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2015年1月9日 第12回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会

健康局結核感染症課

○日時

平成27年1月9日(金)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○議事

○石田室長補佐 それでは、定刻になりましたので、第12回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。

 本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。

 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。

 続きまして、出欠の状況について御報告いたします。

現在、委員全員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 なお、本日の参考人として、筑波大学附属病院副院長須磨崎参考人、国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長溝上参考人、国立感染症研究所ウイルス第二部長脇田参考人に御出席をいただいております。

 それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席表、資料1〜7、参考資料1〜5と各委員からの審議参加に関する遵守事項の申告書を御用意しております。

 配付資料一覧を御確認いただき、不足の資料等がございましたら、事務局にお申し出ください。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○石田室長補佐 それでは、ここからの進行は岡部部会長にお願いいたします。

○岡部部会長 おはようございます。それから新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 おそらくこれから何回もやることになると思いますので、今年もぜひ闊達な議論をよろしくお願いいたします。

 それから、今日は参考人として、須磨崎先生、溝上先生、脇田先生がお出でになっておられます。お忙しいところありがとうございます。参考人の方も御意見がありましたら手を挙げて、ぜひ自由におっしゃっていただければと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、早速開始したいと思うのですけれども、まずは恒例でありますが、事務局から審議参加に関する遵守事項についての報告をよろしくお願いします。

○石田室長補佐 審議参加の取り扱いについて御報告いたします。

 本日御出席いただきました委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取り状況、申請資料への関与について申告をいただきました。

 各委員・参考人からの申告内容については、机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の審議事項は、B型肝炎ワクチン、財団法人化学及血清療法研究所、MSD株式会社、日本脳炎ワクチン、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究会を予定しております。

 本日の出席委員の寄附金等の受取り状況から「退室」に該当される委員はいらっしゃいませんが、中野委員がB型肝炎ワクチンの審議の際に「議決に参加しない」に該当いたします。

また、庵原委員と中野委員が日本脳炎ワクチンの薬事承認に係る申請資料に関与、宮崎委員がB型肝炎ワクチンと日本脳炎ワクチンの薬事承認に係る申請資料に関与されていますので、宮崎委員がB型肝炎ワクチンと日本脳炎ワクチンの審議時に「退室」、庵原委員と中野委員が日本脳炎ワクチンの審議時に「退室」に該当することから、この取り扱いについてお諮りいたします。

 なお、このほか「退室」や「議決に参加しない」に該当される委員はいらっしゃいません。

 以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 ただいま、事務局からの本日の審議参加についての説明がりました。庵原委員と中野委員が日本脳炎ワクチン、それから宮崎委員がB型肝炎ワクチンと日本脳炎ワクチン、それぞれの申請書類に関与しているということがありました。参加規程によると「退室」ということになっておりますけれども、この部会でも、部会そのものが必要と認めた場合には、専門家の立場で、もちろん公平な形での意見を述べていただくことができるとなっております。

そこで、庵原委員と中野委員は議題1、宮崎委員は議題1と議題2の議決には参加していただけないことになりますが、これまでの御経験あるいは専門家としての御造詣ということで、審議には参加いただいて意見をいただきたいと思いますけれども、如何でしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岡部部会長 ありがとうございます。

 それでは、これについては委員の方の御了承をいただいたということですので、宮崎委員、庵原委員、中野委員、よろしくお願いいたします。

 それでは、議事次第が本日、B型肝炎ワクチン、日本脳炎、報告事項、その他となっておりますけれども、早速B型肝炎についての議論を行っていきたいと思います。

 B型肝炎ワクチンは今までも、この委員会の前から議論を行ってきたわけですけれども、その際にも母子感染あるいは水平感染の国内における実態とか、肝炎ワクチンを使用するときに当たって我が国ではジェノタイプが変わってきつつあるのではないかというところから、ワクチンの有効性についてなどの課題がありましたが、主に須磨崎先生の研究班が構成されているということがあったので、その研究班の成績をまとめていただいてから、この委員会の中でもう一回議論をするという形になっていたと思います。今日は、その結果を含めて整理した資料について説明をいただいて、その後に須磨崎先生御自身からも御発表いただいて、それから議論といきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初は資料1、参考資料1ということで、事務局、氏家補佐から説明をお願いします。

○氏家課長補佐 それでは、資料1をお手元に御用意ください。

 資料1「B型肝炎ワクチンの技術的検討の経緯」ということで、昨年度2回の審議会でこの議題を審議していただきましたが、これまでの背景とここまでの検討事項について、事務局から簡単に御説明させていただきたいと思います。

 1ページおめくりいただいて2ページ目の「B型肝炎ワクチンに関するこれまでの経緯」ということで、日本国内においてB型肝炎対策として、1986年に母子感染防止事業が始まりまして、公費にて垂直感染防止の事業が開始されました。現在は、ワクチン接種に関しては保険適用で、こういった事業が続いているという状況でございます。

 世界的に見ますと、1992年、世界保健機関がB型肝炎ワクチンのユニバーサルワクチンということで、出生直後に全ての方に接種を行うということを提唱しまして、2013年末までには183カ国で乳幼児の予防接種が導入されているという状況があります。

 国内においてB型肝炎ワクチンの議論は、2012年、第二次提言の中で「医学的・科学的観点からは、広く接種を促進していくことが望ましい」という提言をいただいております。

 また、2013年、予防接種法改正の際には、法律案に対する附帯決議において、安定的なワクチン供給体制や継続的な接種に要する財源を確保した上で、定期接種化の結論を得るように努めることとされているところです。

 3ページ目には、第二次提言の概要が記載されてございますが、「3.予防接種法の対象疾患・ワクチンの追加」の1つ目の○で太字になってございますが、7ワクチンのうち現在定期接種化されていないものとして、おたふくかぜ、B型肝炎がございます。これらのワクチンについて広く接種することが望ましいという提言をいただいているという背景がございます。

 4ページ目は、WHOが公表している世界地図でございまして、乳幼児期にB型肝炎3回の接種を実施している国を色分けしているところでございますが、多くの国で導入しているワクチンが、日本では垂直感染予防の対象者を除いて、導入されていないということが示されています。

 続きまして、昨年度2回の審議において、これまで検討した事項、そして決定した事項について御説明させていただきます。

 これまで主に5つの観点で議論をしていただいていますが、6ページ目に「1.小児期におけるB型肝炎の疾病負荷について」とういうことでして、近年における小児のHBs抗原陽性率に関する報告が、かなり低いものから0.15%というものまでさまざまでして、水平感染の集積等による研究対象の地域差といった影響も受けやすいという指摘がありました。

 また、過去の感染を示すHBc抗体陽性率の小児の値というのは、なかなかデータがないということで、下に示してある内容がこれまでの結論ですが、ユニバーサルワクチンの導入が望ましいと考えられるものの、実際に導入するにはさらなる実態解明と評価が必要とされるということで、一つの課題として残ってございました。

 7ページ目の「2.接種開始時期について」ですが、ユニバーサルワクチンが出生直後に予防接種を開始することを提唱しているわけでございますが、日本では現在、規定上、BCGが接種可能となっていますが、出生直後に接種を開始するような定期接種の対象ワクチンが標準的にはないというところでございまして、出生直後に接種を行うことに対する長所・短所といったものを議論していただいた上で、また、今後のワクチンの混合化を進めるといった観点から、結論としましては、小児期における水平感染の疾病がより明らかになり、国民に広く接種の機会を提供する場合には、標準的には生後2カ月からの接種を開始することという結論を得ています。

 8ページ目、「3.小児期での接種終了後の思春期での追加接種について」ということで検討をいただきました。3回接種で1シリーズの接種を終えた方がさらに期間をおいて追加接種を行う必要があるのかという観点でございますが、これまで多くの国で導入しているワクチンの疫学的な評価を見ると、急性肝炎の発症に関する予防接種の長期的な予防効果というものが示されている一方で、予防接種後もB型肝炎感染のリスクは否定できないという意見もございました。ワクチンによる感染予防効果とその長期的な臨床的意義というものは、まだまだ議論があるというところもございます。

 現在においては、多くの国でこういった小児期の接種、終了後の追加接種というものを公費で行っている国はあまりないという状況もございます。

 結論としまして、小児期で接種終了後の思春期で追加接種を行う必要性は、現時点においては低いという結論でございまして、先行する諸外国の知見を参考にしつつ、引き続き検討をする必要があるということで、現時点においてはこういった追加接種の必要性が低いという結論をいただいております。

 9ページ目の「4.国民に広く接種機会の提供を開始する際に時限措置としての対象者の拡大対応の必要性について」という議題でございました。

 1番目の議論と同様になりますが、小児期における年齢別の水平感染のリスクは明確にわかっていないということもございまして、結論としましては、可能であれば明らかな水平感染のリスクがある年齢層にまで対象者を拡大することが望ましいと考えられるものの、小児期における水平感染の実態をより明らかにする必要があるということで、これも一つの課題ということで残っている状況でございます。

10ページ目に「5.B型肝炎ワクチンの違いについて」ということでございまして、今、国内で流通しているB型肝炎ワクチン製剤というのが2種類あり、ワクチンの抗原となっているウイルスの遺伝子型がAとCの2種類のタイプがございます。広く国際的に使用されている遺伝子型Aのワクチンについては、動物モデル、そして疫学的にも異なる遺伝子型のウイルスに対する予防効果が実証されているというところでございますが、主に日本国内で使われている遺伝子型Cのウイルス株のワクチンについては、まだ生体内での効果が実証されていないということで、ほかの遺伝子型ウイルスに対する予防効果を明らかにする必要があるということで、最後の課題として残っていたところでございます。

 最後に11ページ目に、これらの残された課題につきましては、厚生科学研究費補助金肝炎等克服政策研究事業「小児におけるB型肝炎の水平感染の実態把握とワクチン戦略の再構築に関する研究」を筑波大学の須磨崎先生を中心とした研究班で実施していただいておりまして、そちらの研究班から一定の研究結果が出たということで、資料2で御説明していただく予定になっております。

 事務局からは以上です。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 一応、各先生も含めて御意見をいただいてから、まとめた上での議論にいきたいと思いますので、この次は須磨崎先生から御説明をお願いします。

○須磨崎参考人 お手元の資料2を見ていただけますでしょうか。

 そこに書いてありますように、厚生科学研究として「小児におけるB型肝炎の水平感染の実態把握とワクチン戦略の再構築に関する研究」が現在行われております。その研究代表者を務めております、筑波大学小児科の須磨崎と申します。

 この研究結果は、班員の先生方が力を合わせて行っていただいた成果でありまして、以下の報告では、個々の先生のお名前の紹介を省略させていただきますが、これらの先生方に深く感謝しております。

 次のページに、今、厚労省から御説明がありましたように、主に2つの点で研究が必要とされております。

 1つは、小児の疫学調査ということを含めた小児の感染実態を調べてほしいということでありまして、そのことについては「小児におけるB型肝炎ウイルス感染の大規模疫学調査」ということで、本資料のP3〜P7にその概要を記載させていただきました。

 また、これと同時に、血液センターにおいて若年初回献血者がやはり同年齢層の感染実態を示すと思われますので、その成果をP8〜P16に記載しております。

 次の課題として、ワクチンが異なる種類のウイルスによってつくられているわけですが、その効果を知るということで、動物実験の成果をP17〜P22に、実際に人に使った場合の効果ということをP23〜P26に記載させていただきました。

 では、3ページ目で、まず疫学調査の結果を御説明させていただきます。裏側の「対象と方法」のページを見ていただけますでしょうか。

 健康小児から採血する機会は限られておりますので、以下の1)〜4)の集団について検討いたしました。

 1)は小学校4年生で行われている小児生活習慣病健診の残余血清を用いた検討です。これらは健常小児をよく反映する集団ですが、一部地域でのみ行われているため、さらに広い地域の実情を明らかにするために、2)〜4)の集団を対象に検討いたしました。

 2)は、国立感染症研究所の血清銀行の検体であります。

 3)は、成人ではB型肝炎が比較的多いとされている大都市・北海道・九州地方などで小児の病院受診者の残余結成を用いた多施設の共同研究です。

 4)は、名古屋市立大学附属病院の小児患者で、診療のために行われたB型肝炎検査のまとめです。

 それぞれの検査数及び年齢、測定方法はスライドのとおりです。

 次のページ5で、結果に入らせていただきます。

HBs抗原陽性者の成績です。右端の名古屋の結果は、大学病院受診者でHBs抗原検査が行われた患者様が対象であります。従って、陽性者には母子感染例、水平感染例、輸血後肝炎例が含まれていました。

 そこで、B型肝炎を疑われていない健常小児を反映した集団として、左側の岩手県、茨城県、血清銀行、多施設共同研究の結果をまとめてみますと、検査総数は1万2,190人にのぼりました。このうち3名で陽性者があり、HBs抗原の陽性率は0.025%でした。

 一方、一過性感染を示唆するHBc抗体については、1万390人検査をいたしましたが、51人が陽性であり、陽性率は0.49%でした。

 スライドと次の6ページで、HBc抗体陽性者の地理的分布を見ますと、いろいろな市町村に散在しております。

 次のページが、一般小児におけるこれまでのHBs抗原陽性の調査成績をまとめました。下の4つの赤枠は今回の疫学調査の結果です。B型肝炎の母子感染防止事業が開始された報告例を赤字で示しております。1986年〜2014年まで、調査による違いはありますが、今回の大規模調査の0.025%という結果と大きな違いは見られませんでした。

 次のページからは「血液センターにおける若年初回献血者」の成績をお示しいたします。

 9ページで、調査対象は平成22年4月〜平成24年3月までの2年間における全国の初回献血者107万人分です。以下に示す計算方法については、次のスライドで、結果とともにお示しさせていただきます。

 次のページが、ちょっと込み入った表なのですけれども、御辛抱いただけますと幸いです。初回献血者におけるHBs抗原陽性率とそこから計算した母子垂直感染と水平感染の比率をパーセントで示しております。左から献血時の年齢、出生年、青色のカラムは男性献血者、赤色は女性献血者のHBs抗原陽性率です。上から下へ献血者の年齢が若くなります。一番下は総合計です。赤の*で示しております太いラインは、母子感染防止事業の開始時期、1986年を示しております。

 例えば、下から2番目、1721歳の献血者のHBs抗原陽性率は、男性が0.03%、女性が0.02%です。

 一番右側の3つのカラム、紫色の部分については、計算によって求めた感染率です。母親のHBs抗原陽性率は、年齢別の出生率とHBs抗原陽性率から算定しました。母子垂直感染率は、母子感染防止事業開始以前は、母親のHBe抗原が陽性の場合90%、陰性の場合10%の確率で出生時に感染すると仮定し、太い線以下の開始事業後は95%が感染予防に成功し、5%が感染すると仮定して計算したものです。

 母子垂直感染率の欄を見ていただきますと、母子事業開始前の0.096%から、開始後には0.014%、さらに0.012%と激減しております。これは防止事業の成果と考えられます。

 さらに26歳以下の若年層では、垂直感染よりも水平感染のほうが明らかに多いことがわかります。水平感染への対策は重要であることを示す成績と考えられます。

 次のスライド、11ページで若年すなわち1721歳の献血者におけるHBs抗原及びHBc抗体の成績をまとめました。これと対比する意味で、下の赤枠の中に、今回の疫学調査の結果を示しております。

 先ほどの小児の疫学調査と類似して、HBs抗原陽性率は先ほどの数字とほとんど同じ0.020.03%であるということがわかります。さらに、その8〜10倍のHBc抗体陽性者が存在することから、成人前に感染した症例の1012%が慢性化している可能性があると考えられます。

 次のページは、HBs抗原陽性の母親から出生した児がどのくらい予防処置が行われているかということを知るために行った調査です。

 ある県で、妊婦健診受診者の悉皆調査、すなわち全数調査を行いました。妊婦健診受診者数とその県の出生者数はほとんど一致しており、健診受診者は平成21年度〜23年度にかけて常にほぼ100%でありました。日本の現状ではほとんどの妊婦が健診を受けて、HBs抗原検査を受けていることがわかります。

 次のページからは、水平感染のメカニズムとか、実際の事例を調査した報告を、他の研究班の成績から引用してお示しさせていただきます。

13ページは、平成23年度の森島班の研究結果です。この表は、唾液・涙・汗などの血液以外の体液中に感染性のウイルス粒子が存在することを、動物モデルを使って示したものです。すなわち血液中のウイルスDNAと相関するウイルス量が体液中に存在し、それをマウスに接種すると感染が成立することから、体液であってもB型肝炎ウイルスは感染力が強いことが示唆されます。

 次が、B型肝炎の集団感染の事例を森島班でまとめたものです。相撲部やフットボール部などの接触スポーツや保育園などで集団感染事例が報告されています。血液以外の体液による感染の可能性が考えられております。

 次のページ、ちょっと細かい表で恐縮ですが、これは平成26年度、本年度の田尻班の研究結果です。母親以外の家族内感染を示す14家系が左側に1〜14で示されておりますが、これらの家系でウイルスDNAの系統時解析を行い、同一ウイルスによる水平感染、すなわち母親以外の家族メンバーへの感染であることが証明されております。このように、家族の中では水平感染が起こりやすいということが示されております。

16ページで、以上の結果を全体としてまとめました。一般小児におけるHBs抗原陽性率は、母子感染予防処置により激減し、現在は0.025%、95%信頼区間で示しますと、0.0220.027%と推計されました。

HBc抗体陽性者がHBs抗原陽性者の数倍以上存在していました。

1986年以前は、若年層キャリアのほとんどが母子感染によるものでありましたが、母子感染予防処置以降の若年層のキャリアの多くは、B型肝炎ウイルスの水平感染によるものと推計されました。

 母子感染予防のみでは防げない集団感染や家族内感染などの水平感染が、小児の日常生活の中で起こっている可能性があると考えられます。

 今後、小児においてもB型肝炎ウイルスの水平感染に対する対策を進める必要があると考えました。

17ページからは話題が変わりまして、遺伝子型が異なるウイルスに対するB型肝炎ワクチンの効果についての研究成果であります。

 次のページが、S領域determinantAの配列と書いてあるスライドです。先ほどもお話がありましたように、現在日本で市販されているB型肝炎ワクチンは2種類あり、ビームゲンは遺伝子型Cのウイルスによって、ヘプタバックスは遺伝子型Aのウイルスによって作られています。遺伝子型A由来のワクチンは全世界で使用されて、他の遺伝子型のウイルスによる感染でも大丈夫だということが示されてきましたが、遺伝子型C由来のワクチンは日本国内での使用実績が乏しく、現在、若年成人で流行している遺伝子型AのB型肝炎ウイルスに対して感染防御の効果があるのかないのかどうかという検討が求められていました。ワクチン抗原でありますHBs抗原の共通エピトープの変形配列を遺伝子型AとCで比較すると、重要部分とされているA領域では3カ所のみアミノ酸が違うということがわかっております。

 次のページを見ていただけますでしょうか。B型肝炎ウイルスは、ヒトやチンパンジーの肝細胞にのみ感染します。このウイルスの感染実験を行うために、ヒトの肝細胞を体内に持つキメラマウスを使用しました。遺伝子型C由来のビームゲンを接種した人からつくったモノクローナル抗体を用いて、遺伝子型AとC及びエスケープ変異株でC-145Rの感染を阻止できるか否かを調べました。

 次のページからが結果であります。2種類のモノクローナル抗体、116抗体と478抗体を使って、おのおの3匹のキメラマウスを用いてB型肝炎ウイルス感染の有無を調べました。遺伝子型CとAのB型肝炎ウイルスは100%感染防御されていました。エスケープ株であるC-145R116抗体では感染防御できず、478抗体では3匹とも感染防御されました。HBs抗体価がある程度高い場合は、いずれの遺伝子型も感染の防御は可能と考えられる成績であります。

 次に、どの程度のHBs抗体があれば感染を防御できるかという抗体の定量性を見るために、人の初代肝細胞を用いたビームゲン由来の478抗体によるB型肝炎ウイルス感染防御実験を行いました。上段は、ウイルスと抗体を混合してから培養細胞に感染させた場合、下段は、人の体内のモデルとして抗体と肝細胞をあらかじめ混合しておき、そのウェルにウイルスを感染させた場合の結果であります。

 右側の棒グラフは抗体を10倍ずつ希釈して、遺伝子型CとAのB型肝炎ウイルスを混合し、感染が成立するかどうかを比較・検討したものであります。各グラフの一番左のCtrlは抗体なしの場合を示しております。100%感染が成立しております。抗体を希釈していきますと、濃い抗体の場合は感染が完全にブロックされておりますが、遺伝子型Cのウイルスは、HBs抗体の5.5mIUmlまで希釈しても感染防御されるということがわかりました。一方、異なる遺伝子型である遺伝子型Aの場合には、55 mIUmlで感染が防御されました。

 本研究班で行った大学生578人にワクチンを使った結果では、82%が55 mIUml以上の抗体をつくっており、さらに73%は100 mIUml以上の抗体価を獲得していました。

 したがって、このモデル系では多くの人がワクチン接種後に得られる抗体のレベルでウイルス感染が防御できるということが示されたということであると思います。

 次のページに、実際に13人の方にビームゲンを接種して、その血清を採取して、遺伝子型CとAのペプチドとの反応性を検討しました。右側の棒グラフの真ん中と下の段ですが、各個人ごと1〜13の番号が書いてありますけれども、その個人ごとに反応パターンは類似しております。遺伝子型CのペプチドとAとがほとんど同じパターンを示しております。これはワクチン接種者の血液中には、遺伝子型に関係なく反応するHBs抗体が存在することを示唆すると考えられました。

 最後に、実際の遺伝子型AのB型肝炎ウイルスキャリアの母親から出生したお子さんに、遺伝子型C由来のビームゲンを接種して、感染防御ができるかどうかということを調べました。

 次のページに症例1〜4と書いてありますが、これらはいずれも遺伝子型AのB型肝炎ウイルスに感染しているキャリアの母体の方を示しております。これらのお母様から出生した4名のお子さんにビームゲンを接種しました。一番下の症例4の一番右端の「0、1、3カ月」の脇に*がついておりますが、この*は2回ビームゲンを接種して、3回目は遺伝子型A由来のヘプタバックスを接種したということを示しております。症例1〜3は全てビームゲン、遺伝子型Cのワクチンを使って予防を行ったものであります。

 次に、4症例のHBs抗体価の経時的な推移を示しました。生後4カ月から6歳までのHBs抗体価は、いずれもWHOの推奨する10IUml以上を保っております。4人ともHBs抗原陰性、HBc抗体陰性が確認され、母子感染予防に成功したと判断されました。

 最後のページで、以上、動物実験及び人での結果を踏まえて、遺伝子型C由来ワクチンの効果についてまとめました。マウス及びヒト肝細胞を用いた感染実験により、遺伝子型C由来のワクチン(ビームゲン)によって得られた一定濃度の抗体は、遺伝子型AのB型肝炎ウイルスに対しても感染防御の効果を有するということが考えられました。

 ビームゲン接種者には、遺伝子型に依存せず、HBs抗原と反応する抗体が存在することが示唆されました。

 遺伝子型Aのキャリア母体から出生した児4例にビームゲンを接種したところ、母子感染が防止できました。

 以上から、遺伝子型CのワクチンもAのワクチンと同様に定期接種に使用できると考えられる成果であると思います。

 以上で、研究班の成績の報告を終了いたします。

 御清聴ありがとうございました。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 膨大な成績をまとめていただきました。以前にこの委員会でも議論していたときは、須磨崎班のデータが出そろっていないので、やはりエビデンスとしては求める必要があるということで、須磨崎先生のグループの方々のデータを待っていたわけですけれども、それについて相当広範なデータを出していただいたことに感謝したいと思います。ありがとうございました。

 これで資料1、2の説明は終わっているのですけれども、そのほかの実際的な技術的な検討というところで、これは事務局から資料3を使っての御説明を、氏家補佐からお願いします。

○氏家課長補佐 先ほど、須磨崎先生から研究結果について御報告いただきました結果を受けまして、事務局としての技術的検討結果案ということを御説明させていただきます。

 2ページ目で、重複する内容になってしまいますが、課題として上げられていました「小児水平感染に関する検討について」ということで、小児における水平感染の事例が報告されているところですが、大規模疫学調査でのHBs抗原の陽性率が0.025%ということで推計されました。

 また、そのHBc抗体陽性者がHBs抗原陽性者の数倍以上存在することなどから、過去にB型肝炎ウイルスに曝露した小児も一定程度いるものと考えられました。

 また、別の集団ではありますが、1721歳での検討においても、上記と同様の傾向が見られ、それぞれの陽性率に大きな差異を認めなかったことなどから、幼少期に特定の小児でウイルス感染が生じている可能性などが考えられました。

 全出生者を対象に予防接種を実施することで、長期的にはB型肝炎による社会的疾病負荷のさらなる軽減につながるものと考えられました。

 3ページ目が「交差反応の検討について」です。遺伝子型C由来のB型肝炎ワクチン(ビームゲン)ですが、これを接種することで遺伝子型AのB型肝炎ウイルスに対しても予防効果があるということが示唆されました。

 我が国に流通する遺伝子型A及びC由来のB型ワクチンのいずれの接種によっても異なる遺伝子型のB型肝炎ウイルスに対する予防効果があると考えられる検討結果でした。

 4ページ目が、これを踏まえてこれまでの課題であったB型肝炎ワクチンに関する技術的検討結果の案として、事務局案を提示させていただきたいと思います。仮に国民に対して広く接種機会を提供する場合においては、下記の対応としては如何かということで、3点示してございます。

 1番目、予防接種対象年齢を、出生後から生後12月までとする。

 2番目、標準的には生後2カ月からのB型肝炎ワクチンの接種を行う。具体的には、生後2カ月、3カ月、7〜8カ月での接種が標準的と考えられます。また、感染のリスクが高い場合などには出生直後の予防も考慮する。

 3番目、使用するワクチン製剤は遺伝子型A型、C型どちらのウイルス由来の製剤も選択が可能とする。

 この議論の前提でありますが、ここでの決議がそのまま政策につながるということを示すものではなく、本提案が技術的検討結果ということでありまして、国民に対して広く接種機会を提供する仕組みとして実際に行うためには、前提としてワクチンの供給・実施体制の確保、必要となる財源の捻出方法などの検討を行った上で関係者の理解を得るとともに、副反応も含めた予防接種施策に対する国民の理解が必要となるということは前提にあることを改めてここでも示させていただいています。

 事務局からは以上です。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 以上で資料の説明があったので、これから約30分にわたって先生方の御意見をいただきたいと思います。

 毎回毎回、私が申し上げているのですが、資料1の1枚目、2枚目の裏側にあるWHOのスライドで、日本はいつも真っ白で何をやっているのだということによく使われやすいのですけれども、ただしこれはルティーンに全新生児への3回接種をとり入れているという国であって、日本の場合は、WHOの会議でもよく議論が出ますけれども、母子感染の予防ということで小児の抗原保有状況ということでは他の国よりも秀でてと言っていいぐらいよいデータです。プリバレンスは確実に減少しています。これはきちんとした成果があったということであって、その点ではこの図はしばしば誤解が出てくることがあります。WHO会議で時々言われることなので、その説明としてはあえて補足をさせていただきました。

 一方、この図を読むときに、いろいろな国がユニバーサルで3回導入しているということは、それはもともと日本よりもプリバレンスの低い欧米諸国でもそれをやってやり続けているという読み方もできるのではないかと思います。

 それでは、それぞれの参考人の先生方からも御意見をいただきたいと思います。

 それから、資料3の事務局側からの提案というのも、これまでの議論の中で、もしHBについてアクションをとるのならこういうようにやりましょうというところで、対象年齢の問題、それから標準接種のことについては議論があったと思うのですけれども、使用するワクチン製剤が遺伝子型A型、C型どちらでもいいということが新たにつけ加えられた点であると思います。

 それと、実際に今やっている妊婦さんのスクリーニングはきちっとやっていただいて、メカニズムはいろいろあると思うのですけれども、もし抗原陽性者から生まれた赤ちゃんに対しては早期の接種、それからガンマグロブリンの併用はやるということが確認されていたと思います。それが定期接種でやるのか、今までどおりの健康保険を使うのかというのはまた技術的なこととして検討していただければと思いますけれども、そこはやるのだというのはきちんと押さえておいていただきたいと思います。

事務局は言わずもがなですけれども、委員会の提言を受けて、これをもし実施するのだとすると、財源等々の交渉をこれからやりますからという意味合いだと思います。

 それでは、議論に入りたいと思いますので、参考人の先生方も含めて御意見をいただければと思います。

 澁谷委員、どうぞ。

○澁谷委員 御説明ありがとうございました。最終的に資料3の最後のページの御提案のところで少し質問を事務局にお願いしたいと思いますが、この案だと、今、委員長もおっしゃいましたけれども、垂直感染予防の事業は、それはそれで別に走っていき、これを追加するということの確認。

 それからもう一つ、始めるときにキャッチアップは何か考えるのかどうかということが一つ。

 さらに世界的には追加接種はしていないという状況だということなのですけれども、性行動による水平感染が始まるような、例えば20代、20年後とか、そこまでいかなくとも5年ごとぐらいにモニタリングをするとか、免疫が保たれているかどうか状況を確認するシステムを一緒に考えておかないといけないのではないかと思うのですけれども、その辺についてのお考えをお教えください。

○岡部部会長 ありがとうございます。これは事務局からお答えいただきたいと思うのですけれども、先ほどちょっと私も触れた母子感染事業は、事業としてどうなるかは別として、妊婦さんのスクリーニングと陽性者から生まれた子供に対する早期の対策も継続があるということの確認と、キャッチアップの可能性があるかどうかということですね。それから、追加接種は将来の課題として、B型肝炎はかなりSTDのほうに問題点がシフトしてきているわけなので、これに対する将来的な追加接種はどう考えているかということなのですけれども、これは氏家補佐でよろしいですか。

○氏家課長補佐 はい。まず、垂直感染防止事業ですが、1986年の開始当初は国の事業ということで、国が主導して行っていた事業でございますが、現時点では一般財源化されているものでございまして、各市区町村に実施をしていただいているというところでございます。B型肝炎ワクチンの接種に関しましては保険適用ということで、健康保険を使って接種を行っていただいていますが、対象者がB型肝炎の抗原を持つお母様から生まれた子供ということで、保険事業として行っていただいているところでございます。今回の検討自体は、第二次提言で広くB型肝炎ワクチンを接種することが望ましいという提言を受けて、技術的な検討を進めている状況でございまして、これが今、市区町村で行っていただいている垂直感染防止事業を継続する必要があるという審議会からの御提案は、事務局としても受けとめたいと考えてございますが、事務局としてこれを継続する、しないということを直接回答する立場にないということは御理解いただきたいと思います。おそらくこの技術的検討の議論とはまた別の内容のものでございますので、もし広く接種を行うこととなったら垂直感染防止事業をやめるという前提条件はございませんので、当然これまでどおり継続されていくものと事務局としては考えてございます。

 もう一つ、キャッチアップに関する御質問をいただきました。キャッチアップの課題というものは、小児の水平感染の疾病負荷、こういったものを踏まえて検討するということでありました。現時点においてHBs抗原の陽性者が0.025%という結果を踏まえまして、これは接種の対象者の議論とも関係してくるかと思いますが、現在、生後12カ月までとさせていただいています。キャリア化をしやすい年齢が1歳までということが医学的にもわかっているところでございまして、さらには、1歳を過ぎると保育所に行ったりとか、外での活動を始めたりする年齢でもございます。こういった年齢の前に3回の接種を終えていただくという観点で、生後12カ月までとしてございます。それ以降の接種の必要性がキャッチアップということで検討する事項でございますが、現時点においては、キャリア化を防ぐという観点で、1歳以降ではキャリア化率が下がるような状況の中でHBs抗原の陽性者率としては0.025%、出生者は大体約100万人いらっしゃいますので250人程度の方と推計されますが、そういった方に対して、必ずしもキャッチアップを実施する必要性というものが、現時点では明らかではないと考えてございます。よって、現時点においての案としては、実施を行わないということで検討しているところでございます。最後のところに記載してありますが、今後、実施体制の確保であるとか、その財源の捻出を含めた検討というものがまた進んでいくかと思います。こういった検討も踏まえてさらなる議論というものが必要になってくる可能性もあるかと考えております。

 最後に、追加接種、ブースターのところでございますが、この検討というのは、資料1の3.にあったところでございます。現時点の知見においては、先ほど申し上げましたように、急性肝炎の発症予防というものは、20年以上にわたって効果が証明されているところでございます。また、欧米の医療従事者に対する推奨などに関しましても、一度HBs抗体を獲得した方をさらに抗体チェックをする必要があるかどうかというのは、医療従事者などリスクが高いグループにおいても推奨されていないという状況がございます。

これまでの議論の結論としては、現時点においては、思春期での追加接種が不要という結論をいただいておりまして、ただ、一方で、澁谷委員から指摘がありましたように、今後、新たな知見が生じてくる場合、そして、これまで定期接種を20年以上にわたって行っている国、こういった国々で今後いろいろな検討が行われてくるかと思いますので、そういった検討状況を踏まえて、広く接種を開始しましても実際に追加接種を検討する年齢になるまでにはかなり年数がかかるわけですから、こういったときまでにしっかりと追加接種を実施する必要性があるかどうかについて検討を継続していく問題だと理解してございます。

 以上です。

○岡部部会長 ありがとうございました。いずれにせよ、STDの問題とか、がんの問題、発がん性の問題があるので、子どもさんたちに対してなかなかぴんとは来ないところも一般の方に出てくるのですけれども、重要なのは、ベースとしての免疫を早いうちからきちんと与えておくということがまずやらなければいけないことだろうと思います。今の3つ、澁谷先生から御質問のあったことに関連して、どなたか御意見がありましたら。

 どうぞ、庵原委員。

○庵原委員 これは、2、3、7カ月でワクチンを打ったとき、多くの子供で抗体が陽転するというのはわかっているわけでしょうか。子供が陽転しておればセントラルメモリーができていますので、そうすると追加接種が不要だという意見が強くサポートされるのですけれども、その辺はいかがですか。

○氏家課長補佐 昨年の審議の中でも陽転率というものは検討がされてございまして、年齢によって、ワクチンを接種後の抗体獲得率が異なるというのがB型肝炎の特徴だと理解してございますが、高齢者で打った場合、少し陽転率が下がるという報告がございます。ただ、小児で打った場合はかなり陽転率が高いということで、特に若くして打ったほうが免疫獲得率が高い。1歳と0歳を比べた時はわずかに1歳のほうが高いのではないかという議論もございましたが、そういった差異があるにせよ、大きな年齢の区分で言えば、0歳、こういった若い年齢で打つことでかなり抗体獲得率が高いと理解してございます。これまでの研究班の費用対効果の議論の中でも、95%以上の獲得率があるだろうという議論がされていたと理解してございます。

○岡部部会長 よろしいでしょうか。

○庵原委員 はい。

○岡部部会長 ちょっとここのところにこだわるのですけれども、澁谷先生も母子感染事業のことをおっしゃっていましたけれども、確かにここでそちらをやめる、やめないの議論には至らないと思うのですけれども、委員会としては、妊婦さんのスクリーニングを行い抗体が陽性だった場合には早期に、今やっているガンマグロブリンとB型肝炎ワクチンをやるということは、出生後から生後12カ月までの「出生後」というところを強調して続けてほしいというのを委員会のコンセンサスとしておきたいのですけれども、よろしいでしょうか。

 今までの議論にもそれは出ていたいと思うのですけれども、これは何かの形でつけ加えていただきたいと思うのです。危惧するのは、例えばB型肝炎ワクチンは生後直後で定期接種だけれども、ガンマグロブリンは健康保険適用なので、ばらばらにやると混合診療となって保険診療として認められないではないかという何か変な解釈が出てくると、実際の子供たちのプロテクションの役に立たなくなるので、そこのところはぜひよろしくお願いしたいということで、ここは委員会としてコンセンサスが得られた意見であるとまとめておきたいのですが。

(「異議なし」と声あり)

○岡部部会長 ありがとうございます。

 どうぞ、坂元先生。

○坂元委員 ちょっとまだ先のことかもしれないのですけれども、たしか以前、B型肝炎ワクチンの検討チームで、4価のワクチンというものが今後開発する、世界的には4価ワクチンが今行われているということで、ちょっと今すぐには答えられないかもしれないのですけれども、このB型肝炎ワクチンというのは、自治体としてはなるべくお母さんと子供に接種の負担を減らしたいということで、多価ワクチンというのが出ればいいと思っていますが、B型肝炎ワクチンを導入する場合は、まずこれを単体で導入して、後から多価ワクチンを検討していくという方向を考えておられるのか、もしその辺のスケジュール的なことがわかればお教えいただければと思います。

○岡部部会長 先生のおっしゃっているのは混合ワクチンの場合ですよね。例えばDPT-IPVとかそういうことですね。

○坂元委員 そうです。

○岡部部会長 流通部会でも検討があったと思うのですが。

 では、氏家補佐から。

○氏家課長補佐 混合ワクチンの推進につきましては、昨年度策定されました予防接種基本計画の中でも推奨されているところでございまして、企業に対して混合化を進める開発の要請をしているところでございます。また、その中で議論があったと記憶してございますのは、定期接種化されなければ、なかなか開発が進まないという御意見をたくさんいただいておりまして、開発しても定期接種化になるかどうかわからないと開発自体が進まないという意見がございました。もし仮に、こういった広く接種することが可能となれば、そういった混合化に対する開発もさらに促進されていくものと考えてございます。ちょっと期間的なところは事務局としては把握してございません。

○岡部部会長 これも従来議論されているところですけれども、同時接種というのはやむを得ずやっている方法で、技術的なことが許されるならば、多価ワクチンといったものもぜひ開発を進めていただきたいということも、この委員会のコメントになっていくだろうと思いますので、よろしくお願いします。

 はい、中野委員。

 中野委員の御発言の後、参考人の先生方から、脇田先生、溝上先生、御意見をお願いしたいと思います。

○中野委員 今、澁谷先生と坂元先生から出ました母子感染防止事業とか、混合ワクチン化のことも含めて、私の意見をちょっとだけ申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、第二次提言において、B型肝炎ワクチンを広く国民に接種することが望ましいという提言が既に出ているわけで、それに際しての技術的課題が幾つかあったわけでございますけれども、その課題を非常に見事に証明してくださいました須磨崎先生の研究班並びに関係の研究者の方々には本当に敬意を表したいと思います。非常にすばらしい、わかりやすいデータでよかったと思います。

 その内容を受けて、私も改めてこのB型肝炎ワクチンは広く国民に接種すべきであると今もう一度考えております。

 岡部先生も触れられたことでございますけれども、事務局からいただいている資料3の4ページの「B型肝炎ワクチンに関する技術的検討結果(案)」の最初の予防接種対象年齢、出生後から生後12カ月、岡部部会長が母子感染防止事業のことも見据えて「出生後から」という言葉を強調され、私もそれに大変賛成でございます。ですから、この接種対象年齢は、出生後から、かつ生後12カ月まで、特にキャリア化を防止するという意味では1歳までの接種は非常に大切だろうということで、それも事務局の案に賛同いたします。

 もう一点、混合ワクチンがまだ入手できない我が国において、同時接種をやれば早くから打てるわけではございますけれども、それぞれいろいろな事情もあると思いますから、ぜひこの対象年齢は「出生後から生後12カ月」として、かつ2カ月からの接種開始ということは、今後の混合ワクチンの開発というのは推進するべき一つのテーマでございますので、ここに書いていただいてあるこの事務局案の1つ目と2つ目はいろいろな意味を包含するすばらしい内容だと思いますので、この案にも賛同いたします。

 3番目のジェノタイプAとジェノタイプのCのお話も、今もう既に研究班からの御報告もございましたので繰り返しませんけれども、1つ確認したいことは、今日ではなくてもいいのかもしれません。今日深く入り込む必要はないと思うのですが、ジェノタイプA、ジェノタイプC、どちらも使えるわけですけれども、例えば転居する方とか、場合によってはどちらかのワクチンの不足ということが起こった場合に、3回接種するうちの互換性の問題をこの基本方針部会としても、今後その提言をどうするかというのを決めていかなければいけないと思うのですが、事務局に今、確認申し上げたいことは、この3番目のどちらの製剤も選択可能というのは、3回の接種をどう選んでもいいというのは既に含まれているのか、さらに検討すべきなのかをちょっと確認したいと思うのです。

○岡部部会長 氏家補佐、お願いします。

○氏家課長補佐 御質問いただき、ありがとうございます。中野委員から御指摘ありましたように、異なるワクチン製剤の互換性につきましては、現時点で一定の結論が得られてございません。多くの国では、遺伝子型Aのワクチンを使っての接種を行っているところだと理解しています。一部の国、韓国などでは、そういった2つのワクチンを含めた接種を行っているという地域もございますので、そういった地域での検討状況も参考になるかと思います。また、さらには制度化として、2つのワクチンは製剤名称が同じ製剤でございまして、そういった観点からの検討も今後続けていく必要があると理解してございます。

○岡部部会長 そこはぜひ調査を継続ということだと思いますので、研究班なり、あるいはアカデミックな研究を続けていただければと思います。

 それでは、小森先生の発言を先に伺います。

○小森委員 小森でございます。

 第二次提言を踏まえまして、今、中野委員がおっしゃったとおりの意見を私も表明したいと思います。確かに技術的な提言であると同時に、財源等あるいは副反応を含めた予防接種施策に対する国民の理解等が必要、まさにそのとおりだと思います。しかしながら、私といたしましては、そういった理解を深めつつ、さらに副反応等のより少ないワクチンの製造等を追及しつつも、私は部会としては技術的、医学的な観点からユニバーサルワクチンとしてのB型肝炎の定期接種化ということについては、積極的な提言としてすべきであると理解をしておりますので、あえて発言をさせていただきました。ありがとうございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 それでは、脇田先生。

○脇田参考人 感染研の脇田でございます。

 私のところでは、WHOのB型肝炎ワクチン接種プログラムの専門家会議のメンバーとして、これまで会議に参加しております。それで、いつもWHOの西太平洋地域の3カ国では日本だけがこのプログラムにおいてB型肝炎ワクチン3回接種を行っていないということでありますが、このプログラムの目的としましては、子供たち全員にB型肝炎に対する免疫を負荷しようということで、5歳児におけるHBs抗原陽性率を1%以下に抑えるという目標があります。それで、我が国のB型肝炎予防対策というのは、これまで岡部先生から御紹介のとおり母子感染予防ということで進めてまいりました。つまり垂直感染を主眼にブロックするということであります。ただ、その成果の実態というものが、これまで余り科学的に証明されてこられなかったということで、その会議においてもいつも日本の実態はどうなのか、小児におけるHBs抗原陽性率はどうなのだ、それにあわせて、ワクチンの接種が必要なのではないかということは今まで言われてまいりました。そこで、我々も血清バンクのサンプルを用いまして解析を進めていまいりましたが、本日、須磨崎先生から研究成果の御紹介がありまして、どうやら日本の実態がこの程度であるということがようやくわかってきたと思います。

 つまり、垂直感染のブロックが非常によく進んでまいりましたけれども、まだ一定数の水平感染が残っているということになるかと思います。その上で1歳児、12カ月まででのユニバーサルワクチンによって、さらに水平感染の予防も可能になるということが実施できることになれば、このB型肝炎対策も、我が国によってはさらに進んでいくということになると思いますので、それは非常に賛成をしたいと思います。

 その上で、さらにキャッチアップとか、成人における水平感染対策といったことに対しても、さらに検討を進めていく必要があると考えています。

 以上です。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

WHOがやっている対策に追いつかなかったから今回新しい方法を入れるのではなくて、WHOのやっている対策よりももっといいことをやっていたのだけれども、さらに加えてB型肝炎対策については進めるのだという形で、国際的にはぜひ説明をしたいところだと思うのですけれども、会議や何かに出たときに脇田先生、よろしくお願いします。

○脇田参考人 一言。実は、今週の日曜日からその会議がまたありますので、その席で日本の現状についてまた説明を求められていますので、よく説明してまいりたいと思います。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 それでは溝上先生、よろしくお願いします。

○溝上参考人 今日のお話を聞きまして、私が医者になったときは女性の患者さんが来て「子供にうつるのですか。そうすると、私は子供が産めないのですか」という時代を思い出しました。それから比べると、この母子感染予防、さらに1986年からの事業は非常に成功したということは世界に誇るべきことだと思います。

 ただ、その結果を見たら、どうも垂直感染より水平感染のほうが約10倍も多い現状になっているという現実を踏まえていくと、そこの対策というのが絶対に必要だということをここではやはり強調したいと思います。

 そういう意味では、ただ先にやりました台湾、それからヨーロッパのデータを見ても、あれから大体30年近くなってきまして、追加接種及びフォロー体制というものがこれからいろいろとデータが出てくると思います。それも踏まえて、澁谷先生がおっしゃいましたようにSTDとの絡みもありますから、今後はすべきですけれども、とりあえずは、まず何といっても導入するということは絶対に水平感染予防でユニバーサルワクチンを導入するということは絶対に必要なことだと思います。

 以上です。

○岡部部会長 ありがとうございます。溝上先生、前の委員会のときでは、ジェノタイプの問題も提起されていたのですけれども、今回のデータをご覧になって如何ですか。

○溝上参考人 ジェノタイプの問題につきましては、日本にはもともとジェノタイプBとCが存在しています。。ジェノタイプCが大体8〜9割、ジェノタイプBが1020%ぐらいございます。地域偏在しておりまして、例えば沖縄あたりはジェノタイプBが6〜7割ございます。そこでジェノタイプCのワクチンを使っていたわけですけれども、ワクチンを打っても感染したという報告はなかったわけですね。この30年間、沖縄の先生にしつこく聞いても、そういうことはなかったということです。それから東北地方もそうですけれども、そういうデータはなかったということで、ジェノタイプBとCのことを考えれば問題ないのではないかと、当時はそう思っていました。

 ところが、その後の研究でジェノタイプは、BとCは極めて近い、一方AとCを比較すると極めて遠い、極めて違うタイプとして考えないといけないということから、この重要性が出てきたわけです。今日お示しになったデータで、全部これでジェノタイプの問題はオーケーかということではございませんが、それを踏まえてでも、やはり水平感染予防という観点からするならば、ぜひ導入していただければと思います。

○岡部部会長 ありがとうございました。いずれにせよパーフェクトにはいかないので、今後の須磨崎先生、溝上先生、脇田先生を初め、継続的な調査及び研究をぜひお続けいただいて、新しい知見を出していただければと思うのですが、あと5分ぐらいこのB型肝炎の時間を残していますので、まだ御発言のない先生方からお一人ずつお話をいただければと思うのですが、こちらから順番で池田先生、皆さんとはちょっと視点が違うところでの御意見がありましたら。

○池田委員 池田でございます。

2011年3月であったかと思いますが、各種ワクチンの定期接種化に際しての議論の際に、我々で費用対効果の分析をしましたが、B型肝炎ワクチンに関しましては、現状の日本における状況ですと、他のワクチンに比べますと、必ずしも費用対効果の点では優先的なところにはないということではございましたけれども、しかしながら、その財源の確保の問題が解決すれば、有効性、安全性との議論を優先していただいて、総合的に御判断いただければと考えております。

○岡部部会長 ありがとうございます。これもしばしば委員会で議論になっていますけれども、費用対効果というのは非常にいいインジケーターにはなるのですけれども、例えばポリオのエラディケーションとか、麻疹エリミネーション、風疹エリミネーションになると必ずしも費用対効果だけで検討できるわけではなくて、その病気の実態をどうするかということが非常に重要だと思います。

 池田先生、どうぞ。

○池田委員 もう一点追加させてください。前回検討したときに比べまして、今回も示していただいたようにさまざまな新たなデータが加わっておりますので、これをもとにまた再分析の必要があるかとも考えております。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 それでは、ずっとこちらにいって、発言のない、今日は静かな多屋先生。

○多屋委員 発言しようと思っていたのですけれども、ありがとうございます。今までの議論の中で解決しなければいけない点ということで、今回の須磨崎先生の御発表、大変わかりやすくて、まずここで感謝申し上げたいと思います。

 2つ質問があるのですけれども、12カ月までという接種の年齢が、ここで示されたわけですけれども、もう少し年齢が大きい1歳とか3歳とか、幼児期の前半部分、そういった年齢では、感染後のキャリア化率は0歳に比べると随分低いと思っていてよろしいのでしょうか。もう少し長くキャリア化率が高いと思ってしまっていたもので、そこを一つ教えていただきたいと思いました。

 もう一つは、澁谷先生が先ほど触れられたと思うのですけれども、今後の国民の抗体保有率についての調査なのですが、これは事務局にも関連するのですけれども、予防接種法に基づいて、国民の抗体保有率の調査が、感染症流行予測調査事業に基づいて行われるようになりまして、定期接種化されれば、これも導入されると理解しているのですけれども、議論が進んでB型肝炎ワクチンが定期接種化されれば、感染症流行予測調査事業で国民の抗体保有率も調査されていく、そう理解していてよろしいでしょうか。

 その2点については御質問をさせていただきたいと思います。

○岡部部会長 最初のほうは事務局がよろしいですか。それとも、キャリア化ということで須磨崎先生。

○須磨崎参考人 御質問ありがとうございます。実際に調べてみますと、我々は母子感染を一生懸命やってきたわけなのですけれども、かなりお子さんたちはクリーンな状況になっていて、年齢別の抗体の陽性率であるとか、そういったことははっきり表には現状では出てこないのですね。ただ、今回の成績でも御説明いたしましたように、C抗体の陽性率というのはS抗原の8倍とか10倍とかそういった数字であるということを見ますと、逆に言いますと、10%ぐらいの方はキャリア化しているかもしれないということで、これは多分ジェノタイプにもよるのではないかと思うのですけれども、実際に家族内感染などを見ますと、今かなりジェノタイプAで御両親からお子さんにうつるとか、そういった事例が先ほどの田尻班の研究成果などもありますので、今後そういったジェノタイプがA中心になってきますと、キャリア化の率などは今までよりも少し高くなってくる可能性もあるのかなと感じております。実際のデータとしては、年齢別の抗体の陽性率の違いは現時点でははっきりしておりません。

 以上です。

○岡部部会長 どうぞ、溝上先生。

○溝上参考人 先ほど言い忘れました。ジェノタイプAの問題がどうして必要かと言いますと、成人になりまして、ジェノタイプAに初感染しますと、約8%ぐらい持続キャリアになります。これはもう論文化されて、我々の全国調査で過去15年間、4回にわたって調査してきて、その結果、成人におけるHBVキャリアの率は1.7%から現在4.5%ぐらいまで増えてきております。これではいかんということで、ジェノタイプの違いということを問題にしたわけですけれども、今回のデータで完全だとは思いませんが、しかしながら、ある程度のブロックはできるだろうということは示されましたので、そういう意味で必要と思います。垂直感染より水平感染のほうが約10倍、1桁も多いという現実を踏まえれば、やはりユニバーサルワクチネーションは、早急に導入すべきだろうとことでお話し申し上げました。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 2番目の感染症流行予測調査事業ではなくて、あれが法律に基づいて変わったのですよね。いずれにせよ定期接種ワクチンとしての血清抗体調査あるいは抗原調査等々についての見通しはどうでしょうかというところだと思うのです。

 では、室長のほうから。

○高城予防接種室長 御質問ありがとうございます。現在、抗体の保有率につきましては、全ての感染症において実施しているという状況ではございませんが、公衆衛生上必要なものであれば、新たに定期接種化された後にとっていくということも考えられますが、その点はまた先生を初め有識者の皆さんの意見も伺いながら、今後考えていきたいと思います。

 以上でございます。

○岡部部会長 今日の時点でも、委員会としてはそういうバックグラウンドデータがこの後の評価にも必要になってくるので、ぜひ定期接種としてのチェックの中にも入れていただきたいという要望を入れておきたいと思います。

 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 先ほどから水平感染の重要性という意見が出ている、特にこの資料の中でも国民にそういうものを周知していく中で、水平感染の問題は非常に微妙な問題もあって、一歩間違えると差別的なものにもつながりかねないので、周知の仕方、方法をやはり慎重に、誤解のないようにする必要があるだろうと考えております。これは意見でございます。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 では、ちょっと時間がないので手短ですけれども、宮崎委員、中山委員、一言ずつ御意見をお願いします。

○宮崎委員 今日の須磨崎先生のデータを見せていただきまして、やはり母子感染予防は幾らかの問題は残しつつも基本的にはうまくいったのだろうと基本的には思います。

 それから、交差免疫の問題に関しては、遺伝子型の違いがあるにしても、抗原性としてはadrとadwで、共通抗原性がありますので、やはり今回のデータは納得がいくデータかなと思いました。

30年前頃に、当時の最先端の技術を使ってできた遺伝子組換B型肝炎ワクチンは、30年間乳児などの小さい子に接種され、また、大人まで広い年齢層で使われてきましたけれども、副反応に関してはほとんど問題が起こっていないワクチンだと私は理解しておりますので、副反応の点も恐らくクリアできて、定期化の方向にぜひ早くいっていただきたいと思います。

 もしも財政的な余裕があれば、やはりキャッチアップということも、なお検討していただき、そのことによって成人での水平感染もより早く防御できていくとは思っています。

 以上です。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 中山委員、どうぞ。

○中山委員 母子感染事業が非常に成果を上げたということを伺って、引き続きそれも実践していただきたいことは、先ほど委員会のコンセンサスということになりましたけれども、それはぜひやっていただきたいと思いました。

 1つ、この各国の図を見たときに、日本が真っ白だというところで、これは本件とは関係ないのですけれども、母子感染事業はほかの国では実施はされていないのでしょうか。なぜ日本がこういうことにしたのかを教えていただけたらと思いました。

○岡部部会長 私はWHOでB型肝炎を担当していたのですけれども、日本のほうが先駆けてやったときに、一番能率がよく、キャリアを少なくするというのがセレクティブ・イムナイゼーションですけれども、陽性者を見つけてやるというところなのですけれども、スクリーニングが海外でなかなか難しいので全新生児を対象にやっていくということになっています。それには接種率を非常に高いところにもっていかなければいけないのですけれども、なかなかそれが保てないというのは、海外、特に途上国などでの悩みになっています。

 ありがとうございました。B型肝炎についてはまとめておきたいと思うのですけれども、事務局の提案については、この委員会としても極めて妥当と考えるのであって、ぜひユニバーサル・イムナイゼーションとしての一歩を踏み出していただきたい。財源や何かのことも問題があろうかと思いますけれども、委員会としては強く後押しをして、これの実践を望むというところが意見だと思います。

 幾つか附帯事項的にコンセンサスを得たということも時々申し上げましたけれども、そういうことも含めてぜひ進めていただきたいというのが、この委員会のB型肝炎に対する結論だろうと思います。

 また、決してパーセントから言うとそれほど多いわけではないですけれども、将来、我々の次の世代のときから、若い人たちから肝硬変とか肝がんとか、そういう悩みはこれでがくんと少なくなってくるということを期待したいと思います。

 あと、タイムスケジュール的にはどんなことになっていますか。非常に難しいと思うのですけれども、これは今日決まって、では明日からやりますというわけにはいかない話なので、そうでないと多分自治体はこの話が流れて「では夏に備えるのですか」とか、いろいろな御質問がくるのではないかと思うのですが、もし可能であったら大まかなところでいかがでしょうか。もちろん相手があることで、決定事項ではないということは承知した上での御質問です。

 では、室長どうぞ。

○高城予防接種室長 御質問ありがとうございます。ただいまこちらの部会での一定のコンセンサスをいただきましたので、まずはこの案件を分科会にお諮りして、了承を得ましたら、どういう形で実施できるのかどうか、もちろんこちらのただし書きを書かせていただきましたけれども、実施体制の確保ですとか、必要となる財源の捻出方法等をしっかりと行った上で実行に移していくということになっていくかと思います。

具体的なスケジュールというのは、現時点ではそういう意味でまだ検討事項がございますので、お示しするのはちょっと現時点では難しいですが、まずは分科会で了承を得たいと思っています。

 以上です。

○岡部部会長 ありがとうございました。これから事務局はさらに作業が増えて大変でしょうけれども、ぜひ実現に向けて、委員会はそれをできるだけサポートしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、次の議題に移っていきたいと思うのですが、日本脳炎になります。これは従来、特例対象者という例の一時勧奨中止から出た問題についての解決だと思うのですけれども、これについては事務局から御説明をまずお願いします。

○山岸室長補佐 それではまず、事務局から御説明申し上げます。

 資料4「日本脳炎の積極的勧奨の差し控えに対する平成27年度の対応について(案)」と、もう一つ参考資料としまして、それを図で示しましたものが、参考資料2「日本脳炎の定期の予防接種について【平成27年度特例対象者対応案】」がございます。双方を準備いただければと思います。

 それでは、資料4から御説明申し上げます。「日本脳炎の積極的勧奨の差し控えに対する平成27年度の対応について(案)」です。

 「1.第1期の予防接種について」、積極的接種勧奨を差し控えていた平成17年度〜平成21年度の間に3歳または4歳になった者(以下「対象者」)については、第1期の初回接種及び第1期の追加接種が十分に行われていないことから、平成23年度から1期接種の不足分として、積極的な勧奨を行ってきましたが、平成26年度末で対象者への積極的な勧奨は終了する。

 「2.第2期の予防接種について」です。平成27年度に18歳となる者(平成9年4月2日〜平成10年4月1日までに生まれた者)については、第2期の予防接種が十分に行われていないことから、平成27年度中に第2期の接種の不足分について積極的な勧奨を行う。

 「3.その他」としまして、積極的勧奨の差し控えが行われた時期に、定期の予防接種の対象者であった者のうち、1期接種を完了していた者に対しては、市町村等が実施可能な範囲で、第2期接種の積極的な勧奨を行っても差し支えないというものでございます。

 そちらのほう、今まで積極的勧奨が再開されて以降、十分に接種の勧奨が行われていなかった方々に対する接種の勧奨をどのようにされてきたかというところを示しているのが参考資料2でございます。平成21年2月に「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」が薬事承認されてから、平成22年3月31日に積極的勧奨の差し控えを終了いたしまして、ワクチンの供給状況を踏まえつつ順次積極的勧奨を再開しているところでございます。

 その下の図に、今年度、27年度に迎える年齢と出生年齢を書いた表がございますけれども、オレンジ色でBとなっていますところが、当該年齢3歳のときに積極的に推奨されなかった方々でございます。その方々は23年度から順次積極的勧奨を第1期について行っておりまして、平成26年度で第1期の追加につきましても、当該年齢の方々で全て勧奨が終わったということで、第1期の予防接種について十分に行われていない方々に対する積極的勧奨を終了するということでございます。

 それから、第2期について積極的な勧奨が十分に行われていなかった方々については、平成25年度から18歳になった時点でされていますけれども、来年度は平成9年度に生まれた方について積極的勧奨をする予定でございます。

 なお、平成28年度からは、通常のスケジュールで第1期の積極的勧奨が再開された方々が9歳になりますので、その9歳児の積極的勧奨を実施予定としております。

 事務局からの説明としましては、以上です。

○岡部部会長 ありがとうございました。日本脳炎については、事務局から今、御説明があった残された部分をどうするかということですけれども、御意見がありましたらどうぞお願いします。

 多屋委員、どうぞ。

○多屋委員 毎年、積極的勧奨を再開する学年がふえてきているのですけれども、MRのときに問題になりましたが、高校3年生相当年齢という年齢はなかなか積極的勧奨をしても接種が難しい年齢に入るのですが、今回の日本脳炎ワクチンの第2期の積極的勧奨の成果というのですか、高校3年生相当年齢の人がどれぐらい受けていただいているのかということは、国としてデータは出てきていますでしょうか。もしわかりましたら、実態などを教えていただければと思います。

○山岸室長補佐 確認しましたところ、平成24年度の地域保健健康増進事業報告で、特例措置の対象者となっている方々の第2期の接種についてデータが出てまいりました。ただ、その年度につきましては、積極的推奨をまだ18歳にしていない時点でのデータなのですけれども、その時点で1319歳の特例対象で接種されている方というのが大体203,095人おられました。18歳の方は、まだここの年度ではまだ積極的推奨はされていないのですが、845名の接種がありました。26年度以降のデータは、また今後出てくるところだと思いますけれども、現時点ではそのようなデータになっております。

○岡部部会長 血清疫学調査から見るとどうですか。

○多屋委員 血清疫学調査だと、2期の分はブースターという形でしか見えてこないので、なかなか抗体保有率が上がるというところまで見にくいものだったものですから、お伺いしました。

○岡部部会長 ありがとうございました。これもチャンスとしては、やはり日本脳炎というのは我が国においてはまだ残存している問題なので、十分な注意を多くの方に接種していただければと思います。それが積極的勧奨が中止だったときにでき損ねた子供さんたちへの、だんだん大人になりつつある子供たちへのメッセージになると思います。それには、こちら側からの啓発も十分必要ではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、日本脳炎についてはよろしいでしょうか。

 これについては特段の意見はないので、事務局の提案を了承ということにしたいと思います。

 続きましては、「報告事項」になりますけれども、3点ありますので、これは事務局からそれぞれの説明をお願いします。

○谷田川予防接種専門官 それでは、「報告事項」といたしまして、副反応報告の取り扱いについて、御説明させていただきます。資料5をお手元に御用意ください。

 表紙をめくりまして、2ページ目「『薬事法等の一部を改正する法律』について」、改正案、そして現行法として対象の表を掲げております。「薬事法等の一部を改正する法律」におきまして、旧薬事法、医療機器等の品質有効性及び安全性の確保に関する法律という呼び名になっておりますけれども、こちらに基づく副作用等報告と、それから予防接種法に基づく副反応報告の報告先を一元化したというのがこのたびの取り扱いの変更事項でございます。

 3ページ目をご覧ください。これまでは予防接種法に基づく副反応報告につきましては、結核感染症課を報告先としておりました。また、この副反応報告は、旧薬事法における副作用報告を兼ねるものとされておりまして、医療機関における報告先について若干複雑な状況を生んでおったところでございます。これを薬事法等の一部を改正する平成251127日公布の法律を受けまして、関係法令等の調整並びに事務的な調整等を行ってきたところでございますけれども、昨年1125日に関係法令等が施行されたことに伴いまして、予防接種法に基づく副反応報告をPMDA、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に報告先を一元化したところでございます。

 これまで副反応報告に関しましては、結核感染症課を報告先としていただいたところでございますけれども、従前どおりの取り扱いとなっておりますのは、3ページ目の2つ目の○からでございます。副反応報告の自治体への情報提供は、PMDAと結核感染症課で情報を共有した上で結核感染症課から行わせていただくこととなっております。

 また、被接種者や保護者等からの報告、これに関しましては自治体を通じて本省へ報告していただくという形を従前どおりとっていただくことになります。

 変更点に関しましては、参考資料3に係る通知、症例及び官報における公示をお示ししてございますので、ご覧ください。

 また、3つ目の○の保護者等からの報告が自治体を通じて従前どおり行われることに関しましては、参考資料4に当該通知をお示ししてございます。

 最後に4ページ目の改正後のでございます。改正後の副反応報告制度について、フローを図示しております。従前の副反応報告、赤文字で書いております図の1でございますけれども、これは昨年1125日以前ですと、医療機関から厚生労働省へ矢印が向いていたところでございます。これを改正後PMDAに副反応報告をしていただくという形になったところでございます。そのほかの副反応報告の共有並びに調査等の流れにつきまして、大きな変更はございませんので、報告先に関してのみの御変更として御理解いただければと思います。

 報告事項につきまして、当職からは以上でございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。これは何回も何回も言うことですけれども、これは限定された副反応の報告ではなくて、もう少し広めであって、確定されていないものも含めた有害事象の報告であるということを一応確認させておいてください。

 それから、これはこういう制度に変わるという報告でしかないので、もし何か御意見がありましたら、あるいは臨床現場でこういうことについては。

 宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 予防接種後健康状況調査のまとめが最近ちょっと滞っております。この報告先が変わることによって解析のやり方とか、そういうことも変わってきますか、変わりませんか。国の副反応報告には健康状況調査と副反応報告と2つあります。今回の改定はその後者のほうでしょうけれども。

○谷田川予防接種専門官 今回の変更では副反応報告に関する報告先が変わったということでございますので、健康状況調査に関しての枠組みが変わるということはございません。また、御指摘のとおり、状況調査に関しましては鋭意努力をいたしますのでよろしくお願いいたします。

○宮崎委員 なるべく早くよろしくお願いします。

○岡部部会長 よろしくお願いします。

 では、坂元委員。

○坂元委員 この副作用に関しましては、厚生労働省から地方自治体に非常に速やかに、的確に今まで報告をいただいていたところ、非常に感謝申し上げますが、これはPMDAに引き継いでも、その辺のタイムラグがないように引き続き速やかな報告をお願いいたしたいと思います。これは要望です。

○岡部部会長 申し送りをぜひよろしくお願いします。

 庵原委員、どうぞ。

○庵原委員 この有害事象、これはアクティブではなく受け身報告ですよね。ですけれども、大体これはどのくらいの把握率だということで御理解されているわけですか。実際の数字をそのままつかんでいる、それとも何パーセントぐらいの割合でつかんでいるという、その辺の予測はいかがですか。

○谷田川予防接種専門官 定期接種に関しましては、副反応に関しまして必ず報告していただくということで運用はしております。任意接種に関しまして、把握率というものは、事実上把握しておりませんけれども、何分、確かに報告義務があるとはいえ、そこは御懸念されるところではあると思います。ただ、現行上の保護制度の限界といたしましては、報告されていない副反応に関して把握するのは困難であろうと思われます。

○岡部部会長 ほかに御意見はありますでしょうか。

 これも臨床の先生方に法律にあるないにかかわらずというと怒られてしまいますけれども、こういう報告をきちっとしていただくことによって、より副反応というもの、あるいは有害事象にかかわることが理解できてくる、そのベースのデータであるということでぜひ御理解いただければと思います。医師会の先生方にも、おそらくこういうものが周知されると思うのですけれども、小森先生もどうぞよろしくお願いします。

 では、よろしいでしょうか。

 それでは、これについても報告なので「わかりました」ということですけれども、もう一つの報告事項が、3混、DPTワクチンについての報告がありますので、よろしくお願いします。

○滝室長補佐 引き続きまして、「3種混合ワクチン(DPT)について」、事務局より御報告させていただきます。資料6の「3種混合ワクチン(DPT)の販売中止について」と参考資料5「3種混合ワクチン(DPT)及び4種混合ワクチン(DPT-IPV)の取扱いについて」となります。

 資料6の「3種混合ワクチン(DPT)の販売中止について」の事務連絡をご覧ください。平成26年3月12日に発出しました参考資料5の「3種混合ワクチン(DPT)及び4種混合ワクチン(DPT-IPV)の取扱いについて」の事務連絡において、3種混合ワクチンが順次終了していく旨の連絡をさせていただいたところでございますが、全ての販売業者における通常の市場でのワクチン販売が終了した旨の連絡がありましたので、平成2612月4日付にて3種混合ワクチン(DPT)の販売中止についての事務連絡を発出させていただきました。

 これまで厚生労働省のホームページ上では、平成26年4月9日更新の「ポリオワクチンに関するQ&A」の中で、3種混合ワクチン及び不活化ポリオワクチンの接種を始める場合には、原則として4種混合ワクチンを使用するようお示しさせていただいているところですが、現時点においても不活化ポリオワクチン単独または4種混合が合計4回を超えて接種することとなる場合、本事務連絡をもって対応をさせていただくことになりました。

 さて、本事務連絡を発出して1カ月余り経過しているところでございますが、都道府県及び市区町村等から、例えば経口生ワクチンを2回接種済みで3種混合ワクチンの接種が完了していない場合、どのワクチン製剤で接種を完了すればよいかとの質問を多く頂戴しているところでございます。この質問に関しましては、ポリオワクチンに関するQ&Aの問9にも記載をさせていただいているところですけれども、現在、全ての販売会社における通常の市場でのワクチン販売が終了したことから、4種混合ワクチンを使用していただくようお願いさせていただいているところです。

これまで各医療機関より3種混合ワクチンが必要な旨の相談を受けた都道府県及び市区町村には、3種混合ワクチンの必要性及び医療機関における4種混合ワクチンへの切りかえ状況等を随時御確認していただいた上で、厚生労働省からワクチン製造販売業者に個別販売の依頼をさせていただいているところでございます。

 なお、現在、供給可能なワクチンにつきましては、有効期限が平成28年7月15日までの北里第一三共ワクチン株式会社のワクチンとなります。

 今後も都道府県及び市区町村から納品希望があった場合は、引き続き当課において対応させていただきたいと考えております。

 事務局からは以上となります。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。これも報告事項なのですけれども、自治体のほうから多分御意見があると思うので、坂元委員どうぞお願いします。

○坂元委員 それほど数は多くないのですけれども、うちはワクチンを一括購入している関係で、ぱらぱら問い合わせが来るのですけれども、今もう一度確認したいのですけれども、そうすると、平成28年7月以降は、もう一切供給ができないと解釈してよろしいのでしょうか。

○滝室長補佐 現時点での対応方針ですので、また、その時期になりましたらメーカーと調整するなど検討はさせていただきたいとは考えております。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 ほかはよろしいですか。

 では、臨床現場からどうぞ。

○庵原委員 2つあるのですけれども、1つは、小学校6年生のDTDPTに変えるという動きで治験が一部行われていたかと思うのですけれども、その動きがどうなっているのか。また、実際にそこで行われた結果を踏まえて、もう一遍DPTの製造を再開する予定があるのかどうか。そこが1点目です。

 もう一つは今、医療現場で職員とか、それから学生実習の頃に百日せき対策としてDPTワクチンを勧めているところもあるのですが、そういうところでDPTワクチンがなくなれば、DPT-IPVで対応せざるを得ないと思うのですけれども、その点に関してはどのように考えておられるか。これは任意接種ですので、定期ではないですから、行政を通して頼むことができないというその部類に入ってしまうのですけれども、任意でもそういうことが可能かどうか、その2点です。

○岡部部会長 では、事務局お願いします。

○滝室長補佐 まず1点目の御質問ですけれども、DPTの追加接種のことになろうかと思うのですけれども、我々としては、メーカーから成人での適用拡大については、国内第三相試験が終了し、試験結果について学会で報告したメーカーがあるというところまで聞いております。

DPTが打てないかどうかというところなのですけれども、今、厚労省で対応させていただいている3混のワクチン接種者の方に関しましては、あくまでもDPT-IPVIPVが4回を超えるお子様のみを対象とさせていただいておりますので、もちろんDPTの追加接種が承認されれば、またその時点で新たに打てる可能性は出てくるかと思いますけれども、今の段階では、IPVがあくまでも4回を超えるお子様のみを対象とさせていただいている現状です。

○岡部部会長 先に中野先生からがいいですか。それで、氏家補佐から。

○中野委員 庵原委員の2つ目の質問とも関係するのですが、先ほど事務局からいただいたお答えは私も妥当だと思いますし、基本的に定期接種は4種混合で対応するということを大分以前からおっしゃっていただいておりますので、私はこれは全然妥当だと思うのです。

 私が臨床現場で困っていることは、思春期と成人に打つDPTワクチンが今、無いのですよね。旧薬事法、医薬品医療機器等法によりますと、4種混合ワクチンは、小児に接種するワクチンということで、15歳を超えると接種できないのですよね。ところが、庵原委員は医療関係者のことをおっしゃいましたが、医療関係者以外に海外留学する方々、そういった国民の方々に任意接種であるけれども、ワクチンの機会を私たちは現場でぜひ確保してあげたいわけであって、そうなりますと、現在打てるワクチンが無いですので、できるだけ早い機会に思春期と成人に打てるDPT含有ワクチンとでも申しましょうか、それを確保していただければと思っております。要望事項でございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 では、氏家補佐。

○氏家課長補佐 先ほどの庵原先生の2点目の質問、そして中野先生にしていただいた質問に関連してのことでございますが、薬事承認された承認事項としましては、御指摘のように15歳までの安全性、有効性が確認されたことの記載がされている4種混合ワクチンでございます。ただ、この確認事項というのは、医学的な判断に基づく医師の裁量を制限するものではございませんので、任意接種により承認適応外で製剤を使用すること自体は制限されるものではないと考えられます。

 また、そのDPTにつきましても、現在シリーズで接種することが添付文書上記載されていることから、1回の接種を成人に行うという方法は、厳密には承認適用外使用ということになってございますが、こういった問題を解決するために、現在臨床治験が第三相まで行われているということでございますので、今後の企業からの承認適用の一変等の申請があれば、当該部署での審査結果を踏まえて接種適応の拡大が承認されれば、こうした問題を解決していくことになろうかと理解してございます。

○岡部部会長 よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、これも将来的な大人のこと等々も考えれば、使いやすいもの、あるいは必要なものとしての検討を続けていくことは必要だろうと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 それでは最後ですけれども、資料7、平成26年度MR接種率、まだ最終ではないということですけれども、中間評価ができましたので、多屋先生からお願いします。

○多屋委員 厚生労働省から毎年2回、全国の都道府県の皆様に対して調査が行われている結果をまとめたものです。

 一番最初のページが麻しんワクチンの接種率です。その次のページは風しんワクチンの接種率となっていますが、これは、以前は麻しんと風しんを単味で受けられる方も一定程度いらっしゃったのですが、第2期ではほとんどいらっしゃいませんので、麻しんの接種率と風しんの接種率はほぼ一緒と思っていただいても大丈夫な結果となっています。

 4〜9月までの上半期半年間で59.6%、目標が95%以上ですので、3月31日までに残りのまだ受けていらっしゃらない方に、ぜひ積極的な勧奨をお願いしたいと思います。

 3ページ目は、都道府県別の接種率を接種率が高いところから順番に記載したものです。これはあくまでも中間評価ですので、接種率がそれほど高くなかったと感じられる自治体におかれましては、ぜひ3月31日までの95%以上の目標達成をお願いできればと思って出しているものです。ただ、だんだん接種率は上がってきていまして、上半期で既に68.9%という非常に高い県もございます。一番低いといったら何なのですけれども、それでもちょうど上半期で半分の接種は行われているというのが、2期の現状かと思っています。

 その次のページは、2013年度の上半期と2014年度の上半期を比較したものです。少しではありますけれども、0.5ポイントの上昇という結果となっています。特に、福島県、埼玉県、神奈川県、岐阜県、岡山県の接種率の伸びが大きいということがわかります。

 その次の表3、4、5、6につきましては、市町村別です。政令指定都市別が一番最初のページです。以前は、人口が多い都市のほうが接種率が伸び悩んでいたのですけれども、人口が多いところも接種率が随分上がってきています。ただ、上半期の接種率がまだ3〜4割といったところもあるようですので、ぜひ3月31日までに期待をしたいと思います。

 その次のページが中核市、その次のページが特例市、その次のページが特別区別の接種率となっています。上半期で既に8割という非常に高い接種率が出ているところもあって、本当にすばらしいと思います。一方では、この結果は決して悪いということを言うために出しているものではなくて、あと残り3カ月ほどありますので、その3カ月に勧奨していただくための資料と前向きにご覧いただきたいと思います。

 最後の日本地図は、今のところ全国真っ青でございまして、これが真っ赤になるのを3月31日には期待をして、この報告を終わりたいと思います。ありがとうございます。

○岡部部会長 定期的なまとめをありがとうございます。

 これについて、何か御意見、御質問がありましたらお願いします。

 今のところは真っ青ですけれども、中間なので、これは年度末になってくるとみんな真っ赤な顔になるということを期待したいと思います。また、これで半分以上いっているから大丈夫なのだということでは決してないので、引き続きMRワクチンの重要性については、ぜひお伝えいただければと思います。

 これで今日の審議事項、それから報告事項は終わりになるのですけれども、「その他」では、何かございますでしょうか。

 先生方からは特にありませんか。

 事務局からは、「その他」としては特にありませんか。

 よろしいですか。

 それでは、次回の開催等について、事務局からアナウンスをお願いします。

○石田室長補佐 本日もどうもありがとうございました。

 次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。

 また、本日御審議いただきました議題1の「B型肝炎ワクチン」と議題2の「日本脳炎ワクチン」の特例措置対象者の件につきましては、本日の審議をもちまして、当部会における技術的検討等は終了したものと考えております。

 そのため、開催案内等はまだ行っていないところなのですけれども、この後正式に行いますが、来週の15日木曜日に開催する予防接種・ワクチン分科会にお諮りしたいと思っております。

 事務局からは以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、今日の第12回予防接種基本方針部会を終了します。どうもありがとうございました。


(了)

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