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2015年3月6日 第1回希少がん医療・支援のあり方に関する検討会

健康局 がん対策・健康増進課

○日時

平成27年3月6日(金)14:00〜16:00


○場所

全国都市会館 第1会議室(3階)
(東京都千代田区河原町2−4−2)


○議題

(1)座長の選任について
(2)今後の検討のすすめ方
(3)希少がんの現状について
(4)その他

○議事

○江副がん対策進課官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会」を開催いたします。

 委員の皆様方には、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康局がん対策・健康増進課がん対策推進官の江副と申します。座長が決まりますまでの間、進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 初めに、本検討会の開催に当たりまして、塩崎恭久厚生労働大臣から御挨拶を申し上げます。

○塩崎厚生労働大臣 厚生労働大臣の塩崎恭久でございます。

 きょうは第1回目の「希少がん・医療支援のあり方に関する検討会」ということで、大変お忙しいところ、先生方にはこうしてお集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。

 きょうは第1回でございますので、きょうからしっかり御議論いただくと大変ありがたいと思っているところでございます。

 がん対策につきましては、がん対策基本法、議員立法でございますけれども、これに基づいて平成19年6月にがん対策推進基本計画、第1回目の基本計画ができ、がん医療、緩和ケア、がん研究、がんの早期発見等に対して取り組んでまいったところでございます。

 2期目のがん対策推進基本計画が平成24年6月に作成され、閣議決定をされました。新たにがんになっても安心して暮らせる社会をつくる。その構築に向けての全体目標に、働く世代や小児へのがん対策の充実を重点的に取り組むべき課題として位置づけ、がん患者の就労を含めた社会的な問題への対策を掲げておるところでございます。

 希少がんにつきましても、2期目の基本計画で新たに位置づけられ、患者が安心して適切な医療を受けられるように、標準治療の提供体制あるいは情報の集約、発信、そして相談支援、研究開発等々、あり方について検討をすることとされているわけでございます。

 一昨年12月にがん登録法がやっと成立をいたしたわけで、来年1月から施行になるわけで、それに向けて今、厚生労働省あるいはがんセンターの皆様方含め、多くの方々に御協力をいただいておりますけれども、この議員立法をつくる際にも、大事な目的の1つでありますのは希少がんの情報、データを集積する、集約をする。その中から対策や治療法をどう開発をしていくのかということが大きなポイントであるということを、我々意識をしながら議員立法をつくったつもりでございます。

 そういうことで、きょうから第1回目のこの検討会を始めていただくわけでありますけれども、構成員の皆様からさまざまな御意見をいただき、課題や取り組むべき事項を明らかにした上で、関係者の方々の御協力をいただいて、施策を推進してまいりたいと考えてございます。

 先生方の御議論に本当に待ち望んでいる方々がたくさんおられると思いますので、ぜひその期待を背中に感じながら、ひとついい議論をしていただいて、我々にまたいろいろな御示唆をいただき、政策提言をいただいて、我々はそれを受けとめて実行してまいりたいと思います。そのことによって、がんが少しでも対策治療法として前進をするように、ひとつ皆様方の御努力を改めてお願いを申し上げて、御挨拶にさせていただきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

○江副がん対策推進官 ありがとうございます。

 塩崎大臣におかれましては、公務のためここで退席させていただきますので、御了承いただきたいと思います。

(塩崎厚生労働大臣退室)

○江副がん対策推進官 それでは、構成員の紹介をさせていただきます。

 九州大学大学院医学研究員臨床医学部門整形外科学分野教授の岩本幸英構成員でございます。

 医療法人財団健貢会総合東京病院口腔がんセンター長の小村健構成員でございます。

 独立行政法人国立がん研究センター希少がんセンターの加藤陽子構成員でございます。

 東京大学医学部人体病理学・病理診断学准教授の佐々木毅構成員でございます。

 特定非営利活動法人GISTERS理事長の西舘澄人構成員でございます。

 熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学分野教授の馬場秀夫構成員につきましては、本日は御欠席との御連絡をいただいております。

 独立行政法人国立がん研究センター理事長の堀田知光構成員でございます。

 公益財団法人がん研究会有明病院副院長の松本誠一構成員でございます。

 公益財団法人日本医師会常任理事の道永麻里構成員でございます。

 小児脳腫瘍の会代表の馬上祐子構成員でございます。

 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の渡邉俊樹構成員でございます。

 参考人といたしまして、独立行政法人国立がん研究センター希少がんセンター長の川井章参考人でございます。

 同じく国立がん研究センターがん対策情報センターがん政策科学研究部長の東尚弘参考人でございます。

 続きまして、事務局を御紹介させていただきます。

 健康局長の新村でございます。

 同じく健康局がん対策・健康増進課長の正林でございます。

 同じく課長補佐の濱で浜でございます。

 同じく課長補佐の宮田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、資料の御確認をお願いいたします。

 座席表、議事次第に続きまして、資料が1〜7までございます。

 資料1「『希少がん医療・支援のあり方に関する検討会』開催要綱」。

 資料2「希少がん医療・支援のあり方に関する検討会の今後のスケジュール(案)」。

 資料3、希少がんに関するがん対策推進基本計画における記載。

 資料4「小児がん対策の進捗について」。

 資料5、希少がんに関する世論調査概要。

 資料6「希少がんの定義と診療に関する現状資料」。

 資料7、第1回国際がん研究シンポジウム、希少がん概要。

 参考資料1「がん対策推進計画」。

 参考資料2「『希少がん対策推進事業』希少がん対策ワークショップ報告書」。

 資料に不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。よろしいでしょうか。

 続きまして、本検討会の座長の選出をしたいと思います。

 座長の御推薦がございましたら、お願いをいたします。

○松本構成員 よろしいですか。

 国立がん研究センターの堀田先生を座長にお願いしたいと思います。

○江副がん対策推進官 堀田構成員の御推薦がございましたが、いかがでしょうか。

(拍 手)

○江副がん対策推進官 それでは、全員一致ということでございますので、堀田構成員に本検討会の座長をお願いできればと思います。

 それでは、堀田座長、席の移動をよろしくお願いいたします。

(堀田座長、座長席へ移動)

○江副がん対策推進官 それでは、堀田座長より一言、御挨拶をいただけますでしょうか。

○堀田座長 皆様、改めてこんにちはよろしくお願いいたします。

 ただいま御推挙いただき、本検討会の座長を務めさせていただきます。皆様におかれましては忌憚ない御意見を活発にいただいて、ご参加いただくからには一言は必ず何か御意見を賜れば幸いでございます。

 希少がんにつきましては、がん対策推進基本計画ができてから最初は5大がん、どちらかというとポピュラーながんに対して、しっかり均てん化を図るという政策が一定程度進んでまいりました。その次のステップとしては第2期基本計画で質の向上ということがうたわれ、その中で希少がん、小児がんといったものに対して、きめ細かい対応をしていく必要があるという認識が広がってきたところだと思います。

 特に希少がんにつきましては、専門家も患者さんも少ない中で、どのように医療体制を提供していくかということが大きな課題になっておりますし、研究的な意味でも遅れがちという状況でした。それはある意味、言い方を変えれば、まだまだ追求すべき宝がたくさんあるということでもあります。本検討会が希少がん対策の前進につながればと思う次第でございます。

 本検討会は皆様の御協力を得て、5回ぐらいで最終的に報告書をまとめるということになってございますので、それに向けて精いっぱいやってまいりたいと思います。御協力をよろしくお願いいたします。

○江副がん対策推進官 ありがとうございます。

 以上をもちまして、カメラにつきましてはおさめていただきますようによろしくお願いします。

(カメラ退室)

○江副がん対策推進官 それでは、以後の進行は、堀田座長によろしくお願いいたします。

○堀田座長 それでは、きょう予定をしております議題がございますので、これから早速検討に入りたいと思います。

 まず、議題2になりますけれども「今後の検討のすすめ方」ということで、事務局より資料の御説明をお願いします。

○江副がん対策推進官 それでは、資料1をごらんください。

 「『希少がん医療・支援のあり方に関する検討会』開催要綱」でございます。

 「趣旨」でございますが、

 平成24年6月に閣議決定された2期目のがん対策推進基本計画において、希少がんについては、様々な希少がんが含まれる小児がんをはじめ、様々な臓器に発生する肉腫、口腔がん、成人T細胞白血病など、数多くの種類が存在するが、それぞれの患者の数が少なく、専門とする医師や施設も少ないことから、診療ガイドラインの整備や有効な診断・治療法を開発し実用化することが難しく、現状を示すデータや医療機関に関する情報も少ないことが課題として指摘された。

 本検討会においては、希少がん患者が安心して適切な医療を受けられるよう、専門家による集学的医療の提供などによる適切な標準的治療の提供体制、情報の集約・発信、相談支援、研究開発等のあり方について、希少がんが数多く存在する小児がん対策の進捗等も参考にしながら検討することとする。

としてございます。

 検討事項ですが、主に5点ございます。

 1番目が「希少がんの定義について」。

 2番目が「希少がんの診療提供体制のあり方について」。

 3番目が「情報の集約・発信について」。

 4番目が「相談支援について」。

 5番目が「研究開発について」で、「その他」となってございます。

 「その他」、検討会の庶務等について示してございます。

 資料1の別紙には、構成員の皆様方の名簿がつけられてございます。

 引き続きまして、資料2の御説明に移ります。

 資料2につきましては、今後のスケジュールの案でございます。

 先ほど堀田座長からもございましたように、おおむね5回程度でまとめていければと考えております。

 まず、本日の第1回におきましては、この検討会のスケジュール。それから、小児がん対策の進捗状況について、参考までに議論をいただきます。

 また、我が国の希少がんの現状を示す各種情報、データ等についても御紹介をいただき、御議論をいただきたいと思います。

 第2回については、希少がんの定義、情報提供のあり方について等について御議論をいただければと思います。

 第3回については診療提供体制について、研究開発について、病理診断について等の御議論をいただければと思います。

 それらを踏まえまして、第4回に取りまとめにむけた御議論をいただきまして、できれば第5回、夏ごろには、報告書について取りまとめられればと考えております。

 資料1と2の御説明は以上となります

○堀田座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料1、2につきまして、何か御質問や御意見がありましたらよろしくお願いいたします。

 全体のこの検討会のまとめにつきまして、7月ごろをめどに報告書にまとめたいということでありますが、よろしいでしょうか。何か御意見あれば。

 特になければ次に参りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 次は、議題3に入りますけれども「希少がんの現状について」ということで、きょうは幾つかの資料が用意されていますので、まず事務局から資料3〜5につきまして御紹介をお願いします。

○事務局 事務局です。

 では、まず資料3をごらんください。

 こちらは、平成24年6月に閣議決定をされました「がん対策推進基本計画」でございます。

 「重点的に取り組むべき課題」としまして「働く世代や小児へのがん対策の充実」、そして「全体目標」としましては「新たにがんになっても安心して暮らせる社会の構築」が位置づけられております。

 また「分野別施策及びその成果や達成度を計るための個別目標」としましては、1の「がん医療」の中の6に「希少がん」と文言が盛り込まれております。

 資料3の下段のページですが、先ほどの資料1、開催要綱の趣旨と重複しますので、説明は割愛させていただきます。

 資料4をごらんください。

 このがん対策推進基本計画におきましては、希少がんが数多く存在する小児がん対策の進捗等も参考にしながら、希少がんについて検討を行うということですので、現在の小児がん対策の進捗について、資料4を用いて説明させていただきます。

 重複しますが、がん対策推進基本計画におきまして、重点的に小児がんへの対策の充実が位置づけられたところであります。

 おめくりいただきまして上段のページでは、7のところに「小児がん」ということで「5年以内に、小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を開始する」ということが具体的な目標として掲げられました。

 そもそも小児がんにおける現状と課題ですが、小児においてがんは病死原因の第1位であるが、その対策がおくれていることや、小児がんは、多種多様ながん種と幅広い年齢層を念頭に置いた対策が必要である、あるいは治療による合併症に加え、成長発達期の治療による合併症への対応が必要であり、成人がんとは異なる取り組みが必要ということが指摘されております。

 さらに、患者数においては「2,0002,500人の患者が約200の施設で治療されているが、必ずしも適切な治療がなされていない」といった課題が、小児がん専門委員会で指摘をされております。

 以上のような課題を受けまして、次、3ページ上段ですが、基本計画の中では、小児がん対策の概要としまして、小児がん拠点病院を指定し、集学的医療の提供体制等々の体制を整備すること。

 2ポツ目では「小児がん拠点病院は、地域の医療機関等殿役割分担と連携を進める」ということ。

 3点目としましては、小児がん経験者の長期フォローアップの体制についても検討する。

 4点目としまして、小児がんに関する情報の集約・発信等々の整備を開始するといったことが、基本計画の中に盛り込まれました。

 3ページの下段が「小児がん対策の概要」ですが、全国に今、小児がん中央機関を整備しまして、地域ブロックごとに整備される拠点病院と連携を図って、小児がん対策を進めていく。

 さらに拠点病院は地域ブロックの中で、地域のネットワークを構築し、関連する病院と連携体制を整えていくということが大きな方向性として打ち出されております。

 4ページをごらんください。上段ですが「小児がん拠点病院に期待される役割」としまして「小児がん診療の質の向上に資すること」はもちろんのこと、専門家による緩和ケアを含む集学的治療の提供であるとか、小児がんということで、遊びを含む日常的な活動の確保等々の体制の整備を進めること。さらに「長期フォローアップの体制を整備すること」が、具体的なこととして求められています。

 4ページの下段が、現在全国に15カ所指定をされておる小児がん拠点病院を記載しております。

 ブルーのラインで区切っているところが、全国7つのブロックに分けて、そのブロックの中心で、小児がん拠点病院が体制整備を今、進めているところでございます。

 5ページの上段、こちらが「小児がん拠点病院の要件概要」ですが、役割としましては「地域における小児がん医療及び支援を提供する中心施設として」役割を担う。

 概要に関しましては1〜9までさまざまありますが、特に小児がん拠点病院では、成人と異なるといった特徴もあり「9療育環境の整備」ということで「保育士の配置、教育支援、プレイルームの整備、長期滞在施設の整備等」が特徴的な要件かと思います。

 続きまして「小児がん中央機関に期待される役割」というものもございます。

 こちらは(1)〜(7)までありますが、主な役割としましては「小児がんに関する情報を収集し、広く国民に提供すること」。さらに「全国の小児がんに関する臨床試験の支援を行うこと」「小児がん診療に携わる者の育成に関する国内の体制整備を行うこと」といったことが期待される役割として位置づけられ、昨年2月に、国立成育医療研究センターと国立がん研究センターの2施設を、小児がん中央機関として指定をしております。

 6ページ上段をごらんください。こちらが「小児がん中央機関の役割」ということで、小児がん中央機関は、国立成育医療研究センターと国立がん研究センターが、先ほどの求められる役割を分担して、連携して進めていく。さらに各地域ブロックごとに整備をされた小児がん拠点病院等と小児がん拠点病院連絡協議会等でうまく連携をして、話し合いをしながら体制整備を進めていく。これが小児がん対策の大きな進捗状況でございます。

 続きまして、資料5をごらんください。こちらは「『がん対策に関する世論調査』の概要」ということで、希少がん関連部分を抜粋しております。

 「調査対象」としましては、全国20歳以上の日本国籍を有する3,000人。そのうち有効回収数が1,799人、回収率60%となっております。

 こちらは昨年、内閣府によって11月に実施されております。

 今回、希少がんに関する世論調査が初めてなされましたので、その概要を御報告させていただきます。

 2ページ目をごらんください。主に2点聞いてございます。

 まず、1点目が「希少がん医療の集約化に対する意識」ということで、希少がんの診療においては、専門的な病院を指定して患者を集める仕組みが必要だと思うかと質問したところ、約9割の方が「患者を集める仕組みは必要だと思う」と回答をされております。

 下段ですが「希少がん診療施設までの通院時間」ということで、こちらは希少がんと診断され、自宅から離れた場所にしか専門的な病院がないと医師から伝えられたとして、その病院ヘ行くための時間が最大どれくらまでならその病院を受診しようと思うかと質問したところ、約8割の方が「通院時間は片道3時間未満を希望」といったことがデータとして出ております。

 やはり集約化をするという方向性はある。その中でどの程度集約化をしていくかといことの参考資料にしていただければと思います。

 事務局からは以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。

 ただいま、がん対策推進基本計画において希少がんについて書かれている内容、そして、小児がん検討会の報告書の内容、世論調査の抜粋について説明がございました。

 何かこの資料について、この段階で御意見いただくことはありますでしょうか。

 集約化の問題というのはまた後で、診療体制というところで次回以降に出てまいりますので、そのときにまた詳しく検討しますけれども、今ここで何か現状等を踏まえて御発言いただくことがありましたら、よろしくお願いします。

 馬上構成員、どうぞ。

○馬上構成員 小児脳腫瘍の会の馬上です。

 道永先生とともに、小児がんの拠点病院の指定に関する検討会に出席させていただいております。

 各施設のヒアリングをさせていただいたのですけれども、先生方、本当にいろいろネットワークづくりをしていただいて、情報交換をしていただいて、また、国立がんセンターの小児がん情報サービスのほうで大変細かい情報を今、提供していただいておりまして、患者家族のほうも大変ありがたく思っております。

 ただ、なかなか集約という点に関しては、病床数がすぐにふやせないということとか、急にその体制を病院の中で変えることが難しいようで、きのうがん対策推進協議会で、小児がんの集約率の問題が出たのですけれども、小児がんというと成人がんに対する言葉で、その中でたくさん疾病がありますので、それが集約できているかどうかというよりも、拠点病院がそのブロックで難治性がんをきちっと診ていって、診療を向上させているかということがすごく問題なのかなと思っております。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そのほかに御意見はいかがでしょうか。

 多分小児がんと共通な部分は、非常にたくさんの希少な疾患を含んでいるというところなのですけれども、恐らく集約化になりますと、ちょっと違う面が出てくるかもしれません。その辺はまた御議論いただくとして、この段階で何かよろしいでしょうか。

 それでは、きょうは参考人に来ていただいて、希少がんの現状といったところを御紹介いただけることになっております。まずその話を聞いてからということにいたしましょうか。

 きょうは、東参考人と川井参考人に来ていただいていますが、それぞれ20分ぐらいでお話をまとめていただきます。お二人続けてしていただいたところで質疑に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、東参考人、よろしくお願いします。

○東参考人 国立がん研究センターの東です。どうぞよろしくお願いします。

 資料6をごらんになってください。

 「希少がんの定義と診療に関する現状資料」ということでまとめさせていただきました。

 これまでのこのデータをつくってきた経緯ですけれども、平成25年に、先ほど御紹介のありました希少がん対策推進事業という委託事業を、国立がん研究センターがん対策情報センターのほうにいただきまして、その中の1つとして「希少がん対策ワークショップ」というものを行いました。こちらは医療従事者の方々の関心のある方に集まっていただいて、意見をいろいろ議論していただくという形になっています。

 今年度、平成26年度からは「希少がんの定義と集約化に向けたデータ収集と試行のための研究」という研究班で、私が代表させていただいて、いろいろな情報を集めております。

 めくっていただいて、簡単にワークショップと研究班の概要を御説明いたしますけれども、ワークショップのほうは、丁度1年ぐらい前、26年2月16日に開催をいたしました。「希少がんの疫学と定義」「希少がんの臨床」「研究開発」「情報提供」と4つの部に分けて、それぞれ議論をしました。

 ここでは、67名の参加者を得て議論した結果、参考資料2「希少がん対策ワークショップ報告書」がまとまっておりますので、御参考いただければと思います。

 その下、定義・集約化の研究班ですけれども、これは現在進行形で行っておるものですが、とりあえず1年目は、いろいろなデータを集めるということをしております。

 そこにいろいろ書いてありますが、まずは医師の調査を行うということで、佐々木先生に分担研究者として、病理の専門医の先生方の調査を行ったりとか、臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医の調査を行ったり、がん治療認定医の先生方の調査、また、現在進行中ですが、がん治療学会の会員の先生方の調査等を行っております。

 今の時点では、薬物療法専門医の先生方のデータが集まっておりますので、今回はこのデータを御報告します。がん治療認定医の先生方のデータは、この前の日曜日に締め切ったばかりで、まだデータの整理がついておりませんので、これはまた機会がありましたら御報告いたします。

 がん治療学会については、現在まだやっているという途中です。

 ほかにもがん対策情報センターの病理コンサルテーションのデータを分析したりとか、通院距離の解析ということで、希少がん、ほかのがん等の病院と患者さんの住所の距離を分析するとか、院内がん登録の分析をするとか、をしております。

 次のページに行きますが、そういったデータ源を集めまして、本日この3つ「疫学と定義」と「希少がん診療の実態」。また「集約化を考える上での資料」として、いろいろな集約化に関するデータを御報告したいと思います。

 まず「疫学と定義」ですけれども、この定義というのは必ずぶつかる壁です。希少がん対策ワークショップの議論をもとに私が概念的な定義を申し上げますと、希少がんといっても、ただ希少だということだけではなくて、数が少ないがゆえに診療・受療の中で不利な状況にあるという、そういうがん種に対して対策をすることが大事なのではないか、これが希少がんということなのではないかという一定の合意があるのではないかと考えられました。

 ただ、概念的にはそれでもよくても、具体的にはどうなるのかということについては、検討を進めていかなければなりません。

 4ページですけれども、海外ではどうなっているのかということで、代表的なものとして、米国の定義とヨーロッパの定義というものを調べましたが、米国については、そこに赤で書いてあるとおり、年間発生が人口10万人当たり15未満のがんを希少がんと言っておりまして、ヨーロッパのほうでは、これが人口10万当たり6未満というふうに、結構な差があるということになっています。

 ただ、この差がどこから出てくるのかと申し上げますと、実は分類です。米国の定義のほうは、ほとんど部位だけを中心にした非常に大ざっぱな定義で考えております。一方でヨーロッパのほうでは、非常に組織型等々も含んだ分類で、実にその分類の数を数えますと、200以上の分類に分けた上で10万当たり6未満という定義になっておりますので、数というだけではなくて、分類も非常に重要なのではないかと考えられます。

 我が国での分類を考えるという場合に、現時点でどういう分類がいいのかという決まったものはありませんけれども、ちょうどRARECAREというヨーロッパの団体が出している分類というのはウエブ上に公開されていますし、非常に細かく出ておりますので、こちらを使って今回の分類とか、数を数えるといったことは暫定的に行わせていただいております。

 そのほか、希少がん対策ワークショップ等で出てまいりました定義に関する論点を4ページ目の下でまとめてありますけれども、まず、何のための定義なのかということを考えるべきだということは、繰り返し言われました。集約化がいいのか悪いのかということは、まだこれからの議論かと思いますけれども、集約化のために定義を考えるというのも1つの視点ではあるでしょうが、ただ、研究を治療開発をするための定義もあるかもしれません。ほかにもデータをとるため、もしくは何か補助金のようなものを出すための定義と、そういったものも考えていかなければいけないです。この、何のためということを考える、何のためということによって、この定義もいろいろ変わってくるかもしれないということも議論で上がっております。

 そのためには頻度。希少というと頻度ばかりが表には上がりますけれども、それだけで定義はできないだろう。ほかの要素というのもいろいろあるのではないかということは言われております。

 分類方法ということは先ほども触れましたけれども、繰り返し出てくる疑問としては、RARECAREというヨーロッパの分類についても、結局部位と組織型だけで決まっているというのがあるので、最近の遺伝子型などがいろいろ分かれてきているという分類はどうやって入れていくのかというようなことも、考えていかなければいけないと言われております。

 5ページに行っていただいて、こういったことに関して、研究班でデータをあつめております。

 まず、がん対策推進基本計画で、肉腫、口腔がん、ATLなどと書かれております。小児がんも記載がありますが、これはいろいろな部位・組織型のがんがありますので、それだけで数を数えるというのが難しくて今回おこないませんでしたが、その残りの3つに関して、一度院内がん登録、地域がん登録を使って頻度を出したものが

5ページ目の下のスライドです。肉腫に関しては、軟部肉腫、骨肉腫それぞれ出してみましたが、地域がん登録、院内がん登録ともに大体10万人当たり年間3〜4例近くまでが軟部肉腫で、骨肉腫だと0.53もしくは0.59という値が出ております。

 口腔がんですと、地域がん登録による推定が3.610万人当たり年間3.60。院内がん登録による推定というのは、ここでは5.8と出ているのですけれども、これは多目に計算が出るような形になりがちな方法をとったなということを我々計算したほうでも思っておりますので、少し差し引いて考えていただければと思います。

 具体的に申しますと、院内がん登録のカバー率というのは全国のがんの3分の2をカバーしているということになっておりまして、ですので、それをもとに戻すために、単純に1.5倍したのが罹患率という形にしておりますので、もともと拠点に来る割合が多いがん種だと、その分だけちょっと多目に数える。口腔がんなどは、もしかしたらそういうものかもしれないと思われます。

ATLという分類については、RARECAREの分類の中では中分類の中にはなかったのですけれども、それを含むT細胞性の血液腫瘍というのが、大体2〜3の間となっております。

 6ページ上の段、これは薬物療法専門医の先生方のアンケートの回答で、ここでは直接人口10万人当たり何例未満が希少がんですかという聞き方はせずに、がん患者の中で何人に1人、それぐらいよりもまれだったら希少と言っていいのではないかということを聞いております。

 これは理由としては、先生方というのは病院に来る患者さんを相手にしていらっしゃるので、人口でと言われるとわかりにくいのではないかというフィードバックがありましたので、こういう聞き方に変えたということになっています。

 回答の分布を見ますと、100人に1人という回答がこの棒グラフの中で一番多いところになっております。2番目は1,000人ですけれども、200人というのも割と多くて、大体その分布を見て100人〜200人に1人というのがまれだと、希少だというような回答として、大体合っているのではないかと思います。

 現在、年間日本では80万人のがん患者さんが発生するということを計算しますと、大体これが頻度にして人口10万人当たり、100人に1人とすると6.7人、200人に1人とすると3.4人となりますので、3〜6超ぐらいが希少がんの頻度としての境目かもしれないというように考えられます。

 さらに同じアンケートの中で各がんを列挙しまして、それぞれについて、これが希少ですか、希少ではないですかという質問も行っております。これは6ページの下のスライドのような形で行ったわけなのですが、結果が7ページの上です。

 これが希少がんだというふうに「はい」と答えた方の割合を縦軸にして、横軸を推定の頻度にしておりますけれども、大体線を引っ張った10万人当たり3人ぐらいのところで希少がんだと思う方の割合というのがぐっと減ると、そんなことがわかっております。

 申しおくれましたけれども、それぞれの点というのががん種をあらわして、47個のがんについて聞いておりますので、47個の点があるという形になっております。

 同様な質問で、過去3年間で1例以上経験しましたかというのを聞いておりますけれども、こちらのほうでは弱い相関は見られていて、どこかがカットオフになる、基準値になるということは見られませんでした。

 めくっていただいて8ページの上で、また同じようなグラフがありますけれども、こちらは別の質問で、このがんについてもし集約化をしたら、患者さんのアウトカムが改善するのではないかと思いますかというので「はい」と思うものに印をつけていただくということですが、先生方の意見というのははっきりとあるのですけれども、ただ、どこまでがカットオフというような基準値は、ここでも見られませんでした。

 2つ目の話題に移りますけれども、診療の実態ということで2点。希少がんの「全体の予後」と「アクセス:通院距離」といったものをデータとしてお持ちしております。

 この解析をするのは、希少がんと希少がん以外ということで分類をしなければいけませんけれども、9ページの上のスライドに書いたとおりに、今、希少がんというのは定義が決まっておりませんので、暫定的に解析のための定義をここで行っております。

 具体的には、RARECAREのヨーロッパの分類を使いました。大分類では59の分類がありますが、その分類の中で軟部肉腫よりも少ないがん種を全部希少がんとし、そのほかで口腔がんとT細胞リンパ腫というものに関しては、大分類よりも中分類になっていましたので、そちらのほうはその該当する中分類を入れました。このような形で解析目的に、暫定的にこれは希少がんと言って良いだろうというものを選んでいます。

 9ページの下ですが、これは院内がん登録の2007年症例の予後の集積を今、がん対策情報センターで行っておりますが、特別にがん対策課から要請をいただきまして、解析を行っております。

 そうしますと、青が5大がんで、緑がその他のがんで、赤が暫定的な定義による希少がんとなっておりますけれども、多少ではありますが、希少がんのほうが5年生存率が少し低く58%という値が出ております。5大がんは61%、その他のがんは62%という結果です。

 ただ、余り差がないようには見えるのですけれども、めくっていただいて10ページの上のグラフを見ていただきますと、希少がんというのは若い方がなることが多いというのがわかります。5大がんと、希少がんではないその他のがんを分布を見ていただくと、ピークは大体70歳弱ぐらいで、平均がそれぞれ6667歳となるのですが、希少がんだとかなり若い方々の分布も多くて、平均も60歳と若くなっております。

 ですので、これを一応統計的に、非常に簡単に、ちょっと乱暴に補正をしたものがその下のグラフでありまして、平均年齢が66歳だったらどうなるか、希少がんのほうを少し引っ張って調整を行うということをしますと、5年生存率の差が出てまいります。5大がんが61%、その他のがんが64%、すみません。ここはスライドに誤植がありまして、その他のほうが64%です。それに対して希少がんのほうは55%ということで、ちょっと差が開くといった結果が出ておりますので、ここのところを今後いろいろな対策をすることで縮められたらいいではないかと思われます。

11ページの上のグラフですけれども、今度はちょっと話題が変わりまして、自宅から病院までの距離を出してみたというデータです。

 ここでは5大がんプラス前立腺がんというのがコモンながんということで、青の点で出していまして、緑が希少がん、赤がほかのがん、残りということになっておりまして、横軸が対数軸になっておりますけれども、通院距離で、縦軸がその割合をあらわすという感じなのですが、緑の分布というのは遠くまで行かれる方が多いということで、右のほうで少しほかのがんよりも上になっておりますが、ピークを見ていただくと5大がんとほかのがんとほとんど変わりはないと、大体3キロ〜4キロ程度のところで治療を受けていらっしゃることがわかります。

 これを解釈しますと、非常にアクセスはいい。近くで治療を受けるということが今のところはできているという状態であります。

 最後に、集約化を考える上での資料ということで、またがん登録等でデータを出してまいりましたけれども、アクセスがいいということは、集約化されていないということの裏返しでありまして、実は先ほどから例に挙がっております肉腫、口腔がん、T細胞性悪性腫瘍と血液腫瘍というものが希少でありながら、全国何施設で治療が行われているのかというのを数えてみたものがその表です。

 軟部肉腫などでは、拠点のデータなので拠点しかないのですけれども、全国397の拠点病院のうち、368の施設で2012年、症例が治療されていますし、骨肉腫というのはもう少し少ないですが、128施設で治療がされています。

ATLなどでも195施設で治療がされていて、口腔がんは多少少ないという傾向にはありますけれども、かなりな施設数でこれらの患者さんを診ているという現状がここでおわかりいただけるかと思います。

12ページ、これは例に挙がっている希少がんだけではなくて、ほかのがんでもそうだということをグラフにあらわしたものです。それぞれの点がまたがん種でありまして、横軸が頻度、縦軸が診療施設数になっていますけれども、罹患率にして10万人当たり年間2例を超えると、ほとんど300以上の施設で治療が行われているということがこれであらわされています。

 ただ、今後集約化を本当にしなければいけないのか、するべきなのかということについては、ワークショップでもかなり議論がありまして、12ページ目の下のスライドに簡単にまとめてしまいましたけれども、何が何でも集約化ではないだろう。デメリットとメリットを考えなければいけないでしょうし、ただ、これでアウトカムが改善するのだったら集約化でもいいのかもしれないけれども、そのデータは今のところないのではないかということです。

 また、集約化すると患者さんが移動しなければいけないので、その負担が大変なのではないかとか、集約化されたほうの施設でその余裕が本当にあるのか。こういうことも考えていかないとまた現場が疲弊するのではないかという意見も見られております。

13ページに行っていただきますと、アンケートに戻りまして、では、集約化すべきがん種はどうなのかというようなことを、投票のようにしていただきますと、47のがんしか候補に挙げていませんけれども、軟部肉腫であるとか胚細胞性腫瘍などが最も早急に集約化すべきというふうに、意見としてこれは挙がっております。

 海外の状況はということは、この後の川井先生のお話からまた御紹介あると思いますけれども、イギリスの調べた中ではNICEというガイドライン等をつくっている団体が、政府機関に近いものですが、肉腫のガイダンスというものを発行して、ここでは特に施設の特定というのはしているわけではないのですが、年間最低症例数であるとか、キャンサーボードをするべきだとか、そういったことを推奨として出して、徐々に、緩徐に集約化が進んできたというような経緯があるようです。

 長々といろいろなことを申し上げましたので、これで終わりですけれども、大体これまでわかったことというのは、日本では集約化という現状はほとんどないということですが、非常にアクセスはいい。これをどう考えていくのかということを、これからはしていかなければいけないのかなと考えております。

 私の御報告は以上とさせていただきます。

○堀田座長 それでは、御質問は後でまとめていただくことにいたしまして、川井参考人からよろしくお願いします。

○川井参考人 川井と申します。よろしくお願いいたします。

 私は、東参考人に引き続きまして、2月12日、13日に国立がん研究センター、国際会議場におきまして開かれました希少がんに関する国際シンポジウムの経緯と、そこでどのような御発言があったかということを御報告させていただきたいと思います。

 これは2日間にわたって行われましたが、25名の先生方に御講演をいただいて、2日間、総計100人強の参加者をいただいて、御議論をいただきました。

 スライド2枚目でございますが「全7セッションとそのねらい」と書いてございますが、第1日目はセッション1〜セッション3、第2日目がセッション4〜セッション7、最後にWrap-up Discussionを行いました。

 セッションを順番に見ていただきますと、セッション1では、先ほど東参考人にからお話がありましたように「希少がんの定義・課題」についてお話をいただいて、セッション2におきましては、現在希少がんと言われるような疾患がどのような診療をされているかということを、現場の医師あるいは研究者の方から、現状についての報告ということでお話をいただきました。

 2−1が「病理診断」、2−2が、代表的な希少がんであります「肉腫」について。

 2−3が「小児がん」。網膜芽細胞腫、RetinoblastomaGISTという代表的な希少がんについて、現在の診療状況についてのお話をいただきました。

 セッション3は「希少がんにおける基礎研究」。

 2日目のセッション4は、その基礎研究をどのようにして臨床に持っていくか。トランスレーショナルリサーチをどのような観点で行っているかということをお話いただきました。

 セッション5は、それを臨床に持ってまいりまして、早期治療開発。

 セッション6は、それを実際にエビデンスとして臨床に応用するために、どのような臨床試験が行われているか。

 さらにセッション7につきましては、これらのことを踏まえて、今回のシンポジウムは、患者さんの声というのが入っていないというのは1つの大きな問題ではございますが、現場の医師あるいは研究者が希少がんというものをどのように考えて、どうあるべきかということを話をしたという点に恐らく意味があると思いましたので、その立場から見て、今後どのようにあるべきかということをディスカッションいただきました。

 スライド、次でございますが、極力シンポジウムで話をされた先生方の発表をそのまま文言に起こしております。ですので、少し重複しているところとか、あるいは少し偏った意見というのがあるかとも思いますが、その場の話ということでお聞きいただければと思います。

 最初のセッションは「Definition of Rare Cancers」、希少がんの定義でございますが、これについてはただいま東参考人からお話にありましたように、日本においては現在、希少がんに対する診療は集約化されていないということが報告されました。

 先ほどもありましたアンケートをしてみますと「わが国のがん専門医に対するアンケート調査では、10万人当たり年間3−7人の罹患率(発生率)のがんを希少がんと考える医師が多かった」という結論であります。

 後半は、ヨーロッパのRARECARERARE CANCERS EUROPEというところから、Dr Casaliにおいでいただきまして、現在の欧州の希少がん対策についてお話をいただきました。これも少々重複いたしましたが、欧州では人口10万人当たり年間6人未満の罹患率の疾患を多くは希少がんと定義している。

 彼の考えている希少がん診療の質を改善するためのキーワードは「ネットワーク」という言葉が発表の中で何度も耳に残りました。

 具体的にそのRARECARE EUROPEがどのようなことをしているかというのをホームページから持ってきたのが次のスライドでございますが、ホームページを見てみますと、このホームページは病理診断に関するディスカッションのページでございますが、それぞれの疾患に関して、ヨーロッパの専門家がコンサルテーションであるとかミーティングを開いているということをホームページ上で伺うことができます。このようなネットワークを支えているシステムが、このRARECARE EUROPEとお考えいただければと思います。こういうふうな報告がございました。

 次のページを見ていただきまして、そこから最近特にここ数年、希少がんに関する重要な報告がRARECARE EUROPEから出ていると現場の医師としては思いますが、その1つが、先ほどからお話に出ております年間10万人当たり6人未満というのが1つの線ではないかということが報告されておりますし、「Rare cancers are not so rare」という論文が出ておりますが、その中で年間10万人当たり6人未満というふうに定義をすると、実はそれらのきわめて希少ながんを全部合わせると、全がん種に対して22%を占める。こういう見方というのは私たちには意外でしたけれども、全がんから見ても決して、トータルとして見ると希少がんは希少ではないという主張もされております。

 その次の絵を見ていただくと、彼らが出したまとめのスライドのようでもありますけれども「鍵はNetworking...」だということで、電話による患者さんあるいは病理、全てによって、インターネットもあると思いますが、そのようなコンサルト。患者紹介、病理診断、臨床研究、研究支援ということで、このような報告をなされました。

 次のページをめくっていただきまして、2番目は、病理診断に関する現在の状況というのを、欧州と日本の3人の先生方にお話いただきました。

 最初は、フランスのRay-Coquard、臨床、内科の先生でございますが、彼女はフランスのRhone Alpes地方で、全ての希少がんについてのコホート研究を行っておられます。そのコホートを見てみると、病院側からのデータでは見えない実態がさまざま見えてまいったようで「医療の実態調査では、肉腫患者の僅かしか診療ガイドラインに沿った治療が行われていなかった」ということであるとか、その次は「肉腫診療の集約化によってもたらされる利益は、すべての臨床研究の成果よりも大きい可能性がある」。これについては、後ほどスライドを御報告させていただきます。

 日本からは、2人の病理の先生にお話いただきまして、病理の小田先生は、我が国における病理診断のコンサルテーションシステムを紹介していただきまして、さらに肉腫に関する最近の病理学の知見をレビューしていただきました。

 小児がんの病理診断に関しましては、中澤先生から、現在の小児がんの病理中央診断システムを紹介いただきました。

 次の絵でございますが、これは先ほどのRay-Coquardが「Rhone Alpes地域における肉腫の診療実態」ということで報告したスライドでございますが、スライド左側に書いておりますように、診療ガイドライン、それぞれのガイドラインにどれぐらい準拠していたかということを見てみると、組織診断においては約35%、初回手術は約52%。半分程度しかガイドラインにのっとった治療は行われていなかったというのがフランスの現状でございます。完全なガイドライン順守がなされていたと考えられるのは、約3分の1の症例であった。これが現在の現状と報告しております。

 次のスライドを見ていただきますと、これは病理診断でございますが、あくまでフランスのデータではございますが、このスライドの左側。施設の病理医がセカンドオピニオンを求めた。これはフランスにもコンサルテーションシステムがあるということを伺っておりますが、そういうふうなコンサルテーションを必要と病理の医者が考えた症例188例を後で振り返ってみると、やはり完全な不一致。その中の188例中の完全な不一致であった。この「完全な不一致」というのは、良性を悪性、あるいは悪性を良性というような、大きなmisdiagnosisがあったのが28%。部分的な一致。悪性だけれども、ちょっと違ったというようなものが28%。完全に中央診断と一致したものが44%という報告でありました。

 スライド右半分の、施設の病理医がセカンドオピニオンを求めなかった、これは大丈夫ですという判断をされた症例というふうに思いますが、そこでも不一致率は約10%に上っていることが報告されております。両方合わせますと56%、それから、35%の症例で病理診断に何らかの不一致があったということが報告されました。

 その下のスライドに生存率の予後が示されてございますが、これはガイドラインを順守することによって、あるいは順守しないことによって、患者さんの生命予後がどうなったかということを示したものでございますが、5年生存率で見てみますと、ガイドライン順守、先ほどの35%の患者さんでは、ガイドラインを順守して治療されたものは5年生存率86%でありましたが、非順守の症例は68%で、この間には明らかな統計学的な有意差があったという報告であります。

 このハザードレシオを見てみますと、その下にございます「軟部肉腫に対する補助化学療法(AI)の生存に対する効果」というのは、現在のところ一番軟部肉腫の生存に寄与すると思われる臨床試験の結果でございますが、そのハザード比よりも高い。このことをもって彼女たちは、実は臨床試験をさまざま繰り返すことよりも、単純なこのガイドラインの順守ということを徹底することのほうが有益ではないかというような示唆もしておりました。

 次をごらんください。ガイドライン順守の費用対効果ということを見てございますが、左側が「ガイドライン順守例」、右側が「ガイドライン非順守例」で、丸をつけてございますのは、診断に関しましては、ガイドラインを順守すると4,500ユーロ、非順守例が2,700ユーロということで、診断をきちんとすると、それなりのお金がかかるということでございますが、その下のほうにございます「初回治療の総額」あるいは「医療費総額」というもので見てみますと、結局のところはガイドライン非順守例のほうが、順守した症例よりも総医療費としてはたくさんかかっていたということを、フランスから報告をしていただきました。

 その下でございますが、これは日本の中澤先生の小児がんの中央病理診断とのディスクレパンシーに関する報告でございますが、スライド下段にございますように、横紋筋肉腫というものを例にとって中央診断と各地の診断を比べてみると約21%、やはりそこには診断の違いがあって、診断の違いが最終的な治療の違いに結びついたと思われるものが12%あったという報告でございました。

 その次の絵でございますが、病理の医者としては、このような現状を鑑みて、これを何とかしてくださいということを強く訴えておられました。システムとして経済的に、あるいは病理の不足というようなことに関して何らかの施策をお願いしたいということを強く報告されました。

 その次は、肉腫に関する報告でございますが、この文言を読みますと「日本における肉腫診療の特徴は手術と化学療法が主に整形外科医によって担われ、腫瘍内科医の関与が少ないこと」というのは、一つ一つの疾患における特徴だと思いますが、そのようなことが報告されております。

 腫瘍内科医から見ると、日本において腫瘍内科医にも肉腫診療の教育を行うことが重要であるが、医師の数がまだ少ないことであるとか、あるいは集約化しないことによって教育の場がないことであるとか、さまざまな問題があるということも現場の医師からは報告されました。

 スライド、次を見ていただきまして、これは「肉腫/希少がんの研究を行わない・行うこれだけの理由」ということで、これは研究を行っているアメリカの医師からのモチベーションあるいはデメリットというか、行わない理由でございますが、行わない理由を赤字、行う理由を青字で書いておりますが、行わない理由としては研究費が圧倒的に少ない。他領域との競争に勝てない。あるいは直接のインパクトが少ない。5大がんに比べると少ないということは、研究者から見ても、これはモチベーションを下げる要因になるということを報告しております。

 反対に、先ほど生存率の話もございましたが「がん全体の僅か20%の希少がんが、がん死亡の35%以上の原因となっている」。これは研究者としては、ここの領域を何とかしたいという大きな原動力になるということを報告しておりましたし、小児・若年者の患者が多い、さらに、その生物学的な多様性が研究を難しくする当時に、他のさまざまながん研究にインパクトを与え得るということも、研究を行うモチベーションになるという報告ででございました。

 その次は小児がん、RetinoblastomaGISTについてでございます。

 これは次のスライドを見ていただきますと、先ほどからお話にあります小児がん拠点病院というのが御報告にあったとおり指定されておりますが、それぞれの拠点病院に現時点でその地域の小児がんの患者さんがどれぐらい集約化されているかということを、成育医療センターの松本医師から報告がございました。

 東北地方、中国地方は30%にはまだ達していないということであるとか、さまざまな問題点、今後の改善点についての御報告がございました。

 そのスライド下でございますが、具体的な疾患について考えみますと、網膜芽細胞腫という小児に発生する目の代表的な疾患がございますが、これがそれぞれの小児がん拠点病院でどれぐらい治療されているかということを重ね合わせてみたスライドでございます。

15の小児がん拠点病院、括弧の中にございますのが年間の網膜芽細胞腫診療数でございますが、それぞれの病院、小児がん拠点病院とはいえども、このような一つ一つの疾患に特化して見ていくと、決してそこの診療が多いわけではないということが見えますし、反対に、最も日本で多くの網膜芽細胞腫を治療しているのは国立がん研究センターであったり、名古屋医療センターであったり、小児がん拠点病院ではない病院ということで、希少がんを考える上で、この重なりであるとか、重なっていないところというのは、1つの示唆になるのかなということを感じました。

 次の絵を見ていただきまして、今、お話いたしました網膜芽細胞腫というのは、先ほどの数にもありましたとおり、日本の圧倒的多数が国立がん研究センターの眼科で治療されております。約60%の網膜芽細胞腫が1施設で治療されているという、ある意味特殊な、極めて集約化された疾患と言えるかと思いますが、それを担当している医師の言葉でございますが、長所と短所は何ですかということを聞くと、長所は情報が共有できること、あるいは患者さんとのコミュニケーションがスムーズにできると申しておりました。反対に短所というのは、先ほどから御議論がありますように、患者の負担、病院の負担、さらには集約化されることによって競争がなくなるということは、将来的には医療レベルへの懸念にもつながるのではないかという指摘もございました。これは現場の医師から見た、集約化が進んだ疾患を担当する医師から見た言葉でございます。

 次の「Basic Research」基礎研究、それから「4.Translational Research」というのは、主に基礎研究者から見て希少がんの研究をどのように臨床に持っていく、あるいはその研究にどのような問題があるかということを御議論いただきましたが「Translational Research」の下の絵でございますが「希少がんの研究におけるシーズ発見から臨床まで」。例えばこれはGISTという疾患における「フェチン」という1つの予後因子の候補でございますが、これをがん研究センターで基礎研究者が発見いたしましたのが2007年でございました。

 それを2008年に特許申請して、希少がんでございますから、実際に予後因子として使えるかというバリデーション、検証に非常に時間がかかったという絵でございます。543例のGISTに関して、このフェチンというものが予後因子として使えるかどうかということを検証するのに7年間を要したというような、基礎研究から見た希少がんの研究の難しさということをお話いただきました。

 次を見ていただきまして、こういうことを鑑みて、現在国立がん研究センターでは、希少がんにおける研究基盤を構築しようということで、研究所を挙げて動きを始めたところでございます。

 これは、例えば肉腫であるとか脳腫瘍であるとか、希少がんにおける検体を同意のものとで細胞株あるいはゼノグラフト、将来の希少がんの研究のリソースとして提供できる体制をつくろうということを始めたところでございます。

 次の5番目は「Early Clinical Development」早期医療開発ということでありますが、ここでは5大がんにおいては「ドラッグラグ」というのはかなり完全してきたということが報告されましたが、一方で希少がんの領域では、ドラッグラグの改善というのはまだそこまで追いついていないということが内科の先生から発表されました。

 早期臨床開発におけるトピックスというのは、スライド、次でございますが、例えばクリニカルシークエンス。個別改良に向けたクリニカルシークエンスということかと思いますが、スライド上段は、国立がん研究センターにおいて現在行われておりますトピックス−1というテクニカルシークエンス、臨床の患者さんの遺伝子情報を用いて、それを適切な知見につなげていこうという試みでございます。

 スライド下段は、フランスのリヨンの報告でございますが、全く同じような試みが全世界で行われておりますが、この中のデータを見てみますと、ちょっと色が重なって見づらくて申しわけありませんが、クリニカルシークエンスの中にはサルコーマ、肉腫というのがかなり入ってきております。希少がんもこのようなシステムに十分乗って、知見に乗っていけるということを実例を挙げて報告していただきました。

 次をお願いいたします。「Clinical Trial」臨床試験でございますが、希少がんというのは数が少ないがゆえに、臨床試験に乗りづらいというのは皆さん認めておられるところでございますが、その希少がんの代表的な疾患であります肉腫に関しては、我が国においては日本臨床腫瘍グループ(JCOG)の骨軟部腫瘍グループというのが、肉腫の担当のグループでございます。

 スライド下はグループ代表者。きょうも参加していらっしゃいますが、岩本先生がグループ代表者を務めて、グループ事務局は田仲先生が務めておりますが、このような全国を横断するような希少がんの臨床研究グループというのが現在、稼働していることを報告していただきました。

 日本国内でこのようなことは行われているわけでありますけれども、その限界というかこの将来像ということについて、次の絵を見ていただきたいと思います。

 次は「骨肉腫治療における永年の課題」と書いておりますが、希少がんの中で肉腫、肉腫の中で代表的な骨肉腫という疾患を例にとって、ドイツのBielackという博士に話をいただきました。

 少し疾患の説明になりますが、骨肉腫の治療においては、化学療法の効果に応じて化学療法のレジュメを変えることによって予後が改善するかというのが、過去30年間解決されないクエスチョンでございました。このクエスチョンに対して、答えを出すためにはどのようなことが必要かということを統計学的に考えてみますと、そのスライドにございます「Needed」と書いて、日本語でございませんが、この生存率が50%から60%に改善するというエビデンスを出すために必要な臨床試験の大きさを考えてみると、1,400人の患者さんに臨床試験に協力していただかないといけない。

 このスライド、次、下でございますが、その1,400人というのをそれぞれの国で臨床試験が実際に可能かどうかということをお示ししたのがこの絵でございますが、グループ「COG」と書いておりますのはアメリカの臨床試験グループでございますが、ここでは骨肉腫は年間166人の患者さんが登録されております。そうすると、単純に計算して1,400人の患者さんを登録するためには8年間かかる。単一国では8年間かかる。その下の「COSS」というのはドイツを中心とした欧州のグループでございますが、そこでは17年かかる。「EOI」というのは、イギリスを中心とした臨床グループですが、そのグループでも26年かかる。「SFOP」というのはフランスのグループでございますが、実に42年かかるという計算になりまして、単一国では骨肉腫に対するエビデンスをつくるのは、これでは不可能だという客観的な現実でございます。

 スライド、次を見ていただきまして、そのようなことを考え、彼らは、英語でそのまま持ってまいりましたが「Salvage-Question」に応えるためには「International, intergroup, collaboration」が必要であるということで、実にヨーロッパとアメリカと、ほとんどの西側諸国を巻き込んだ「EURAMOS1」というようなグループを結成いたしました。

 スライド下段でございますが、2005年4月〜2011年6月までの6年間をかけて、彼らは17カ国326施設から2,260人の骨肉腫患者さんに御協力いただいて、臨床試験を行っております。

 代表的な希少がんでありますが、これにおいて現在5大がんに求められるのと同じようなエビデンスを出そうとすると、これだけのことをしないといけないというような1つの実例でございます。

 スライド、次を見ていただきまして、彼らはこれらの非常に膨大な研究を通して何を学んだか。実際の臨床のエビデンスとは別にどういうことが問題であったかということを報告していただきました。

 希少がんの領域ではこのような研究は特に重要と思われますが、実際に行ってみると、いいところは「臨床試験参加者の増加」。試験の速やかな進捗、より多くの目標が設定可能である。さらにこれらを通じて、国際的な強調・情報共有ができた。さらに希少がんであるがゆえの発言力の小ささというのは、こういうことによって補えたというのがよいところ。

 悪いところは、相互にかなりの妥協が必要であったということと、多くの基盤整備。特に国際共同試験というのは、多くの国際基盤整備が必要であった。さらに各国の規制当局との折衝であるとか、資金の調達であるとか。さらにこのような試験になると、個々人の医者のいわゆる栄誉というものはほとんど出てこない。こういういいところ、悪いところを勘案していかないといけないという報告でございました。

 これらの議論を踏まえて、最終日には「Future Perspective-1」ということで、江副様にもおいでいただきまして、最後のまとめのディスカッションをいたしました。

 ここでは7の下。スライドの下の下から2つ目でございますが「わが国の肉腫診療は非常に分散されている」「肉腫など希少がんの診療は5大がんと明確に分けて考え、より少数のセンター施設に主役化することが望ましい」ということが、がん研の松本構成員から報告されました。

 次の絵を見ていただきまして、松本構成員からの報告。1つの例でございますが、1つの考えとしては、小児がんに対して現在15の小児がん拠点病院というのが指定されておりますが、例えば肉腫というものに関しては、我が国の肉腫総受診者数を4,0005,000人と推定いたしますと、医療提供者側から見て、高度な診療あるいは臨床研究をするためには、最低年間400500人の患者さんが必要であろうという発想がございます。それに鑑みて考えてみると、肉腫に関しては、日本全国で1011の拠点施設が望ましいのではないかという1つの意見をいただきました。

 「Future Perspective-2」でございますが、これはイギリスの医師、それから、イタリアの医師から、希少がん対策に関して一歩先んじていると思われる国から報告をいただきましたが、スライドをそのまま読みますが「治療成績を向上させるためには、肉腫の手術は専門のセンター施設で行なわれることが重要」であって「英国においては“NICE-IOG(Improving Outcomes Guidance)”に則って、肉腫の診療は限られたセンター施設に集約化されている」。肉腫における1つの大きな課題は、信頼できるエビデンスをつくっていくことであって、その研究方法、方法論についても、先ほどのEURAMOS1を振り返るまでもなく、方法論そのものについても研究していただかないといけないという報告でございました。

 次でございますが、これは上段、下段はどちらもイギリスのRoyal Marsden Hospitalのデータでございますが、先ほどのフランスのデータとほぼ同じように、適切な手術をきちんと初回から行ったものは予後が良いし、生存率もよいというお話でございました。

 次めくっていただきまして、これは先ほど東参考人からもございました、イギリスのNICEのリコメンデーションでございますが、例えば肉腫の患者さんに関するキーリコメンデーションというのは、このような記述がございました。

 「全ての肉腫患者は専門の集学的治療チームによって診療されるべきである」「肉腫の病理診断は専門家のレビューを受けるべきである」「肉腫の手術は専門の集学的治療チームあるいはそのコンサルテーションを受けた経験豊富な外科医によって行なわれなければならない」、肉腫のセンター施設は、年間100例以上の症例を治療することが必要である。このようなリコメンデーションを持って、ある程度の集約化を図っているというような報告でございました。

 その下でございますが、この2日間のディスカッションを通して、少し私の主観も入ってございますが、幾つかのキーとなるのはこれらのことではないかと思われました。

 希少がんの定義は、人口10万人当たり6人未満の罹患率あるいは3〜7人の罹患率というような現在の考えがあるということでございました。

 この2日間、何度も幾多の先生が口にされましたのは「集約化」「ネットワーク」「ガイドライン」ということを希少がん対策に関して報告されました。

 ガイドラインに沿った適切な初回治療は予後を改善するだけではなく、費用対効果にも優れる。

 肉腫の診療は集約化されたセンター施設で行なわれることが望ましい。

 病理診断の正確さは大きな問題であり、コンサルテーションシステム、中央病理診断はその解決のための有効な手段。

 診療の集約化、中央病理診断などを有効、確実に実行するためには、組織的かつ継続的な取り組みと支援が必要。

 研究基盤の乏しい希少がん基礎研究を支援するためのプロジェクトが開始。

 希少がんにおいて臨床的なエビデンスを確立するためには、国際共同研究の実施がきわめて重要であり、そのための様々な基盤整備が必要。

 希少がんにおける臨床研究の方法論を研究することが必要。

というような発表がなされたと考えます。

 最後の絵は、まさしくポンチ絵で申しわけございませんが、希少であってヘテロであるということは、さまざまな面で可というか、よくないというか、なかなか進むことを阻害する要因でもありますが、そのことを深く考えて対策を立てるということは、福にも転ずるというような私の主観のスライドでございます。

 以上、報告させていただきました。

○堀田座長 ありがとうございました。

 それでは、両参考人から、東参考人には希少がんの定義を含めて日本における診療実態といったものを報告していただき、また、川井参考人には、国際ワークショップで、世界の中で希少がん対策や研究がどのように進められているかということを中心にお話いただいたと思います。今回は特に順番やフォーカスを絞らず、全般的な希少がんの置かれた状況ということで御理解いただきたいと思います。ご質問やコメントがありましたら御発言いただきたいと思います。今、お示しいただいた資料について、質問でも結構です。

 東参考人のところで、希少がんについては、10万人6人ぐらいのところでコンセンサスがほぼできている。こんな状況だということでした。

 ただ、頻度の問題だけではなくて、希少がん対策という対策面から見れば、標準的な治療とか、新しい治療の開発が十分できてない、あるいは診断が困難、こういったものが対策の主な中心になるということだろうと思いますが、この辺もコンセンサスも必要でありますね。

 それから、日本における診療の実態というところで見ますと、数多くの施設で少しずつ診ているのが現状です。網膜芽細胞腫みたいに特殊なものだけはほぼ集約ができているという状況なのですが、多くはそうではないという状況も皆さん、多分一致した考えだろうと思います。このあたりについて、何か追加の御発言等ありますでしょうか。

 それでは、松本構成員。

○松本構成員 よろしいですか。

 私は頻度だけではなくて、集約化することによって治療成績を上げられるかどうかを問題にすべきと思います。要するに広い意味での希少がんと、狭い意味での希少がんです。広い意味というのは疾患の発生頻度で決まってくるでしょうが、狭い意味の希少がんというのは集約化することによって治療成績を上げられるものです。

 治療が標準化していれば幾ら希な疾患であっても、集約化する必要はなく、それぞれの施設で治療を行えば良いと思います。広い意味での希少がんと狭い意味での希少がんをきちっと分けてやっていくべきではないかと思います。

○堀田座長 貴重な御意見だと思います。

 小村構成員、どうぞ。

○小村構成員 東参考人の資料11ページの「集約化を考える上で」というところで、口腔がんについてちょっとお伺いしたいのですけれども、2012年の診断を見てみると、397施設のうち1例以上したところが60施設あって、口腔がんは比較的集約化されているがんではないかという御報告がございましたが、この397施設というのは、がん拠点病院とかそういう意味なのでしょうか。

○東参考人 そのとおりです。がん診療連携拠点病院の397施設ということです。

○小村構成員 私が持っている実感とはちょっと違うような感じが。もっと多い施設で1例以上はやっているだろうという実感があるのですけれども、ちょっと意外な感じでした。感想です。

○東参考人 すみません。もしかしたら拠点病院ではないところでというのがあるのかもしれないですし、その辺は私は余り詳しくなくて、これを見て60なのだなというようなことを申し上げた次第です。

○堀田座長 今、御発言のように、これはあくまで397の拠点病院に対する院内がん登録の調査結果ですので、拠点病院以外で専門的に診ている医療機関は結構あるので、全部を網羅していないということですね。

 そのほか御意見。岩本構成員、どうぞ。

○岩本構成員 岩本です。

 先ほどの東先生と川井先生のお話を伺いまして、状況はよくわかったのですが、私の印象を述べますと、どういうものを希少がんとして認めていくかということについては、1つは頻度の問題で、先ほどの東先生の話を伺いますと、アメリカとヨーロッパが参考になるけれども、ヨーロッパは非常に緻密な解析に基づいて頻度を決めてあるので、ヨーロッパのデータが基準になるのではないかという気がいたしました。

 それから、どのようなものを希少がんに含めていくかということについては、頻度とともに一体どのようなベネフィットがあるかということになるわけで、1つはなかなか進まない臨床研究が進められるようなもの。もう一つは、治療成績の向上が期待できるようなものを選んでいくことが必要ではないかと思います。

 集約化については、いわゆる世論調査でも、あるいはいろいろな方の御意見も全て集約化を、セントラライゼーションするべきではないかということでございます。それは見識のある御意見ではないかと思うのですが、方向としては賛成いたしますけれども、デメリットのところに対する配慮が非常に重要ではないかと思います。

 先ほどから、要するに、1施設で年間1人しか治療していないということがございましたけれども、例えば骨軟部肉腫の全国の大学での役割を考えてみますと、整形科領域で唯一患者さんが亡くなる病気だということで、非常に少ないながら、各大学で1人はその専門医を育てて、患者さんを少ないながら治療しているということでは、各大学でレベルはやはり維持しているわけです。セントラライズすることによって、その人たちがいなくなってしまうと、逆にいわゆる忘れられた地域になってすごくレベルダウンして、初期診断と治療方針決定のところがうまくいかなくなる可能性がありますので、そこのところについての配慮が必要ではないか。

 患者さんの問題については、初期の治療についてはセントラライズされたところでうまくいくかもしれないけれども、長い目で見たときのフォローアップですね。それがきっちりできるような配慮をしておかないと、患者さん自身が長期的には不幸なことになるということがあるので、その辺の配慮が必要ではないかと思っておりますので、デメリットに対する配慮が必要ではないかと思っております。

○堀田座長 ありがとうございます。

 そのほかの御意見。馬上構成員、どうぞ。

○馬上構成員 東先生に質問なのですけれども、まとめのところで、患者のアクセスは5大がんと変わらないということなのですが、患者会が声が小さいというのも川井先生が指摘されていたのですが、今、西舘さんと協力してヒアリングなども行っている中で治療格差があるとか、研究がなされていなくて、あと専門家にたどり着けないというところがあるということなのですが、何か患者側の状況を客観的に示すような、例えば発症から診断までどれくらい長くかかったとか、そういったような数値というのはあるのでしょうか。

○東参考人 我々もそれがないといけないなと考えておったのですが、なかなか今、集めているデータというのが病院単位で集めているものでして、その中だけで解析をすると、それほどほかと変わらないというデータになってしまっています。でも、実際患者さんの体験を個別に伺っていますと、あちらの病院に行って、こちらの病院に行って、それでまた途中で診断が変わったりしてというようなお話を伺いますので、患者さん単位で病院を超えたデータがとれれば、そういったことの数値的な証明ができるのだと思うのですが、なかなか今のところは難しいというのが現状です。

○馬上構成員 済みません。きのうのがん対策推進協議会でも、患者体験調査のことをお話されていたと思うのですけれども、そういったことは希少がんに対してもやっていただける可能性というのはあるのでしょうか。

○東参考人 そうですね。患者体験調査に関しても、実は希少がんとそれ以外と。その希少がんの定義も暫定的な定義ですけれども、それを分けて患者さんの解析をできるような形はしていますので、回答が集まってくれば、そこの解析はできると思います。

○馬上構成員 ぜひそういった資料もいただきたいと思っております。

○堀田座長 そうですね。今、がん対策推進協議会で進めている指標作成の中にも、初診から診断確定までにどのぐらいかかったかとかという調査は入っていますね。ただ、患者さんサイドから見て、どのようにいつ専門家にたどり着いたかという、そういうデータは多分なかなかとりづらくて、とれていないかもしれません。

 西舘構成員、この辺に関していかがですか。

○西舘構成員 そういったデータは私どももちょっと持っていなくて、地域によっても違ってくると思いますので、ぜひそういったデータも示していただければと思っております。

○堀田座長 一方、診断面に関しても、先ほどの川井参考人の報告にもあったように、病理診断の一致率がそんなに高くないという話です。専門家の中でもなかなか一致しないこともあったり、特に希少がんは不一致になりやすいのかもしれません。佐々木先生、何か診断の一致率の向上に向けて、病理医自体がそんなに潤沢でない中で、どのように効率的に病理診断をしていくべきかということについて、先生のお考えを教えてください。

○佐々木構成員 まず、川井先生が提示してくださいました資料7の5ページ目に、海外の施設での病理診断と中央病理診断の一致率があって、かなり皆さん不一致率が高いなと思われた方がいらっしゃるかと思うのですが、これは例えば右側の丸の位置を「部分的な一致」「完全な一致」にしていただくと、セカンドオピニオンを求めなかった易しい症例でも9割は診断が合っている。

 実は肉腫の診断というのは、特に病理診断は非常に細分化されています。いろいろなタイプのサブタイプがあって、それに細かく分かれている。そのために部分的な不一致が生じている可能性がないのかなと思います。そういうものは、恐らくは治療にはかかわらないような細かい病理診断になっている可能性があって、この表の中で私が問題としたのは、恐らくは「完全な不一致」のパーセンテージが両方とも少し問題になる可能性があるのかなと思って見させていただいておりました。

 今、堀田先生のお話にもありましたように、病理は非常に数が少ない。さらに肉腫をその中で専門にやっている医師となると、ますます数が少ない。実は病理学会の中にも、難解症例をコンサルタントに紹介して回すという病理コンサルテーションシステムというのが、国立がんセンターのコンサルテーションシステムと別個に走っております。年間約600症例ぐらいのコンサルテーションが、病理医からその病理学会のコンサルタントを紹介してくださるコンサルテーションシステムに上がってくるのですが、そのほとんどが肉腫になるわけなのです。

 私は今、病理専門医を対象に、病理医が考える希少がんというのをアンケートをとらせていただいてるのですが、どうもそれは頻度だけではなくて、診断に迷うようなものは全て希少がんに入れてほしいというのが、病理診断を担当する病理専門医からの意見として上がっているというふうな、中間結果ですけれども、そういうものが出ているということで、病理医側からすると、病理診断ということから考えさせていただくと、10万人に6人というのではなくて少し裾野を広げて、多くのがんがそれに含まれるようにしてもらいたいというのが、どうも診断する病理医側からの意見ということが今のところちょっと見えてきているかなと思っております。

○堀田座長 非常に新しい視点というか、実際そうだろうと思います。希少がんだから診断がしにくいというよりも、逆に希少がんは際立った特徴があって、診断しやすいものもありますね。むしろ境界病変のようなものが診断には非常に問題だというわけですね。ありがとうございます。

 実際希少がんといっても、地域特性とかいろいろあったりするのだろうと思いますけれども、渡邉先生はATLを御専門にやっておられますが、例えば集約化だとかいろいろなことを考えたときに、地方の特性といったものをどういうふうに考えたらいいでしょう。

○渡邉構成員 HTLV-1の患者さん、御承知かと思いますけれども、西日本に非常に多くて、実際患者さんの分布も半分ぐらいは西日本であるということがあります。

 今の地域的な問題と、医療の均てん化といいますか、同じような医療がちゃんと全国で受けられるかという視点で申しますと、これまでの班研究の中で上がっているデータでは、明らかに西日本のたくさん患者さんを診ている施設と、たまにしか診ない関東とかそちらのほうで、専門医の治療選択が異なってしまうことが明らかに見えてきております。ですから、割と専門性を持った先生たちが診ておられて、いろいろな情報を持ってやるのですが、現場での決断が変わるのですね。

 ちょっと立ち入った話なのですけれども、非常におもしろいなと私が思ったのは、実はたくさんATLを診ている地域では、治療の選択が非常にパリアティブといいますか、保存的な選択をするのです。アグレッシブな対応をしない。それはやはり経験的に非常にいろいろ蓄積されたものがあって、違いがあるのだろうなという。そうではない地域ですと、教科書的にガイドラインに沿って、こういうときにはこれ、こういうときにはこれという対応をしてしまうのですが、そこのところは経験のある先生たちが見ると、少し現実的な対応をしているというのは非常に浮かび上がってきております。

 ですから、そういったことも含めて情報をきちっと共有して、同じような治療を、対応を受けられるような環境をつくっていくことが必要であると考えております。

 あと、情報とか患者さんのアクセスとか診療圏の問題もちょっと出ておりましたけれども、ATLの場合、多くの場合は急性型の場合ですね。ATLは大体8割型が急性型なのですが、臨床治験に入ることのできる患者さんの割合というのは全体の2割弱なのです。残りの8割の方の予後解析をしますと、大体4〜6カ月で亡くなってしまう。臨床研究でいうと、長期生存も少し出てきているのですけれども、実は8割型の患者さんはそういう予後であることがわかっております。

 長期的なフォローアップ体制は非常に大事な視点だとは思いますが、ATLATLの独特の、より適切に、予後の悪い患者さんにどう立ち向かうかというところが、まだ大きな課題になっているなと考えております。

 まとまりのない話で申しわけありません。

○堀田座長 診断名に関しては、特にそれほど大きな問題はないですか。

○渡邉構成員 最近は、恐らくほとんど問題がないと思います。

 というのは、まず診断の流れ。大体もちろん今、ガイドライン決まっていますけれども、最終的にサザンブロットをコマーシャルで、実はここはいわゆる保険適用がないところが問題なのですが、一応最終的には多くの施設で、コマーシャルでサザンブロットで、一応HTLV-1感染細胞のモノクローナルな増殖であるというエビデンスを、ほとんどの場合はつけております。

 ただ、そのデータを見ても、ごくまれにキャリアの中に起こったATL以外のT細胞腫瘍という例が確かにあることは確認されています。しかしこれは、本当に例外的で、診断の流れとしては、ほぼどこでも似たような形でうまくいっていると思います。

○堀田座長 松本先生のところはたくさん肉腫の患者さんを診ておられるけれども、肉腫と診断がついてから来られる人はどのぐらいですか。

○松本構成員 恐らく半数ぐらいではないかと思います。

○堀田座長 あとの半数は肉腫が疑われるが、よくわからないの診断を含めて紹介されるということですね。

○松本構成員 診断が着く前から送っていただくところは結構多いものですから。そのためには、我々が常に言っているのは、初診日のうちに診断がつきますということです。遠方から来ていただくので、何回も来ていただくのは大変なので、迅速細胞診などの手技を使って、来院していただいた患者さんにその日のうちに、良性か悪性かということの回答を出す。3時間もかけて来院される患者さんもおいでになるわけですから、その日のうちに治療方針をお話できるようなシステムをつくることが重要だと思っています。

○堀田座長 そういうことが今できる施設は、どのぐらいあるのですか。

○松本構成員 迅速細胞診の診断精度がサイトスクリーナーの診断力に依存するところが大きいので、このようなシステムが可能な施設は非常に少ないのではないかと思います。

○堀田座長 渡邉構成員、どうぞ。

○渡邉構成員 診断の件でちょっと補足ですが、病理診断の、特に血液病理の診断に関しては、実はもともとそういう専門家が少なくて、全国で、恐らくATLのリンパ節の診断をして最終的に判断をしてもらえる先生は、1人か2人しかおりません。それが現状です。

 ただ、本当に判断に迷う例というのは限られていまして、先ほど言ったように、いろいろな方法で臨床的な診断、判断ということに関しては、ある程度現実的には対応ができていると思います。ただ、病理診断の本当の専門の最終的なところは、本当に1人、2人の限られた先生に頼らざるを得ないというのが現実です。

○堀田座長 そういう診断側の問題もありますし、実際、先ほど馬上構成員が言われたように、患者さんにとっては診断にたどり着くというか、その専門をやっている施設にどうやってたどり着くかというのは、とても大きな問題ですね。この辺に関して、実態調査はなかなかしにくいというのはあるにはあるのですが、相談のためのホットラインを国立がん研究センターの加藤構成員が受けています。実際どんな悩み事というのか、ホットラインにかかってくるものの内訳といいますか、そんなものをちょっと紹介してもらえますか。

○加藤構成員 国立がんセンター中央病院・東病院の希少がんホットラインを担当している加藤です。

 今、いつ専門家にたどり着いたのか、どうやってかというのですが、大体患者さんから1回目の電話相談が20分ぐらいゆっくりお聞きして、大体2〜3施設ぐらいでやっとホットラインにたどり着いたということで、がんセンターのほうを希望されて、初診もしくはセカンドオピニオンを御案内いたしています。

 その中の相談としては、担当した医師が自信なさそうに言って、もしかしたら希少がんかもしれないとか、まれとか言って、インターネットで検索をしたら希少がんホットラインというのが出てきたのでという形で電話されてきます。

 あとは、各がん拠点病院に相談支援センターというのがあって、そこに相談をした。だけれども、これはまれな病気なのではないかということで、そちらで希少がんホットラインのほうを紹介してくれているようなので、それで相談が来て、話を聞いていったら、これは肉腫なのではないかとか、GISTなのではないかということで、がんセンターを御希望された方に関しては御案内しています。

 あとは、病理の不一致のことが先ほど出ていたのですが、やはりホットラインの相談の中にも病理の不一致のことで、例えばA病院に行ったら明細胞肉腫と言われ、B病院に行ったら悪性黒色腫と言われた。私はどうしたらいいのだろうかという相談があって、そういう場合は、御希望があればがんセンターに御案内して、再度病理レビューというような形をしています。

 一番多いのが、次回のときに詳しく発表させていただくのですが、子宮筋腫として手術をした。そしたら、病理結果で肉腫と言われた。私はどうしたらいいでしょうかという相談も結構多くて、肉腫の相談では多分3分の1が子宮肉腫だというデータが出せそうですので、そのあたりも次回、また詳しく御説明させていただきたいと思っています。

 以上です。

○堀田座長 はい、岩本構成員。

○岩本構成員 正しい診断にたどり着くかというのは非常に大きな問題で、学会の取り組みをちょっと紹介させていただきたいのですけれども、私は日本整形外科学会の理事長をしていますが、日本整形外科学会では、要するに肉腫を専門としている人の比率が少ないので、腫瘍を専門としていない人の教育が必要であると考えまして、骨軟部腫瘍の特別研修会をやりまして、専門医を受験するためには、その講習会を必ず受けないといけないというシステムをつくっています。

 もう一つは、日本整形外科学会が認めた骨軟部腫瘍の相談窓口というのがリストとしてありまして、それをホームページに公開してありますので、そこを参考にして患者さんがアクセスできるように。そういうふうな学会としての正しい診断にたどり着くための工夫をしております。

○堀田座長 道永構成員、患者さんが最初に行く医療機関としては、医師会の先生方が多いと思うのです。そこら辺に対する医師会としての取り組みというか、取り組みまでいかなくても、実態は今どうなっているかというのを御紹介いただけますか。

○道永構成員 特にがんに特化してということはないのですが、病診連携ということで、まず、かかりつけの先生がどこまで判断をして専門家に送るかということを一番医師会としては気をつけています。

 ですから、患者さんの見落としではなく、ただ、本当に専門の先生方には非常に負担になるかもしれませんが、不安を持ったら専門家に回す。多分患者さんも、かかりつけの先生にそれを希望されていると思うので、そういった方向に医師会は取り組んでいます。

 それで、ちょっと個人的な質問でよろしいでしょうか。

 東先生の先ほどの11ページなのですけれども、骨肉腫が128病院ということは、これはある程度集約化できると判断してよろしいのでしょうか。数が意外と、先ほど年間3,000とか4,000とかおっしゃっていて、その方がこの中となると、一番多いところと少ないところとの差というのはどうなのでしょうか。数はわかりますか。

○東参考人 そこの詳しい解析をしているわけではないのですが、恐らくこれは数が少ないがゆえに、ランダムにとってきた128にばらけているだけではないか。年度を超えるとまた違う128が選ばれるという可能性は高いのではないかと推察しています。そこの解析はきちんとはしていないのですけれども、今までほかの、少し数が多くなるとすぐに飽和するということを考えると、そういうことが考えやすいかなと思っています。

 もし機会をいただけるようでしたら、その解析もまたしてまいります。

○堀田座長 ほかに何か御質問なり、あるいは御意見は。きょうは全般的な視点でというお話で結構でありますので。

 西舘構成員、何かご発言をいただけますか。

○西舘構成員 集約に関して少し発言させていただきたいのですけれども、地域性があるということがありまして、患者さんのほうから、どの病院に行ったらいいのかということでよく御質問いただくのですが、例えば東北のほうの病院を聞かれた場合には、実際にちょっとわからないのですね。東京でと言われた場合には、逆に多過ぎて困ってしまうというところがありまして、そういった違いがあるということ。

 あと現在、例えばGISTの例でいいますと、イマチニブの知見があって、それにかかわった先生方がGIST研究会というのをつくられて、その先生方のリストというのがネット上にあることから、患者さんはそのリストを見てその先生のところへ集まっているということで、自然な集約ができているのです。

 肉腫、GISTに関しましては、今、患者会というものがあって、全国的に活動を始めていますので、学会等で肉腫やGISTのセッションがあった場合には、そこで集まってちょっとフィードバックがあったようなときに、学会の中でその先生方を集めるようなアクションをしていただいて、先生方と地域の集まっている患者さんたちと一緒に、例えば東北のほうでとか、東京でとか、中国・四国のほうで勉強会のようなものを開いていただいて、そういったところで先生方と患者さんたちを結びつけていく。そして、患者さんたちのほうからまた口コミで広がっていく。あるいは勉強会の、例えば新聞のほうで宣伝などをしていただくと、インターネットなどできない方たちも見て、また来ていただくことができるということで、そういったことも少し考えていただきながら、学会等でのセッションというものを有効にやっていただけないかなと思っております。

○堀田座長 そのほか御意見はありませんか。

 渡邉構成員、どうぞ。

○渡邉構成員 質問なのですけれども、川井先生の御報告のところに、それ以外も含めてですが、いかに診療体制を整えていくかということが中心として議論されている中で、研究体制の整備というところもございましたね。それを考えると、基本的に集約化して、患者さんが一定のところに集まるようになってきたときに、そういう人たちから得られた、臨床検体と情報をきちっと集めて研究基盤を整備していくとか、そういったような議論はもう動いているのでしょうかという、まず現状の質問です。

○川井参考人 国立がん研究センターを含む幾つかのナショナルセンターが、そういうバイオバンクをつくっているという母体がございます。その中は特に希少がんだからということではございませんが、そういうバイオバンクは整備されていて、その中にそれなりに希少がんのポピュレーションはある。

 もう一つは、バイオバンク・ジャパンというのが動き出したと伺っておりますので、もっと大きな枠の中で希少がんがきっとサンプリングされてくるだろうということは考えておりますが、やはりメジャーがんに比べると圧倒的に少ないですし、取り組むのは結局現場の医者ですので、要は収集率というか、集積率も少ないというのが現実だと考えております。

○堀田座長 そのほかは。佐々木構成員、どうぞ。

○佐々木構成員 今のお話とちょっと関連すると思うのですが、実はバイオバンク・ジャパンというところで血清バンキングというのを今まで行ってきて、いろいろな疾患について200万検体分の検体が蓄積され、研究者の方にそれを配付して研究していただくというものがありましたが、いよいよがんの組織を扱うようないわゆるバンキングが、本当は去年から始まる予定だったのですが、開始される。

 組織のバンキングを始めるに当たって一番重要なのが、きっちりとしたDNAなどが抽出できるような組織検体を採取するということで、文部科学省のプロジェクトですけれども、ことし新たにゲノム病理標準化センターというものが立ち上げられまして、どこの施設でとっても標準的にDNARNAが採取できて、そこからとったゲノムでもって、創薬研究まで持っていこうというようなプロジェクトが立ち上がっているというお話をさせていただいて、実際に3月末に第1回の講習会が開かれて、ナショナルセンターでやっているような非常に質の高い検体を日本の全国のどこでも集められて、そして1カ所に集中して集めるということをやっていくというプロジェクトが今、走りつつあります。

 もう一つ、集約化という言葉が盛んに出てきていますけれども、例えば患者さんによってはどうしても移動できないとか、御家族の御都合とかもあると思うので、私は1つキーワードになっているのが、集約化とともに、同時に今、いろいろ言われている遠隔医療ですかね。こういうものも、いろいろなインフラがかなり昔と比べて進歩してきていますので、同時に考えていかなければいけないのではないかなと考えております。

 以上です。

○堀田座長 まさに御指摘のとおりだと思います。これだけIT化が進んだ世界の中で、それを活用しない手はないし、集約化といっても必ずしも全員がその恩恵に預かるわけではないので、IT技術をいかに遠隔医療に利用するかは重要なテーマですね。

 集約化というのは高度な医療を開発し標準化するための過渡的な形態であって、究極的には集約化がいいわけではないですね。もちろん同じ高いレベルで均てん化できればさらにいいわけですが、それに向かっての過渡的な形態だと考えるとすれば、今のような遠隔医療技術をもっと活用して、均てん化も一方で図れるようにすべきだと思います。

 はい、どうぞ。

○馬上構成員 佐々木先生のその遠隔医療というのが、ちょっと素人でよくわからないのですけれども、それはそういう検体をインターネットで比べたりとか、何かそういったことを、診療支援をするとかそういったことなのでしょうか。

○佐々木構成員 そうですね。例えば病理診断では、遠隔病理診断。それから、放射線画像でも、転送画像による画像の診断というのは行われていて、より非常に難しいものはコンサルテーターに、画像を使って今、コンサルテーションができるようになってきているというのがあります。

 また、アメリカなどではロボットが窓口になって、患者さんとロボットを介して、もっと遠くにいる専門の先生に患者さんのバイタルも含めていろいろな状況を伝えるような、そういうシステムもできてきております。日本ではもちろんまだ保険は通っていませんけれども、そういうものもちょっとこの会の中で少し考えていったりというのは必要なのかなと、そういう意味でございます。

○堀田座長 どうぞ。

○馬上構成員 済みません。さっき西舘さんがおっしゃったように、地域格差、東北地方と中国地方は病院が少ないということで、そういったところにその医療、遠隔をやっていただける可能性があるということ。

○堀田座長 それは今、厚生労働科学研究費の中でも、幾つか遠隔診断とか、あるいは支援の枠組みで研究も進んでいます。

 そのほか御意見を。ざっくばらんで結構です。

 渡邉委員、どうぞ。

○渡邉構成員 いろいろと希少がんの話を伺いましたが、HTLV-1ATLの領域のこれまでの経験も少し参考になるかと思います。また別の機会にまとめてお話できることがあるかもしれませんけれども、幾つか今、御指摘のあった部分に対応できるといいますか、対応するような動きがこれまであります。

2012年に総合対策がスタートしてから、厚生労働省のいろいろな研究班の活動で、例えば情報提供だとか、カウンセリングだとか、患者さんの把握というような体制の整備が少しずつ進んできているという実態があります。先ほどお話があった患者さんの登録を、例えばウエブ上で御本人からしていただく様な体制の準備が進んでいます。

 特にHAMという慢性疾患の場合には、ほとんど患者さん自身で登録してその中に入ってこられるということもありますし、今、患者さんのほうから、ATLの患者さんに入っていただくようなウエブサイトの構成も進んできているという状況です。情報提供とか、患者さんたちが情報を交換する場を、ウエブ上で何とか整備していこうという流れは、少しずつ努力が行われております。

 検体、研究基盤のほうは、これはまた実は文科省の研究費でスタートしたのですけれども、全国50施設から、キャリアの方とか病気の方の参加をいただいて、ずっとフォローアップのコホート研究と、検体バンキングという形の体制を何とか維持しておりまして、延べで1万検体ぐらい集めております。キャリアで3,000人、ATL600人ぐらいとか、そういう検体を維持しながら、研究とかいろいろな基盤として何とか使えるようにしてきております。それを、お話がありましたバイオバンク・ジャパンとどのような形で将来的にうまくつないでいくのかというところを、議論しているところです。幾つか議論の項目のところで、総合対策のおかげで少し先行して対応している部分があるかもしれないので、参考になるようでしたら、またいろいろ詳しく紹介させていただきたいと思います。

○堀田座長 ありがとうございました。

 そろそろお約束の時間も迫ってまいりましたけれども、きょうはお二方の報告、全般的に今、希少がんが置かれた状況はどうなっているかというのは随分よくわかったかと思います。

 次回以降、それぞれテーマを決めて進めてまいりたいと思いますが、きょうのところは全般的な御意見ということで承りました。

 両参考人におかれましては今のディスカッションを聞いて、何か追加で御発言いただくことがありましたらどうぞ。大丈夫ですか。

 それでは、今後の進め方等で何か全般的に御意見いただくことがありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、きょうはここまでにいたしまして、今後の連絡事項等を含めまして、事務局からお願いします。

○江副がん対策推進官 活発な御議論をありがとうございました。

 次回以降は、資料2のほうに沿ってやっていきたいと考えておりまして、第2回、次回につきましては、3月31日に開催する予定でございます。場所等の詳細につきましては、また決まり次第御連絡をいたします。

○堀田座長 それでは、皆様、本日はどうも御協力ありがとうございました。


(了)

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