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2015年2月26日 社会保障審議会障害者部会(第60回)議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成27年2月26日(木) 16:00~


○場所

TKPガーデンシティ御茶ノ水3階カンファレンスルーム3C
(東京都千代田区神田駿河台3丁目11-1 三井住友海上駿河台新館)


○出席者

駒村康平部会長、阿由葉寛委員、石野富志三郎委員 石原康則委員、伊藤たてお委員、大濱眞委員、小澤温委員、河崎建人委員、菊池馨実委員、朝貝芳美委員、久保厚子委員、佐藤進委員、竹下義樹委員、橘文也委員、玉木幸則委員、藤堂栄子委員、中板育美委員、中村耕三委員、野沢和弘委員、日野博愛委員、広田和子委員、本條義和委員、森祐司参考人、野々垣聡子参考人、原田勉参考人

○議事

○駒村部会長

 こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから「第 60 回社会保障審議会障害者部会」を開会いたします。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、また足下が悪い中お集まりいただきましてありがとうございます。初めに委員の交代がありましたのでお知らせいたします。全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝芳美様です。朝貝様、御挨拶をお願いいたします。

 

○朝貝委員

 諏訪にあります医療型障害児入所施設信濃医療福祉センター理事長、所長をしております朝貝と申します。前任の君塚先生の代わりに、今回、全国肢体不自由児施設運営協議会の会長として出席させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 議事に入る前に質疑の時間について、いつも申し上げていることですが、久しぶりですので、また改めて一言申し上げたいと思います。まず事務局においては、資料の説明はできるだけ完結に要点を押さえた説明になるようお願いします。また、委員におかれましても、より多くの委員の御発言の機会を確保するために、できるだけ完結に発言いただきたいと思います。引き続き円滑な会議、運営に御協力をお願いいたします。それでは、委員の出席状況と資料の確認をお願いします。

 

○川又企画課長

 本日の出席状況ですが、伊豫委員、大原委員、松本委員、樋口委員から御都合により欠席の御連絡をいただいております。また、遅れている先生がいらっしゃいます。また、清原委員の代理として、野々垣参考人、小西委員の代理として、森参考人、湯崎委員の代理として、原田参考人に、それぞれ御出席いただいております。

 続いて、資料の確認をいたします。資料 1 、平成 27 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要骨子版。資料 2 、平成 27 年度障害保健福祉部予算案の概要。参考資料、平成 27 年度障害福祉サービス等報酬改定概要です。それでは、駒村部会長にお願いいたします。

 

○駒村部会長

 それでは、議題に入ります。まず事務局から平成 27 年度報酬改定の概要について資料の説明をお願いします。

 

○田中障害福祉課長

 私から報酬改定の御報告をいたします。資料は資料 1 、それから参考資料に改定の概要を付けておりますが、基本的には資料 1 に基づいて説明いたします。

 平成 27 年度の報酬改定ですが、従来、この部会にも数度にわたって報告を行わせていただきましたが、報酬改定検討チームの議論、それから予算編成過程での議論を経て、報酬改定検討チームで 2 12 日に取りまとめを行い、まとまるということになりましたので、その概要を本日説明させていただきます。

 資料 2 ページに大臣折衝事項ということで、年明け 1 11 日の大臣折衝の内容について資料に載せております。障害のサービス、報酬改定の改定率は± 0 %とすることとされました。ここに至るまでには、いろいろ新聞報道などもありましたし、特に障害について収支差率が高いのではというような議論もあったところですが、やはり最終的には障害福祉サービスを巡るその現状、諸事情を踏まえ、このような結論に落ち着くこととなっております。

2 パラ目にありますが、介護と並んで月額+ 1.2 万円相当の処遇改善加算の拡充。それから各サービスの収支状況や事業所の規模等に応じたメリハリをつけて対応するとなっております。

3 パラ目は、大臣折衝においても、経営状況の判断をする参考となる経営実態調査ですが、より現場の経営実態をきめ細かく把握できるように、次回の調査で報酬改定や改善に向けて検討するとされております。

 これらを踏まえて具体的な報酬改定ですが、概要は 3 ページ以下となります。まず全体像、 1 ページです。今回の報酬改定の基本的な考え方について、大きく 3 つの柱に分けています。 1 番目が福祉・介護職員の処遇改善、 2 点目が障害児・者の地域移行・地域生活の支援をするために充実を図ること。 3 点目はサービスの適正な実施等ということです。

 まず 1 番目の柱は、職員の処遇改善です。先ほど申し上げた大臣折衝においても、介護と同様に、更なる改善を行うための加算を設けるとされております。

 具体的には 3 ページです。「福祉・介護職員処遇改善加算の拡充」と一番上にあります。現行の加算は維持しながら、更なる上乗せ評価ができるような区分。現行は 1 5,000 円の区分になっていますが、これに加えて+ 1.2 万円を足して、 2 7,000 円相当の新たな区分を創設するということです。この新たな加算の算定要件としては、資料にあるように、これまではどちらかでよかったキャリアパスの要件のいずれをも満たしていただくこと。また、定量的要件については、平成 27 4 月以降に新たな取組を行うことにしております。

 処遇改善加算、介護保険と同様の仕組みですが、大臣折衝などにおいても、加算の拡充が確実に処遇改善につながるように執行の厳格化を行うこととされており、現在、届出様式等々について見直しを検討しております。なお、現行の加算の仕組みは維持するということですので、現行の加算については、要件も含めてそのまま維持されるということです。

 また、併せて 3 ページ目の下ですが、福祉専門職員配置等加算ですが、専門職員の配置割合が高い事業所をより評価することで、新たに 35 %以上の区分を設けるということです。

 次は、地域生活支援をするための充実ですが、大きく 3 つあります。 1 点目は、重度であっても可能な限り身近な場所において、日常生活を営むことができるようにするということです。

 主なものについては、 10 ページです。グループホームの関係ですが、重度であってもグループホームで支えられる観点で、一番上ですが、基本報酬の充実については、支援区分 4 以上について報酬を引き上げるということ。それから夜間支援等体制加算の見直しということで、夜間支援体制についても、現行、 4 人未満の区分はありませんでしたが、 2 人、 3 人といった区分を設けて、 1 人が少人数を支援する場合が適切に評価できるようにすること。

11 ページは重度障害者支援加算です。現行、重度者が 2 名以上の事業所の体制加算ですが、これを 1 人以上の場合の当該対象者に対する加算に見直しして、単位も大幅に引き上げるということです。これはグループホームにおいても重度者を支えられるように報酬の充実を図るという観点からの改定です。なお、個人単位の居宅介護の利用については、平成 30 3 31 日まで経過措置を延長となります。

11 ページの自立訓練の部分ですが、自立訓練については、通所による訓練の利用だけでなく、訪問による訓練の利用者も可能となるように算定要件を見直すことにしております。

 少し飛びますが 15 ページです。計画相談ですが、手厚い人員体制により、質の高い計画相談を行う事業所を評価するということで、 1 番目、 5. の相談の 1 番目の○にありますが、特定事業所加算の 300 単位を新設をするとともに、その下の初回加算の所ですが、障害児相談については、保護者の障害受容の観点から、特に初期段階に業務負担があることを評価をして、 500 単位の初回加算を新設をすることにしております。また、モニタリングの頻度についても利用者の状態等に応じて、柔軟に設定できるようにすることとしております。

16 ページは地域移行支援です。特に精神病院からの退院を促進するために地域移行支援について、初期段階における業務負担を評価するために、初回加算の 500 単位を設けるということが一番上です。

 その下の○の 2 つですが、サービスの体験利用について支援の開始日から 90 日以内に限るといったような利用の制限は廃止をして、より体験利用が柔軟に行えるようにするとしております。

 次の柱が、個々の障害特性の配慮、それから就労に向けた取組 8 ページに戻っていただきます。個々の障害特性に応じた支援の強化ということで、行動障害ですが、その支援を適切に行えるようにするために、平成 25 年度からは基礎研修、それから平成 26 年度から実践研修の実施をしております。施設入所支援、それからグループホーム、短期入所等において、行動障害がある方に対する支援を、より適切なものとして充実していくという観点から、加算を見直しして、強度行動障害支援者養成研修を受けた方の支援を評価をすることとしております。

 具体的には 8 ページの施設入所の所を御覧いただくと、重度障害者支援加算については、現行の体制加算から研修修了者を配置する場合の体制加算と、それから具体的に行動障害がある方を研修修了者が支援する場合の個人加算に見直すとしております。なお、研修の実施状況などに鑑みまして、一定の経過措置を設ける予定です。

9 ページは短期入所です。短期入所も、重度障害者支援加算について研修修了者が支援を行う場合、 10 単位の上乗せということです。

10 ページは、重度障害者支援加算の見直しということで、 10 単位の加算です。なお、短期入所については、緊急時の受入れが進むように、過去 3 月加算を算定しなかった場合、続く 3 月の算定ができないといったような要件の緩和をするとともに、受入れ初日に対する評価に重点化して加算単位の引上げを行うことや、医療連携加算についても引上げを行う。それから単独型事業所についても、一定の上乗せを行うとしております。

12 ページは就労の関係です。就労支援については、しっかりした支援を行って、就職実績、それから定着、また工賃の向上といった成果を出すことができている事業所をより評価をする。成果の上がらない事業所については、その反対の評価を行うといったようなことを基本的な考え方として、報酬の改定を行っております。

 まず、就労移行支援ですが、 1 番目の○の就労定着支援体制加算、新設ということですが、これまでの加算を見直しをして、 6 月以上1年未満、 12 月以上 24 月未満、 24 月以上 36 月未満に分けて、ここまで定着が評価をできるようにする見直しを行うものです。

 その下の 13 ページの○の一般就労への移行実績がない事業所の評価の見直しですが、就労移行支援、一般就労へ移行していただくことができるように支援をすることを目的とするサービスですが、依然、移行者を出していない、出せていない事業所も存在します。このために一般就労への移行を一層促すということから、移行実績がない事業所については減算を強化するとしております。

 次に就労継続支援 A 型ですが、 A 型についても短時間利用について種々御意見があったところです。現行の減算を強化する形で、 14 ページを御覧いただくと、点線の中にありますが、利用者の平均利用時間に応じて、 1 5 時間未満の場合からを対象に時間に応じて減算率を適用するなどとしております。

 就労継続支援 B 型ですが、 B 型についても、工賃の向上に積極的に取り組んでいただく事業所を、また、より高い工賃を実現する事業所をより評価することで、目標工賃達成加算の見直しにあるように、現行、最低賃金の 3 分の 1 以上の区分に加えて、 2 分の 1 以上の場合の区分を設け、併せて算定要件についても見直しをして、加算単位を引き上げる形での改善を図ることとしております。

 なお、就労系サービス全体を通じて、施設外就労については、 1 人ユニット 3 人以上という制限がありましたが、その制限については緩和をすることにしております。

 最後、 16 ページは、障害児支援です。障害児支援については、支援の質を確保しながら、家族に対する相談支援の充実や、重症児に対する支援の充実を図るというような観点から改定を行うこととしております。

 まず、 16 ページの障害児の通所支援ですが、児童指導員等、一定の要件を満たす職員を配置、加配する場合に重点化をして、報酬上、より評価をするということとしております。

17 ページの 2 番目の○の家族の支援ですが、これまで、家庭を訪問しての支援を通所サービスと同日でない場合のみ評価ということでしたが、通所サービスと同日でも算定できるようにするとともに、新たに月 1 回事業所における家族の支援についても評価の対象とすることとしております。

 それから、関係機関連携加算ですが、保育所等と連携する場合、必要な連絡調整を行う場合を評価するための関係機関連携加算、 100 単位の新設をすることとしております。

18 ページは、重症児の関係ですが、重症心身障害児の場合、なかなか一般施策での受け入れが難しいというようなこと。それから、手厚い体制での対応が必要であることを踏まえて、まず 1 番目の○ですが、延長支援加算について、加算の引上げを行うこと。それから、 2 点目の○ですが、送迎加算の拡充ですけれども、手厚い人員配置で送迎を行う場合について、送迎加算の形で評価をすることとしております。

19 ページの一番下、障害児入所支援の所ですが、障害児支援についても、行動障害の対応を強化するために、研修修了者を配置する場合に評価することとしております。

20 ページは障害児の入所についてです。医療型障害児入所施設において、有期有目的入所を評価するために、基本、 90 日間に手厚い有期有目的入所に係る基本報酬の区分を新たに設定することとしております。

 このほかのものとして、 4 ページに戻っていただくと、四角の箱では 3 つ目、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算について、居住系サービスにも対象の拡大をする。それからその下の送迎加算ですが、都道府県独自基準による扱い自体については廃止させていただきますが、一方、送迎人数等の緩和を行って新たな区分を設ける。それから、一番下の○の居宅以外に最寄り駅、集合場所までの送迎についても加算の対象に追加するとしております。

5 ページは、物価の動向の反映です。地域区分については、障害児のサービスについては、地域区分を見直します。障害者のサービスについては、前回の改定による経過措置が終了し、新区分に移行するのが平成 27 年度からとなりますので、このようなことも踏まえて、今回の障害者サービスについては地域区分の見直しは予定しておりません。

 こういったようなところが充実する内容ですが、最後にサービスの適正な実施ということで、先ほど就労支援の所でも御説明いたしましたが、就労移行者がゼロの場合の減算の強化、 A 型の短時間利用の減算の強化のほか、生活介護の開所時間減算について、現行 4 時間までの減算を広げて、 6 時間までを対象に減算を行うことにしております。

 具体的には 8 ページです。生活介護の基本報酬の見直しと開所時間減算の見直しの部分です。また、食事提供体制加算についても、経過措置自体は延長しますが、単価については見直しをしております。

 また、このほか、改定率が± 0 %となったことを踏まえて、小規模な事業所が立ち行かなくなることがないように、また、障害が重い方の受入れにも配慮しながら収支差を勘案して、一定のサービス、療養介護、生活介護、就労移行支援、 A 型と B 型、センター以外の児童発達支援、放課後デイサービス、福祉型の障害児入所支援ですが、基本報酬の減額を行わせていただいております。

 また、居宅介護ほか、一部、介護保険と単価をそろえているサービスがありますが、こういったサービスは、介護保険における報酬単価の引下げを受けて、同様の引下げを行っているところです。

 一方で、同様に訪問系サービス 6 ページですが、介護保険と並び訪問系サービスにおける共通的事項として書いていますが、介護保険と並んだ特定事業所加算の 5 %を新設することとしております。

 そのほか、国庫負担基準について、重度障害者の利用実績を考慮し、重度訪問介護等の利用者の割合が 5 %以上の市町村の国庫負担基準額をかさ上げするとともに、補足給付についても、基準費用額の見直しを行うことにしております。

 なお、これが今回の報酬改定の概要ですが、今後のスケジュールとしては、現在こうした内容でパブリックコメントの手続きを進めております。今後これも踏まえて、告示の改正、通知の改正のほか、新設の加算等については、具体の取扱いなども詰めてお示しできるようにする予定です。資料ページがあちこちにいって、大変恐縮でございます。以上、御報告させていただきました。

 

○駒村部会長

 それでは、皆様から御質問、御意見がありましたらお願いいたします。なお、御発言についてはできるだけ簡潔に 2 3 分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

○竹下委員

 竹下です。 2 点質問いたします。 1 点目は、今、改定の率のポイントの御説明を課長から頂いたのですが、 1 2 の改善ないしは増額した部分と、 3 で減額した部分、即ちプラマイ 0 にしているわけですから、そのプラマイ 0 になった概数を教えていただけますか。単的にいえば、 3 の部分で減額した額が何百億で、 1 2 が何百億なのかという概数です。これが 1 点目の質問です。

2 点目は、今回の改定に当たって、その前提としてワーキンググループが用いた基礎となる統計についての質問です。私が途中でも質問したこともあるとは思うのですが、今回の事業所調査において、実態を反映させるための十分な統計が得られていなかったのではないか。小規模事業所や事業の形態による、形態というのは例えば幾つかの事業を併存的に指定を受けてやっている事業所と、単独で事業を行っている事業所といった累計なりカテゴリーを十分に反映したものが得られていないまま改定が行われた部分があったかと思っています。この点についての取扱いは、どのように整理されたのでしょうか。この 2 点を教えていただければと思います。

 

○駒村部会長

 幾つかまとめてやりたいと思います。今のことに関連する方がいらっしゃいましたら、合わせてと思いますが、いかがでしょうか。今の竹下委員の質問と類似した御質問はありませんか。では、少しまとめていきたいと思います。

 

○玉木委員

 日本相談支援専門員協会の玉木です。 14 5 ページに書かれている計画相談支援及び障害児相談支援と地域移行支援について、新たに加算を設けていただいて非常に有り難いと思います。その中で質問ですが、特定事業所加算の加算対象事業所になる条件での御提示を頂きたいと思っております。当然、計画相談ありきの相談支援ではなく、きちんとお一人お一人に計画相談を提供することでその方の権利行使をお手伝いする仕組みとして、この相談支援事業があると思っております。いろいろな事業所が質の高い相談支援を提供できるように、努力していく必要があり、質の高い支援ができる相談支援専門員を育てていかなければなりません。また、補助職員も活用した人材育成にも強化したいと思っております。ただ現実的には、相談支援事業所の相談支援専門員は1名ないし2名という、小規模事業所が大多数になってきていますから、その上でせっかく加算いただいたのにそれが活用できない状況になっても困りますので、その辺りのことを具体的にお示しいただければと思います。

 

○駒村部会長

 もう少しまとめたいと思います。

 

○大濱委員

 大濱です。 20 ページのその他の項目で、国庫負担基準の見直しとして、重度訪問介護や重度障害者等包括支援の利用者が5%以上の市町村について、国庫負担基準の総額を 5 %嵩上げするという説明がありました。このことに関連して、本日緊急で提出した意見書を見ていただければ分かるのですが、重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業の予算額が従来の 22 億円から 11 億円に減ったことを受けて、交付対象や対象額を見直すことになったという説明も厚生労働省から受けています。

これには 2 つ問題があります。まず、国庫負担基準を 5 %嵩上げしたとしても、 11 億円の補助金の交付対象や上限額の見直しをカバーしきれません。東京都の試算ではおおよそ 20 億円の予算不足になり、各市町村の持ち出しになるそうです。したがって、東京都内の市町村が訪問系サービスの支給量をかなり抑制せざるを得なくなるのではないかという危機感を抱いています。これが 1 点目です。

2 点目は、先日開催された全国厚生労働関係部局長会議の資料では、人口 10 万人未満かつ財政力 1.0 未満の市町村について、 11 億円の補助金の対象額を、国庫負担基準の超過額の 4 分の 3 とする案が提示されています。この案ですと、小さな市町村で重度障害者が出たとしても、その市町村では暮らせないという問題が発生します。これについては、かなり危機感を持っています。小さな市町村、例えば人口 5,000 人などの市町村がまだたくさんあるわけです。そういう市町村で、重度障害者が出た場合に、従来の補助対象額であれば国庫負担基準を超過しても補助金で全額が賄われていましたが、今後は超過額の4分の1は市町村の持ち出し負担になってしまいます。なおかつ、そういう人たちが東京都に出てきても、 23 区は交付対象から除外されますから、ここでも暮らせないということになります。ですから、このような小さな市町村の重度障害者たちは、今後どこでどういう形で地域生活を続けていくのか全く見通しが立たなくなってきます。従って、この 4 分の 3 という対象額の設定は必ず撤回して、従来どおりの4分の4に戻していただきたい。この補助金の本来の趣旨は、小さな市町村を支援するという考え方ですから、その辺りをきちんと考慮していただきたいと思います。この 2 点です。

 

○駒村部会長

 それでは、日野委員お願いいたします。

 

○日野委員

 身体障害者施設協議会の日野です。今回の報酬改定については、私たちはケアの質を高めるための報酬改定であってほしいということをずっと求め続けてまいりました。つまり、人材の確保、養成、定着のための改定です。今回の改定内容を見ますと、福祉・介護職員処遇改善加算等の拡充が含まれました。それから、長年求め続けてまいりました看護師等の配置加算も新設していただきました。そして、福祉専門職員配置加算の見直しが行われました。そういった意味では、一定の配慮を頂いたと評価はしたいと思います。その他の件については十分ではないにしても、これからの方向性が示されたと理解をしております。

 しかし、課題も幾つか残ったわけです。補足給付に係る基準費用額が減額されたこと。もう 1 つは、田中課長も説明の中でおっしゃいましたが、今回の報酬改定が経営実態調査に基づく収支差率を主要な根拠とした報酬改定であったということは、 1 つ課題として残ったのではないかと思います。今後、私たち協議会としても、この点についてはしっかりと勉強させていただき、また御意見を申し上げたいと思っております。

 

○駒村部会長

 四方からコメント、御質問がありました。大濱委員は、今席上に配ったこのことを指していますね。この資料等を絡めての御質問だと思います。では、事務局から今の四方の御質問についてお答えいただければと思います。

 

○田中障害福祉課長

 それでは、今頂きました御質問について、お答えさせていただきたいと思います。まず、竹下委員から質問のありました報酬の改定率の内容ですが、今回の報酬改定は資料の 2 ページにもありますが、処遇改善加算の拡充でプラス 1.78 %です。これが、予算規模を考えますと、約 180 億になりますが、これを含めてトータルでプラスマイナス 0 ということで、これ以上の内訳はプラスマイナス 0 ですので存在をしないものです。

 それから、竹下委員からの 2 点目、経営実態調査、日野委員からも言及がありましたが、これについても客体数の十分な確保ができるようにするということを踏まえ、より経営実態を分析をするようなことができるように、もちろん統計ですので、一定程度制約も自ずから存在する部分もありますが、次回の報酬改定に向けては、実態調査がより実態をしっかり把握できるようにするものにすることを大臣折衝の中、また報酬改定の検討チームの中でも次回以降の宿題として出されております。次回の調査に向けて、皆様の御意見などもお伺いしながら検討していきたいと思っております。

 それから、玉木委員から質問のありました計画相談の特定事業所加算の要件です。この要件については、まず 1 点として、常勤専従の相談支援専門員を 3 名以上配置し、こういったようなもののうち、相談支援従事者、現任研修を修了した方を 1 名以上。それから、利用者に関する情報等の留意事項に関しての伝達を目的とした会議を定期的に開催。 4 点目として、 24 時間連絡体制を確保すること。 5 点目として、新たに採用する全ての相談支援専門員に対して、現任研修を受けた相談支援専門員の同行による研修を実施すること。 6 点目、基幹相談支援センター、委託相談支援事業所又は協議会から支援が困難な事例を紹介された場合においても、当該事例に係るものに相談支援を提供すること。 7 点目として、機関相談支援センター等が実施する事例検討会などに参加をすること、といったような要件を、特定事業所加算の要件として現在考えているところです。

 それから、大濱委員から重度訪問介護、国庫負担基準の関係で 2 点、御意見、御質問がありました。重度訪問介護を含めて、国庫負担基準については、大濱委員からの発言にありましたとおり、重度障害者の利用実態を考慮して水準の設定をできるようにということで、その利用者の割合が一定以上の所には国庫負担基準を嵩上げをするというような内容の国庫負担基準の見直しをさせていただいているところです。国庫負担基準全体が、国の限られた財政の中で措置をするというような内容になりますので、今回の見直しについてはこういったような形で、できるだけ重度障害者の利用実態により配慮ができるようなものにしたいということから、設定させていただいております。

 それから、お配りいただいた資料の中にもあります重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業です。国庫負担基準について一定の嵩上げをいたします。一方で、こちらの予算については、平成 27 年度予算では 11 億となっております。この補助金ですが、国庫負担基準そもそもが精算基準の上限です。国庫負担基準を超過をする市町村については、そこは持ち出しになり、重度の障害者多数を抱えられる小規模な市町村では、大きな財政負担となることから、その負担軽減を図るために行っているものです。平成 27 年度予算案は 11 億となっておりますので、人口規模、財政力を考慮したものに見直す予定です。この事業をできるだけ財政規模が小さく、財政力が少ないような所に、限られた予算の中でできるだけ補助をしていこうというようなことから、見直しをするものです。この点については、そういったようなことも含めて御理解いただきたいと思っております。

 

○大濱委員

 今、田中課長のお答えの中にありました、人口規模や財政力を考慮した見直しということは、この 4 分の 3 という補助上限はもう既に決まったことではなくて、場合によっては 4 分の 4 も有り得るということも含めて今後考えていきたいという理解でよろしいのですか。

 

○田中障害福祉課長

 平成 27 年度予算案が 11 億円ですので、そういった中で人口規模財政力を勘案して、またこれまでの補助対象の市町村への財政影響などを考えますと、やはりこの案でいくことにしたいと私どもは考えております。

 

○大濱委員

4 分の 3 どおりと。

 

○田中障害福祉課長

 人口規模や、今までの所との影響を考えますと、こういったような形が一番よいのではないかと思っております。

 

○駒村部会長

 大濱委員、今のような回答ですが。

 

○大濱委員

 ということは、本当に小規模で、財政力のない市町村では、重度障害者、例えば交通事故で突然 24 時間要介護の高位頸髄損傷者が出たとしても、その人たちはその市町村で生活できない事態が発生するおそれが当然あります。そう人たちは切り捨てるというのが厚生労働省の考え方と理解してよろしいですか。

 

○田中障害福祉課長

 そのような切り捨てるというようなことではなくて、限られた予算の範囲の中で、できるだけこれまでの補助実績なども踏まえながら、財政影響をやわらげる観点から、こういったような補助の要件の見直しが一番適切ではないかと考えております。

 

○大濱委員

 どうしても私たちが理解できないのは、 11 億円という当初予算を立てましたが、年度末に補正予算ということも当然あり得るわけです。しかし、補正予算のことは一切考えないという大前提に立って、補助対象額は 4 分の 3 に設定する、小さな市町村、お金のない市町村であっても 4 分の 1 は持ち出しで負担しなさいということを、厚生労働省は言いたいのか。このことを私はお聞きしたいのです。そうだとすると、小さな市町村では、重度障害者は暮らしていけないという事態が生じます。もう住み慣れた地域で暮らすこと自体ができなくなると思います。そういうことでよろしいのでしょうか。

 

○田中障害福祉課長

 政府としましては、今平成 27 年度予算案を国会に提出して議論を頂いているところです。その段階の中で、平成 27 年度に補正予算があるかどうかを前提としたような議論は、政府としてはし難いというようなところはありますので、そこは御理解を頂きたいと思います。それから、これについても重ねてになりますが、この 11 億の中でどのように配分をしていくかという問題ですので、ここの 4 分の 3 4 分の 4 にすることになれば、従来の補助対象市町村への補助額を変えていかなければならないことにもなりますので、他方面への影響を考えますと、やはりこの案でいかせていただきたいと思っております。

 

○大濱委員

 何度もすみません。これで最後にしますが、だからこそ私たちが是非お願いしたいのは、小さな市町村についてはできれば補助対象額をきちんと 4 分の 4 にして、 11 億円に収まるように予算組みをしていただいて、万が一予算が足りなくなった場合には、やはり補正予算を組むという弾力的な運用をしていただきたいということです。そうではないと、どんなに重度な障害があっても地域で暮らしていけるという今までの根本思想が崩れることになりかねません。ここは非常に大きな問題だと思っていますので、本当にもう少し考えていただきたいと思います。

 

○竹下委員

 田中課長にお答えいただいた部分と私の質問が少しかみ合っていないのかと思いますので、もう一度お聞きします。減額のところで、 2.27 %の介護保険に準じて減額されること自身は、それは数字としては理解しております。そうではなくて、影響がどれだけ出るかを知りたいわけです。即ち、プラマイ 0 という発表の仕方自身は、影響が見えてこないという発表の仕方になっているから、非常に困っているわけです。即ち、適正化という形で 3 で減額された部分の額がどれだけとして見込んで 1 2 で増額しているかを、額として知りたいと申し上げました。なぜならば、先ほどの大濱委員の質問にもある意味では重なるのですが、地方へ行くと障害者の中小事業所が多いです。そうすると、その 2.27 %の減額率によってどれだけの影響を受けるかについては、どのように分析されたかを知りたいがゆえに、その概数を教えていただきたいというのが私の質問の趣旨です。

 

○駒村部会長

 いかがでしょうか。

 

○川又企画課長

 マイナス 2.27 というのは、介護保険のほうの話だと思いますので、マイナス 2.27 は介護保険の改定率で、今回障害福祉サービスについてはプラスマイナス 0 ということです。その中で、めりはりを付けた改定を行っていますが、そのうち処遇改善の加算分については、先ほどもありましたが改定率で 1.78 %ということで、約 180 億円の国庫負担としての影響額です。その他の部分については、必ずしも個々のサービスの増減を積み上げているものではなく、もちろん一定の仮定のもとでの作業はありますが、その細かい内訳について数字としてお示しできるものはありません。

 例えば、開所時間の減算などありますが、これは開所時間の減算を導入することによって、恐らくいろいろと事業者の行動なども変わったり、いろいろな要素があると思いますので、数字でお示しをするような性質のものではなく、一定の仮定のもとに作業はしておりますが、数字としてこれが幾ら、これが幾らという形では持ち合わせておりません。

 

○竹下委員

 今の報告で、結局はきつい言葉で言うとごまかされているとしか私は思えないのですよ。少なくとも、プラマイ 0 というからには、どこを何パー加算して、どこを何パー減額したから、もちろん数字の加減乗除ですから数字の分母との関係はあるわけですが、それで 0 というのは理解できるわけですよ。しかし、その部分がはっきりしていないというので、何でプラマイ 0 と言えるのか、私は理解できないのですよ。だから、それによって本当にどれだけの事業所が影響を受けるかということが見えてこない。そういう形でのプラマイ 0 という発表の仕方には、極めて私は不信感と言ってもいいぐらいの数字の出し方ではないかと思っております。できれば、もっと明解な形で何を変動させた結果、プラマイ 0 になっているかが分かるようにしていただきたいということをお願いして、終わります。

 

○駒村部会長

 プラマイ 0 の説明を、もう少し丁寧にお願いできればと思います。先ほどの話で、経営実態調査でやってみないと、まだどうなるか分からないというお話もありましたが、やはり報酬の見直しと加算によってどのように経営が変わったのかは、先ほども課長からお話がありましたが、きちんと分析していただいて、期待どおりの効果が出ているかどうか、次回の改定にはより精緻なというか、きめ細かい分析をやっていただきたいと思います。玉木委員、先ほどの質問に関連してですか。

 

○玉木委員

 はい。特定事業加算の人員について、 3 名以上常勤とお聞きしたのですが、これは全国的にどうかは調べていないので分かりませんが、私が勤めている西宮は中核都市、 48 万人の人口規模で、指定特定が約 20 か所です。その中で、常勤の 3 人以上の相談支援専門員を有する事業所は、 1 つもありません。西宮の規模であっても、この特定事業所加算を活用することは、多分ないのかなと思っています。そういった意味では、特に指定権者である市町村が、指定特定相談支援事業所の事業評価であったり、自立支援協議会や相談支援体制機能の中でどういった役割を指定特定事業所がどう果たしていっているかというような評価を、今後視野に入れながら特定事業所加算要件も検討もしていただきたいと今思いました。

 

○駒村部会長

 意見があったということは記録に残し、また検討いただければと思います。左のほうでなければ、今度は右のほうのラインに入っていきます。右のほうの方で、石野さんが手前に回っていきますので、よろしくお願いいたします。

 

○石野委員

4 ページをお願いいたします。視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の対象獲大という項目があります。視覚障害者、聴覚障害者については、コミュニケーション面で困難な利用者がおりますので、聴覚障害者の場合は手話通訳士の資格を持っている職員が対象になると思います。「日中活動系サービスの支援のみから、施設入所支援」とありますが、短期入所も含まれているかどうかをお聞きしたいと思います。短期入所の場合、 2 日か 3 日間になるので、支援だけではなく加算も必要ではないかと私は思っております。

 

○駒村部会長

 小澤委員、どうぞ。

 

○小澤委員

2 点ほどあります。 1 点は、 8 ページです。強度行動障害支援者養成研修です。これに関して、施設入所、短期入所、さらには障害児入所といってたくさんあるのですが、正直言いまして研修体制が多分都道府県がおやりになると思うのですが、当然このような加算が出てくると大量に要望があるだろうと、想像に難くないですね。ですので、研修体制が平成 30 年までは受講計画作成となっています。要するに、そこまでの見込みが都道府県の話ではあるのですが、きちんと立てられるようにというお願いです。それから、立てられるかどうかという質問と両方入っています。

2 点目は、実は玉木委員の質問に関連するのですが、西宮で多分加算対象 0 というのは全然驚きではなくて、私が知る限り多分そうだろうなという自治体はたくさんあります。最大の理由は、今の研修とも関係しております、大都市に至っては、研修、受講がそこまでうまくいっていないという希望を出していますね。そういった問題も併せてありますので、加算すれば、努力すればそれにいくのだという発想は、この領域に関してはすごく厳しい部分がありますので、それは十分検討していただきたいという 2 点です。

 

○駒村部会長

 ほかに、右の列では御意見、御質問はありませんか。小澤先生の話は、インセンティブは大体需要ばかり増やしても、きちんと供給がなければ動かないという話で、非常によく分かる話です。事務局から、今のお二人の御質問に対してお答えをお願いいたします。

 

○田中障害福祉課長

 まず、石野委員から質問のありました 4 ページの視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の対象です。これについては、短期入所については対象としておりません。現行の加算が、視覚障害者等が 3 割以上というような場合の体制加算になっていることを踏まえまして、一時的な利用である短期入所について、固定的な体制を評価することはなかなか馴染みにくいことから、今回の改定では対象としておりません。今回の改定を踏まえて、引き続き短期入所の実態を把握をしながら考えていきたいと思っております。

 それから、小澤委員からありました、主として研修ということだと思います。行動障害の研修、平成 25 年から始めて平成 26 年に拡充をしましたが、まだまだ研修を都道府県、自治体にやっていただくわけですが、機会が十分でないというようなお声もあるところです。自治体において、研修を積極的に実施していただけますように、私どもからも働きかけるということで、研修の機会をしっかり設けていきたいと思います。また、事業所におきましても、研修の受講を計画的に進めていただき、必要のある方から、優先的に研修をしていただくことを進めていただきたいと思います。また、併せて平成 30 年度までの経過措置ということで、そういったところも配慮しながら進めていきたいと思っております。

 

○小澤委員

 事業所は、研修経過措置で、研修計画を提出と書いてありますが、そこでやはりきちんとした何年度までに何人、何年度に何人ということが示されないと、多分書けないだろうと私は思うのですね。回答はよく分かりましたが、そこが気になった点です。

 

○駒村部会長

 この資料 1 について、いかがでしょうか。

 

○原田参考人

 原田と申します。地方行政の立場から意見をさせていただきたいと思います。介護報酬が 2.27 %の減額になる中で、障害福祉についてはプラスマイナス 0 ということですから、厚生労働省としては御苦労された結果だろうと思っています。個別サービスについて、必要な加算措置や報酬単価の引上げが行われておりますが、それを相殺する形で基本報酬の見直し等がされておられるということで、根本的に福祉介護職員の処遇向上やサービスの質の向上に資するかどうかについては、皆様方同じ意見だと思いますが、課題があるのだろうと思っています。

 御案内のとおり、福祉介護職員の平均賃金は、全産業に比べたら低いということで、障害福祉、介護も含めてそちらに就職して、結婚して、子どもを産んで育てるということで、労働力の再生産を介護も含めて障害福祉の分野でできるかどうかという視点で考えてみましたら、産業として本当に成り立っているのかどうかと思っているわけです。国の補助金やこの度の報酬改定での政策誘導にも、やはりその辺りは限界があるのだろうと思っております。今後の少子高齢化や人口減を考えましたら、事業者の方々が与かる、配分できるパイは限られているのだろうと思っています。それは、社会保障費の動向を抑制基調の基本政策が取られておりますから、そういうところはあると思うのです。 2 18 日に、社会保障審議会医療部会が開催され、同じ地域で異なる法人が運営する病院が、介護施設をグループ化して一体運営する新たな法人制度の創設が提案されましたが。障害福祉分野でも、例えば小規模事業所の経営統合を促進するなどして、間接部門の経費の節減、合理化を図るとか、事業所内での人材育成や組織マネジメントを確立して、結果的に効率的な経営ができるような事業所を育てる。補助金や報酬改定で政策誘導をするのではなくて、産業政策が厚生労働省として取られるような必要があるのかどうか。 3 年に 1 回の報酬改定をこのように繰り返していても、なかなか根本的な魅力ある職場づくりにはつながらないのではないかと思っておりますので、これについて厚生労働省のお考え、見解を一度お伺いしたいと思いましたので、質問いたしました。

 

○駒村部会長

 財政の問題がボトルネックになっておりますが、もう 1 つはより効率的な経営、規模の経済や多角化の経済を追求するという、ある種産業政策というか産業組織論、産業組織政策というべきか、そういう視野で考えていらっしゃるかという質問だと思いますので、事務局からコメントをお願いいたします。

 

○田中障害福祉課長

 御指摘のありましたとおり、報酬改定でできることは限られてくると思っております。そもそもは、この障害福祉の現場、産業としてという言い方がどうかですが、やはりきちんと人が集まって適切なサービスが提供できるような業界に育っていってもらわなければいけないということについては、共通の認識かなと思います。ただ、その中でも障害特有の配慮をしなければいけないような分野もあります。また、障害福祉サービス自体がこのような完全に新制度移行になったのが平成 24 年ですので、そういう意味ではいろいろな取組がまだ道半ばであるのかなということも言えるかと思います。なかなか産業政策として、例えばどういう補助をやったり、どういう見かけでというようなことが、障害福祉の分野だけでは難しいこともあろうかと思います。社会福祉法人全体の改革の動きも一方でありますので、そのような大きい動きの中にも障害福祉もその 1 つの分野だと思いますので、どうしても介護と医療といったようなことで障害は忘れ去られがちなところもありますが、やはり日本の社会保障を支える 1 つの大きな位置に私たちはいると思っておりますので、そういったことを忘れ去られないようにその大きな流れの中で育っていく方向に政策を打ち出すことも重要だと思います。

 一方で、サービスを担当しておりますと、現場で地に足を着けてどのようなサービスをより利用者に適切に届けることができるかについても配慮をしていかなければなりませんので、そこは両面あるのかなと思っております。

 

○駒村部会長

 橘委員、今の関連ですか。

 

○橘委員

 小澤先生に関連するのですが、よろしいですか。

 

○駒村部会長

 原田さん、今のお話でよろしいですね。

 

○原田参考人

 はい。

 

○駒村部会長

 橘委員、どうぞ。

 

○橘委員

8 ページに施設入所支援の重度障害者支援加算があります。その中で、強度行動障害支援者養成研修了者の配置が加算の算定要件として設定されておりますが、研修の実施状況が非常に不十分で、受講希望者に対応し切れていない実態があります。私の地域にある定員 140 名の障害者支援施設では、この加算の対象となる強度行動障害が 10 点以上の方が 6 70 名います。日々、立派に支援している施設ですが、そこの支援員の皆さんも、わざわざ時間を割いて研修を受けに行く必要性があるのか、その方のほうが、逆にスーパーバイザーとして講師になれるのではないかと思えるぐらい努力されています。ですから、私は各都道府県の研修計画が遅々として進まない中で、そのように立派に日々実践している所は、必ずしも研修ありきではなくて、柔軟にしていただければスムーズに加算を取得できる状況になるのではないかと思います。

 

○駒村部会長

 これは、事務局、回答はよろしいですか。

 

○橘委員

 お願いします。

 

○駒村部会長

 何か事務局、ありますか。

 

○田中障害福祉課長

 やはり、研修の趣旨が、そもそもこのような研修ができてきたのは、やはり現場での取組などを踏まえて研修のプログラムは作られていくものだとは思います。研修という体系を設けた以上、経験があるからいいというよりは、やはり研修を受けていただいて新たに改めて支援の取組や手法などを再認識していただくことにも効果があると思っており、このような公開要件の設定にさせていただいております。

 

○藤堂委員

 関連です。多分、今週末辺りにあると思うのですが、名古屋の強度行動障害の研修、定員 60 名のところに 350 名の方が申し込みがあり、慌てて 2 倍の定員にしたということです。強度行動障害に関連してなのですが、反対に発達障害も同じで、全然分からないまま指導員をやっていらっしゃる放課後デイなどの随分加算が、今回付いたかなと思います。プラマイでいろいろ使っていらっしゃると思いますが、指導員の研修といっても、本当に必要な研修なのか。発達障害でワーッというのはいいから、現場で使える研修を本当にやってくださっているのですかという内容のところまで見ていただきたいのですね。多分、国リハでなどと書いてありますが、国リハで十分にできますかということです。それから、北は北海道から南は沖縄まで、それから小さい事業所から大きい事業所まで、どうやってカバーするのですかというところが、これは報酬だけの改定について、ソフトを是非考えた上で作っていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 そろそろ次の資料の報告もありますので、今の研修の内容に関してのより実践的な中身のあるお話だと思いますが、事務局から今の御意見に対して何かありますか。

 

○田中障害福祉課長

 研修の内容については、私どもも検討を重ねた上で、今これというような形のプログラムを提示させていただいております。研修は平成 25 年度、 26 年度からの開始ですので、今後転がしていく中で課題があることがはっきりと出てきましたら、それはそういったようなことも踏まえて見直していかなければいけないのではないかと思います。

 

○駒村部会長

 では、久保委員で、この資料 1 については終わりにしたいと思いますが、よろしいですか。では、久保委員、お願いいたします。

 

○久保委員

 育成会の久保です。この度の報酬単価では、本当に介護保険のほうが随分とマイナスになったところを、頑張っていただいたのだなと思って感謝しております。その中で、 1 つ皆さんのおっしゃっていたことも課題としてあるのですが、もう 1 つは生活介護の単価が減額になっています。生活介護といっても、いろいろありまして、重身の通所も生活介護でやっています。そこの看護師の加算は上げていただいているのですが、それでもやはり重身の方は、病院に行ったり体調を崩したりと毎日きちんと来られないというのと、やはり重身ですから人出がたくさんいて手厚い支援が必要だということがあります。私の知り合いの所で計算をしてもらいますと、かなり減額になるということを聞いております。今、いろいろと皆さんおっしゃった課題もあるのですが、今後その辺りのところも少し推移を見ていただき、次のことをまた御検討いただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 これは、御意見ということでよろしいですか。

 

○久保委員

 お願いです。

 

○駒村部会長

 要するに、どういう影響を与えたのかをきちんとチェックをしていただいて、次の改定に反映してもらいたいと。期待とは違った効果が出ていないかということだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、資料 1 の議論はこれで終わり、次の議論に入ります。議論の 2 つ目は、平成 24 年度障害福祉関係予算について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○川又企画課長

 資料 2 「平成 27 年度障害保健福祉部予算案概要」です。当部の全体の予算額は、精神保健等も含めて、 1 5,495 億円で、対前年度 3.2 %のプラスです。また、そのうち障害福祉サービス関係費は 1 849 億円で 4.6 %のプラスです。主な事項は 1 ページ目にありますが、次のページ以降で御紹介いたします。

2 ページです。「障害福祉サービスの確保、地域生活支援などの障害児・障害者支援の推進」ということで、障害福祉サービスの確保、 (1) 良質な障害福祉サービス等の確保は、先ほどの障害者の福祉サービスの給付費の部分で、 9,330 億円です。

(2) 地域における障害児支援は障害児の部分ですが、 1,120 億円です。 (3) 地域生活支援事業の着実な実施は、 464 億円で、【一部新規】とありますが、複数市町村の意思疎通支援の共同実施に係る部分です。

3 ページです。 (4) 障害児・障害者への福祉サービス提供体制の基盤整備、これは施設整備に係る予算ですが、 26 億円です。なお、施設整備については、その下の点々の四角で、平成 26 年度補正予算でも、特に耐震化等の関連で施設整備費があり、 80 億円です。これらを合わせて、来年度のニーズにも対応していきたいと考えております。

(5) 障害者の地域生活支援のための拠点等の整備【新規】です。これは先駆的・先進的に取り組む市町村、こうしたサービス提供体制の拠点整備を図るためのモデル事業を実施するものです。 (6) は自立支援医療の関係、 (7) は特別児童扶養手当、特別障害者手当、 (8) は虐待防止等に係る部分で、虐待防止の推進、権利擁護などに係る予算です。

4 ページです。 (9) 重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援です。 (10) 強度行動障害を有する者を支援を行う職員の育成で、これは地域生活支援事業の中で行います。

 続く○ですが、障害児・障害者の自立及び社会参加の支援等として、 (1) 障害者自立支援機器の開発の促進、 (2) 文化芸術活動の支援の推進、これは今年度からモデル事業を行っています。 (3) 障害児・障害者の社会参加の促進です。

 その下の大きな 2 番ですが、「地域移行・地域定着支援などの精神障害者施策の推進」です。 (1) 長期入院の精神障害者の地域移行・地域定着支援の推進です。 1.3 億円に加え、地域生活支援事業です。この新規の部分については、下の 4 行の「さらに」という所ですが、「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」とりまとめで提示された精神障害者の地域移行方策及び病院の構造改革に係る取組を総合的に実施し、その効果について検証することにより、障害者の退院促進、地域定着を支援という部分です。

5 ページです。 (2) 精神障害者のアウトリーチ。 (3) 摂食障害治療体制の整備、 (4) 災害時の心のケアということで、災害時に派遣される精神医療のチーム、 DPAT 等の関係です。 (5) 心神喪失等、医療観察法の関係の体制整備です。 (6) てんかんの地域診療連携体制の整備【新規】です。これは、てんかんの診療拠点機関を指定し、施策を推進するものです。

6 ページ、大きな 3 の「発達障害児・発達障害者の支援施策」です。 (1) 発達障害児・発達障害者の地域支援機能の強化。こちらは地域生活支援事業の中で、地域支援マネジャーの配置等を行うものです。 (2) 発達障害児・発達障害者の支援手法の開発や支援に携わる人材の育成などということで、こちらは支援手法の開発あるいは人材の育成です。 7 ページ、「発達障害に関する理解の促進」です。これは「世界自閉症啓発デー」などを含む啓発ということです。

7 ページ大きな 4 「障害者に対する就労支援の推進」です。 (1) 工賃向上のための取組の推進です。【一部新規】となっています。新しい部分は様々な分野で活躍する専門家の技術指導により、障害者のスキルアップを図るモデル事業を実施するというところです。 (2) 障害者就業・生活支援センター事業の推進、こちらも【新規】の部分は「また」以下の 3 行で、就労継続支援事業の利用から一般就労への移行、加齢や重度化による一般就労から就労継続支援事業の利用への移行など、障害者の能力に応じた就労の場に移行できるようにするための支援、アセスメントなどの強化の部分です。 (3) 就労支援の充実強化、これは地域生活支援事業の中での事業です。

8 ページ、大きな 5 「自殺・うつ病対策の推進」です。 (1) 地域での効果的な自殺対策の推進、民間団体の取組支援、普及啓発の推進です。【新規】の部分は、「さらに」の部分で、医療機関において自殺未遂者が当該医療機関に搬送された際に、再度自殺を図ることを防止するため、臨床心理技術者等によるケースマネジメントを行うという部分です。 (2) 自殺予防に向けた相談体制の充実と人材育成、 (3) 地域で生活する精神障害者へのアウトリーチです。 9 ページ、「災害時の心のケア」で、先ほどの DPAT の関係と同じです。

 大きな 6 「薬物などの依存症対策の推進」です。 (1) 依存症治療支援体制モデルの確立。依存症の治療の拠点機関等のモデル事業です。 (2) 認知行動療法を用いた治療・回復プログラムの普及、新しい部分は最初の 2 行で、依存症、その家族に対し、精神保健福祉センターが実施する認知行動療法を用いた治療・回復プログラムについて、必要な経費を助成するということです。

9 ページの下、大きな 7 「東日本大震災からの復興への支援」です。 (1) サービス事業所の災害復旧に対する支援。 (2) 障害福祉サービスの再構築の支援、 (3) 利用料負担の免除等の特別措置、 (4) 被災地の心のケアの支援体制の整備、心のケアセンターなどを引き続きということで、これらは引き続き復興の取組として継続して実施するというものです。予算の説明は以上です。

 

○駒村部会長

 ただいまの事務局からの説明について、御質問がありましたらお願いいたします。

 

○佐藤委員

 教えてほしいことが 1 つあります。今、示していただいた資料で、医療観察法関連のことです。 5 ページ 189 億という予算が付いており、これは参考資料のどこを見れば、具体的にどういう内容なのかが分かりますか。あるいはこれを見て分からないのであったら、どういう内容で 189 億円になるのか、指定入院医療機関の確保や通院医療を含む継続的な医療体制を整備するというのは具体的にどういうことでこの 189 億が使われるのか。

 

○駒村部会長

 少しまとめて右の欄が終わってから。阿由葉委員までいいですか。

 

○阿由葉委員

 資料2の 7 ページの 4 「障害者に対する就労支援の推進」について、 (1) 工賃向上のための取組の推進ですが、国の財政事情が厳しい中で、概算要求時よりも若干ではありますが増額になったことについては感謝申し上げます。

 この関係予算については、我々はこれまで共同受注窓口の運営に係る経費の補助の拡充をお願いしてきました。平成 27 年度から新たな工賃向上計画のサイクルが始まりますが、窓口組織が果たすべき役割は非常に大きなものがあると思っております。工賃向上に資するよう、この窓口組織の運営に係る継続的な予算、様々な方法で確保いただくようにお願いをしたいと思います。

 

○駒村部会長

 阿由葉委員は、どちらかというとコメントですかね。

 

○阿由葉委員

 お願いです。

 

○駒村部会長

 佐藤委員の御質問に関して、事務局から回答をお願いいたします。

 

○江浪精神・障害保健課精神保健医療統活推進官

 今、医療観察法に関する予算についてお尋ねを頂きました。医療観察法に関する予算の中には、医療観察法に基づき入院医療を受けている方に対する医療費を、指定入院医療機関にお支払いする予算や、通院医療を受けている方に対する医療費が、大きな要素として入っています。そのほかに、この費用の中には、まだ整備を続けている医療機関がありますが、その整備費用も入っています。

 今お渡ししている部の概要の中では、その内訳が分かりにくくなっておりますが、課の PR 版(資料)などもありますので、それに関しては追って情報提供差し上げたいと思います。

 

○佐藤委員

 施設整備費も含まれているということですね、この「確保」というのは、そういう理解でよろしいのでしょうか。

 

○江浪精神・障害保健課精神保健医療統活推進官

 はい。指定入院医療機関に関する整備費の補助金も入っています。

 

○佐藤委員

 ちなみに、何箇所ぐらいで、来年度の計画ではあるのですか。

 

○江浪精神・障害保健課精神保健医療統活推進官

 来年度の予算に入っているのは 1 か所です。

 

○佐藤委員

 ありがとうございました。

 

○駒村部会長

 そうしましたら、こちらの左のラインで回っていきます。本條委員、お願いします。

 

○本條委員

4 ページの 2 「地域移行・地域定着支援の精神障害者施策の推進」について、お尋ねします。地域移行、地域定着支援ということになると、居住支援が欠かせないところですが、多くの当事者の方は、地域で住み慣れた家、民間のアパートなどで住み続けたいと考えておられるわけです。現在、特に精神障害者の場合は、保証人に誰もなってくれないというところがネックになっている人が多いわけです。

 そこで、県連レベルで、三重県連、兵庫県連で、民間の住宅保証人制度を創設し、それを支援していきたいと考えているところですが、この地域移行、地域定着支援の予算は使えないかどうか、これが 1 点です。

 もう 1 つ、 7 ページの 3 「就労支援の充実強化」です。ここにも書いてあるように、企業等の連携が欠かせないわけですし、定着支援ということを考えると、ジョブ・コーチといったものが欠かせないわけですが、おそらく職業安定局のほうの予算を使うしかないと思うのですが、施設等がジョブ・コーチを用いて定着支援をした場合に、そういうものが障害福祉部のほうの予算を使えるものでしょうか。

 

○駒村部会長

 こちらのラインで、大濱さん、その後に藤堂さんという形で。

 

○大濱委員

 予算案概要の全体についての質問です。主な項目については、大体ここが増えた、減ったというのはよく分かったのですが、それ以外の項目が、新規のものはともかくとして、どこが増えて、どこが減っているのかがよく分かりません。ですので、増えたところ減ったところについて、もう少し詳しい資料を頂ければと思います。

 

○藤堂委員

 発達障害に関してです。 4 ページの「障害児・障害者の自立及び社会参加の支援等」という所で、支援機器の開発の促進とか、そこら辺の 3 つの分野に関して、どの程度発達障害を頭に入れているのかどうかを伺いたいというのが 1 つです。

 もう 1 つは、 6 ページの 3 の発達障害児等のことに関してですが、関連して、 IT ICT を使うことにより、彼らの自立をものすごく推進できるようになっているにもかかわらず、その言葉がどこにも見当たらないのが不思議に思うので、予算の中にその辺は組み込まれているのでしょうか。

 

○駒村部会長

 ほかに予算に関してはいかがでしょうか。では、原田参考人お願いいたします。

 

○原田参考人

2 ページの地域生活支援事業のところでお尋ねします。 3 点ほど確認させていただきます。

2 億円ほど予算額が増額になっています。新規の要素としては、複数市町村で一体的に実施する意思疎通支援事業、障害者自立支援協議会における地域資源の開発、利用促進の支援も、新規の要素になっているのでしょうか。

2 点目は、要望も含めてですが、この事業については、法律補助ではなく予算補助になっているので、 2 分の 1 補助率と言いましても、なかなか厚生労働省も苦労して予算を確保していただいているところなのですが、地方団体についてはかなりの超過負担が生じている状況になっているので、引き続き予算措置の確保について、お願いをしたいと思います。

3 点目です。都道府県、市町村とも、地域生活事業は経費の分類で申し上げますと、義務的経費ではなく、政策的経費ということで、医療費、介護福祉費、障害福祉サービス費のように、増嵩するのはしようがないということで、それはきっちりと予算を通じてされるのですが、そうではない政策的な経費ということで、広島県の場合は分類されており、なかなか予算措置をするシーリングが難しい話があり、窮屈になっているという状況があります。その中で、財政負担が生じている状況になっているので、これは 3 年後の法律の見直しがありますが、地域生活支援事業ではなくて、障害福祉サービスのほうに移行できるようなことについても、併せて御検討いただき、障害者の方々に事業が着実に行われるようなサービスの仕組みにしていただきたいと思います。

 

○駒村部会長

 予算関係について、ほかにはよろしいですか。

 では、本條委員、大濱委員、藤堂委員、原田参考人から質問がありました。私からも、 2 ページの補正のシステム改修について、どういうことが期待できるのかを簡単に教えてもらえればと思います。事務局から回答をお願いいたします。

 

○冨澤精神・障害保健課長

 まず、本條先生の第 1 問目である 4 ページの長期入院の精神障害者の地域移行の促進に関する事業について、その中で民間の住宅保証人制度は使えるかという御質問です。

 この事業は、前々回も御説明いたしましたが、病院の中で行う研修、あるいは地域での受入れを促進するコーディネートといったことを念頭にしています。先生がおっしゃった民間の保証人制度の事業は、その内容がまだ明らかではありませんので、これから教えていただいた上で、どのようにするかを考えていきたいと思っております。

 

○竹垣自立支援振興室長

 発達障害の関係で御質問を頂きました。 1 つは障害者自立支援機器の開発の促進の中に、そういうことが含まれているかどうかということです。

 これについては、今、事業内容としては、企業が製品化を考えているものについて、これを利用者のニーズにうまくつなぐということを目的とした事業です。公募式でやっておりますので、当然その中には発達障害に関するものの公募も出てくることになろうかと思っております。

 それから、 (3) の「障害児・障害者の社会参加の促進」に含まれるかどうかということですが、この経費は点字図書館であるとか、聴覚障害者の情報提供施設の運営費の助成金、各団体委託費が内容になっています。直接、発達障害というのは、この中には費目としては入っておりません。

 それから、地域生活支援事業の関係で御質問を頂きましたが、 1 点目は、新規事業の中に意思疎通支援の複数市町村での実施に加えて、地方でのインフォーマルサービスの開発の推進も含まれているかどうかという御質問でしたが、これは合わせて入っております。

 予算補助であるということで、予算の措置が自治体においても厳しい状況であるので、義務的経費ということは考えられないかということでした。

 これについては、予算補助ということで超過負担いただいているという事実は認識しておりますので、毎年度、財政確保に努めさせていただきたいと思います。引き続き努めてまいります。制度については、様々な側面から今後検討していくことかと思います。

 

○田中障害福祉課長

 本條委員から 2 点目に御質問のあったジョブ・コーチの関係です。ジョブ・コーチについては、ジョブ・コーチ助成金という労働の施策のほうの予算が計上されておりますので、ここではそういったものは含まれておりません。

 それから、部会長から御質問のあったシステム改修ですが、これは利用者データをより細かくデータを取れるようにして、クロスを掛けたりといった分析統計機能をより充実させていけるようにするという内容です。

 

○川又企画課長

 大濱委員からの予算案の増減の関係です。資料 2 1 ページ目で、大まかなところは見て取れるかと思いますが、資料 2 2 ページ以下で、プラスマイナスを付した資料を準備させていただければと思います。

 

○駒村部会長

 藤堂委員からの「 ITC という言葉が 1 個もなかった」という話については、何かありますか。

 

○竹垣自立支援振興室長

IT 関係ということですと、この中では、先ほどの障害者自立支援機器の開発の促進の中で、推進を図っていくという部分が含まれています。

 

○藤堂委員

 つまり、発達障害のための予算の中には、そういうところは全然入っていないと考えていいのですか。 6 ページにある予算には、入っていないということですか。

 

○竹林障害児・発達障害者支援室長

6 ページの予算項目の中には、特段 ICT 関係の予算は含まれておりません。

 

○藤堂委員

 是非入れてください。自立のためには、本当にこれがあるだけで、生きていくことが非常に容易になりますので。

 

○駒村部会長

 本條さんからお話のあった保証人の話なんかも、また検討していただいて、今の藤堂さんのお話にあったような ITC の話もまた検討していただいてということになると思いますが、事務局から何かありますか。

 

○田中障害福祉課長

ICT の関係ですが、 4 ページの「障害児・障害者の自立及び社会参加の支援等」の (3) の部分等で御説明させていただいたものです。これは予算の PR 版ということで、全体にある予算案の内容を、それぞれ項目分けをして立てていくというところで、発達障害の (3) の部分については、それ以外のところで括らせていただいているということですので、発達障害に関連した ICT の関係の予算がないということではありませんので、今後ここにも含まれているということが分かりやすいということであれば、そういった表現にも工夫をしたいと思います。

 

○藤堂委員

 そういうことではなく、地域支援の強化とか、人材の育成の所とか、支援手法の開発、人材の育成の所に組み込んでくださいということなのです。

 

○駒村部会長

 現時点では、そこは入っていないということですが、今後、次年度予算などを考えるときには、その時点で考慮いただきたいというお話だったと思います。

 ほかに予算関係はいかがでしょうか。

 

○伊藤委員

 難病を障害者福祉の中に入れていただき、 2 年たっているのですが、実際に制度が始まっていきますと、難病の枠でなくても障害者手帳が取れるという人がたくさんいることが分かってきたと思います。そういう意味では、自立支援医療の部分にも一定程度の影響があるかと思うのですが、そういうのは見込んだ数字なのか、あるいは微々たるものだから余り関係ないということなのか、そこが分からなくて。

 それから、今の ICT の問題でも、 ALS などのような、コミュニケーションに大きな困難を抱えている人たちも、盛んにそういう機器を用いてコミュニケーションをしようとして、それを進めているわけですが、機器の問題だけではなく、先ほど藤堂委員のように、具体的に教えていく、それを訓練する技術者を更に育てる技術者と言いますか、そういうのが必要になっているのですが、そういうものというのは、この中で何か使えるものがあるのかということです。

 もう 1 点は、就労支援には随分多くの患者さんが期待をしており、ここに増えていくかなと思っているのですが、これもこの予算の考え方の中に、幾らかでも入っているのかどうかについて、お聞きしたいと思います。

 

○駒村部会長

 ほかに次年度予算について、御意見、御質問はございますか。

 

○野々垣参考人

 三鷹市長の代理で参考人として参加させていただきます、野々垣でございます。 3 ページの (5) 障害者の地域生活支援のための拠点等整備【新規】事業ですが、三鷹市については、第 4 期障害福祉計画の策定がそろそろ確定するところですが、今回の国の基本指針の中に平成 29 年度までに圏域内に地域生活支援拠点を設置するようにという指針がありましたので、一応計画には盛り込んだところですが、具体的に、そこでいう支援拠点が、ここに挙げている「拠点等整備」に当たるものなのでしょうか。

 あと、実際に指針の中で説明されている内容と、現実的に基礎自治体で設置するに当たり、イメージが湧きにくかったということで、何度かいろいろと問合せをさせていただいたのですが、この段階で分かる部分があれば、詳しい説明をいただければなと思います。

 あと、今回はモデル事業を実施ということですので、これが規模的に、全国的に何箇所ぐらいを想定されていて、予算規模等をお答えいただける部分がありましたらお聞かせいただければ助かりますので、よろしくお願いいたします。

 

○駒村部会長

 ほかに予算関連ではいかがでしょうか。広田さんは予算関連で御質問ですか。

 

○広田委員

 含めてです、全体。

 

○駒村部会長

 大きな話ですか。 事務方から、今のお二人の御質問に対して、お答えいただければと思います。

 

○川又企画課長

 伊藤委員からの給付費との関係ということですが、難病の方も含めて、全体の給付費の伸びの中に入っているということです。

 

○田中障害福祉課長

 就労支援のところですが、就労支援という括りで、特に障害の種別については分離しておりませんので、そういう意味で難病の方も含めて、就労支援の強化ということになろうかと思います。

 それから、地域生活支援拠点の関係でお尋ねがありました。この地域生活支援拠点で 1 つ設けてくれとお願いをしているものと同じものです。これについての基本的な考え方としては、面的整備、一体的な整備ということで、検討会の内容でお示しさせていただいた以上のものは、私どもとしては地域の取組の中で、どういう形がいいのかといったような好事例も含めて、出していっていただきたいと思っており、そういうこともあって今回はモデル事業ということで、地域で拠点を推進していただくための、立ち上げの準備のための経費を、モデル事業ということで要求させていただいているものです。

 予算額としては、ここの部分は 2,500 万円で、箇所数としては大体 10 か所程度を想定しています。なお、これは、国庫補助事業で 2 分の 1 補助という形での予算の要求という対応になっております。

 

○駒村部会長

 では、本日は予算案と報酬に関してのお話ですから、広田さん、そこに合わせる形で御発言をお願いいたします。

 

○広田委員

 それも入るし、当然社会全体も入ります。

 とにかくここに来ていると、今、日本の社会がすごい状態で、「カナダに移住する」とかいろいろな話が、百均へ行っていても出るんですよ。そして、ネパールの人が「産業が何もない」って言っている。昨日も歩いていたらカレー屋さんから顔を出したので、「私もお金がないから、今日はカレーは食べられないわ」ということで、そういうふうな、低所得のいろいろな国の人がたくさん入国してきて、お金を持っている日本人がどんどん国外へ出ている。

 それは、日本が暮らしづらくなっている。その大きな原因は、マスコミのただたたく報道。私は一昨年4月1日からは米軍放送しか聞いていませんから、テレビも新聞も家では見ていませんが、ある警察に行っていたら、群馬県警の若いおまわりさんが女の子を誘ったようなニュース。ちょうどそれがテレビに映し出された。ニュースステーション。ロリコンの若いお兄さんが、おまわりさんになったの?とも受けとれる。それなのに日本で暮らしている人を守っている、世界に誇るソフト安全装置“KOBAN”の警察官の重要な仕事、巡回連絡で使う書式まで大写しにしたので、私はあきれた。あいもかわらずせっそくで、“ピントのはずれた騒動報道”と思った。

 外にでたら若いお兄さんたちがいたので、「群馬県警のお巡りさんロリコンだったらソープランドでも行けばよかったのに」といったら、「今どきの人はソープランドへ行けないんです」と、「じゃあファッションマッサージ」って言ったら、「そこもいけない」、「じゃあ個室でコスチュームに着替える、ああいうふうなお店へ行くとか」と言ったけど、今、若い女性に声を掛けられない男性が多い。もしかしたらそのようなレベルの話も、ただただ「警察が悪い」、「警察官が悪い」と誘導しては、暮らしづらくしていると私は痛感しています。

 一方では、俺々詐欺で 600 億の被害、夫より息子が大事ということで、今日はこの俺々詐欺のゼッケンをしてきましたが、ここにいる男性は是非妻の愛を取り戻してほしい。女性は、御主人への愛を、私のように恋人がいる人は恋人への愛ということで、ただ愛を取り戻したり、愛し合い信じ合っていればいい話を、警察官が、俺々詐欺事件防犯のために、銀行に張り付いたり、郵便局に張り付いたりというのが、この国の 1 つの状況です。

 そして、私は前半の話を伺っていて、なるほど、これは内閣府が精神障害者と知的障害者を入れない理由が分かったぞと。まるで支援費のような話だなということで、本当に身体障害者たちには敬意を表するぐらい、よくお勉強しているし、立派なお話をしていると感じました。

 私は自立支援法の与党側の参考人ですが、なぜ自立支援法にいったかというと、支援費を使いすぎたからですよ。

 今日のお話も、何やら厚労省側はおたおたしてしまって、来年は出しそうな勢いで答えているのですが、国にも地方自治体にもお金はない。先ほど言ったように、それに熟年納税者のお金持ちは海外に行こうとしているから。

 そういうことで、もっと現実に戻って、私は素敵な彼がいて、今は薬も少量になって、国及び地方自治体住宅施策ない中で、社会保障制度や多くの人々の理解と応援で快適な家に暮らしていますから、家の中は、夜は美しいお花だらけで、フランスの王女様のような生活をしていますが、いかに住宅が大事か。

 冨澤課長、先程の話すぐにやらなければ駄目なのですよ。私はこの間、 2 日間にわたり精神病院訪問と病棟転換反対の集会で八王子に行ったときに、地図がわからず道で出会ったお巡りさんの説明だけで分からなかったから、不動産屋さんに入ったら、すごくいい回答だったから「厚生労働省の委員ですが」と保証人の話を聞いたのです。「留学生はどうなっていますか」と、そしたら「国費の場合は国が身元保証人で、そうではない場合は。」と、詳しくお話してくれましたから、あなたもたまには、奥さんと連れ出って、不動産屋さんにふらっと寄ってみるとか、所管課長として皆さんにお話を伺う前に自らすることがあると思います。

 それから、患者会の事務局長も去年で引いて、5月の代表者会議を報告する6月号まで会報の発行責任者になっていますが、 1990 年の 2 月に作業所に内職を出してくれていた会社で働くための面接を私は受けました。通所しながら“この作業所では社会で通用しない”と思っていた、かつてキャリアだった私は。面接を受けると、社長が「あなたは作業所から来たから時給が 500 円、仕事ができたら上げる、できなかったらやめてもらう」。率直で分かりやすかったです。すぐに 100 円上がりました。また呼ばれて、「先輩たちよりも、はるかに仕事をこなせる。でも、生活保護をもらっているからどうなるの」と聞かれました。

 そこに、「作業所と保健所が来て、『職親になって』と言った」らしいですよ。社長室に呼ばれて、職親について聞かれたのでくわしく説明したら、「ふざけるな!こんな零細企業に来て、職親になって訓練生を雇ってくれなんて言っている暇があったら、もっと雇用していない企業を開拓するように保健所に行って怒ってきなさい。うちの会社は広田君に、先輩たちよりも時給を払っている。つまり、能力に応じてきちんとした報酬を払っている人を差し置いて突然押しかけて来て、どちらが職員だ」と聞かれました。「あちらが指導員と呼ばれている職員で、私が精神障害者です」といったら、「そんなことは認めない!逆だ。あんなのは社会の常識から外れている」と言われた。

 その人が 20 何年たって、何の成長も感じませんが、就労支援の仕事をしています。そういう職種の人たちに対して「精神障害者の足を引っ張っている」。「ジョブ・コーチなんか付けたって、悪いけれど足手まといだ」と言ってくる人がたくさんいます。

 民間企業の中で病んでいる人がうつになったり、いろいろな状態になっている。毎日新聞ももちろんいる、厚生労働省もいっぱいいる。そういうことを含めたいろいろな社会体験、私も学歴はないけれど、職歴、社会体験歴は豊富です。

 国などの委員を担いつつ、私自身は、彼と自分の幸せを大事にして、引く手数多でも就労は、今後一切やりませんが、そういう社会で通用する人材を雇用していかない限り、申し訳ないけれど、現状は人間的にも、社会常識的にも、職務的にも、三流の人たちが業界にいっぱいいる。先程の会社は倒産しました。バブルがはじけたりして。倒産している企業はいっぱいある。

 倒産しないのよ、日本国がお金を出しているから。社会資源はね。だから、そこに胡座をかいて、 9 時、 5 時ですよ。 5 時過ぎに何かをやろうとしたら大騒ぎだから。そういう現実を直視しなければ。

 この中で、民間企業の経験がどのぐらいあるのですかと言ったら失礼になるけれど、社会がどう動いていて、障害者施策はどうなのか。かつて山の上に住んでいた頃うちにゴミ出しに来てくれていた若い女性ボランティアさんがいた。又草刈りの若い男性ボラさんもいた。彼は、ほかのボランティアもやっていました。「重度障害者に 1 日、 24 時間泊り込みで、 7 人の青年が張り付いて、お風呂は抱きかかえて入っている」と言っていた。そういうことが、支援費で、全部職員の仕事に変わったの。

 それでいいのかと私は言いたい。もちろんボランティアだけをあてにするのはいけないかもしれないけれど、何でもかんでもお金でという形でやってきたのが、支援費後のことですから。そういうものを方向転換しない限り、どんどん海外へお金を持った熟年日本国民が流出し、外国からどんどんお金のない人が流入している。しかも九州などに行ったら、本当に何十年前の炭坑の炭住というのは、壊さないでそのままです。汽車だってバスだって、 1 日に何本。それで、電車に乗れば、「聞いてください。過疎県ですよ、姨捨山ですよ。いくら石破さんが地方再生と頑張っても、それでできるのか」という状態で、都道府県も市町村もお金がない。私たち一人一人何ができるか、と考えながらやっていかないと、本当にお金を使わなければいけないところからお金を回していかないと。この間、厚生労働省の人、私の案内で警察の保護室に入りました。長年「保護されている人のための御飯は」と私は多くの警察官に聞いていますが、お巡りさんが持ち出していた。本部に聞いたら「予算は取っています」と言われたこともありますが。講演した第二交通機動隊で「対面監視したことのある人」と聞いたら、全員手を挙げた。保護室の中に入っている急性期状態の人を見守る役割です。状態によって保護室には入らないけれど、取調べ室やロビーの時もある。その場合の方が「逃げ出して、車にひかれたり何かあったら大変です」という実態もある。そういう実態を所管行政も全然知らない、こういうところもいっぱいあるわけです。

 だから、もっと現実を知って。この間、お巡りさんが制服を着て百均にいました、お弁当を買っていた。私は、「すごい!制服を着て」って言った。皆さん、マスコミにたたかれている、特に神奈川県警は、制服を着て食事さえ買いに行けません。そういうところがたくさんあるそうです。そんなのは先進国で日本だけです。とんでもない。

 お巡りさんとか、制服を着て命を掛けて仕事をしている人がいたら、席を先に譲って、「お疲れ様です」と声を掛けて。みんなが暮らしやすくしなければいけないということです。病棟転換ももちろん反対です。日精協のアドバイザリボードとしても、日本の精神医療保健福祉の被害者としてもです。だけど、マスコミが、たたく報道を続けていれば、国の委員の広田和子さんも、この数年ご愛用していた商店街を中心とした周辺を歩いていれば、多くの人に「大丈夫」。「気を付けてください」と、不動産屋のお兄さんにも言われる。見ず知らずの通行人までが電車の中に追っかけてきて、いろいろ質問され「すばらしい!お会いできて、うれしい!」とか言っている。そのくらい、私のこと、あれこれ「言っている人が、いっぱいいる」とか。政党関係者は、「ねたみ以外の何ものでもない」。若者2人組は「悪質だ」。親しい行政人は「広田さんにとって最強の敵だ」とか、どこまでが真実の話か、関心ないけど。家に来て「○○新聞」と勧誘の話して「マスコミですけどガンバッテ下さい。応援しています」という人もいる。私は女優でも政治家でもない。精神医療の被害者である“精神医療サバイバー”として国及び地方自治体等の委員等を生命がけで担い、私らしく等身大で公明正大に社会貢献活動しながら生きているだけだから。多くの人たちの話が真実だとしたら「低レベルすぎる」。「終戦後、東条英機さんの奥さんが、ほっかぶりして歩いているのに、石ころまで投げられて、ひどかったわよ」と聞いた時、信じられなかったが、仮にどんな理由があったとしても、今回“ここまで人間集団ってやるんだ”ということを改めて再認識しました。

次々、犯罪めいたこともおこり、本人の私が気づかないことまで、うわさとなって、聞いた人は、いろいろ心配され「防犯カメラを…」と言ってくれる人たちもいるけど、私は長年相談員をしていた。「知っている人が写っていたら・・・、自らやめた方がいい」。「警察が捕まえても、責任能力がない・・・」と言う人たちもいれば、「本物のどろぼうに気を付けて」という人もいる。私は精神医療で一度殺された体験。又、県精神保健福祉センター課長から「あなたの書いていること、発言していること 100 %正しいけど、でていること即ち問題だ」と、きわめて日本の業界人らしいせりふを言われたり、昔、父が港湾労働者として、 S 社で勤務中、器物で同僚になぐられ怪我をした時、会社は労災扱いにして、父は神奈川県警水上警察署に告発し、送検され、横浜地検も起訴したが、裁判がはじまり、証人として出廷した「同僚たちが、全員会社側についた」ことを父から聞いて“ああ!人間って弱い”と思った。その頃、父は外で暮らしていたが、私たちの「家近くそこの○○へ会社の人が飲みに来て、私達の様子をさぐっているわよ」とは母の話。その時、私は“大人の社会ってすごい。そこまでやるの。たかだか一港湾労働者の真実の訴えに対して”とも思った。このように人生経験豊富で、人をうらんだことがなく、大らかな性格の私だから何とか、FBI連邦おとり捜査官になった気分で、米軍放送聞いてディスコを踊ったり、生活したりしているけれど、多くの人は狂わされたり、暴れさせられたり、犯罪者にされたり、入院させられたり、自死に追い込まれてしまう。「レベルの低い日本社会」の一端を厚労省委員として、目の前りにしている、と捉えています。これでは、いくら厚労省が「地域移行」と叫んでも、社会的入院の仲間に春は来ない。民主党政権時、社保審“生活困きゅう者の特別部会”で、私は“昭和かれすすき”を歌ったけど、まさに愛の欠乏社会日本。「貧しさに負けた。いえ、世間に負けた」の歌詞どおり多くの自死者、多発続ける“うつ”・・・。

 是非、優しい“ひとりひとり”尊重される柔軟で弾力のある日本社会に。多様な生き方を“見守るヒューマンの愛”が求められています。お金を掛ける話ばかりではなくて。

 

○駒村部会長

 まとめてください。

 

○広田委員

 コマちゃん、一生懸命事務局が言ったとおりにまとめようとするから駄目なの。

 

○駒村部会長

 そのようなことはないです。とてもよいことをおっしゃっているのですが、脱線してしまうので。

 

○広田委員

脱線ではないのよ。まさに本線よ。みんながあまりにも日本社会全体を知らずか、見ないのか。

お金を掛ける話ばかり持ってきて、コンシューマーは不在で、いわゆるそこの施設が成り立つ話ばかり。日本社会のいろいろ直面している現実を私は話しているのよ。だから、乙武君入れてって言ってるの。

 町の中で安心して暮らすときに、さっきの様なシビアな体験しながらも、私は素敵な彼がいたり、あちこち行けるから、いいけれど。本当にそこの施設にしか行ってない人が、社会性もなければ、先ほど言った三流の人たちばかりと向き合って、どうして社会の中でプライドをもって生きられるか。生きられない。業界の狭苦しい常識の範囲でしか生きられない。

 私がこれだけ発言できるのは、子供の時から他人愛に恵まれたり、15才からの民間企業時代にはじまり、いろいろな魅力を持った人生の先輩たちに出会えたこととか。精神医療サバイバー&保健福祉コンシューマーとして12回の海外研修。法務省、警察庁、厚生労働省、神奈川県警を初めとした都道府県警、救急隊・消防関係者、内実を訴えられた海上保安庁関係者、こころ開いた防衛・自衛隊関係者、在日米軍関係勤務者たちなど、そしてマスコミの問題意識を持った人たち。固定観念と偏見まみれの精神障害者分野のところでも医療ミスの注射ををうたれた以後出会った4人の主治医等、ひとりの人間として、対等に出会えているからです。そして人間関係にとって最も大事な信頼関係があるからです。ここも現実をふまえた会議にしないと、国民がそれこそおこりだすと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 それでは、本日の議題は以上にしまして、最後に事務局から連絡がございましたらお願いいたします。

 

○藤井障害保健福祉部長

 事務的な連絡の前に、障害保健福祉部長です。本日は報酬改定あるいは予算の関係について、貴重な御意見をいろいろ頂き、ありがとうございました。頂いた御意見につきましては、これからの予算の執行というか、まだ国会を通っておりませんので、これからですが、執行に当たって、あるいは次年度以降も予算編成に当たり、生かさせていただきたいと思います。

 今回の報酬改定、予算編成、私自身も課長であった頃から数えて、 4 5 年振りに携わったわけですが、ものすごく厳しい状況であった、そのように軽い言葉で言えないぐらいに厳しい状況でありました。

 もう、障害者福祉だからといって、今の政府全体の方針の社会保障の効率化、適正化を図らなければいけないという路線の例外ではないということを、私もはっきりと認識をさせられました。

 そのような状況ですから、今日の報酬改定あるいは来年度予算案について御説明させていただきましたが、もう直、総合支援法の 3 年目の見直しの議論もお願いする中で、これは私から審議会に対して、あるいは審議会の部会の先生方 1 1 人に対してお願いをしたいのは、そろそろこの分野の財源はどうしていくのかというのを、真剣に考えなければいけない状況なのだということを、是非御認識いただいて、それぞれに、あるいは審議会としてもお考えいただければ有り難いということです。

 先ほど原田参考人から、自治体の予算も窮屈だということがありましたが、私どもも正に同じ状況でして、いわゆる義務的経費の自然増は、私どもでいえば利用者数が伸びていくような自然増は、確かに自動的に確保できるようになっていますが、義務的経費ではない部分、私どもは「裁量的経費」と言っていますが、地活事業にしても、地域生活支援事業にしても、精神の関係の諸事業にしても、裁量的経費ですが、今の政府全体のルールでいえば、毎年 1 割カットをして要求するということになっているわけです。

 地活事業でいえば、毎年 40 数億をカットして要求するということになっているわけです。それで、なお前年よりも増やしているというのはどういうことかというと、裁量的経費の全体の中に、某か都合を付けているわけです。毎年、担当課室には苦労をしていただいています。

 そういったルールというのが、そう簡単に変えられるとは思いませんし、政府全体でいろいろな分野の施策がある中で、障害者福祉だけが例外になるということも、まず通常は考えられないと思うのです。

 更に言えば、今度の 3 年目の見直しに当たっては、おそらく政策増のようなことを考えなければいけない、義務的経費であれ裁量的経費であれ、新たな政策を打つことによって、某か予算の増分が出てくるとすれば、それを私どもは通常「政策増」と呼ぶわけですが、政策増にしても、例えば原田参考人がおっしゃったような、地活事業から某かの個別給付、義務的経費のほうに移したとしても、その分の政策増たる義務的経費の財源はどこからも降ってこないわけなので、今のルールでいえば、私どもはほかの予算を切らないと、そこの財源の捻出はできないわけなのです。

 ですから、そういう全体状況にある中で、これからまた総合支援法の 3 年目の見直しも御議論いただかなければいけないわけでして、もちろん役所としては最大限の努力をして、少しでも必要な予算の確保をしていきたいと思ってはいますが、そろそろこの障害者福祉の財源をどうしていくかを、是非審議会としても、それぞれの委員としてもお考えいただければ有り難いと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 事務局からどうぞ。

 

○川又企画課長

 次回の日程につきましては、追って御連絡させていただきます。本日はありがとうございました。

 

○広田委員

 自殺の話が出ていましたが、私の周囲でも残念ながらいっぱい亡くなっています、私が精神障害者になってから出会った人たちです。お薬を貯め込んで飲む人もいっぱいいますので、薬局に頼んで、薬に一袋づつ日付けを打ってもらいました。厚生労働省さん!、「買った」り「リースした」りしているそうですから、何月何日発行でもいいし、何月何日分でもいいけれど、こういう形にしておけば、間違って飲まなかったり、残っている薬もわかりますので、是非お願いしたいということです。

 それと、いろいろな差別とか虐待とかが出てきていますが、そういう法ができたからといって、パラダイスアグーではなくて、おだしした資料のように“今ネットでは弱者様による謝罪無限地獄が起きている”という時代だそうですから、是非、弱者合戦をしないようにしたい。そこにお金をかけて、本当に対等な人間関係で幸せかということで、読んでいただければと思います。以上です。

 

○駒村部会長

 最後に部長から非常に重い話がありましたが、お金の話は広田委員もおっしゃるように、なかなか厳しい話です。 3 年後の見直しの話は、これからまた本格的に入っていくと思いますが、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。本日はありがとうございました。


(了)
<照会先>

【社会保障審議会障害者部会事務局】
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係
TEL: 03-5253-1111(内線3022)

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