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2015年2月16日 第3回管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会

健康局がん対策・健康増進課栄養指導室

○日時

平成27年2月16日(月)
13:00~15:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

構成員〈五十音順・敬称略〉

赤松 利恵 (お茶の水女子大学 教授)
石川 みどり (国立保健医療科学院 上席主任研究官)
石田 裕美 (女子栄養大学 教授)
加藤 昌彦 (椙山女学園大学 教授)
狩野 恵美子 ((株)グリーンハウス 営業推進本部栄養健康事業部 部長)
川久保 清 (共立女子大学 教授)
川島 由起子 (聖マリアンナ医科大学病院 栄養部長)
木戸 康博 (京都府立大学 教授)
合田 敏尚 (静岡県立大学 教授)
鈴木 志保子 (神奈川県立保健福祉大学 教授)
伊達 ちぐさ (兵庫県立大学 教授)
塚原 丘美 (名古屋学芸大学 教授)
内藤 義彦 (武庫川女子大学 教授)
弘津 公子 (山口県立大学 准教授)
藤岡 由夫 (神戸学院大学 教授)
丸山 千寿子 (日本女子大学 教授)
吉池 信男 (青森県立保健大学 教授)
和田 政裕 (城西大学 教授)
渡邊 浩幸 (高知県立大学 教授)

○議題

(1)報告書(案)について
(2)その他

○議事

○河野栄養指導室長 それでは、お時間になりましたので、ただいまから第3回「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」を開催いたします。

 構成員の先生方には、御多忙中のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は、赤松構成員、石川構成員、藤岡構成員、和田構成員が御都合により御欠席です。また、伊達構成員がおくれていらっしゃるようです。

 資料の確認をさせていただきます。お手元のほうを、議事次第、座席表、構成員名簿をおめくりいただきまして、本日は最終的な議論をいただきます改定検討会報告書(案)を資料1としておつけいたしております。

 これ以降の進行につきましては、川久保座長にお願いいたします。

○川久保座長 皆さん、どうもこんにちは。

 それでは、議事を進めたいと思います。本日は、報告書(案)について検討してまいりたいと思います。構成員の先生方には前回の検討から、お忙しい中、出題基準の見直し作業を行っていただき本当にありがとうございました。

まず、報告書(案)の7ページの出題基準について、現行の出題基準から見直した点、赤字になっておりますけれども、各分野の構成員の先生から簡単に御説明をお願いしたいと思います。分野ごとにお願いしたいと思います。各分野で2~3分、短い時間ですが、お願いしたいと思います。

 それでは、社会・環境と健康からお願い申し上げます。

○内藤構成員 それでは、内藤のほうから説明させていただきます。

 7ページです。基本的には今までのものを踏襲しておりますけれども、1の「B公衆衛生の概念」の「f公衆衛生活動の進め方」で、ハイリスクアプローチ、ポピュレーションアプローチというのは、もともとEBMのほうにあったのをこちらへ回しております。

あとは、「4 健康状態・疾病の測定と評価」というところで、ハザード比という最近よく使われている概念を導入しております。

続きまして、8ページですけれども、ここはかなり整理させていただいております。「F疫学研究と倫理」のところで、疫学の倫理指針として「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」というのが12月に出ましたので、こちらのほうにかえております。

「健康日本21」などで新しい概念が導入されておりますので、5のAのbのNCDの概念や「6 主要疾患の疫学と予防対策」にあるロコモティブシンドローム、COPDのような新しい概念を導入しております。

いろいろな制度や法律が変更になっておりますので、その辺も変更して内容を一新しております。

細かいことになるかもしれませんが、「6 主要疾患の疫学と予防対策」のところで、がんは今まで、検診とがんの主要部位、どんながんがあるかという説明だったのですが、がん対策をここに含めております。

9ページは、最近のいろいろな新しい法律を導入しております。

10ページの「J学校保健」のところで「g学校感染症」は今まで触れていなかったのですが、これもやはり入れるべきだということで導入しております。

基本的には、前の内容をもとにしまして、最近の内容を加えている、そういう形になっております。

以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

 続きまして、人体の構造と機能及び疾病の成り立ちについて御説明をお願い申し上げます。

○加藤構成員 人体の構造と機能及び疾病の成り立ちについては加藤のほうから報告させていただきます。

 基本的な考え方は3つありまして、1つ目は、とにかく理解しやすい用語あるいは表現にするということ、2つ目は、大項目それぞれに対する小項目がばらばらであったものを表現の仕方を統一していこうということ、3つ目は、新しく世の中に出てきた概念、特に栄養関連の概念についてはつけ加えていこう、その3つの考え方で行ってきました。

 まず「1 人体の構造」の「d身体構成成分」というところは、表現をわかりやすくしたことです。

 同じように、赤字の脂肪酸、糖脂質といったところもそういった表現になっています。

11ページの「D酵素」の「a酵素の分類」もわかりやすくしたということです。

 小項目の表現の仕方を統一したというのは、12ページの「10 消化器系」になりますが、「a消化管の構造と機能」「b肝臓・胆嚢・膵臓の構造と機能」、こういった形で統一したことです。

 新しく世に出てきた概念ということでは、14ページの「16運動器系」のところにありますが、フレイルティ、サルコペニア、ロコモティブシンドローム、そんな言葉が入ってきていますし、12ページの「8 疾患治療の概要」のCの緩和ケア、終末期医療(ターミナルケア)、尊厳死、こういった言葉が盛り込まれています。

 大きなところでは、悪性腫瘍に関しては、個々の悪性腫瘍を取り上げるというのではなくて、11ページの「6 加齢・疾患に伴う変化」のBの「f良性腫瘍、悪性腫瘍」のところで取り上げます、ただし、悪性腫瘍の中でよほど必要性のあるものは個々に取り上げるのですが、悪性腫瘍全体として取り上げようという考え方です。

基本的に大きく変わっているところはないと思います。後で申し上げたほうがいいのかもしれませんが、御参加の先生方に御指導いただきたいところが、見直しをしていると出てきました。

1つは、13ページの「11 循環器系」のBの「f肺塞栓」が1つ項目として取り上げてありますが、「b血栓、塞栓」の項目があるので、わざわざここで肺塞栓を取り上げる必要はないだろうということです。

もう1つは「15 呼吸器系」のBの「d結核」、ここも疾患名である結核を個別に取り上げていますが、「20 感染症」のAの「d再興感染症」のところで取り上げるのはどうだろうか。では、その上の小項目の肺炎はどうかということですが、最近、誤嚥性肺炎なども多くなっていますし、日本人の死因の第3位ということで肺炎は、小項目に残してもいいと思います。結核は、ここであえて取り上げる必要はないのかもしれないので、御指導いただけたらと、後で結構ですので、お願いします。

以上です。

○川久保座長 そこの確認は後でよろしいですか。

では、続きまして、食べ物と健康は渡邊先生。

○渡邊構成員 食べ物と健康に関しましては、渡邊が報告させていただきます。

 大項目の1に「A食文化と食生活」があります。現行では「食品」となっていたのですが、食文化については全く触れられていない状況でしたので、ここで食文化についても問題が問えるように加えさせていただきました。

 また「b食生活の時代的変化」につきましても、同様な形で追記させていただきました。

15ページの「3 食品の機能」のところですけれども、「B二次機能」で「水分」を入れております。今まで水分に関して問う項目がなかったという状況がありました。水分といいますと食品に物理・化学的にかなり関与し、喉越しなどに影響を与える成分でございまして、むしろ二次機能としての基本的な問題として捉えるほうがよろしいのではないかと考えまして、水分を二次機能のところに入れております。

 「4 食品の安全性」に関して「B食品の変質」につきましては、ここで内容の整理を行っております。油脂の酸敗だけを取り上げておりましたが、食品成分そのものの酸化についての問題も問うべきであろうということで、それらについても整理させていただいております。

16ページの「5 食品の表示と規格基準」でございます。表示につきましては、食品表示法が施行されますので、法令の範囲に準拠するような問題が出題できるように、Aにおきまして「食品表示制度」として変えております。

 「B健康や栄養に関する表示の制度」では、新しく食品の機能性表示などが関係してきますので、施行される表示に関しまして出題できるように追記しております。

 「C基準」につきましては、これまでの小項目ですと基本的な出題の表現が困難でした。そのため、ここの部分からの出題ができないという状況もありました。食品づくりの分野で活躍できる管理栄養士を育てるためにもこの分野からの出題ができるような状況に変えたいということで改めました。

 「6 食品の生産・加工・保存・流通と栄養」の「C食品流通・保存と栄養」のdのところですが、食品製造や衛生で重要な「水分活性」についても追記させていただきました。

 以上でございます。

○川久保座長 ありがとうございました。

 続きまして、基礎栄養学をお願い申し上げます。

○木戸構成員 基礎栄養学につきましては、木戸のほうから説明させていただきます。

 基礎栄養学は基本的に現在のガイドラインの内容を踏襲しておりますが、栄養素の整理ということで、18ページの大項目5の「糖質の栄養」を「炭水化物の栄養」と変更させていただきました。それに伴って中項目Cの「a炭水化物エネルギー比率」です。

 大きく変更したところは、Eの炭水化物の栄養の中に食物繊維、難消化性糖質を入れさせていただきました。

 細かい修正ですが、19ページの「7 ビタミンの栄養」の中項目Bの小項目fにつきまして、代謝とビタミンの関係という視点から「一炭素単位代謝とビタミンB 12 ・葉酸」と修正することを提案しております。

 以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

続きまして、応用栄養学についてお願い申し上げます。

○鈴木構成員 応用栄養学は鈴木から発表させていただきます。

20ページの大項目「1 栄養ケア・マネジメント」の中項目Aの小項目bのところに解説として「PDCAサイクルの意義と目的」を加えさせていただきました。

 「B栄養アセスメント」のところは整理いたしまして、aが「栄養アセスメントに関する意義と目的」、bが「栄養アセスメントの方法」、cが「アセスメント結果からの現状把握と課題の抽出」、dは、栄養ケア・マネジメントの図には目標設定の部分はありませんが、目標なくして栄養補給計画やその他の栄養ケアの計画を立てることはできませんので、あえてここを入れさせていただきました。病院等では、低栄養であれば低栄養リスクから脱するということが個人目標となるため、個人目標を明記しないこともあるかもしれませんが、特定保健指導等では、対象者に対して何カ月でどのくらい減量するのかという目標を決定することが管理栄養士に求められていることから、その部分を加えたく、dを設定いたしました。

 Cに関しましては、栄養ケア計画からモニタリング、評価の部分まで全て項目として挙げさせていただき、「a栄養ケア計画の作成と実施」「bモニタリングと個人評価」「cマネジメントの評価」として栄養ケア・マネジメントを整理致しました。

 「2 食事摂取基準の基礎的理解」に関しましては、2015年版に準拠し、変更いたしました。

22ページをごらんください。「8 高齢期」ですが、前回、教えやすいように項目の順番にするということで、c、d、eと順番を整理いたしました。

 そのほか、9のBの「b身体活動基準・指針」の後は順番を変更いたしました。

 「10 環境と栄養」ではBに「f災害時の栄養」を入れさせていただきました。

 以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

続きまして、栄養教育論についてお願い申し上げます。

○丸山構成員 栄養教育論について御説明させていただきます。

 栄養教育論の改定につきましては、基本的に過去に出題がされていないものについてはそこの部分に関連して内容を精査して整理するということにいたしました。

 それから、最近のさまざまなエビデンスの構築なども含め、あるいは行動科学の理論に関連して、学問的に世界的に共通に認識が広められたもので管理栄養士が認識しておく必要があるものをきちんと取り入れようということにいたしました。

 さらに、他の教科との重複がこれまで出題において問題になっていたところについて整理するということを基本的な方向性として検討いたしました。

 その結果、大項目「1 栄養教育の概念」のAの小項目を整理いたしまして、2項目のみにいたしました。

 全体として括弧をつけて説明しておりましたものの括弧は取りまして、整理しております。

 2の「A栄養教育と行動科学」につきましては、定義についての説明を求めるにとどめて、内容をシンプルにしております。

 「B行動科学の理論とモデル」につきましては、小項目で2項目を並べて表記しておりましたが、項目を独立させております。それに相当するところが「d計画的行動理論」、あるいは「ソーシャルネットワーク、ソーシャルサポート」としておりましたところを「fソーシャルサポート」のみということにいたしました。

 「C栄養カウンセリング」は4項目にいたしました。以前、含まれておりました曖昧な内容を含む部分を削除しております。

 「D行動変容技法と概念」につきましては、変更がなく、中項目の表現を変えております。

 「3 栄養教育マネジメント」につきまして、Aの「aアセスメントの種類と方法」は、括弧がたくさんついておりましたものを整理しております。

 「B栄養教育の目標設定」につきましては、経過評価に相当する実施目標がありませんでしたので、これをbに追加しております。

 「C栄養教育計画立案」につきましては、中項目の表現を「栄養教育プログラムの作成」としておりましたものを「教育計画立案」といたしまして、小項目を整理して、括弧をなくしております。

 「D栄養教育プログラムの実施」につきましては、以前がコミュニケーションあるいはプレゼンテーションに関する技術ということでしたが、実際に行う重要な内容ということで「a実施記録・報告」「bモニタリング」の表現に変えております。

 「E栄養教育の評価」につきましては、各項目を独立させまして、新たに「e形成的評価」を加えております。

 「F栄養教育マネジメントで用いる理論やモデル」に挙げておりますものにつきましては、以前は行動科学の理論の前に併記しておりましたものを、行動科学理論というよりもむしろマネジメントで用いる理論やモデルという実践的なことになりますので、後ろに移しております。

 大項目4の各項目につきましては、応用栄養学と重複する部分が多かったものにつきましては、削除いたしまして、シンプルに一項目ずつを小項目に残しました。

 以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

 続きまして、臨床栄養学をお願い申し上げます。

○塚原構成員 臨床栄養学は塚原のほうから発表させていただきます。

 まず、新しく加えたキーワードですが、要介護の前に「要支援者」をつけました。

26ページの非アルコール性脂肪性肝疾患あるいはCKDCOPDは日本語と英語名の前後を入れかえました。

 あとは、先ほど加藤先生がおっしゃったような終末期医療のところの変更や、フレイルティを「U老年症候群」に入れました。

 全体的に赤が多いのですが、今回、臨床栄養学の分野では、今まで疾病学と問題がかなりダブっているというようなこともありましたので、できるだけ栄養ケア・マネジメントを前面に押し出して、具体的な栄養管理方法について問題にできないかということで考えました。

 まずはそれぞれの疾患の中項目のところに、全て何々の栄養アセスメントと栄養ケアと掲げました。アセスメントがしっかりできて、その後に、栄養ケアのことを考えるということがわかるように、それぞれの中項目に入れました。それを受けた小項目は、それぞれの疾患名になっていますので、病態に応じた栄養アセスメントをして栄養ケアするというところを具体的に問えればと思っております。

 その前の大項目の2の小項目が真っ赤になっているのは、実は今までは全てここが大項目で分けてありました。中項目のところのモニタリングや薬、栄養ケアのこと、全て大項目で分けていましたのを栄養ケア・マネジメントひっくるめて一つ、ここをしっかりと総論的にわかっていて、次の大項目3の各論につながっていくという形で、ここのところは具体的にしっかりと細かいところまで出題できればと思っております。

 前面的に栄養ケア・マネジメントを出していきたいので、出題の狙いのほうにも要支援者を足していただいたり、栄養ケア・マネジメントという言葉を、今まではなかったのですが、入れることにしました。

 以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

 では、公衆栄養学は、伊達委員がまにあうかどうかわかりませんが、飛ばしまして、給食経営管理論のほうを先にお願い申し上げます。

○石田構成員 給食経営管理論は私、石田と狩野構成員とで検討してまいりました。

 管理栄養士として第一歩を踏み出すというところに立ち返り、多くの新卒の管理栄養士を受け入れている狩野構成員の意見を中心に、絞り込むという形で作業してまいりました。

 大項目1のところでは、中項目を整理し、あわせて小項目は細かい法律名を挙げていたものを削除いたしました。

 大項目「2 給食経営管理の概念」のところでは、食事提供の基本的な知識を問うという中で、献立の役割を明確に位置づけております。

また、中項目Bの中の小項目「e給食運営業務の収支構造」は、収支構造の基本といったものをしっかり理解しておく必要があるということで、これは新たに追加しています。

30ページに参りまして、大項目3の「栄養・食事管理」の中項目Bの小項目「d食品構成の意義」は、「食べ物と健康」の献立作成のところから、給食経営管理論の食事をつくるというところから出題するということではっきりさせました。

それから、大項目4が一番大きく変わっているところです。旧ガイドラインでは4番と5番の2つに分かれていたものを統合しました。どんなものをどうつくっていくのかを統合した形になります。品質といったものの考え方をきちっとここで問えるようにしております。細かいところでは言葉の整理をいたしました。

「5 給食の安全・衛生」のところでは、災害時について今までは組織と訓練といったことでしたが、第一歩を踏み出すということから、災害時の給食の役割と対策の意義をきちっと理解しておくことに変更しています。

また、「6 給食の施設・設備」に関してもかなり絞り込んで、必要最低限のものにいたしました。

以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

 続いて応用力試験のほうを私から説明させていただきます。

 応用力試験は、今まで出題の狙い等がありませんでしたが、今回は新に出題の狙いと、大項目、中項目を設定させていただきました。出題の狙いのところは「栄養のマネジメントの基本的理解を問う」「管理栄養士としての栄養のマネジメントを実施する上で必要とされる思考・判断力、基本的な課題に対応する能力を問う」ということで、栄養マネジメントのことを主に出題するということをここで明記させていただきました。

 中項目のほうをごらんいただきますと、A、B、C、3つに分かれておりますけれども、Aはどちらかというと臨床栄養、人体等の問題等に通じる主要疾患別となっております。Bは応用栄養学的なところでありまして、ライフステージ別、身体状況、栄養状態に応じた適切な食事、食生活に関するマネジメント、Cは特定の集団や地域における栄養・食生活課題別ということで、ここは集団のという形になりますので、公衆栄養学、社会・環境と健康、給食経営管理論等に通ずる中項目というふうに設定させていただいております。

 以上が応用力試験で新たにつくった出題の狙いと、大項目、中項目の説明です。

 引き続きまして、戻りまして、公衆栄養学のほうも私から説明させていただきます。

公衆栄養学は基本的に余り変わっておりませんが、まず、変わったところは、28ページの「4 栄養疫学」の「C食事摂取量の測定方法」の言葉の統一ということで、24時間食事思い出し法と食事記録法と「食事」を入れました。

 「5 公衆栄養マネジメント」の「C公衆栄養プログラムの目標設定」に関しては、以前は短期目標、中期目標、長期目標という目標設定がそのまま入っておりましたが、ここでは削除という形になっております。

 あとは、6の中項目Bのcに追加という形にさせていただきました。

 以上が公衆栄養学についての説明です。

 以上で各分野ごとの説明をいただいたわけですけれども、今までいろいろ議論されて変更を重ねた結果を整理された形になっておりますが、今までのところで特に御意見がございましたら、まだ時間が十分ありますので、御発言いただければと思います。いかがでしょうか。丸山先生、どうぞ。

○丸山構成員 栄養教育論につきまして、この場で申しわけないのですが、1つ、変えていただきたいことの御提案をさせていただきます。24ページの大項目3の中項目「D栄養教育プログラムの実施」の小項目「a実施記録・報告」「bモニタリング」となっておりますけれども、これはほかの科目とも合わせて、モニタリングが先で、実施記録・報告を後にしたほうがよろしかろうと思いますので、a、bを逆にしていただけたらありがたいと思っております。

○川久保座長 この部分はaをモニタリング、bを実施記録・報告とする形でよろしいでしょうか。

 では、こういう形でよろしいですか。鈴木先生、何かありますか。

○鈴木構成員 今、弘津先生と二人で話したのですが、実施記録、モニタリングのほうがaで、bが報告、順番はそうなのかなと思いました。

○丸山構成員 実際には交互に起こることではありますけれども、先生の御提案は、記録が先で、モニタリングをして、報告をする。

○鈴木構成員 全体をまとめて報告をするのではないでしょうか。

○丸山構成員 そうするとむしろ3項目。プログラムの実施の間においての記録をすることとモニタリングをすることはまた別になると思います。

○鈴木構成員 栄養ケア・マネジメントのモニタリングの感覚ではないのですね。栄養ケア・マネジメントのモニタリングではケア計画の実施の期間があって、最終段階での現状把握と課題の抽出ということで再アセスメントとも呼ばれています。実施記録というのは、例えば目標ができているかできないかのチェックを日々とか1週間に一度とか、実施することだと思ってしまったものですから、そうなると順番が変わるのではないか。

ただ、報告の意味がよくわかりませんので、短い期間に関しての報告を随時上げていくという意味であれば、ここの報告でいいのかもしれないのですが、どこの部分の何を指しているかを私たちは把握しないで発言しました。

○丸山構成員 なかなか難しいところだと思いますが、その下の評価及び目標設定のところとも関係ありますけれども、ある期間の中の最初のほうから順次いろいろなことをやっていって最終的にどうなるかというところを見ていくときに、その都度、モニタリングもし、記録もし、報告もし、最終的にプログラム全体の記録と報告が必要になるということを考えますと、これを逆にしたほうがいいのかなと思った次第です。場合によっては、記録とモニタリングと報告を3つ分けても明確かもしれません。

○川久保座長 これは3つを一緒にして、モニタリング、実施記録、報告という小項目にするという形よりは、やはり2つに分ける。

○丸山構成員 それは一つの御提案かと思います。

○川久保座長 この辺のところは結論が今、出ないのであれば後で、項目としてはこのままでよろしいようなので、順番だけですので、もう一度すり合わせていただけますでしょうか。

○丸山構成員 はい。

○川久保座長 木戸先生、御意見あれば。

○木戸構成員 ここでは報告とか、言葉が混乱していると思います。大きい意味でプログラムを実施し、それを評価し、最終的にそれを報告の形でまとめないといけないのですが、中項目の報告と小項目の報告は意味合いがちょっと違うと思います。その表現の仕方を少し考えたほうがいいのではないかと思いました。

○川久保座長 ここはモニタリングと実施記録だけでもいいかもわからないということですね。

○木戸構成員 変に報告が入ってしまうために、栄養教育全体の計画実施報告の報告と、個々の計画の報告が重なっているようです。

○川久保座長 では、ここのところは、モニタリング、それから実施記録という形で、報告を抜かした形でよろしいですか。それは、a、bに分けたほうがよろしいですか。それとも一つの項目でも。

○丸山構成員 なるべく項目を明確に一つずつ、基礎のところなので押さえようという方針でやりましたので、できれば2つに分けていただいたほうがよろしいかと思います。鈴木先生、いかがでしょうか。

○鈴木構成員 済みません。栄養教育のところで違うのかもしれないのですが、栄養ケア・マネジメントの中のモニタリングは全体を通して終わったところで行うものということです。

○丸山構成員 言葉が少し違うのかもしれません。

○鈴木構成員 そうなるとこの順番で、aが実施記録、bがモニタリングのままで私たちはすんなり来るのですが、もし違うモニタリングなのであれば。

○丸山構成員 違いますね。

○鈴木構成員 違うのですか。

○丸山構成員 そちらではモニタリングという言葉を使っていらっしゃいますか。

○鈴木構成員 栄養ケア・マネジメントの部分では評価をする前にはモニタリングという項目は必ずありますので。

○川久保座長 応用栄養学の中の栄養ケア・マネジメントの中のモニタリングですね。

○鈴木構成員 そうです。

○川久保座長 でも、それはプロセスのどこでもモニタリングするという意味で、最後のモニタリングではないと思うので、ここで使われている意味と同じような意味でいいのではないかと思います。モニタリングは、どの過程、どのプロセスでもモニタリングするという意味で使われるのだと思うので、それでよろしいですか。

○鈴木構成員 教える側がちゃんとわかって教えられればそれでいいと思いますが、書いたものだけを見てしまうと、栄養教育の中にも、マネジメントの中にもモニタリングと書いてあると、学生や余りよくわからない方が見たときには混乱するのではないかと思いました。教える側がちゃんと注意すればいいのであれば問題ないと思います。 

○川久保座長 よろしいですか。

○弘津構成員 モニタリングという言葉が中間評価という位置づけであれば私たちは理解できます。中間評価で見直して、うまくいっていなければ再度、構築して、最終的にうまくいけば最終的な評価をするというのが私たちのマネジメントの中のモニタリングの位置づけです。

○丸山構成員 むしろモニタリングという行動を。

○鈴木構成員 モニタリングする。

○丸山構成員 はい。行動を示しますので。

○鈴木構成員 そうなるとこれは逆ですね。

○丸山構成員 モニタリングして記録のほうが。

○川久保座長 言葉の定義が分野ごとにばらばらにならないようにというのは大事なところなのですが、今のモニタリングというのは途中途中でモニタリングしてという感じで統一されていると私は思いますが、よろしいですか。

 では、aをモニタリング、bを実施記録というふうに順番を変えるということですね。

 ほかに御意見はないでしょうか。先ほど人体のほうから提案がありましたが、これはここで決めたほうがよろしいですか。

○加藤構成員 削除してもいいものか、先生方の御意見をいただきたいと思ったものですから。

○川久保座長 13ページの「11 循環器系」のBの「b血栓、塞栓」と「f肺塞栓」が重複しているのではないかという御意見でした。ただ、a、b、cは病理の話であって、dから後は疾患の話なので「肺塞栓」は残してもいいのではないかと私は思いました。非常に大事な疾患ですのでというのは私の意見ですが、いかがですか。

○加藤構成員 そういう御意見でしたら残していただいてもいいと思います。エコノミー症候群はよく御存じかと思いますが、高齢者になって動かない人がたくさん出てくる、あるいはベッド上に抑制されると深部静脈血栓をよく起こすので、それが肺塞栓につながるということで注意が必要、そういった深い意味なのだろうと思います。病気として管理栄養士に覚えておいたほうが良いということであれば、残していただくことに関してはやぶさかではありません。

○川久保座長 いかがですか。そのままでよろしいですか。

もう一つは結核ですが、結核のところを感染症の中で含めるという形で、呼吸器疾患のところは削除していただいてよろしいのではないかと私は思いますが、いかがですか。

○吉池構成員 結核は結核としてあったほうがよいのではないかという意見です。というのは、感染症の中の小項目で「新興感染症、再興感染症」という言葉は、公衆衛生上の対策あるいは現象を言っていて、疾病についての明確な定義ではないので、結核としてあったほうがよろしいのではないかと思います。

○加藤構成員 よくわかるのですが、結核そのものを授業で教えるという話になってくると、小項目の一つとして取り上げるほど時間を割くことができる疾患なのか実際には判断が難しい。例えば、人体の構造のところで出てくるのであれば、先生が言われるように、病理学的な特徴とか、先ほど話した多剤耐性菌がふえてきている、ということがあると思いますが、結核そのものを教えるというのが実際には難しいのかなと思います。ただ、最近、若い子たちがダイエットなどして、結構ふえてきているという事実もありますので、結核という病気があるよということは重要で、そういった表面的な話であれば、小項目としては必要ないと思ったのです。

○吉池構成員 さらに欲を言うと、グローバルなレベルでの栄養ということを考えると結核に関わる栄養というのは極めて大事だと思うので、そういう意味でも結核の対策をうまく栄養と絡めて教えるといいのではないかということも考えます。

○加藤構成員 結核に特化する栄養というのがよくわからないのですが、低栄養がいけないとかダイエットがいけないということまではいいのですが、結核という病気を教えるというのが、ここにそういった力を注ぐ一項目として必要なのかというところはちょっと疑問に思うのですが、ほかの先生方の御意見も伺いたいと思います。

○川久保座長 ほかの先生方、いかがでしょうか。

○内藤構成員 疾病の分類というか、臓器によるのか、成因によるのかによって位置づけが違ってくると思いますが、同様に、脳卒中も循環器疾患にするのか、ここでは神経疾患になっていますが、社会・環境と健康では脳血管疾患は循環器のほうに入れています。その辺は本当を言うと整合性がちょっととれていないのですが、それは仕方ないというふうに考えてよろしいのでしょうか。

○加藤構成員 どちらで捉えることもできるのだろうと思いますので、統一するということであれば統一してもいいと思います。脳卒中で起きていることは、出血と梗塞しかありませんので、確かに循環器系の疾患に入れてもいいですし、後から出てくる症状を考えれば神経疾患のほうに入れることができるかと思いますけれども、統一するということであれば統一してもよろしいかと思います。

○川久保座長 脳血管疾患は循環器系のほうで取り上げていただいてもいいのかなと思います。人体の「11 循環器系」は、虚血とか血栓という脳血管疾患の成因もここに含まれているので、この後に脳血管疾患の脳出血、脳梗塞というのをhとして入れてよろしいですか。

○加藤構成員 わかりました。では、hに。

○川久保座長 そうすると先ほどの「14 神経系」のほうはBの「a脳出血、脳梗塞」がなくなって、認知症とパーキンソン病・症候群が残るという形になって、神経系はちょっと厳しくなりますが、そういう形に変更させていただきます。

 ほかにいかがでしょうか。

○加藤構成員 結核はどうなったのですか。

○内藤構成員 臓器で考えたら、優先するとすれば呼吸器のほうですかね。

○川久保座長 社会・環境と健康でも結核は取り上げていただく感染症になるのですが、どちらかというと社会・環境と健康で感染症の中で結核は取り上げていただくということで、人体のほうは、呼吸器疾患として捉えるよりは感染症として取り上げたほうが書きやすいですね。

○加藤構成員 結核で何を学生に学んでいただくかというところだと思います。さっき吉池先生が言われたように、低栄養になるとだめだよとか、若い子も特に女子学生などはダイエットしていて、時々結核の子がいるという事実はあるのですが、病気そのものをどうこうと教えるというのがなかなか微妙なところではないかと思うので、病名として小項目に載せなくてもいいのかなと思ったということです。結核が小項目にぽんとあると、先生方が結核という項目をつくって、授業でお話をすることになるのだろうと思うのですが、それはなかなか大変なのかなと思っただけです。

○川久保座長 では、いかがでしょうか。呼吸器疾患のほうの結核は削除して、これは社会・環境と健康も同じですが、感染症の中に結核は大事なのだよというのが何となく言外にあるということでよろしいですか。

 では、そうさせてもらいます。

 ほかにいかがでしょうか。伊達先生、どうぞ。

○伊達構成員 遅くなりまして済みません。発表のときに申し上げたいと思っていたのですが、公衆栄養学の28ページの「5 公衆栄養マネジメント」の中項目Cの「a公衆栄養アセスメント結果の評価」となっていますが、20ページの応用栄養学の大項目1の「B栄養アセスメント」のcのように「アセスメント結果からの現状把握」ということに変えたいと思いますが、いかがでしょうか。

○川久保座長 評価という言葉が後にも出てくるので。

○伊達構成員 はい。なるべくアセスメントと評価と一緒にしたくないのですけれども、残っていましたので。

○川久保座長 では、ここは「公衆栄養アセスメント結果からの現状把握と課題の抽出」。

○伊達構成員 「課題の抽出」はbにありますので、ここでは「評価」を「現状把握」に。

○川久保座長 では「公衆栄養アセスメント結果からの現状把握」。

○伊達構成員 はい。

○川久保座長 そういうふうに変えさせていただきます。

 ほかはよろしいですか。

ちょっと細かいところですが、臨床栄養の26ページの中項目「N癌の栄養アセスメントと栄養ケア」の小項目「b緩和医療」は、人体のほうだと「緩和ケア」という言葉を使っているので、ここは「緩和ケア」でもよろしいですか。そのほうが広いと思いますので、よろしいですか。

○塚原構成員 はい。

○川久保座長 では、ここは「緩和ケア」という形に変えさせていただきます。

○鈴木構成員 すみません。よろしいですか。

○川久保座長 はい。

○鈴木構成員 29ページの公衆栄養学の大項目6の中項目Bのcが「生活習慣病予防のための健康な食事の基準の活用」となっていますが、「基準」という言葉が、健康な食事では食事パターンに関する基準は出ているのですが、健康な食事の基準とはなっていないので、食事摂取基準のことを言っているのかと誤解が生じるのではないかと思いました。

○伊達構成員 また変わるかもしれない、いろいろバージョンアップするので、そのままの言葉を使わないほうがいいかなというので、小項目は特化した言葉にはしていないのです。もしこの4年間に目標が変わっても対応できるようなという形でずらしているというか、そのとおりのものにはしていないということです。

○鈴木構成員 「基準」という言葉を入れると反応しやすいので、健康な食事の活用とかのほうが良いのではないかと感じました。括弧づきになるのですかね。健康な食事のあり方検討会で言われたことの健康な食事であるならば。

○伊達構成員 それを視野には入れているのですが、どうしましょうか。「基準」がないほうがよろしいでしょうか。

○川久保座長 この間の報告書で出たものですね。あれはどんなふうに。

○伊達構成員 健康な食事のあり方検討会報告書だったと思います。

○川久保座長 そうすると「基準」がないほうがいいですか。食事摂取基準と混同されると困るということですね。

○伊達構成員 健康な食事の活用。

○川久保座長 「基準」を取るということでよろしいですか。

○伊達構成員 はい。

○河野栄養指導室長 今の点、よろしいでしょうか。

○川久保座長 お願いします。

○河野栄養指導室長 健康な食事も含めて、特に制度の名称ではないので、恐らく上のものとちょっと趣旨が異なるというのと、あと、ここはもともとお直しいただいている前の内容は「健康づくりのための外食料理の活用」というもので全てが「健康な食事」に置きかわる、今の検討の中でも置きかわっていくわけではないので、もし今のような概念的なことだというのであれば、もともとの内容を生かした方がよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○伊達構成員 もともと健康な食事について前のほうに入れていたのですが、それをこちらのほうに移してきたので、このままになってしまったということです。外食という外部から自分たちの食事をとり入れるときに、いろいろな環境整備ができていて、それらを使って健康づくりをするというようなつもりで入れたいなと思った次第です。「基準」というのは食事摂取基準となってしまうということですね。

○川久保座長 「健康づくりのための食事の活用」。前のときは「健康づくりのための外食料理の活用」だったのですね。

○伊達構成員 はい。それをもう少し広げたらと思ったのです。

○吉池構成員 よい言葉が思い浮かばないのですが、概念的にはWHOが言う「ニュートリエントプロファイリング」の話だと思います。それらを表示や食品企業などが参照して、食環境づくりのための数値セットとして活用していくということかと思います。いい表現は今、思い浮かびませんが、そういう概念の理解でよろしいのでしょうか。

○伊達構成員 今お話を聞いたときはそれもあると思ったのですが、受け手は企業というよりも一般の人々の環境整備というように捉えていました。

○吉池構成員 きちんとオーソライズされた「ニュートリエントプロファイル」がないから食環境整備がなかなか進まないので、どうにかしようという流れだとは思います。今回の「健康な食事」の考え方とセットで進めていかなければいけないと思うので、そういう意味では、幅広い概念で整理するということには賛成ですが、表現は難しいですね。

○川久保座長 「健康な食事の活用」、それだと曖昧過ぎますか。

○伊達構成員 今のお話だと「基準」があるほうが活用しやすいのかなというように捉えました。

○川久保座長 では、ここのところは少し曖昧な表現というか、特定のものを指すのではなくて、ここに書かれているような内容で少し文言を考えるということでよろしいですか。

○伊達構成員 では、石川先生ともう一度相談してという形で考えさせていただきます。

○川久保座長 お願いします。

 ほかにいかがでしょうか。芳賀さん。

○芳賀栄養指導室室長補佐 先生方からなければ、これまでの御意見を踏まえて、事務局側の資料作成上の修正点が少しございますので、何点か挙げさせていただきます。

 まず、9ページの社会・環境と健康の大項目7の中項目の「D福祉制度」の小項目のfですが、「;」の「直前の項目の具体的な事項例を示し、すべてを網羅するわけではない」というルールにのっとって、福祉関連法規に関して「;」を新たに置いています。となりますと、文章の最後に「など」と入っているのですけれども、これは削除の形でよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○芳賀栄養指導室室長補佐 2点目が14ページ、こちらは編集上のミスで申しわけありません。「食べ物と健康」、先ほど渡邊先生から御説明いただきましたが、大項目1の中項目Aの小項目aのところです。「食文化」を新たに加えたということで、現行ですとここは「食文化」という用語ではなく「食物」となっておりますので、赤字にする必要がありました。「食文化とその」までが今回新たにということで赤字扱いになります。

 それから、先ほど、脳出血と脳梗塞との関係で神経疾患と循環器疾患の御議論がありましたが、臨床栄養学についても同様の整理が必要でしょうか。具体的には、26ページの大項目3の中項目Dが循環器疾患のaからdまで、最後は心不全になっていますが、ここの後ろに中項目Gのaにある「脳出血、脳梗塞」が入るのかどうかという扱いについてです。

○川久保座長 脳出血と脳梗塞というのは、実際、臨床の現場でも神経内科と循環器内科で行ったり来たりしているようなところもあって、入れ方が難しいですね。ここだったら神経疾患の中に入っているほうが据わりがいいような気がしてきます。

○芳賀栄養指導室室長補佐 お任せします。

○加藤構成員 診るのは神経内科ですね。

○河野栄養指導室長 国家試験のガイドラインですので、今も統一してありますので、どちらかに統一いただくようにお願いします。

○加藤構成員 わかりました。

○川久保座長 では、循環器疾患のほうに入れるということでよろしいですか。「D循環器疾患の栄養アセスメントと栄養ケア」のeとして「脳出血、脳梗塞」を入れる。それから、Gの神経疾患のところから「脳出血、脳梗塞」は取るという形にしたいと思いますので、よろしいですか。

○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、最後に、印刷切れがありまして、25ページの大項目2の中項目Gの小項目bのところです。最後、赤字で「問題志向型システム」とずっと文章があって「栄養ケア実施記」でとまっているのですけれども、「記録」になります。

 済みません。以上です。

○川久保座長 ほかに、木戸先生、よろしくお願いします。

○木戸構成員 そういう意味では、基礎栄養学の19ページの「7 ビタミンの栄養」の中項目Bの小項目fの「一炭素単位代謝」は、赤字表記でお願いします。

○芳賀栄養指導室室長補佐 すみません。

○川久保座長 あとはよろしいでしょうか。

それでは、公衆栄養のほうの修正点が少し残りましたけれども、それはまた事務局に報告いただいて、委員長のほうにお任せいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 では次に、報告書(案)の1ページから全体に係る部分について事務局のほうから説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○芳賀栄養指導室室長補佐 それでは、報告書(案)の1ページから3ページまで、さらに別添の6ページを中心に、報告書(案)を説明いたします。

 まず、1ページの「はじめに」のところです。今回の改定に際しては、現行の管理栄養士国家試験出題基準が平成24年以降の国家試験に適用されておりまして、22年度に改定委員会において取りまとめられた際に、出題基準については、関連した法・制度の改正等に速やかに対応するため、おおむね4年に一度改定を行い、内容の充実を図ることが望ましいとされたという点と、さらに前回の改定より4年が経過することから、平成2610月より管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会を設置し、出題基準改定について検討を重ね、取りまとめたので、ここに報告するということで、今回の改定の背景を「はじめに」にまとめております。

 2点目としまして「?.見直しに当たっての基本的な考え方」に関しては「前回改定以降に改正・公表された法・制度などの変化に対応できる内容とした。また、国家試験の適切な範囲及び水準をさらに明確にするため、出題傾向の分析により現行の出題基準の中項目・小項目の整理を行うとともに、応用力試験の出題のねらい及び大項目・中項目を示すことなどについて検討を行い、見直した」ということで、応用力試験に関しての部分を一つ前回に加えて書いております。

 次に、「?.管理栄養士国家試験出題基準について」ですが、こちらは別添のとおりとするということで、別添の通し番号ですと本日の資料の6ページです。こちらを説明いたします。

 「管理栄養士国家試験出題基準の利用法」ということで「1.定義」です。「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)は、管理栄養士国家試験の『妥当な範囲』と『適切なレベル』とを項目によって整理したもので、試験委員が出題に際して準拠する基準である。従って、管理栄養士国家試験出題基準は、管理栄養士養成課程の教育で扱われる内容のすべてを網羅するものではなく、また、これらの教育のあり方及び内容を拘束するものではない」。

 次に、「2.基本的考え方」についてです。「管理栄養士としての第一歩を踏み出し、その職務を果たすのに必要な基本的知識及び技能について的確に評価する内容とする。社会・環境と健康、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、食べ物と健康では、栄養管理を実践する上での基本となる人間の健康(疾病)と社会・環境、食べ物の関係についての問題を出題する。基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論では、管理栄養士が果たすべき多様な専門領域のいずれにおいても重要な基盤となる栄養の意義や、個人、集団、地域を対象とした栄養管理に関する問題を出題する。また、応用力試験として栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力、基本的な課題に対応する能力を問う問題を出題する」。

 「3.利用方法」についてです。「()大・中・小項目」では「A)大項目は、中項目を束ねる見出しである」「B)中項目は、管理栄養士国家試験の出題の範囲となる事項である」。「C)小項目は、中項目に関する内容をわかりやすくするために示したキーワード及び事項である。これらは、大・中項目に関連して出題されるものとする。また、出題範囲は記載された事項に限定されず、標準的な学生用教科書に記載されている程度の内容を含む」。「()その他」ということで、括弧やセミコロンの使い方について整理しております。

 お戻りいただきまして、2ページです。「?.管理栄養士国家試験問題について」、1つ目の丸として「管理栄養士養成の教育との関係について」は「管理栄養士国家試験出題基準は、管理栄養士養成課程の教育で扱われるすべての内容を網羅するものではなく、また、これらの教育のあり方を拘束するものではない」。

丸の2つ目の「出題数及び出題数の配分、出題形式について」は「出題数については、引き続き200題とする。なお、出題数の配分については、各分野間の関連に配慮し、その重複を避け、分野横断的な設問については、応用力試験として取り扱うこととし、一部配分を変更することが望ましい」。下表のとおりということで、表の中で、管理栄養士国家試験出題数の配分について、改定前、現行のものに関しては各試験科目のところに括弧書きで合計200問の内訳を記載しております。今回の報告書(案)での問題数の配分についてはお示ししているような内容です。

「具体的には、社会・環境と健康、公衆栄養学を中心とする5問と、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、臨床栄養学を中心とする5問を、応用力試験に含めることとする。また、応用力試験については、今後も内容を充実させていくことが望ましい。出題形式に関しては、正しいもの(5つの選択肢から1つないし2つの正解肢)を問う方式を原則とすることが望ましい。なお、応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力、基本的な課題に対応する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととする」ということです。

これまで御議論をいただきました結果を踏まえ、社会・環境と健康が現行の20問から17問、分野として公衆栄養学を中心とするということで公衆栄養学が現行の20問から18問、これらを合算して5問、という整理です。次に、人体の構造と機能及び疾病の成り立ちのところが、改定前、現在、30問のところが27問、さらに臨床栄養学の30問のところが28問ということで、これらを合算して5問ということで、この合計10問を応用力試験に含めることとする。その結果、応用力試験問題は、現行10問が20問、合計の200問は変わらずという案になります。また、応用力試験に関する部分で「最も適切なものを問うこととする」と、結んでいます。

2ページの下の丸「合格基準について」ですが、「現行の出題基準により行われた第20回国家試験以降の毎年の合格率は、安定した水準を維持していることから、合格基準については、引き続き現行の合格基準を継続することが望ましい」。

次に、3ページの「今後の出題基準の見直し」についてです。「急速な少子高齢化の進展や疾病構造の変化、栄養関連の学術の進歩、保健・医療・福祉・教育などに関連した法・制度の改正に速やかに対応するため、引き続き、概ね4年に一度改定を行い、内容の充実を図ることが望ましい」。

次に、「過去に出題された試験問題の活用について」です。「管理栄養士国家試験においては、過去に出題された良質な試験問題は、単純な正答の暗記による解答が行われないよう、問題の趣旨が変わらない範囲で設問及び選択肢などを工夫して活用することが適当である」。現行のところで試験問題のプールの話がありましたが、こちらはこれまでの御議論を踏まえ、削除しております。

次に、「今回改定した出題基準の適用について」ですが、「今回改定した管理栄養士国家試験出題基準は、第30回国家試験(平成28年3月実施予定)から速やかに適用することが望ましい」としております。

最後に「おわりに」といたしまして、ポイントを申し上げれば、今後は一定の周期をもって改定されることとなるということで、前回のおおむね4年に一度の改定を踏まえての今回は改定であったということと、応用力試験の充実の件がありますので、特に栄養管理を実践する上で必要とされる思考・判断力並びに基本的な課題に対応する能力を的確に評価することがますます求められることとなる。さらに、今後に向けてということで、社会のニーズに応えられるような卒前教育の質の向上に向けて、モデルコアカリキュラムの意義やあり方の議論ですとか、その結果が各養成課程に共有されていくことの重要性、さらには生涯教育の充実とともに「卒前・卒後教育を含めた一元的な教育の質の向上が図られるべきである」という形で結んでおります。

以上です。

○川久保座長 ありがとうございました。

 それでは、今、御説明いただいた報告書(案)の1ページからの部分について御意見がございましたら御発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。木戸先生、どうぞ。

○木戸構成員 同じことなのですが、6ページの「基本的な考え方」の最後のパラグラフの「また、応用力試験として栄養管理を実践する上で」というところです。31ページの応用力試験の狙いでは「栄養のマネジメントを実施する上で」とあり、私個人としては「栄養管理」でよくて、あるいは現行法でいいますと「栄養の指導」ということになるわけですが、「栄養のマネジメント」という言葉で統一するのか、あるいは「栄養管理」「栄養の指導」で統一するのかというところがもし議論できるのだったらしていただきたい。

3ページの「おわりに」の2つ目のパラグラフの下から3行目の「特に、栄養管理を実践する上で」という、この「栄養管理」も同様の視点で同じになると思います。

○川久保座長 今回、言葉の統一ということで、臨床栄養学あるいは応用栄養学の中で「栄養管理」という言葉を「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」とするようにしました。ですから、こちらのほうは前半部分の栄養管理ということで、後ろの栄養ケア・マネジメントが抜けているということになります。確かに、出題の狙いの応用力試験のところは、「栄養のマネジメントの基本的理解を問う」となっているので、そこはちょっと言葉の合わないところがあるかもしれません。この辺を御議論いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。臨床栄養のほうも「栄養管理」という言葉がよく使われるので「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」というふうな形になっています。

○木戸構成員 前回も発言させていただきましたが、「栄養の指導」と「栄養指導」は概念的に違うというふうに私は考えています。つまり、栄養マネジメントと栄養のマネジメントが同じであるかどうか。「の」が入る入らないでやはり意味が違ってくるように思います。今回、応用力試験で新しい概念として「栄養のマネジメント」という言葉を積極的に使っていく、それはそれで尊重すべきでありますが、「栄養マネジメント」あるいは「栄養ケア・マネジメント」と「栄養のマネジメント」が同じであるという解釈であるとすれば、整理したほうがいいのではないかというのが私の意見です。

○加藤構成員 ただ、31ページの「栄養のマネジメント」という言葉がどうかというのは別といたしまして、下に注意書きで「マネジメントとは、アセスメント、計画、実施、モニタリング、評価、フィードバックのいずれかの過程の状況に関することとする」とわざわざ規定していますので、この規定だけを見れば「栄養ケア・マネジメント」とどこも変わりはないのではないかと思います。定義をこういうふうにしてしまうのであれば、初めから出題の狙いのところは「栄養のマネジメントの基本的理解を問う」ではなくて「栄養ケア・マネジメントの基本的理解を問う」となるのではないかと思います。

○木戸構成員 おっしゃるとおりで、そうなると「栄養ケア・マネジメント」というのは括弧書きで「栄養管理」という言葉で全部統一できるとすればすっきりする。ただ、応用力試験という新しく強調しようという分野において「栄養のマネジメント」というのを重視するとすれば、それはそれなりに意味があることだろうと思います。加藤先生がおっしゃるように、同じ意味であるとすれば、混乱を避けるために「栄養管理」でいいのではないかという意見も出てくるのではないかと思います。

○川久保座長 事務局のほうで御意見ございますか。

○河野栄養指導室長 基本的に応用力試験の出題の狙いが他の科目と重複する部分もあって、特に1つ目の丸の部分ですが、今のような御議論で、再度改めて見ていったときに、総合的にというところがわかるという形であって、言葉を統一するということについてはこちらも異議はありません。「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」という言葉を使うとすれば出題の狙いの1つ目はもう成り立たないことになります。臨床栄養学や応用栄養学の他の試験科目の出題の狙いに全て入っていますので。

出題の狙いをシンプルに2つ目の丸だけにして「管理栄養士として栄養管理(栄養ケア・マネジメント)を実施する上での」というところでよろしければ、特段ここは何かこだわりがあってというよりは、途中のプロセスの過程で既存の科目とのすみ分けがわかる形でということで整理されていたかと思いますので、そうすると大項目のところについても「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」。

○木戸構成員 最初の丸のところも「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)の」後が「基本的な」ではなくて「総合的な」とか、全体を通しての理解を問うのが応用力試験だと思います。1つ目の丸も生かしたまま、「基本的」というところを「総合的」とか、そういう全体を問う問題ということがわかるような表現に修正してはいかがでしょうか。

○川久保座長 ここでは「栄養のマネジメント」というのは新しい言葉として言っているわけではないので、今の御提案のように「栄養のマネジメント」と書いてあるところは「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」というふうに変えさせていただきたいと思います。

○吉池構成員 確認をさせていただきたいこととして、社会・環境と健康の立場からしますと、管理栄養士が中心として行う業だけではなくて、例えば特定健診・特定保健指導の総合的なマネジメントに関わる医師・保健師・管理栄養士の役割として、マネジメントの基本的や応用的なものを問うという事が仮に想定されたときに、「栄養管理」の中で読んでよろしいのでしょうか。

○川久保座長 木戸先生。

○木戸構成員 現行法で言うと「栄養の指導」なのです。「栄養の指導」の中に、食事管理、栄養管理、そして他職種との協働を含めて全部が入ってきている意味だというふうに、つまり「栄養の指導」と「栄養指導」とは定義が違うと考えています。今回「栄養管理」といった場合に、「栄養管理」の定義として括弧で「栄養ケア・マネジメント」としたときに、その中に今言ったような他職種との協働も含めて考える、そういう視点があるというふうに解釈できると思っています。

○川久保座長 よろしいですか。

○吉池構成員 「栄養のマネジメント」という言葉が出てきたときに、「栄養」という範囲が余り制限されない言葉なのかなと思い、少なくとも公衆衛生の方では、特に応用力問題に積極的に関係するという意味で安心していました。他職種との関係の中でそういうふうに読んでもらえるかどうかということも含めて、今後の管理栄養士として社会に送り出したときの役割なり、他職種から見て、基本的にどういうコンピテンシーを持っているのかということも含めて御検討いただけたらと思います。

○加藤構成員 「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」という言葉を聞いたときに、「栄養ケア・マネジメント」という言葉のほうが大きな意味を持っているような気がします。マネジメントという意味を含んでいるということなのですが、ここで言う「栄養管理」というのはマネジメントも含んでいるという意味で括弧書きなのですね。今回の改定案のところの6ページで括弧書きは同じことを言いかえているのだというふうにちゃんと注釈していますので、ここで言う「栄養管理」というのは「栄養ケア・マネジメント」のことですと規定しているという意味でそのまま使うことができるのだろうと思います。

 ただ、他職種の人が聞くと、「栄養管理」と言えば栄養のことだけをやっていて、マネジメントは含まないというふうに捉えられてしまうのかもしれませんが、そこは教育の中で、ここで言っている「栄養管理」というのはマネジメントも含んでいるのだと教えればいい、ガイドラインの中でも「栄養管理」というのは「栄養ケア・マネジメント」のことだと言っているのだと思いますから。もっと言えば「栄養ケア・マネジメント」だけでもいいのかもしれませんが、そうすると少しわかりにくい人が出てくるかもしれないというので、わざと「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」にしてくださっているのかなと個人的には思います。だから、このままでいいのではないかと思います。このままというのは「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」でいいのではないかと思います。

○川久保座長 そういう形でさせてもらってよろしいですか。

では、応用力の試験の出題の狙いの1行目のところは2行目のほうに包含されていると思われますので、ここは1行だけにさせてもらって「管理栄養士としての栄養管理(栄養ケア・マネジメント)を実施する上で必要とされる思考・判断力、基本的な課題に対応する能力を問う」ということで、先ほど木戸先生が提案された総合的なという意味もこの2行目のほうにかなり包括されているので、1行だけというふうにさせてもらうのはいかがでしょうか。

 この大項目は「栄養ケア・マネジメント」というふうにさせていただいて、A、B、Cのところは「マネジメント」いう形に、中項目はそのままにさせてもらいます。

 それに従って、3ページに「栄養管理を」という言葉、6ページに「栄養管理」という言葉が出てくるのですが、ここは日本語ばかりのほうが何となくすっきりするような感じもしますけれども、ここはどういたしましょうか。「栄養管理」の後ろに「栄養ケア・マネジメント」を括弧して入れるか、「栄養管理」のままにしておくか。これは御意見いかがですか。

「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」としたほうが言葉としてははっきりするということで、では、3ページの「おわりに」というところの真ん中にあります「栄養管理を実践する上で」というところ、6ページの「基本的考え方」の「また、応用力試験として栄養管理を実践する上で」というところは「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」と後ろに入れるような形ではいかがでしょうか。

○芳賀栄養指導室室長補佐 今のお話そのままですと、2ページの2つ目の丸の3段落目の2行目の「出題形式に関しては」の次の行の「なお」の後です。

○川久保座長 では、ここも「栄養管理」の後ろに「(栄養ケア・マネジメント)」と入れます。

ほかに御意見はいかがでしょうか。

○内藤構成員 3ページの「今後の出題基準の見直し」というところで「栄養管理の学術の進歩、保健・医療・福祉・教育などに関連した法・制度の改正」となっているのですけれども、法・制度は、例えば栄養とか食品に関連した法・制度の改正にも対応するようにしておかないとまずいのではないかと思いました。これは並びがどういうふうになっているのかわかりにくいところもあるのですけれども、「急速な少子高齢化の進展や疾病構造の変化」というのは社会状況の変化ですね。その次が「栄養関連の学術の進歩」で、その次が法・制度の改正の理由となっていると思うのですけれども、ここを「栄養、食品に関連した法・制度の改正」というふうにしたほうがいいのではないかと思いました。

○川久保座長 多分「保健・医療・福祉・教育」という中に栄養、食品が入るという考えです。

○内藤構成員 食品とかだったら入らないのではないかと思います。

○川久保座長 これは事務局に聞いたほうがよろしいですか。

○芳賀栄養指導室室長補佐 入っているという認識で文案を考えております。

○内藤構成員 そういう認識であれば、保健・医療・福祉というところで、教育はまた別だと思うのですけれども、経済的な理由とか、そういうものがもしかしたらあるのかなと思ったのですが、そこは考えなくていいということでしょうか。農政とか、そういうところも。

○河野栄養指導室長 基本的には、今回の改定は4年に1回の改定というところで、今ご指摘いただいた基本的な事項については前回の検討会の報告書にもそういった文言を書いておりますので、趣旨が大きく異なるということであれば修正を行ったほうがいいと思うのですが、当初からそういう意図で書かれたものについてはそのままということで整理をさせていただけたらと思います。

○内藤構成員 わかりました。初めて入ったもので事情がよくつかめていなくて申しわけありません。

○川久保座長 ほかにいかがでしょうか。

 ちょっと細かいことで、またもとに戻って申しわけないのですけれども、30ページの給食経営管理の大項目5の中項目Aの小項目「d危機管理対策」というところが括弧で「インシデント、アクシデント」になっています。ここは読みかえではないようですので、セミコロンでインシデント、アクシデントをその後ろに例として挙げるというような形で「危機管理対策;インシデント、アクシデント」。レポートとかなしでもいいですね。

○石田構成員 具体的には、インシデントレポートとかアクシデントレポートを作成して対策をしていくといったようなことですけれども、レポートに限定する必要はないと思いますので、セミコロンでお願いします。

○川久保座長 では、セミコロンに。

 ほかに何か、よろしいでしょうか。

○芳賀栄養指導室室長補佐 今のお話からいくと、その1つ下の「B安全・衛生の実際」の「c衛生教育(一般衛生管理プログラム)」とありますが、これはこのままでよろしいのですか。

○石田構成員 読みかえではないので、セミコロンでお願いします。

○川久保座長 ほかにいかがでしょうか。

○伊達構成員 今までの流れで確認したいのですけれども、将来的には「栄養ケア・マネジメント」という言葉になると考えていいのですか。流れとして「栄養管理」と括弧でつけるけれども、将来的には後ろのほうに変わっていくということなのでしょうか。

○河野栄養指導室長 ここの場は管理栄養士の国家試験のガイドラインをつくる場ですので、学術の学会であるとか、そういった栄養の領域でどういう言葉の整理がされるかというところがまずあって、それを踏まえて国家試験の出題基準にもそういったお考えを反映するかどうかということになります。ここで用語の整理だとか、新たな考え方や概念をつくるという意義を持ったものではないので、言葉の問題も今のような危惧が残るのであれば、7ページ以降、出題基準の内容以外にこれまで「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」という言葉を使っていなかったのは、ガイドラインとして細かい項目の中身を示すときにはそういった読みかえがあったほうがいいだろうというところで設けられていた表記ですので、この場で使った言葉を普及させるとか、そういう趣旨のものではなくて、国家試験のガイドラインでは社会的に認知されたものをここで問うという形の流れになります。

もし今のような誤解が生じるのであれば、あえて今回のガイドラインで「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」というのを出題基準の枠の中より手前のところで使う意図というのはないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。後ろのほうの出題基準については今までも読みかえで括弧は使っておりましたが、言葉の使い方について委員の先生でも共有できないとすれば、これが活字化した場合にまた誤解を生むようなこともあり得るとすれば、先ほど座長からは前半も「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」という修正案が出されたのですが、そこは現行の国家試験のガイドラインどおり「栄養管理」というところで今回は整理をして、また4年後に今のような言葉の問題も業界としてどういう整理が適切なのかというふうなおおむねの合意形成ができた段階で手当てしていくほうがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。

○川久保座長 今の御提案は、各分野ごとの出題の狙い、応用栄養学とか臨床栄養学のところの「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」というのはそのまま読みかえとして残して、1ページから6ページまでの報告書の本文のところに関しては「栄養管理」で、後ろの「栄養ケア・マネジメント」を入れないという御提案かと思います。伊達委員からも「栄養ケア・マネジメント」にしていくのかという、それは疑義になるわけですかね。

○伊達構成員 いや、質問ですけれども、養成施設にとって、これを見て、将来変わるのかなと、そういうようにとられる可能性はすごく大きいと思いますので、今おっしゃいましたように、個々の科目の中ではそれでいいですけれども、全般的な話では統一しないほうがいいかなと思いました。

○川久保座長 学会でも「栄養ケア・マネジメント」という言葉がまだ行き渡っていないというふうな感じですか。

○木戸構成員 議論しているところだと思います。現在、法的には「栄養の指導」なのです。「栄養の指導」を幾つかの要素に分けると、食事管理の部分と栄養管理の部分がある。そういったことを全部合わせて「栄養ケア・マネジメント」という言葉が今まで使われてきたという理解だと思います。そういうところの議論がまだ現在行われているところです。

○川久保座長 今、河野先生から御指摘があったように、1ページから6ページの部分で私が先ほど修正案を言ったところはもとに戻しまして「栄養管理」だけとするという形にさせていただいて、後の各科目ごとに応用栄養学、臨床栄養学等で出てくる「栄養管理」の後ろの「栄養ケア・マネジメント」はこのとおり残すということでよろしいでしょうか。

 言葉の問題は非常に難しいところがありますので、今後の課題としたいと思います。

○鈴木構成員 今の先生の定義からいくと応用力問題の大項目のところも「栄養管理」でいいのではないか、括弧は要らないのではないかと思います。今、応用栄養と臨床に関して「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」で整理をしますということで、公衆栄養などのほかのマネジメントの部分にかからなくなってしまうのではないかと思ったからです。

○川久保座長 なるほど。

○石田構成員 私も今までの議論を聞いていると、逆にこのまま「栄養のマネジメント」で広く捉えておいたほうが問題ないと思います。中項目が全て何々に関するマネジメントということです。マネジメントを定義しているところでも、前回、栄養状態のマネジメントでしたか、栄養状態を消しています。マネジメントというのは、アセスメント、計画、実施、モニタリング、評価、フィードバックとしていますし、栄養という大きな枠で捉えて、栄養という立場でマネジメントできるということにするほうが他職種との違いも明らかにできます。今までの議論をした結果、結果的に最初に戻ってこのままでいいのではないかと思います。

○川久保座長 これは2行になっていますけれども、出題の狙いの「栄養のマネジメント」も残したほうがいいというお考えですか。

○石田構成員 これは2つ目のところだけで「管理栄養士として栄養のマネジメントを実施する上で」ということでよろしいのではないかと思います。

○川久保座長 もとの案に戻して、ただ、出題の狙いは1文だけにするという御提案ですね。

ほかに、木戸先生、いかがですか。

○木戸構成員 そういうふうになると先ほどの1ページからの「栄養管理」というのが浮いてしまうのです。「栄養のマネジメント」というふうにそこをするのであればいいのですが、「栄養管理」と「栄養のマネジメント」の関係が、定義が全然できていないと思います。

○加藤構成員 もともと伊達先生がこれを見たときにわかりにくい、理解しにくいというところからの議論のスタートだと思うのです。今ここに集まっている先生方はこの議論を知っているのでよく理解できると思いますが、今の言葉がそのまま文章で出ていったときに、木戸先生が言われたとおりだと思うのですが、「栄養のマネジメント」と「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」はどこがどのように違うのかというのが全くわからなくなってしまうと思います。

文章を見ると例えば3ページもそうですが、「特に、栄養管理を実践する上で必要とされる思考・判断力並びに」となっているところが、応用力試験のところを見ると、ここでは「管理栄養士としての栄養のマネジメントを実施する上で」と、「栄養管理」と「栄養のマネジメント」のところだけ言葉が違っていますから、「栄養管理」というのは「栄養のマネジメント」のことなのだというふうに普通の人なら受け取ると思います。それは、とりもなおさず、途中の臨床栄養などを見ていくと「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」となっているから、では「栄養ケア・マネジメント」も「栄養管理」も「栄養のマネジメント」も全て同じことなのだというふうに単純にこの文章だけを見た人たちは思うのではないかと思います。一緒で私はいいと思うのですけれども、実はどれも基本的には同じことを言っているような気がしているのですが、わざわざ言葉を変えて表現するというのは、よりわかりにくくしているだけではないかと思います。いかがでしょうか。

○川久保座長 石田先生がおっしゃった「栄養のマネジメント」というのは、もとのままのほうがいい、あるいは今、加藤先生から「栄養管理」という言葉。

○加藤構成員 何かに統一してガイドラインの中には全て同じ言葉で出てこないと、違う言葉が違うところでばらばらに出てくると一体これは何のことを言っているのかというのがかえってわかりにくくなるのではないか。どの言葉に統一したらいいのかというのは私にはよくわからないですが、それは「栄養管理」であってもいいと思うのですが、もしそれでいくなら、今回のガイドラインは全て「栄養管理」でいくとか、「栄養のマネジメント」でいくとか、「栄養ケア・マネジメント」でいくというふうに統一しておいてあげないと逆に意味がわからなくなってしまうのではないか。よりわかりにくくするのではないかという危惧があります。

○木戸構成員 私も加藤先生と同じ意見なのですが、括弧書きというのは直前の言いかえということでちゃんと説明があるわけです。「栄養管理」というのが1ページから6ページまでは単独で出て、各項目の中で「栄養管理」、置きかえとして「栄養ケア・マネジメント」を使いますよと。実際に大項目には「栄養ケア・マネジメント」が使われている。そういう整理で一本、筋は通るのではないか。突然「栄養のマネジメント」というのが出てきますと、その定義をどこかでしないと迷子になってしまう、混乱してしまうのではないかという意見です。

○伊達構成員 先ほどの御意見で思ったのは、ここは定義をするところではないというところですので、やはり学会なりでちゃんと定義したものを次に入れる。それこそ4年後のときにはそれを持ってくるという形をとるのがいいかなと思いました。そのためには、最初にあった形でもいいのかなということなのですけれども、この言葉だけではなくて、特に実践栄養の分野ではいろんな言葉で使われていることがありますので、その統一というのはすごく大切なことで、木戸委員もずっとそうおっしゃっているのですけれども、まだなかなかうまくいかないというところだと思います。この場で用語の統一についてですごく時間をとるというのは違うのではないかと思いました。

○川久保座長 ということで、言葉の定義、統一等は、まだしばらく続く問題だと思います。ここでは、出題ガイドライン検討会の報告書の中ではなるべく統一した言葉を使っていきたいというのがありますので、先ほど言いましたように、1ページから6ページのところは「栄養管理」という日本語そのままだけでさせていただいて、31ページの応用力試験のところはどうしましょうか。

○河野栄養指導室長 先生方のお話を聞いていると各科目について、先ほど御指摘のように、公衆栄養では「栄養管理」あるいは「栄養ケア・マネジメント」は使っていなくて「公衆栄養マネジメント」という言葉だったり、給食のところは「栄養・食事管理」という言葉だったりする状況で、ここについては「栄養管理(栄養ケア・マネジメント)」としてしまうと応用栄養学、臨床栄養学に特化されるおそれもあり、「栄養管理」という6ページよりも以前の項で使っている言葉に今回は統一するということで、したがいまして、大項目のところも「栄養管理」、そうしますと※印の位置が、マネジメントについてどこの説明かわかりにくいので、ここは中項目の下の説明だということで若干右側に移動する形で、中項目の説明としてここのマネジメントの解説があるということであれば、全体としても矛盾はない形で整理できるかと思います。

今の先生方の御指摘は非常に貴重で、もともとの各科目のところの用語の使い方がまだ十分に精査されていないというところが一番の問題点ですので、今回は今申し上げたような形で整理をさせていただければと思います。

○川久保座長 おまとめいただいてありがとうございます。

では、応用力試験の出題の狙いのところを「管理栄養士として栄養管理を実施する上で」というふうに、ここは「栄養管理」ですね。

○河野栄養指導室長 またちょっと細かいところを申し上げると6ページより前の表現が「栄養管理を実践する上で」となっていますので、そこも含めて統一するようにいたします。

○川久保座長 では、「実施」ではなくて出題の狙いは「実践」に統一したほうがいいということですね。

○河野栄養指導室長 はい。全て前半がそういった形で整理をされていますので。

○川久保座長 大項目は「栄養管理」、中項目は「マネジメント」にしておいて、マネジメントの説明文を下に残す。いかかでしょうか。そんな形にさせていただきたいと思います。

 それでは、ただいまの意見を踏まえて事務局と協議の上、修正を行いまして、公表させていただきたいと思います。

 きょうは最後の検討会になりますので、先生方、今の用語の問題等もいろいろありますけれども、管理栄養士国家試験の質の向上、応用力試験の充実など、今後のガイドラインの改定につながる御意見がありましたら、御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。どんなことでも結構ですので、御自由に。

○鈴木構成員 今の発言ではなく、応用栄養の部分なのですが、前回から今回、変更した部分のみ赤だと私は思ってしまいまして、前回お認めいただいた部分は黒くしてしまいましたので、最終は赤の部分がもうちょっとふえると思います。例えばスポーツ性貧血だった部分をスポーツ貧血にしたとか、事務局の方と確認しながら、最終原稿は、違っていた部分は赤にさせていただければと思います。済みません。

○川久保座長 ありがとうございます。

ほかに、どんなことでも結構ですので、今後の改定に向けた御意見等がありましたら御自由に御発言ください。

○内藤構成員 今回は変えなくてもいいとは思うのですけれども、3ページの一番下の「卒前・卒後教育を含めた一元的な教育の質の向上」の「一元的」というのは「一貫性のある」とか、そういうほうがいいのではないかと思っています。「一元的」というのはイメージがつかめないので、文章がちょっとわかりにくいということで質問させていただきました。

○川久保座長 前の報告書もそういう表現がそのまま出ているので、行政的な言葉かもしれません。

○河野栄養指導室長 特段ここは意味がないと思います。もしここが不要でもいいということであれば、ここはお取りするか、今のような表現のほうがよりわかりやすいということであればそれで構わないと思います。

○川久保座長 「一貫した」。

○内藤構成員 「一貫した」とか「一貫性のある」とか。

○川久保座長 それは事務局と一緒に考えさせていただきます。

○木戸構成員 ここはすごく大事なところだと思いますし、きょう、結論も出ないわけですが、言葉の定義であったり、特に応用栄養学の分野のコアになっている栄養管理あるいは食事管理、そういったところの言葉の定義をきちっとされることが今後のガイドライン策定上も非常に重要なことではないかと思います。

○川久保座長 ほかに、先生方、御意見よろしいでしょうか。

 それでは、最後に事務局から一言お願い申し上げます。

○正林がん対策・健康増進課長 がん対策・健康増進課長の正林です。

昨年10月の第1回検討会から、限られた時間の中で構成員の先生方には改定のための議論や必要な作業を重ねていただきましたことに心より感謝申し上げたいと思います。

 今回の改定は、前回の改定の際におおむね4年に一度改定を行うことが望ましいとされたことを踏まえての初めての改定となりました。今後は一定の周期をもって改定されていくこととなりますので、今回がその貴重な第一歩となります。

 おかげさまで、特に応用力試験の充実が図られるなど、今後の国家試験の質の向上を図るための基盤となる改定となったと考えております。さらなる管理栄養士の資質の向上のためには、国家試験とともに、養成施設での教育や現場での栄養管理の充実といった卒前・卒後教育が重要となりますので、構成員の先生方におかれましては、今後とも御指導、御助言を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

 簡単ではございますが、御礼の挨拶にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。

○川久保座長 それでは、これをもちまして検討会を閉会とさせていただきます。

先生方、どうもありがとうございました。


(了)
<健康局がん対策・健康増進課栄養指導室>

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