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2015年3月9日 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会健康日本21(第二次)推進専門委員会(議事録)

○日時

平成27年3月9日(月)10:00〜12:00


○場所

田中田村町ビル 新橋会議室8E(8階)
(東京都港区新橋2−12−15)


○議題

1.各項目の進捗状況について
(1)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標

2.その他

○議事

○小野課長補佐 定刻を過ぎましたので、ただいまから第3回「健康日本21(第二次)推進専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただき御礼申し上げます。

 厚生労働省健康局がん対策・健康増進課の小野でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、初めに本日の出欠状況につきまして御報告させていただきます。

 辻委員長におかれましては、急遽都合が悪くなられたとのことで、本日御欠席との御連絡をいただいております。

 また、本日の議題の検討に当たりまして、厚生労働省より医政局歯科保健科大島課長補佐と労働基準局労働安全衛生部化学物質対策課環境改善室濱本室長が出席しております。

 次に、配付資料の確認をいたします。お手元の資料を御確認ください。

 一番上から、座席図。

 「本委員会の設置について」で、裏面が名簿になっております。

 議事次第。

 資料1としまして、横置きの「健康日本21(第二次)各目標項目の進捗状況について」。

 それに関連しまして、参考資料1から12が一続きになっております資料が参考資料としてあります。

 また、机上に配付させていただいております、深井委員のほうから別途説明いただく資料のほうを別途資料として配付させていただいております。

 資料の確認は以上でございますが、もしお手元に配られていないもの等がございましたら事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。

 本日は委員長が御欠席ということでございますので、谷川副委員長に進行のほうをお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○谷川副委員長 おはようございます。谷川でございます。

 きょうは、先ほど辻先生が体調不良ということをお伺いしまして、急遽代役を務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、早速議題に入りたいと思います。

 本日の議題は、「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標」、そして、健康格差の縮小に係る目標項目の進捗状況についてです。

 事務局から説明していただきますけれども、今回はさまざまな分野がございますので、最初に資料1の「(1)栄養・食生活」、次に「(2)身体活動・運動」から、さらに(5)の「喫煙」まで、最後に(6)の「歯・口腔の健康」の3つに分けて進めさせていただきたいと思います。

 それでは、まず、「栄養・食生活」につきまして事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○芳賀栄養指導室長補佐 それでは、栄養・食生活に関して御説明いたします。栄養指導室長補佐の芳賀です。よろしくお願いいたします。

 資料1の1ページから4ページまでが栄養・食生活に関する事項になります。

 資料1の1ページをごらんください。表のつくりですが、「項目」のところに目標項目、それから、「策定時の現状」が次の2行目の上の段で、真ん中の段に「現状値」で最新の把握可能な値を入れており、3段目に目標値という表のつくりになってございます。こういった点に関してのこれまでの取り組みと今後の方向性について御説明いたします。

 まず、栄養食生活の項目の「1適正体重を維持している者の増加」に関してです。こちらについては策定時の現状が1段目のところで、データは国民健康・栄養調査で、最新の値としまして現状値は平成25年の国民健康・栄養調査の値となっております。

 肥満者の割合については低下傾向にあります。

 目標値に関しては平成34年度を目途として、こちらにお示ししているような値になっています。

 この項目に関してのこれまでの取り組みですが、まず、日本人の食事摂取基準2015年版の策定検討会において、昨年報告書を取りまとめておりますが、この報告書においてエネルギーについては摂取量及び消費量のバランスの維持を示す指標として新たに体格を示す指標、すなわちBMIを採用しています。

 また、特定給食施設における栄養管理の評価として、学校等の給食施設等健康増進を目的とした施設において、肥満及びやせに該当する者の割合の変化の状況を把握する仕組みを新たに導入し、こちらについては衛生行政報告例をもとに平成27年度より把握する予定としています。

 また、食生活改善普及運動においても適正体重の維持に関してのテーマを設定しています。

 あわせて、自治体への補助事業である糖尿病予防戦略事業においても、事業内容の一つとして肥満予防対策を設定しております。

 また、調査関係では国民健康・栄養調査において、平成24年が拡大調査ということで都道府県別の状況をお示ししておりますが、そちらでBMI値を公表しています。

 これらの施策の今後の方向性ですが、まず、食事摂取基準については検討会の報告書を踏まえ、平成27年度より運用を開始し、内容の普及促進を図る予定です。

 また、食事摂取基準のところでエネルギーの指標としてBMIを採用していますので、こちらに関しての施策もさらに具体の情報提供へと展開予定です。

 特定給食施設については、学校等の給食等の健康増進を目的とする施設に対しての取り組みをさらに広げており、こちらに関しては衛生行政報告例からその実態が把握できますので、その状況を分析して課題や改善策を検討していくこととしております。こういった方向性で考えております。

 これらの施策に関係する参考資料については、食事摂取基準に関しては参考資料1、特定給食施設での栄養管理に関する目標と評価の仕組みについては参考資料2ということでお示ししております。

 次に、おめくりいただきまして、資料1の2ページ目、「2適切な量と質の食事をとる者の増加」に関してです。こちらに関しては、2ページのアとイ、さらには3ページのウまで3つ項目の内訳があります。

 まず、2ページのアの「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の割合の増加」に関してです。こちらは、内閣府が行っている食育の現状と意識に関する調査のデータをもとに現状値は63.3%ということで平成24年度のデータになります。

 こちらに関するこれまでの取り組みですが、食生活指針や食事バランスガイドを通した啓発普及、それから、主食・主菜・副菜の組み合わせを基本とする健康な食事に取り組みやすい環境整備を図るという目的で、平成25年6月以降、日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方検討会というものを立ち上げまして、こちらで御議論いただき、昨年の10月に検討会報告書を取りまとめ、公表したところです。

 あわせて報告書の内容に関しては、啓発普及用のパワーポイントとして厚生労働省のウエブサイトにて公表中です。

 また、ことしの2月に入りまして、同報告書をもとに事業者が基準に沿った料理を提供する際の運用案についてパブリックコメントを実施し、先般、パブリックコメントが終わったところです。

 これらに関しては、今後さらに理解を深めるための啓発用のパンフレット作成・公表ですとか、パブリックコメントの結果を踏まえたガイドラインに関して現在検討中でございます。

 こちらの施策に関しましては、本日の資料の参考資料3−1、3−2のところに報告書の内容からポイントを抜粋して参考資料としています。

 次に、イの「食塩摂取量の減少」に関してです。

 最新値ですと国民健康・栄養調査の平成25年調査結果になりますが、食塩摂取量は10.2グラムという結果です。

 食塩摂取量の減少に関するこれまでの取り組みといたしましては、食事摂取基準においてナトリウムの目標値を高血圧予防の観点から現行では食塩相当量として成人男性9グラム、成人女性7.5グラムですが、これを2015年版では成人男性8グラム、成人女性7グラムに変更しています。

 また、健康な食事パターンに関する基準においても食塩の基準の案を設定しています。

 また、環境整備といたしましては、スマート・ライフ・プロジェクトで食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業の登録を推進しておりまして、平成24年時点は14社であったのが、平成26年3月時点では67社に増加しております。

 また、食生活改善普及運動においてもテーマとして減塩を挙げております。

 また、消費者庁における施策ですが、食品表示法においてナトリウムの量を食塩相当量として表示することの義務化が予定されています。また、学会関係では日本高血圧学会において減塩委員会の活動として減塩サミットを開催され、減塩食品リストを公開するなどの活動があります。

 今後の方針についてですが、食事摂取基準2015年版では、ナトリウムに関する目標量を現行の2010年版よりも少し下げておりますので、これらの普及促進を図る。また、スマート・ライフ・プロジェクトにおける企業による食塩低減の取り組みについては、平成27年4月に施行される食品表示法に基づき運用される食品表示基準、これに関しては減塩のところの基準が若干変わりますので、それらとの関連から健康増進の取り組みとしての観点でスマート・ライフ・プロジェクトでどのように取り扱っていくのがよいかというので本日御意見をいただきたく存じます。

 この内容に関しては、参考資料4のほうに現状と課題、今後の方向性に関する案ということで内容をお示ししております。

 参考資料4をごらんください。15ページになります。スマート・ライフ・プロジェクトにおける食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む企業数の増加に係る減塩の取り組みについてです。

 まず、現在の取り組み状況としては、健康日本21(第二次)の栄養・食生活の目標に以下の表にあるような目標を掲げておりまして、現在、登録社は67社となっております。

 「現状の取組の課題」としては、この取り組みの登録というのが特段どの程度の食塩量を低減していたら取り組んでいることになるかというところのルールはなく、スマート・ライフ・プロジェクトの減塩の取り組みとしては、減塩している商品に減塩を記述したロゴマークの表示がされています。

 おめくりください。16ページになります。

 一方、ナトリウムが低減された旨の表示については、先ほど申し上げましたとおり、新たな食品表示基準が消費者庁において施行されますが、その基準のもとでは25%以上の相対差がないと製品に「減塩」や「塩分何%カット」のような表示ができなくなる見込みです。こうしたことに関して事業者さんのほうからは、25%以上の低減までには至らずとも健康づくりのための食環境整備の観点からは一定程度の低減でも取り組む意義があるので、こういったことに関して取り組みに関する低減の程度を明確にしてほしいなどの意見も寄せられているところです。

 これらを踏まえた、今後の方針案についてです。

 スマート・ライフ・プロジェクトにおいては、食塩または脂肪の含有量の低減に取り組む場合は、個別の商品に、先ほどの15ページにあったようなロゴというのは新たな食品表示の基準における減塩に合致したものと誤認されるおそれがありますので、こういった表示は行わない方向でいかがかという案です。

 しかしながら、健康づくりの観点からは高濃度にナトリウムを含有する食品においては、一定の割合でナトリウムの含有量を低減することは国民における食塩摂取量の減少には寄与すると考えられます。こうした場合、今後、スマート・ライフ・プロジェクトで、取り組みをしている企業の登録について何かしら一定程度の低減の程度を設けた登録条件に変更する必要性、それから、その際の登録の内容等に関して、本日は幅広く御意見をいただければと考えております。

 それでは、資料1にお戻りいただきまして、3ページになります。

 ウの「野菜と果物の摂取量の増加」に関してです。現状値は平成25年の値で野菜摂取量の平均値は283グラムとなっております。これらに関しては、各種指針、スマート・ライフ・プロジェクト等において事業を展開しておりまして、取り組みはお示ししたとおりです。今後もこういった取り組みを軸に普及促進を図っていく予定です。

 また、国民健康・栄養調査においては、平成28年と平成32年に実施予定のところは拡大調査をできれば実施したいと考えておりまして、この際、都道府県別の野菜摂取量の状況を分析する方向で予定しております。

 最後に3の「共食の増加」についてです。現状値は、日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活等実態調査」による結果となっておりまして、こちらに関してはまだ現状値というのが設定時のデータのままです。これらに関しては目標として減少方向へと設定しております。

 これまでの取り組みとしては、第2次食育推進基本計画の重点課題の一つとなっていますし、食育推進会議のもとに設置された専門委員会においても、現在、第3次の計画作成に向けて検討中です。

 また、健やか親子21の第二次というのが平成27年4月から開始しますが、そちらにおいても家族など誰かと食事をする子供の割合を参考とする指標として設定されています。今後はこれらの施策の取り組みを充実させていく方向性で考えております。

 以上、栄養・食生活に関する説明でした。よろしくお願いいたします。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しまして御質問、御意見等をいただきたいと思います。特に今、御説明がありました参考資料4につきましては、スマート・ライフ・プロジェクトの減塩の取り組みにつきまして今後の対応を決めていくことになりますので、御意見があればあわせてお願いいたします。いかがでしょうか。

○岡村委員 その順番がどこからというのはあるのですけれども、スマート・ライフの特に食塩のところになるのですけれども、これは今後の食品表示との整合性をどうとるかというのは結構大事な問題になってくるのですけれども、25%の相対差というのは、もちろん非常に重要ではあるのですが、ポピュレーションアプローチの観点から言うと、少しでも塩の含有量が減っているというのは非常に重要な観点になるので、何らかのことでこれを残していける方向でできたらいいかなというのが一つあります。名称が混乱しないような方法で変えなければいけないということと、それにしても定義を自己申告ではなくて、10%でも何でもいいのですけれども、ある程度の基準は決めた上で名称が混乱しないように残すことを考えたらいいのではないかということと、それから、この25%自体についても、1グラムのものを25%にしたら0.25グラム減るのですが、もともと5グラムとか6グラムとか入っているような食品になってくると、10%にしても0.5グラムという絶対値の減少というのが大きくなってきますので、例えば絶対値とパーセントのどちらかやりやすいほうにするとか、多分、そういうようなやり方も方法論としてはあるかと思うので、食品の種類によって間口を少し広くして、ここから入っていったら先々今度はさらに25%まで進めるというゲートの役割も果たすかもしれないので、そういう方向での検討がよろしいのかなというふうに思いました。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 どうぞ、村山委員さん、お願いします。

○村山委員 私も岡村委員の考え方と共通する部分が多いのですけれども、強調表示の25%減というとかなりハードルが高いと思います。それをやるところはそれをやるという一方で、健康づくりための社会環境の整備という観点から主体的に健康づくりにかかわる企業をふやすという意味で取り組みやすい基準も一つ必要かと思います。したがってもう少し緩い基準、例えば10%、15%ということでもいいと思います。また、平成34年、35年まで、基準を段階的に高めていくということでもいいのかと思います。

 もう一点、イギリスなどでは食品業界が主体的に基準を決めて自分たちで取り組んでいき、国民の減塩に成功したという事例もありますので、ぜひ業界が自分たちで取り組みを進めていくような基準の決め方をしていただけるとありがたいと思います。

 一部の食品が減塩することよりも、より多くの食品、あるいは一般的に流通しているものが少しでも減塩してくれれば、より多くの国民への影響が期待できます。国民全体の観点から言うと、一部の食品の減塩よりはより多くの普通の食品の減塩を進めることが重要というふうに考えています。

 以上です。

○谷川副委員長 ほかにございませんか。

 どうぞ。

○津下委員 基本的に岡村先生や村山先生と同じ意見なのですけれども、企業としてより取り組みやすい方法ということで、この25%減塩が自社製品に対する相対値を出すことになると、消費者から見ると何を基準にこの25%を出されているのかわからない、という曖昧さが残るのではないかと思いますので、絶対量でも示すとか、消費者にもわかりやすい取り組みが必要だろうと思います。

 それから、今回は健康日本21の目標として食塩摂取量を10%ぐらい減らしたいという目標でもありますので、10%の減塩というのも25%までいかなくても一つの意味はあるのかなというふうに思います。

 減塩について言うと、含まれる調味料とか食品の一個当たりの含有量ということもありますけれども、どのようにとるのかというのが非常に重要だと思います。いくら10%減塩した食品を使ってもたくさん使えば減塩効果は薄れてしまいます。食品を変えることと食べ方を変えるというのと両面が必要なので、単なる選択ではなくて、どう使うかという教育が重要です。

 2点目は、減塩がどうして可能なのかということもあわせて知りたい部分もあります。減塩すると、普通は保存のために塩分を濃くしなければいけないけれども、減塩するために保存料をふやしたのか、味の物足りなさはおだしで変えたのか、その辺がどのような工夫をされて減塩されたのかというのは、健康に気づかう消費者としては気になるところですので、より詳しい情報が提供されることも期待したいと思います。

 塩分以外の話はしていいですか。

○谷川副委員長 いいですよ。どうぞ。

○津下委員 今回のデータで見ると、BMI、肥満の状況についてはいい方向に動いている。これは、やはり体重とか、健診のときにメタボに着目するとか、国民にとってわかりやすいメッセージだったからと思います。さらにBMIが食事摂取基準にも取り入れられたということで、連動して非常にわかりやすいと思います。ただ今度の結果をみると、食事の中身についての指標は余りはっきりした結果が出ていない。環境的にはかなり意識されたものが出ているにもかかわらず、外食とか中食とか外のものがふえればふえるほど、個人では摂取量が把握しにくくなるので、評価が難しい面があるのかなというふうに思います。

 3つ目ですけれども、野菜の摂取量が愛知県は先回の公表値で、全国で最も少なかったということが公表されました。その結果、県内で2つ動きがありました。1つは、本当にその摂取量の申告が正しかったのかという意見があるというのが1つと、もう一つは、これをきっかけに野菜をふやす運動を活発化している自治体がふえてきたということであります。ですから、都道府県とかわかりやすい単位で運動を起こせるようにこういう指標を定期的に出していただくというのは非常に重要なことだというふうに思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

 以上です。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○深井委員 質問も含めて2点なのですけれども、1つは、資料1の適正体重の維持のところなのですけれども、近々WHOのほうで砂糖摂取に関する指針が出る予定になっていて、そこでは肥満と虫歯のところが課題になっています。これまで健康日本21の第二次で砂糖摂取に関してはそれほど議論がないと思いますけれども、それは、今、検討する方向があるのかどうかというのが1点です。

 それから、もう一つは、適正体重の維持を具体的に食生活で改善するために、主食・主菜・副菜、あるいは食塩摂取の減少、野菜と果物の摂取量の増加というふうになって、食品に対する対応ですので、参考資料3−2にあるように、そしゃくと肥満防止みたいなこともありますので、例えばよくかんで味わえる食事を今後の方向性として検討することで分野間の連携がとれるのではないかと思いますけれども、何かコメント等あればいただきたいと思います。

○谷川副委員長 砂糖の基準に関してはいかがですか。

○芳賀栄養指導室長補佐 先生御指摘のWHOのガイドラインに関しては、先般公表されました。糖類については、食事摂取基準で目標値を設定できるかどうかという検討は2015年版の検討会でもされました。生活習慣病等の予防を念頭に置いた目標量の設定に関しては、日本人においてはエビデンスが不足していたり、現状ですと食品成分表での数値等がありませんで、摂取量の推定が難しい状況です。こうしたことから、検討されたが目標値の設定には至っていないという状況です。

 それから、後段の食品レベルでの指標と、それが他領域との横断でいかがかという御意見に関しては、国民健康・栄養調査で食品ごとの摂取量とかそういったところまでは遡及できますので、指標としては食品レベルなのですが、食べ方との関連というのは、今後、日本人においてどのような実態でどこが課題かということについては、御指摘のとおり、重要なテーマになってくると考えております。

○谷川副委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、ほかに御意見。どうぞ。

○村山委員 津下委員から、先ほど地域での取り組みについてのコメントがありましたので、補足して情報提供させていただきたいと思います。

 厚労省から健康日本21(第二次)が出されたと同時に、地域における行政栄養士がどういうふうに栄養改善を進めるかの業務指針が新たに出され、それに基づいて各都道府県、都道府県は市町村と連携して取り組みを進めているところです。

 取り組みを進めるときのポイントといいますのが、まず、地域の健康課題は何なのかを明確にし、それに対して栄養・食生活からどのように寄与できるのかということを明確にして取り組みを進めていこうということです。具体的に言うと、例えばその地域の健康課題に減塩や肥満が関連していたとすると、地域地域でどんな食べ方が高塩分摂取や肥満につながるのかを明らかにして対策を考えるということです。その地域の健康課題が何なのか、その健康課題に対してどのような食べ方が原因となって健康課題が起こってくるのかということを実態把握と分析をする。そこを徹底的にやる中で効果的な対策をし、PDCAを回していこうという方向です。

 そのために、公衆衛生協会の研究班でモデル自治体を5県つくりまして、その自治体が先導役となって各都道府県に研修をする等の横展開をしています。

 以上です。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 私も茨城県で減塩に取り組ませていただいて、また、四国においては隣の県の徳島が糖尿病ナンバーワンということでして、おのおの各県によって食べ方も違いますし、非常に大事な取り組みだと思いますので、それを期待したいと思います。

 どうぞ。

○西村委員 北海道大学の西村です。私は呼吸器専門なのでこの領域の専門ではないのですけれども、一つ確認させてください。例えば食品企業に対する取り組みというときに外食産業というのは対象に入っているのでしょうか。というのは、子供たちは外食で味を覚えるというか、特にファストフードで味を覚えます。どちらかといえば味が濃い目のほうが子供たちに受けるわけで、家でもお母さんに注文をつけることになります。つまり、外食産業の味付けは日本人の食生活に非常に強い影響を与えると思うのです。売る側からすると味を濃い目にしたほうが評判はよくなる傾向があります。よって、この辺に対する取り組みをあわせてしないといけないのではと思うわけです。

○谷川副委員長 非常に大事な指摘でございまして、茨城県のときでも健康づくり協力店というのを出しまして、外食店に対して避けてもらう努力をしたのですけれども、先生のおっしゃるとおり、やはり味が濃いのが好きなところではそれがなかなか難しいのです。外食については、今回は食品企業登録と書いてありますけれども、これはあくまでも食品のものだけになるわけですか。その辺、いかがでしょうか。

○芳賀栄養指導室長補佐 現在の登録のところは、スマート・ライフ・プロジェクトに参画していただいている中で、さらにこういった取り組みをされている企業がもう一つ登録の内訳で登録していただくようになっているので、リストを確認してみないとはっきりしませんが、現状は、特にそこの制約はしていません。

○谷川副委員長 ぜひとも先生の御意見では、外食産業にも声をかけるということですね。

 どうぞ。

○津下委員 スマート・ライフ・プロジェクトでは、社員食堂とか日常的なところでの取り組みというのはふえてきたように思うのですけれども、今、おっしゃったように、ファストフードとかそういうところが積極的に取り組むところまではまだいけていないのかなと。これは、やはり消費者に対する教育と一緒にならないと進んでいかない問題と思います。なぜこのような配慮をすることが子供の健康に大事なのか、しっかりと伝えるという消費者教育と連動しないと動かない。健康に良いものを出したけれども売れなければそのお店は潰れてしまうので、やはりそれに価値を感じるような働きかけというのが重要かなと思います。

 例えば、塩分を減らしたらなぜ血圧にいいのかというのを、もう少しメカニズムも含めて話すと納得していただける方は多いです。なぜこれが大事なのか、それが専門家はわかっているけれど、一般の人に伝えられるのは、野菜を食べましょう、塩分減らしましょう、という結果しかないので腑に落ちない。どういうふうに健康にいいのかという、そこの考え方というのをしっかり伝えていくことが重要かなというふうに思います。

○谷川副委員長 そういう取り組みもあわせていただきまして、このスマート・ライフ・プロジェクトの減塩の取り組みにつきまして、今の委員からの意見を踏まえ、健康づくりの観点から企業による減塩の取り組みが進むように内容を充実していただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、次の項目に移りたいと思います。事務局のほうから御説明をお願いします。

○寺原たばこ対策専門官 たばこ対策専門官の寺原と申します。よろしくお願いします。

 私のほうからは、資料1の進捗状況の表になりますが、項目の「(2)身体活動・運動」「(3)休養」「(4)飲酒」「(5)喫煙」につきまして、進捗状況に関して連続して説明をさせていただきます。

 まず、項目(2)の「身体活動・運動」でございますが、この進捗状況の表の5ページ目になります。参考資料は19ページ目の参考資料5になります。

 この「身体活動・運動」の項目に関しましては、3つ項目がございますが、1番目の「日常生活における歩数の増加」と「運動習慣者の割合の増加」に関しましては、20歳から64歳及び65歳以上というふうに2つに分けて目標を立てております。

 まず、1番目の「日常生活における歩数の増加」ですが、一番上の「策定時の現状」と真ん中の「現状値」を比べますと、20歳〜64歳においては歩数の増加は余り見られず変わらない状況ですが、65歳以上に関しましては増加傾向にございます。また、「運動習慣者の割合の増加」も同様でございまして、20歳〜64歳は横ばいですが、65歳以上に関しては増加傾向にございます。

 「これまでの取組」としましては、参考資料の5にございますように、ライフステージに応じた健康づくりのための身体活動基準というものを策定しまして、こちらのほうを公開しております。

 また、スマート・ライフ・プロジェクトの一つのテーマである運動を推進しております。

 今後の方向性としましては、参考資料6になりますけれども、「アクティブガイド」は、健康づくりのための身体活動基準の国民へのパンフレットでございますが、こちらのほうを使用しまして、プラス10分の運動、1,000歩の増加を今後も促進していきたいと思っております。また、スマート・ライフ・プロジェクトにおきましても、スマート・ライフ・プロジェクトに参画する企業・団体と連携しながら取り組みを今後も一層進めていきたいと思っております。

 3番目の「住民が運動しやすいまちづくり・環境整備に取り組む自治体数の増加」ですが、こちらのほうも取り組む自治体数が増加してきておりまして、今後も調査を行いながら、その結果を公表していきたいというふうに考えております。

 次の6ページになりますが、項目(3)の「休養」について御説明させていただきます。こちらは参考資料の23ページ目、参考資料7を御参照ください。

 項目1番目、「睡眠による休養を十分とれていない者の割合の減少」ですが、こちらは策定時の現状と比べまして現状値は大きく改善しておりまして、減少してきております。こちらは目標にかなり近い値になってきております。

 参考資料7の「健康づくりのための睡眠指針」を策定しまして、こちらを公開しております。今後も引き続き、「健康づくりのための睡眠指針」をウエブサイト等を通じて普及を推進していきたいと思っております。

 項目2番目、「週労働時間60時間以上の雇用者の割合の減少」ですが、こちらは若干改善傾向、減少傾向にございます。これまでの取り組みとしまして、時間外労働を認められる事業者等への重点監督や休暇取得促進に向けた働きかけを実施しているところでございます。今後、長時間労働対策をより一層推進していきたいというふうに考えております。

 7ページをごらんください。次の項目、「(4)飲酒」でございます。こちらは参考資料の25ページと26ページの参考資料8をごらんください。

 項目が3つございます。1番目、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少」でございますが、男性のほうは減少傾向にございますが、女性のほうは横ばいでございます。こちらに関しましては、標準的な健診、保健指導プログラムの中に減酒支援のブリーフインターベンションを記載しまして推進しているところでございます。このブリーフインターベンションですが、飲酒問題の評価、目標設定、情報提供と助言の3つを基本要素とする簡易介入にございます。

 今後の方向性としましては、アルコール健康障害対策基本法に基づくアルコール健康障害対策推進基本計画が平成28年6月までに策定予定でございまして、こちらの基本計画と整合性を保ちながら普及啓発活動を推進していきたいというふうに考えております。

 2番目の「未成年者の飲酒をなくす」ですけれども、こちらも中学3年生、高校3年生、男女ともに改善傾向にございます。

 これまでの取り組みとしましては、未成年者飲酒防止キャンペーンの実施等を行っておりまして、また、厚労科研のほうで実態調査の実施を行っております。

 今後、引き続きウエブサイト等を通じまして、啓発及び実態調査を実施していきたいというふうに考えております。

 3番目の「妊娠中の飲酒をなくす」ですが、こちらも減少傾向、改善傾向にございます。厚生労働省のe−ヘルスネット等のウエブサイトを通じて普及啓発を実施しているところでございますが、今後もウエブサイト等を通じまして啓発活動を推進していきたいというふうに考えております。

 次のページをごらんください。項目5番目の「喫煙」の説明をいたします。こちらは目標が4つございます。参考資料は27ページの参考資料9と29ページの参考資料10を御参照ください。

 1番目の「成人の喫煙率の減少」でございますが、こちらは策定時の現状は19.5%から現状値は19.3%と横ばいです。

 策定時におきましては、たばこ税が引き上げられた直後に調査をしたということもございまして、値が大きく低下した後に策定値の現状を調査しておりまして、しかしながら、なかなかその後は成人の喫煙率の減少が認められていないという状況にございます。

 これまでの取り組みとしましては、禁煙支援マニュアルを策定しまして、こちらを標準的な健診・保健指導プログラムの中に組み込み、保健指導の内容を強化しております。この禁煙支援マニュアルを用いまして、健診の受診が禁煙の動機づけの機会となるように、対象者の禁煙意向を踏まえまして禁煙の助言や情報収集等を行っております。

 また、世界禁煙デー時等にシンポジウムやウエブサイト等を通じまして情報活動を行っております。

 また、スマート・ライフ・プロジェクトにおきましても禁煙を一つの大きなテーマとしまして、国民運動として禁煙を推進しております。

 今後の方向性としましては、たばこ・アルコール対策担当者講習会等によりまして、各自治体の保健医療従事者向けの研修会を実施予定でございます。また、禁煙補助薬や禁煙外来の利用率が低いことから、これらの利用を促す情報提供等を行っていきたいと考えております。

 さらに、参考資料10になりますけれども、自治体に対する国庫補助事業でございます。たばこ対策促進事業を活用しまして、地域参画の健康づくり対策を推進していきたいというふうに考えております。

 2番目の「未成年者の喫煙をなくす」ですが、こちらも中学1年生、高校3年生ともに改善傾向にございます。これまでの取り組みとしましては、学校保健担当者等を対象としました未成年者の喫煙防止に効果的な教育方法等を指導する講習会を実施しております。今後も保護者への教育を進めるとともに、学校を中心としました未成年者への喫煙防止教育のさらなる普及活動を実施していきたいと考えております。

 3番目の「妊娠中の喫煙をなくす」ですが、こちらも減少傾向、改善傾向にございます。各都道府県等が行っております女性に対する普及啓発を今後も継続して推進していきたいというふうに考えております。

 最後の4番目、「受動喫煙の機会を有する者の割合の減少」ですが、こちらは小項目としまして5つございます。(a)行政機関、(b)医療機関、(c)職場、(d)家庭、(e)飲食店とございます。aとbの行政機関、医療機関に関しましては大きく改善傾向にございます。cの職場に関しましては、これはパーセントといいますのは全面禁煙または空間分煙を講じている職場の割合でございまして、こちらは値が高いほどいいというものになりますが、横ばいにございます。dの家庭とeの飲食店に関しましても横ばいで余り改善がない状況です。

 これまでの取り組みとしましては、地域と連携しました受動喫煙防止対策を含むたばこ対策を推進しているところでございます。また、職場に関しましては、労働安全衛生法の一部改正が平成27年6月に施行されますが、こちらの中で受動喫煙を防止するための適切な措置を講じることを事業者の努力義務とすると規定しております。

 今後の取り組みとしまして、厚労科研におきましても受動喫煙防止対策を含めた効果的な行政施策のあり方を研究するとともに、エビデンスを収集・分析しまして、受動喫煙による健康影響に関する一層の情報収集、情報発信等を実施していきたいというふうに考えております。

 以上です。

○谷川副委員長 どうもありがとうございました。

 次に、ただいまの説明の中にございました運動の部分につきまして、宮地委員から資料としまして参考資料12が提出されております。宮地委員のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○宮地委員 独立行政法人国立健康・栄養研究所の宮地でございます。

 参考資料12「健康づくりのための身体活動・運動分野の取り組み」に基づき御説明をさせていただきたいと思います。

 先ほど寺原専門官からも御説明がありましたように、厚生労働省としましてはスマート・ライフ・プロジェクトを推進しておりまして、日常生活で生活改善、毎日プラス10分歩きましょうとか、これは食生活の分野ですけれども、毎日プラス1皿野菜をとりましょうといったような取り組みを自治体や企業と協力しながら進めております。

 同様に、健康づくりのための身体活動の国民に対するメッセージということで、「アクティブガイド」というA4・1枚表裏のカラー印刷をしました資料をメッセージとして出しております。ここでは「+10」すなわち今よりも10分多く体を動かしましょうというシンプルでわかりやすいメッセージで身体活動の普及啓発を図っております。

 資料1の5ページにありますように、「3住民が運動しやすいまちづくり・環境整備に取り組む自治体数の増加」という身体活動に関する環境整備の目標を置いております。平成24年度、健康日本21が始まるときには17都道府県だけが身体活動・運動の取り組みをしていたわけですけれども、26年には29都道府県にふえたということで、具体的にどんな取り組みがされているのかを調べてみました。

 自治体の取り組み例としまして35ページを見てください。長野県は寿命、健康寿命ともに上位にいる都道府県でございますけれども、身体活動、運動、歩数のデータは余り上位におりません。そこで、身体活動をより活発にしようということで「長野県版アクティブガイド」である「ずくだすガイド」という自治体特有のガイドラインを出しています。「ずくを出す」というのは、長野県の方言で「精を出す」とか「少し頑張る」という意味だそうですけれども、こういった地域に合った取り組みをしておられます。

 それから、環境整備という観点では、町づくりというのは人材の配置であったり、いわゆる条例の整備であったりというソフトの面もあるかと思いますが、インフラの整備、歩道を整備するとか自転車のレーンを設置して道路のシェアをするとか、あるいは、自治体内における公共交通網の整備であったりといった取り組みを進めていくというのも一つの方策としてあります。そのような観点からスマートウェルネスシティという取り組みが始まっております。現在36の自治体が、主に市町村ですけれども、自主財源でこのような取り組みを進めているところであり、こういった取り組みが全国に広がっていくことが望まれます。

 それから、次のページは、東京のような大きな都市圏では、個別に深くアプローチしていくのが難しいということで、「ケンコウデスカマン」というキャラクターをつくり、都民に少しずつ健康づくりに取り組んでいただこうということを進めております。また、東京都では、厚労省の国民健康・栄養調査と同様に、都民における健康に対する意識調査も行っております。2万5,000人程度の客体数で、市町村別に地域における住民のつながりの強さ、あるいは身体活動や栄養に対する認知・知識の高さなどを調べまして、各市区町村に対してそれぞれの自治体の弱点や強みを気づいて頂くという取り組みを進めています。

 それから、「その他の自治体や企業による身体活動・運動施策」としましては、埼玉県は複数の自治体と協力をし、県からモデル市町村へ補助金を交付して、モデル事業の実証・検証をし、さらに、その中でもすぐれたモデルを全県へグッドプラクティスとして発信していくという取り組みであります。具体的には、東松山市の「+1000歩運動」では、東松山市はスリーデーマーチという日本で最大規模のウオーキングイベントを毎年開催しておりますけれども、その特徴を生かして歩数を11,000歩ふやしましょうという取り組みをしており、1万人が参加をしている。人口9万人で1万人ですから、10%以上の市民が参加するということですからかなり大きな取り組みになっています。

 さらに、参加した人たちがどれぐらい成果を上げたのかというのをPDCAサイクルに基づいて評価し、次年度の補助金額等を決めていくというかなり突っ込んだ施策をしています。

 静岡県も健康長寿県として注目されていますけれども、「ふじ33プログラム」を展開しています。特徴は、一人一人が健康づくりに取り組むだけではなくて、複数人でプログラムを遂行して励まし合いながら3か月実施するという、いわゆるソーシャルキャピタル、つながりを強化しつつ体を動かしていきましょうというプログラムであります。

 それから、自治体だけではなくて、就労者に対する取り組み、特に5ページの歩数のデータを見ていただいてもわかりますし、あと、運動習慣者の割合を見ていただいてもわかりますけれども、65歳以上のリタイアされた御高齢者の身体活動の状況の改善であったり、運動習慣の割合の改善というのは非常に顕著なのですが、働き盛り世代が子育て等も忙しいということもあり、職域における取り組みというのが重要視されていると思います。

 株式会社イトーキ、事務機や机、椅子などをつくっているメーカーですが、ワークサイズという新しいブランドを立ち上げて、仕事によい効果を与えながら健康的に仕事ができる製品づくりということで、先ほどの食品会社の減塩と似たような取り組みですが、このような取り組みも進めておられます。

 最後のページはまとめですけれど、国、都道府県、市町村の取り組みは階層ごとに役割が異なっているので、分担が必要であると思われます。さらに、自治体の取り組みに関してはPDCAサイクルに基づいてしっかりとウオッチングしながら取り組みを進めていくということが10年計画の中では重要だろうと思います。

 自治体や企業取り組むことによって、運動しやすい町づくりや環境整備に取り組む自治体が増加し、理想的には47都道府県が全て取り組むことを目指すわけですが、それが達成されなければ、恐らく歩数であったり運動習慣者の割合は増加しないだろうと思われます。今後一層、運動しやすい町づくりや環境整備について国と自治体とが協働しながら推進していく必要性があるだろうと考えております。

 以上です。

○谷川副委員長 どうもありがとうございました。幅広く自治体、企業の取り組みを御紹介いただきました。

 続きまして、樋口委員から飲酒部分に係る現状につきまして御説明をお願いいたします。

○樋口委員 久里浜医療センターの樋口と申します。よろしくお願いします。

 飲酒のほうですけれども、特に資料を用意してこなかったのですが、基本的にここ20年ぐらいでしょうか、アルコールの一人当たりの平均飲酒量というのは下がってきていまして、ですから、それに伴って恐らく生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている方々も下がることがあると期待されています。しかし、男女で差がありまして、男性のほうはゆっくり下がってきていますけれども、女性のほうはほぼ横ばい状態でなかなか下がりが悪いということがあります。

 それから、諸外国ですと大体ヨーロッパもアメリカもかなり前から飲酒量は下がってきているのですけれども、最近、特にアメリカなんかは、ここしばらくはまた飲酒量が上がってきていまして、ですから、我が国は恐らく高齢化が影響していると思いますけれども、飲酒量はゆっくり下がってきていますが、どこでまた上がり始めるかわからないということがあるので注意深くモニターしていかないといけないと思います。

 それから、未成年の飲酒についても、今、2年に1回ずつ厚労科研で調査が行われていますけれども、ゆっくり下がってきていますが、やはり先ほどの成人と同じように女の子の飲酒の下がり方が非常に鈍くて、そのあたりは女性の飲酒ということについて特に注目していかなければいけないのではないかというふうに思います。

 この中にございますように、アルコール健康障害対策基本法という法律が去年の6月1日から施行されていまして、ちょうど今、アルコール健康障害対策関係者会議というのが行われていまして、基本計画をつくっている途上にあります。今回の健康日本21を踏まえて、中に健康障害を低減するためにいろいろな施策が盛り込まれていくのだと思いますけれども、そういうふうなことを粛々と前に進めていければいいなというふうに考えています。

 以上です。ありがとうございました。

○谷川副委員長 どうもありがとうございました。

 続きまして、中村委員から喫煙部分に係る現状につきまして御説明をよろしくお願いいたします。

○中村委員 中村です。

 成人の喫煙率の減少については、19.5%を12%という目標設定にしたわけですけれども、実は19.5%のベースラインの値はたばこの大幅な値上げがあった年の喫煙率がかなり下がったものを目標にして、それで、やめたい人全員がやめるという約4割を掛け算して12%と設定しています。

 そういう意味では、総合的な対策をこの10年の間にやらないとなかなか達成できない目標値が設定されているということになります。私どもの研究班で12%に到達するための政策ミックスを検討しました。実行可能性の高いような項目の組み合わせを考えたのですけれども、その4つの政策ミックスというのは、1つは200円以上のたばこの値上げ、受動喫煙の防止の法的な強化、つまり、国際的に行われている罰則つきの建物内原則禁煙という法的強化です。それから、禁煙支援・治療ということでは、健診の場を選びまして、特定健診等の場における禁煙アドバイスを普及するということと、あわせて、やめたい人が確実に禁煙につながるようにクイットラインをそれに組み合わせる。それら4つの政策を普及させることによって12%が達成できるというのが私たちの研究班としての試算です。

 そういう観点で今回の今後の方向性を見ますと、ほとんどの項目が入っているのですけれども、クイットラインについては必ずしも明示されていません。がん診療連携拠点病院のがん相談の中で禁煙相談という形でクイットラインサービスが制度として始まったことにはなっているのですけれども、必ずしも実効性はあがっていないのが現状です。クイットラインについてはエビデンスから言うと、まず、相談を待つ受け身のクイットラインはポピュレーションベースの禁煙率を上昇させないということがわかっていまして、効果的なクイットラインというのは既存の保健医療での禁煙のアドバイスと組み合わせたようなクイットラインが、プロアクティブなクイットラインというのですけれども、それがポピュレーションベースの禁煙率を上げる可能性があります。そういう意味で言うと、この資料の今後の方向性で示されている医療や健診等の種々の保健事業の場での短時間支援を広く普及させて、禁煙希望者に対しては少なくとも一回は電話でフォローする。フォローの方法は、クイットラインセンターをつくって、そこがフォローするのか、支援を行った人がフォローするのか、そのあたりは今後の体制を国または保険者レベルで検討して、クイットラインが実効性のあるような形で日本に普及するようにすべきではないかというふうに考えております。

 現実的なことで言えば、たばこ対策促進事業という予算を国として各府県に配賦しているので、今申し上げた健診の場での禁煙支援と禁煙希望者へのフォロアップをメニュー提示して都道府県に提案することを検討してはどうかと思います。また、都道府県の担当者を対象にした研修会を厚労省が開催しているので、そういった研修会の場も活用してやっていくべきではないかと思います。

 あともう一点だけ、受動喫煙の防止については、先ほどの受動喫煙の目標を達成するためにも、また、成人の喫煙率減少のためにも必要なのですけれども、2020年の東京オリンピックに向けて、この資料の今後の方向性に書かれているような取り組みを進めることが大切と考えています。科学的なエビデンスがあるにも関わらず、まだまだ受動喫煙の健康影響に関する認識が十分でないということや、受動喫煙防止対策を法的に強化すると飲食店などの売り上げが減少するというエビデンスに基づかない意見が業界などから出るのが現状です。どちらかというとたばこ産業側の情報がメーンに出ているということで、その2つのポイントでエビデンスに基づいた情報発信を精力的に行って世論喚起をしないと、抵抗勢力側の情報操作といいますか、たばこ政策への干渉とも取れる活動に負けてしまって、枠組み条約に基づいた法的規制の強化についての認識が十分広がっていかないのではないかと考えられますので、これらの世論喚起は非常に重要だと思います。

 以上です。

○谷川副委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料等につきまして、皆さんの御意見、御質問をお願いいたします。

 どうぞ。

○西村委員 禁煙に関して一言コメントさせていただきます。日本呼吸器学会では、日本内科学会、日本循環器学会、日本肺癌学会等々の学会と共同でたばこパッケージの表示を改訂してほしいという要望書を厚労省と財務省に昨年度、今年度と2年続けて提出しております。現在のたばこパッケージの警告表示はいくつかの選択肢のなかからふたつ選ぶことができますが、肺疾患であれば「喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます。」という極めてマイルドな表現になっています。病名は「COPD」ではなく「肺気腫」が使われているのです。私ども呼吸器学会では、健康日本21COPDという病気の認知度を高めることが目標とされておりますように、病名は是非COPDを使って欲しいと思います。たばこは言うまでもなくCOPDだけではなく、肺がんや循環器疾患、その他多くの疾患に大変深刻な健康被害を及ぼします。よって、もう少し強い警告文を出していただきたいと要望しています。

 世界各国を見ると、たばこパッケージの警告文がこれほどマイルドな表現であるのはほとんど日本だけというような状況です。東京オリンピックのときにこんな表現のままでは大変恥ずかしいと思うのです。ということで、ぜひ健康日本21の活動のなかでもたばこパッケージの表示に関して、病名としてはCOPDを使っていただくように、そして健康被害に対するより強いメッセージの表現を取り入れるように応援していただきたいと思います。

○谷川副委員長 どうぞ。

○若尾委員 国立がんセンターの若尾です。同じくたばこのことについてコメントをさせていただきます。

 今、喫煙率が横ばいというお話があったのですけれども、同じく国民健康栄養調査のときにとった禁煙の意思の調査で、やめたい人の割合について、中村先生は4割ぐらいとおっしゃったのですが、前回の23年のときは35%あったものが今回は24%と減ってきているのです。やめたい人も減ってきているという中に、今、先生がおっしゃったように、パッケージを変えるとかさらなる施策が必要だと思います。

 それと、きょうの資料1の9ページのところにある職場での労働衛生法を変えて受動喫煙を防止するための措置を講ずるとあるのですけれども、これは恐らく分煙を進めるということではないかと思うのですが、分煙を進めるということになると逃げ場ができて、やめたい人も減ってくるというのは当然だと思うのです。なので、分煙を進めるのではなくて、しっかりと禁煙を進めるというふうに厚労省のほうで方針を立てていただくのが大事だと思います。これは労働基準局のほうでは分煙を進めているようなのですが、厚労省として健康局で禁煙を進めて、労働基準局で分煙を進めるというのは、ちょっと政策が一致していないところがあるので、ぜひしっかりと禁煙を進めるということで全体の喫煙率を下げて、あとは、本当に先生方がおっしゃったように、東京オリンピックで日本が恥をかかないようにしっかりとした受動喫煙、FTTCの枠組み条約を守るような形の環境を2020年までに準備しないといけないと考えております。

○谷川副委員長 ほかにございませんか。

○北原委員 産業医をしている立場から、職域のという話がありましたので、改正労働安全衛生法の中で受動喫煙の話はありましたけれども、やはり事業主としては空間分煙、場所さえ分けていればいいという認識がまだ非常に強いのが実態でございます。ですので、大手の企業であればある程度お金を費やしてということはあるのですが、建物の中でという分煙はどうやっても不十分になってしまう。なので、そのあたりの根本的な知識も含めて、ぜひ厚生労働省のほうで一本化した統一見解の中で政策を進めていただきたいし、ある程度強い意思を示していただかないと事業主ももう一歩が踏み出せない。喫煙者に対する配慮というのがすごく事業主としては表に出てしまうようなところもありますので、それは行政の施策として強い意思で展開していただければ非常にやりやすくなるというのが実態でございます。

 それから、たばこをやめたい人の非常にキーワードになるのが、たばこが500円になったら俺はやめるよということはよく耳にします。ですので、たばこ税の引き上げの話がここにありますが、ぜひそれもあわせて展開していただければ大変ありがたいというふうに思います。

 以上です。

○谷川副委員長 どうぞ。

○津下委員 たばこが一つと運動の話をしたいのですけれども。たばこの面では飲食店の分煙・禁煙が進んでいないということでした。そこで働くアルバイトなど若い人たちがずっとその環境にさらされている、これは大きな健康問題だろうと思います。分煙などの制度もあるのですけれども、消費者サイドとしても、何か意見を書くところがあれば、「禁煙空間だったらもっとおいしかったのに」など、できるだけ消費者の声でお店に禁煙の空間を消費者も求めているのだということをアピールするような行動も一つ必要なのではないかというふうに思います。それが禁煙についてです。

 あと、運動の面なのですけれども、宮地先生がおっしゃいましたように、5ページにあります、住民が運動しやすい町づくり環境整備が非常に重要で、これが都道府県で数をとられているのですが、実は実際の政策は市町村が行っている場合が多く、市町村によってはスポーツ課とか公園緑地課と一緒になって運動ができる環境づくりを進めている自治体がふえてきています。市町村で把握するのはどうなのかなというふうに思っています。

 この環境については、1つは環境そのもの、要は公園とか歩きやすい町とか道とかそういうようなインフラというのも一つですし、それから、仕組みとしては、例えば交通局とコラボして階段を使おう運動をしたり、名古屋市ですとシニアパスがあるので高齢者はパスを使って、どれだけ使っても料金が変わらないのでどんどん町へ出ていくということができます。そういう交通インフラとコラボするという仕組みづくりと、もう一つは、ボランティアや一緒に運動をする仲間づくりというのをどんどん進めていくというのも非常に重要で、その3つがうまくそれぞれの自治体によって取り組みは違うのですけれども、かなり市町村は動いているところだと思います。都道府県で調査しますとどうしても健康対策のそこの部局のデータしか持ってこなくて、29都道府県、こんなに少ないのかなと、思います。都道府県が市町村の状況をどれだけ把握できているのかとかいうことも気になる点でございますので、将来的には市町村数で何%とか把握できたりすると、より一歩を促せるのではないかというふうに思います。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 お二人からお手が挙がりました。では、山之内さんから先にどうぞ。

○山之内委員 話の流れがあれなのですが、休養という側面で精神・神経センターのほうから御意見させていただこうと思います。

 休養なのですけれども、目標値で平成24年の健康栄養調査で15.6、睡眠による休養がとれていない人が減っているということだったのですけれども、たしかこれは翌年にやった生活基礎調査のほうではむしろ上がってしまっていて、いわゆる全体で見ると横ばいではないかというふうにとらえております。昨年、健康日本の厚労科研のほうで調査させていただいたのですけれども、国民生活基礎調査で見てみると、寝ることで休養がしっかりとれている人というのがどれぐらい寝ているのかというのを見てみたら、5時間と6時間の間でクロスがあって、いわゆる人の睡眠時間を画一的に何時間というふうに定めるのはよろしくないという意見もある中で、マスで見たときに、公衆衛生的に見たときに、例えばですけれども、そちらにあるポスターではないのですが、プラス1時間とかそういった何か施策が打てるのではないかというふうに考えたところです。

 その中で、今回、取り組みと方向性というところで出てきた参考資料7で出てきた、これが何というか、国民に対してわかりやすく伝わる指針なのかなというのは思っていて、これは中身を見ると本当にそのとおりなのですけれども、これをどうわかりやすい形で伝えていくかということ、それから、あとはポピュレーションアプローチではないのですが、年寄りというのはすごく寝ているのですね。寝ていない人たちを見てみると、実は男女ともに壮年層、30代とか40代、50代の、そういった生産年齢の人たちが非常に寝ていないということもわかっていまして、そういったところでターゲットを絞った形での施策の展開を休養や心も忘れずにやってほしいなというところが一つあります。

 以上になります。

○谷川副委員長 ただいまのコメントにつきまして私もコメントを追加したいのですけれども、睡眠指針につきましては、もともと国民にというよりは、むしろ保健指導を司る保健師さんとか医療者に対してのメッセージ性が強くて、そのために参考文献を非常に充実してあります。今、先生がおっしゃいましたように、これを国民のレベルのほうにきちんと伝えるような工夫というのは必要だと思いますし、実は公衆衛生学会なんかでもシンポジウムが組まれていますけれども、さまざまな取り組みでさらにこれを広げていく必要があるというふうに考えております。

 また、プラス1時間というのはすごくいいメッセージだと思います。実際に血圧なんかを下げるのに1時間寝るだけで血圧が下がったというようなデータを出しておられる先生もおられますし、そういうのがまた今後必要ではないかと思います。

 ありがとうございました。

 もう一方、どうぞ。

○宮野委員 町の薬局の薬剤師の立場として禁煙について一言申し上げたいと思います。

 薬剤師の中には学校薬剤師という活動を熱心にされている方がいらっしゃいまして、学校保健の現場で禁煙に関して講習会、講演会などを通じて児童・生徒、職員などに禁煙を呼びかけて未成年者喫煙防止に貢献しているところなのですが、薬局のほうにも禁煙補助薬や禁煙外来の相談もありまして、OTCを使って禁煙してくださるケースもあるのですが、やはりかかりつけ医などに相談して禁煙をしたいというときに、未成年者に禁煙外来の保険適用がないためにちゅうちょしてしまうというところもあるので、その利用率を高めるためにも、また、未成年者の喫煙をなくするということからも禁煙外来のもう少し年齢制限なども見直していただければいいのかなと思いました。

○谷川副委員長 先生。

○山縣委員 山縣です。

 禁煙に関してなのですが、未成年の喫煙率というのは非常に下がってきていますが、今、山梨で小児保健協会で取り組もうと思ってちょっとあれなのは、要するに、恐らく全ての県で禁煙の認定施設という制度をやっていると思うのですが、あれがきちんと市民に見えるような形でなっていない、どこかを見ると表になっているぐらいで、あれを可視化するような地図でこういうお店はこうなのだとか、そういう取り組みというのはどこがされているのかということと、あと、「食べログ」という、こういうところでそういうことを言っていいのかどうかわからないけれども、あれなんかはちゃんと禁煙施設として出てくるような、どこに行けば受動喫煙をしなくて食事ができたりするのかというのをもっとアピールできるような形をやっていきたいなと思っているのですが、今、その取り組みというのはどの程度あるのかということを少しお伺いしたいと思います。

○谷川副委員長 そういう取り組みというのはいかがでしょうか。たばこのほうで何か把握されていますか。

○中村委員 必ずしも全国的に調査をしているわけではないのですけれども、私がこれまでかかわってきたような都道府県であるとか市町村の情報から言えば、たばこ対策に熱心な市町村、例えば厚労省の健康寿命を伸ばそうアワードを受賞した岐阜県多治見市においては、禁煙のレストランのマップをつくって市民に配ることをやっていますし、また、禁煙の治療が受けられる医療機関の情報提供についても、特定健診の場での喫煙の保健指導が強化されたのに合わせて、たとえば大阪では約5割の市町村が集団健診の場ですけれども、全ての喫煙者に禁煙をアドバイスするという取り組みをおこなっています。その取り組みの中でそれぞれの管内の禁煙治療の医療機関のリストをつくって配布するということを実施しています。このような取り組みを全国的に広げることを今後厚労省の事業として実施できるとよいと思います。

 要は、日本は健診も含めた優れた保健医療システムを有しているので、そのシステムの中に禁煙を推進する活動を組み込んでいくということがポイントではないかと思っています。大阪府をはじめ、個別にはいろいろ支援はしているのですけれども、厚労省のほうとも今後相談して、そういったことをモデル的に取り組む都道府県の事例を育成することができれば、それは横展開ができるので、意味があります。健康日本21の数値目標の達成にむけて、一定のインパクトが期待できる取り組みを組織的に進める時期に来ているのではないかと考えています。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○寺原たばこ対策専門官 禁煙と未成年に関してなのですけれども、各自治体がたばこ対策促進事業を使って行っております。国としてはそれを補助している状況なのですが、全ての都道府県が何をしているか見たのですけれども、各県によってそれぞれ異なります。未成年と禁煙に関しましては、各自治体で取り組んでいるところも比較的多くて、具体的には保健所や学校の教育者等に講習会をしているというところが多いように感じています。

 また、奈良県のほうでは、より未成年者の禁煙に力を入れようということで、学校と病院と保健所が連携を組んでそういった取り組みをしているというところもございますので、国としましても自治体でより進んだ取り組みをしているところを参考にしながら、また考えていきたいと思っております。

○谷川副委員長 どうぞ。

○西村委員 禁煙に関する取り組みの話が続いていますので、日本呼吸器学会での経験をお話ししたいと思います。

 私どもの学会では今から7,8年前でしょうか、呼吸器専門医取得の受験をする際に、「私はたばこを吸っていません」と宣言することを必須要件にしたのです。もちろん自己申告ですから、どれだけ実効性があるのかという声もありました。一部の喫煙者からは個人の嗜好に立ち入るものであるとの大反対もありました。しかし、強引に進めた結果は大成功でした。呼吸器学会員のなかで喫煙者は劇的に減りました。毎年のアンケート調査によれば、今では5%以下、それは専門医だけではなくて呼吸器学会全体としても5%以下にまで減ってきています。つまり、多少強引にやることで成功しうるということです。呼吸器科医師だけではなく、すべての診療科医師あるいはすべての医療従事者が率先して国民に規範を示すことができれば大変効果的ではなかろうかと思い紹介させていただきました。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

○岡村委員 アルコールのところなのですけれども、いわゆるアルコールハラスメントみたいなもので、結構DVとか非常にひどいものについては出てくるのですけれども、実際は飲酒の場で強要されるとか、飲みたくないのに誘われるとかいうのがいまだにずっと続いていると思います。最近は大学生が余り飲まなくなっているので、恐らく社会人になったときに免疫なく洗礼を浴びるという例のほうがどちらかというと多いような気もしているので、そこはまた産業保健のほうとも絡んでくるのですけれども、飲まない人にとってはかなり苦痛だったり、割り勘を同じようにされるのだけでも嫌だとかいうのが実際の事例としてあるのですけれども、やはり上には言えないとかそんな事例を散見しますので、喫煙対策は受動喫煙の概念が入ってからかなり進んだというのがあるのですけれども、やっている人に言ってもなかなかなのですけれども、周辺から固めるというのはなかなか重要なポイントになりますので、ハラスメントの定義をどうするかというのもあるのですが、別の言い方をするか何か、受動飲酒ではないのですけれども、何かそういうようなもので少しアルコールについての対策も間口を広くしてやっていったほうがいいのかなというふうに思っております。

○谷川副委員長 今のアルコールの件もそうなのですけれども、アルコールと喫煙については非常に構造改革的なアプローチが大事だと思うのです。今、先生がおっしゃられましたように、社会人になりますけれども、私たちの調査では愛媛大学の学生が自分たちで調査したのですけれども、やはり問題飲酒に至る一つの大きなきっかけは人間関係とわかりまして、人間関係のストレスから飲酒を始めたというのが結構多かったので、できればそういうストレスとかの行動科学的なアプローチも、恐らく進められていると思いますけれども、どんどん取り入れていただければと思います。

 どうぞ。時間がありますので、これを最後でよろしいですかね。

○吉村委員 喫煙と運動に関して、まず、運動に関してなのですけれども、「アクティブガイド」と宮地先生が御紹介になった「+10」というパンフレットはすごくよくできていまして大変有用なのですが、私ども多少関係のある人以外は、まだほとんど知られていないというのが現状で、大変もったいないと思います。今後の方向性を見ますと、世界禁煙デーや女性の健康週間などを通じて広報するということなのですけれども、例えば一般的に運動が大事だというのは、基本的に高齢者、若い人もメタボに関する人もなのですが、関連する医学の学会がたくさんあるので、ちょっとブースを出して、せめてこの「+10」のパンフレットを配るなどをすれば、このような取り組みをやっているというのを知らない人が医師でさえたくさんいますので、そのように進めていただければどうかと思います。

 それから、禁煙に関してなのですけれども、先ほども呼吸器学会の取り組みなども物すごくいいことだと思うのですが、例えば教員の喫煙率についての調査などは行われているのかどうか、教員がもしやめたいということであれば、それに対する支援を手厚くしていくというのは、ひいては子供たちへの禁煙の推進にもなるのではないか、そのようなことも考えたりします。また教えていただければと思います。

○谷川副委員長 教員に対するアプローチというのは、まだないですか。今後ですかね。

○寺原たばこ対策専門官 教員に対する喫煙率の調査は把握しておりませんけれども、例えば医師や看護師に対する調査もございまして、中には看護師さんが喫煙によってどれくらい健康に影響が及ぶのか知っているかどうかという認知度調査もございますが、看護師さんの中でも喫煙が実際に肺がん以外にもいろいろな疾患を起こすということを御存じない方が非常に多くて、そういったデータはございますので、医師や看護師、教員等にも、やはり禁煙も含めて健康に対する影響を教育といいますか、そういった情報を発信することも大事だと思っております。

○谷川副委員長 では、手短に2人、お願いします。

○中板委員 たばこについて看護職の喫煙に関してと教育場面における機会の確保の2点申し上げたいと思います。

 看護師の喫煙の話が出ましたが、日本看護協会では今年度,看護職の喫煙に関する実態調査をしました。おっしゃられたように「喫煙の害」に関する知識について、患者や住民に対し、禁煙教育の役を担う看護職としては、不十分な結果でした。知識習得についても、策を講じる必要があります。また,実際に看護職の喫煙者の半数は「やめたい」と言っています。その中には、中等度以上の依存度に至っている方もいます。禁煙治療を応援する病院はまだ大変少なく、このような方たちと依存度の高くはない方たちへのアプローチは違いますので、対象の状況に応じたアプローチをしていく必要性を伝えていかねばなりません。

 次に、予防についてです。未成年の喫煙について、大学協議会等々からの話しでは、大学1年生にオリエンテーションなどでのタバコやアルコール、メンタルヘルスや感染症予防などの話が成されるようですが、どの程度の時間を使われているのでしょうか。確かに飲酒に関しては本当に命にかかわる話ですのでかなり丁寧にされているとはお聞きしますが、タバコについてはバラつきがあるとも伺っています。医療関係者に限らず、あらゆる未青年が、小中だけではなく,大学の教育の中でタバコに関する基礎的教育を改めて受ける体制が必要と思います。

 以上です。

○谷川副委員長 どうぞ。

○津下委員 女性の社会参画がすごく言われている中で、女性の指標が余りよくなくて、飲酒も喫煙も横ばいまたは少し悪いほうに行っている。睡眠に至っては男女別の目標値になっていないので、女性がどうなのか。仕事と家庭と両方あって、恐らく睡眠不足はかなりあるだろうと。そういうことで、これから働く女性がふえてくる中で、女性という観点でまた指標を一度整理してみるとか、それから、今回は格差という話は出ていなかったのですけれども、生活保護の委員会では所得格差と健康指標がかなり問題があるというようなこともありましたので、平均値としては全体としてうまくいっているということはあっても、うまくいっていないセグメントがあるのではないかという目でデータを分析していただければと思います。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 それでは、次の「歯・口腔の健康」に移りたいと思います。事務局のほうから御説明をお願いします。

○原田課長補佐 がん対策・健康増進課の原田と申します。

 では、「歯・口腔の健康」について御説明させていただきます。

 資料1の10から11ページと参考資料の11のほうをごらんください。

 「歯・口腔の健康」に関しましては、1から5にお示ししております項目のほうが設定されております。

 まずは10ページのほう、「1口腔機能の維持・向上」についてのところになります。こちらにつきましては、国民健康栄養調査のほうの数字になっておりまして、若干数値としての増加が認められております。こちらに関しましては、これまでの取り組みとしまして各都道府県において地域の特性に応じた歯科保健事業の実施や、平成12年から行われております8020運動推進特別事業の実施をするとともに、平成25年度のほうからは歯科口腔保健の推進に関する法律に基づいた口腔保健推進事業を実施することにより、各都道府県の取り組みを推進。また、平成26年のほうからは歯科保健サービスの効果実証事業等の実施、そういった取り組みを行っております。

 こちらに関しまして今後の方向性は、歯・口腔の健康について歯の喪失という器質的な視点だけではなく、口腔機能の低下という機能的な視点からの対策も強化を予定しております。

 続きまして、「2歯の喪失防止」についてですけれども、こちらはア、イ、ウという3つから成っております。「80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加」、「60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の割合の増加」、「40歳で喪失歯のない者の割合の増加」、こちら3点になっておりまして、こちらは歯科疾患実態調査のほうのデータを用いております。いずれも数値としましては現状値のほうで策定時の現状よりも増加の傾向を見ております。

 これまでの取り組みとしましては、先ほどの1の「口腔機能の維持・向上」のところと同様に取り組みの推進をしているところでございます。

 また、平成20年からの健康増進事業において歯周疾患検診の実施により、各市町村の支援もあわせて実施しているところです。

 こちらに関しましては、今後の方向性としまして歯の喪失防止のため8020運動のさらなる推進、また、ライフステージごとの特性を踏まえて、歯・口腔に関する正しい知識の普及啓発や歯科保健指導の推進を予定しているところでございます。

 続きまして、11ページのほうになります。「3歯周病を有する者の割合の減少」になります。こちらもア、イ、ウの3つになります。

 アが、まず、「20歳代における歯肉に炎症所見を有する者の割合の減少」、「イ 40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少」、「ウ 60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少」、これら3つになっております。

 アのほうは国民健康栄養調査の数値になっておりまして、こちらの数値は策定時の現状の値と現状値が同一の平成21年の値になっております。

 イ、ウ、40歳代、60歳代における進行した歯周炎を有する者のこちらに関しましては、歯科疾患実態調査の値となっております。こちらに関しましては割合として減少が認められているところです。こちらも取り組みとしましては1のところと同様に事業実施を推進しているところでございます。

 今後の方向性としましては、歯周病は成人期以降の歯の喪失の主要原因となるばかりではなく、糖尿病や循環器疾患のリスク要因とも考えられておりますので、そのための有効な保健行動の一つである定期的な歯科検診の受診を推進するとともに、歯科・口腔保健に関する普及啓発の推進を予定しているところでございます。

 続きまして、「4乳幼児・学童期の齲蝕のない者の増加」に関してになります。こちらはアとイになります。

 まず、「3歳児で齲蝕がない者の割合が80%以上である都道府県の増加」、こちらは厚生労働省実施状況調べの3歳児歯科健康診査による数値のほうになります。こちらも都道府県数の増加を認めております。

 続きまして、「イ 12歳児の一人平均齲歯数が1.0歯未満である都道府県数の増加」、こちらは学校保健統計調査のデータになっております。こちらも都道府県数の増加を見ております。

 取り組みに関しては、先ほどと同様に取り組みの支援を行っているというところです。

 今後の方向性としましては、小児期の齲蝕予防対策として、国全体として齲蝕有病状況は大きく改善しているのですけれども、齲蝕有病状況がいまだ改善していない地域等もあることを踏まえまして、地域格差の解消に向け、地方自治体において地域診断の結果に基づく積極的な健康支援を行うとともに、地域の現状に応じたフッ化物応用等の予防法の実施も予定しております。

 最後、「5過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加」、こちらは国民健康栄養調査の数値になっておりまして、割合の増加を認めております。

 こちらも今後の方向性としましては、定期的な歯科検診の受診の推進とともに、歯科口腔保健に関する普及啓発のさらなる推進を予定しているところになります。

 「歯・口腔の健康」についての説明は以上とさせていただきます。

○谷川副委員長 どうもありがとうございました。

 引き続きまして、歯・口腔の項目につきまして、現状等につきまして深井委員のほうから御説明をお願いいたします。

○深井委員 きょう、当日配付で恐縮ですが、資料に基づいて、先ほどの事務局の報告とは別の観点から取り組みの現状と課題についてお話をしたいと思います。

 まず、ページをあけていただいて、健康日本21の第二次における歯・口腔の健康の位置づけなのですけれども、ここに書いてある1から4、特に生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底も含めて、運動、栄養、休養、たばこ、飲酒に加えて、歯・口腔の健康が基本的な要素となっているということです。

 次の3ページについては、先ほど事務局が既に説明をしていますので、ここは飛ばします。

 4ページについては、基本的に今世紀以降、日本人の口腔内の健康状態は著しく改善という現状だと思います。ここに示しているのは「年齢階級別の20歯以上有する者の割合の推移」ですけれども、例えば65歳から69歳の20本以上歯を有する者の割合を見ると、30%弱から70%まで向上しているということです。

 5ページについては、実は歯科口腔保健法が2011年8月に制定をされた以降、歯科分野では都道府県ごとの歯科口腔保健推進条例、あるいは市町村ごとの推進条例という制定が続いています。既に41道府県で都道府県の歯科口腔保健推進条例が制定され、市町村条例についても98市町村で制定済みということですので、この歯科口腔保健に関しては国の法律、都道府県の条例、市町村の条例の三本柱で施策が進んでいるという現状です。

 次のページについては、生活習慣病(NCD)の基本的な疾患であるがんなのですけれども、がんと歯や口腔の健康とのかかわりについて国立がん研究センターと日本歯科医師会との連携をもとに、2010年から実はがん患者さんで化学療法等を受けて口内炎に悩んでいる方が多かったり、あるいは、がんの手術を受ける前に口腔内のケアがしっかりしていれば術後の合併症が少ないという経緯がありますので、今、全国にそれが広がってきています。

 平成24年度には、7ページに書いてあるがん連携に関する歯科医師向けの講習会のテキストが作成されています。

 次のページのところを見ていただくと、既に全国の歯科医師10万人いるのですけれども、その中でがん連携に関する講習を受けて登録をした歯科医師の数が1万2,000人までふえてきています。がん診療に関して地域の歯科医療機関と連携をする都道府県のがん拠点病院も346までふえてきているというのが一つの現状です。

 次のページについては別の観点から、歯科に関する保健指導とか健診についてなのですけれども、日本歯科医師会では、今、「生活歯援プログラム」といって、この20問の質問肢を答えることで歯科の課題や保健指導のポイントを例示するようなプログラムを公表しています。この20問の中には、歯や口の状態が悪かったり、歯の本数も含めてそういう症状の面と、それから、糖尿病、がん等の罹患、あるいはたばこ、間食やよくかんでいないかどうかというようなことを評価するようになっていますので、これを受けて、次のページのところにあるように目標設定をして、継続的に歯科医院等で保健指導を行うというプログラムを普及しているところです。

11ページに書いてあるのは、2005年当時ぐらいから今までの間に取り組んできた内容を紹介しているのですけれども、実は、このプログラム自体が歯科関係者だけではなくていろいろな領域の人たちが使えるプログラムになっていますから、先ほどのたばこも含めて、間食も含め、あるいはよくかむことも含めて、いろいろな分野がこのプログラム等を利用することで歯や口腔の健康に関する取り組みが分野をまたいだ形で進むのではないかと考えています。ただ、課題としては、例えば禁煙支援についても歯周病や歯の喪失と関連のエビデンスがしっかりしていますので、歯科医療機関が取り組まなければいけないのはもちろんなのですけれども、保険収載等の観点から言うと、特化した形では保険収載はされていないという課題等もあります。

 次のページについては、研究事業等ですけれども、厚生労働省が行っている研究事業等についてはここでは触れていませんが、実は日本歯科医師会が今週からWHOと共催で世界会議を3日間開催するのですけれども、それに合わせて日本歯科医師会のほうで研究者に協力していただいてエビデンスの整理を行っています。ページ数としては286ページ相当になりますけれども、この内容は今週以降、日本歯科医師会のホームページに和文・英文で公開されますので、ぜひエビデンスを整理し、施策を進める場合に利用していただけたらと思います。

13ページについては、もう一つの研究事業の紹介ですけれども、公益財団法人8020推進財団というのがあって、実は国民の半数が歯科医院を受診しているという実態を踏まえて、今年度ベースラインデータの調査を行いました。46都道府県の1,300歯科医療機関に協力していただいて、1万2,000人規模の歯科患者さんを今後年に一遍ずつフォローアップをして追跡調査を行うことで、ここに書いてあるように、歯科医療あるいは口腔保健の維持等健康増進効果についての研究をするということです。

 次のページのところは、先ほどの虫歯予防のフッ化物応用についてですけれども、フッ化物洗口法というのがあります。小中学校、幼稚園、保育園等で行っているプログラムですけれども、こういうものが健康格差には極めて有効なのですけれども、ようやく100万人を超えたという段階で、まだまだ普及が不十分という課題があります。

 それから、15ページに書いてあるのは健康増進事業に基づく歯周疾患検診ということですけれども、確かに市町村レベルでの実施率は56%と上がってきてはいるのですけれども、これは概算ですけれども、対象の人数が26万人程度、受診率は3.8%ぐらいにとどまっていて、歯科検診の受診率が先ほど事務局のほうで国民健康調査では50%弱となっていますけれども、課題も多いというふうに考えています。

 まとめのところで書きましたのは、この健康日本21(第二次)では、歯や口腔の健康づくりというのがいろいろな分野をまたぐことが考えられますので、孤立することなく連携をして進めていくことが必要というふうに考えています。ほかはここに書いてあるとおりでございます。

○谷川副委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、この課題につきまして御質問、御意見をお願いいたします。

 先生、私は愛媛にいたのですけれども、愛媛は20分の20ですけれども、本当にやっているところでは明らかに齲歯が減ってくるという非常に顕著なデータがありまして、やはりこういう取り組みが全国規模でされるといいと思いますね。

 いかがでしょうか。どうぞ。

○津下委員 今、先生が御紹介いただいた15ページなのですけれども、検診の受診率は5%を切っているので非常に少ないということなのですが、受けられた方の8割が要精検。これが先ほどのデータだと年齢とともに歯というのは悪くなるという結果とやや矛盾を感じます。40代から70代まで、どの年代でも8割が要精検となってしまうというところで、それは対象者のセレクションバイアスがあるのか、要精検の理由が違うのを明らかにする必要があります。検診を受ける側からいくと、精検を受けてその後どうなるのだというその後の仕組みがどうなっているのかということもあります。普通は年齢とともに異常率が上がるのかなと思っていたらそうでもないというので、ちょっと教えてください。

○深井委員 この15ページの右側の「検診後の判定区分」については、これがまさしく国民病とも言われていて、歯科が抱えている課題です。歯周病の検診をした場合に、歯周疾患検診をした場合に、ほとんどが歯周病と判定されてしまいます。それは、基準が悪いよりも国民の現状がそうだということで、40歳の時点で既に要精検と判定される者は8割ですので、むしろもっと早くからの対策が必要と考えたほうがいいのではないかと思います。

○谷川副委員長 よろしいでしょうか。

○北原委員 8020運動というのは言葉としては非常に定着しているのですけれども、皆様方も80歳で20本と言われても何かぴんとこないというか、もうちょっと早い段階で、ここで60歳で24という数字がありますけれども、もうちょっと早い就労年齢の途中ぐらいの何かターゲットがあったほうがいいような気がするのです。8020というのはすごい先の話のような気がしてしまって、歯の健康というのは非常に重要だと思いますから、そういうターゲットの見直しというのももう一回必要かなというふうに、今、聞いていて思いました。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 ほかにございませんか。どうぞ。

○山縣委員 2点お願いします。貴重な資料、ありがとうございました。

 1つは、健康日本21の報告書でも、3歳児とか12歳児の虫歯の有病率の地域格差というのが非常に、ただ、地域格差はあっても、ここのところずっと全部が下がってきていて、ただ固定化しているという状態に関して、例えばそれは大人の場合もそのまま続いているのかというのが1点目。

 2つ目は、私たちも地域で個別にフッ素の塗布をした子とそうでない子で明らかにそれが虫歯の予防になっているというのは疫学的にも明らかにしているのですが、ただ、一方で山梨でもこういう状態のように、なかなか市町村でそれをアクセプトしてくれないという状況があるのですが、それはどういうことが一番大きな問題なのかということについて教えていただければと思います。

○深井委員 ありがとうございます。

 まず、蓄積性の疾患かどうかという問題ですけれども、基本的に先ほどのコメントと近接するのですけれども、8020運動という、単に何でも食べられる喜びを確保しようという運動が平成元年に始まったのですけれども、この25年の間で、実は8020運動は健康増進効果そのものに直結をするということがエビデンスとしてわかってきていて、では、歯を残すためにどうしたらいいかなのですけれども、60代、80代では既に手おくれで、一番肝心なのは子供のときに確実に虫歯を予防することなのです。虫歯予防を子供のときに確実にすることで最初の4歯ぐらいの喪失を防げますので、そうすると、今、60歳代で24歯と設定されているのは、24本を下回ると歯の喪失のスピードが早まるということがもう一方のエビデンスでわかっていて、最初の数歯を予防する。それで、そういうような経過から見ると、小児期に確実に虫歯予防をしていくことで成人期の格差も予防できると考えたほうがいいと思います。

 そのときに歯科の取り組みなのですけれども、家庭レベルとか個人レベルでやると必ず個人格差が出てきますので、それはこういう施設単位でフッ化物洗口のようなものを施策として取り入れることが有効で、それについてはエビデンスがあるというようなことで、ただ、それを受け入れるための市町村がどうしてふえないのかということなのですけれども、2点目の質問ですけれども、それについては施策等でしっかり位置づけることが必要ですし、フッ化物応用の場合には、安価ではあるのですけれどもそれなりの財源も必要ですので、そういう財源の補助のシステムだとか、あるいは、国民とか住民の中にはどうしても薬剤を使うということで不安も一部出てきますので、そういうことに対する丁寧な説明の仕組みができているという2点かと思います。

○谷川副委員長 ありがとうございました。

 それでは、本日予定した議題は以上でございますが、最後に本日の議題全体につきまして一、二題、何か御意見がありましたら承りますけれども、いかがでしょうか。

○中板委員 各部門または領域の取組み等聞かせていただきました。先生方からも御意見がありましたが、地域保健の実践現場では、指標一つ一つに事業を重ねているわけではなく、運動、食事、そして休養、睡眠等は、生活の一部でありつながっていますから、地域特性やこれまでの取組みの歴史、住民特性やつながりなどを考慮して、まさにホリスティックに活動を展開している自治体が多いと思います。

 実際に、健康づくりは、健康になることが目的なのではなくて、健康になることは手段であり、その先に孤立せずに、そして個々の健康であれば成しえることをメッセージしながら展開されることが本筋です。例えば、運動教室に認知症の方も参加しますし、認知症カフェに健康づくりの一環でボランティアとして参加する方がいます。暮らしの中では、認知症の方が場を和ませ、健康な方、あるいは脳卒中の後遺症でやや歩行が困難な方がボランティアとなり、認知症の方のお話し相手をされることなども日常的です。勢力的に働かれた部長時代の話になりやすい認知症の方の話を、ゲートボール仲間や運動教室仲間などが上手に対応され、そこから認知症サポーターになる方が出てきたりもします。このように一つの拠点が地域の人々を動かしていくことを仕掛けている自治体もあります。間接的に、食事、栄養、休養等の健康的に生きることをカバーしていると思います。

 運動をすることだけが目的の教室は持続も難しいと聞きます。足腰が弱って引きこもりがちの方を運動教室に誘い出し、以前のように農業をすることを目指し、参加された方がいます。その間、荒れ果てた農地をボランティアが中心となって整地し、運動教室参加の甲斐あって農業を再開させることが出来ています。その農作物を運動教室のあとのお食事会に提供しており、以前よりやりがいが出てきて元気というような話もあります。是非、指標1つに特化した取り組みというより、多岐に渡るインパクトが期待されるような市町村の取り組みがクローズアップされる仕組みを期待します。

○谷川副委員長 そういう御意見も踏まえまして、今後、内容を充実させていただきたいと思います。

 それでは、本日の議論はここまでといたしたいと思います。

 最後に今後のスケジュールにつきまして、事務局のほうから御連絡をお願いします。

○小野課長補佐 次回、第4回専門委員会の日程につきましては改めて日程調整させていただき、後日改めて御連絡いたします。

 以上です。

○谷川副委員長 本日は、ちょっと時間が延びまして申しわけありませんでした。活発な議論をいただきまして、皆さん、どうもありがとうございました。

 これで閉会にしたいと思います。


(了)
健康局がん対策・健康増進課: 代表電話 03(5253)1111
課長補佐 小野 聡志(内線2397)
課長補佐 古賀 政史(内線2346)

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