ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業能力開発分科会) > 第87回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録(2015年1月23日)




2015年1月23日 第87回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成27年1月23日(金)16:30〜18:00


○場所

厚生労働省労働基準局会議室


○議題

(1) 職業能力開発施策について
(2) 平成27年度予算案の概要について
(3) その他

○議事

○小杉分科会長 ただいまから、第87回「労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。本日は、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。本日の出欠状況ですが、大久保委員、水町委員、板垣委員、豊島委員、河本委員、諏訪委員が御欠席です。なお、諏訪委員の代理として、日本商工会議所の福田産業政策第二副部長に御出席いただいております。

 議事に移ります。議事次第にあるとおり、本日の議題は、「職業能力開発施策について」「平成27年度予算案の概要について」「その他」の3件です。まず議題1「職業能力開発施策について」です。内容の説明を事務局からお願いします。

 

○宮下総務課調査官 資料1-1を御覧ください。前回の分科会での議論を踏まえ、修正した報告案となっております。修正した部分について御説明いたします。

1「はじめに」の1ページの一番下の○の部分の下から2行目、企業の支出する教育訓練費や、自己啓発に取り組む労働者の割合が減少する傾向にある理由として、「企業や労働者の考え方の変化」という表現を追加しております。前回、「積極的に職業能力を高めるという動機が、企業側、労働者側にも弱くなっており」という表現がありましたが、違和感がある等の意見がありましたので、削除しております。

 次に2ページの1つ目の○の上から7行目です。若年層で、不本意で非正規雇用者となる者の割合が若年層で高くなっていることが、経済社会へ与える影響の要因として、「職業能力を修得するべき時期に修得できないこと」に限定しないという観点から、「等」を追記しております。

 続いて3ページです。「労働者の職業能力の開発及び向上を促進する労働市場インフラの戦略的強化」という本報告書の表題を受け止める文章、総論的な文章を記載すべきとの意見を踏まえ、1「はじめに」の部分にあった記述を整理し、2「見直しの方向性」の冒頭にまとめて記載し、併せて「以下の見直しを行うべきである」という表現としてまとめております。

 それを受けて、(1)の若者に関する部分ですが、(2)の中で記述していた学校等関連機関と連携し、学生・生徒等に対するものづくり体験や技能講習会等の実施による就業意識の醸成や技術・技能の向上を図る取組等を一層進めること、文科省と連携してキャリア教育を推進していくことが必要であるという記述を、こちらに2つ目の○として、「また」の段落として移動させて、表題も「施策の体系的整備」という表現を追記しております。

 続いて(2)の部分です。4ページの1つ目の○の下から4行目の、「さらに」からの文章です。「ものづくり分野を中心とした業界団体等や企業との連携を強化するなど産業界のニーズを踏まえた職業訓練を推進すること」、「公共職業訓練の要となる職業訓練指導員のスキルアップに取り組むべきである」旨、また6ページの1つ目の○の2行目の、「公共職業能力開発施設における取組はもとより」という表現を追記しております。

 次に(3)の部分です。表題ですが、今ある職業能力評価制度以外のものを創設しようという意図ではないことから、前回は「新たな」という表現でしたが、「産業界で活用される実践的な」という表現に変更しております。

1つ目の○の部分に、施策の方向性の記述がないという意見を踏まえ、「労働者の雇用能力の『見える化』を進めることは、労働市場における『産業界が求める職業能力』と『労働者各人の有する職業能力』との円滑なマッチングに資するものであり、企業の労働生産性の向上や労働者の処遇改善の促進にもつながりうることから、職業訓練の充実とあわせ、職業能力評価制度の一層の整備を図る必要がある」として、次の段落に、「このため」とつないだ表現に見直しております。

7ページの上から5行目の、「企業特有の技能についても」という部分ですが、前回は「職業能力評価制度全体として、企業特有の技能についても適切に評価し機能するような設計とすることが重要である」という表現でしたが、分かりにくいという指摘がありましたので、表現を見直し、併せて「また」以降で、検定の設計、運営主体となる業界団体などへ国から必要な支援を行うことを追記しております。

 次の○の「加えて」から始まる部分ですが、国民各層に広く職業能力開発や技能に対する関心を高めるために行う周知広報するものに、「卓越した技能者表彰の受賞者」、「ものづくりマイスター」などの熟練技能者、職業訓練指導員等を追記し、「これらの取組を進め、若年技能者等に将来の目指すべき道筋を示すこと」が重要である旨を追記しております。

 最後に(4)ですが、8ページの2つ目の○の「具体的には」で始まる段落の4行目の、専門実践教育訓練のプログラム開発に関する部分ですが、「積極的に、質の高い」という表現を追記しております。また、9ページの上から3つ目の「なお」から始まる段落の最後の行ですが、見直しを行った「ジョブ・カード」の名称として、「具体的には、『新ジョブ・カード』などの名称が考えられる」という表現を追記しております。変更内容は以上です。

 資料1-2は、今、御説明した報告案の概要となります。一番下に※で記載しておりますが、下線を付している部分が法令での対応の可能性を現時点で検討している事項となります。具体的には「地域若者サポートステーションの安定的な事業運営」「訓練計画の策定時の関係者のニーズの把握の強化」などとなっています。

 資料1-3は、これまでの分科会の主な発言をまとめたものです。前回の報告案に対する御意見については、7ページ以降の(7)にまとめてありますので参照していただければと思います。簡単ですが以上です。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見をお受けいたします。

 

○新谷委員 これまでの分科会論議を踏まえ、報告書の文案の取りまとめをしていただいた事務局の御努力に感謝申し上げます。その上で何点かの内容について確認させていただきます。

まず、3ページの下段にある「若者に対する職業能力開発施策の体系整備について」の2つ目の○に記載されている内容についてです。この箇所では、キャリア教育の重要性を指摘した上で、文部科学省と連携してキャリア教育を推進していく旨が書かれています。若者が安定した職業に就くためには、キャリア教育が重要であることは言うまでもありません。3年内離職率の問題や、労働者の4割近くが非正規労働者であるという問題を踏まえれば、キャリア教育を通じて学校段階から職業観を涵養していかなければならないと思います。

 問題は文部科学省との連携です。たしかに学校教育の所管は文部科学省ですが、文部科学省は文部科学省としての考え方をお持ちです。また、教育委員会毎の考えもあり、文部科学省を考えを末端の教育現場まで下ろしにくいという現状もあるとも聞きます。報告書にはキャリア教育の推進という重要な指摘を盛り込んでいただきましたが、文部科学省との連携は具体的にどのようにされるのか、教えていただきたい。

 

○吉永総務課長 御指摘のとおり、文部科学省との連携は極めて重要だと考えております。これまで、ともすると文部科学省の中で生涯学習局を中心として、専門学校などの委託訓練を中心として連携してきたところです。キャリア教育については、高等教育局、あるいは初等中等局など、文部科学省全体と連携することが極めて重要であると考えています。

 そういう観点で、これまでどうしても生涯学習局と中心に連携してきたわけですけれども、高等教育局、あるいは初等中等局とも直接連携を取っていこうということで具体的な会合などを持っております。また、文部科学省と定期協議という形で開始しようということで、課長級ではありますけれども、連絡会議を今月開催している状況です。

 新谷委員御指摘のとおり、文部科学行政は教育委員会という、非常にコアな組織を活用しながら様々な施策を展開することになって難しい面もあるわけですが、キャリア教育の重要性について否定する方はどなたもいないわけです。キャリア教育については、私どもの局ではありませんけれども、労働法令の教育の担当ような所もありますので、そういうものについての必要性を十分その現場でも理解できるような形で、文部科学省との調整を進めていきたいと考えております。

 

○高橋()委員 報告書の8ページの2つ目の○の、専門実践教育訓練について伺います。

報告書には、「ホワイトカラー層等より多様な層において受講が可能となるよう、文部科学省とも連携しつつ、積極的に質の高いプログラム開発等を行っていくことが必要である」とまとめていただきましたが、専門実践教育訓練は、時間制約の問題があり、制度開始にあたっては、名称独占資格や業務独占資格であって養成課程のある講座等に限定して指定することとなりました。その結果、指定されている講座内容が限定的であったり、あるいは特定の技能に講座内容が偏在している傾向があります。

こうした状況を踏まえ、労働側としては、幅広い労働者が受講できるよう戦略的に講座の開拓をしていくべきであると申し上げてきたところです。

 専門実践教育訓練の現在の指定基準は、名称独占資格・業務独占資格であって養成施設のある課程、専門学校の職業実践専門課程、専門職大学院の3つですが、この基準の改定をいつから行う考えでいるのか。この点をまず1つ伺います。

 続いて、専門実践教育訓練の講座未開設県の解消についてです。講座の地域偏在を早急に改善すべきということは、これまでも労働側より繰り返し申し上げてきました。昨年12月に厚労省が公表した資料を拝見すると、秋田、岐阜、鳥取で講座が未開設となっています。専門実践教育訓練は、労使の雇用保険を財源とするものであり、ユニバーサルサービスの観点から、講座未開設県は早急に解消していただきたい。未開設県の解消について、目処が今立っているのか、伺いたい。

 

○吉永総務課長 2点御指摘を頂きました。専門実践教育訓練についての見直しがまず1点目です。昨年度末成立した雇用保険法に基づき、新しい専門実践教育訓練の課程の指定を始めています。当初は訓練の指定もないということで、既存の講座を中心として指定を行ってきた経緯があります。この点については、分科会等において、更に積極的にプログラム開発を行うべきではないかという御指摘を頂いてきたところです。

 現行の指定講座が有効かどうかを見ていくためには、今、正に始まったところですので、それについての見直しというものはその成果を見ていくことが必要になります。ただ、現行文部科学省で指定しております職業実践について、それが効果的なものかどうかとか、そういうものについての見直し作業については、既に文部科学省と協議を始めている状況です。また、必要な調査等々を事務局の中で開始しようという状況に来ているところです。

 そういう基本的な情報収集等々を行った上で、改めてそのような形で委員の皆様に御相談させていただきながら、必要な見直し作業を進めていきたいと考えております。御指摘のとおりユニバーサルサービスでありますので、非常に効果的な訓練を開発していくことは極めて重要だと思います。そういうことと併せ、そういう作業について逐次実施していきたいと考えております。

 それから、専門実践教育訓練課程の指定の状況です。先般御報告させていただいたものでは、御指摘のとおり3県についてはまだ1件の指定もない状況です。現在、最終的にこの4月からの指定分について、2次指定について検討しているところです。現状において、御指摘のありました3県についても指定の申請が複数出てきております。最終的に申請の全てが指定されるかどうかということはありますけれども、現在の見込みでは、いずれの県においても、少なくとも複数の指定がなされる状況で、未指定の県が生じることはないと考えております。ただ、いずれにしても、教育資源について地域差がある状況の中で、可能な限り効果的な訓練については指定をしていくという観点で講座の開発、あるいは発掘等をしていくことは重要ではないかと考えています。

 

○高倉委員 資料1-2は、前回分科会で労働側より、報告書案で示された事項について法改正事項、政省令事項、予算事項の整理をしていただきたいという指摘に基づいて作成いただいた資料であると思います。この点は感謝いたします。

 しかし、この資料を見ても、それぞれの改正項目について、どの時期から施行するのかが分かりにくいので、補足していただきたいと思います。

 

○吉永総務課長 法律改正の内容については、現在内閣法制局と調整中です。いずれかのタイミングにおいても、法律案の要綱という形で御審議いただくことになろうかと思います。現時点で検討中の状況を申しますと、まず地域若者サポートステーションの関係については、勤労青少年福祉法を改正する、いわゆる若者新法の中で記載するということを検討しています。この事業については、年度単位で運営しておりますので、年度途中からの施行は適当ではないということで、平成284月からの施行を検討しております。

(2)における公共訓練と求職者訓練の計画策定などについての、関係者のニーズ把握ですが、これについては下の都道府県労働局における能開行政の展開の部分と同じタイミングで実施することを考えております。増員要求をしていて、その査定をいただいているところでありますが、新規のものについては、政府内は通常101日から実施するのが基本的なルールになっています。労働局における能開関係職員の増員についても101日から査定をいただいております。この上の部分については能開法の改正になりますし、下の部分については厚生労働省設置法の改正になりますが、いずれも10月から実施することを考えております。

 次は、いわゆる業界検定の部分についてです。これは能開法の改正になります。施行準備等々を考慮すると、来年4月からではないかと考えて検討しているところです。

 労働者本人によるキャリア形成の促進の部分については、労働者がキャリア形成に努めていただくような形の条文を検討しているところです。能開法の改正ですが、施行準備等を考慮し、10月からの施行ということでどうかと検討しているところです。

 キャリア・コンサルタントの質・専門性の確保のための登録制度の導入です。これについても施行準備が必要になることと、試験制度の切替え等々がありますので、能開法の改正を予定しているものでありますが、来年4月からということでどうだろうということで考えております。

 ジョブ・カードの活用については、基本的な様式等を定めることを検討しているところですが、これについては能開法の改正になるわけですけれども、これについても10月から施行ということで検討しているところです。

 いずれにしても冒頭に申し上げましたとおり、現在内閣法制局等、あるいは関係省庁との調整を進めているところですので、調整が整い次第改めて法律案要綱の形で御相談させていただければと考えております。

 

○高倉委員 資料1-2(4)3つ目の○にある「キャリア・コンサルタントの質や専門性の確保」について伺いたいと思います。

詳細な中身は報告書の9ページに書いてありますが、その中では、登録キャリア・コンサルタントの名称を見直すということと同時に、「有資格者である標準キャリア・コンサルタントやキャリア・コンサルティングの技能士との差別化を図る」という表現があります。現在、標準キャリア・コンサルタントは、10の民間機関が能力評価試験を実施していることから、機関ごとのばらつきがあるのではないかと危惧しています。今次の見直しにあたっては、国が質や専門性を均一化するような認定制度を検討すべきであると思います。この点について、事務局の見解を伺いたいと思います。

 

○吉永総務課長 その観点で、正に専門性確保のための登録制度、具体的には試験について試験機関を登録させるということと、実際にその資格を取った方について登録をし、また更新制を導入するということをしてはどうか、ということを今検討しているところです。関係の団体等と今調整を進めているところですけれども、いずれにしても御指摘のとおり、上にフリンジする形でレベルが高い部分については、それはそれで望ましい部分があります。キャリア・コンサルタントが今後担っていく役割を考えると、やはり最低限の質を確保する、またそのレベルを上げていくことは重要だと思います。そういう形で資質の向上を図れるような仕組みに作れればということで今検討しているところです。いずれにしても、この辺りについては法律案要綱の中で、また改めて御説明させていただきながら、御相談させていただければと考えております。

 

○原委員 8ページの2つ目の○の専門実践教育訓練の所です。2つ目の○の上から4行目の「質の高いプログラム開発を行っていく」というのは賛成なのですが、「より」という言葉を入れたほうがいいのかと思います。現行のものを否定するような印象を受けましたので、「より」という言葉を入れたほうがいいのではないかと思いました。今のは細かい話なのですが、専門実践教育訓練の導入に当たっては議論があって、かなり大きなお金を投入して行うので、本当に効果があるのか、PDCAサイクルに乗せる必要があるという議論がここの分科会でも出たと思います。吉永課長の今の説明でも、そういう必要性を認識しているということでした。この報告書の中には特に明記されていないように思うのです。何か明記したほうがいいのではという感想です。

 もう1つは、9ページに「新ジョブ・カード」という新しい名称が考えられるとあります。何回か欠席してしまったので議論に付いていっていないのかもしれないのですが、ちょっと唐突な感じがしました。ジョブ・カードの見直しが進んでいることは存じ上げています。違う名称で考えているような説明を受けていたような気がしています。急に「新ジョブ・カード」というのが出てきて、ちょっと唐突なイメージを持ったのですが、どのぐらい議論が進んでいるのか、もう一度説明していただけますか。

 

○吉永総務課長 1点目は、現状が良くないからということではなくて、常に質の高いプログラムを開発していくべきだということです。先ほど申しましたとおり、基本的に既存の講座を指定して、第1弾の指定が行われている中で、既存の講座を指定するということではなくて、プログラムを積極的に、正に専門実践教育訓練にふさわしい講座を開発していくべきだという趣旨です。ある意味、今までが低くて高いということではなくて、今までにないものを作っていくというイメージですので、現行の書きぶりで問題はないのではないかと考えております。

 専門実践の見直しについては、むしろ今回の課題というよりは、前回の議論の中で整理が付いているものだと思っております。例えば、今回の専門実践教育訓練については、雇用保険の被保険者データを活用し、その利用状況、受講修了後の状況を把握するような形でシステム開発なども進めております。そういう意味で、これまで余りできていなかった部分についての成果は把握できるような形にしております。そういう中で、見直しを適宜進めていきます。それは、前回の議論の中で既に盛り込まれていると考えておりますので、今回はむしろ前向きな話として考えていくということで整理をさせていただきました。

3点目は、もともとキャリア・パスポート構想というのがあり、キャリア・パスポート(仮称)という形で議論が進められてきました。ただ、キャリア・パスポートについては、既に商標登録がなされている状況もあり、その中でキャリア・パスポートという用語を活用するのはなかなか難しいのではないかということを説明させていただいたりしながら、それに代わる用語が何かあるかということで、様々な議論があります。ジョブ・カードについては既に100万枚を交付しておりますので、それなりに定着した用語ではないかということで、現行のジョブ・カードとは異なる名称ということもあり、違いが分かるような形で「新ジョブ・カード」ということです。前回は幾つかの案が併存して、例えばという形になっていたのですが、この際決めてしまったほうがいいのではないかという御意見も頂きながら、「新ジョブ・カード」ということでいかがかということで御相談させていただいてきた経緯があります。

 

○小杉分科会長 何回か議論があった末のことです。

 

○三村委員 意見を反映してくださいましてありがとうございます。キャリア教育とジョブ・カードの件の2点についてです。3ページの下から2行目で、先ほど新谷委員からもありましたように、「文部科学省と連携して」という文言があります。現状では「文部科学省と」ということで限定しておりますけれども、経済産業省を加え3省でキャリア教育を推進していくというのはある程度常態的になってきています。ここでは限定で「文部科学省と」と書いてありますけれども、経済産業省と連携の記述ができないかというのが1点です。

2点目は、ジョブ・カードについて9ページです。「このため」という段落の一番最後で、「企業や業界団体への周知」と書いてあります。そして、その下に「なお」「さらに」ということで、「さらに」の所では「学校卒業段階で」ということで、「文部科学省との連携を更に進める」と。恐らくこれは高等教育機関を想定しているのかと思います。

 こういう形で「さらに」の段落で、いわゆる文部科学省から高等教育機関へのジョブ・カードの連携を進めるのと同時に、先ほど指摘した企業や業界団体の中に、大学や専門学校等も加えていただければと思うわけです。そのため、ここでも「企業や業界団体等」ぐらいで入れて、高等教育機関も射程に入れる記述ぶりもあるかと感じました。

 

○吉永総務課長 御指摘の点はもっともだろうと思います。ただ、私どもとして考えておりますのは、やはりキャリア教育は文部科学省を中心として、教育の中でやっていただくというメニューです。そういう意味では、文部科学省を中心とした学校教育の中でやっていただく。その中でいろいろな省庁が協力をする。例えば厚生労働省だと、キャリアの重要性などについてコンテンツを提供する立場からすると、メインの連携のターゲットは文部科学省ではないかということで、恐縮ではありますがこういう形で記載させていただきました。

 ジョブ・カードとの連携についても同様のことではないかと思います。私どもで、直接高等教育機関といろいろな形で連携はしておりますけれども、文部科学省の中で学生用のジョブ・カードの重要性を周知していただかないと、もちろん関係機関との関係の中で様々ハローワークとの連携がありますので、もとよりそういうことをやるわけではあります。それは、先ほど申しましたとおり、キャリア教育の一環の中での学生用ジョブ・カードということだろうと思いますので、そういう意味でこういう記載で御了解いただければと考えております。

 

○高倉委員 1ページの一番下段を見ると、「企業や労働者の考え方の変化等」と修文されています。この箇所は、使用者側からの意見で修文したものと思いますが、「考え方」が変わったということなのか。「考え方」は変わらないのであれば、報告書の記述は「取り巻く環境の変化」などとすべきではないか。この点が気になります。

 

○吉永総務課長 記載としては、景気の動向、産業構造のサービス経済化等との環境の中で考え方ということになっておりますので、諸々の中の1つで、その他も当然入りますので、「等」という形で記載しております。もちろん、労働者・使用者の考え方も環境の中で形成されるものですので、そういうことで記載させていただいたものです。

 

○高橋()委員 これまでの議論の中で、各委員が好き勝手なことを言った中で、それらを全て網羅して立派な報告書にまとめていただいて本当に感謝いたします。逆に、立派になりすぎて、文章が長くなって、何が書いてあるのかはちゃんと読み込まないと分からなくなってしまったところが難点なのかという感じがします。

 資料1-2で要約をしていただいています。(4)3番目のポツに「キャリア・コンサルタントの質や専門性の確保」とあり、4番目にジョブ・カードについて書いてあります。ところが、本体の報告書を見ると、8ページから9ページにかけて、まずジョブ・カードのことが書いてあり、そのジョブ・カードと同じ○の終わりのほうに、キャリア・コンサルタントの質や専門性の確保に関する記述が入っていて、何となく本体の報告書と、資料1-2の順番とか関連性がちょっと違うかなという印象を持ちました。

 改めて資料1-2を見ると、確かにキャリア・コンサルタントの質や専門性の確保という話と、ジョブ・カードの話は分けて考えたほうがいいと思いました。本体の報告書も、1つの○でジョブ・カードも書き、キャリア・コンサルタントについても書きというようなものではないほうがいいのかという感想を持ちました。

 

○吉永総務課長 資料と概要が整合しておりませんでした。御指摘の点を踏まえながら、参考資料のほうについて少し整理させていただければと思います。申し訳ありませんでした。

 

○小杉分科会長 それでよろしいですか。

 

○高橋()委員 結構です。

 

○小杉分科会長 他にはよろしいでしょうか。よろしいようでしたら、この議論はここまでとさせていただきます。議題1の「職業能力開発施策について」は、当部会において、これまで精力的に御議論いただいたものと思います。本日提示された「職業能力開発分科会報告案」にて報告書をまとめさせていただきます。当分科会としては、「職業能力開発分科会報告案」を、労働政策審議会から厚生労働大臣へ建議すべきであるとの結論に達した旨を、私から労働政策審議会会長宛てに御報告したいと思いますが、これでよろしいでしょうか。

 

(異議なし)

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告文()の配布をお願いします。

 

(報告文()の配布)

 

○小杉分科会長 お手元に配布された報告文案により、労働政策審議会会長宛てに報告することとしてよろしいでしょうか。

 

(異議なし)

 

○小杉分科会長 どうもありがとうございます。それでは、そのように報告させていただきます。これをもって、厚生労働大臣への建議となりますので御了承ください。本日は、職業能力開発分科会報告書を取りまとめることができました。委員の皆様におかれましては、昨年9月から本日まで精力的に御議論いただきましてどうもありがとうございます。ここで、宮川職業能力開発局長より御挨拶があります。

 

○宮川職業能力開発局長 職業能力開発局長の宮川です。本日は、このような職業能力開発施策についての御報告をまとめていただき、これが厚生労働大臣の建議になるということです。分科会長からお話がありましたように、本日を含めて6回にわたり、大変お忙しい中、短期間の中で精力的に、集中的に御議論いただき、取りまとめていただきましたことを改めて感謝申し上げます。

 頂いた報告を基に、今後この法律を検討していくところですが、内容を精査した上で、できますれば恐らく2月辺りになろうかと思いますが、当分科会に、審議会に対する法律案要綱の形での諮問という形でまた御審議をお願いしたいと思っております。今後とも職業能力開発行政の諸課題について、精力的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましては、今後引き続き、ますますの御指導、御鞭撻をお願いいたします。本日はありがとうございました。

 

○小杉分科会長 それでは、次の議題にまいります。議題2「平成27年度予算案の概要について」です。内容について事務局から説明をお願いします。

 

○宮下総務課調査官 それでは、資料2を御覧ください。「平成27年度予算案の概要について」です。

1ページです。一般会計で、約21億円増加の115億円、労働保険特別会計は約396,000万円増加の1,679億円、合計で約60億円増加の1,793億円という規模になっております。

2ページです。平成27年度予算案も、改訂されました「日本再興戦略」の3つの柱に関する施策としてまとめさせていただいています。

3ページに主な施策、4ページに具体的な内容を記載していますが、4ページ以降で御説明申し上げたいと思います。

 まず、第1「若者・女性等の人材力強化」ということで、392億円です。そのうち1(1)で、「地域若者サポートステーション」に関する費用で、一般会計と特別会計の雇用勘定から、それぞれ19億円となっております。

(2)の将来を担う人材育成支援の160億円ですが、「目指せマイスタープロジェクト」の拡充、「技能検定集中強化プロジェクト」の推進、若者への技能継承を行うための訓練を行う事業主等に対する助成の拡充などに要する費用となっています。

 次に5ページ(3)です。「非正規雇用労働者の能力開発・育成支援」の48億円ですが、非正規雇用労働者の就業経験等に応じた公共職業訓練の実施や非正規雇用労働者の人材育成の更なる支援のためのキャリアアップ助成金の拡充などに要する費用です。

2は、女性の活躍促進に関する費用です。育児等でキャリアを中断した女性の再就職を支援するため、公共職業訓練で実践力を養成する訓練コースですとか、育児と両立した短時間訓練コースの新設、託児サービスの拡充などに要する費用に78億円となっています。

3は、障害者の職業能力開発支援の強化ですが、委託訓練の規模の拡充、精神障害の方々などに対する訓練指導技法の開発などに53億円となっております。

4は新規です。新たな法律に基づく制度管理運用機関の設置など、技能実習制度の抜本的な見直しなどに要する費用で15億円となっています。

6ページです。第2として、「ものづくり分野における人材の確保・育成支援対策の推進」ということで、231億円です。製造業などにおいて、技能継承や中核人材の確保・養成を緊急に進めるため、若者に魅力を発信するなどの取組を総合的に進める「ものづくり人材確保・育成集中プロジェクト」の実施に159億円、介護等の人出不足分野での再就職支援を強化するため、離職者を対象とした公共職業訓練の拡充などに要する費用に71億円となっています。

 第3は「労働市場インフラの戦略的強化」で、91億円となっています。1は、サービス分野等を対象に業界検定のモデル事例の更なる創出や、教育訓練と共通の目標を設定した一体的な開発・運用のための費用で3.1億円です。

2は、地域の人材ニーズを踏まえ、国と県の一体的計画に基づき、公的職業訓練の枠組みでは対応できない新たな人材育成プログラムの開発・実施の支援、地域コンソーシアムを構築し、就職可能性をより高める民間訓練カリキュラムを開発・検証する事業の拡充などに要する費用で33億円です。

3は、ジョブ・カードの抜本的な見直しや、見直し後のジョブ・カードを活用した企業内の人材育成を促進するための取組を行った事業主等に対する新たな助成制度に要する費用で55億円となっています。

 第4は、公共職業訓練や求職者支援制度による職業訓練を通じた能力開発に要する費用で、1,105億円です。

 第5ですが、「地域に応じた良質な雇用機会の確保・創出等」という括りで、これまでの要求事項を再掲としてまとめて掲載しています。

 第6は「人づくりを通じた国際協力の推進」という括りで、1は、技能実習制度の抜本的な見直しが再掲、2は、職業能力開発分野における国際協力の推進ということで、ASEAN諸国を中心とした途上国に、日本の技能検定制度の普及などに要する費用として2億円となっています。以上です。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでございましょうか。

 

○新谷委員 国家財政が厳しい状況にある中、職業能力開発行政の予算は、前年度比で3.5%の増額で組まれました。この点は、財務当局との折衝に当たられた事務方の御苦労を評価したいと思っています。

 中でも「第1 若者・女性等の人材力強化」の分野については、かなり予算が増額されています。その中でも「(1)若者の職業的自立への支援」という中で、いわゆるサポステに関する予算が計上されています。サポステの予算は本予算で計上できず、補正予算で計上してきた経緯がありますが、ようやく本予算で計上することができました。この点は、厚労省の努力を評価したいと思います。

 また、「(2)将来を担う人材育成支援」の箇所についても、「フリーター等の含め若者へのものづくりの魅力発信を強化」ということが明記され、予算が計上されています。サポステに来所するフリーターなどの若者は、アウトリーチの施策が必要ですが、こうした事業はかなり手間がかかる事業です。実際には、ノウハウを有するNPO等が事業を受託していると思いますが、是非予算が実効性あるものとなるように、行政としてきめ細かいフォローをお願いしたいと思います。以上です。

 

○小杉分科会長 ほかに御質問、御意見はございますか。

 

○高橋()委員 第1から第6まで項目があるわけですけれども、その中で「第4 重層的なセーフティネットの構築」の項目だけは昨年度に比べて減額予算となっています。予算額は前年度比で約90億円減となっており、8月の概算要求に比べても減額要求となっています。職業能力開発行政の予算全体としては増額となっている中、この「重層的なセーフティネットの構築」の項目のみ減額予算となっている理由を伺いたいと思います。

 

○藤枝能力開発課長 御指摘いただいたセーフティネットの部分ですが、主な減額の要因は、求職者支援訓練でございまして、対象人数の減少です。雇用情勢の改善もありまして、実際に現実に訓練を受講している方々の人数が減っているという状況がございます。私どもはそうは言いましても、そこは第2のセーフティネットで、やはり安心感も含めて、それなりの訓練規模を獲得すべきということで、財務当局とも折衝をいたしましたけれども、直近の実績を踏まえた数を最終的には予算として計上することになりました。

 直近の数か月で見ますと、月当たりで4,500人前後で推移しておりまして、単純に12か月掛けると54,000人ぐらいの人数規模ということで、この人数を根拠とした予算立てになっております。

 ただ、私どもは一方で先ほど御説明しましたように、例えば建設、保育といった人出不足分野でありますとか、あるいは地域創生という観点から、地域のニーズを踏まえた、労使関係者の意見を踏まえた訓練のカリキュラム開発を、都道府県にお願いするような新しい事業も仕組んでおりまして、メリハリを付けた形で公的職業訓練を更にしっかりと運営していきたいと思います。御理解をいただければと思っております。

 

○高橋()委員 求職者支援訓練の対象人員の減少により、予算減となった点は理解するところですが、一方で、そういう人たちは、ハローワークに足を運ばないため、訓練の存在をしらないということもあると思います。求職者支援制度の対象者は、雇用保険を受給できない方等ですから、ハローワークとは縁遠い人です。そういう方に、ハローワークに行ってもらわないことには始まりません。そこで、ハローワークにどうやってその方たちに行ってもらうか。ハローワークでの訓練への誘導とか、訓練情報のPRなどが必要ではないかと思います。この点に関する事務局の見解を伺いたいと思います。


○藤枝能力開発課長 職業安定局ともしっかり連携をして進めていきたいと思っております。先ほどもお話に出ました若者サポートステーションでありますとか、生活保護受給者に対する就労支援を福祉事務所とハローワークが連携しておりますが、そういった施設での求職者支援制度の周知を行っております。あるいはいわゆる介護分野について言えば、各市町村で介護人材をこれから増やしていこうという動きをしておりますので、各都道府県の福祉部局に対して、この求職者支援制度の活用ということを、私どもも社会援護局と連名で周知依頼をしているところですので、引き続きハローワークとしっかり連携をしつつ、かつ自治体との連携・周知もしっかりとやっていきたいと思います。

 

○小杉分科会長 ほかにございますか。ございませんようでしたら、この議題もここまでとさせていただきます。

 続きまして、3番目の議題です。「その他」として、「技能実習制度推進事業運営基本方針の一部改定について」です。内容について事務局から説明をお願いいたします。

 

○高橋育成支援課長 外国人技能実習制度の担当課長です。資料3の御説明をさせていただきます。1枚めくっていただき、「技能実習制度の仕組み」の所を御覧ください。御承知のとおり、外国人の技能実習制度については、人づくりを通じた国際貢献という趣旨で、20年以上の運営実績があります。その間、対象職種についても拡充を図っておりますが、仕組みとしましては、右側の技能実習の流れの所を上から下のほうに帯が延びておりますが、そこを御覧ください。現在この制度におきましては、1年目で受けられた方が、2年目3年目に進むときに、基礎2級を受講していただくということが必須になっています。したがいましてこの基礎2級という公的な技能評価制度が構築されているということが、3年間技能実習を受けるための職種、あるいは作業で技能実習を受講するための要件になっているということです。

 その際に、業界団体、所管省庁、私ども厚生労働省の職業能力開発局の三者がそれぞれ連携をいたしまして、この基礎2級、更に基礎1級、3級と、1年ごとに修得した技能を評価していく仕組みを構築した上で、これができましたならば、もとより単純作業でない、あるいは送出国にこの職種で人材要請をしてほしいというニーズがあるということと併せ、技能実習制度の対象職種を認めるための要件とさせていただいているところです。

 今回の御報告ですが、資料31枚目に書いていただきました。新たにこの技能実習の対象職種を定めている技能実習制度推進事業運営基本方針の別表というのがありますが、そこに今回は「下着類製造」という職種を新たに追加させていただきまして、その作業という項目では、「下着類製造作業」ということを追加させていただくという改正をするということです。この下着類製造業については、平成23年から足かけ4年にわたって、職種追加の要望を初めて受けてから、試験制度の構築、また試行的な実施という一連の作業を経まして、ようやく実施環境が整ったということで、本日付の官報掲載をもちまして、即日施行させていただくということです。

 したがいまして、後ろの2ページにありますが、合計で技能実習2年目、3年目に移れる対象職種といたしましては、下着製造の一職種一作業が増えまして、5の繊維・衣服関係の箱の職種名では下から5番目の所にありますが、下着類製造業が新しく加わり、69職種127作業となったところでございます。

 以上、御報告をさせていただきました。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について御質問、御意見はございますか。

 

○高倉委員 技能実習対象職種に新たに下着類製造業を追加するとのことですが、現行制度において、職種追加するときには、希望する業界団体が厚労省とかJITCOに相談をして、最終的にはJITCOの公的評価システム認定会議で妥当性を判断した上で厚労省が「技能実習制度推進事業運営基本方針」を改訂して追加に至る、というのが現行のスキームです。

しかし、JITCOの収入源というのは、業界団体の賛助会員の会費を収入源としてで運営されているという実態があります。そうした業界団体と一定の利害関係があると言えるJITCOの会議体が、職種追加の妥当性を判断するという仕組みはいかがなものかと思います。

 昨日開かれた「技能実習制度に関する法務省・厚労省合同有識者懇談会」でも、同様の意見がありましたが、制度見直しにあたっては、JITCOの会議体で職種追加の妥当性を判断することは避けるべきであると思います。この点に関する事務局の考えをお聞かせいただきたいと思います。


○高橋育成支援課長 私どもといたしましても、公的評価システム認定会議といいますのは、職種追加の最終判断をするというものですので、御指摘のような御懸念もお持ちいただかないような形で、厚生労働省の私ども部局で認定会議を今後は開催させていただくように、そのような準備をしたいと思っています。

 

○小杉分科会長 ほかにないようでしたら、この議論はここまでとさせていただいてよろしいですか。そのほか、委員の皆様から何か御意見はございますか。ないようでしたら、本日の議事はこれまでといたします。次の日程につきましては、改めて事務局から連絡をさせていただきます。議事録の本日の署名委員は、労働側の田口委員と使用者側の大隈委員にお願いいたします。それでは、本日はこの辺で終了します。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 労働政策審議会(職業能力開発分科会) > 第87回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録(2015年1月23日)

ページの先頭へ戻る