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2015年3月17日 障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年3月17日(火)15:00〜17:30


○場所

厚生労働省専用第23会議室(中央合同庁舎第5号館6階)


○出席者

佐藤進座長、大塚晃構成員、吉川隆博構成員、田村綾子構成員、寺島彰構成員、山下幸子構成員

○議事

○佐藤座長

 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ第 7 回」を開催いたします。皆様方には、お忙しいところ御参集いただきましてありがとうございます。まず事務局より、委員の出席状況、及び資料の確認をお願いします。

 

○福井企画課課長補佐

 構成員の出席状況ですが、本日は野澤構成員から御都合により欠席との御連絡をいただいております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。資料 1 「障害者の就労支援について」、資料 2 「精神障害者に対する支援の在り方について」、資料 3 「障害児支援について」、資料 4 「その他の障害福祉サービスの在り方等について」、資料 5 「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググルーブ ( 7 ) ヒアリングにおける意見書」、資料 6 「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ ( 7 ) ヒアリングにおける発言資料」。以上、資料 1 から資料 6 までお配りしておりますので、御確認ください。以上です。

 

○佐藤座長

 では、議事に入ります。本日の進め方について、重ねて説明をお願いします。

 

○福井企画課課長補佐

 本日は障害者の就労の支援、精神障害者に対する支援、障害児支援、その他の障害福祉サービスの在り方等に関する論点について議論をお願いいたします。

 まず、障害者の就労支援に関する論点について 1 時間程度議論いただき、続いて精神障害者に対する支援、障害児支援、その他の障害福祉サービスの在り方に関する論点を御議論いただきます。終了時間は 17 時半を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○佐藤座長

 では、最初の課題の「障害者の就労支援」について議論を行いたいと思います。就労支援につきましては、障害者部会でこのワーキングが発足するときに、就労支援の専門家の御意見をよく聴く必要があるのではないかという指摘がありました。そこで、本ワーキングとしてはこの意見を受け止め、本日は開催要綱に定める参考人として、障害のある方の就労支援を専門とする学識経験者をお招きして意見を伺うことにいたします。では、本日お招きした参考人について事務局から紹介をしてください。

 

○福井企画課課長補佐

 参考人を御紹介いたします。文京学院大学人間学部人間福祉学科教授、松為信雄様です。埼玉県立大学社会福祉子ども学科教授、朝日雅也様です。

 

○佐藤座長

 ありがとうございます。お二人からは後ほど御意見を伺いますが、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。

 

○平川障害福祉課課長補佐

 障害福祉課の平川と申します。資料 1 について説明させていただきます。
 2
ページを御覧ください。「障害者の就労に関する制度的枠組について」です。まず、制度の「現状」ですが、就労系障害福祉サービスには、就労移行支援事業、就労継続支援 A 型、それから B 型の 3 つのサービスがあります。就労移行支援事業は、一般就労が可能な方に対して一般就労への移行支援を行うサービス、それから、 A 型事業、 B 型事業につきましては、一般就労が困難な方に対して就労の機会を提供して、必要な訓練を行うといったサービスです。

 続きまして、「ヒアリングにおける主な意見」ということで、これまでのワーキンググループにおける各団体等からの意見です。 3 つ書いてありますが、生活介護と B 型事業を統合してはどうかといった意見を複数の団体からいただいています。
 3 ページです。「障害者就労センター」それから「デイアクティビティセンター」への再編には賛成だがということで、これは骨格提言で提言されている内容ですが、これには賛成だが、福祉的就労を底上げする施策がないままに課せられた場合、運営が立ちいかなくなる事業所が出ることが予想されるといった意見もいただいております。それから、上から 4 つ目の○で、「福祉から一般就労へ」を骨子に据え、当事者のニーズに基づいた就労移行支援を適切に行える制度設計をお願いしたいという意見。その下の○で、一般就労か福祉的就労かの二者択一ではなく、障害者の特技や能力をいかした社会的雇用の市場拡大・充実を検討すべきといった意見もいただいています。
 4 ページです。賃金補填につきまして、所得保障制度も含め、骨格提言に沿って今後検討すべきといった意見もいただいております。

 以上を踏まえ、「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」として以下の 2 つを掲げております。「就労移行支援、就労継続支援 A 型・ B 型のサービスの現状も踏まえつつ、障害者の就労に関する制度的枠組についてどのように考えるか」、それから、「賃金補填についてどう考えるか」ということです。
 5 ページです。「就労継続支援 (A 型・ B ) 、就労移行支援の在り方について」です。まず、「現状」の一番上の○です。就労継続支援 A 型及び B 型につきましては、継続的に障害者の方に就労していただく場ですが、運営基準において、求職活動の支援や求人開拓、職場定着の支援の実施に努めることとされています。それから、一番下の○で、平成 27 年度の報酬改定において、定着支援の充実・強化、あるいは工賃の向上に向けた取組の推進のための加算の創設等を行っています。
 6 ページで、「ヒアリングにおける主な意見」です。まず、就労移行支援に関する意見として、一番上の○で、 A 型への移行や短時間アルバイト等も就労移行支援実績に含まれているということで、就労移行支援が目指すべき就労とは何かを議論して、定義を明確にすることが必要。それから、 A 型に関する意見の上から 4 つ目の○で、一般就労できるにもかかわらず、 A 型を利用し続ける利用者が増えることになりかねないことから、 A 型についても適正な利用を促すプロセスの検討も必要といった意見をいただいております。
 7 ページです。 B 型に関する意見として一番上の○で、 B 型事業から一般就労へと導く仕組みを構築すべきという意見、それから、下から 2 つ目の○で、積極的に工賃向上の取組を進める事業所が安定的に仕事が確保できるように、様々な支援が必要といった意見をいただいております。それらを踏まえて「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」として、「就労継続支援 (A 型及び B ) 、就労移行支援の機能や、そこでの支援の在り方についてどう考えるか」を掲げております。
 8 ページです。「就労定着支援について」です。まず、「現状」としては、先ほども申し上げました平成 27 年度の報酬改定において、就労定着を評価する加算を新たに創設しております。それから、 2 つ目の○で、就労定着のための生活支援については、就労移行支援事業所以外にも、障害者就業・生活支援センターによる支援が行われているところです。

 次に、就労定着支援に関する主な意見です。一番上の○で、職場定着支援を制度の中核に盛り込み、企業で働く障害者が働き続けられる制度を作ることが必要。 9 ページです。障害者就業・生活支援センターに関する意見としては、センターに安定した予算措置が必要といった意見をいただいております。「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」としては、「就労定着に向けた支援体制についてどう考えるか」を掲げております。
 10 ページです。「福祉と他施策との連携について」です。「現状」ですが、障害者就業・生活支援センターにおきまして、福祉と労働が連携をしながら就業面と生活面の相談・支援を一体的に行っているところです。「ヒアリングにおける主な意見」としては、一番上の○で、省庁や部局を超えて制度の整合性を論議し、現場の各事業所がスムーズに役割分担できるような制度を設計することが必須であるといった意見をいただいております。そこで、「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」として、「福祉施策以外との連携についてどう考えるか」を掲げております。
 11 ページ以降は参考資料です。簡単ですが、説明は以上です。

 

○佐藤座長

 ありがとうございました。それでは、続いて参考人の皆様から御意見をいただきたいと思います。 1 10 分程度で説明をお願いしたいと思います。最初に文京学院大学の松為様よりお願いします。

 

○松為教授 ( 文教学院大学人間学部人間福祉学科 )

 松為です。皆さんのお手元の資料に詳しく書いてありますので、これに基づいて読み進めていきたいと思います。

 まず、「はじめに」です。米国では 2006 年に連邦の労働省の障害者雇用政策局が「 Employment First 」の取組を提唱して以来、全米の障害者福祉の在り方が大きく転換されてきています。これは障害の種類、重度に関係なく生産年齢にある者は雇用・就業を第一の目標として人生設計を行えるようにすることを目標としています。重度の障害者であっても職場や地域への参加を促進するための理念であり、地域ベースの総合的・包括的な支援施策が展開されてきております。こうした動きは我が国でも共通しており、障害者自立支援法 / 障害者総合支援法の下での施策の展開というのは、雇用・就業が困難な障害者に対して総合的な支援を目指してきたところであります。それゆえ、総合支援法の見直しは、同法の附帯決議に「一般雇用の更なる促進と定着への着実な支援を行えるようなサービスの在り方を検討する」とあるように、すなわち福祉から雇用への流れの重要性を再認識した論議となることを期待しております。こうした背景を踏まえまして、以下のことを提言します。全部で 5 つの提言があります。

 第 1 番目の提言です。就労支援サービスの更なる強力な推進が必要です。福祉の専門職は、意識の変革が求められていると考えております。就労支援サービスの事業所と福祉職員は、「福祉から雇用へ」を骨子に据えた抜本的な意識改革が求められると思います。そのためには、福祉概念の転換が必要です。その理由は、特に雇用・就業を望む新たな対象の増大に対処することが必要だからです。これまでの福祉分野で対象だった「疾病のある ( 障害者基本法の ) 障害者」から、最近、そして今後は、疾病の診断が下されていても障害者手帳を取得しない人、望まない人、例えばうつ病、難病、発達障害の人たち、あるいは、疾病の診断は下されないけれども地域生活のしづらさを抱えている人に加えて、生活保護、低所得層、引きこもり、刑余者などの人たちが増大してきます。これらの多くは、実は障害福祉サービスとは無縁、あるいは無縁と意識してきた社会生活を送ってきた人たちです。

 こうした人たちの雇用・就業ニーズに応えるには、障害があることを前提にした支援ではなく、障害のない社会生活や人生設計を出発点として、疾病や障害がそれにどのような影響を及ぼすのか、その影響を最小限、若しくは解消するにはどのような包括的な支援が必要なのかといった発想の転換が求められております。「障害のあること」を出発点とした支援ではこれに応えることが困難であり、福祉専門職はこうした新たな視点が求められております。

 次に、職場定着支援の強化が必要です。障害のある人の就職者数の増加、精神障害者や発達障害のある人の就職の高まりなどから、継続した職場定着への支援ニーズはますます強まることが想定されます。それに応えるための支援体制を早急に整えることが必要です。そのためには次のことが求められております。まず、ジョブコーチ支援事業に従事する人材の確保と拡充、及びその有期限に対する改定です。 2 番目は、移行支援事業所において、職場定着支援ができるサービスの見直しと専門人材の確保です。 3 番目は、就労継続 A 型・ B 型事業所においても、就業・雇用に向けた計画の策定ができるサービスの見直しと専門人材の確保です。

 さらに、障害者就業・生活支援センターの機能強化が必要です。「地域の就労支援の在り方に関する研究会 ( 2 ) 」では、同センターの職場定着支援の強化に関しては、経験豊富なジョブコーチの配置を提唱しております。また、支援水準を引き上げるために、実績の適正な評価方法の検討、質の高いサービスを提供できる人員配置、安定的に運営できる体制の整備、未設置圏域の解消、小規模センターの設置、大都市圏域での複数設置などの対応が必要であることを指摘しております。さらに、就業・生活支援センターの運営は、設立法人の善意に基づいて実施されている部分があります。地域の雇用・就業の中核施設としての役割を更に強固なものとするためには、特に、職員の処遇に関しては展望の持てる安定した予算措置が不可欠です。もちろん、このセンターは雇用促進法で規定されておりますが、「雇用と福祉」をつなぐ最も重要な機関であるとの認識のもとに、障害者総合支援法からも可能な限り機能強化を図るべきです。

 最後に、骨格提言の就業支援サービスの位置づけは、再考が必要だと考えております。いわゆる骨格提言で指摘されております「障害者就労センター」あるいは「デイアクティビティセンター」に再編成する特段の有用性があるとは、私には思えません。詳しくは分かりませんが、従来のもので大丈夫ではないかという感覚は持っております。提言以降の移行支援事業や A B 型事業の増大とその成果を見ると、これらをわざわざ「障害者就労センター」として統合する特段の意義は薄れてきているように感じます。

 第 2 番目の提言です。「就労系事業」への労働法適用は再考が必要だと考えております。骨格提言では、就労系事業に労働関係法規の適用を提言しております。ですが、提言の基盤となった「就労 ( 労働及び雇用 ) 合同作業チーム」の報告書や議事録を見る限りでは、就労系事業に労働法を適用することへの疑義は解消されていないようです。すなわち労働法制の適用で収益事業としての維持が実質的に困難になり、就労支援サービスの廃止に追い込まれる事業所が出現すること、福祉的就労で生産性の低い人にも労働者保護法等を適用することは無理があることを指摘されております。さらに、労働者保護法制の適用の前提として、障害年金や賃金補填を組み合わせることが想定されておりますが、賃金補填と所得保障制度の在り方を明確にしない限りは、労働法の適用は現実には困難だと思われます。これらのことから、就労系事業に労働法を適用するには、更なる議論を尽くして慎重に対処することが必要だと考えております。

 第 3 番目の提言です。賃金補填は再考が必要だと思っております。骨格の提言では、福祉的就労に労働法を適用し、そのうえで最低賃金の減額特例を受けた場合には、それに満たない部分を公的に補填する賃金補填制度を提唱しております。これについては以下の理由で必ずしも賛成はいたしません。まず 1 番目は、援助付き雇用の支援施策と合致しません。そもそも、いわゆる雇用・就業への参入と維持を支援する、いわゆる「援助付き雇用 (Supported Employment) 」には、欧州型の「賃金補填」と、アメリカ型のいわゆる「人的支援」の 2 つの戦略があります。このうち、我が国の障害者雇用施策は、人的支援をもって援助付き雇用 (Supported Employment) を導入し、職場適応援助者の育成と助成を系統的に進めてきたという経緯があります。障害者福祉分野で主張する賃金補填制度を導入することになれば、援助付き雇用の異なる政策を併行させることになります。財政事情からも許容されないのではないでしょうか。むしろ障害者雇用施策として着実に成果を上げてきた人的支援による援助付き雇用を、福祉分野と協働して一層推進すべきだと考えております。
 2 番目に、賃金補填と所得保障制度の在り方が明確ではないようです。現行の所得保障制度との関係を明確にすることが必要です。年金の理念というのは最低生活保障であり、稼得能力によって最低生活を維持できない人が対象です。ですが、賃金補填で最低賃金を維持できている人に年金の満額提供というのは、年金の理念が根底から崩されることになります。それゆえ、所得保障制度との関係が明確に整理されないままで賃金補填を導入するということは、ちょっと難しいのではないかと思っております。
 3 番目に、モラルハザードの危険があります。公的年金による賃金補填は、事業主にとっては、障害者の能力開発と利益を高めて賃金を上昇させる動機、職場改善や合理的配慮などへの取組などを減退させることが危惧されます。同一労働にもかかわらず、障害者のほうが賃金補填で多くの賃金を受給することになれば、明らかに職場のモラルハザードが生じるでしょう。また、障害者本人にとっても、年金が不変のままに賃金補填を受けることで、働く意欲の喪失や、雇用・就業に再チャレンジする意欲の低下が危惧されます。
 第
4 番目の提言です。試行事業と福祉的就労の底上げについての再考です。骨格提言では、いわゆるパイロット・スタディとして、就労分野における人的支援の在り方や、社会的雇用・社会的事業所・社会支援雇用の区分、賃金補填や官公需・民需の優先発注を伴う多様な働き方の制度化について検証することが提言されております。第三の働き方としての「社会的雇用」は、新たな働く場を開発する契機となることが予想されます。そのため、パイロット・スタディでこれを検証することに異議はありません。ですが、社会的雇用はもともと、仕事を確保して障害者が労働して賃金をもらう仕組みのはずです。それゆえ、仕事の受注が促進される様々な仕組みをパイロット・スタディとして企画すべきです。賃金補填は、前述の論議の決着が付かないかぎりは慎重に対処すべきです。そうした福祉的就労の底上げについては、工賃向上計画の推進、あるいは優先調達推進法の活用等々が必要です。ですが、その中で就労系事業での仕事の安定確保のために、雇用率制度とリンクしたみなし雇用制度を導入することは、以下のことから反対です。

 最後の第 5 番目の提言です。時間をオーバーしておりますので要約します。福祉分野における就労支援の人材登用は不可欠だと考えております。前述のとおり、我が国の障害者雇用施策というのは、人的支援を核とした援助付き雇用を展開してきた経緯があります。これを核にして、働くことを踏まえた、自立した地域生活を全うするための、医療・保健・福祉・教育・労働の各分野を包括した個別支援を目指しております。そのための人的ネットワークを中心とした地域支援ネットワークの展開を目指してきております。「福祉から雇用・就業へ」の流れを加速させるキーワードは「福祉分野における就労支援の人材登用」であると考えております。こうした視点から、以下のことを提案します。まず、障害者移行支援事業 A 型・ B 型、あるいは地域活動支援センター (I ) などの障害福祉サービス事業所の設置運営に際しては、常勤の就労支援専門職を配置することを条件とすることが望まれます。また、障害者就業・生活支援センターにつきましては、これも常勤の職員を配置することが望まれます。特に総合支援法の範疇でも、可能な限り強化するべきだと考えております。もちろん、これらの就労支援専門職というのは資格認定をした人材とすべきです。

 最後になりましたが、「福祉から雇用へ」の流れを加速させるには、いわゆる上流の送り出す側である障害福祉の施策を基盤とするのではなく、下流の受け入れ側の障害者雇用施策の施策とその実態を十分に吟味することが重要だと考えております。障害福祉サービスの在り方については、このことに配慮された議論を期待するところであります。以上です。

 

○佐藤座長

 ありがとうございました。続けて埼玉県立大学の朝日様より御意見を伺います。

 

○朝日教授 ( 埼玉県立大学社会福祉子ども学科 )

 朝日です。私は、本日の参考人としての立場を、ヒアリングでの主張の善し悪しを判断するのではなく、広い見地から論点整理のための素材を提供することと認識しております。そんな観点から資料を御覧いただいて、 4 つの柱立てで、幾つかの素材を論点としてまとめさせていただきました。

 まず、大枠の「障害者の就労に関する制度的な枠組み」についてです。基本的な考え方として、松為先生の所とも少し重複するところがあります。この就労支援の在り方は、サービス提供者側や、事業者側の論理ではなく、障害のある方が働きたいということを実現する、正に利用者本意の制度設計が必要であるということです。いろいろ理由を付けても、結局それが事業者側の論理で遂行されてしまうことは避けるべきであります。利用者本意の制度設計をまず確認したいと思います。

 それから、障害の種類・程度に関わりなく一定の年齢において、まずは「通常の職場にいるべき存在」として位置付けることがスタートラインではないかと思っております。何をもって通常の職場かというのは議論があるかもしれませんけれども、障害者権利条約にも規定されるように、「他の者との平等を基礎として労働についての権利を有する」を踏まえ、障害の種類や程度に関わりなく、例えば 18 歳以上の方であれば、初めからこういう日中の暮らし方をする存在としてではなく、通常は職場にいる存在かもしれないというところからスタートすることが大事だということです。
 2 つ目は、「制度的枠組みの方向性」です。こういう基本とすべき考え方を踏まえながらも、その上で働くことを希望する、希望することが自ら表出できない場合には、様々な権利擁護の働き掛けの結果、働くことを勧める場合には、障害者に多様な就労機会を保障する必要があると思います。障害者雇用の可否は、実は事業所の考え方や、環境条件の要因によるところが大きく、例えば、かなり機能障害が重い場合であっても、事業所とのタイミング、マッチングがよければ就職をすることも少なからざる事例としてあります。

 そういうことを踏まえながらも、それでも直ちに一般就労の機会を得ることが難しい方がいることも事実です。こうしたときに、少し冗長な言い方でありますけれども、健康を損なうことなく、身を削ることもなく、しかし仕事を担うことでの自己有用感や、社会参加の実感、すなわち緊張感を獲得できるような就労機会の保障が求められます。

 このことは、生産的活動や、経済的活動への参加を可能にする多様な機会を保障することにつながってきます。要は言い方を変えると、その人なりに 100 %の力を出して働いているときに、たまたま労働市場に就職する機会があれば、労働者として扱われているのに、そうでない場合には訓練の利用者、福祉サービスの利用者として扱われてきてしまう。こういうことに対して、一定の考え方を示していく必要はあるのではないかということです。

 こういう人たちに対して、ここが政策の分かれ目になると思うのですけれども、やはり一般の就労でそのことを実現していくことに重きを更に置くのか、あるいは重きを置きながらも、当面、一定の就労機会の提供を考えていくのか、ここが政策の分かれ目だと思います。後者だとしても、しかしながら 40 年も 50 年も当面と言っていいのだろうかということはありますので、自ずと時間的な、きちっとした明確な目標を設定していくことは必要だと思います。

 更にデイアクティビティという言葉で言われている部分ですが、積極的な支援の結果によっても、なお生産的、経済的な活動を目指さない活動への参加を希望する場合には、その機会も保障する必要があり、そのときであっても、その方の暮らし方としての価値は、働いている場合と同じであるという考え方を広めていく必要があると思います。

 こういうことを考えていくと、ポイントとなるのが地域における就労マネジメントだと思います。現在でも様々なメニューが用意され、それぞれが発展してきてはいますけれども、支援対象者の長期間にわたる職業生活を見渡したアセスメントについては不十分だと思っています。たまたまそこに出会ったから、そのサービスを受けている、たまたま機会があったので一般就労している。こういうことに対して、より長期的に地域でアセスメント、これはアセスメントと言っても、決して一般就労に適か不適かという意味ではありません。その方が最もふさわしい働き方を選択していくためのアセスメント、そして生活面の支援や、後ほどお話をする定着支援又は離職の支援などを含めた就労支援マネジメント機能が必要ではないかということです。制度に関係する賃金補填については最後のところでお話します。
 2 番目は、「現状の支援の在り方」です。現行制度の適切な総括と検証を行う必要があるということです。これは、既にこの会議でも行われてきてはいると思います。私なりに一般就労への移行をより明確に福祉分野で確立する上で、この間の変革は大きな意味を持ったのではないかと思います。

 一方で、一般就労への移行の量的な側面が重視され、あるいは A 型の問題などを含め、雇用の質の面が後回しにされてきた点も否めません。同時に、結果的に 20 万人が就労継続の機会の提供を受ける福祉サービスを利用している実態も押さえておく必要があると思います。ただ、いずれのサービスを利用するにおいても、結果として一般就労を実現していく方向性は基盤として必要なことになります。

 前述のとおり、「本来は一般の職場にいるべき存在」として位置付ける観点からも、利用する就労継続のサービスにとどまることなく、目指す方向性は確認していく必要があると思います。逆に、明確な支援計画が長期的な展望から策定されていれば、就労移行支援の標準利用期間では就労できなかった場合であっても、一定の時間を掛けて一般就労を目指していくという、計画された支援の在り方も考えられると思います。もちろん就労移行支援を無期限で行うべきであるという意味ではありません。さらに 1 利用者のみならず、地域において支援対象者にとってどのような働き方が望ましいのかを常に検証していく必要があると思います。

 その「就労定着支援」です。継続的定着支援は必要ですが、一定の期間や程度についてのルール化も必要だと思います。確かに継続的な支援の必要性は言うまでもありませんが、支援対象者も受入職場も変化をしていくことを前提にして、一定の期間や程度についてルール化していくことも大事だと思います。さらに地域ネットワーク型での就労定着の支援を、一事業者のみならず対応していくことが大事だと思います。さらには、 1 つの職場に定着させるのではなく、結果として長きにわたって就労を継続するような支援の在り方や、見通しも大事になってきますし、そのための定着支援も欠かせません。

 還言すると、支援機関の定着支援力を強化することも大事ですけれども、職場などでの支援力を高めていき、そこに支援を転換していくことも望まれるということです。

 最後の部分ですが、労働施策との連携について真剣に議論すべき時期にあると思います。取り分け「賃金補填」については、当面、一般就労が困難な障害者の労働者性を検討する上では重要な事項だと言えます。その際には、障害のみならず、関連分野も含めた総合的な観点での検討が求められると思います。障害を理由として働きにくい、雇用されにくいという状況だけでなく、この社会に存在する働きにくさ、雇用されにくさも含め、総括して考えていく必要があると思います。福祉サービス単独では解決できない問題も多いですけれども、むしろ労働と福祉の統合に向けた議論の機会として捉えていく必要があると思います。

 「所得保障」も同様な考え方です。障害者福祉サービスの枠組みの議論のみでは無理がありますので、その辺りでの議論の広がりを検討していかれることを期待しております。時間もまいりましたので、あとはお読み解きいただくことで、朝日からの意見発表とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

 

○佐藤座長

 ありがとうございました。先ほどの事務局の説明、あるいはお 2 人の参考人から頂きました御意見について、皆様から御質問や御意見をお願いいたします。

 

○大塚構成員

 大塚です。朝日先生にお伺いします。 2 ページに、「地域における就労支援マネジメント」という言葉が出てきました。知的障害者や、今後は精神障害者には意思決定の支援というのが入ってきて、働くことに対する意思決定をどう確認していくかということは非常に大きな課題で、基本的なところであるいは基礎的すぎることかもしれませんけれども、これをどのように就労支援あるいは労働施策の場面において、この意思決定の支援を実現していったらいいか、どのようにお考えでしょうか。

 

○朝日教授

 どうして働きたいと思うのか、企業などで働きたいですか、こういう作業所で働きたいですかということを投げ掛けるわけです。そのときに本人の意思がどれだけ反映しているかを、支援する側、それを問い掛ける側は十分に吟味して向かわなければいけないという趣旨です。そういう十分な情報提供や、体験の機会の提供がないままに、どうしますかと聞いたときに、企業で働きたいとか、働きたくないという意思を決定していただく上でのプロセスに支援者はどう関わっていたのかを吟味した上で、意思決定の部分を十分に遂行していく必要があると思います。

 そのときに求められるのは、もし支援をしたり、その状況をアセスメントする方であれば、やはり想像力が問われるでしょう。もう少しシステムとして言えば、具体的な就労支援の場面に出てくる前に、例えば相談支援機関でも、明らかにあなたは働けないですよねと決め付けるのか、もしかしたら難しいかもしれないけれども働けるかもしれない、というように位置付けるのかによって大きく変わってきます。そういう意味でこの「地域の」と言ったのは、システム的には相談支援の事業者なども含め、関係者がこの観点から全体を長期にわたって見据えていく必要があるのだという趣旨で発言しました。

 

○田村構成員

 お 2 人の先生方ありがとうございました。田村です。松為先生にお伺いします。最後のところで、障害者雇用施策の実態を十分に吟味することというお話がありました。受入側の、雇用側の発想としてどのような形で障害者を受け入れることを進めていこうと、現在企業側が考えているのか。特に合理的配慮の提供が義務化されることを受け、企業側はかなり難しい協議等もされているかと思います。その辺りについて御存じのことがありましたら教えてください。

 

○松為教授

 松為です。ご指摘の部分に関しては、人的支援をベースにして雇用が進んでいます。ジョブコーチもそうです。ジョブコーチについては長い間の研修をやっていて、でも肝心のジョブコーチ自身が福祉施設の中では十分活用されておりません。それは、福祉施設自身の運用のことがあり、ジョブコーチ研修を受けていながら、実際にはその人材を活用していない施設もあるからです。

 それから、先ほどの大塚委員のご質問にあった意思決定の問題でもそうなのです。意思決定の支援に際しては、キャリアということを踏まえた上で、この人はどうすべきかという視点が不可欠であるため、意思決定を促すためには、専門家のほうがかえって重要なのです。こうしたことも含めて、人的支援というのが基本なのです。

 ですから、労働政策においては、人的支援をどのようにやっていくかが重要です。福祉側の人材育成が、出口としての雇用を担う企業が何を求めているかを十分に認識した教育・研修をして頂きたいと願っています。

 合理的配慮の問題について言うと、企業側は非常に丁寧に考えています。なぜならば、アメリカのADA法と違い、障害者雇用率制度では、就職後に、企業側は最大限の努力をします。例えば職場の配置の問題、仕事の切り出しなどは当然のこととして実施されていますが、アメリカでいうとこれらは全てADA法の対象ということになるでしょう。

 そういう意味で、実は合理的配慮の問題については、我が国の障害者雇用企業は基本的にまず対応している。ただ問題なのは、企業と本人がどう話し合うかということです。それは企業に送り出す側への要望として、本人が自分の意思決定なり、自分の弱点をちゃんと知った上で、それを第三者に伝えていける、そういう能力をきちんと養成することが求められます。そういうことも含めて送り出す側の専門家がきちんと一人一人を育てていける、その能力がむしろ問われているのではないかと思うのです。

○山下構成員

 山下です。先ほどの田村構成員の質問に私も近いのですが、松為先生、朝日先生の御提示の中で、どちらも地域支援ネットワークの展開をということが話されていました。職場への定着支援であったり、就労支援を行っていく、地域で支えていくネットワークと言ったときに、どういうものを想像すればいいか。特に松為先生のお話からは、障害者就業・生活支援センターが最重要な支援機関となるということで、これが中心となってという理解でよろしいのか、ネットワークの在り方についてお話を聞かせていただければと思います。

 

○朝日教授

 朝日です。地域支援ネットワークということで私もお話をさせていただいて、これは先ほど私が使った言葉で言えば、地域での就労支援マネジメントを実現していくための方法になろうかと思います。具体的なところなのですが、特にこの地域支援ネットワーク、そのコーディネーションを担うところについては具体的には申し上げませんでした。恐らく松為先生がおっしゃった、就業・生活支援センターもその役割を果たすことができると思いますし、自治体レベルで就労支援センターなどを持っている所は、そこに期待が寄せられます。

 機能として見たときに、私の理解では長きにわたってアセスメントから定着の支援から、時には離職の支援も含め、トータルに職業生活を見ていくというイメージです。この辺りに福祉サービスの再編の中で、機能としてどこが担うかというのは余りアイディアはありませんけれども、機能としてはそこがコーディネーションできる、あるいは就労支援マネジメントができる機関に、あるいは施設や事業所に担っていただく方法もあるのではないかと思います。先ほどは、主に機能という側面でお話をさせていただきました。

 

○松為教授

 地域ネットワークを考えるときに、私はいつも 2 つのレベルで考えます。 1 つは、ミクロネットワークで、もう 1 つはマクロネットワークです。ミクロネットワークというのは、対個人を支える個人間のネットワークです。マクロネットワークというのは、そういう支える一人一人の所属している機関のネットワークです。大事なことは、マクロネットワークでどこどこの支援機関が相互にどうつなげましたという話ではないのです。

 基本的に大切なことは、 A さんという当事者を B さんや C さんが支えるという個人間のネットワークを考えるべきと思っております。そういうそれぞれが所属している人たちが個人を支えていく、それを組織側はバックアップするという意味でマクロネットワークが必要だと思っています。そういう意味で、就労支援ネットワークは、どこの機関というよりも、実は A さんを支えていく、 B さん、 C さん、 D さんの中で、最もケアマネジメント能力を発揮できる有能な人間がいれば実質的にはどの施設・機関でもいいと思っています。

 個人的なネットワークを作っていることが大前提なのですが、現実には、福祉の人たちが、例えばハローワークの人たちをびっくりするぐらい知りません。また企業と福祉の人をつなぐということを、わざわざ仕向けないと、福祉の人は企業すら知らない。このことのほうがむしろ大きいと思っています。そういう意味では、現在のところ「障害者就業・生活支援センター」は企業と本人をつなぐ一番重要な機能をしています。ですが、原点は「障害者就業・生活支援センター」の人でなくても、 A 型の人でも、 B 型の人でも、本当に一人一人が地域の中でネットワークを作る、そういうキーパーソンが一人一人育ってもらいたいのです。それがあれば、ネットワークは仕上がると思います。

 

○吉川構成員

 吉川です。松為先生にお尋ねします。松為先生のヒアリングの最初の、福祉専門職が意識の変革が求められているというところに書かれてある、「新たな対象者の増大に対処する」というところは非常に重要ではないかと思いました。今現在、福祉分野の対象でないというか、相談支援事業所とか、福祉サービスにつながっていない方、例示で書かれているようなうつ病の方であるとか、発達障害の方とか、そういう方々が就職をしても、例えば数週間で辞めるとか、そういうのを繰り返したり、本当に苦しんでいると思います。そういう方を支援する考え方について、例えば福祉サービスにつなげるというところをより重点的に行ったほうがいいのか、それともそこはまた別の考え方で先生は何かお持ちなのか、そういう御意見をお願いいたします。

 

○松為教授

 例示した人たちはもともと一般企業に働いていたこともあって、障害という概念を持っていないことが多いようです。そういう人たちが、例えば A 型へ行きますと言っても、周りにもともと障害のある人たちが一緒になったら、自分自身はかなり self-esteem の低下を起こします。そういう人たちに対して大事なことは、系統的なキャリア教育・開発ではないかと考えています。キャリア的な、きちんとした人生設計を見越した、自分できちんとキャリアを作っていく、その技能が余りになさすぎると思います。

 私はそういう人たちに対して、例えば移行支援事業にしても、「障害者就業・生活支援センター」にしてもその人のキャリア形成を一緒に支えていく視点がないと駄目だと思います。キャリア形成の中で、選択肢の 1 つとして福祉事業所における就労という部分があるかもしれません。でも、もともと最初から福祉につなげるという発想でやってしまうと彼らは逃げていきます。実際にそういう事例をたくさん見ます。例えば、特例子会社にいて長い間良い成績を続けていながら、生活支援の部分で福祉へつながったらどうですかと言われて、「嫌だ」と言って拒否したという事例もあります。自分たちは会社に勤めていて、これから福祉とは違う世界に入っていこうと思っている矢先に引っ張られるような格好で、福祉のこういうサービスがありますけれどもどうですかと言われてしまうと、本人の self-esteem が低下します。

 そういう意味では、本人一人一人がこの世の中で、障害のない世界の中でどう生きていくか。その生き方をどういう格好で支えていくかという、そういうきちんとしたカウンセリングです。正にキャリアカウンセリング、それをできる人材がまず最初に必要だと思います。それによって、本人がどう選んでいくかを一緒に考えていくという、この体制が必要なのではないかと思っています。

 

○吉川構成員

 松為先生が言われているカウンセリングとか、そのキャリア形成を支援するという、例えばそこの接点になるというか、どこの人が行うか。例えば医療機関とかハローワークとかいろいろあると思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

 

○松為教授

 そのことを踏まえて、先ほどの第 5 番目に提言させていただいた就労支援人材を、就労系の障害福祉サービス事業所の設置運営に際して必置してもらいたいところなのです。就労支援に関してのジョブコーチ研修のカリキュラムの中身に、今言ったキャリア形成論とかそういうのは全部入ります。それから、キャリア形成を最も適確にやっているのが産業カウンセラーです。キャリアカウンセラーという人たちで何万人もいます。そういう人たちは障害という概念のことよりも、障害を持ったら一般の社会でどう生きていくか、それをどう支えていくかという視点があります。

 私は就労支援の福祉施設においては、そうした視点を持った人材がまだまだ不足し、また、十分にその地位が担保されていないのではないかと危惧するところです。

 

○佐藤座長

 あと 10 分余りなのですけれども、論点として幾つか整理されています。少し具体的に参考人の方も含めて討議ができればと思います。 1 つは、 A 型、 B 型の整理をどうするかという話です。しかも B 型の場合は、多くが生活介護の事業所と一体で、同じ場所の中でやっている所が多いです。このような類型をどのように考えていったらいいのか。その際に、 A 型に行くのは事業者側としてはしんどい、だからずっと B 型でいたいということがあるのではないかという問題意識も、全体のこれまでの議論の中にあったと思うのです。改めて就労とは何かということを含めて A 型、 B 型、あるいは生活介護等の整理で、新しいタイプの事業として整理をするか、あるいは A 型、 B 型という概念を残しつつ、今後いろいろな改善を加えていくか、その辺について具体的な御意見があればと思います。

 もう 1 点は、そういう仕組み全体を支えていく上で、賃金補填という話があります。お 2 人の参考人のニュアンスが少し違っていました。松為先生の場合は反対であると。朝日先生の場合は、むしろそういうことを含めて就労支援のツールとして考えていく必要があるのではないか、その辺りがありました。余り時間は残っていませんが、今の辺りを参考人も含めて議論ができればと思います。

 ついでに、福祉的就労とは一体何かというのも整理しておいたほうがいいと思うのです。相手は障害があるということで、就労まで含めて福祉部局でずっとやってきたという、私は端的に言えば悪弊だと思うのです。そこから出てきた福祉的就労というのは、当然安くて結構という話もあると思うのです。 A 型、 B 型の整理の際に、その辺りも意識して議論していただけたらと思いますが、どうでしょうか。お 2 人から御意見はありますか。

 

○朝日教授

 朝日です。 A 型、 B 型の今後の在り方ということで、そこに生活介護で生産的、経済的な活動をしている部分をどう融合させていくかということだと思います。座長からもお話がありましたように、就労そのものに福祉的も一般も本当はないはずで、就労は就労で、たまたま置かれた状況によって、活用するサービスや立脚点が違うだけだということを考えていくと、働くことについて、より尊厳を持ってその働くことを自覚でき、あるいは周囲からも認められるような、そういう働き方を目指していくべきであるというのが前提です。

 その中で、先ほども言ったように、一般の職場にいるべき存在というのが大前提であるということです。直ちにそこには向かえない人たちが一方でいるのも確かです。全体としては一般就労を目指す方向性を打ち出しつつ、ある意味期限なども明確に限定しながら、現行の A 型、 B 型というように表される、ここは整理・統合されていく方法もあるかと思うのですけれども、そういう方向性があってもよいのではないかと思います。

 ただ、その際に、生活介護と一体化するという点については、やはり就労は就労ですので、そこで逆に言えばデイアクティビティというような過ごし方、日中の活動の場面を選ぶ人には、そこをきちっと保障していくということで、働くことについてはできるだけ一本化していく方向が望ましいと思います。

 賃金補填については、先ほどお話をしましたように、この間も骨格提言の後、特にパイロットスタディなども行われてきませんでした。これは、直ちにこの賃金補填が是か非かということではなくて、それを更に議論の裾野を広げつつ行うことが重要ではないかと私は申し上げましたので、引き続きの検討を期待していることになります。

 

○松為教授

 今までいろいろ議論していると、 A 型に関しては労働関係で、労働契約を結びましょう、労働法を適用しましょうという話がありました。私がよく分からないのは、労働法を適用すると、当然、事業主に対する義務が入ります。そうしたことに、本当に A 型が労働法を適用したときに対応できるのでしょうか。

A 型というのは福祉分野の中で最も特例子会社に近い部分になる。そうなってくると、特例子会社のようなレベルのものを、なぜ A 型は持って来られないのですかという擬問に応えるとともに、その必要不可欠な独自性について明確にすることが必要ではないでしょうか。

 もう 1 つ、賃金補填のほうに関しては、今までのここに入る前のあり方検討会の議論の経緯から見ても、やはり議論が錯綜して結論はなかなか出てきません。ただ、前述のとおり、援助付き雇用の具体的施策の導入において、賃金補填で対個人に補填していくのか、それとも就労支援の人材を育成して多数の支援に対処していくのかという選択の仕方だと考えています。人材を育成していったほうが、対個人ではなくて幅広い形でサポートの体制ができると思っています。

 なおかつ先ほどの話の中で、人材を育成するということは、地域のいろいろな人的ネットワークを作るときのコアになると思っています。そういう意味では、賃金補填という議論をしていてもいいのですけれども、賃金補填をどういう形で展開するかというときに、 A 型事業者が雇用関係を持ち、それでもなかなか最低賃金はできませんから特例でやっていきますという議論は本当に成り立つのでしょうか。

 福祉の世界はそれでいいのかもしれませんけれども、雇用の場面では企業側から見て、 A 型が特例子会社と同じ労働関係法規の適用を設けるとすれば、なぜ福祉的な所だけが賃金補填しなければいけないのですかと、当然そういう議論が出てくると思うのです。そこのところをどう考えるかということを、私としては疑問点として持ちます。ですから、ある意味では慎重な議論をお願いしたいというのが私の見解です。

 

○佐藤座長

 まだ 1 人か 2 人ぐらい御意見を頂けると思うのですが、いかがでしょうか。

 

○大塚構成員

 大塚です。松為先生と朝日先生にお尋ねします。課題になっている 10 ページの今後議論を進めるべき事項で、「福祉施策以外との連携をどう考えるか」というのがあります。その中で特異な例かもしれませんけれども、東京とか埼玉ですか、特別支援学校では 100 %就労を目指すということで、 90 何パーセントという率で就労させている特別支援学校が様々できています。これは全国的な傾向かもしれませんけれども、こういう時代において、むしろ私たち福祉のほうが特別支援学校に学ぶべきかもしれないし、こういう時代においてそことどんな連携をしていったらいいのか。

 向こうはこれだけ高率に、多分インセンティブな支援をシステマティックにやっていると思うのです。そういうことも含めて考え方を変えて、そういう時代における教育との連携、就労支援における教育との連携はどういうものであるか。今後どういう姿を描くべきかについてお尋ねします。

 

○佐藤座長

 簡単にお 1 2 分程度でお願いします。

 

○松為教授

 教育との連携はますます必要だと思っています。雇用と教育は、特別支援教育の中でも、実習等を通してやっています。一番足りないのは福祉との連携だと思います。神奈川の場合に、私も実際にやっているのは、福祉とどういう形でつなげていくかということです。ただ、どういう連携の仕方をするかということは、ちょっと回答が出ません、ちょっと分かりません。

 

○朝日教授

 もちろん 100 %就職できることはよいことだと思います。その質をどう捉えていくかという点での連携が、福祉との連携の可能性としてあるでしょう。もう一方は先ほどの私の論に立ち戻りますけれども、学校の期間だけではなくて、その方が必要とする職業生活への支援という点では、長期的には早い段階から関わっていくことが大事だと思いますので、そういう意味での連携が求められると考えます。

 

○佐藤座長

 大塚さん、今の特別支援学校が急に就職率が高くなったというのは、単に高等養護学校を次々につくったということと、それから中学を卒業して特別支援学校に来る人が増えて、今はどこの学校も逆三角形になっています。そういうことが大きな要因になっています。特別に何かあったという気は余りしないです。

 ただ、埼玉県は、いわゆる就労支援センターというよりも、県が NPO 法人に委託してやっているのは 5 年も 6 年もたちますけれども、雇用支援センターというのがあります。雇用者の側を支援しないと、安定的な就職先を見付けることも、定着することも難しい。そこは大変よく整理されています。ただ、全県 700 万人を相手に、ほんの 4 5 人のスタッフでやっていますから、とても人手が足りないらしいです。就労支援という言い方をすると、どうしてもこっち側の話になるけれども、雇用する側の支援をどうするかを考えていかないと、結果としてうまくつながらないのではないかと思うのです。

 本日は議論すべき課題が幾つか提起されていますが、それについて細かく意見を交換することができませんでした。時間になりましたので、以上で就労支援のことに関しては終わります。参考人のお 2 人の方はありがとうございました。

 

 ( 参考人退席 )

 

○佐藤座長

 続いて、残りの 3 つの項目の説明をお願いします。

 

○尾崎精神・障害保健課課長補佐

 それでは、精神障害者に対する支援の在り方について資料 2 に基づいて御説明いたします。 1 ページに入る前に、総合支援法においては精神障害者も 3 障害の 1 つとして位置付けられておりまして、ヒアリング以降これまでの間、精神障害者に関する御意見も各ワーキングや常時介護の作業チーム、高齢の作業チームの中でもパーツとして出てきております。ただ、総合支援法の検討事項として、精神障害者の支援が特出しされておりますので、精神に特に関わりの深いものを今回まとめ直してお示ししましたので、一部再掲も多いですが御承知置きいただければと思います。
 1 ページです。まず「現状」です。もう当たり前かもしれませんが、精神障害者に対するサービスというのは福祉サービスについては総合支援法、保健医療サービスについては総合支援法と精神保健福祉法で各種規定されております。先ほど申し上げたとおり、 2 つ目の○ですが、「障害者」の定義には精神障害者も含まれております。その上で、ヒアリングでの主な意見をまとめております。 1 点目のくくりとしては、精神障害のある人の特徴に配慮した支援の必要性に関する御意見です。精神障害者も 3 障害共通の支援を受けられるようになったのですが、例えば上から 3 つ目までの御意見のように、重度訪問介護について、精神障害者であって、行動障害はないけれども支援が必要な方がいらっしゃるということで、こういった方々のニーズにどう応えていくのかという点。 4 つ目の○以降ですが、精神障害者についてはその特徴として「可変性」や、状態が非連続、不安定、波があるといったような特徴が、ヒアリングの中で出されました。こういった点にどう配慮したサービスをするかという御意見がありました。
 2 ページの主な意見です。先ほどの精神障害者の特徴、特性の 1 つとも言えるところですが、精神障害者については医療と福祉の必要性があるというものに関する御意見です。 1 つ目の○が、医療的なケアを要するということで、障害者版といったような訪問看護を導入してはどうか。 2 つ目が、介護保険のサービスを参考にしながら、医療と介護の連携による包括的支援サービスを創設すべき。 3 つ目として、医療と福祉の協働、例えば、入院中から自立訓練の活用などはどうかということ。 4 つ目の○ですが、いろいろレスパイトケア、ショートステイ、就労支援、生活訓練、家族支援などを総合的に行う機能が必要ではないかという御提案。 5 つ目の○としては、相談支援において医療ニーズを反映できる人材体制を検討してほしいということです。次の○が、同じような観点ですが、各事業所等に医療職を配置できるような体制を検討するように。次の○が、障害福祉サービス、介護保険サービスを柔軟に併用できることが必要。次の○として、特に高齢の場面ですが、身体合併症を含め、医療的ケアや見守り機能をもっと強化したらどうか。最後の○ですが、福祉、介護、医療といったものの複数制度を包括的に支援するような計画を立案できるようにすべきという御意見でした。
 3 ページです。もう 1 つの大きなくくりとしては、精神障害者は病院にいらっしゃる方も多く、病院からの地域移行が重要な課題ですので、これらに関する意見をまとめております。上から 4 つ目までは、地域生活の基盤をしっかり整備するようにという御意見です。次の 5 つ目から 8 つ目まではいずれも、特に地域生活の中でもアパートやグループホームといった住居面をしっかり確保すべきといったような御意見です。 9 つ目から 12 個目までの辺りは、地域移行支援、地域定着支援の拡充や、退院支援の強化、退院に向けた活動費、動機付け、そういったことをもっと強化すべきという御意見です。最後の下の 2 つは、敷地内グループホームに関する御意見です。
 4 ページです。今、大きく 3 つにまとめたもの以外の御意見としては、ショートステイは入院予防に重要な効果があるので、これが増えるようにと。 2 つ目の○として、生活訓練に訪問型を創設するようにという御意見。 3 つ目は、既存のサービスでは利用しづらい人がいるということと、権利擁護の仕組みを確立するようにという御意見です。次の 2 つの○ですが、精神保健福祉法というところで、精神障害者に関する医療部分には各種の規定があるのですが、これらを一般医療の中に統合するべきではないかといった御意見です。下の 3 つは、高次脳機能障害に関して、もう少し充実が必要という御意見です。

 以上を踏まえまして、「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」としまして枠囲みの中のように整理しております。大きく言えば、精神障害者の状態に応じたサービスの在り方についてどのように考えるのかということ。もう少しブレイクダウンしますと、現在は制度化されていないが必要とされるサービスとは何か。 2 つ目のポツとして、既存サービスについて、精神障害者の状態に合うものとするためにはどのような支援が必要か。 3 つ目のポツとして、病院から地域に移行するために必要なサービスとは何かという点です。以上が「精神障害者の状態に応じた支援の在り方」についての部分です。
 5 6 ページが、「精神障害者の意思決定支援の在り方について」のペーパーです。 5 ページは「現状」です。上のほうが、総合支援法における意思決定支援についてということで、既に意思決定支援の回のときに資料として出しておりますが、総合支援法においては、相談支援事業者などの責務として、障害者の意思決定の支援に配慮するよう明記されております。

 精神保健福祉法における意思決定支援については、また違った経緯がありますので、その下の○を御覧ください。 2 つ目の○で、平成 24 6 月に有識者の検討チームの中で、本人の同意によらない入院制度について、保護者による同意の要件というものを外す代わりに、本人の権利擁護のための仕組みとして、「アドボケーター」という仕組みを導入すべきという御意見がありました。ただ、その後、法制化の議論の中で、このアドボケーター ( 代弁者 ) については、その段階では、関係者の間に様々な御意見があるということで、法改正には盛り込まず、今後の検討としたということです。その下の○で、附帯決議においても、代弁者などをちゃんと検討するようにと。その下も、法律施行後 3 年後を目途として、意思決定、意思表明の支援の在り方について検討を加えるようにという規定があります。これらが現状です。
 6 ページです。ヒアリングの場において出た御意見です。 4 つありますが、上 2 つが入院中の地域移行を促進する観点から、地域支援に関わる人が意思決定を促していけるように人材確保が必要という御意見。 2 つ目の○が、権利擁護を行うようなアドボケイトの育成・派遣が必要ということです。 3 4 つ目は、成年後見制度の関係です。全ての人に意思決定能力があることを前提として見直すべき、それから、変化し得る障害という精神障害の特性に鑑みて見直すべきという御意見です。

 以上を踏まえて、「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」としては大きく 2 つに分けております。地域生活における精神障害者の意思決定支援の在り方についてどのように考えるか。 2 つ目が、精神保健福祉法の附則に規定する意思の表明支援の在り方との関係についてどう整理するかということです。精神障害者の支援については以上です。

 

○佐藤座長

 続いて、障害児支援についてお願いします。

 

○川島障害福祉課障害児・発達障害者支援室室長補佐

 資料 3 を御覧ください。 1 ページで現状等を整理していますが、まず、ヒアリングで頂いた御意見のほかに、昨年 7 月に取りまとめられました「障害児支援の在り方に関する検討会報告書」においても、幾つか制度の見直しも含めて提言いただいているところもありますので、点線囲みで参考としまして検討会の報告書の抜粋を載せております。
 1 ページの「現状」です。障害児支援については、障害児通所支援と障害児入所支援によって行われておりまして、平成 24 年の児童福祉法改正により、従来、障害種別ごとに分かれていました施設体系について、通所・入所といった利用形態の別により一元化したといったところです。また、地域生活支援事業においてはピアサポートやペアレントメンターの養成等を行う事業も補助対象にしております。○の 3 つ目ですが、児童福祉法における重症心身障害児の定義として、「重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童」といった定義をされておりますが、医療的ケアが必要な児童であっても、移動が可能であったり、また、知的障害がない場合や、重度の知的障害を有するが肢体の不自由がなく、自傷、異食等の行動障害を有する、いわゆる「動く重心」について、原則として、重症心身障害児としての支援は受けることができないといったものになっております。平成 27 年度の報酬改定に向けて、家族等に対する相談援助の充実といった観点から、家庭連携加算、この加算は、障害児の居宅を訪問して相談・援助を行うといったものですが、この加算を通所支援と同日に算定できるような見直しを行ったといったもののほか、事業所において、障害児及びその家族に相談援助を行った場合に算定を可能とする、事業所内相談支援加算といったものを創設いたしました。併せて、報酬改定において、重症心身障害児に対する支援の充実を図るといったところから、延長支援加算や送迎加算の拡充を図ったといったところです。

 その下の点線囲みで書いてある所は、報告書で提言を頂いたものの抜粋です。 1 つ目は、地域社会への参加・包容、インクルージョンの基本理念を踏まえ、一般的な子育て支援施策における障害児の受入れを進めることに併せて、障害児支援については、一般的な子育て支援施策をバックアップする後方支援として位置付けて、保育所等の障害児の支援に協力できるような体制づくりを進めていくことが必要といった基本的な考え方が示されております。 2 点目は障害福祉計画の関係です。障害児に関する障害福祉計画への記載については、現在、努力義務となっており、こちらについて、他の障害福祉サービスと同様に、計画への記載義務化を法定化する方向で検討すべきといった指摘もされております。 3 つ目は保育所等訪問支援に関してです。今、保育所等訪問支援が、法律上、保育所など児童が集団生活を営む施設といった規定になっておりまして、その訪問先の拡大というところで、医療機関や児童養護施設を追加することを検討すべきといった指摘がなされております。医療機関については、先ほどの法律上の定義と当てはまらないというところ、また、児童養護施設については、児童養護施設として措置費が出ていますので、そちらとの二重給付といった観点から、現在は訪問先として対象外という整理になっております。 4 つ目の○の家族支援の充実についても提言いただいておりまして、子供の育ちを支える力の向上、精神面でのケア・カウンセリング等の提言も頂いております。最後の○ですが、「放課後等デイサービス」の関係です。放課後等デイサービスについて、特別支援学校の高等部を退学して、学籍のない児童については、現在、利用できない状況になっていますが、実際に学籍がない方についても希望する場合には利用できるようにすべきであるといった御意見も頂いております。
 2 ページです。ワーキンググループのヒアリングにおける主な意見を記載しております。まず、発達が気になる子供については、全ての一般児童施策において、まず一義的に支援と保護を受けるべきである。障害の有無や程度にかかわりなく、インクルーシブな社会の構築を目指すべきといった御意見。また、本人以外にも、兄弟、保護者にも十分に配慮した支援を行うべきだといった御意見。また、レスパイト、ショートステイ等の確保、ピアサポートや親の会など、当事者による体験的知識をいかした相談支援が重要であるといった御意見。また、障害児の区分判定についての御意見を頂きました。

 これらを踏まえて、「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」として、家族支援や医療的ケアが必要な障害児への支援も含めて、障害児支援の在り方についてどう考えるのかといったものが 1 点目の論点の案です。
 3 ページです。「現状」としまして○の 2 つ目です。先ほど申し上げました障害児支援の在り方検討会の提言を受けまして、昨年の 10 月から、障害児通所支援に関するガイドライン策定検討会を開催しております。放課後等デイサービスのガイドラインの策定に向けた作業を行っておりまして、今、パブリックコメントにかけている状況です。○の 3 つ目ですが、平成 27 年度の報酬改定について、支援の質の確保をするという観点から、児童指導員等の一定の要件を満たす職員を配置している場合についての加算を創設したといったところです。

 点線囲みですが、検討会報告書に提言のあったものですが、事業所から居宅への訪問型の療育支援の制度化に向けて検討を行うべきといった御指摘をいただいております。また、医療的ケアが必要な障害児及び重症心身障害児についてですが、現在、重症心身障害児者については児者一貫した支援が必要であるといったところから、医療型障害児入所施設、また、療養介護事業所のいずれか一方の指定基準を満たせば、他方の指定も同時に受けることが可能な仕組みになっております。 2 点目ですが、障害者支援施設、福祉型障害児入所施設においても同様に、どちらかの施設の基準を満たせば、他方の施設も同時に受けることが可能といった経過的な措置を設けております。これについては、平成 24 年の法改正のときに、障害児の入所施設に 18 歳を超えた加齢児が入っていたといった所があり、その円滑な移行というところで経過措置を設けているということです。この一体運用の取扱いについては、主管課長会議等で平成 30 3 月末までの措置であると周知しております。
 4 ページです。「現状」の続きです。○の 2 つ目ですが、重症心身障害児の地域生活支援の向上のところですが、平成 24 年度から平成 26 年度まで、コーディネーターを配置した上で関係機関との連携等を行う「重症心身障害児者の地域生活モデル事業」といったものを実施しております。平成 27 年度予算案については、これをもう少し都道府県域と広域的なものということで事業内容を見直し、関係機関の連携、人材育成の取組に関して補助を実施するといったモデル事業を計上しております。また、平成 27 年度報酬改定において、医療型障害児入所施設の有期・有目的入所といった基本単価を新設いたしました。

 点線囲みの報告書の在り方検討会の提言ですが、障害種別ごとの専門性を維持することにも配慮した上で、人員配置基準や報酬体系の一元化についても更に検討を進めるべきであるといった御意見を頂きました。
 5 ページです。ヒアリングの主な意見です。支援の質の向上・充実についてです。 1 つ目の○ですが、ガイドラインの策定が必要だということ。放課後等デイサービスについては早急に作るべきといった御意見。 2 つ目ですが、利用者の都合でキャンセルした場合の対応。 3 つ目は、レスパイト、ショートステイ等の確保、ピアサポート等については相談支援が重要、先ほどの再掲ですが、そういった御意見を頂いています。また、医療的ケアが必要な障害児、重症心身障害児ですが、先ほどの経過的な運用と関連しますが、療養介護・医療型障害児入所施設の定員区分における流動的な取扱いを維持していただきたいというところ。重症児者支援コーディネーターの関係。○の 4 つ目は、今回の報酬改訂で対応しているところもありますが、有期・有目的の要望。また、医療型の入所施設についての人員配置等について御意見を頂いております。

 次のページの「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」としまして、医療的ケアが必要な障害児や重症心身障害児をはじめ、障害児支援の質の向上をどのように図っていくかといったところを挙げております。
 7 ページ以降については参考資料として載せておりますので、また御覧いただければと思います。

 

○佐藤座長

 それでは、最後の資料 4 「その他の障害福祉サービスの在り方等について」の資料説明をお願いします。

 

○福井企画課課長補佐

 資料 4 です。「その他の障害福祉サービスの在り方等について」ですが、こちらの資料は団体ヒアリングで頂いた御意見のうち、これまで議論いただいた 3 年後見直しの附則の項目には必ずしもはまらないものをまとめさせていただいたものです。事務局にて幾つか項目に分けて整理しておりまして、具体的には 2 ページからありますように、障害者の範囲、サービス体系、財源、報酬の支払等、医療ニーズへの対応、障害福祉計画に分類しております。順に、簡単に現状から御説明いたします。
 2 ページです。障害者の範囲等ということで、今、障害者基本法において、「障害者」については、「身体障害、知的障害、精神障害 ( 発達障害を含む ) その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」と定義されております。また、障害者総合支援法においては、「身体障害者、知的障害者及び精神障害者 ( 発達障害者を含み、知的障害者を除く ) 並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊な疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者」とされております。

 サービス体系については、 17 20 ページにありますように、給付と地域生活支援事業という形で実施しております。詳細については割愛させていただきます。

 財源についてです。 1 つ目の○ですが、予算額については、自立支援法の始まる前の平成 17 年度の 4,312 億円から、平成 27 年度予算案ですが 1 兆円を超えて、 1 849 億円ということで、この 10 年で 2 倍以上に増加している状況です。利用者負担については、平成 22 年の議員立法で応能負担であることを法律上も明確化するなど、類似の取組を進めてまいりまして、現在、給付費全体に対する利用者負担額の割合が 0.25 %という状況です。また、自立支援医療においては、利用者負担が過大とならないように、所得に応じて 1 月当たりの負担額を設定しております。また、費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない方などについては、更に軽減措置を実施しております。
 3 ページです。 2 つ目の○ですが、政府の財政制度等審議会において、 3 年後見直しに当たっては、制度の持続可能性の確保を図るため、制度を支える財源・負担の在り方等について幅広く検討を行うべきであるという御意見が出ております。

 報酬の支払い、給付費の負担等です。障害福祉サービスの報酬体系については、訪問系サービスは時間割り、その他については日払いで評価しております。また、 2 つ目の○ですが、居住地特例としまして、一定の施設等の入所者については、入所する前に居住地を有していた市町村が、自立支援給付の実施主体として取り扱われております。

 医療ニーズへの対応としまして、療養介護、短期入所、医療型児童発達支援、障害児入所支援の 4 つのサービスを行っているほか、これ以外のサービスにおいても、医療連携体制加算等で医療ニーズに対する支援を評価しております。
 4 ページです。障害福祉計画等です。障害者総合支援法では、国が「基本指針」を定め、一定の目標を設定する。地方公共団体がこの基本指針に即して障害福計画を策定して数値目標を設定するとともに、必要見込量を定めて計画的な基盤整備を図っております。これについては、平成 24 年の障害者総合支援法の中で、障害福祉計画の必須記載事項に、目標に関する事項を追加するなど、内容を充実してまいりました。
 5 ページからが、項目ごとにヒアリングの主な御意見をまとめたものです。時間の関係で全部は御紹介できませんが、まず、障害者の範囲等についてです。 1 つ目として、定義について、基本法と同じ定義とするという御意見や、 3 つ目の、障害者手帳取得のための認定基準についての御意見もあります。
 6 ページ以降がサービス体系、あるいは人材育成などについて頂いた御意見です。それぞれ、サービスの種類ごとにまとめておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
 9 ページの利用者負担についてです。 2 つ目、障害に伴う支援は無償とするとか、 4 つ目の、自立支援医療の低所得者の自己負担の解消などの御意見がありました。
 10 ページ、「報酬の支払い、給付費の負担について」です。 2 つ目、施設系は、人件費を月額払い、事業費は日額払いへの見直し。居住地特例に関しては、 4 つ目にありますように、訪問系サービスにも居住地特例を認めてほしいといった御意見がありました。

 医療ニーズへの対応について、 10 11 ページに記載しております。 11 ページを御覧ください。先ほどほかの項目でもありましたが、 5 番目にあるような、「障害者訪問看護」の導入や、下から 3 つ目ぐらいの「重症児者コーディネータ」といったような形での、医療と福祉の連携などの御意見がありました。
 12 ページです。障害福祉計画については、地域の協議会の連携や、 PDCA サイクルの実行確保などの御意見がありました。

 これらを踏まえまして、 12 ページの下の半分ですが、「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」の整理をしております。順に、障害者総合支援法の障害者の範囲についてどう考えるか、障害福祉サービス等の体系や対象者等について、人材育成、質の向上について、財源の確保を含めた制度の持続可能性について、利用者負担の在り方について、報酬の支払いや給付費の負担について、医療ニーズへの対応についてそれぞれどう考えるか。また、都道府県及び市町村が作成する障害福祉計画をより実効性の高いものとするため、どのような方策が有効かという形で整理させていただいております。
 13 ページです。こちらには障害者総合支援法に関するもの以外のヒアリングで頂いた御意見をまとめております。具体的には、障害年金の判定の地域差の是正や、 3 つ目から 6 つ目までにあるような、障害者雇用の雇用サイドのほうの御意見などを頂いております。以上です。

 

○佐藤座長
 3 つの資料で、それぞれに説明がありました。これから約 1 時間が残っておりますが、その 1 時間を 3 つに分けて、取りあえずはそういうことで議論を進めていきたいと思います。

 まず、精神障害者に対する支援の在り方についてはいかがでしょうか。

 

○吉川構成員
 4 ページの「今後議論を深めるべき事項」の一番上に、「精神障害者の状態に応じたサービスの在り方をどのように考えるか」とあるのですが、この「状態に応じた」というのが、状態に応じたサービスメニューを考えるということだけではなくて、事務局の説明やヒアリングの中にもあったように、精神障害者の方の場合には、病状や状態に波があります。そういう、波のある状態に応じたサービス提供の仕方や支援の受け方というのが非常に大事ではないかと思っています。やはり、同じサービスであっても、例えば提供できる時間や回数などが、その方の状況に応じて、頻度が高くなったり、落ち着いてくれば、それが非常に少なくていいという変化があると思うのです。現状では、例えば地域移行して退院した直後に、非常に手厚い支援が必要でも、今の基準に合わせると余りそれ以上は使えないなどということがあります。そのために別のサービスを新たに考えるなどということだけではなくて、現状のサービスが、もっと柔軟な使い方ができるように、それが支給決定のところなのか、サービスの基準なのか、その辺りもありますが、そういった考え方が必要ではないかと思っています。

 あと、精神障害者の中で、これも御紹介の中のヒアリングなどの中にも出てきましたが、やはり、地域で見守る機能が非常に重要ではないかと思っています。これも、必ずしも毎回、例えば訪問支援についても、訪問して介護をするとか、訓練をするとか、必ずしもそういうことばかりではなくて、定期的に、例えば巡回をするなどといった訪問も含めて、地域で見守るような機能、それが地域定着などといったことに関しても非常に大事ではないかと思っています。

 それと、最後になって恐縮なのですが、一番大事なのが、地域でなかなかサービスにつながっていない精神障害者の方や、退院後もサービスにつながらずに、例えば、また状態が悪くなるなどの理由で再入院になってしまうなどという方も非常にたくさんいらっしゃいます。ですから、そういった方をどのように支援していくのか。そしてサービスにつなげていくのかという、そこも非常に大事な論点になるのではないかと思います。地域移行を考えてみても、入院中の精神障害者の方が障害福祉サービスの情報を十分に知っておられないということがあります。医療職も十分にそういった知識もありませんので、自分がその地域に出てどういったサービスを使えるのか、退院に当たってどんなサービスが使えるのかというのもなかなか分からないところがありますので、そこも非常に大事ではないかと思います。

 もう 1 つ思い出しました。 6 ページの「今後議論を深めるべき事項」の、地域生活における精神障害者の意思決定支援の在り方ということなのですが、ここでは「意思決定支援」ということになってはいるのですが、このアドボケイトなどといったところのヒアリングの中や、上の、事務局からの御説明があったところでも「代弁者」と。意思を代弁するという考え方と、意思表明や意思決定というのは、そこは考え方が少し違うのではないかと思います。例えば、言語的なというか機能的に何か意思が伝えられないというところがあって、そこに支援が必要だというところと、御本人がそのとき御自身の状態を把握して、いろいろな自分の意思などが表明できない。あとは、それを考える力がそのときに低下してしまうという、その支え方はちょっと違うような気がします。

 あと、気になったのが、その意思決定支援によって、例えば何かが変わるのかという辺りのところです。これは単に意思決定支援はこういう方法がいいのではないかということだけではなくて、例えばその意思を伝えることによって、例えば福祉サービスや医療につながるのかとか、何かその後の支援にそれがどういうふうにつながっていくのかという辺りも含めて考えるべきではないかと思いました。以上です。

 

○大塚構成員

 精神障害の方の病院から地域への移行や、必要なサービス、それから、意思決定などという意思表明のところなのですが、精神障害の分野でピアサポーターというものが作られて、人材の養成などが始まっているということを聞いております。そして、知的障害の方も少しあるかもしれません。こういう障害当事者の力をこれからどんなふうに考えていくかということは非常に重要な観点だと思っています。多分、身体障害の方たちが自立生活運動でピアの方たちによってここまでの地位を築いてきたということもあるでしょうし、知的障害や精神障害の方は、様々な困難は伴いますが、状態や支援によって、十分、サポーターになり得る可能性があるということですので、この力を大きくしていく必要があると思います。多分、地域移行やアドボケイトの主体になっていく存在かなと思っています。

 それとともに、やはり、制度に位置付けるというところまで言っていいのか分かりませんが、そういう方たちを制度に位置付けることも含めて考えるべきかと思っています。どうやるかはあれですが、単に養成ということではなくて、きちんと、様々な事業におけるアドボケーターとして仕事をしていただくというようなイメージですが、そういう制度に位置付ける必要があるのではないかと思っています。

 

○田村構成員
 4 ページの「今後議論を深めるべき事項」の所ですが、先ほど吉川構成員もおっしゃいましたように、障害の状態に応じたサービスの在り方ということを考えたときに、精神障害の特性として可変性や不安定性というものを加味しますと、例えば、事業所等へ今日行く予定にしていたけれどもやっぱり行けなくなったというときに、その日はお休みという扱いにしてしまうことが必ずしもいいとは言えなくて、もう少し働き掛けをしていただくことによって、やっぱり行ってみようと御本人のお気持ちが変わることもあり得ます。こうした丁寧な関わりをするということが、今の給付の仕組みの中では難しい場合もあるようで、実際には事業所や医療機関が訪問看護等をしながら持ち出しの形でやっている所もあるのではないかと思います。あるときは手間を掛ければ、後にはそれほど手間を掛けたり目を掛けたりしなくても、御本人の自立度が高まっていくということもありますので、その辺りをどのように報酬体系に位置付けてられるかということについても検討が必要ではないかと思います。

 既存のサービスの中で、精神障害の状態に合うためにということなのですが、例えばホームヘルプサービスは精神障害の方たちにとっても有効に活用されるようになってきているのですが、ヘルパーさんたちは、御本人が嫌だと言ったことや、「今日は結構です」と言われたことなどについては、拒否されたということで手を引いてしまうことも多いのが実情です。例えば在宅の精神障害のある方で、ゴミの捨て方がよく分からないとか、いつの間にかゴミ屋敷のようになってしまう方もいらっしゃるのですが、強硬にそれを全部勝手に片付けることはできない一方、「少しだけこういうふうにやってみようか」とか、「このぐらいきれいにしたらさっぱりするんじゃないの」というような丁寧な働き掛けや、少し介入的な働き掛けによって、体験的に御本人も、「こっちのほうが快適だな」と思えば、次からは分かってくれるということがあります。そういう意味では、ホームヘルプサービスの事業所の方たちにもう少し精神障害の特性について理解していただいて、その都度、その状態に合わせた関わりができるような育成の仕方が求められているのではないかと思います。また、そういった方々に対するコンサルテーションあるいはスーパービジョンの機能なども、基幹相談支援センター等に担っていただくことも有効ではないかと思います。

 それから、病院から地域に移行するために必要なサービスの所なのですが、実は障害児支援の話を拝聴していてちょっと思ったことなのですが、障害児支援のほうの 1 ページの ( 参考 ) の所に書かれている検討会報告書の中で、 3 つ目の○に、多くの関係機関に専門的な知識・経験を還元するために、制度上認められる訪問対象先を拡大して、医療機関等も追加するといった指摘がありましたが、これのような考え方を導入できればと思います。具体的には、医療機関に対して、福祉の専門的な知識・経験を還元するようなことの制度化です。医療機関のほうでも、もう少し地域の障害福祉サービスの在り方を知っていただき、地域生活支援体制を想定できるようになれば、病院の中でやっておくべきことが何かということも分かってくるかと思います。こうすることでもっと地域移行に関して両者の連携が進み、それぞれの役割分担も進んでいくのではないかと思います。

 この間、地域体制整備コーディネーターが配置されたときの事業などでは、医療機関への働き掛けというのは、かなり保健所や精神保健福祉センターが行ってこられた経緯はあるかと思いますが、残念ながら、医療機関の変化には相当な格差があるかと思います。進んだ所は進みましたが、進んでいない所は相変わらず進んでいないという現実があると思います。更なる医療機関への働き掛けによって地域移行が進むということは、他の検討会等でも言われていることで明らかかと思いますので、この辺りを何とか制度化していくことが求められるのではないかと思います。
 6 ページの「意思決定支援」のことについてなのですが、ここは少し事務局にお聞きしたいことがあります。後ろのほうの 16 ページに、平成 24 年度からの調査研究のことが資料として載せられているのですが、平成 24 年度のときに「代弁者の定義を提案」となっていますが、これは具体的にどのようなものが提案されたのかということと、これが平成 25 年度になると「意思決定」と名称も変わっていきました。先ほど吉川構成員からも御指摘がありましたが、この「代弁者」ということと「意思決定を支援する人」というのは意味合いが違うと思いますが、ここがなぜ変化したのかということを教えていただきたいのが 2 点目の質問です。さらに、意思決定の助言・支援を行うための具体的な方策あるいは支援フロー案はどのようなものが提案されたのかということについてもお聞きできればと思います。以上です。よろしくお願いいたします。

 

○佐藤座長

 最後に 3 つ御質問がありました。

 

○尾崎精神・障害保健課課長補佐

 少しだけお時間を頂いてよろしいですか。ほかがあれば先に。

 

○佐藤座長

 まとめて。

 

○尾崎精神・障害保健課課長補佐

 はい、すみません。

 

○佐藤座長

 では、ほかに何か事務局にありますか。

 

○寺島構成員

 寺島です。 4 ページの「今後議論を深める事項 ( ) 」で、「既存サービスについて、精神障害者の状態に合うものにするためにはどのような支援が必要か」とあります。以前、私が発言しましたが、高次脳機能障害の人たちは身体障害を合わせ持っていたりしていますので、ただ支援が必要かではなく、社会資源の有効活用もここに入れていただきたいと思います。他施策との連携だとかでもかまいません。大きく言えば支援ということにはなるかもしれませんが、重複した障害を持っている人たちは、ほかの障害領域のサービスも利用できるようにできるとか、資源の無駄使いにならないように社会資源の有効活用が必要であるとか、そのような意味も加えていただけると有り難いと思います。以上です。

 

○尾崎精神・障害保健課課長補佐
 1 点目の途中までですが、平成 24 年度の研究のときの「代弁者」の定義ですが、代弁者というのは身近な人で利害関係がない方で、その人の状況に寄り添う、気持ちと状況を理解して、それを病院とか支援者にあくまで伝えると。働き掛けるというか、それを率直にそのまま伝えるというのが代弁者であろうということが、この検討委員会の中で提案されたということです。

 平成 25 年度については、正にその提案、そこの検討会で言う代弁者の定義を踏まえて、引き続きフロー案を研究することになったので、平成 24 年度の調査からの継続性を踏まえて、平成 24 年度の調査で寄り添う人を代弁者と言いましょうということになったことを踏まえて、次の研究につながったという状況です。フロー案については、今、平成 25 年度のものはできてはいるので、それは後ほどまたお渡しできればと思います。

 

○諸冨精神・障害保健課課長補佐

 高次脳機能障害に関する御発言については、御指摘のとおり、確かに精神障害者で重複した障害がある方については、既存の障害のサービスについて適切に社会資源の有効活用という観点を踏まえて、精神障害者の状態に合うものであり、かつ新しくサービスを作り上げることもありますが、既存のサービスで有効なものがあれば、適切に活用させていただきたいと考えているところです。

 

○田村構成員

 田村です。先ほど尾崎課長補佐から御説明いただいたところなのですが、平成 24 年度は「代弁者」と呼んでいて、その定義が明確になったところで、その方たちは意思決定支援をする人というように読み替えられていったということですか。そういう理解でよろしいのでしょうか。

 

○尾崎精神・障害保健課課長補佐

 何を読み替えた、代弁者というのは、あくまで先入観なく正確に理解してくれる人、本人の主張を聞く人、主には割と受け身の存在であるということをその場で、研究結果では整理したという状況ですので、ちょっと言葉として意思決定支援と換えたのかというと、それに対してはストレートにはお答えできないのですが、これからここでの研究では代弁者は今申し上げたとおりの整理としたということです。

 

○田村構成員

 分かりました。ありがとうございます。そうすると、やはりちょっと意思決定とはニュアンスが違うのかなというように、現段階では受け止めさせていただきました。

 続きで発言させていただきたいのですが、 6 ページの「今後議論を深める事項」の 2 つ目の部分に、精神保健福祉法の附則第 5 条の関係とどう整理するかということがありましたが、ひとまずは精神科病院に入院していらっしゃる方に関しての代弁者または意思決定支援者、どういう呼称が適切か分かりませんが、そこは一旦精神保健福祉法だけ切り分けて議論をすることが望ましいのではないかと、現段階では考えます。

 ただ、一方でヒアリングでも出ていましたように、精神保健福祉法という特別な精神科医療を規定する法律をやめて、一般医療と統合し、福祉の部分は総合支援法に統合していくことが望ましいのではないかという御意見もありましたように、精神科医療機関の中のみを特殊な位置付けにどこまで置くかということは、今後考えるべきことの 1 つではないかと思います。代弁者を権利擁護者と捉えるのであればやや話を広げてしましますが、障害者虐待防止法の中に精神科病院は入っていないという点についてもどのように考えるかということを改めて検討する必要があるのではないかとも思っています。以上です。

 

○佐藤座長

 そろそろこの件に関して終えて、次に行きたいのですが。簡単にお願いします。

 

○吉川構成員

 吉川です。手短に申し上げます。精神障害者に応じたサービスとか地域移行するために必要なサービスを検討するときに、こちらもどうしても精神障害者御本人のニーズが十分把握できていないということがあります。例えばそれがよく表れているのがショートステイで、当事者も必要だと言われて、支援者もそれが非常に有効だと言われるのですが、実際ショートステイの利用が伸びていないという現状もあります。ここはヒアリングでもお尋ねしたところなのですが、例えばどういったショートステイを希望されるのかとか、実際どういったものがあれば一番活用できるのかという辺りも、我々も当事者の御意見をもっともっと聞かないと、その辺りが十分つかめないのかと思いますので、そういった精神障害者御本人のニーズも踏まえて検討を行うところが重要ではないかと思いましたので、そのことだけ発言させていただきます。以上です。

 

○佐藤座長

 まだ不十分だと思いますが、 2 つ課題が残っていますので、次に移りたいと思います。障害児支援について、先ほどの説明を含めて、それに対する御意見なり、あるいは質問なりをお願いしたいと思います。

 

○大塚構成員

 大塚です。「障害児支援の在り方について」の➀、 2 ページに「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」として、「家族支援や医療的なケアが必要な障害児への支援も含め、支援の在り方についてどう考えるか」ということがあります。大変大切な視点で、家族支援ということが障害児の支援の在り方に関する検討会の報告にも入って、非常に重要なこれからのポイントかと思っています。それとともに、今後のポイントは、私見としては本人支援と家族支援をどうするかということが非常に大きな観点かと思っています。

 この検討会においても、レスパイトかレスピットかという議論がありましたが、そうではなくて家族の支援をどう考えるかということが大切だと思っています。例えば放課後等デイサービスについては、現在、御家族が働くことを保障するためという法律規定はないわけなのです。本人の支援なのですが、これが放課後クラブ、放課後の児童健全育成事業と大きな違いによって、働くことをきちんと保障していないことをどう考えるかも含めて、これだけ少子化の時代において、お母さん、お父さんが働くというニーズが高まっているとき、放課後等デイサービスなどをどう考えるかということがあると思います。

 本人支援、家族支援の観点からいくと、ちょうど私の家のポストに地域の放課後等デイサービスの事業者からパンフレットが入っていたのです。それを読みますと、「知的障害、発達障害児放課後等デイサービス何々」という事業者名が書いてあって、そこの後に「英語学習、宿題、織物、食育」と書いてあるのです。英語学習というのは、ここまで福祉の分野が広がったことは非常にうれしいことだし、いいわけですよね。これは一般の子供であると塾ということになるので、塾について福祉が担保するという、ここまで我が国の障害児福祉は広がったということとともに、本当にそれでいいのかという疑念も生じます。国民全てが納得するかということです。そうすると、一般の児童の塾についても保障してくれということも含めて、非常に大きな課題になるのではないかと思っています。ですから、福祉のサービスとは何かということを考えなければならないと思っています。

 そういう中において、多分これから議論になる持続可能性のある制度を考えたとき、こういう児童デイサービスは非常に伸びが大きくて、必要だから多くの方が使いたいということはあるのでしょうけれども、それはそれで保障していかなければならないということとともに、その財源をどうするかということも含めて、非常に大きな課題だと思っています。余り言うと、全国からバッシングを受けたり、ちょっとあれなのですが、例えば特別児童扶養手当がありますね。これは障害のある御家族について、児童扶養手当を支給するということで、昭和 39 年からきているわけです。私も一時もらっていたことがあるので、なかなか言いづらいということなのです。もし、こういう財源について、これを例えばバウチャーといって、券として居宅介護、あるいは移動支援、あるいは放課後等デイサービスに使えるのだということになると、事業も大きくなるし、増えるし、有効だと思うのです。金銭で配るということは、本人に還元されるということよりは家計に入るわけですので、非常に曖昧なわけです。それが先ほど言った本人支援と家族支援を根本的にどう考えるかということも含めて、児童の課題についてはそろそろ取り組むべきことかと。特別児童扶養手当をなくせと言っているのではないので、私ももらっていたので大切なものではあるけれども、これで私は酒を飲んでしまったのでということで、すみません。冗談ですけれども。

 

○山下構成員

 山下です。障害児支援の質の向上ということで、自立支援協議会についてお話させていただきます。この資料の中にも度々出てまいります平成 26 年の「障害児支援の在り方に関する検討会報告書」の中にも、自立支援協議会において、例えば子供部会などといった名称での専門部会の未設置もあるために、自立支援協議会の活性化を通じて、地域のネットワークを強化していくための具体策を検討するように、ということが書かれていました。実際にそれぞれの自治体の状況によって、専門部会の在り方は変わってくるかと思いますが、こと障害者総合支援法に直接関係するところといえば、医療・福祉・教育と分野を超えたネットワークの構築のためにも、この協議会が果たす役割も大きいかと思いますので、その点についてもどうすればより重点的に活動していけるかを考えることは必要かと思います。意見として、以上です。

 

○寺島構成員

 「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」が非常に包括的な内容で、全く否定はできないのですが、その下にもう少し具体的な内容を入れていただいたほうが内容がわかると思います。この案だと、何も意見を言うことができません。正しすぎて何もいうことができません。以上です。

 

○佐藤座長

 私も 1 つ、これは事務局に伺いたいのですが、児童福祉法の改正によって、障害児支援は基本、児童福祉法でという建前にはなっていますが、実際には従来の障害児に対するいろいろなサービス体系はそのまま温存されていて、最近の傾向は、地域の幼稚園、保育園の受入れの状態が、これは本当に体感レベルの話ですが、この数年、私の立場から言えばむしろ悪くなっているという気がします。やはり障害のある子には特別な教育が必要だというようなことで。

 それで、伺いたいことは何かというと、こういう期待は少なくとも私が死ぬまでは無理なのかということなのですが、今、障害福祉部で持っている障害児支援に関する予算が児童家庭局、今は雇・児局に行く可能性は全くないでしょうか。それとも、それは整合性の問題からいえば当然そうあるべきだと私は感じているわけです。ただ、一足飛びには難しいと思うから、どうでしょう。私が死ぬまでぐらいには、そういう期待を少しはしていいかどうか。それともそんなことは露ほどにもあり得ないと考えたほうがいいでしょうか。部長、答えてもらえますか。

 

○藤井障害保健福祉部長

 先生がお亡くなりになるのがどのぐらい先なのか分かりませんが、何十年先のことを展望したことを申し上げにくいところではあるのです。先生は御承知のように、障害保健福祉部ができるときには、もともと旧厚生省の旧児童家庭局にあったものをこちらに持ってきて統合したという経緯でもありますので、私どもは現在の障害保健福祉部としては、むしろ障害者・障害児施策を総合的、包括的にやっていくというのが私どもの使命だと思っております。何十年先のことは分かりませんが、現時点で申し上げますと、私どもとしてはそれをまた分解していくような、そういう発想は現時点ではありませんで、繰り返しですが、総合的、包括的に障害児者の政策を推進していくという立場です。

 

○佐藤座長

 多分そうだろうと。ただ、障害児に関する施策が総括的に包括的ということが進めば進むほど、全体としては逆に孤立していくということもあることは、理解していただきたいと思うのです。ですから、死ぬ間際ぐらいに少しそんな話も出ているかぐらいに、これは 10 年刻みで考えていただくような課題だと思いますけれども。以上です。

 最後の課題になりましたが、論点が幾つかありますが、「その他の障害福祉サービスの在り方について」で先ほどの説明があり、幾つかの整理が試みられていますので、それらに基づいて御質問、御意見を頂きたいと思います。

 

○大塚構成員
 12 ページの「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」で、上から 4 つ目で「障害福祉サービス等の財源の確保を含めた制度の持続可能性についてどう考えるか」という検討事項があります。先ほどの御説明のように、 1 兆円の予算を超えたということで、これも障害の関係者の皆さんの努力、あるいは行政の努力によってここまで来たということで、すごい大きなことだと思っています。その中で、ずっとこれが続くかというのは、私も利用者としてもどうかなと、支援費制度を経験した者ということもあるかもしれませんが、財源的にこれからもっともっと伸びてほしいという気持はありますが、これからもっともっと利用者も増えるということも含めて、ニーズはあるけれども財源が増えることもなかなか考えづらいと。特にそれは 1 兆円を超えて、半分近くが借金でやっているわけですので、その中における 1 兆円なので、これも含めて持続可能性という観点からどう考えていくかは大きな課題だと思っています。

 そのときにもっともっと伸びてほしいのですが、少なくとも 1 兆円を超えたという中においては、多分この 1 兆円の内容を精査する必要があるのかなと個人的には思っています。特に費用対効果ですよね。本当に質の高いサービスがきちんと行われているのかというところを、隅々まで点検して、それでも必要だ、あるいはこれだけ質の高いサービスを提供していても、もっともっと予算が必要だということで、初めて国民に理解を得られることだと思っています。それなしにもっともっとということだけは困難かと思っています。特に費用対効果のことからいくと、例えばサービスの第三者評価、質の評価ということは、高齢者、あるいは保育などに比べて、障害分野においては非常に低くとどまっております。そもそも質に対する関心はないというような状況かと思います。

 それから、どう言っていいか分かりませんが、虐待は引き続き頻発しています。特に老舗の大法人において虐待を受けている。その深刻さもあるかもしれませんが、そういうことも含めて質の観点からいけば、「本当に障害福祉頑張って、みんなやっているね」という国民の理解は、なかなか得られないような状況かと思います。こういう中において、もっともっとということも含めて、もっともっと増えたほうがいいと思いますが、ここにおいては特に費用対効果、コストエフェクティブネスを徹底的に吟味する必要があるのではないか。その後で、次の展開があるかとは個人的には思っています。以上です。

 

○佐藤座長

 制度の持続可能性、すなわち財源の問題に関わることだと思いますが、今、御意見がありましたが、何か関連していかがでしょうか。また議論の中で出てきたら触れたいと思いますが、障害福祉サービス等に係る制度の今後の在り方について、引き続き御意見を頂きたいと思います。余りにも漠としすぎて、御意見が出ないのでしょうか。資料の 12 ページに「今後議論を深めるべき事項 ( ) 」ということで、 8 点、問題の提起があります。先ほどの持続可能性についても問題提起がありますが、その他の事項に関して御意見がありましたらどうぞ。

 

○山下構成員

 山下です。私のほうからは、ヒアリングの中でもかなり御要望として多かった医療ニーズへの対応についてお話させていただければと思います。 1 つは障害福祉サービス独自のサービスとして、訪問看護を新しくというところが要望として多く出ていたかと思います。現状では、医療保険制度においても訪問看護が受けられるわけですが、改めて障害福祉独自のサービスとして創設する意義については、その意義がどういうものかということについて、改めて確認して検討することは 1 つ論点になるかと思います。ヒアリングの中でも出てきましたが、長時間利用ができないことや回数の制約があるから、ということがあったかと思います。

 もう 1 つですが、平成 24 年度から始まった喀痰吸引制度についても、吸引等の医療的ケアができるようにということがヒアリングの中でも出てきました。平成 26 年度の時点で、厚生労働省が出している調査データによると、障害者総合支援法や児童福祉法関係の施設事業所で、登録特定行為事業者数が全国で 2,583 件なのだそうです。最も多いのは東京都で 395 事業所なのですが、自治体によっては 1 桁台であったりとか、障害、それから児童では全くないという所などもありました。自治体の中で、研修そのものがほとんど実施されていない所があって、せっかく制度として新しく喀痰吸引の制度や研修ができて、痰の吸引、胃瘻などの経管栄養のケアを必要とする人が在宅で暮らすための仕組みなのですが、それをいかに広げていけるか。自治体の格差も是正しながら広げていくことができるか。医療職と介護職との連携の仕組みであったり、研修に掛かる費用の助成であったり、幾つか課題はあるかという認識を持っています。以上です。

 

○田村構成員

 田村です。ちょっと漠然とした意見になってしまうかもしれませんが、「今後検討を深めるべき事項 ( ) 」の 1 つ目の障害者の範囲に関連する話で、「障害者総合支援法の障害者の範囲についてどう考えるか」というように、こちらの項目案としては挙がっていますが、実際に障害者の定義の仕方はどうするのが望ましいのかということについて、もう少し整理をしたらいいのかと思います。もう 1 つ障害者基本法に定義がありますが、実際に認定を受けるときに、例えば精神障害であれば精神保健福祉法に基づいて、医師の診断による手帳の申請になります。一方、地域で支援を受ける際は、障害者総合支援法に基づく障害支援区分の認定になり、障害年金をもらおうとすれば、障害年金の等級表に照らしてということになっていて、それぞれの整合性がどのように付いているのかというところが、利用者の側からすると分かりにくいという実感があります。

 また、都道府県によっても認定の基準が本当に統一されているのかどうか。日本全国で統一された基準に基づいて、例えば手帳の支給がされているのか、障害年金の裁定が下りているのか、そこがどうも不明瞭のような気がしています。できることであれば、やはり日本全国どこにいても、同じ基準によって障害が認定される形にしていくことが望ましいのではないかと思っておりまして、どこで議論していただくのがいいのかよく分からないのですが、ちょっと気になっているところなので、発言させていただきました。

 

○佐藤座長

 今の御意見に、事務局で何かコメントはないですか。例えば障害基礎年金の給付については地方差が大きいというのは、この間も報道されていましたが、いかがでしょうか。

 

○川又企画課長

 認定するのが自治体のほうなので、ある程度のガイドラインは国のほうで示しているわけですから、そういう意味ではある程度の統一は取れていると思いますが、具体的な認定において若干のばらつきはいろいろな所で御指摘はあると思います。ただ、障害福祉のサービスに関しては、手帳とサービスというのは今、切り離されたというか、手帳が前提でなければこの障害福祉サービスが受けられないということでもないですし、手帳は手帳の制度としてあるわけですが、障害福祉サービスを受けるに当たっては、もう 1 つ支援区分の認定を受けて、それに沿って、どういうサービスが必要か判断されることになっております。歴史のある制度なので、障害の認定とか手帳は歴史を抱えているわけですが、障害福祉サービスといった観点からは、支援区分の仕組みによって、ある程度そこは切り離されてきた面があるのではないかと考えております。

 

○佐藤座長

 ほかにいかがでしょうか。あと触れておきたい課題としては、先ほど財源の問題の指摘がありましたが、いわゆる利用者負担、あるいは報酬の支払いとか給付費の負担について、どのように考えるかという辺りに関して、御意見がありましたら。ヒアリングの中ではいろいろな考え方や要求が出されましたが、この点に関して、もう少し論点として整理することがあれば、御意見を頂きたいと思います。

 

○山下構成員

 本当に基礎的な確認で申し訳ないのですが、教えてください。資料の 2 ページ目にある利用者負担について、給付費全体に対する利用者負担額の割合 0.25 %というのは、現状で実質無料でサービスを受けている人が、一体、全体のどのぐらいの割合かということについて、およそ 9 割ほどという理解でいいのでしょうか。その辺りについて、イメージを持つために教えていただければと思います。

 

○福井企画課課長補佐

 資料 4 23 ページの上の箱にありますように、利用者のうちの 93.4 %が現在、無料でサービスを利用されているという状況です。

 

○佐藤座長

 問題としては、誰も意見が言いにくいところですよね。だけれども、実際にこの問題は議論をして妥当なところで落ち着くものなら落ち着かせるという議論が必要だと言わざるを得ないと思うのです。今後いろいろな制度を整えていく上で、障害福祉サービスが、例えば高齢者の福祉サービスと甚だ違う構造を持つということになると、いろいろなことを整理していく際に難しい問題も出てくるだろうと思いますので、実際には具体的な議論をどこでするかは別の話ですが、論点としては挙げておくべきだろうと思います。

 

○大塚構成員

 利用者負担はなかなか言いづらいのですが、例えば私の所は 28 歳の重度の知的障害の息子がいるのですが、今、家にいるのですが、本人の所得ということなので、ほとんど所得がないので、年金だけです。サービスは昼間の生活介護に通ったり、あるいは移動支援、ホームヘルプなどを使っても、負担なしですよね。なしのほうがいいのです。私もうれしいのです。ただ、この持続可能性という観点から見て、本当にこれでずっとやれるのかどうかという、私はいいけれどもということはなかなか言えないので、もちろん、ないほうがいいのですよ。何回も言いますが、誰でもないほうがいいのですが、ただ全体的なマクロとしての持続可能性という観点から見たときに、どこが妥当な利用者負担ということは分からないのですが、もう少しコンセンサスが得られるということであれば、 20 歳を過ぎたら本人だから、自立した人だということではあるけれども、世帯として見ればやはり一緒なわけですよね。そういうことも含めて、少し複雑な要因ではあるけれども、利用者負担は言いづらいですけれども、上がらないほうがいいのですが、あえて考える必要もあるのではないか。それをどう理解していただくかということも含めて、つまり持続可能性な制度をどうみんなが作っていくかということを、もう一度考えるべきかなと個人的には思っています。以上です。

 

○佐藤座長

 持続可能性というのは、多分全ての人に関わる、全ての人が考えていかなければいけないと思います。このワーキンググループが立ち上がるときに、障害のある本人が誰もいないではないかというお話がありましたが、私は約 3 年前から 1 級の障害者になってしまいまして、ペースメーカーなのです。でも、日常の生活は特に何も困らないし、もう今や年金所得者ですから、それで税金が助かるとか、もう所得税を払っていない世代になりましたから、障害福祉のサービスは自分の中では使わないようにしようと思っているのです。ただ、この先どうなるか分からないということで言えば、払うほうはきっとただとか、極めて低廉とか、そういうことのほうが有り難いのでしょうし、私ももしそうなったらそう思うと思います。だけれども、これはみんなで支えていかなければいけないということを考えたら、どの辺でどのように折り合うかということは。つまり、みんなでというのは、誰しもが障害を負うことになるかもしれない。年をとれば当然そうですよね。介護保険などは正にそのためにできた保険ですから。

 それから、制度そのものは国民がお互いに税金とか保険を通して支え合っているということを考えたときに、本当にこの先どうやって持続可能性を担保していくかということに関しては、もちろん福祉の中だけで議論したって駄目だと思います。この国全般の税金の使い方について議論をすべきだと思いますが、それはそれとして、問題意識は持とうということは、ワーキングとしてもきちんと整理をしておきたいと思うし、障害部会でもこういう議論をそろそろきちんとすべきときではないかと思っています。ほかはいかがでしょうか。

 

○藤井障害保健福祉部長

 利用者負担に関しては、大変率直な御意見を頂きましてありがとうございました。 1 つ、最初に大塚先生がおっしゃった持続可能性とか財源の確保というところで、私どもの部としても率直なところを申し上げさせていただきますと、もう先生方は御案内のように、今の予算編成は各省ごと、各部局ごとに裁量的経費はマイナス 10 %、 1 割カットして要求をすることが基本になっております。ただ、我が省については、社会保障の年金、医療、介護、子育てもそうですが、私どもの障害福祉サービスも、義務的経費ということで、自然増分については基本的に増やした予算要求ができるという形になっています。

 なっていますが、今回の制度改正もそうなのですが、なにがしか自然増ではなくて政策増として、例えば新しい給付を作ったり、給付を拡充したりしたときに、当然ですが財源が必要になります。例えばある新しい給付を作って、 50 億円とか 100 億円とかの財源が必要になれば、まず障害福祉サービスの中でほかを 50 億円とか 100 億円削って財源を出してくるというのが基本です。さすがに義務的経費について 1 割カットということはならないと思いますが、政策増の必要性があれば、その分、障害福祉サービスの中で財源を出していかなければならないというのが、恐らく制度改正に伴う予算要求も基本になってくるのではないかと思われます。実際、省内全体で見ても、あるいは政府全体で見ても、余剰財源みたいなものがあるわけではありませんし、大塚先生がおっしゃいましたように、我が国は大変多くの部分を借金に頼った予算になっていますので、政策増を要求するのはかなり至難の業になってきているのです。

 何が申し上げたいかというと、今回このワーキングで論点整理をしていただくに当たりましても、作業チームを含めて、これまで議論していただいているほとんどの項目は予算増を伴うものだと思うのですが、逆に効率化できる部分はどういうところがあるのかというところも、論点として挙げていただければ、私どもは有り難いと思いますし、そっち向きの御意見も是非頂ければ有り難いと思います。

 

○佐藤座長

 ちょうど時間になりましたので、本日はここまでにしたいと思います。最後に、事務局のほうで連絡等ありましたらお願いします。

 

○福井企画課課長補佐

 本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。次回の開催日時等について、追って御連絡させていただきます。どうもありがとうございました。

 

○佐藤座長

 では、皆さん、どうもありがとうございました。


(了)

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