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2015年3月25日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 議事録

医薬食品局食品安全部

○日時

平成27年3月25日(水) 13:00〜15:00


○場所

中央合同庁舎5号館12階
専用12会議室


○出席者

食品衛生分科会員(敬称略)

石川 広己 大澤 真木子 大野 泰雄
大前 和幸 春日 雅人 川西 徹
岸 玲子 河野 康子 古野 純典
西 秀訓 西内 岳 若林 敬二
渡邉 治雄

事務局

三宅 智 (食品安全部長)
福本 浩樹 (大臣官房審議官)
依田 泰 (食品安全部企画情報課長)
山本 史 (食品安全部基準審査課長)
滝本 浩司 (食品安全部監視安全課長)
三木 朗 (食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室長)
西村 佳也 (食品安全部監視安全課食中毒被害情報管理室長)
梅田 浩史 (食品安全部基準審査課HACCP企画推進室長)
岩崎 容子 (食品安全部企画情報課長補佐)

○議題

1 開会
2 議題
(1)審議事項
(2)報告事項
(3)文書配布による報告事項等
3 その他の報告事項
・平成25年度食品中の残留農薬の一日摂取量調査結果について
・急性参照用量を考慮した残留基準の基準見直しの進め方について
・食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について
4 閉会

○議事

○岩崎補佐 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会を開催します。本日は安藤委員、岸田委員、栗山委員、寺本委員、二村委員、毛利委員、山本委員から御欠席との御連絡を頂いています。現在、分科会員総数20名のうち、現時点で11名の方の御出席をいただいており、出席委員が過半数に達していますので、本日の分科会が成立することを御報告します。

 本日の議題については、お手元の議事次第にありますように、食品中の農薬等の残留基準等について御審議をいただき、その後、何点か事務局から御報告申し上げます。審議事項に関する利益相反については、退室が必要、又は議決に参加できない委員はいないことを事前に確認しています。

 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日は委員の皆様に、資料1として審議事項に関する資料、資料2として報告事項に関する資料、資料3として文書配布による報告事項に関する資料、資料4としてその他の報告事項に関する資料を配布しています。また、別途参考資料としてハードファイル1冊、それから「分科会の基礎資料」という標題の付いたハードファイルを、もう1冊配布しています。資料の不足等がありましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。それでは、以降の進行については岸分科会長にお願いします。

○岸分科会長 それでは、審議事項1番の「食品中の農薬等の残留基準設定について」審議を行います。事務局から説明をお願いします。

○説明者 それでは、まずはマンデストロビンについて御説明します。資料は青いファイルの参考資料1を用いて御説明します。参考資料1-3ページを御覧ください。本剤は農薬取締法に基づく農薬の新規登録申請に伴い、基準値設定依頼がなされたことにより、残留基準の設定を行うものです。

 概要ですが、用途は殺菌剤でして、ミトコンドリア内のチトクローム系に作用し、電子伝達系を阻害することにより、細胞の呼吸阻害を引き起こし、殺菌効果を示すと考えられています。化学名、構造式及び物性については、記載のとおりです。1-5ページに、国内における適用の範囲及び使用方法を示しています。

 続いて次ページの作物残留試験につきまして、分析法の概要は記載のとおりです。試験結果については、1-9ページの別紙1に記載しています。1-7ページに戻りまして、ADI及びARfDの評価について御説明します。ADIについては、食品安全委員会において、イヌを用いた1年間の慢性毒性試験の無毒性量を用いて、ADIを0.19mg/kg体重/dayと評価いただいています。ARfDについては、ラットを用いた急性神経毒性試験で得られた無毒性量が1,000mg/kg体重であり、カットオフ値である500mg/kg体重以上であったことから、設定不用と評価されています。

 諸外国における状況については、JMPRや主要国において、基準は設定されていません。基準値案については、規制対象をマンデストロビンとし、1-11ページの別紙2に示しています。また、この基準値案によりばく露評価を行い、結果を次ページの別紙3に示しています。TMDI試算によりまして、幼少時で31.5%となっています。1-14ページが答申案となります。

 続きまして、2剤目のモサプリドについて御説明します。資料は2-3ページになります。本剤は国内において、医薬品・医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき、製造販売の承認申請がなされたこと、及び使用基準の設定について、農林水産大臣から意見聴取があったことから御審議いただくものです。1番の概要ですが、本剤は消化管運動促進薬でして、セロトニン4受容体を刺激して、アセチルコリンを遊離させ、胃腸の運動を活発にするものと考えられています。日本ではヒト用医薬品として用いられており、動物用医薬品としてはイヌに用いられています。化学名、構造式及び物性については、記載のとおりです。

 次ページ、2-4の適用方法及び用量は、モサプリドクエン酸塩を馬に経口投与することとされています。対象動物における残留試験については、馬について実施されており、分析対象、分析方法の概要は記載のとおりです。馬にモサプリドクエン酸塩を3日間、強制経口投与した後、組織中の残留量を測定した結果を、表1及び表2に示しています。

 資料2-6ページに、ADIの評価について記載しています。食品安全委員会において、ラットの発がん性試験の無毒性量を元に、モサプリドクエン酸塩として0.03mg/kg体重/dayと評価されています。諸外国における状況については、JECFAにおいて評価されておらず、国際基準も設定されていません。欧米等の主要国においても、基準値は設定されていません。

 5の基準値案ですが、規制対象物質をモサプリドとして、基準値案については2-8ページの別紙1のとおりです。次ページの別紙2に、ばく露評価の結果をお示ししています。ADI占有率は、TMDI試算により0.040.05%となっています。答申案は2-11ページになります。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。

○岸分科会長 ありがとうございました。分科会での議論に入る前に、部会での状況について、特段何か御説明、御報告いただくことができますでしょうか。

○大野委員 今日の2品目については、特に問題となるようなディスカッションはありませんでした。

○岸分科会長 ありがとうございました。それでは、この分科会の委員の皆様から、何か御意見、御質問等がありましたらお願いします。いかがでしょうか。

○渡邉委員 教えていただきたいのですが、このモサプリドの場合に、家畜残留試験として用いる場合、馬を用いている理由というのは何かあるのですか。馬にこれが投与されるのですか。

○大野委員 資料2-4ページの真ん中辺りに、「モサプリドクエン酸塩の動物用医薬品としての使用量等」と書いてありまして、その使用が馬に認められています。そういうことで、馬について代謝試験をやり、残留試験もやったということです。

○岸分科会長 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。両剤とも新規ですが、もし特別にそのほかの御意見、御質問がなければ、分科会として了承ということにしたいと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。パブリックコメントの結果については、分科会の皆様に送付して、御確認をいただきますので、よろしくお願いします。また、経過についても次回以降の本分科会での報告をしていただくことになります。

 続いて審議事項の2番目は、告示試験法の設定についてです。クロルスロン試験法です。事務局から説明をお願いします。

○説明者 それでは、資料1の8ページを御覧ください。本剤は寄生虫駆除剤で、欧米等で用いられています。9ページにこれまでの経緯をお示ししているとおり、本剤の基準値については、平成22年度に食品安全委員会による評価結果が通知され、本審議会においても御審議いただいています。遺伝毒性及び発がん性について、結論を導くことができず、ADIを設定することは適当ではないと、食品安全委員会で評価されたことから、食品に含有するものであってはならない、つまり不検出基準とすることが了承されています。

 従来より不検出基準が設定された場合には、試験法の検出限界により規制が行われることから、規格基準の改正と同時に、試験法を告示しています。そのため、クロルスロンの試験法について、開発が終了したことから、本試験法について御審議いただくものです。試験法についてですが、分析対象化合物はクロルスロンとしています。試験法の詳細については、10ページからの別紙の答申案に示しています。試料よりアセトンで抽出し、酢酸エチル及び塩化ナトリウム水溶液で液-液分配により精製した後、n-ヘキサン及びアセトニトリル分配により脱脂します。更にエチレンジアミン--プロピルシリル化シリカゲルミニカラムで精製し、調製した試験溶液をLC-MS/MSで分析します。

 8ページに戻っていただきまして、検出限界は0.001mg/kgとなります。

 告示又は通知試験法の開発においては、試験法検討会を開催して、十分な精度が得られているかなど、確認しています。その一部が真度及び精度の評価です。本試験法については、ここに挙げる10種類の食品について、標準溶液を添加して試験を行い、その回収率とばらつきを求めています。全て真度及び併行精度ともに目標値を満たしていました。試験法に関する御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。

○岸分科会長 ありがとうございました。それでは、議論に入る前に、部会での審議の状況について、部会長からお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○大野委員 これについては、私は分析の専門ではないのですが、この部会には分析を専門とされている委員が半分近くおられて、その先生方がいろいろ検討しまして、目標にする目標値は70120%の真度、併行精度は30%以内という目標値があるのですが、それに十分達しているということです。試験法のプロトコル上も問題ないということでしたので、了承されました。

○岸分科会長 ありがとうございます。それでは、分科会の委員の先生方からの御質問、御意見等をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。私も分析の専門ではないのですが、確かに書かれている真度と精度の目標値を見ますと、十分クリアしているように思いますが、よろしいですか。

 それでは、御意見がないようですので、分科会としてこの試験法の設定について了承したということにしたいと思いますが、よろしいですか。ありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。パブリックコメントの結果を分科会の皆さんに送付して御確認いただきますので、よろしくお願いします。今後の経過については次回以降、分科会で報告ということになります。

 審議事項の3番目ですが、食品添加物の指定等について、2剤あります。事務局から説明をお願いします。

○説明者 本日は添加物として、新規指定並びに使用基準及び成分規格の設定に関する品目として、2品目について御審議をお願いします。2品目を続けて御説明させていただきます。

 1品目めですが、資料1の12ページを御覧ください。クエン酸三エチルについて御説明致します。本剤は国際汎用添加物として、国が指定を進めてきた品目です。本剤の用途として、乳化剤、安定剤、香料ということでして、我が国では香料としての使用が現在認められているところです。

 諸外国の状況ですが、JECFAではADIを20mg/kg体重/dayと特定しており、液卵製品等の卵製品ですとか、水を主原料とする香料入り飲料に使用量が規定されています。また、香料としての使用についても、安全性に懸念がないとの評価がされているところです。EUでは、食品サプリメントや加工卵等に対して、必要量を添加することが認められていまして、米国ではGRAS物質ということで、香料や溶剤等への使用が認められているところです。

13ページを御覧ください。食品安全委員会における食品健康影響評価の結果ですが、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念はないと考えられ、ADIを特定する必要はないと評価いただいています。続いて摂取量の推計ですが、摂取量の推計に当たりまして、香料としての使用、香料以外の使用というのを分けて算出がされています。摂取量の推計として、1日1人当たり126.80mgと見積もられています。

 以上を踏まえて使用基準の案です。13ページ中程からですが、EU及びコーデックスの基準を参考に、カプセル剤等の通常の食品形態でない食品、卵製品、清涼飲料水に使用を認める案となっています。使用量に関しても、EU及びコーデックス基準を参考に、設定をさせていただいているものです。成分規格の案について、1415ページに記載をさせていただいているところですが、こちらについてもJECFA等の規格を参考に、設定を考えています。13ページに戻りまして、意見聴取の状況ですが、WTO通報は既に終了していまして、現在パブリックコメントを実施しています。最後に答申案ですが、14ページにあります答申案とさせていただければと思います。

 続いて2品目めのアンモニウムイソバレレートについて、御説明をさせていただきます。資料1の16ページを御覧ください。本剤は国際汎用香料として、国が指定を進めてきた品目でして、JECFAでは香料として安全性に懸念はないとされまして、欧米等では肉製品、焼菓子、ソフト・キャンデー類等において、風味の向上の目的で添加されているものです。食品安全委員会の評価結果ですが、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念はないと考えられるとされています。続いて摂取量の推計ですが、欧米での推定摂取量を踏まえて、我が国でも同程度で推移するという考えに基づきまして、1日1人当たり1895μgと見積もられています。

 以上を踏まえて使用基準の案ですが、本剤は着香の目的以外に使用してはならないとさせていただいています。成分規格の案ですが、1718ページに記載させていただいておりますが、主にJECFAの規格に基づいて設定をさせていただくこととしています。なお、今回成分規格の検討を行うに当たりまして、国立医薬品食品衛生研究所で構造解析を行いましたところ、これまでに知られている構造式の表現では適切でないということが判明しましたので、今回得られた情報に基づきまして、構造式を修正させていただいています。

16ページに戻りまして、意見の聴取状況ですが、WTO通報及びパブリックコメントについては今後実施させていただく予定としています。答申案については、17ページにある案とさせていただいています。以上2品目、御審議のほど、よろしくお願いします。

○岸分科会長 ありがとうございました。それでは、この2物質につきまして、部会での審議の状況について、部会長の若林先生から御説明をお願いできますか。

○若林委員 今、事務局から説明がありましたとおり、クエン酸三エチルとアンモニウムイソバレレートに関しては、遺伝毒性ですとか発がん性の観点からも、この両化合物に関して、安全性に特に懸念がないということが報告されています。

 更にアンモニウムイソバレレートの構造式について、事務局から少し説明がありましたが、もう少し詳しく説明しますと、このアンモニウムイソバレレートは、アンモニアの1分子とイソ吉草酸、イソバレレートの3分子が結合しているということになっています。JECFA等の構造解析では、これが1分子、1分子の結合になっていたのですが、国立衛生試験所等でNMRですとか元素分析、X線、種々の解析をしましたところ、やはりアンモニアの1分子と、イソ吉草酸の3分子が結合しているものが正解であるということで、成分規格案にはそのような構造式で記載しているということです。以上です。

○岸分科会長 ありがとうございました。それでは、この2つの化学物質について、御意見、御質問等はありますか。よろしいですか。御異存がないようですので、事務局には答申に向けた手続を進めていただくことになります。パブリックコメントの結果については、また御確認いただきまして、経過についても次回以降、本分科会で報告ということになります。よろしくお願いします。

 これで審議事項の審議が終わりまして、()の報告事項に入ります。最初に農薬が9品目ありますので、事務局から報告をいただきます。よろしくお願いします。

○説明者 それでは動物用医薬品2剤と農薬7剤について御報告させていただきます。資料2の1ページからです。

 1剤目はアプラマイシンです。本剤は、暫定基準の見直しを行うもので、アミノグリコシド系の抗生物質です。国内で豚に使用が承認されており、JECFAにおいても評価がなされており、欧米等においても基準値が設定されています。食品安全委員会においては、微生物学的ADIを基に、0.030mg/kg体重/dayとADIが設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象をアプラマイシンとしまして、次ページに別紙1として基準値案を示しております。これらの基準値案により、ばく露評価をTMDI試算により行うと、幼小児で3.3%のADI占有率となっています。

 本剤については、昨年7月に農薬・動物用医薬品部会で御審議いただき、WTO通報やパブリックコメントの手続を進めていたところですが、パブリックコメントにおいて新たに休薬期間を0日とする使用方法により基準値を引き上げるように意見が提出されたことから、本年1月に、再度、農薬・動物用医薬品部会で御審議いただいております。

 4ページのラサロシドです。本剤はインポートトレランス申請により基準を設定するとともに、暫定基準の見直しを行うものです。ポリエーテル系の抗生物質であり、我が国では飼料添加物として指定されています。また、JECFAにおいて評価されていまして、欧米等の主要国においても基準値が設定されています。食品安全委員会においては、ラットの慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を基に、ラサロシドナトリウムとしてADI0.005mg/kg体重/dayと評価されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象をラサロシドAとしまして、6ページの別紙1に基準値案を示しております。これらの基準値案により、ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で10.5%のADI占有率となっています。

 8ページのジクロベニルです。本剤は農林水産省より魚介類への基準設定依頼があり、基準設定をするとともに、暫定基準の見直しを行うものです。本剤はニトリル系の除草剤で、国内ではりんご、なし等に適用があります。JMPRにおける評価や国際基準の設定はなされていませんが、欧米等においては基準が設定されています。食品安全委員会においては、イヌの1年間慢性毒性試験の無毒性量を基に、ADIが0.01mg/kg体重/dayと設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象を、農産物にあってはジクロベニル及び代謝物の2,6-ジクロロベンズアミドとして、魚介類にあってはジクロベニルとしています。9ページより別紙1として基準値案を示しております。多くの暫定基準を削除しまして、11ページの答申案のとおり、りんごなど4種類の果実と魚介類にのみ基準を設定する案としております。これらの基準値案により、ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で3.7%のADI占有率となっています。

12ページのフルミオキサジンです。本剤は農薬取締法に基づく適用拡大申請及びインポートトレランス申請があり、基準を設定するものです。併せて、暫定基準の見直しを行います。本剤はフェニルフタルイミド系の除草剤で、国内ではだいず、みかん、りんごなどに適用があります。JMPRにおいて評価はなされていませんが、欧米においては基準が設定されています。食品安全委員会においては、ラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を基に、ADIは0.018mg/kg体重/dayと設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象をフルミオキサジンとして、13ページより別紙1として基準値案を示しております。これらの基準値案により、ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で2.9%のADI占有率となっています。

16ページのアセタミプリドです。本剤は農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定の依頼があったこと、はちみつへの基準値設定の依頼があったことから、基準設定を検討するものです。本剤はネオニコチノイド系の殺虫剤で、我が国では、とうもろこし、キャベツ、りんごなどに適用があります。JMPRにおける評価や、国際基準の設定がなされており、欧米等においても基準が設定されています。食品安全委員会においては、ラットの慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を基に、ADIが0.071mg/kg体重/dayと設定されています。また、ARfDについては、ラットの急性神経毒性試験を基に、0.1mg/kg体重と設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象を農産物及びはちみつについてアセタミプリドとして、畜産物についてはアセタミプリド及び、代謝物IM--1としております。18ページより別紙1として基準値案を示しております。20ページの最後にはちみつの基準値案を示しておりますが、こちらは、はちみつの残留分析結果における99.5パーセンタイル値より基準を設定しております。これらの基準値案により、長期ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で52.6%のADI占有率となっています。短期ばく露評価についてはARfDを超過する食品はありませんでした。

24ページのクロチアニジンです。本剤は農薬取締法に基づく適用拡大申請により基準設定を行うものです。本剤の経緯を御説明させていただくと、一昨年の6月に農薬・動物用医薬品部会にて御審議いただき、本分科会への報告、それから、パブリックコメントなどの手続を進めていたところです。昨年10月から11月に実施しましたパブリックコメントにおいて1,657件の御意見が寄せられ、急性影響を懸念する御意見も中にはありましたことから、当時、ちょうどARfDの導入に関し、概ね準備が整っていましたので、ARfDの設定を含め、食品安全委員会に再度、評価を依頼いたしました。

 再評価については、昨年3月の農薬・動物用医薬品部会に報告し、4月に食品安全委員会に評価依頼を行っております。その評価結果が昨年10月に通知され、その結果を踏まえ、12月に農薬・動物用医薬品部会において御審議いただき、本日、御報告させていただくものです。パブリックコメントの結果については、参考資料のほうに付けております。

 本剤の説明に移ります。本剤はネオニコチノイド系の殺虫剤で、国内外で基準が設定されており、JMPRにおける評価により国際基準も設定されています。食品安全委員会においては、ラットの慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量を用いてADI0.097mg/kg体重/dayと設定されています。また、ARfDについては、ラットの急性神経毒性試験を基に、0.6mg/kg体重と設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象をクロチアニジンとして、26ページより別紙1として基準値案を示しております。これらの基準値案により、長期ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で57.9%のADI占有率となっています。短期ばく露評価については、ARfDを超過する食品はありませんでした。

33ページのピリフルキナゾンです。こちらも農薬取締法に基づく適用拡大申請による基準値設定依頼に基づき基準を設定するものです。本剤はキナゾリン環を有する殺虫剤で、国内では、キャベツ、トマト、かんきつ類等に適用があります。JMPRにおける評価及び国際基準の設定、欧米等における基準設定はありません。食品安全委員会においては、イヌの慢性毒性試験及び回復試験の無毒性量を基にADIを0.005mg/kg体重/dayと設定されています。また、ARfDについては、一般のグループについては、ラットの急性神経毒性試験を基に1mg/kg体重と設定されており、妊婦又は妊娠している可能性のある女性のグループについては、ラットの発生毒性試験の結果を基に0.05mg/kg体重と設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象をピリフルキナゾン及び代謝物Bとしまして、35ページより別紙1として基準値案を示しております。これらの基準値案により、長期ばく露評価をEDI試算で行うと、幼小児で55.4%のADI占有率となっています。短期ばく露評価については、一般、幼小児、妊婦等の各グループにおいて、ARfDを超過する食品はありません。ただし、35ページの上から5、6個目の食品ですが、だいこん類の葉についてはARfDを超過しますので、基準値が削除される案になっています。

38ページのマラチオンです。本剤は暫定基準の見直しを行うものです。有機リン系の殺虫剤で、国内では稲、だいず、かんきつ類等に適用があります。JMPRにおける評価及び国際基準の設定、欧米等における基準設定も行われています。食品安全委員会においては、ラットの慢性毒性試験及び慢性毒性/発がん性併合試験の無毒性量を基に、ADIは0.29mg/kg体重/dayと設定されています。また、ARfDについては、ヒトの臨床試験を基に1.5mg/kg体重と設定されています。

 基準値案ですが、残留の規制対象をマラチオンとして、40ページより別紙1に基準値案を示しております。これらの基準値案により、長期ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で28.3%のADI占有率となっています。短期ばく露評価については、ARfDを超過する食品はありませんでした。

47ページのメトコナゾールです。本剤は農薬取締法に基づく適用拡大申請に基づいて基準を設定するものです。トリアゾール系の殺菌剤で、国内では小麦、かんきつ類等に適用があります。JMPRにおける評価や国際基準の設定はありませんが、欧米等では残留基準が設定されています。食品安全委員会においては、ウサギの13日間の発生毒性試験の無毒性量を基に、ADIが0.02mg/kg体重/dayと設定されています。また、ARfDについても、ウサギの13日間の発生毒性試験の無毒性量を基に、一般のグループ等については0.1mg/kg体重、妊婦又は妊娠している可能性のある女性のグループについては0.02mg/kg体重と設定されています。一般等のグループについては、エンドポイントを体重増加抑制等としておりますが、妊婦等のグループについては、水頭症の発症をエンドポイントとしております。

 基準値案ですが、残留の規制対象をメトコナゾールとし、49ページより基準値案を示しております。今回は、たまねぎにのみ適用拡大申請が行われ、基準が設定されます。ほかの部分については変更はありません。これらの基準値案により、長期ばく露評価をTMDI試算で行うと、幼小児で25.9%のADI占有率となっています。短期ばく露評価については、一般、幼小児、妊婦等の各グループにおいて、ARfDを超過する食品はありませんでした。報告は以上です。

○岸分科会長 ただいまの報告に、御意見、御質問等はありますか。

○大野委員 追加させていただいてよろしいでしょうか。

○岸分科会長 お願いします。

○大野委員 本日審議いただいている品目に関して、特に部会で一生懸命審議したというか、いろいろ議論になったのは、まずクロチアニジンとアセタミプリドのネオニコチノイド系農薬の使用について議論になりました。1つは、はちみつでの暫定基準が設定されたアセタミプリドについては、今までは残留試験をやって残留したものについて測定して、そこから残留基準を決めているのですが、はちみつに関して一般的な残留試験はできないので、実際にはちみつに残留しているものを測って、そのデータを基に設定したということです。今、ミツバチに対する影響ということで、社会的にいろいろ大きな問題になっていますし、ヒトに対する影響の報告もありますので、それについても検討していただきました。ただ、ミツバチに対する影響は農水の問題なので、農水の方に部会に出ていただいて、いろいろ説明を受けています。それに対しては農水としても検討を行っているというお話でした。

 最後に御説明になったメトコナゾールについては、先ほどの説明の中で、水頭症が動物実験で出るという報告がありました。それが必ずしも1種の動物ではなくて、ラットとウサギ両方で出ているのです。非常に重く考えなくてはいけないと思いました。結果として、食品安全委員会ではその催奇形成試験の結果を基にADIを設定しているということですが、ヘリコプターでまいているという使用方法もあるのです。ですから、まいている圃場のすぐそばに住んでいる方への影響についてはどう対応しているのかということについて、農水の方にお伺いしました。使用基準をきちんと定めて、周辺の住民にかからないような形の対応を取っているという御説明でしたので、それ以上は部会では議論がなくて了解したということです。以上です。

○岸分科会長 ありがとうございました。今、部会長のほうから少し詳しく御説明いただきましたが、そのほか御質問や御意見はありますか。

○河野委員 今御説明いただきましたが、クロチアニジンに関しては、前回のパブコメの数が非常に多かったことと、今回も大分減りましたが、同様の意見が寄せられているということで、私も拝見しました。ポイントは2つあるかと思っていて、ほうれんそうの適用基準が大幅に3ppmから40ppmになったということと、それからEU等で問題にされているミツバチへの影響が一番大きな関心事だとパブコメ等を読んで、私自身も思いました。

 ただ、今回の基準値の導き方ということから申し上げれば、今回の御説明いただいているこの導き方自体は、科学的に妥当だと思っております。そういった意味で、受け取る側の不安を解消するために幾つか伺いたいのですが、今回のこの御提案というのは、簡単に申し上げて、40ppmのほうれんそうだけでなく、ここに書いてある約160品目に基準値いっぱいのクロチアニジンが例えば残留していると仮定して、それらを全て平均摂取量食べた場合でも、大人、子供、ともに1日の摂取許容量を下回るという理解でよろしいのかどうかというのが1点目です。

 もう1点目ですが、この40ppmの基準値が人間の健康にどう影響するかを、一般人はなかなかすぐには理解できない。私自身も1日摂取許容量、つまりADIというのが重要だと思いますし、今回はARfDもちゃんと出していただいていますので、このことに関する科学的な評価、それから、安全性ということで言えば、今回の結論というのは私自身も十分理解できます。ただ、安心にどうやってつなげていくかというところで、やはりもう一工夫必要なのではないかという感じを持っています。ただ、安心につなげていくことが、この分科会の主たる目的かというと、そうでもないと思っておりますので、その辺りは、先ほど大野先生もおっしゃっていましたが、具体的な、例えばミツバチの管理をしている農林水産省さんや環境省さんの辺りの方も同様に、これに対する考え方を示していただくことによって、より今回の出された数値が私たち国民にとって分かりやすいものになるのではないかと思ったところです。すみません、質問のような、意見のような形になっていますが。

 もう1つ、アセタミプリドには、はちみつに関する基準値が新たに決まりましたが、このクロチアニジンには、はちみつにおける残留基準値のような要請があるのかどうかというのが2点目の質問です。

 3点目は、先ほどからほうれんそうの基準値が少し大きく変わっているということなのですが、もともとネオニコチノイド系の農薬というのは、水田のカメムシに対してすごくよく効くと私は単純に理解していたのですが、やはり、ほうれんそうの栽培にとっても非常に有用な農薬なのかどうかというのと、ほうれんそうのどんな害虫に対して、というか虫に対して効果を発揮するのかというところを教えていただきたいと思います。

○大野委員 まず事務局から説明していただいたほうがいいと思いますが、安心という意味で1つ申し上げたいのは、ADI比と比べても十分大丈夫だというデータが示されています。それから、急性参照用量という面でも、十分な安全係数を取ってもそれを超えないということですので、サイエンティフィックというか、そのデータの面から引き出される面からしても安心していいのではないかと思っています。ただ、直接的なばく露というのは検討対象外ですけれども。

○岸分科会長 幾つかのポイントが大野委員からありましたが、残りの点については事務局から説明をお願いいたします。

○説明者 順に御説明させていただきます。まず、消費者の安心につながるようにということですが、去年の夏ぐらいに、農林水産省と厚労省と食品安全委員会で、農薬の基本的な基準設定についてリスクコミュニケーションを開催しております。それ以降、まだ開催はできておりませんが、そういう中で、残留農薬の基準の設定の基本的な考え方について御存じではない方もたくさんいらっしゃいますので、そういうところを伝えてきていますし、引き続きそういうところを伝えていくことが重要ではないかと考えております。

 ネオニコチノイドについて、非常に高い基準になるというところも、その基準設定の理論というか方法を理解していただければ御納得、安心いただけるのではないかとは思っております。ほうれんそうについて3ppm40ppmになったという点ですが、この3ppmというのは、もともとチアメトキサムという農薬が同じネオニコチノイド系でありますが、そのチアメトキサムを使ったときに、代謝物としてできるのがクロチアニジンなのです。その代謝物で、チアメトキサムの一部がクロチアニジンになるだけですので、3ppmという基準で十分、基準値以下で規制ができたわけです。今までクロチアニジンそのものをほうれんそうに使っていなかったのですが、今回、ほうれんそうにクロチアニジンを直接使ったら、その作物残留試験の結果から基準値を算出すると40ppmになったということです。

 どういう害虫に効くかというと、アブラムシに効くということで、基準値案を見ていただくと分かるかとは思うのですが、確かにカメムシの防除に非常に使われているということもお聞きしますが、いろいろな果樹、野菜に対して使われていまして、比較的、ほうれんそうなどの葉物野菜については収穫直前まで、アブラムシなどの虫食いを避けるために農薬を使いますので残留も多く、基準値も高くなるというような状況です。

○説明者 事務局から補足いたします。最初に御質問いただいた、ADIを下回っているか、各食品に残留基準値ぎりぎりいっぱい残留しているものを食べても大丈夫という前提かということについては、そのとおりです。全ての食品について、残留基準値いっぱいまで農薬が残留すると仮定して農薬の摂取量を計算して、それがADIやARfDを下回るということを確認しております。

 ただ、これについては非常にワーストケースとして、理論上の最大値ということで推計しておりますが、実際はこれよりもかなり低くなるのではないかと考えております。例えば、すべてのほうれんそうについて40ppmぎりぎりまで残留しているという仮定では、全国でほうれんそうを栽培している全ての農家が、このクロチアニジンを使っているという仮定になりますし、また、そのクロチアニジンを使う場合でも、農薬の使い方は登録を受けた範囲内で使うのですが、実際にはその登録を受けた上限いっぱいの量を使う場合もあれば、実際に虫が発生していなければそれほど使わないという場合もあります。40ppmというのは、あくまで最大限残留するような使用方法をした場合の残留量という形になります。

 また、最大限残留する使用方法を使用した場合でも残留量は当然ばらついていまして、山なりの分布を示すかと思うのですが、そのうちの一番高い所でもカバーできるように一定の幅を持たせた基準値として40ppmを設定しております。ですので、平均的な残留値はそれよりも更に低いということになります。また一般的に、調理の過程で野菜を水で洗ったり、加熱調理したりなどの過程での残留量の減少もありますので、実際に我々が食事として体の中に入ってくる段階での農薬の量は、このTMDIで計算している値よりもかなり低いのではないか。本日この後、「その他の報告事項」の中でも説明させていただきますが、今言った点に関して、より実態に近い農薬の摂取量を推計する方法として、厚生労働省では毎年、マーケットバスケット調査というものを実施しております。これについては後ほど説明させていただきますが、ADIに比べて十分に低いという結果になっております。

 最後の1点ですが、クロチアニジンについて、はちみつの残留基準の設定の要請がないかということについては、要請は今のところありません。はちみつの残留基準というのは、もともとはちみつを生産する過程で農薬を使うわけではありませんので、基本的には残留基準は設定されていない農薬が多いです。ただ、アセタミプリドの場合は、環境を経由した形で恐らくはちみつに残留することが考えられ、しかも現在、基準値がないために、一律基準0.01ppmで規制されています。ただ、実際に今回、基準値を設定するに当たって600何サンプルかの残留データを分析しているのですが、それを見ますと、比較的0.01ppmを超える残留も見られていまして、それで、今回0.2ppmという基準値を設定させていただいております。ほかの農薬については、アセタミプリドのように一律基準を超えるケースが頻繁に出るという実態はないと聞いておりますので、今のところ要請は受けておりません。

○大野委員 今、EDIのことは説明していただけましたか。

○説明者 すみません、先ほどTMDI計算で農薬の摂取量を推定していると申し上げたのは、このクロチアニジンの場合はそのとおりなのですが、ほかの農薬も含めて一般的に言いますと、TMDIでまずADIと比較して、ADIの80%を超える場合には、先ほど言った、残留量を残留基準値ぎりぎりいっぱいと仮定するのではなくて、実際の平均的な量を使って計算しています。それは更に精密な実態に近い計算ということで、それをEDI試算という呼び方をしています。第1段階として基準値で計算をして、第2段階として、より精密な推計として平均的な残留量を使った推計をしております。

○大野委員 もう1つ追加してよろしいですか。

○岸分科会長 お願いいたします。

○大野委員 先ほど私はヘリコプターでまくと申し上げましたが、使用方法にはそう書いてあるのですが、農水の人に伺いましたら、ヘリコプターと言っても大きなヘリコプターではなくて、今よく使われている小さなおもちゃみたいなヘリコプターでまくのだということをおっしゃいました。そういう意味で、それがかかる区域が、大型のものでまくよりも更に限局されているという説明でしたので納得したところです。

○岸分科会長 ありがとうございました。河野委員は消費者サイドですからたくさんの質問があるのは当然だと思いますので、質問していただいて、この分科会で大いに議論したということに是非したいのでよろしくお願いします。

○河野委員 御説明どうもありがとうございました。やはり今のような御説明を伺うと、今回の基準値の導き方というのは、ただこの表を見ているだけでは分からない部分が随分分かりまして、それは本当に安心につながると思いました。

 あくまでも作物の基準値というのは、農薬をどんなふうに、適正に使うというための、使われたかどうかというものの管理基準の目安だと思いますので、本当に今回示された数値以下になるように、使用方法も含めて、今、撒布方法がいろいろあると大野先生もおっしゃっていましたが、しっかり使用基準を守ってやっていただければと思いました。

○岸分科会長 ありがとうございました。そのほかの委員の方から何かありますか。

○若林委員 前回確か説明があったと思いますが、ARfD、急性参照用量ですか、これを農薬のほうで使うというようなことを説明されていましたが、本日説明されたものの中にはADIとARfDが併記されているものと、ADIだけしか書いていないものがあると思うのです。それについては、どのようなものがADIだけで、どのようなものが併記されているのかということについては、何か意見はありますか。

○説明者 少し説明が不足しておりましたが、食品安全委員会のほうで、ARfDの設定のための審議が本格的に開始されたのが昨年の6月以降になります。ですから、それ以降に審議が開始された農薬については、今後もADIと同様にARfDが設定されるのですが、今回説明しました一部の農薬については、6月以前に審議が開始されていましたもので、ARfDが設定されておりません。

○若林委員 よく分かりました。ありがとうございます。

○岸分科会長 そのほかはいかがですか。

○川西委員 私はまだ設定の仕方が分かっていないところがあるということで教えていただきたいのですが、この表には横並びに現行の基準値と、今回見直したものが示されているのですが、これをよく見ると、なるほど、なるほどと随分納得できてきたのですが、1点、現行基準から見直し基準値案で、一見緩めたようなところに関して、どうも理由は作物の残留試験成績等で、現行基準を上回っているような数値が見えているようなところを、それに合わせて暖めたように見えるところがあるのですが。それは現行の基準値をどういう理由で決めたかということも関係するのですが、一見実態に合わせて基準値を上げたように、私の目に見える部分があるのですが、その辺りはどういう議論になっているのですか。

○岸分科会長 重要なポイントと思いますのでお願いします。

○川西委員 例えば、極端な例ですが、19ページのアセタミプリドのびわのところです。これは現行基準値が0.1ppmであるのを、見直し基準値案では2になっている。この理由としては、恐らくは一番右のカラムの「作物残留試験成績等」というところに、0.630.220.51という数字があるので、少し0.1ではきついという話で、2にしたのかなと私には見えるのですが。そういう話でいくと、使ったら勝ちみたいな話にならないのかなと。この辺り特に現行の基準値を上げたところに関してどういう考え方で整理されているのか素朴な疑問として思ったところですが、いかがでしょうか。

○説明者 アセタミプリドのびわの説明を差し上げる前に、まず、一般的な残留基準の決め方を御説明いたします。残留基準は、最終的にADIやARfDに照らし合わせて問題ない値を付けるのですが、その前段階のプロセスとして、農薬というのは、国内で使う場合、農薬取締法という法律で規制されており、農薬ごとにどの作物に対して、どういう使用方法ができるかということについて、これは農林水産大臣の登録を受けなければ、その使用ができないという規制になっております。それぞれの農薬ごと、作物ごとに使用方法は決まっております。当然、作物の種類によって病害虫も違えば、作物の栽培形態なども違っていて、農薬のまき方は変わってきます。それによって、作物ごとに残留する残留量が変わってきます。

 基準値を上げるときには、例えば、今まで国内で使っていなかった作物に、新たに使いたいという場合は、その使い方に応じた残留試験を実施していただいて、その残留データに基づいて基準値を付けています。また、現在もその作物に対してその農薬を使っているのですが、新たな病害虫対策として、農薬のまき方を増やしたいと。そういった使用方法の新しい申請が出てきた場合には、新しい使用方法に基づいて残留試験を実施して、その残留実態に基づいて基準値を付けています。

 ただ、いずれにしても、最終的に付けた基準値が、その場合に農薬の摂取量としてADIやARfDを超えないということは確認して安全を確保しております。

 あとは、その基準値を付ける理由として、国内では使われていないのですが、海外では使われている農薬もあって、それについては、その国から日本に食品を輸入して来るときに、海外では高い残留基準値が付いているのですが、日本では基準値が低い場合、輸入上引っかかることがあります。こういうものは外国の政府とか、外国の企業から申請を受けて、外国の基準値を参照して、また、外国で実施された作物残留試験のデータを参照して、それに対応した基準値を設定する場合があります。

 もう1つは、コーデックスと呼ばれる国際的な食品規格を定めている機関があります。そこで農薬の残留基準値を設定しており、それについては日本も基本的にそれを下回らないような基準値を付けるといった考え方などで基準値は設定されております。

 その上で、19ページのアセタミプリドのびわについて申し上げます。これは特殊なケースで、今回、登録の有無の欄を見ていただくと○が付いております。これは現在、国内で登録があって、びわに対して使われていることを意味しています。

 例えば、その下の「おうとう(チェリーを含む)」を見ていただくと、○と一緒に「申」が入っています。これは現在国内で使われていて、さらに使用方法を変更したいという申請が出てきているので、そのために基準値を変えるというパターンです。

 ただ、びわの場合は、申請が出てきていないのですが、今回基準値を変えていると。その理由については、びわを栽培するときに、果実を袋で覆って栽培する場合と、袋を外して栽培する、2種類の栽培方法が慣行としてあるようです。現在の0.1ppmという基準値は、びわを袋で覆って、その上から農薬をまいたときにどれぐらい残留するかという残留データに基づいて0.1というのが設定されています。

 一方、栽培方法としては、その袋を外して農薬をかけるというパターンも少なからずあるということで、今回、びわの行の一番右の「作物残留試験成績等」の欄に記載している0.63等の値は、これは袋を外した状態で農薬をかけたときの残留量がこの値となっております。基準値を付けるときには、実際の栽培慣行、栽培実態なども踏まえて基準値を設定するという事情がありますので、そういった袋をかけないで栽培する実態があるということでしたので、これについては2という値に引き上げるという判断をしております。

○川西委員 ありがとうございます。

○岸分科会長 そのほかはいかがですか。

○渡邉委員 今、何人かの方たちの質問に対する説明で、大体分かったのですが、やはり、現行基準値と基準値案を見ると、先ほどの西洋わさびにしては0.0240になるということからすると、確かに一般の消費者からすると、これは何ぞやと分からないと思うのです。それで先ほど河野さんからリスクコミュニケーションが非常に重要であるという指摘があったので、それは正しくそのとおりだと思います。

 それを決めるときの作物残留試験の成績を見ると、例えば、西洋わさびの場合には、27.42.99ppmとなっています。つまり、非常にばらつきが大きいので、これはどうしてこういう結果になるのかということと、これはある意味で言うと、まき方が悪いという、使い方の問題があるのかなと思います。例えばほうれんそうの場合も、9.9727.0ppmと非常にばらつきが大きいので、もっと根本的な問題があるのではないかと感じたのですが、いかがですか。

○岸分科会長 非常に重要なところですので、以前の分科会で2つではなく、ちゃんと分散、ばらつきをきちんと科学的に言えるような、例えば8か所とか、それは少し改善されたのですよね。でも、これは間に合わなかったということですか。

○説明者 今、渡邉委員から御指摘があったのは、かぶ類の葉だと思います。西洋わさびの1行上にあるかぶ類の葉を御指摘されたものかと思います。

 その作物残留試験のデータですが、実際に結構ばらつくことはあります。これは田んぼとか畑とか、実際の自然環境の中で農薬をまいて、最終的な産物から農薬濃度を分析するという形を取っておりますので、例えば、その試験をやったときの気象条件であるとか、そういったものによっても比較的大きく変動するところはあります。

 おっしゃるとおり、今、日本の場合は、1つの作物当たり2例しかデータがないという場合が多くて、そのためにその2つの値が非常に離れているという場合もあります。これについては、農林水産省のほうで、なるべく作物残留試験の例数を増やしていく取組をしていただいております。生産量の多いメジャーな作物については6例以上、それよりも少ないのですが比較的生産量の多い作物については3例以上、それ以外のマイナーなものについては2例以上という形で、必要な例数について取り扱いを変えていただいて、それについては既に導入は始まっております。ただ、その導入以前に申請がなされているものなどについては、まだこのデータが2例しかないというものもあります。

○岸分科会長 よろしいですか。

○渡邉委員 今の例数を増やすというのはもちろんですが、やはりまき方の指導というか、今の非常にばらつきが多いというのは、もう少しまき方の指導とか、そのことをやると、もしかすると国際基準が2ですので、そのぐらいのところに落ち着かせることができれば、わざわざ40まで上げなくても済むのではないかという感じを受けたのですが。これは科学的な問題というよりは、もう少し違うところの質問になりますが。

○岸分科会長 そのほかはありますか。今の渡邉委員の御質問にも関係するのですが、私はクロチアニジンともう1剤ネオニコチノイドがありますので、実は今回はパブリックコメントを全部丁寧に読んでみました。

 そうしましたら、やはり、当初1,657件、それから今日は300件ぐらいの意見があり、それらに対して、部会、あるいは食品安全委員会等でもいろいろ丁寧に御説明はされているのですが、やはり、まだ一般国民との間ですれ違っている部分が少し残っているような気がするのです。今日は審議事項ではなく、分科会では報告ですので、もう既に科学的な審議は部会のほうで十分尽くされたと思います。そのうち私は2点申し上げたいのは、今の渡邉委員の御質問とも関係するのですが、ほうれんそうについては直前まで撒布してもいいと決めているのですが、このパブコメを見ますと、私も全て専門ではないので間違えているかもしれませんが、アメリカでもEUでも収穫の直前までの撒布はしていないように書いてあります。それが日本のように直前まで撒布すれば残留値が、ばらつくのではないかと思うのです。散布後時間がたち減り始めると一定のところにいきますが、ただ、浸透性も結構高いという性質もあるように聞いております。

 もう1つは、EUが2013年の冬に、これから2年、一応、EUが心配しているのはハチの巣の崩壊だと思うのですが、そのデータがきちんと出るまで2年間、ネオニコチノイド全部ではなく、3つだけ少ししばらく使わないと決められたようですが。できましたら、どこかでその結論が出る辺りの時期でも結構ですが、私たちの分科会のほうの委員も、その辺を勉強する機会を持たせていただけないかと思うのですが、どんなものでしょうか?要するに、パブリックコメントですので、ここはかなり科学者も多いし、私もサイエンティストのはしくれだとは思っているのですが、やはり、かなり専門家と距離があるのではないかと思うのです。安全性などに関しては、厚労省が非常に努力されているのは私は十分理解しているのですが、使い方の問題や直前まで撒布するというのは、「えっ、日本だけ、どうしてなの?」とか、それがどういう必要があってそうしているのかとか、正に農水省とか、環境省はトンボの研究もしているということですが、そういう環境全般に関しても、農水省や環境省がこういう審議会を持っているのでしたら、そこでやっていただければ十分だと私は思うのですが。厚生労働省の食品衛生審議会というところで、農薬については安全性が主でやっていますよね。しかし、環境のことについては、やはりパブコメを見る限り、意見をきっとみんなが出したいのだと思うのです。出す先が欲しいのだろうと。それは環境省や農水省が決めることだとは思いますが、何かその辺の各国で値がこのように違う場合、なぜそうしなければいけないのかということも含めて、それは恐らく厚生労働省の責任というより、農水省の責任ではないかと。収穫の前の日まで農薬をまかなければいけない日本の農業の事情とか、そこを一度お聞きしたいという気がするのですが。ある意味で、この分科会の責任感を感じているという意味で申し上げたほうがいいかもしれません。部会で十分審議されたということは私も承知しておりますので、将来的にという意味です。そういう機会があれば有り難いという意味です。ほかの省庁のことまで言えないのかもしれませんが。

○山本課長 分科会長から1つサジェスチョンを頂いた点については、農林水産省など、関係省庁のほうにも御相談をして、御協力を頂きつつ、どこかのタイミングでそういったことがこの審議会、あるいはほかの有識者の皆様も交えて、そういった機会を設けることができないかどうか、ということについては検討させていただきたいと思います。撒布方法については、何かコメントすることはありますか。

○説明者 今、具体的な例として、ほうれんそうで直前まで使用するという点について御質問がありました。ほうれんそうについて、今回、40ppmという残留基準を付けている。それだけ残留農度が高くなる可能性がある理由として、収穫日の前日まで使用するという使い方で今回申請が上がっている、というのが1つ理由としてあります。

 他国と比較すると、アメリカは1週間前まで、EUのほうは、ほうれんそうには現在適用はないということのようです。日本で前日まで使えるようにしておく必要性について、農水省を通じてメーカーなどにも確認をしております。日本の場合、非常に狭い畑の中で、少量ずつ生産をしていると。収穫も、畑1面を一度に全部ある1日で収穫するのではなく、毎日少しずつ収穫をして出荷をしているということで、1つの畑の中に生育段階の異なる複数のほうれんそうが植わっているという状況で、病害虫が発生して農薬を使用する場合、その一部だけではなく、全体的に農薬をまく必要がある場合もあるということです。そうすると、たまたまその翌日に出荷を控えていた部分のほうれんそうにも農薬をまくというケースがあり得るということで、こういった使用方法が申請されていると聞いております。

 ただし、これはそういった必要性が生じた場合には前日でも使用できるという意味で、毎回必ず前日まで使用しなければいけないという決まりはありません。それは各農家の必要性に応じて、実際の撒布が行われるかとは思います。

○岸分科会長 ありがとうございました。ほかにありませんか。

○大野委員 岸先生が言われたネオニコチノイドについては、農水省がどう対応しているかということに関しては、部会でも随分気にしております。それについては機会を見て、説明してもらえると有り難いということでお話したことはあります。そういうことで、もし分科会で説明していただくのでしたら、一緒に部会の委員も合わせて参加させていただければ有難いと思います。

○岸分科会長 先生、ありがとうございました。BSEなどは、時々部会と分科会は一緒にやっていましたよね。そのほかはよろしいですか。少し長く時間を取りましたが。

○河野委員 今、岸先生もおっしゃっていたように、一般消費者というか、受け取る側の国民と、科学的な判断の間にはネオニコチノイド系農薬で言えば、非常に距離があるなというのは、私自身も実感しております。今、御提案いただいたこともすごく重要だと思いますので、確かにここのマターではないのかもしれませんが、私自身も今日ここに来るまでに農林水産省のホームページを検索して、農薬によるミツバチの危害を防止するための我が国の取組ということで、昨年の9月に改訂された「Q&A」の資料をよく読んでまいりました。対策が全くなされてないかというか、考えられてないかというと、そんなことはありません。このことに対して、やはりそれなりに向き合っているということが見て取れますので、それぞれ管理する対象が違うとは言え、その辺りを最終的に国民との間のリスクコミュニケーションという広い見地で、是非どこかで科学的な安全性の判断と、食品に関する判断と、それから派生する様々な問題に関して一緒に見せていただける場を確保していただければと思っております。

○岸分科会長 ありがとうございました。それでは時間も押しておりますので、次に移らせていただきます。次の文書配布による報告事項です。これについては、事前に委員の皆様に郵送で配布されていると思います。

○若林委員 先生、食品添加物がまだ残っておりますので、よろしくお願いします。

○岸分科会長 申し訳ありませんでした。失礼しました。時間が押していると気にしすぎまして、大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

○説明者 それでは、添加物としての使用基準の改正に係る品目として、2品目の御報告をさせていただきます。

 資料2の51ページを御覧ください。1品目のケイ酸カルシウムです。こちらについては、事業者等からの要請に基づいて、使用基準の改正を進めてきたものです。ケイ酸カルシウムの構成成分であるケイ素に関しては、ほぼ全ての動植物に含まれていることが知られております。我が国ではケイ酸カルシウムは添加物として指定されておりまして、固結防止剤や賦形剤、分散剤等の製造用剤という形で使用されております。

 今回、現行、使用量として食品の2.0%以下という使用上限が設けられておりますが、特定保健用食品及び栄養機能食品について、その上限を撤廃したいとのことで要請がなされているものです。

 諸外国の状況については、JECFAのほうでは二酸化ケイ素及びケイ酸塩類としての評価がされておりまして、ADIは「特定しない」とされております。

 米国では、固結防止の目的で食品に対して使用が認められており、EUでも米国と同様に食塩等に対して使用が認められるとともに、ダイエタリーフードサプリメント等に対して必要な量が添加できるという形になっております。

 続きまして、食品安全委員会における食品健康影響評価については、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADIを特定する必要はないと評価を頂いております。

 摂取量の推計ですが、今回、現行の使用基準に基づく摂取量と使用基準改正に伴う摂取量の増分をそれぞれ計算しております。改正後の数値については、52ページの上段、1日1人当たりケイ酸カルシウムとして2,400mgと見積もられております。

 以上を踏まえて、使用基準の案ですが、先ほど御説明したとおり、特定保健用食品及び栄養機能食品に対して、その上限を撤廃する案とさせていただいております。

 併せて、ケイ酸カルシウムの使用基準の改正に伴って、併用規定が設けられている二酸化ケイ素の中での併用規定に関しても併せて改正させていただく予定です。

 成分規格ですが、既に成分規格のほうが設定されておりますので、今回の改正に伴う変更はありません。意見聴取の状況については、WTO通報、パブリックコメントを今後実施する予定です。

 続きまして、2品目のグルコン酸亜鉛について御説明いたします。資料は54ページを御覧ください。本剤についても、先ほどの剤と同様、事業者等の要請に基づいて、使用基準の改正があり、使用基準の改正を進めてきたものです。

 本剤は亜鉛の強化剤として使用されているものです。亜鉛については、種々の生理機能に重要な役割を果たすことが知られております。

 現在、グルコン酸亜鉛の使用基準に関して、母乳代替食品、特定保健用食品、栄養機能食品への使用が認められているところですが、今回、病者の食事代替として使用される総合栄養食品に対して使用が認められていないことから、病院で総合栄養食品を継続的に摂取する場合、亜鉛の不足のリスクは懸念されるという報告がされており、病者用の食品に対して使用基準の拡大を行うというものです。

 諸外国の状況ですが、JECFAでは亜鉛について最大対応1日摂取量として、暫定的に0.31.0mg/kg体重/dayと評価されております。グルコン酸塩類としてはグループADIとして特定しないという評価がされております。

 米国では食品全般に関して、適正製造規範の下で、必要な量を使用するということが認められております。具体的にはサプリメントやあめ等といったものに使用がなされております。EUでは、グルコン酸亜鉛というのは食品成分扱いという形で、基本的には食品全般の使用が認められているという状況です。

 続きまして、食品安全委員会の評価結果です。資料は55ページです。今回、グルコン酸亜鉛が栄養素ということで、今回の食品安全委員会の評価として、病者用総合栄養食品摂取者及び一般摂取者の両者に対する亜鉛の摂取量に関する上限値を1日体重1kg当たり、亜鉛として0.63mgと評価されております。

 摂取量の推計ですが、病院食から摂取する場合に想定したものとして、1日1人当たり亜鉛の摂取量が30mgと見積もられております。また一方で、一般の方々の亜鉛の摂取量についても算出がなされており、1日1人当たり16.4mgという結果になっております。

 以上を踏まえて、使用基準の案ですが、病者用の方の食品ということで、特別用途の許可又は表示を受けた食品のうち、病者用のものについて認めるという形にさせていただいております。なお、使用量の上限は設定しておりません。

 続きまして、成分規格ですが、56ページに記載をさせていただいております。こちらについても使用基準の改正ということで、既に成分規格が設定されております。ただ、今回の規格を使用基準の改正に伴って、再度規格を確認したところ、CAS番号に変更がありましたので、その点だけを変更させていただいております。

 意見の聴取状況ですが、WTO通報及びパブリックコメントについては今後実施をする予定です。報告は以上です。

○岸分科会長 どうもありがとうございました。ケイ酸カルシウムとグルコン酸亜鉛の使用基準の改正について御意見、御質問はありますか。

○大前委員 二酸化ケイ素についての質問ですが、これは結晶質のものを言っているのですか。それが1点です。もう1つは、微粒二酸化ケイ素というのは、どれぐらいのサイズのことですか。

○岸分科会長 事務局のほうで分かりますか。

○説明者 確認してお答えさせていただきます。

○岸分科会長 大前先生、少しお待ちください。もし大分かかるようでしたら、少し先に進めます。それでは、文書配布による報告事項になりますが、既に郵送で配布されておりますので、特段の意見がなければよろしいということで、次に移らせていただきたいと思います。よろしいですか。ありがとうございました。それでは、そのほかの報告事項になります。()平成25年度食品中の残留農薬の1日摂取量調査結果についてです。お願いいたします。

○説明者 それでは、残留農薬の1日摂取量の調査の結果について御報告いたします。マーケットバスケット方式による残留農薬等の1日量摂取量調査については、毎年実施しておりますが、今般、平成25年度の調査結果を取りまとめましたので報告いたします。

 本調査は、地方自治体の衛生研究所等15機関に御協力いただきまして、41物質について調査を実施しております。それぞれの機関ごとに分析対象とする農薬等の種類は異なり、それらの重複を除いた物質の数が41となります。

 調査対象の物質については、毎年見直しを行っておりますが、平成25年度は行政機関等のモニタリング検査において比較的検出率の高い物質を対象としております。

 調査方法としては、国民健康栄養調査の分類や各地域の食品群別摂取量を基に、各検査機関において設定した、モデル献立に従って調製した試料を食品群ごとに均一に破砕混合し、分析を行っております。

 食品群が14群あります。まず、各群の分析結果を15ページの別表5にお示ししております。一番上のアセタミプリドの例で説明すると、調査機関()()までの5機関でアセタミプリドについては調査いただいたことになります。全体的にVI〜VIII群の果実や野菜等において、比較的に農薬が多く検出される結果となっております。

17ページの別表6を御覧ください。こちらは平成25年度の調査において、いずれかの食品群において1度でも農薬が検出された場合に、平均1日摂取量の推計を行い、その結果をお示ししております。左半分が平均1日摂取量の推計です。右側にADI占有率を求めております。

 農薬が検出されていない食品群については、定量限界の20%の農薬が残留すると仮定し、推計を行っております。一番右端のADI占有率を御覧ください。0.0020.29%と非常に低くなっております。本日報告させていただいたネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドやクロチアニジンについても、それぞれ0.04%、0.01%と非常にADI占有率が低くなっております。また、今回調査対象とした農薬の平成20年度から平成24年度の調査結果も参考として記載しております。この点について、表の下に脚注として説明を載せておりますが、平成21年度以降のADI比の経年の変化を見ていただくと、例えば上から2つ目のアセフェートのように平成21年度、平成22年度は3.36%、1.59%と算出されていたものが、平成25年度には0.09%とかなり低くなっております。また、クロルピリホス等においても、同様の傾向が認められております。

 これらの要因については、実際に農薬の摂取量や残留量が減っているという可能性ももちろんありますが、それ以外の要因の1つとして、先ほど、検出されなかった部分については定量限界の20%相当が残留していると仮定するというように御説明いたしましたが、定量限界自体が下がっておりまして、それに応じて、20%の相当量というものが下がって、結果的に、そのADI占有率が下がっているのではないかというように考えております。

 平成25年度からマーケットバスケット調査を自治体に実施していただくに当たり、定量下限をどのように設定するかということを、厚労省から方針を示しております。それまでは、各自治体の分析機関の性能に合わせて御判断いただいていたわけですが、平成25年度からは、基本的には0.01ppm以下に定量限界がなるように測定していただき、ADIが非常に低い農薬については、更に1桁小さい0.001ppmまで測っていただくように方針を示しております。その結果、平成25年度の報告された結果を見ると、特にADIが低い農薬で、ADI占有率が下がっているのではないかというように考えております。

 次ページの別表7については、いずれの食品群でも検出されなかった農薬をリストアップしております。ただし、全ての分析対象の農薬をリストアップしているのではなく、分析をした自治体の数が4つ以上ある物質をリストアップしております。その結果、ノルフロキサシンとフラメトピルの2物質を記載していますが、これらについても、定量限界の20%まで残留していると仮定して推計した結果、0.02%、あるいは0.03%と非常に低い占有率となっています。以上、簡単ですが、平成25年度の調査結果について御報告いたします。

 現在、平成26年度の調査を引き続きやっております。また、来年度以降も、この調査を続けていく予定です。以上です。

○岸分科会長 何か御意見、御質問はありますでしょうか。結構低くて安心いたしました。

○河野委員 この結果、私も確かに、先ほどまで問題になったというか、対象農薬が低く、安心したところです。この結果というのは、どこにどのような形で公表されるかという質問です。

○説明者 厚生労働省のホームページで残留農薬の所がありますが、過去のものも含めて掲載していますので、御覧になっていただければと思います。

○岸分科会長 全国10か所以上の衛生研究所で測定されているようなのですが、いろいろな機器を備えている所で測定するのか、あるいは農薬の地域的な使用の分布とかが分かっていればそれを考慮しながら、その測定機関を決めているのですか。どの地域で測定するかによって違うのではないかという素朴な質問なのですが。

○説明者 各自治体に御案内を送らせていただいておりますが、やはり自治体のほうで御協力いただける所ということで、この調査機関にお願いしております。

○岸分科会長 分かりました。そのほか御質問等はありますか。

○川西委員 15機関を見ると、今のお話で分かったのですが、自主的な実施ということのようですので、例えば九州で見ると、福岡県、福岡市に集中しているような形になって、これは私も地方衛生研究所の実態を知っていますので、小さな研究所は、岸先生がおっしゃったように、機器の問題等々で、なかなか協力したくてもできないような所があるのではないかと推測します。これは実際にそれぞれの機関が測定した試料は、その地方の、例えば福岡だったら、福岡県産のものなのでしょうか。あと、恐らく東日本大震災の影響か、東北は少ないですよね。いずれにしても、試料はどのように選択しているのでしょうか。

○説明者 サンプリングですが、食品については、市場とか、スーパーマーケットで買い上げをしていただいています。必ずしも地元で獲れた農産物、あるいは食品に限っていなくて、その地域で実際に流通している物を買上げていただいています。例えば、九州で測っていたとしても、そこでサンプリングした食品は、九州以外の別の地域で生産された物も含まれますし、輸入品も含まれる可能性があります。

○岸分科会長 よろしいですか。特にないようでしたら、次に移ります。急性参照用量を考慮した残留基準の基準見直しの進め方について、説明をお願いします。

○説明者 それでは、御説明いたします。1月の本分科会において、急性参照用量への導入に際して、推定摂取量の求め方等について説明させていただきましたが、その際、ARfD設定等の基準見直しの作業の優先度については、今後御説明させていただくことになっておりました。本日は、その作業の優先度について説明いたします。

 まず1番の基本的な考え方ですが、農薬・動物用医薬品部会において、昨年12月よりARfDを考慮した残留基準の設定が開始されており、今後、新規開発や適用拡大、暫定基準見直しのため、食品安全委員会で評価される農薬については、ARfDが検討され、その結果を踏まえ、基準を設定することにしております。

 一方で、基準の設定や見直しの予定がない多くの農薬について、ARfDを設定し、計画的かつ効果的に現行基準の検証を行っていく必要があります。

 新規や適用拡大による申請品目の処理作業は従来と同様に遅滞なく進めていく一方で、こちらの図にお示ししているように毒性及びばく露量が大きいと考えられる農薬から優先的に見直し作業を進めていきたいと考えております。

 次に、2の当面の作業ですが、具体的な作業方針をこちらにお示ししております。毒性及びばく露量については、具体的には一番下の括弧内にお示しした既存のデータを用いて、優先度について検討していきます。毒性指標については、JMPR又は欧米で設定されているARfDを主に用いて、それらが設定されていない場合には、ADIを用いることとしております。また、ばく露量については、地方自治体又は検疫所で実施されたモニタリング検査における各農薬の検出率、それから国内における農薬製剤の出荷量を用いることにしております。

 これらのデータを基に、その上の2つの○でお示しした条件に該当する農薬について、優先的に作業を進めていきたいと考えております。

 まず1つ目の条件は、ARfDが比較的小さい0.01mg /kg体重未満であって、検査の検出率が0.1%以上の農薬、あるいは出荷量が年間800t・kL以上の農薬というのが1つ目の条件です。

 2つ目の条件は、ARfDが0.03mg /kg体重未満と、1つ目の条件より少し毒性が低い農薬も含まれますが、検出率が1%以上、あるいは出荷量が年間2,000tkL以上と、ばく露量がより大きいと推定される農薬です。

 これら2つの条件の両方又は一方に該当する農薬については、20ページの※1に記載しておりますが、更に、国際機関等のARfDの評価内容などや、各農薬の農作物ごとの適用状況や残留量、それから各農作物の消費量などを踏まえて、2年程度でARfD設定の目途が立つよう、作業を進めていきたいと考えております。また、※2にあるように、上記の条件に該当するか否かに関わらず、今後、国際機関等のARfDにより、農薬の短期摂取量の試算を行う中で、ARfDを超過するおそれがある食品があって、かつ当該食品への残留の可能性も高いというようなことが判明した農薬については、速やかに基準の見直しに係る作業を進めることとしております。御報告は以上です。

○岸分科会長 何か御意見、御質問はありますでしょうか。

○河野委員 今、御説明いただいた方針で、基準見直しを進めていくと、例えば1年間で、それぞれによると思いますが、ARfD基準はどのくらい出て、明確になるものなのでしょうか。

○説明者 先ほど説明したとおり、適用拡大申請とか、新たに基準の設定依頼がある農薬と、そういう動きがなく、厚生労働省で優先順位を付けて、ARfDを付けていただく農薬の2種類ありますが、ちょっとどちらが幾つぐらいというのは非常に難しいのですが、今、大体年間で部会で御審議いただく農薬の数が、年度によってかなり差がありますけれども、5060はあるかと思います。それを目安にしていただければ結構かと思います。

○岸分科会長 よろしいですか。

○大前委員 ARfDの場合に、想定している急性影響というのはどういうものなのでしょうか。

○説明者 食品安全委員会から急性影響の考え方、ARfDの設定の考え方ですが、そちらについてガイダンスというものが示されております。本日も参考資料に付いていますが、一番後ろの参考資料6があります。2-1から2-9の資料です。正確な回答になっているかどうか分かりませんが、2-3ページに動物実験で、どういう試験を基に、どういうエンドポイントでもってARfDを設定していくかという考え方が整理されています。ですから、ヒトでどのような急性毒性かというところは、この動物実験の延長でこういうものが起こり得る可能性があるというように考えられます。

○大前委員 今、2-1の所を見ると、ARfDとADIとでは、片や急性影響、片や慢性影響という区分けになっていますが、これから情報があるものについては両方で規定していくという、そういうことになるのですね。

○説明者 はい。

○岸分科会長 大前委員、よろしいでしょうか。

○大前委員 はい。

○岸分科会長 ありがとうございました。そのほかはありますか。では、先ほど少し時間を、添加物の御質問がありましたが、こちらをよろしくお願いいたします。

○説明者 先ほど、ケイ酸カルシウムの御報告をした際に、2点の御質問を頂いた点についてお答え申し上げます。まず1点目は、二酸化ケイ素に非晶質か晶質かという区分があるかという御質問だと思いますが、成分規格が二酸化ケイ素でも微粒二酸化ケイ素について規定はされておりますが、特に晶質とか、非晶質という区分が今のところされていないとなっておりますので、一応、両方含むというように考えております。

 もう1点は、微粒二酸化ケイ素はどういった物なのかということで、成分規格では、平均粒子径が15μm以下と規定されております。以上です。

○大前委員 結晶質のシリカは、IARCでグループ1になっている物質、ヒトに発がんが証明されている物質になります。食品の場合はウエットの状態で多分食べるので、発がん性はないと思いますが、粉状のものでは、吸入する可能性が高くなるようなものですと、食べる人は量は少ないでしょうが、それを作る人には発がんの可能性があるので、そこら辺のことは、これは労働衛生の問題なので基準局の話ですが、そこら辺のことを基準局の方と何らかのコミュニケーションをしていただければと思います。

○岸分科会長 ありがとうございました。よろしいですか。それでは、そのほかの報告事項()の食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局からお願いします。

○説明者 前回、平成27年1月28日に開催された食品衛生分科会において、審議若しくは報告させていただいた農薬及び添加物の処理状況について御報告いたします。

 資料4の21ページを御覧ください。こちらに表にしておりますが、今回は農薬等について、全部で15品目が対象です。一番右側の備考欄に規格基準案の変更の有無について記載しております。現在、パブリックコメント、若しくはWTO通報を実施している2剤については空欄としています。このうち規格基準値案の変更があったものについては、1品目ありました。下から5つ目のエトフェンプロックスという農薬について基準値案の変更しております。

 これについては、昨年6月4日の分科会で御審議、御報告させていただいた品目ですが、その後のWTO通報により、自国の基準値を導入してほしいという御意見があって、それについて追加しているものです。その後、部会の審議を経まして、1月28日の分科会で御報告させていただいたものです。

 それ以外については、パブリックコメントにおいて2品目以外について御意見がありましたが、基準の緩和に対して反対という御意見とか、国際基準に合わせることに反対というような御意見で、基準値案の見直しが必要な物についてはありませんでした。また、毒性に関する新たな科学的な検討が必要な意見というものもありませんでした。WTO通報については、御意見があったものもありましたが、それぞれ御意見を頂いた国の基準値を追加するようにという要請でしたが、科学的なデータが提出されなかったことから、基準値案の変更は1品目を除いてありません。このため、エトフェンプロックス以外、また現在募集中のものを除いて、基準値案の変更はなしとさせていただいているものです。以上です。

○岸分科会長 丁寧な御説明をいただき、ありがとうございました。質問事項はありませんか。それでは、これでほぼ最初の議題は終わりましたが、事務局から連絡事項等がありましたら、お願いします。

○岩崎補佐 本日は年度末のお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。次回の分科会については、後日、事務局から日程調整等をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○岸分科会長 本日はいろいろお願いをしてしまい、申し訳ありません。ただ、一番思ったのは、食品衛生分科会が国民から見て、信頼ができて、納得のいく話をしているということが、また、それを続けるのが大事というように思いまして、数多いパブコメのときには、少し丁寧に、あるいは私たちも分からないことがたくさんありますので、詳しく聞かせていただければと思った次第です。

 先生方におかれましては、お忙しいところ、本当にありがとうございました。これで、閉会させていただきます。


(了)

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