ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬食品局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第21回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2014年10月10日)




2014年10月10日 第21回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

平成26年10月10日(金) 15:00~17:00


○場所

航空会館大ホール(7階)
(東京都港区新橋 1-18-1 航空会館)


○出席者

出席構成員

堀田構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員、合田構成員
小川構成員、落合構成員、北田構成員、後藤構成員、友池構成員
西川構成員、樋口構成員、村島構成員、横谷構成員、吉村構成員

出席参考人

安藤参考人、勝野参考人、金澤参考人

○議題

第2回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第3回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬食品局審査管理課

 定刻になりましたので、ただいまより「第 21 回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。

 本日は、五十嵐構成員、後藤構成員、樋口構成員、村松構成員及び山本構成員より欠席の御連絡をいただいております。また、岡部構成員から、遅れるという事前の連絡をいただいておりまして、小川構成員と吉村構成員につきましては、現在まだお見えではないのですが、遅れるという御連絡をいただいておりませんので、まもなく到着するのではないかと思います。現時点で 12 名の先生に御出席をいただいております。

 また、本日は WG の検討状況を報告するに当たりまして、前回同様、各 WG のメンバーから参考人として御出席をいただいております。これまで出席していただいている先生方になりますので、御紹介は割愛させていただきたいと存じます。

 続きまして、事務局の人事異動につきまして御紹介させていただきます。 7 11 日に医薬食品局長に就任しておりましたが、前回は用務のために欠席させていただき、今回、初めての出席ということになりますので御紹介させていただきます。医薬食品局長の神田でございます。

 

○医薬食品局長

 神田でございます。よろしくお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 私も 9 1 日に着任しましたので、遅まきながら担当させていただきます課長補佐の井本でございます。よろしくお願いいたします。カメラの撮影のほうはここまででお願いしたいと思います。

 それでは堀田座長、以降の進行をよろしくお願いいたします。

 

○座長

 皆さん、お忙しいところ、どうもお集まりいただきましてありがとうございます。本日もどうぞ、よろしくお願いいたします。

 まず、配布資料の確認を事務局からお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 それでは資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料を順番に御紹介したいと思います。

 まず、一番上が議事次第、座席表です。資料 1-1 「検討会議における検討の進め方」、資料 1-2 「第 III 回要望の考え方」、資料 2 「第 II 回要望関連の専門作業班の検討状況の概要等について」、資料 3 「第 III 回要望関連の専門作業班の検討状況の概要等について」、資料 4-1 4-3 は個別品目になりますが、「医療上の必要性に関する専門作業班の評価」、資料 5 「公知申請の該当性に係る検討会議報告 ( ) 」、資料 6 「第 II 回要望における医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況」、資料 7-1 「企業から提出された開発工程表について」の 1 枚紙です。企業から提出された開発工程表の概要等について、資料 7-2 「第 I 回要望関連」、資料 7-3 「第 II 回要望関連」となっています。

 それから、資料 8 「開発企業の募集を行った医薬品のリスト」、資料 9 「レチガビンの開発について」、資料 10 「未承認迅速実用化スキーム」、ここまでが資料です。

 以下、参考資料ですが一つづりにホッチキスで留めておりますけれども、参考資料 1 5 まで御用意させていただいています。参考資料 1 「開催要項」、参考資料 2 が「構成員名簿」、資料 3-1 WG の設置について」、参考資料 3-2 WG メンバーの名簿」、参考資料 4-1 「医療上の必要性の評価の基準について」、参考資料 4-2 「開発要請先企業の指定の考え方について」、当日配布として参考資料 5 「希少疾病用医薬品・医療機器 ( オーファンドラッグ・デバイス ) の指定制度について」です。以上です。

 

○座長

 ありがとうございました。資料の落丁等、不備がございましたらお知らせいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、前回が 7 11 日でありましたけれども、その後の進捗状況につきまして事務局から御説明ください。

 

○医薬食品局審査管理課

 それでは、まず資料 1-1 1-2 を使って御紹介をしたいと思います。資料 1-1 ですが、前回からの更新としましては、現在募集しており、第 III 回要望の第三期募集の締切りを今年の 12 月末にさせていただく決定をしております。これは冒頭の一番上の 5 行目の最後のところに第三期募集は 2014 12 月末まで募集する予定という所を変えさせていただいています。また資料の右の下のほうの四角ですが、企業への開発要請につきまして、第 III 回要望の優先品目の内、前回までの検討会議で医療上の必要性が高いと御判断いただきました 3 品目、第 III 回要望 3 件ということを修正させていただいています。

 第 III 回要望の考え方につきまして、資料 1-2 を御覧ください。第 III 回要望からは随時募集ということで、第 I 回、第 II 回は期限を切って要望をいただいていたわけですが、第 III 回からは通年受付ということで随時募集を行っております。当初進行中の第 II 回要望等への検討が懸念されたために、第 III 回要望につきましては、優先的に取り扱う品目とそうでない品目に分けて、優先的に扱う品目から医療上の必要性の検討を行っていくということにしておりました。前回、これにつきまして、委員の先生方から優先品目の要件が適当かどうかという御意見をいただきました。また、第 III 回要望での要望数が非常に少ないということもありまして、優先品目を設ける必要性についてご指摘をいただいたところです。

 そういった御意見を受けまして、今回、このように見え消しで資料をご用意させていただいておりますけれども、従来の優先的に取り扱う対象をやめまして、要望品目が過度に多くならない限り、第 III 回通年受付の分につきましては優先的に取り扱う品目とそれ以外の品目の分類をやめて、取りまとめて全て医療上の必要性の評価を実施していくように運用を改めたいと考えています。資料につきましては以上です。

 

○座長

 進捗状況を説明していただきました。前回問題になりました、優先審査について、事務局側で一定の整理をして提案していただきましたが、何か御意見はございますでしょうか。確か前回に吉村先生からコメントいただきましたが、よろしいでしょうか。

 

○吉村構成員

 結構です。

 

○座長

 検討対象品目数も少ないのに優先のものを先にやって、他はやらないのかって、そういう御意見でしたね。まあ、同時併行的に必要なものから、あるいは整理できるものからやっていくということで、全体としての進捗を早めるという対応にするということでございますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 続きまして、第 II 回あるいは第 III 回の未承認薬・適応外薬の開発要望について、事務局からその後の整理を説明してください。

 

○医薬食品局審査管理課

 資料 2 を御覧ください。第 II 回要望に係る専門作業班の検討状況の概要についてです。前回の会議までに、 101 件について医療上の必要性が高いと評価を頂きました。表で言いますと、上の表の検討済み、必要性高いが未承認薬 25 件、適応外薬 76 件、合計 101 件につき評価を頂きました。また、検討中とされたものが、未承認薬 1 件、適応外薬 18 件、合計 19 件でした。

 今般、その 19 件について検討をしていただき、下の表のように必要性が高いとされたのが、未承認薬として抗菌・抗炎症 WG 1 件、適応外薬として精神・神経 WG 2 件、合計 3 件が医療上の必要性が高いと評価されております。こちらについては、資料 4-1 4-2 で後ほど具体的な品目として報告いたします。この結果、下の表で、 19 件のうち 16 件が検討中となり、このリストについては 3 ページ以降にまとめております。

 次ページです。医療上の必要性が高いと評価された品目について、開発要請又は開発企業の募集を行った 100 件の進捗状況を表しています。右側の表、 7 11 日開催の前回会議時点の様子です。企業に開発要請したもの 83 件のうち、 30 件が公知申請が妥当であるものと評価をいただきましたが、今回、新たに 2 件、公知申請に該当するのではないかと評価をいただいています。これについては、個別品目として資料 5 で紹介いたします。それに伴いまして、検討中であったもの 15 件が 13 件となっています。具体的には、適応外薬 11 件が 9 件ということで、 2 品目が公知申請に該当すると評価をいただいたことになります。

 これらの品目について、前回の会議のときに「検討中」であったものは資料 6 に一括して掲載していますので、後ほど紹介いたします。

 資料 3 を御覧ください。第 III 回要望に係る専門作業班の検討状況の概要についてです。前回の会議までに、上の表の未承認薬 3 件について評価をいただいていたわけですが、今回、下の表の適応外薬 1 件がこの 3 か月で評価をいただいたことになります。抗がん WG の資料 4-3 で、後ほど紹介いたします。医療上の必要性について検討中の品目は、本資料の 5 ページ以降に 51 品目として掲載しております。

3 ページを御覧ください。前回会議までに検討された 3 品目は、優先品目とされていたカテゴリーですが、 8 29 日に開発要請を行って 9 月末に工程表が提出されています。こちらについては内容を精査の上、次回以降の検討会議で概要等を報告いたします。以上です。

 

○座長

 ただいまの資料 2 、資料 3 に基づいての開発要望に関する評価、若しくは開発要望に関する事務局の取りまとめについて、何か御意見を頂けますでしょうか。

 資料 2 については、随分整理がついて、あと残ってきたものは難しいものになってきて、どうしても時間がかかっておりますが。第 III 回要望等も評価しておりますので、その辺の流れはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、続きまして、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について御説明をお願いします。まず、精神・神経 WG から、勝野参考人、御報告をお願いいたします。

 

○勝野参考人

 精神・神経 WG の座長をしております勝野でございます。よろしくお願いいたします。資料 4-1 を御覧ください。精神・神経 WG で検討をする第 2 回要望のうち、リドカイン塩酸塩及びメピバカイン塩酸塩について、今回医療上の必要性を検討いたしました。

1 ページです。日本手外科学会よりリドカイン塩酸塩の局所静脈内麻酔の効能・効果について要望が上げられております。医療上の必要性に関する WG の評価の欄を御覧ください。まず、適応疾病の重篤性については、ウ、その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患と評価いたしました。四肢手術の際に用いられる神経ブロックは、習熟した専門医により実施されなければ合併症が発生する危険性があり、患者の日常生活に著しい影響を及ぼす可能性があります。リドカイン塩酸塩による局所静脈内麻酔は、神経ブロックと比較し簡便であるため、「ウ」に該当すると考えております。

 次に、医療上の有用性についてです。ウ、欧米等の臨床試験において有効性・安全性などが既存の療法と比べて明らかに優れていると評価いたしました。リドカイン塩酸塩の局所静脈内麻酔については、米国、フランス、オーストラリアなどにおいて承認されておりまして、国内外の公表文献及び教科書等においても同様の使用方法が示されており、本邦における 42 万件 / 年の四肢手術のうち、数%が局所静脈内麻酔下で実施されていると推定されております。

 一方、四肢の手術のうち下肢の手術に関しましては、下肢の手術に対して本剤を使用した局所静脈内麻酔のエビデンスが限定的なものであり、教科書等に記載されている用量についても必ずしも一貫しているものではないことを踏まえますと、「四肢」のうち「上肢」に限定した場合には、国内における有用性が期待できると考えられることから、「ウ」に該当すると考えております。

 なお、資料の 2 ページ以降に日本ペインクリニック学会などから提出されましたリドカイン塩酸塩、メピバカイン塩酸塩についての要望もお示ししておりますが、これらの要望は最初にお示ししました資料 1 ページの要望番号 II-270.1 と趣旨が同じ要望であるということを要望者に確認済みでありますので、今回、併せて評価を行った次第であります。精神・神経 WG からの報告内容は以上です。よろしくお願いいたします。

 

○座長

 勝野先生、ありがとうございました。それでは、ただいまの精神・神経 WG の報告に何か御意見をいただけますか。

 

○小国構成員

 下肢についてはエビデンスがもう少しそろってから、また提出するということになるのでしょうか。

 

○勝野参考人

 少なくとも現時点では、教科書とかレビューを含めまして上肢の記載がほとんどですので、もし明らかなエビデンスが今後出てくるようであれば、また可能性はあるかもしれませんが現時点では難しいという判断になると思います。

 

○座長

 今回はエビデンスから言えば上肢だけに限定ということですが、エビデンスがそろえば、またそのときに判断することとします。よろしいでしょうか。そのほかに御意見をいただくことはありますでしょうか。特にないですか。それでは特に異議がないようですから、この WG の報告を了解したいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、抗菌・抗炎症 WG です。金澤参考人からよろしくお願いいたします。

 

○金澤参考人

 資料 4-2 を御覧ください。第 II 回要望のうち妊婦のトキソプラズマ感染症に対するスピラマイシンについて、今回医療上の必要性を検討しました。ページを開けていただきますと要望についての評価を記載しております。この表の医療上の必要性に関する WG の評価の欄を御覧ください。

 まず、適応疾病の重篤性については、ア、生命に重大な影響のある疾患と評価しました。その理由として、母体がトキソプラズマに感染し、胎児にも垂直感染してしまうと、早流産等のほか、新生児にも中枢神経障害などを引き起こすことが知られています。また、顕性感染の予後も不良であることから、「ア」に該当すると判断しました。

 次に、医療上の有用性については、ウ、欧米等の臨床試験において有効性・安全性が既存の療法と比べて明らかに優れていると判断しました。本剤は、ドイツ、フランスなどで妊婦のトキソプラズマ感染症を適応症として既に承認されており、胎児への垂直感染を防ぐ目的で用いられております。本邦ではアセチルスピラマイシンが適応外で使用されていますが、海外での使用成績はなく、適切な用法・用量も検討されておりません。

 このような状況から、海外で用法・用量が確立しているスピラマイシンを本邦でも使用できるようにすることが有用と考えて、「ウ」と判断しました。抗菌・抗炎症 WG からの報告内容は以上です。

 

○座長

 ありがとうございました。それでは、この WG の報告に対して御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。既にドイツ、フランス、カナダでは標準治療となっていると報告書に書いてありますが、そのほか、例えばアメリカやイギリスはどのような状況ですか。

 

○金澤参考人

 アメリカは分かりませんが、我が国でアセチルスピラマイシンの吸収がいいということで開発されまして、専らそれが使われていたわけです。いわゆるエビデンスという面では欠けていて、海外ではそれがない。スピラマイシンはマクロライドで開発後もう 50 年以上もたっている古い薬で、胎児への移行も分子量が大きいのでないので、安全性は非常に高いと考えています。

 

○座長

 ありがとうございました。

 

○伊藤構成員

 胎児治療としての位置付けでいいですか。

 

○金澤参考人

 胎児への垂直感染の防止です。予防です。

 

○伊藤構成員

 ただ、予防ですが胎児側ですよね。妊婦のトキソプラズマ感染症ですけど。

 

○金澤参考人

 ですから、妊婦がナイーブな状態で感染を起こしますと、それが胎児に影響すると。

 

○伊藤構成員

 要するに胎児側の予防治療になるわけですね。

 

○金澤参考人

 そうです。

 

○伊藤構成員

 ここら辺が非常に理解しにくいところがある。

 

○金澤参考人

 難しいところがありますね。

 

○伊藤構成員

 こことは関係ないですが、そういうものはあるのでしょうか。ほかで承認、認可という胎児側の治療としての。

 

○金澤参考人

 質問の御趣旨がよく分からないのですが。

 

○伊藤構成員

 母体へ投与して、例えば胎児不整脈だと握ったりして何かありますが、そういうものに対しての治療はあるのですか。

 

○金澤参考人

 日本にはないようです。

 

○座長

 母体への治療にはならないのですか。胎児への予防というのはよく分かりましたが、母体自体への影響はいかがですか。

 

○金澤参考人

 母体への治療にはなると思います。

 

○座長

 いいのですね。

 

○金澤参考人

 それから、母体が既感染者では抗体を持っていますので、その場合には児には安全なのです。児には発症してこない。ですから、既感染歴がなくてナイーブな状態で妊娠して感染を起こしてしまうと、児に影響を及ぼすということで非常に特殊な状況での治療だと思います。

 

○座長

 ということですがよろしいでしょうか。一旦、未感染母体が感染すると大変重篤になりますので、予防ができるということであれば、それは積極的に取り入れるべきかと思います。有用性という判断で言えば、必要性は高いということですね。ありがとうございました。ほかに何か御意見いただけますか。

 

○金澤参考人

 併せて追加で、今事務局からあったのですが、母体の感染症の治療という点では、既に御承認いただいている 3 剤治療という強力な治療がありまして、そちらを優先的に使う、こちらは専ら胎児への安全性ということも含めて胎児への感染防止という意味で使い分けるという面もありますので、併せてお伝えしたいと思います。

 

○伊藤構成員

 発言させていただいたのは、胎児治療に対して、いかに承認、認可するかということが一つきっかけになればいいかなと思って発言させていただきました。

 

○金澤参考人

 ありがとうございました。

 

○座長

 よろしいでしょうか。それでは、これも報告書の内容を承認ということにいたします。続きまして、抗がん WG の安藤構成員からよろしくお願いいたします。

 

○安藤参考人

 抗がん WG の座長の安藤です、よろしくお願いします。今回は日本臨床腫瘍学会からのパクリタキセルの胃がんの要望です。用法・用量に関しては、 1 1 100mg/m2 1 時間かけて静注して週 1 回投与を 6 週連続投与、少なくとも 2 週休薬という用法・用量の要望が出ております。備考を御覧いただくと、本品目は、胃がんで A 法といって 1 210mg/ m2 3 週間 1 回投与というのが既に用法・用量で承認されておりますが、今回は週 1 回投与の要望です。

 適応疾患の重篤性についての該当性に関しては、胃がんは致死的な疾患であり適応疾患の重篤性は、「ア」に該当すると判断いたしました。医療上の有用性についての該当性に関しては、欧米等 6 か国では胃がんの効能では承認されておりませんが、診療ガイドライン及び教科書の記載内容と海外の臨床試験と国内の使用状況から、胃がんに対するパクリタキセルの週 1 回投与は欧米でも標準的な治療と位置付けられておりまして、国内でも既に一般的に用いられております。このために国内においても十分な有用性が期待できると考えられまして、「ウ」に該当すると判断いたしました。

 ただし、備考の 3 行目に、今回、日本臨床腫瘍学会から B 法といって 1 100 mg / m2 1 回投与、 6 週連続投与で 2 週休薬というのが要望であるのですが、実は、海外とか今国内で一般的に実臨床として用いられている用量が、 1 80 mg / m2 で週 1 回投与で 3 回投与して 1 週休む、若しくは毎週投与というのが用いられておりまして、海外では 80 mg / m2 、週 1 回を 3 回投与、 1 週休薬で臨床試験のエビデンスがありますので、今回の要望に際して用法・用量に関しては、今後検討する必要があると判断いたしました。以上です。

 

○座長

 分かりました。それでは、ただいまの抗がん WG の報告に何か御意見ありますでしょうか。今、日常診療では既にこういう形で使われているということをおっしゃいましたが、十分なエビデンスはないにしても、何か臨床研究実績は国内にあるのですか。

 

○安藤参考人

 あります。海外にもイリノテカンがセカンドラインで用いられる薬で、パクリタキセルなどがあるのですが、そういうものの比較試験は海外でも国内でもあります。臨床試験のエビデンスはあります。

 

○吉村構成員

 この備考の一番最後に、用量及び投与スケジュールについて検討すべきと考えると書いてあるのですが、これは誰がやることになるのでしょうか。

 

○安藤参考人

 抗がん WG で、今申し上げた国内と海外の臨床試験成績、それから使用実態等に基づいて用法・用量に関して、さっき述べましたように 1 回投与量が 80 mg / m2 になると思うのですが、それについて用法・用量について御提案をさせていただくということになると思います。

 

○吉村構成員

 提案をここにするわけですか、どこか別の所に。要するに誰が検討して誰がどういう決定というか、最終的にはどういう決定をすることになるのか。

 

○座長

WG は有用性の判断だけなので、その先のどうやるかというのは次のステップだとは思いますが、その後の流れができていないと止まってしまうということはありますね。そこは、きちんとしなければいけないのですが、基本的には臨床試験グループで治験もしくは、今さら治験ということとすれば臨床試験で明らかにするべきことかなと思います。それでガイドラインに乗せていくという流れかと思います。そのほか何か御意見ありますか。

 

○医薬食品局審査管理課

 本日、医療上の必要性を御議論いただいて、必要だということで御了解いただきましたら次のステージに進みますので、次は開発要請いたしましたものについては、基本的に公知申請が可能かどうかの議論のときに用法・用量が決まっていれば用法・用量も含めて公知の該当する議論になりますし、用法・用量が定まっていなければ、その後治験で定めるのか、成書なりあるいは論文等からその部分を補って申請につなげていくのか、いずれにしても次のステージにつながっていってプロセスの中で明らかにしていく。また WG の先生方にはサジェスチョンなり御助言をいただきながら進めていきたいと思っております。

 

○座長

 次のステップではいろいろな展開があるようですが、まずは開発要請をかけるという段階ですので、評価としては必要性があると御認識していただけますでしょうか。ありがとうございます。必要性の評価については、以上です。

 続きまして、資料 5-1 について、金澤先生から御説明をお願いいたします。

 

○金澤参考人

 ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム ( 気管支喘息 ) の公知申請への該当性に係る報告書です。 1 ページです。日本小児アレルギー学会から本剤 100 mg 製剤について気管支喘息に対する用法・用量の増量及び小児用量の明記、本剤 250 mg 及び 500 mg 製剤について、気管支喘息の効能・効果の追加及び気管支喘息に対する用法・用量の追加の要望が提出されています。

3 15 ページにかけまして欧米等 6 か国の承認状況について記載していますが、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア等において要望内容に係る効能・効果、用量で承認されています。 16 ページです。要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について記載しておりますとおり、国内外の文献調査の結果、要望内容に関する無作為化比較試験等の文献が公表されていること、教科書や国内外の各種診療ガイドライン等で要望内容に係る用量を含むヒドロコルチゾンの使用が標準的治療法として記載されていることから、要望内容に係る用量を含む本剤の投与は気管支喘息に対する治療法として確立されたものであり、臨床現場においても使用実績が蓄積されているものと判断しました。

29 ページです。効能・効果については、本剤 100 mg 製剤については喘息に係る効能・効果として、気管支喘息及び喘息発作重積状態が既に承認されていますが、喘息発作重積状態は気管支喘息に含まれる病態と考えられますから、気管支喘息として一括することで記載を整えて整備した上で本剤 250 mg 及び 500 mg 製剤における効能・効果についても気管支喘息と設定することが適切であると WG で判断いたしました。

31 32 ページです。用法・用量についてです。成人における用法・用量については、海外無作為化比較試験、国内ガイドライン及び教科書並びに海外承認用量を勘案して、通常、成人には 1 100 500 mg を緩徐に静脈内に投与する。症状が改善しない場合には、 1 50 200 mg 4 6 時間ごとに緩徐に追加投与する。なお、年齢症状により適宜増減すると設定することが適切であると判断しました。

 また、小児については、本邦における本剤の既承認用法・用量には小児用量に係る具体的な記載はなく、海外でアメリカを除き具体的な小児用量は設定されていませんが、ステロイド剤の安全性プロファイルなどを踏まえると、小児においては体重当たりの用量を設定することが望ましいと考え、国内診療ガイドラインに準じて本剤 100 mg 200 mg 及び 500 mg 製剤のいずれも 2 歳以上の小児においては 5 7 mg /kg 6 時間ごと、 2 歳未満の小児は 5 mg /kg 6 8 時間ごとに静脈内注射又は点滴静脈内注射する旨の用法・用量を設定することが適切であると判断しました。

28 ページです。安全性については、要望内容に係る用量について無作為化臨床試験に基づく安全性情報は限られていますが、海外では長年にわたる使用経験があります中で、要望内容に係る用量での安全性について低用量と比較して特段の問題は報告されていないこと、また、ステロイド剤の安全性プロファイルについては、これまでに蓄積された使用経験からおおむね明らかにされているということを踏まえると、日本人成人及び小児気管支喘息患者における要望内容に係る用量でのヒドロコルチゾンの安全性は、ステロイド剤の全身性投与に関する従来の安全対策を徹底することにより管理可能であると判断しました。以上より、日本人成人及び小児気管支喘息患者におけるヒドロコルチゾンの有効性及び安全性は医学薬学上公知であると判断いたしました。以上です。

 

○座長

 ありがとうございました。公知申請が妥当かどうかという判断です。ヒドロコルチゾンが小児、成人の気管支喘息に対しての、有用性は認められるが、これを公知としていいかどうかという判断について公知でいいということでしたが、何か御発言ありますか。

 

○小川構成員

 至る所に緩徐と書いてあるのですが、普通は我々の循環器製剤だと必ずスピードが何 mg/ 分と書くのが普通なのですが、緩徐というのはどの程度のことをイメージしているのですか。習慣的にこういうものなのでしょうか。

 

○金澤参考人

 まず、喘息に対するステロイド薬の効能を考えますと、炎症を抑えるという点で数時間を経て効いてくることがある一方、ヒドロコルチゾンはコハク酸エステルナトリウムになっておりまして、アスピリン喘息という病態でコハク酸が有害事象、喘息の重篤な発作を起こすことが知られているので、喘息の患者全てがアスピリン喘息であるかどうかということは、なかなか分からない状況ですので、ゆっくり使うというのが臨床的に、これまで通常そう行われて、余り急に落としてアスピリン喘息発作を起こすと大変痛い目になる。

 

○小川構成員

 例えば、 10 分、 30 分、 1 時間なのかというのはないのですか。

 

○金澤参考人

 それは記載がありません。

 

○小川構成員

 意外な気が、我々の循環器製剤だと考えられないような感じなのです。

 

○金澤参考人

 さっき言いましたように、効能・効果を発揮してくるのが一般には 4 6 時間くらいの話なので、 1 2 時間で投与を完了するくらいのペースとお考えいただいていいのではないでしょうか。これは私見ですので、エビデンスに基づく話ではありません。

 

○小川構成員 何となく違和感があったので質問しました。

 

○座長 そのほかいかがでしょうか。

 

○伊藤構成員

 先ほどのアスピリン喘息の問題なのですが、パラベンが問題ではなかったのですか。どちらですか。リン酸塩とコハク酸塩だとリン酸塩のほうが少ないと言われていますよね。

 

○座長

 そうですね。

 

○金澤参考人

 パラベンももちろんあるわけですが、コハク酸エステルそのものがいかんとも言われていまして。

 

○伊藤構成員

 一つは、一番気になったのは、 33 ページで添加物と使用しない製剤が出ているにもかかわらず、まだパラベンが入っている製剤が残っている。これは、なしにできないのですか。

 

○金澤参考人

 もともと 100mg 製剤は入っていなかったようですが、 250mg 500mg 製剤もなしの製剤に

 切り替わったところです。

 

○伊藤構成員

 完全になくなったのですね。

 

○金澤参考人

 ヒドロコルチゾンに関してはないということだと思います。

 

○伊藤構成員

 パラベンも。

 

○金澤参考人

 切り替え中だそうです。

 

○伊藤構成員

 そこら辺のところをしっかりしておいて、こういうものを公知でいくというのもいいのではないかと思います。

 

○金澤参考人

 それを踏まえての話だと思います。御指摘ありがとうございます。

 

○藤原構成員

 このあと多分 PMDA が公知申請という報告書を書いてくるのだと思いますが、 20 21 ページの辺りで日本における教科書とか海外における教科書で「ハリソン」は 2009 年版とか、「今日の治療指針」を教科書と考えるのかとか、余りこういう前例ができるとほかのいろいろなものに跳ねるかなというのがあって、例えば「ハリソン」だったら原著の一番新しいバージョンでどうなっていますかとか、「呼吸器病レジデントマニュアル」とか、最近のガイドラインでは COI などを厳しく言う中で、国内のマニュアルや冊子を公知申請の判断材料にしたという記録が残ると、苦労するところもあると思うのですが、いかがですか。

 

○座長

 公知申請の判断材料として最新のデータで、かつオフィシャルなものを資料として評価してはどうかという話だと思います。

 

○医薬食品局審査管理課

 御指摘いただいたのを重く受け止めて、今後検討してまいりたいと存じます。

 

○金澤参考人

 鋭い御指摘でそのとおりだと思います。喘息に対するヒドロコルチゾンの使用は、おそらく 30 年以上前から日常的に行われていて、むしろこれが保険適用になっていないということが非常に有名で、正に公知にすべき対象のものがようやくここに来て通ったということで、 WG の中ではほとんど議論もありませんで、その辺で油断があったのかと思われます。

 

○座長

 確かに、保険では現実には通ってしまっているのですよね。 55 年通知に準拠して日常診療では通常に使っていたような気もするのですが、これは何か副作用等が起こったときに薬事承認を得ているのかどうかということが重要になってくる場合もあるという判断だと思います。

 

○吉村構成員

28 ページには、安全性についていろいろ記載されているのに、最初のいろいろな文献の 200 例とかいう臨床試験には副作用「記載なし」というのが次々と並んでいるのですが、なぜ、 100 例、 200 例の臨床試験の報告に副作用の記載がなくて、実際には 28 ページにあるように、それなりに副作用があるとなっているのですか。例えば、 16 ページにしろ 17 ページにしろ副作用というとほとんどが「記載なし」になっていて、症例報告であれば「記載なし」になっていてもおかしくないのですが、臨床試験だと 100 例、 200 例となっていますから副作用が全くないというのは妙な気がするのです。

 

○座長

 どういう意味で「記載なし」と書いたかのですか。

 

○金澤参考人

 文献に記載されていないのが実態のようでして、実際には副腎皮質ステロアイド、ヒドロコルチゾンの大量投与ですから、ありとあらゆる副作用があるに決まっているわけで。

 

○吉村構成員

 実際にそう書かれているわけですよね。

 

○金澤参考人

 そうですね。ですから、この辺りも実臨床と保険のギャップが非常に大きいことの表れかと思います。あえて申し開きはいたしません。

 

○吉村構成員

 何となく資料整理みたいなことを少ししないと、後で問題になる危険があるのではないかと思います。

 

○横谷構成員

 年齢による用量なのですが、 2 歳未満も書かれていることはいいことだと思うのですが、 2 歳未満が 5mg/kg と固定用量になっていて、ガイドラインをそのまま引いているのですね。だから、ガイドラインの数字をそのまま入れる。 5 7mg/kg というのは臨床試験もあるみたいなのですが、 5mg/kg というのは挙げられている文献からは見つからなかったのですが、ガイドラインで述べられているからという根拠かと思うのですが、その点の確認なのです。もし、ガイドラインでの根拠がきちんとしているのであればいいのですが、実際にガイドラインに書かれているからということで、 5mg/kg でもって承認をしたときに現場で不具合が生じないか確認をしていただければ、ありがたいと思ったところです。

 

○座長

 いろいろ御意見いただきまして、おそらく詳細に書き過ぎてしまったものだから、かえっていろいろ問題点が目立つところがあるのかもしれません。全体として、日常診療で既に行われていることですし、これを薬事承認に持っていくという流れについては、よろしいでしょうか。ありがとうございました。この後の書き振りや整理は、事務局にお任せしたいと思います。

 続きまして、医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況の全体を事務局から説明お願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 資料 6 を御覧ください。先ほど資料 2 3 で説明いたしましたが、資料 2 に関する第 II 回要望で、医療上の必要性が高いと判定を受けた品目のその後の検討状況を示した一覧表です。各 WG ごとに、今各 WG で検討いただいている品目があります。例えば、代謝・その他 WG のページをめくっていただきまして、 1 品目、ミコフェノール酸が検討中になっております。

 各検討グループに残された課題が一覧表で載っておりますが、 6 ページに、今御審議いただいたヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムの品目が載っていて、今回ここの部分が公知に該当するという御判定を頂いたということで、次回からここが抜けます。今回この 2 品目分が抜けるという、前回時点ではここが入っていたという表です。

 以上 15 品目、前回の時点でありましたが、今回 2 品目小児と成人分がありましたので、残りは 13 品目と見ていただく表になっております。報告は以上です。

 

○座長

 それでは、ただいまの報告に何か御意見いただけますでしょうか。よろしいですか。今日、御議論いただいた 2 品目が整理されたということになります。ありがとうございます。

 それでは、続きまして、企業から提出されました開発工程表について、きちんと進捗しているかどうかという御判断をいただきます。事務局から説明をお願いします。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 それでは、企業から提出された開発工程表などについて、お手元の資料 7-1 7-2 7-3 及び資料 8 に基づいて御説明します。

 まず資料 7-1 は、企業から提出された開発工程表の評価についての考え方を示すものです。これについては従前と同様ですが、開発要請から半年以内に WG の結論により公知申請が可能とされたものについては、開発を適切に行ったものと評価するということであるとか、開発要請から 1 年以内に治験計画届を提出したものについては、開発を適切に行ったものと評価するという考え方です。これは従前と同様です。

 続いて、資料 7-2 に基づいて、前回以降の進捗状況などについて中心に御説明します。資料 7-2 は、第 I 回要望に関する企業から提出された開発工程表の概要です。これについては、今年の 9 25 日現在ということで、関係各社から報告をいただいています。

1 ページ目が全体に関する総括表ですが、前回からの数字の変更の部分を中心に御説明します。まず、「承認済み」のところについては合計 141 件となっておりますが、前回は 137 件でしたので、 4 件の増加です。続いて、「承認申請済み」のものについては今回 11 件となっておりますが、前回は 12 件でしたので、 1 件減少しています。それから、「治験計画届提出済み」については現在、合計 27 件となっていますが、前回は 30 件でしたので、 3 件減少しております。第 I 回要望の各品目については、こちらの検討会において、医療上の必要性に関する御判断及び公知申請の妥当性に関する御判断は全て終了しています。

 具体的にどのような品目の進捗が見られたかについては、資料 7-2 18 ページを御覧ください。 18 ページの要望番号 374 番と 142 番の 2 品目について、今年 7 月に既に承認がなされております。

 続いて、 24 ページ及び 25 ページを御覧ください。 24 ページ及び 25 ページにある要望番号 329 番及び 308 番の 2 品目については、今年 8 月に承認済みとなっております。

 それから、 28 ページにある要望番号 8 番、 250.2 番、 168 番の 3 品目については、新たに承認申請済みということで、現在審査中というステージに移っています。資料 7-2 に関する前回以降の進捗状況の主な変更点は以上です。

 続いて、資料 7-3 を御覧ください。資料 7-3 については、第 II 回要望に関する企業から提出された開発工程表の概要です。 1 ページ目が全体の総括表です。前回以降の進捗状況としては、「承認済み」のものについて、今回 57 件となっておりますが、前回が 45 件でしたので、 12 件の増加となっております。その下の「承認申請済み」のところについては、今回 7 件となっておりますが、前回は 17 件でしたので、 10 件減少しております。その下の「治験計画届提出済み」のところについては、今回 11 件となっておりますが、前回は 12 件でしたので、 1 件減少しております。その下の「公知申請予定」については、今回は 13 件となっておりますが、前回は 14 件でしたので、 1 件減少しております。

 具体的にどのような品目に進捗が見られたかについては、お手元の資料 7-3 8 ページを御覧ください。 8 ページから 9 ページにかけての要望番号 II-277 番から II-86 番に関するこの 11 品目については、今年 7 月及び 9 月に既に承認がなされております。

 次に 10 ページです。要望番号 II-88 番については、今年 8 月に承認済みとなっております。また、 12 ページの II-32 番及び II-278 番の 2 品目については、承認申請済みになりましたので、現在審査中です。

 それから、一番最後の 24 ページです。 24 ページの要望番号 II-274 番については、前回、こちらの会議においても報告させていただきましたが、成人における部分発作に対する併用療法ということで、てんかんのお薬だと思いますが、 FDA において副作用の問題でのアラートが出されたといったお話がありまして、企業において、計画中の治験について実施を中断しているという報告を前回させていただきました。この後、また詳細に御説明があると思います。そういった状況を踏まえて、今般、要望者より開発要望が取り下げられたといった御報告がありました。資料 7-3 については以上です。

 最後に、資料 8 について御説明します。開発企業の募集を行った医薬品のリストです。本年 9 25 日時点での状況ですが、まず 4 番の品目が承認済みということになりました。また、 8 番は承認申請準備中であったものが、承認申請中ということでの進捗が見られます。前回以降の進捗状況についての御報告は以上です。

 

○座長

 ありがとうございました。企業への開発要請をした後の企業の対応というところで、工程表に基づいてその進捗が得られているかという評価です。基準は最初に申し上げたような治験届までの期間とか、いろいろありますが、それに特に抵触しているものはないという判断でいいですか。何か全体としてこの工程表についての流れに御意見あればいただきます。

 

○吉村構成員

 本質的なことではないのですが、今度、承認済みになったもののうち、 9 件は実は 1 品目なんですね。心臓移植あるいは肝臓移植、何とか移植って。そういうのは、やはり 9 件というと、非常にたくさんあったように思えるのだけれど、実は 1 品目。まあ、しようがないとは思います。

 

○座長

 適応ごとに品目数になるのですね。それぞれの適応で本当にそれがいいかどうかというのはあるかもしれません。

 

○吉村構成員

 新聞などに公表された件数というと何となく。

 

○座長

 実際よりいいように見えるということですか。

 

○吉村構成員

 少し妙な感じはしますね。

 

○座長

 そういう印象は確かにありますね。 1 つでたくさんの適応がある場合もありますので、こういう形になります。そのほか御意見ありますか。では、事務局から。

 

○医薬食品局審査管理課

 今の補足で、何も変わらないのですが、御説明しますと、実際の要望書は、品目数ではなくて、こういう疾患群でこういうものが欲しいという要望を件数でいただく形になります。一方、我々のほうで審議させていただいて、御評価いただくときには、場合によって品目ごとにということもありますが、適応ごとにまとめられたりしますので、品目数で数える場合と件数で数える場合が実は入り込んでいます。その辺が先生方にも混乱を、実は煩わしいことをさせてしまったこともあるのですが、どうしてもここは出す側の立場から件数が来てしまい、薬事承認上は品目ごとに承認をおろすので、このようなミスマッチはどうしても生じてしまうものということで御了承いただきたいと思います。

 

○座長

 もともと要望は別々に出ているんでしたか。まとめて一度で出ているわけではないですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 例えば、第 I 回要望や第 II 回要望は期間は限定していますが、いろいろな団体の方から出されて、また効能についても別々に出てくる中でこちらも細分化してやる場合もあるのですが、それを横並びでやらせていただいています。典型的には成人あるいは小児で分かれる場合もありますし、そこは一応、分野横断的にカウントしているので、少しこういう煩わしさが伴ってしまっています。分ける必要はないとお叱りを受けるところもあるかと思いますが。

 

○座長

 そのほかに御意見はありますか。御遠慮なく。資料 8 は、なかなか難しいものを対象にしているわけで、企業には無理にというか頑張っていただいているのですが、これ以上に加速する方法というかアイデアなどはないのですか。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 各企業に対しても、その都度、進捗状況については確認しておりますが、どうしても、自分でライセンスを持っていない中で外国の企業とのライセンス交渉をしなければならないとか、やはり、それなりのハードルの高さもあるようですので、現時点では、やはりきちんと進捗状況を管理するというところが重要かなと考えております。

 

○座長

 こういうの開発要請の情報は、海外にまで伝わっているらしく、そうすると、契約額が跳ね上がるらしいですよ。それも開発工程の進捗が進まない 1 つの原因になっているのではないかという指摘もありますね。開発工程の隠しておくわけにもいかないので仕方がない面があります。いかがでしょう。よろしいですか。ありがとうございました。

 次は資料 9 です。レチガビンの成人の部分発作に対する開発についてのその後の取扱いについてお諮りいたします。よろしくお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 それでは、資料 9 「レチガビンの成人における部分発作に係る開発について」を御覧ください。こちらの品目は、第 11 回検討会議で医療上の必要性が高いと御判断いただいて、平成 24 4 6 日に開発要請を行ったものです。今般、この要望については、中段の表にあるように、日本てんかん学会と日本小児神経学会より、海外における副作用の現状及び厳しい使用制限をかけられている状況で日本人の臨床試験をやっていたのですが、新たに実施することは困難だろうということで、第 I 相の治験を中断していたところですけれども、こういう状況では開発は無理だろうということで取り下げるという申出をいただきましたので、今回取下げという形で御報告申し上げます。

 要望者の取下理由のところですが、 2013 年に海外の長期継続試験において、眼組織を中心とした色素沈着又は視覚変化がありまして、 EU やアメリカでは副作用の評価を行っているところですが、実際には使用前の厳しい眼検査を行って、定期的にそれをウォッチしなければ危ないということになっていまして、ほかに選択肢がない場合に限り使うと。そうでなければ使わないといった状況下に置かれております。我が国においては第 I 相は中断されている状況ですので、そういう状況下では要望は 1 回取り下げたいということですので、これを御報告させていただきます。これについては以上です。

 

○座長

 というわけで、治験の途中ですが、第 I 相は、色素沈着あるいは視覚変化といった有害事象の下に中断するということで、取下げの要望が出たということです。これはやむを得ないとは思いますが、何か御意見はありますか。

 

○小国構成員

 私の所属するてんかん学会から出されたのですが、去年の 4 月に FDA で視力障害の合併症が問題としてとりあげられました。結局どのくらいの頻度で出てくるかという問題など 1 年半たった現在海外から何か報告はありますか。合併障害の率ですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 昨年 4 26 日付けで FDA のホームページに上げています。また、 5 30 日付けでも EU で上げています。それ以上のものは特段追跡はしていないのですが、その状況から変化があったとは聞いていません。

 

○小国構成員

 まだその副作用の頻度に関しては、長期に見ていかざるを得ないという状況ですね。なかなかこういう薬に関して、承認されてから新たな未知の副作用を予測するのは非常に難しいと思っています。取下げでいいのではないかと思います。

 

○座長

 そのほかの御意見いただけますか。こういう場合は、一応努力してやったのだが、海外のいろいろな事情で止まったということなので、これで開発を怠ったという話ではないので、今までの工程表からいえば適切に対応したという判断でよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 次に、資料 10 「未承認薬迅速実用化スキーム」に基づいて、事務局から提案をお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 資料 10 を御覧ください。前回の検討会議において、厚生労働省が今年の 6 17 日に取りまとめた「先駆けパッケージ戦略」の政策の 1 つである、「未承認薬迅速実用化スキーム」を御紹介したものです。その際に、 7 月の検討会議において、委員の皆様から御指摘を頂いた点を踏まえまして、今回、修正提案をさせていただきます。

 まず、中ほどのところに、おさらいですが、そもそも未承認薬の検討会では、ドラッグ・ラグを解消しようということを第一にしており、海外で承認があるのだけれども、日本ではないというものをキャッチアップしようと。それを一歩進めて、このプロジェクトは、海外で未承認であっても、一定の要件を満たしたものについては、開発要請等をして進めていくべきではないかという観点でのプロジェクトになります。では、どういう要件を満たせばいいのかという観点で、 3 つの要件を提示させていただきました。中ほどの (1) から (3) です。

(1) は、「医師主導による」という所を修正させていただいたものです。当初は国内第 III 相試験を実施中、又は終了したものという形で御提案させていただいたのですが、前回、友池構成員のほうから、国内第 III 相試験まで実施、あるいは終了しているものについては、既に開発が十分進んでいるのではないか。そういったものまで対象とする必要はないのではないかという意見を頂いたところです。こちらにつきましては、企業が第 III 相試験、検証試験を終えている、あるいは実施中のものであれば、あえて開発要請を掛けなくても進むものではあると。おっしゃるとおりですが、医師主導治験の場合には、それを第 III 相試験と呼ぶかどうかという議論は少しあるのですが、かなりの検証試験をやられていた場合であっても、企業はそれを引き続き申請していただけないことには承認にいきつけないということもありますので、開発がかなり進んだものについては要らないのではないかということは確かにありますが、医師主導治験で実施されたものについては、引き続き開発要請の最後のスパートをしてもらう意味でも、スコープに入れてもいいのではないかという修正をさせていただきました。

 また、 (2) の所ですが、※を付けさせていただきました。こちらにつきましては、藤原構成員より、この手の要件ですと、オーファン、あるいは小児については、優れた試験成績や論文と言われても、なかなか客体数も少なく、全部揃えるというのは難しいのではないか、門前払いしてしまうようなルールはいかがなものかという御指摘をいただいています。なかなか難しい宿題だったのですが、例えば、オーファンドラッグの指定要件を満たすと見込まれるものについては、最終的には開発要請を受けた企業がありとあらゆる情報を集めて、オーファンドラッグ申請をした場合、例えばそれがオーファンに指定されるようなものであれば、参考資料の 5 に、オーファンドラッグ・デバイスの指定制度がありますが、こちらには指定 3 要件というのがありまして、指定要件が左側にあります。

1 つ目は対象患者数、こちらは 5 万人に達しないことと今はなっています。もう 1 つが医療上の必要性です。大体医療上の必要性であれば、この検討会議の医療上の必要性とほぼ似たようなところで評価いただけると思います。もう 1 つ一番大事なところが開発の可能性です。開発の可能性というのは、そのデータで承認までこぎ着けるか、その時点で開発を進めることができるかという判断指標も、オーファンドラッグの指定等にはあります。何らかのメルクマールがないと、何でも指定というのもしんどい。こちらの品目群、未承認薬迅速スキームの対象品目は、基本的に国内外で承認実績が全くありませんので、そういう意味ではある意味で開発要請をかけられても、企業としては承認されるのかどうなのか全く分からないというような、かなりリスクの高いものになりますので、相当程度エビデンスレベルが高い。

 そういう意味で、 (1) のように第 III 相試験が終わっている、あるいは論文等で国内外でかなりエビデンスレベルが高い、あるいは先進医療 B という形で、国内の使用実績としてかなり実績を積んでいるといったような、相当程度、医療界あるいは学識経験者からも評価されているものでないと、開発が実際には要請されても全部うまくいかないということにもなりかねません。そういった観点で開発の具現性、フィジビリティーも考えると、このような場合には必ずしも論文等でぎっしりと載っていなくてもいいという形で、妥協の産物ではあるのですが、そういうのも包容する規定にしてはいかがかというような形で修正提案をさせていただきました。

 先生方からいただいた意見に対して十分答え切れているか分かりませんが、事務局としてこのような修正をすれば、先生方の御審議いただいた結果を盛り込めているのではないかと考えて、本日御審議いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

 

○座長

 前回いろいろ構成員の先生方からの御意見を踏まえて、修正を加えております。前回御意見を頂きました友池構成員、何か、いかがでしょうか。

 

○友池構成員

 ありがとうございました。「医師主導による」ということを付け加えていただいて、御趣旨の点がよく理解できるようになったと思いますので、私は異論ございません。

 

○横谷構成員

 よい方向に変わっていると思います。 1 つははっきりさせたいのは、この資料で※が付いているのがどこを指しているのですか、オーファンドラックの前に付いている※は、 (2) についている※に対応している。

 

○医薬食品局審査管理課

 はい。

 

○横谷構成員

 その下にある※は意味がないのですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 すみません。網掛けに、※を付けてしまいました。

 

○横谷構成員

 オーファンドラッグについている※ですが、必ずしも該当しないという意味ですね、優れた試験成績が論文等で公表されているということに該当しなくてよいということになると、かなり曖昧になるのですが、優れてなくてもいいとか、論文になってなくてもいいとか、いろいろなものが含まれて、それはそれでケースバイケースで、状況によって判断しましょうというようなことなのですか。

 

○医薬食品局審査管理課

 ありがとうございます。趣旨といたしましては、 (1) から (3) (3) は、かなり小児やオーファンドラッグ系の薬にはきついハードルだろうという御指摘を踏まえまして、一義的には (1) から (3) が望ましいのですが、オーファンや小児のようなものは、医師主導治験で第 III 相試験までやられている実績は余りありませんし、先進医療 B でやられているとも限らないとすると、 (2) に頼りたいところなのですが、そこをトップジャーナルに限定するのはしんどかろうという意味で、 (2) については、内容に応じてこのくらいならばオーファン申請できる、あるいは承認、公知でいけそうだということであれば、必ずしもほかのものと横並びで優れたトップジャーナルに載っていなくてもいいということを御審議いただこうと。運用につきましては、実際先生方に御相談させていただくか、何らかの形で適正化を図らないといけないと思いますが、門前払いにするようなかちっとした (1)(2)(3) ではきついという御指摘を何とか具現化しようとしたものです。

 

○横谷構成員

 了解しました。

 

○座長

 この点、御指摘いただいた藤原構成員、何か。

 

○藤原構成員

 今のところまだ追加はないです。よく読みます。

 

○座長

 そのほかに御意見いただくことはありますか。今回の事務局提案の大きな特徴は、この検討会議の役割が欧米 6 か国のうちどこかの国で承認が得られているというものを前提に検討してきました。公知申請にしても、海外で十分なエビデンスがあるということを条件にしておりますので、今回の提案はそこを超えて広げるということになるわけです。

 

○医薬食品局審査管理課

 すみません。話の途中で恐縮なのですか、よろしいかということであれば、裏面も引き続き御説明させていただいてよろしいでしょうか。

 今、堀田座長から御指摘いただいたように、海外で承認実績があるということが、左側の現行評価基準、医療上の必要性の評価基準の原点になっています。お手元の参考資料の 4-1 を御覧ください。御評価いただいた、医療上の必要性の評価基準です。左側に資料 10 では掲げておりますが、今回このような形の方向性でいいと御承認いただきますと、今回の未承認薬迅速実用化スキームの対象品目につきましては、医療上の有用性の判断のときに、欧米での実績を中心とした既存の有用性評価項目では問題が出てきそうだということがありますので、もし、全体の方向性がよろしいということでしたら、裏面の医療上の有用性の評価基準もこのスキームにあったような形で整形していきたいと考えています。こちらについても御審議、御指導いただければと思っております。

 上段の疾患の重篤性については差はありません。医療上の有用性につきましては、今まではア、イ、ウと挙げていましたが、ウにつきましては基本的に未承認のものですので、欧米には承認されていないと。標準的に使われているものは排斥していますので、ウは要らないのではないかと。イについても欧米等の臨床試験ということにつきましても、既存の程度に置き換えて十分ではないかというような修正をして、準備をさせていただければと考えています。引き続きよろしくお願いします。

 

○座長

 というような、一歩踏み込んだ提案でありますが、何か自由に御発言いただきますか。

 

○岩田構成員

 そうですね。必ずしも欧米での標準的な治療に位置づけられていないものでも、必要性が高いと判断されれば、開発を促していくとか、そういうことだと思うのですが、なかなか決めるのは大変な所もあるかも分からないですが、一歩踏み込んだ形でこの会議が進んでいくということは、日本の薬剤の開発にとっては良いことかなと思います。

 

○座長

 御自由に御発言いただきたいのですが、岡部構成員はいかがですか。

 

○岡部構成員

 特にないのですが、先ほどの、例えばソル・コーテフのような場合、あれが使われてはいけない薬だとは知らなかったのですが、臨床を離れていると分からなくなってくるのです。でも、実際の現場で使われているものを安心して使えるということは必要でしょうし、もし悪いなら悪いでちゃんと指摘をするべきではないかと思います。そういう役割があるだろうなという気がします。

 

○横谷構成員

 新しいスキームでの医療上の必要性についてのウの削除についてなのですが、欧米での承認薬でないので、欧米におけるガイドラインの記載ということも、削除したほうがいいだろうという説明だったと思うのですが、例えば今日のパクリタキセルの資料 4-3 なのですが、見てみると、「欧米等 6 か国では承認されていないものの、欧米等の診療ガイドライン及び教科書の記載内容うんぬん」と書いてあるのです。こういうのは参考にならないというか、要件にするというのは残しておいてもいいような気がするのですが。

 

○医薬食品局審査管理課

 御指摘ありがとうございます。正に先生の御指摘のとおり、そういった品目は既にスコープに入っていると。要するに既存の枠組みでも、実はそこは処理できると。参考資料 1 を御覧ください。最初の目的ですが、「欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品」を受けていまして、国内は承認かどうかが大事ですが、海外では必ずしも制度が日本と同じではないものですから、原則承認であることが望ましいですが、実行上、使用を広く容認されているものも実は現在でも御指摘いただいたように、現在のこの枠組みの中で運用されていますので、その部分は新しい制度で入れる必要はないのではないかと整理しました。

 

○横谷構成員

 「欧米では使用が認められているが」というところが、必ずしも承認とイコールでないということによって、現在の枠組みで申請できるという理解は少し難しいのではないかと思うのですが、それは皆さんよく知っていることであるというように。

 

○座長

FDA とか EMA で承認していなくても、保険でカバーしている部分はありますよね。

 

○横谷構成員

 でも、保険でカバーしているものはわざと抜きましたよね。

 

○座長

 公的保険でカバーされているものは、これまでにも検討対象になっているということかと思います。

 

○横谷構成員

 抜きましたよね。それを記憶しているのですが、藤原先生がそのときに、むしろ保険償還するということのほうが、政府がより厳密に検討するのであって、承認を越えて、もっと価値があることであるので、というような意味合いのことを言われたのを覚えているのですが。なので、それは除いたように思うのですが。

 

○座長

 基本的にはこの検討会議の立場は、欧米で承認があるものは当然ですけれども、欧米 6 か国の中で実際に公的保険でカバーしているものは対象にするという対応です。

 

○横谷構成員

 除いた根拠は、 WG にものすごく負担がかかっていてという実際の議論があったのです。実際に保険償還があるかどうかは、承認があるかどうかよりもものすごく難しい。例えばアメリカで言えば州ごとに償還されているかどうか異なっているのです。ある州では償還があるじゃないかと。そういうことを調べれば出てくる。だけれども、それを WG が調べるのはとても難しくて、学会もやってくださいというようなこともあって、現実に要件に入れるととても難しいのではないかといって、かつてここで抜いたように私は記憶しています。

 

○座長

 それはですね、確かに承認や公的保険のカバー状況を WG で全部責任を持ってやるというのは難しいので、逆に申請者のほうでそこを調べて出しなさいよというように変わったのはそこじゃないかと思っているのです。

 

○医薬食品局審査管理課

 改めて、もう一度この点については、事務局のほうで再整理して調べさせていただきたいと思います。現時点での私の理解では、当初は、先生がおっしゃるように、最初の最初、開口一番のときには、承認をベースに運用していたと思うのですが、その後の運用の中で、必ずしも承認だけに拘泥せずに、明らかにそれが証明できた場合には、もちろん証明する責任は大変なので、申請者のほうとかでそこまでできる場合は少ないかもしれませんが、そういったものも運用の中に入れているように制度運用を変えてきたと理解しています。もう一度その点については事務局のほうで経緯をさらってみたいと思いますので。

 

○横谷構成員

 少なくとも公表されている資料 1-1 は、公募の要件が書かれていて、未承認薬、適応外薬があって、未承認薬は承認されていることと明記されているので、それはやはり正確には応募しようとする側は理解し難いと思います。使用できるのだということと、承認されているということは、そこは使い分けが、この説明からはできないと思います。

 

○医薬食品局審査管理課

 すみません。そこはもう一度事務局のほうで過去経緯を調べたいと思いますので、持ち帰らせてください。

 

○座長

 経緯を明らかにしていただいて、その取扱いについては次回またお諮りしたいと思います。よろしいですか。そのほかでも結構ですから、何かこのことに関してご意見があればお願いします。

 

○岩田構成員

 この会のスキームで随分いろいろな薬が開発されて、 4 年ぐらい前にあがっていたものがほとんどクリアされてきて、すごく良いと思っています。ただ以前にも一度話題になった、開発を要請して手を挙げてくれた企業へのインセンティブの件ですが、例えばその企業が持っている他の薬の再審査が延びるとか、そういうものは確かにあるのでしょうけれども、実際、開発された薬の薬価を算定するときには、必ずしもインセンティブが与えられてはいないような気がいたします薬価算定の際には、画期的なものだったり、小児適応等を持っているとか、いろいろな加算がありますけれども、この会議でお願いして開発していただいた薬に関して、特別な加算を付けるとか、そういうようなことについては何かお考えでしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

 今、御質問いただいたケースなのですが、実は今までの制度につきましては、保険局の薬価の担当部署とも連携をして制度設計がされておりまして、今回、未承認薬、ドラッグ・ラグの解消につきましては、新薬創出・適応外薬解消等促進加算というような薬価制度があります。こちらは第 1 回を立ち上げたとき、平成 22 年のときに、実際には薬価制度で導入されています。その制度というのは、開発要請された品目自身に限局してやるのではなくて、法人単位で薬価の下がるのを元に戻すという制度で受けていますので、実際的には個々の品目、要請されるような品目自身は、マーケットサイズは小さかったり、なかなか魅力がないものなので、これ自身に薬価でアドバンテージをもらうよりは、全体として法人として開発するから、そこの法人の新薬については、一定の範囲内で、値段が下がるのを元に戻しますという制度が新薬創出加算と言われている制度で裏支えされていますので、先生の御指摘の部分については、要請に応えた企業については、そういったアドバンテージを受けておりますので、そういう意味でこの制度も円滑に運用ができてきたと理解しています。

 

○岩田構成員

 例えばこの会議で承認されて、新しい薬価がついて発売された薬で、仮に余り十分な薬価がつかなかったとします。そのような場合に企業としてはこんな薬は自社で売っていてもしょうがないと言って、どこかほかの企業に売却してしまうとか、そういうことは起こらないでしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

 私の知っている範囲内ではまだ起きておりませんが、それは基本的には開発要請をされたものについて、開発することが新薬創出加算の適用条件に設定されていますので、そういう意味では企業としては、ほかの品目も含めて、新薬と言われる再審査期間中をあけていないもの、後発品が出ていないものについては、一定の条件で薬価の下落率を元に戻すというのが発動されているので、それは要請された品目以外のものもその法人の新薬をまとめて受けていますので、そういうような個別の品目で凸凹があったからといってやめるといった要請はなかったと理解しています。

 

○座長

 今の問題は、先生が御指摘のように、オーファンドラッグのような市場性のないものを、開発要請をかけて、それで開発をすると、新薬創出加算の対象となりますが、開発した薬そのものではなくて、主力製品に対しても加算が効くという制度なのです。そこにインセンティブがあるのです。逆に、ほかに主力製品としての薬がない、ベンチャー企業では、開発薬そのものに対してインセンティブがない限りは、なかなかメリットはないという話になりかねない。そこのアンバランスは私も問題があるかなと思いますね。今後、これは中医協の問題なのですが、非常に希少で難しい開発については、薬価のほうで調整するというような話なのだろうと思います。新薬創出・適応外薬解消等促進加算については、どこかでまた見直しが行われるのだろうとは思います。鈴木構成員、その辺は何か御意見が多分あると思いますが、お願いします。

 

○鈴木構成員

 企業が努力したことは評価しようと、新薬創出等加算ができたわけですが、あくまでも試行継続ということであり、恒久化はしていません。薬価が上がりますと、全体の枠の中で技術料が抑制されることになりますから、その辺はバランスを取りながら評価したいと思います。いろいろな仕組みを工夫しており、定量化の仕組みも、試行的に入ってきていますので、今後徐々に全体としてより客観的なものになっていくのではないでしょうか。最終的には費用対効果の話が出てくるかもしれませんが、今はそういう状況で、少しずつ議論が進んでいるところです。

 

○座長

 新薬創出等加算というのは、別にここで議論して開発要請をかけたものの話だけではないですね。通常の新薬についても、当然適用されるものですよね。

 

○医薬食品局審査管理課

 そのとおりでございます。もう少し詳しく御説明いたしますと、後発品が出ていない新薬、あるいは再審査期間が切れていない 15 年の間の新薬であって、全体の乖離率といいますが、薬価は実際公定価格で償還されるわけですが、市場では流通価格が若干安く取引されている場合には、そこを調査して、 2 年に一度補正をして薬価を改定しているわけですが、平均的な乖離率までいっていない、平均を超えないものに限定されるわけです。安売りをしているものではないというものを前提に、あとはこういった開発要請をちゃんと受けていただいた法人に限定して、 15 年たっていない、後発のない新薬に対して、乖離率の部分を元に戻すという形の、最大 8 掛けという細かいルールがあるのですが、基本的には法人の新薬全体にかかってきます。

 したがいまして、個別の品目は、患者さんが少ない、ペイしない品目があってもちゃんと支えられるようになっているので、実際には安心して、こちらのほうで医療上の必要性があると。オーファンドラッグでたとえ 3 人しかいない、 10 人しかいない、でも大丈夫だからやってくださいという話は全体で見ていただいているという制度設計になっていますので、 1 1 個の品目にばらされてしまうと、御指摘のように、この品目はとてもペイしないという議論は表面化してしまうのかもしれませんが、現時点では、そういう制度設計になっておりますので、法人単位で何とか収支を見ていただいているはずです。

 

○座長

 これはちょっと大きな話で、この検討会議の枠を越える議論ではありますが、局長、何かご意見をいただけますか。

 

○医薬食品局長

 私も直前に保険局にいて、ずっと議論は鈴木先生と一緒に井本さんも中医協に出ていましたのであれですが、先生がおっしゃったように、支払側からは新薬創出等加算の項目とずれがあるのではないかとか、ここで開発要請があったものに加算するのが合理的であって、市場価格と薬価との乖離率でそれを評価して、薬価に加算をして元の価格に上積みするやり方ではなくて、直接要請があったものに加算すればよいのではないかという支払い側の御意見としてはそういうものがあります。ただ、アンメット・メディカル・ニーズということで対応するということでいうと、全体としてそういう所に投資をして、新薬を開発している、努力をしていただいているということについては評価をしてもいいのではないかということで、試行期間としては、そういう意味ではここで要請した品目に限らず、先ほど言った市場での評価に基づいて、一定の評価の高い薬について、加算をしているということに、現状としては試行期間としてはそのようになっていることかと理解しています。

 

○座長

 ありがとうございました。この議論はこの辺で止めておいて、先ほどの議題に戻っていただいて、未承認薬迅速実用化スキームの追加の御意見があればお願いします。

 

○勝野参考人

 参考人の立場で恐縮ですが、 1 点御提案というか、お願いしたいことがあります。先ほども議論がありました、資料 10 の、 (2) の※の所に関してなのですが、希少疾患、難病というのは、なかなか臨床試験の結果というのがはっきりしていないものというのは非常に多いと思います。私も神経内科医をしておりますが、神経疾患も非常にそういった疾患が多くて、ただ薬の開発の必要性は非常に高い疾患が多いのですが、そういったものをこの会議でこれから対応していただけるのは、非常にすばらしいことだと思うのです。

 そのときに、これまでの未承認薬の会議ですと、海外でしっかり標準化されていたり、あるいはエビデンスがしっかりあって、それを日本でもということだったのですが、その海外で十分使われている、あるいは標準化されているというところで、それに立脚して議論ができたかと思うのですが、 (2) となりますと、海外でもしっかりとしたものがなくて、臨床試験の結果もはっきりしていない場合、かといって数が少ないから大規模な試験をやれといっても多分できないとなりますと、今までのスキームで御審議いただくのとは違う色合いになってくるのかと思います。

 その点を今後ここでしていただけるのであれば、少し今までとは違った考え方も含めて御議論いただければ非常に幸いでございます。よろしくお願いいたします。

 

○座長

 ありがとうございます。海外と比較して遅れている部分を取り戻すという今までのスキームから少し違って、国内のエビデンスでもきちんと認めるものは認めていくということに変わっていくという意味では、私はこの検討会議も良い方向に発展できるのかなと思います。

 

○伊藤構成員

 ちょっと確認なのですが、この全体をこちらに変えるのですね。今の、医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬の対象のものを全部変えるのですね。当該スキームに関して変えるのか。これがちょっとよく分からなかったのですが。

 

○医薬食品局審査管理課

 すみません。現状のものはいじりません。今回の新しく提案させていただいた未承認薬のスキームについて。

 

○伊藤構成員

 だからそれを分けてやるのですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 はい、そのとおりです。

 

○伊藤構成員

 そこだけを確認したかったのです。

 

○医薬食品局審査管理課

 はい、ありがとうございます。そのとおりでございます。

 

○座長

 そのほかに御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。全般を通じて何か進め方等で御意見がありましたらよろしくお願いします。特になければこれで終了にしますが、その前に事務局からお知らせがあるかと思いますので、よろしくお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 それでは次回の日程について御報告させていただきます。次回の検討会議は、 1 23 ( ) の午後 1 時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いたします。御多用なところ、恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○座長

 では、これで散会いたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬食品局審査管理課



03-5253-1111(内線 4165、4229)

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