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2015年5月13日 第17回 緩和ケア推進検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成27年5月13日(水)
17:00〜19:00


○場所

田中田村町ビル 8E会議室(8階)
(東京都港区新橋2−12−15)


○議題

(1)緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループの報告
(2)在宅緩和ケアの質の向上や医療連携の推進について
(3)その他

○議事

○がん対策推進官 定刻となりましたので、ただいまより、第17回「緩和ケア推進検討会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 本日の構成員の出欠状況について御報告いたします。

 本日は、小川節郎構成員が御欠席、中川恵一構成員が若干おくれるとの御連絡を受けております。

 本日、参考人としまして、国立がん研究センター東病院精神腫瘍科長の小川朝生参考人、それから、同じく国立がん研究センターがん医療支援研究部長の加藤雅志参考人に御出席いただいております。

 また、前回に引き続きまして、医政局地域医療計画課在宅医療推進室から、平本梨花室長補佐に出席いただいております。

 それでは、資料の御確認をお願いいたします。

 座席表

 議事次第

 資料1 緩和ケア推進検討会開催要綱

 資料2 緩和ケア推進検討会構成員名簿

 資料3 「緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループ」における検討経緯

 資料4 緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループでの議論の内容(2)

 資料5 緩和ケア推進検討会等の議事概要(地域緩和ケア抜粋)

 資料6 超高齢社会を支える在宅医療・介護・生活のプラットフォームの創造

 資料7 拠点病院と地域との連携(小川参考人提出資料)

 資料8−1 がん対策における緩和ケアの評価に関する研究結果報告(加藤参考人提出資料)

 資料8−2 がん対策進捗管理指標「緩和ケア分野」(加藤参考人提出資料)

 資料9 がん対策推進基本計画中間報告書(案)抜粋

 参考資料が1から7まで付されてございます。

 以上、資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。

 特にないようでしたら、以後の進行は花岡座長にお願いいたします。

○花岡座長 皆さん、連休明けのお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 それでは、本日は「緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループの報告」と、前回に引き続きまして、「在宅緩和ケアの質の向上や医療連携の推進について」を議論したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、議題の(1)のほうから始めたいと思いますが、まずは資料3、4に基づきまして、ワーキンググループのグループ座長の池永構成員より御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

○池永構成員 ありがとうございます。それでは、行われましたワーキンググループの会議について御報告させていただきます。

 第16回、17回を前回の緩和ケア推進検討会以降に行っており、主には緩和ケア推進検討会のない月に実施しております。現在、医療用麻薬について、また実地調査の報告、あと地域緩和ケアについての議論を進めている最中でございます。実地調査は、第7回、8回といたしまして、千葉医療センターと千葉県がんセンターで行っております。同じ日に行っておりますが、両病院ともにおおむね良好な緩和ケアの提供がされているという報告がございましたが、まだ現在、スクリーニングの実施については、全ての患者さん、また全ての外来患者さんにとっては十分ではないということもあり、今後、そのようなスクリーニングをどのように実施していくかということについて具体的に検討していかないといけないというような報告がございました。

 特に千葉医療センターは、総合病院でさまざまな疾患の患者さんとともに、ある意味、がんに関しては、少ない体制でも、努力して緩和ケアを提供しているという現状がございましたし、千葉県がんセンターにおきましては、がんの専門病院で緩和ケア病棟もあり、大きな体制で提供しております。このように、がん専門病院と総合病院との違い、施設の差などを同等に評価することができない難しさ等もあるということも報告に挙がっております。

 以上のような実地調査の報告がございましたが、引き続きまして、ワーキングの議論の内容について、資料4で御報告いたします。

資料4、ワーキンググループでの議論の内容でございますが、まず、「がん疼痛への対応について」でありますが、これにつきましては、細川班の研究を中心にがん診療連携拠点病院におけるがん疼痛治療の評価方法についての検討がなされております。また、その中で得られた具体的な4つの評価方法ですが、1つは、痛みの強さ、NRS11段階、あと、痛みの及ぼす生活への支障、NRS11段階、あと、痛みに対する医療者の対応。対応してもらえているかどうかというものをPOS(パリアティブ・アウトカム・スケール)という5段階の評価指針で行っております。あと、4番目がナースから見た痛みの度合いのPOS、5段階で評価しております。NRSの部分を回答できない患者さんもおられるということですので、このような評価指標の試行調査までが行われているという現状です。

いずれにいたしましても、今後、一定の評価方法で全国の拠点病院で活用されて、継続的な疼痛緩和というのが全国一定の基準によって維持されることが望まれるだろうということであります。

また、引き続きまして、がん患者の痛みと医療用麻薬の使用量を実測し比較検討している研究等が行われたり、それを進めていく必要性があるだろうということです。拠点病院によって麻薬使用量が多い施設と少ない施設と中間の施設に分けられるのですけれども、特に医療用麻薬の使用量が少ない施設においては、徐々に年々使用量が減少しているというような傾向も見られております。

 この背景として、拠点病院は急性期病院であり、なかなか終末期までみていない病院もあり、そういった場合に麻薬使用量が減っているのが、患者背景が麻薬の使用量の減少にあらわれているのではないかという点も考察されており、その背景となる患者層の変化などもより深く調査して、その施設における疼痛治療の質の評価につなげる指標の開発が可能かどうかということを検討していく必要性があると報告されております。

 また詳しいこの研究については構成員の細川先生からも御意見をいただければと思います。

 2番目でございますが、「実地調査から見えてくるもの」ということでありますが、ワーキンググループにおいては、拠点病院等の緩和ケアの提供体制、特にがん治療医の緩和ケアへの理解、あとスクリーニング、緩和ケアチームや緩和ケアセンターのレベルアップということを中心に引き続き議論を行う必要性があると考えております。

 まず初めに苦痛のスクリーニングですが、苦痛のスクリーニングの徹底に関しては、拠点病院によって取組が行われているものの、やはり実地調査をいたしますとまだ十分ではないと判断されております。特に病院を挙げて、全診療科で統一されたスクリーニング方法によって、外来患者に対しては診察日ごと、入院患者に対しては毎週行われている施設というのはまだほとんどないという現状でございます。また、スクリーニング以上に、スクリーニング結果に基づくトリアージが適切に行われ、適切なスタッフにつないでいくということのほうがより重要であり、単にスクリーニングしたままで、苦痛が放置されないように注意しなければならないと考えられます。そのために、スクリーニング後の対応を徹底させるための専門・認定看護師やスクリーニング体制を補助する事務職の人的な保証も重要であるということが実地調査で明らかになっております。

 各拠点病院においての取組というのが期待されますし、その中で先進的な施設の取組については、モデルケースとして全国の拠点病院に発信していく必要性があると考えております。

 次に現況報告書でありますが、実地調査では、現況報告書について国が求めている基準で適切に記載されていないというところ、また、現状を十分に反映されていないことも多かったということがわかってきております。「整備されている」という項目に「はい」と記載されていても実際は行われていなかったり、適切な人員配置が行われてないというような現状もございます。書面だけで評価するのではなくて、実際に実地で確認する必要性が求められるだろうということです。また、実地調査を行うメンバーの緩和ケアに関する知識も十分であることが求められます。さらに、現況報告書が事務部門だけで作成されているという現状もあるため、国の方針が十分に現場スタッフまで浸透していないということも認められているということです。

拠点病院においては、指定要件強化に対して、ただ要件を満たすだけでよしとするような施設もあるようですが、指定要件強化の意とするところを十分に認識していただけるように普及啓発していく必要もありますし、緩和ケアも含めた診療機能の充実によって、患者さんに対する診療の質の向上をもたらすことに努めなければならないということを考えております。

 あと、緩和ケア研修会の修了率に関しては、まずは「がん患者の主治医や担当医となる医師」を中心に評価するのがよいのではないかという意見がワーキンググループで多数を占めております。その中で、少なくとも平成28年度内には9割以上の修了率を目指すことを目標とすべきであり、拠点病院の達成目標から鑑みて、そこまで至ってない施設に関しては、修了計画書などを提出させることにより、計画的に修了医師を増やす必要があるということでございます。また、初期研修医2年目から5年目についても修了率を評価する必要があるということでありますが、研修医はどうしても緊急対応や時間外の呼び出しというのも少なくないため、受講しやすい環境を病院長に依頼することも重要であるということがわかっております。

このような点で、下の*印のところにありますが、上記の意見を踏まえ、現在、都道府県を通じて各拠点病院に「9割以上の修了率」を目指す「計画書」を提出するようにがん対策・健康増進課より求めているという段階でございます。

あと、現在のところ、修了率が高い施設と低い施設が認められております。研修医が多い大学病院等ではなかなか難しかったり、病院長の受講や各診療科の部長の受講などが施設内の意識に非常に影響しているということもありますので、今後、病院長や教授などを対象とした、いわゆる管理職に対しての緩和ケア研修会の開催も有効ではないかということで、この点についても、委託事業等も含めて検討中であるということでございます。

3番目はPDCAサイクルですが、拠点病院における緩和ケアのPDCAサイクルの構築に関しては、緩和ケア領域において「質」を反映する指標が少ないことから、本日、加藤参考人から報告もあるかと思いますが、そのような指標の確定とともに、今後、より深いレビューも必要ではないかということが検討されています。特にピアレビューと言われる拠点病院間における相互評価を行っていくということも一つの案として提案されております。そのためには、やはり事務局機能というものが非常に重要であり、今後、都道府県や県外の外部評価者の関与が不可欠になるということであります。この体制づくりについても、国立がん研究センターへの委託として現在準備中であるということが報告されております。

4番目はバッジ・ポスターの配布ですが、主治医や担当医が緩和ケア研修会修了医師であるかどうかということが患者・家族にもわかりやすいように、また一方で、研修会受講のモチベーションを上げるために、修了医師に対するバッジを厚生労働省の委託事業として日本緩和医療学会が作成しております。平成26年3月に配布し、着用を依頼しております。現在、2万2,000個、拠点病院の修了医師に配布が終了しております。また、患者・家族には「苦痛やつらさを伝えてほしい」、医療従事者には「苦痛やつらさを受けとめてほしい」ということを伝えるだけでなく、それらを積極的に普及啓発することを拠点病院の重要な役割として周知徹底していただくために、普及啓発用のポスターを作成し、各拠点病院に配布しております。ポスターも1万2,000部配布が昨年度で完了しているという状況でございます。

最後に地域緩和ケアでありますが、地域包括ケアシステムというのは、疾患に限定した体制づくりを目指すのではなく、既存の地域リソースに基づいた医療・介護・福祉の提供体制の包括的な構築を目指したものであると考えられます。特に終末期の高齢患者さん、または認知症をお持ちの患者さんが特に強調されているという点もございます。しかし、がんに関しては、病状の急速な悪化や症状マネジメントの配慮というものが非常に必要であり、また時にオピオイドの使用等も必要になってまいります。現在の地域リソースでも十分でない場合もあると考えられております。

また、がんに関しては、国は拠点病院、2次医療圏を中心とした地域連携システムの構築を検討してきたという経緯も踏まえて、今後、より小さい中学校区を中心とした地域包括ケアシステムの中に拠点病院や緩和ケア病棟が連携を深めていくことが重要であると考えられます。

具体的には、拠点病院の緩和ケアチームが、入院患者の退院支援を積極的に調整する。あと、在宅医や訪問看護ステーションと連携し、在宅に戻っても入院中と変わらぬ疼痛緩和や症状緩和を確保する。また、万が一疼痛が増悪した場合の対応方法を在宅医や訪問看護師と確認し、患者・家族に伝える。症状悪化時のバックベッドを確保する、など積極的な役割を担うことが期待されます。

加えて、近年、がん患者は入院から外来に移行しているということから、拠点病院での外来において、地域リソースと連携した在宅支援を調整することも、拠点病院の緩和ケアの提供体制、機能として求められるのではないかということです。拠点病院や緩和ケア病棟にある専門的な緩和ケアの提供体制(緩和ケアチームや緩和ケア外来等)を地域包括ケアシステムの中でも有効活用できるような、専門家が地域に行って一緒に協働するというアウトリーチ機能というものを充実させ、より有機的に既存のリソースを地域で活用できるということが期待されるだろう。あと、今後、緩和ケア病棟のあり方についてもワーキングで議論していかなければならない。また、緩和ケア病棟と地域の緩和ケアについて論議していかないといけないと考えております。

最後、※印、病院外でのがん相談支援についてということでありますが、17回のワーキングでは、白十字訪問看護ステーションの統括所長である秋山正子氏から、東京都新宿区のマンションの一室で2011年から取り組まれています「暮らしの保健室」の活動と、2015年、この秋にオープンする予定の「マギーズ東京」のコンセプトについてお話を伺いました。

秋山氏が強調された点は、相談支援を病院外で行うことによって、患者さんや御家族が自由に心を開くことができるという内容でありました。もう一つは、がん患者に関する相談についてはやはり医療に関するものが多く、特に「暮らしの保健室」においては訪問看護師の役割が重要であるということでした。また、がんにより特化した相互支援を行う場としての「マギーズ東京」では、ボランティアで協力するがん看護専門看護師や認定看護師の役割も重要であるということでした。いずれも行政や寄附などによる財政支援というものが不可欠でありますが、このような病院外の相談支援の実践が、今後、がん患者や家族への相談支援のあり方に一定の示唆を与えるのではないかと考えられます。

また、ワーキング会議においては、東京都で地域医療に取り組まれている行田医師から地域在宅緩和ケアの課題について資料を御提出いただきました。現在、先生が考える課題としては、地域在宅緩和ケア医に関する情報が不足しているということ、情報提供体制が未整備であるということ、在宅緩和ケア医の「質」が担保されていないということ、緩和ケアに精通した介護職の育成が重要であろう。がんという疾患の特殊性に考慮した地域緩和ケアが重要である。また、訪問看護ステーションの不足と、その「質」の担保、在宅医療を担う者の価値観・認識がそれぞれ違うということ、診療報酬での評価等が今後の課題として挙げられるのではないかという御報告がありました。

以上でございます。長くて申しわけございませんでした。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

ただいまの御説明でございますけれども、特にがん疼痛の対応についてということで細川班の研究がここに載っておりますが、細川先生から何か補足事項ございますか。

○細川構成員 ありがとうございます。

去年のデータに基づきまして引き続き今年もやっていきたいと思っているのですけれども、形だけの研究というよりは、先ほど池永先生がおっしゃったように、そういった施設で実際に使えるツールを探していこうということになると思うのですね。そういった意味では、昨年の研究で、新たなツールをつくるというよりも、今まで多くの施設で使われているツールが果たして機能しているかどうかという点におきましては、結構使い勝手がいいものだというところも出てまいりましたので、そういったあるものを使ってつくっていきたいということが1点と、それから、先ほどちょっと指摘がございましたように、医療用麻薬の使用量に関しまして、幾つかのパターンができているわけですけれども、大ざっぱに見ますと、特に患者会の皆様方から挙がってくる、ある意味、ほうったらかしのような状態のところというのはやはり使用量が少ないという傾向があるのですね。そういったところはやはり使う方向にいってほしいのですけれども、中庸の部分はそれなりにできていると。

意外に減少しているところは、ある意味、放射線療法をうまく使ったり、それから神経ブロックを使ったりということ。それから、弱オピオイドでありますトラマドールというお薬が計測に入ってきてないのですけれども、こういったものをうまく使って、割と早期からコントロールがいいということで逆に使用量が減ってきている側面もあるということで、全体で一言でやるというよりは、どういった施設でもっと使うように指導すべきであるか、それ以上のところは別にそういうことは考えなくてもいいということと、それから、今回、昨年は医療用麻薬で、いわゆる医療用麻薬に指定されているオピオイドだけでしたけれども、できれば電子カルテのわかる人と薬剤部の人どなたかがおられれば、机上の作業だけでトラマドールのキャンサーペインに使われている量というのを把握できますので、それをモルヒネ換算、これも大体5分の1ぐらいの計算でできますので、そういった中で、そういったものが使われていることで全体の医療用麻薬が減少している可能性も十分考えられるというような検討もしてみたいと考えております。

それと、非常にコントロールの悪い症例について一体どのようなことがなされているのかを、できればがん専門にやっている病院を通じてまず行ってみて、そこで何らかの形が出れば、それ以外のがん診療連携拠点病院にも落としていくということと、そういった流れの中で特殊な場合にどんなことをやっていけばいいのかという、つまり、オピオイド鎮痛薬だけを使用するのではなく、いわゆるインターベンション、IVRですね。放射線治療とか、神経ブロック等々の痛みの専門的な治療、そういったものがどの位置に置いたらいいかということで、アルゴリズムという感じになると思うのですけれども、そういうものも構築できればと考えております。

 以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

以上の御報告等を踏まえまして、どなたか御意見、御質問等ございますでしょうか。

池永先生、特に地域緩和ケアについて強調されておられますし、また緩和ケア病棟のあり方も今後の検討の予定ということでございます。よろしゅうございますか。

 小笠原先生、何かございますか。

○小笠原構成員 ありがとうございます。

今、大体お聞きしてそのとおりだと思うのですが、在宅の地域の患者さんは、確かに緩和ケア病棟ドクターとか緩和ケアチームのドクターがスキルを教えていただくこともいいとは思うのですが、現場で在宅緩和ケアをやっているプロフェッショナルが、今、日本中結構増えてきているものですから、我々が行って教えるというシステム・教育的在宅緩和ケアも本当は必要かなあと思っています。具体的には病院で非常にコントロールの悪い症例については在宅緩和ケアを専門に診ている診療所に退院させ、比較的容易な症例はかかりつけ医などの一般開業医に退院させて我々がサポートしていくという形で在宅で緩和ケアのできる医師を増やしていくというシステムです。

ただ、そこは診療報酬が全然ついてないものですから、なかなか広がってないだけです。今、岐阜では、我々が教えに行ったときに報酬をつけるようにしていますと、少しずつ広がってきていますのでそのシステムが日本中に広がっていくと良いと思っています。在宅緩和ケアというのは、緩和ケアのスキルと同時に生活の支えと両方要るわけですから、両方知っている者が教えたほうが効率いいと思っています。がんの連携拠点診療所の緩和ケアチーム、緩和ケア病棟と我々の3方向からかかりつけ医の先生方をサポートする、そういう体制が必要かなあと常々思っております。

○花岡座長 どうもありがとうございます。そのほかよろしゅうございますか。

 どうぞ、前川構成員。

○前川構成員 ワーキンググループのメンバーでこんな質問するのはためらわれるのですけれども、4番のポスターの配布についてです。各拠点病院に30枚ずつ配布したとありますが、院長先生宛てかがん相談支援センター宛てかということと、もう一点は、30枚配布したと聞いて、私、きのう、ある拠点病院の外来を回ってみましたが、貼ってあるのが、患者サロンに1枚、麻酔科に1枚のみで、患者さんが多くいらっしゃる待合、ロビーですか、まだ貼るスペースがあるのにそこにもなかったということで、外来の患者さんが見ることのできるのは2枚だけだったのですね。そういうあたりの把握とかはどうなっていますか。

○池永構成員 ありがとうございます。

1つ、ポスターの配布とバッジの配布、両方とも病院長宛てにさせていただいております。あと、バッジの配布も病院長が配布を完了したということを報告書として提出していただくようにしております。ただし、前川構成員がおっしゃるとおり、それがいかに活用されているかということを今後あわせて評価していかなければならないとは思います。

○花岡座長 ありがとうございます。

時間の関係もございますので次に移りたいと思いますが、引き続きまして、(2)の「在宅緩和ケアの質の向上や医療連携の推進について」に移りたいと思います。事務局から、資料5の説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 それでは、資料5「緩和ケア推進検討会等の議事概要(地域緩和ケア抜粋)」をご覧ください。

 これはほぼ以前お示ししたとおりですのでもう繰り返しませんけれども、前回部分のみ、簡単に改めて御紹介いたします。前回の議論の地域ケア部分ということになります。

 「地域において緩和ケアを提供するための施策の方向性について」ということで主な議論をまとめていますが、がん診療連携拠点病院、緩和ケア病棟、在宅医療間で、相互人事交流等があるとスムーズな連携があるのではないか。

 かかりつけ医のように、「人」の暮らしや「家」での生活を知っている、また、在宅医療の技術・スキルがあること、緩和ケアの技術・スキルがあること、これらの3つが必要ではないか。

 また、看取りの場について、在宅、病院、緩和ケア病棟はそれぞれ選択肢ということなので、どこが一番かは患者によって異なる。大切なのは、ネットワークの構築ではないか。

また、医学部教育で在宅医療に関する機会を増やす必要があるのではないか。また、地域のチーム医療として、薬剤師、管理栄養士、ケアマネ等の介護従事者の研修をどうしていくかということが必要なのではないかというような御議論がございました。

もう一つ、参考資料7をごらんください。これは前回お示ししたものなので、こちらも簡単にとどめますけれども、これからヒアリングを行っていくに当たりまして、前回お示しした論点をちょっと改めて確認しておきたいと思います。

「対応の方向性」というところだけ簡単に触れますけれども、地域包括ケアシステムの概念を踏まえつつ、入院医療機関が診療所等と連携し、患者とその家族の意向に応じた切れ目のない地域完結型の在宅医療の提供体制を構築するための方策についてどう考えるか。

それから、拠点病院や緩和ケア病棟の医療従事者が在宅医療従事者と情報の共有・統合を行い、緊急時の受け入れ体制を整備するための方策についてどう考えるか。

既存の地域リソースを最大限利用するため、拠点病院や診療所等の関係施設間の調整を行う機能をそれぞれの地域の特性に応じて確保する方策についてどう考えるか。

最後に、在宅緩和ケアを担う医療・福祉従事者向けの研修等を拠点病院や診療所等が連携して実施することについてどう考えるか、といったことが論点のたたき台として挙げられておりました。

こうしたことですとか前回の議論等々を踏まえまして、きょうは議論を深めていかなければと思います。よろしくお願いします。

○花岡座長 ありがとうございます。

それでは、武藤構成員より、資料6「超高齢社会を支える在宅医療・介護・生活のプラットフォームの創造」ということで、都市部の訪問診療についての現状等に関する報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○武藤構成員 貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。

我々は、2010年1月に、文京区に在宅医療を中心とする診療を提供するクリニックをつくりました。後でお話ししますように、震災後の宮城県石巻市に、2011年9月にクリニックをつくりました。在宅医療をやろうと思ったのは、終末期の方を在宅で支えたいという思い、そしてこれから社会の高齢化が進行する中で高齢者が孤独で過ごしていく社会環境を少しでも変えていきたいという思いです。

 4ページを見ていただきますと、現在職員は80名の体制で行っております。東京で600名、石巻で200名の患者様を診させていただいていますので、合わせると約800名の患者数となります。800名のうちおよそ600名が居宅、200名が施設になります。在宅看取りが、年間150名近くになりますので、在宅での看取りも多いクリニックだと思います。

 日本の在宅医療における緩和ケアの課題の一つは、すばらしい先生のいる地域はすばらしいケアが実現できているが、そうでない地域は必ずしもそうではないということです。あまりに属人的ではなく、また誰かに負担が集中しないように、質の高い在宅医療を仕組みとして供するにはどうしたらいいかと考えてきました。結果、ITシステムも活用した在宅医療と介護の仕組みを構築してまいりました。

 5ページに院内の概要が書いてありますが、在宅医療に対応した在宅医療クラウドシステムを開発し、コンタクトセンター、メディカルクラークセンターを設置して運用を支えています。コンタクトセンターというのは夜間オンコールの一時受けでありまして、病院で言えば、まずボタンを押せばナースにかかるように、医師に直接電話が行くのではなく、まずナースが情報整理をしてから医師につなぐシステムです。

 それから、これだけの規模になりますと事務作業を1カ所に集約してやったほうが効率も良いということもあり、石巻市にメディカルクラークセンターを置いています。ここでは医療事務だけではなくて、医師が移動中の車の中で吹き込み、カルテの文字起こしをしています。医師は、帰りますとカルテの下書きができていますので、それを簡単に修正するだけでカルテ作成が終了できます。これを導入したおかげで、1日で約1時間の労働時間が減ったという医師もいます。その分、患者さんに時間を使うことができております。

 それから当院では多いときは1日100件ぐらい、8チームで回っています。このような複雑なスケジュールを、頭のなかで全部調整することはできません。そこで在宅医療クラウドシステムを開発しました。このシステムを活用すれば、最適なルートを容易に作ることができます。また緊急往診の場合には、どのチームが一番近くにいるかを院内で判断してもらいます。このように臨床チームが臨床のみに集中できるようにしています。

 7ページでは、これが先ほど申し上げたメディカルクラークセンターのご紹介です。移動中にカルテを口述すると下書きができるので、非常に便利です。

 8ページ、メディカルクラークセンターの設置により費用削減ができています。我々の調査では1カ月当たり、医師が実際に直接入力すると約40万円分の人件費がかかるわけでありますが、このクラークセンターを使いますと約10万円で済みます。このように在宅医療もある一定の規模になると、効率化しながら、質の向上に力を向けることができると考えています。

10ページ。今までは院内の仕組みのご説明でしたが、これ以降のスライドではさまざまな職種が情報共有する仕組みをつくってまいりましたことをご説明致します。これは主に石巻で、約3年かけて構築してきたものです。医師、薬剤師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、介護施設職員、家族、そして患者本人がクラウド上で、必要な情報を共有することができる仕組みです。

 もちろん、いきなりできたわけではありません。2012年度は、システムを開発した後にタブレット端末をお渡しして10事業所で使っていただいたのですが、入力負荷が非常に多いことが課題となりました。そもそもタブレットの使い方がわからないという人もいました。翌年度はフィールドサポーターというメンバーを2人ほど配置して、タブレットの使い方から教えて、その上でシステムを使ってもらいました。さらに進んで、先ほどの口述の考え方を地域に開放しまして、訪看さんが訪問したときに、記録内容をセンターの連絡先に音声を吹き込んでいただくと我々が代理で入力、もしくは訪看さんなどが訪問したときの訪問記録をファックスしてもらうと、シェアする情報の一部をこちらで入力する、もしくは患者さんのおうちにある介護ノートを書いた後に写真を撮ってシステムにアップしてもらうと、こちらで入れる。こういった取り組みから、劇的に集まる情報は増えてまいりました。

一方で、集まる情報が増えると混然としたことになってきます。現在は、この情報をそれぞれの職種がどのように使うかを議論するワーキンググループを頻度高く開催することで、運用を深めています。このシステムをどのようにみんなで使うか、この患者さんではこういう情報を共有しましょうということを一つ一つやっています。そういう意味で、3年かけて現場に則したものになってきたと思います。

 このシステムでは、訪問記録、バイタルサイン、食事、睡眠、排便などが共有できます。一番使用されているのはメッセージの共有です。患者さんの家族もメッセージを送る取り組みも行いました。患者さんの遠く離れた家族が、「最近父のことが心配ですけれどもどうですか」といったようなメッセージに、誰かが答える。もしくは「薬をちゃんと飲んでいるかわからない」ということがあれば、お薬カレンダーを薬剤師さんが写真に撮って、そこにアップするということもできます。それを見て、チームで「お薬をきちんと飲むように促しましょう」といったかなり密なコミュニケーションが可能になります。また、スケジュールも同じようにカレンダーで共有できますので、わざと予定をずらしたり、一緒にしたりといったことができます。

採血データや各指示書もここにアップできます。今までであれば、採血データを訪問看護師さんはすぐに見ることができなかったわけでありますが、これがあることによって次の看護や介護に生かすといったことができています。また、褥瘡の写真をアップすることによって定点観測的に状況を見ることができます。

 こういったことをすると、「システムを使うのが負担で、大変だよね」という意見が出てくるのですが、実際大変です。自分のシステムとこのシステムへの二重入力の問題というのはどうしても生じています。しかし、16ページを見ていただきますと、情報が増えたと言っている人は約8割いる。一方で作業量が増えてないと言ってくれる人も8割います。つまり、3年間かけてみんなで運用を最適化してきたので、負担が少なく効果があるものに進化できました。

17ページで、先ほど申し上げたように、フィールドサポーターを置いて、ICTリテラシーを地域の中で全体的に上げるという取組をしてまいりました。また、ベースは顔の見える関係ですから、ワークショップやチーム会議を頻回に行ってきました。

18ページで、最初は祐ホームクリニックが発起人となって始まった取組ではありますが、地域の医師会の全面的なサポートをいただき、行政からも支援をいただいて、去年の7月からは石巻市医師会を中心とした新しい協議会を作ることができました。ここには地域の主要な在宅医療と介護にかかわる方々、病院、在宅の医師、訪看、ケアマネジャー、薬剤師、ヘルパー、介護事業所に入っていただきました。現在、医師会の一つの活動として宮城県から助成もいただき、我々は事務方になり支援しています。

19ページ、次の発展形についてです。様々な地域でいろいろな情報共有の仕組みができていて、それはもちろんすばらしいのですが、これからこの仕組みが広まるときに、余り地域ごとにローカルルールがあるとよくないと思います。病院の電子カルテがなかなか連携できなかったように、地域でいろんなシステムができるほど混乱するということも想定されます。そこで、現在は厚労省によって、こういう項目を共有しましょうとか、このように個人情報の承諾書をとろうとか、運用ガイドラインがつくられつつあります。私達も現場の立場から、意見を述べさせて頂いています。

 もう一つが、さまざまなITシステムができ上がっているので、互いの情報共有、互換性を持つような基盤がないといけない。既存のシステムをいかにつなぐかということで、こちらは総務省と連携しながら全国規模の情報共有システム基盤をつくっているところであります。

 ここまでは医療・介護の分野ですけれども、実際に被災地に行って深く感じたのは、生活そのものが成り立っていない環境の中では、医療も介護も存在しない、ということです。我々が行って石巻で見た光景というのは、21ページの右上の写真のように、避難所にも住まず、壊れた家の2階に住んでいるような方たちの姿でした。このような在宅被災者がたくさんいらして、電気などのライフラインも充分でない中、耐えながら暮らしていました。患者様以外でもそういう人がたくさんいることが分かってきたものですから、なんとかしなければと思ったのです。そこで、石巻医療圏健康生活復興協議会を立ち上げまして、在宅被災者と言われる1.5万人の人々の世帯を一件ずつ訪問して、支援するという仕組みをつくりました。最終的には、2万世帯を戸別に訪問して、1万世帯の調査をして、必要な人に対して3,000件の支援を届けました。

 こちらも情報蓄積のためのシステムを開発しました。訪問調査では1人当たり1時間かけてしっかりとアセスメントしました。健康状態、生活状態、メンタル、経済状況、家族構成などが調査項目です。これをアルゴリズムなども使いながら、必要な支援(フォロー)を振り分ける仕組みを作りました。必要状況に応じて支援対象を7つのグループに分けました。例えばこの人はメンタルが問題なので、カウンセラーを送るとか、物が足りないので物資支援団体につなげるとか、そういったサービス提供を20153月まで進めてきました。我々の組織だけではなくて、NPO、行政、企業など、そういった人たちがICTを活用して情報共有することによって、包括的なサービス提供ができたと思います。

24ページ、石巻の活動から深く感じたのは、高齢者との直接のインタフェースをどうやって担保していくか。また、これをきちんとデータベースに入れて分析しないと、場当たり的な支援に終わってしまうという。それから、分析した結果、その人たちが必要なカスタマイズサービスを提供していくところまでのオペレーションフローをつくっていけるか、というところが大事だったと思っています。

在宅医療被提供者は、ある程度在宅医療と介護が支えていますが、ではこれから虚弱化していく高齢者の人たちの層をどうするかというのが、次の課題と捉えています。そこで、地域の見守りとして、例えばコンビニ、電気・ガス会社の人、宅配業者などと連携して、彼らが最初に簡単なアセスメントを住民でできるのではと考えています。またモニターやセンサーが、非常に発達していますので、そういったものを使って、在宅医療になる前の虚弱化高齢者を見守っていくことができるのではないか。ここから得られた情報を分析して、早目にサービスにつなげるプロジェクトが出来ないかと考えています。アクティブシニアと呼ばれる方たちは、アプリとかいろんなものを使って自分で健康管理はできると思います。そのアプリなどから得られたデータの分析もできるプラットフォームが今後求められていると考えています。

 高齢者のステージ、状態に合わせながら、包括的にその人が必要なサービスを提供できるのではないだろうかとも思います。例えば、こういう状況であれば認知症がこのように進むということがわかれば、早目にいろいろな対応ができますから、広い意味では予防医療にもなるのかもしれません。そういったものを、ITや新技術を使って、あちこちで実証しているというのが私からの報告でした。以上です。

 

○花岡座長 どうもありがとうございました。

高齢者への健康支援サービスのことまで触れていただきましたが、続きまして、拠点病院の立場で地域緩和ケアを進めておられる小川参考人より、「拠点病院と地域との連携」ということにつきまして、資料7を用いまして御説明をお願いしたいと思います。

○小川参考人 済みません。よろしくお願いいたします。国立がん研究センター東病院の小川です。

 私からは、主に拠点病院の立場で地域との連携についてということで、拠点病院と緩和ケアチームの役割を含めて簡単に資料7に沿ってお話をさせていただきます。

 まず1枚目の下のところの「要約」で主に概要をお話しさせていただきますと、基本は、緩和ケア、あるいは緩和ケアチームというものが日本ではどうしても拠点病院とか、あるいは緩和ケア病棟ということで、施設で提供されるもののように思われがちですけれども、実はこれらのシステムというのは、もともとは在宅をベースに、そして家で過ごすことを支援するためにつくられているという背景があるので、その辺を意識した、日本でも今後の活動というのが重要でないかというところが1点述べたいところです。

 特に緩和ケアチームというのが、日本では今、症状緩和を院内でするチームのように思われがちですけれども、多職種が集まってしているということの背景には、本来は退院とか在宅調整機能を持っているということがあるのですが、それに関するいろいろな支援というのがまだありませんので、恐らく、今後、拠点病院が地域と連携するというときに、幾つかいろんな部門ありますけれども、こういう多職種連携の緩和ケアチームが一つのモデルとなるのでないかと思います。

 また、そのモデルを組む上で大事なのが、拠点病院から地域につながる患者さんの流れを把握するということとリソースを把握するということ。これは先ほど武藤構成員からもお話がありましたけれども、多分、地域との調整とか、あるいはその調整の権限を持つような司令塔が必要になってくる、そのあたりの話をさせていただきたいと思います。

 ページをめくっていただいて2ページ目の上からお話をさせていただきます。緩和ケアにおいて、切れ目のない緩和ケアというのがよく言われておりますが、これは国によってどこに切れ目があるかという事情はいろいろあると言われます。米国においてはやはり保険の問題というのが非常に大きくて、そこの切れ目をどうカバーするかというのがありますし、日本において切れ目のないと言うときには、1つは、拠点病院の中の院内連携の問題と、そして拠点病院と地域との連携の問題という2点がございます。特に今回の話題では、施設外、地域との連携というところになるのですけれども、日本の場合はがんが今、地域包括ケアの中でどのように位置づけられるか、そこの議論とかかわるかと思います。

 もう一点、がん治療において重要になってくる拠点病院と地域との連携ですけれども、今まではどちらかというと、入院をして、そして退院支援をして地域につなぐという話がメインでありましたけれども、今、実際のがん治療というのは外来を中心に動いております。実際に抗がん剤治療を入院よりも外来の通院で行うのが増えてきております。その結果、今までだったら、入院をして、そして在宅を整えて家に帰るという流れがあったのですけれども、今は、例えば内服の抗がん剤とか、あるいは分子標的薬を使いながら、ずっと外来で経過を見ていて、そして、そのまま外来で在宅への調整、あるいは在宅ケアへの移行を考えながらしなければいけないという流れが出てきています。

ただ、現実に外来というものは、看護スタッフも、そして緩和ケアチームも含めて医療者が接する時間が十分確保できないまま、この調整がうまくいかずに、そしてここで立ち往生している例というのもありますので、地域連携というのを考えるときに、拠点病院の中では、入院だけではなくて、外来においてそういう場を確保する、十分にいろいろと患者さんの意向を踏まえて調整する機能というのがポイントになるかと思います。

 このような中、踏まえて動くものとして、3枚目の上にありますけれども、院内の一つのモデルとして、そしていろいろ課題として挙げられつつある「緩和ケアチーム」というのがございます。日本では緩和ケアチームというものが、基本は痛みをとるチームとか症状緩和をするチームというイメージで捉えられておりますけれども、いわれをたどりますと、実はもともとは在宅で緩和ケアを広く提供するために地域ベースに動いていたチームですし、海外では地域につなぐための連携というのを緩和ケアチームの主な役割として持っております。ですので、今、日本では、緩和ケアチームと言うと主に技能のこととかで、症状緩和というのがメインで話されておりますけれども、地域連携を意識する中でいけば、この緩和ケアチームが1つ地域連携のための実践を行う場として、そして、そのモデルとして、院内の教育として2つ動く可能性というのが出てきているかなと思います。

 「緩和ケアの資源の役割分担」というところは、診療報酬で幾つか出ていますが、今のところ、緩和ケアチームというのはまだこのように苦痛への対応が中心ですけれども、退院調整とか、あるいは緩和ケアセンターとかができればそちらでも結構ですけれども、そういう外来を含めて地域とつなぐ窓口として、こういう多職種チームというものが1点検討が進めばよいかなと思っております。

 4枚目に移りまして、「拠点病院の地域連携」で主に緩和ケアのどのようなところが課題か、どのような切り分けがあるかというのを簡単にまとめておきました。地域連携は1つ在宅というのが前面に出るのですけれども、拠点病院というのは、基本、2次医療圏というかなり大きいところを一つの単位としてつくられていますので、純粋に地域だけではなくて、多分、病病連携とか病診連携とかを意識して組んでいくということ。そして、その中で入院中に提供した緩和ケアが地域においても同じように継続して行われるような支援体制づくりというのが重要になってくるのかなと思います。

 今、地域連携というと、ある意味、病院と在宅の先生との連携というのが中心ですけれども、間にいろいろな連携のために病院を経由することも考えられますので、そうすると、その経由する病院でどう緩和ケアを提供するか、あるいは、そこでまだ緩和ケアの提供体制が十分でないならば、例えば緩和ケアチームがそこまである程度支援するというのも1つ大きな課題になるのかなと思います。

 4ページの下に、緩和ケアチームが今行っているアウトリーチの例というのを幾つか挙げておきました。今、この辺に関して十分な診療報酬の支援はないのですけれども、現実、いろんな問題を認識してアクティブに動いている緩和ケアチームがこのようなことをしているというのを挙げております。

例えば疼痛緩和において、1つ、デバイスがいろいろと在宅との間での問題になるという場合には、それを貸し出し含めていろいろと連携をとるというような緩和ケアチームもございますし、認定看護師と訪問看護師が協働でケアに当たるというところは1つ診療報酬で手当てされているところではございます。

また、この辺はまだ数としては少ないのですけれども、実際に家に移った後のアフターケアを緩和ケアチームが1週間から2週間、在宅医と連携して行うというところもございますので、このように、より顔がつながる、症例を通してつながるという場面が出てくると、顔というのが見やすいのかなと思います。

 また、緩和ケア外来というのも院内向けのように思われがちですけれども、これを地域向けに開放すると、家で対応が難しくなった場合に外来につないだり、あるいは家族がなかなか家で話せないものを逆に拠点病院で話すとか、そういう使い分けもできるという点がありますので、この辺はリソースのいろいろな使い分けというのがおもしろいところかなと思いました。

 また、5ページ目に移りまして、この辺の地域連携が進むための課題ということで、拠点病院と緩和ケアチームの実践から幾つかまとめておきました。

5ページ目の下のところには、これは主にアメリカのものですけれども、こういう地域との連携、あるいは地域でいろいろな資源が共同して複合的な問題を持っている患者さん御家族を支援するためにはどのようなサービスが必要かというのは幾つかの提言というものがございます。

こちらはその中の一つで、高齢者とか、あるいは認知症の患者さんとかがんの患者さんとかに複合的なモデルとして挙げているものですけれども、恐らく日本でも地域包括ケア、あるいはがんにおいて地域連携を組むようなときにはこういう項目を組んでいくことが重要なのかなと思います。

項目を見ていただきますと、こちらにも挙げてあるとおりですけれども、ケアマネージャー、あるいはコーディネーターと言われる、いろいろ調整する役割を持った人がいるということと、あわせて重要なのが、こういう患者さんとか利用者を追跡するシステムというのも言われております。きっとこのあたりは、ICTというものが拠点病院と地域がいろいろ連携とれるようになれば実際に患者さんの流れというものが見えてくる、その中でのいろんな工夫というのが出せるのかなと思います。

 また、ワンストップサービスセンターというのは、何か困ったときにすぐにそれに対応できるという窓口で、拠点病院であれば相談支援センターですし、地域でもこういう連携、支援センターというものが構成されておりますので、そういうところの役割もある。その中での情報管理があって、そしてそれを調節する機能というものが必要と言われています。今までいろいろコーディネートの話とか連携機能が重要というのが出てきているのですけれども、連携機能という場合には、それを調節する人と合わせて、その調節する権限を持っているところをどうつくるかというのもやはり課題になってきますので、これが地域の例えば医師会をメインに組むのか、あるいはがんの場合であれば拠点病院がその辺のお膳立てをするのかとか、ある意味、そういうのが具体的な実効性を伴う上で重要なポイントになるのかなと思いました。

 めくっていただきまして、そのほかに都市部等の課題について幾つか御紹介させていただきます。多分、過去に森田先生がこちらで参考人としてお話をされて、実際に幾つか日本でもモデルとして取り上げられているOPTIMというものがございます。OPTIMは、地域の連携を深めると、通常のリソースを持っている、それを効率的に運用することができるというのを示した研究なのですけれども、その地域のリソースがどういうものかによって、実はちょっと地域ごとに課題を持っているというのも現実あり、都市部においてはOPTIMにプラスアルファの工夫が必要かなと思いますので、そのあたり、都市部独特の問題というのを意識しておくことが必要かなと思いました。

 6ページ目の下のところに、特にOPTIMの中で柏地域の話を挙げております。OPTIMでは全国4地域でこういう介入が行われているのですけれども、柏、都市郊外の地域ではなかなか有意に増加するというのは難しかったというところが挙げられております。その理由というのもあわせてOPTIMで検討されておりまして、これが7枚目のところに書いてありますけれども、やはりマネジメントの問題というのが都市部では非常に課題になるというのが言われております。

多分、地域と違って、都市郊外部ですと、そこそこの医療資源はあるのですけれども、医療資源がある分、逆にそこと絶対つながらなければいけないとか、そういう濃い調整が行われないために、かえって中途半端に浮いてしまうというところがある。また、地元意識というのがなかなか少ないので、その辺の意識としてなかなか深い介入が得られないという点。また、多分いろいろと地域のステークホルダーが多いので、その調整というのがやはり都市部は非常に難しいということが挙げられております。

 実際にOPTIMのときに、介護とか福祉に関しても協働というので打診はされたのですけれども、このとき、時期早尚の面もあったのかもしれないですが、医療のことなのでというのでちょっと遠慮されてしまったりということもありますので、ぜひこのあたりをいかに巻き込んでいくか、いかに協働で動くかというのが都市部では重要である。特にいろいろな人がいる中でどのように方向性をそろえるのかというのが、やはり地方ではなく都市独特の問題として挙げられておりますので、そのあたりはこういう地域包括ケア、あるいはがんで、特に都市部で今後高齢者が増えてくると言いますので、その方への支援を考える上では1点強く強調する点かなあと思いました。

 以上、簡単ですけれども、拠点病院と都市部の問題について御報告させていただきます。ありがとうございました。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

それでは、この地域における緩和ケアの推進につきまして、皆様方の御意見、御質問等をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 ただいまのお話の中に、地域連携のまとめ役として医師会がどうのこうのという話も少し出ましたけれども、道永先生、その辺のところは、医師会の議論として何かございますでしょうか。

○道永構成員 医師会の価値を認めていただいたことは非常に感謝しておりますが、地域包括ケアということでは医師会が多分コアになると思いますが、要するに、緩和ケアについては、一番コアになっていただきたいのは拠点病院の緩和ケアセンターです。その方々に、もちろん医師会と連携をしてコアになっていただいて、医師会がその指示で動くというほうがうまくいくような気がいたします。

○花岡座長 どうもありがとうございます。いかがでございましょうか。その辺のところの御意見等、何かございますでしょうか。

 どうぞ、林先生。

○林構成員 武藤先生にお伺いしたいと思っていたのですが、一番最初にこの議論が出ていた、緩和ケアをどの枠組みで行うかと。その地域包括ケアの枠で行っていくのか、一つの特別な枠でやるのかというところですけれども、道永先生がおっしゃるように、恐らく地域にいくがん患者さんは緩和ケアと称すればいいと思うのですけれども、先生がすばらしい枠組みをつくっておられましたけれども、慢性期の患者さんと全く違う。医療密度がかなり違っていて、そうすると、地域包括ケアの大きな枠組みの中で浸透させていくよりは、道永先生のおっしゃるように、がんの患者に特化したような小さなサブチームみたいなものをその中に構築しておいたほうが現実的なのではないかなと思ったのですが、先般の行政の厚労の議論にもあったかかりつけ薬局なんていうのも、24時間対応なんていう話が出ていましたけれども、薬局の中にもモチベーションや、あるいは考え方の違うような薬局があるとすれば、ある程度がん患者さんに特化したような小チームをつくって対応していくような方策のほうが現実的ではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

○花岡座長 いかがでしょうか。

 武藤構成員、どうぞ。

○武藤構成員 おっしゃられたとおりで、我々の診療所の医師の中でもがん患者さんを多く診てきたドクターと、そうでない方がいます。そうすると、がん患者を診ていくチームが次第に決まっていきます。明確には決めていませんが、現実としてはがん患者さんに慣れた医師・看護師から成るチーム、サブチームができています。多分、高い質の緩和ケアを提供できる医師は誰と経験上みんなでわかっているので、その先生にどうしても担当が行くということになっていると思います。

我々の中では、そういう意味ではサブチームがあると言えます。一方で、地域全体を見ると、がん緩和に習熟されたクリニックと、そうでない在宅医療中心としたクリニックや一般の外来の先生もいらっしゃいます。すみ分けのようなものは必要になってくると思っています。

 

○花岡座長 よろしゅうございますでしょうか。

 どうぞ、波多江構成員。

○波多江構成員 特に武藤構成員にお伺いしたいのですけれども、在宅緩和ケアというのは家族も生活の場で看取っていくわけですけれども、家族のためにも、例えば支援してくれる在宅ボランティアであるとか、出かけている間、仕事をしている間に行って診てもらえる、私どもはデイホスピスと呼んでいるのですけれども、そういったことがないと、実際やっていてとても難しい感じがするのですけれども、そのあたり、どのようにお考えでしょうか。

○花岡座長 どうぞ。

○武藤構成員 小笠原先生はおひとり様でも大丈夫だとのことですが、私の意見を申し上げると、独居の方の看取りというのは、私の経験上はかなり難しいのではないかと思っています。また、東京はデイサービスやショートステイなどの、独居の患者さんをサポートする社会資源が豊富であると言えます。ホスピスなどの入院機関も比較的充実しています。ですので、デイホスピスというのはすごく重要だと思っていますが、多分、需要や供給に関しては地域差があるのではないかと思います。

 

○花岡座長 小笠原構成員、どうぞ。

○小笠原構成員 ありがとうございます。

小笠原ですけれども、独居は確かに難しいのです。しかし、一定のスキルがあるとほとんど独居でも看取りまで支えることができるようになります。僕自身も26年やってきて、全くできなかったことができるようになったということでがらっと考えが変わりました。独居の場合はボランティアとかそういう方も入ってもらっています。デイホスピスもやっていますが、その辺のことまでやれると地域はがらっと変わるというか、デイホスピスをやるとボランティアさんが集まってくると言うと語弊があるのですが、そういう相乗効果はあるのですけれども、日本の99%のチームはまだそこまでできてないものですから、これからの課題かなと思います。武藤先生のところはICTを使いうまくやっているということは僕も聞いています。更に遠隔診療も有用ですが、デイホスピスとともに診療報酬がつけばまた世の中ががらっと変わってくるのですが、現在はそれらは全部持ち出しでやっていることですから、なかなか難しいかなと思っています。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

中川構成員、どうぞ。

○中川構成員 拠点病院のあり方について、当然、基本的に全国一律の仕組みをつくり上げているわけですが、やはり都市部と地方とで、特に過疎地域と基本的に医療の提供のされ方が違ってくる。小川参考人の資料の中でも、OPTIMの中で柏地域だけが自宅の看取りが減っているということをおっしゃっておられて、非常に参考になるかなと思うのですね。

武藤構成員にお伺いしたいのは、文京区の中での活動が柏と同じような傾向をとっているのか、あるいは小川参考人のお話を聞いてどのように思われたのか。そのあたり、都市部における、特に緩和ケアのあり方と地方とは違うと思うのですね。御意見いただければと思います。

○花岡座長 武藤構成員、どうぞ。

○武藤構成員 実は、3年前にこのプロジェクトは東京と宮城と両方で始めたのですけれども、東京では1年目だけ実施しました。実際東京ではあまり上手くいかないと感じたので1年だけにしたのです。まず東京には在宅医療に関わるプレーヤーがものすごくたくさんになり、一クリニックの取組は影響が非常に限定的です。新しい取り組みをするために、プレーヤーが多過ぎて複雑な状況で物事が進めにくいのです。例えば、一人の患者さんを、もしこのシステムにリクルートしたい場合には、そこに関わるいろんな人にお願いに行って、この連携に入ってくれませんかと依頼します。そして、次の患者さんには、また別のチームがあるので、一からまたお願いに行かないといけない。東京は、一事が万事、全てそういう形でお願いに行かないといけないので大変な労力がかかります。石巻はプレーヤーが限られているのです。石巻の30程度の事業者が概ね入ると、どんなに新しい患者さんが来ても、そのネットワークの中で完結できます。

 取り組みを広めるにはマネジメントの問題と言われることもありますが、多くのステークホルダーがいる地域を巻き込むには、砂漠に水をまくような作業をやり続けなければいけないので、これは一クリニックでやれるものではないと感じました。

 

○中川構成員 おっしゃるように、例えば文京区本郷の中に拠点病院が2つあるわけですね。特定機能病院として。私、東京都の協議会の委員でもあるのですが、国で決まったことを東京に流し込むときに非常に苦労しますね。東京都が。ですから、それはぜひ厚生労働省としても意識していただきたいなという気はいたしました。

○花岡座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 どうぞ、川本構成員。

○川本構成員 小川先生、いろいろ貴重な御発表ありがとうございました。私どもも、緩和ケアに関して認定看護師とか専門看護師が非常に重要であるということで、よく評価していただいてありがたいなと思っているのですけれども、非常に困っているのが、先生の御指摘にもありましたように、外来のところでぎりぎりまで治療が行われているということです。認定看護師、専門看護師が必ずしもいるわけではないので、外来看護のあり方、体制に対してどのようにすべきかというところが非常に課題になっているというのが1つあります。

 それからもう一つ、違う視点からの質問なのですが、今、緩和ケアセンターが整備されつつあります。結局そこにいる専門看護師等がぎりぎりいっぱいになって対応しているので何とか成り立っているという現状なのですけれども、そういうことに関しまして何か御示唆がございましたらお願いしたいと思います。

○花岡座長 小川参考人、お願いします。

○小川参考人 ありがとうございます。

おっしゃるとおりで、外来は今本当に人が少なくて、特にまた緩和ケアセンターができてもなかなか十分に人が配置されてないというのがあります。そこで、ではどうするかというのは、まだ方向というのは本当に難しいのですけれども、1つは、ある程度、これは理想論みたいなところもあるのですけれども、外来でいろいろ認定看護師とかがその辺少し継続して追える、これは今ですとがんカウンセリングという形で幾つかあるのですけれども、そこまで濃厚でなくてもいいのですけれども、ある程度つながっているというような、そういうマネジメントのような役割というものになっていけばいいのかなと思います。

恐らく、緩和ケアセンターもそういうのを意識しているところだと思うのですけれども、現実は、今のままですと、一回相談に行って終わりとか、そういう一回限りの相談支援のようなイメージになってしまうので、少し難しい方には、例えば2カ月とか3カ月を目安に、何回か定期的にまとまったケアが提供できるという体制、ケースマネジメントと言われるものがやはり必要になってくるのかなあというのは、お話を伺って思いました。

 これは本当に認定・専門の看護師でもいいし、あるいは独居とかでいろいろ在宅のほうの支援が難しい方であればソーシャルワーカーさんが入ってもいいと思うのですけれども、1回2回で終わらない、少し深い話に入っていけるとか、あるいは移行期を少し長い目で支えていけるというシステムが組めればなあと思っております。ありがとうございます。

○花岡座長 ありがとうございます。

それでは、田村構成員、どうぞ。

○田村構成員 武藤先生がとても関心深いお話をしてくださって、ありがとうございます。私どもソーシャルワーカーも被災地でずっと活動していまして、いろんな意味で、まさにこういう状況を地域に展開していく上で必要な多職種協働というところを、このようなITリテラシーを上げながら全体につくっていかれたという中で、被災地という特殊な状況というのもあったと思いますが、それが実際に機能してきたポイントというのは、先生の御立場からはどの辺におありだと、今、分析されているのでしょうか。私どもソーシャルワーカーも、最初のインタフェースをどうつくるかとか、その辺で一つ一つのケースの掘り起こしとか、援助を展開するなどはしているのですが、「ネットワーク」にしていくという部分で何か意見がありましたらお教えください。

○花岡座長 武藤構成員、どうぞ。

○武藤構成員 ソーシャルワーカーの方にも、ずっとお世話になっています。

 震災後の地域だから、受け入れられやすかった部分もあります。我々も今でこそ石巻で受け入れていただいていますが、平時にいきなり開業したらどうだったかわかりません。震災後に在宅医療が必要とされていたので、我々も馴染みやすかったのはあると思います。

また、協議会の設立前は、混沌とした状態でありました。我々がまずやったのは、全体像を一回整理して、一番何をやらなければいけないのかというロードマップをつくりました。それぞれの団体の方たちがやりたいことを理解した上で、そのロードマップを示し、何がどこに足りないのかを明示して、ここをやってもらえませんかということで依頼しました。理解してもらうのは気の遠くなるような話でしたけれども、パズルを一個一個埋めていくという作業をして、足りないところは外部に頼んだり、内部メンバーになってもらうために誰かを連れてきたり、活動資金を集めてきたりするようなことをしました。最初から全てができたわけではないのですが、完成図をまず描き、それをいろんな方に丁寧に説明して御協力していただき、少しずつゴールに到達したという感じです。

 

○花岡座長 よろしゅうございますか。

どうもありがとうございます。ほかにはいかがでございましょうか。

 地域連携にも大きなかかわりがあります薬剤師会のほうで、こういう議論に関しましては何かございますでしょうか。有澤構成員。

○有澤構成員 日本薬剤師会の有澤でございます。

 今、地域包括ケアも含めて進んでいく中で、個々の薬局が質を高めて、そういう地域医療に参画していく、薬局を地域健康情報拠点事業の中でも進めているところでありまして、そういった中で、薬剤師は薬が出ないと全ての専門性を発揮できないわけです。だから、当然、医師との連携も必要です。ただ、薬が出た後に、そのほかに、結局、薬物治療が適正に進んでいるかどうかということはほかの多職種と連携をして進めていかなければならないということも考えますと、とにかく地域にある薬局は、医療、介護、それぞれの福祉も含めてですけれども、きちっと根差した業務をやっていかないといけないということでさまざまな事業を進めているところであります。

 話が全然別になってしまって大変申しわけないのですが、1点だけ、資料5のところに、私、きょう気がついたのですが、これは過去のことですが、6ページ目、緩和ケア専門委員会報告書という形で、これは23年ですが、ここの6番のところでちょっと気になったのです。「調剤薬局等の」という表記がされていますが、うちとして、今話したように、調剤薬局ではなく、保険薬局、あるいは薬局という形で私たちは考えておりますので、確かに調剤薬局と書くと皆さんわかりやすいと思うのですが、これ自体がきちっとしたあれがないので、これはこれで仕方ないと思いますが、今後議論の中で、調剤薬局ではなくて、保険薬局、あるいは薬局という形で考えていただきたいということもあわせて申しておきたいと思います。申しわけありません。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

加賀谷先生、それにつきましてお願いいたします。

○加賀谷構成員 資料7の4ページの「拠点病院の地域連携」というところで、病病連携、病診連携というのが入っているのですが、私、以前にも申し上げたことがあるのですが、病院薬局と保険薬局、地域の薬局との連携が取れていないので、結局、地域の薬局に声がかからないことが多かったと思います。そこで、病病、病診に加えて薬薬連携という文言を表面に出していただきたいというのが私からのお願いでございます。

○花岡座長 ありがとうございます。

小松構成員、どうぞ。

○小松構成員 私は大学病院の中におりますので、都市型の緩和ケアを必要とする方々を見ますと、外来での治療、進行がんの中でもすごく進めて、病状が非常に悪くなって入院してきて、そこからまた施設に行くとか、あるいは在宅に行くとか、行ったり来たりという非常に多彩な状況があって、その状況をその都度その都度判断していくということがそれぞれ入院や外来のところのチームで行われるわけですけれども、そこでさまざまな地域のリソースをよく熟知した者が点在している必要があるのかなと。緩和ケアセンターはもちろんありますけれども、それぞれ患者さんたちの状況をその場でかなりわかるというところが必要なので、今、看護協会がやっているリンクナースのような人たちがさまざま、地域のことも含めた患者さんのアップトゥデートのところの状態をわかりつつ、どういうリソースにつながっていくかという部分もすごく重要かなと、都市の場合、特にそういうことをすごく思っているところであります。施設という部分の連携も、どのようにとっていくのか、介護施設との連携もかなり必要になってくる部分があるかなと思います。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

武藤構成員、どうぞ。

○武藤構成員 資料5を読んでいて思ったのですが、病院であればソーシャルワーカーさんのように、制度をよく知っている人たちがいます。ですので、退院後に患者さんがいろいろな自立支援を受ける際には、入院中にソーシャルワーカーさんがサポートできると思うのです。しかし、小さなクリニックになるとそこまでの人材がいない場合もあり、本来受けられる社会的支援の知識提供をできていないことがあるかもしれないと思っています。このような制度面の知識を提供するオンライン教育も結構大事なのではないかと思います。医師同士の交流も大事ですが、制度の知識共有の仕組みなども間接的ではありながら、大事だと思ったので、追加させていただきます。

 

○花岡座長 ありがとうございます。

池永構成員、どうぞ。

○池永構成員 ありがとうございます。

 小川参考人からもありましたとおり、がん医療の中での緩和ケアというのが非常に厳しい状況になった時点で初めて専門家にアプローチするということが多くあって、そのときには本当に症状も強く、家へ帰るとしても、かなり介入できるような診療所でないと診ていただけないということも多くて、もうちょっと何とか地域のリソースを早い段階で患者さん御家族が知っておいていただくということが必要ではないかということが、ワーキングの議論でもありましたし、私自身も感じております。

 ただ、早い時期から地域の診療所にかかってもらっても、何でかからないといけないのとか、まだ拠点病院に通院できるしという形で、なかなか患者さん御家族もかかっていただけないということもございまして、ある部分、ある程度がんの再発や、あと治療が、化学療法が進んでいくような段階において何らかの形で地域のリソースに触れるような機会をつくる。それが例えばお近くの訪問看護ステーションで、今後、先、いろんなことが起こったときにこういうこともあるんだよとか、介護保険について知ってもらう、地域包括ケアセンター等の機能をどこか早い時期に知っておいていただく、触れていただくような機会を何らかの形で持っていただいて、いずれ、本当に必要になったときのスムーズな移行、そのようなことも、拠点病院の緩和ケアの専門家だけでは難しい部分を何か早目にかかわっていただくような方法というのを組めたらなと感じております。

 以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

小笠原構成員、どうぞ。

○小笠原構成員 小笠原ですけれども、池永先生のおっしゃったのは本当にそうなるといいなと思っています。一番いいなと最近思っているのが、相談外来をやることかなと思っています。拠点病院で、主治医が、そろそろ在宅に行くか抗がん剤をやめる時期ではないかと思ったときには、相談外来に行ってくださいと言って、その相談外来は拠点病院にも当然つくっていただいて、それに対する診療報酬をつけるとか、あと、拠点の在宅クリニック、我々のところでも相談外来をやっていますけれども、そこで相談があるといろんなことをお話しできるものですから、もちろん、それはドクターであれ、看護師であれ、MSWであれ、いいと思いますが、そういうことを広げていただけるといいのかなと思っています。

 それともう一つだけ、これは先ほどから保険とか切れ目のない緩和ケアでちょっとつけ足させていただくと、病院で緩和ケアを受けると、例えば入院していると一括でお金が払えて、しかも高額医療の分は抜いて、実際のお金だけで済んでしまいます。しかし、在宅医療の場合は、外来のお医者さんにかかった分での高額医療、そして訪問看護ステーションでの高額医療、そして薬局での高額医療と3点セットでかかってきます。それと、病院で高額医療をやっていれば、病院は引き続いて本当に安い金額で済みますが、在宅だとまたそれが一から振り出しに戻ってしまい、一旦高いお金を払って、3カ月後に返還と。それも3カ所で返還なんて、モルヒネをものすごくたくさん使っていればすごくお金がかかるものですから、そこが病院から在宅へ来るときに一番お金がかかってしまって、びっくりされて再入院される人があるものですから、その辺は保険で何とかなるのではないのかなと思っています。それだけ一応シームレスに行くためにはお金のことがやはり非常に大事かなと思っていますので、お願いします。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

本日いただきました御意見は事務局とともに整理いたしまして、今後の参考にさせていただきたいと思っております。

引き続きまして、(3)の「その他」にございますが、がん対策推進協議会で行われております中間評価における緩和ケア分野について、資料8−1、8−2に基づきまして加藤参考人から御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○加藤参考人 それでは、資料8−1と8−2を使って、がん対策における緩和ケアの評価について、これまで取り組んできた研究のことについて報告したいと思います。

 こちらについては、この検討会、およそ1年ぐらい前に一度報告させてもらっているのですけれども、その時点では、資料8−2の指標がまずできたと。今後計測していきますというようなところを前回報告させていただきました。その後、研究を進めまして、緩和ケアに関する指標の計測ができた部分や、それ以外に、これまでがん対策推進基本計画ができて、緩和ケアに関する施策、さまざま取り組んでいると思うのですが、そういったことなどを含めて、緩和ケアがどの程度進んできたのかということを医療者を対象に調査を行いましたので、報告させていただけたらと思います。

 資料8−1をごらんください。1ページの下のほうにあるのが今回私のほうで取り組んだ研究の全体像なのですが、左のほうに「緩和ケア分野の評価指標の作成」と既存データなどの推移というものについてまずやった後、その後、医療者の調査ということで質的検討、量的検討で見えてきた緩和ケアに関するこれまでの取組の状況と今後の課題ということの話ができたらと思っています。

 めくっていただいて2ページ目ですが、これは前回も少し話したと思いますので割愛いたしますが、緩和ケアに関する指標をデルファイ法を用いて行いました。2ページの下に書いてあるとおり、15の指標を選定いたしまして、その状況についてはかれるものについてはかっています。それが資料8−2になります。

こちらのほうの資料を全部説明していると、時間が限られているので、主だったものだけ説明していきますが、例えば3ページにあるように、「死亡場所に関する状況」、OPTIMでの先ほど小川先生の報告もありましたが、全国でも死亡場所、自宅、施設というのは増えているのですが、現在こういう状況にあるということが1つあります。

続きまして、4ページに医療用麻薬の消費量ということで、こちらは細川先生のほうで取り組んでいて、実際にこれが指標になり得るかどうかというのは検討事項ではあるのですが、最近のオピオイドの消費量、特に手術などで関係しているフェンタニルの注射薬を除いたもので評価していますが、全体的に増えているとはちょっと言いがたいような状況にございます。

 5ページでは専門的緩和ケアの利用状況ということで出していますが、これについては現時点の情報を拠点病院の現況報告をもとに数字を出していますので、今後、推移などを見ていく必要があるかと思います。

また、6ページは日本看護協会に御協力いただきまして、専門看護師や認定看護師さんがそれぞれの専門分野である領域にどれぐらいかかわっているのかということについて調査したものですけれども、そこに書いてあるように、5割以上、専門分野、従事割合しているという者がそれぞれの資格で半数より多いぐらいの方でいらっしゃる。また、その一方で必ずしも従事できていないという方もいらっしゃるというような状況でございました。

 7ページが、これは緩和ケア研修会の修了者数の変化でございます。

8ページについては、こちらでもしかしたら何度か報告があったかもしれませんが、世論調査について行ったものであります。こちらは、今後また推移を見ていかなければいけないところですけれども、特に医療用麻薬についてどのような印象を持っているのかということについて、例えば「正しく使用すればがんの痛みに効果的だと思う」というものが56%程度にとどまっていたり、「正しく使用すれば安全だと思う」という方も53%程度にとどまっているという状況で、確かに医療用麻薬に関する誤解というのはまだまだあるのかなということはありますので、こういった部分についての普及啓発、今後も課題なのかなと思っております。

 続きまして10ページは、拠点病院が開催する、患者さん個別のものではなくて、地域連携に関するカンファレンスの開催状況の数字を出しています。これは400の拠点病院で、1年間で1,799ということなので、今後こういった数字の推移を見ていく必要があるかと思います。

11ページは、これはもしかしたら皆様関心が高いところかもしれないのですけれども、がん患者さんのQOLの状況というもの、これは若尾先生が取り組んでいる研究班で患者さんの体験調査等を行っているのですが、その中で一緒に評価してもらったものです。11ページの下のほうに書いてありますが、「からだの苦痛がある」「痛みがある」「気持ちがつらい」という項目について、今回対象となった方々に聞いてみたところ、「そう思う」から「そう思わない」まで、下のような状況にございます。

 例えば「からだの苦痛がある」ということについて、「あまりそう思わない」「そう思わない」という、つまり、からだの苦痛はないというような方に関しては五十数%程度という状況であり、「痛みがある」ということについて、「あまりそう思わない」「そう思わない」というのは、両方、20%、52%足して72%というようなことです。これが多いのかどうかということでありますが、逆に、苦痛がある、痛みがあるという点で見ると、「そう思う」という方が10%いたり、「痛みがある」という方が6%いたりということもまだありますので、こういった部分、今後のがん対策を進めていく上でどのようにやっていくのかということを見ていく必要があるかと思います。

 上のほうにある受療行動調査というのが23年で行っていて、まだ26年の調査は公表されていないようですが、こういったものも見ながら、がん対策の推移として見られたらいいのかなと思っています。

また、12ページ以降は、遺族調査を用いて計測しようと思っていたものですが、なかなか計測が困難ということもあり、今後、こういった内容をどのような方法で評価していくべきなのかということは引き続き関係する研究班とともに検討していきたいと思っております。

 指標に関してはこのような状況ですが、それ以外の医療従事者を対象として緩和ケアがどのように変化してきたのかということについて報告していきたいと思うのですが、また資料8−1のほうに戻っていただきたいと思います。

 3ページをご覧いただくと、質的な検討を行った上で量的な検討を行ったということを書いていますが、まずこの3年間、またがん対策推進基本計画ができてからのおよそ8年間、どのような緩和ケアの変化を医療従事者や医療関係者、患者、遺族の方が感じているのかということをまず質的に検討して、そういう変化を感じている医療者はどれぐらいいるのかということで量的な検討を行ったというものです。対象となる医師、看護師などの実際の数は3ページの下のほうにありますが、3割から4割ぐらいの方に協力していただきまして、この種の調査の回答率としては的確なものなのかなと思っています。

 4ページの上に書いてありますが、この調査を行うことで何がわかるのかということですが、今回、横断的な調査と、項目には限りはありますが、前後比較で行うような変化を見るようなものも行っております。横断調査では、緩和ケアの変化はどの程度あったと感じているのかというのを医療従事者に聞いていたり、医療提供体制がどの程度整備されたのか聞いておりますが、以前、2008年ぐらいに行った種々の調査のデータ活用できるものについては、その前後比較をすることで知識の変化や医療従事者が感じているバリアの変化というものを検討しております。

 4ページの下にあるのが、その質的検討で出てきた大きなカテゴリーを少し関係性を踏まえてまとめたものです。下のほうが「A.社会全体への緩和ケアの浸透」というものから、Bの緩和ケアに関する情報を得る機会が増加したり、緩和ケアに関する医療従事者の教育の機会が増加したりということで、さまざまなインプットがあるかと思いますけれども、そういったものがあって医療現場が変わっていき、最終的には、一番上にありますが、Qの「緩和ケア利用者への影響」という質的な検討で出てきたものをもとにまとめたものです。

 5ページ以降はその質的な検討について少し掘り下げたものになっていくのですが、例えば5ページの上に「社会全体への緩和ケアの浸透」という名前でカテゴリーをつくっております。量的な検討はまた後ほど詳しく説明するので、質のほうを見ていただきたいのですが、変化したこととして出てきたものとしては、「“緩和ケア”という言葉が普及した」とか「社会全体の“がん”に対する理解が深まった」ということが医療従事者の方や関係者の方がおっしゃっていて、では何でそのような変化が起きたのかということを聞いていくと、例えばインターネットやメディアなどで情報を得ることができたとか、緩和ケアに関するさまざまな普及啓発活動や市民公開講座で得ることがあったとか、そういったさまざまな、何でというものを聞いていったものがきっかけとか、そういったもので書かせてもらっています。

 ただ一方、変化しないこともたくさんあって、例えば「緩和ケアの定義が人によって異なる」とか「市民の緩和ケアに対する認識が低い」といったものがそれぞれのインタビューの中で出てきています。そういったものをどれぐらい量的なもので見られるのかということで、例えば上のほうに、家族や患者さんから緩和ケアについて聞かれることが増えたと感じている医療従事者はどれくらいいるのかということを、これは3年間で、以前からそうなのか、増えたのか、変化がないのか、あと、これは足すと100%にならないのですけれども、100%にならない部分は「わからない」という選択肢がありまして、この3つ足して100で引いた残りの部分がその「わからない」というところですが、そういった形で量的に見ています。

 なので、この言葉に関して言うと、患者さんや家族から聞かれることが増えたと感じている医師などは、例えば拠点病院では以前から8%だし、最近3年間で増えたと感じているのは48%という状況で、看護師さんも同じような形で感じているということで、大きく増えているという部分もあるのかなということがあります。

 このような質的な検討がAから幾つか続いてまいります。幾つか見ていきますが、6ページの上にはCの緩和ケアに関する医療従事者の教育の機会が増えたということに関して、例えばこれは「機能している」「機能していない」というところで聞いているのですけれども、拠点病院では「機能している」と答えている方が57%いる一方で、拠点病院以外の病院では、「機能している」と答えている方が36%程度いるということになっております。

 それ以外に、8ページの下のほうに行けば、医療従事者の緩和ケアに取り組む姿勢ということで、質的な検討として変化したこととして、「早期から緩和ケアが提供されるようになった」とか「一般診療医が基本的な緩和ケアを提供するようになった」とかいったことが書かれていますが、ここら辺に関しては、変化のきっかけは拠点病院の整備だったり、緩和ケア研修会の研修の受講だったり、拠点病院制度で幾つか変わってきているきっかけがあるのかなと思いました。

 こういった質的な検討をしていく中でいろいろと量的なものを調査させてもらったものを少しまとめて報告していきたいのですけれども、量的なものについては14ページから始まる部分で見ていただきたいと思います。例えば医師の調査で横断的な調査ですけれども、緩和ケアの提供体制についてどのようになっているかというのを、拠点病院、拠点病院以外の病院、あと診療所ということで聞いているのですが、いろいろと施策でつくった体制について機能しているかどうかということを聞いているのですけれども、例えば相談支援センターとか拠点病院制度とか緩和ケアチーム、緩和ケア研修会など、この施策の中で取り上げたものが機能していると答えている方が6割7割いる一方で、拠点病院以外だと、そういったものが機能しているという実感を持っている者は5割を下回っているというような状況がございました。

 そして、例えば15ページの下のほうに行くと、今度は3年間で自分自身が感じている変化について聞いているのですけれども、2段になっていますが、下のほうは、先ほど少し話しましたが、この3年間で増えたと答えている方、上のほうは以前からやっているということですけれども、例えば左のほうにある患者さんの希望を確認したり家族の希望を確認したりということは、以前からやっているという方もいる一方で、増えたという方があって、結構多くの方が答えています。

こういったものがいろんな項目であるのですが、ちょっと右のほうを見ていただくと、5項目目、6項目目ぐらいからですが、在宅に関することや地域連携に関するものは、どうしてもほかの項目に比べると「増えた」とか答えている方は少ないのかなという状況でした。

 同じような形で、16ページに、拠点病院以外、診療所があるのですけれども、全体的にはやはり拠点病院に比べると少し数字は低いような状況にございました。

今申し上げたのが17ページの上のほうのまとめというところで書かせてもらっています。

続いて17ページの下に看護師の調査を行っているのですが、拠点病院を見てみると、拠点病院制度、体制を整えてきたものや、あと認定看護師、専門看護師といった部分については非常に機能していると答える一方で、18ページの上、拠点病院以外の病院と比較してもらえばわかるように、拠点病院以外では、こういったシステム、実際に自分の病院ではないということがあるからだと思いますが、機能しているとは感じられていないというような状況にございます。

 そして、看護師についての変化が19ページの上のほうにあるのですが、いろいろと変化を感じている部分がある一方で、右のほうにありますが、在宅に関する項目はまだ低いかなというような状況でございました。それが20ページの下のほうに看護師に関するまとめということで書いています。

あともう少し説明を続けますが、21ページのほうは前後比較で、2008年に調査ができた項目と今回比較している部分ですが、21ページの下は医師を対象として知識について聞いているのですけれども、少し見にくいところで申しわけないですが、例えば疼痛・オピオイドという項目で拠点病院というところを見ると、これは百点満点の点数だと思ってもらえばいいですが、2008年では75点だったのが80点になったというようなイメージで見てもらえばいいと思いますが、このような形で、医師の緩和ケアに関する知識は統計学的に有意差を持って上昇しているというような状況でした。見てみると、拠点病院は非常に高い知識がある一方で、それに比べると、拠点病院以外、診療所というところでは少し平均点は下がるのかなあというような状況です。

 あと、22ページの上のほうを見ていただきたいのですが、これもちょっと数字が多くて見づらいところですが、疼痛緩和の知識は十分だと答えている者は4割程度にとどまっているという状況がある一方で、中ほどのほうで、専門家の支援が得られるという項目については、ほかのところに比べると有意に高くなっていたりして、2008年と比較すると、いろんな専門家の支援というものが得られやすい環境が整ってきたのかなと思いました。

 そして、もう少し行きますが、23ページのほうは看護師の調査と同様に前後比較したものですけれども、知識について有意に変化しております。23ページの下に、今度は困難感について聞いているのですけれども、専門家の支援が非常に得られやすくなったということがある一方で、医療者間のコミュニケーションで、訪問看護でなかなかまだ改善が見られてないのかなという項目が出ています。

 最後、24ページの下と25ページの上でまとめという形で書いてあるのですけれども、今いろいろと申し上げてきましたけれども、今回、24ページの下にありますが、変化のまとめとして少し説明したいと思います。

(1)にありますが、2008年と比較して、医師、看護師の緩和ケアに関する知識などは改善しておりました。

また、(2)にありますが、3年間で緩和ケアに関する変化を感じている医師、看護師は多かったのですが、これは今回出していないのですけれども、がん診療に携わる医師のほうが携わらない医師などに比べて変化を非常に強く感じておりました。なので、緩和ケアはがん診療に携わる医師により浸透していたということがわかりました。

その要因について、質的検討を考えてみると、拠点病院制度とかそういった体制整備に基づいている部分も大きいのかなと思いました。また、量的調査から拠点病院に勤務する医療従事者でがんの拠点病院制度とそれに関連したものが機能していると感じているものが多かったようです。

ただ、25ページの上にありますが、まだまだ課題もたくさんございまして、拠点病院とほかの施設で比較すると、拠点病院のほうがやはり知識など困難感などもいい方向にあって、それ以外のところではまだまだ、特に専門家からの支援という部分が得がたいということも明らかになっています。

 (2)にありますが、緩和ケアに関する体制整備、拠点病院以外の医療従事者はまだいろんな体制が機能しているとは感じられていないということも明らかになりました。あと、ほかの項目に比べて、地域連携については、改善している、よくなったと感じている医師、看護師は全体的にまだ少ないようなので、本日もいろいろと話し合いありましたけれども、地域連携というのはほかの領域に比べて取組がまだおくれているのかもしれないということもわかったと思います。あと、医師については、緩和ケアに関する知識など、客観的には向上している部分が多いのですが、十分だと感じている者はまだ2〜4割程度にとどまっているということで、やはり医師などに対する教育も今後重要な課題かなということが明らかになりました。

 非常に駆け足ではございますが、説明させていただきました。どうもありがとうございました。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

またこれらの指標をもとに、現在、中間評価報告書案がこのがん対策推進協議会のほうで作成中であるということでございます。資料9がその抜粋でございますけれども、事務局のほうから何か補足ございますでしょうか。

○がん対策推進官 資料9をごらんください。

状況を御説明しますと、今、座長がおっしゃったように、がん対策推進協議会のほうでのがん対策推進基本計画の中間評価を行っております。これはまだ議論が途上ですので、今後ちょっと変わり得るという前提で、緩和ケア部分を抜粋したものです。目次を見ていただきますと、2ページですけれども、基本計画に沿って項目をつけておりまして、それぞれについて、約5年計画の3年を終えたところですので、その基本計画について中間的にその評価を行っているということです。その中の黄色の部分が緩和ケア部分ということで、それについて抜粋しております。

4ページをごらんいただきますと、まず全体目標が3つ、基本計画でございまして、そのうちの2点目が一番緩和ケアに直結する部分ですけれども、「全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」というところで、ちょっと時間がないので全て説明できませんけれども、先ほどまさに加藤先生がおっしゃったような、患者体験調査ですとか関連する緩和ケアに関する測定項目に基づいて、その評価を行っております。その代表的なものをこちらに抜粋しておりまして、先ほど患者体験調査の重立った項目について御紹介がありましたけれども、そういったものについてこちらで御紹介して、評価を行っております。

 めくっていただきまして5ページが、(更に推進が必要な事項)としまして、これは全体的な項目ですけれども、「全てのがん患者の苦痛を緩和することができるよう、引き続き体制の検証と整備をすすめる必要がある」ということとされています。

その次の3が「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」ということですので、参考までにおつけしております。

 めくっていただきまして6ページが各論としての緩和ケアの部分ですけれども、個別目標はこの基本計画に定められている目標をつけております。

 7ページをごらんいただきますと、それに対してこの3年間で行われた主な施策等についての御紹介をして、拠点病院における指針の改正において、緩和ケアについてもかなり多くのものを要件として設けているといったようなこと、それから、先ほど御紹介いただいたような幾つかの代表的な指標を載せております。

 めくっていただきまして8ページ、緩和ケア研修を行っていくということで、修了者につきましては4万人ぐらいから5万2,000人ぐらいまでになってきているのですけれども、まださらに進めていく必要があると考えています。そのあたりの評価について記載があります。また、先ほど御紹介のあった緩和ケアの一般市民の認識についても、改善はしてきているのですけれども、まだまだ不十分なところがあるといったようなことが紹介されております。医療用麻薬についても同様です。

 9ページの(更に推進が必要な事項)について少し御紹介しますと、まず最初のパラグラフです。緩和ケア研修会、基本的なスキルを身につけていただくということが目標になっていますけれども、その受講割合、45.8%ということで、拠点病院のがん診療に携わる全ての医師の緩和ケア研修修了にまだ至ってないということですので、一層の緩和ケア研修会の受講勧奨を実施するということですとか、拠点病院以外の医療機関、緩和ケア病棟、在宅医療等における緩和ケアの構築についても、そのあり方を検討する必要がある。

それから、3番目のパラグラフですが、普及啓発のほうをさらに進めていく必要があるということですとか、緩和ケアセンター、これは今年度中には設置する必要があるということですけれども、その整備を進めるといったことが掲げられております。

 9ページの(4)からは「地域の医療・介護サービス提供体制の構築」ということで、緩和ケアに特化したものではないのですけれども、地域におけるがん医療・介護の推進といったことについても記載がございます。これも死亡場所等の代表的な指標を設けておりまして、10ページの最後の(更に推進が必要な事項)としまして、「在宅医療・介護サービスの提供については、緩和ケア推進検討会等の議論内容を踏まえつつ、がん患者の病態や療養の特徴に応じた医療ニーズに柔軟に対応し、がん患者が住み慣れた地域で在宅療養が続けられるよう、引き続き体制整備を推進する必要がある」としております。

 最後の11ページのところですけれども、先ほど議論もございましたけれども、「がん患者・家族の療養生活の質を向上させるためにも、より早期からの在宅医療との連携を推進していくことが重要である」といったことも書き込まれております。

 こちら、先ほど申し上げたように、まだ協議会で議論が進められているところですが、さらに書き加える部分ですとか通知が更新される部分等もあろうかと思いますけれども、6月をめどに協議会のほうでとりまとめる予定としております。

 以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

以上が中間報告につきましての報告でございますけれども、皆様方から何か確認事項とかございますでしょうか。

 今すぐにというわけでございませんけれども、もしも御意見ございましたら、また事務局のほうにも申し出いただきたいと思います。よろしゅうございますか。

 ありがとうございます。

それでは、時間も迫っておりますので、今回の議論はここまでといたしたいと思います。

 最後に、事務局のほうから連絡事項等ございますでしょうか。

○がん対策推進官 活発な御議論、ありがとうございました。ここは何回か地域緩和ケアについて議論いただきましたので、何らかの形で一定の整理をそろそろさせていただければと思っております。具体的な方法等については、座長と御相談して、追ってまた調整させていただきます。

また、次回の緩和ケア推進検討会につきましては、日程調整させていただきまして御連絡を申し上げます。

ありがとうございます。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 それでは、時間が参りましたので、本日の会議は終了いたします。構成員及び参考人の皆様、長時間にわたりましてまことにありがとうございました。


(了)

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