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2015年1月20日 第13回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成26年度第9回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成27年1月20日(火)17:00~19:00


○場所

航空会館 大ホール(7階)


○議事

○事務局 定刻より若干早いですけれども、委員の先生方がおそろいになられておりますので、ただいまより「第13回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」及び「平成26年度第9回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催させていただきます。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただきありがとうございます。

 初めに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。

 副反応検討部会の倉根委員、薗部委員、永井委員、道永委員、安全対策調査会の大野委員から御欠席の連絡を受けております。また、安全対策調査会の望月委員より30分ほどおくれる旨の御連絡をいただいております。

 現在、副反応検討部会委員10名のうち6名、安全対策調査会委員5名のうち3名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会並びに薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。

 留意事項に反した場合は退場していただきます。

 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。

 本日の座長につきましては、五十嵐調査会長にお願いしたいと思います。

 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告をお願いいたします。

○事務局 審議参加について御報告いたします。

 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。

 本日の議題において調査審議される品目はMR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、A型肝炎、成人用肺炎球菌の各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品工業株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、MSD株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。

 各委員からの申告内容については、机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、岡田委員が、MSD株式会社から50万円超えて500万円以下の受け取りがあるため、成人用肺炎球菌ワクチンのニューモバックスに係る審議について、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。

 引き続き、委員におかれては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類を御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。

 以上でございます。

○五十嵐安全対策調査会長 それでは、事務局から本日お配りしている配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、事務局から配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元の資料の一番上に議事次第がございまして、その裏側に座席表、委員一覧、資料一覧がとじられておりますので、そちらの資料一覧をごらんいただきながら御確認いただければと思います。

 議題1の各ワクチンの副反応検討状況につきまして、資料1がMR、資料2が麻しん、資料3が風しん、資料4がおたふくかぜ、資料5が水痘、資料6がA型肝炎、資料7が成人用肺炎球菌、資料8がインフルエンザワクチン接種後の死亡症例一覧、資料9がHPVワクチン接種後の死亡症例一覧、資料10が定期の予防接種等による副反応報告の取り扱いに関する資料となっております。

 その後ろの参考資料としましては、参考資料1と2がHPVワクチンの症例に関する参考文献、参考資料3と4が副反応報告の取り扱いに関する参考資料となっております。

 このほか、本日の報告の対象となっております各ワクチンの添付文書を配付しております。こちらは委員のみの配付になっておりますので、傍聴の方には配付しておりません。後日ウエブサイトに掲載いたしますので、そちらをごらんいただければと思います。

 最後に、右肩に参考資料、委員限りと記載しております各社の出荷量と副作用の発現頻度をまとめた資料を1枚お配りしております。

 不足や落丁等がございましたら、事務局にお申しつけください。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 皆さん、よろしいでしょうか。

 では、これから議題1の各ワクチンの安全性についての検討に入りたいと思います。

 事務局から資料1~3までの御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、事務局より資料の御説明をさせていただきます。

 本日、副反応の状況について御報告させていただきますワクチンについてですが、一昨年9月の合同会議での検討結果に基づきまして、比較的同時接種が行われやすいワクチンとそうでないワクチンにグループを分けて報告を行うこととされております。

 本日の検討会におきましては、主に単独接種が行われているワクチンでございますMR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、A型肝炎、成人用肺炎球菌のワクチンにつきまして、副反応の報告をさせていただきます。

 前回は、昨年1029日に開催されました合同会議におきまして、昨年の7月末までの副反応の状況について御報告をしておりますので、これに引き続きまして本日は、昨年8月1日から1031日までに報告されました各ワクチンの副反応の状況について御報告をさせていただきます。

 それでは、各ワクチンの副反応報告状況について順に御説明をさせていただきます。資料1「乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(MR)の副反応報告状況について」でございます。

 1ページ目の見出しの下に記載しておりますとおり、MRワクチンは現在3つの製造販売業者から計3種類の製品が製造販売されております。それらについて昨年8月1日から1031日までに報告されました副反応報告を合計して集計したものが、真ん中に掲げております表でございます。

 期間中の医療機関への納入数量から接種可能延べ人数を約54万人と概算いたしまして、製造販売業者からの副反応報告数が5件、報告頻度は0.0009%、医療機関からの報告数は非重篤のものを含めまして8件、報告頻度は0.001%、そのうち重篤なものは5件、報告頻度は0.001%となります。

 なお、前回会議での御指摘を踏まえまして、今回の資料から、副作用報告数のうち接種日が集計対象期間内であったもののみをカウントした数を、報告数の欄の下に括弧書きでそれぞれ記載しております。

 また、それぞれの企業ごとの出荷数量をもとに同様に計算した結果につきましては、各社の出荷量と副作用の発現頻度として、委員限りの資料として机上に1枚の資料としてお配りしておりますので、適宜御参照いただければと思います。

 資料1に戻りまして、一番下にございます表は、期間中の重篤症例について転帰の情報をまとめた表になっております。今回の報告期間では、死亡症例及び後遺症症例の報告はございませんでした。

 おめくりいただきまして、次のページをごらんください。2ページ目からは、副反応報告の個別症例の情報を接種日順にリストとしてまとめたものを掲載しております。毎回の注意点となってしまいまして恐縮でございますが、この集計につきましては、同時接種ワクチンとして報告された事例も含めて集計をしております。2ページ目、上から3番目のナンバー3の症例では、ワクチン名の欄はプレベナー13となっておりまして、こちらはプレベナーの製造販売業者から報告された症例となっておりますが、同時接種ワクチンにMRワクチンも含まれておりますので、MRワクチンの副反応報告としてもカウントして、それぞれのリストいずれにも掲載をしております。以下、ほかのワクチンについても同様に集計を行っておりますので、御留意をお願いいたします。

 2ページ目が製造販売業者からの報告の一覧、3ページ目が医療機関からの報告のうち重篤症例の一覧、その次の4ページが医療機関報告のうち非重篤症例の症例ごとの情報となっております。

 その次の5ページ目は、アナフィラキシーが疑われる副反応症例について過去の報告分も含めて症例数をまとめた表でございます。今回の報告対象期間において1件、副反応名をアナフィラキシー反応として報告された症例がございました。

 その概要を6ページにお示ししております。PMDAにおいて専門家の評価をいただいた結果、ブライトン分類レベルは3以下であり、一番右端の総合評価の欄に記載のとおり、アナフィラキシーとは判断できないと評価されております。

 その次の7ページ目に参りまして、こちらは昨年1029日の前回の合同部会において報告されたものの詳細調査及び因果関係の評価が完了していなかった死亡症例について、評価結果を追記して再度御報告をさせていただくものです。MRワクチンの単独接種を行った10歳未満の女児が接種19日後に心肺停止状態で発見されたという症例でございます。調査の結果としまして、剖検により、脳組織及び髄液からHHV-6が検出されたため、死因はこの感染による突発性発疹関連脳炎の可能性が考えられ、ワクチン接種との因果関係は否定的であるとされております。

 8ページ目以降には、委員限りでございますが、この症例のより詳細な調査結果と3名の医師に概要を見ていただいた評価結果を記載しておりますので、こちらも適宜御参照いただけますと幸いです。この詳細情報に関連しての御発言に当たりましては、患者個人の特定がなされないように御配慮をよろしくお願いいたします。

 また、その後ろの11ページ、12ページには、平成25年4月以降に報告された副反応報告を種類別に件数をまとめたものを掲載しております。参考としてごらんいただければと思います。

 続きまして、資料2の「乾燥弱毒生麻しんワクチンの副反応報告状況について」に移らせていただきます。

 こちらにつきましては、今回の報告期間では製造販売業者からの報告、医療機関からの報告ともにゼロ件となっておりましたので、資料2についての説明は割愛させていただきたいと思います。

 続きまして、資料3に移らせていただきます。資料3「乾燥弱毒生風しんワクチンの副作用報告状況について」をごらんください。

 1ページ目の冒頭にございますとおり、風しんワクチンについては3社の製造販売業者からそれぞれ1種類ずつ、合計3種類の製品が販売されております。これらのワクチンについて、先ほどの資料1と同様に副反応報告数を真ん中の表にまとめております。

 昨年8月から10月の接種可能延べ人数は約4万人、これに対して製造販売業者からの報告数はゼロ件、医療機関からの報告は1件、報告頻度は0.003%、これは重篤な症例となっております。

 また、その下には転帰別の報告数をまとめた表を掲載しており、ごらんのとおり当該症例は後遺症症例として報告されております。

 おめくりいただきまして、2ページは、1件しかありませんが、副反応報告のラインリストを掲載しておりまして、後遺症症例となっておりますので、3ページ目に症例の詳細情報と専門家の評価結果を記載しております。

 3ページ目の概要をごらんください。患者は21歳の男性。既往歴はぜんそく。1回目の風しんワクチン接種翌日より、頭部掻痒感や右上下肢・口唇のしびれなどの違和感あり。その後、当該症状は改善するも、接種11日後に顔面しびれ、右上肢しびれが出現し、入院。精査の結果、多発性硬化症疑いとされております。さらにその後、接種18日後に強度の左頭痛のため、救急車にて別の病院に入院。精密検査の結果、多発性硬化症と診断されており、退院後も多発性硬化症の後遺症ありとされている症例でございます。

 一番右端の欄の専門家評価の結果でございますが、ワクチン接種後11日目の事象であり、ADEMの好発時期であるが、画像所見の詳細な記載がなく、多発性硬化症としては接種から発症までが早過ぎるなど、この記載からは因果関係が判断できない。因果関係は肯定も否定もできず、今後同様に多発性硬化症を発症する症例が蓄積されるか経過を見る必要がある。多発性硬化症の診断根拠が記載されていないため診断が信頼できない。多発性硬化症とADEMの鑑別診断は極めて難しい場合があるとの御意見がございました。

 そのほか、4ページ目には、アナフィラキシーが疑われる症例のこれまでの件数のまとめ、5ページ目には、先ほどのMRワクチンと同様に、平成25年4月以降に報告された副反応報告を種類別に件数をまとめたものを掲載しております。

 資料1~3に関する事務局からの説明は以上でございます。

○五十嵐安全対策調査会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、皆さんの御意見、御質問をいただきたく思います。よろしくお願いします。

 どうぞ。

○多屋委員 MRワクチンの製造販売業者さんからの報告なのですけれども、3番、4番、5番の方は接種日が同じで副反応名も同じですので、この3件は同じ方と考えたほうがよろしくないでしょうか。

○事務局 お答えさせていただきます。

 御指摘のとおり、この情報から見る限り、同じ症例である可能性は比較的高いと思われるのですけれども、同一症例であるという確認が、100%確実にはできていないという状況ですので、このとおり資料としては別の症例として記載をさせていただきました。

○多屋委員 数字がずっと5人という形で残っていきますので、できれば同じ患者さんであれば1人にまとめていけるようなことができればと感じました。

○五十嵐安全対策調査会長 大変貴重な御指摘をありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○桃井副反応検討部会長 前回御検討をお願いいたしました短期間の報告数の症例数と頻度に関して、接種期間以前のものを含むものと接種期間だけのものを分けて記載していただきました。迅速に御対応いただきましてありがとうございました。頻度として実際より増加している可能性のある数字と実際より減少しているかもしれない数字の2種類があるということは、今後データを正確に評価する上で参考になると思います。ありがとうございました。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

 そういたしますと、事務局の御報告によりますと、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いものではないようです。

 それから、MRワクチンの単独接種の症例でアナフィラキシーとして報告された症例が1例ありましたけれども、専門家の評価の結果、これはアナフィラキシーとは判断できないという評価をいただいております。

 それから、風しんワクチンの単独接種の症例において、後遺症症例の報告が1例認められています。

 それから、報告対象期間外でしたけれども、未評価であったMRワクチン接種後の死亡症例について報告が行われ、その調査結果としては、ワクチン接種との因果関係は否定的ということにされております。

 そのようなことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐安全対策調査会長 それでは、この内容を踏まえまして、現状の取り扱いを変更する必要につきましては、特に御意見ございますでしょうか。

 御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性におきまして重大な懸念はないということで評価してよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございます。

 それでは、以上でMR、麻しん、風しんのワクチンの副反応報告は終了したいと思います。

 続きまして、資料4~6までを説明していただきたいと思います。

○事務局 それでは、資料4~6の御説明をさせていただきます。資料4「乾燥弱毒生おたふくかぜワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 昨年8月から10月までの集計結果については真ん中の表のとおりでございまして、接種可能延べ人数を約21万人と推計し、製造販売業者からの報告数が7件、報告頻度は0.003%、医療機関からの報告は6件、報告頻度は0.003%、そのうち重篤なものは4件、報告頻度は0.002%となっております。

 その下には転帰別の報告件数をまとめておりますが、後遺症症例や死亡症例の報告はございませんでした。

 次の2ページからは各副反応報告の症例一覧を記載しており、2ページが製造販売業者からの報告、3ページが医療機関からの重篤症例の一覧、4ページが非重篤症例の一覧となっております。

 また、副反応名が髄膜炎として報告されている症例につきましては、髄液の検査結果が得られているものにつきましては、副反応名の欄に*の印をつけて検査結果を記載しております。

 その次の5ページには、アナフィラキシーが疑われる症例報告のまとめを記載しておりますが、今回の報告期間内にはアナフィラキシーとして報告された症例はございませんでした。

 最後の6ページには、これまで報告された副反応の種類別の集計結果をおつけしております。

 続きまして、資料5の御説明をさせていただきます。資料5「乾燥弱毒生水痘ワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 昨年8月から10月までの集計結果については真ん中の表のとおりであり、接種可能延べ人数を約93万人と推計し、製造販売業者からの報告数がゼロ件、医療機関からの報告は9件、報告頻度は0.001%、そのうち重篤なものは5件、報告頻度は0.001%となっております。

 その下には転帰別の報告件数をまとめておりますが、後遺症症例や死亡症例の報告はございませんでした。

 次の2ページからは各副反応報告の症例一覧を記載しており、2ページが医療機関からの重篤症例、3ページが非重篤症例となっております。

 先ほどのおたふくかぜワクチンと同様に、髄膜炎の症例で検査結果が得られているものについては、副反応名の欄に*で検査結果をお示ししております。

 このうち、2ページの重篤症例のうちナンバー3の帯状疱疹の症例について補足がございます。基礎疾患の欄に記載がございませんが、この症例は接種1カ月後に生体肝移植を実施している症例でございまして、そのさらに1カ月後に帯状疱疹を発症したという症例でございます。患者の水疱液からワクチン株のウイルスが検出されております。

 その次の4ページは、アナフィラキシーが疑われる症例報告のまとめでございますが、今回の報告期間内にはアナフィラキシーとして報告された症例はございませんでした。

 最後の5ページには、これまで報告された副反応の種類別の集計結果をおつけしております。

 続きまして、その次の資料6「乾燥組織培養不活化A型肝炎ワクチンの副反応報告状況について」ですが、こちらについても今回の報告期間では製造販売業者からの報告、医療機関からの報告ともにゼロ件となっておりましたので、説明は割愛させていただきたいと思います。

 資料4~6についての説明は以上でございます。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 どうぞ。

○多屋委員 水痘ワクチンの重篤症例の一覧なのですけれども、3番目の患者さんは先ほど御説明いただきましたように肝移植後の発症ということで、副反応名が帯状疱疹と記載されているのですが、先ほどの御説明だと水疱が出現したということでした。帯状疱疹というのは医師がそのように記載されていたということでしょうか。

○事務局 お答えさせていただきます。

 御指摘のとおりでございまして、ドクターからの副反応報告では水痘ウイルスによる帯状疱疹という名前で報告されておりますので、そのとおり記載をさせていただいたというものでございます。

○五十嵐安全対策調査会長 発疹の分布などに関する記載はないのですか。

○事務局 分布につきましては、当初、右腰周りから腹部にかけて水疱が発生し、その後、背部、陰部にも拡大しているという状況でございます。

○五十嵐安全対策調査会長 岡部先生、いかがですか。

○岡部委員 報告された先生と接種医か、あるいは肝移植をフォローしている医療機関と同じかどうかというのは質問しても大丈夫ですか。大丈夫かというのは余りそこで個人情報が入ってはいけないという意味なのですけれども、そこの症状だけ見た先生が報告してきたのか、一連のところを見ている先生が報告しているのか。通常は、多分、多屋先生の質問も、接種2カ月ですね。2カ月で帯状疱疹というのは免疫異常であることを前提にしてもなさそうではあるけれども、報告は報告なので一応、それをどうこうしてくださいという意味ではないのですが。

○事務局 お答えさせていただきます。

 医療機関しかわからないのですけれども、接種した医療機関と今回報告をいただいている医療機関は同じ医療機関となっております。

○五十嵐安全対策調査会長 どうぞ。

○岡部委員 一応コメントとしてこの委員会で、例えばその先生のほうに本当に、本当にと言うと失礼ですけれども、帯状疱疹であるのか、あるいは水痘との鑑別が難しかったのかどうかとちょっと聞いていただけると、我々のほうも後の参考になるのですが。

○事務局 さらに詳細な調査ができるか検討させていただきたいと思います。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○桃井副反応検討部会長 今の症例で細かいことなのですが、記録は未回復となっていますのでもし問い合わせるのであれば、回復日を御確認いただきたいと思います。未回復のまま記録が残らないようにと思います。

○五十嵐安全対策調査会長 それでは、御指摘いただいた点をもう一度調査していただきたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。特にないようですね。

 それでは、これまで確認できました内容といたしましては、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いということはないようです。

 それから、今回の集計対象期間について、アナフィラキシー症例、後遺症症例、死亡症例等の報告はなかったということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐安全対策調査会長 それでは、この内容を踏まえまして、現状の取り扱いを変更する必要があるかどうかを御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 特段ないようですので、御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございます。それでは、そのようにしたいと思います。

 以上で水痘、おたふくかぜ、A型肝炎のワクチンの副反応報告は終了したいと思います。

 続きまして、資料7の御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料7について御説明をさせていただきます。資料7「23価肺炎球菌ワクチンの副反応報告状況について」をごらんください。

 1ページ目の見出しの下に記載しておりますとおり、成人用肺炎球菌ワクチンはMSD株式会社よりニューモバックスNPが平成18年より販売されております。これにつきまして、昨年8月1日から1031日までに報告された副反応報告を合計して集計したものが、1ページ目の真ん中に掲げております表でございます。

 期間中の医療機関への納入数量から接種可能延べ人数を約177万人と概算いたしまして、製造販売業者からの副反応報告数が19件、報告頻度は0.001%、医療機関からの報告数は非重篤のものも含めまして59件、報告頻度は0.003%、そのうち重篤なものは10件、報告頻度は0.001%となっております。

 その下にございます表は転帰の情報をまとめた表でございますが、今回の報告期間では、左側の製造販売業者からの報告について死亡症例が1例報告がございました。

 おめくりいただきまして、次のページをごらんください。2ページ目からは副反応報告の個別症例の情報をリストとしてまとめたものでございますが、2~3ページ目が製造販売業者からの報告、4~5ページ目が医療機関からの報告のうち重篤症例、6~9ページ目が医療機関報告のうち非重篤症例の情報となっております。

 その後ろの10ページをごらんください。こちらはアナフィラキシーが疑われる副反応症例について症例数をまとめた表でございますが、今回の報告ではアナフィラキシーが疑われる症例が1例報告されております。

 その詳細を次の11ページに記載しております。PMDAにおいて専門家の評価をいただいた結果、ブライトン分類レベルは3以下であり、一番右端の総合評価の欄に記載のとおり、アナフィラキシーとは判断できないとされております。

 次の12ページに参りまして、死亡症例報告の概要を表にしたものを記載しております。3例の症例を掲載しておりますが、このうち今回の集計対象期間に報告されたものは、真ん中の単独接種症例のナンバー1の症例、1という数字に丸がついておりますが、こちらの症例でございます。まずはこちらの症例の概要について御説明をさせていただきます。

 患者は高齢者の男性で、御家族からの電話で製造販売業者のコールセンター宛てに、ワクチン接種後に死亡した旨の連絡があったというものでございます。受診した医療機関等が不明であり、報告医の評価等詳細情報が入手できていないため、評価結果としては、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できないとされております。

 また、残りの2つの症例、上の同時接種症例のナンバー1の症例、下にあります単独接種症例のナンバー2の症例につきましては、今回の集計対象期間後に報告された症例でございまして、現在詳細情報を調査中となっております。次回以降に調査結果について御報告をさせていただく予定としております。

13ページには、委員限りとしまして、先ほどの死亡症例の概要をお示ししております。

 さらに、その次の14ページ以降は、平成25年4月以降に報告された副反応報告を種類別に件数をまとめたものを掲載しておりますので、参考としてごらんいただければと思います。

 資料7についての説明は以上でございます。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。特にありませんか。

 どうぞ。

○植松委員 植松でございます。

 調査中というのは、もうかなり日がたっていてまだ調査中というか、これからデータが上がってきてもう少し評価できる可能性があるのか、ほとんど可能性がないのか。

 恐らく、この年齢層での死亡というのは年間100万人くらいあるわけで、その中のタイミングとしてワクチン接種の時期であるというだけのことだろうと思うので、どうももう少し情報がないと判断できないと思うのですけれども、見込みか何か、情報が出てきたらもう一回この場で検討するのか、そういうところをちょっとはっきりさせておいてください。

 恐らく、死亡ということだけが先行して走るので、全然これは確率の低いものだということがあるのであれば、少しでもそういうニュアンスを伝えておく必要があると思います。

○事務局 お答えさせていただきます。

 御指摘のとおり、実際の副作用発生日から若干期間がたっている症例ではございますけれども、調査中と書かれているものにつきましては、改めて医療機関のほうに、さらに詳細な情報がないかということを確認させていただく作業も含めて調査中としておりますので、第一報ではわからなかった情報まで含めて評価等をさせていただいて、後日報告をさせていただくものでございます。

○五十嵐安全対策調査会長 よろしいでしょうか。

 いずれも接種してから2カ月ぐらいですから、まだちょっと時間が足りないのかもしれません。そのうちデータが出てくる可能性はあるとは思います。ほかはいかがでしょうか。

 それでは、特に御意見はないようですので、ここでまとめをしたいと思います。

 これまで確認できました内容といたしましては、まず、副反応の報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特段高いものではないようです。

 それから、アナフィラキシーとして報告された症例が1例ありましたけれども、専門家の評価の結果、これはアナフィラキシーとは判断できないという評価でありました。

 それから、死亡症例が1例ありましたけれども、現時点では情報不足のために、ワクチン接種との因果関係は判断できないというものでした。

 このようなことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐安全対策調査会長 この内容を踏まえまして、現状の取り扱いを変更する必要があるかどうか、御意見をいただきたいと思います。特にないでしょうか。

 御審議いただきましたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 以上で成人用肺炎球菌ワクチンの副反応報告を終了したいと思います。

 議題につきましては以上で終了ですが、事務局から報告事項があるということですので、資料8~10につきまして御説明をお願いいたします。

○事務局 続きまして、資料8及び資料9の死亡症例一覧について、まず御説明をさせていただきます。横置きの資料8「インフルエンザワクチン接種後の死亡症例一覧」をごらんください。

 通常はインフルエンザワクチンにつきましても、接種後の副反応の件数や報告頻度等の集計結果とともに御報告を差し上げておりますが、今回の報告対象期間が1031日までとなっておりますので、今シーズンの接種症例のごく一部分しか集計されないということになってしまうため、副反応報告状況の集計結果につきましては、次回以降改めて御報告をさせていただくということにしております。

 今回は、対象期間以降、昨年10月から12月に報告された死亡症例の概要を速報として報告させていただきたいと存じます。資料8をごらんいただきましたとおり、昨年10月から12月にインフルエンザワクチン接種後の死亡症例として報告された症例は合計10例ございました。いずれも詳細情報につきましては調査中となっておりますので、調査結果及び因果関係に係る専門家の評価結果は、次回以降の会議において御報告をさせていただきたいと存じます。

 続きまして、次の資料9「子宮頸がん予防ワクチン接種後の死亡症例一覧」をごらんください。こちらも先ほどのインフルエンザワクチンと同様に、今回、集計結果は報告対象となっておりませんが、報告対象期間以降に死亡症例が1例報告されましたので、同様に速報として概要を掲載しております。

 こちらは筋萎縮性側索硬化症遺伝子キャリアの10代の患者で、3回目のワクチン接種から約1年後に呼吸不全により死亡した症例です。こちらの症例に関しましては、現在入手できている情報を委員限りとして2ページ目以降におつけしております。また、さらなる詳細情報については現在調査中となっておりますので、次回以降に詳細調査の結果と因果関係評価について御報告をさせていただく予定としております。

 また、参考資料としまして関連資料を御用意しておりますので、そちらについても御説明をさせていただきます。

○事務局 事務局のほうから参考資料について説明をさせていただきます。

 子宮頸がん予防ワクチン接種後の死亡症例といたしまして、基礎疾患としてFUS遺伝子P525L変異陽性という背景があって筋萎縮性側索硬化症ということで死亡症例がございますので、参考資料を用意させていただきました。

 参考資料1、2、いずれも公表文献でございますが、参考資料1としまして「FUS変異によるALS臨床病理と病態」。参考資料1と2、委員の先生の資料におかれましては一緒にとじてあるかもしれませんけれども、2ページほどおめくりいただきまして、参考資料2として、英語の資料になりますが、症例報告の公表文献を用意させていただきました。内容について簡単に説明させていただきます。

 参考資料1は、FUS変異とALSについての総説でございます。最初にあるサマリーにも書いてございますとおり、FUS変異を伴うALS全体の臨床病型としては、比較的若年発症で、経過も2年程度と進行速度が速い経過であったということですとか、当該症例はP525Lの変異陽性の症例でございますが、参考とはなりますが、浸透率の参考データとして、R521C変異に伴う大家系では46人のうち半分に当たる23人が家族性ALSを発症しており浸透率は100%と考えられたということも記載がございます。

 続きまして、参考資料2でございますけれども、こちらのほうはFUS遺伝子のP525Lの変異陽性を背景としたALSの症例報告でございます。こちらについては11歳と比較的若年発症であるALSでございまして、14カ月の経過で気管切開に至ったという症例でございます。

 論文としては症例報告でございますが、おめくりいただきまして、著者による文献レビューとしまして、2ページ目の左下でございますけれども、公表文献としてこのような形でP525LFUS変異があった症例についてレビューされているものでございます。

 参考資料の説明については以上になります。

○五十嵐安全対策調査会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見をいただきたいと思います。特にありませんか。

 桃井先生、何か御意見はありますでしょうか。

○桃井副反応検討部会長 参考資料1、2で御提示いただいたように、FUSの変異によるALSは、ALS全体の中でも若年発症で進行が速いという特徴を有します。その中でも特にこの患者さんの有していた525番目のプロリンからロイシンへの置換を生じる変異は、より一層発症が若年で、より迅速に経過をするという症例の蓄積があります。

 論文2の表にもあるように、発症年齢は11歳、13歳、13歳、16歳、20代、そして一番上が32歳ということで、発症から死亡または呼吸管理までの期間は1024カ月、平均15.4カ月です。この症例の患者さんは13カ月で死亡されたということから、今までに報告されているFUSP525L変異症例と異なる点のない典型的な臨床経過であるということが言えると思います。

FUSのもう一つの変異の、遅く発症してやや緩やかな経過のR521C変異の場合は大家系があるので、資料1には浸透率100%と書いてあります。浸透率100%ということは、この遺伝子変異を持っていると100%発症するということになります。P525Lの変異に関しては若年発症で経過が早いために大家系の報告がないのですが、同胞と親の症例報告などを見ますと、この変異を持っていて発症していないという方の報告はないところから、P521Lの浸透率は100%に限りなく近いと考えるのが妥当ではないかと思います。

 そういう意味で、この遺伝子変異を持っていてこういう経過をたどられたということで、ワクチン接種と時期的には重複しておりますが、この遺伝子変異による疾患であると考えて疑問はないものと思われます。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 そのほかはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○岡部委員 海外文献でもHPVを接種した後にAmyotrophic Lateral Sclerosisが起きたという報告は文献的にはあるようですけれども、いずれも因果関係等は明確ではなくて、今、桃井先生がおっしゃったような時間的な因子はあるけれども、その両者を結びつけるだけの根拠はない。ただ、症例報告なのでリジェクトするわけにもいかないし、アクセプトするわけにもいかない。経過をきちんと見ていく必要があると述べている報告は拝見したことがあります。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。特にございませんか。

今回御説明をいただきました死亡症例につきましては、いずれも詳細情報を調査中となっておりますので、次回以降のこの会議で改めて御報告をいただきたいと思います。そのときにまた評価をしていただきたいと考えております。

 どうぞ。

○岡部委員 先ほど海外文献があったということですが、そういう症例が多数あるということではなくて、私が拝見した限りでは2例であるということです。

○五十嵐安全対策調査会長 わかりました。ありがとうございます。よろしいですか。

 では、死亡症例一覧についての御報告はこれで終了したいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、資料10について御説明をいただきたいと思います。

○事務局 資料10を用いまして説明させていただきます。「定期の予防接種等による副反応報告の取扱いについて」というものでございます。

 おめくりいただきまして、これにつきましては、平成251127日に公布されました薬事法等の一部を改正する法律に基づくものであります。

 次に、3ページ目でございます。具体的にどのような形で副反応報告制度が変わったかということでございますが、変更点といたしましては、予防接種法に基づく副反応報告、それから、旧薬事法に基づく副作用等報告、こちらをPMDAのほうに一元化させるというのが変更点でございます。

 また、従前どおりの取り扱いといたしまして、副反応報告の自治体への情報提供、こちらは厚生労働省から行う。もう一点、被接種者等からの報告、こちらも自治体を通じて厚生労働省へ報告するということで、この2点につきましては従前どおりの取り扱いということでございます。

 こちらは平成261125日に関係法令等が施行されております。

 おめくりいただきまして、4ページ目ですが、副反応報告制度の改正後の図でございます。に書かれております副反応報告、医療機関からの報告がこれまで厚生労働省に来ていましたのが、まずはPMDAに行くというものでございます。

 そのほか、参考資料3には、この予防接種法施行規則の一部を改正する省令の施行についての局長通知、参考資料4につきましては、こちらのタイトルにありますように取り扱いの一部改正ということで、こちらも1125日にお示ししているものでございます。

 報告は以上となります。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 何か御質問、御意見はありますでしょうか。

 どうぞ。

○柿崎委員 資料1のところで多屋委員から、重複と思われる症例が報告されていて重複ではないかという指摘があったのですけれども、この副反応の報告制度では、そういった重複症例を鑑別とか除外することはできるのでしょうか。

○事務局 事務局からお答えさせていただきます。

 今、説明させていただきましたのは予防接種法上の医療機関報告でございまして、資料1の3名については薬事法上の企業報告でございますので、若干そういう意味で制度として異なるものでございます。予防接種法上の医療機関報告につきましては、個人情報をある程度とっておりますので、ある程度の重複の排除は可能というものでございます。

○柿崎委員 ありがとうございます。

○五十嵐安全対策調査会長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、特にないようですので、本日の議事は終了したいと思いますが、事務局から何かございますでしょうか。

○事務局 本日は長時間にわたりまして活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。

 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡をさせていただきます。

 また、傍聴者の皆様へのお願いでございます。この後、審議会委員が御退室されますので、退室が終わりますまで、そのままお待ちいただければと思います。

 事務局からは以上でございます。

○五十嵐安全対策調査会長 ありがとうございました。

 では、本日の会議をこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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