ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(生活衛生適正化分科会)> 第24回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会(2015年1月9日)




2015年1月9日 第24回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会

健康局生活衛生課

○日時

平成27年1月9日(金)15:00~17:00


○場所

全国生衛会館 大研修室(4階)


○出席者

相澤 好治 (北里大学医学部名誉教授)
市川 まりこ ((一財)日本消費者協会消費生活コンサルタント)
井上 久美枝 (日本労働組合総連合会社会政策局長)
遠藤 弘良 (東京女子医科大学国際環境熱帯医学講座主任教授)
大森 利夫 (全国理容生活衛生同業組合連合会理事長)
岡部 修 (株式会社日本政策金融公庫常務取締役)
小池 広昭 (全国クリーニング生活衛生同業組合連合会会長)
後藤 巻則 (早稲田大学大学院法務研究科教授)
武井 寿 (早稲田大学商学学術院教授)
中島 ヒロ子 (熊本県社交飲食業生衛組合理事長)
西尾 チヅル (筑波大学大学院ビジネス科学研究科経営システム科学専攻教授)
原田 一郎 (東海大学特任教授)
三苫 紀美子 (全国地域婦人団体連絡協議会理事)
山田 秀昭 (全国社会福祉協議会常務理事)
山根 香織 (主婦連合会会長)
吉井 眞人 (全日本美容業生活衛生同業組合連合会理事長)
関 稔幸 (全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会理事長)
佐藤 信幸 (全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長)
鵜飼 良平 (全国麺類生活衛生同業組合連合会理事長)
石井 政美 ((公財)全国生活衛生営業指導センター指導調査部長)

○議題

(1)諮問及び審議
・旅館業、浴場業、飲食店営業(めん類)の振興指針の改定について
(2)その他

○議事

○山崎課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第24回「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」を開催させていただきます。

 委員の先生方におかれましては、御多用中のところ本分科会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 蔵本委員、櫻田委員、佐竹委員、野々山委員、三村委員、山縣委員、山本委員からは欠席される旨の御連絡をいただいております。

 また、相澤委員につきましては、所用のため途中退席とさせていただく予定でございます。

 また、現在まだ御連絡いただいてないのですが、後藤委員と山根委員がお見えになっておりませんけれども、委員総数23名中14名の委員の先生に御出席いただき、過半数に達しておりますので、厚生科学審議会令第7条第1項の規定により、本日の会議は成立いたしておりますことを御報告いたします。

 それでは、開催に当たりまして、新村健康局長より御挨拶を申し上げます。

○新村健康局長 健康局長の新村と申します。よろしくお願い申し上げます。

 本日は、委員の先生方には大変御多用中のところ御参集いただきまして、まことにありがとうございます。また、平素より、生活衛生関係営業行政の推進につきましては格段の御高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 本分科会におきましては、浴場業、旅館業、飲食店営業(めん類)の経営実態について、昨年10月に審議をいただきましたけれども、本日は振興指針について審議をお願いしたいと考えております。振興指針は、生活衛生関係営業の各業種の振興目標や、これを達成するための手段、配慮すべき事項等を定めるものでございまして、各業界の振興のための重要な指針となるものでございます。

 本日お集まりいただきました委員の皆様方におかれましては、幅広い観点から忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○山崎課長補佐 それでは、議事に入ります前に、本日は、浴場業、旅館業、飲食店営業(めん類)の振興指針の改定について審議いただくこととしております。

意見聴取人として御出席いただいております方々を御紹介させていただきます。

 全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会理事長でいらっしゃいます関稔幸意見聴取人でございます。

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会事務局長でいらっしゃいます勝田恭子意見聴取人でございます。

 全国麺類生活衛生同業組合連合会事務局長でいらっしゃいます角田義徳意見聴取人でございます。

 公益財団法人全国生活衛生営業指導センター指導調査部長でいらっしゃいます石井政美意見聴取人でございます。

 次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、委員名簿、座席表、配付資料一覧のほか、資料1から資料6までが、浴場業、旅館業、飲食店営業(めん類)の振興指針(案)の改正のポイント及び新旧対照表、資料7が現地視察の概要、参考資料1及び2が諮問書、付議書となっております。御確認ください。

 配付資料に不足等がございましたら、事務局のほうまでお申しつけください。

それでは、以降の進行につきまして、原田分科会長よりお願いしたいと思います。

○原田分科会長 新年早々お集まりいただきまして、本当にどうもありがとうございます。どうぞ本年もよろしくお願い申し上げたいと思います。昨年に続きまして、大変恐縮でございますが、議事進行の任務を少しやらせていただきたいと思っております。

先ほど御説明ございましたように、10月に産業界の実態についての御報告がございました。そして、それに基づいて、皆様から御専門の立場でいろいろと振興指針に盛り込むべき項目を御指摘いただいて、それを事務局が持って帰りました。そして、きょうは、その事務局が持って帰ったものを前提にして振興指針(案)をつくっていただきましたので、それを皆様に審議していただきたいと思っております。振興指針は、生衛業が本来の目的を達成するために責務を遂行する上でのガイドラインになりますので、どうぞいろいろな角度から、皆様の御専門の指摘を加えながら御指摘いただきいただければ大変ありがたいと思います。どうぞ本日もよろしくお願い申し上げます。

 では、申しわけありませんが、座りながらやらせていただきたいと思います。

 それでは、議事に入っていきたいと思います。本分科会におきましては、お手元の参考資料1の諮問書と参考資料2の付議書に示しておりますように、本年度は、先ほど説明がございましたけれども、浴場業、旅館業、飲食店業(めん類)の3業種の振興指針について御審議をいただきたいと思っております。

 それではまず初めに、事務局のほうから振興指針(案)と、それに関連します資料について御説明を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○山崎課長補佐 まず、振興指針の改正案を事務局におきまして作成するに当たりまして、浴場業と旅館業の現状を把握するために昨年11月に事務局の現地視察を行ってまいりました。その概要につきまして御説明させていただきます。

 資料7でございますが、2枚おめくりいただきまして、「(浴場業)現地視察の状況についてマル1」の写真に沿って御説明いたします。

 今回視察は、地域に密着した営業がされ、地域コミュニティの形成や、高齢者、障害者等に対応している浴場業の営業実態等の視察といたしまして、東京都墨田区にございます御谷湯、荒井湯の2カ所へ行ってまいりました。

御谷湯は、現在、福祉型家族風呂等を設置するため改築中でございますが、ふだん、銭湯を利用されることが難しい方でも、家族と一緒に銭湯へ通うことができる配慮がされた福祉型家族風呂は、ゆったりとしたスペースを確保されておりまして、設計図とともに現地の説明を聞いてまいりました。

 荒井湯でございますが、昔ながらの銭湯で、壁のペンキ絵はスカイツリーや東京ゲートブリッジが描かれておりまして、男湯には池のある庭が併設されておりました。ここでは地域コミュニティ活動として、開店前の脱衣スペース等を利用し、いろいろな催し物が行われておりました。今回、162回目となり、当日、裁縫教室が開催されておりまして、皆さんの笑顔が絶えない交流の場としての雰囲気を感じてまいりました。

裏面に移りまして、省エネ対策としまして、浴槽の保温フタの状況や、高目に設置した湯だめからの落差を利用したカランからのお湯を出す仕組みなども拝見してまいりました。

続きまして、1枚おめくりいただきまして、「(旅館業)現地視察の状況についてマル1」の写真に沿って御説明いたします。

東京都台東区にあります澤の屋旅館ですが、地域に密着した営業をしている、訪日外国人がよく訪れる旅館として有名な旅館でありまして、旅館営業の実態等を視察してまいりました。この旅館は33年前から外国人の受け入れを始め、現在では宿泊客の9割近くが外国人でありまして、最寄りの駅から澤の屋旅館までの道のりにある街頭看板や玄関の看板は日本語とローマ字の表記をしておりまして、外国人旅行者でも読めるための配慮がされておりました。

中へ入ると、1階ロビーには、食堂スペースでコーヒーやお茶が自由に飲め、電子レンジやトースター、共有パソコン、観光パンフレット、地域のランチメニューを写真で紹介したものや英語表記をしたものが置かれておりました。

裏面に移りまして、自動販売機の横には共用の冷蔵庫が1台設置してあり、冷水や麦茶を無料で提供しておりました。浴室は、2つのタイプが楽しめ、入浴マナーなどのイラスト入りの説明書きの英語表記の看板がありました。部屋は和室のみの12室であり、各部屋で無線LANWiFiが使え、共用のコインランドリー、アイロン台や物干しスペースなどがありました。

お客さんから喜ばれているのがエリアマップの日本語と英語を表記したもので、お客さんからの要望や新情報を手書きで反映したものとなっておりました。これらは全てが最初から準備されていたものではなく、必要に応じ対応を重ねてきたもので、澤の屋旅館では、誰に対しても特別なことは行わず、ありのままのおもてなしを心がけておりました。

現地視察の概要につきましては以上となります。

続きまして、資料2の浴場業の振興指針の新旧対照表に沿いまして御説明申し上げたいと思います。この振興指針につきましては、4年前から大きくスタイルを変えておりまして、従来よりも実践的に戦略的な指針のスタイルへの変更がされ、今回、全業種が統一されます。その関係で、新旧対照表が見づらいところもございますけれども、ごらんいただければと思っております。

全体の構成でございますけれども、まず1ページ目、「第一 浴場業を取り巻く状況」でございますが、初めに「浴場業の営業者の動向」、3ページ目に「消費動向」及び「営業者の考える今後の経営方針」といたしまして、前回御説明申し上げました統計的なところを踏まえた内容となっております。

それから、第二といたしまして「前期の振興計画の実施状況」。これは、新しいスタイルになりまして各組合に自己評価をしていただいております。現行の振興指針に沿った振興計画の状況についての自己点検の状況が5ページの表から書いてございます。

次に6ページでございますけれども、ここからは本論でございまして、「浴場業の振興の目標に関する事項」といたしまして最初に書いております。「営業者の直面する課題と地域社会から期待される役割」について、国民生活の充実に大いに貢献してきたわけでございますけれども、こうした役割を担って、さらに経営環境、また国民ニーズの衛生課題に適切に対応しつつ、各営業者の営業戦略に基づいて、その特性を生かして、事業の安定、活力ある発展を図ることでございます。

次に8ページでございますけれども、こちらは資料1の「浴場業の振興指針(案)主なポイント」に記載しております事項となりますので、あわせてごらんください。

二の「今後5年間における営業の振興の目標」の1つ目、「衛生問題への対応」といたしまして、浴槽等におけるレジオネラ症防止対策を講じることはもとより、インフルエンザ等の感染症への対応が必要であり、当然、この衛生についても十分な留意を図っていくことで、衛生管理の徹底、また、それについての利用者への情報提供といったことが求められるわけでございまして、日ごろから地道な衛生管理の取組が重要であります。

それから、9ページからの「2 経営方針の決定と利用者及び地域社会への貢献」につきましては、利用者のニーズや世帯動向を的確に把握し、専門性、地域密着及び対面接客等の特性を生かし経営展開を行っていく事項といたしまして、資料1の主なポイントで、1枠目の白抜きの○の2つ目に記載がございます。

続きまして、指針(案)の10ページになります。「(1)経営意識の改革及び各サービスの見直し」について、無料優待制度、季節湯、冷水等を無料サービスなど、「(2)地域コミュニティの核としての機能の発揮」について、地域住民の活動へのスペースを開放するなどの取組、11ページに行きまして、「(3)訪日外国人旅行者等への配慮」について、外国語表記の充実、入浴マナーの紹介、啓発など。

12ページに参りまして、「(4)地域環境問題や省エネルギーへの対応」について、環境に配慮したボイラー燃料への転換など、「(5)高齢者、障害者等への配慮」について、高齢者、障害者等への介助、バリアフリー対策などの内容となっております。

以降は従前の事項と余り変わらないところでございますが、文章による記載を具体的に項目ごとの記載に変更しております。資料1の主なポイントで、2枠目の白抜きの○の1つ目からの事項となります。こちらは浴場業が振興目標を達成するために必要な事項で、営業者の取り組むべきものとして、「衛生水準の向上に関する事項」を日常の衛生管理事項及び衛生面における施設・設備の改善に関する事項に分けて16ページ、17ページに記載しております。研修会、講習会の受講、危機管理体制の整備、衛生管理に努めるなどの内容になっております。

「(二)経営課題への対処に関する事項」といたしまして、「(1)経営方針の明確化及び独自性の発揮に関する事項」として、18ページに経営管理の合理化及び効率化を図る必要があるものをアからケまでに記載しております。

「(2)サービスの見直し及び利用者の確保に関する事項」といたしまして、「ア サービスの充実」「イ 健康志向等に対応した取組」「ウ 利用者ニーズやライフスタイルの変化等に対応した施設づくり」に分け、具体的なものを示してございます。

「(3)施設及び設備の改善に関する事項」といたしまして、20ページに定期的な内外装の改装、環境保全の推進、節電、省エネルギーの推進などの内容になります。

「(4)情報通信技術を利用した新規利用者の獲得及び利用者の確保に関する事項」につきまして、21ページにインターネット等の活用、ホームページ開設などの内容となっております。

「(5)表示の適正化と苦情の適切な処理に関する事項」につきまして、22ページに入浴マナー等に関する情報提供、苦情等に対する早期かつ円滑な解決などの内容になっております。

(6)といたしましては従業員の資質の向上となっております。

それから、最後といたしまして、27ページでございますが、「第五 営業の振興に際し配慮すべき事項」といたしまして、「環境の保全及び省エネルギーの強化」、28ページの「少子高齢化社会等への対応」、29ページの「『浴育』への対応」と「禁煙等に関する対策」。今申しましたこの2つは新たに追加した事項になります。

次に「地域との共生」、最後に、30ページで「東日本大震災への対応と節電行動の徹底」といった事項を挙げさせていただいております。

以上が、簡単ではございますけれども、浴場業の振興指針の改正部分でございます。

続きまして、資料4「旅館業の振興指針(案)新旧対照表」のほうをごらんいただければと思います。全体の構成でございますけれども、まず1ページ目に「第一 旅館業を取り巻く状況」でございますが、初めに「旅館業の営業者の動向」、2ページ目に「消費動向」、3ページ目に「営業者の考える今後の経営方針」といたしまして、こちらも前回御説明申し上げました統計的なところを踏まえた内容となっております。

それから、第二といたしまして「前期の振興計画の実施状況」、こちらも現行の振興指針に沿った振興計画の状況について自己点検の状況を5ページの表に書いてございます。

次に7ページでございますけれども、ここからは本論でございまして、「旅館業の振興の目標に関する事項」につきまして最初に書かれております。「営業者の直面する課題と地域社会から期待される役割」について、国民生活の充実に大いに貢献してきたわけでございますけれども、こうした役割を担って、さらに経営環境、また国民ニーズ、衛生問題に適切に対応しつつ、各営業者の営業戦略に基づいて、その特性を活かして、事業の安定、活力ある発展を図るということでございます。

次に9ページでございますけれども、ここからは資料3の「旅館業の振興指針(案)主なポイント」に記載していますので、あわせてごらんください。

「二 今後5年間における営業の振興の目標」の1つ目、「衛生問題への対応」といたしまして、食中毒等食品衛生上の問題、レジオネラ症の防止対策、衛生害虫の問題、感染症の流行対策及び不正表示の対応等の対策が必要であり、当然、この衛生につきましても十分な留意を図っていくということで、衛生管理の徹底またはそれについての利用者の情報提供といったことが求められるわけでございまして、日ごろから地道な衛生管理の取組が重要であります。

それから、10ページ目の「2 経営方針の決定と利用者及び地域社会への貢献」につきましては、旅行者のニーズや世帯動向を的確に把握し、専門性、地域密着性、対面接客等の特性を生かし経営展開を行っていく事項といたしまして、資料3の主なポイントで、1枠目の○の2つ目に記載がございます。

11ページになります。「(1)個人旅行及び少人数のグループ旅行並びにニューツーリズム等の新しい体験型及び交流型の旅行形態への対応」「(2)高齢者、障害者への配慮」の事項といたしまして、高齢者、障害者への介助、バリアフリーの対策など。

12ページ、「(3)訪日外国人旅行者への配慮」につきましては、外国語表記の充実、入浴マナーの紹介・啓発など、「(4)インターネットの活用の推進」につきましては、宿泊予約サイト等の活用、公衆無線LANの環境整備など。

13ページの「(5)メニュー表示等の食品表示に関する対応」につきましては、不当商品類及び不当表示防止、アレルギー疾患対策など、「(6)耐震改修の促進と災害時の被災者の受け入れ等」につきましては、耐震診断の実施、耐震改修の促進など。

14ページの「(7)省エネルギーへの対応」につきましては、LED照明装置やエネルギー効率の高い空調設備等の導入など、「(8)の健康増進活動の推進」につきましては、生活習慣病予防の宿泊型プログラムへの協力、健康増進活動への協力などの内容となっております。

以降は従前の事項と余り変わらないところでございますが、先ほども申しましたように、文章による記載を具体的な項目ごとによる記載に変更してございます。

資料3の主なポイントの2枠目の○の1つ目からの事項となります。以降は従前の事項と余り変わらないところでございますが、文章による記載を具体的に項目ごとに記載して変更しております。こちらは旅館業の振興目標を達成するために必要な事項で、営業者の取り組むべきものとして生活水準の向上に関する事項を日常の衛生管理事項及び衛生面における施設、設備の改善に関する事項に分け、18ページから20ページに記載しております。こちらのほうは研修会、講習会の受講、危機管理体制の整備、衛生管理、防火対策に努めるなどの内容になっております。

 「2 経営課題への対処に関する事項」といたしまして、「(1)経営方針の明確化及び独自性の発揮に関する事項」として、21ページに経営管理の合理化及び効率化を図る必要があるものをアからコまでに記載しております。「(2)サービスの見直し及び向上に関する事項」といたしまして、「ア サービスの充実」「イ 利用者の食の安全への関心の高まりや健康志向等に対応した取組」「ウ 利用者のニーズやライフスタイルの変化等に対応した施設づくり」「エ 訪日外国人旅行者の受入対応」に分け、具体的なものを示しております。

 「(3)施設及び設備の改善に関する事項」といたしまして、23ページに定期的な内外装の改装、節電、省エネルギーの推進、耐震改修の推進などの内容となっております。

「(4)情報通信技術を利用した新規顧客の獲得及び顧客の確保に関する事項」につきましては、24ページに、情報セキュリティの管理、情報通信技術の活用などの内容となっております。「(5)表示の適正化と苦情の適切な処理に関する事項」につきまして、25ページに食材の原産地表示等の取組、食物アレルギー物質の有無の表示などの内容になっております。

 (6)の人材育成及び自己啓発につきましては、若手従業員の育成及び指導、外国人旅行客への対応能力の向上などの内容となっております。

それから、最後といたしまして32ページでございますが、「第五 営業の振興に際し配慮すべき事項」といたしまして、「環境の保全及び食品循環資源の再生利用の推進」、33ページの「少子高齢化社会等への対応」、34ページの「食の安全への関心の高まりや健康増進志向等への対応」と、35ページの「禁煙等に関する対策」、こちらにつきましては、今申し上げました2つの事項が新しい追加事項となっております。

 次に、「地域との共生」、最後に、36ページに「東日本大震災への対応と節電行動の徹底」といった事項を挙げさせていただいております。

 以上が、簡単ではございますけれども、旅館業の振興指針の改正部分でございます。

 続きまして、資料6、飲食店営業(めん類)の振興指針の新旧対照表のほうをごらんいただければと思います。こちらも、全体の構成でございますけれども、まず1ページ目に「第一 めん類飲食店営業を取り巻く状況」、初めに「めん類飲食店営業の営業者の動向」、2ページ目に「消費動向」、3ページ目に「営業者の考える今後の経営方針」といたしまして、こちらも前回御説明申し上げました統計的なところを踏まえた内容となっております。

それから、第二といたしまして「前期の振興計画の実施状況」、こちらも現行の振興指針に沿った振興計画の自己点検の状況につきまして、4ページの表に書いてございます。

 次に7ページでございますけれども、ここから本論でございます。「めん類飲食店営業の振興の目標に関する事項」といたしまして最初に書かれております。「営業者の直面する課題と地域社会から期待される役割」につきまして、国民生活の充実に大いに貢献してきたわけでございますけれども、こうした役割を担って、さらに経営環境、また国民ニーズの衛生問題に適切に対応しつつ、各営業者の経営戦略に基づいて、その特性を生かして事業の安定、活力ある発展を図るということでございます。

 次に8ページでございますけれども、ここからは資料5の「飲食店営業(めん類)の振興指針(案)主なポイント」に記載しております事項となりますので、あわせてごらんください。

 「二 今後5年間における営業の振興の目標」の1つ目、「衛生問題への対応」といたしまして、食中毒等の食品衛生上の問題防止、感染症、不正表示への対応等の対策が必要であり、当然、この衛生につきましても十分な留意を図っていくことということで、衛生管理の徹底、またそれについての利用者の情報提供といったところが求められているわけで、日ごろから地道な衛生管理の取組が重要でございます。

 それから、10ページから2の「経営方針の決定と消費者、地域社会への貢献」につきましては、消費者のニーズの世帯動向の的確な把握、専門性、地域密着性、対面接客等の特性を生かした経営展開を行っていく事項でございまして、資料5の主なポイントで1枠目の白抜きの○の2つ目に記載がございます。

 「(1)消費者のニーズの把握と創意工夫による経営展開」につきまして、宣伝活動や新メニュー開発などの記載になっております。

11ページ、「(2)高齢者、障害者等への配慮」につきましては、買い物弱者へのサービス提供などについて、「(3)訪日外国人旅行者への配慮」について、外国語表記の充実、コミュニケーション能力の向上など。

12ページの「(4)メニュー表示等の食品表示に関する対応」について、不当景品類及び不当表示防止、アレルギー疾患対策など。

13ページには、「(5)省エネルギーへの対応」について、LED照明装置やエネルギー効率の高い空調設備等の導入など、「(6)受動喫煙防止対策への対応」につきましては、環境整備、分煙、時間分煙等の対策等の内容となっております。

 以降は従前の事項と余り変わっていないところでございます。こちらのほうも、先ほど申しましたように、文書による記載を具体的に項目ごとによる記載に変更しております。

資料5の主なポイントで、2つ目の枠の白抜き○の1つ目からの事項となります。こちらは飲食店営業(めん類)が振興目標を達成するために必要な事項で、営業者の取り組むべきものとして「衛生水準の向上に関する事項」の「日常の衛生管理に関する事項」及び「衛生面における施設及び設備の改善に関する事項」に分けて17ページ、18ページに記載しております。食品衛生責任者の活用や調理器具、容器、食器等の衛生管理の改善、食材の保管管理の徹底に努めるなどの内容になっております。

 「2 経営課題への対処に関する事項」は、「(1)経営方針の明確化及び独自性の発揮に関する事項」といたしまして、18ページに、経営管理の合理化及び効率化を図る必要があるものといたしまして、アからケまでに記載しております。「(2)サービスの見直し及び向上に関する事項」といたしまして、「ア サービスの充実」「イ 消費者の食の安全の高まりや健康志向等に対応した取組」「ウ 消費者のニーズやライフスタイルの変化等に対応した店づくり」に分けた具体的なものを示しております。

「(3)施設及び設備の改善に関する事項」といたしまして、21ページに定期的な内外装の改装、節電、省エネルギーの推進、耐震改修の推進などの内容になっております。

 「(4)情報通信技術を使用した新規消費者の獲得及び消費者の確保に関する事項」につきまして、22ページに情報セキュリティの管理、情報通信技術の活用などの内容となっております。

「(5)表示の適正化と苦情の処理に関する事項」につきまして、23ページに食材の原産地表示等の取組、食物アレルギー物質の有無の表示、食品バランスガイドや「健康な食事」に係るガイドラインの活用などの内容となっております。

 「(6)人材育成及び自己啓発の推進に関する事項」につきまして、24ページに接客態度、消費者への知識提供面でのサービス向上などの内容になっております。

 それから、29ページでございますが、「第五 営業の振興に際し配慮すべき事項」といたしまして、30ページに「環境の保全、省エネルギーの強化及び食品循環資源の再生利用の推進」、31ページに「少子高齢化社会等への対応」、32ページに「食育への対応」「禁煙等に関する対策」、33ページに「地域との共生(地域コミュニティの再生及び強化(商店街の活性化))」。

最後に34ページで、「東日本大震災への対応と節電行動の徹底」といった事項を挙げさせていただいております。

 以上、3業種でございますけれども、従前の振興指針のベースがありますけれども、これまでのいろいろな問題、要請等を踏まえまして、また、これから5年間を見通しまして新しい事項を盛り込ませていただいたということで、御審議を賜りたいと思います。

 以上でございます。

○原田分科会長 ちょっと超特急かなという気もしないでもないですけれども、色刷りになっていますものがそのポイントをまとめてございますので、それと、今、御説明いただきました指針(案)の文章の部分を対比しながらごらんいただければよりわかりやすいかなと思いますが、どうも御説明ありがとうございました。

 今、事務局から説明してもらいましたけれども、それに関連いたしまして、公衆浴場業界からは関さんが意見聴取人としておいでいただいております。それから、旅館ホテル業界からは勝田さんがやはり意見聴取人として御参加いただいております。そして、めん類業に関連しましては角田さんが同じく意見聴取人として御参加いただいておりますので、関さん、勝田さん、角田さんの順に、ただいまの事務局からの説明に関連して御発言を賜ればありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、関さんからお願いできますでしょうか。

○関意見聴取人 浴場の関でございます。

 今、山崎課長補佐から説明がありましたとおり、この問題につきましては5年に1回ずつ見直しが行われておりますけれども、今回の場合につきましても十分現状を把握していただきまして、私たちが望んでいることも十分これに反映されているだろうと考えております。委員の皆様方に、こういったことにつきまして御審議をいただきまして、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

○原田分科会長 ありがとうございました。では、勝田さん、よろしくお願いいたします。

○勝田意見聴取人 全国旅館ホテル組合の勝田と申します。

 この振興指針の見直し、5年に1度ということで、やはり旅館ホテル業界、いろいろ様変わりが激しくなっております。旅館はどんどん軒数が減っております。ホテルはどんどんふえているという。ですので、業態はいろいろと変わっております。ですので、この業界を取り巻く環境というものを皆様に十分御理解いただいた上でおつくりいただいたと思っております。皆様、慎重なる御審議をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

○原田分科会長 ありがとうございました。それでは続きまして、角田さんからお願いいたします。

○角田意見聴取人 全国麺類の角田です。

 前回、昨年の分科会において審議されました各委員の皆様の適正な御指導、そして御指摘がありまして、まことにありがとうございました。そして、先ほど山崎課長補佐のほうから御説明あったとおり、今回の改定では業界を取り巻く環境及び問題点等も十分記載されておりまして、まとめていただきました。ありがとうございます。当連合会では、振興指針を組合員に周知徹底を図り、めん類飲食業界の振興・発展を目指して業界を発展してまいります。

 最後、改めまして、委員の皆様へのお礼を申し上げます。ありがとうございました。

○原田分科会長 どうもありがとうございました。

それでは、今、振興指針の改定案につきまして事務局のほうから御説明いただいて、各意見聴取人から一言ずつお言葉をいただいたのですけれども、それに関連しまして、どなたからでも結構ですので、御質問、御意見等がございましたら、遠慮なく出していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○市川委員 消費者側の委員として参加しております市川です。

 新たな振興指針として、前回の議論がきちんとある程度反映されていると思っています。その上でちょっとお聞きしたいことがあります。これは旅館業、浴場業、それからめん類の飲食店業に共通することです。振興計画というのを策定されその振興計画に基づいて、いわゆる自己評価というものも行われているのですが、この振興計画のところの自己評価の表を拝見すると、事業名というのはこの振興指針のどことパラレルに対応しているのでしょうか。前回もちょっと気にはなっていたのですが、これからまた新たな振興指針をもとに振興計画を策定されるので、できれば、どことパラレルに対応している振興計画であり、自己評価はそれに基づいた自己評価になっているというような、すっきり見渡せるようなものになっているのかということについてちょっと御説明いただけないでしょうか。

○原田分科会長 これはやはり事務局から御説明いただいたほうがいいのではないかなと思いますが。

○稻川課長 具体的には振興指針の項目立てに沿ってつくりますので、基本的には、今度、この3つつくるやつについても 申し上げましたとおり、4年前にがらっと振興指針を変えたということがあって、この評価についてはその古いバージョンの振興指針のメニューでやっているものですから、一見、対応が非常に見にくくなっているということだと思います。そこは本当に申しわけないです。

ただ、今後は、今回の振興指針に従った項目ごとに、こういう事業やりますということになりますので、4年後にはそこはもうはっきり対応するようになると思います。そこは、ちょっと過渡期なので、申しわけなかったです。

○市川委員 ありがとうございます。ということは、次回、私が委員としているかいないかわかりませんけれども、次回のときには、めん類の振興指針(案)であれば、例えば8ページに今後5年間の振興目標というのが挙げられておりますね。これに沿った形で次回振興計画というのがつくられて、それに沿った形でこの自己評価というようなものもされていくと認識してよろしいでしょうか。

○山崎課長補佐 今、旅館業のほうを開いて御説明しようかと思っていまして、旅館業のほうをちょっと開いていただければと思いますけれども、まず18ページでございます。「営業者の取組」ということで、こちらの1の「衛生水準の向上に関する事項」、これが表のほうの5ページを見ていただくと1番のところに来ている内容と一致しているかと思うのですけれども、こちらの「営業者の取組」ということで、27ページ以降の1番「組合及び連合会による営業者の支援」に対応していっていただくことになります。

27ページの「衛生に関する知識及び意識の向上に関する事項」が、まず、最初に来ます。その次といたしましては。

○稻川課長 済みません。旅館のほうで言いますと、もう一回、27ページをあけていただきたいのですけれども、「営業者の支援に関する事項」ということで、1の組合及び連合会によるというところから、算用数字で2からあって、ずうっと。どこなのだろう。

 申しわけない。ちょっと待ってください。

○山崎課長補佐 まず1番で「衛生に関する知識及び意識の向上に関する事項」ということになります。27ページ以降の(1)にございますけれども、その次が「施設及び設備並びにサービスの改善に関する事項」、これが2番目の項目になります。こちらからは括弧のところが項目として立っていきますので、3番目で「利用者の利益の増進に関する事項」。4番目としまして、(4)の、28ページの下のほうにあります「経営マネジメントの合理化及び効率化に関する事項」。続きまして、29ページの(5)の「営業者及び従業員の技能の改善向上に関する事項」。その次が6番目としまして、(6)の「事業の共同化及び協業化に関する事項」。続きまして、7番目として「取引関係の改善に関する事項」。30ページ、(8)の「従業員の福祉の充実に関する事項」、(9)の「事業の承継及び後継者支援に関する事項」の9つの項目になります。

 続きまして、32ページに第五の「営業の振興に際し配慮すべき事項」というところがございますけれども、こちらにつきましては、漢数字の一番からの事項がその後の事項として載ってくることになります。32ページの一の「環境の保全及び食品循環資源の再生利用の推進」、33ページの下にございます二の「少子高齢化社会等への対応」、34ページの三 の「食の安全への関心の高まりや健康増進志向等への対応」、35ページの四の「禁煙等に関する対策」、同じく五の「地域との共生」、最後の36ページの六の「東日本大震災への対応と節電行動の徹底」という項目、最初の9つの項目と6つの項目になるというのが振興計画の事項になります。

○市川委員 ちょっと、よくわかりにくいと思います。できれば、振興計画をつくられる現場の事業者の方々が、振興計画が一体どこから持ってきた振興計画であるということをしっかり認識していただくためには、やはりどこかときちんとパラレルにわかりやすくなっていたほうがいいかなと思います。かつ、自己評価という形で今までされてきているのですが、自己評価としての定性的な意味はもちろんあると思うのですが、やはりこれからは何かしら定量的なものもお示しいただけるようになればいいかなと。これは要望です。ありがとうございます。

○原田分科会長 よろしいですか。何かほかにありますか。

 どうぞ。

○西尾委員 ありがとうございます。大変よくまとめられていて、非常に多面的に書かれているなと思いました。特に高齢者、あるいは障害者、あるいは外国人といったさまざまな人たちに対するニーズにどう応えていくかというようなところに関しても非常にきちっと書かれていて、とてもいいと思うのですが、一方で、どちらかというとそういう人たちに対して配慮するという方面のことを強調されていて、それは物すごくいいのですが、その一方でちょっと感じたことがありまして、その点について2点申し上げたいと思います。

 外国人等々がこれからどんどんふえていって、その市場が大きくなると思うのですね。そういう意味で、さまざまな文化や宗教を持った人たちが入ってくるわけですね。ライフスタイルが。そういった中で、その人たちにどう配慮していくか、その人たちもわかりやすく快適に過ごせるための工夫ということは書いてあるのですけれども、逆に言うと、ある意味、多様な文化や宗教やライフスタイルを持った人たちを理解することは重要なのだけれども、その人たちがみんな気持ちよく快適に過ごせる環境づくりって物すごく重要だと思うのですね。

だから、そういう意味で、例えば銭湯の場合には正しい入浴マナーということを強調されていますし、それから、視察に行かれた旅館業さんのところでも、日本の暮らし方についてのマナーをきちっと示していますね。むしろ、まずそういうルールをちゃんと示すことが実はサービスの充実につながるのだということを何かもうちょっとどこかに書いていただけないのかなという気がするのですね。

 なぜそんなことを申し上げるかというと、私、マーケティングが専門でして、サービスに対する満足度といったときに、施設もよい、従業員の方々の対応もすごくいい。だけれども、その場に居合わせたほかの人たちがちょっと場の雰囲気を壊してしまって、それがゆえにがっかりしたということがあるのですね。そういう中で、今後はオリンピック等々でさまざまな方々が来るとなると、その人たちがみんなある程度快適に過ごせるための、みんなでそのために最低限守るべきルールのようなもの、あるいは、外国人の方々だって、郷に入ったら郷に従えと思って海外旅行で来られているわけですから、そういうところをもう少し、例えば旅館業のところで言えば表示のところですかね。25ページの(5)の表示の適正化とかいうところもそうでしょうし、それからその前の、もしかすると22ページのアの「サービスの充実」みたいなところに何か、そういう多様な選好を持つ人々が快適に過ごせるための環境づくりなんていうところの文言をぜひ入れていただきたいなというのが1点目です。

 それからもう一つは、一方で表示のほうの、今申し上げた25ページのほうに書いていただきたいことは、ここにはアレルギーの人とか、あるいは原産地表示であるとかいうものは書いてあるのですけれども、逆に、宗教等々によって食べられないもの、食べてはいけないものというのがありますね。そういうものを出さないというのは大変なことであって、ただ、逆にそういうものがあるわけですから、そういうことをきちっと表示で示してあげて、向こう側がそれを自分で選択できるようにすることが重要だと思うのですね。例えば旅館業さんのところもそうだし、めん類のところもそうだと思うのですけれども、(5)の「表示の適正化と苦情の適切な処理に関する事項」のところにそういう文言が1つあったほうがいいのかなと思います。

 その2点でございます。

○原田分科会長 ありがとうございます。今まで出た2つのポイントをちょっとまとめたほうがいいのではないかと思うのですが、今回、自己評価を入れるというのは初めての試みだと思うのですが、評価するのは組合ですね。そうすると、ここでやはり対象年度をある程度明確にしなければいけない。だから、過去の5年間の評価になるのか、どこが評価したのかというのは少なくともこの欄外の下のところに、何年から何年までに関してどこが、これはそれぞれの組合ですから、飲食店ならめん類組合とか、何かそういう形で明示する必要性があるだろうと思うのですね。

 それから、先ほど御指摘していただいたアレルギーの表示だとか何かはあるけれども、宗教の表示がないではないか。ましてや、これから外国の旅行者をあっせんして、日本が観光で生きていこうという形になった場合は、イスラム教との問題というのはどうしたって大きな問題になってくるだろうと思うので、アレルギーは、アレルギー素材が入っているか入ってないかだけでなくて、食材表示をきちっとするということは物すごく重要なポイントになってくるだろうと思うので、宗教的な側面なんかも全部、食材をきちっと表示すればクリアーできる領域になるだろうと思うので、そこは何か明記していただいたほうがいいのではないかと思いますね。

 何かほかにございますでしょうか。

○遠藤委員 感染症に関連する仕事に従事している者からのコメントであります。

総論的に、いずれの営業指針も、まず衛生問題を新しい版においてもプライオリティとして一番目に置いていただいているというのは非常によろしいことかと思います。そして、新しい最近の状況を反映させて、例えば先ほども御説明ありましたけれども、インフルエンザの問題も取り上げていただいておりますし、あるいは旅館業では、トコジラミ、いわゆる南京虫ですね。「ええっ、何で日本なの?」と思われるのですけれども、世界的には先進国でも出ております。こういう問題もきちっとアップデートしていただいているのは大変評価できると思います。

 それからもう一点でありますが、具体的にこの衛生問題、いずれもそうですけれども、例えば浴場業の振興指針の8ページ、9ページでありますが、「営業者の地道な取組とともに、保健所等衛生関係機関等との連携を密にして対応することが求められる」というのが新しく書き込まれていると思います。

それからもう一つ大事な点は、「こうした衛生問題は、個々の営業者の問題にとどまらず」ということで、9ページですが、「とりわけ、地域で孤立する中小営業者は重要な公衆衛生情報の把握が困難となる場合が考えられるため、これら営業者に対する組合加入の促進や公衆衛生情報の提供が円滑に行われることが期待される」。これも新しい書き込みかと思われまして、いろいろ高齢化等で営業者も孤立する可能性がありますけれども、そういった状況をきちと反映した書き方になっているというのは非常によろしいかと思います。

 以上です。

○原田分科会長 ありがとうございます。特に感染症の対策というのは物すごく重要な側面を持っていまして、生衛業にとって一番重要なポイントになるだろうと思うので、そこのところは業界を横に見る形でもきちっとチェックされることが必要になるだろうと。ですから、業界、共通する項目と、それから独自の項目というのは明確に分けて対応していく必要性があって、共通する項目の中に感染症の問題というのはきちっと入れておくことが物すごく大事になるだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。何かほかにございますでしょうか。

 全体的によりわかりやすくなっていると思いますね。特に項目、旧のやつで書かれている、文章で書かれているやつを箇条書きに整理し直しているというところが、見ているほうとしては非常にわかりやすくなりますし、項目を整理して捉えるのにはやはりきちっと箇条書きに整理させておいたほうがいいと思うのですが、抜けているといけませんので、そこら辺のところは事務局できちんとフォローしていただくということが大事になるだろうと思うのですけれども、皆様の御専門の立場から何か御指摘等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。

 あとは、宗教の問題もあると思うのですが、習慣の問題もあると思うのですね。例えばイスラム教の関係の人というのは裸になるのができない。お風呂入るのにどうしても一枚着なければいけない。そうすると、それは逆に言うと非常に非衛生になる可能性が高いわけですね。そこら辺をどう対応するかという問題がやはり出てくるだろうと思うので、だから、きちっと消毒したやつを渡すとか、そういうサービスをしていかないと、勝手に持ってきたものを着て入られたら、これは衛生上の問題が非常にまずいし、まさに感染症のるつぼになる可能性がありますから、そこら辺のところもやはりある程度指図しておく必要性があるのではないかなあと思いますので。文化的な対応への細かな適合性の追求みたいなものも、言葉はどういう形でもいいですから、何かちょっと入れておいて、習慣の違いをうまく埋めるような方法論を、それが衛生上のネックにならないようにしておくという対策をどこか入れておく必要性があるのではないかなと思いますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。

○稻川課長 今、分科会長おっしゃられた点ですけれども、例えば旅館でありますと、23ページの「訪日外国人旅行者の受入対応」のマル8で「訪日外国人旅行者の習慣への対応」ということで、ちょっとそういう趣旨をと思ったのですけれども、きょう、ほかにも御指摘いただきましたので、このあたりの表現ぶりについてはもうちょっと分科会長と相談させていただいて整理したいと思います。

○原田分科会長 23ページのやつですね。それから、「外国人旅行者の受入対応」云々というのが本格的に入ったのは今回が初めてだろうと思うので、その中で、一般の方々ではなかなか理解しかねるような用語がちょこちょこと出てきますね。片仮名の用語。例えば「ギャランティ・リザベーション」というのはここにしか出てこないのですけれども、こういうのは、注書きで結構ですから、説明を入れておく必要性があるのではないか。新しく入れたところで、一般的にわかっていることはどうでもいいと思うのですけれども、ちょっと珍しい用語は説明を入れておく必要性があるかなと思います。

○稻川課長 「ギャランティ・リザベーション」につきましては、13ページに一応入れております。ただ、もう一回、外来語を使っているところについては見直しまして、一般の方がお読みになったときにわからないものについては書き足したいと思っております。

○原田分科会長 「13ページ参照」でもいいと思いますので、きちっとわかるようにしておいていただければ。

○稻川課長 何ページ参照とかいうのは、これは最終的に告示になるものですから、なかなか難しいかと思います。

○原田分科会長 そこはお任せしますので、ちょっとわかりやすくしておいていただければ。

○稻川課長 はい。

○原田分科会長 表示義務って物すごく大事だと。表示義務というのはコンプライアンスから見ても非常に重要な側面を持っていますので、それぞれの業界がきちっとした表示義務を果たしてもらうためにも、ガイドラインとしての振興指針の中にきちっと明示しておく必要性があるだろうと思います。これはきちっと表示しなければいけませんよみたいなものを明らかにしておく必要性があるだろうと思いますので。

 ほかに何かございますでしょうか。

○山田委員 「地域との共生」のところが少し気になるのですが、例えば旅館業で言いますと35ページのところでありますけれども、旧のところにあったように、大規模災害時の場合の対応についてなのですが、旧のところでは「大規模災害が発生した場合の地域住民への支援」という文言があるのですけれども、新しい部分では、多分この中身が次の36ページの(4)の「地域の防犯、消防、防災」、あるいは(6)の「災害対応能力の維持向上」というところに含まれているのだと思いますが、ちょっと表現としてわかりにくいのかなあと。現にいろんな対応をされているわけでありますから、「大規模災害時における地域住民への支援」というような文言を入れたほうがよりわかるのではないかというのが1つ目。

 それから2つ目は、前のほうに戻りますが、同じ旅館業の22ページのアの「サービスの充実」のところで「高齢者及び障害者への対応」というのはあるのですが、とりわけ子育て世帯への対応ということをやはりきちっとこの中に入れる必要があるのではないかなと思います。後ろのほうの「少子高齢化への対応」の中には子育て世帯への配慮というものがあるのですけれども、具体的なサービスの中でも、そういう子育て世帯への対応、配慮ということを明確にしたほうがよろしいのではないかと感じます。

 以上です。

○稻川課長 確かに災害への対応のところは、どっちかというと災害のときに積極的に貢献するというニュアンスがややちょっと薄れている感じもしますので、これはもう一回表現ぶりを分科会長と相談したいと思います。

 それとあと子育てのところは、先ほどおっしゃいましたようなところには一応盛り込んだのですけれども、例えばサービスの充実のところでもう少し個別に言及するというのもあると思いますので、そのあたりも分科会長と御相談させていただきます。

○原田分科会長 ありがとうございます。今の御指摘、大変重要だと思いますね。生衛業というのは、もしも災害が起きたときには生き残った人の命を預かるということに多分になりますから、そこのところできちっとした対応がなされるような文言が入ってくるということは物すごく大事ですし、少子高齢化が進んだときに、子育て、数少ない子供たちをいかに確実に生衛業がバックアップするかというのは物すごく重要ですし、すごく意義のある対応だと思いますので、折に触れて、関連するような項目あったらきちっと入れ込んでおくということは大事なことではないかと思いますので、そこは事務局のほうで検討していただいて、そのほかの業界との横のつながりも検討しなければいけませんので、その辺わかっておられるのは事務局ですから、そこはお任せしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ほかに何かございますでしょうか。

 それでは、きょう初めてこの膨大な量を見せていただいたので、まだまだ、しばらくもう一回頭冷やして考えてみたら、気がついたということがおありになるだろうと思いますので、そういう場合も含めて、改めてまた事務局のほうにいろいろと意見を寄せていただければありがたいかなと考えております。

 いろいろと御指摘賜りまして、大変ありがとうございました。浴場業と旅館業、それからめん類業の振興指針(案)に関しまして、本日いろいろと賜ったそのさまざまな御指摘を踏まえて必要な修正を行っていきたいと考えていますが、修正に関しましては私と事務局できちっと責任を持って対応しますので、とりあえず私に一任という形でお許しをいただければありがたいと思うのですが、それで御了承いただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○原田分科会長 ありがとうございます。それでは、責任を持って、私と事務局の間できちっとした指針を組み立てていく方向で、そして、一応任せていただいて、事務局との間で話がきちっとできたら、「振興指針」という形で、(案)は取るという形で対応させていただきたいと思いますが、それもよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○原田分科会長 どうもありがとうございました。

 最後に、何か事務局のほうからございましたら、よろしくお願いいたします。

○稻川課長 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、活発な御審議をいただきまして、ありがとうございました。

 先ほど原田分科会長のほうからもお話がございましたとおり、本日いただきました御意見を踏まえまして、私どものほうで分科会長と調整して必要な修正を行った上で、厚生科学審議会の会長のほうに報告を行わせていただければと思っております。

 なお、先ほど分科会長からお話ありましたように、このように膨大なものを今初めてというところは確かにあるかと思いますので、きょうお帰りになられてまたもう一回ごらんになられて、追加的な御意見等ございましたら、といいながら、大変恐縮ではございますけれども、いろいろスケジュールの関係ございますので、来週の14日の水曜日ぐらいまでに御連絡いただければ幸いでございます。そのいただいたものも含めまして、分科会長と御相談の上、最終的な案を確定させていただきたいと思っております。

 なお、本日の議事録につきましては、通例のとおり、原案ができました段階で各委員の先生方に御確認いただきました後、厚生労働省のホームページで公表させていただければと思っておりますので、あわせてよろしくお願い申し上げます。

 私のほうからは以上でございます。

○原田分科会長 ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、第24回になるのだそうですけれども、「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」を終了させていただきます。どうも本日はありがとうございました。


(了)
本件に関する問い合わせ先: 健康局生活衛生課
平木孝佳:内線2439
代表電話:03-5253-1111

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(生活衛生適正化分科会)> 第24回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会(2015年1月9日)

ページの先頭へ戻る