ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(疾病対策部会指定難病検討委員会)> 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第12回) 議事録(2015年4月28日)




2015年4月28日 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第12回) 議事録

○日時

平成27年4月28日(火)16:00~18:00


○場所

労働委員会会館講堂(7階)


○議事

○前田疾病対策課長補佐 ただいまから厚生科学審議会疾病対策部会第12回指定難病検討委員会を開催いたします。委員の皆様にはお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。

 まず、本日の出席状況について御報告申し上げます。水澤委員から御欠席の連絡を頂いており、ほかの先生方はおそろいです。出席状況は以上ですので、カメラの撮影はここまでとさせていただき、以降の議事進行については千葉委員長にお願いいたします。

○千葉委員長 まず、資料の確認をお願いします。

○前田疾病対策課長補佐 今日は大部で用意しているものもありますが、別のものから御案内いたします。次第をおめくりいただきますと座席表があり、委員名簿です。資料1「「難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する指定難病及び同法第7条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める病状の程度(平成26年厚生労働省告示第393)の一部を改正する件()」に対するご意見募集の結果について」、資料2-1「指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について()」、別添1「指定難病の要件について」、別添2「指定難病とすべき疾病の名称」、別添3「指定難病とすべき疾病の支給認定にかかる基準(個票全体)」という形で、机上には「個票全体」という紙と、この分厚い資料を御用意しており、こちらが具体的な診断基準、重症度分類の一覧になります。資料2-2、先天性ミオパチーの「臨床調査個人票様式例()」、資料3「指定難病(第一次実施分)の支給認定に係る基準()」、参考資料1「難病患者に対する医療等に関する法律第5条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する指定難病及び同法第7条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める病状の程度(平成26年厚生労働省告示第393)の一部を改正する件()に関する御意見の募集について」、参考資料2「今後のスケジュール」です。不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。

 なお、傍聴の方については、診断基準、重症度分類の個票については省略させていただいておりますので、御承知おきいただければと思います。

○千葉委員長 資料の欠落等がありましたらお申し出ください。

 本日は平成277月から医療費助成を開始すべく検討を進めてきた、第二次実施分の指定難病案の最終的な取りまとめに向けて、委員の先生方にいろいろと御議論を頂きたいと思います。議事1、指定難病(第二次実施分)に係るパブリックコメントの結果について、事務局から資料の説明をお願いします。

○前田疾病対策課長補佐 資料1です。平成27320日から、前回の指定難病検討委員会で御議論いただいた病名の候補について、パブリックコメントという形で意見の公募を行ったものです。418日まで30日ということになりますが、その中で117件の意見を頂いており、その御意見の概要と考え方という形でまとめています。基本的に御協議を差し上げた196という疾病についてお示し差し上げましたので、それ以外の御意見もございますが、それに対してはこちらで御意見として承らせていただくという形で整理をして、扱わせていただくものです。

 御意見の概要を簡単に御紹介します。1番目は、筋ジストロフィー等、今回196として追加させていただいた疾病について、「更に指定難病として追加してほしい」ということで、これは念のために近い御意見かとは思うのですが、改めて御意見を頂いているものです。ですので、この御意見に対する考え方としては、これは今パブリックコメントにかけているものですし、意見を聴いた上で最後に部会に報告ということですので、助成の対象として検討しているという御報告です。

2番目では、今回の御議論の中で、指定難病の要件を満たす、指定難病とすべき疾病と、指定難病の要件を満たさない疾病という形で御評価を賜りましたが、そちらの疾病についても指定難病にしてもらえないかという案でした。こちらについては、全体で615御議論いただいたのですが、390の疾病については5つの要件のいずれかで要件を満たさないという御評価を賜りましたので、これは議論いただいた時点というもので考えています。ですので、今後こういう形で議論いただく際には、また最新の知見を用いて御議論賜りたいと思っておりますので、第二次ということですと今回の結果ということになりますが、引き続き俎上に載せる、未来永劫かえってこないというものではないという扱いで考えているものです。

3番目です。今回御議論いただいたのは615という形になりますが、そのほかの疾病についても医療費助成の対象になるのではないかという御提案です。これは第二次実施分の指定難病の検討に当たっては、検討段階において情報が整っているものから議論させていただいたという形ですので、指定に係る要件等に関する学術的な整理とか情報収集が不十分な疾病については、今後の指定難病の検討に向けて議論するという位置付けです。できますれば、本年秋以降に情報収集、整理を行った上で、今年度中に開催し、改めて御議論賜りたいと考えているものです。

4番目です。重症度という概念を今回は入れて、診断基準を満たしても、日常生活、社会生活に支障のない方については対象にならないという形になっていますので、それに対して「診断が付いた時点で全部入れてほしい」という御意見です。これは前回とほぼ同じ回答ですが、日常生活、社会生活に支障のある方を対象にするという形で法律を策定させていただき、お認めいただいたものですので、そういう全体の構図であること、そうであっても高額な医療費をかけて日常生活、社会生活に支障のない程度に保たれている方については、その高額な医療の額に応じて対象になる、対象にならないという判断を差し上げておりますので、そういったところの御案内を差し上げたいと思っております。

 次のページ、5番目です。各疾病の診断基準及び重症度分類です。これは御意見を頂いているもの、もっといいのがあるのではないかという形で御提案を頂いているものもありますが、これは研究班、学会から意見を頂いているものですので、その時点で適切と考えられるものについて採用させていただいたと考えています。また、これは今回で終わりではありませんので、医学の進歩に合わせて、適宜見直しを行っていきたいと考えております。重症度分類については、基本的に先ほどの考えと同じ考え方ですが、今回の196についても、個々の疾病ごとに御評価を頂いたということがありますので、疾病に最も即した形でそれぞれ重症度分類を定めていただいたものと承知しています。

 最後です。今回196という形で疾病をまとめさせていただきましたが、その196の中に、1疾病の中に幾つかサブタイプのような形でタイプがある疾病というのがありますが、「その1疾病を独立させて、指定難病の197番目としてほしい」という御要望もありましたが、複数の病型を有する疾病について、どの範囲を一つの疾病単位として扱うかというところについては、研究班とか学会の先生方からも御意見を頂いたものですし、そのカテゴリーとして難病の要件を満たす満たさないという形で、御評価いただいたものですので、例えば今含まれているものを1つ独立させたときに要件を満たすかどうかということは、そういう意味では今回御議論いただいていないわけです。そういう考え方でいえば、今回例えば7月には入れないで改めて議論するというチョイスも考え得るのですが、広い概念で見た場合で要件を満たしているという形で、整理をさせていただいているものですので、これは検討段階の時点で適切と考えられる疾病の範囲だという扱いにさせていただき、今回の病名とさせていただきたいと考えております。ただ、特定疾患の治療研究事業の経緯の中でも、神経難病の枠組みを見直したりといったことは行ってきた経緯もございますので、これは学術的なところが集まり次第、改めて議論させていただきたいと考えております。事務局からは以上です。

○千葉委員長 パブリックコメントで出てきた意見を、ある程度まとめて書いていただいているところですが、委員の先生方、これにつきまして何か御意見はいかがでしょうか。

12番の辺りは、そこも含めて検討を進めてきて、該当するもの、しないものという、基本的には要件を満たすかどうかというところで公正に分けてきたという経過ですので、一つ一つ見返しても、一応それは満足していると思いますが、いかがですか。先ほど言われたように、御意見として出てきているものについては、次の機会に検討項目として挙げて検討を加えていくということであろうと思います。

3番に615疾病以外の疾病について、指定難病として医療費助成の対象としてほしいということがありますが、これはある意味ではもっともな御意見だと私も思います。しかし、今回については、要するに今まで研究がなされてきて、疾病概念というものがほぼ確立されているものをまずは対象としたということですので、それ以外についても該当すると思われるような疾患はまだ残されているとは思いますが、それも次回以降の検討課題ということで、合意が得られたものと私自身も理解しています。よろしいでしょうか。

4番の「重症度に関わらず」ということについても、本当はそうしたいというのは、恐らく皆さんが考えておられると思うのですが、一定の基準というものを設けて、やらざるを得ないという状況があったことと、その場合に、これは全くの公平性を期すということはかなり困難ですが、各疾患を横並びにして、できる限り重症度のレベルを合わせていく努力はしてきたというところだと思います。ここら辺についても、多少の改編というのは、今後課題として残していくべき問題だと思っています。よろしいですか。

5番にいきますと、ここについても個々の問題点としてはそれぞれ多少なりともあろうかと思いますが、出された意見につきましては検討課題として、テキセン改編を加えていくということは、今までの委員会でも常に申し上げてきたところだと思います。基本的には、各研究班、各専門学会に問合せを掛けて、そこで出していただいたものを厚生労働省でも検討していただき、また学会や研究班に返してという作業を何回かしていただいたというのを私も見ており、それも完全ではないかもしれませんが、かなりのところまでブラッシュアップしてきたという経緯はあると思います。

6番も、こういう御意見はあろうかと思いますが、多くの疾患について、グループとしてまとめられるところについては、一方でまとめていくという努力は必要ですし、そのほうが運用上もやりやすいというところで、このようになったと理解しています。

 何か特別に御意見はございますでしょうか、よろしいですか。

 ありがとうございました。このパブリックコメントにつきましては、次回並びに今後の検討課題であるということと、それぞれの疾患について、確かに変更したほうがいいと思われるものについては、その都度改編していくということで、そういうことをするということでお認めいただきたいということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                  (異議なし)

○千葉委員長 ありがとうございます。

 それでは続いて、議事2、指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について(疾病対策部会への報告案)です。資料の説明をお願いいたします。

○前田疾病対策課長補佐 資料2-1、資料2-2です。まず資料2-1「指定難病(第二次実施分)に係る検討結果について()」で、本日の日付にしていますが、指定難病検討委員会としてのまとめということで体裁を考えています。こちらについては、51()に疾病対策部会の開催を予定していますので、そちらに委員長からの報告という形で御報告させていただき、部会の了承をもって最終的な告示に向けての作業を進めるという段取りを考えています。こちらは、前回、パブリックコメントの前にこの体裁でお示しさせていただいたものですが、パブリックコメントの後ですので、それに合わせて若干文言を修正している所がありますので、そちらについて簡単に御案内したいと思っております。

1つは、日付が変わっており、本日の日付になっております。1の「はじめに」の部分で、1つ目の○の一番最後の「案を以下のとおり整理を行った」と書いてあったものを、今回の取りまとめで終了ですので、「取りまとめた」という形に直しました。同じような考え方で、2つ目の○で「整理」と書いていた所を「取りまとめを行った」と修正しています。全体の流れを変更したところはありません。2の「指定難病に係る検討の進め方」も、基本的に同じ書き方としており、特に修正はありません。

3の「指定難病の要件ついて」です。後ほど御案内いたしますが、前回の会議では「指定難病の要件について」は別添の形にしておりませんでしたので、そちらに直しました。それと、最後に「取りまとめ」としていますが、これはもともとは「整理」と書いていたものを直したということです。同じ考え方で、「別添」と書いてある所は、もともとは資料の扱いにしていたものを直した所です。

4の「指定難病とすべき疾病の案及び支給認定に係る基準の案」の所です。これも趣旨は変えていないのですが、少し文言を変えた所があります。1つ目の○の3行目ですが、「類似する疾病等の再整理を行い、すでに指定難病として指定されている110疾病に加えて」と書かせていただいて、前回のパブコメのときには196の疾病を1から196で御案内していたのですが、最終的に告示としては110に加えるものになり、111から306という形になりますので、そこの修正をさせていただきました。

 また、同じ○の最終行に、「具体的な個々の疾病の支給認定に係る基準は、別添3のとおりとした」と書いていますが、こちらは診断基準、重症度分類は前回の会議のときに添付していませんでしたので、今回は添付させていただいたということで、これの追記をさせていただきました。考え方は変更しておりませんので、615のうちの390は満たさないというものですとか、5の「今後の検討の進め方」については同じです。

 続いて、別添1「指定難病の要件について」です。日付を変えた所と、1点だけ修正しています。4ページに「指定難病の要件について<1>の補足2の「がんについて」というパラがあります。がんの定義については、資料の御案内を差し上げているときはパブリックコメント中でしたが、パブリックコメントが終了し、同じ文言で確定していますので、「パブリックコメント中だ」という記載は削除させていただきました。あとは同じです。時系列に合わせて、本日の日付に合わせた修正の1点だけで、特にその他の変更はありません。

 続いて、別添2「指定難病とすべき疾病の名称」です。こちらについては、前回は1から196という形でお示しさせていただいたものを、もともとは1と書いてあった先天性ミオパチーを111にしており、以降110を足した形で書いています。疾病名が全く同じかというと、実は少しだけ変わっており、簡単に申しますと、123の「禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症」というものがありますが、これはもともと「常染色体性」と書いていたのですが、「性」を略させていただきました。同じ考えで、124の「皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症」についても、「常染色体」の後に「性」があったのですが、それを抜かせていただきました。

 あと129の「痙攣重積型」の痙攣が平仮名で書いてあったものを漢字にさせていただきました。174の「那須・ハコラ病」については、那須、ハコラという2人の先生の名前ですので、「那須・ハコラ」とさせていただきました。

 続いて、198に「4p欠失症候群」と書いてありますが、「4p-」で御案内させていただいたのですが、バーなのかマイナスなのかが分かりにくいところがありますので、「欠失」という用語を使っております。同じ考え方で、199の「5p欠失症候群」も「-」から「欠失」に改めさせていただきました。

 次のページです。修正した部分は、229に「肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性)」と書いていますが、「自己免疫性/先天性」と書いていたものから変えています。同じ考え方で、280の「巨大動静脈奇形」も、「頚部顔面/四肢病変」から「又は」に直しました。291の「ヒルシュスプルング病」も、「全結腸型/小腸型」を「又は」に直しました。

288の「自己免疫性出血病」にローマ数字で13という所がありますが、読みにくいので後ろに「13」という数字を書いていたのですが、同じ表現になってしまうので「13」を削除しました。

 以上が修正点で、その他はパブリックコメントに提示させていただいたものと同じです。御議論いただいたものから若干変わった所があるのは事実ですが、おおむね御指摘いただいたものをそのまま修正させていただけたと承知しています。

 続いて、別添3「指定難病とすべき疾病の支給認定に係る基準(個票全体)」について簡単に御案内いたします。分厚い冊子です。これは会議の順番で「1-1」と書いてあったものを「111先天性ミオパチー」という形にしております。あと、基本的には御指摘いただいた所の修正、会議の中でも幾つかの誤字脱字の指摘を頂きましたが、そちらを反映した形でして、議論いただいたものから大きく変更したものはございません。

3ページの<診断基準>を開いていただき、そのままにしていただいて、資料2-2の「臨床調査個人票」の診断基準の御案内をいたします。資料2-2の「臨床調査個人票」の形を見ていただきますと、1.「臨床症状」とあり、123から、あり、なし、不明を選ぶ形になっていますが、診断基準の臨床症状で書いている「筋力低下」から「腱反射の低下又は消失」までをそのまま置いて、それぞれの項目について、あり、なしとしております。2.「検査所見」も同じ形で、2つチェックする形になっていて、それぞれについて、あり、なしという形にしています。3.「その他の所見」については、診断基準上6つの項目があるので、123と、次のページから4566つの要件があり、それぞれについてあり、なしという形でチェックをしていただきます。

 この先天性ミオパチーでしたら、診断のカテゴリーとしては、もともと臨床症状のいずれかを満たした上で、かつ検査所見として筋生検であるか、遺伝子検査が確定しているものを対象としますので、1)の「1のいずれかを満たし、かつ2のいずれかの検査で所見を認めるもの」か、先ほど6つあった、「その他の所見」のうちの3つを満たしていれば対象になるので、2)の「1のいずれかを満たし、2は未実施または所見なしだが、3を3つ以上認め」という形の体裁とさせていただいています。

 同じ考え方で、重症度分類もmodified Ranking Scale2つの項目ですので、それをチョイスしていただく形にしており、それで記載していただき、これに基づいて診断基準を満たしているかどうか議論していただきます。不足があれば、これは基本骨格ですので、種々のデータを取り寄せる形で認定を進めていくという体裁で考えております。別添3は最終的に局長通知という形でお示しさせていただこうと思っておりますし、今御案内した資料2-2については、課長通知の形で最終的に196種類作らせていただき、お示ししたいと考えているものです。

○千葉委員長 資料2-1については、パブリックコメントを頂く前に、第11回委員会でも御議論いただいたところですが、文言の訂正を加えて今日もう1回、説明をしていただいたことになります。ですから、資料2-1、資料2-2について、何か御意見の追加はありますでしょうか。これについては、別添3に今回指定される全ての難病についてファイルされており、先天性ミオパチーの部分について御説明いただきましたが、細々としたところについての変更はなされているという理解でいいのですね。今でも既にブラッシュアップといいますか、改善できる部分についてはしていっていただいているということです。いかがですか。この資料2-1については報告する、結局、検討結果を要約したものですけれども。

○大澤委員 別添2について、129の痙攣重積型(二相性)急性脳症の件ですが、この「痙攣」という字は、乳幼児けいれんを主に扱っている者の間では平仮名で「けいれん」と書くのが通常ですが、これは水口先生からの漢字にするようにという御指摘ですか。

○前田疾病対策課長補佐 平仮名の「けいれん」を漢字にさせていただいたのは、純粋にほかを「痙攣」と漢字で、告示として使用しており、この単語を使うときに漢字にするかしないかを統一的に決めているところがあるからで、告示の病名としては漢字を使わせていただいたという形になります。

○千葉委員長 どうでしょうかね。統一したということなのですね。ただ、この疾患というか、小児のほうではそのように平仮名にしているケースが多いのですか。

○大澤委員 漢字の示すイメージが余り好ましくないということで、平仮名で「けいれん」と書くことが多かったのです。ただ、もしほかのものも全部この「痙攣」ということで統一するということであれば、やむを得ないのかもしれないですけれども。「癲癇」という言葉も、漢字を使わずに「てんかん」と平仮名を用いているように、この「痙攣」もどちらかというと平仮名を用いるのが慣用的であるということではあります。

○千葉委員長 これは神経の水澤先生などがおられたら御意見があるかと思うのですが、成人の場合と小児の場合で記載の仕方みたいなものが、学会とかそういうレベルでも違うのかもしれないですね。しかしながら、どちらにしても統一はしておいたほうがいいでしょうね。したがって、今、大澤先生が言われたことについてはちょっと調べて、もう一度確認していただけますか。例えばがんも、漢字の「癌」と書くときと平仮名の「がん」と書くときとありますね。私もこれはどう使い分けているのかと、いつも思うのですけれども。

○宮坂委員 前のときに日本医学会の辞書、用語集を参考にするという話が出たのではなかったですか。

○前田疾病対策課長補佐 これ自体は、もちろん基本的には用語集を参考にさせていただくのですが、他方、告示の体裁として、同じものを指すときには同じ形を使うと。がんであれば全て平仮名を使うであるとか、そういう形で過去事例に引っ張られるところがあります。なので、告示や省令の病名としては漢字を使わせていただいて、実際の運用上等では平仮名に開いて使われているものもございます。告示の病名としては先例に沿うというところで、もし全体の修正が必要ということであれば、痙攣という単語をどう使うかという議論になりますので、今回はそういう用語ということでお認めいただければと思っております。

○千葉委員長 よろしいですか。用語の問題ですけれども。一応、統一した形でお認めいただくことにしたいと思いますが、論点があったことは明記しておいていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

○直江委員 資料2-2、調査個人票様式例を出していただいて、ここで基本情報と診断基準に関する事項等が分かれているのですが、基本情報に関しては、全ての指定難病は統一でしょうか。それとも違うのでしょうか。

○前田疾病対策課長補佐 こちらは前の110疾病も含めて、同じ形で収集しております。これは他国でどういう情報が示されているかとか、前回までも研究班の意見等を頂きながら、標準的な情報収集は何か、統一して取ったほうが横並びに諸外国と比較しても使えるのではないかという形で御提言いただいたものを、そのまま採用しており、110196と同じ形になっております。

○千葉委員長 全て一緒ということですね。

○前田疾病対策課長補佐 はい。

○千葉委員長 基本情報ということですね。これも検討がなされてきたと思いますが、よろしいですか。それ以降がそれぞれの疾患に応じて異なっているということになりますね。ほかにいかがでしょうか。

 それでは、基本的にはこれでいきたいと思います。この点についても、細かいところで改善点があった場合には適宜改編していっていただくということでお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○千葉委員長 ありがとうございます。第二次実施分の指定難病については、本年123日から今日まで7回にわたって御議論いただいて、指定難病の候補をまとめてきました。この検討結果について、51日、3日後に開催される予定の疾病対策部会において、私のほうから報告したいと思います。この点についてもよろしいですね。

 資料2-1の別添3として、196疾病の診断基準、重症度分類が示されているわけですが、これを基に通知として示す予定と伺っているわけです。その通知に当たって、文言の修正等も生じることと思いますが、先ほども言いましたように、その都度、改定していっていただくということがありますが、大きな変更でない限りは、最終的なそうした文言については委員長に御一任いただきたいと思っています。この点についてもお認めいただきたいと思いますが、よろしいですね。

(異議なし)

○千葉委員長 議事3、指定難病(第一次実施分)の支給認定に係る基準について、資料の説明をお願いしたいと思います。

○岩佐疾病対策課長補佐 資料3「指定難病(第一次実施分)の支給認定に係る基準()」について、説明いたします。先ほど来、千葉委員長からも基準について適宜、見直しを行っていくというところで、実際に108日に取りまとめていただいた110の疾病について、実務上の運営をするに当たって修正が必要だというところが出てきており、研究班等に確認の上お示ししているものです。

 まず、プリオン病になります。3ページ目の一番上ですが、当委員会の中でも、特に医原性のものについては、指定難病という枠組みとは別のところで対応していくべきだというところです。このプリオン病に関しては、ヒト由来乾燥硬膜移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病というものがあり、こちらは今後、以前ありました特定疾患治療研究事業の中で、スモンと同じような形で全額公費負担の対象として、そちらで対策をしていくのが適切ではないかというところで、こちらの指定難病のものからは除いて、特定疾患治療研究事業の中で医療費助成をしていきたいと考えており、このような形で修正を加えております。

 さらに7ページ目です。「診断基準及び重症度分類の適応における留意事項」ということで、今回、指定難病の検討の際に、196の疾病について最後の注の書き方を修正して、そちらについては110の疾病も含めて対象とするべきというところもありますので、こちらを反映しております。

8ページ目、ベーチェット病になります。細かいところで語句の修正を加えているところですが、実質的な修正としては10ページ目の中ほどからやや下の所、4特殊型です。こちらに関しては規定がありませんで、その下の腸管()ベーチェット病であったり、血管()ベーチェット病などの特殊なタイプについて、どのように診断をしたらいいのかということが明記されていなかったところがあります。そういった中で研究班にも確認して、このような形で明記するのが適切であると御意見を頂きましたので、追記しております。

14ページから特発性大腿骨頭壊死症です。18ページの重症度分類ですが、もともと日本整形外科学会の股関節機能判定基準を用いて、評価をするという形にしておりました。その中で、外転の評価の部分について、関節角度を10度刻みとし、10度毎に1点という形で記載しておりましたが、正確には0度以下を0点、1度以上10度未満を2点、10度以上20度未満を4点、20度以上30度未満を6点という形で評価することが適切であると、原本には記載されており、原本とこちらの個票で齟齬がありましたので、こちらを修正しております。

20ページからのサルコイドーシスです。こちらも細かい語句の修正等は行っておりますが、一番大きなポイントは25ページです。「心臓サルコイドーシス診断の手引き」ですが、形の上では全面的に少し書き換えられてはあります。ただ、項目として主項目で1項目増えるような形になっており、その表示も適切になっております。この基準自体は、もともとこの基準によってサルコイドーシスの心臓病変を疑って、更に診断基準に準じて診断するという形、その前の所にサルコイドーシス全体の診断基準があって、そちらに準じて診断するという形になっております。全体としては大きな修正はないところですが、1、部分症状について、疑いを持つために必要な所見で、このように修正いただくのが適切だということで研究班からも御意見を頂いて、このような形に修正しております。

 語句の修正等はありますが、内容に関わるところで、今回110の疾病について診断基準において修正すべき点ということでお示ししました。以上です。

○千葉委員長 先ほども申し上げたように、今、御発言がありましたように、既に修正できるところについては修正していっているということで、ここに出されているのは大きなと言っても、ものすごく大きいという印象ではありませんが、はっきりと変わった部分について御説明いただいて、文言等々の修正についてはほかに幾つかあるけれども、それは今回は口頭ではお示ししていないという理解だと思います。いかがでしょうか。プリオン病については、ヒト由来乾燥硬膜移植、いわゆる治療に基づいて起こってきた疾患については、基本的に別扱いすることになっていましたので、そこの部分は除外するという項目を入れたということですね。

7ページの「診断基準及び重症度分類の適応における留意事項」という、この留意事項については、時期の問題等々も含めて、これは全ての疾患について文言として加えてあるということでした。

10ページのベーチェット病については、特殊型の腸管()ベーチェット等々については、それだけで決めていたわけですが、やはり基準が必要であるということで、「完全型又は不全型の基準を満たし」というところを、ここにはっきりと記入したというお話でした。

18ページも外転の部分については、原本に沿って基準の角度を変更していただいたということだったと思います。

 サルコイドーシス、特に心臓サルコイドーシスについては、大本の診断基準でまず判断するというところで、サルコイドーシスの主徴候の所には1項目増えたけれども、基本的にはほかの所について削るところは削って、全体の診断基準を用いて行うというお話だったと思います。

 今のが少し大きな変更点であるというお話でしたが、いかがですか。これは厚生労働省のほうでも、この間に各研究班にもう一度振って、確認していただいたりもしております。細かい修正が加わっていることを私も認識しておりますが、よろしいでしょうか。もし特に御意見がありませんようでしたら、この点についても御了解いただいたということです。ありがとうございました。

 事務局から追加事項がありましたら、お願いしたいと思います。

○前田疾病対策課長補佐 参考資料2を用いて、今後のスケジュールについて、簡単に御案内を差し上げます。本日、428日ですが、指定難病検討委員会として第二次実施分の指定難病に関する取りまとめを頂きました。3日後、51日に検討結果について御報告、それから速やかに告示の事務作業に入らせていただき、できれば5月中旬には告示という形でお示ししたいと思います。並行して、診断基準、重症度分類、先ほど様式としてお示しした臨床調査個人票について確定して、通知させていただくという形で考えております。7月から医療費助成を開始するということでスケジュールを考えており、この一連の、御議論いただいた第二次実施分に関しては、そういう形で実際の制度で進めていく予定です。

 これ以降の予定としては、第三次実施分という言葉が適切かどうかというところはあるのですが、当然これは今の知見に基づいて71日までの分という形で御議論いただきましたから、それ以降、情報収集して、これはまた要件を満たすものというところであれば、引き続きこういう形で御披露させていただいて、御議論を賜りたいと思っております。また、先ほど資料3で御検討いただいたとおり、既存の306になりますが、この306疾病の診断基準、重症度分類、その他についても運用を始めてからいろいろな状態が出てくると思われますので、そちらについてもそこで必要な修正等がありましたら、また御提案させていただいて御議論を賜るという段取りで考えております。御負担をおかけしますが、平成27年度中にはまた改めて開催させていただいて、そういう形の御議論を賜われればと思っております。事務局からは以上です。

○千葉委員長 51日に報告させていただいて、承認が得られましたら7月から第二次実施分の医療費の助成開始がなされるということです。それから、秋以降にまた新たな情報収集を開始して、平成27年度中にこの委員会を再開するという形になろうかと思います。別に秋以降に限らず、この間、先生方から御意見等々ありましたら、是非その都度その都度上げていただきたいと思っています。当然、今日もパブリックコメントも含めて、幾つか御要望等々ありましたが、そこについても検討課題として入れていくということでお願いしたいと思っています。恐らく実施されてからも、具体的な問題等についてもいろいろ出てくる可能性はあると思いますので、それも含めてということになろうかと思います。本日の議事は以上となりますが、最後に健康局長から一言お願いしたいと思います。

○新村健康局長 委員の先生方、本日は大変ありがとうございました。千葉委員長からお話がありましたとおりで、昨年の7月から精力的な御議論を頂きました結果、まず今年1月から既に110疾病、第一次実施分を医療費助成の対象として実施しているところですが、本日それに加えて196疾病を対象とするという検討結果を頂きましたので、306疾病となる見込みです。この点について、51日に疾病対策部会に報告して、7月から医療費助成が開始できるように、事務方として準備を進めてまいりたいと考えております。この間、委員の先生方には大変熱心な御議論を賜りまして、改めて御礼を申し上げます。

 今後についても、委員長からお話がありましたとおりですが、難病の様々な研究班からの情報も含めて、今後、更に必要な情報収集を行って、今年度中にまたこの委員会をお願いすることもあると思います。その際、引き続き御議論いただければ有り難いと考えております。以上、簡単ですが、この指定難病委員会のとりあえずのまとめに当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○千葉委員長 この長い間、委員の先生方におきましては本当にありがとうございました。非常にタイトなスケジュールの中で、精力的に御議論いただいたことに対しまして感謝を申し上げたいと思います。私自身も、いつも申し上げていますように、これはもちろん100%十分な形になっているとは思っておりませんで、やはりどんどん改正等々が必要であると思います。1つかなり苦心したのは、公平性といいますか、そこのところで、その点についても完全に公平とは言い難いと思いますが、できるだけ努力はしたつもりです。それについても、今までの疾患に加えてこれだけたくさんの難病について医療費助成が開始されるというのは、一歩も二歩も進歩だと思いますので、それも含めて厚生労働省の方々の御努力に対してもお礼を申し上げたいと思います。ということで、また来年に向けて、一旦これで置きますが、準備をして継続審議をしていくということで、今回はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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