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2015年2月17日 2015年2月17日 第152回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録

雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課

○日時

平成27年2月17日(火) 17:00〜18:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、権丈委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

石田委員、半沢委員、南部委員、松田委員

使用者代表委員

加藤委員、川崎委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

安藤雇用均等・児童家庭局長、古川総務課長、小林雇用均等政策課長、宿里短時間・在宅労働課長、飯野育児・介護休業推進室長、山田均衡待遇推進室長

○議題

1 「短時間労働者対策基本方針(案)」について
2 その他

○配布資料

資料1 「短時間労働者対策基本方針(案)」
参考資料1 パートタイム労働関係資料
参考資料2 2014年度中間評価 中間評価シート

○議事

○田島分科会長 ただいまから、第152回労働政策審議会雇用均等分科会を開催します。本日は武石委員、奥田委員、斗内委員、渡辺委員が御欠席です。

 それでは議事に入りたいと思います。本日の議題は議題1として、短時間労働者対策基本方針()について、議題2として、その他についてです。

 ではまず、議題1の短時間労働者対策基本方針()について、資料について事務局から御説明をお願いします。

○宿里短時間・在宅労働課長 短時間・在宅労働課長の宿里です。私のほうから資料1の「短時間労働者対策基本方針()」について、説明します。資料は配布資料1の案文に沿って説明しますが、参考資料を用意しています。参考資料の1-1が、この基本方針案の全体像を概要としてまとめたものです。参考資料1-2が、平成20年に策定した基本方針との対比をしたものです。参考資料1-3は、この基本方針案の中で引用しているデータをまとめたものです。参考資料1-4が、基本方針の根拠となる短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第5条の条文を記載したものです。これらの参考資料を適宜、参照していただくようお願いします。

 では説明に入ります。短時間労働者対策基本方針は、ただいま申し上げたパートタイム労働法第5条に基づき、短時間労働者の福祉の増進を図るため、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進、職業能力の開発及び向上等に関する施策の基本となるべき方針として、短時間労働者の労働条件、意識や就業の実態等を考慮して、厚生労働大臣が定めるものです。昨年4月にパートタイム労働法が改正され、本年4月に施行されることから、施行にあわせて改正法等の内容を盛り込みつつ、平成27年度から31年度までの5年間のパートタイム労働者対策の全体像をまとめて策定するものです。形式は厚生労働大臣の告示を予定しています。

 内容について説明いたします。基本方針案は大きく3つに分けています。1つが、「はじめに」、2つ目が第1として「職業生活の動向」、3つ目が第2として「施策の基本となるべき事項」です。

1ページの「はじめに」から説明します。平成5年のパートタイム労働法の制定以降の取組、特に平成19年の法改正、更に平成26年の法改正の概要について記載した上で、先ほど申し上げた基本方針の趣旨や運営期間を記載しています。

2ページの第1「短時間労働者の職業生活の動向」についてです。この職業生活の動向は5つの項目で構成しています。まず1「短時間労働者を取り巻く経済社会の動向等」ですが、人口が減少する中での全員参加の社会の実現に向け、就労を希望する者が意欲と能力を生かして、それぞれのライフスタイルに応じた働き方を通じて能力を発揮できるよう、多様な働き方を実現するための環境整備を進めていくことが重要であるとした上で、短時間労働はワーク・ライフ・バランスを実現しやすい働き方として位置付けることができる一方で、非自発的に短時間労働に就く者も一定程度存在する。また、現状においては、必ずしも働き・貢献に見合った待遇が確保されてはいないとした上で、このため、短時間労働者の均等・均衡待遇の確保や正社員への転換等、短時間労働者が公正な待遇を受けるとともに能力を十分に発揮できるような条件を整備することが重要であるとしています。

 次に、2「短時間労働者の増加と属性の多様性」については、短時間労働者の数は長期的には増加傾向にあり、平成26年には雇用者全体の約3割を占めています。そのうち女性が約7割を占める一方で、男性や若年者、高齢者、世帯主である者も存在するなど、その態様は多様なものとなってきているとしています。

3ページの3「短時間労働者を雇用する理由」以降は、平成23年に厚生労働省で実施し、今般の平成26年の法改正で参考とした「パートタイム労働者総合実態調査」に基づくデータを中心に記載しています。まず、事業主が短時間労働者を雇用する理由ですが、「人件費が割安なため」、「仕事内容が簡単なため」、「1日の忙しい時間帯に対処するため」が多く、「定年退職者の再雇用のため」の割合も上昇しています。

4「短時間労働者の待遇の状況」ですが、(1)(2)に分けています。(1)短時間労働者の職務、労働条件の状況です。イとして、基幹的役割を担う短時間労働者も長期的には増加している。ロとして、賃金についてみると、1時間当たり所定内給与額は一般労働者と比較すると56.8%となっています。なお、このデータは「賃金構造基本統計調査」に基づくものであり、今後データが更新される可能性があります。ロとして、賃金を決定する際に考慮した内容について、パートと正社員の違いを整理しています。そこでは「正社員と職務が同じパート」及び「正社員と職務、人事異動の有無や範囲等が同じパート」のそれぞれについて、正社員と比べて基本給の算定方法や水準の相違を見ています。ハとして、パートに対する通勤手当等の諸手当や賞与制度、退職金制度がある事業所の割合を整理しています。

 次に、(2)教育訓練の実施状況、福利厚生施設の利用です。教育訓練の実施状況としてはOJT、入職時のガイダンスを始めとするOFF-JT、福利厚生施設については、給食施設、休憩室、更衣室の3つの施設の利用を実施している事業所の割合を示しています。

5「短時間労働者の意識の動向」は(1)から(3)に分けています。6ページの(1)短時間労働を選択する理由としては、大きく3つあります。自らの希望する時間に働ける働き方を求める労働者のニーズに合致した面があること、正社員として働くことが困難であるために短時間労働を選択していると考えられる者もいること、正社員としての就職機会を得ることができず非自発的に短時間労働者となる者も存在していることを示しています。

(2)今後の働き方の希望として、71.6%がパートで仕事を続けたいと回答している一方で、22%が正社員になりたいと回答しています。「正社員になりたい」と回答した者が「正社員になった場合に選びたいと思う制度」としては、勤務地を限定した正社員、職種を限定した正社員、短時間正社員など、いわゆる多様な正社員を希望する者の割合が一定程度存在するとしております。

(3)仕事及び待遇等に関する意識として、現在の会社や仕事に「不満・不安がある」と回答した割合は54.9%となっている。その内容として、「賃金が安い」が最も多く、「同じ内容の業務を行っている正社員がいる」と回答した者について、賃金水準について納得しているかどうかのデータも示しています。以上が第1です。

7ページの第2です。短時間労働者の雇用管理の改善等を促進し、並びにその職業能力の開発及び向上その他短時間労働者の福祉の増進を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項ですが、課題、施策の方向性、具体的施策の3つに分けて構成しています。

1「短時間労働者をめぐる課題」として、6つの課題に取り組み、短時間労働者が公正な待遇を受けるとともに能力を十分に発揮できるような条件整備が必要であるとしています。

(1)働き・貢献に見合った公正な待遇の確保です。(2)明確な労働条件等の設定・提示。(3)納得性の向上。(4)通常の労働者への転換を始めとするキャリアアップ。(5)法の履行確保。(6)その他労働関係法令の遵守という6つの課題を挙げています。

2「施策の方向性」として、通常の労働者との均等・均衡待遇の確保等を推進するとともに、希望する短時間労働者に関しては、通常の労働者への転換等のための取組を一層進めるとしています。このため、パートタイム労働法に基づき、職務の内容、人材活用の仕組み・運用等が通常の労働者と同じ、いわば通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止を徹底するとともに、それ以外の短時間労働者に対しても、就業の実態に応じて通常の労働者との均衡のとれた待遇が確保されることを促すとしています。

また、法等により、短時間労働者の納得性の向上を図るとともに、労働関係法令の履行確保を徹底するとしています。

 さらに、法等の遵守の徹底等により、事業主が通常の労働者への転換を推進する措置を講ずるようにするとともに、キャリアアップのための支援を行う。また、事業主、及び短時間労働者双方のニーズを踏まえ、「多様な正社員」の普及、定着に向けた取組を行うとしています。これらの取組により、短時間労働者の福祉の増進が図られるだけではなく、魅力的な働き方の選択肢が提供されるようになるが、これは労働力人口減少に対する対応策としても重要なものであるとしています。国はこの方向性に沿って短時間労働者の就業の実態を十分に踏まえつつ、その福祉の一層の増進を図るための施策を総合的に推進するものとするとしています。

10ページの3以降に、具体的な施策を記述しています。3「具体的施策」は、(1)から(4)までの4つに整理しています。まず(1)均等・均衡待遇の確保等は、イ、ロ、ハの3つの構成になります。イは、法等の周知による均等・均衡待遇の確保等です。通常の労働者との均等・均衡待遇の確保、納得性の向上を図るためには法等の内容が事業主及び短時間労働者の双方に十分に理解され、遵守されるよう積極的な周知を図るとしています。

 特に、短時間労働者の待遇の原則の趣旨が適切に理解され、当該原則に沿った雇用管理の改善が図られるように促す。その際、労使の取組や裁判例の動向等について、情報収集を行いつつ、どのような場合に不合理と認められるか等について、適切な周知に努めるとしています。さらに、今般のパートタイム労働法や施行規則の改正内容に重点を置いて周知を図ることとしています。具体的には、法改正で新設された事業主が講ずる措置の内容等の説明や相談のための体制の整備、規則の改正により対応した雇入れ時の相談窓口の明示や通勤手当の取扱いなどに重点を置いて周知を図り、事業主に必要な措置を講ずるよう促すとしています。また、こうした周知に当たっては、「パート労働ポータルサイト」など、多様な手段を活用することとしています。

次に、ロとして的確な行政指導の実施ですが、必要な場合の事業主に対する報告徴収等の規定や、事業主が勧告に従わない場合の公表の規定に基づき、法等の実効性を高め、その履行確保に向けて、的確な対応を行うとしています。

ハの均等・均衡待遇の更なる確保等に向けた取組としては、5つです。1つは、都道府県労働局雇用均等室による均等・均衡待遇の確保等を図る事業主へのきめ細やかな支援を行う。また、事業主への自主的な取組を支援するため、パートタイム労働者均等・均衡待遇指標の活用を促進する。更には、短時間労働者の雇用管理等について優れた取組の宣言や表彰により、積極的に雇用管理の改善等に取り組む事業主を社会的に評価するための取組を推進する。4番目に、職務分析・職務評価の導入等を支援する。最後に、助成金の支給等による事業主の支援を盛り込んでいます。

(2)労働者に適用される基本的な法令の履行確保ですが、短時間労働者に対して適用がある基本的な労働関係法令を事業主が遵守することについて、周知徹底を図るとしています。主なものとしては、労働契約法の規定を踏まえ、合理的な労働条件を設定すること。労働基準関係法令に従い、雇入れ時の労働条件の明示等の規定を遵守することなどです。また、短時間労働者を含め、有期契約の労働者について、労働契約法では、更新により通算5年を超えた場合の労働者の申込みによる無期労働契約への転換や期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止等の規定があり、これらの趣旨を踏まえた取組を事業主が行うよう、周知・啓発を図るとしています。また、労働安全衛生法に基づく健康診断を実施すること。「育児・介護休業法」に基づく「仕事と育児・介護等の両立を支援する制度」を整備することで、ワーク・ライフ・バランスの実現を図ること。雇用保険及び社会保険の適用について必要な手続を取ることについて、事業主に対し周知徹底を図るとしています。また、平成2810月からの厚生年金保険及び健康保険の適用範囲の拡大についても、必要な周知を図ることを盛り込んでいます。

(3)短時間労働者の希望に応じた通常の労働者への転換を始めとするキャリアアップの推進等としては、イ、ロ、ハ、ニの4項目で構成しています。

イは、法第13条に基づく通常の労働者への転換の推進等です。法に基づく措置義務の履行確保を図るとともに、特に通常の労働者への転換を行う事業主に対しては、助成金の支給等により支援を行うとしています。

ロは、短時間正社員を始めとする「多様な正社員」の普及等です。短時間正社員制度の導入事例の情報提供等により、一層の普及・定着に努め、短時間労働者がライフスタイル等に応じた働き方を通じて能力発揮ができるよう「多様な正社員」の普及・促進等を図り、労使双方にとって望ましい多様な働き方が提供される環境整備を進めるとしています。

ハは、能力開発、職業紹介の充実等です。短時間労働者や短時間労働者になろうとする者が、職業能力の開発及び向上を図ることを促進するため、職業訓練等を実施するとともに、公共職業安定所においては、きめ細やかな職業相談や職業紹介を行うとしています。

ニは、短時間労働者のキャリアアップのための情報提供等です。短時間労働者の就業意欲を高め、その能力を十分発揮し、活躍の場を広げることを支援するとともに、職場の活性化等の相乗効果を促進するため、インターネットサイト等を活用し、短時間労働者がキャリアアップを図るために必要な情報提供をする等の支援を行うとしています。

 最後に、(4)行政体制の整備等です。イは、都道府県労働局において、雇用均等室を中心に、局内での緊密な連携を図り、引き続き行政体制の整備に努める。ロは、都道府県等の関係行政機関等との連携を図るとしています。

短時間労働者対策基本方針案の概要の説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○田島分科会長 ありがとうございました。それではただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。

○南部委員 ありがとうございました。ただいまの御説明の中で、最初のほうに書かれているデータです。平成23年のものを使われているということで、現状とかなり変化していると把握していて、かなり疑問を持っています。

 例えば、6ページの短時間労働者の意識の動向についてですが、「正社員になりたい」と回答している「パート」は22%いるということになっています。これが、連合総研という所のデータでは、非正規労働者の働き方意識に関する実態調査において、非正規で働いている労働者の3割、そのうちの男性は、半数以上が正社員の職がないために非正規で働いているという結果が出ていますので、ここに掲げられたデータとかなり乖離があるという印象を受けているところです。

 と言うのも、改正パートタイム労働法の成立が遅れたということも承知はしていますが、現状との乖離ということを十分に留意していただき、7ページ以降の施策を今後、実施するに当たっては、誤解のないような形で周知を徹底していただきたいということを、意見として申し上げたいと思います。以上です。

○田島分科会長 ありがとうございました。

○半沢委員 12ページの(2)労働者に適用される基本的な法令の履行確保の所に、関係の法令が挙げられているわけですけれども、1つの例ですが、連合の労働相談のほうに、法律で有給休暇が取得できると定められているにも関わらず、パートタイム労働者は有休が取れないという声が多く挙げられているようなこともあります。周知という観点からも、今回の基本方針に、この労働基準法の年次有給休暇の付与に関する項目について明記をするなど、改めて周知という観点で強化してはどうかと思っています。

 併せて、この4月に次世代法の延長が施行されるわけですが、この中に取組の対象として非正規労働者が入るということが明記されました。これについても理解を進めるという観点で書き加えてはどうかと思います。以上です。

○田島分科会長 はい、ありがとうございます。事務局、何かありますか。

○宿里短時間・在宅労働課長 ありがとうございます。まず1点目のデータについては、委員もおっしゃってくださいましたが、今回の基本方針が改正パートタイム労働法の施行にあわせて制定するものであるということから、そこで引用するデータについても改正法の議論で使用したものと同様の調査を中心に引用しています。ただ、そのデータについては古く、若しくは実態との乖離があるという御指摘ですが、今後の施策の推進に当たっては、本日の御意見も参考とさせていただき、適切な実態把握、そして実態と乖離しない施策の推進ということに十分留意していきたいと思います。

 もう1つ、有給休暇の次世代法等についても書き加えてはどうかという御意見ですが、私どもとして、それを軽んじるという意図は毛頭ありませんので、担当の部局等と相談した上で書き加えるかどうかについて、御意見を踏まえて検討させていただきます。

○田島分科会長 ほかに御意見、御質問はございませんか。よろしいでしょうか。それでは御発言がないようですので、事務局から今後のスケジュールについて、御説明をお願いします。

○宿里短時間・在宅労働課長 この基本方針案については、本日の御議論を書き加えてはどうかという御意見も頂きましたので、それらも踏まえ、また、パブリックコメントの手続も経る予定としていますので、それらの手続を経た上で、基本方針()の諮問と進めさせていただきたいと考えています。よろしくお願いします。

○田島分科会長 では事務局で基本方針作業を更に進めるように、お願いいたします。次に議題2、その他について事務局から御説明をお願いいたします。

○源河総務課調査官 総務課の源河です。参考資料2を御覧ください。前回、119日に中間評価について御議論いただきましたが、1番最後の3ページ、分科会委員の意見を空欄で出していましたが、前回の分科会の場で1つだけ御意見を頂きましたので、それを書き加えたものを本日、参考資料としてお出ししています。御承知おきください。以上です。

○田島分科会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問はございますか。よろしいですか。特に御発言がないようですので、本日の分科会はこれで終了いたします。

 最後に、本日の議事録の署名委員は、労働者代表は南部委員、使用者代表は川崎委員にお願いいたします。皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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