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2015年5月13日 中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会 第171回議事録

○日時

平成27年5月13日(水)8:57~9:17


○場所

全国都市会館(2階 大ホール)


○出席者

森田朗小委員長 印南一路委員 松原由美委員 田辺国昭委員 西村万里子委員 野口晴子委員
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
鈴木邦彦委員 中川俊男委員 万代恭嗣委員 堀憲郎委員 安部好弘委員
福井トシ子専門委員
<参考人>
入院医療等の調査・評価分科会 武藤正樹会長
<事務局>
唐澤保険局長 武田審議官 吉田審議官 宮嵜医療課長 佐々木医療課企画官
込山保険医療企画調査室長 中井薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会における平成27年度調査項目について

○議事

○森田小委員長

 おはようございます。定刻より少し早いようですけれども、委員の皆さん、おそろいになりましたので、ただいまより、第171回「中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、榊原委員が御欠席です。

 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は「診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会における平成27年度調査項目について」を議題といたします。

 入院医療等の調査・評価分科会の武藤分科会長にお越しいただいておりますので、武藤分科会長より御報告をお願いいたします。

 それでは、武藤先生、よろしくお願いいたします。

○武藤分科会長

 入院医療等の調査・評価分科会の分科会長の武藤でございます。

 4月30日に入院医療等の調査・評価分科会におきましては、平成27年度の調査項目(案)等を取りまとめいたしましたので、報告させていただきたいと思います。

 まず、お手元の資料診-1-1「入院医療等の調査・評価分科会」をごらんください。

 平成27年度調査の概要及び施設調査票、病棟調査票、入院患者票に関する内容について御説明いたしたいと思います。

 まず、スライド番号、最初のページの2ページから、次をめくっていただいて3ページまでは附帯意見において入院分科会で調査することとされた事項及び平成26年度、27年度の調査項目です。

 平成27年度は、スライド番号の3ページの下段に示してあります2つの項目、(1)の一般病棟入院基本料等の見直し(その2)、それと(2)の特定集中治療室管理料の見直しについて調査をすることとされております。

 4ページ以降の「平成27年度調査項目」に移りたいと思います。

 次の5ページから6ページは、本年度の各調査項目に関して、関連する改善内容と調査の要点を示しているものであります。

 これは、既に中医協で御報告させていただいておりますので、説明は割愛させていただきたいと思います。

 7ページ以降、調査の概要に移りますけれども、8ページをごらんください。これは、平成27年度の調査全体の概要を示しております。

 調査方法については、自記式の調査票の郵送配布によって実施いたします。また、調査票に関しては、対象施設に対して施設調査票、病棟調査票、入院患者票などを配布いたしたいと思います。

 また、調査に当たっては、医療機関の負担軽減及び調査票の回収率、回収数の改善を図るために、施設基準の届出状況などを既に把握している項目については、当該情報の記載された確認票を送付いたしまして、記載を簡略化する等の工夫を行っております。

 また、調査の対象施設については、都道府県別にばらつきが生じないように、都道府県で層化した後に無作為に抽出することとしております。

 調査の対象施設は、調査項目によって設定しております。

 まず(1)の一般病棟入院基本料等に関しては、7対1、10対1の一般病棟入院基本料等の届出医療機関、(2)の特定集中治療室管理料の見直しについては、救命救急入院料、特定集中治療室管理料等の届出機関を対象と考えています。

 今後のスケジュールにつきましては、本日、御了承を得られましたら、早急に調査を行って、秋までには調査結果を取りまとめていく予定としたいと思います。

 次に9ページ以降は、施設調査、病棟調査、患者調査それぞれの設計について内容をまとめております。

 まず、9ページに関しては、一般病棟入院基本料等の見直し、その2に関してですけれども、施設調査の内容を示しております。

 各施設に対して、職員数や入院患者数等の基本的な情報のほかに、ここの表の記入票の○5番、○6番、○7番にあるように、90日を超える入院患者の取り扱いや、特定除外の該当患者数、それから、特定除外制度の見直しに関する対応等の特定除外制度の見直しに関する項目がございます。

 記入票の○9にありますように、データ提出加算の届出時期や、届出に当たっての難易度等のデータ提出加算の要件化に関する事項、7対1入院基本料見直しに関連しての記入票の○11、○12の7対1と10対1の入院基本料の届出状況、それから、地域包括ケア病棟の調査に関しまして、記入票の○13の地域包括ケア病棟(病床)の届出状況について調査を行うこととしております。

 入院分科会の時に地域包括ケア病棟に関して意見がございました。どのような目的で利用をしているのか、地域での連携状況がどのようになっているのか、さらに把握する必要があるのではないか等の意見が出されました。

 このため、○13-5、病棟の利用に係る趣旨、○14の地域連携室の設置について等の調査項目を追加しております。

10ページ、続きまして、特定集中治療室管理料の見直しに関する施設調査の内容であります。

 こちらも病床面積や職員数、入院患者の状況等の基本的な情報のほかに、実際に薬剤師を配置している特定集中治療室があるということから、記入票の○3のように、薬剤師配置の効果や、それから、やや専門的ではありますけれども、記入票の○4にございますように、特定集中治療室での管理を行うに当たって、感染症サーベイランスを実施しているか、予測死亡率を測定してフィードバックを行っているか等がございます。

 記入票の○7で、小児特定集中治療室において算定日数の上限を超えて入院している患者さんがいるかどうか等について調査を行うこととしております。

 最後の11ページですが、こちらは病棟調査及び患者調査における調査内容です。病棟調査では、特定除外患者について項目別の該当患者数及び該当患者の退院先を調査することとしております。

 なお、ICUについては施設調査票で必要な事項を調査していますものですから、病棟調査では省略しております。

 患者調査については、一般病棟入院基本料等の見直し、特定集中治療室管理料の見直しの両方について実施することとしております。

 内容としては、患者の入院年月日や診療科等のほかに、患者の疾病状態と重症度、医療、看護必要度について調査をすることとしております。

 入院分科会では、患者の状態、疾患や状態について選択肢の項目を充実するべきではないかという御意見がございました。

 また、本調査において例年患者のレセプト情報を添付していただきますところですけれども、7対1入院基本料においてはデータ提出加算が要件化されたことから、可能な医療機関についてはDPCデータを提出していただくこととしております。

 次いで、お手元の資料の診-1-2、今後の検討事項とスケジュールに移らせていただきたいと思います。

 当分科会では、答申書附帯意見を踏まえて、入院医療等に関する事項について専門的な観点から調査を行うとともに、その調査結果の分析及び技術的な課題に関する検討を行うこととされております。

 つきましては、以下にお示ししたとおり、速やかに平成26年度調査の調査結果(速報)を取りまとめ、中医協に報告するとともに、順次個別の審議事項について議論を行って、中医協における議論に資する検討をしてまいりたいと考えております。

 繰り返しになりますが、今年度の調査におきましても、秋ごろに結果を取りまとめて中医協に報告する予定としております。

 報告は、以上です。

○森田小委員長

 ありがとうございました。

 それでは、事務局から補足があれば、お願いいたします。

 医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 特にございません。

○森田小委員長

 わかりました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、御発言をお願いいたします。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 診-1-1でございますが、9ページを見ますと「一般病棟入院基本料等の見直しについて(その2)」の中に、地域包括ケア病棟の届出状況が入っています。これは意見ですけれども、前回の26年度調査では、地域包括ケア病棟入院料の創設ということで、一般病棟入院基本料等の見直し(その1)とは別立てにして調べていますので、今回も別にしてもいいのではないかという気がいたします。

 一方、4ページなどを見ますと、その前提として「入院医療の機能分化連携の推進について」と書いてあるわけです。前回の改定では、そういった趣旨を踏まえて、病院ごとの機能分化が進むように、例えば、総合入院体制加算をとる病院は、療養病棟がとれないといったことを入れたわけですが、改定後の状況を見ますと、急性期の大病院を中心に、一部に病院内の機能分化、いわゆるケアミックス化が起きている状況もあるようでございますので、そうなると、機能分化と連携という趣旨にそぐわない状況が起こってくる可能性があります。入院医療の機能分化連携には、病院内の機能分化ではなくて、病院ごとの機能分化が必要ですので、そういう意味で、今回の診療報酬改定では、病院ごとの機能分化が進むようにする必要があると考えますが、それについて、事務局はどのようにお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。

 具体的には、例えば、特定集中治療室管理料をとっている病院の地域包括ケア病棟の届出状況がどのぐらいか集計できるのなら、それがどのような状況になっているのか教えていただきたいと思います。

 以上です。

○森田小委員長

 ありがとうございました。

 これにつきましては、医療課長、どうぞ。

○宮嵜医療課長

 地域における医療機関の機能分化と連携の中で、御指摘がありました医療機関内での分化、連携の話もございましたが、多分、医療機関が置かれている地域の立地の問題とか、いろんな状況があると思いますので、そういういろんな要素も勘案しながらどういう形がいいかというのを、この中医協の場でさらに御議論いただければと思っております。

 そういう流れの中で御指摘のありました、例えば、特定機能病院で地域包括ケア病棟という話がありましたが、今、ちょっと手元にはないのですけれども、今後、御議論に資するような形でデータは出せると思いますので、準備したいというふうに考えております。

○森田小委員長

 鈴木委員、よろしゅうございますか。

○鈴木委員

 中小病院には、従来からケアミックスがあるわけですけれども、大病院はケアミックス化ではなくて、むしろ高度急性期、急性期医療に特化することによって、その他の中小病院等と機能分化連携が進むようにしていかないと、本来の趣旨である、機能分化と連携が進まないで、大病院の中の機能分化、ケアミックス化で終わってしまい、改定の方向性とは逆行してしまうおそれがあるので、そこは十分配慮していただきたいと思います。

 以上です。

○森田小委員長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。特にございませんか。

 では、中川委員、どうぞ。

○中川委員

 今、武藤分科会長が報告していただきましたように、これから、前回改定の影響、どのようになったのかという実態が明確になってくるのだと思いますが、この時期にですが、最近中医協として各側が明確に認識を共有しておかなければならないということがあると感じましたので、あえて発言させていただきます。

 特に4月になってからですが、2020年のプライマリーバランスの黒字化という錦の御旗を掲げて、社会保障、特にその中の医療費の削減を経済財政諮問会議、財政審が強弁しています。

 この中で看過できないのは、改定したばかりの診療報酬の個別項目に対して具体的に、例えば、点数を引き下げるとか、見直すとかというふうに言及していることです。

 一例を挙げると、今、分科会長が御報告になった7対1入院基本料の状況、この要件をさらに厳格化すべきだとか、点数自体を下げるべきだといったことを強弁していることです。

 委員の皆さんには、特に釈迦に説法ですが、診療報酬は、2年ごと、決められた改定率のもとで少しでも国民に対する医療の提供がよくなるように、厳しい財源のときには、少しでも悪くならないように議論を尽くして決められてきたと思います。

 経済財政諮問会議や財政審が、このように診療報酬改定の具体的項目に言及することは、中医協に対する圧力もしくは越権行為にも当たるのではないかと思います。2つの会議に対しては、強く自制を求めたいと思いますし、中医協の事務局に対しては毅然とした姿勢をもって、それに対応していただきたい、影響されることがないようにぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

○森田小委員長

 ありがとうございました。

 それは、御意見として承っておくということでよろしゅうございますね。

 ほかに、白川委員、どうぞ。

○白川委員

 今の中川委員からの御発言で、認識を共有すべきではないかという御指摘でございますが、私もほぼ中川委員の意見に賛成です。中医協で1年に数百時間をかけて与えられた財源の中でバランスを見ながら、どのようにすれば一番効果的な配分ができるかということを念頭に議論を尽くして決めており、これが中医協の唯一最大の使命と認識をしておりますので、我々もそのような矜持をもって議論に臨まなければいけないと認識をしております。

 確かにおっしゃるとおり、さまざまな政府の機関からいろいろな意見が出ており、それは、ごく当然のことだと思っておりますが、少なくとも我々委員は、それは1つの意見として尊重するにしても、個々の問題に関しては、1号側、2号側あるいは公益委員の方々と議論を尽くして決めていくというスタンスは、これからも維持していかなければいけないという点については、私も同感でございますので、あえて申し上げておきたいと思います。

○森田小委員長

 ありがとうございました。

 ただいまのも御意見ということで承っておきます。

 では、ほかに、万代委員、どうぞ。

○万代委員

 私も意見として、皆様と同様の趣旨で申し上げたいと思います。

 やはり、中医協として、白川委員おっしゃるように、かなりの長時間、前回の白川委員の御発言をお借りすれば、お昼御飯も食べないで一生懸命審議していると、そういう審議をないがしろにするかのような諸所の発言というのは、これは、やはり中医協をないがしろにする可能性もあると考えております。

 さらに、中川委員がおっしゃったように、7対1病床を減らそうとの主旨で、具体的な項目を挙げての議論というのも、それはそれでいいと思いますけれども、さらに、7対1以外の入院基本料との間で診療費の設定を平準化するなどと、より具体的なところまで踏み込んで議論するのは、やはり中医協の議論をないがしろにすると考えておりますので、皆様と同感の意見ということで申し上げたいと思います。

 以上です。

○森田小委員長

 ありがとうございました。

 ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本件に係る質疑は、このあたりとしまして、本日の総会に報告させていただくということにしたいと思いますけれども、よろしゅうございますね。

(「異議なし」と声あり)

○森田小委員長

 ありがとうございました。それでは、そのようにしたいと思います。

 本日の基本問題小委員会の議題は、以上でございます。

 なお、次回の日程等につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の基本問題小委員会は、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。

 続まして、総会は5分の休憩後、委員の皆様が着席されたら開始するということにいたします。

 では、休憩に入ります。


(了)

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