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2015年4月9日 第3回生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会

○日時

平成27年4月9日(水)


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室


○議題

高年齢者の雇用・就業の現状と「生涯現役社会」の実現を図るための課題

○議事

○清家座長 ただいまから、「第 3 回生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備に関する検討会」を開催いたします。議事に入ります。前回は、中年期以降における職業生活設計のための環境整備及び中年期以降の再就職の促進について、様々に御意見を頂いたところです。本日は、冒頭に事務局から前回の議題に関連する追加説明及び本日の論点である高年齢者の多様な就業の場の確保について御説明していただいて、その後に質疑応答と意見交換の時間を設けたいと思います。まず、前回宿題になっていたようなことも含めて、事務局から御説明をお願いいたします。

○雇用開発企画課長 まず、資料 1 について説明申し上げます。これは前回第 2 回の検討会において、追加的なデータの御要望がありました関係の資料です。 2 ページの表は、高齢期の職業生活に関する支援について、どのような支援をすると継続雇用に効果的であるのか、ということについてのデータがないのかという御指摘があったことに関するものです。支援策と継続雇用のアウトカムの直接的な因果関係を示すデータはなかなか見当たらないわけですが、関連データとしてこの表をお示ししたいと思います。内容としては、定年前に将来の仕事について、会社と相談するような機会があったという労働者は、なかったという労働者に比べて、定年後に再雇用、勤務延長の形で働くケースが多いという結果が出ているという状況です。

3 ページの表は、前回の資料の中で、 60 歳代前半の継続雇用者を対象とした研修を行っている企業が 2.8 %という数字が出ておりましたが、それがどんな企業なのか、もう少し深掘りしたほうがよいのではないかという御指摘があったことに関するものです。この表の右上の 2.8 %という数字が、研修を行っている企業の割合です。これを業種別に見ると、金融・保険でやや多いという傾向が見られます。

4 ページはこれを企業規模別に見たものです。右上に 2.8 %という数字がありまして、規模が大きいほどパーセンテージが高いという傾向が見られます。それ以外にもいろいろと数字をお示ししておりますが、サンプル数があまり多くないということもありまして、詳細な分析はこの程度のところが限界かと思っております。

 資料 2 は、本日の検討テーマの 1 つである地域における多様な就業機会の確保に関する参考資料です。 2 ページの体系図は、高年齢者雇用対策の全体像を示したものです。検討会の第 1 回目では、右下の楕円の所で示した、企業における 65 歳までの雇用の確保について御議論いただいたわけです。第 2 回目の検討会では、左下の楕円の所ですが、高齢者の再就職支援について御議論いただいたということです。

 今回の議論ですが、このグラフの真ん中の上の所の柱になります。「 65 歳以上の就労機会の確保に向けた取組」ということで、これが今回の中心的な検討テーマになるということです。高齢者の雇用・就業対策全体の中で、今回の議論がどのような位置付けになるのかということで御覧いただければよろしいかと思います。

3 ページです。ただいま申し上げた 3 本の雇用就業対策について、どのような具体的な施策を講じているのかをお示ししたものです。第 1 番目の柱に対応するものは企業における 65 歳までの雇用確保措置の関係ですが、ハローワークによって、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止について、企業に対して指導を行うことが中心的な施策になっております。 2 番目の柱ですが、再就職支援の関係としてはハローワークに高年齢者用の相談窓口を設置してチーム支援を行うことや、技能講習と採用面接会を一体的に行うシニアワークプログラム、あるいは雇入れのための助成金などが具体的な施策となっております。 3 つ目の柱ですが、大きく企業支援と地域における対策の 2 つに分けることができます。前者の企業支援においては、雇用管理相談や高齢者に対する職業生活設計セミナーの実施、高齢者の雇用環境整備のための助成金、高年齢者雇用アドバイザーによる支援などを行っているところです。地域における対策としては、シルバー人材センターによる就業機会の確保・提供を中心に行っているところです。

4 ページの表は、地域における就労・社会参加スタイルのイメージを表した図で、左右の軸が報酬ないし収入の軸、上下の軸が働き手にとっての負荷の軸を表しております。報酬も本人の負荷も高いと考えられる企業雇用を右上に配置して、順次、左下へ、報酬や負荷がより低いものを並べている形になっております。確かにこういう整理は一概に言えない面もあるわけですが、 1 つのイメージとして参考として捉えていただければよろしいかと思います。

5 ページは平成 25 年に行われた生涯現役社会をテーマとした検討会の報告書の概要です。これは第 1 回の検討会の際にも御紹介申し上げたわけですが、改めてポイントだけ御紹介申し上げたいと思います。提言の 1 点目ですが、退職後に活躍の場を見つけるには、企業で働いていたときの意識や考え方を変えなければいけない、改革しなければいけないという御提言があったところです。 2 点目は、地域で高齢者の就労や社会参加の場を確保するためには、地域の関係機関の連携強化が必要だという点です。その連携強化を図るための体制、ここではプラットフォームと呼んでおりますが、これを作っていくことが重要であるという点です。 3 点目は、シルバー人材センターの活性化が必要であるという点です。 4 点目は、高齢者が有する専門的な知識・技術・経験を、その他の企業の中で生かせる仕組みを作っていくことが重要であるという御提言がありました。 5 点目は、企業における高齢者の人事管理手法に関する情報提供が必要であるということの御提言がありました。

6 ページの事業ですが、地域人づくり事業ということで、厚生労働省が地方自治体と連携して実施している各種、地域雇用対策の 1 つです。この事業を活用して、地域の創意工夫をこらした高齢者の雇用・就業対策が各自治体で展開されております。具体的にその仕組みを申し上げると、左側に書いてある事業スキームです。厚生労働省が地方自治体 ( 都道府県 ) に対して交付金を交付した交付金により、基金を造成します。その基金に基づいて、市町村を経由し、あるいは直接的に民間団体等に委託をして、そこで事業を展開することになります。事業の中身は右側に書いてありますが、雇用拡大プロセスと処遇改善プロセスに大きく分けられますが、要は地域においてどうやって人づくりをしていくのかということに関わるいろいろな事業をここで展開することができる、自由度の高い事業になっております。

7 ページは、この仕組みを使ってどんな中身が展開されているのかということについてです。これが基本的な枠組みかと思いますが、この図は今申し上げた地域人づくり事業を活用した高齢者の雇用・就業対策の基本的なパターンをお示ししているものです。基本的には県又は市町村が地元の NPO の団体へ事業を委託することが一般的で、地元の各種機関と連携協議会を作ることが一般的であり、更に退職した高齢者にアウトリーチで働きかけたり、高齢者向けの仕事を掘り起こして、両者をマッチングする、これが基本的なパターンとなっているわけです。

8 ページにその具体例が掲げてあります。都道府県も入っておりますが、ここに 10 市町村の取組を掲げているわけです。この地域人づくり事業を活用して、地域の創意工夫で雇用・就業対策を展開している例ということです。

 この中で、まず柏市の例を紹介します。 9 ページです。柏市の例ですが、本検討会の構成員でもあられる秋山先生の御指導によって、大きく花開いている事業です。ポイントとしては、東京大学と柏市と UR がバックとなって、全体の事業を統括する組織を作っている点、左側に「全体事業統括組織」と書いてありますが、これを作っているという点。特に都市部のリタイア層が社会参加しながら働けるような農業、食、保育、福祉などの分野にわたって、仕事をきめ細かに拾ってきているという点。また、一方でセミナーなどで退職高齢者を集めて、確保した仕事に円滑に就けるように図っているという点。こういう点に特徴があろうかと思っております。

 この事業ですが、いろいろと展開が図られております。 10 ページの表は、この事業は何年かをかけて徐々に仕組みが進化してきており、現在における形と御理解いただければと思います。ポイントとしては、関係機関が柏市セカンドライフネットワーク会議という協議体を作って、そのコントロールの下で全体の事業運営を図っているという点です。市役所のロビーに相談窓口を構えて、左側に書いてあるような様々な仕事と、右側に掲げてあるようなセカンドライフ世代の高齢者の両者を結び付けて、マッチングをしていくという仕組みになっているわけです。

11 ページは福岡県の例で、県を中心として官民の関係機関から構成される協議会を作っております。この協議会のコントロールの下で、福岡県 70 歳現役応援センターという施設を設置して、図の真ん中のオレンジ色の枠内に掲げてありますが、 70 歳まで働ける企業の拡大、就業・社会参加支援などといった 4 つの事業を展開しているという中身になっております。その成果としては、登録者が 5,700 人ぐらい。 3 年間で進路決定、就職が約 2,000 人ぐらいの成果を上げているという状況になっております。

12 ページは愛媛県松山市の事例です。これもやはり地元の関係機関の代表者からなる連絡協議会を作るというところが出発点で、左上に連絡協議会の枠が示されております。ホワイトカラーの高齢者と地域の企業、団体における仕事を結び付けるものですが、この中で様々な工夫が展開されているわけです。特にミニコミ誌の作成という手法で、高齢者と仕事の間を取り持って結び付けていくというところに特徴があろうかと思っております。

13 ページは神奈川県横浜市の事例です。内容的には、横浜市がシルバー人材センターに委託して、高齢者向きの仕事の相談窓口を設置しているという例です。

14 ページです。今申し上げたところが 65 歳以上の高齢者の働く場を確保するために、地域の関係機関が連携して事業を推進していくというモデル事業を事例として紹介したわけですが、この第 9 章以下では伝統的に取り組まれておりますシルバー人材センターについて、基礎資料としてお付けして説明申し上げたいところです。

15 ページは、シルバー人材センターの概要です。これはシルバー人材センターの概要ということなのですが、一言で申しますと、おおむね 60 歳以上の高齢者を対象として、地域に密着した臨時的・短期的、又は軽易な仕事をあっせんする広域団体であると御理解いただければと思います。仕組みとしては、(1)で企業、家庭、官公庁が発注者となって、シルバー人材センターに仕事の発注をします。(2)でセンターが会員に対して請負の形で仕事を分配する。請負で受けた仕事を更に請負で会員に分配するという形になっています。(3)で会員がその仕事をすることになって、(4)で仕事の完了とともに料金が清算され、(5)でそこから会員に配分金が支払われるという中身になっているわけです。こういう仕組みで事業が展開されているということです。

16 ページの図ですが、シルバー人材センターの体制のイメージを持っていただければと思ってお付けしたものです。右側の中小規模センターが大体平均的なセンターの形かと思います。事務局は事務局長以下、 5 名ぐらいが平均的なところで、会員数は 300 名ぐらいが平均的なところです。受注件数が年間 1,800 件ぐらいで、契約の金額が 1.8 億という売上げを上げているという展開をしているものがシルバー人材センターの平均的な体制、姿だろうと思います。

17 ページに、このシルバー人材センターの年齢層がどうなっているのかということが掲げてあります。シルバー人材センターの会員の年齢構成ですが、このグラフを見ると 65 69 歳、あるいは 70 74 歳という所に大きなボリュームがあって、 65 74 歳の所が中心的なコア層だということで御理解いただければと思います。

18 ページはシルバー人材センター事業の実績です。法人数、会員数、契約件数等々、いろいろな指標を取って見て年々伸びてきていたわけですが、平成 20 年、平成 21 年ぐらいのところをピークに、その後わずかですが、減少傾向になっております。会員 1 人頭の収入は、配分金という名前で呼んでおりますが、表の右下に書いてあります。平成 25 年度現在では 3 5,697 円という額になっております。

19 ページはシルバー人材センター事業の実績の推移ということで、今申し上げた表の数字をグラフ化したものです。平成 22 年ぐらいまでどんどん伸びていって、その後、若干減ってきているというところが読み取れると思いますが、そういった状況で推移しております。

20 ページはシルバー人材センターの就業分野です。つまり、シルバー人材センターで働く高齢者の会員がどんな分野で仕事をしているのかということです。仕事の仕方は伝統的な請負という形と、そのほか労働者派遣の事業も行えることになっており、その 2 つのパターンを真ん中に示しております。全体で見ると、一般作業群という名前で呼んでおりますが、清掃、除草、チラシ配布が半分程度を占めているということです。最近、注目しているところがサービス群、家事援助、介護、育児というところで、まだまだパーセンテージは少ないですが、今後ここが伸びていくのではないかと考えております。技術群の派遣ですが、構成比で 22 %ということで、教育、翻訳といった仕事に従事している方がいらっしゃるということです。特にホワイトカラー出身の会員の方には、こういった派遣という形で仕事をしていただくことが有効なのではないかという考え方ができるのかもしれません。

21 ページの表はシルバー人材センターにおける派遣事業の実施状況ということで、ただいま申し上げた派遣の実施状況です。シルバーの行う派遣事業ですが、就業延べ人員は年々相当伸びているという状況が分かります。今後、シルバー人材センターの派遣事業の展開が期待されるということではないかと思います。

22 ページの図の上のグラフは、ただいま申し上げたシルバー人材センターの派遣事業の伸びをグラフ化したものです。下の表は、派遣事業といっても、どういった分野で仕事をしているのか、活用されているのかということを示したものです。例えば育児支援分野、介護補助分野、小売業・事務分野ということで掲げてありますが、こういった分野の補助業務で発注者から高いニーズが見られるということが言えると思います。

23 ページは 55 歳以上の派遣労働者の推移です。シルバー人材センターに限らず、我が国における派遣労働者のうち、 55 歳以上分について抜き出してグラフ化したものです。 5 年ごとの統計ですが、平成 14 年に 6 万人ぐらいだったところが平成 19 年に 16 万人を超え、平成 24 年に若干減っておりますが、高止まりで、高い水準で伸びてきていたことが分かると思います。特に緑色の所は 65 歳以上を示しておりますが、 65 歳以上の派遣労働者の数がどんどん伸びてきている状況が見て取れると思います。

24 ページはシルバー人材センターが世の中にどれだけ認知されているのかということを、インターネットを通じて調べた調査の結果です。「名前を聞いたことがある」「大体の仕組みを知っている」と回答した人が 55 歳以上の各世代で 9 割前後いらっしゃるということですので、シルバー人材センターは認知度としては高いのではないかと言えると思います。

25 ページはシルバー人材センターを知ったきっかけということで、お尋ねした数字です。シルバー人材センターをどこで知ったかということを聞いてみると、行政・ハローワークでの紹介、その他というところが高い数字を示しております。

26 ページはシルバー人材センターに入会していない理由はなぜですかということで、お尋ねした結果です。結果としては、「組織に所属するのが煩わしい」「仕事をする必要を感じない」という方が多かったという状況です。

27 ページはシルバー人材センターから浮かぶ単語・イメージを多い順に並べてみたものです。上のほうに植木の手入れ、公園の清掃、駐輪場の整理ということで、伝統的なシルバー人材センターの仕事が掲げられていると思います。 4 つ目にボランティアとありますが、シルバー人材センターはボランティアではありませんので、ちょっとイメージが食い違っているところが見受けられます。そのほか、高齢者サークルとか地域社会とのつながりという、地域密着型の事業展開という理念には御理解いただいているのかと思われます。これが全体的なイメージです。

28 ページの図は、シルバー人材センターの会員の健康に関するデータです。これは 3 年前の健康度とか、 3 年前の外来受診回数とか、 50 歳頃当時の日常生活上の支障の有無という観点で、健康であるかどうかを見ていったときに、健康である高齢者のその後の要介護者率を見てみると一般的に低いという傾向があるわけです。つまり、健康である高齢者は、その後、要介護になる方が少ないという当たり前の結果ですが、一般的な傾向があるわけです。それをシルバー人材センターの会員と一般の方とで比べてみたところ、やはりシルバー人材センターの会員のほうが健康の度合いが高いということが言えるのではないかという数字になっております。

29 ページです。シルバー人材センターにおいては、最近、事業の中身について、もっともっと拡大していこうということで、前向きな取組を進めております。具体的に掲げたものですが、職域拡大ということで、育児支援、学童支援、のぼり旗の作成、温石米というブランド米を販売するといったことで、職域拡大を図っているシルバー人材センターがあります。

 就業拡大ですが、例えばスーパーマーケットの各店舗に早朝の対応要員として複数のシルバーから組織的に会員を派遣するという取組をやっている例があります。複写機メーカーの話ですが、複写機メーカーの保守業務について、複数のシルバーから組織的に会員を派遣するという取組も行われております。一定期間に大量の仕事が入って、大量の人手が必要となるという場合がありますが、それに対応してシルバー人材センターが機動的に会員をあっせんしている、派遣しているという例がありますし、特殊で専門的な業務で高スキルの会員が必要だという特殊な仕事を受けた場合に、自分の所のシルバー人材センターで対応できなければ、ほかのシルバーからそれを派遣していくということでマッチングするという取組まで行われています。そのほか、会員拡大ということで、大企業の OB 会への働き掛けとか退職準備セミナーへの参入とか、いろいろな取組が各地で行われているという紹介でした。

30 ページは高齢者活用・現役世代雇用サポート事業という名前で呼んでおり、今年度から始まった事業です。具体的には育児支援分野とか、地域において人手不足である分野について、シルバー人材センターがもっともっと機能していこうではないかということが目的で、こういった職域において仕事を開拓することが重要ですから、その開拓業務を行うようなコーディネーターをシルバー人材センターに置いて、仕事をどんどん拡大し、会員にどんどん紹介していくという取組をしたシルバー人材センターには一定の助成をしていこうではないかという中身になっております。

31 ページの内容は、いわゆる国家戦略特別特区という枠組による規制緩和の案件です。兵庫県に養父市という所がありまして、そこが特区の要望を出してまいりました。中身としてはシルバー人材センターにおいては就業時間の制限が掛かっている。おおむね週 20 時間という制限が掛かっておりますので、それを撤廃して週 40 時間まで仕事ができるようにしてくれという特区要望でした。これは民業圧迫のおそれがない派遣事業については緩和してもよいのではないかということで、現在そういった規制緩和の内容の案件が国会に提案されているということです。

 この関連ですが、 32 ページです。臨・短・軽ということで書いてありますが、今申し上げた養父市の特区の要望の背景となった制限の関係です。つまり、どういうことかというと、高年齢者雇用安定法においては、シルバー人材センターの仕事は臨時的かつ短期的なもの、又はその他の軽易な業務に限るというように規定されております。これが告示及び通達で、具体的には月 10 日以内又は週 20 時間以内という形で制限されて、運用がなされているわけです。この臨時的・短期的又は軽易な業務ということを省略して臨・短・軽と呼んでおりますが、「臨・短・軽」要件について、今後どう考えるのかということが問題になってきているわけです。

33 ページです。このシルバー人材センターの「臨・短・軽」要件について、緩和すべきであろうか、どうであろうかということで、各シルバー人材センターにアンケートを取ってみました。その結果がこの数字ですが、伝統的な請負事業については、過半数のシルバー人材センターにおいて、要件を撤廃してほしい、あるいは緩和してほしいという形で回答が返っております。派遣事業についても同様に、要件を撤廃・緩和してほしいという求めがありました。

34 ページです。このシルバー人材センターの「臨・短・軽」要件では、どのぐらいまで緩和・撤廃をするのが適当かと、各シルバー人材センターにお尋ねしたわけです。その結果によると、臨時的・短期的な業務については、 15 日ぐらいまでということで、多数の回答がありました。軽易な業務については、 30 34 時間、特に内容を詳しく聞いてみると、 96 %が 30 時間と回答しておりますが、そういった緩和を求めるという声が多くありました。

35 ページです。このシルバー人材センターの「臨・短・軽」要件について、なぜ緩和・撤廃を望むのかという背景事情についてお尋ねするとともに、緩和・撤廃をした場合に民業圧迫という心配がなかろうかという点についてお尋ねしました。その結果、全体的に会員が長く就業したいということを望んでいる、あるいは発注元からもっと長く仕事をしてくれという要望があるということで、これが緩和・撤廃を望む主な理由になっているところです。緩和・撤廃を行った場合に、民業圧迫の懸念がないだろうかということですが、ほとんどのシルバー人材センターで民業圧迫のおそれはないと回答を寄せてきているところです。

36 ページです。この「臨・短・軽」要件の緩和や撤廃を行った場合に、シルバー人材センターの会員に就業機会の増加期待が高まる可能性があるわけですが、その期待に見合っただけの仕事を提供することができるのだろうかという観点で、各人材センターにお尋ねしました。その結果、現状で十分対応可能である、就業機会の開拓が見込まれるため大丈夫だということで、回答がありました。以上が今回、用意した資料の説明です。以上です。

○清家座長 次に、今の御説明を受けて、個別の論点の議論に進みたいと思います。まず、事務局から御説明がありました資料に対する御質問、御意見がありましたら、それも併せて御発言いただければと思います。今、議論しているのは、今日、参考資料で配っていただいておりますが、論点4「高齢者の多様な就業の場の確保」について議論を進めているところです。その内容が少し異なる視点の部分もありますので、今日、事務局から説明があった資料の順に従って、まずは「高齢者の多様な就業の場の確保」についてのうち、地域において高年齢者の多様な就業の場の確保・提供が図られるための施策として、どのようなことが考えられるか。もう 1 つは、直前にもお話がありましたシルバー人材センターの機能強化を図るために、どのような施策が考えられるか、という 2 つの論点に分けて議論をしたいと思います。そこで、最初に地域において高年齢者の多様な就業の場の確保・提供が図られるようにするためには、どのような施策が必要かということについて、御意見を頂ければと思います。また、併せて前回、宿題になっていた資料も含めて、今、御説明いただいた資料全般についての御質問もお寄せいただければと思います。どなたからでもどうぞ。

○山田先生 詳細な資料をありがとうございました。私から何点かありますが、まず、今後の大きな流れを考えていきますと、やはり、軽度の要介護者に関しては、地域でいろいろなサービスを提供しなくてはいけないという点です。それから、特に働いている世代にとっては、共働きが過半を超えておりますので、そういったものをどういうふうにサポートしていくか。いずれにせよ、対人社会サービスが非常に重要になってきますので、そちらに対して、どういうふうに高齢者の多様な就業の場の 1 つとして、それを提供するかというのが一番の問題になってくる点かと思います。もちろん、ほかにもいろいろとありますが。

 その中で、 5 ページにあるように、「生涯現役社会の実現に向けた就労のあり方に関する検討会」ですが、そのとき、私も参加させていただいて強く感じたのは、マッチングというのもコーディネーターの話が出ましたように重要ですが、それ以前に非労働力化、一旦引退してしまっている高齢者を、その人たちは非労働力化しているわけですが、まだ社会に貢献したいなど、いろいろと考えていらっしゃる方を、どういうふうにそういった場に引き出してくるのかというのが、結構重要な点だと強く認識いたしました。

 とりわけ、そこでもヒアリングなどを行いましたが、高齢男性で、企業で長く働いていた人というのは地域で活躍しようにも、なかなか出て行きにくい状況があると。そのような

中で、秋山先生から御紹介いただいた千葉県柏市の例というのは非常に感銘を受けました。いろいろと柏市のプロジェクトの面白いところはありますが、私の理解が間違っていれば補足説明していただきたいのですが、とりわけ、そうした高齢者を引き出してくるところ、各高齢者にどういう場がふさわしいか、分類するところに、非労働力化してしまっている高齢者を引き出して、各々にふさわしい場に付けていくという、一連の流れに非常に感銘を受けましたので、もしよろしければ秋山先生から、柏市の事例をこの後もう少し詳しく伺いたいと思います。

 シルバー人材に関してはまた後でということで、取り急ぎそのことと、秋山先生は特にいろいろな他の事例なども御覧になっていると思いますので、どの事例がうまくいかなかったというのはなかなか言いにくいかと思いますが、どの辺がネックになっているのかというのは是非お伺いしたいと思いますので、御知見をお聞かせいただければと思います。私からは以上です。

○清家座長 それでは秋山先生よろしいですか。

○秋山先生 ありがとうございます。御用意いただいた資料の 9 10 ページで簡単に御説明したいと思います。これは千葉県柏市で、柏市役所と UR と東京大学が協定を結んで、長寿社会のまちづくりということで、医療・介護、移動手段、住宅の問題も含めて、長寿社会に対応したまちをつくるという大きなプロジェクトの一環としてセカンドライフの就労プロジェクトに取り組んでいます。

 柏市は御存じのように、典型的なベッドタウンで、長年、都心に通勤をして、住んでいるまちに明るいときにはいなかったような人たちが、突如、定年で退職されて帰られるというケースが非常に多い。これは神奈川、千葉、埼玉のような東京近郊のまちに共通の現象です。

 現在の 60 代の方は、 20 年前の 60 代の方とは、とは随分違います。身体機能も、認知機能も高く、元気なままでリタイアされます。そういう方にヒアリングをすると、皆さんが口を揃えておっしゃるのが、「することがない」「行く所がない」「話す人がいない」ということです。多くの方は家でテレビを見て、ときどき犬の散歩に行くとか、ジムに行くという生活をしています。それには 2 つの弊害があります。 1 つは個人、本人にとっての弊害、家にいて不活発な生活をしていると脳も筋肉も衰え始めますから、健康によくないということです。もう 1 つは、生産年齢人口の減少が懸念される時代に、有能な社会資源であるシニア層を活用しないで、家でテレビを見させているのは非常にもったいないということです。

 そこで立ち上げたのが、セカンドライフの就労事業です。先ほど課長から御説明をいただきましたように、図に示した分野で仕事をする。直事業者と就労者の接契約で、最低賃金の保障を約束しています。このマッチングを事業統括組織でやっています。皆さん生き生きとして働いていらっしゃいます。身体機能、認知機能、人のつながりの変化を測定しています。まだデータを収集中ですが、ポジティブな結果が出ておりますから、個人の健康にとってよいということが 1 つです。

 同時に、私たちが気が付いたのは、リタイアした方の多様性です。 20 歳代の新卒とは違い、均一ではありません。身体機能においても、経済的な状況においても、自由になる時間も 24 時間が全部自由になる人もいれば、介護や孫の世話で、時間が制限される人もおり、非常に多様です。したがって、就労の希望も多様であるということです。

 そこで私たちが平成 25 年の検討会で提案させていただいたのが、多様な高齢者の就労ニーズに対応できるシステム、セカンドライフ支援のプラットフォーム化です。地域の就労機会だけではなく、ボランティア、学習、スポーツや趣味などの情報も提供し、個々人の状況に合わせてセカンドライフの設計を支援する「セカンドライフのコンシェルジュ」を提案させていただきました。

 昨年、それが県を通じて市役所にモデル事業として下りて、柏市役所ではセカンドライフのネットワーク会議を設立し、大学も含めて、関連の団体が入って、企業退職者や子育てを終わった世代のセカンドライフの支援に乗り出しています。今までの棚卸しをする、能力の査定をして足りないものは研修をして、セカンドライフが円滑に歩み出せるように情報を提供をし、相談にのる。個人の希望と地域の機会をマッチングして、うまく走り出すまでの支援をするというサービスです。

 全国 10 か所で、プラットフォームのモデル事業が行われていると聞いております。柏市の場合は元気シニアが立ち上げた一般社団法人が市から事業を委託されていますが、シルバー人材センターが中心になっているプラットフォーム事業もあります。複数のモデルを提示していくのが望ましいと思います。

 このような事業は、自治体の積極的な関与が必要ですし、それを国が後ろからしっかり支えていないと、なかなか難しいというのが私の印象です。柏市役所ロビーでの「セカンドライフ応援窓口」は、昨年の 11 月に開設され、まだ試行段階です。

○清家座長 ありがとうございました。山田先生、よろしいですか。

○山田先生 とりわけ、生涯現役社会でも気になっているのは、先ほど端的な例としておっしゃっていたのは、テレビをずっと見ている、それが日常化している高齢者。もちろん無理に引っ張ってくる必要はないのですが、どういうふうにアプローチしていくのかというのが重要だなと思います。地域に密着している企業だと、退職研修セミナーのような形でできるのですが、そうではなくて、特に都心だと、たくさんいろいろな企業に勤めていらっしゃる方が地域に戻ってくる。その人たちにどうアクセスするのか、というのが非常に大きな問題ではないかと考えております。

○秋山先生 恐らく幾つかのアプローチの仕方があると思いますが、私どもは就労セミナーを合計 8 回ぐらい開催して、約 700 人の方が参加されました。 65 歳になられて、企業でそのまま働き続けられるのもよいけれども、地域にもオプションがあるということで、地域で活躍の場を提供しています。そうすると、多くの人たちは、今まで 30 年経理をやってきたから、柏でも経理をやりたいと、同じ仕事の継続を望まれます。意識改革が必要です。人生 90 年時代、人生二毛作でいこうと、第一のキャリアをこれまでしっかりやったのだから、リセットして、今までやったことのないことをやってみましょうという形で就労セミナーを始めます。

 そうしますと、ほとんどの方は事務職のサラリーマンだった方ですが、農業や、学童保育などは人気のある仕事です。

○清家座長 それでは、ほかに何か御質問や御意見はありますか。

○北浦先生 今の秋山先生の話は本当に感服して聞いておりました。本当に立派な取組だと思います。その上で、 2 つほどお聞きします。 1 つは、仕事の確保の問題が一番難しいのではないかと思っております。シルバー人材センターにも共通しますが、結局、そういう高齢者の方々がコミュニティで行う仕事というのは、もともと例えば市町村などがやって、公共サービス的なものができなくなって、それがこういうニーズになってきているものと。あるいは純粋に家庭がやってきたものができなくなってきているものとか、そんなようなところから発生しているものが多かったと思うのです。

 それに加えて、今、民間圧迫という話が先ほど出ておりましたが、民間のビジネスの中で新しい動きがあるもので、まだまだビジネスとしては限界的な部分があって、あるいは先端的なのかもしれませんが、そういったところを取り組んでいこうと。つまり、今の自然農法みたいな話はみんなそうですが、そういったようなものとか、いろいろ混じっているのではないかと思います。

 いずれにしても、それらの仕事を確保していく流れというのがきちんとできないと、こういう事業というのは永続性が難しいと思っております。その意味で、市町村の役割というのは大きいのかもしれません。

 柏市の場合、例えば保育や福祉といったものは、先ほどの協議会の中から仕事がかなりコンスタントに確保できる仕組みになっているのかどうかという点が 1 つです。

 もう 1 つは、農、食に関しては、これはどちらかというと、単に民業もあるわけですので、そういったような所との関係性において、例えば販路はどのように作り上げていくのか。あるいはどこかのコンビニが提携して、一括買入れをやってくれるとか、そういう枠組みがないと、なかなか永続性というのはできないかと思いました。その辺はお聞かせいただきたいのが 1 点です。

 もう 1 点だけ申し上げますと、これは秋山先生も御指摘になっていましたが、それぞれの所にスキルを持った方々が参加するようなイメージを描いていらっしゃると思います。先ほど「査定」という言葉を秋山先生はおっしゃいましたが、技能やスキルを査定することを、今どんなふうにお考えになっているのか。これはシルバーのほうにもつながる問題で大事な点だと思いますのでお知らせいただければと思います。

○秋山先生 新しい形の仕事を作りました。農業に関しては、農家は高齢化しており、休耕地が増えておりますので、休耕地を開墾して野菜を作る取り組みです。6名の柏の若手農家の方が「柏農えん」という事業体(LLP)を立ち上げて、彼らが雇用者になります。事業は若い人たちが回していて、シニアは自分で時間を決めて働きます。ワークシェアリングでまわしています。私たちは仕事場を作ること、セカンドライフの新しい働き方を作るということをやって、それを両方ともマニュアル化しました。

新しい働き方とは、就労のニーズが非常に多様なので、自分で時間を決めて働く。

 例えば、農業の場合、夜明けから日暮れまで働くのではなく、朝の 5 時から 8 時まで3時間働くとか。トマトの収穫にフルタイムの人が10人必要であれば、30人が3時間ずつ働けばよいのです。 30 代の方が経営者であるネクスファという新しい形の学童保育塾では、ワンランク上の子どもを育てることを目指しています。国際性に富んだ、先端科学技術に興味を持ち、環境に理解を持つ子どもたちです。、その部分をリタイアしたシニアが担っています。商社で長年海外に駐在された方が、英語の授業を担当するとか、長年ロボットの製作に携わった方が、ロボットクラブを作ってレゴでロボットを作ったりして、先端の科学技術に関心を持つような子供を育てる。普通の塾の上にそれを乗せて、新しい形の学童保育を作っています。授業料は少し高いですが人気があり、今 2 か所できています。普通の授業は若い人たちが回しています。高齢者だから雇ってあげるということでは長続きはしません。高齢者を雇用するとビジネスとしてメリットがあることを目指さないと、継続的な事業とはならないと思います。

○北浦先生 そうすると、柏市で若い人たちによってそういった事業がまず行われていると。それがあって、そこにこういうものをマッチングさせるという感じですか。それとも、これと同時にそういう事業興しも一緒にその人たちにもやっていただくという動きを両方作っているということですか。

○秋山先生 柏の場合は、「長寿社会のまちづくり」の一環として事業興しからやりました。新しい仕事場を作ることと、セカンドライフの新しい働き方を作ることを目標にしたプロジェクトを立ち上げました。

○北浦先生 そうすると、その事業も高齢者の方を活用するという目標が入った、いわゆる社会的企業的な形ですか。

○秋山先生 はい、そうです。

○高木先生 セカンドライフと言った場合に、確かに秋山先生がおっしゃるように、就業だけではないということは分かるのです。この仕組みの中で中心に据えられるのが高年齢層の方たちであって、その方たちの生きがいや社会参加、あるいは居場所づくり、健康増進、これを中心に考えてシステムを作っているということであれば、セカンドライフをどのように充実させるのか。その中の一端として就業というものがあるということで、そういった考え方は正しいと思うのです。

 同時に、この仕組みの中では、先ほど北浦先生がおっしゃったように、仕事の職域を広げたり、仕事の受注の幅を広げていくということによって、このシステムが回っていくということがあると思うのです。そうすると、仕事を発注する側の立場にも立たなければいけません。このときに最低賃金の支払いは約束してもらっているということでしたが、それはプロとして時間なり、自分の知識や能力なりを提供することへの対価として謝金を頂くということになるわけです。

 例えば、ここでも「生きがい就労」という言い方をしていて、「就業」という言葉を使っていないわけです。「就労」という言葉には、高年齢者とか障害者が働くときに、就労という言葉が使われがちであって、我々が働くときには、就労という言葉はあまり使わなくて、就業という言葉を使うわけです。

 いまひとつ、セカンドライフの一端としての働きの場合に、一人前の職業人ではなく、半人前の仕事、労働力の提供者といったニュアンスが何となく含まれているような意識があります。そこの辺りを払拭して、例えば、週に 5 時間、 10 時間ぐらいしか働かないとしても、その間はプロの職業人としてこの仕事に従事しているという意識付けがなければ、発注する事業側もより広範囲な仕事を発注しようということにつながっていかない可能性があるので、その辺りの意識変革であるとか、システムを回している人々の意識が必要だと思いますが、その辺りは何か施策というか、お考えはあるのですか。

○秋山先生 そういう意味では、私は就業だと考えております。ただ、時間がそれぞれの方の条件、例えば健康状態、体力、自由になる時間によって違いますが、就業であると思います。給料をきちんともらいますから責任もって働き、評判は良いです。良質の労働を提供することは非常に重要なことであると思っています。

 養父市には私も行きましたが、養父市の場合、休耕地になった段々畑をシルバー人材センターで開墾されて、温石米を作っています。そんなときに、短時間とか、臨時とかいったら労働力が足りません。働くほうも時間があるし働きたいと思っているのですから、正に就業であって、高齢者なのだから短い時間で、しかも臨時でしか働いてはならないということはあってはいけないと思います。

 先ほど山田先生からもお話がありましたが、介護や子育てなど、地域のいろいろなニーズを高齢者が担っていかなければ社会が回っていかないときに、臨時で短時間の制約は大きなネックになると思います。本当の地域の支え手にはなれません。本当に頼りになる働き手が必要だと思っています。

○酒井先生 私の意見は、先生方の意見と完全に重なるので申し上げるまでもないのですが、やはり、仕事の確保、即ち労働需要サイドのことが気になるところです。高齢者への働きかけと同時に、労働需要サイド、企業側への働きかけもやはり重要になってくるかと思います。そういう意味では、掘り起こしということがキーワードになってくるのではないかと思います。

 ただ、その際に、いわゆる生きがいづくりのために仕事を用意しようというふうになってきますと、さほど社会から必要とされないような仕事を作り出してしまうのではないか。結局は、そういう仕事というのは高齢者に対して本当の生きがいを与えることにつながらないのではないかという懸念があります。ですから、社会的な包摂という観点から仕事を提供することを考えるに当たっては、まず、高齢者に対してどのような本当のニーズがあるのかということをきちんと把握していくことが必要になるかなと考えました。

○秋山先生  3 年間のプロジェクトの成果として、セカンドライフの仕事の作り方と働き方という 2 つマニュアルを作りました。仕事の作り方については、ジョブコーディネーターという仕事を開拓する人のためのマニュアルです。企業や民間団体に行って、仕事を分析し、シニアにふさわしい仕事を切り出していくジョブコーディネーターのトレーニングは重要です。彼らが非常に大きな役割を果たします。

 実は現在、そのノウハウを他地域にも普及する第一歩として、柏のシルバー人材センターに移管するという作業を行っているところです。それがどこまでうまくいくか、期待と懸念をしています。シルバーにうまく移管できればほかの地域にも展開できると考えています。

○清家座長 ほかによろしいですか。既にシルバー人材センターのお話も出ておりますが、同じく論点4「高年齢者の多様な就業の場の確保」について、今度はシルバー人材センターの機能強化を図るためにどのような施策が考えられるかということで、先ほど御説明いただいた資料の後半の 15 ページぐらいからに関してまた議論を進めてまいりたいと思います。引き続き、御自由に御議論を頂きたいと思います。

○山田先生 シルバー人材センターは、先ほど事務局からも御説明いただいたように、非常に認知度が高くて、こうした様々な就労の場を高齢者に提供するための重要なプラットフォームの 1 つだと理解しております。幾つか気になった点で、どういう状況かというのを事務局にお尋ねします。

16 ページにシルバー人材センターの現行体制の例があります。中小規模センターの例だと、かなり少ない人数で切り回しているイメージ、大規模センターでも、臨時職員とか嘱託職人などで多人数とか言えないところで切り回しているイメージですが、国庫補助も削られている中で、果たして運営体制というのはどうなっているのか。私もあまり詳しく知らないので、切り回すのがだんだん難しい状況になっているから、先ほど減少傾向とおっしゃいましたが、そうなっているのかどうかということを、お分かりになる範囲で教えていただきたいと思います。

2 点目は、秋山先生からもありましたように、例えばマニュアルのようなものがシルバー人材センターにたくさん普及したらいいですね、という話があって、正にそう思います。シルバー人材センターは、イメージとしては非常によくやっている所と、それほどではない所とかなりばらつきが激しいように思いますが、それは一体どこからくるのか。地域特性というのも大きいでしょうが、それでもいろいろ聞く範囲においては、かなりばらつきが大きいので、一体どのように評価とか、パフォーマンスのエバリュエーションをやって、それを標準化しようとされているのかというのが 2 点目です。

 最後の 1 点は、 35 ページのシルバー人材センターで臨・短・軽ということで何か制約を加えていることで、先ほど高木先生からもありましたように、シルバー人材センターの仕事が、ほかの仕事に比べて、非常に低く見られるようなことがあってはいけないと思います。ですから、会員が長く就業することを望んでいれば、これはむしろ 1 つの就業制約として撤廃していく必要があると思います。会員がより長く就業することを望んでいるような職種があれば、お分かりになる範囲でどういった職種が多いのか教えていただければと思います。

○清家座長 それでは、事務局からお答えいただけますか。

○山田先生 今ではなくて、次回以降でも構いませんので、よろしくお願いします。

○高齢者雇用対策課長  1 つ目の御質問で、国庫補助の中で運営体制が非常に厳しいのではないかというお話がありましたが、確かに平成 22 年度に事業仕分けによって、シルバー人材センターの予算額がかなりドーンと 2 年掛けて落ちた中で、その運営をどうしたかというと、やはり求人開拓する人を削ったり、人件費を削りながら、ある程度運営してきました。今の国庫補助、ここにも金額を書いてあり、一応 2 分の 1 となっていますが、逆に言えば、足りない分というか、それは市町村が多く負担しています。ですから、運営体制的には非常に厳しいというのが 1 つあります。

 それから、シルバー人材センターによって、よくやっている所とやっていない所のばらつきがあるというのは、確かに言うとおりです。

 この理由は公の場では言いにくいのですが、非常にいろいろな発想を持った職員がいて、新しいことにいろいろ取り組んでいこうと思っている所はかなり活性化しています。ただし、このぐらいの範囲の中で会員を回していればいいというシルバーは、その範囲から抜け出せないという部分が非常にあるという状況です。

 そういう中で、一生懸命にとか、いろいろなアイディアを出しているシルバーに近づけていかなければいけないということで、全シ協 ( 全国シルバー人材センター事業協会 ) 辺りは好事例を作って、ここのシルバーはこういう形でやっていますということをやりながら、かなり普及を進めている中で、ある程度そういうシルバーづくりをしていこうということで、今、動いています。ましてや全シ協の中でも、北浦さんが座長をやっていますが、シルバーをどうやって変えていけばいいのかという研究会も、そちらのほうでやっていますので、そういう中で、一生懸命努力をしているところです。 3 つ目は資料がないので、次回に提出させていただきたいと思います。以上です。

○清家座長 それでは、ほかに。秋山先生どうぞ。

○秋山先生 シルバー人材センターの一番大きな問題は、現在、高齢になっている方のニーズに対応できていないことだと思います。 30 数年前にできたときには、そのときのニーズには対応していたでしょう。臨・短・軽で請負で、草取りや駐輪場の管理などは老後のよい仕事だったのだと思います。当時は、人生 60 年と言われた時代で、定年後は何年もなかったわけですから、ちょっと草取りでもしてお小遣いが入れば満足していたと思いますが、今は定年退職してから 20 年、人よっては 30 年、人生がもう 1 つあるときに、同じような請負でできるような、指揮命令が不要な単純な仕事では満足しない。だから、高齢者が非常に増えているにもかかわらず、会員数が増えていないのは、そういうところに原因があると思います。魅力のあるオプションではないのです。シルバー人材センターでも働くぞと思ってリタイアする人はあまりいない。一部の先進的なシルバー人材センターは別ですが。

 シルバー人材センターに大きな改革が必要です。今の高齢者のニーズに合うように機能強化していかなければならないと思います。それを先進的にやっておられるシルバー人材センターがあるので、できなくはありません。私の見ているところでは、 90 %以上のシルバー人材センターは、今まで 30 年間やってきた仕事をそのままやっていればいいのではないの、変えると結構しんどいよねと。仕事を開拓していくのは大変です。知恵を絞って、汗をかくことを拒むのはシルバー人材センターだけでなく、ほかの組織でもそういうことはありますが、非常にもったいないと思います。

 国からも地方自治体からも助成も出ているので、思い切って改革する。国や自治体が明確な指針を示し、インセンティブを付けて改革を推進していただきたいと思います。

3 月末に「柏シルバー人材センター事業に関わる柏市からの提言書」を柏市が柏シルバー人材センターに出されました。数値目標も掲げられ、達成具合によって助成金の調整有りというメッセージが盛り込まれています。このように自治体が明確な関わり方をすることが必要なのではないかと思います。

○高木先生 先ほどから出ているシルバー人材センターでの仕事が、センターに登録している会員のニーズに合ったものがなかなかないのではないかと思うのです。そこが対応できないということで、就労と言われる身分のやや低い働き方という認識を受けることがあるということだと思います。

 事務局からのシルバー人材センターに関する後半の説明で、これをそのまま取ると、多くの仕事の受注があるのだが、現在、時間や日にちだとかそういったところの制約があるために、これに対応し切れない。だから、要件を緩和・撤廃する希望が出ているということですが、多くの仕事の発注であっても、その中身が、例えば清掃とか草むしりといったものだけであるのなら、この先にシルバー人材センターの明るい未来というのが、あまり描けないのではないかという気がするのです。

 しかし、シルバー人材センターは 65 歳以上の方たちが会員として登録している場合が多いということですが、高齢社会の雇用・就業のグランドデザインを描いた場合に、 65 歳までは従来企業で働いていただくことを基本として、このときはこの方たちが蓄積してきた知識、技能を提供することで働き、適正な賃金を受けとる。そしてその後は完全なる引退生活にソフトランディングするために、その中間的な働き方として、例えばシルバー人材センターとか、「地域の人づくり」といったシステムの中での就業があるということだと思います。しかしこれに参加していただくことになると、今度はそこでの働き方が、 65 歳までの就業と同じように、彼らの知識・技能をうまく活用する形の仕事をシルバー人材センターがどうにか取ってきて、そこに従事していただくということになった場合に、センターでは民業を圧迫することの懸念も同時に考えなければいけないということになります。おそらくそこでのぶつかり合いがあるのだと思います。

 民業圧迫がどの程度のボーダーのことを指しているのか。この兼ね合いを考えていかなければ、シルバー人材センターに登録している会員たちのニーズに即した就業の機会を提供することができていかないのだろうと考えています。

○清家座長 ほかに御意見はありませんか。課長からお答えになりますか。

○高齢者雇用対策課長 今お話があった件ですが、結局、なぜシルバーにおいて、こういう臨時的かつ短期的、ましてや軽易な業務にしているかというと、国から補助金ないしは地方公共団体から補助金を出しているというのが一番根底にあります。要は補助金を出している上で、同じような仕事を民間とやった場合に、「国から補助金が出ているからお宅は安くできるのだ」という観点がよく言われます。ですから、よくぶつかるのは造園、襖張りなどの中で、民間業者とあつれきを生んだりということは、地方地方で結構出てきております。

 そういう中で臨・短・軽の問題、もっと時間を多く働きたいという部分が往々にして要望として、我々のほうにもかなり挙がってきていますので、その辺をどう見直すかというのは、これからの 1 つの検討課題かと思っています。

○酒井先生 私からは質問になってしまいますが、まず先ほどシルバー人材センターの会員の年齢層について示していただいたのですが、そのほかにもどういう動機から、シルバー人材センターの会員として登録しているのかといったことが資料としてあれば、今後、更に人材の掘り起こしを進めていく中で有益な資料になってくるのではないかと思いました。

 もう 1 点は私がよく分かっておらず、申し訳ないのですが、シルバー人材センターでは、何らかの技能訓練を会員に対して行っているのか。そのような実情について御存じでしたら、教えていただきたいと思います。

 と言いますのも、今後、シルバー人材センターの事業をどの程度拡大すべきかという議論は置いておいたとしても、もし事業を拡大するとすれば、サービスに対するニーズを満たさなければいけないだろうと思うからです。その際に重要になってくるのが、このような会員に対する何らかの技能訓練かと感じた次第です。

3 点目は、本当にないものねだりになってしまうかもしれませんが、先ほどシルバー人材センターの認知度について示していただきました。すごく有益な資料だったと思います。ですが、更に言えば、 55 歳未満の人びとの認知度についても分かったら、なおいいのではないかと思います。と言いますのも、先ほどから言っていますように、サービスに対するニーズという観点からで、例えば 30 代、 40 代の子育て世代が、家事の代行などをシルバー人材センターでも請け負っているということを知っている人が果たしてどのぐらいいるのかというところが重要になってくるかと思うからです。そういう意味で、そういう資料が今後、あったら有り難いかと感じた次第です。

○清家座長 今、もしお答えできるものがあればお願いします。

○高齢者雇用対策課長  1 つ目の入会の動機の経路というか、どういう目的で入ってきたかということですが、一番多いのは健康維持・増進、 2 番目が生きがい・社会参加でシルバー人材センターに入ってきたという状況があります。

 シルバー人材センターの訓練の部分ですが、今も補助金の中で、ある程度能力を付与しなければいけない部分については、講習的なもので会員に対してはやっています。特に今回、今年度から始める例えば家事補助、介護補助といった部分については、学童も含めて、ある程度一般でも何十時間か同じような教育をしなければいけないということで、別にそのような講習を行うことを、今回ちゃんと組み込んでおります。それから、 55 歳未満の認知度ですが、今後検討させていただきたいと思います。

○山田先生 今いろいろな委員の御発言を聞いていて 3 点ほどコメントとして補足させていただきます。高木先生から、シルバー人材センターというお話で、 65 歳までは企業で、 65 歳以降はシルバー人材センターということでしたが、私が聞き違えていたら御指摘していただきたいのですが、 65 歳で区切る必要はないと思います。シルバー人材センターというのは、あくまでも多様な就業の場の 1 つであって、可能ならば健康寿命の延伸とともに、企業という雇用の場で働ける能力を持った人は、バリバリ働き続けていただくことが、今後の健康寿命の延びを考えたときに、必要と思います。ですから、シルバー人材センターというのは、今日の論点4にちゃんと書かれていますように、高齢者の多様な就業の場の 1 つとして捉えるべきではないかというのが 1 点目のコメントです。

2 点目については、民業圧迫、これは厚生労働省サイドとしては細心の注意を払っていろいろ考えておられると思ったのです。確かに造園、襖張りという例については、民業圧迫というのはあるかもしれませんが、対人社会サービスは完全に民間市場に任せていた場合は非常に高額につくと。我々のような中低所得者には手が届かない値段になってしまうと言われています。例えばアメリカなどがそうです。良い保育サービス、良い学童みたいなものを手に入れようとすれば、ものすごく高いお金を払わなければいけない。一般の人には手が届かない値段になってしまう。ですから、対人社会サービスに関わる限り、あまり民業圧迫ということで主張してしまうと、今度はそのサービスを需要している側が満たされないということになりかねないので、そこに関しては民業圧迫というのは、あまり気にされることはないと思います。

3 番目は酒井先生の御指摘の点と関わり、福祉課長の答えにもあったと思いますが、前回の研究会で、これも対人社会サービスに関するところで、使う側にとっては今は NPO とか、多様な担い手がいますが、それでも準公的なところがある程度そのサービスを提供しているというので、安心感を持って使えるという発言がありました。

 対人社会サービスについては研修を受けるなど、かなりきっちりした仕組みを作っているとおっしゃいましたが、それを対外的にも示していく。ちゃんとこういう研修を受けて、ちゃんと認定を受けているということを出していくというのは、対人社会サービスを使う側からしたら、非常に重要かと思います。

 補足的に言えば、私の同僚もシルバー人材センターから、遅くなったときにはお迎えとか、どうしても残業しなくてはならないときのつなぎなどに利用しておりますので、少なくとも私の周りの 40 代では認知度があるように思います。

○清家座長 全シ協でも、いろいろ研究会などをされておられるので、北浦先生には少し幅広くお話をお願いできますでしょうか。

○北浦先生 委員として参加しておりますので、そういった観点も含めて申し上げたいと思います。シルバー人材センターの現状については、先ほど体制の話が出ましたが、本当に少ない人数で頑張られていて、事務局の方がどれだけ頑張るかが、シルバー人材センターの活発度を表し、その辺に関連性が高いという面はあります。

 とりわけ一番重要なのは、仕事の掘り起こしという部分で、秋山先生がおっしゃったようなところがあるわけです。そのためにはもっともっと人が増えないと、なかなか難しいのではないかと思うところで、今、一生懸命関係機関との連携の中でおやりになっているのが現状だと思います。

 まず、今後の発展性としては、前段の話のような地域の連携の中の体制の中でのシルバー人材センターの役割に位置付けて発展していくというのは 1 つの方向性としてあるのではないかと思います。それはまず全体的な話です。その上で、 2 3 申し上げたいと思います。

1 点目は臨・短・軽の話です。要望も非常に強くなっておりますことを考えれば、これについて答えていく必要があるのかなとは思っております。これは経緯的なところで見てみると、秋山先生がおっしゃったように、 30 年前の臨・短・軽がなぜ出てきたのかということで、先ほど国庫補助の話も出ましたが、実はシルバー人材センターは一体何かというと、生きがい就労なのか、福祉的な労働なのかといった議論がある中で生まれた。つまり、労働と言っても、限りなく福祉との接点にあるような労働だという 1 つの理念みたいなものがあって、最初からやっていらっしゃる方はシルバー人材センターの中でも持っていらっしゃる方もおられます。

 それはそれで非常に大きな役割を持ちますが、重要なことは 30 年前の状況と、今の状況との差を見ることがあります。そうすると、何が決定的に違うかというと、高齢者の労働力率が、 60 歳以上あるいは 65 歳以上の労働力率が圧倒的に上がってきています。それは定年延長なりがあって、現役的な働き方の世界がこれだけ盛り上がっている中でのシルバーの見方が 1 つあるだろう。

 もう 1 つは仕事の面においても、おっしゃったような対人サービス的なものが、当初のシルバー人材センターの需要先は、どちらかというと家庭が多かったのだと思います。それがゆえに割と中途半端というのはおかしいのですが、民業では扱いにくいような部分で、しかし、今は家事サービスも民業があるわけですが、今や、それは家庭ばかりではなく、企業も含めて、様々な分野の中から確保する形になっています。それの性質はみんなサービスということですので、おっしゃっているように、どれだけ必要なのかというサービスの需要はある程度伸びている部分があるわけです。

 もう 1 つ考えなければいけないのは、供給ができるとサービス需要が生まれる。つまり、こういうことができますということがあれば生まれるという傾向もありますので、その辺において民業圧迫論も性質的には少し変わってきたところがあるのかと思います。そういった流れがあります。

 さらに、会員の中で健康であり、生きがいということもあるのかもしれませんが、配分金ももう少し持っていたいという要望があることも事実だと思います。そうしますと、限りなく現役的な働き方との接点が段々に近づいているところがあります。ですから、シルバー人材センター自体をもう少し幅広に、様々な機能を持ったセンターとして位置付けていくことが大事ではないかと思っています。

 その意味でシルバー人材センターの在り方として、ちょっと気になるのが補助金の議論です。補助金があるから安くやれているのだみたいな議論がありますが、私はシルバー人材センターはマッチングの仕組みであると考えています。地域におけるそういった高齢者のニーズと仕事のニーズと、もともとそういう発想であるはずで、マッチングのための補助金であって、別に事業を安くせんがための補助金ではないということです。むしろマッチングのための装置を安定的にさせるためのものである。そういった意味ではもっとあったほうがいいのかなという議論もあって、財政的制約の中で考えて、いろいろ議論されるべきだと思いますが、マッチングの仕組みを大事にしていくことは大事だろうと思います。

3 つ目は、そのときに現役的なということになると、今の請負という考え方だけでは限界がある。現実に派遣事業に手を出しているわけですが、先ほどもありましたが、雇用関係である程度の時間を持ってやる、あるいはある組織の中に入ってやるというケースが出てきますので、そういった場合のために派遣事業をもっとスキームとして整理をしていくことも重要だろうと思います。これは現実に既に手掛けられているところがあります。

 それはなぜかと言うと、現実に請負一辺倒でやってしまうと、労働関係としては、やや疑問を呈するケースも出てくるわけです。雇用関係で整理をしないとまずいようなケースもあるわけです。そのようなことも考えて適正な働き方をするためにも派遣事業でやるべきものは派遣でやり、請負でやるべきものはやるという整理の仕方があるのかと思っています。

 そのような意味において、派遣事業的なもの、請負であっせんするもの、ある程度本当に生きがい的なものも持っていてもよろしいのかもしれませんが、いろいろなものを持った総合デパートみたいな形にシルバー人材センターがなれればいいと思いますが、そんなことになりますと、事務局は本当に大変になってしまいますので、その仕組みを、 1 つは事務局体制を市町村も含めて、どう充実させていくかというのは大きな問題としてあると思いますし、そのときに国としての援助の役割もあると思います。もう 1 つは地域の連携の姿を作ることで、そこの部分をサポートする所をいかに作っていくかが大事だろうと思っています。

 最後にもう一点だけ申し上げますと、仕事のあっせんというか、マッチングということなっていますが、実は事業を創造するという試み、作り上げていくという試みもシルバー人材センターでは結構行われています。既にこれは地域ニーズ対応事業という形でやられておりますが、提案型ということで地元でこういう事業ができるではないかという提案をして、それをシルバー人材センターが事業化していく。これはどこかの会社がやってくれればそれはそれでいいのですが、どこもやる所がないということでシルバー人材センターの中でそれを提案して事業化していくという試みをやっていく。福祉関係もありますが、環境整備の問題、教育事業も含めて、多種多様なものがありますので、そういった自主的に提案して事業を作っていくというパターンもシルバー人材センターの 1 つの在り方として既に行われていますが、こういったところも広げていくことによって、またシルバー人材センターが地域の大きな雇用機会、就業機会の提供者になっていけるのかと思っています。

 それで私が思っていたのは、全米高齢者協会 (AARP) の例です。 AARP は技能登録をして職能制を採っていたのです。それをいわばマッチングするような形で、例えば会社づくりを行うということもやっているケースがあります。 AARP 的な仕組みを初期の段階では勉強していたときもあるわけです。そんな例も考えてみますと、技能を持っておられる方、あるいはそれを活かしていくという道筋として、個々の会員だけではなく、何人かが寄り集まって、その力でやっていく。先ほど申し上げた新しい事業を興していく、提案していくというのはそんなことでチーム的にやっておられるのもあります。宮仕えという形ではなく、自主的な形で集まって、チームを作るのはよろしいのだと思いますので、そういったことも含めて広げていくことが必要ではないかと思います。以上です。

○清家座長 ほかによろしいですか。シルバー人材センターは、確かにニーズとして、もっといろいろなこと、あるいはいろいろな働き方ができるようにというのは、仕事を頼むほうからも、仕事をするほうからも出てきているのだろうと思います。

 しかし、一方でそれが進んでいくと、北浦さんが言われたように、つまり従来の雇用労働とどこが違うのですかという問題が必ず出てまいります。それは単にそういうことをやっている業者との民業圧迫の問題もさることながら、他の労働者の労働条件に与える影響です。つまり、これはパート労働などについても同じですが、例えば雇うほうが同じ仕事でもシルバーで雇うと、社会保険等の適用も含めてコストが安くなるのであれば、そちらを選ぶということがありますと、国の制度自体が雇用の在り方を歪めてしまうという問題も起きます。

 それは突き詰めていえば、釈迦に説法ですが、要するに労働者性の問題をどう考えるかということになります。請負の仕事と他人に雇われてやっている仕事が同じようなものなのか、一方には労働者性があり、一方にはそれがないということを、どのように考えたらよいかという問題が出てきますので、シルバー人材センターという理念に立ち返ると、確かに間違いなく臨時・短時間・軽労働という概念が 30 年たった今、そぐわなくなっている部分も出てきていることは確かなのですが、だからと言って、普通の雇用と同じですということになると、そもそも、では、なぜシルバー人材センターという形でやっているのでしょうかという話にもなります。

1 つは、北浦先生が言われた新しい職域を創造していくという分については、そういう問題は比較的少ないでしょうし、ここは微妙なところでしょうが、山田先生が言われたような、例えばこれから地域包括ケアといったものを実現してかなければ日本の社会がもたないという社会的合意形成があり、そういう中でそういったものを実現させるためには民間事業者も含めてシルバー人材センターなどもしっかり協力していかなければ、これから日本の社会をもたせるために必要な育児の支援も含めて、それが実現できないといった場合、それに対して国が一定のサポートをした事業者が、そこのところもしっかり担っていくことがあるのかもしれません。

 もう 1 つ言えば、介護とか育児支援というのは、なかなかサービスの質の担保というか、民間事業者だけに任せておくと、もちろん一定の基準があってそういう事業をやっているわけですが、質の担保がおぼつかないようなときに、シルバーが適任かどうかは別として、先ほど山田先生が言われたような一定の公的な機関が提供するサービスというところで、サービスの最低許容水準というか、最低限必要なものが担保されている、あるいはそれがスタンダードになっていくということもあり得るのかなと思います。

 いずれにしても、シルバー人材センターの在り方というのは、少し考えていかなければいけない。そのときに山田先生が最初にポイントとしておっしゃったことですが、シルバー人材センターというのは、これから高齢化が進む中で、高齢者の就労を進めていく中で、そういう就労の 1 つのオプションというか、選択肢として確保しておくものなのかなと。そういう面ではこれから議論しなければいけないのですが、シルバーの仕事の量を拡大するのがよいのか、あるいは規制緩和なども含めて内容というか、質をより高めていくのがよいのか。シルバー人材センターの会員が減っているという統計もあったわけですが、シルバー人材センター事業者としては良いとは言えないのかもしれませんが、高齢者雇用の全体を考える際には、それでも良いと考えるのか。つまり、それは高齢者の本格的就労が、北浦先生が言われたように、 60 代前半は本格就労になってきた、 60 代の後半もそういうものが増えてきた。その反映としてシルバー人材センターの会員が減っているとすれば、高齢者の雇用全体を考えた場合には、それは必ずしも困ったことではないわけで、その場合はシルバー人材センターの役割をより高度なものにしていくという形でシルバー人材センターの在り方を考えていくということもあると思います。その辺は少し幅広く検討していくのがよいかと思いました。よろしいでしょうか。

 事務局におかれましては、幾つか資料の御提出の宿題もありました。それから、今日出た臨・短・軽の問題は、実はシルバーの事業の本質的なところですので、そんなに簡単に答えが出るものでもないかもしれません。事務局においても少し御検討というか、頭の体操をしていただいて、また論点なども必要であれば出していただければと思っています。よろしくお願いします。

 それでは、本日の検討会は以上といたします。次回以降の日程については、事務局からよろしくお願いいたします。

○雇用開発企画課長 次回は 4 17 ( ) 10 時から 12 時までの開催を予定しております。議題としましては、各企業、シルバー人材センター、自治体から高年齢者の就業に関する取組について発表を頂きまして、適宜御議論いただく、いわばヒアリングを考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

○清家座長 それでは、本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。以上で終了といたします。


(了)

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