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2015年4月17日 第9回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成27年4月17日(金)13:30~15:30


○場所

厚生労働省12階 専用第14会議室


○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、喜田村委員、斎藤委員、西沢委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構の平成26年度の業務実績に関する評価基準(案)について
(2)日本年金機構の平成27年度における業務運営に関する計画について(報告)
(3)その他

○議事

○梶野年金事業運営推進室長 ほぼ定刻でございますので、ただいまより「第9回社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、本当に御多忙のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず、委員の出欠状況でございますが、本日は磯村委員及び椎野委員が御欠席でございます。

 本日は途中で休憩を挟みまして、非公開に切りかえる予定としております。非公開の議題3は日本年金機構の契約監視委員会の審議案件の報告でございまして、公開すると特定の者の権利、競争上の地位その他利益を害するおそれがあるため、社会保障審議会運営規則第5条の規則に基づいて非公開とさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、議事進行につきましては、部会長よりお願いしたいと存じますが、大変恐れ入りますが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いします。

 

(カメラ退室)

 

○増田部会長 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。

 まず、1つ目の議題「日本年金機構の平成26年度の業務実績に関する評価基準(案)について」であります。この議題では、今年の夏に日本年金機構の平成26年度の業務実績に関する評価を行うに当たって、事務局から評価の基準(案)について説明をいただいた上で、委員の皆様方に御審議をいただきたいと思っております。

 それでは、まず、事務局から資料の説明をお願いします。

 

○梶野年金事業運営推進室長 それでは、資料1-1の1枚紙をご覧願います。

 まず、今後のスケジュールです。今回は26年度の業務実績を8月までに評価するということでございます。

 1枚目の3段目に「6月末日頃」と書いてありますけれども、機構の実績は6月末までに厚労省に提出することになっております。

 その1個上の6月26日の部会では、案ベースの実績と機構の自己評価案をヒアリングするということでございます。

 その後、最後、8月に評価の厚労省案を御審議いただくということです。

 今日4月は、評価をするための基準を御審議いただくということで、基本的には毎年こういうサイクルになってございます。

 資料1-2が評価基準(案)そのものでございます。今回は機構の中期計画が第2期に入って初めての基準でございます。本日はこれを説明します。

 なお、資料1-3として分厚い細かい資料がついていますけれども、これはあくまで参考でございます。資料1-2の評価基準(案)を26年度計画とか中期目標との関係で見られるようにした資料でございます。

 それでは、資料1-2を御説明させていただきます。

 まず、上の「1.評価の概要」のところに書いてございますが、機構の平成26年度における業務運営に関する計画の実施状況を調査・分析し、26年度の業務の実績の全体について総合的な評価を行う。

 2に書いてございますけれども、個別的な評価と総合的な評価の2つを併せて行う。

 「(1)個別的な評価」でございますけれども、四角の中からですが、まず、ローマ数字1は、基本的にはサービスの質の向上についてであります。基本的には4本立てに大きく分かれていますが、まず1点目が質ということです。

 その中の1ですけれども、まず「(1)国民年金の適用促進対策」ですが、基準としては適用促進を推進したか。「(2)国民年金保険料収納対策」については納付率向上に向けて効果的・効率的に推進したか。

 次の2ページ、真ん中の「2.厚生年金保険・健康保険等の適用・徴収対策」ということで、まず(1)適用促進ですけれども、適用調査対象事業所の正確な実態把握に努め、適用の促進を図ったか。3行下で、事業主からの適正な届出を促進するために適用事業所の事業所調査や指導などを行ったかということです。

 下の方(2)今度は徴収対策です。更なる収納の確保に向けて取り組んだかといった基準でございます。

 下の3行「3.年金給付」ということで「サービススタンダード」の達成率90%以上を維持するよう取り組みを推進したか。

 次の3ページ目「4.年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止のための対応」ということで、まず「(1)年金記録の確認等の対応」ということで、お客様からの年金記録に関する申し出に対して必要な調査をやるとか、呼びかけを適切に実施したかとか、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせの事務処理を迅速、適切に処理をしたかとか、再裁定を処理するための体制の整備を適切に行ったかという点でございます。

 (2)再発防止ですけれども、年金記録の確認の促進とか、重複付番の解消など、再発防止や年金記録の正確な管理に向けた取り組みを実施したか。

 「5.事務処理の正確性の確保」ということで、これは機構の方で26年度の計画から、年金給付から独立させて立てております。ですので、基準も独立しております。新しく立てています。業務処理マニュアルに基づく正確な事務処理の徹底に取り組んだか、事務処理の正確性の確保に取り組んだかといった基準(案)でございます。

 「6.年金相談、情報提供等」ということで、まず「(1)年金相談」ですが、基本的にスキルを持った正規職員等で対応する体制を計画的に構築するとか、年金事務所の待ち時間の増大やコールセンターの応答率の低下を極力防止するための取り組みを行ったかといった点でございます。

 下の「(2)分かりやすい情報提供の推進」は、よりわかりやすく効果的な情報提供を図ったかということでございます。

 次の4ページ「(3)公的年金制度に対する理解の促進」ということで、ここも新しく立っておりますが、地域に根差した活動に努めたかといった基準(案)でございます。

 「7.お客様サービスの向上」、これはお客様の声の収集に努めて、その結果をサービス改善、業務改善につなげたかといった基準(案)でございます。

 「8.ICT化の推進」、これは電子媒体、電子申請の利用を促進する取り組みを推進したか。

 「9.年金制度改正等への対応」ということで、これも新しく立っておりますが、26年度に施行された年金制度改正、27年度以降に予定されている制度改正等に向けて必要な対応を行ったか。

 ローマ数字2として、今度は2点目、先ほどは質でございましたけれども、今度は効率化に関する事項ということで、まず「1.効率的な業務運営体制」ということで、業務改善工程表とか、そういったものに基づく各種取り組みや適切な進捗管理及び着実な実施に努めたかという基準でございます。

 下の「2.運営経費の抑制等」ということで、人件費について不断の合理化・効率化を進めたか。一般管理費及び業務経費について効率的な予算執行を進めたかということです。

 次、5ページ「3.外部委託の推進」ということで、委託した業務の品質の維持・向上を図るため、委託業者の適切な選定とかを実施したかということでございます。

 「4.契約の競争性・透明性の確保等」ということで、調達における事業者との接触に係る適正な取り扱いの徹底に努めるとか、価格を重視した競争入札に付すことを徹底するとか、契約の競争性・透明性の確保・コスト削減、調達手続の適正化に努めたかといったようなことでございます。

 「5.社会保険オンラインシステムの運用・開発、見直し」ということで、これは2行目にありますけれども、システム事故及びシステム障害の極小化に取り組むとか、システム開発に適切かつ確実に取り組んだか。最適化計画の基本的な理念に沿って社会保険オンラインシステムの見直しに取り組んだかといった点でございます。

 次の6ページ、ローマ数字の3ということで、今まで質、効率性と来ましたけれども、今度は公正性、透明性という点でございます。

 「1.内部統制」ということで「内部統制システム構築の基本方針」に基づいてコンプライアンスの確保とか、リスクアセスメント、緊急時対応マニュアルの充実とか、効果的・効率的な監査の実施などを行ったかということでございます。

 「2.人事及び人材の育成」ということで、全国異動の促進を図るとともに、能力・実績本位の人事配置を行ったか。

 「3.情報公開の推進」ということで、アニュアルレポートの作成に当たっては、情報公開を推進する観点から国民目線でできるだけわかりやすく、見やすく作成することについて引き続き取り組んだか。

 「4.個人情報の保護に関する事項」ということで、これは計画に基づいて個人情報保護管理・セキュリティー対策の順次実施等を行ったかということです。

 最後のページの7ページ目、ローマ数字の4「予算、収支計画及び資金計画」ということで、経費の節減を見込んだ予算を作成して、その運営を計画的に行うことができたかということでございました。

 マル2として、評価ですけれども、個別的な評価は以下の判定基準に基づく5段階評価ということで、「S」「A」「B」「C」「D」ということで、これは毎年同じですけれども、上回っているとか下回っている度合いでそれぞれ評価するということでございます。おおむね達成している場合は「B」。

 一番下に3行ありますが「総合的な評価」ということで、総合的な評価は今まで御説明した個別的評価の結果を踏まえ、機構の平成26年度の計画の達成状況についてまとめの評価を行うということでございます。

 以上が基準の(案)でございます。

 

○増田部会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明内容について、御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思うのですが、内容が多岐にわたっています。部分に区切ってやっていってもいいのですが、全体のどこでも結構ですので、気がついたところを御指摘いただきましたら、そこについて議論したいと思います。

 それでは、どうぞ、岩瀬委員、お願いいたします。

 

○岩瀬委員 1ページ目の「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」なのですけれども、ここで質の向上というのがどういう基準を置いているのでしょうか。数値目標はあるのだけれども、その数値目標を達成すれば質も向上したと評価するのか、あるいは質というのは別に評価項目を設けようとしているのか、その辺を説明していただけませんか。

 

○増田部会長 室長さんでよろしいですか。

 それでは、お願いいたします。

 

○梶野年金事業運営推進室長 ここはまず、評価の基準として質に関するものを揃えさせていただいているものでございます。わかりやすい例で申し上げると、例えば2ページ目の「3.年金給付」ということでございますけれども、サービススタンダードの達成率は90%以上ということで、サービスの質を確保している。ですので、例えば90%ですと、ここは委員の先生方の評価でございますが、おおむね達成している場合は「B」とか、100%の場合にもっと上の評価があるか。または、下がっている場合は下がっているといったところとか、6番の年金相談とかも、待ち時間の減少とか応答率とかでサービスの質を保つ基準でございます。

 ほかは、例えばローマ数字の2ですと、運営経費の抑制とか、効率的な指標になっています。ローマ数字の3は透明性なので、情報公開とか内部統制とかになっております。基準の性質によってそのように分かれているということでございます。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 では、国民年金の適用・徴収業務について、絞ってお聞きしたいのですが、これはいわゆる市場化テスト業者にやらせるわけですね。その市場化テスト業者は公的年金制度をきちんと説明するとか、理解を国民の方に深めてもらうとか、そういうところの質の評価項目というか、チェックポイントは設けているのですか。

 

○増田部会長 大西課長さん。

 

○大西事業管理課長 この評価基準(案)の中でも、2ページ目の2行目に市場化テスト受託事業者との連携の強化等に取り組んだかということが定性的に書いてございます。実際は評価の欄には、毎年度のことで改めて申し上げるのも恐縮ですが、もちろん数値的な達成度合いも評価いたしますけれども、今、委員御指摘のような中身についてもちゃんと行われているかどうかということを見ながら、最後、総合的に数値と定性的な評価とあわせて「S」「A」「B」「C」「D」を評価していくということになると考えております。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 私は過去の中身について評価されたのを見た記憶がないのですけれども、あれば今回、評価するに当たっての参考材料として、過去のどういう部分を質的な評価したのかというのを出してもらえませんか。

 今回の徴収業務、市場化テスト業者に関しては、免除の手続もやるわけですね。単に徴収だけではなくて国民の権利に関することもやっていくわけです。そこら辺をきちんと説明できるのか、あるいは口だけではなくて何か文書できちんとこういうことだということをおいていかないと、あるいは対応がよかったか、悪かったかということのアンケート調査みたいなこともきちんと渡さないと、これの評価が今年は特にやりにくいと思うのですが、その辺は考えていらっしゃるのか、教えてもらえますか。

 

○増田部会長 2点ありましたけれども、今までの実例と、あとは御質問ですね。

 課長さんでよろしいですか。

 

○大西事業管理課長 私が毎年度やっていると最初に申し上げた趣旨は、最後、評価を今年でいいますと8月の時点で公表するわけですが、その評価書の中でいろいろ定性的な、これをよくやったとか、よくやらなかったとかという文章を書いています。そのことを私は申し上げてございます。あの中でちゃんとやっていたとか、こういうところができていなかったというようなことを具体的に書き込んでいけばいいのではないかと考えております。

 そこに書き込む材料として、今、岩瀬委員がおっしゃられたような、アンケートとかという具体的な例示をいただきましたけれども、どういうものを使って評価をするかは現時点でこれというものがまだ具体的に頭が整理できていないのですが、評価書を実際につくる段でまた御相談させていただきたいと思います。

 

○増田部会長 では、補足。

 

○梶野年金事業運営推進室長 1点目ですけれども、機構の実績報告書で、基準として市場化テストを書いてございますので、実績にもきちんと市場化テスト事業の実績を書いています。

 去年の例ですと、市場化テスト事業の進捗管理を徹底強化するとか、そういった実績を書いています。

 ですので、御指摘の点を踏まえますと、次の6月の実績報告に市場化テストの状況をきちんと書いていただくということだと思います。

 

○樽見年金管理審議官 よろしいですか。

 今のお話で、まさにこれまで毎年評価をやっていますので、ただ、そこは確かに今、課長から申し上げたとおり、数量的に何でどうという格好に恐らくなっておらないと思いますが、これまで報告書のどういうところを見て、どのように評価書の中で書いたのかというところについては整理ができると思いますので、それは6月のときに整理をやってみたいと思います。

 後段のほうの話でございますけれども、今度は免除も含めて市場化テスト業者ということになるわけですが、それについては実は今度始めるということで、したがって、27年度からやることになりますので、今回の26年度の評価には直接関係してございません。ただ、前回、そういうところも含めてガイドラインあるいはマニュアルについて議論に供せられるようにということで宿題をいただいてございます。これについては現在、そこの具体的な要件に沿った省令で定めると、実はパブコメ手続をやっているところでございますので、そのパブコメ手続をやったところで、これは次回になろうと思いますけれども、整理をしてお出しできるように準備をしたいと思います。

 

○増田部会長 わかりました。

 それでは、また別の点で。

 

○岩瀬委員 市場化テストというのは、もともとは組織再生会議で議論になったと思うのですけれども、そのときは市場化業者と機構というか社保庁が両方でやって、それで効果を見ようということだったと思うのです。当時から一気に市場化に振ったのではなかったような記憶があるのですけれども、間違っていたら教えていただきたいのですが。違いますか。

 

○増田部会長 市場化テストしたときの経緯は課長さんですか。

 

○大西事業管理課長 御指摘のとおりでございまして、最初から全部市場化業者というわけではなくて、最初、一部の年金事務所でスタートして、その後、その実施状況を踏まえて順次拡大をしてきて、現在では全年金事務所で市場化業者に納付勧奨業務等の一部を委託するという体制になっていると承知しております。

 

○岩瀬委員 議論になってしまって申しわけないです。

 この納付勧奨という業務は、機構にとって非常に重要な業務だと思います。それを丸投げするというのは私はなかなか理解できなくて、だから再生会議のところも反対したのですけれども、これを何で機構の職員がやらないのか。職員がやって、未納者の方のところに行って、きちんと制度の説明をするということの重要さをなぜ軽んじているのかというのがわからない。

 なおかつ、市場化テスト業者というのは66億円も金をかけてやるわけでしょう。66億円といったら半端な金ではないと思うのです。しかも、この66億円は全額国民が老後のために支払った保険料を使うわけですね。大変な仕事は全部外部業者に丸投げというのは、信頼回復の途上にある機構にとってこれがいいのかどうか、私は非常に疑問があるのですけれども、その辺についての考え方を教えていただけますか。

 

○増田部会長 そうしたら、今の岩瀬委員の御意見ですけれども、それをお答えいただいて、一応市場化テストの対象にはなっているという整理になっているようなので、そこはそのようにした上で、そこの厚労省としての考え方をきちんとお話しいただきたいと思います。

 

○大西事業管理課長 すみません、先ほど具体的な日付を申し上げられませんでしたが、平成2110月から全ての社会保険事務所で市場化テスト、業者への委託というものが導入されてございます。

 今、部会長からもございましたけれども、平成18年の閣議決定で公共サービス改革基本方針という中で、他の様々な事業と併せて、国民年金の保険料収納業務を民間にやってもらおうということが政府の方針として決定されて、順次これまで導入されてきたということかと思います。

 委員のおっしゃるとおり、保険料の収納というのは非常に我々にとっても一番大事な仕事でございますので、そこをこういった事業者に委託するに当たりましては、もちろん細心の注意を払って、公共サービス改革推進法に基づいて基本方針などを策定して、総務省の審議会がございますが、そういった審議会での議論を経た形で慎重に委託をやらせているというところです。

 私どもとしても、単に丸投げというのではなくて、市場化業者に対する適切な指導監督、もともと市場化テスト事業自体の趣旨が民間のノウハウを生かすという部分がありますので、手とり足とり完全に我々が縛るというのはもちろん適切ではないわけなのですけれども、一定の裁量の中でなるべく民間の創意工夫というものを生かしてもらいながら、民間委託せずに我々自身がその事業をやるよりは、民間でより効率的にやってもらうというのがこの事業の趣旨だと思いますので、そういう趣旨に合うように、かつ、年金制度の趣旨そのものは損なわないようにやるということについて、我々としては注意していかなければいけないと認識しております。

 

○増田部会長 確か市場化テストは、考え方とすると、今、おっしゃった民間ノウハウを生かすということで、それと、官と民がそこで競争して、民間に出したほうが官でやるよりももっといいということで、あまりいい成績がなければまた官に戻して官がやるという前提で制度設計されてできた制度だから、これまでやってみて、それをまた続けるというのであれば、民間のノウハウが、官でそれまでやっていたよりは優れているというところがあって、それで続けるということだと思うのです。

 その辺りについては、最初、業者がやるについても、かなりきちんとこういう形でそこはやってください、ただ、収納率を上げるためにもっとそこにプラスアルファの民間のノウハウを生かしてくださいということをおっしゃって、それでやっていると思うのです。

 だから、今のやりとりのポイントは多分そこがきちんと示されているかどうかということではないかと思います。

 

○大西事業管理課長 次回のときに、改めてそこら辺も含めて整理して。

 

○増田部会長 それでは、次回、そこのあたりをまとめて宿題でよく調べて、いずれにしても収納率を向上させるための方策としてどういうノウハウが民間等を使えば生かされるかについても、お互いライバル関係が民間とあるような分野でもありますけれども、率直にその辺り、お話ししていただければと思います。よろしくお願いします。

 あと、この基準(案)についてほかには何かございますか。

 どうぞ、お願いいたします。

 

○斎藤委員 全体的なことですが、この評価では、これをしたか、これを達成したかという、減点主義のような感じを受けます。年金機構としては当然、やるべきことはやりつつ、日ごろから現場と接しているので、いろいろな情報が入り、それをもとに各事務所で提案がされたり工夫がされたりという、前向きな仕事も必ずやっていらっしゃるのだろうと思うのです。

 あと10年たつと団塊の世代がみんな後期高齢者になるという事態を前に、現場の方たちはいろいろな危機意識を持ち、何かをしなければという気持ちで仕事をしていらっしゃるのだろうと思います。そういう方たちがどういう工夫をして、どういうことをなさっているのか。まだ取り組みだけで実績につながっていないかもしれませんが、そういう前向きな姿勢の情報をいただいて、それに対する評価ができたらいいと思っております。何かそういう方面の情報も御提供いただけないものでしょうか。

 

○増田部会長 ありがとうございます。

 今の点について、配付されている評価の基準(案)との関係で、今、斎藤委員がおっしゃったようなことを読み込めることが含まれているところがあれば、御説明していただきたいです。

 

○梶野年金事業運営推進室長 資料1-2の4ページの下のほうにローマ数字2で業務運営の効率化とあります。その「1.効率的な業務運営体制」、行数が長いですが、ここの5行目に「お客様や年金事務所等第一線の職員からの業務改善要望や提案」をきちんと反映しているかということです。

 毎年、サービスコンテストとかそういったところの状況を報告させていただいて、御審議いただいています。ですので、今年もそういった職場の職員からの提案、お客様からの声をどう吸い上げたのかというのは、また実績を見ていただいて評価をお願いするということだと思います。

 

○増田部会長 今、斎藤委員がおっしゃったものを反映させるとすると、根拠になるのは今の部分ということですかね。

 

○梶野年金事業運営推進室長 そうですね。まさに第一線の職員からの提案要望をきちんと次のサービス改善につなげているかというところを、この基準に照らしてそうなっているかどうかというところを見ていただく。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○斎藤委員 業務改善の努力にとどまらず、訪れる方たちに年金の意義であるとかを御説明なさって感謝の手紙が来たとか、何かそういうことは必ずあると思うのです。そのようなもう少し広い意味での貢献というのがあればいいと思いました。

 

○梶野年金事業運営推進室長 今回から、同じく4ページ目の一番上「(3)公的年金制度に対する理解の促進」が必要だろうということで、地域に根差した活動をするということがあります。ですので、今、おっしゃられたようなところも、機構にそういうデータがあるかどうかという点もありますが、そこも含めて可能であれば出していただいて、また評価をしていただくということかなと思いますが、いかがでしょうか。

 

○増田部会長 よろしいですか。

 ほかにはいかがでしょうか。

 西沢委員、どうぞ。

 

○西沢委員 6ページ目の「人事及び人材の育成」のところで「全国異動の促進を図るとともに」とあるのですけれども、これは元々全国異動自体が目的ではなくて、人材育成もあると思うのですが、それだけでなく業務の運営の方法が地域的にばらばらだったりしたものを全国均一にするとか、そういう目的のもとで全国異動を図ろうという趣旨だったと思うのです。

 ですから、こう書いてしまうと、全国異動自体が目的のように見えてしまいますけれども、決してそうではないはずなので、全国異動というのは手段であったので、それによって先ほど申し上げたような目的が達成されたかどうかを評価すべきであると思います。全国異動は女性の登用の妨げになっているなど、デメリットもあるということがこれまで議論になってきましたので、ですから、当初の目的をもう一回確認して、その目的がこれによってどう達成されているかという評価にしたほうがいいと思います。

 意見です。

 

○増田部会長 今の点はほかの委員の方たちは何か御意見ありますか。よろしいですか。

 この基準は昨年と同じ表現ですか。

 

○梶野年金事業運営推進室長 この「全国異動の促進を図る」というのを今回追加させていただいています。去年の御議論を踏まえて追加させていただいています。

 

○増田部会長 今の御意見は、それも更に上の趣旨をそこのところに書くと。

 

○梶野年金事業運営推進室長 そうですね。確認しますけれども、3層構造の解消とか、そういった趣旨を入れて直すと。全国異動を促進して3層構造の問題点を解消するとか、全国異動を促進して組織の一体化を図るとか、本来の目的を加える。

 

○増田部会長 今、委員がおっしゃったのは、そういう組織の一体化というか、そういうお話なのですが。

 

○梶野年金事業運営推進室長 はい。「全国異動を促進して組織の一体化を図るとともに」と直すということで、いかがでしょうか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○西沢委員 今のでいいと思います。全国異動についても、女性がなかなか手を挙げないとか、この中で議論になりましたね。ですので、デメリットもあると思いますので、これを今後ずっと続けるのかどうかというのも、今後、検討していっていただいたらいいと思います。

 

○増田部会長 今の御意見は今後、この問題をどうしていくかということですが、とりあえず昨年度のものを評価する基準ということであれば、そうしますと、全国異動の促進の上に、先ほど言ったような表現で目的を書くということにして、今の西沢委員の御意見は来年度あるいは再来年度の方針のときにどうするかをまたここで議論すればいいのではないかと思います。

 表現のところなので、この場で決めておきたいのだけれども、どのようにしますか。

 

 

○樽見年金管理審議官 「組織の一体化を図る観点から全国異動の促進を図るとともに」といってはどうですか。

 

○梶野年金事業運営推進室長 はい、それでは、この部分は冒頭から「人事方針に基づき、組織の一体化を図る観点から全国異動の促進を図るとともに・・・」ということでいかがでしょうか。

 

○増田部会長 他の委員の方、そういうことでよろしゅうございますか。

 それでは、今の表現をそこに追加して、どういうためにこの全国異動の促進を図るかということを追加して、基準ということにしたいと思います。

 他にございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、他に特にないようでありますので、基準としては今の部分を修正した上で、昨年度の事業についての評価基準(案)の(案)を取って、評価基準にしたいと思います。したがって、その基準に基づいて年金機構のほうでまず、評価していただいて、一度この場で6月に審議をしますけれども、その上で、今度は厚生労働省のほうで評価をされる、その厚生労働省の評価について、またもう一度この場で議論するということにさせていただきたいと思います。

 それでは、続いて、次の議題2でありますが「日本年金機構の平成27年度における業務運営に関する計画について」であります。

 本件につきましては、今年の1月23日の本部会において、計画の骨子(案)について御審議をいただいたところでありますが、計画全体についてはその後、日本年金機構において策定をして、先月、厚生労働大臣から認可を受けているとのことでございます。

 本日は、その計画について、日本年金機構から報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○樋口日本年金機構経営企画G長 日本年金機構経営企画部の樋口と申します。私の方から説明させていただきます。

 資料2-1が27年度計画そのものでございますが、もう一つ、資料2-2といたしまして、表にしたものを用意させていただきましたので、そちらに沿いましてご説明したいと思います。

27年度計画そのものを一番右の欄に記載しておりまして、26年度計画との変更点を対比した形でまとめているものでございます。

 骨子につきまして、前々回の部会で御審議いただきまして、御指摘も踏まえまして、その後、具体的な計画としたものでございます。若干追加したものや、特に具体化した点ないしは昨年度計画からの主な変更点を中心に御説明したいと思います。

 早速でございますけれども、資料2-2の1ページ目、年度計画の真ん中のほうに6~7行追加しております。これはPDCAを回すことが非常に重要だという御指摘をいただきまして、それを踏まえまして、年度計画の実施に当たって組織として方針を示すということ、また、各拠点において目標達成に向けまして具体的な取り組みを実施する、役職員全員が実施状況を把握して、それを踏まえた改善に努めるという意識を持って取り組むといった点を追記させていただきました。

 続きまして、資料2ページ目以降「国民年金の適用・収納対策」であります。

 3ページの真ん中のほう「第3号不整合問題への対応」に関しまして、特定期間の該当届出の届出勧奨を行っておりますが、真ん中のほうに3行追加しております。その届出勧奨の際に、これは会計検査院から指摘をいただいておりまして、昨年秋にこの場でも御報告させていただいておりましたけれども、勧奨業務につきまして、年金事務所間の引き継ぎが十分ではなかったという点が指摘されておりました。そういったことを踏まえまして、年度計画上も引き継ぎをしっかりやっていくということを追記させていただいたものでございます。

 続きまして「国民年金保険料収納対策」でございます。3ページの右下のところ、各種数値目標を設定いたしまして取り組むこととしております。

 骨子の段階から1点だけ変更しております。右下に「ウ」とありますが、平成25年度の現年度納付率から少なくとも7.0ポイント程度の伸び幅を確保するとしておりまして、骨子の段階では6.5ポイントとしておりましたけれども、この点を修正したものでございます。

 続きまして4ページ、収納対策の関係で進捗管理を徹底していくと申しておりました。具体的にはPDCAサイクルの回し方につきまして記載したものであります。下線で10行ほど追加しております。年金事務所、ブロック本部、そして本部、それぞれの役割を明記して取り組むということで、記載を追加、具体化させていただいたものであります。

 その他、国民年金保険料の収納対策に関しましては、骨子で御説明した内容もしくは昨年度の計画の延長線上の対策でございますので、ここの説明は省略させていただきます。

 6ページ以降ですけれども、厚生年金保険等の適用・徴収対策です。これは御説明したとおりでございますけれども、今年度から国税源泉徴収義務者情報を活用しまして、3カ年間優先的に職員による加入指導等に取り組むことにしております。

 進捗管理の徹底につきましては、具体的なPDCAサイクルを記載した点、国民年金保険料の収納対策と同様でございます。

 続きまして、9ページ、厚生年金の適用対策のところですが、事業所調査を従来からやってまいりました。9ページの右上のところで3行ほど追加しております。従来、全ての適用事業所を対象に4年に1回実施することを基本としていたわけでございますが、今年度27年度はその4年目に該当するものですから、前3年間で調査されていない事業所に対して漏れなく実施するということを計画に記載させていただいたものであります。

 その他、厚生年金の徴収対策は、次の10ページ、これも適用と同様でございまして、PDCAサイクルをしっかり回していきたいということを具体的に記述しております。

 また、11ページの上のところ「厚生年金基金特例解散に伴う徴収業務への対応」、従来からこの業務は発生しておりますけれども、継続して実施していく必要があるものでございますので、計画上に明記したものであります。

 「3.年金給付」でございます。「サービススタンダード」の内容につきましては、従来と同様でございます。

12ページ、右上のところで3行追記しております。「過去に発生した申請漏れや支給誤り等の事案に関し、可能なものについて対象者を抽出し、適正な受給に結び付けていく」というものであります。

 これにつきましては、過去に発生いたしました誤りの中に、配偶者の加給金の加算漏れでありますとか、振替加算の漏れなどがございまして、年金給付の過払いや未払いが発生していたものでございまして、平成27年度におきまして、件数が多いものなどを中心に、対象者を特定した上で適正な給付につなげたいとしているものでございます。

 そのほか、マル3の「障害年金の諸課題に対する改善への取組」は前回、前々回の部会でも御議論いただいていた内容でございます。

 4の年金記録問題の関係でございますが、これも昨年秋に今後の取り組みとして御説明していたものを年度計画にも明記したものであります。

 1つは、約2,000万件の未統合記録が残っているということで、これに対して大臣からの指示をいただいた個別アプローチを実施するなどの取り組みを進めたいというものでございます。

 また、どの年金事務所でも標準的に事務処理が行えるような取り組みを進めるものとしております。

13ページの右下のところに少し御説明させていただきたい事項がございます。ウ「オンライン記録に結びつかない紙台帳(約1.2億件)の分析」と書いておりまして、このための「サンプル調査により収録内容の分析を行い、記録調査における検索方法等について検討を行う」と記載させていただいております。

 御照会もいただいておりましたので、少し説明させていただきますが、御案内のとおり、年金記録問題につきましては、大きく分けて未統合記録の問題と、いわゆる紙コン事業を行ってまいりましたけれども、紙台帳の内容がオンラインに誤って記録されているという問題がございました。前者の問題につきましては、先ほど御説明した内容でございますが、後者の問題、紙台帳に記載された記録とオンライン記録を突き合わせて記録の誤りを確認するという事業を平成2210月から実施してまいりました。

 この紙コン事業を実施するに当たりまして、旧社会保険庁の本庁、旧社会保険事務所、全国の市町村などで管理されていた紙台帳を集めたところ、約9.5億件の紙台帳、これはマイクロフィルムを含んでおりましたけれども、こういったものが集まりました。そこで、効率的に突き合わせを行うために、この紙台帳全てを電子画像化いたしまして、個人単位で端末に表示して、効率的にオンライン記録との突き合わせ作業を行うことができる紙台帳検索システムを構築してきたところであります。

 その結果、現在は、紙台帳検索システムを使用した突き合わせは全て終了しているという状況です。また、このシステムはお客様の年金記録を調査、確認するために有効でありますので、年金相談等の際に活用しているところであります。

 この計画で書かせていただいております1.2億件は、紙台帳検索システムを構築した際に、9.5億件の紙台帳の中に重複しているものがありましたので、それを除いた7.2億件の中でオンライン記録と照合するための索引データをつくって、これをキーにして紐付けをやってきたわけでありますが、紐尽かなかったものが1.2億件あったということでございます。それは、1.2億件の中には台帳の表紙でありますとか、裏面とか、そういったそもそも記録の記載がなかったようなものもカウントしていたという状況もありますし、紙台帳の一部、全部が欠損して見えなくなったものもございます。また、何らかの理由で紐尽かなかったものも中にはあるということでありまして、これらの中でも紙台帳の内容につきましては、別の紙台帳等によりオンライン記録に収録されていますので、既に年金給付に反映されたものもあったという状況であります。

 今回、計画に位置づけております作業はサンプル調査を行うことによりまして、1.2億件の紙台帳がオンライン記録と紐尽かなかった理由でありますとか、その記録がオンラインに収録されているかどうかといった状況について調査を行うというものでありまして、その原因や傾向等を分析いたしまして、年金相談などにおきましてお客様から記録の確認のお申し出があった場合に、紙台帳検索システムを使って、お客様の記録が記載されていると思われる台帳を検索し、より効率的に記録確認を行う方法などを検討していきたいというものでございます。

 作業につきましては、専門性の高い業務になるものですから、熟練した職員で対応しなければならないという状況にありまして、夏頃までまとめる時間が必要であると見込んでおりますが、まとまり次第、また御報告をしたいと考えているものでございます。

 続きまして14ページ以降、記録問題の再発防止であります。これは、御案内のとおりでございますが、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の利用の促進を図るといったものでありますとか、重複付番の新規発生の防止、もしくは既に発生している重複付番の解消を進めていくというものでございます。

 続きまして16ページ「5.事務処理の正確性の確保」でございます。これも従前お話しさせていただいていたものであります。昨年度下半期から、特に重要である3類型の事務処理誤り、事務処理遅延、書類の紛失、誤送付等の根絶を図ってまいりました。この取り組みを継続して徹底的に行っていきたいというのが1つでございます。

 もう一つは、17ページの下のほうに記載しておりますけれども、この3類型の事務処理誤りに限らず、過去に発生した事務処理誤りの発生件数の多いものを類型化いたしまして、組織横断的な事務処理誤りの再発防止に取り組んでいくことに努めたいと考えております。

 続きまして18ページ以降「年金相談、情報提供等」でございます。これは年金事務所の相談、待ち時間の増大をしないようにするとか、コールセンターの応答率の低下を、制度改正等がありますので、相談件数がふえる面もございますけれども、極力抑制していく、防止していくということでございます。具体的な取り組みは、昨年度からの継続でありますので、説明は省略させていただきたいと思います。

21ページ、22ページ「分かりやすい情報提供の推進」もしくは「公的年金制度に対する理解の促進」に継続的に努めていきたいと考えています。

22ページ「お客様サービスの向上」であります。これも継続して図っていきたいというものでありますが、23ページの中ほどに書いておりますけれども、以前御説明させていただいておりますが、覆面調査につきまして見直しを図っていきたいというものでございます。

24ページ「ICT化の推進」、これは電子申請の推進や「ねんきんネット」の活用等に取り組むものであります。

25ページの「年金制度改正等への対応」でございますけれども、特に今年10月に被用者年金一元化法の施行が控えております。また、来年10月には年金機能強化法の中でも短時間労働者適用拡大という大きな見直しの予定がございます。これにつきまして、システム開発でありますとか広報等、準備をしっかりとやっていきたいというものであります。

25ページの一番下に「社会保障・税番号制度への対応」についても記載しております。これも骨子のときのとおりでございますけれども、個人番号もしくは法人番号それぞれに対応していきたいと考えております。

26ページ以降はローマ数字の2「業務運営の効率化に関する事項」であります。「効率的な業務運営体制」「運営経費の抑制等」「外部委託の推進」「契約の競争性・透明性の確保等」と4つ項目がございます。これは昨年度から継続的に取り組んでいくものでありますので、説明は省略させていただきます。

30ページ「5.社会保険オンラインシステムの運用・開発、見直し」であります。特に社会保険オンラインシステムの見直しにつきまして、より具体的に記述させていただいております。公的年金業務の業務・システム最適化計画の基本的な理念に沿いまして、フェーズ1とフェーズ2に分けて対応を進めることにしております。フェーズ1といたしましては、29年1月から順次稼働に向けまして、経過管理・電子決裁、統計・業務分析など制度共通の事務処理機能の構築に取り組むとしております。

 また、フェーズ2は、制度単位から被保険者単位のデータベースへの見直しや、手作業処理のシステム化など業務の見直し、それを踏まえた統計・業務分析機能の強化を行うためのシステム開発に向けた準備に取り組むこととしております。

 続きまして、ローマ数字の3「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」でありますけれども、これもおおむね骨子で説明させていただいたとおりでございます。内部統制システムの構築につきましては、昨年度下半期からシステムの一層の有効性を確保するために、例えば業務処理責任明確化のための届書への押印でありますとか、無予告監査等に引き続き取り組んでいくという点。もしくは、業務管理の徹底等を目的とした業務報告書を導入すると記載しております。

 また、監査体制の見直し等につきましても、骨子でお話しさせていただいていたものであります。

 続きまして、34ページ「2.人事及び人材の育成」であります。ここは、骨子でもお話しいたしましたけれども、人事方針に基づきまして引き続き全国異動の促進を図る。もう少し女性管理職の登用を進めるといった点を、昨年度計画から追記させていただいております。

 また、35ページ「人事評価制度の定着促進」や「人材の育成」にも取り組むこととしております。また「働きやすい職場環境の確立」といたしまして、時間外勤務を縮減するといったことや、ワーク・ライフ・バランスの推進などに取り組むこととしております。

 残りが36ページ「3.情報公開の推進」、37ページ「4.個人情報の保護に関する事項」ということで、従前御説明させていただきましたけれども、ここにも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 足早で恐縮でありましたけれども、以上でございます。

 

○増田部会長 今年度の業務運営に関する計画について、ただいま説明がありました。3月31日に厚生労働大臣の認可を受けた上で、このような形で決められている内容でありますけれども、これについて特に御意見、御質問等ありましたら、頂戴したいと思います。

 岩瀬委員、どうぞ、お願いいたします。

 

○岩瀬委員 3ページの国民年金の保険料徴収対策についてお聞きしたいのですけれども、これは事前の説明会で聞きましたところ、民間市場化テスト業者にある一定の国民の情報を渡す。実際に回る人は、スマートフォンで情報にアクセスしながら戸別訪問するということを聞いているのですが、それは別に問題ないですか。

 もう一つ、それとともに、年収50万以下で、なおかつ、保険料を払っていない人の情報も民間市場化テスト業者に渡すということで、非常に個人のプライバシーに関する情報まで出してしまっていいのかどうか。それがこの効率と質を高めることになるのであれば、そこを説明していただきたいです。

 

○増田部会長 それでは、事務局の人、お願いいたします。どうぞ。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 事業管理部門担当の深田でございます。

 御質問になった点ですが、市場化テスト事業者には被保険者の情報は渡しております。未納者の方の情報を渡していまして、その方を中心に督促に回っていただくということですので、渡しております。

 所得水準は、所得額は幾らだというデータを渡しておりませんが、免除の対象者になり得る方だいうことでのリストは渡しております。

 それを担保する手段としてですけれども、市場化テストは法律に基づいた事業でございまして、守秘義務がかかっております。また、我々の機構法の中でも委託事業者に対しても守秘義務をかけて、罰則で担保しているという面もありまして、そういった点からも問題はないと考えております。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 守秘義務がかかっている社保庁の職員なり日本年金機構の職員が、今まで情報を漏らしたり、いろんなことがあったわけですね。これは大丈夫なのですか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 今まで漏らしていたということなのですけれども、それについては悪いことであって、それは処罰なり、あるいは契約解除するとこもございますので、そういった対応をしていくことになるのかと思います。

 

○増田部会長 ほかに。

 どうぞ。

 

○岩瀬委員 当たり前のことなのだけれども、そういうことが明らかにになったら、法律に基づいて処罰するのは当たり前のことだと思いますよ。だけれども、本来、年金の制度への信頼性確保のために、国がやるべきことを市場化テスト業者にやらせて、個人情報にアクセスさせるというのは非常に問題だと私も思うのです。そういうことは止めたほうがよろしいのではないでしょうか。

 それと、市場化テスト業者の中に機構の、あるいは旧社保庁の0Bが就職しているか、していないかというのは調べているのですか。調べていないなら調べた上で教えていただけませんか。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 最初の点ですけれども、市場化テスト事業として納付の特例業務を行っていくというのは、最初に御議論もありましたように、政府の閣議決定で決められた方向でやりますし、我々の事業としてもそれを前提に行っていますので、それでやっていくという。

 

○増田部会長 そこはこの後、厚労省に聞きますので、後のほうです。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 後のほうについては、OBは行っておりません。

 

○増田部会長 それでは、今のそもそもの市場化テスト、今日、来ておられる皆様方のもっと前の段階で整理されている問題ではないかと思うのです。

 ただ、今、お話にあったように、低所得、そういう部分の情報が行くということについての問題もクリアした上で、今の形に政府部内でなっていると思うので、できれば今、わかる限りのことをおっしゃっていただきたいのですが、どうしてもということであれば、もう決められた話なので、閣議決定でいろいろ項目が決まっていたから、次回までの宿題ということもあるかもしれません。

 わかりますか。樽見さんぐらいしか多分、答えられない。

 

○樽見年金管理審議官 私も長くやっておりますが、市場化テストについては私も来る前ではありますけれども、まさに先ほど課長のほうから話がありましたように、平成18年9月の公共サービス改革基本方針でこの市場化テストは決まって、その後順次やって、2110月からやっている。

 守秘義務云々というところについて、そのときにどういう議論があって、どうかということについて、すみません、私も今、はっきりこうでしたと申し上げる材料は持っておりませんが、まさに先ほど機構の理事からも御説明がありましたが、これは民間事業者に委託をし、かつ、法律に基づいて行う業務ということで守秘義務をかけるということだったので、そういう形で制度的に、いわば秘密に当たる情報をその業者に渡すということについては整理をした上で行うことになっていると承知をしています。

 ちょっとそこで具体的にどういう議論があったかということについては調べて、御報告すべきことがあれば御報告したいと思います。

 それから、そもそも日本年金機構がスタートするときに、市場化テストの業務についてどうするか。岩瀬委員も入っておられました再生会議で、先ほど岩瀬委員もおっしゃいましたが、御議論があったと承知しています。そのころは実は私も社会保険庁ではありましたが、おりましたので、私の記憶も含めて申し上げられますが、まさにそういう市場化業者に委託をすることについて、それでいいのかという議論はありましたけれども、そこは先ほどお話がありましたように民間のノウハウというか、いわば民間の知識、経験を使いながらやることによって、国が自ら直接やるよりもより成績が上がるであろうということでやりました。

 ただ、それは年金機構になった後でも、国でも放してしまうということではなくて、それによって、いわば委託先の管理でありますとか、実績の把握でありますとか、強制徴収というところの最終的な責任でありますとか、そういうことについては日本年金機構が自らの力で行うという整理をしていたと承知をしてございます。

 同時に、20年に日本年金機構の基本計画を閣議決定でやってございます。そのときには、徴収業務等については民間業者に委託をするのだということを前提にして、定員の1万880人というのを決めてございますので、そういう点で申しますと、この市場化テスト業者への委託をするということを前提に制度もつくってございますし、日本年金機構の体制もつくっているのというのが、先ほど機構の理事のほうから申し上げかけた話でございます。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 御説明はよくわかりましたけれども、1つ、所得情報、幾らというのはなくても、免除対象者であるという情報をなぜ流さないといけないのかが私はわからないのです。未納者の人たちを回って、その人に納付勧奨をする、いろいろ話をした結果、免除をお勧めする。制度についての説明もきちんとするというのだったらわかるのですが、未納情報みたいなもの、これは非常にプライバシーの問題にかかわると思うのです。なぜこれを渡す必要があるのですか。これは止めるべきだと思います。

 

○増田部会長 そこは答えられますか。

 

○大西事業管理課長 十分なお答えになるかどうかあれですけれども、未納者に関する情報をお渡ししているのは、結局未納者に電話なり文書なり訪問なりという形で、市場化サービス業者が的確にアプローチするために必要最小限の情報は渡す。その際に、やはり免除の対象の方に納付を迫ってもいけないだろうと思いますので、そこは多分、高所得者で納付に結びつけなければいけないというケースと、低所得者で免除でもいいという場合と、アプローチの仕方が違うということで、そういったものは情報として渡しているということだと思います。

 それは、先ほどの御質問とも関係ありますけれども、ちゃんとプライバシーの侵害ということに最大限配慮して行うという意味におきましては、また改めて整理したほうがいいと思いますけれども、公共サービス改革法に基づくさまざまな規制と、機構の業務にかかるさまざまな規制と、更に、委託の当たっての委託契約の中での縛りというようなことで、多重防御といいますか、いろんな形で個人情報の保護に徹底的に気をつけなさいということは整理していると思いますので、その辺りはまた具体的に今度の会議になると思いますが、御説明させていただければと思います。

 

○増田部会長 私の記憶だと、この年金の関係だけではなくても同じようにほかの本来納めるべきものを納めていない人たちのところに徴収に行くことについて、市場化テストに供しているもので、どこまでその人たちに情報を渡すのかということのやり方が多分あって、今、岩瀬委員は一番最後まで渡さなくてもある程度の範囲で特定できて、そこの人たちに徴収すれば十分情報としては足るのではないかということだと思うのです。

 ですから、機構は多分、そういう枠組みの中でやっているので、機構というよりはむしろ本省の問題だと思うのですが、プライバシーの保護との関係で余計なものまで出ていくと非常に微妙な問題が出てくるから、もう少しそこが漠としたものでうまく効果が上げられないかということを、ほかとの関係も含めてちょっと整理をしていただく必要があると思うのです。

 それから、そのときに、そもそもこういう問題を市場化テストに供するということ、一応政府全体として整理はされたと思うのですが、そこの経緯もわかるものがあれば整理して欲しい。

 それから、あのときの法律の立て方は今も変わっていないと思うのですが、市場化テストに供して、従来、官がやっていたものをそちらでやってみて、両方またしばらくして比較してみて、結局民の人たちで市場化テストで応募した業者にやらせたほうがずっと効果がいいというので、ずっと継続すると。途中で具合が悪かったらまた官に戻すという制度設計になっていたと思いました。

 確か平成18年か、余り記憶が定かではないのですが、国の方でこんなことをやるのだなどと思っていまして、19年、20年ぐらいに基本方針をつくって、始めたのですかね。官民競争入札等監理委員会の辺りでそれを審議して、やったと思うのです。

 そのときはまだ制度設計としては両者の比較が実績として出てこなかったので、まずやってみようという形でやってきたのですが、そろそろほかの省庁も市場化テストに供した結果がいろいろ出てきていると思うのです。そこで今のままの形で続けるのか、あるいはものによっては戻したものがあるか、実績との関係でどのようになっているかというのは、またこの問題を考える上で1つのポイントだと思うのです。

 今の点についてもできるだけ情報を次回までに揃えてもらいたいと思います。

 その辺り、ありますか。

 

○岩瀬委員 やはり質の問題は非常に重要だと思いますので、単に効率を上げて、徴収率を上げるというだけではなくて、市場化テスト業者を使うということ、人員の定員を決めたと樽見さんはおっしゃったけれども、それは変えればいいわけで、むしろいかに質のいいサービスをどうきちんと提供できるかという観点から、定員の問題だってそれができていないのであれば変えていくべきだと思います。

 もう一つ、免除申請の対象者であるかどうかの情報を出すというのは、御本人の了解をとって出していいというのだったら別だと思いますが、国の人間が見るのだったらわかるけれども、幾ら守秘義務をかけていても、第三者が自由に見られるというのは非常に問題なのではないでしょうか。情報が仮に漏れたときにどうするのかということの対応がもしあるのだったら教えていただきたいです。

 ここは出す必要はないと私は思います。未納者の人と会って、徴収あるいは免除の説明をすればいいわけで、なぜわざわざ免除対象者がどうかということの情報を出す必要があるのか。それがわからないので、それを出す必要性の意味を教えていただきたい。

 

○樽見年金管理審議官 今のお話でいうと、委員がおっしゃった市場化業者に出すということで、第三者が自由に見られるということではないと思うので、まさに市場化業者に今の市場化テストの法制度の枠内で渡すということでありますから、そこは自由にということではないと思いますが、最初に申し上げましたが、これから来年度に向けて、今年度これからどうやっていくのかに向けての省令のパブコメをやっているところでございますので、それと併せて次回に整理したいと思います。

 

○増田部会長 それでは、そこの整理を次回よろしくお願いしたいと思います。

 

○樽見年金管理審議官 まさに部会長から先ほど御指摘がありましたが、ほかの分野の例もちょっとこの機会に勉強してみたいと思います。

 

○増田部会長 どうぞ。

 

○岩瀬委員 私が自由にと言ったのは、誰でもが自由に見られるという意味ではなくて、市場化テスト業者の中で徴収の対応をしている人が自由に見られるわけですね。その人たちがどう利用するかが心配だということです。知ったことを、守秘義務がかかっているといえども、辞めた後に漏らす可能性もあるわけだし、その辺りはきちんと、誰が漏らしたかわからないという状況の中で、そういうことが生まれる可能性があるので、きちんと対応策を教えてもらいたい。

 もう一つ知りたいのは、先ほどから民間事業者のノウハウという話が出るのですけれども、事前説明会で民間事業者のマニュアルを見せてもらいましたが、どこにノウハウがあるか私はわからなかったのです。だから、民間事業者が未納者の方を回って、徴収をする、あるいは説明をする、そして免除の手続まで至ることのどこに民間事業者はどんな特異なノウハウがあって、だから日本年金機構はこの方たちに依頼するのだということを整理して教えていただけませんか。

 

○増田部会長 それでは、幾つかありましたが、次回その点を整理してお願いしたいと思います。

 それでは、今の点については、まとめて幾つか宿題も含めてありましたので、次回に整理をお願いしたいと思います。

 他に今年度の業務運営に関する計画について、お気づきの点、御意見はございますでしょうか。

 西沢委員、どうぞ、お願いします。

 

○西沢委員 国民年金と厚生年金の適用・収納にまたがることなのですけれども、1つ確認した上でなのですが、市町村からもらっている所得情報というのは、収入と給与所得控除とか事業主の経費を引いた後の課税所得であるとか、所得の種類とかも含めて年金機構はもらっているのでしょうか。

 というのも、例えば所得の種類までわかっていれば、年金未納の人に対しては確かに納付勧奨とか免除を勧奨する以前に、事業所がなぜ入っていないのかという疑問になると思うのです。

 ですから、どれだけの情報をもらっているのか、情報が例えば所得の種類までわかっているのであれば、単純に国民年金の保険料納付や免除勧奨をする以前に、せっかく厚生年金の適用を今回、さらに強化されたので、厚生年金の適用事業所の強化にもつなげ得るはずなので、ここら辺を教えていただきたいと思います。

 

○増田部会長 それでは、機構のほうから。後ろの方。所属とお名前をお願いします。

 

○町田日本年金機構国民年金部長 国民年金部の町田でございます。

 所得でございますけれども、所得の種類まではもらっておりません。所得は幾らかというだけでございます。

 

○増田部会長 事実関係はそういうことです。ちょっと難しいね。わかりました。

 どうぞ。

 

○岩瀬委員 この市場化テスト業者の契約ですけれども、どういう契約形態なのですか。随契なのか、一般競争なのか。

 

○増田部会長 これは機構のほうがいいですね。

 

○深田日本年金機構理事(事業管理部門担当) 競争入札です。総合評価方式でやっております。

 

○増田部会長 総合評価方式の競争入札。そうすると、価格だけではなくて技術の評価もするということですね。

 他にはよろしいですか。

 それでは、今の業務運営に関する計画については、報告ということになりますので、幾つか宿題がありましたが、この計画に沿って年金機構理の方で仕事の遂行をお願いしたいと思います。

 それでは、冒頭に事務局からも説明がありましたとおり、非公開に切りかえるために、ここで一旦休憩を挟みます。もし、記者の方や傍聴の方がおられましたら、御退席をお願いいたします。

 ここで休憩に入りますが、5分間の休憩後、再開したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。


(了)

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