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2015年5月21日 第6回 たばこの健康影響評価専門委員会(議事録)

○日時

平成27年5月21日(木)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○議題

(1)電子たばこの健康影響評価について
(2)電子たばこの国内使用状況と諸外国の規制状況について
(3)その他

○議事

○古賀補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回「たばこの健康影響評価専門委員会」を開催いたします。

 本日は、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。

 委員の改選がございましたので、新しく当委員会委員に御就任いただきました委員を紹介させていただきます。

 大阪大学大学院教授の祖父江友孝委員です。

○祖父江委員 祖父江です。よろしくお願いします。

○古賀補佐 十文字学園女子大学教授の齋藤麗子委員です。

○齋藤委員 齋藤です。よろしくお願いいたします。

○古賀補佐 もうお一方です。本日、御欠席でございますが、奈良女子大教授の高橋裕子委員にもなっていただいています。計3名の方が、新たに委員として御就任いただきました。

 本日の出欠状況は、今、申し上げた高橋委員1名が御欠席でございます。

 次に、資料の確認をいたします。お手元の資料をごらんください。

 座席図と、あと議事次第のホチキスどめの一連の資料になっております。

 中は、資料1、第5回たばこの健康影響評価委員会の内容についてのもの。

 資料2といたしまして、欅田委員から提出の「電子たばこにおける成分分析の手法に関する研究 1)成分分析の結果」というもの。

 資料3といたしまして、蒲生委員の提出資料で「電子たばこから生成するアルデヒド類のリスク評価」。

 資料4といたしまして、欅田委員から提出資料でございます。先ほどと同じ研究で、「2)国内の使用実態」と「各国の規制の状況」となっております。

 この後に参考資料といたしまして、本委員会の設置について。

 そして、参考資料2で、蒲生委員提出資料で「許容濃度の暫定値(2007年度)の提案理由」となっております。

 もう一つ、最後に、資料とはしておりませんけれども、欅田委員から「電子たばこにおける成分分析の手法の開発に関する研究」ということで、冊子の提出をしていただいております。

 資料の確認は以上でございます。もしお手元にないもの、あるいは落丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。

 それでは、撮影はここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○古賀補佐 以後の進行につきましては、谷川委員長、よろしくお願いいたします。

○谷川委員長 では、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速、議題(1)電子たばこの健康影響評価について議論をしたいと思います。

 まず、事務局より、前回、第5回の委員会で報告のありました電子たばこに関する内容につきまして説明してもらい、その後に欅田委員、蒲生委員から成分分析の結果とリスク評価について、説明をしていただきたいと思います。

 それぞれの御説明の後、時間がありましたら質疑の時間を設けますが、3つの御報告の後、全体の議論をしたいと考えております。

 それでは、前回委員会の報告内容につきまして、事務局からお願いいたします。

○寺原専門官 たばこ対策専門官の寺原です。どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局からは、前回、第5回たばこの健康影響専門委員会で御報告及び御議論いただいた内容について、御報告させていただきます。

 電子たばこは、紙巻きたばこの新規デバイス及び代用品として市場に流通しており、北米や欧州では、成人と未成年者双方において、使用量が急激に増加しております。

 世界的に販売されている電子たばこの製品の形態は、著しく変化をし続けております。

 現在の電子たばこは、内容物及び内容物を詰めるカートリッジ、噴霧器、バッテリーから構成されております。

 現在の電子たばこから発生する煙は、液体または固体の粒子状成分とガス状成分から成っております。

 現在の電子たばこから発生する煙の材料である内容物は、ニコチンを含むものと含まないものに大別されます。プロピレングリコールあるいはグリセロールが主な原材料であり、そのほかニコチンを初め、さまざまな香料成分が加えられております。

 内容物を電気的に過熱することで煙を発生させること、発生させた煙を経気道的に吸入することが、機能的な特徴として挙げられております。

 成分分析についてですが、電子たばこが人の健康に与える影響について調べた疫学研究は限られていることから、現時点では、健康影響を評価する場合には、成分分析の結果に基づいて検討を行うことが重要です。

WHOたばこ研究室ネットワークの一員である国立保健医療科学院では、その技術をベースとして固体捕集装置をつけて有害成分を捕集し、分析されました。

 その結果、国際がん研究機関における発がん性分類Group1に分類されるホルムアルデヒド、Group2Bに分類されるアセトアルデヒド等といったカルボニル類が検出されたという御報告を受けました。

 測定された電子たばこから発生したカルボニル化合物量は、銘柄間及び同銘柄でもロット間のばらつきが大きいため、平均値で比較すると、通常のたばこよりは非常に低いものでございました。しかしながら、通常のたばこと異なり、発生量のばらつきが非常に大きく、特にホルムアルデヒド発生量が通常の紙巻きたばこの10倍以上に達する場合もございました。

 プロピレングリコール、グリセロールは、食品添加物として幅広く使用されているものでございますが、加熱して霧化する過程でカルボニル化合物が生成されるという御報告でございました。

 こちらに関しましては、この後さらに詳しく御報告をいただく予定にしております。

 次に、リスク評価についてですが、製品評価技術基盤機構に行われている「初期リスク評価書」に基づき、それぞれの化学物質については、無毒性量(NOAEL)が報告されております。

 無毒性量(NOAEL)と実際に検出された濃度を比較し、Margin of Exposure(暴露マージン)を算出されました。NOAELとは毒性が観察されなかった濃度であり、その値に対するMargin of Exposureを算出されました。

 各アルデヒド類のMargin of Exposureが不確実性積より小さい値になっていることから、健康に悪影響を及ぼす可能性が示唆されました。

 こちらに関しましても、リスク評価につきまして、この後詳しく御報告いただく予定でございます。

 現在の電子たばこは新しい製品であるため、長期利用による健康影響は不明でございます。

 そのほかの点としまして、現在の電子たばこは紙巻きたばこと比べて比較的安全であるという意見があるものの、紙巻きたばことの重複使用や禁煙区域での使用など、たばこの常態的な使用につながりかねないとの問題も指摘されております。

 加えて、従来の紙巻きたばこの使用を招くゲートウエー効果が危惧されております。

 また、禁煙を目的とした電子たばこの使用に関する有効性は、証明されていないということです。

 ニコチンを含む充填液の場合には、幼児に対して1mL以下のごく少量で致死量に達する濃度も海外では市販されており、溶液の誤飲によるニコチン中毒の重大事故も危惧されているという御報告を受けました。

 事務局からは以上です。

○谷川委員長 ありがとうございました。

 何かこの件につきまして、ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

○欅田委員 済みません。1点だけよろしいですか。

○谷川委員長 どうぞ。

○欅田委員 1ページ目の1番の上から5つ目の○の文章なのですけれども、最後のほうで「その他ニコチンをはじめ、様々な香料成分が加えられている」という、これはそのまま読むとニコチンは香料成分というふうな修飾になると思いますので、ニコチンが香料成分という認識でいいのか。そこの区別が必要なのであれば、文章をちょっと調整したほうがいいかなという気がしました。

○谷川委員長 そうですね。ニコチンというのは香料として含めているわけなのですか。そうではないわけですね。

○欅田委員 質問した趣旨は、そこにかかわるところで、前回国民生活センターのほうで分析して通知を出したときに、生理的な活性を持たない濃度において、香料としての添加等においては問題ないでしょうけれども、それが証明されない限りにおいては、旧薬事法違反というふうな文章を出しているところですから、そういう意味では、さまざまな香料成分の一部としてニコチンが入っているというふうな文章になると問題なのかなという気がしたところです。

○谷川委員長 そうですね。ここはどうでしょうか。

○寺原専門官 ニコチンが香料成分であるかということは、今、欅田先生がおっしゃったとおりなので、誤解がないように文章は訂正させていただきたいと思います。

○谷川委員長 わかりました。

 ほかにはございませんか。

 続きまして、ただいま事務局のほうから御説明ありました前回報告に加えまして、電子たばこの成分分析の結果につきまして、欅田委員より説明をお願いしたいと思います。

○欅田委員 前回のときに、いわゆる第1世代と呼ばれる、外見が紙巻きたばこに似た形で、4〜5年前に流通し始めた電子たばこについての分析に関しては御紹介したところですけれども、その後、今、本格的に流通している第2世代等についての分析を進めましたので、その結果について御報告します。

 なお、今回委員が代わられたところもありますので、たばこの煙の捕集あるいは分析の流れに関して、一通りもう一度説明することが望ましいかと思いまして、過去に提示した資料についてもあわせて報告させていただくところです。

 まず、3ページの一番下の図ですけれども、電子たばこの分析法に関しましては、まだ決まったプロトコルというのがつくられていないところですので、その測定法を確立するということをまず私たちのほうで実施してきたところであります。

 それをやるときには、紙巻きたばこの分析法に類した形でやるということで、紙巻きたばこの分析法を3ページの下に示しているところです。

 紙巻きたばこの主流煙成分については、日本のパッケージは、左に写真を出していますけれども、タール、ニコチン成分がパッケージに記入されております。カナダの場合は、この検討会の第1回、第2回のところで議論されてきたところですけれども、それ以外の成分について、また、レンジを持つような形で示されているということで、このレンジを持って示されている背景はどういうことなのかということで見れば、たばこの成分を分析するためには、約束事をもって捕集するということですが、一例として右の写真を示していますが、これは私たちの機関で保有している自動喫煙装置というもので、こういう装置を用いて、一定の約束事のもとでたばこの煙を捕集します。

 日本のたばこのパッケージに記入されているタール、ニコチンの捕集というのは、下に表で示していますISO法と呼ばれるものですけれども、1回の吸煙量、パフという形で言いますが、一口で吸う吸煙量が35mLで、それを2秒間で吸いますよという動作を60秒間隔でやっていきます。さらに、たばこのフィルター部分の通気孔の閉鎖は0%で行いますという形です。

 この0%の意義が何なのかということに関しては、過去の検討会のほうで詳しく紹介してきたところですので、ここでは詳しく述べませんけれども、こういうISO法の規定がされてから、現在のたばこというのはフィルター部分にミシン目が物すごくあけられて、見た目は希釈されて、ISO法ではかれば低い値が出るような工夫がされてしまっているというところが課題になっております。

 それを実際吸煙している条件に見合うような形ではかりましょうということを、カナダはかなり先進的に早くから言われているところで、「HCI」と書いてあるのは、ヘルスカナダインテンス法と呼ばれるもので、カナダ保健省が推奨する方法です。カナダ保健省が推奨する方法では、吸煙量は55mLとして、これを同様に2秒間で吸うのですけれども、吸煙間隔は30秒として、先ほど紹介しました、たばこのフィルター部分の通気孔は100%ブロックした形で吸煙しましょうという形ではかられています。

 この55mLという吸煙量は、今回の蒲生先生に後でしていただくリスク評価のところにも関連するわけですけれども、日本人の場合、私たちが喫煙者の方々に、クレスマイクロ装置という吸入量をはかる装置をつけて1日たばこを吸っていただいて吸煙量をモニタリングすると、日本人の場合、大体この55mLというのにほとんど一致するような行動をとっているということも確認されているところでありました。

 カナダの場合は、パッケージのほうを見ていただくと、数値がレンジで示してありますけれども、恐らくこれはISOとヘルスカナダ法ではかったものを、それぞれニコチン、タール、それ以外に一酸化炭素であったり、ホルムアルデヒドであったり、ベンゼンであったりというものもはかっているというような状況であります。

 こういう形のもとで約束をつくって、プロトコルのもとで紙巻きたばこの主流煙というのが分析されているということです。今回の電子たばこについても、この方法を応用するような形で、ヘルスカナダ法を中心にしてたばこの煙を捕集しました。

 その次、4ページを見ていただきたいのですけれども、先ほどの装置に、イメージとしては4ページの下のほうに写真がありますが、電子たばこを自動喫煙装置のピストンからの吸入部分に、上の絵で示したような形でセットする。電子たばこからの吸入蒸気を、「Cambridge filter pad」と書いていますけれども、粒子状成分はこのフィルター部分に捕集する。さらにガス状成分は、その後ろの「CX-572 cartridge」と書いてありますけれども、こういう固体捕集装置を開発して捕集するというような形で行っております。

 実際、現在の第2世代の電子たばこというのは、第1世代のときには、吸入を行いますと、それに反応して電圧がかかって蒸気発生ができるという形でしたけれども、現在の分は、そこに「Switch」と書いてありますが、スイッチを押すことによってアトマイザー、気化器のところをあらかじめ加熱して、蒸気が発生しやすい環境で吸煙するという行動がとられるようになっていますので、実際捕集するときにはこのスイッチを入れて、自動喫煙装置のポンプが吸入されるタイミングに合わせて蒸気を捕集するということを行ってきたわけであります。

 こういうCambridge filter padでの捕集あるいは固体捕集での方法というのは、現在WHOのたばこ研究室ネットワークというところで、ガス状成分の分析を私たちが共同してやっているわけですけれども、そちらのほうで採用される方法になっているところであります。写真で見たものが、その4ページの下のイメージであります。

 5ページは、そうやって捕集したフィルターパッドの粒子状成分あるいはCX-572、カーボキセンのカードリッジに捕集したガス状成分を化学的に分析するチャートをお示ししていますけれども、ここは余り今回の議論は深く入る必要はないかと思いますので、化学的には分析化学の技術を用いて、こういうふうな形でカルボニル類についてはDNPHで誘導体化した後、HPLCで分析するということを行っているというチャートをお示ししております。

 実際、このカルボニル類をDNPHで誘導体化した後にHPLCで分析すると、5ページの下に示すようなクロマトグラフが得られます。「電子タバコ煙中に存在したカルボニル類」と書いていますけれども、上のチャートはフィルターの粒子状成分から溶出したとき、下の分はガス状成分ということで、カーボンキセンのカードリッジで捕集した分の成分についてお示ししております。

 「FA」と書いてあるのがホルムアルデヒドですけれども、ホルムアルデヒドの成分は、フィルター上、粒子状成分のところにも、固体捕集のガス状のところにも、両方とも捕集されてきました。

 「AA」と書いてあるのがアセトアルデヒドですけれども、これはガス状成分としてカードリッジのほうにほとんど、同様に「AC」と書いてあるアセトン、「ACR」アクロレイン、「PA」プロパナール、こういったものはほとんどはガス状成分として捕集されております。

 後ろのほうに「GO」とか「MGO」というのが書いてありますけれども、これはそれぞれグリオキサール、メチルグリオキサールということで、たばこの主流煙にはほとんど見られない電子たばこに特有の成分になりますが、これらは粒子状成分のほうにほとんどが捕集されているということが確認されているわけであります。

 次、6ページですけれども、前回お示ししましたが、こういった成分がどういう過程でできているのか。もともと電子たばこのリキッドの中に入っているのかといいますと、電子たばこのリキッドを測定しても、こういったカルボニル類というのはないわけです。

 どういう形で発生してくるのかということに関しましては、ニクロム線に電子たばこのリキッドの基剤となっていますプロピレングリコールとかグリセロールを添加して、過熱、蒸気を発生したときの成分を捕集して検討したということを前回紹介しましたが、もう一度要点だけ紹介しますと、6ページの上の図ですが、プロピレングリコールが加熱、酸化されますとメチルグリオキサールができて、さらに酸化されてホルムアルデヒドとかアセトアルデヒドができてくる。グリセロールが酸化されていくとアクロレインができ、さらにホルムアルデヒド、あるいはグリオキサールとかメチルグリオキサールも酸化される過程でできてくるということが確認されたわけであります。

 そういうことで、前回の要点ということで事務局から紹介ありましたように、プロピレングリコールあるいはグリセロールといったものは、食品添加物という形で認められていて幅広く使用されているもの、あるいはそれ以外、歯磨き粉であったりああいったものにも日常的に物すごく幅広く利用されている化学物質ですけれども、こういったものから酸化されてカルボニル類が発生している。リキッドそのものには、こういったカルボニル類はもともとは入っていなかったということが確認されているところであります。

 実際、電子たばこを吸煙する過程の中で、そういったものがどのように出てくるのかということを市販の第2世代のものについて分析していった結果を以後報告していきます。

 6ページの下の部分ですけれども、吸煙条件によってどのように発生量が変わってくるのかということを示しております。6つグラフがありますけれども、上段の3つのグラフをまず見ていただきたいのですが、これはたばこを吸うときと同様に、電子たばこを吸入する活動がどういう間隔で吸煙されているかということで、仮想的に15秒間隔で1服ずつ吸っていくというもの。あるいは真ん中、30秒間隔、60秒間隔で吸っていったときに、その蒸気中にこういった成分がどのように発生してきたかということを見ていったわけです。

 横軸は、下に、小さいですけれども「puff number」と書いてありますが、1服ずつの成分を捕集して、1つずつ定量していくということをやっております。これは恐らく世界的にもうちでしかできないような形で分析しているところですけれども、30服まで捕集していったところ、このときに使いました電子たばこにおきましては、15秒、30秒、60秒、いずれの間隔におきましても、1314回目ぐらいまでは、余り高い濃度でのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等は出てこないのですが、それ以後急激に発生量がふえて、ずっと高い濃度のものが維持されるという電子たばこが存在したという状況であります。下3つのグラフは、それを積算していった形で、30回吸煙する中でのトータルの発生量、積分グラフとしてお示ししているところであります。

 こういう形で、最初のうちは発生しないのですけれども、後半では発生してくるというパターンがありますので、電子たばこの煙の捕集方法をどういうふうに定義づけするかということが問題になってきますので、最初の10回だけを捕集するという形で評価すると出ないものですよという形になりますし、出てきそうなタイミングになる20回以降ぐらいの10回を捕集するとなると、非常に高い濃度だけのものですよという形になってきますので、今後の捕集に関しましては、一つの製品を評価するという中では30回吸煙する、それの値を評価していくという形で実施しております。

 その結果が7ページにお示しするところでして、7ページは、まずは吸煙する電子たばこの電圧の変化がどうなのかということについてお示ししたところであります。

 前回は、モデル的にニクロム線に電圧をかけるということで、電圧と発生するカルボニル類の相関について私たちが実施したものをお示ししたのですけれども、現在の電子たばこは、戻りますが、4ページの喫煙装置にかけているところの絵を見ていただいたらわかりますが、ここで「Switch」となっているところですね。ここから上の吸煙部分と、下の黒くなっているところがバッテリー部分ですけれども、ここがねじで分解できるような形になっています。

 そのバッテリー部分というのは、銘柄あるいは会社を超えてそのねじが共通で使えるような形になっていますので、自分で好き勝手な組み合わせができるような状況なのです。バッテリーに関しては、電圧が可変できるようになっているものも販売されている。電圧が高ければ出力が高まるものですから、蒸気の発生量がふえるので、それで楽しむとかいうようなこともネット上で公開されているところがあります。

 ということで、7ページのほうに戻っていただきますけれども、今回は、市販の電子たばこをアトマイザー部分、気化器の部分、吸入する部分と電源部分の組み合わせをかえて、電圧をかえたときにどうなるのかということを見ております。

 アトマイザーは市販のもので、もともとは3.66ボルト設定になっているものですけれども、それに違う電子たばこの電源部分を、電圧が可変式のものを接続して3.2ボルトで吸入すると、幾つか成分が書いてありますけれども、少し高くなっているのがホルムアルデヒド、アセトアルデヒドですが、若干出ているかなというような形です。4ボルト設定のときもほぼ同様の形です。ただ、4.8ボルトにすると、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、アクロレインといったようなものがかなり高濃度で発生してくることがあるということで、電圧を上げると、市販のものにおいてもやはりこういうことが起こってくるということが確認されたところであります。

 ただ、これは3.6ボルト設定の製品を売っているほうとすると、うちはこういう設定の条件で問題ない形で売っているものを、使用者が勝手に本来の条件でないところで使用したからだということにもなりかねないところですけれども、現象としてこういうことが起こり得るということを確認した次第でありました。

 7ページの下は、そういったところで、現在流通している第2世代と呼ばれるような電子たばこを10製品入手しまして、それぞれについて実際蒸気を分析するということを行いました。

 ただし、一覧表にしていますAというものは一番最初に始めたときのもので、数多く入手できなかったのです。B〜Jに関しましては、同じ銘柄についても5本ずつ電子たばこを購入しまして分析しましたので、その製品の違いについても詳しく分析しましたので、これから述べる結果については、B〜Jの9種類を中心にして述べていくところであります。

 吸入に使うリキッドに関しましては、リキッドもかわる、電子たばこの本体もかわるとなると、条件が、いろいろ組み合わせがかわってきて検討が難しくなりますので、使用するリキッドに関しましてはできるだけ同じものを使うという形で、A〜Jのうち、EとFに関しましてはもともと本来のもの、あるいは違うものを使っていますけれども、それ以外に関してはアップルフレーバーで、共通のリキッドを使って検討を行いました。

 電子たばこ製品の特徴としましては、上の電圧の兼ね合いもありましたので、実際の電圧電流計で実測したときの電圧であったり、アトマイザー部分の抵抗値に関してその表にお示ししているところであります。

 8ページですけれども、そういった形で前スライドのリストにあった分のB〜Iの8つの電子たばこについての詳細なデータをグラフ化しております。

 まずは、8ページ上に6つグラフがありますが、これは銘柄Cの電子たばこについて分析した結果をお示ししております。分析したターゲットの化学物質としましては、左上がホルムアルデヒド。順番に右に行って、アセトアルデヒド、アクロレイン。下がグリオキサール、メチルグリオキサール。一番右下は、「smoke mist」と書いていますけれども、トータルとして発生した蒸気量をグラフ化しておるところです。

 横軸は、1〜5までナンバーを振っていますけれども、先ほど言いましたように同じ製品、銘柄Cに関して5本買いました。その5本について、ロット1番について3回、ロット2番について3回というような形で、1つの製品について3回ずつ測定した。それも日を改めて測定したという形であります。

 そうすると、銘柄Cに関していえば、3番の製品が高い濃度のホルムアルデヒドの発生が見られます。日を改めて測定しても高い発生がありました。1番、2番の製品も、結構高い濃度の発生がある。一方、4番、5番は余り発生が見られていないということで、同じ銘柄でもばらつきがあるというようなところです。

 ホルムアルデヒドが発生するものは、前回のときも報告しましたように、アセトアルデヒド、アクロレイン、グリオキサール、メチルグリオキサールほかの化学物質もやはり発生してくるということで、これらの発生過程は、さきに示しましたような酸化過程を経て出てくるものだなということが推測されているところであります。

 Cについて、詳しくそのように見えるようにしましたけれども、8ページの下のほうは、小さいグラフになっていますが、これは製品のばらつきがどんなものなのかということをイメージできるように、それぞれ8銘柄について、今の6つのグラフを横に並べてプロットしたものを提示してあるところです。

 そうすると、ぱっと見てもらってわかるように、B、C、D、Eの4つの銘柄につきましては、比較的高く発生するものが認められる。そして、同じ銘柄の中でも、やはり出るもの、出ないものというのがあるような感じですよというようなところが見て取れるわけであります。F、G、H、Iのほうに関しましては、若干発生量が低いようなところもあるというところでありました。

 ただし、これは縦軸の一番高い、最大値がそれぞれのグラフで違っていますので、そういうことを考慮して、最終的にこの結果をまとめた表が9ページになります。

 9ページには、今、お示ししました「Product」となっていますけれども、製品のB〜Iまでのものに加えて、もう一つ、最後に実施しましたJの分も含めて9銘柄について、それぞれ5製品ずつ、1つの製品について3回ずつ分析した結果をお示ししております。横軸は、先ほどの電圧と蒸気の発生量。「FA」「AA」と書いてあるところからは、下に書いてありますけれども、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロパナール、ブタナール、グリオキサール、メチルグリオキサールといったものの量をお示ししております。

 先ほどのグラフを大きくお示ししました銘柄Cで見ていただきますと、FA、ホルムアルデヒドのところは、これは一つお断りしておかないといけないのは、さっきまでの分は、30パフ、30服吸ったときの捕集量をお示ししていましたけれども、最後に紙巻きたばこと比較するために、ここの表のほうには10パフ当たりで、3で割った値でお示ししているところであります。

 Cのものを見ていただきますと、ホルムアルデヒドの発生量は、ロット5本分をそれぞれ3回ずつはかった全体の平均としては、10パフ当たり100μgという発生量でしたけれども、一番少ないものであれば2.3μg、一番高いものであれば790μgというふうに、同じ銘柄の中でも非常にばらつきがあったということが確認されたところでありました。ほかB、C、D、Eについても同様なばらつきが見て取れたわけであります。

 Fから下のものに関しては、平均値あるいは最大値等について、比較的低い値のものにおさまっていた。ホルムアルデヒドが低いものに関しては、ほかのカルボニル類についても低い状況にあったというような感じであります。

 上の4つの銘柄についていえば、右のほうにあります「GO」グリオキサールとか、「MGO」メチルグリオキサールの発生量も非常に高いものである。これらは、先ほども少し述べましたように、紙巻きたばこの主流煙ではほとんど検出されないもので、電子たばこ特有のものというところもあります。

 ここの表に示したデータをもとにして、前回私のほうから簡単なリスク評価についての結果をお示ししましたけれども、また詳細に蒲生先生のほうからリスク評価を行っていただいたものを提示しているところであります。

 今まで述べてきましたけれども、いろいろな化学物質の名前が出てきますので、若干そこの性質について特徴をお示ししたものを2〜3枚つくっていますが、まずは、今回の検討会でターゲットになるホルムアルデヒドとは一体何なのでしょうかということで、ホルムアルデヒドの性状についてまとめたのが9ページの下であります。

 ホルムアルデヒドは、皆さん方にとってはなじみがあるところとしては、1990年代中ごろからシックハウスが非常に問題になって、厚生労働省のほうでも、室内空気質のガイドラインとしてホルムアルデヒドの値を定めているところで、あのころから随分聞くようになったと思いますけれども、用途としては尿素樹脂、接着剤、あるいは医療用を含めて消毒薬とか保存薬。保存薬としては、ホルマリン固定するときのホルマリン液というのはホルムアルデヒドの溶液ですが、そういったものとして使われています。その尿素樹脂、接着剤というのが建物の建材等で幅広く使われておりましたので、これが発散して室内空気質を汚染しているということで、シックハウス問題が言われていたところがあります。

 化学的な性状としては、刺激性あるいは感作作用を有するということで、接触性皮膚炎とか光過敏性皮膚炎、ぜんそく等を誘発することがあるということで、国際機関であるWHOの下部組織である国際がん研究機関IARCのほうで、発がん性分類ということが行われております。

 シックハウスが社会的に問題になったときには、Group2Aということで「ヒトに対しておそらく発がん性がある」という分類のところであったのですけれども、2004年に「Group1(ヒトに対して発がん性がある)」という評価がされたところでありました。人に対しての発がん性ターゲットとしては、鼻咽頭がんのほか、白血病を起こす可能性も高いということが言われているところであります。

 ただし、別添で入れられています、産業衛生学会誌の許容濃度委員会のホルムアルデヒドに関する許容濃度の提案理由書のほうにも詳しく書かれているのですけれども、ホルムアルデヒドの発がん性作用というのは、刺激性を認めないレベル以下では悪性腫瘍の増加を認めない。発がん性の根拠に関しましては、人での疫学調査での発がん性とともに、ラット等の暴露実験でも成果が得られているところですけれども、その中で、刺激性を認めないレベル以下では悪性腫瘍の増加を認めないということで、具体的には産業衛生学会誌の許容濃度の提案理由書のほうで、雑誌としてのページナンバー177のところを見ていただいたらありますけれども、4.2.4ということで、発がん性評価が示されていて、「発がんのメカニズム」、あるいはその下に「発がん性」というのが示されているところです。

 ホルムアルデヒドの発がん性というのは、細胞障害性が発現する用量以上で発がん性が生じてくるもので、閾値が存在するモデルのもとで考えられるものであるということで、通常発がん性物質といったら、放射線のときと同様に閾値がないモデルを考えるのですが、これは閾値があるモデルで考えていく。そして、人に直接刺激性があるレベルよりも、細胞障害性のレベルのほうが高いということで、先ほど紹介しましたように、また本来の資料の9ページのところに戻っていただいて、厚生労働省のほうではシックハウス検討会の室内濃度指針値として1997年に、一番最初に室内空気質の指針としては100mg /㎥、80ppb0.08ppmというのを定めたわけですけれども、これは直接の人への刺激性からこの数値を出してきたところですが、その後2004年にGroup1「発がん性がある」という状況になったときも、改めて数値を変えるということではなくて、発がん閾値はこの濃度より高いところにあるということで、シックハウスとしての数値は変更されていないところであります。

 次、ほかの化学物質について簡単に見ていただきますと、10ページですけれども、アセトアルデヒドとはどういったものかということですが、アセトアルデヒドは、工業的な原材料として酢酸エチル等の製造原料として使われていたり、あるいは防腐剤とか食品添加物として使われている。そのほかとしては、比較的大きな発生源としては、これまでのこの検討会で報告してきましたように、たばこの主流煙の中に非常に高い濃度で含まれています。

 それと、皆さんにとって一番身近なところとしては、エタノールの生体内酸化代謝物ということで、お酒を飲んでエタノールが酸化されたときの、二日酔いのもとになるのがこのアセトアルデヒドということです。遺伝子多型の関係で、個人が代謝する酵素を持っているか持っていないかでアセトアルデヒドの代謝が変わるというのは有名なところであります。

 これも、発がん性に関しましては、IARCのほうでは「Group2B(人に対する発がん性が疑われる)」という分類をしているところで、これもシックハウス検討会のほうで指針値が出されていますけれども、これは48μg/㎥、0.03ppmという濃度が設定されているところであります。

 そのほかの物質について見ていきますと、アクロレインは不飽和アルデヒドの一種で、非常に反応性が高いといったようなものですけれども、たばこの煙の中にも含まれていますし、そのほか食用油等の油脂が酸化したとき、食用油が古くなってきたときに強いにおいがして気持ち悪くなるというのがありますけれども、ああいったときによく含まれているのがこのアクロレインといったもので、非常に反応性が強く、刺激性を有する物質であります。

 グリオキサール、メチルグリオキサール、先ほど出てきたものですけれども、これは皮膚とか粘膜の刺激作用、感作作用が強いのもので、紙巻きたばこにはほとんど含まれずに、電子たばこ特有の物質という状況であります。

 改めて、蒲生先生のところのリスク評価で、また根拠になる数値と性状について若干説明があると思いますけれども、とりあえず今、分析しましたカルボニル類については、そういった状況であったというところです。

 引き続き、成分分析について御報告していきますけれども、11ページですね。先ほども前回の概要の紹介のところで質問しましたように、ニコチンが含まれているということが第1世代が流通し始めたときに問題になっていたわけですが、現在の電子たばこ用に市販されているリキッドにニコチンが含まれているのかどうかについても、今回検討しました。

 市場に流通している電子たばこのリキッド103個を買ってきました。ちょっと小さいですけれども、横軸にずっと番号を振っているのが購入したリキッド数です。頭にA、B、Cがついていますけれども、これは販売、製造している会社の違い、要はブランドの違いという形で、A社、B社みたいな形で見ていただいたらと思います。そのニコチンを分析しました。その結果を、ニコチン含有量として、縦軸がng/mLでお示ししているところであります。

2010年に国民生活センターがニコチンを分析したときには、定量下限値1ppm1,000ng/mLという形で、それを超えるものがありますよということで、厚生労働省のほうからもその後の検討通知が出されていたところでありますけれども、今回、私たちはそれのさらに10分の1の定量下限、100ng/mLまでの定量下限で分析できる技術をもって分析しましたところ、103銘柄中48製品で定量下限値を超えるものがあった。

 ただ、非常にこの低い濃度に関しましては、先ほども質問しましたように、生理活性とは関係なしというところも出てくる可能性がありますので、判断根拠として一応私たちのところでは、さっきの国民生活センターが判断したときの濃度、1,000ng/mLをカットオフのラインとして見た場合には、103銘柄中8製品についてこれを超えるものがありましたということが確認されました。

 ちなみに、紙巻きたばこのたばこ葉にどれぐらい含まれているのかということについては、これもこれまでのこちらの検討会で報告してきたところですけれども、紙巻きたばこのたばこ葉中のニコチン量というのは大体15mg /gぐらいです。たばこ1本当たり0.60.7グラムですので、紙巻きたばこ1本当たり10mgぐらいのニコチンが含まれているというような状態です。その濃度と、現在の電子たばこの日本で、日本は基本的にニコチンが入っているものは旧薬事法で禁止されているところで、ニコチンが入ってないということで売られているものを購入しているわけですけれども、そういった状況で見ていきますと、横軸の10,000ng/mLと書いているのが、10μg/mL、比重が1とすれば10μg/gということですので、たばこ葉の濃度と比べると、μg/mlとmgですので、ちょうど1,000倍ぐらいの開きがありますよということですね。国民生活センターの判断材料とした1ppmというのと比べると、紙巻きたばこの中の濃度というのは1万倍ぐらいになってくるというような状況の数値になってくるというところを見ながら御検討いただければと思います。

 ちなみに、私たちは103銘柄購入したのですけれども、それぞれの会社さんとしては、1本だけはかってもらって、そこに混入程度に入っているということではないのかという点もあるかと思いましたので、日を改めて、違うロットを購入して繰り返し測定してみました。その結果が11ページの下の表でございます。「Lot.No」という形で、横に見ていただいて「Brand A」「Brand B」「Brand C」と書いていますが、それは上の数値ナンバーが書いてある頭文字のA、B、Cです。

 その中で、1番というのは1ppmを超えていたものです。13番というのは、出なかった方の代表としてまた繰り返し測定しています。15番は出たほう、21番は出なかったほう、22番は出たほうという形で、出たもの、出なかったものについて、3本〜4本ずつ日を改めてロットが違うものを購入して、濃度の再現性があるかどうかということの確認も行いましたけれども、表を見ていただいて一目瞭然のように、紙巻きたばこと比べると低いのは低いのですが、出ているものに関しては繰り返し出ている、出ていないものに関してはほとんど含まれていないということが確認されたというところであります。

 このほかの成分に関しましては、きょうの表の中には入れておりませんけれども、重金属等についても分析しましたが、重金属は非常に幅広くいろいろな種類の金属を分析しましたが、それらに関しては、生理作用があるようなものは検出されなかったところであります。

 とりあえず以上です。

○谷川委員長 詳細な御検討、ありがとうございました。

 少し何かございますでしょうか。

 どうぞ。

○齋藤委員 11ページのニコチン濃度のところでちょっと興味深かったのですが、たばこを吸うということはニコチン依存症ですから、結局ニコチンが欲しくて棒に火をつけて吸うわけですので、ニコチンが少ないものだと、例えば、もっとだんだん多いものを求めていくような傾向になるのかしらということです。

 私は小児科の立場で、特に誤飲を問題にしたいと思います。子どもがたばこを食べてしまったときにニコチンが吸収されないうちにということで、私が医者になった40年前は胃洗浄が当たり前でしたが、一生懸命胃洗浄をして葉っぱを取り除くということをしておりました。さっきの2ページのニコチン液を補充するということですと、やはり子供が何かのときにそれを誤飲してしまうという危険もありますので、はかってみてこれだけ濃度が違うということは、1つが大丈夫だったとしても、ほかのがもっと高ければもっと危険ですし、現実に、最後の行で「ニコチン中毒の重大事故が危惧される」と書いてあります。けれども、以前アメリカで実際に、補充するニコチン液を誤飲して死亡例が出たというのを見たことがあるのですが、それを調べていただいて、実際にそうでしたら「危惧される」ではなくて、もう事故が起きていたということですので、ニュアンスが違うかと思います。

○欅田委員 まず、後半のほうですけれども、それに関しては前回のときに既に紹介して議論されているところでありますが、今回は一応薬事法でニコチンが入っているものは日本では禁止されているというところですので、流通しているニコチンが入っていないとうたっているものについての分析を行った結果、このように混入していたという実績を紹介しているところで、お子さんが使ったときの中毒ということに関しましては、ニコチンが入っているものといったら、20mg /mLなどの濃度のニコチンが入っているのですね。それにアップル味とかバナナ味とか非常に甘いフレーバーをつけているものですから、子供にとってはまさにおいしいキャンディ状態になっているわけですけれども、それを1ミリもし誤って飲んでしまうと、子供の致死量に十分達してしまって、先生が言われたように、たばこ葉の場合はすぐ吸収されないのですが、これはリキッドですからすぐ吸収されてしまうので、現実に死亡事例とかそういうものもある。あるいは大人でも自殺企図として服用したとかいう事例も報告されているということは、前回議論したところであります。

 ここで示されているようなものに関しては、摂取量的には急性中毒になるような濃度ではない。ただし、前半の質問のほうに戻って、これを繰り返し使用することによってニコチン依存になるのかどうかということに関しましては、私たちのところで調査していないですが、国民生活センターさんが分析したときに、使用者のほうの反応として、ニコチンが入っていないとうたっているけれども、使っているとどうも私はニコチン依存になっていくみたいなので心配だからはかってほしいという消費者の申し出があってはかるようになっていったということが報告書の中に書かれているところで、そういう濃度がどのレンジであったか等に関しては、情報は持ち得ていないところです。

○谷川委員長 今の関連ですけれども、11ページの下で、Brand A1とかA22というのはすごく連続して高い値が出ていますが、これを吸い続けることによってニコチン依存症になるかもしれないということですか。

○欅田委員 私、薬理学の専門ではないので、そこはなかなか難しいところですけれども、この濃度だと恐らくそこまでない。国民生活センターがやっていたときには、本当に意図したものがあったかもしれませんけれども、もっと高い濃度のものがあったという状況もありましたから、そこについての濃度依存性に関しては、私のほうでは持ち合わせていません。

○谷川委員長 先生、1つお伺いしたいのですけれども、初めの根拠となっていますパフ数で、初め30パフというのを決められましたが、紙巻きたばこでは10パフ当たりというふうなことを先生おっしゃっていましたが、実際、例えば電子たばこを吸う方の吸煙条件というのは、例えば15秒で30パフですと大体7分半かかりますが、大体どれぐらいのパフ数が一般的ということは何かございますでしょうか。

○欅田委員 紙巻きたばこのほうは、当然御存じのように燃え尽きてしまうと終わってしまうので、ISO法、ヘルスカナダ法でやると7回〜8回ぐらいという形になるわけです。電子たばこの場合に、そしたらそれをどう外挿するかということが議論になるところなのですけれども、私たちのところではなくて、論文として出ているものの情報などによりますと、例えば10分ぐらいの休憩時間中に電子たばこを使うような形で、その10分間の中で何服ぐらいするのかという調査が論文に出ていますが、そうすると10回以下というのが比較的少なくて、10回〜20回が多いということもあって、このようなパターンを紹介させていただきました。

○谷川委員長 では、大体30パフで、まあまあいいということですかね。

○欅田委員 あとは、電子たばこを使っている若い人たちなどでは、前回の報告をしたときも、後でメディア等で取り上げられている画像とかもありましたけれども、結構パーティーみたいな形でずっと連続して長い期間吸い続けているという状況もありますので、それを仮想するためにはある程度長い時間はかっておく必要もあるということで、30パフを1クールという形でやらせていただいた。

 もう一つ、さっき報告を忘れたところで追加させていただきたいのですけれども、9ページの上の表でまとめたところですが、10パフにしてあるのがたばこと比較できるようにということだったのですが、たばこの比較を紹介し忘れました。

 たばこの濃度がどういったものであるのかということで、たばこについては「3R4F」と一番下に書いてあるのは、WHOなどで、たばこ研究室ネットワークでプロトコルをつくっているときの標準たばこの一つなのですけれども、そのたばこについて分析したとき、これはたばこ1本の主流煙当たりの数値ですが、ホルムアルデヒドが76、アセトアルデヒドが1,600という形で、右のほうのグリオキサール、メチルグリオキサールなどは検出されないという形で、さっきも述べましたように、アセトアルデヒドというのは非常に濃度が高いのですが、ホルムアルデヒドのほうは電子たばこのほうが濃度が高くなってくるものがある。一番濃度が高かったCの最高値であったら790ということで、10倍ぐらいの濃度になるものもあり得るという状況でした。

○谷川委員長 ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、電子たばこから生成するアルデヒド類のリスクにつきまして、蒲生委員から説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○蒲生委員 では、引き続きまして、産総研の蒲生のほうから、「電子たばこから生成するアルデヒド類のリスク評価」ということで御紹介させていただきます。

 言葉としまして、欅田先生の方では「カルボニル化合物」という名称でされていました。ちょっと言葉は違いますけれども、ターゲットとする個々の物質は同じであります。欅田先生の測定されたデータに基づいて、そのリスクを評価したということであります。

 まず、13ページの下のほうですけれども「リスク評価の方針」といたしまして、電子たばこから発生するアルデヒド類のリスクについては、電子たばこの使用による暴露が、動物試験等によって有害影響が観察されないレベルを十分に下回るかどうかによって、そのリスクの懸念の有無を判断するという大きな方針で考えています。

 その際、暴露と有害性の両方の評価において、長期間の平均的な使用状況を想定した評価ということにいたしました。これは短期的な、一時的な高濃度を評価するということではなく、ある程度長期間の平均的な濃度、状況を評価するということであります。といいますのも、電子たばこの一般消費者製品としての広がりを懸念する向きもあるということ。それから、室内、環境の汚染物質のリスク評価との比較というものを後でやるのですけれども、それに準じて評価を行うということであります。

 本評価では、先ほど紹介のありました標準たばこと一般家庭の室内空気中の成分について評価して、電子たばこから生成するアルデヒド類のレベルを相対的に把握するということを目的といたしました。

 ここで用いる情報ですけれども、生成する量に関しましては、欅田先生のところからのレポート、有害性のことに関しましては、独自の評価を行うというのはむしろある種混乱のもとかと考えまして、既存の有害性のレポートを参照しまして、なるべくそれに準じた有害性のエビデンスを採用するというような形で評価を行ったものであります。

 ページをめくっていただきまして、14ページの上のほうにその概念図を書いております。

 この図はどのように見るかといいますと、グラフの横軸に暴露濃度となっていて、有害物質をどのぐらい吸い込むかということであります。縦軸は、例えば有害影響の程度ということだと考えていただきます。赤線で斜めに線が引いてありますけれども、暴露濃度がある無毒性量を超えてきますと、有害影響がどんどん生じてくるという図になっています。そういうことを「用量反応関係」としばしば呼びますが、動物試験において、観察される用量反応関係ということになります。一部人疫学情報もあったりします。

 そうしますと、そういう試験とか調査で観察される無毒性濃度というところが一つ見つかってくるわけですけれども、これを下回ればもう安全ですというわけにはなかなかいかなくて、一定程度安全率を見る必要があるというところがここでの議論になります。

 このグラフでは、無毒性量というところの矢印の左のほうに電子たばこ、ここでは紙巻きたばこと室内空気質の評価もあわせて行っていますので「等」と書いていますが、暴露濃度というものがあります。この矢印の相対的な関係はここでは無毒性量よりも暴露濃度のほうが低いという見立てになっておりますけれども、その開き具合、下回っている度合いを暴露マージンといいます。これの意味するところは、暴露レベルがどのぐらい余裕があるかという、余裕度というようなイメージで捉えていただければいいかと思います。

 一方で、先ほどちらっと言いましたけれども、無毒性濃度を下回っていれさえいればいいかといいますと、リスク評価にはいろいろな意味での不確実性というものがありますので、ある程度の安全率を見込む必要があるということから、必要な安全率のことを、聞きなれない表現ですが、不確実性積というものの数値として出します。

 リスクの判定は、この評価のために必要となる安全率である不確実性積と、暴露マージン、余裕度の大きさを比較するということです。暴露濃度が低くなれば低くなるほど、暴露マージンはどんどん大きくなっていきますので、暴露マージンが大きいほうが余裕度があるということで、リスクの懸念は小さいということになります。これは具体的には、後での評価のところでまた改めて御説明いたします。

 評価の流れといたしまして、14ページの下のほうですけれども、暴露濃度としましては、電子たばこの使用を想定した計測データに基づいて、24時間吸入する空気中の平均濃度に換算した濃度として算出いたしました。ここでは単位はμg/㎥という形で表現しております。

 一方、有害性評価につきましては、先ほどグラフで説明いたしましたけれども、無毒性濃度と不確実性積という2つの値を各種の有害性に関する動物試験結果等から導くということになります。

 例えば、無毒性濃度に関しましては、動物試験等で有害影響が観察されなかった最大の空気中濃度ということなのですけれども、ただ、動物試験もいろいろな条件で行われておりますので、24時間呼吸する空気中の平均濃度として換算するということをしております。単位はμg/㎥ということになります。

 不確実性積に関しましては、動物試験の結果を人への影響に読みかえる際の不確実性であるとか、暴露する人々の個人差を考慮して、要は感受性の高い人、低い人がいるということを考えたときに、そういうことを考慮する安全率として考えられます。これは、リスクの懸念があるかないか、これを判断するために必要になってまいります。この2つの数字を求めるということであります。

 その後のリスク評価の流れといたしまして、最後のリスク判定、15ページの上のほうですけれども、暴露マージンというものを算出いたします。これは先ほどのグラフでは、2つの矢印の間の開き具合というようなことで御説明いたしましたが、数字としては無毒性濃度を暴露濃度で割り算するということになります。これは余裕度をあらわすもので、値が大きいほど余裕があるということで、リスクが小さいという判断になります。

 具体的には、暴露マージンの値が不確実性積を上回るようであれば、すなわち、余裕度が必要な安全率を上回るようであれば、リスクの懸念はないと判断されます。暴露マージンが不確実性積より著しく小さい場合はリスクの懸念があるというふうに判断されます。

 ちょっと悩ましいところは、暴露マージンが不確実性積よりも小さいのだけれども、不確実性積が非常に大きい場合は、リスクの懸念なしとは言えないのですが、実は、単に不確実性積が大きいと安全率を多く見積もるべきだというだけの理由でリスクの懸念なしとは言えないという判断になっているだけです。こういった場合には、ここでは、より適切な有害性情報が必要になるだろうという判断をしています。

 ちなみに、言っておくべきことは、「リスクの懸念がある」とここで判断されるとしましても、これは十分な安全率を見込むことができないという意味でありまして、健康被害が想定されるというような状況にあるかどうかというのは一概に言えないということです。そういうことには注意が必要だと考えています。

15ページの下のほうに行きまして、電子たばこからのアルデヒド類の発生ということで、これは詳細に欅田先生のほうから御紹介いただきましたものの簡単な抜粋になりますけれども、ここでは10パフ、先ほどちょっと議論になりましたけれども、電子たばこも紙巻きたばこも10パフをたばこ1本相当というふうにみなして評価しております。

 先ほどの御紹介の中でもありましたが、電子たばこは製品によって発生量の平均値には大きく違いがある。同一製品でも、製品ロット、測定回ごとに大きく変動していたというような結果でありました。

 ここでは、最初の方針で示したように、平均的な使用状況ということを考えまして、成分ごとに平均値が最大となるたばこ製品での値を用いることにしました。これはどういうことかといいますと、同一製品内の発生のばらつきというのは、通常の喫煙条件、喫煙行動の中でランダムに発生する。つまり、長期間の暴露状況としては平均化して評価するということ。一方で、製品による違いというのは、個人の嗜好を反映して長期間固定化するのではないかということで、その最大の値をとる。そういうような設定であります。

 ただし、欅田先生の発表の中で、比較的多くアルデヒド類の発生が認められる製品と、必ずしもそうでない製品とがあったことから、ここでは結果的に高発生であった銘柄、先ほどの御説明の中でいいますとB、C、D、Eというものと、結果的に低発生銘柄であったF、G、H、I、Jとを区分けいたしまして、それぞれについて上記のような、つまり製品の中で一番高いものを評価するというようなアプローチをとりました。

 ページをめくっていただきまして、スライドの16になります。

 ここで、欅田先生からの10パフ当たりの発生量というところを、24時間の空気中の濃度に換算するわけですけれども、ここではまず喫煙者の調査結果を用いまして、1日当たりの喫煙本数を18.4としまして、1日の呼吸量を20㎥ということで仮定いたしております。

 そうしますと、例えばホルムアルデヒドについて、製品Dにおいて10パフ当たり120μgという発生量が報告されておりますので、これが1本当たりと考えますと18.4本をかけ算して、それを20㎥で割り算することで、24時間にならした濃度といたしまして110μg/㎥という数字が求まるということになります。ほかの成分であるとかほかの製品、標準たばこについても同様に計算を行っております。

 一方、比較のために室内空気質の測定結果を用いることにしましたが、ここでは、これも欅田先生のかかわられている調査結果ですが、全国602家屋での冬季/夏季、室内/屋外での測定結果を参照しまして、ここでは夏季と冬季の全家屋の算術平均値を用いるということで行っております。

 ここからが個別の物質の有害性に関する評価になります。16ページの下であります。

 繰り返しなのですけれども、個々の物質の有害性を改めて詳細に評価、検討したというよりは、既存の評価書、すなわち、一定程度評価の済んでいる評価レポートを参照するというアプローチで行っております。

 ホルムアルデヒドにつきましては、初期リスク評価書というものがありまして、サルを用いた吸入暴露試験の結果として、鼻甲介粘膜の化生をエンドポイントとして0.24mg/㎥という濃度であれば影響がなかったというような報告をされております。

 これをその実験条件で24時間の平均濃度に換算すると、0.24mg/㎥に、22をかけて24割ります。つまりこの実験は、24時間のうち22時間猿に吸わせた。だから、24時間にならすために22をかけて24で割ったということになっています。そうしますと、0.22mg/㎥という数字が出てまいります。

 この初期リスク評価によりますと、不確実性積、必要な値は200という数字が提案されております。この内訳としましては種間差、つまりサルとヒトでは感受性に差があるかもしれない。それから、個人差、人によって感受性の高い人、低い人がいるかもしれない。それから、試験期間、つまりサルの26週の吸入というのは人がもっと長期間暴露するのに比べれば短いのではないか。そういったようなことを考慮しまして、10倍、10倍、2倍という、全部掛け算しまして、200倍の安全率=不確実性積が必要だという判断であります。

 次のページに行っていただきまして、アセトアルデヒドにつきましては、同様に初期リスク評価書というものが得られまして、そこではラット4週間の吸入暴露におきまして、270mg /㎥という無毒性濃度が得られております。これもまた試験条件に基づいて換算しますと、270*/24というのは、1日のうち6時間吸わせた試験だということを意味しておりますし、5/7という部分は、7日間のうち平日5日間暴露させた試験だということであります。ですので、24時間連続の平均濃度としては、48mg/㎥というふうに換算されます。

 これについて必要な安全率というのは、1,000が提案されておりまして、これも種間差、個人差、試験期間について10ずつの安全率を見込んで、合計1,000ということであります。

 論理は以降同じですが、続けてまいりますと、アセトンにつきましては、初期リスク評価書というものが得られませんで、環境省による化学物質の健康影響に関する暫定有害性評価シートというものが唯一得られた情報でしたので、それを用いますと、ここでは人疫学調査の結果に基づいて、目の刺激等をエンドポイントとしまして、最小影響濃度、ここでは多少影響が見られたという濃度として860mg/㎥という数字が採用されております。それで、人の暴露状況を反映した補正をした結果として、172 mg/㎥という数字が得られています。

 同評価シートの中で、必要な不確実性積は10ということで言われています。これは要するに人の結果に基づいておりますので、動物と人の種間差ということは考える必要はないということと、疫学調査の結果なので、感受性の低い人も含めての結果であるということ。つまり、そこには不確実性積の数字は入ってこないということになりますが、ただ、影響が出た最小濃度を使っているので、無毒性濃度というところを考えるために、10の安全率は必要だろうという考え方になります。

 ページをめくっていただきまして、同じくアクロレインにつきましては、初期リスク評価書というものが得られまして、イヌの90日間の吸入暴露試験の結果から、最小影響濃度0.5mg /㎥という結果が採用されておりまして、必要な不確実性積としまして、5,000という数字が提案されております。

 その内訳は、種間差10、個人差10、最小影響濃度を用いているということで10。あと、試験期間が短いということで5という数字が内訳となります。

 次に、プロパナールに関しましては、国内の評価が得られませんでしたので、米国の環境保護庁のIRISデータベースを参照いたしました。

 ここではラットの52日間の暴露試験の結果に基づいて、BMLC10 という、これは10%の過剰リスクの信頼下限ということで、簡単にいえば無毒性濃度に相当するものだというふうに御理解いただければと思うのですが、128 mg/㎥という数字が出ています。

 これも同様に、連続暴露した場合の濃度に換算いたしまして、ここでのIRISデータベースの中で示されているエビデンスに準じまして、不確実性積を3,000という数字を当てました。

 種間差10、個人差10、試験期間が短いこと、科学的根拠が少し弱いということで、データベースの不備というような形で3というような数字が提案されておりました。

 次に、グリオキサールですけれども、これは初期リスク評価書の中で、ラット29日間吸入暴露試験の結果、無毒性量として0.16mg /㎥。これも連続暴露濃度に換算いたしまして、0.0276mg/㎥という数字が出てきております。必要な不確実性積は、ここでは1,000ということが提案されております。

 メチルグリオキサールに関しましては、19ページの下ですけれども、主要な評価機関による評価は得ることができませんでした。

 ここまでがリスク評価の方針とか、考え方とか、その根拠の数字ですが、ここから結果になります。

 表が幾つも続いて見にくくて恐縮なのですけれども、20ページの上のスライドは、電子たばこの中の結果的に高発生であった銘柄であるB、C、D、Eについて評価をしたものになります。縦に物質の名前が挙がっておりまして、横に暴露濃度、無毒性濃度、暴露マージン、不確実性積、リスク判定が並んでおります。

 それぞれの根拠は既に御説明したとおりですので、数字だけ追いかけていきますと、まず暴露濃度につきまして、Aというカラムで数字を書いております。これは欅田先生のデータから計算したものであります。

 各初期リスク評価等を初めとした評価レポートからとりました無毒性濃度等の数字が、Bとしてあります。

 暴露マージンは、BをAで割り算したものとして数字が計算されています。

 不確実性積は、各有害性の評価レポートで提案されている数字になります。

 リスク判定はCとDを比較するということで、例えばホルムアルデヒドに関しては、暴露マージンが2に対して不確実性積が200ということで、安全率としては200必要なのに余裕度が2しかないという意味で、これはリスクの懸念がありという判定になります。

 一方、リスクの懸念がないものとしては、上から3つ目、アセトンでありますが、これは暴露マージンは12,000、それに対して不確実性積が1,000ということで、懸念なしということであります。

 懸念なしとは言えないけれども、より適切な有害性情報が必要、つまりマージンは不確実性積より小さいのだけれども、不確実性積が大きいということで、例えばアセトアルデヒドに関しましては、マージンが720であるのに対して不確実性積が1,000ということで、少し下回っているのですけれども、不確実性積の値が1,000という数字だということで、このような判定にしております。

 結果的に、高発生銘柄の中でリスク懸念ありとなるものは、ホルムアルデヒドとグリオキサールであり、マージンが小さいということになっております。

 その下に行っていただきまして、低発生銘柄、F、G、H、I、Jという中でいいますと、同様の計算ですので数字は詳細には追いませんが、リスクの懸念ありとなるのはホルムアルデヒド、それからグリオキサール。その他のアセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロパナールに関しては懸念なしという判断になります。

 一方で、これをどう位置づけるかということで、標準たばこについて同様の評価をやったものが21ページの上の表になります。

 ここでは、リスクの懸念ありとなる成分は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロパナールという、評価した全てにおいてリスクの懸念ありという判断になります。

 ただ、グリオキサール、メチルグリオキサールに関しては、先ほどの紹介にもありましたように、紙巻きたばこからはそれほど発生がないということで、リスクの懸念なしという判断ができようかと思います。

 同様に、室内空気について評価を行ったものが下の表になります。

 ここでは、ホルムアルデヒドとアクロレインで懸念ありというような評価になっています。それ以外は評価なし、あるいは懸念なしとは言えないが、より適切な情報が必要という判断、グリオキサール、メチルグリオキサールに関しては懸念なしというような判断ができようかと考えています。

 数字ばかりで相互に比較というのも難しいかと思いまして、次のページの上にグラフにしました。

 横にアルデヒド類の成分を並べてあります。縦に各たばこと室内空気質の暴露マージンの値を棒グラフに、それから不確実性積の値を赤線で引いております。

 暴露マージン、余裕度が不確実性積を上回っていればリスクがない、下回っていればリスクがあるという、簡単に言えばそういうことになりますので、ホルムアルデヒドでは全ての棒が赤線を下回っているということで、リスクの懸念があるということになります。

 アセトアルデヒド、アセトン、アクロレインにつきましては、ものによって懸念ありという判断になったり、なしという判断になったりということであります。

 あと、電子たばこの高発生の銘柄、低発生の銘柄、標準たばこ、室内空気質の棒の高さを相互に比較いただけるのではないかと考えています。

 繰り返しですが、これはマージン、棒グラフの棒が高いほど余裕度が高いということなので、棒が高いほどリスクが小さいという判断になるものであります。

 最後「まとめ」ですけれども、電子たばこにはアセトアルデヒド類を発生する銘柄のうち、発生量の多い製品ではリスクの懸念があるという成分があることが示されました。アルデヒド類の濃度というのは、全体的に見れば標準たばこよりは低く、平均的な室内空気との中間的な値であったということが言えようかと思います。

 アルデヒド類の生成量の少ない電子たばこから生成するアルデヒド類は、グリオキサール、メチルグリオキサールを除いて、室内空気質と比較しても低い値であり、リスクの懸念はないと考えられました。

 このグリオキサールというのは、電子たばこに特有な成分であり、アルデヒド類の発生が全体的に低いと考えられる銘柄でも、リスクの懸念がある製品と判断されるような製品があるということでありました。

 メチルグリオキサールに関しては、電子たばこに特有の成分であったのですけれども、有害性情報が得られなかったというようなことであります。

 以上です。

○谷川委員長 ありがとうございました。

 では、議題の(1)につきまして3件の御報告をいただきましたので、全部をあわせて議題(1)につきまして検討したいと思います。

 なお、前回の委員会の際に、電子たばこの定義につきまして議論がございましたが、電子たばこ製品の変化は著しいこともあり、現時点ではこの委員会としまして電子たばこの定義を決めることは困難かと思いますが、その点につきまして、先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、議論を始めていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 蒲生先生、1つだけよろしいですか。16ページのところで、ここで暴露評価について10パフでされていますけれども、もともと9ページのほうで、まず30パフの捕集濃度を10パフ当たりに換算した濃度を使っていますが、先ほどの蒲生先生の御説明をいただきましても、これは30パフでやったほうがいいのではないかなという気がするのですが、それで18.4本掛けておられますけれども、このあたりはどうなのでしょうか。

○蒲生委員 やはり電子たばこ特有の使用形態というのもあるように先ほど御説明がありましたので、喫煙行動、喫煙と言っていいのですかね、使用の行動について今後もうちょっと情報が必要かなと思っております。

 ここでは、とりあえず紙巻きたばこの単なる機械的な代替という形でまずは評価するということで、そのときに喫煙の量を評価するに当たって喫煙本数という情報を使いたかったということもありますので、1本当たり何パフだろうかということで、まずは情報を整理しました。欅田先生のほうでも10パフ当たりという数字を報告書のほうに出されていたこともありましたが、一応1本相当を10パフということで、まずは基準化しているということです。

○谷川委員長 これによって暴露量がもう少し本当はふえる可能性はあるわけですね。現実問題わからないですね。

○蒲生委員 ただ、これは最初の10パフの数字という意味ではなくて、30パフの間に濃度が上がってきたところも含めての30パフの3分の1なので、そういう意味では、どちらになるのかな。

○谷川委員長 ちょっとそこは私も。

 欅田先生、御意見どうですかね。

○欅田委員 それは、1日何本吸っているかという、この18.4ととっているのが変わらない限り一緒なので、トータルの摂取量としては、30パフから計算したものも10パフから計算したものも一緒になってきます。

 問題になってくるのは、タバコの喫煙本数で18.4という定数を入れて計算していただいたのですけれども、これが電子たばこの実態に見合っているのかというほうが問題になってくるのであって。

○谷川委員長 それが1つと、あともう一つは、もし10パフしか吸わないというのであれば、初めの濃度の低いところだけしか吸っていない形になりますね。

○欅田委員 それはあります。

○谷川委員長 そこの問題が。ただ、先ほどの欅田先生のお話では、恐らくずっとパーティーで長く吸っているのだから、30パフでいいのではないかという話がありましたね。だからそれはどうなのかなというところで、現実はどちらなのかなというのはわかりませんので、そこはやはり検討が今後必要ですかね。

○欅田委員 そこは喫煙行動の実態調査を詳細にやらないと、そこのレンジでの幅がどうなのかという議論はなかなか難しいところだと思います。

○谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。祖父江先生。

○祖父江委員 蒲生先生の話の中の有害性評価で、ホルムアルデヒドから始まるところがありますね。16ページです。エンドポイントとしては、鼻甲介粘膜の化生とか、動物実験のこういう変化を発がん性の観点で評価しておられるのですか。

 エンドポイントとして神経毒性とか発達障害とか、リスク評価するときのいろいろ慢性影響とかありますね。そのうちのもっとほかのエンドポイントで、閾値のもうちょっと低いものとか高いものとかあったのかというのを知りたいのです。

○蒲生委員 高いほうで言えば、より高い暴露レベルでもっといろいろな影響が出てくる。それはそのとおりだと思います。

 この手の評価レポートで、先ほど何々をエンドポイントとしてという表現をしている場合のことなのですが、その影響だけ見ているというよりは、いろいろな影響が見られるのだけれども、一番低い濃度で見られた影響が何であるか、そういうものをエンドポイントと言う場合が多くて、その影響も見られなかったレベルを無毒性濃度と、そういう表現になっています。

 がんに関しては、先ほど欅田先生のところでも紹介ありましたけれども、例えばホルムアルデヒドにつきましては、刺激といったようなものが出なければ、がんのエンドポイントもメカニズム的にカバーしているだろうというような考察は、ものによってはあるようです。ただ、直接見ているのは刺激性であったり、化生であったり、そういったようなものをエンドポイントにしているということです。

○祖父江委員 刺激性が見られない領域においては、発がん性も見られないということですかね。

○欅田委員 ホルムアルデヒドに関しては、発がんメカニズムをそういうふうに考えて、先ほども紹介したように、室内空気質のガイドラインなども発がん性物質になったからといって変える必要はないという判断がとられているような状況です。

○谷川委員長 よろしいでしょうか。

○祖父江委員 アセトンに関しては、刺激性が一番低いレベルのものであって、ほかになかったので、人の結果が書いてあるということなのですか。

○蒲生委員 はい。おおむねおっしゃられたようなことです。

○谷川委員長 ほかにございませんでしょうか。

 井上先生、どうぞ。

○井上委員 なかなか解釈が難しい不確実性積の話なのですけれども、種間差というのは、全部結局どの動物でも10と使われていますが、このバリエーションを詳しく教えてほしい。ほかの動物を使うと変わるとか。大体10なのですか。

○蒲生委員 基本的には10なのですけれども、いろいろな評価検討が詳細にされているような物質においては、例えば、人と試験動物との体の構造であるとか、代謝機構とかそういったようなことを考慮して、明らかに人のほうが有害性に対して耐性があるというようなことがわかる、エビデンスがしっかりしているものについてはこの10を使わないとか、10をもっと細分化しまして、体の中での存在量に関するものと、あと生物反応というか生体反応・感受性みたいなものとに大きく2つ分けて、それぞれを人と動物でどうかというようなことを検討して、10の半分だけを適用するといったような、いろいろなバリエーションはあります。

 ただ、余り情報がないときに、デフォルトとしては一律に10というものが一般的です。ここでの評価書の中で提案されているものは、一律に10ということになります。

 例外は、参考のために、横道かもしれませんが、18ページの下にプロパナールの例で、米国環境保護庁のIRISデータベース、説明からはしょってしまいましたけれども、下のパラグラフで「呼吸量や胸腔外表面積でラットと人の外挿を行っているが」というのがあります。この評価レポートではこの部分を実は非常に詳しくやっていまして、この部分については人とラットで種間差の不確実性を考えなくていい、きちんと換算するんだという立場で、実はちょっと違う不確実性積の数字を採用しているというのがあります。

○谷川委員長 よろしいでしょうか。どうぞ。

○齋藤委員 アセトンのことなのですけれども、日本小児科学会雑誌には毎月のようにInjury Alertといって、実際に起きた事例の報告が医療機関から出ているのですが、それで見たものでは、乳児のいるお部屋でマニキュアの除光液を使った事例です。普通、大人は大丈夫ですけれども、同室の乳児がその後ずっと傾眠傾向で、ミルクも飲まずにずっと寝ていて、救急搬送したという事例が前に報告されていました。

 赤ちゃんは実際に本人が電子たばこを吸うわけではないですけれども、21ページの室内空気のところで、多分大人とかを標準としていると、やはり乳児はかなり感受性が高いですから、ここに懸念なしと書いていると、もう何でもありみたいになってしまうのが心配な気がします。

○蒲生委員 御指摘のように、基本的にはこれは成人を対象とした評価でありますので、御指摘のように、子供についてどうかというのも別途評価しなければいけない対象だと思いますが、残念ながらほとんどの物質で情報がないというようなことかと思います。

○谷川委員長 その辺限界はありますけれども、お含みいただきたいと思います。

 今の蒲生先生のお話、先ほどの欅田先生のお話から考えまして、当委員会としまして、電子たばこの使用による健康影響につきまして、大和先生、どうですか。

○大和委員 1つ聞きたいのですけれども、これは1日に18本吸う人が24時間平均的にその有害物質に暴露された場合ということで考えられているものですね。

 そうすると、例えば18本のたばこを1本5分で仮に吸ったとすると、90分になります。1本のタバコを5回の吸入で吸う、つまり、60秒おきに5回、各2秒間で吸うとなると、実際に吸い込む時間は30分の1になります。そうすると、90分(5400秒)のうちの30分の1というと吸引時間は180秒、つまり3分になります。1日は1,440分なので、それで割ると480倍です。ですから、24時間で平均的に吸うという考えではなく、間歇的に480倍の強い濃度で吸い込まれることになります。

 例えば、皮膚をこんなふうに緩やかに24時間撫でても何にも起こりませんけれども、これを480倍の力でぐっと1回やると血が出ます。それが1日に18本吸われるたばこの刺激になると思うのです。ですから、総曝露量を24時間に平均化してしまっていいのかなというのが私の疑問なのですけれども、いかがなのでしょうか。

○谷川委員長 そこの部分は、先生方、いかがですか。確かに吸っているときは高濃度を吸っているわけですけれども、24時間にするとならされてしまうということがあります。

○欅田委員 リスク評価のやり方としては、ある約束事のもとでこうやってやらないといけないので、出てくる数値に対してはこうやって見るしかないので、それを今度応用するときにどうなのかという大和先生が御指摘のようなところで、現実にその点に関しては、前回の報告のときに私のほうからも御報告したとおりで、非常に高い濃度が出たものについていえば、たばこ1本分に当たる電子たばこ1区切りの使用量で、室内空気質80ppbとホルムアルデヒドは決められていますけれども、そこに24時間いるのと同じだけのホルムアルデヒド暴露になりますよということは、そういう意味でも前回、注意喚起としてアナウンスさせていただいたところです。

 もう一つは、ホルムアルデヒドなどの生体影響が、今言われたように、24時間ゆっくり暴露したときの生体影響評価と、放射線で言ったときの線量率効果みたいな感じで、非常に高い濃度を間欠的にとかショートの期間に暴露されたときと、24時間暴露の影響が同じように比較できるかというのがちょっと悩ましいところでもあると思います。

○大和委員 蒲生先生のこの考え方は、例えば受動喫煙については成り立つのではないかなと思うのですけれども、本人が電子たばことして、欅田先生のおっしゃったように瞬間的に、間欠的に高い濃度を吸う場合に応用していいのかなというのは検討が必要ではないかと思います。

○谷川委員長 例えば9ページの、先ほどのたばこの値と考えますと、大分これは低くはなっていますね。ホルムアルデヒドは若干違いますけれどもね。

 ですから、やはり電子たばこの使用による健康影響の存在は否定はできないものの、今の紙巻きたばこに比べたら、各物質ごとについて相当低いのではないかということです。あと、今、蒲生先生が出されましたさまざまな無毒性濃度との関係から、その濃度に関しては健康影響との関連は明らかではなく、引き続きこの健康影響を確認していく必要があるというぐらいではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうかね。

 そのあたりは、蒲生先生、欅田先生の御意見はいかがですかね。

○蒲生委員 先ほど指摘いただいたような、間欠的に高濃度にというあたりをどう考えるかというところはもう少し検討は要るかなと思います。紙巻きたばこを基準とした議論はいかがなものかなとも思いますが、それと比べての電子たばこの濃度、また、室内空気質も比べたときの濃度の位置づけでいうと、今、委員長言われたようなことかというふうに思います。

 ただ、一方で、そうはいいましても、やはり高濃度になる銘柄とか使用条件というようなものもあるようなので、それが十分に解明されていないということで、有害影響の理解もさることながら、製品とか使用状況というものに対する理解、何ゆえ高濃度になるのか、そういう条件は何かといったところがもう少し解明される必要があるのかなというのが意見というか感想であります。

○谷川委員長 それでは、時間が押していますので、次に議題の(2)で、前回の委員会で調査をお願いしておりました、電子たばこの国内使用状況と諸外国の規制状況につきまして、欅田先生、まことに申しわけありませんが、10分ぐらいでお願いいたします。

○欅田委員 先ほどの成分分析に関しましては、昨年度の厚生労働科学研究費のもとでさせていただいたわけですけれども、その中で分担としまして、使用実態の調査あるいは国内外の規制の動向についても調査させていただきました。

 まずは、使用実態のほうですけれども、大阪府立成人病センターの田淵先生を中心にして、インターネット調査をことしの初めに実施しました。実施方法の詳細等は省きますけれども、9,000名以上からの回答をいただいて、矛盾回答等のない有効回答8,240名を解析しましたところ、電子たばこを知っているかどうかということに関して、48%の人が知っている。男性のほうが若干多いというような状況ですね。

 使用経験に関しましては、6.6%が使用経験があり、男性が9.2%、女性が4.1%ということで、世代的に見ると、男性では2049歳代でちょっと高目で、女性では20歳代で使用経験が高いといったような状況でありました。

 直近30日以内での使用歴ということで見た場合には、約1.3%が使用歴がある。

 また、常習性として、習慣的な使用があるかどうかということに関して、この常習性、習慣的な使用というものに関しては、先ほどちょっとお話ししたところに関係するところですけれども、10分間で15パフを吸うのをたばこの1本を吸うようなイメージとして、1ターンという定義づけをして、これを50ターン以上経験したものを習慣的な使用という定義をして、これは過去の報告でもこういうふうな利用があったのですが、それでしましたところ、1.3%が習慣的な使用があったという状況です。

 現在の喫煙者で、電子たばこの使用状況はどうなのかというと、男性で3.2%、女性で4.4%あるという状況ですね。

 一方で、非喫煙者においても、男性3.5%、女性1.3%に使用経験があるというような状態でした。

 これは国民全体の様相を見るという形で、対象を満遍なく、アンケートを各世代に人数割りして実施したものでありますけれども、電子たばこを使用している人たちに関して詳細な使用状況がどうなのかということについて、24ページのほうでターゲットを絞ってさらにアンケート調査をしております。

 というのは、インターネット調査会社さんのほうで登録されているところで喫煙歴があったり、あるいは電子たばこの使用歴が既に登録されていたりというのがありますから、そういう対象集団に対して、電子たばこの使用状況を詳しく調査するということを行いました。

 そうすると、電子たばこの現在使用者ということが748名回答いただける形になりましたので、その人たちについて見ましたところ、先ほどもちょっと懸念の声があったデュアルユースという、電子たばこの現在使用者の中で紙巻きたばことか従来のたばこを利用している人が75.3%といるということですね。

 一方で、ゲートウエーになるのではないかというお話もありますけれども、電子たばこの現在使用者というのは、11.6%がNever smoker、たばこ経験がない人で、電子たばこを新しい器具として使用を始めている人が11.6%いるといったような状況であります。

 電子たばこの使用者のうち、17.8%が毎日電子たばこを使用しているということで、使用状況がどうなのかということを見ていきますと、ここにまたターンという言葉が出てきていますけれども、ターンというのは約10分間で15パフを1ターン、要はたばこ1本吸うというイメージをターンという言葉にしているわけですけれども、1日の使用としては中央値3ターンということですね。たばこ3本吸っているみたいなイメージです。

 1ターンまでの人が26.5%、4分の1ということなのですけれども、逆に20ターン以上の人が21.7%という状況でもあるというところであります。

 前回の会議の席でも、望月委員からも情報提供いただいたところですけれども、イギリスあるいはアメリカ等欧米の調査等でも、数年前はちょうどこれぐらいの使用頻度のところだったのですが、そこから年々日増しにふえていったというところがありますので、ちょうど日本もターニングポイントのところなのかなと思われるところであります。

 さらに、規制の状況についてどうなのかということを見ていきますと、24ページの下のものですけれども、「わが国の規制の背景と現状」ということで、これは先ほどもちょっと話しをしましたが、我が国は電子たばこというのはニコチンが入っているものは旧薬事法で認められないよということですが、そのきっかけになったのが平成22年の先ほど紹介した出来事でありまして、そのときに医薬食品局監視指導・麻薬対策課のほうからの発出として、ニコチンを含むカートリッジは当時の薬事法に規定される医薬品になりますよ、ニコチンを霧化させる装置のほうは医療機器になりますよということで、ニコチンを含まない電子たばことして買っていても、そのカートリッジにニコチンが入った電子たばこのリキッドを個人輸入して買って、そこで入れて使うと、それは医療機器という扱いになってくるという状況であります。厚生労働省としては、ニコチンを含有する禁煙補助薬というのは、第2類医薬品として承認するという形になっているところです。

 各国の規制状況については、WHOも非常に電子たばこの流通に対して懸念しているところでありまして、WHO surveyということで、世界各国に規制の状況について質問しているところがありました。それは既にWHOのほうで報告書としてまとめられているのですけれども、その抜粋を示しているのが25ページの上で、規制の枠組みとしましては、消費者商品としての扱い。日本の場合は、ニコチンを含まないものは、今も話がありましたように、これに当たるところであります。ですから、たばこと比べてリスクがどうなのかというのが、またさっきの議論に戻るところですけれども、ちょっと悩ましいところで、一般の日常用品としてたばこと同じようなものが含まれているというところの理解も必要になってくるところであります。

 あるいは医薬品、医療機器としての規制、たばこ製品または関連品としての規制、新たな規制、禁止しているという状況でありまして、その実態が下の表に書いてあるようなところです。

 各国あるいは各エリアのほうで規制が随分検討されているところでありまして、EUにおいては、たばこ製品の指令という形で、従来もスヌースの規制等、いろいろたばこ製品指令の中で書かれていたわけですけれども、昨年このEU指令が改正されまして、初めて電子たばこについても盛り込まれるようになりました。その中で、医薬品指令あるいは医療機器指令に入るものについては、たばこ製品指令というのは対象としないということで、この中でうたっていて今回も議論する対象になるようなところとしては、規制対象品の容量、濃度制限ということで、ニコチンを含むものに関しては、10ミリ以下の専用容器あるいは濃度に関しては20mg/mLを超えないものという形になっていたりというところで、逆に言えば、これを超えるものは各国の判断で規制を別個つくっていくという状況であります。

 さらに、若者、非喫煙者の使用を推奨するようなことがあってはならない。また、健康に関する警告表示をしなさい。販売促進については禁止ですよ。また、所轄官庁への報告義務を課していますよ。有害性情報を集めて報告していくようにしましょうね、というふうなことが概要として盛り込まれているところであります。

 実際の各国の規制状況等については、26ページの上下にまとめているところでありますけれども、ENDS、それとENNDS、ニコチンを含まない電子たばこですね、それぞれの規制状況と、それを規制するためどういう法律を使っているかというふうな形ですけれども、ニコチンを含むものに関しては、禁煙補助という形での医薬品、医療機器として制定しているところも多いわけですが、医薬品、医療機器として認証を受けた機器は、現実には今のところないというところであります。

 細かいことは時間の都合もありますので、委員の方には隣に報告書を置いていますけれども、その中で詳しく述べていますので、また後ほど見ていただいたらと思います。

 医療製品の特別規制という形で、26ページ下のところですけれども、医薬品として扱うところでは、先ほどEUのほうはそれを超えるものは別個各国でという形でありましたが、医薬品としての特別な規定を設けるときには、こういったニコチン濃度のものについては、別個医薬品として管理してくというような形でとられているところであります。

 もうちょっとなじみのありそうなところで、27ページですけれども、お隣韓国も最近法令改正して、たばこの規制について随分前進していっているところでありますが、お隣韓国は昨年たばこ事業法を改正しまして、ことしから施行されているところですが、その中でまず第1に、第2条でたばこの定義ということで、その中に従来の紙巻きたばこ等のたばこの定義に加えて「蒸気で吸入したり」ということで、電子たばこをニコチンを含むものについてはたばこ事業法のたばこと定義づけしているところであります。

 そういった規制下にあるたばこ製品については、広告の規制については、日本の厚生労働省に当たります保健福祉部が所管する国民健康増進法のほうで、たばこに関する警告メッセージを表示しないといけないということになっていまして、その第9条の2のほうで、たばこに関する警告メッセージとして、たばこ事業法に基づいて製造者、輸入業者等は次のものを書かないといけないという形で、喫煙が肺がんなどの疾病の原因となるというふうな警告メッセージを書いていく。

 タールの摂取量は、喫煙者の喫煙習慣によって異なる内容の警告文を書いていく。

 たばこに含まれる次のような発がん性物質があるということを書きなさい。ナフチルアミン、ニッケル、ベンゼン、ビニルクロライド、ヒ素、カドミウム等がありますよというふうなことを書きなさい。

 さらに4番で、クイットラインの表示もしなさいというふうなことが書かれているということで、これらはこの検討会全般を通じて議論していかないといけないようなものに関連するもの、韓国でかなり進み始めているという情報もあります。

 ニコチンが入らない電子たばこについては、韓国のほうでは法的には禁煙補助剤として、医薬部外品として薬事法の規制下に入るという形でありまして、この場合は広告も薬事法規制下で、国民健康増進法の対象外になってくるという分類をしているという状況でありました。

 電子たばこ業界のほうは、そうしたらどういうふうな状況なのかということで、一番最後にちょっと情報提供という形で27ページの下に書いていますけれども、これは特許データベースをのぞいているとこういうものが書かれているのですが、私たちのところで、電子たばこの吸入によりまして、加熱のコントロールの状況でホルムアルデヒド等カルボニル類が発生するということを早くから報告していたのですが、海外でも研究者が随分報告するようになってきましたが、そういった情報がいっぱい出てくるようになると、電子たばこ産業のほうもやはり検討を加えているようでありまして、アトマイザーという「Figure 3」となっているところ、右下のところのコイルを巻いているように見えますけれども、ここのところ、ウィッグというリキッドが橋渡しさせるようなものにコイルを巻いているのですが、ここは加熱し過ぎないように、「Figure 4」にあるような、「Imager」と書いていますけれども、センサーを設けて温度コントロールをしていって、熱し過ぎないようにしていく。そういうふうな形で製品管理をしていきましょうというふうな特許も申請されているというところで、電子たばこ業界のほうもやはり熱管理が非常に重要なのだなというようなことを懸念しているような情報かと思います。

 ということで、日本の場合は、ニコチンを含まないものということでの規制なのですけれども、私たちのようなところが分析して情報を出していくということで、規制をどういうふうにするかということもありますが、そういう情報を提供することで電子たばこ業界のほうが自主規制も、こういうフィードバックもかけられるところかなとも思うところであります。

 以上です。

○谷川委員長 どうもありがとうございました。

 では、ただいまの御説明につきまして、質問、御意見はございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 井上先生、何かございますか。大丈夫ですか。

○井上委員 はい。

○谷川委員長 非常にわかりやすく各国の状況、特に韓国は非常に進んでいるということもありますので、我が国では、今後この検討委員会におきましてもやはり参考にしながらやっていかなければいけないということで、よろしいでしょうか。

○井上委員 

 基本的な質問ですが、この韓国の状況で、「蒸気で吸入したり」というのは完全に電子たばこを意識して入れているものなのですか。

○欅田委員 はい。

○井上委員 もうこれは名指しというか、そういうつもりなのですか。

○欅田委員 はい。

○井上委員 わかりました。

○谷川委員長 大和先生、大丈夫ですか。

○大和委員 ニコチンの入らない電子たばこは補助剤扱いになっていますけれども、入っていないというのは信用できるものなのか。当初のころ、ニコチンは入っていないと言いながら、半分の銘柄には入っていましたね。ですから、こんなのは誰が証明するのかなと思います。

○谷川委員長 これは韓国の状況ですから、韓国のほうはニコチンの入らない電子たばことして、それについてはということで。

○大和委員 インターネット調査の田淵先生がされた結果でも、電子たばこは日本で販売されているものは入ってないという表向きにはなっていますけれども、輸入品とかでニコチン入りのものを使っていたのかどうかとかいうことはわかるのでしょうか。

○欅田委員 詳細はそこまでまだ検討していないので、ちょっと待ってください。

○谷川委員長 この「中央値3ターン」と書いてあるのですけれども、やはり中央値は3でも、20ターン以上が21.7%というのが、これを見ていますと、先ほど蒲生先生に私、質問しましたが、やはり多いのですね。だから先生が書かれていますように、量からすれば相当な回数吸っているなというのは、これも大事なポイントです。

 あと、もしできれば、次回こういう検討するときは、どの程度、何パフぐらいするのかということは、ぜひとも知りたい情報だなと思いました。

○欅田委員 何種類ぐらいのリキッドを使っているかとかその辺は聞いていたのですが、輸入品については、細かいところ今すぐ追えないので、また調べてみます。

○谷川委員長 それでは、時間も迫ってまいりました。ここを3時に明け渡さないといけないそうなので、今回先生方に御報告いただきまして、今回の検討会におきましては、銘柄や製品によりばらつきがあるものの、電子たばこからホルムアルデヒドを含むアルデヒド類が発生することがわかりました。また、そのアルデヒド類による健康影響の可能性も示唆されることを御報告いただきました。

 電子たばこの使用による健康影響の存在というものは、先ほども申し上げましたけれども、否定はできないものの、各疾患との相関とか疾患との関連につきましては、現状では明らかではないと思います。そういうことで、今後も引き続き健康影響を確認していく必要があると思いますが、そういう認識でいかがでしょうか。

 先生、どうぞ。

○大和委員 最後に一言よろしいでしょうか。

 今回、委員会の名称は「たばこの健康影響評価専門委員会」で、今日は電子たばこに特化した会議だったのである程度しようがないとは思いますけれども、普通のたばこで考えれば受動喫煙というのは必ず発生しますので、本日「公共の場では禁煙」ということを訴えた日本学術会議のコメントがいろいろな新聞に取り上げられており、オリ・パラ大会を控えた東京都の条例にするようにということが出ておりますので、最後に一言だけ情報提供させていただきます。これを皆さんに配っていただければ。

○谷川委員長 今後、受動喫煙につきましてはもちろん取り上げていきたいと思いますので、先生、またそのときはよろしくお願いいたします。

○齋藤委員 特に子どもに関しては受動喫煙の問題があります。

○谷川委員長 そうですね。特に子供に関してですね。それは非常に大事な問題だと思います。

○欅田委員 済みません。1つだけ。

○谷川委員長 どうぞ。

○欅田委員 もう一つ、先ほどの使用実態等との兼ね合いなのですけれども、見られている方も多いと思うのですが、国民健康栄養調査のほうで喫煙率の推移等をずっと出されていますが、ここ4〜5年もう頭打ち状態で下がらないような状況が続いているところだと思うのですね。

 健康日本21(第2次)での目標設定12%というのも、現在喫煙している人が、やめたいと思う人がやめていけばおのずと達成できるよみたいな形で設定されているところですけれども、国民健康栄養調査のほうで25年度の調査結果を見ると、たばこをやめたいと思う人の割合が、23年度は男女合わせて35.4%あったのが26.4%ということで、やめたいと思う人が10ポイント以上下がってしまっているのです。

 この背景が何かはわからないのですけれども、今回の電子たばこであったり、今、新しいたばこ関連製品というのが、以前も紹介したスヌースであったりいろいろなものが出てきているわけですが、そういう選択の幅が広がることによって、今、大和先生が言われた受動喫煙対策とかが進んで、やめないといけないなと思う環境になっている人でも、やめなくてもこういう手段を選択すれば継続できるなという形になりつつあるのではないかというのを非常に危惧するところですので、やはり新しいたばこ製品のサーチもしながら、全体をどういうふうに捉えていくのかということも、今後のこの検討会の中で議論していただきたいなと思うところです。

○谷川委員長 ありがとうございました。

 それでは、時間になりましたので、本日の議論はここまでとしたいと思います。

 最後に、今後のスケジュールにつきまして、事務局のほうから御説明をお願いします。

○古賀補佐 今後の日程について御案内を申し上げます。

 第7回の専門委員会は、現在のところ624日を予定しております。後日、改めて場所等について御連絡を差し上げます。

○谷川委員長 本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございま


(了)
健康局がん対策・健康増進課: 代表電話 03-253-1111
たばこ対策専門官 寺原(内線2393)
課長補佐 古賀(内線2346)

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