庁の方の出席者の名簿を付けた資料、その次に「座席表」です。その後ろに、本日御審議いただく品目について、それぞれ資料 1-1 、資料 2-1 のように、報告書を資料 7 まで配布しております。その後ろに、資料 8 として、報告事項に関する資料を配布しております。さらに、その後ろに、資料 1-2 から資料 7-2 まで、食品安全委員会の評価書等についても配布しております。不足している資料等がありましたら、事務局までお願いいたします。

○大野部会長 よろしいでしょうか。

 審議に入ります。農薬については 6 剤、動物用医薬品については 1 剤です。議題 1 「食品中の残留農薬等に係る残留の基準値設定について」、動物用医薬品のプロペタンホスの審議を行います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 資料 1-1 のプロペタンホスについて御説明いたします。プロペタンホスは今回ポジティブリスト制度導入時の暫定基準の見直しを行うもので、初回の審議となります。

 まず概要です。有機リン系殺虫剤で、オーストラリアではヒツジの疥癬、ウジ、ダニ、シラミ等を抑えるための外部寄生虫駆除剤として用いられております。日本では、現在プロペタンホスを有効成分とする動物用医薬品は承認されていませんが、ゴキブリ、ノミなど、防除目的で、一般用医薬品として承認されております。

 化学名、構造式及び物性は御覧のとおりです。幾何異性体 2 種類、光学異性体 2 種類の組合せで、計 4 種類の異性体がありますが、活性成分の大部分は E 体で、 E- プロペタンホスは S 体及び R 体の等量ラセミ混合物です。

2 ページ目に、「オーストラリアにおける適用方法及び用量」をお示ししています。残留試験については、分析対象をプロペタンホスとし、分析法は記載のとおりです。結果は表 1 にお示ししていますが、休薬期間 14 日後の各食用部位への残留濃度は、全て検出限界未満となっております。

 続いて 3 ページの ADI についてです。食品安全委員会において、マウスの 93 週間慢性毒性 / 発がん性併合試験の無毒性量を用い、 0.0005mg/kg 体重 /day ADI が評価されております。諸外国における状況は、国際基準は設定されておらず、主要国においては、オーストラリアにおいてのみ承認がなされております。

 続いて基準値案です。規制対象をプロペタンホスとし、基準値案は 5 ページの別紙 1 にお示ししております。オーストラリアのヒツジの食用部位の基準を参照し、その他の陸棲哺乳類に属する動物の各食用部位に 0.01ppm の基準値を設定する案としております。

 なお、過去に日本でウシへの使用が認められており、暫定基準が設定されていますが現在承認がないことから、ウシに関しては暫定基準を削除する案としております。

 これらの基準値案により、暴露評価を行い、結果を別紙 2 に示しております。 TMDI 試算により、最も高い一般の ADI 比は 0.02 %となっております。最後のページが答申案です。事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 初回審理ということです。順を追って御審議をお願いいたします。

 まず、化学名、化学構造、物性、その辺りについて、吉成先生いかがでしょうか。

○吉成委員 事前に御連絡したかと思っていたのですが、 (3) の「化学名」の IUPAC のほうの名称なのですが、 2 か所「 o 」になっている所がありますが、それは大文字にしていただきたいと思います。

 それから、 2 つ目の「 o 」の所ですが、前の「 vinyl 」と間が空くべきなのですが、空いているのか分からないのですが、空いていなければ空けてください。

 それから、真ん中の辺りの「 o 」の後の「 methylethyl 」の後も一旦空きますので、そこもスペースが入っていなければ、入れていただきたいということです。以上の点を御修正いただければと思います。

○大野部会長 薬理作用、用途についてはいかがでしょうか。

○宮井委員 記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 体内動態、代謝物についていかがでしょうか。

○吉成委員 動植物ともに、エステルの加水分解とリン酸のところの加水分解体は出るものですので、事前に脱イソピル体を入れるか入れないかというお話もありましたが、特に問題となるような代謝物でもありませんし、解毒的な方向に向かう代謝物ですので、問題となる代謝物はないということで、規制対象も親化合物のみということでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 私も同じように考えました。今までのところで、先生方から御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 安全性の面で鰐渕先生からいかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構です。

○大野部会長 分析方法、分析結果についてはいかがでしょうか。

○永山委員 確認させていただきます。残留試験結果の表の中に、「 Trace 」というのと、「 0.005 未満あるいは 0.01 未満」という表記がありますが、 Trace については特に何かございますでしょうか。特に深い意味がなければ、表記は同じにしておいたほうが、混乱がないのかなと思うのです。

○事務局 こちらの試験が非常に古い試験で、定量限界の記載がありません。こちらに記載してあるように検出限界しかデータに記載されておりません。

 検出限界以下のときは、こちらに記載があるように「 0.01 未満」とあるのですが、 Trace は定量限界と検出限界の間ぐらいで検出があったのかとは思うのですが、その辺の細かい記載や説明がないので、データをそのまま記載するということにしております。

○大野部会長 どうしましょうか。

○永山委員 特に数値化できないのであれば、このままで結構かと思います。

○大野部会長 ほかの先生方はよろしいですか。取りあえずそのままということにさせていただきます。

 それに基づいて設定された基準値、国際的整合性といった面ではいかがでしょうか。これは豪州での結果を採用しているということです。

 全体を通して御意見はございますか。よろしいですか。特にないようですので、化学名の表記について、若干修正又は確認していただくというところがありましたが、確認と修正したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 次は、農薬のフルミオキサジンの御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局  2 剤目のフルミオキサジン、資料 2-1 を御覧ください。本剤は 12 月の部会で、エダマメへの適用拡大申請、ホップへの IT 申請、暫定基準の見直しについて御審議いただき、御了承されたものですが、今回米国からコムギ等への基準値設定依頼がなされたことから、再度御審議いただく剤で、今回で 2 回目の審議となります。

 フルミオキサジンは除草剤として使用されており、化学名、構造式、物性については記載のとおり、前回と変わりません。

 適用の範囲及び使用方法については、 2 ページから 3 ページにかけて記載しており、今回対象となる作物の使用方法は 3 ページの (2) の表に記載しております。

 続いて、「作物残留試験の分析について」です。今回、米国の作物残留試験の分析法を 4 ページの下から 5 ページに記載しております。審議対象となる作物の残留試験結果については、 8 ページから 12 ページの別紙 1-2 に記載しております。

5 ページに戻ります。 ADI の評価と諸外国における状況については、前回の部会と変更はありません。残留の規制対象についても変更はありません。

13 ページから 14 ページの別紙 2 に、基準値案を記載しています。今回、米国から基準値設定の要請がなされた食品は、外国の基準値の列に「米国」と記載されている食品が、今回米国から基準地設定の要請がされたものです。 14 ページのホップについては、 12 月の部会で既に御了承されておりますが、 IT 申請があったものです。そのほかの食品については、前回の 12 月の部会と基準値の変更はありません。

 続いて、 15 ページの別紙 3 に長期暴露評価について記載しており、最も高いもので TMDI 試算で 15.2 %の ADI 占有率となっています。

 最後に 18 ページが答申案です。事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○大野部会長 これは 12 月に審議していただいて、その報告を WTO 通報したらコメントが出たのですね。そのコメントはどのようなものでしたか。

○事務局 今回、基準値設定対象となっている食品に対して、米国で基準値が設定されているので、作物残留試験を提出するので基準値を設定してほしいという要請がありました。

○大野部会長 変更されたのは、どれとどれですか。

○事務局  13 ページと 14 ページの。

○大野部会長 あ、この「米国」と付いているものがみんなそうですね。

○事務局 はい。ホップ以外です。

○大野部会長 米国からのコメントに基づいて、そのコメントの根拠となるデータが提出されたということですね。

○事務局 はい。

○大野部会長 それに基づいて修正したということです。基準値の設定のところだけを御審議していただければよろしいかと思います。いかがでしょうか、米国のコメントに基づいた修正について、御意見はございますでしょうか。

 今回、また見直してくださったかもしれませんが、全体を通して気が付いたところはございますでしょうか。特にないようでしたら、事務局案をもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 次に、プロパクロールについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局  3 剤目のプロパクロール、資料 3-1 を御覧ください。本剤は暫定基準の見直しについて御審議いただくもので、初回の部会となります。

 プロパクロールは除草剤として使用されており、作用機序は明らかになっておりませんが、類似構造を持つ酸アミド系除草剤では、主に長鎖脂肪酸の合成阻害により、植物の成長部位での正常な細胞分裂を阻害することにより、殺草効果を示すものと考えられております。化学名、構造式、物性については、記載のとおりです。

2 ページ、「適用の範囲及び使用方法について」です。国内において農薬登録はなされておらず、海外においてはオーストラリアに登録があり、その使用方法を記載しております。

 また、その他の国、地域においては、米国では基準値は設定されておりますが、現在の農薬登録は失効しており、 EU では定量限界で基準値が設定されており、農薬登録はされていないという状況です。

 続いて「作物残留試験の分析方法について」です。分析対象は親化合物と、 N- イソプロピルアニリン部分を含む化合物で、分析方法は記載のとおりです。作物残留試験の結果は 5 ページから 6 ページに記載しております。

3 ページに戻ります。 ADI の評価は、慢性毒性 / 発がん性併合試験を基に、 0.054mg/kg 体重 /day と評価されております。

 続いて、「諸外国における状況について」です。 JMPR による毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。その他の国や地域については、記載のとおりです。

7 番の「基準値案の規制対象について」は、 4 ページに記載しております。プロパクロール及び塩基性条件下の加水分解により、 N- イソプロピルアニリンを生成する化合物を規制対象としております。基準値案については、 7 ページの別紙 2 に記載しております。

 表の下の 2 行目からの注釈にも記載しておりますが、オーストラリアにおける本剤の基準値の設定については、残留試験で実際に使用した農薬の量と、農薬の使用基準で定められた使用量の割合を残留値に乗じた値から基準を設定しております。この方法はコーデックスでも認められている方法で、残留試験で使用した農薬の量と、使用基準で定められた農薬の使用量の比率が、 0.3 から 4 倍の範囲内であれば、その試験データを活用できるというものです。

 オーストラリアにおいては、この方法でプロパクロールの基準値を設定していることから、作物残留試験等の欄には、この使用量の換算した値を記載しております。

 また、タマネギの基準値については、オーストラリアでは基準値が 2.5ppm と設定されておりますが、残留試験の結果から 2.5ppm を設定するのは難しいため、 OECD カリキュレーターを用いて試算した値を基準値案とさせていただいております。タマネギ以外については、オーストラリアと同じ基準で、十分なデータがないものについては、基準値を削除する案としております。

 続いて、これらの基準値案により長期暴露評価を行ったものが 8 ページの別紙 3 で、 TMDI 試算により、一番高い幼小児で 2.8 %の ADI 占有率となっております。 10 ページが答申案です。事務局からの説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○大野部会長 これは初回審議ということです。化学名、化学構造、物性について、吉成先生いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 用途、薬理作用についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 体内動態、測定代射物について、吉成先生いかがでしょうか。

○吉成委員 この剤は、動物ですとクロルのところが取れて、その後はメルカプツール酸になって排泄されるのですが、植物ですとあまり出ない、今回の測定というか規制対象になっている N- イソプロピルアニリンを含むようなアミドのところが切れた化合物が出ますので、実際に作残試験もそれで行われているということで、案のとおりに N- イソプロピルアニリンを含む化合物と親化合物の両方を規制対象ということでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 私も同じように考えています。作物残留試験でも、両者を含めて測定しているということが書いてありますので、両方を測定対象物とするのはやむを得ないと思いました。今までのところで、先生方から御意見はございますでしょうか。

 安全性の面で、鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 私の所にメモがあって、根拠となった毒性がラットの 2 年間慢性毒性発がん性併合試験となっていますが。

○鰐渕委員 一番低い NOAEL がそこであってということだと思うのですが。

○大野部会長 そうですね、分かりました。ほかに御意見はございますでしょうか。

 分析方法、分析結果についてはいかがでしょうか。よろしいですか。

 基準値と国際的整合性についてはいかがでしょうか。豪州のデータを採用するに当たって御説明がありましたが、御意見はございますでしょうか。

 聞き漏らしたのですが、作物残留試験での使用量が少し違うときに、 0.3 倍から 4 倍の範囲のデータなら採用してもいいと。それは比例計算してやっているということですか。

○事務局 はい。

○大野部会長 これはどこの基準ですか。

○事務局 コーデックスです。

○大野部会長 よろしいですか。

 それでは、暴露レベルでも、幼小児で TMDI 比で 2.8 %ということで、特に問題ないかなと思います。全体を通して御意見はございますでしょうか。

○石井委員  3 ページの作残試験結果は別紙 1-1 とあるのですが、別紙は「別紙 1 」になっているので、統一したほうがいいと思います。

○事務局 ありがとうございます。

○大野部会長 それ以外では何かございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、今の御指摘で修正されたものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 次は農薬のメビンホスについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いします。

○事務局  4 題目、メビンホスについてです。今般の残留基準の検討については、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議をいただくものです。

 概要についてです。本剤は有機リン系の殺虫剤で、神経系のアセチルコリンエステラーゼ活性を阻害することにより殺虫作用を示すものと考えられています。化学名、構造式及び物性についてはお示しているとおりです。

 適用の範囲及び使用方法についてです。本剤は、国内では農薬登録がなされておりませんが、豪州において農薬登録がなされており、以下の使用方法で使用されています。

 作物残留試験成績についてです。分析対象化合物をメビンホスとし、以下の分析の方法で試験が行われています。海外で実施された作物残留試験の結果については別紙 1 を御覧ください。

ADI の評価についてです。食品健康影響評価について、ヒトを対象にした反復投与試験が行われており、その無毒性量 0.016mg/kg 体重 /day の結果から、安全係数 20 を用いて ADI:0.0008mg/kg 体重 /day が得られています。

 諸外国における状況についてです。 JMPR において毒性評価が行われ、 ADI 及び ARfD が設定されていますが、国際基準は設定されていません。その他諸外国においては、豪州においてカリフラワー、畜産物等に、カナダにおいてブロッコリー、カリフラワー等に基準値が設定されています。

 基準値案についてです。残留の規制対象を E- メビンホス及び Z- メビンホスの和とする案としております。食品安全委員会における食品健康影響評価においても同様に、暴露評価対象物質として E- メビンホス及び Z- メビンホスを設定しております。

 続いて、基準値案については、別紙 2 にお示ししているとおり、キャベツ、芽キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーに基準値を設定する案としております。これらの基準値案により、暴露評価を行った結果が別紙 3 です。 TMDI 試算により、最も高い幼小児において 5.8 %の ADI 占有率となっています。

 最後のページが答申案です。事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 化学名、化学構造、物性、その辺りについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員  1 点御修正をお願いします。 CAS のほうですが、頭を大文字にしていただきたいということが 1 点です。

 もう 1 点は質問なのですが、混合物の場合は、こういう混ざっていることはどこかに記載しなくてよろしいのでしたか。あと、この剤に関して、食品安全委員会のほうで、 E 体のほうが 60 %と書いてあったのですが、これは特に何パーセント含むなどというのはないということですか。メビンホスと言えばどちらでもいいということになるということでよろしいですか。

○事務局 本剤については、 E 体と Z 体の混合物であるのですが、その含有比については、それぞれ異なっていまして、ただ、食品安全委員会の評価書に記載があるとおり、少なくとも E 体は 60 %以上含まれているということが分かっていますので、この記載を追記するということでよろしいでしょうか。

○吉成委員 パーセントはいいのですが、本日の一番最初にやったプロペタンホスなどでも、用途に特に書くのがふさわしいのかどうか分からないのですが、「混合物であり」みたいな文章があって、多分、ほかの剤でもよく混合物のときはどこかに、混合物であるというような表記があったような気がしますし、構造も両方出ていますので、パーセントはともかく、どこかにそのことを記載していただいてもよいのではないかと思いました。

○事務局 修正いたします。

○大野部会長 では、確認して修正をお願いいたします。

 用途や薬理作用の辺りについて御意見はありますか。

○宮井委員  2 ページの海外での使用の表の害虫名が、英名で Diamondback moth になっていますが、これは日本でも普通の重要害虫になっているコナガのことなので、標準和名のコナガと書いておいたほうがよろしいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。尾崎先生はよろしいですか。

 体内動態と代謝物、測定対象物質の辺りについて、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 これは動物でも植物でも、分解物はリン酸のところのエステルが切れるものがほとんどですので、問題ない代謝物ですので、規制対象は親のみということでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。ちょっと化学名の付け方について教えてほしいのですが、食品安全委員会の報告書の 32 ページに代謝物 A の化学名が書いてあるのですが、 Methyl 3-[(dimethoxyphosphinyl)oxy]2-butenoic acid と書いてあるのですが、これは何か元のもののような気がしてしまうのですが、これは間違いではないのですか。いいのですか。

○吉成委員 恐らくリン酸の所は両方とも Methyl Methyl になっていると思うのですが、これは多分、 1 Methyl が取れた形だと思います。そうだと理解して、 A というのは、エステルの所は。ごめんなさい、カルボン酸のほうです。エステルの所の Methyl が切れて、 butenoic acid になって、カルボン酸になったものです。

○大野部会長 最初の Methyl は要らないのではないかと思ったのですが。

○吉成委員 最初の Methyl は、そうですね。 dimethoxy になっていますものね。 Methyl は要らないですね。間違っているのではないでしょうか。

○大野部会長 分かりました。代謝物 A の構造が書けなくて困ってしまっているのですが。

○吉成委員 メビンホス酸というのは正しくて、私もこれはエステルの加水分解物だと思い込んできたので、最初の Methyl は要らないです。すみません、きちんと見ていませんでした。

○大野部会長 ありがとうございました。こういう意見が出たということを食品安全委員会に指摘しておいていただけますか。

○事務局 承知いたしました。

○大野部会長 測定対象物質については、親化合物だけでいいという御意見に私も賛同いたしました。今までのところで先生方から御意見はありますか。よろしいですか。安全性の面で鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 ヒト試験が一番低くて、記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 安全係数が 20 という所ですが、これもよろしいですか。

○鰐渕委員 そうですね。ヒトの場合は 1 と、あと、個体の 10 を掛けるのですが、ボランティアの数が少ないということで、不確実定数を 2 入れたということだと思います。適当ではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。実は前回の食品衛生分科会で、安全係数 200 取ってある所について説明を求められまして、一応、説明を納得していただいたと思っているのですが。ありがとうございました。今までの所で先生方から御意見はありますか。よろしいですか。

 分析方法と分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、基準値と国際的整合性の辺りについてはいかがでしょうか。よろしいですか。全体を通して御意見はありますか。よろしいですか。

 化学構造の所で若干修正がありましたが、その修正したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 次の品目、キンクロラックについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 資料 5-1 です。キンクロラックです。こちらについては、関連企業からインポートトレランスの申請があったこと、また、暫定基準の見直しについて御審議をいただくものです。本部会における御審議は今回が初めてとなります。

 用途ですが、キノリンカルボン酸系の除草剤です。シアン化物の蓄積等による細胞壁の生合成阻害により殺草効果を示すと考えられています。化学名、構造式及び物性については記載のとおりです。

2 ページの 2 番を御覧ください。適用の範囲と使用方法ですが、本剤は、現在、国内での農薬登録はありません。海外では、カナダ、米国等において使用されています。

3 ページの 3 番、作物残留試験についてです。分析法の概要は記載のとおりです。また、海外で実施された作物残留試験の結果については別紙 1-1 及び 1-2 にお示ししております。

4 ページですが、畜産物への推定残留量を推計しております。分析法の概要はお示ししたとおりで、家畜残留試験の結果から、 6 ページにお示しするような推定残留量を推計しております。

6 ページの 5 番、 ADI 及び ARfD の評価ですが、食品安全委員会により、 ADI については、イヌの 1 年間慢性毒性試験の結果に基づいて、 ADI 0.34mg/kg 体重 /day と設定されています。また、本剤については ARfD も評価されており、ラットの急性神経毒性試験の結果に基づいて、 ARfD 1.5mg/kg 体重と設定されています。

6 番、諸外国における状況ですが、 JMPR における毒性評価は行われていません。国際基準も設定されておりません。主要国では、米国、カナダ、 EU において基準値が設定されています。

7 番、基準値の案ですが、残留の規制対象として、農産物にあっては、キンクロラック及び代謝物 C とし、畜産物にあっては、キンクロラックとしております。農産物については一部の作物残留試験において、一定の代謝物 C が検出されていることから、規制対象を、親化合物及び代謝物 C としております。畜産物においては、主要な残留は親化合物のみであったことから、代謝物 C は規制対象に含めない案としております。なお、食品安全委員会による暴露評価対象物質も同様に設定されています。

 基準値案については、 12 ページの別紙 2 にお示ししています。今回 IT 申請のあった、なたね、及び同じグループとして基準値が設定されているごまの種子、その他のオイルシード、その他のスパイスについて、米国の基準値を参照して 2ppm の基準値案を設定しております。また、その他の暫定基準であったものについては、海外の残留試験の結果が確認されたものについて基準値を設定しております。

 何点か補足しますと、まず、その他の穀類について 0.8ppm の基準値案とさせていただいておりますが、米国においては 6ppm という基準値が付いています。ただし、根拠となった作物残留試験を確認した結果、別紙 2 にお示ししているように、最大でも 0.5ppm という結果でしたので、この作残試験に基づいて 0.8ppm という値を設定しております。

 また、下のほうの畜産物で、鶏の肝臓、腎臓、食用部分、また、その他の家きんの肝臓、腎臓、食用部分についてですが、こちらは 0.05ppm という値を設定しております。こちらについて、米国では 0.1ppm の基準値が設定されていますが、先ほどの畜産物での残留試験の結果から推計された最大残留量が 0.05ppm でしたので、残留試験結果に基づいて 0.05ppm と設定させていただいております。

 最後に、米の基準値ですが、こちらについては従前から本基準として 5ppm という値が設定されています。こちらについては、以前、国内で稲に対する登録があり、それに対応して 5ppm の基準値が設定されていたものです。現在は、国内での登録は失効しているのですが、アメリカや EU 等において基準値が 5ppm に設定されていることに鑑みて、基準値を維持するという案とさせていただいております。

 暴露評価ですが、まず 13 ページの別紙 3 において、長期の摂取量を推定し、 ADI と比較しております。最大となる幼小児において、 ADI に対する割合は 9.3 %となっています。また、 14 ページ及び 15 ページにおいて、短期摂取量を推定し、 ARfD との比較をしております。いずれにおいても ARfD を十分に下回っていることが確認されています。

 最後に、答申案については 17 ページに記載しております。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 これも初回審議ということです。まず、化学名、化学構造、物性の辺りについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。用途と薬理作用の辺りについてはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。

○宮井委員 先ほど、部会が始まる前に大野先生から、シアン化物の蓄積というのが正しいのかどうかと聞かれたのですが、私も、これがどういう研究に基づいてこうなっているのか詳しく調べていないので分からないのですが、メーカーのほうの資料で、このような記載があったということで、これでよろしいかと思ったのです。その辺りを少し検討していただければと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私は植物での代謝は門外漢なのですが、シアン化合物の蓄積はどういうメカニズムで蓄積するのだろうと調べたことがきっかけだったのですが、調べ始めたら、何かオーキシン作用によってエチレンの合成が高まると。そのときにシアンが副産物としてできるということなのです。そういうことだったらいいのかなと思っていたのですが、キンクロラックについての文献を、これはサマリーだけしか見ていないのですが、読んでみると、シアンの生成が増えないというような論文もあって、そういうメカニズムに基づいて作用するというのもあるし、食品安全委員会の報告ではこ案に示された表現になっていたのですが、企業からの報告はもっといろいろなことが書いてあって、いろいろな作用に基づいて細胞壁の生合成阻害を起こすということも書いてあって、頭が混乱してしまって、なかなか整理がつかなかったのです。

 食品安全委員会で審議して、ほかの作用を削除して、ここだけ残したという理由は何か議事録で確認できればと思ったのです。そういうものは手に入りますか。

○事務局 議事録等が公表されていれば、それを確認することはできるかと思います。シアン化物の蓄積以外のメカニズムの部分を、あえて無視するという形でそういう記載をしたのか、それとも、それほど深い意味はなくてこういう表現になっているのか、その辺りはまた確認させていただきたいと思います。

○大野部会長 細胞壁の生合成阻害というのもあるのですが、セルロースの合成を阻害しないという文献もあって、頭が混乱してしまって、どうも整理がつかなかったのです。

○事務局 一応、本日の部会の資料では、シアン化物の蓄積「等」として、蓄積だけに限定しないような書き方にはさせていただいております。

○大野部会長 皆さんから御意見があればお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。ないようでしたら、事務局と私と宮井先生、尾崎先生で相談させていただいて、それで、ここの所の修正が必要だったら修正する。修正がなければそのままということにさせていただいてよろしいでしょうか。それでは、後で食品安全委員会の議事録を教えていただけますでしょうか。

○事務局 分かりました。

○大野部会長 体内動態と代謝物の測定対象物質の辺りについて、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 キンクロラックなのですが、植物で、今回測定もされている代謝物 C というメチル抱合体ができます。これはラットではほとんどできていないようですし、物性的にも、どちらかというと、脂溶性が若干上がって、食品安全委員会の報告では、急性毒性は親化合物と同等ということもありましたので、それらのことを考えると、植物のほうで、この C が対象となるような物質であるとも言えますので、現案のように、植物のほうでは C も含めるということでよろしいのではないかと思います。畜産物のほうは、 C ができませんので、このままでよいと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。 7 ページの 7 .の基準値案の説明の所ですが、ちょっと「あれ」と思ったのは、 (1) の残留の規制対象の 3 行目の「農産物については一部の作物残留試験 ( なたね ) において、一定の代謝物 C が検出されていることから」と。この「一定の」というのが、こういう表現を使うのでしたか。

○事務局 まず、表現ぶりの前に、実際にどれぐらいの量が検出されているかということを御説明させていただくと、代謝試験では、総放射活性の 37 %ほどが代謝物 C として検出されています。この報告書のこの部分の記載ぶりについては、過去の報告書なども参考にしながら、今回、書かせていただいておりますが、もし別の記載ぶりのほうがよいという御意見がありましたら、ここでお伺いしたいと思います。

○大野部会長 意図は分かっているのですが、何となく言葉としてどうかなと思ったのですが、吉成先生は特に感じませんでしたか。

○吉成委員 すみません、きちんと読んでいませんでしたが、今言われますと、「一定」だと量の概念がないので、試験がいろいろ、なたねに関しての作残試験がされていますが、試験によっては親化合物よりも多いこともありますので、もう少し量が分かるような感じの表現。「一定」で量が分かりますか。

○大野部会長  10 %以上だったら規制対象に入れるなどということは頭の中に入っていて、それ以上だからということで「一定」にしたのかなと思ったのですが、そういう意味では理解できるのですが、どうだろうと思います。私が思ったのは、「なたねにおいて代謝物 C が比較的多く検出されていることから」という程度にしたらどうかなと思ったのです。

○吉成委員 よろしいです。

○大野部会長 ほかの先生はいかがでしょうか。よろしいですか。

○事務局 「なたねにおいて、代謝物 C が比較的多く検出されている」という表現で、事務局としては特に問題ないと考えております。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生はよろしいでしょうか。では、そのように修正をお願いいたします。

 次に、安全性について鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 いろいろ検討されているのですが、最終的なところでまとめると、記載のとおりで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。今までの所で、先生方から御意見はありますか。よろしいですか。

 分析方法と分析結果の辺りについてはいかがでしょうか。よろしいですか。基準値と国際的整合性の辺りについてはいかがでしょうか。

 全体としての、暴露レベルでも ADI 比で最大 9.3 %と。急性参照用量との比較でも問題ないという計算が示されていますが、全体を通して、先生方から御意見はありますか。

 それでは、基準値案の規制対象についての表現が若干修正していただきました。用途の所の表現について、私と宮井先生と尾崎先生で確認させていただくというところで、場合によっては修正するかもしれないということを含み、この報告を認めていただけますでしょうか。

○尾崎委員 今、 Pub-Med で調べてみたのですが、キンクロラックは、 ROS 産生を機序として成長を抑制するとあります。 cyanide 合成説を否定する論文が 2008 年に出ています。そういう論文、他にもあるようです。

○大野部会長 活性酸素を出すという報告は、私も幾つか見たのですが、それによるというところまでは気が付きませんでした。では、それも含めて。

○尾崎委員 オーキシンを介しての cyanide 蓄積は否定をするという論文があります。調べたほうがよさそうです。

○大野部会長 その文献を教えていただけますか。

○尾崎委員  Phytochemistry 2008 年、 Sunohara の論文です。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、その論文と食品安全委員会の審議と、ほかのものもチェックさせていただいて確認させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 次も農薬ですが、 1- ナフタレン酢酸についての御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いします。

○事務局  6 剤目の農薬、 1- ナフタレン酢酸について御説明いたします。資料 6-1 です。 1- ナフタレン酢酸は、これまでに本部会において、平成 21 年と平成 24 年の 2 回御審議いただいて、今回 3 回目となります。今般の残留基準の検討については、農林水産省から適用拡大申請に伴う基準値の追加設定の依頼があったことによるものです。

 本剤は、植物成長調整剤として用いられて、ここに記載のあるとおり、りんご、なし、かんきつ等に用いられています。作用機序、化学名、構造式等については記載のとおり、前回の部会の報告書と同様に記載しております。

2 の適用の範囲及び使用方法についてです。特に今回、適用拡大申請のあったところについて御説明いたします。 3 ページの 2 の上の表の 2 段目です。今回、かぼちゃについて適用拡大申請があり、四角囲みで示しております。

4 ページの作物残留試験です。作物残留試験において、抱合体を含む 1- ナフタレン酢酸を分析対象としております。国内及び海外で用いられた分析方法はこちらに記載のあるとおりです。作物残留試験の結果については、別紙 1-1 、別紙 1-2 7 8 ページに詳細を記載しております。 7 ページに、国内の作物残留試験一覧表ということで、一番下の網掛けの部分が、かぼちゃの試験の記載です。

4 ページに戻ります。 ADI 及び ARfD の評価です。食品安全委員会で評価がなされて、 ADI は変更ありませんでした。今回新たに ARfD が設定されています。ラットの発生毒性試験に基づいて NOAEL 15mg/kg 体重 /day 、それに基づいて安全係数 100 を乗じて 1- ナフタレン酢酸ナトリウムとして、 ARfD 0.15 mg/kg 体重と設定しています。

 諸外国における状況です。 JMPR において毒性評価はされておりません。コーデックス基準は設定されておりません。主要国の基準値の設定の状況ですが、米国、 EU 、豪州、ニュージーランドにおいて基準値がそれぞれ設定されています。

 今回の基準値案ですが、残留の規制対象は、前回の御審議の結果と同様に 1- ナフタレン酢酸 ( 抱合体を含む ) です。

 具体的な基準値案については別紙 2 9 ページに記載しております。今回申請のあったかぼちゃについて、国内の残留試験結果に基づいて 0.03 ppm を提案しております。

 これらの基準値案に基づいて長期的な暴露量を推定した結果の詳細を 10 ページに記載しております。 TMDI 試算により、一番高い幼小児でも、 ADI 占有率は 6.1 %となっています。

 次に、短期暴露評価の結果については、別紙 4-1 及び 4-2 11 12 ページです。こちらに 1 歳以上の一般と幼小児についてした結果を載せております。いずれの食品においても ARfD を超過した品目はありません。

 最後のページに答申案を記載しております。事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 これは 3 回目で、特にないかとは思いますが、一応、化学名、化学構造の辺りはないですか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。用途、薬理作用もよろしいですか。ありがとうございます。体内動態と分析対象物質も同じでよろしいですね。

 安全性の面で、急性参照用量が新たに算出されていますが、それも含めて何かありますか。

○鰐渕委員 前回のときに加えて新たなところはかぼちゃだけですので結構かと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 分析法、分析結果、その他についてよろしいですか。抱合体も含めて測定することになっていますが、測定法の中ではそれも含めて測定されているということでよろしいですね。ありがとうございます。

 基準値と、国際的整合性については、今回はかぼちゃだけですが、何かありますか。よろしいですか。全体を通して御意見はありますか。

 急性参照用量の所でオレンジが 1 6 歳でちょうど 100 %ということで、ぎりぎりですが、超えていなければいいということですよね。

 それでは、この部会の報告について、修正のコメントは頂けませんでしたが、事務局案をもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。そのようにさせていただきます。

 最後の審議品目です。フルキサピロキサドについて御審議をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 本日最後の剤となります。資料 7-1 を御覧ください。農薬フルキサピロキサドです。今般の残留基準の検討については、関連企業からインポートトレランス申請に基づく残留基準の設定要請がなされたことに伴い、御審議をいただくもので、今回で 2 回目となります。用途は殺菌剤です。カルボキシアミド系殺菌剤であり、作用機序、化学名、構造式、物性については、記載のとおりです。

 適用の範囲、使用方法ですが、本剤は国内で農薬登録がなされておりますが、非食用作物に限られております。使用方法については、米国の使用方法を記載しております。今回は、イチゴ、ブルーベリー等にインポートトレランス申請がなされております。

3 の作物残留試験ですが、分析対象の化合物はフルキサピロキサドと代謝物 3 つで、分析法は記載のとおりです。作物残留試験結果については、別紙 1 に示しております。

 畜産物の分析対象は、フルキサピロキサドと代謝物 2 つとなっております。乳牛における残留試験及び産卵鶏における残留試験が共に行われており、 (3) の推定残留量については、前回の部会から変更はありません。

ADI 及び ARfD の評価です。 ADI については、前回から変更はありません。今回は、新たに ARfD の設定があります。 1.2mg/kg 体重が設定されております。

 諸外国における状況です。 JMPR における毒性評価が行われ、 ADI 及び ARfD が設定されております。国際基準では、小麦、大豆等に設定があります。基準値案ですが、規制対象はフルキサピロキサドです。食品安全委員会による食品健康影響評価においても、フルキサピロキサド、親化合物のみとされております。基準値案については、別紙 2 に示しておりますとおり、 28 30 ページとなっております。

 登録の有無の箇所で IT と記載があります。ここが、今回申請があった部分です。この中で、米については注釈で示しておりますが、米国では 5.0 という基準値が設定されておりますが、玄米の加工係数 0.2 を乗じて 1ppm としております。また、すももについては、米国では 3.0 という基準値が設定されておりますが、コーデックスで 5 という基準値がありますので、こちらを採用して、基準値案は 5 としております。この基準値案に基づき、暴露評価を行った結果、長期暴露評価で EDI 試算において ADI の占有率は幼小児で 42.5 %となっております。

 短期暴露評価ですが、一般及び幼小児それぞれにおける摂取量は、 ARfD を超えていない状況です。事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 これは 2 回目ですが、順を追って御審議をお願いいたします。化学名、化学構造、物性の辺りについて、吉成先生いかがでしょうか。

○吉成委員 問題ないと思います。

○大野部会長 用途と薬理作用はいかがでしょうか。

○尾崎委員 問題ありません。

○大野部会長 体内動態と代謝物、分析対象物質について、何か変わったところはありますか。

○吉成委員 動植物とも非常にたくさん代謝物ができまして、実際に今回分析対象となっているような F002 008 048 は比較的多く出る植物もあるのですが、実際に作物残留試験の結果では出てこないということで、化合物的にもそれほど問題になるような化合物とは思えないということで、親化合物のみを対象とするということでよろしいのではないかと思います。

○大野部会長 私も同様に考えました。今までのところ、先生方御意見はありますか。よろしいですか。それでは、安全性の面で鰐渕先生いかがですか。

○鰐渕委員 これは前回もやったと思うのですが、訂正しておかないといけないと思います。 ADI の長期のほうですが、無毒性量 2.1mg/kg 体重 /day でいいのですが、その横に発がん性が認められなかったと入れているのですが、肝臓の腫瘍が増えておりますので、発がん性はあると思いますので、この部分は削除していただいたほうがいいと思います。

○大野部会長 先生方、よろしいでしょうか。それでは、分析方法、分析結果の辺りについては、いかがでしょうか。特に問題はないでしょうか。それでは、基準値と国際的整合性については、よろしいでしょうか。全体を通して御意見はありますか。それでは、 ADI の算定の所の説明が若干削除されましたが、それをもってこの部会の報告としてよろしいでしょうか。それでは、そのようにいたします。

 本日の審議品目については、全て終了いたしました。本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。

○吉成委員 大野先生、よろしいですか。先ほど聞き忘れたことが 2 点あったのと、私の発言で修正いただきたい所があります。資料 1-1 の化学名の修正の件ですが、間違って言ったような気がいたします。 1-1 のプロペタンホスです。 IUPAC の化学名ですが、スペースを 2 箇所入れていただきたいというお話をしたときに、 2 つ目のスペースを「 O-methylethyl のあと」と言ったような気がするのですが、「 O-methyl のあと」ですね。

○大野部会長  O-methyl のあと、 ethyl の前に空けるということですか。

○吉成委員 はい。 ethylphosptoramido ですね。ですので、それを修正いただきたいということと、もう 1 点これは質問というか、書きぶりのことなのですが、資料 3-1 で違う剤のプロパクロールのことです。一番最後の 10 ページの答申案の「今回基準を設定する」と書いてある 3 行目に、これまで N- イソプロピルアニリンを生成する化合物という書き方をしているのですが、これは代謝物でなくて化合物でよいのでしょうか。それから、このような部分構造を持ったもの、あるいは代謝物を換算して入れるときに、化合物をプロパクロール含量に換算したものの和というのですが、含量という言葉は今まで入っていなかったような気もしないでもないのですが、私の勘違いかもしれませんので、親化合物の名前に換算していたような気もするのですが、いかがでしょうか。

○事務局 含量が不要ということですか。

○吉成委員 前のほうは当然含量を測っているのですが、最後の所だけ含量というのが。上のほうも、例えばプロパクロール及び塩基性条件下の加水分解による N- イソプロピルアニリンを生成する化合物の含量をプロパクロール含量に換算して、だったらいいような気がするのですが、上のほうは化合物と書いてあり、その次は含量なので、化合物を含量に換算するというのは、ちょっと日本語としてどうかなと思いました。今まで、こういうときにどう記載されていたのかなというので、これまでもずっとこのように化合物に直すときに含量と付いていればそれで結構ですが、確認だけしていただければと思います。

 もう 1 点は、 N- イソプロピルアニリンを生成するものは、実際には代謝物かと思うのですが、ここであえて化合物と書いているのは、これまでも代謝物という言葉ではなく、化合物でしたか。今回の剤にはこういうものがほかになかったので、記憶が不確かなので、もしかしたらこれまでも化合物だったかもしれませんので、その点も御確認いただければと思います。

○大野部会長 確認してくださるようお願いいたします。

○事務局 はい。

○大野部会長 では、これについては、事務局で確認したものについて、吉成先生に確認していただくということで、修正はお任せいただけますでしょうか。それでは、そのようにいたします。それでは、食品衛生分科会での取扱いについて、説明をお願いいたします。

○事務局 食品衛生分科会における確認事項について説明いたします。平成 22 3 3 日に了承されました食品衛生分科会における確認事項に基づき、本日の部会で御審議いただきました農薬 6 剤、動物用医薬品 1 剤についての分科会での取扱いの原案となっております。本日御審議いただいた品目のうち、キンクロラック、 1- ナフタレン酢酸、フルキサピロキサド、プロパクロール、プロペタンホス、メビンホスについては、既に設定されている残留基準の一部改正に該当することから、区分 3 とする案とさせていただきました。

 また、フルミオキサジンですが、平成 26 12 月に部会で御審議いただいた内容について、既に分科会に報告しておりますので、当該基準値案については、今回海外から追加の基準値設定依頼がありましたが、食品安全委員会での評価に変更はありませんので、区分 4 としております。以上です。

○大野部会長 ただいまの分科会での取扱いについての案について、先生方から御意見、御質問はありますか。特にないようですので、部会としてはそういった案で取扱いでよろしいかどうか、分科会長の承認を得たいと思います。それでは、事務局から今後の手続について説明をお願いいたします。

○事務局 本日御審議いただきました農薬 6 剤、動物用医薬品 1 剤については、食品安全委員会からの通知を受けておりますことから、何品目か修正が必要なものがありますが、御確認を頂いた修正版をもって、部会報告書とさせていただきます。

 今後の手続については、パブリックコメント、 WTO 通報、消費者庁協議等、必要な手続を進める予定としております。

○大野部会長 ほかに、報告事項はありますか。

○事務局  1 件ありますので、事務局から報告いたします。

○事務局 最後に報告事項として、飼料添加物アビラマイシンの基準及び規格の改正に係る意見聴取について説明いたします。資料 8-1 を御覧ください。飼料添加物については、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づき、基準及び規格が設定されておりますが、これらの基準及び規格の改正に当たっては、農林水産大臣から厚生労働大臣に対して、公衆衛生の見地から意見聴取を行うことが同法律で定められております。今般、飼料添加物であるアビラマイシンの基準及び規格を改正することについて、農林水産大臣から意見聴取があったものです。

 アビラマイシンは、抗生物質の 1 つであり、我が国では鶏及び豚を対象とする飼料への使用が認められております。食品の残留基準として、豚、鶏等に基準値を設定しております。今回の改正は、原体中のアビラマイシンの濃度を一定にするために、賦形物質としても使用されているソイビーンミルランを原体の製造過程で添加するように製造方法を変更したものです。本改正に伴い、原体中の粗脂肪や粗繊維の含有濃度が変更になりますが、原体及び製剤中のアビラマイシンの濃度に変更はありません。また、飼料へのアビラマイシンの添加量と添加濃度にも変更はありません。そもそも、ソイビーンミルラン自体も飼料として家畜に給与されているものです。以上のことから、家畜はアビラマイシンを摂取する量は従前と変わらずに、本改正に伴う公衆衛生上の問題はなく、また、食品中の残留基準も変更する必要はないと考えており、こちらの資料 8-1 3 の対応方針案に書いてありますとおり、公衆衛生上の問題はないということで対応したいと考えております。事務局からの説明は以上です。

○大野部会長 ただいまの説明について、御質問はありますか。

○佐野委員 確認なのですが、農業資材審議会には、例えば吸収の同等性試験のデータなどは提出されているのでしょうか。

○事務局 農業資材審議会飼料分科会が今年の 3 月に行われましたが、そちらではそのような試験は提出されておりません。

○佐野委員 吸収に与える影響については、何も審議されていないということでしょうか。

○事務局 特に、審議会でそこに特化して議論は行われてはおりませんが、食品安全委員会で評価をなされております。今回、飼料としての家畜に給与されているものを化学的操作、物理的に混合するというもので、人の健康に及ぼす影響が変わるものではないということで、程度は明らかということで回答しております。

○大野部会長 ソイビーンミルランというのは全然知らないので、影響を与えるのか、与えないのか全然想像もつかないのですが、何かそういう可能性というのはあるのでしょうか。

○佐野委員 例えば、私も物性は分からないのですが、脂溶性があるようなものだとすると、結構賦形剤のほうの脂質含量が高くなっていますので、ちょっとどうなのかなということだけなのですが。

○大野部会長 そういう疑問がありますが、食安委で審議されて特に問題として取り上げられなかったということは。

○農林水産省 よろしいでしょうか。

○大野部会長 お願いいたします。

○農林水産省 農林水産省から補足いたします。今日は飼料の担当がおりませんので、私から代わってお話いたします。このソイビーンミルランの次の資料 8-2 2 ページ目の中ほどに書いてありますが、もともと飼料添加物、今回原体の規格を変更するとなっているのですが、製剤のほうには従来から入っているものです。どんなものかというと、大豆の種子を粉砕し、また破砕する際に得られる小薄片ということで、もともと餌にもなるものですので、飼料添加物はそれだけではなく、結局餌に混ぜて家畜が摂取するわけですが、もともと入っているようなものを原体にも入れるようにするだけの変更です。この変更によって、吸収に大きな影響を与えるようなものではないのではないかと考えて評価されているものと考えます。

○大野部会長 よろしいですか。ほかに御質問はありますか。そのほか、報告事項はありますか。

○事務局 特にありません。

○大野部会長 それでは、次回の予定の説明をお願いいたします。

○事務局 次回の本部会の開催日程については、平成 27 7 16 ( ) 、午後を予定しております。出欠については、後日確認いたします。詳細についても、追って御連絡申し上げます。

 最後に連絡ですが、机上に配布しております委員必要事項連絡表は、会議終了後に係の者が回収しますので、机上に置いたままでお願いいたします。

○大野部会長 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。どうも、御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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