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2015年3月31日 第2回希少がん医療・支援のあり方に関する検討会(議事録)

健康局 がん対策・健康増進課

○日時

平成27年3月31日(火)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)


○議題

(1)希少がんの定義について
(2)情報提供のあり方について
(3)その他

○議事

○江副がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第2回「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様には御多忙の折、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 本日の委員の出欠状況ですが、岩本幸英構成員より御欠席との連絡をいただいております。

 本日は参考人としまして、前回に引き続きまして、国立がん研究センター希少がんセンター長の川井章参考人にお越しいただいております。

 また、同じく、がん対策情報センターがん政策科学研究部長の東尚弘参考人にもお越しいただいております。

 また、同じく、がん対策情報センター長、若尾文彦参考人にも御出席をいただいております。

 それでは、以後の進行を堀田座長にお願いいたします。

○堀田座長 本日は第2回になりますけれども、皆様お集まりいただきましてありがとうございます。早速に会議を進めたいと思いますが、まずは事務局から資料の確認をお願いします。

○江副がん対策推進官 それでは、資料の確認をさせていただきます。座席表、議事次第に続きまして、資料1「希少がんの定義(たたき台)」。

 資料2「希少がん患者会情報提供状況(西舘構成員、馬上構成員提出資料)」。

 資料3「がん情報サービスにおける希少がん情報提供について(若尾参考人提出資料)」。

 資料4「希少がんホットライン(加藤構成員提出資料)」となっております。

 参考資料を1、2、3とつけておりまして、1つ目が「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会 開催要項」。

 参考資料2「希少がんの定義と診療に関する現状資料(第1回資料)」。

 参考資料3「希少がん対策推進事業 希少がん対策ワークショップ報告書」でございます。

 資料に不足、落丁等がございましたら事務局までお申し出ください。

○堀田座長 それでは、議題に入ります。今月6日に第1回がございましたけれども、そのときは、主に小児がんの拠点あるいはその対策の進捗状況を参考にしながら、希少がんにおける現状がどうなっているか全般的な認識をつかむということでヒアリングをさせていただいたという経緯でございます。

 きょうの最初の議題は希少がんの定義、そして、2番目の議題といたしまして、次第にありますように情報提供・相談支援のあり方というところで意見交換をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、希少がんの定義について、事務局より資料1の説明をお願いします。

○事務局 前回の検討会の議論を踏まえまして、事務局で希少がんの定義のたたき台をつくらせていただきましたので、御説明させていただきます。

 1つ目「概念的定義」といたしまして「数が少ないが故に診療・受療上、不利な状況にあると考えられるがん種」、さらに「疫学的定義」としまして「年間の罹患率(発生率)が、人口10万人当たり6例未満のがん」という定義を作成しております。

 なお、その際の「留意事項」としまして、疾患の分類は、ヨーロッパのRARECARE分類の中分類(Layer2)を用いるということと同時に、RARECARE分類に基づく日本の年間の罹患率は推計値であるということで、全国がん登録を踏まえた確定値が出るまでの暫定値であるという、2つの留意事項をつくらせていただいております。

 なお「対策上、配慮が必要と考えられる事項」といたしまして、「標準的な診断法や治療法が確立しているかどうか。」「研究開発、臨床試験が困難かどうか。」「既に診療体制が整備されているかどうか。」等を配慮する必要があると考えられ、このような事項を挙げさせていただいております。

 事務局からのたたき台に基づきまして御議論、御意見いただければと存じます。

 よろしくお願いいたします。

○堀田座長 ありがとうございました。

 希少がんに関する検討会の定義というのは、あくまでがん対策上の必要な定義ということで、学術論争をする場ではないと認識しております。したがって、頻度が何%かという線引きにこだわる必要はなく、数が少ないがゆえに診療上、受療上の不利がある状況、これらを解決するための定義だと、まずは認識させていただいてはどうかという提案でございます。

 これにつきまして、何か御意見がございましたら、あるいは応援演説でも結構でございますが、いかがでしょうか。

 まずは、参考人の東先生。前回は、希少がんの現状あるいは定義にかかわるヒアリングをさせていただきましたけれども、このような定義はどうですか。

○東参考人 御指名ありがとうございます。

 今回の事務局がつくっていただいた、たたき台の定義というのは、概念的にも、疫学的にも、妥当なものではないかと私個人としては考えております。

 ただ、留意事項にも書いていただきましたけれども、今後確定値が出てくると、全国がん登録が2016年から始まって、その集計が出てくると同時に、これから、どれが本当に希少がんと言っていいのかということが変わってくることになるのか。なので、少し雲をつかむような話かもしれないのですが、大体こんな感じでというようにいく方向性としてはいいのではないかと個人としては考えております。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そのほかに何か御意見は。

 松本構成員、どうぞ。

○松本構成員 この問題では、いつも2つのステップがあると思います。

 1つは希少がん、数が少ないがゆえに標準的な治療を受けられないということが1つのステップです。標準的な治療を受けられない人たちがいるから、標準的な治療を受けられるような場を提供しようということ、それはファーストステップです。

 セカンドステップというのは、標準的治療はすでにあるけれども、今後さらに新しい治療をつくるという次のステップです。ですから、ファーストステップというのは、とにかく標準的な診療。セカンドステップというのは、今後、我々、日本から新しいものを出していく課程。そういった2つの段階というのが明瞭に見えるような形になることが必要と思います。

 希少がんの定義につきましてはこれでよろしいと思います。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そのほかの御意見、馬場構成員、きょうは初めて御出席ですけれども、何か御意見はありますか。

○馬場構成員 皆さん、おはようございます。

 私は熊本大学の馬場と申します。第1回はちょっと都合がつかずに、失礼させていただきまして、きょうが初めての会になります。よろしくお願いいたします。

 先ほど来、いろいろ意見が出ておりますが、概念的な定義、疫学的な定義、いずれもこれで妥当ではないかと個人的には考えております。ただ、全国がん登録のデータがまだ出てこない状況で、実際の希少がんと言われるものが人口10万人当たり6例未満という数字であるかどうかということが、必ずしもがん種によっては定かではない。そういうデータがないというところもありますので、おいおい今後のデータを見ながら、ここは考えていくべきかと思いますが、一番大事なことは、やはり、臨床現場で患者さんがどういう情報を得て、どういう施設にアクセスして、どういう治療を受ければいいかということで迷っている方が非常に多いということで、この概念的な定義に当てはまる疾患は結構多いのではないかと個人的に考えております。

 数値的には、疫学的定義のこのデータでいいかと個人的には考えております。

 ありがとうございます。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そのほかに御意見をいただければ。

 馬上構成員。

○馬上構成員 配慮が必要と考えられる事項の一番下の「既に診療体制が整備されているかどうか。」の、この診療体制というものは、具体的にどのようなものを指すか教えていただきたいと思うのです。

○堀田座長 事務局から何かございますか。

○事務局 診療体制につきましては、例えば、メジャーながんでは、ある程度体制が整っているかと思います。しかし、RARECARE分類では、メジャーながんでも、組織学的には、レアな分類に入る場合がございます。そのような場合は、メジャーながんとして含めて考えてもいいのではないか、ということを踏まえ、「既に診療体制が整備されているかどうか」を加えさせていただいた次第です。

○堀田座長 今、説明のとおりでして、既に一定の診療科の中で対応し切れているものについては、この対策上の希少がんには含めなくてもいいのではないかということです。

 例えば、私の専門領域の悪性リンパ腫の領域は、末梢型のB細胞リンパ腫だけは数が多いのですが、あとはみんな希少がんに入ってしまうようなものです。少なくとも、血液内科・腫瘍科を標榜しているところでは、それは全部対応できていますので、わざわざ希少がんとして言わなくてもいいということです。ただ、ATLなどは成り立ちや治療対応が違うので、これは別に扱うということになっています。

○馬上構成員 患者にとっては、今、馬場構成員からもお話があったように、情報というのが非常に重要なので、情報を得られる状態というのが患者にとってはいい状態ですので、そういうこともぜひ考慮していただければと思います。

○堀田座長 重要な御意見だと思います。そのほか、御意見がありましたら。

10万人の6名というのは、ヨーロッパなどではこういう基準を設けてRARECAREという形でリストを出しています。しかし、今、日本では東先生などを中心に、その日本版というのも今つくっているのでしたか。

○東参考人 いえ、つくっていないです。

○堀田座長 そうですか。日本版の希少がんリストはどこがつくっているのですか。

○東参考人 すみません。この分類自体については、どこもつくっていないというのが現状です。

○堀田座長 RARECAREのホームページを見てみると、意外に普通のというか、例えば、子宮頸がんなどもRARECAREの中に入っていたりもしますので、臨床の感覚とはちょっとずれているところも一部ありますね。そこはそこで、余り線引きにこだわる必要はないのではないかと思っています。

 どうぞ。

○東参考人 ちょっと済みません。お話がありましたので、RARECAREの具体的な分類というのはどうなっているのかと申しますと、こちらの参考資料3についております「希少がん対策ワークショップ報告書」の巻末資料1と2。ページがもう終わってしまって57ページまでついているのですけれども、その後ろについている巻末資料1と2がその分類になっております。

 巻末資料1のほうが大分類ということで、Layer1という分類です。

 これをさらに細かく分けましたのが、同じ巻末資料1の中で横になっている表、それぞれ見出しになっている赤字のところはLayer1でそのままなのですけれども、黒のほうがLayer2の中分類です。中分類というのは私が勝手につけた訳語ですけれども、Layer2に相当します。

 ですので、ヨーロッパのほうの基準としては、この中分類・Layer2の黒字の部分で罹患率が10万人当たり6例未満というところで判断しています。この巻末資料では、一応その院内がん登録を使いまして、4年間、20082011年の登録症例を算定して、ここから日本全国だったらどのぐらいの罹患率になるかということを推定罹患率という名前でとったものです。

 ただ、粗い推定ですので、これが一定の参考以上のものではないとは思うのですけれども、今、何もほかに情報がない状態では参考になるかと思います。

 今、座長がお話しされた子宮頸部の上皮性腫瘍というものが21番にあります。横になっている資料の、1枚めくっていただいて3ページ目のところの21番というのが子宮頸部の上皮性腫瘍ですけれども、この一番上が英語で恐縮ですが「Squamous cell carcinoma with variants of cervix uteri」となっています。これが日本の推計では6.21ということで、一応6を超えております。ただ、ヨーロッパでは、ここでは出ていませんけれども6未満になっておりまして、ここは希少がんに入るとカウントされています。

 実は、このワークショップの報告書を出した段階では、院内がん登録をもとにしたこの数しかなかったのですけれども、別の地域がん登録をやっているグループが論文として推計罹患値というのを同じ分類で出しております。そこでは、子宮頸部の、要するに子宮頸がんは6未満ということになっていまして、希少がんに含まれています。

 ちょっと感覚とはずれるのですけれども、この算出された数字が子宮頸がんの上皮内のものと浸潤がん等を分けて、浸潤がんだけをとってきているという関係もあって、少なくなっているということもあります。

 以上です。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そういうわけで、線引きというのに余りこだわると非常に深い論争になってしまいますので、大体、大まかにいって、暫定値として10万人に6名くらいをめどにするということで、あとは対策上必要ながん種とするべきではないか。こういう御提案ですがよろしいでしょうか。

 どうぞ、佐々木構成員。

○佐々木構成員 病理の立場からちょっと言わせていただくのですけれども、実は希少がん、がんという名前がついていますけれども、例えば卵巣腫瘍の場合には、病理診断で境界悪性という診断名がありまして、その辺のところは、恐らく数は多くないものもたくさんあると思うのですが、そういうものをどこに含めていくのかということが、ちょっとこの分類だけではうまく当てはまらないのではないか。

RARECAREの中に、実はborderline malignancyという言葉は出てこないのです。ですので、その辺のところの扱いというのは、ちょっとどうなのかというのを、この御提案していただいたものを見て、少し病理の立場から疑問に思った点でございます。

○堀田座長 ありがとうございます。まずそういうボーダーラインで、がんとも言えないかもしれないという、一つの境界ですね。

○佐々木構成員 例えば、腹膜偽粘液腫のようなものは、しばしば虫垂などに原発すると、良性の診断が病理でついていくのです。ところが、ほとんどがbiological behaviorは非常に悪くて、5年生存率は30%ぐらいと言われているものもあるので、そういうところのものを少し拡大して拾ってあげる必要があるのではないかという気がしております。

○堀田座長 わかりました。それは特に排除する必要はないのだろうと思いますが、何か御意見はありますか。

 どうぞ。

○東参考人 卵巣がんの話が出ましたので、先ほどの21番の下の23のところに卵巣がんがあるのですが、これもやはり境界悪性は含んでいない値ということです。RARECAREの説明の中には、なかなかこのボーダーラインをどうしているかとか、そういうことはよく見ないと書いていないのですけれども、実は全部これを除外していまして、浸潤がんで本当に悪性のものだけをカウントしているのがこの数字です。

○堀田座長 ありがとうございました。

 馬上構成員。

○馬上構成員 脳腫瘍の良性の腫瘍というのは、今は悪性新生物に準じるという形なのでしょうか。

○堀田座長 今はそうなっていますね。脳腫瘍の領域だと、グリオーマとか、余り悪性度自体は高くないけれども、予後がよくないというものもありますので、そういったものはどのように扱っていましたか。

○東参考人 良性腫瘍や境界悪性はこの分類の数では除外されています。ただ、がん登録をするときには、悪性に準じるということで登録をされています。良性腫瘍であっても脳腫瘍は登録されています。

○馬上構成員 そうすると、良性ではがん対策に含まれているという形でございますね。

○堀田座長 がん対策上は、がんかどうか、確かに良性疾患とは話は別なのでしょうけれども、余りそこをぎりぎり言わないで、やはり対策に入れたらいいと私は考えています。

 事務局は反対するかもしれませんが、どうですか。

○江副がん対策推進官 特に反対はしないですけれど、希少がんですので、基本的にはがんということが大前提になってきます。ただ、先ほど東参考人がおっしゃったとおり、がん登録上の対象になるかどうかというくくりもあります。

 ですので、こちらの、きょうのたたき台に即して考えますと、希少がんかどうかというところは余りぎりぎり言わないという、座長もおっしゃっていたとおりですけれども、基本的にはがんであるということを大前提にしていただき、対策上配慮が必要と考えられる事項のところで、場合によっては少し付記してもいいかと思います。

 先ほど佐々木構成員がおっしゃったような、境界的な、がんかどうかわからないような部分についても、対策上は割と広目にとって考えるということは必要なのかと思います。

 ですので、希少がんかどうかという線引きをすると、不毛な論争に陥りますので、概念上はがんであることが大前提になっているということを押さえた上で、対策上はもう少し広い範囲で考えていくということでどうかと考えております。

○堀田座長 定義自身を変える必要はなくて、少し境界領域も含んだ概念としてそういうものもがん登録等の対応で考えましょうということですね。

 よろしいでしょうか。

 あとは、馬上構成員がおっしゃったように、この対策上必要なというところに、診療体制が整備されているのが、情報がきちんと届くかどうかということと、今ある診療体制の中で対応できているかどうかという意味合いですね。

○馬上構成員 小児慢性特定疾患助成のほうでは、脳腫瘍の良性についても支援をいただいているということをつけ加えさせていただきます。

○堀田座長 小児慢性疾患の中に、腫瘍として入っているということですか。

○馬上構成員 はい。悪性新生物ですけれども、脳腫瘍の良性は含まれているということです。

○堀田座長 わかりました。

 どうぞ。

○佐々木構成員 アストロサイトーマに関しては、実はRARECAREの大分類というか、Layer1で、もう既に希少がんの中に多分取り入れられていて、astrocytic tumorというのは、恐らく脳腫瘍はほとんど全部、希少がんに入っていると思います。

○堀田座長 わかりました。いずれにしても、対策を立てるときに、個々の希少がんに対して全部個別対応というのは難しいので、全体としての情報提供のあり方とか、あるいは診療体制のあり方を考えていくという立場で我々は整理していく必要があると考えています。その中で個別のものに対して、さらにどうブレークダウンしていくかという話だと思うので、まずまずの定義としてはこれでスタートしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 それでは、続きまして、議題2になりますけれども、きょうは参考人あるいは構成員からのヒアリングをさせていただくことになってございます。

 まず最初に、西舘構成員、馬上構成員から、患者側の状況につきましてプレゼンをしていただきたいと思います。

 まずは西舘構成員。

○西舘構成員 本日は発表の機会をいただき、まことにありがとうございます。

 それでは、患者会による情報提供の現状に関しまして、私が担当いたします前半部分では、NPO法人GISTERSの取り組みと、それから、軟部肉腫の患者会であるNPO法人キュアサルコーマへのヒアリング、この内容等からお話しさせていただきたいと思います。

 まず、NPO法人GISTERSについて簡単に御紹介させていただいておりますけれども、情報提供の手段といたしましては、インターネット上での情報提供ツールが中心となっております。また、ネット環境のない方向けとしまして、定期的なセミナーの開催ですとか出版物への記事の提供などを行っております。会員制SNSのほうなのですが、登録数はこの3月20日現在で584名となっておりまして、男女比は男性が4割、女性が6割ということで、若干ですけれども女性の登録数が上回っております。SNSのアクティブ率なのですけれども、3月の平均で23.29%ということで、これはデイリーの平均値になりますけれども、毎日約135140名の方が入れかわり立ちかわりでアクセスされているという形になります。

 めくっていただきまして、こちらが見た目になりますけれども、上の段に、ホームページからネット掲示板、ソーシャルメディアというところまでがパブリックなサイトでございまして、誰でも閲覧が可能となっております。

 一番右の会員制SNS、こちらは一般の方は閲覧することができないクローズドなサイトになっております。これは例えば、施設名であったり、医師の名前であったり、パブリックな場でお名前を出すことがちょっとはばかられるような場合、あるいはそれを出してしまうことで病院や先生のお名前だけでなく個人も特定されてしまうような場合がありますので、ある程度患者さん、御家族だけの中でプライバシーにも配慮しつつ御相談いただける場をつくりたいということで設置したものでございます。

 下の段のほうは、インターネット以外の情報提供の手段としまして、セミナーの開催、あるいは出版物への寄稿というものの実例となっております。

 情報源といたしましては、こちらにあるような研究会あるいはがん情報サービスのサイト、さらには製薬企業さんのホームページ、各種メディアをチェックしながら情報を集めております。

 「情報提供に対する方針と課題」ということで、1番、ふだんからメンバーさんとの双方向のやりとりを行っておりますので、情報提供に関しましてもニーズ調査を行って、そのときの旬な話題であったりとか、関心の高い事柄についても情報提供していくことを心がけております。

 2番目になりますけれども、情報の正確さということも大事になりますので、場合によっては先生方あるいは製薬企業さんにも情報の内容を確認するということがございます。また、逆に患者サイドからの情報提供があったり、製薬企業さんのサイトの作成に御協力させていただくということもありまして、相互に連絡をとり合いながら情報共有を行っているということでございます

 これは、これからになりますけれども、GIST診療の地域格差などについて、医師の先生方を対象としたアンケート調査なども、製薬企業さんの御協力をいただきながら計画しているところでございます。

 3番目になりますけれども、コミュニティーの特性を利用して、個人の状況あるいはお住まいの地域に合わせた情報提供も考えていきたいということで、個人的な対応の中から状況に応じて、サイトの中に過去に書き込まれた記事を御案内したりとか、あるいは同じ地域の方を御紹介して、その地域の情報ですとか、その方の体験談などを直接伝えていただくということもやっております。

 4番目になりますけれども、治験の情報や薬剤の副作用に関する情報などは、スピードが命でありますので、実際に患者さんたちの治療にも大きく関係するということで、なるべく情報が公開されたと同時あるいはそれに近い形での情報提供を心がけております。

 めくっていただきまして、1つ実例を御紹介したいと思いますけれども、この期間、SNS会員を中心にアンケート調査を行いました。これは実際にはちょっと違った目的で行ったものだったのですけれども、その中で情報提供に関しましてヒントとなる興味深い回答がございました。

 下の四角で囲った部分なのですけれども、ふだん治療、治験情報などは積極的に集めていないという皆さんですけれども、Gnetやホームページ、つまりとても身近な、ふだん目に入るようなところに情報の入り口があれば見ますという回答が多かったという結果でございます。

 すると、ちょうどといいますか、本年1月から新しい治験がスタートしておりまして、これが大学病院、医療情報ネットワークのほうへ登録されたのが1月13日。私どものほうにGIST研究会の先生から御連絡をいただいたのが1月20日前後でございました。これはちょっと日付が小さくて見づらいと思いますけれども、1月2225日にかけまして、一足早い告知をこちらのSNSの方で行いました。

 並行しまして、ホームページのほうで情報を公開する準備を進めておりました。

 それによりまして、このSNSで先に公開することで幾つかのコメントとかフィードバックがありました。SNSを利用する利点としまして、情報公開と同時にすぐにフィードバックが得られる、また、コメントがふえることでそのスレッドが盛り上がるということで、利用者の間でも関心が高まっていくということがございます。

 そうしたことを得まして、1月25日に一般の方向けにホームページの告知、これを公開いたします。めくっていただきまして、その方法としまして、ホームページのほうに詳しい内容、それから、ダウンロードできる資料を置いてありますので、そのページへ集客するといいますか、誘導のためにソーシャルメディアを使いました。そちらのほうには簡単な内容とホームページへのリンクを張りまして、これを拡散させたというやり方です。つまり、ふだん目につくところへ情報の入り口をつくってあげたということで、これでどれだけの効果があったかといいますと、下のグラフでその日のサイトのページビューあるいは訪問者数で確認ができました。希少がんのサイトなのでそれほど訪問数がないということは御理解いただきたいと思うのですが、1日100人ほどの方に見ていただいておりますけれども、その情報提供を行った1月25日に関しましては、訪問者数が170180ということで、通常の1.71.8倍にふえました。また、ページビューも通常200ほどなのですけれども、370380にふえました。この日から数日間は250前後のページビューがありましたので、ある程度は患者さんのリクルートに役立ったのではないかと思います。また、こういったことを続けることで、臨床試験への意識というものも利用者の間で高まっていく効果もあるのではないかと思っております。

 ほんの一例でしたけれども、情報提供に関しましては、私どもも日々試行錯誤といった形で取り組んではおります。

 次に、先ほどコミュニティーの特性を生かした情報提供というお話をさせていただきましたけれども、SNSに登録されている患者さんの居住分布というものも情報提供に大きく関係してまいります。こちらのメンバーさんの分布図を見ていただきたいのですけれども、まず最初にお断りしなければいけないのは、SNSでは個人のポリシーも尊重しておりますので、居住地を公開しないという方に関しましては、分布図から外してございます。また、「GISTERSnetメンバー分布 2015」としてございますけれども、これは2008年3月〜2015年3月の約7年間の間に登録された方の数ということで御承知いただきたいと思います。

 色分けがちょっと見づらいかもしれませんけれども、赤い色が、メンバー数が特に多い県になりまして、続いて緑、水色と続いております。左のほうは年齢の分布なのですけれども、GISTの好発年齢が4050代、60代が最も多いということで、こちらはGIST研究会のサイトにも記載されておりますが、こちらでは40代が最も多く、60代、70代になるにつれて減少していきます。

 これはインターネットの環境があるかないかということに直結する部分とも捉えられるのですけれども、実は30代、40代のメンバーさんの一部は御家族でございまして、インターネットやパソコンが使えない御両親にかわって情報収集をされているということで、ネット環境がなくとも情報は得られるという一つの方法、一例ではないかと思います。

 地図のほうへ戻りまして、赤い点がございますけれども、これはGIST研究会あるいは希少腫瘍研究会の先生方が勤務されている病院、施設があるということをあらわしております。位置的なものはちょっと違っておりますので、あくまで県内に施設があるということでごらんいただければと思います。

 次のページになりますけれども、この分布図から、都市部では登録者数も多く、医師を通じて参加される患者さん、御家族もおられます。患者さんの口コミ情報も多く、よってセカンドオピニオンの先も探しやすい状況ですし、もしものときにどこへ相談すればよいかという情報が得やすい状況になっております。つまり、拠点となる病院あるいは先生というものが、暗黙の了解で多くの皆さんに周知されているということですので、患者会としても、個人の御相談内容に合わせて病院や先生を御紹介できるという状況になっております。

 また、先ほどお話ししましたように、GIST研究会や希少腫瘍研究会に所属されている先生方のリストがネット上に公開されておりますので、周辺の患者さんが自然と集まってきておりまして、緩やかな集約というものが行われていると考えられます。

 逆に、登録者数の少ない地域といいますのは、私どもとしましても患者さんからの情報が入ってまいりませんので、ネット上の検索から情報を得るしかないということで、患者さんが大変厳しい状況で、どこか診てもらえるところはないだろうかという御相談を受けたときにも有益な情報提供が少し難しくなっております。

 これは、前回もお話ししまして、うまくお伝えできなかった部分なのですけれども、情報の発信とか情報の提供という点でも、拠点となる病院あるいは医師が必要な地域というのがありまして、現状では患者会は、そういった病院や医師をみずからの感触を頼りに探していかなくてはならないという状態です。例えば、学会に患者の参加を可能にしていただくとか、患者と先生方の接点をふやしていただくことで、こういったすき間を埋めていく一助になるのではないかと考えている次第でございます。

 次に、GISTと同じ軟部肉腫のつながりであります、NPO法人キュアサルコーマのほうにヒアリングを行いまして、先ほどと同じような分布図を作成してみました。

 次のページも見ながら聞いていただきたいのですけれども、分布図の左側の年齢の分布からも、40代以降に多く発生します平滑筋肉腫の患者さんが最も多いようでございます。その多くは再発や転移をされた方とも伺っております。

 居住地の分布を見ますと、GISTのときと同じように都市部での参加者が多く、情報収集に関しましても、GISTの場合と同じようなことが言えるようです。

 現在情報源となっておりますキュアサルコーマセンターというのは、病院という垣根を越えた肉腫の診療連携でございまして、大阪府立成人病センターの高橋克仁先生が中心となって組織されております。この診療連携をキュアサルコーマボードと呼んでおりまして、これに参加されている先生方の所属する病院施設というのがホームページで公開されております。見づらいのですが、右下の水色の地図になりますけれども、これと照らし合わせますと、キュアサルコーマのSNSの参加者の分布とほぼ一致するということが見られます。そこからは、GISTERSにおけるGIST研究会、希少腫瘍研究会との関係。これと同じようなことが起こっていると考えられます。

 一方、右上のほうは、日本整形外科学会のサイト内に骨軟部腫瘍相談コーナーという御案内がありましたので、そのデータをもとに私のほうで作成させていただいたものなのですけれども、全部で81施設が紹介されておりました。

 現在、これら81の施設とキュアサルコーマの会員制SNSとの相関というのはないのです。患者さんの集約も行われていないようでございます。もちろん、軟部肉腫の患者さんの全てをあらわすものではありませんが、キュアサルコーマというNPOも、患者さんが300名も集まっておられる会ですし、キュアサルコーマさんとしても、今後学会等と連携することによって情報を得ていきたいということもおっしゃっています。

 患者会が効率的に情報を得て、情報提供を行っていくための取り組みの一環としまして、そういった御要望があったということでお話しさせていただきました。

 また、先ほどお話ししましたキュアサルコーマボードに関してですけれども、こちらには全国から実際に患者さんが集まってこられています。ですので、現在どういった状況なのか、あるいはどういった問題点があるのかということを、ぜひ高橋先生御自身から御説明いただきたいと考えておりまして、次回ぜひヒアリングの実施をお願いしたいということで、この場をおかりしまして、お願いしたいと思います。

 ちょっと長くなりましたが、私の発表はこちらで終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

○堀田座長 では、一通り御発表いただいてからディスカッションしたいと思います。

 次に馬上構成員、お願いします。

○馬上構成員 続きまして、希少がんの各患者会に情報提供についてヒアリングした結果と、小児がんの状況などについてお話させていただきます。

 ヒアリング参加団体ですが、今回ヒアリングに参加したのは、メラノーマ、サルコーマ、脳腫瘍、神経内分泌腫瘍、精巣腫瘍、GIST、小児脳腫瘍のごらんの患者団体と、稀少がん患者全国連絡会の事務局長の鷲田様のヒアリングを行いました。

 希少がんの患者の情報収集の流れでございますが、発症から診断、治療、フォローアップや緩和と進みますが、ヒアリングで多く聞かれたのは、まず確定診断に至るまで大変時間がかかるということです。さまざまな科や病院を受診し、混乱をしています。そして、専門家にたどり着き、確定診断に至るまで、中には5年かかった方もいらっしゃるということです。

 患者の情報収集は、主に診断名から行うようになっていますので、発症から診断までに何らかの支援対策が必ず必要であると考えております。図の診断のところから右にあるように、診断以降は、主にインターネット上での情報収集を行っております。そして、講演会や勉強会などに参加するなどして、少ない希少がんの情報集めに患者家族は奔走しております。また、先ほどGISTのお話であったように、インターネットを使えない高齢者については、患者家族がかわってインターネット上で情報を集めているということでした。

 各団体の情報提供状況についてですが、こちらでは各患者会の情報提供の方法、それに関連した情報ソースなどを表にまとめました。全ての患者会がホームページをつくっており、インターネット上のSNSを活用して、疾病に関しての情報、体験談などを患者や家族に提供する努力をしています。また、掲示板、メーリングリスト、フェイスブックなどの双方向のコミュニケーションツールを使って、患者同士の情報交換や交流を行っています。こちらのほうは治療情報にとどまらず、お互い心理的に支え合ったり、日常のQOLの向上についての情報などがやりとりされています。

 インターネット上以外の情報提供方法として対面交流というのがありますが、こちらは交流会、そして最新の治療法や研究会の情報を得るために患者会が主催して、先生方をお呼びして講演会やセミナーを行っています。

 黄色の部分は医療関係者との連携状況です。最新の情報を得るために、各患者会では研究会や学会とつながって常に情報を得る努力をしていますが、まだそうした先生方とのつながりがない患者会もあり、情報が得られない状況があります。

 また、研究会などが確立していない、臨床試験がなされていない疾病もありますので、その場合は最新情報のソースというものがないことになります。一番右の「初診医から専門家への紹介」については、情報ソースとしての医療連携とはちょっと異なりますが、最近は専門医が医療者に周知され、初診からダイレクトに先生同士の紹介がなされている例があると報告がありました。これは、関連病院などの間での紹介がやりやすいということでした。しかし、まだまだ希少がんではまれなケースということです。

 めくっていただきますと、こちらは今申し上げた患者会の取り組みをまとめました。

GISTなどのように、患者会と研究会、学会が密接に関係しているところは、どこよりも早く臨床試験情報の公開が患者になされるなど、希少がんの医師と患者の強い関係性が情報提供にとって重要であるということは間違いありません。

 小児脳腫瘍の会も同じようにホームページ、メーリングリストにて情報提供を行っております。子供が患者ですので、下にあるような小さな子供向けの治療説明の絵本や冊子などを配布しております。また、先生方を交えての夏のキャンプなども行っております。2003年から13年間掲示板を運営しておりますが、この登録者数は約500名。疾患別、テーマ別のスレッドが100近くありまして、ホームページ訪問者数は15万人以上となっております。

 御存じのとおり、今、お話もありましたけれども、脳腫瘍は100種類以上の病理がありますので、希少疾患の集まりですが、この掲示板で同じ病理の患者同士が出会うことがあって、それがきっかけとなって右のようなさまざまな患者会がこれまでにできております。小児脳腫瘍連絡会として、こうした患者会と毎月1回スカイプ会議なども行っております。小児がん全体でも、2000年ごろから疾病別の小児がん患者会が多くできてきたことから、このようにインターネット、SNS、ソーシャルネットワーキングサービスの普及とともに、これまで全国に散らばっていて会うことができなかった希少がんの患者がインターネット上で出会い、それぞれの疾病の患者会ができてくる傾向が確かにあると感じています。

 おめくりください。関連患者会のネットワークづくりと情報交換についてです。2008年から現在34団体が参加しているメーリングリストの情報交換を小児がんの患者会で行ってまいりました。少しでも患者や家族の方に、患者会の紹介や役立つ情報のリンクを届けたく、こちらのような小児がん患者会ネットワークというポータルサイト的なホームページをメーリングリスト参加団体有志でつくりました。小児がん患者会と検索すると、大体上のほうに出てまいります。

 第2期基本計画において小児がん対策を行っていただくのに先立ち、2009年にはこちらのメーリングリストの情報交換、ネットワークで要望書を作成して提出、国会に陳情した経緯がございます。関連した患者会同士で情報交換、情報提供を行い、共通の問題について考え、解決に向けて協働することも大切なのではと考えております。

 希少がん患者会の情報提供の問題点ですが、専門医師とつながらなければ得られない情報ソースの問題、また、多くの情報が氾濫するインターネット上での検索の問題、そして、診断の問題が大きな問題として挙げられると考えております。

 めくっていただければと思います。問題点に対する求められる取り組みとして、最新情報をより早く正確に提供するためにも、これまでより、より一層の患者会、専門医、研究会の協働の機会というものが求められていると思います。第1回の参考人の先生方も、やはりネットワークづくりということをおっしゃっていたと思います。これが喫緊の課題であると考えております。

 具体的には、年に1回でも、希少がんに関する研究会や学会、ステークホルダー、患者も含めた協議の場の創設などが挙げられるのではと考えております。また、インターネットに依存する傾向の情報収集ですが、その検索について、正確な最新の情報が簡単に患者に受け取れるような何らかの仕組みを、患者会、がん情報センター、そして、専門医、研究会、学会の先生方が連携してつくることができないかと考えております。

 3.の、がん診療拠点病院の希少がんの診療実績につきましては、がん情報サービスの施設別がん登録件数検索システムが稼働していると伺っておりますが、希少がんは情報が探しにくいということもございますので、とりたてて希少がんをピックアップして提示していただくことも必要と考えております。

 4.の、診断に至るまでの時間短縮の試みについてですが、最後に海外での啓蒙活動の取り組みを紹介させていただきます。

 「Head Smart Project」は英国にて、患者と医療者が共同してプロジェクトを組み、小児脳腫瘍の症状を医療者や一般に向けて伝え、発症から診断までの時間を減らそうという試みです。ウエブサイトだけでなく、紙媒体、ポスターやチラシ、あと、イベント、ネットワークづくりを通して注意喚起を全国的に行い、確実に成果を上げていると伺っています。

 また「ゼブラ運動」ですが、こちらは、ゼブラは神経内分泌腫瘍の啓発活動の象徴となっています。「ひづめを見たら馬と思え」という医療者への教えにひっかけ、「『ひづめ』でもしまうま」つまり神経内分泌腫瘍が隠れているということを、毎年大々的にイベントを通して運動しています。

 小児がん対策の進捗状況についてのヒアリングでは、拠点病院で小児がんについてのパンフレットを作成し地域に配布したり、また、自治体が同様のことを行っている例を聞いております。こうした取り組みも情報提供の1つとして取り上げていくべきと考えております。

 以上です

○堀田座長 ありがとうございました。

 いろいろな御提案あるいは状況を説明していただき、患者会と研究会、専門家集団との連携ができているところは対策が進めやすいという現状を報告いただきました。

 それでは、続きまして、国立がん研究センターの若尾参考人から、今度は情報提供側の問題点あるいは現状について報告をいただきます。

 お願いします。

○若尾参考人 それでは、資料3をごらんになってください。がん情報サービスにおける希少がん情報提供ということで、御報告させていただきます。

 資料3の下側です。本日御紹介させていただきますのは、がん情報サービス、がん情報サービスの一部であります拠点病院の情報提供をしています病院を探す、先ほど馬上構成員からもお話がありました施設別がん登録検索システム、さらに新しい試みとして、拠点病院の希少がんの情報の追加について御報告いたします。

 めくってください。1ページの上側です。これはがん情報サービスのトップページとなっています。「http://ganjoho.jp」というURLで、がん情報で検索していただきますと当たるようなところなのですが、現在1万611ページで、うち一般向け7,083ページ提供させていただいております。こちらに対しまして、月間で250260万ページビューのアクセスがあるような状況です。

 こちらのがん情報サービスの編集方針ということで、下側のスライドでお示しさせていただいておりますが、編集方針はキャプチャーのほうにあるもので、科学的根拠に基づく信頼性の高いがん情報を提供するということです。情報作成、それから、収集したものを評価して、さらに、エビデンスをもとに、科学的根拠に基づくがん情報を提供するという編集方針を持っております。

 編集方針に即しているかどうかということについて、編集委員会による判定を行っております。その判定基準としましては、編集方針に沿って作成されているか、表現はわかりやすいか、医療者あるいは一般の方に役立つか、がん対策情報センター発信のコンテンツとして適切であるかという観点で判定しております。

 医学的内容については、がんセンター及び外部の有識者の御協力をいただきまして査読をしていただき、患者さんの視点ではわかりやすさあるいは適切さについて、がん対策情報センターの患者市民パネルと100名の患者さん、一般の方などの支援者によって、これも評価を受けて発信しております。

 その結果、3ページの上側で、これはちょっと細かいスライドで申しわけないのですが、現在がん情報サービスでは、64のがん種について各種がんの解説という形で提供させていただいております。今の時点では、臓器別、部位別のカテゴリーということで、こちらにあります四角のところです。「脳・神経・眼」「口・のど」「胸部」のような部位別のカテゴリでお出ししているのですが、特に希少がんという形でくくってお出ししているということではなくて、細かいがん種別で御提供させていただいているところです。

 3ページの下側をごらんになってください。これは、最近新たに追加しました腟がんのホームページで、少しキャプチャーの部分で見にくいのですが、腟がんと書いてある下側のところにタブが並んでおります。そのタブがちょうど下側のところにテキストで書いてありますが、基礎知識、診療の流れ、検査・診断、治療の選択、治療、生活と療養、転移・再発という、この流れでそれぞれのページをお示ししております。

 腟がんなどは、いわゆる日本国内の学会で診療ガイドラインが作成されておりません。基本はこちらの、それぞれのがんの情報につきましては、各学会が作成している診療ガイドラインをもとに作成させていただいているのですが、このように国内のガイドラインのないものにつきましては、アメリカのNCIPDQを用いたり、あるいはこの分類についてはFIGOの分類などを掲載させていただいております。

 掲載に当たりましては、NCIあるいはFIGOなどに転載の許可をとってページを作成して、さらに婦人科の先生方に査読をいただいて、公開するという対応で公開させていただいております。

 スライドを次へめくってください。4ページです。昨年、国立がん研究センターは国立成育医療研究センターとともに小児がんの中央機関という形で指定を受けまして、がん研究センターでは情報提供の部分を担当させていただいております。それを受けまして、昨年の4月に、こちらの上にあります小児がん情報サービスという形で、がん情報サービスとは別のサイトを立ち上げました。小児がんの情報をこちらから発信させていただいております。こちらは、がん情報サービス本体に比べたらまだまだ情報は少ないのですが、139ページで、大体月間に4万5,000〜5万ページビューぐらいのアクセスがございます。

 下側のページでは、小児がんの解説ということで、大項目として12種類の小児のがん種について提供させていただいておりまして、5ページの上が、これも成人と同じような形で、軟部肉腫をサンプルとしてページをお示ししております。タブがありまして、同じような、診療の流れ、検査・診断、治療法の選択というのは小児がんの場合は白血病以外はありませんので、治療、生活と療養、フォローアップという形で、タブごとに情報を提示させていただいております。

 軟部肉腫といいましても、右のほうに小さなキャプチャーをつけておりますが、それぞれの細かい亜型についても、簡単ではございますが、解説などもつけさせていただいているというところです。

 スライド下側です。当初、このがん情報サービスという形で情報提供を始めさせていただいたのですが、先ほどからも御指摘ございましたが、高齢の方でインターネットを使えない方もいらっしゃるということでした。がん対策情報センターの開設当時、運営評議会という委員会がございまして、そこで患者会の代表の方から、高齢者のためにインターネットだけではなくて、紙の媒体での情報提供もしてほしいという御指摘、御要望をいただきまして、その後、この5ページの下側にあります「がんの冊子 各種がんシリーズ」というのを作成しております。現時点で、大人のがんで34種類、小児がんで11種類を作成しております。この中には、ちょうどシリーズのシの下にありますGISTを見ていただければ、希少がんと呼ばれるようながん種も含まれております。さらに、先ほど御紹介した腟がんにつきましては、6月に発刊する予定となっております。

 6ページ、上側をごらんになってください。それから、冊子につきましてはPDFを全てがん情報サービスに掲載させていただいております。それらを含めて、がん種別のアクセス数。これは今年度4月1日〜2月末のデータを集めたものです。先ほど御紹介しましたように、大体、全体では月間に250万ページビューありますので、それに比べたらごく少ない部分なのですが、少し少な目のがん種についてのアクセス状況をこちらに示しております。大体、少ないもので2万弱あるいは1万台のものなどから、これを希少がんにくくるかどうかは、ちょっと微妙なところもありますが、中咽頭などでは17万のアクセスがあります。

 ちなみに参考としまして、こちらでは数字はお示ししていないのですが、大人のがんで一番多いものが大腸がんでして、大腸がんは月間で7万5,000ページビュー。しかも、大腸がんの基本情報だけで7万5,000ありますので、こちらにあるようなものと比べると2桁違うような形ですが、それなりに多くのアクセスをしていただいているところです。

 グラフで赤の部分は、冊子に対する直接のPDFに対するアクセスとなっております。

 先ほどお示ししました冊子につきましては、当初がん研究センターで印刷をして拠点病院にお配りしていたのですが、がんセンターが独法化しまして、予算が毎年少なくなっていく中で、患者さんにどうすればこの冊子を届けられるかということを検討しまして、このがん情報サービス刊行物発注システムというのを現在動かしております。こちらは、冊子をまとめて印刷することで単価を下げて、それを拠点病院で買っていただくような形で、今、運営しております。現在、先ほどの冊子は大体1824ページのA5版のものなのですが、1冊30円ということで拠点病院等に買っていただいています。

 その実績としまして、4カ月に1回の発注で2011年から13回の発注を受けています。311万冊の発注を受けていて、やはり5大がんの、例えば胃がんとか乳がんですと、この間に15万冊の発注を受けて、拠点病院等に供給させていただいておりますが、いわゆる少な目のがんですと、GISTで3万、グリオーマで2万というようなオーダーの冊子が全国に配布されている状況です。小児になりますと、さらに少なくて、小児骨腫瘍で3,000、神経芽腫で2,000冊というような具合となっています。

 ここまでが一般の方向けのものなのですが、もう一つ、医療者向けのものとして提供しているもので、エビデンスデータベースというものがございます。こちらは、先ほど御紹介しました診療ガイドラインなどのカタログデータベースという形で提供しております。こちらにあります56のがん種について、それぞれのがん種ごとの診療ガイドライン等を御紹介しております。

 下側のスライドでは、あえて珍しいもの、日本のガイドラインがないものをお示ししております。副腎腫瘍という形で引いていただきますと、先ほど御紹介したNCIPDQの本体へのリンク、あるいはPDQの日本語訳をつくっております神戸の先端医療振興財団の日本版PDQへのリンクなどを掲載させていただいています。ほかのがん種で日本版のガイドラインがあるものは、もちろんここで日本のガイドラインなども出てきますし、Mindsへのリンクなどもこちらで提供させていただいております。なので、がん情報サービス、まだまだがん種が足らないところはありますが、さらに珍しいがん種にたどり着きたい場合は、このエビデンスデータベースから入っていただくと本体の情報にたどり着くことができます。

 それから、8ページをごらんになってください。やはり、希少がんなどでは治療法が確立されていない中、臨床試験を探すということも必要となってくるのではないかと思います。こちらは、UMINJAPICと日本医師会の治験促進センター、国内3つのデータベースの中からがんに関する臨床試験をピックアップして、それを探すような仕組みをがん情報サービスで提供させていただいております。

 この場合は、一番上に「がんの領域を選ぶ」とありますが、15のがんの領域について、臨床試験を実際に実行しています都道府県を選んで、さらに下側のカラムで試験の進捗状況を選んだ上で検索できるようなシステムを提供させていただいております。

 ただし、一つの課題としましては、がんの領域が15種類ということで非常に大まかなくくりでしかないということでございます。例えば、骨・筋肉ということで検索しますと、8ページ下側にございますが、転移性脊椎腫瘍とか非円形細胞軟部肉腫など、非常に変わった独特のがん種に対する臨床試験を探すことができます。

 ここから試験名をクリックしますと、右側に出ていますが、UMINのページ、それぞれのもととなっているデータベースにたどり着くことができますし、医療機関を見るということで、拠点病院であれば、その対応をしている窓口まで検索することができるようになっております。

 その医療機関のほうのデータベースとしましては、9ページにございます、がん情報サービス「病院を探す」というページから拠点病院の情報を主として発信させていただいております。こちらは3,800ページで、こちらに対するアクセスは月間35万ページビューほどあります。これは拠点病院が毎年厚生労働省に出していただいています現況報告書をベースに作成させていただいているのですが、その現況報告書にある39種類のがん。9ページの下側にありますが、がんの種類について、がん種別の対応状況を掲載させていただいております。

 ページをめくっていただきまして、その中で骨と軟部組織のがんということで、それぞれの手術の対応状況、化学療法、放射線治療の対応状況と、あと、過去の実績ということで、2013年に「治療実績のある病名」という形で記載していただいております。

 その10ページの下側ですが、この紫のところは医療従事者向けの情報となってしまって、なかなか一般の方には見にくいところでもあるのですが、拠点病院から院内がん登録のデータを集めまして、全国集計の情報をこちらの拠点病院の全国集計というページから確認することができます。

PDFを開いていただきますと、11ページの上側で、こちらにあります27部位について部位別のデータをお示ししております。あえて、この一番左側のカラムを消しているのですが、各行が病院ごとの実績となっておりまして、病院ごとに、一番上の病院ですと総数が2,002件で、口腔咽頭で57、食道で77という年間のがん登録の数を確認することができるようなっています。

 このようなデータは以前からお出ししていたのですが、やはりPDFを探して、さらに報告書のページをめくって、なかなか見にくいところにあるということで、下側にあります「施設別がん登録件数検索システム」というのをスタートさせていただいております。もともとは平成25年5月に研究としてスタートしまして、まずはがん対策情報センターがん情報サービスサポートセンターの中で対応していたのですが、システムを隣にいます東部長を中心に作成していただきまして、平成26年4月に全国の6施設での運営を開始しまして、そこでフィージビリティースタディーをした上で、全国の都道府県拠点病院に展開をしております。展開するに当たっては、説明会あるいはワークショップなどを開いて十分使い方を知っていただいた上で、昨年の12月にプレスリリースで公表させていただいております。

12ページをごらんになってください。がん登録のデータに基づいているものなのですが、20092012年の症例。現在407施設、拠点病院等指定されておりますが、223万症例の中から検索することができます。ごめんなさい。等ではなくて407の施設です。特定領域とがん診療病院は含んでおりません。それから、まだ2012年の症例ですので、小児がん拠点病院は含んでいないといういろいろな制約はあるのですが、200万件の中からさまざまな検索をすることができます。

 上記の対象の中で、新規に診断された悪性腫瘍と頭蓋内の良性腫瘍が登録されていますので、それを検索することができます。

 とはいっても、12ページの下側でございますが、使うに当たっての注意点がありまして、これはあくまで過去の数字ですので、現時点でそこに対応できる医師等が存在するかどうかは確実ではございません。あくまで目安としてお示しするということです。それから、国際分類の病期分類を使用しておりまして、日本でいう取扱規約とは違っているところもございます。また、5大がんについてはステージ等の情報を持っているのですが、その他のがん種についてはありません。それから、初回治療のみということ、あるいはがんの定義など、がん登録独自のものを使っていますので、さまざまな制約がございます。それと、拠点病院のみのデータという制約もございます。

 そのような制約があるのですが、実際のページのサンプルは13ページにお示ししていますが、病期分類まで含めて部位ごとに細かい条件を入れて検索することができます。上側がその検索画面で、下側が検索結果の画面となっています。あえて部位名等を隠させていただいておりますが、病院別の症例数を確認することができるようなシステムとなっております。

 この運用に当たりましては、14ページをごらんになってください。このシステムが紫のちょうど真ん中あたりにございます。こちらに対して、全国に51あります都道府県がん診療連携拠点病院と、がん情報サービスサポートセンター及び国立がん研究センター中央病院、東病院から、こちらのシステムを使っていただくようにしております。地域拠点につきましては、その県内の都道府県拠点に問い合わせしていただくという仕組みとしております。

 さらに、この都道府県拠点におきましては、がん登録のさまざまな仕組みがございますので、がん相談支援センターの相談員だけではなくて、がん登録の実務者と連携した上で情報提供するということでガイドさせていただいております。

 とはいいましても、このシステムだけで全ての細かいところまで検索できないものがございます。そういうものに対応するために、14ページの下側にございますが、がん登録のデータの本体を管理しておりますがん統計研究部のほうに、もとのデータベースの検索を依頼して、情報をお返しするというサービスも提供しております。

 ただ、一応留意点としまして下側のオレンジのところに書かせていただいておりますが、直近の4年間で5例以上の実績がある病院についてお示しするということで、1例のみの施設等は御紹介しないようにしております。

15ページに行っていただきまして、この利用状況ですが、これは5大がんも含んでおります。この登録検索システムにつきまして、10月以降1,600件の検索がございまして、一番多いのは胃がんですが、そのほかに希少がんと呼ばれるようなものも、いろいろ使っていただいております。

 最後になります15ページの下側、先ほど馬上構成員から希少がんの情報を拠点病院で提示してほしいという御要望がありました。ちょうど昨年の10月末に集めました平成26年度版の現況報告書では、拠点病院から別紙7という形で、特に専門として積極的に受け入れている希少がんというものを提示していただきました。

 右側がちょっと見にくいのですが、実際の別紙となっています。このように各施設で自分たちが積極的に受け入れている希少がんを提示していただきまして、このデータをもとに現在ホームページの更新をしているところです。

16ページをごらんになってください。先ほどの希少がんのがん種別のページの下側に、今回とりました特に専門として積極的に受け入れている希少がんというのを見えるようにすることを現在対応準備しております。これを病院別に見せるだけではなくて、右側のページにありますが、希少がんのがん種名を入力して探すということでフリーテキストの検索となってしまいますので、若干表記等が違うと当たらないという問題はあるのですけれども、病院が積極的に受け入れている希少がんについて、こちらで検索できるような仕組み。これも5月中のリリースを目指して現在対応しているところです。

 今後の対応としましては、まずは掲載しているがん種をふやしていく。その中には希少がんは含まれていくと思います。さらに、コンテンツの定期的な更新の頻度を早めていくこと。それから、絞り込み等で検索システム等がございますが、そのがん種の分類を、もう少し詳細化できるものは詳細化していただきたいと考えております。

 それと、この検討会等で希少がんの定義等が確定しましたら、希少がんのカテゴリーなどもがん情報サービスから追加して、そちらからも探していただくような仕組みも検討していただきたいと思います。

 以上となります。

 ありがとうございました。

○堀田座長 ありがとうございました。

 提供側から、がん情報サービスの活動を主に紹介していただきました一方、もう一つのほうは、診療現場でやっている、どちらかというと院内で活動している希少がんホットラインからの報告です。これは情報センターとは別のホットラインですけれども、それにつきまして、加藤構成員から御紹介いただきます。

○加藤構成員 国立がん研究センター希少がんセンターの加藤陽子です。

 これから希少がんホットラインについて御報告させていただきます。資料4をごらんください。

 内容としては「『希少がんセンター』について」「『希少がんホットライン』について」「平成26年『希少がんホットライン』実績」「『希少がんホットライン』の役割」「今後の取り組み」について御報告させていただきます。

 次のページをごらんください。「『希少がんセンター』について」です。希少がんセンターは、昨年6月23日、東京築地にある中央病院と千葉柏にある東病院とで合同で開設しました。参加診療科は15科です。

 ミッションは、1つ目は「希少がんに対する診療・研究を迅速かつ適切に遂行可能なネットワークを国立がん研究センター内に確立する。」2つ目は「我が国の希少がん医療の望ましい形を検討し、提言し、実行する。」です。

 この2つのミッションを達成するために、診療、研究、臨床研究、教育、患者支援、相談を行っています。また、希少がん患者さん向けにホームページも開設しています。

 次のページをごらんください。「『希少がんホットライン』について」です。

 まず初めに「希少がんホットライン開設の背景」です。200910月、肉腫ホットラインが開設されました。これは、肉腫に関する情報が不足しているため、肉腫診療に携わっている医師が診療の合間に担当し、個別に相談を受けていました。

 第2期がん対策推進基本計画の流れを受けて、201312月、国立がん研究センター中央病院と東病院に希少がん対策室が設置されました。

 昨年1月、肉腫ホットラインが医師から看護師へ変更となりました。その理由は、希少がんは肉腫だけでなく幅広い年齢、部位、病理組織など多種多様であること。相談内容が診療面だけでなく、心理社会的側面の対応も必要なこと。がん対策情報センターのがん情報サービスサポートセンターや、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターの有する客観的な根拠のみでは対応が困難で、より個別で臨機応変な対応が必要なこと。中央病院と東病院受診時の診療科のトリアージが必要なこと。最後に、専任の担当者が必要なことです。

 そして、昨年4月28日、希少がんセンターホームページの開設と同時に希少がんホットラインが開設されました。

 次のページをごらんください。「希少がんホットラインの理念」です。希少がんホットラインは「希少がん患者さんが、最適・最良の医療を受けられるようにお手伝いをする電話相談」です。希少がん患者さんと御家族のために、心を支え、情報を提供し、理解を助け、一緒に考え、希少がん患者さん自身がみずから納得できる治療・療養の選択をしたと思えるようにお手伝いしています。

 「希少がんホットラインの利用について」です。電話は直通です。専任の看護師が担当し、時間は平日の9〜16時で相談は無料、通話料はかかります。相談内容の秘密は厳守されます。

 次のページをごらんください。平成26年1〜12月の希少がんホットランの実績です。

 相談者数は1,200名でした。1月6日、肉腫ホットラインが医師から看護師へ変更しました。4月28日、希少がんセンターのホームページ開設と同時に希少がんホットラインが開設し、相談者数がふえています。6月27日、希少がんセンターの記者説明。7月4日、悪性黒色腫新薬承認の影響で7月は200名の方から相談がありました。その後は1カ月に120170名の相談がありました。

 次のページをごらんください。「『希少がんホットライン』を知った理由」です。

 一番多いのが「インターネットで検索」が30%。次に多いのが「他施設の相談窓口からの紹介」「知人からの紹介」が20%。3番目に多いのが「新聞・雑誌で見た」「主治医からの紹介」の10%です。

 次に「相談者」の内訳です。患者さん本人が43%、家族が41%、医療者が14%です。その他は知人、代理人など2%でした。1,200名中の相談者の100名は、医師からの直接の相談がありました。

 初回相談時間は1名につき平均13.4分。範囲は5分〜60分で、60分の理由は主治医への不信、治療方針に対する不安でした。

 相談回数は1名につき平均2.8回。範囲は1〜30回で、30回の理由は主治医への不信、治療方針に対する不安でした。

 次のページをごらんください。「患者の性別」です。男性が39%、女性が56%、不明が5%でした。女性が多い理由は、子宮肉腫の患者さんの相談が多いためです。

 次に「患者の年齢」です。平均年齢は53.5歳。範囲はゼロ〜100歳でした。一番多いのが60歳代の254名、次に多いのが50歳代の189名、3番目に多いのが70歳代の171名で、全体的に成人の患者さんが多いです。

 次のページをごらんください。「患者の居住地」です。一番多いのが関東地方の632名で、その中でも東京が265名と一番多く、神奈川県、埼玉県と続きます。2番目に多いのが近畿地方の118名です。海外からも32名の方から相談がありました。関東地方に多い理由は、国立がん研究センター中央病院が東京の築地、東病院が千葉の柏にある関係で、診療を視野に入れながら相談されている方が多いためと推測されます。

 次に「相談時の患者の病名」です。圧倒的に多いのが肉腫の593名で、その中でも子宮肉腫が110名と多いです。次に多いのが悪性黒色腫の92名、3番目に多いのが消化管間質腫瘍(GIST)と脳腫瘍です。4番目に多いのが原発不明がんです。原発不明がん42名中40名の患者さんが当センターを受診され、相談の結果、確定診断がつきました。5番目に多いのが神経内分泌腫瘍の37名です。6番目に多いのが悪性黒色腫以外の皮膚腫瘍で、この中には、メルケル細胞がん、乳房外パジェット病、汗腺がんなどが含まれます。その他は200名で、口腔がん、肛門がんなどです。また、希少がんと言われた、まれながんと言われて相談がありました。これらの数から、肉腫の患者さんが大変困っていることがうかがわれます。

 次のページをごらんください。「相談時の患者の治療状況」です。「治療無」が36%、「治療有」が56%、「不明」が8%です。「治療有」の674名の内訳です。一番多いのが「手術のみ」の330名。次に多いのが「手術・薬物」の163名です。手術後、病理の結果などから希少がんと診断され、その先の治療方針に悩んでいる、また、手術後薬物療法を行い、その効果がなく、次の治療をどうしたらいいのかと悩まれていることがうかがわれます。

 次に、ことし3月現在の「相談者への対応と転帰」です。まず対応です。円グラフをごらんください。「看護師のみ」が73%、「医師へ相談し看護師が返答」が26%でした。次に転帰です。一番多いのが、国立がん研究センターの初診が448名。次に多いのが、電話相談のみの387名でした。3番目に多いのが、国立がん研究センターのセカンドオピニオンが235名。他施設を紹介したが100名。死亡が30名で、お亡くなりになられた後、御遺族の方から連絡がありました。

 次のページをごらんください。1,200名の「電話相談から見える『希少がん』患者の現状」です。患者さんの御家族は「希少がんに対する正確な情報の乏しさに翻弄され、混乱している。」「主治医から的確な説明がないため自分自身の病状を、把握できない。」「これからどうしたらよいのか、わからない。」「適切な相談先がない。」「医師によって説明が異なる、病理診断の不一致。」「大きな病院へ連絡したが、診療は行っていないと言われた。」などです。

 次に医療者です。「医師や医療機関が自信を持って希少がんに対応できていない。」「適切な相談先がない。」「病理診断が難しい、病理診断の不一致。」「治療法が分からない。」「紹介先の専門病院が分からない。」「専門病院へ連絡したが、診療は行っていないと言われた。」などです。

 次に「『希少がんホットライン』の役割」です。希少がんホットラインでは「臨床的判断に基づいた整理」を行います。相談者から病名、原発の部位、再発の有無、転移の有無、その部位、病理診断、治療法、日常生活の状態などをお聞きして、相談者と一緒に病状の整理をします。これは、ほぼ全員の相談者に行っています。次に「臨床的判断に基づいたトリアージ」を行います。希望のある方には、適切な医療機関・診療科・担当医の紹介、初診・セカンドオピニオンなどを御提案させていただいております。3つ目は「心理・社会的アセスメントに基づいた問題点の把握」を行います。必要に応じて、相談者から気持ちの状態、不安の程度、家族関係、社会的背景などをお聞きしています。

 以上のことから、希少がんホットラインの大きな役割は「解決に役立つと思われる個別的な情報の提供」「適切な受診・診療行動への支援」「心理的ケア」です。

 次に、具体的に「臨床的判断に基づいたトリアージ」について御紹介いたします。

 まず、院内ネットワークです。トリアージの結果、患者さんが国立がん研究センターを希望された場合、中央病院と東病院を確認し、適切な診療科へ御案内しています。ここに示している診療科は、肉腫(サルコーマ)診療に携わっている診療科です。例えば、サルコーマカンファレンスがあります。それぞれの診療科の枠を超えて患者さんの病状を検討し、適切な診療を行っています。

 次に、トリアージの結果、他の医療機関になった場合です。次のページをごらんください。現時点での院外ネットワークです。これは最初、希少がんホットラインで行う予定ではなかったのですが、患者さんの要望に合わせて自然に行われていました。例えば、遠方の方で体力が低下している。家族や仕事の都合で上京することが難しい場合、中央病院と東病院の希少がん診療に携わる医師のネットワークで紹介しています。この中には、がん診療連携拠点病院以外の医療施設もあります。

 このネットワークの特徴は、リアルタイムで医師の状況がわかります。例えば「希少がんA」をごらんください。北海道地方、近畿地方、九州地方にネットワークがあります。九州地方の1名の医師が来月から他の地方に異動予定であることも、医師間のネットワークで把握できます。

 最後に「今後の取り組み」です。次のページをごらんください。1つ目は、希少がんホットラインの相談内容を詳細に分析し、希少がんの抱えている問題を明らかにします。これは現在進行中です。

 2つ目は、上記の問題に対する解決策を見つけ、現場の声をもとに院内・院外へ提案したいと考えています。

 3つ目は、希少がんホットラインの相談者の声をもとに、より利用しやすく改善したいと考えています。特に、御遺族の方から、希少がんホットラインの存在を知らなかった。もし知っていたら選択肢が広がった。少しでも納得できる治療が選択できたと連絡を受けます。また、希少がん患者さんのニーズに合わせた、より個別な情報が不足していると、希少がん患者さんやその御家族、医療者の方々から御指摘があります。

 これらに対して、まず希少がんホットラインの周知を行います。例えば、希少がん関連の学会での報告、国立がん研究センターの広報企画室からの積極的な広報活動です。次に、希少がんセンターのホームページの内容の改善を行います。現在、ニーズをもとに更新しています。これからも、継続していきたいと思います。

 次のページをごらんください。4つ目は、臨床的判断に基づいた院内・院外ネットワークの構築です。現在、院内ネットワークは構築されつつあります。今後は、さまざまな希少がん患者さんの病期やニーズに対応するために、院外ネットワークの構築も必要であると考えています。その方法として、全国の希少がん診療に携わっている医師や医療機関の把握、上記医師や医療機関との連携による希少がん腫瘍別全国ネットワークの構築です。

 最後に、希少がんホットラインの経験を蓄積し、より一般化できるようにしたいと考えています。平成26年は1,200名の方から相談がありました。現在も月100名以上の方から相談があります。そこでは、いろいろなことを学ばせていただいております。その経験をもとに、医療関係者対象の希少がんに関する研修・勉強会の開催、希少がんホットラインのプロトコール作成、希少がんホットラン担当者の教育プログラムなどの作成を行い、希少がん患者さんに少しでも還元できるようにしていきたいと思っております。

 以上で発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○堀田座長 これで4名の方、患者の会のほうから2名、提供側から2名ということで発表をいただきました。これから30分ぐらいありますので、意見交換をしたいと思います。

 まずは、御発表に御質問や確認事項がありましたらお願いします。

 最初に、患者さんの会の発表について何か御質問や御確認することはありますでしょうか。

 それでは、私のほうから。たまたまご発表いただいたお2人が構成員として入っておられます。患者会は全国に幾つかある中で、それをまとめられたということですが、先ほどのヒアリングの対象団体というのは、何か選ばれた理由というか、基準はあるのですか。

○馬上構成員 一生懸命ホームページ上で探したというのがあるので、ホームページを皆さんがつくっていることがあると思います。あとは、西舘構成員に伺ったりとか、ほかの方に伺って、そういう希少がんの患者会はありませんかということで集めたのですけれども、まだこれでは全部把握し切れていないというところがあります。

○堀田座長 わかりました。希少がんだとどうしても、がん種別に患者会ができますね。そうすると、それをまとめて何か意見を集約するという場は今のところないのでしょうか。

○西舘構成員 希少がん患者さん自体が、患者会も非常に少ないですし、今回初めてこのメーリングリストという形で希少がん患者会の代表の方が集まったので、そういった共同での取り組みというのは、これからのことになると思います。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そのように全国でいろいろ自発的にできたこの患者会があると思います。患者会そのものは、もともと自発的なものだとは思いますけれども、それを連絡して、お互いに状況の把握ができると、いろいろな意味で対策上も有効に活用できるかと思います。

 何か御質問や御意見がありましたらお願いします。

 どうぞ、松本先生。

○松本構成員 私はこのキュアサルコーマに関しては、必ずしも患者会になっているのかどうかが分かりません。つまり、先ほどの話にもちょっと出ていたのですが、府立成人病センターの高橋先生がそこの責任者になっておられるということもあって、患者会が患者主導になっているか、医師が主導しているのかが分かりにくいと思います。ですから、キュアサルコーマのお話を聞くということでしたが、その点を明確にしておいた方が良い、と思います。

 川井参考人も御意見があるかもしれないです。

○川井参考人 今の患者団体のお2人、それから、情報提供者からのお2人の話を聞いていて、それぞれの立場から一生懸命情報を集めようあるいは提供しようと言っていることはよくわかったのですけれども、一つ、一歩引いて自分がその両方を聞いてみると、例えば医療の情報を提供する、特に希少がんの情報を提供するといったときに、医療者側が一番大事に思うことは、正確な情報を提供しようと思うのです。そうすると、微に入り細をうがって、とことん正確な情報を提供しようとする。だんだんアクセスしづらくなってくる。外から見ると、特に医療者側以外から見ると、なかなかよくわからないという提供する側の問題もあります。あるいは情報を受ける側から見ると、先ほどヒアリング団体を探すときに、インターネットを探したとおっしゃいましたけれども、何度も指摘されているように、インターネットの上の情報というのは、正確かどうかということを検証されていない情報です。それに基づいて動く。しようがないところもありますが、受け手側と送り手側の本当の正確な情報を求めている人に渡すという、その2つのステップの間に、ちょっと、そごがあるという感じを、4人の方々のお話を聞きながら感じました。

 今、松本構成員からお話がありましたキュアサルコーマの件と、西舘構成員からも御提案いただきました肉腫に関するもう一つの情報提供ソースである整形外科学会の治療相談窓口、この間の連携が必要だという御提案は私もそのとおりだと思うのです。この間がうまく伝わっていないというのは、今、私がまさしくお話をした、医療者側から見て必要と思われる情報と患者さんが求めている情報の間に、あるいは受け手と渡し手の間のやり方が違う。例えば、医者が情報を提供するというときには、学会で発表するであるとか、医者のコミュニティーの間で今までは情報が提供されていたわけですけれども、それを患者さんに提供するということにおいて、提供者側の努力が少し足りていない感じはいたします。

 西舘構成員の出されました5番目の絵を見てみますと、NPO法人キュアサルコーマ提供の地図と骨軟部腫瘍相談コーナー設置施設。まさしくばらばらに存在しているわけです。骨軟部腫瘍相談コーナー設置施設というのは各県に81施設あって、だけれども、なかなか患者さんがそこへアクセスしづらいような形になっています。アクセスしようと思うと、一般にアクセスできるのですが、日本整形外科学会のホームページに入って、そこから相談治療コーナーを見つけて、アクセスするとそれぞれの施設が、何施設の、何症例の肉腫の患者さんを治療しているということはわかるのですが、それはなかなか専門の医師でもそこにたどり着くのは難しいというような状況です。そういう情報をどうやって患者さんに渡すかということに関して、医療提供者側、情報提供者側が少し工夫をする必要があると感じました。

 長くなって申しわけありませんでした。

○堀田座長 ありがとうございます。

 いろいろな患者さん団体がありまして、私のところにもこの構成員に入れてくれとかヒアリングに参加させてくれという声も届いてはいますけれども、全部というわけにはいきませんので、できるだけフェアな形でここに入れさせていただければありがたいと思います。

 そのほかに、何か御発言はありますか。

 馬上構成員、どうぞ。

○馬上構成員 ホームページで探して、全然会わないでこのヒアリングをしたわけではなくて、西舘構成員のお知り合いとか、そういうことを確認してヒアリングをさせていただきましたので、全然知り合いではないとかいうことではないです。

○堀田座長 若尾参考人、どうぞ。

○若尾参考人 御質問させていただきたいのですが、希少がんの患者さんの会ということで、数が少ないということで、インターネット等を活用して全国的につながっていることが多いという報告を伺って、なるほどと思ったのですが、がん種ごとで複数の会というのは存在するのですか。それとも、ある程度がん種ごとに会は集約されつつあるような状況なのでしょうか。

○馬上構成員 自由に設立されていますので、LINEで小児脳腫瘍関連の会があったりとか、またはフェースブック上であったりなどさまざまに、非常に少ないですけれども、がん種ごとではなくて、規則立ってできているというわけではないです。

○堀田座長 そうでしょうね。患者会は自発的に出てきた集団なのだけれども、対策としてやっていくには、ある程度意見がまとまるなど緩い形でもいいですから、ネットワーク化されるといいですね。

 そのほか、いかがでしょうか。

 では、提供側についてはいかがでしょうか。若尾参考人の発表でのがん情報サービスの詳細な説明で、実際にこう使えるのだときょう初めてわかったという人もいるかもしれません。あるいはホットラインについては今、がん研究センターがやっていますが、これはあくまで診療上のお手伝いをするということが基本であって、情報そのものは情報センターから正確な情報を出していくという問題だと思います。

 いずれにしても、このホットラインも1本では足りないとは思いますので、その辺を今後どうしていくか。ホットラインそのものがまだ十分浸透していないというほうが問題かもしれませんが、御意見いただければと思います。

 小村構成員、どうぞ。

○小村構成員 ホットラインについてお伺いしたいのですけれども、お話を聞いていると、ホットラインで相談される方の半数くらいでしょうか。そこの施設での診療、あるいはセカンドオピニオンを求められるという結果なのです。そうすると、どうしても患者さんのほうから寄り添ってほしいという希望からすると、あるいは診察を前提としてそういうホットラインをつなぐということになると、東京だけではなくて、都道府県とは申しませんけれども、各ブロックぐらい、もうちょっと身近なところにそういうホットラインができると、患者さんとしてはある意味での安心感といいますか、相談しやすいのかと感じました。

○堀田座長 そのとおりでしょうね。情報の提供は集中化してもいいけれども、実際に診療を前提として相談したい場合には、それぞれのブロックなり県など地域にないと、なかなかアクセスできないという話だと思います。

 馬場構成員、いかがですか。

○馬場構成員 確かに今の御指摘のとおりだろうと思います。先ほどから意見を伺っておりまして、川井参考人が御指摘になりましたように、情報の送り手側と受け手側がいかに効率的に正確に情報の受け渡しができるか。これが一番大事な点ではないかと思います。

 医療者側として情報を提供する際に学会、研究会等でホームページの中から確かにアクセスできるかもしれないけれども、正確な情報にたどり着くまでに幾つかの関門があって、なかなか患者さん、あるいはその家族がアクセスするには非常にハードルが高いというところがあります。

 ここでお聞きしたいのですけれども、西舘構成員あるいは馬上構成員、先ほどのがん情報センターのデータですとか、あるいはホットラインの存在を知って、そういうところに既に何度もアクセスされている患者さんの団体がどういう状況にあるかということを教えていただければと思いますが、いかがですか。

○堀田座長 それでは、西舘構成員、お願いします。

○西舘構成員 このホットラインを知っているかということですか。

○馬場構成員 ホットラインと、先ほどかなりがんセンターの情報のアクセスが、いろいろな方向からできるという御紹介がありましたけれども、実際に現場の患者さんあるいは家族の方がそういう情報を比較的容易にアクセスできて、正しい情報が得られているかどうかということを患者さん側の立場からお聞きできればと思いました。

○堀田座長 主には、例えばがん情報サービスのコンテンツに対してということで、とりあえずお願いします。

○西舘構成員 私の資料の2ページの上のところです。インターネットから提供するコンテンツのインターフェースなのですけども、見た目に親しみやすいというところに非常に気を使っておりまして、掲示板ですとかホームページの問い合わせ窓口なども書き込みやすい状況というのを常に考えて、デザインというほどでもないのですが、書きやすいものということで考えております。

 そういうところからいいますと、がん情報サービス、非常にコンテンツも多いですし、内容も確かですばらしいのですけれども、患者さんからすると取っつきにくいところがありまして、開いた瞬間に文字がばっと目の前に出てきたというだけでだめだとおっしゃる方もいらっしゃいますし、患者会をワンクッション置いて御紹介しているというのが今の状況です。

 患者会からは、そこの1つのアドレスをクリックすればそこに入れますというところまでお教えしますので、そういったところから患者会を利用して入っていっていただくということもやっております。

○堀田座長 ありがとうございます。

 がん情報サービスのホームページは他のサイトからも入れるように、リンクがいろいろなところに張ってあるという状況をもっとつくる必要があるかもしれません。

 馬上構成員、どう思いますか。

○馬上構成員 常々、私は「小児がん」と入れて、いろいろなサイトで検索しているのですけれども、最近は小児がん情報サービスがトップにいつも出てくるので、必ず皆さんごらんになっていると思います。

 先ほど紹介した小児がん患者会ネットワークでも、必ず小児がん情報サービスのリンクに2クリックぐらいで行けるようになっているので、それもあって、みなさん行っていると思います。とても詳しい情報をどんどん更新してくださっているので、何回もごらんになっている方もいらっしゃると思います。

 希少がんホットラインのほうは、実際にユーイング肉腫家族の会の方が何回もお電話されていると聞いています。希少がんは本当に、肉腫や小児がんですとすごく情報が少ないので、あとお若い方が多くて、忙しくてお子さんの世話などがあるので、お電話というのは非常に情報ソースとしては大事なものだと思います。

 昔、小児がんの医療支援のあり方のほうでも、中核病院のコールセンターをという話があって、その後、今、対策が進んでいる中でまだない状態なのですけれども、特にお子さんを持つ親御さんとかは電話に頼ったりすることが大きいかと思いますので、今後そういったことも考えて展開していっていただきたいと思います。

 質問をいいですか。トリアージをされているということで、今のところ中央・東病院の医師のネットワークということで、今後は全国ネットワークの構築ということでお考えになっているということですけれども、これは具体的にどういった形でネットワーク展開をされようとしているのかお伺いしたいのです。

○堀田座長 では、加藤構成員、お願いします。

○加藤構成員 まだ全くどういう形に持っていったらいいのかというのは考えている途中で、医師たちに確認している途中なので、そこまででよろしいでしょうか。

 本当に自然に、例えばきょう岩本構成員は欠席なのですが、九州のほうから連絡がありまして、どうしてもがんセンターを受診したい、がんセンターで手術を受けたいと言われたのですが、体力的に低下しているし、御家庭の事情もいろいろあるみたいだったので、そのときに、骨軟部腫瘍科の医師に確認をして、例えば岩本先生のいる九州大学に御案内したりなどして、御案内するときは必ず、向こうのほうでもし断られるような状況であればまたお電話を下さいという形にして個別に対応している状況なので、全国的ネットワークについては、これから医師たちと考えてやっていきたいと思っております。

○堀田座長 川井参考人、どうぞ。

○川井参考人 今のネットワークのお話ですけれども、例えば希少がんの中でユーイング肉腫という病気に関しては、ホームページを調べれば、あるいはいろいろなインターネットを調べれば正確な情報がある程度わかります。それでは、どの先生がユーイング肉腫をたくさん見ておられて、化学療法が得意なのかあるいは手術が得意なのか、そういうもっと具体的な情報というのは、希少がんを扱っている医療者が一番よく知っているわけです。

 正しいかどうかということにはある程度主観的なところが入ると思いますが、希少がんに対して一番正確に近い情報を知っているのは希少がんを担当している医療者だと思っていて、それはそれぞれの医療者のコミュニティーの中である程度ネットワークというのは既に以前から存在している。それをはっきりとした形にして、例えば加藤構成員が電話を受けたときに、そのネットワークを使って紹介できるようにしたいということを考えています。

○堀田座長 実際は、専門家は全国にいろいろなところにいて、恐らく専門家同士では誰がどこにいるかというのは大体わかっている。ただし、現状はそれを個人的な努力、つながりで紹介するという話になっているわけです。そこをもっときちんと組織としてネットワーク化するということで進めていけば、全国をある程度カバーできるのかと思います。

 道永構成員、医師会として、少し規模の小さい開業医さんも含めて、こういった希少がんに出会ったときに次にどうしたらいいかの対応状況はわかりますか。

○道永構成員 いつも医師会のことを質問されて困っているのですけれども、郡市区医師会、都道府県医師会といったところで、それぞれの専門分野の方々のネットワークというものができていると思うのです。どうしても、このがん情報サービスは拠点病院がメインになってしまいますけれども、いわゆる民間病院でもやっていらっしゃる先生がいらっしゃるわけで、そういう情報は医師会が持っていますので、そのネットワークを利用していただければと思います。

 ただ、医師会のホームページを見ることによってそれがわかるかどうかというのはまた別なので、今、堀田座長がおっしゃったように、個人的なつながりで探すことになってしまうのかと思います。

 ついでなのですけれども、恐らくホームページでの情報というのは文字だけになってしまうということと、あとは必ずしも民間のいろいろな情報があって、それが正しいものかどうかわからないということがあります。このホットラインというのは、それを電話相談でちゃんとやってくださってというのがすごくすばらしいので、ぜひこれは進めていただきたいと思いますが、広報が足りないというのは、今、見ていたら、がん情報サービスの中にホットラインの宣伝が入っていないのではないですか。それをやると大分違うのかと思いました。

 がん情報サービス、これは本当に難しい内容だと思うのですが、実は難病のほうも担当しているのですが、難病情報サービスというものがありまして、それは患者さん用に少しかみ砕いた内容にしているのです。そういうものもやっていただければと思いました。

 また、蛇足なのですけれども、このホームページがいつのものかわからないのですが、臨床研究のところで、日本医師会は今「公益」がついているので、訂正していただければと思います。

○堀田座長 なるほど。それは情報センター側で、日本医師会について認識がまだ「公益」となっていないのかもしれません。済みません。

 渡邉構成員、何かこの辺のところで情報提供などありますか。

○渡邉構成員 私、実はホットラインの活動に非常に興味を持ったといいますか、非常に有意義ではないかと思います。今、道永構成員からも御指摘がありましたように、ホームページで見るという行為は、まず情報の選別がきちんとされていないということと、読む側の方の理解、どう理解するかということに関して、ほとんど何の責任もないといいますか、我々は評価のしようがないのです。

 ところが、これはトリアージという形で表現されておりますけれども、実際電話で話をして、適切に問題点を整理して、適切な情報に誘導するという機能は非常に大事なことではないか。現実にそれを今、動かしてこられて、それなりの有効性を確認されておりますので、私はこういう部分はもっと力を入れて機能を拡大していったらいいのではないかと思って話を伺っておりました。

 個別に今、担当されている方がどれだけの負担をされているか。恐らく、ちょっと想像するだけで大変なことなのだろうと私も思うのですけれども、方向性としては、インターネットを介した情報を流すということと、実際に双方向性のコミュニケーションをして適切な道をつけるということは、お互い両方ともその必要がある。そのときに、先ほど最後のまとめのところで御指摘がありましたけれども、全部そこで解決するのではなくて、情報を整理して適切な場所に誘導する。それがブロック、地域の拠点であってもよろしいですし、専門のところに話を持っていくということが大事なのではないか。そういう意味で、双方向性が保たれているホットラインというものを、もっと活動として拡大して充実させていっていただけたらいいかと思って聞いておりました。

○堀田座長 ありがとうございます。

 加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員 渡邉構成員、どうもありがとうございました。

 始めてみて、平成261,200名の方から相談があるとは全く思っていなかったし、どんな方が来るのか全く思っていなかったのです。だけれども、患者さんたちは非常に必死だということは感じました。

 現在、私1人でやっているのですが、このごろ情報を整理しまして、これをホットラインでなくても、例えばがん拠点病院の相談支援センターのほうで対応できるのではないだろうかとか、対がん協会の電話相談窓口もありますので、例えば土日にやっていますから、そういうところに一度連絡を入れて、心の悩みの場合ですけれども、話を聞いてみたらどうだろうかとか、あとは病状を確認していると、皆さん自分の病状をしっかりと理解されていないみたいなのです。なので、主治医ともう一回相談してみたほうがいいのではないかとか、もし主治医に聞くことが難しければ、そこの近くにいる看護師もしくはソーシャルワーカーに確認をしてまた電話してほしいということを伝えている状況なので、これから詳細に分析して交通整理を行っていきたいと思っております。

○堀田座長 ありがとうございます。

 若尾参考人、どうぞ。

○若尾参考人 先ほどから、全国的にそういう相談窓口があればいいという御発言がありましたれども、まだ本当にホットラインほど充実はしていないのですが、1つの候補としまして、都道府県拠点病院のがん相談支援センターがそういう役割を担うことが期待できるのではないかと思います。

407の拠点病院全てで希少がんに対応するというのは恐らく難しいと思うのですが、都道府県拠点51に絞った形で、都道府県の拠点では希少がんについても対応するというのが昨年の新しい整備指針でも示されていることもあり、相談支援センターのほうでも希少がんの勉強をしていて、希少がんホットラインのいろいろなノウハウを移植していただいた上で、都道府県拠点も十分な対応ができるような体制にしていくことが我が国にとって全体の底上げにつながるのではないかと思います。

 その中で、先ほど川井参考人からお話がありましたけれども、専門家のネットワークにつなげることが必要で、今はホットラインから中央病院の医師、そこから医師のコミュニティーにつながっていますが、それが例えば学会とかがん種ごとに、このがん種だったらこの医師のネットワークにつなげるというものがわかってくれば、各都道府県拠点の相談支援センターでもそういう専門家につなぎやすくなるのではないかと思います。その辺を可視化することが大事ではないかと思います。

○堀田座長 1つは情報集約の基盤がある拠点病院のネットワーク、その中でも都道府県拠点を利用して、そこに一定程度、情報相談のベースを置くということですね。これは対策としては非常にきっちりしたものができやすいと思います。

 松本構成員、先生のところのサルコーマセンターを運営するに当たって、患者さんの相談とか、あるいはどういう形でこの患者さんがアクセスされているのですか。

○松本構成員 我々のところは医療連携室が、ホットラインの代わりをしています。患者さんからの電話が入ったときに内容によっては私のところに連絡が来ます。そこで患者さんには、我々のところに来るべきかそうではないかとかとうことをお伝えしております。

 今のお話を伺って、ホットラインの機能は非常に重要だと思います。なおかつ、ホットラインは、病院というものからは独立することが重要と思いました。希少がんのホットラインに何人も専門の人がおいでになって、そこに全国から電話が来て、そこで各施設に振り分けるぐらいのことがあってもいいのではないのか。ホットラインが特定の施設に属しているうちは、そこのバイアスがかかってしまいます。だから、本来は施設から独立した形が良いと思います。さらに、ホットラインのクオリティーの担保が重要と思います。ホットラインでどういう回答をしているかということに関しては、希少がんであるが故に特に重要だと思います。

○堀田座長 そういう両方のインフラが考えられますけれども、その辺についても今後の検討課題ということにしたいと思います。きょう、ここで詰め切るというわけにもいきませんが、1つは先ほど話題に出ていました日本対がん協会が4名体制でがん相談を土日を含めてやっていますね。そういったところから、例えば希少がんについてはそれぞれの専門家のいる病院に振り分けるという形で、次のステップに整理するということはできるかもしれません。

 アメリカでは、対がん協会は16名体制でホットラインを引いていて、36524時間やっていると聞いています。そういうことから見れば、全国で1本でつながって、そこから先にはいろいろなそこからの紹介される方法が考えられます。多分、その日のうちに結論が出ないといけないのではなくて、ちょっとは間を置いてもいい場合もあるのですね。どうですか。私はそのホットラインの現場にいないのでよくは知りませんが、例えば1回受けてほかのところにつなぐまでに二、三日あっても普通は大丈夫なのですか。すぐその場で答えないのとだめなのですか。それはどうなのですか。

○加藤構成員 例えば、がん種によって、ユーイング肉腫とか横紋筋肉腫、骨肉腫と、あと原発不明がんで体調悪い方から連絡あるので、そういう場合は急がなければいけないのですが、ほかのことに関しては、転移とか再発の相談等なので、二、三日は大丈夫なのではないかと思います。

 患者さんたちはもう必死だから、不安が強いから、1分でも1秒でもいいからすぐ対応してほしいということを言われるのですが、お話を聞かせていただいて、その情報を整理してこれは大丈夫だよということを伝えておけば大丈夫なのではないかと思います。ただ、急がなければいけない疾患だけは、取り上げていったほうがいいかと思います。

○堀田座長 それは恐らく対応する方のセンスというと申しわけないけれども、経験とか現場感覚が重要なのだと思いますが、標準化するためには相談員の研修とかといったこともやっていかないといけませんね。

 そろそろ予定の時間になりましたが、最後に何か御発言いただくことがありましたらお願いします。

 西舘構成員、どうぞ。

○西舘構成員 ありがとうございます。

 きょう御議論いただいた内容を聞いておりまして、患者会としての立ち位置はどうなのだろういうことも改めて考えさせられました。ホットラインのような制度がどんどん発展していくことで、私たちもその情報の入り口として機能していかなくてはいけないということも感じております。

 それから、松本構成員のお話にお返事させていただきたいのは、私の説明でわかりづらかったと思うのですけれども、キュアサルコーマという言葉を出しましたが、まず一般社団法人キュアサルコーマセンターというところがございます。そこが大阪府立成人病センターの高橋先生が所属されている法人でありまして、高橋先生が中心になって、全国から医療連携を申し込んでこられる先生方とつくっておられるネットワークがキュアサルコーマボードということでございます。

 私どもがヒアリングを行ったNPO法人キュアサルコーマ、これは患者さんの会です。NPO法人になっておりますので、特定のどなたかを応援するという会ではもちろんないわけで、公正な立場で公益性を持って肉腫患者さんの支援をしていく会になっております。そちらのNPO法人キュアサルコーマのほうに情報をいただけるのは、今のところキュアサルコーマセンター、キュアサルコーマボードに所属されている先生だけということで、まず他の学会、整形外科学会を含めまして、学会のほうからも情報をいただきたいということと、現状、どうなっているかということはぜひ高橋先生からもお話をしていただいて、それもあわせて考えるべきではないかということで要請をさせていただきました。

 先ほどの加藤構成員のお話にもあったように、肉腫患者さんの悩みを持っていらっしゃる方は非常に多い。それから、悩みの内容も、大きな病院に行ったのだけれども診療はやっていないといって断られたとか、説明が医師によって異なるとか、適切な相談先がないとか、そういった問題も抱えておりますので、ここは現状というものを正しく知る意味で、広く診療にかかわっている先生方から御意見を伺ってほしいと思います。

○堀田座長 ありがとうございます。

 キュアサルコーマにつきましては、ボートと患者会というのは別のようでありますけれども、いずれにしても主要な専門家がそろっている整形外科学会等を含めて、専門家間でのコラボレーションを進めていただければと思います。ありがとうございます。

 そのほかはよろしいでしょうか。

 それでは、ちょうどお時間になりましたので、今回はこれで終了いたします。ありがとうございました。

 次回以降について、お願いします。

○江副がん対策推進官 次回につきましては、4月27日月曜日15時より開催する予定です。場所等詳細は追って御連絡いたします。

○堀田座長 それでは、皆さん、ありがとうございました。

 


(了)

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