ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 平成26年度重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会> 平成26年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会 第2回重症心身障害児者の地域生活モデル事業分科会及び意見交換会(2015年3月19日)




2015年3月19日 平成26年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会 第2回重症心身障害児者の地域生活モデル事業分科会及び意見交換会

社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

○日時

平成27年3月19日(木)
9:30~12:00


○場所

厚生労働省専用22会議室(18階)


○出席者

【検討委員】

大塚委員   田村委員   奈良間委員   福岡委員   米山委員

【実施団体】

独立行政法人 国立病院機構 南京都病院
医療法人社団 千実会
独立行政法人 国立病院機構 長良医療センター
社会福祉法人 浜松市社会福祉事業団
公益財団法人 日本訪問看護財団

○議題

平成26年度重症心身障害児者の地域生活モデル事業実施団体からの最終報告書案ヒアリング 等

○議事

【第2回重症心身障害児者の地域生活モデル事業分科会及び意見交換会議事録】

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより平成 26 年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会第 2 回重症心身障害児者の地域生活モデル事業分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、本事業の実施団体である 5 団体から提出のありました、実施状況の最終報告書案に対するヒアリングなどを予定しております。 12 時頃までの予定としております。長丁場になりますが、よろしくお願い申し上げます。

 本日の委員の出席状況ですが、 5 名の委員の皆様方、全員御出席いただいております。委員の皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、会議に先立ちまして座長に御挨拶を頂きまして、ここからの進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大塚座長 皆さん、おはようございます。朝早くからありがとうございます。重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業を平成 24 年度、平成 25 年度、平成 26 年度と 3 か年やってまいりまして、ちょうど今回の平成 26 年度のまとめも含めて、全体の整理もするという時期に来ました。様々な成果、今日もいろいろな成果を発表していただく予定ですが、その成果を今後の重症心身障害児者の地域生活支援につなげるためにも、よろしくお願いいたします。

 それでは早速、次第に沿って議事に入りたいと思います。議事を進める前に、まず本日の資料について事務局より説明をお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 本日御用意いたしました資料につきましては、まず、議事次第のほかに資料 1-1 としまして「各事業実施団体からの最終報告書 ( ) 」です。資料 1-2 としまして、最終報告書 ( ) の説明資料です。資料 2 、横紙の 1 枚ですが、平成 24 年度から平成 26 年度に実施した「重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業」の概要となっております。資料 3 としまして、平成 24 年度から平成 26 年度のモデル事業において認識された課題と主な取組についてです。資料 4 としまして「福祉・医療の連携と協議の場・コーディネーターの役割等について」です。 1 枚紙です。資料 5 としまして「平成 26 年度第 1 回モデル事業意見交換会の主な意見」です。資料 6 としまして、平成 27 年度に予算計上をしております「重症心身障害児者支援体制整備モデル事業」の概念図です。

 参考資料 1 としまして、「重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業の考察」です。参考資料 2 としまして、平成 24 年度からのモデル事業の実施概要を付けております。あと、冊子になったものもお配りしていますが、これは長良医療センターからの提出資料です。資料については以上です。

○大塚座長 早速ですが、議事 2 の平成 26 年度事業実施団体からの最終報告書案に対するヒアリングに入りたいと思います。

 各団体の皆様におかれましては、お忙しいところを第 2 回重症心身障害児者の地域生活モデル事業分科会にお集まりいただきまして、ありがとうございます。遠くからの方もいらして、ありがとうございます。

 今回、各団体の皆様から提出のありました最終報告書案につきまして、前回と同様に各委員からコメントを頂き、これを参考にして報告書をまとめていただきたいと考えております。再度御提出いただいた報告書を踏まえて、検討委員会として取りまとめた上で公表する予定です。各団体の皆様がこれまで実践された内容が地域で広がって、より普及が図れるものにしていきたいと考えておりますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは、最終報告書案に対するヒアリング方法について、事務局から説明をお願いいたします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。最終報告書案に対するヒアリングの方法ですが、最初に 1 団体ごとに御説明と説明内容への質疑を行います。具体的には、 1 団体ごとに 15 分間で御説明をいただきまして、その後、各委員から団体の説明内容に関して疑問等がございましたら、 5 分程度のお時間で御質問と実施団体からの御回答をお願いしたいと思っております。各団体からの報告書案の説明時間の残り時間の 1 分前、質疑時間の終了間際にベルで合図をさせていただきますので、円滑な議事進行に御協力いただきますようお願いいたします。これによって 5 つの団体全てが実施した後に、委員の皆様方から各団体の報告書案に対するコメントをお願いしたいと考えております。

○大塚座長 それでは、各団体の皆様から御説明をお願いいたします。 15 分間という短い時間ですが、御協力のほどよろしくお願いいたします。まず最初に、国立病院機構南京都病院から説明をお願いいたします。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 国立病院機構南京都病院小児科の宮野前です。よろしくお願いします。

 当院は重症心身障害児病棟が 120 床ありまして、以前から私たちの病棟が持つ専門性を地域にいかに発信していくかということで、行政を含めて対応をしてまいりました。ですから今回のモデル事業は、その中でのモデル事業ということで御理解いただきたいと思います。お手元の資料を見てください。

 まず、資料として京都府下の概念図を出していますが、京都府は非常に南北に長い府で、当院は南のほうに位置しています。ちなみに、京都府下にある重症心身障害といわれている施設が 3 か所ありまして、全部で 350 床、当院は 120 床ですが。あと、短期入所での、言ってみればオフィシャルなベッド数が 13 プラスアルファ程度で、非常に少ない地域です。

 次に、「京都府下の現状」ということで問題を挙げております。これは現場の人間から見た現状ということで、こういった京都府下全体を見回すような地域支援システムは残念ながらまだないということ、在宅重症児の把握も残念ながら十分できていないということ、いろいろな課題があります。あと、短期入所 ( レスパイト ) の調整機能は個々の施設が担っているわけで、横のつながりがないということで十分機能していない面があります。

 「この事業の目的」です。当院の場合は南部にありますので、南部のネットワークづくりをしたいということで行っています。

 下の「モデル事業の取り組み」は大きく 2 つあります。最初の 2 つ、先に言いました、南山城圏域といいまして、南部の地域、その地域にあるいろいろな施設、保健所を含めたネットワークづくりに 1 つ取り組みました。次は重症心身障害医療研修システムの構築ということで、現実に在宅医療を支えていくためには訪問看護ステーション等のマンパワー。もちろん看護師さんはおられるわけですが、いわゆる重症心身障害といわれている方たちの経験がほとんどないということが実態としてありましたので、そういった人たちの研修システムの構築。それからその下、 3 番目になりますが医療的ケアに関する情報発信です。これは研修等を含めてですが、医療職以外の人たちへの研修にも取り組んでいます。あと、先ほど言いました、京都府全体の協議会の設置に向けてです。これはまだようやく緒に就いたところで、これからというのが現実です。

 「モデル事業」という言葉は入れていませんが、京都府南部の「山城地区ネットワーク」の構築についてお話します。

 まず地域ですが、南部になりますので、城陽市、宇治市、京田辺市、そこに書いてある所にあります 12 か所の福祉事業所です。これは主にこういった在宅の重症児に対応しようとしている事業所です。それと保健所です。山城北保健所、山城南保健所がありまして、そこからの福祉室及び保健室。これは行政の区分ということで 2 か所から参加していただいています。それからその地域にあります京都府の支援学校、八幡、宇治、南山城。これは、いずれも在籍者数が約 200 人程度の割と大型の支援学校です。こういった方たちにお集まりいただいて、第 1 回のネットワーク会議を開いています。それぞれの分野での課題は違いますので、代表者の方に医療分野、福祉分野、教育分野、行政分野から発表していただきました。

 そこで出たことですが、医療分野に関して言いますと、在宅医療ということで、もう名前を出させてもらっていますが、京都府南部では、いわゆる在宅の重症心身障害児者に対応している開業医さんはこの方 1 人しかおられないのです。そういった実態があります。

 様々な問題が提出されたわけですが、医療分野では、在宅担当医が少ないとか、どこに相談していいか分からないとか、様々な課題が浮き彫りになってまいりました。学校教育のほうは、医療的ニーズの高い方は、卒業後、生活する場がない、事業所にもなかなか通えない、そういったことで「ないないづくし」だということです。

 次になりますが、確かに対象者は少ないのですが、「ない」と言っても何も始まらないということをみんなで確認し合ったというようなところです。ですから、地域の実態がどうなのかということがまずスタートということで、やらなければならないということで、現場のほうで社会資源を利用しようと思ってもなかなかその情報がないということがありました。

 それから、それに基づいてモデル事業で 2 回目のネットワーク会議を開いたわけですが、このときにお二方に講演をしていただきました。京都府の北のほうに中丹という町がありまして、「地域で生活するということ」という立場で NPO 法人から紹介していただきました。「医療的ケア」という言葉を使っていますが、そうではなくて、やはり生活の一環の中で、どういった形でみんなを地域で見ていくかというような立場でお話していただきました。もうお一方は「乙訓圏域の障害者自立支援協議会における『医療的ケア』に係る取り組みについて」というタイトルで、自立支援協議会に医療部会というのは余りないのですが、ここはそれを設けて、それを中心に在宅のほうに取り組んでいるということが紹介されました。

 そういった中で、先ほど申し上げました、どういった資源があるかということで支援マップを作ろうということで、これはまだ案ですが。次の所に「顔の見えるネットワーク作り」と書かせていただいていますが、その下に支援マップの構成案、目次ということで、在宅医がどのぐらいおられるかとか、相談窓口とか。案として次のページに地域、これは具体的な場所などをまた入れていく予定ですが、相談窓口等を入れていく予定にしています。

 次に、「重症心身障害医療研修システムの構築」です。対象は在宅の重症児を見ていく人たち、看護師さんたちです。訪問看護ステーション、地域事業所、特別支援学校、保育園等に勤務する看護師さんを対象にしています。実はこれも当院で 5 年前からやっているわけですが、一応ここに京都府の家庭支援総合センター、途中から共催でという形にさせていただいていますが、その部門の知的・身体障害の所の方が加わってくださったということになります。今回は 5 回目ということで実施させていただきましたが、基本的に 2 日間の座学、講義ですね。それから 3 日間の病棟実習ということで、 11 施設 11 名の方が参加していただきました。ただ、これはお分かりのように、 1 施設から 1 人ぐらいしか出務できないということです。要は、地域では看護師さんの確保が非常に難しいということの裏返しでもあります。

2 日間の講義は 10 項目にわたりまして、 1 つの講義が 1 時間ちょっとぐらいで、かなりタイトなスケジュールでさせていただいています。

 次に、「病棟で 3 日間の実習内容」です。これは現場に 3 日間出ていただきます。毎日通って、通えない方はカンシュクを利用していただいたりしています。そこでやったと。現場でやるので疑問点などを直接聞けるということで、それは、参加した方にとっては非常に良かったという評価を頂いています。

 「実習後のアンケート」を下に書いております。これは、後でまた見ていただければいいと思います。

 「研修の今後の方向性」です。こういった、施設にとってはかなり負担になると言うと語弊があるのですが、準備も大変で。これをいかに府下全域に広めていくかということで今現在、調整中ですが、京都府の障害支援課と家庭支援総合センター、それから、最初に言いました重心施設プラス、同じ病院機構で筋ジスの宇多野病院があるのですが、そこにも加わっていただいて研修システムを具体的に作っていく。要するに、北と京都市内と南部という形になります。これは、様々なハードルはあると思いますが、資金の面も含めて今後の検討課題だと考えています。

 それから「医療的ケアの関する情報発信」です。これは医療職以外の方に対するものです。これも、実は 5 年以上前からやっています。これは始めから家庭支援センターと共同でということですが、今回も対象。これは実技のほうですが、「摂食援助の実際」ということで開催しました。対象はここに書いてあるような方ですが、かなり多くの方が参加されています。講師は当院から出務していただいているということで、下の写真を入れております。これもアンケートを取っていますが、今回、アンケートの結果は入れていません。

 ということで、一番本来の目的である「京都府における『重症心身障害協議会』」、在宅支援ということになりますが、設置に向けてということです。いかに行政の方に動いていただくかということは、私自身は現場の感覚として感じています。

 京都府下の場合は、その下に書いていますいろいろな委員会、ではないのですがあります。ここに、在宅療養児とか、京都府在宅療養児支援体制検討委員会、これは 2 番目に書いているものですが、これは実はその上にある山城北保健所圏域でスタートしたものを京都府として認めてということです。ただ、これは主に、いわゆるポスト NICU の子供たちをどういった形で在宅に移行させていくかということでいろいろな検討を行って、いわゆる「たんぽぽネット」というものがスタートですが、「たんぽぽ手帳」というものを作りまして、これを京都府下全域に広めていこうということで、今、活動しています。

 そのほか、「京都府障害児支援のあり方検討委員会」とか医療的云々、様々なものがあるのですが、なかなかこの横全体をつなぐものがないということが大きな課題だろうと思っています。ただ、こういった委員会等に当院のスタッフが積極的に参加して、人のつながりを作っていっています。

 そういった中で、京都府下の全体のときにいつも感じることで、これも前にも出させていただいたのですが、京都市というのはいわゆる指定都市になりますので、システムが全然違うということで、一緒にやる場合、正直、行政の壁を非常に感じてしまいます。同じ京都府下でも、家庭支援総合センターと福祉と教育委員会もまた縦割りですので、横の連絡というのか、それは私たちの問題ではないのですが、こういったところでかなりハードルを感じるというのが実態です。

 それから、例えば当院が中心になってやるということも 1 つのやり方なのですが、やはり継続性を持たせるためには行政主導が基本的なところを担わなければならないという思いはありますので、こういったものに今後、継続性を持たせて、ほかのモデル事業も同じだろうとは思うのですが、そこが大きな課題かなと私は思っています。

 前回、第 1 回の説明会のときにコメントを頂きました。これは福岡先生、米山先生からですが、身近な基幹病院でショートステイをできないかというようなことです。これは、自治体の考え方とか理解がかなり大きい。それから施設のほう、受ける側ですが、いわゆる急性期病院の場合、特にキャリーオーバーで在宅で過ごされている方を誰が見るかとか、様々な課題があると思います。

 それから、真ん中に相談支援を置くような実践ですが、実際は人材の育成が非常に難しい。病院機構の場合は療育指導室というのがありまして、福祉職というのか、社会福祉士とか専門の方がおられるのでそういった方を中心に、当院もそうさせていただいているわけですが、そういった者を今後いかに育てていくかということ、特に地域ごとに、大きな課題だろうと思っています。

 その 1 つ、「当院での短期入所」です。一応 120 床で運営していますが、 4 床を短期入所に空けていまして、ここに書いているように、年々、利用者が増えています。 365 掛ける 4 ベッドですから 1,500 ぐらいですが、それをオーバーしているのが現実にありまして、登録者が 130 人を超えている。

 下に書いていますが、こういった中で京都府が、「地域の急性期病院での重症心身障害児ショートステイ利用支援事業」というのが実は今年から始められたのですが、これ、私たちは全然知らなくて。対象が北部医療センターといって、京都府立医科大学大学病院の分院なのです。これは北のほうにありまして、これしか対象になっていないということです。ここに書いているように、一応、補助基準額という形で 1 2 万円、プラス訪看の派遣で 1 5,000 円になっていますが、これは、いわゆる短期入所プラスこの分を嵩上げして頂いている。ただ、これは、話を聞くところによると、お母さんが付かなければいかんとか、何か複雑な制限があって、ほとんど利用されていないというような現実があります。ですから、広げていくためには病院側の理解も必要ですし、行政の壁も取り払う必要があると。特に京都市内の需要が非常に高いわけですが、またこれ、京都府の考えと京都市の考えが違うというようなハードルをちょっと感じています。

 最後になりますが、まず、モデル事業としては京都府南部の山城地区のネットワークをしっかり運営していこうと。この場合は当院がコーディネート役をしっかりやっていきたいと思います。ということで日中生活支援などを実際にやっているわけですが、短期入所をやるにしても、これはどこの施設も同じですが、経営上、非常に不利な点もあります。ということで、こういった課題を抱えながらも地域の在宅の重症心身障害児者の生活を支えていくために、とにかく「顔の見える関係」を作っていくことが基本だろうと思っていますし、そういった地域の、あるいは行政の委員会等に積極的に参加してネットワークを作っていきたいと考えています。そういう意味でまだまだ途上ですので、最終報告書は一応まとめますが、今回は提出しておりません。

○大塚座長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に御質問等があれば、お願いいたします。回答も含めて 5 分間ということでお願いいたします。

○福岡委員 御苦労様です。福岡です。前回のときにコメントをこのように記録いただいてありがとうございます。今日お聞きしたいのは、短期入所サービスについてです。ショートステイ利用支援事業は、多分、自治体の独自事業なので国の事業ではないと思うのですが、それ以外の短期入所事業と児童発達支援センターの通園を使われている今年度の子供たちの中で、サービス等利用計画や障害支援利用計画に基づいて行政が支給決定をしたというフローの方たちは、何割ぐらいいらっしゃいますか。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 京都府は、そういう意味で支援計画自体が非常に悪いと聞いています。ただ、児童に関しては、私たちの地域は 30 何パーセントぐらいまで頑張ってやったとも聞いているのです。具体的にその中でどのぐらい利用したかというデータはまだありません。

○福岡委員 ショートステイはどのぐらいですか。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 利用計画の中でのショートステイということですか。

○福岡委員 サービス等利用計画に基づいたショートステイで、支給決定されて利用されている方たちはどのぐらいいましたか。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 そこまでチェックはしていないです。利用計画書自体がまだ出来ていないという。

○福岡委員 では基本的には、行政が従来支給決定したものに基づいて、病院と御家族との直接のやり取りで利用してもらったということですか。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 そうです。今の京都府はそうだろうと思います。

○福岡委員 分かりました。

○大塚座長 それは、本当は行政が計画も含めてきちんと理解して支給することが、これからは大きくというか、きちんとショートステイになるということですか。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 はい、重心に関しては、利用計画書を書ける方が少ないという実態もあると思います。というのは、逆に行政から当院を利用されている方に書いてくださいと。ですから、自分たちが書いたことを自分たちで評価する矛盾点もあるわけです。

○福岡委員 そうなりますと、そちらでやられたショートステイとか、あるいは通園施設でやった児童発達支援センターの利用については、少なくともサービス管理責任者は個別支援計画は作っているということでいいでしょうか、どうなのでしょうか。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 今言われたのは支援計画に基づいて、通園とかですか。そのデータを私、申し訳ないです。当院は今度 4 月からスタートするので、その後でチェックしてみたいと思います。

○福岡委員 分かりました。

○田村委員 非常に御苦労されている姿がよく分かりました。特に行政の側が市と府と、両方に絡んでいるということで、私たちにはない苦労がおありになるのだろうと推測しました。こういう事業は、 1 施設というよりは行政とタイアップし、医師会ともタイアップするという事が非常に大事だと思います。そういう意味では、これは今回、それぞれの施設の方に申し上げるというよりも、むしろこれを企画している厚労省の方にお願いすべきことかもしれませんが、小児の在宅医療連携拠点事業は、はじめはそれぞれの事業所単位で契約していたのが、 2 年目からは県に委託して、そこから事業所に実際的なところは委託する、そういう形になりました。自治体が協力してくれると先ほど挙げられました資源マップなども、埼玉県の場合、うちの埼玉医大だけで調査をしても回答率が悪かったのが、埼玉県の調査ということで一緒に名前を入れていただくだけで回収率が随分良くなってきました。

 それから、最後のほうに書かれておりましたショートステイについてです。現在の制度では、特に呼吸管理を必要とするような小さな子供をショートステイで入れるというのは、実はうちも「カルガモの家」という重心施設を作ったのですが、赤字がどんどん積み重なる一方ということが分かりました。しかし、県と一緒にこの拠点事業を進めようと思ったらショートステイを保証する場所が絶対に必要だということを行政側も認識して下さいました。それに対しては今回、県議会で、先ほど京都の北部医療センターが頂いている 2 万円が、小さな子供の、人工呼吸器が付いているという条件ではありますが、ショートステイに対してカバーされるようになりました。そういう意味では、 1 施設の努力だけではとてもカバーできない問題がここに浮かび上がってきていると思いますので、是非これは、行政とタイアップしてやるということをもともと厚労省のほうで指示されたほうがいいのではないかと思います。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 ありがとうございます。全くそのとおりだと思います。利用者さん、特に高等部を卒業した方たちは行き場がないと言いましたが、そういったお母さん方が自分たちのグループを作って。要は、利用者さんが言うことが一番行政を動かす力になると思っていますので、そういった方たちのバックアップもできればと考えています。

○大塚座長 すみません、時間ということで。最後にもう一度回ってきて短い時間ですがコメントできる機会がありますので、書いておいていただければと思います。

 それでは次に移りたいと思います。次のヒアリングは、医療法人社団千実会さんからです。よろしくお願いいたします。

○医療法人社団千実会 秋山でございます。本モデル事業の経過について御説明したいと思います。資料 1-2 17 ページを御覧ください。 17 ページからに沿って説明させていただきます。「本モデル事業の内容」は、地域生活支援協議会の設置、並行保育の実践、保育現場のアンケート調査、研修会・シンポジウム開催、ガイドラインの作成の 5 本を柱にいたしました。

 まず、「地域生活支援協議会」について御説明します。この協議会は、本日、机上配布いたしました資料の中に、「重症心身障害児生活支援協議会設置要綱」を作りまして、開催しております。開催状況ですが、去年の 7 月から今年の 3 月まで 5 回開催を予定しております。既に 4 回を終えまして、 3 30 日に 5 回目を開催する予定となっております。

 この協議会の特徴は、武蔵野市・三鷹市の両市の担当部課長が入る協議会であり、福祉・子育ての行政、 NPO などの関係者による協議会を特徴としております。

 協議会の役割ですが、重症心身障害児者の実態把握や地域資源の把握、コーディネート、今回は調査やガイドラインの検討ということにいたしました。

 その下に、協議会を実施した内容を表にしております。これら 5 回の議事録は、報告書にとじ込む予定にしております。

19 ページです。「一般保育園に併行通園させる実践」について御報告いたします。この並行通園を行うに当たって、段階を踏んで行っていきました。まず、児童発達支援事業所であるケアルームと、東京都認証保育所であるあきやま保育室で交流を行い、あきやま保育室での保育の確認を行い、そしてあきやま保育室と武蔵野市と三鷹市で並行通園させてもらう一般保育園との間で、環境整備と人事交流を行いました。そして、並行通園は去年の 12 月から今年の 2 月まで 3 か月間行いました。

 その下に「並行保育の週間スケジュール」を書いております。利用した子供は 4 名です。月曜日のみ、火曜日のみ、あるいは水曜日と木曜日の 3 時まで 2 日間、もう 1 人は水曜日と木曜日の 9 時から 5 時まで 2 日間。このように、子供の状況によって、利用日数、時間を決めております。

 次ページです。「並行保育にかかった経費」です。並行保育の実施時間は、 49 243 時間、付添者は看護師が 34 回、保育士が 15 回、交通費は利用者の交通費のみを示していますが、 49 回のうちに 12 3,050 円、 1 回が 2,511 円ですけれども、大体往復 2,200 円ぐらいではないかと考えています。そして、人件費ですが 7,359 時間、大体 36 600 円。看護師の時給を 1,600 円、保育士の時給を 1,100 円として考えております。 1 1 日に大体 1 人の子供が並行通園するのに、大体 1 万から 1 5,000 円と考えています。

 次に、アンケート調査について報告します。武蔵野市・三鷹市の保育施設にアンケート調査を行いました。このアンケート調査は、前回でもお伝えしましたが、国立精神神経医療研究センターの倫理委員会を通してアンケート調査を行いました。アンケート調査は 2 つ行いました。施設整備状況の調査 77 園、職員の意識調査 980 名を対象にいたしました。

 まず、「施設整備状況の調査」の結果です。 50 施設、回答率 65 %の回答を得ました。小規模園が 24 園、中規模園から 22 園の回答がありました。どのようなアンケート内容かというのも、今回資料の中にお入れしておりますので、後ほど御覧ください。

 まず 1 つの例ですが、入口に車いすを想定した段差をなくすための対応をしてあるかどうか。「整備済み」が大体 26 %、「整備の計画があり」が 4 %となっております。

22 ページです。そのほか施設整備についてのアンケートの内容を簡単に報告いたします。車いすの園児が利用することを想定したトイレの整備があるかどうか、 56 %。エレベーターがあるかどうか、 0 %。施設に駐車場があるかどうか、 48 %。車いすの園児が園庭に出る際のスロープの設置が 28 %。園庭から外に出る際のスロープが 30 %となっておりました。

 「その他の施設整備の取組について」です。園医のほかに緊急時に受診できる医療機関が近隣にあるかどうかが 76 %。救命講習の園内での実施が 70 %。障害について職員を対象とした研修の実施が 58 %。関連学会への職員の参加の補助が 38 %となっております。

 また、施設で考えられている「インクルーシブ保育」への考え方についてです。「賛同し、行っている」が 11 、「賛同する」が 11 、「賛同するが整備が必要」が 25 と、賛同する御意見が多かったです。インクルーシブ保育の実施に当たり必要な整備はどういうことかという質問に関しては、「研修」が 35 件、「人員の増員」が 35 件、「予算の確保」が 23 件、「施設の改修」 18 件と、このようになっております。

24 ページです。次に、職員に対しての意識調査のアンケート調査です。回答が 432 名、回収率が 44 %でした。大体 87.9 %、 90 %近いスタッフが保育士の回答です。

 次に、重症心身障害児者という言葉を知っているかという質問には、「よく知っている」が 11 %、「知っている」が 57.8 %、「言葉自体は聞いたことがある」が 20 %。ここまで入れますと大体 90 %になります。この「よく知っている」「知っている」と答えた人たちで、学んだ経験の有無を聞きましたところ、大体 80 %が学んだ経験があると答えています。そして、どこで学んだかを聞いたところ、「学校」が 70 %、「研修会、講習会」が 20 %になっていました。

26 ページです。インクルーシブ保育への考え方です。「全面的に賛成」が 43.4 %、「条件付きで賛成」が 27.6 %、「考え方には賛成だが実現には消極的」が 15.9 %でした。大体「条件付き」まで入れますと、 70 %ぐらいが賛成と考えてくださっていました。インクルーシブ保育を行うに当たり必要な整備は何かという質問ですが、「研修」「人員の増員」「予算の確保」「設備の改修」でした。これは施設側の回答とほぼ一致しております。

27 ページです。「アンケート調査のまとめ」です。施設整備は、車いすへの対応等は 30 %前後なされており、実施に必要な施設整備は、研修・人員の増員、予算の順でした。スタッフに対しての意識調査では、全体の約 70 %が重症心身障害児を知っており、学校で学んだことが大きいということでした。インクルーシブ保育に条件付きで約 70 %が賛成しており、そのためには人員の増員、研修、予算の順に必要と答えていました。以上です。

 次に、研修会、シンポジウムの報告をしたいと思います。平成 26 9 16 日に研修会を行いました。その研修会のチラシも資料に入れております。重複障害児の保育園への期待、保育所における障害児の保育実践、重度心身障害児の看護という内容で研修会を行いました。

28 ページです。その研修会のアンケートの結果です。「とても良かった」「良かった」まで入れますと、 90 %近くが良かったと答えていただきました。理解できたかどうか、「理解できた」が 55 %、「どちらかといえば理解できた」。これも大体 90 %を超えております。研修会の実施は必要かどうか、「必要」「どちらかといえば必要」。これも 90 %近い答えが返ってきました。

 次はシンポジウムですが、並行通園の報告会をかねて 2 28 日に行いました。今回そのシンポジウムについては、三鷹市と武蔵野市の両市の市長さん方も来賓の挨拶に来ていただき、行政側からしっかり支えていただきました。

 内容ですが、「重症心身障害児の地域生活モデル事業への期待」ということで、田中専門官にお話いただき、本モデル事業の経過及びアンケート調査の結果を私が説明いたしました。また、「障害児のコミュニケーション力~音楽療法を通じて~」ということでも講演をしていただきました。

 シンポジウムは二本立てで行いました。実践報告と今後の展望についてです。実践報告ですが、児童発達支援事業のあきやまケアルーム、それから、東京都認証保育所のあきやま保育室の 2 園からは、並行保育に向けて、通園に向けて段階的に準備が必要であるということを報告しました。それから、三鷹市の協力園、ちどり子ども園や上連雀保育園からは、医療ケアが必要な場合でも十分配慮して、だんだん友達になっていくプロセスを大切に保育をしていただいたという報告でした。また、子供同士の触れ合いもしっかりと見守っていただいたようです。

 続いて武蔵野市協力園の境保育園と境南保育園の実践報告です。武蔵野市の保育園は 3 時とか 5 時までお預りをしていただいたわけですが、長い時間でも保育士さんたち皆さんが工夫して実践をしていただいたという報告でした。

 今回のシンポジウムの中で最も皆さんが感動されたのは、あきやまケアルームの保護者の報告でした。これは、それまで何回も一般保育園に通園をしたいとトライをした保護者のお話でしたけれども、今回の取組が天からの声が聞こえたみたいにうれしかったと報告されました。シンポジウムのアンケート結果ですが、ほぼ「良かった」という結果であります。

 あと、ガイドラインの作成を考えております。ガイドラインの案も資料に入れておりますので、後ほど御覧ください。

 「事業実施スケジュール表」ですが、ほぼ完了いたしまして、ガイドラインの確定と報告書の確定を残しております。

 「課題」です。モデル事業終了後の継続 / 他地域への普及に向けてが課題です。その内容は、 5 点ほど記載をしています。また、私自身が今回の経験で感じましたことは、一般保育の専門性、障害児療育の専門性があるということで、この2つの専門性の融合ということが今後の課題にもなるかと思っております。以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。それでは、御質問等がございましたら。

○福岡委員 どうも御苦労様でした。私はコーディネーターの 2 人がどのような活躍をしたかが一番興味を持っているのですが、記録からはシンポジウムとか研修会の段取り等にかなりエネルギーを割かれたと書いてありますが、実際 4 人の並行通園の園児さんに関して、コーディネーターの方が、夏ぐらいからどのように 1 人ひとりについてアセスメントしたり、プランを作ったり、実際の並行通園に持っていったかというようなことを、簡単でいいのですが、どんな動きでどんな会議を開いてやったかを教えていただきたいと思います。

○医療法人社団千実会 統括コーディネーターは全体の流れを作っていくという形で、現場におりますコーディネーターは、関係機関とのやり取りが一番大きかったと思います。実施に対しての準備だとか、物品だとか、細々の日常生活の準備というところでのコーディネートという形で、実際に書類作成は用意をしておりません。

○大塚座長 いかがですか。

○奈良間委員 大変前向きに取り組んでいただいて、御苦労様でした。今のことと関係しますけれども、並行保育の場合に、周りのお子さんですとか、保護者の方がどんなふうに受け止めていらっしゃるかということが重要だと。それが定着していく上で重要かなと思うのですが、その辺りの評価というのは実施されているのでしょうか。

○医療法人社団千実会 今回は受入先の保育園のほうがその点を大変気を使っていただきまして、実施する前には園内に掲示をしていただいたり、保護者の声を聞いていただいたり、そして最後には通信で皆さんに、こんなことをして、こんな感想がありましたというような報告を園全体に流していただいたりしました。子供たちの関わり方についても実践報告でやっていただきましたが、受入れ側の子どもたちが自然に障害の子供たちを受け入れてくれたというところを、実際にやってくださった保育士さんたちも評価していただいていましたし、驚いておられたようでした。

○奈良間委員 ありがとうございます。その辺りを是非、評価として挙げていただく方法を検討していただければと思います。

○医療法人社団千実会 分かりました。

○大塚座長 それでは、次にまいりたいと思います。次は、社会福祉法人浜松市社会福祉事業団から御説明をお願いいたします。

○浜松市社会福祉事業団 よろしくお願いします。まず、資料 1-1 8 ページの 2 「地域の現状と課題」を読ませていただきます。平成 20 年の静岡県の調査では、身体障害者手帳 1 級、 2 級プラス療育手帳 A を取得されている方が、現在 1,678 人いると言われていました。すなわち人口の 1 万人当たり 4.42 人に当たります。そのうち在宅の方が 1,217 人。私たち事業団側が所属している県西部地域には、在宅の方が 327 人いると調査では言われています。こうした方たちを支えるために、私たちのほうでは平成 23 年から「静岡県西部の子ども在宅支援ネットワーク会議」を立ち上げておりまして、今回この会を協議会に移行させたという形になっています。

 資料 1-2 32 ページを御覧ください。今回のモデル事業で行った内容の一覧を書いています。協議会は先ほど申し上げた形で、これまでの会議をそのまま移行して、毎回、当事者団体・医療・福祉・行政関係者、大体 40 名前後集まっていただき、 3 回開催しています。更にコーディネーターに関しましては、当センターの相談支援専門員と、相談支援専門員の資格を持つ保健師 2 名をコーディネーターとして設定しています。家族支援事業としてこちらの 4 本。在宅重症心身障害者支援者養成研修として、この 2 つです。あとは、調査・研究として、地域連携シート等も後で御報告しますが、作成をしております。そのほか講演会を 3 本行っています。

33 ページです。まず協議会の構成員と開催状況に関しまして、表を御参照ください。まず、こちらの会議で挙がった意見をスライドに書いていますが、これまで挙がったものも踏まえていますので、特に赤字で書いてある所が更にまた挙がってきたものです。御覧のように、地域移行が難しい。コーディネート役の不在というのも、以前挙がっていました。あと、アウトリーチの不足、キャリーオーバーの問題。今年度は、利用できる資源がやはり分かりにくいということが、まだ解決されていないというところ。行政間や地域間格差がまだ解決していないというところが、今年度挙がった協議会の意見です。

34 ページです。「小児ケアコーディネーター会議」、私たちとしてはこれを一番核として行っています。これは先ほどの協議会とはまたメンバーを更に絞って、浜松市内の 4 つの NICU を持つ 4 病院の相談のワーカーさんと、地域の相談支援専門員で重症心身障害児者にケアプランを立てたことがある方たちが 3 4 名いますので、その事業所を呼んで、あとは訪問看護ステーション、浜松市の関係の方たちに参加していただいて、小児ケアコーディネーター会議を今年度 4 回開催しております。こちらの中で今年度の主な取組としては、連携シートを作ったということになりますが、目的として医療の連携の強化、質の強化、数の強化を目的として開催しました。

 下の図ですが、今回のケアコーディネーター会議の最初に実数把握をしています。これは、 4 つの総合病院の在宅の医療診療報酬、点数算定者の数を 18 歳未満で合わせたものを集計しています。お手元の資料がまだ非公表の形になっているので、載せいていないのですが、在宅人工呼吸器管理の方が大体、今 18 歳未満で 29 名います。気管切開の管理料を取っている方が 44 名います。そのほかいろいろな医療的ケアの在宅の管理料を取っている方が、合計で 262 名います。私たちは実は 1 年半前に同様の調査をしていまして、この 1 年半の間で呼吸器管理の子が 4 名、気管切開の子が 2 名増えています。全体でトータルで 20 名の方が医療的なケアを受けて在宅生活をされていると思います。

35 ページです。小児ケアコーディネーター会議の中で今年度作成したのが、最初は連携パスという名前で運用を考えていたのですが、各病院のパス委員会を通さなければいけないということが判明して、運用が先送りになる可能性もあるので、連携シートという名前に途中で変えて、最終的には作成しました。小さくて分かりにくいので、お手元にも A4 サイズのものをお配りしています。

 特徴としましては、保護者様用は、基本的に不安を安心に変えるものになっているイメージがありまして、なるべく視覚的に分かりやすく、複雑にさせないように、基本的なところだけを押さえるという形にしています。一方、関係機関用に関しましては職種ごとに分けて、どの時期に何をすべきかというのを明確に漏れがないように記載しています。カンファレンスに関しましては、 2 回から 3 回という設定にしています。それは在宅移行を決めた時期の第 1 回カンファレンスと、退院直前の第 2 回カンファレンスは基本的に行うと。途中の試験外泊前のものに関しては、院内カンファレンスだけでよければそれでもいいですし、拡大カンファレンス、訪問看護ステーション等の参加が必要であれば、そこも入れていただくという形にしています。

 こういったものを協議会の中にもフィードバックして意見を頂いたところ、保護者の方からですが、保護者の心のケアというピアカウンセリング等も是非入れてほしいという意見が挙がっていました。これは、次年度以降の課題として検討していく予定ではおります。

 続きまして、 36 ページです。ここからは調査・研究のほうに入ります。 1 つ目が「重症心身障害児の育児に関わる保護者への育児ストレスインデックス (PSI) 」を実施しています。これは計画相談に入る時点で、重症心身障害児の方の保護者を対象に PSI を取っています。 1 年後、計画相談が入ったことによってどれぐらい変わっているかというのを、今後追っていく予定ではおります。まだ初めて半年なので若干人数は少ないのですが、 9 名の方から御回答を頂いています。 9 名の方の結果を簡単にまとめたものですが、当然と言えると思いますが、 PSI の総合得点は受診群で高くなっているということが言えます。また、今回、新たに分かったこととして、医療ケアが有ると無しで分けた場合、 N が少ないのですけれども、子供の側面に関する PSI 得点が、当然といえば当然ですけれども、医療ケア群で高いと。あと、各家族群と祖父母同居家族群というのでも比較していますが、私たちの予想に反して、祖父母同居群のほうがストレスが高いというのが分かりました。特に親側のストレスが高いというのが分かりました。祖父母との同居は必ずしもストレス軽減には直結しないというのが、今回、新たに分かったことです。

 続いてもう 1 つの調査・研究です。静岡県西部地区の診療所に関する重症心身障害者への関わり調査をしています。こちらは、 768 件の診療所が大井川以西にありますので、そちらに郵送して、回収率が低いのですが 31.6 %、 243 件の回答を得ています。内訳としまして、内科の先生が多いのですけれども、各市町村別でいくと図 1 のような形になっています。重症心身障害児者に関われるよと言ってくださつた先生方がどれぐらいいるかというのが、図の 5-2 になります。こちらのほうが浜松市で大体 42.6 %の先生方が、何らかの形で関わることができますと答えてくださっています。これは 4 年前にも調査しているのですが、 35.6 %でしたので、それが上がってきているというのがいえると思います。

 一方、市町村別に見ると、磐田市と掛川市は非常に数は少ないのですが高いのです。これは背景としましては、この地域というのは、今や家庭医の養成を熱心にやっている地域で、そこの地域の先生方はやはり意識が高いというのが印象です。そういったところが反映されているなと感じました。

37 ページです。今後何らかの形で関与していけるよと言ってくださった先生が 44.4 %と少し減ってはいるのですが、逆に言うと、 44 %ぐらいの先生は、何らかの形で継続して携わっていけると言ってくださっています。困難な理由に関しては、これまでの報告とほぼ同様という形です。

 今後関われる可能性について、どこまで関わってくださっているかということも調査していますが、全身管理までできるよと言ってくださっている方が 34 件ありまして、 14 %になります。 3 年前に同様の調査をしていますが、 11 %でしたので、少しですが増えてきていると。訪問診療までやってくださるよという先生が 44 件、 18.1 %になりますが、これも 3 年前の調査では 8.2 %でしたので、訪問診療も増えてきているといったところが意識としてはあります。

 将来的にキャリーオーバー、トランジションの問題がありますけども、どこで診ていくのがいいのでしょうかという設問を頂いて、割と内科で診たほうがいいんじゃないと言つてくださった先生が多いというのが印象でした。

 スライドにはありませんが、今回講演会を 3 本行っていて、福祉関係ではむそうの戸枝さんに来ていただいてお話を頂いています。虐待関係に関しましては、東京都のカリヨン子どもセンターの坪井先生に来ていただいて、弁護士の立場からのお話を頂いています。あと、保護者からということで、稲川淳二さんに来ていただいて講演会を開いています。

 従事者育成のための研修は、小児在宅医療技術講習会を開催して、医師と看護師 74 名の参加を得ています。そういったところが私たちの報告の概要になります。

 今後は、モデル事業後の方向性として次年度以降ですが、浜松市の自立支援協議会の中に重症心身障害部会を設置がほぼ確定しています。協議の継続はそこでやるという形にしています。一方、協議会をどうするか、皆さんの意見を聞いたところ、研究会あるいは顔が見える形で続けていきたいということなので、研究会、あるいは勉強会という形で継続はしていく予定です。私たちが一番大事に思っていますが、小児ケアコーディネーター会議を通じて、在宅呼吸器を中心にまず始めます。その中で見直しをしながら、更にケース検討をそこで行いますので、人材育成の場として期待しているところです。家族支援事業に関しましても、継続していく予定です。

 将来的には重症心身障害児者支援センターができて、そこの機関が一緒に入るという、訪問診療、訪問看護、あるいは研修会といったような形を作っていただければ、非常に継続性が持てて、こういった活動ができるのかなと感じています。

 今回、まだ十分できていない点として、訪問診療、訪問看護、訪問介護、訪問リハ、訪問療育の充実、アウトリーチの強化と、教育機関との連携がなかなか。先ほどの宮野前先生も言われていましたが、行政の縦割などいろいろ壁があってなかなか難しい。私たちは特に浜松市の立場で今回調査していますので、静岡県の教育委員会が管轄していますので、そこら辺の壁が結構あって、今後どのようにつながっていこうかと考えているところではあります。以上です。

○大塚座長 どうもありがとうございました。続いては御質問等、 5 分間なのですが、お願いします。

○米山委員 すごく広く活発に事業をされたりしています。 1 つお伺いしたいのは、 37 ページの上のアンケート調査のいわゆる医師会とか診療所の関わりということで、先ほど 14 %、 18 %というお話がありましたが、全年齢という左側の項目は、小児も成人もという、重症児者両方どちらでもいいよという数だと考えていいのですか。

○浜松市社会福祉事業団 そうですね。全年齢は、本当に児も者も大丈夫ですと言ってくださっている先生になります。

○米山委員 そこでは全身管理も、例えば呼吸器管理とか、そのような在宅の方々も診てくださる。在宅の方々が 14 %というか 21 ぐらいですかね。

○浜松市社会福祉事業団 今回の調査では項目を絞ったために、呼吸器のほうはどうですかという形では聞いてはおりません。 3 年前の調査はそこまで聞いていまして、呼吸器のお子さんに関しましては、やはり 3 年前だと 11 %でしたけれども、その中の 3 %の先生方には、呼吸器の子もオーケーだよと言ってくださっていました。

○米山委員 一番最後におっしゃられた教育との関わりというところは、難しいなというのは多分福岡先生もおっしゃるところだろうと思いますが、今後、利用者の支援計画が、子供も来年度出来上がってくるのでしょうけれども、そうしたときに、東京の中の特別支援学校の個別指導計画とか、支援計画を見ると、結構うまい具合いにできて書いてあるのです。そういうのがつながれればいいなというのは、本当に縦の連携という中では、いろいろ通知も出ているわけですから、そこのところが何かうまくつながるといいなと思うのですが、なかなかやはり壁があるのですね。

○浜松市社会福祉事業団 まず、特に在宅呼吸器のお子さんに関してと、医療ケアが入っているお子さんはかなり難しいところもありますけれども、学校間によっては差があって、校長先生によってはすごく理解のある特別支援学校もありますので、そことはかなりうまくやれています。

○福岡委員 単年度のモデル事業で終わらずに来年度以降も取組も書いてあるので、とてもいいなと思ったのですが、具体的に自立支援協議会に部会を設置するというのと、小児のケアコーディネーター会議の 2 つありますがその役割分担とか、あと、部会の中でも既にもうあと 1 か月で部会とかの新年度が始まるのですが、どのような課題の解決のイメージを持っていらっしゃるのかお聞かせください。

○浜松市社会福祉事業団 まず、部会とコーディネーター会議の住み分けですけれども、コーディネーター会議は今年度と同じような形で、相談支援専門員と保健師さんと、あと訪問看護ステーションと病院のケースワーカーで、連携シートの運用をします。そこの中でケース検討、ケース会議を行いますので、そこを通じて、もう少しオープンにしようと思っているのですが、興味のある方にも入っていただいて、相談支援専門員の育成の場にしていきたいとは思っています。それがまずケアコーディネーター会議の目的です。

 協議会に関しましては、協議会が部会になるのですが、議題は 3 つぐらいの柱が出ているのですけれども、 1 つは移動支援であったりとか、もう 1 つは行政的なサポート。静岡県がやっているライフサポート事業というのがあるのですが、浜松市は政令市の関係でそれがないんですね。そうすると、実は、日中一時とか、通所施設でのショートステイなどのお泊まりができたりする県の事業なのですが、そういうのができていないので、財政的なバックアップが必要な所に関しての討議をするか、あるいは、もう 1 つは教育との兼合いになってきますが、その辺は浜松市だけでは解決しない問題でもあるので、大体その 3 本ぐらいが今、課題としては挙がっています。個々で努力するでは解決しないことです。

○田村委員 最初の所で挙げられたコーディネーター役として相談支援専門員、社会福祉士の方と相談支援専門員の資格を持つ保健師さんが 2 人おられるとは素晴らしいことです。こういった方が子供の場合は、特に高度医療ケアが必要な方が多いものですから、こういう小児ケアコーディネーター会議で毎回参加するという形で、高度医療ケアを必要とする 1 人の子供のコーディネーターもちゃんとできるようになるというのは非常に将来性のある良い取組だと思います。ちょっと気になったのが、小児ケアコーディネーター会議の中には、訪問看護ステーションが入っていますけれども、在宅療養支援診療所とか、一般の小児科のクリニックの先生が入っていないことです。そういう所と連携しないと、何かあれば基幹病院に来なさいということだと、かなり家族の負担が大きいと思います。今回の調査の対象の中に、恐らくは在宅療養支援診療所も入っているのではないかと思うのですが、そういう分類がないのも気になったのですが。

○浜松市社会福祉事業団 調査では、先生がおっしゃるように、在宅支援診療所の先生が熱心に答えてはくださっています。今回コーディネーター会議には残念ながら入っていただいてはいないのですが、浜松市医師会にも後援はいただいていて、この事業全体はバックアップはしてくださったのですが、委員を出していただきたいというお願いをしたのですが、残念ながらそこが通らなかったという状況です。

○大塚座長 次にまいりたいと思います。国立病院機構長良医療センターから説明をお願いいたします。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター よろしくお願いします。長良医療センターの金子です。「本事業の目的」としまして、岐阜県の重症心身障害児者の様々な課題のうち、家族支援が最重要課題だと考えております。そこで、短期入所を中心とするレスパイト事業の拡充を達成するために以下の事業を行っております。

39 ページです。「岐阜県の重症心身障害児者受入可能医療型短期入所施設」ということで、岐阜県の地図を出しております。ここで訂正ですが、下の表が正しくて、上の「超重症者対応可」というのと、オレンジの「準重症者まで」というのは逆になっております。ここで申し上げたいのは、岐阜県は非常に南北に長い県で、超重症者対応可という施設はほぼ岐阜県域にかたまっており、施設の数の地域の偏在があるということです。そこで「事業の概要」として、最初に重症心身障害児者医療のネットワークを構築し、短期入所等に関して現状と課題を抽出。その解決に向けて議論をする場を設けました。

40 ページです。「重症心身障がい児者モデル事業協議会」と名付けた会を開催しました。これは昨年のここでの委員の先生の御意見を参考にしまして、ネットワークを改変しております。長良医療センター、岐阜大学、県総合医療センター、岐阜県の希望ヶ丘学園、診療所の先生をネットワークしまして、その真ん中に障害児者の方を見ていこうという協議会です。

 第 1 回重症心身障害児者モデル事業協議会として、岐阜大学の寄附講座、岐阜県の総合医療センター、これは NICU のセンター長の先生ですが、岐阜県医師会、クリニックの先生、県立希望ヶ丘学園、岐阜県の方に参加していただいております。長良医療センターもこのようなメンバーで参加しておりますが、昨年のこの報告会で委員の先生から御指摘がありました、コーディネーターの人に看護師の方が入っていないのではないかということで、コーディネーターとして副師長の方を入れております。これは第 1 回ですが、第 2 回以降は岐阜市の行政の方にも入っていただいており、県と岐阜市、大学病院、クリニックという形で岐阜県全体のネットワークが構築されたと考えております。

41 ページです。第 1 回の協議会が 7 月に開催され、このモデル事業の計画について説明し、岐阜県の取組についての概要説明等をしていただきました。第 2 回は 12 17 日で、モデル事業や在宅の医療的技術の講習会、地域連携といいますか地域移行のパスなどについての報告がありました。第 3 回の協議会は先週行われたところです。

 本事業は単年度ですが、このような事業協議会というのは継続して開催される必要があるということで、名前を変えまして「岐阜県重症心身障害児者医療ネットワーク協議会」ということで、長良医療センター、岐阜大学の寄附講座、岐阜県の医師会の 3 名が持ち回りで開催するような形として、短期入所、在宅医療技術講習会、在宅移行パスなどの取組も継続して議論していこうという場になっております。このような場は、今までは県の立場では主催されておりましたが、医師が参加してというのは今までなかったということで、今後もこのような場で短期入所等を含めて継続して議論していけたらと思います。そこで議論されました議事録の一部ですが、資料 1-1 41 ページに添付しております。

42 ページから「事業の概要 2 」として、重症心身障害児者の現状を明らかにして問題点を抽出するために、アンケート調査を行いました。長良医療センターでの外来通院、リハビリ通院中の重症心身障害児者の保護者を対象として、 63 名の方から回答を得ております。 Zarit の介護負担尺度や、短期入所についての意識調査を行っております。その中のアンケート調査の項目の一部ですが、「かけはしノートをお持ちですか」。

 かけはしノートは、今お配りしております緑の冊子ですが、岐阜県が編集して、長良医療センターと県医師会が編集に携わっているものです。これでかかりつけ医や現状の医療ケア、内服薬等を記載することで、救急でかかられたときや、短期入所の施設移行についてスムーズに行うという目的で作成されたものです。かけはしノートをお持ちですか、その使用について内容はどのように書かれているか、 9 番で家族の集い等を催した場合どうですか、短期入所を中心としたレスパイト事業についての利用の有無についてアンケートを行っております。

 その結果ですが、 43 ページに一部ですが、年齢と医療的ケアについて 4 つに分類し、短期入所を「定期的に利用」したことがある、「過去に利用したことがある」「利用したいができない」「利用したいと思わない」「回答なし」というような形で 5 つの項目に分けて回答を得て解析しました。当然、医療的ケアが高い、丸で囲みました年齢が低い高いにかかわらず、医療的ケアが高い方は「定期的に利用」「過去に利用したことがある」という割合が多かったです。「利用したいができない」という方が、全体をとおして 3 割近くありました。ここに回答された方の状況というのを、もうちょっと把握できればよかったのですが、質問の所に理由を書いていただく項目を書いたのですが回答が少なかったところがあります。見られた回答として、時間が合わない、預けたいと思わないという回答が散見されております。

Zarit の介護負担尺度を用いて、介護の負担度についてアンケートを行いました。御存じかと思いますが、点数が高いほど介護の負担度が高いというものです。 44 ページに回答の一部を記載しております。「あまり思わないと回答があった項目」としては、介護者能力以上の介護が必要としていると思いますかに関しては、「思わない」「たまに」というのが 6 割ぐらいです。患者さんの行動に対して困ってしまうと思うことがありますかということに関しても、「思わない」「たまに」で、これも 6 割近い方が余り思わない、余りこういうことに関しては負担に思っていないという回答でした。

 逆に「よく思うと回答があった項目」としては、患者さんが将来どうなるのか不安になるということに関しては、「いつも」と「よく」を合わせると 4 分の 3 の方がありますよと回答されています。患者さんがあなたに頼っていると思いますかということに関しても、「よく」と「いつも」を合わせると 8 割近い方があると回答されています。

 以上の結果からは、介護というよりも子育ての延長として捉えている保護者の方が多いため、介護の負担度は全体としては低い結果になった可能性があると考えております。このアンケート調査に関しても、もう少し詳しく資料 1-1 の参考資料 4 に記載しております。

 「事業の概要 3 」として 45 ページです。保護者会の開催を行いました。この目的としては、介護していく上での問題点や病院への要望を抽出し、現状を把握するとともに、今後の医療に反映していく。先ほどお話しました「かけはしノート」について説明し、記載についてお願いする。ミニレクチャーを開催し、家庭での介護に反映していただく。以上を通じて保護者と病院の多職種のネットワークを構築し、保護者を支えるとともに介護レベルの向上を目指すという目的です。

 その下が実際に作ったプログラムで、院内に張り出されたものですが、今年の 1 月に開催しました。プログラムとしては「かけはしノートの話」。「かけはしノート」を利用するために目的や使用方法を知ろうということ。ミニレクチャーとしては理学療法士の方に「生活動作介助~あなたもわたしも快適に過ごすために~」ということ。その後に、質問タイムとして情報交換を行いましょうということで開催しました。

 「かけはしノート」ですが、先ほどお話しましたように、かかりつけ医、内服薬、医療的ケアの内容等について記載し、医療機関の受診を円滑にするという目的です。その下の写真ですが実際の写真で、コーディネーターのアイダ先生が「かけはしノート」について保護者の方に説明し、記載の仕方を説明しているものです。この「かけはしノート」は先ほどの協議会の中でも話が出ていまして、今後スマートフォンなどのメディアを利用して記載し、医療機関に持っていってもらうような形で話が進んでいるところです。その次の写真は、理学療法士の方に、このような形で患者さんを移動させると、保護者の方の腰の負担がかからない形の移動の姿勢、ということで指導している写真です。

 「事業の概要 4 」として、短期入所のガイドブック作成としました。短期入所事業をさらに拡充するために、事業者さん向けに分かりやすいガイドブックを作成したいと考えました。これは長良医療センターの短期入所の流れに沿って、注意すべき点、利用者に確認すべき点等に関して、今までの実際の事例なども踏まえて記載していこうと考えております。

 これは表紙ですが、その下に「短期入所の流れ」という形で、短期入所相談から 1 番として利用契約、 2 番として契約完了して電話予約、病院の受付で予約する。 3 番として実際の短期入所利用という形で、それぞれの項目について記載しております。

 次のページに「事例&対応」と書いてありますが、実際にこういうことがありましたということで、患者様の状態について。保護者の方はいつもと状態が変わらないと言われましたが、今まで行われていなかった胃ろうが行われていたり、酸素が使用されていたりと事前の情報との相違があることがあったということで、こういうことがあると受け入れるほうの看護のほうも少し混乱するので、対応としては、予約時に医療的処置の変更がある場合は連絡を頂くように説明したり、入所時に医療的ケアの今後の内容の変更の予定の有無について確認するという形で記載しております。

 「事業の概要 5 」として、医療的ケアの技術面のサポート、多職種連携に向けたシンポジウムの開催です。これは昨年度も示しました、去年の 8 3 日に名古屋大学で行われました小児在宅医療実技講習会に長良医療センターがチューターとして参加しておりますし、昨年の 7 26 日に障害児者医療従事者育成シンポジウムとして、レベルアップを図るためにこのようなシンポジウムを開催しております。今年の 2 28 日には、地域の医師に向けて本事業について報告を行い、情報を発信しております。

 最後の「まとめ」ですが、重症心身障害児者モデル事業協議会を立ち上げ、協議会を定期的に開催し、障害児者医療の問題点、解決策を議論する場を設けました。短期入所事業拡充のため、短期入所に関する簡易なガイドブックを作成しております。保護者会やアンケート調査を行い、ニーズの問題点を明らかにしました。今後このモデル事業で立ち上げた事業を継続し、家族支援を行うことで QOL の向上につなげていきたいということです。以上です。ありがとうございました。

○大塚座長 ありがとうございました。それでは、御質問等ございましたらどうぞ。

○福岡委員 短期入所のガイドブックですけれども、通常ですと市町村に短期入所を使いたいと申し出て、そうすると、あなたに合った相談支援専門員を紹介しますよとなって、相談支援専門員が皆さんたちの事業所も集めながらどうしますかとやりながら、その中でプランを作って、支給決定の前に正式なサービス等利用計画を確定して、そのときにはもう既にこちら側の事業所は書き込まれて、その前にはもう何回も事業所を見たり体験したりということのフローがあるわけですよね。そのような本当の意味でのガイドブックとなると、直接当医に相談ください、何か診てもらえますよ、そんな簡単にはいかないと思うのです。

 恐らくガイドブックを作るときにワーキンググループでかなりもんで作ったと思うのですけど、どのようなメンバーで作ったかによって、でき方が変わってきてしまうのです。そこに市町村の担当者が入ってたか、相談支援事業所が入ってたか。当然、岐阜県というのはサービス等利用計画の作成率がかなり高い所なので、そういう意味でメンバー構成に興味があったのですけれども。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター ありがとうございます。現在まだ作成中の段階です。実際まだ完成していないのですけれど、基本的には長良医療センターの今までの流れを基にするということで、長良医療センターのメンバー、先ほど表に示したコーディネーターを含めたメンバーで、今まで 4 5 回ミーティングを行って作成しつつあるところです。そこに当然、岐阜県の障害福祉課の方にも入っていただいてと申しますか、御意見はメールでやりとりしながら作成しているところです。

○米山委員 利用計画を今作っていくときに、今回このテーマで医療の知識・技術がないとなかなかそこは入っていかないわけで、そういう意味ではセルフプラン的なところをまだまだ計画が立っていないので、いわゆる医療機関、あるいは在宅に向けてというところに、在宅支援部がこれを書き込むのをお手伝いするような形でできていく。現実的にはそんな感じですかね。地域の事業者がやってと言っても、分からない人たちがほとんどかなというイメージを持っているのです。ただ、このネットワークの 21 ページを見ると、支援機関ネットワーク図というのが、この辺りがちょうど利用計画がいろいろできてくる部分で、こういったものが全部あると、利用者さんは使いやすいなと思って拝見させていただいたのですけど。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター ありがとうございます。おっしゃるとおりで、一応、理想形としてはここに書かれていますけれど、実際、御本人さんの埋めるところもまだ十分じゃないところもありますし、我々が埋められないところも実際あるというのは確かで、今後それを改善していけたらと思っております。

○大塚座長 よろしいですか。それでは、最後になりましたが、公益財団法人日本訪問看護財団から御説明をお願いします。

○公益財団法人日本訪問看護財団 あすか山訪問看護ステーションの田中と申します。よろしくお願いいたします。お手元の資料の中にグラフ等をお入れできなかったので、御提示いただいております資料 1-1 12 ページからの資料を横に置きながらお願いしたいと思います。

 では、事業の「目的」からまいります。事業の目的は、関連職種が相互理解を深め相互の「見える化」を図る。 2 番目が、病院・施設からのスムーズな在宅移行の推進。 3 番目が、多機関・多職種連携の構築による療養生活の安定・継続としました。

 次に「地域の現状と課題」に入ります。東京都北区は人口約 33 万人の地域で、非常に下町情緒溢れる町で、写真も出ていますが、桜の名所の飛鳥山公園があります。都内で路面電車が唯一走っている地域になっているというのも有名です。

 そんな地域で現状を述べさせていただきたいと思います。「現状」は、親が必要な情報を得るための行政機関は窓口が複数存在しているとなっています。これはどういうことかと申しますと、例えばお母様たちがサービスを利用するとき、助成を受けたいとき、これから通園・通学したいといった御相談をする窓口が、行政機関の中で別々に分かれているということが挙げられます。

 次に NICU から退院した重症心身障害児は、入院していた病院に定期的に受診をしていることが多いです。病院は、資料の巻末の地図の上にマッピングをしています。病院が区内にもありますが、結構遠くの地域にも主治医を持っている。若しくは大学病院、生まれた場所が遠くに存在して、そちらに定期的な受診は通っているということが挙げられます。さらに、本区では東京北医療センターという中核医療センターがあり、 200 床以上の病院です。そちらの病院ではお子さんの二次救急を受けているという現状があります。訪問診療医は区内で小さなお子さんに対して訪問してくださっている医療機関はなく、 18 歳以上、青年期以上の重症心身障害者の訪問医療を行っている医療機関があります。

 あと北区には東京都立北療育医療センターがあって、その中でも 18 歳以上の医療的ケアがある重症心身障害者の通所に対するニーズは非常に高いと考えられています。都立北特別支援学校は、平成 19 年から学校コーディネーターを配置しています。相談支援専門員のいる事業所は現在 11 か所、本区の重症心身障害児の 1 割程度の相談支援の活動しか行われていないと言われています。訪問看護ステーションは現在 25 か所ありますが、やはり受入れは非常に少なく、依頼は特定のステーションに集中しているという現状がありました。

 次に「これまでの地域活動の経過」と書いておりますが、あすか山訪問看護ステーションの活動を通して、この事業に参加しているということで、参考として挙げております。

 次に「課題」です。課題は相談窓口の一元化、 NICU を保有する病院と地域にある小児二次医療機関との連携。更に訪問診療の充実、療育センターの通所の重要性の再認識、学校コーディネーターの周知、相談支援事業者の必要数の確保、訪問看護ステーションの受入れの拡大を挙げました。

 地図には、実際に今回の事業に関わって研修実施をしていただいた事業所とか、参加をしていただいた事業所の概況を書いております。一番下に「あおぞらこどもクリニック」のことも記載しています。実は区外ですが、区内の重症のお子様たちの訪問診療は多くのお子様が、区外からですが、あおぞらこどもクリニックから来ていただいている現状がありますので、記載しました。

 次に「モデル事業の取り組み」に入ります。実態調査の内容についての検討と、在宅重症心身障害児者支援者養成研修の内容の検討、協議会メンバーの選定が必要と考えて、 3 つの点について検討しました。実態調査の内容については、行政が把握している情報を基にした重症心身障害児者の生活実態の把握が必要と考えました。更に、支援者の実態の把握も必要だと考えました。

 次に在宅重症心身障害児者支援者養成研修の内容の検討ですが、医療、福祉だけではなく、教育を含めた支援者の研修が必要と考えました。そして、研修に参加される方は支援の実践者として実践者の方にさせていただき、より現実に即した意見を得るようにしていく必要があると考えました。

 さらに、協議会メンバーの選定ですが、行政機関の参加を必要と考えましたので、北区の障害福祉課の協力がまずは必須であると考えました。そして、在宅医療に精通した有識者に公平性、中立性、妥当性について見地を得る必要があると考えました。そして、重症心身障害児者の家族の意見の取入れが必要だと考えました。スライドに示していますが、協議会の構成機関・職種は以下のように挙げました。

 「コーディネートする者について」の、期待される役割等についてお示ししたいと思います。期待する役割としては、地域の医療と生活を総合的に把握している者であって、多職種との連携を日常的に行っている者がコーディネートを行うことによって、本事業の目的を行政機関であったり、支援研修者に理解を求めることができるのではないかと考えました。また、現行で行われている障害児支援に関わる多職種連携会議等のノウハウを活用でき、円滑な支援者研修実施を行えることが必要であると考え、職種を訪問看護ステーションの看護師とさせていただき、私と平原の 2 名で行いました。

 実践したことは、コーディネートする者として実践したことですが、生活支援協議会の開催に当たり、北区障害福祉課長への協力依頼を得ました。北区医師会長に小児科担当理事の生活支援協議会委員の選出の依頼を行いました。次に、行政担当者、在宅医療、介護支援担当者、教育機関担当者、在宅の生活支援協議会への参加の依頼をしました。その他、各種調査だったり、研修の立案、資料作成等を行ってまいりました。

 次の「実態調査」は 70 ページの資料 1 です。背景としては、本区では重症心身障害児者の数的統計が全くありませんでした。そのため、多職種連携の推進のために数量的な調査がまずは必要であると考えました。数量的調査としては、医療機関に向けてのアンケートと北区健康いきがい課・障害福祉課の課内での調査を行いました。さらに、実践している方々に対してヒアリングの調査ということで実態が把握できる調査を行ました。

 実態調査です。数量的調査の中の「医療機関調査」を説明します。区内の小児科、耳鼻科、眼科、歯科を標榜する病院、診療所等 228 か所に調査票を送付し、平成 26 10 月現在の重症心身障害児者の受療状況の調査をしました。回収率は 47.7 %、回答数が 108 機関でした。こちらは本事業として厚生労働省から委託を受けた事業ということで記載した効果もあったかと思いますが、かなり回収も良く、早く御返答いただいた経過がありました。

 結果は、重症心身障害者を受け入れている施設は 23 機関でした。受け入れている延べ人数 ( 利用者 ) 100 名となっていました。ただ、こちらに関しては重複診療が考えられますが、そちらの詳しい内容の調査までには至りませんでした。この 100 名の中で、 18 歳未満の方は 7 名で、小さいお子様の受療は少ないことが分かりました。さらに、受け入れていない医療機関のうち、受入希望があった場合、受入れが可能な医療機関はどのぐらいかとお聞きしましたら、 4 機関ということで、やはり少ない数字でした。その中の全く受け入れていない理由ですが、 1 番は設備的に困難、 2 番目は人員的に困難ということが大きな理由として挙げられていました。

 次に数量的調査の「北区健康いきがい課、障害福祉課による調査」に移ります。資料は 71 ページです。実施内容は平成 27 1 月現在の区内在住の障害者手帳を保持している重症心身障害児者数及び資源使用状況の調査をしました。

 結果は、在宅重症心身障害児者数は総数が 116 名でした。年齢分布は 18 歳未満が 53 名、 18 歳以上 65 歳未満が 62 名、 65 歳以上が 1 名となっていました。

 主な医療機関ですが、療育センターが 70 名、大学病院・ NICU を保有している病院が 31 名、地域の中核病院が 3 名となっていました。その下は主医療機関以外の医療機関です。併用して医療機関を持っている方が多いので、主医療機関ではない医療機関を尋ねています。療育センターが 28 名、地域の中核病院が 11 名、大学病院・ NICU を保有する病院が 7 名、訪問診療が 5 名、訪問看護が 13 名となっていました。しかし、訪問診療や訪問看護に関しては、実はこの北区健康いきがい課、さらに障害福祉課等の窓口で話を聞いてくださる方が保健師だったり、事務員だったり、福祉職の方だったりして、聴取できる内容に非常に格差があったと区の方から聞きました。実際に在宅で使っている訪問診療や訪問看護の実数は区で把握しているものは、余り正確性はないだろうという答えを頂いております。

 利用している公的サービスですが、日中活動系が 84 名、訪問系が 58 名、障害児通所系が 19 名で、日中の活動にサービスを多く使っていました。

 次は「ヒアリング調査」です。インタビューガイドを作成して、コーディネートをする訪問看護師 2 名がインタビューを行いました。重症心身障害児者の地域生活の実態として、利用者の重症化と高齢化、早産や低出生体重児の増加、緊急時レスパイトの不足、中途障害児者は地域支援サービスの利用を躊躇している、寝たきりの状態の利用者を家族が介護している、という実態が明らかになりました。地域の各機関と連携の方法は、連携を取っている施設に限られているということが挙げられました。多職種との連携における課題は、重症化した場合の受け入れる医療機関の確保が難しいということ。訪問看護ステーションの受入れが少ないなどが挙げられました。

 次に「実態調査」です。実態調査を実際に行った結果ですが、効果があった点、苦労した点、課題等を挙げております。調査内容は調査する自治体の職員に知識の格差があって、かなり正確性に欠ける部分も医療的な部分ではあることが分かりました。ヒアリング調査では実施者の内容のヒアリングはできたのですが、ヒアリングした当該事業者の数量的な調査にまでは至りませんでした。

 「在宅重症心身障害児者支援養成研修」についてです。背景としては、地域の多職種連携の重要性はかねてから述べられております。地域活動で顔の見える関係をもとに、更に多職種の連携の促進を図ることが必要と考えて、「多職種合同研修」と「多職種相互実地研修」を開催しました。

 次のスライドは、「在宅重症心身障害児者支援者養成研修」です。これは 81 ページですが、チラシを載せています。多職種合同研修においては、岐阜県高山で行った病院に赴いた日中一時預かりを行政機関と協働しながら行った取組の講義を、高山訪問看護ステーションの野崎統括所長にお話を頂き、それを地域の参加したメンバーでグループワークをして、情報共有や意見交換を行いました。あとは多職種相互実地研修です。

○大塚座長 すみません。まとめに入っていただけますか。

○公益財団法人日本訪問看護財団 養成研修等も行った結果、「今後の展開」としては、社会資源の確保だったり、他施設との連携、サービスの提供が重要であると考え、本協議会の継続やコーディネーターの配置、体制構築・継続のための財源の確保、社会資源確保については、本報告の結果を基に対応策について協議する場の設置を検討すると挙げました。

○大塚座長 それでは、御質問等があればお願いします。

○奈良間委員 お疲れさまです。日頃の業務と並行して取り組まれたことで、非常に御苦労が多かったのではないかと思います。日常的に事例に関することが中心で連携活動をされている中で、今回それをより組織化したり、社会化していく方向での 1 つの新しい事業モデルの提示につながるのではないかと思って伺いました。訪問看護ステーションが中心になったモデルを提示するときに、実際に取り組まれての御苦労といいますか、難しさとか、今後 1 つのモデルとして提示していくときの大きな課題などがあったら、是非御報告いただきたいと思います。

○公益財団法人日本訪問看護財団 最後にも示しましたが、こういった事業を訪問看護ステーションが中心になってやらせていただいたことで、当初はどうしても医療機関がメインになってしまったのですが、回を重ねるごとに多くの福祉職の方、さらに教育機関も連携が必要ということで、現状ではやっとその方たちの顔が少し見えてきて、少しつながりが増えたかなというのが現状です。その中ディスカッションをしていく中で、例えば中心になるものが訪問看護ステーションではなく、ほかのものがいいという意見ももしかしたらこれから出るかもしれませんが、そういった会議の場自体の設置が北区にはありませんので、それを今回入っていただいた行政機関の方に一緒に検討していただいて、機関の中に設置していただけたら有り難いというところで、今あのお話をしているところです。

○奈良間委員 是非、行政と強力な連携体制をとっていただきながら、継続に向けて今から更に発展していくことが課題なのかと思いました。

○大塚座長 よろしいですか。それでは、これで実施団体からの事業報告の説明、質疑は全て終わりましたので、各団体の説明を踏まえて、委員の皆様から各団体から提出されている最終報告書案がありますので、これに対するコメントも含めてお願いしたいと思います。これも時間がなくて、各団体 2 分ぐらいでよろしくお願いします。まず最初に南京都病院の報告書案について、コメントがありましたら、よろしくお願いします。

○田中障害福祉専門官 南京都病院からは、報告書案が提出されておりません。

○大塚座長 では、代わって南病院に先ほどの説明の中のコメント等がありましたらお願いします。案を作る上でどのようにしたらいいかということです。やはり行政の連携との課題ですよね。先ほど福岡委員が言われたのは、計画を作ることによって、それを手段として媒介として行政と関わっていくということだと思うので、計画を作ることによっていろいろな人が関わりながらやっていくということなので、これをむしろ武器として、手段として多くの人を巻き込みながら必要なものを作っていくということが。

○独立行政法人国立病院機構南京都病院 そうですね。継続性をいかに持たせるかというのが一番の課題だろうと思っています。私たちは現場の人間なので、まず現場を支える方たちのモデル事業ではありませんが、そういった研修体制をしっかりということで行政のほうは乗ってきてくださっていたのです。

○大塚座長 よろしいですか。それでは、次は千実会の報告書でよろしいですか。先ほどの説明のコメントでもいいですし、アドバイスでもいいので、報告書案も含めてということでお願いします。

○米山委員 先ほど伺い忘れたのですが、今回ナースが入ったということですが、実際の対象になった方を先ほど超重心と重心と分けてということがありましたが、今回 4 名でしたか、その対象となった方々がどんな感じだったかというのが。結局、保育所などでも人が欲しいと言われるのですが、どこまで付けたらということを行政も考えるときに、その辺が難しいなと。今回どこまで医療的ケアがあったのか、教えていただけませんか。

○医療法人社団千実会  4 名のうちで、医療的ケアがあったのは 2 名です。 1 人はパウチを付けているお子さん、もう 1 人は酸素チューブを鼻腔から付けて酸素を抱えているお子さんです。移動に関しては一番いいお子さんは四つ這いで、あとは寝たきり、座位までというお子さんたちでした。

○米山委員 呼吸器の方は。

○医療法人社団千実会 呼吸器はいませんでした。

○大塚座長 よろしいですか。それでは次に、浜松市社会福祉事業団の先ほどの御説明と報告書案も含めてお願いします。

○福岡委員 繰り返しですが、新年度から部会をきちんと実現された後は、そこに向けて課題解決のエンジンとなるように進めていっていただきたいことと、小児ケアネットワークでは、 A さん、 B さん、 C さん個別の支援チームづくりのツールとして、こうしたシートを使いながら確実に 1 人ひとりのチームづくりをしていくという動きを、地域の関係機関を集めたわけですから、信頼関係を大事にしながら作っていただきたいと希望します。

○大塚座長 次は、長良医療センターの報告と報告書案についてのコメントがあればお願いします。

○福岡委員 同じことばかりで恐縮ですが、短期入所というのはなかなかうれしいはずで、在宅の親御さんたちにとって、真に必要となる支援よりは、困ったことの受止めから実際にこのように不安になって使えていけるのですと。あなたにはこのような支援チームがあるのですみたいなことを含めた良いガイドブックを作っていただいて、モデルとしてもらいたいと思います。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター 実際に今やっているのは、今まで中にあったような看護師がマニュアルで使っているようなものを、実際のガイドブックに持っていったりしようということをやっているのですが、それですと、岐阜県全域にお配りするには、それぞれの事業所の事情もありますし、なかなか難しいところがあるので、そこをどのようにノーマライズするかということに苦労しています。

○福岡委員 医療型入所や医療機関の短期入所を使うとなると、受給者証には支給決定サービスに医療型短期入所が書き込まれていて、正式案にはどの事業所を使うかも書き込まれているわけです。その時点ではサービス担当者会議も行われています。サービス担当者会議が行われるということは、既に A ちゃん、 B ちゃん、 C ちゃんの事情もよく知っていて、利用される御家族や子供も実際に見ている、体験している、あるいは様子を見ているという前さばきがあって、「そちらの病院の短期入所を使いたいのですが」というところからスタートするわけです。

 そこの流れの中で「使いたいのですが」という相談があるときには、既に事情も分かっている、その方のアセスメントもできている、個別資料もできているという状態だという、そこを大事にしていただくということだと思います。そうなると、例えばセンターの看護師、看護師長、現場の介護される方たちは事前に A ちゃん、 B ちゃん、 C ちゃんの支援会議に出ているわけです。今の流れでいくと、そうでなければ効果を発揮しないというところからのガイドブックという作り方ということです。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター このガイドブックの目的は、まずは短期入所に関わる事業所を増やして、短期入所というのはこういうものだ、そんなに心配しなくていいという形で、事業者に、まず入口をスムーズにしていただくという目的もあります。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター 補足しますと、……としては相談支援設門事業所というのが、パーセンテージでは計画相談がたくさんできているのですが、中身の問題では、まだ医療的ケアについては難しい。そこで来年度は看護協会に依頼して、そこにコーディネートということで相談事業所と連携する会議を持って、医療的ケアについての更なる浸透というか、学習をしていきたいというのがありますので、そういうのも含めてです。

 ガイドブックに関して言いますと、長良しかもともとなかったので、ほかの県立の施設も長良の短期入所のマニュアルを使ってやっていた。その流れで岐阜はきているということですので、先生がおっしゃられるような相談支援専門員の流れと、サービス担当者会議の流れのような形でのマニュアルも考えてみたいと思います。

○田村委員  43 ページ「短期入所、レスパイトケアについて」の調査結果ですが、年齢が低い方たちは、医療ケアが高い人も医療ケアが低い人も「利用したいができない」というのが一番多いという結果になっています。どういう内容なのかということについて、どなたがこれを回答したのかということが分かっているのであれば、二次調査、場合によってはヒアリングをして、今のシステムの問題点なのか、それとも家族の側の望まれることが非常に高すぎて、そういう条件では施設側が受けられないのか、その辺の分析をしていただくことが非常に大事ではないかと思いますので、是非、よろしくお願いします。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター ありがとうございます。御指摘のとおりだと思います。そこについては報告書にも反省点として書いたのですが、理由という所は小さすぎたのか、ほとんどの人が理由として回答を寄せていただけなかったので、そこは二次調査なり何なりを考えさせていただきたいと思います。

○大塚座長 些末なことですが、報告書案に、参考か何か資料に、ほかにも写真が大きく出ているのですが、あれは多分適切ではないので、説明に必要なものの大きさと、それについてきちんと説明の必然性があって初めて成り立つもので、写真は報告書としては低くなってしまいます。

○独立行政法人国立病院機構長良医療センター 分かりましました。ありがとうございます。

○大塚座長 それでは、最後に日本訪問看護財団の方の説明と報告書案についてのコメントがありましたらどうぞ。

○米山委員 私は北区の隣の板橋に行っていますが、特別区というか、都市の中というのはなかなか難しいというのは、本当にこのアンケートで分りました。例えば北区の人口は 33 万人ですから、単純に 116 人で計算すれば 1 万人対 3.5 と大体同じだなというのが見えたのは、すごいなと思うのと、医療機関が成人になっても療育機関で 7 割はずっとそこで抱えているのだということがあって。私どものセンターも在宅の方で呼吸器は 40 台も抱えているのですが、抱え込み過ぎという反省をしていて、年齢の低い時期から地域にということを、今回こういう相談事業とも合わさると、そういうことができたらと思います。

 北区は 5キロ 圏内とか、 10キロ 圏内にも大学病院がたくさんあってという都市の特別な部分があるので、どうしても親たちもその地域から別の所にという利用が多いので、本当にその辺の難しさはコーディネートしていくところではあります。私どもの医師会、板橋の医師会も含めて、行政もとやり始めると、意外にネットワークは中でもできるなと思うので、その辺のつなぎ方の部分というか、その御苦労は幾つか書いてはあると思いますが、その辺りを今後どう展開するかを何か書いていただくといいかと思います。

 実際に専門家がその周辺にたくさんいるので、そういう意味で今度コーディネーターなりを作り上げていくには都市のほうが。マンパワーとしては相談支援員も、コーディネーターになるナースもすごく豊富にいるものですから、その辺のモデル的なものを今後つなげるような形で作っていただけるといいと思います。ナースは大勢いると思いますので、是非是非使えばいいと思います。

○大塚座長 あとは残っている所はありませんね。全ての所にコメントがありましたら、お願いします。

○福岡委員 私は委員の立場だったので、しっかりしゃべらなければと思ってしゃべりまして、いろいろなことを聞いてしまって申し訳なく思っています。実質 4 か月の中でこういうモデル事業をやったのは、とても御苦労が多かったと思います。やはり 4 か月となると、まずはどうしても関係機関のお見合いで、まずは実態調査をしてみよう。あと、それぞれのモデル事業の医療機関が持っている専門性というか、医療的ケアについて、関係機関に知ってもらおうというようにせざるを得ないということは、私も 3 年間のモデル事業を見てきて、つくづく感じました。

 今回のモデル事業だけの所ではありませんが、それぞれの所は、地域の関係機関からすると、とても大きなステータスを持った拠点で、そこが関係機関を集めてくれるというのは、必ず集まってくれるわけです。必ず集まってくれるという信頼関係の中で、このモデル事業が終わったときに、皆さんは来年度はどうなるのだろうと期待を持っているわけです。その中で私としては、年何回かの協議会ではなくて、その中で実務担当者で解決したいと願っている方たちに課題を 1 つ用意して、ワーキンググループを頻繁に開いてもらって、何か成果物を作ったというところに信頼関係として踏み込んでいっていただきたいと思います。

 私がもしこういうモデル事業を任されたら、実質夏以降から何をしろというのかといったら、それは大変だと思うので、報告書をまとめられること自体も 1 人ずつだったらとても大変だったと思いますが、足場である地域の関係機関が馳せ参じたという信頼関係を、来年度以降つないでいただきたいと思います。

○大塚座長 まとめをありがとうございます。それでは、時間となりましたので、以上で各団体に対する最終報告書案のヒアリングを終了したいと思います。御協力、誠にありがとうございました。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 先に事務連絡があります。まず事業報告書の提出等について御連絡があります。各団体の皆様方におかれまして、補助金の交付要綱、経費の関係ですが、こちらの事業実績報告書につきましては、期間が短くて大変恐縮ですが、 3 31 ( ) までに御提出いただければと思っております。また、取りまとめていただいた事業報告書につきましては、本日の検討委員からのコメントも踏まえて、今後、報告書の記載内容、又は追加・修正をしていただき、 4 10 ( ) までに御提出いただければと思います。

 今後、提出いただいた事業報告書を基にして、検討委員会の報告書として取りまとめていくこととしておりますが、取りまとめに当たりまして、また事務局から各委員の方々、各団体の皆様方に確認等をお願いすることもあるかと思いますので、その際には御協力をお願いいたします。

 第一部はこれで終了となります。実施団体の皆様方におかれましては、お忙しいところ、ヒアリングに御対応いただきまして、どうもありがとうございました。この後は第二部の意見交換会になりますが、傍聴していただくことは可能ですので、御都合のつかれる方につきましては、傍聴席に移動いただければと思います。連絡事項は以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。ただいまより、重症心身障害児者の地域生活モデル事業の意見交換会ということで、 30 分ほどお願いします。まず初めに、この意見交換会の進め方につきまして、事務局より御説明をお願いします。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。この意見交換会におきましては、平成 24 年度から平成 26 年度まで実施したモデル事業の取組におきまして、協議の場、コーディネートする者の重要性、また、多様な取組や御報告を頂いています。

 このモデル事業の 3 か年の成果としまして、今後、全国展開等するために必要な協議の場、又はコーディネートする者の役割等について、委員の皆様方より御意見を賜ることを考えていまして、このような場を設けさせていただきました。このモデル事業の取組を踏まえまして、今後の重症心身障害児者の地域支援体制の一定のビジョンを示すことができればとも考えて、重症心身障害児者の地域支援体制の在り方についても皆様方から御意見を頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。

○大塚座長 それでは、意見交換会の資料を何枚か用意していただいていますので、簡単でいいから説明をしてください。

○田中障害福祉専門官 資料について簡単に御説明いたします。資料 2 は、平成 24 年度~ 26 年度のモデル事業の概要図です。このモデル事業では、重症心身障害児者やその家族が地域で安心して暮らしていくための先進的な取組を 14 か所で実施していただきました。

 また、資料 3 は、モデル事業において認識された課題と主な取組についてまとめた表となっております。課題 1 「地域における資源や重症心身障害児者のニーズの把握が不十分」という課題に対しては、地域の重症心身障害児者の実状やニーズを把握できる資源マップの作成などが行われました。

 課題 2 「在宅重症心身障害児者を地域で支援するための連携体制や福祉と医療等の関係機関をつなぐコーディネーターが不在」という課題には、相談支援専門員等の地域の中核となる者をコーディネーターとして配置したり、関係機関で情報等を共有するためのツールを開発する取組などが行われました。

 課題 3 「重症心身障害児者の受入経験がない等により地域資源の活用が不十分」という課題には、多職種間の相互交換研修によるノウハウの共有や、ノウハウを持った施設等による出前研修、レスパイト施設を充実する取組などが行われました。

 課題 4 「在宅重症心身障害児者の家族の負担が大きく、また家族が地域で孤立しやすい」という課題に対しては、保護者の学びの場や交流会、きょうだいキャンプの取組などが行われました。

 続きまして、資料 4 は前回も提出した資料ですが、 3 年間のモデル事業で取り組まれてきた、在宅重症心身障害児者の地域支援体制の図です。この体制では、福祉と医療を連携させ、各機関・団体をつないでいくコーディネーターと協議の場が重要な要素となります。そこで、コーディネーターとしてはどのような人が適切で、どのような役割が期待されるか、協議の場はどのような効果が期待され、全国展開にはどのような課題があるかといったことを、前回の第 1 回意見交換会で御議論いただきました。その主な意見が資料 5 となります。以上、ここまでの資料が平成 24 26 年度のモデル事業の総括に関する資料となります。

 次に、資料 6 を御覧ください。平成 27 年度予算で、重症心身障害児者支援体制整理モデル事業を要求したところです。従来のモデル事業では、地域における関係機関同士のネットワークを作成し、重症心身障害児者に対する支援を円滑にするための市町村又は障害保険福祉圏域レベルの取組までを対象としていましたが、平成 27 年度事業からは都道府県レベルで重症心身障害児者支援センターを設置し、そこに配置されるスーパーバイザーが、市町村又は障害保険福祉圏域レベルのネットワーク構築をバックアップしていく取組を対象とする事業となっております。

 例えば昨年度のモデル事業で、北海道療育園では、周辺市町村の名寄市等に地域生活支援を波及させるために、職員の交換研修や出前研修、協議会設置などを進めました。都道府県等と障害児入所施設等が手を組みながら、このような取組を実施していただくことを想定しております。

 事務局としては、今までのモデル事業の成果や意見交換会の御議論を踏まえまして、このような課題意識の下、予算要求を行いましたが、何か不足している要素があれば御意見を頂きたく存じます。なお、この意見交換会での議論の内容は、モデル事業の報告書の最後の考察・提言部分に掲載する予定ですので、御了承ください。事務局からは以上です。

○大塚座長 ありがとうございました。このモデル事業を 3 年間やってきて、皆さんの協力の下に体制整備事業の予算化というところまできたので、本当に有り難く思います。つきましては、この 3 年間の総括と、それから、新たに行われる体制整備事業の内容の充実のためにこんなポイントがあるのではないか、ということをフリートーキングで少しお話いただければと思います。

○福岡委員 重症心身障害者のセンターが、都道府県レベルで設置されるという期待で参画させていただいたので、平成 27 年度に向けてこのような予算獲得を含めてできていけそうだということがとてもうれしく思います。

 ただ残念なのは、この 3 年間のモデル事業がちょうどサービス等利用計画 100 %と被っていた時期で、私はそのときに、相談支援専門員が生活を組み立てる核となって、その中で、 A ちゃん、 B ちゃん、 1 人でもいいからその支援体制のミクロな部分を作り上げた、という実例が 1 つでも出てくれればというのが期待だったのですが、なかなか難しいのだなと感じましたが、少なくとも 4 月以降はそういうことは言っていられないのです。

 そうなってくると、都道府県レベルのセンターにお願いしたいことは、都道府県レベルのセンターが県内の各市町村や圏域のそれぞれのエリアに、生活支援を組み立てるチームと医療支援を組み立てるチームの、そういった関係機関のネットワークづくりをしてほしいという。重症心身障害で医療的ケアが必要な方たちに対しては、生活を組み立てる専門家チーム。あと、医療スキルといいますか、医療的ケアスキルをしっかりとぶれないようにやる専門家チームの 2 つが必要だと思うので、そういうチームを各圏域で作っていくことの専門性。そのときに、拠点とか基幹病院から地域生活移行される重心の子供さんたちが、どのようなフローで地域に移っていけるのか、そのスタンダードを見せていただく。

 恐らく空中戦のようなことはとてもできないので、実際に入院している状態を見ていただく。その中で、地域の関係機関、私はこの部分を応援する、私はこの医療支援をしっかりと形作るためにキーパーソンになることを、心づもりで見ながら、地域に戻った後どのようなチームを作るかのフローといいますか、雛形のスタンダードを作っていただくと。そのときは、地域においては自立支援協議会の重心部会や子供部会が足場になるはずなので、そことの連携は確実にやっていただく、頻繁にアウトリーチしていただく。都道府県レベルにおいては、都道府県自立支援協議会とほぼ重なる集まりなので、もし都道府県にそういう協議会がなければ、都道府県レベルでの自立支援協議会重心版ということで、しっかり作っていただくことをお願いしたいと思います。

○田村委員 この事業は、非常に意味があったと思いますけど、結局、最後まで課題として残ったのはコーディネーターを誰がやるかです。相談支援専門員の方は少なくとも現状では、 NICU から、高度医療ケアをもって退院していくようなお子さんを、単独でコーディネートするのはなかなか難しいのが現状です。今回は保健師さんとのペアで試みられた事業所もありましたし、同じ福祉の中でも比較的医療に強い所とそうでない所が複数でペアで行うとか、若しくは協議会という形で、医療と福祉の人がちゃんと入る所でやることが必要だと思います。

 ただ、それがボランティア活動としてされていたのでは継続性がないので、そこに対して、そういう相談支援専門員の方が、計画表を書き上げる前の段階のコーディネーターの会議に参加したり、退院支援調整会議とかに行ったときにも、きちんと経済的に保証されなければ、現在の制度で保証されている収入ベースでは相談支援専門員の方が、医療的ケアまでいろいろと勉強する動機付けにもなかなかならないのではないかと思いますから、そういったことに関して、行政の側も是非考えていただきたいと思います。

 あと、やはりレスパイトの保障が必要です。先ほど、レスパイトなど要らないという家族も結構いるという結果も出ました。でも、それは恐らくそれなりの背景があって、今の短期入所の内容では本当のレスパイトにならないというようなことがあるのではないかと私は思います。施設側の立場からすると、施設が短期入所で受け入れたときに、 3 歳以下の子供や人工呼吸器を付けているような子供を短期入所で入れますと、それ自体、赤字がどんどん増える結果になるという現状があります。恐らく都道府県単位でそこの所にサポートを、特別な手当を補助金として出している所以外は全て赤字覚悟でやるか、やはりそういうことは無理だということで受入れを拒否している状況になっていると思います。長続きさせるためには、是非そこのところを実態に合わせた、現場への経済的な保証がきちんとあるというシステムづくりも、行政の側で考えていきながらこの事業を進めていただければと思います。

○米山委員 今、田村委員からきましたが、現場で見ていると、バックのベッドといいますか、レスパイトできるという、そこがなかなか厳しい、少ないのが現状です。ただ、いわゆる医療費、保険診療のほうで入院しながらというのは、小児などの病棟あるいはベッドを持っている所は、都内についてはかなり大きい所も、実はワクチンとか、喘息とか、そういう治療がどんどん進んだがゆえに、それは有り難いことなのですが、入院が随分減っているので、そこの隙間を使って、呼吸器を付けていると呼吸不全ですし、実際にはそういう医療入院はかなり始めているのですね。そこは地域と組みながらいろいろやっていくのが、今は 23 区内でもどんどん進んでいるのですが、それはそれのバックベッドをしっかり保証するために、診療報酬と福祉のところはうまい具合に調整していただければいいと思います。

 多分、小児科学会等、本体からそういう要求も来年度というか平成 28 年度に向けて出るとは思いますが、そういったところの保証をしておかないと、こことここを利用できますと言っても、空いていませんというのがあるので、そこらは後ろ盾をしっかりしていただきたいのが 1 つです。

 もう 1 つは、相談支援事業等々を考えたときに、児童のことで考えてみると、今よく言われる発達障害も含めてというと、相談支援のほうで学齢で 6.5 %、あるいは就学前で 10 %近いところで受給者証が出るというと、そこだけでかなりの数を負われて、今の重心の割合の 1 万対 3 から 4 という数ですので、支援事業で計画を立てると数は少ないので、そういう意味では、やはり県とか大きい所がしっかりバックアップできるというシステムづくり。ここに書いてありますように、システムづくりは大事ですし、医療のニーズをしっかり把握して、丁寧に計画づくりをお手伝いできるという、やはり両方のものを持った形で、セットでできればいいのではないかと思います。

○大塚座長 ありがとうございました。

○奈良間委員 今日の御報告を幾つか伺って思ったのですけれども、例えば、浜松市の御報告の中で、育児ストレスで出てきた結果というのは、もともとこれは健常児をベースにして開発された尺度ですが、こういった特殊な状況にある親御さんのストレスを確実に把握できることに気づかされます。負担感が余り出にくいことの考察として、育児の 1 つとして捉えているのではないかというような御報告もありました。そういったことを考えていきますと、専門職としては医療とか福祉ということで、専門家の視点で組み立ててまいりますが、御家族としては育児の延長で、御自身の子供のケア、子育てという感覚にあることが改めて確認できたように思います。それは理念としても、具体的な方法としても、両方が関係すると思いますが、その辺を事業全体の大事なこととして位置づける必要があるのではないかと思いました。

○大塚座長 ありがとうございました。センターのところに、支援者とかコーディネーター、スーパーバイザーとかいう言葉が出ていて、国はこの人たちの育成をどう考えているのですか、全国レベルにおいて。それぞれの地域でまたやっていただくと思いますが。

○田中障害福祉専門官 平成 26 年の今年度、厚生労働省の障害者総合福祉推進事業の中で、在宅重症心身障害児者を支援するための人材育成プログラムを開発しております。こちらでテキストもほぼ作成できて、幾つか現物があるので回覧しますが、このようなプログラムをこのようなセンターで実施していただくことを考えております。

○大塚座長 また来年度から、それとともに養成ということも含めて動き出すわけです。全体としていかがでしょうか。あと、センターの機能、コーディネートの話は何回も出ていますが、もし違う視点からありましたら。何かありますか。

○米山委員 相談支援というところを見ると、子供も日々成長して変わっていくので、なかなかプランが、毎回新しいお子さんを見るくらいの感じになってしまうのですね。やはりこの医療的ケアの方たちも日々変わっていくので、そういった意味で、相談支援をする側とすると、なかなかその辺は、発達障害のお子さんを 1 人見ると、またかなり違うのだろうと。その辺りは、何らかの支援を行政がやる、あるいは、そこが保証できるような形を考えられればいいと。

○福岡委員 センターのコーディネーターの方は、病院があって地域でなくて、地域の中に我が病院があるという視点に変わっていくので、当然、病院内のスタッフの人たちの見方とリフレーミングされた見方になってしまうので、何となく病院内のスタッフの方たちが、こういった方を受け止められないとか、病院の現場だって知ってくださいよ、となってきたりすると股裂き状態になるのですね。そうすると、そういうコーディネーターの方は、大変だと思いますが、私の所属している病院自体が何とか生活モデルに生まれ変わってくれないと難しいという課題をすごく背負い込むのです。

 そうすると、そういった方の置き場所とか部署、保障といいますか、そこがきちんとしていないと、アウトリーチはしているが自分のお膝下はお寒い状況になってしまって、そうは言っても医療のほうではとてもとか、外ばかりやらないで中を頑張れとなってしまうので。こういう意味では、その方のポジションや位置付けはとても重要だということも、環境整備ではお願いしたいと思います。

○大塚座長 よろしいでしょうか。それでは、ほかに御発言がなければ、これで意見交換会は終了させていただきます。最後に私のほうから、本日のヒアリングの内容についてまとめたいと思います。それから、今年度はこれが最後で一言ということで書いてありますので、平成 26 年度、どうもありがとうございました。おかげ様で、皆さんの協力の下で 3 年やってきて予算化に結びついたわけで、これから発展ということで。ただ、発展はいろいろと課題があって、ゼロからのようなところもあります。多分、センターとかコーディネーターの方はまずは誰がなるかと、非常に大きな課題があるのですが、その人の仕事をきちんと確保していただかなければならない。その仕事の内容を段々と現場で確立して、大きなものにしていくとともに、多分、体制整備にも関わるので。この辺からは発達障害者支援センターの職員とよく似ているのですが、直接な支援から行政的な手腕において、重症心身障害の方のための地域の体制を作っていくことなので、これは行政的手腕ということで自立支援協議会でやるのかな。

 いずれにしろ、そういうことも含めてチームでやっていかなければならないという大きな課題があると思います。ですから、見守りながらそういう人を育てることに私たちも協力していきたいと思います。ただ、どちらにしても、体制整備という名の下に、重症心身障害児者の地域生活ということがきちんと位置づけられたことは、小さいものではありますが、大きなことだと思います。これはこれから大きくすることによって、重症心身障害の方が地域で生活できる、御家族が安心してということを目指していきたいと思います。

 どうも御協力ありがとうございました。感謝します。今日のモデル事業の発表の方もどうもありがとうございました。また地域で頑張ってください。それでは、事務局に返します。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 分科会の閉会に当たりまして、厚生労働省障害福祉課障害児・発達障害者支援室長の竹林から御挨拶申し上げます。

○竹林障害児・発達障害者支援室長 室長の竹林です。本日は御多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございました。各団体の皆様方も、本当に短い期間の中で創意工夫のある事業をやっていただき、どうもありがとうございました。先ほど福岡委員のほうからもお話がありましたが、是非これをきっかけにして、今後も取組を続けていただければ幸いです。委員の皆様方におかれましても、貴重なお時間、貴重な御意見を頂き、本当にありがとうございます。

 この会議の中で、重症心身障害児者に対する支援につきましては、様々な課題があることを改めて認識させていただきました。もちろん人材の養成もそうですし、医療と福祉の連携が本当に必要な分野ですので、相談支援専門員が活躍しなければいけないのですが、医療ケアが入るために難易度は高くなりますので、なかなか対応が追いつかないのが現状かと思います。そういう意味で、課題のことだけを考えると非常に暗い気持ちにもなり得るのですが、逆に言えば、これから発展していく伸び代がすごく大きな分野だと思いますので、これは現場の方々と行政が一緒になって頑張っていく分野だと改めて認識をした次第です。今日の御意見を踏まえまして、平成 26 年度の事業のまとめと、それから、今後のモデル事業にも生かしていくような形にしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

○川島障害児・発達障害者支援室長補佐 これをもちまして分科会を閉会させていただきます。御多忙中のところ、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課
障害児・発達障害者支援室 障害児支援係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2
電話: 03-5253-1111(内線3037)
FAX: 03-3591-8914

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 平成26年度重症心身障害児者の地域生活モデル事業検討委員会> 平成26年度発達障害・重症心身障害児者の地域生活支援モデル事業検討委員会 第2回重症心身障害児者の地域生活モデル事業分科会及び意見交換会(2015年3月19日)

ページの先頭へ戻る